JP4983690B2 - 車両用エンジンの遮音装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両用エンジンから発生する騒音を遮音する遮音装置に関し、車両の騒音抑制の技術分野に属する。
エンジンから発生する騒音は、爆発に起因して各部が振動することによるものであるが、特にエンジンの他の部位に比べて薄肉で振動しやすいオイルパン等でなるエンジン下部のオイル溜め部から発生する騒音が車室内の騒音として顕在化することがある。このオイル溜め部からの騒音を遮音するために、種々の遮音方法が存在する。
例えば特許文献1に記載された遮音方法は、エンジン下部のオイルパンをエンジンルームの下面に配設されたアンダーカバーより下方に突出させ、その大部分を該アンダーカバーの下側に配置している。
また、別の特許文献2に記載された方法では、オイルパン全体を覆う遮音カバーがエンジンに取り付けられている。
これらにより、車室内に到達するエンジン下部のオイル溜め部に由来する騒音を小さく抑制している。
特開2000−73781公報 特開2000−18094公報
ところで、特許文献1に記載された方法のように、オイルパンの大部分をアンダーカバーの下側に配置すると、車室内に到達する騒音が低減されると共に、オイルパンに走行風が当たって、貯留された潤滑油が効果的に冷却されるメリットがある。しかし、このような構造は、エンジン搭載位置の地上高が高いトラックなどの車両では可能であるが、エンジン搭載位置が低い乗用車などには、オイルパンと地面との距離が近くなりすぎるために適さない。
また、特許文献2に記載された方法のように、オイルパン全体を遮音カバーで覆うと、遮音性は良いものの、オイルパンに貯留された潤滑油に対する冷却性が損なわれる。
そこで、本発明は、トラックなどのエンジン搭載位置の地上高が高い車両に限らず、あらゆる車両に適用可能であり、エンジン下部のオイル溜め部に貯留された潤滑油に対する冷却性を損なうことなく、該オイル溜め部から発生する騒音を効果的に遮音することができる車両用エンジンの遮音装置を提供することを課題とする。
上述の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、車両前部のエンジンルームに軸方向が車幅方向と平行になるように搭載された車両用エンジンの遮音装置であって、
エンジンの下部を覆う遮音カバーが備えられ、
前記遮音カバーは、エンジン下部のオイル溜め部の下面との間に車両前方及び側方が開放された間隙を空けて覆う下壁部と、前記下壁部の車両後側端から立設して前記オイル溜め部の後面を覆う後方縦壁部とを備えており、
前記下壁部の後部には、オイル溜め部のオイルドレン部に対応する位置にサービス開口が形成されていることを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の車両用エンジンの遮音装置において、
前記後方縦壁部は、オイル溜め部の後面との間に上方が少なくとも部分的に開放された間隙を空けて立設されていることを特徴する。
さらに、請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の車両用エンジンの遮音装置において、
前記下壁部の上面に、前方から前記サービス開口に延びる溝が形成されていることを特徴とする。
さらにまた、請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれか1項に記載の車両用エンジンの遮音装置において、
前記オイル溜め部は、鋳造製の枠形状のアッパーオイルパンと、前記アッパーオイルパンの下端に周囲がボルトによって固定される浅皿形状のロアオイルパンとで構成され、
前記遮音カバーの下壁部が前記ボルトの頭頂部に接触することにより、前記下壁部と前記ロアオイルパンとの間の間隙が確保されていることを特徴とする。
加えて、請求項5に記載の発明は、請求項1から3のいずれか1項に記載の車両用エンジンの遮音装置において、
前記遮音カバーは、前記下壁部の側端から立設されて、オイル溜め部の側面を間隙を空けて覆う側方縦壁部を備え、
前記側方縦壁部の前記下壁部からの高さは、前記後方縦壁部より低く設定されていることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、車両前部のエンジンルームに搭載されたエンジンのオイル溜め部から車両後方側に向かう該オイル溜め部由来の騒音は、遮音カバーの後方縦壁部により遮音される。これにより、車室内に到達するオイル溜め部由来の騒音が小さく抑制される。また、走行中、車両前方からの走行風が、開放された前方からオイル溜め部の下面と遮音カバーの下壁部との間の間隙に取り込まれて、側方から抜けると共に、下壁部に形成されているサービス開口から抜ける。この走行風の流れにより、オイル溜め部が下面から冷却される。
また、請求項2に記載の発明によれば、後方縦壁部は、オイル溜め部の後面との間に上方が少なくとも部分的に開放された間隙を空けて立設されている。これにより、オイル溜め部後面と後方縦壁部との間の間隙に走行風が流れ、該走行風によりオイル溜め部が後面から冷却される。
さらに、請求項3に記載の発明によれば、下壁部の上面に、前方からサービス開口に延びる溝が形成されている。これにより、走行中、オイル溜め部と下壁部の間に侵入した雨水や小石などをサービス開口を介して排出することができる。
さらにまた、請求項4に記載の発明によれば、オイル溜め部は、鋳造製の枠形状のアッパーオイルパンと、該アッパーオイルパンの下端に周囲がボルトによって固定される浅皿形状のロアオイルパン部とで構成され、遮音カバーの下壁部が該ボルトの頭頂部に接触することにより、下壁部とロアオイルパンとの間の間隙が確保される。これにより、別途、下壁部とロアオイルパン部との間の間隙を確保するための部材を設ける必要がなくなる。
加えて、請求項5に記載の発明によれば、遮音カバーは、下壁部の側端から立設されて、オイル溜め部の側面を間隙を空けて覆う側方縦壁部を備え、側方縦壁部の下壁部からの高さは、後方縦壁部より低く設定されている。これにより、オイル溜め部側面と側方縦壁部との間の間隙に走行風が流れやすくなり、該走行風によりオイル溜め部が側面から冷却される。
以下、本発明の実施の形態について説明する。本発明に係る車両用エンジンの遮音装置を説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るエンジンを示している。図に符号10で示すエンジンは、シリンダブロック12と、その上部に取り付けられたシリンダヘッド14と、シリンダヘッド14の上部に取り付けられたシリンダヘッドカバー16と、シリンダヘッドカバー16の上部に取り付けられる化粧カバー18とを有する。また、エンジン10の潤滑油が溜まるオイル溜め部を構成する、シリンダブロック12の下部に取り付けられる枠形状のアッパーオイルパン20と、アッパーオイルパン20の下端に周囲がボルトによって固定される浅皿形状のロアオイルパン22とを有する。さらに、エンジンのタイミング系を構成するタイミングチェーン(図示せず)などを収容するチェーン室を画成する、シリンダブロック12の軸方向端面に取り付けられるチェーンケース24と、シリンダヘッド14、チェーンケース24、およびアッパーオイルパン20に渡ってこれらに取り付けられるチェーンカバー26とを有する。
また、エンジン10には、エンジン10の遮音装置を構成する複数の遮音カバー50〜58が取り付けられている。これらの遮音カバーは、エンジン10の後方に位置する車室(図面手前側)に到達する騒音を小さく抑制するためのもので、騒音を発生するエンジン10の部位を覆い、該部位から発生する騒音を遮音している。
遮音カバー50は、シリンダブロック12の車室側面12aを覆い、そこから発生する騒音を遮音している(エンジン10の上方から見た、エンジン10の部分的な断面を示す図2参照。)。特に、シリンダブロック12の他の部位に比べて、薄肉で振動しやすいスカート部の車室側面を中心的に覆っている。遮音カバー50は、他のエンジン10の構成要素(エンジンに接続されるホース類なども含む。)に干渉することなく、可能な限りこのシリンダブロック12の車室側面12aを覆っている。
遮音カバー52は、シリンダヘッドカバー16の車室側面を覆い、そこから発生する騒音を遮音している。シリンダヘッドカバー16は、薄肉な構造であるために振動して騒音を発生しやすく、その対処として、車室側面が可能な限り遮音カバー52に覆われるとともに、上面が化粧カバー18に覆われている。
遮音カバー54は、エンジン10のオイル溜め部を構成するアッパーオイルパン20とロアオイルパン22を覆い、そこから発生する騒音を遮音している。厳密に言えば、鋳造製である肉厚なアッパーオイルパン20ではなく、薄肉な、すなわち振動しやすいロアオイルパン22から発生する騒音を集中的に遮音している。
この本発明に係るエンジン10のオイル溜め部用の遮音カバー54の構造を具体的に説明する。
図3は、ロアオイルパン22側から見た(上方から見た)遮音カバー54を示している。また、図4は図3に示すA−A断面の断面図、図5はB−B断面の断面図、図6はC−C断面の断面図を示している。また、図7は取り付け状態のD−D断面の断面図、図8はE−E断面の断面図を示している。
図1や図3〜5に示すように、遮音カバー54は、ロアオイルパン22の下面との間に車両前方及び側方が開放された間隙を空けて覆う下壁部54aと、該下壁部54の車両後側端から立設してアッパーオイルパン20の後面を覆う後方縦壁部54bとを備えている。また、下壁部54aの後部には、図1や図4に示すように、ロアオイルパン22のドレンプラグ22aの取り外しおよび排油を可能とするために、サービス開口54cが形成されている。したがって、図3に示すように、走行風(白抜き矢印)は、車両前方(図面下側)からロアオイルパン22と遮音カバー54の下壁部54aとの間の間隙に入り、車両側方(図面左右側)から抜けると共に、サービス開口54cからも抜ける。この走行風の流れにより、ロアオイルパン22が冷却される。その結果、内部の潤滑油が冷却される。
遮音カバー54の後方縦壁部54bは、図4や図5に示すように、部分的にアッパーオイルパン20の後面20aに接している。具体的には、遮音カバー54は、高い遮音性や強度を確保するために、下壁部54aも含めて部分的にアッパーオイルパン20およびロアオイルパン22側の面に凸部(肉厚部)が形成されており、後方縦壁部54bには、図3にも示すようにアッパーオイルパン20の後面20aとの間に少なくとも部分的に上方が開放された間隙ができるように、複数の凸部54b1が形成され、その凸部54b1がアッパーオイルパン20の後面20aに接している。そのため、図3や図5に示すように、後方縦壁部54bの凸部54b1の間の凹部54b2は、走行風がアッパーオイルパン20の後面20aに沿って抜ける流路として機能する。この凹部54b2を流れる走行風により、アッパーオイルパン20がその後面20aから冷却される。その結果、内部の潤滑油が冷却される。
このように遮音カバー54の後方縦壁部54bがアッパーオイルパン20の後面20aに部分的に接する理由は、ロアオイルパン22から発生する騒音が、大音量のまま車室に到達しないようにするためである。
すなわち、この後方縦壁部54bは、ロアオイルパン22と車室との間に立って該ロアオイルパン22から発生する騒音を遮音することを主目的としている。したがって、アッパーオイルパン20の後面20aとの間に完全に上方が開放された間隙を空けて後方縦壁部54bが立設すると、その上方からロアオイルパン22から発生した騒音が大音量のまま漏れて車室に到達することが考えられる。したがって、後方縦壁部54は、部分的にアッパーオイルパン20の後面20aと接することにより、該オイルパン20に対する高い冷却性とロアオイルパン22から車室に向かう騒音に対する高い遮音性とを両立させている。もちろん、後方縦壁部54bは、車室側に面するアッパーオイルパン20の後面20aを覆っていることで、該後面20aから発生する騒音も抑制している。
なお、後方縦壁部54bとアッパーオイルパン20の後面20aとが全体的に接しても、その内部の潤滑油を十分に冷却することができるのであれば、後方縦壁部54bとアッパーオイルパン20の後面20aとが全体的に接してもよい。この場合、ロアオイルパン22から車室に向かう騒音に対する遮音性が高くなる。
一方、後方縦壁部54bとアッパーオイルパン20の後面20aとが完全に接していなくても、ロアオイルパン22から車室に向かう騒音に対する高い遮音性を確保できるのであれば、後方縦壁部54bとアッパーオイルパン20の後面20aとが完全に非接触であってもよい。この場合、アッパーオイルパン20に対する冷却性が高くなる。
後方縦壁部54bと同様に、下壁部54aにも複数の凸部54a1が形成されているが、これは、図4や図5に示すように、凸部54b1を介してアッパーオイルパン20の後面20aに部分的に接する後方縦壁部54bとは異なり、ロアオイルパン22に接していない。
下壁部54aの複数の凸部54a1は、図3に示すように、その間に、前方からサービス開口54cに延びる凹部54a2(溝)が配置されるように形成されている。この溝54a2は、走行中、ロアオイルパン22と下壁部54aの間に侵入した雨水や小石などをサービス開口54cを介して排出するために設けられている。
なお、このような凸部54a1、54b1が形成された遮音カバー54は、図3のC−C断面を示す図6に示すように、2つの表皮材100の間に吸音材や遮音材102を挟んだシートをプレス成形して作製されている。
また、遮音カバー54は、図1に示すように周縁(四隅)が4つのボルト200a、200b、202a、202bにより、アッパーオイルパン20に固定されている。
そのために、図3に示すように、遮音カバー54の下壁部54aには、前部の両側にボルト200a、200bそれぞれが貫通する通し穴54d1、54d2が形成されている。また、下壁部54aの後部の両側にボルト202a、202bそれぞれが貫通する通し穴54d3、54d4が形成されている。
4つのボルト200a、200b、202a、202bによる遮音カバー54の取り付けを図7や図8を用いて説明する。
下壁部54aの前部の取り付け状態を示す(ボルト200aによる取り付け状態を示す)図7に示すように、ボルト200aは、軸部にめねじが形成されたボルトであって、そのめねじがアッパーオイルパン20に打ち込まれたスタットボルト204のおねじに螺合することにより、遮音カバー54の下壁部54aの貫通穴54d1の周囲をアッパーオイルパン20に対して固定している。ボルト200bも同様である。
一方、下壁部54aの後部の取り付け状態を示す(ボルト202bによる取り付け状態を示す)図8に示すように、ボルト202bは、ロアオイルパン22をアッパーオイルパン20に固定するスタットボルト206の頭部に形成されためねじに螺合することにより、遮音カバー54の下壁部54aの貫通穴54d4の周囲をアッパーオイルパン20に対して固定している。ボルト202aも同様である。
さらに、遮音カバー54は、変形してロアオイルパン22に接触しないように、その下壁部54aとロアオイルパン22との間の間隙を部分的に確保されている。
具体的に説明すると、遮音カバー54は、四隅のみがボルト200a、200b、202a、202bにより固定されているので、それらの間が撓みやすく変形しやすい。特に前方側のボルト200aと200bとの間の遮音カバー54の前縁部が変形してロアオイルパン22に接触すると、走行風を下壁部54とロアオイルパン22との間に取り込むことができなくなるので、これを防止する必要がある。
そこで、図5に示すように、遮音カバー54の下壁部54aの前縁部とロアオイルパン22との間、すなわち走行風の取入れ口を確保するために、下壁部54の前縁部は、ロアオイルパン22をアッパーオイルパン20に固定するボルト208の頭頂部208aに接触している。これにより、遮音カバー54が変形して下壁部54aの前縁部がロアオイルパン22に接触しないようにしてある。また、同様に、下壁部54aの後縁部も、ロアオイルパン22をアッパーオイルパン20に固定するボルト210の頭頂部210aに接触し、ロアオイルパン22と接触しないようにされている。このように、ロアオイルパン22をアッパーオイルパン20に固定するボルト208、210を利用することにより、別途、下壁部54aとロアオイルパン22との間の間隙を確保するための部材を設ける必要がなくなる。
図1に戻り、遮音カバー56は、チェーンカバー26の上方部26aを可能な限り覆い(図2参照。)、そこから発生する騒音を遮音している。
また、この遮音カバー56は、その上部がシリンダヘッド14と接触している。
具体的に説明すると、エンジン10の軸方向から見た図9に示すように、遮音カバー56の上方には、シリンダヘッドカバー16に設けられた、エンジン10の潤滑油の注入口16aが存在する。この注入口16aへの潤滑油の注入は、注入口16aの上方に位置する化粧カバー18に形成された開口18aを介して行われるため、注入時、注入口16aの外に潤滑油を垂らすことがある。図9のF−F断面を示す図10を用いて説明すると、この垂れた潤滑油がシリンダヘッドカバー16の表面を伝ってその下の遮音カバー56とシリンダヘッド16との間に流れないように、遮音カバー56のその上部56aがシリンダヘッド14の上部に接触している。
図1に戻り、遮音カバー58は、図2に示すようにチェーンケース24のシリンダブロック12から車室側に突出した部分およびそこに取り付けられたバキュームポンプ220等から発生する騒音を遮音するためのもので、車室側に面して、エンジン10に取り付けられている。
以上、上述するような本実施形態によれば、複数の遮音カバー50〜58により、エンジン10から発生する、車室に到達する騒音は小さく抑制される。特に、エンジン10のオイル溜め部を構成するアッパーオイルパン20やロアオイルパン22を覆う遮音カバー54は、内部の潤滑油に対する冷却性を損なうことなく、ロアオイルパン22から発生する騒音を遮音することができる。
上述したように本発明を一実施形態を挙げて説明したが、本発明はこれに限定されない。
例えば、エンジン10のオイル溜め部を構成要素であるロアオイルパン22から発生するための遮音カバー54は、図6に示すように、2つの表皮材100の間に吸音材102を挟んだシートをプレス成形したものであるが、遮音カバーの材料や製造方法は、これに限定されない。例えば、高温耐性や吸音性に優れた1つの材料を、型成形して遮音カバーを製造してもよい。
また、エンジン10のオイル溜め部は、上述するように、鋳造製の枠形状のアッパーオイルパンと、その下端に周囲がボルトにより固定される浅皿形状のロアオイルパンとの2つの部材からなるものに限らず、例えば深皿形状の1つの部材であってもよい。
これに関連して、エンジンのオイル溜め部が薄肉な深皿形状の1つの部材で構成される場合、遮音カバーを、例えば図11に示す深皿形状のオイルパン400から発生する騒音を遮音する、オイルパン400の下面400aとの間に車両前方及び側方が開放された間隙を空けて覆う下壁部500aと、下壁部500aの車両後側端から立設してオイルパン400の後面400bを覆う後方縦壁部500bと、オイルパン400の側面400cを覆う側方縦壁部500cとを備える遮音カバー500のように、側方縦壁部を備える構成していもよい。
このような側方縦壁部を備える遮音カバーによれば、薄肉な深皿形状のオイル溜め部、またこれに限らず上述の実施形態のようなオイル溜め部(アッパーオイルパン20とロアオイルパン22とで構成されるオイル溜め部)でも、オイル溜め部から発生する騒音が、側方縦壁部がない場合に比べてより遮音される。
ただし、遮音カバーに側方縦壁部を設ける場合、下壁部からの高さを後方縦壁部より低く設定するのが好ましい。理由は、側方縦壁部が後方縦壁部より高いと、オイル溜め部の下面と下壁部との間の間隙に取り込まれた走行風が、側方に抜けにくくなり、オイル溜め部内部の潤滑油に対する冷却性が低くなるためである。したがって、側方縦壁部を後方縦壁部より低く設定することにより、走行風がオイル溜め部の側面と側方縦壁部との間の間隙を流れやすくなり、該走行風によりオイル溜め部が側面から冷却される。
以上のように、本発明に係る車両用エンジンの遮音装置によれば、トラックなどのエンジン搭載位置の地上高が高い車両に限らず、あらゆる車両に適用可能であり、エンジン下部のオイル溜め部に貯留された潤滑油に対する冷却性を損なうことなく、該オイル溜め部から発生する騒音を効果的に遮音することができる。したがって、エンジンの製造産業の分野において好適に利用される可能性がある。
本発明の一実施形態に係る遮音装置が取り付けられたエンジンを示す図である。 上方から見た、エンジンのシリンダブロックおよびその周辺の部分断面図である。 エンジンのオイル溜め部用の遮音カバーを、上方から見た図である。 図3に示すA−A断面の断面図である。 図3に示すB−B断面の断面図である。 図3に示すC−C断面の断面図である。 図3に示すD−D断面の断面図である。 図3に示すE−E断面の断面図である。 エンジンの軸方向から見た、チェーンカバー用の遮音カバーを示す図である。 図9に示すF−F断面の断面図である。 側方縦壁部を備えた、エンジンのオイル溜め部用の遮音カバーを示す図である。
符号の説明
10 エンジン
20 オイル溜め部(アッパーオイルパン)
22 オイル溜め部(ロアオイルパン)
22a オイルドレン部(ドレンプラグ)
54 遮音カバー
54a 下壁部
54b 後方縦壁部
54c サービス開口

Claims (5)

  1. 車両前部のエンジンルームに軸方向が車幅方向と平行になるように搭載された車両用エンジンの遮音装置であって、
    エンジンの下部を覆う遮音カバーが備えられ、
    前記遮音カバーは、エンジン下部のオイル溜め部の下面との間に車両前方及び側方が開放された間隙を空けて覆う下壁部と、前記下壁部の車両後側端から立設して前記オイル溜め部の後面を覆う後方縦壁部とを備えており、
    前記下壁部の後部には、オイル溜め部のオイルドレン部に対応する位置にサービス開口が形成されていることを特徴とする車両用エンジンの遮音装置。
  2. 請求項1に記載の車両用エンジンの遮音装置において、
    前記後方縦壁部は、オイル溜め部の後面との間に上方が少なくとも部分的に開放された間隙を空けて立設されていることを特徴する車両用エンジンの遮音装置。
  3. 請求項1または2に記載の車両用エンジンの遮音装置において、
    前記下壁部の上面に、前方から前記サービス開口に延びる溝が形成されていることを特徴とする車両用エンジンの遮音装置。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の車両用エンジンの遮音装置において、
    前記オイル溜め部は、鋳造製の枠形状のアッパーオイルパンと、前記アッパーオイルパンの下端に周囲がボルトによって固定される浅皿形状のロアオイルパンとで構成され、
    前記遮音カバーの下壁部が前記ボルトの頭頂部に接触することにより、前記下壁部と前記ロアオイルパンとの間の間隙が確保されていることを特徴とする車両用エンジンの遮音装置。
  5. 請求項1から3のいずれか1項に記載の車両用エンジンの遮音装置において、
    前記遮音カバーは、前記下壁部の側端から立設されて、オイル溜め部の側面を間隙を空けて覆う側方縦壁部を備え、
    前記側方縦壁部の前記下壁部からの高さは、前記後方縦壁部より低く設定されていることを特徴とする車両用エンジンの遮音装置。
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