JP7004170B2 - 内燃機関 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関に関する。
従来、カバーが取り付けられた内燃機関が周知である。特許文献1に開示の内燃機関は、ボルトによって取り付けられたカバーを有している。内燃機関には、ボルトを挿入する挿入孔が設けられている。
特開2013-167191号公報
ところで、カバーを取り付けた状態で、内燃機関の挿入孔とボルトとの間の隙間等に水が滞留すると、水の滞留箇所に腐食が発生するという問題があった。
上記課題を解決するための内燃機関は、締結部材によって機関本体に取り付けられるカバーを備え、前記締結部材は、前記カバーの貫通孔を貫通しつつ、その先端部が前記機関本体の挿入孔に挿入されている内燃機関であって、前記カバーは、前記貫通孔を有する底壁と当該底壁の周縁から立設された側壁とを含み、前記機関本体に向かって窪む凹部と、前記機関本体と対向する面に設けられた溝とを備え、前記機関本体が車両に搭載された状態において、前記挿入孔は、前記締結部材の挿入方向の先から基に向かって車両下側に傾斜しており、前記側壁は、前記貫通孔よりも車両下側に位置する部分がその立設方向の基から先に向かって車両下側に傾斜しており、前記溝は、前記貫通孔を介して前記挿入孔及び前記締結部材の間の隙間と連通しつつ、前記貫通孔から車両下側に向かって延びている。
この構成によれば、挿入孔と締結部材との間の隙間に浸入した水を溝に排出することができ、凹部内の水も凹部から排出することができる。したがって、挿入孔と締結部材との間の隙間や凹部に水が滞留しにくくなる。
カバーを取り付けた状態の内燃機関を示す図。 カバーの取付部分の縦断面図。 他の実施形態におけるカバーの取付部分の縦断面図。
内燃機関の一実施形態について、図1及び図2に従って説明する。各図では、車両前方を「Fr」、車両後方を「Rr」、車両前方に向かって車幅方向の右手側を「RH」、車両前方に向かって車幅方向の左手側を「LH」、車両上方を「Up」、車両下方を「Dw」としてそれぞれ矢印の向きで示している。前後方向、車幅方向、及び上下方向は、それぞれ直交している。
図1に示すように、車両の前方に位置するエンジンルームに搭載される内燃機関1は、機関本体10を備える。機関本体10は、機関本体10の車両前方に配置されている前面11、車両後方に配置されている後面12、車幅方向に配置される一対の側面13、車両上方に配置されている上面14及び車両下方に配置されている下面15を備えている。機関本体10は、車両に搭載された状態で、後面12が車両の斜め下方向を向くように傾斜している。
機関本体10の後面12には、カバー20が取り付けられている。本例のカバー20は、機関本体10で発生する振動や騒音の吸収、遮断、又はこれらの両方を行う。カバー20は、例えば厚みのある発泡ウレタンからなり、機関本体10において振動や騒音の発生部分の近傍に取り付けられる。
図1及び図2に示すように、カバー20は、機関本体10に複数の締結部材21によって取り付けられている(図1では3箇所を図示)。締結部材21は、例えばボルトであることが好ましい。
カバー20には、締結部材21が取り付けられる部分に、機関本体10側に向かって窪む凹部22を備えている。凹部22は、底壁23と、底壁23の周縁から立設された側壁24を有する。本実施形態の場合、側壁24は、底壁23に対して垂直に設けられている。機関本体10が車両に搭載された状態で、凹部22の側壁24は、その立設方向の基から先に向かって車両下側に傾斜している。
凹部22の底壁23には、締結部材21が貫通する貫通孔25が設けられている。また、機関本体10には、締結部材21が挿入される挿入孔26が設けられている。挿入孔26には、締結部材21(ボルト)に螺合する雌ねじが設けられている。締結部材21は、カバー20の貫通孔25に外方から貫通しつつ機関本体10の挿入孔26に挿入される。貫通孔25及び挿入孔26は、締結部材21の挿入方向の先から基へ向かって車両下側に傾斜している。
カバー20は、機関本体10に対向する面に設けられた溝27を備える。後面12と溝27との間には隙間が存在する。溝27は、その上端が貫通孔25に車両下側から接続している。溝27は、貫通孔25を介して挿入孔26及び締結部材21の間の隙間と連通しつつ、貫通孔25から車両下側へ延びている。また、カバー20は、機関本体10に対向する面と機関本体10との間に空間30を有している。空間30は、その車両下側でカバー20の外部へ開口している。溝27は、その下端が空間30に接続している。
本実施形態の作用効果について説明する。
(1)本実施形態において、機関本体10が車両に搭載された状態において、挿入孔26は、締結部材21の挿入方向の先から基へ向かって傾斜し、溝27は、挿入孔26と締結部材21との間の隙間と貫通孔25を介して連通しつつ、貫通孔25から車両下側に向かって延びている。この構成により、挿入孔26と締結部材21との間の隙間に侵入した水は、溝27に排出される。したがって、挿入孔26と締結部材21との間の隙間に水が滞留しにくくなる。
(2)本実施形態において、機関本体10が車両に搭載された状態において、凹部22は、その側壁24のうち貫通孔25よりも車両下側に位置する部分が、その立設方向の基から先に向かって車両下側に傾斜している。この構成により、挿入孔26と締結部材21との間の隙間に浸入した水が貫通孔25を通じて凹部22にした場合にも、凹部22内の水は、貫通孔25下側に位置する側壁24の傾斜に従って、凹部22の外へ排出される。したがって、凹部22に水が滞留しにくくなる。
(3)本実施形態において、溝27は、その下端で空間30に接続する構成とした。この構成により、溝27に侵入した水は、空間30へ排出され、さらに空間30の開口よりカバー20の外部へ排出される。したがって、溝27に水が滞留しにくくなる。
なお、本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・本実施形態において、凹部22において底壁23に対して側壁24は、垂直に立設する態様としたが、これに限定されない。例えば、他の態様について、図3を用いて説明する。
図3に示すように、側壁24は、その立設方向の基から先に向かって、凹部22内の空間が広がるように底壁23に対して傾斜している。この場合でも、側壁24のうち貫通孔より車両下側の部分は、立設方向の基から先に向かって車両下側へ傾斜している。そのため、凹部22に水が滞留しにくくなる。すなわち、凹部22内に水が滞留しないように、側壁24のうち貫通孔25よりも車両下側に位置する部分が、その立設方向の基から先に向かって車両下側に傾斜していればよい。
・本実施形態において、溝27は、貫通孔25を介して挿入孔26と連通しつつ、貫通孔25から車両下側へ延びていればよく、溝27の大きさや形状は、特に限定されない。また、溝27の下端が空間30に接続していることは、構成要素から省略可能である。すなわち、挿入孔26と締結部材21との間の隙間に浸入した水を、少なくとも溝27に排出できればよい。ただし、溝27に水を排出するにあたって、溝27の下端が空間30に接続していることで溝27に水が滞留しにくくなる。なお、空間30の形状は、特に限定されない。
・本実施形態において、締結部材21はボルトに限定されない。例えばクリップなどを適用できる。
・本実施形態において、カバー20の材質は発泡ウレタンに限定されない。例えば、繊維状プラスチックなどの他の吸音材及び遮音材を用いてもよい。また、カバー20の外方に化粧カバーを有していてもよい。
・本実施形態において、機関本体10において、カバー20の取付位置は、特に限定されない。例えば、カバー20の取付位置は、前面11、側面13、上面14、及び下面15でもよい。また、機関本体10には、例えばオイルパン、クランクケース、シリンダブロック、シリンダヘッド、トランスミッションケース及びチェーンケースなどの部材が含まれる。
・本実施形態において、カバー20は、振動や騒音を吸収又は遮断するものに限定されない。機関本体10に取り付けられるカバーであれば、審美性を高めるための化粧カバーなど、どのような機能を有するものでもよい。
1…内燃機関、10…機関本体、20…カバー、21…締結部材、22…凹部、23…底壁、24…側壁、25…貫通孔、26…挿入孔、27…溝、30…空間。

Claims (1)

  1. 締結部材によって機関本体に取り付けられるカバーを備え、前記締結部材は、前記カバーの貫通孔を貫通しつつ、その先端部が前記機関本体の挿入孔に挿入されている内燃機関であって、
    前記カバーは、
    前記貫通孔を有する底壁と当該底壁の周縁から立設された側壁とを含み、前記機関本体に向かって窪む凹部と、
    前記機関本体と対向する面に設けられた溝とを備え、
    前記機関本体が車両に搭載された状態において、
    前記挿入孔は、前記締結部材の挿入方向の先から基に向かって車両下側に傾斜しており、
    前記側壁は、前記貫通孔よりも車両下側に位置する部分がその立設方向の基から先に向かって車両下側に傾斜しており、
    前記溝は、前記貫通孔を介して前記挿入孔及び前記締結部材の間の隙間と連通しつつ、前記貫通孔から車両下側に向かって延びている内燃機関。
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