JP6937801B2 - パワーユニットカバー - Google Patents
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また、請求項2に記載の発明に係るパワーユニットカバーは、前記カバー本体は、前記上下方向に貫通する第一貫通孔(例えば、実施形態における第一貫通孔16)を有し、前記吸音部材は、前記上下方向に貫通する第二貫通孔(例えば、実施形態における第二貫通孔33)を有し、前記第一貫通孔と前記第二貫通孔とは重なるように配置されることを特徴としている。
また、請求項3に記載の発明に係るパワーユニットカバーは、前記第二貫通孔の外周部に設けられた開口周辺部の上面は、前記第二貫通孔から外周部へ向かうにつれて前記第二貫通孔の内形が拡大するように傾斜していることを特徴としている。
請求項4に記載の発明に係るパワーユニットカバー(例えば、実施形態におけるパワーユニットカバー1)は、車両の駆動源であるパワーユニット(例えば、実施形態におけるエンジン11)を前記車両の上下方向の少なくとも一方から覆うカバー本体(例えば、実施形態におけるカバー本体4)と、前記カバー本体から前記パワーユニット側へ突出する複数の凸部(例えば、実施形態における凸部5)と、を有するカバー部材(例えば、実施形態におけるカバー部材2)と、前記パワーユニットと前記カバー部材との間に配置され、前記凸部と対応する位置に凹部(例えば、実施形態における凹部31)が形成された吸音部材(例えば、実施形態における吸音部材3)と、を備え、前記凸部は、前記凹部の底面(例えば、実施形態における底面34)に当接し、前記凸部の高さ寸法(例えば、実施形態における高さ寸法H2)は、前記凹部の深さ寸法(例えば、実施形態における深さ寸法H1)よりも大きく形成され、複数の前記凸部同士の間において、前記吸音部材と前記カバー部材との間には隙間(例えば、実施形態における隙間S)が設けられており、前記カバー本体は、前記上下方向に貫通する第一貫通孔(例えば、実施形態における第一貫通孔16)を有し、前記吸音部材は、前記上下方向に貫通する第二貫通孔(例えば、実施形態における第二貫通孔33)を有し、前記第一貫通孔と前記第二貫通孔とは重なるように配置され、前記第二貫通孔の外周部に設けられた開口周辺部の上面は、前記第二貫通孔から外周部へ向かうにつれて前記第二貫通孔の内形が拡大するように傾斜していることを特徴としている。
また、請求項5に記載の発明に係るパワーユニットカバーは、前記カバー本体は、前記車両の前後方向に延びる水平部(例えば、実施形態における水平部8)と、前記水平部の前端から上方に傾斜する傾斜部(例えば、実施形態における傾斜部9)と、を備え、前記傾斜部に設けられる前記凸部の前記車両の車幅方向における間隔(例えば、実施形態における間隔L2)は、前記水平部に設けられる前記凸部の前記車幅方向における間隔(例えば、実施形態における間隔L1A)よりも狭いことを特徴としている。
凸部の高さ寸法は、凹部の深さ寸法よりも大きく形成されるので、凸部同士の間において、吸音部材とカバー部材との間に隙間を設けることができる。ここで、エンジン等のパワーユニットから発生した騒音は、先ず吸音部材に吸収され、さらに吸音部材を通り抜けた音が隙間内において吸音部材とカバー部材との間で繰り返し反射しながら吸音部材に吸収される。よって、吸音部材とカバー部材との間に隙間を設けることにより、吸音部材に吸収される音の総量を増加させ、吸音部材による吸音効果を高めることができる。また、隙間が狭いほど音の反射回数が増加するので、隙間を狭く設定することにより、吸音効果をより高めることができる。本発明のパワーユニットカバーによれば、凸部の高さを変更することにより、隙間の高さが調節される。このため、例えばカバー部材の金型における凸部に対応する溝深さを変更することにより、容易に凸部の高さを変更し、隙間を調節できる。よって、容易に隙間の高さを所望の高さに設定し、遮音性を向上できる。
したがって、厚みを抑制しつつ、遮音性を向上したパワーユニットカバーを提供できる。
カバー本体は第一貫通孔を有し、吸音部材は第二貫通孔を有するので、吸音部材とパワーユニットとの間や、吸音部材とカバー部材との間等に浸入した水などの異物は、第一貫通孔及び第二貫通孔を通じて排出される。これにより、吸音部材が長時間水などの異物に接触するのを抑制し、吸音部材の経年劣化を抑制できる。また、第一貫通孔と第二貫通孔とは重なるように配置されるので、カバー部材側からパワーユニット側を覗いた際に、パワーユニットカバー内の視認できる領域を拡大できる。これにより、メンテナンス時の作業性を向上できる。
開口周辺部の上面は、第二貫通孔から外周部へ向かうにつれて第二貫通孔の内形が拡大するように傾斜しているので、吸音部材とパワーユニットとの間や、吸音部材とカバー部材との間等に浸入した水などの異物を傾斜に沿って第二貫通孔に誘導し、カバー部材の外に容易に排出することができる。また、カバー部材側からパワーユニット側を覗いた際に、視認できる領域をより拡大できる。よって、吸音部材の経年劣化を抑制し、メンテナンス時の作業性をより向上したパワーユニットカバーとすることができる。
水平部に配置される凸部により、カバー部材に対する吸音部材の位置決めを容易に行うことができる。また、傾斜部によりエンジン等のパワーユニットの前方が覆われるので、パワーユニットからの音や振動等がカバー部材の外部に伝わるのを抑制できる。傾斜部は水平部よりも前方に設けられ、傾斜部に設けられる凸部の間隔は、水平部に設けられる凸部の間隔よりも狭いので、前方からの走行風に対して傾斜部の強度を確保することができる。
突出部及び溶着部は吸音部材の周縁部に設けられるので、カバー部材と吸音部材との間に設けられる隙間の領域を広く確保することができる。また、周縁部全体が溶着される場合と比較して、カバー部材と吸音部材との隙間の領域を広く確保することができる。これにより、隙間による吸音効果を一層高めることができる。
(パワーユニットカバー)
図1は、実施形態に係るパワーユニットカバー1を備える車体10を下方から見た斜視図である。
パワーユニットカバー1は、車体10に搭載された内燃機関であるエンジン11(請求項のパワーユニット)の下方を覆うように組付けられている。本実施形態において、パワーユニットカバー1は、車体10の前方に設けられている。パワーユニットカバー1は、エンジン11ルーム内で生じる騒音を吸収するとともに、騒音が車外及び車内に洩れるのを低減するための遮音機能を果たしている。
以下の説明において、図中のUPの記号は、車体10の上方と一致している。図中のFRの記号は、車体10の前方と一致している。
パワーユニットカバー1は、カバー部材2と、吸音部材3と、を備える。
図4は、図3のIV−IV線に沿う断面図である。
カバー部材2は、エンジン11の下方及び左右の側面を覆っている。カバー部材2は、例えば樹脂材料により形成されている。カバー部材2は、例えば図示しないクリップ等を用いて車体10に固定されている。カバー部材2は、カバー本体4と、複数の凸部5と、を有する。
カバー本体4は、前後方向から見て、左右方向に沿う断面形状がU字状となるように形成されている。カバー本体4は、複数の板部材を組み合わせて形成されている。具体的に、カバー本体4は、第一部材6と、一対の第二部材7と、を有する。
図2に示すように、水平部8は、前後方向及び左右方向(請求項の車幅方向)に延びる、ほぼ水平な矩形板状に形成されている。水平部8は、エンジン11の下面11a(図4参照)と対応する位置に配置されている。水平部8の前部には、前方へ向かうにつれて幅が縮小された幅狭部15が一体に形成されている。水平部8は、第一貫通孔16と、突出部17(図3参照)と、を有する。
図3及び図5に示すように、第一貫通孔16は、水平部8を上下方向に貫通している。第一貫通孔16は、複数設けられている。第一貫通孔16は、上下方向から見て、円形状又は長円形状に形成されている。
図6に示すように、突出部17は、水平部8からエンジン11側(上方)へ向かって突出している。より具体的に、突出部17は、詳しくは後述する吸音部材3の周縁部36に対向する位置において、吸音部材3側に突出するとともに吸音部材3に接触している。突出部17は、複数(本実施形態では6個)設けられている(図3も参照)。
図1及び図2に示すように、フランジ部19は、側壁部18の前方に設けられている。フランジ部19は、側壁部18と一体に形成されている。フランジ部19は、側壁部18の下端部18aから左右方向の内側に向かって延びている。フランジ部19は、水平部8における幅狭部15の左右方向の端部に接続されている。フランジ部19は、図示しない締結部材により幅狭部15に締結固定されている。
図3に示すように、吸音部材3は、カバー部材2とエンジン11との間に配置されている。吸音部材3は、板状に形成されている。吸音部材3は、上下方向から見て、カバー本体4の第一部材6と対応する形状に形成されている。具体的に、吸音部材3は、水平部8に対応する矩形状の第一部分25と、傾斜部9に対応する左右方向に長い長方形状の第二部分26と、左右方向の右方において第一部分25と第二部分26とを接続する第三部分27と、を有する。第一部分25の後端には、前方へ向かって凹む空洞部28が設けられている。
吸音部材3は、例えば多孔質な樹脂材料により形成されている。吸音部材3は、例えばエンジン11等により発生した音を吸収する部材である。吸音部材3は、凹部31と、溶着部32と、第二貫通孔33と、を有する。
凹部31は、吸音部材3の下面に設けられている。カバー部材2の上方に吸音部材3が配置された状態において、凹部31は、カバー部材2の縦リブ21及び横リブ22と対応する位置に形成されている。隣り合う凹部31同士の間は、膨出部35とされている。膨出部35は、上下方向から見て、矩形状に形成されている。膨出部35は、カバー部材2のリブ5により形成された第一枠部23及び第二枠部24内に配置されている。ここで、凹部31の深さ寸法H1は、リブ5の高さ寸法H2よりも小さい。凹部31の底面34には、リブ5が当接している。これにより、凹部31を除く吸音部材3(すなわち、膨出部35)と、カバー部材2の水平部8と、には隙間Sが設けられている。
第二貫通孔33は、吸音部材3を厚み方向に貫通している。上下方向から見て、第二貫通孔33は、カバー部材2の第一貫通孔16と重なるように配置されている(図3も参照)。吸音部材3における第二貫通孔33の外周部には、開口周辺部37が設けられている。開口周辺部37の上面は、第二貫通孔33から外周部へ向かうにつれて第二貫通孔33の内形が拡大するように傾斜している。
次に、パワーユニットカバー1の作用、効果について説明する。
本実施形態のパワーユニットカバー1によれば、吸音部材3は凹部31を有し、吸音部材3の凹部31にはカバー部材2の凸部5(リブ5)が配置される。これにより、隣り合うリブ5同士の間に吸音部材3が入り込んで配置されるので、吸音部材3の厚みを増加させつつパワーユニットカバー1全体の厚みを抑えることができる。
リブ5の高さ寸法H2は、凹部31の深さ寸法H1よりも大きく形成されるので、リブ5同士の間において、吸音部材3とカバー部材2との間に隙間Sを設けることができる。ここで、エンジン11等のパワーユニットから発生した騒音は、先ず吸音部材3に吸収され、さらに吸音部材3を通り抜けた音が隙間S内において吸音部材3とカバー部材2との間で繰り返し反射しながら吸音部材3に吸収される。よって、吸音部材3とカバー部材2との間に隙間Sを設けることにより、吸音部材3に吸収される音の総量を増加させ、吸音部材3による吸音効果を高めることができる。また、隙間Sが狭いほど音の反射回数が増加するので、隙間Sを狭く設定することにより、吸音効果をより高めることができる。本発明のパワーユニットカバー1によれば、凸部5の高さを変更することにより、隙間Sの高さが調節される。このため、例えばカバー部材2の金型におけるリブ5に対応する溝深さを変更することにより、容易にリブ5の高さを変更し、隙間Sを調節できる。よって、容易に隙間Sの高さを所望の高さに設定し、遮音性を向上できる。
したがって、厚みを抑制しつつ、遮音性を向上したパワーユニットカバー1を提供できる。
突出部17及び溶着部32は吸音部材3の周縁部36に設けられるので、カバー部材2と吸音部材3との間に設けられる隙間Sの領域を広く確保することができる。また、周縁部36全体が溶着される場合と比較して、カバー部材2と吸音部材3との隙間Sの領域を広く確保することができる。これにより、隙間Sで音を反射させる回数を増加させ、吸音効果を一層高めることができる。
例えば、上述した実施形態では、カバー部材2がサイドメンバ12に取り付けられる構成について説明したが、これに限らない。例えば、カバー部材2は、車体10のフロアやクロスメンバ等、サイドメンバ12以外の部品に取り付けられてもよい。
第一貫通孔16及び第二貫通孔33の個数及び形状は、上述した実施形態に限定されない。
カバー部材2と吸音部材3との固定は、例えばボルト締結やカシメ等、溶着以外の方法で固定されてもよい。
2 カバー部材
3 吸音部材
4 カバー本体
5 リブ(凸部)
8 水平部
9 傾斜部
11 エンジン(パワーユニット)
12 サイドメンバ
16 第一貫通孔
17 突出部
18 側壁部
18a 下端部
19 フランジ部
21 縦リブ
22 横リブ
23 第一枠部(枠部)
24 第二枠部(枠部)
31 凹部
32 溶着部
33 第二貫通孔
34 底面
35 膨出部
36 周縁部
37 開口周辺部
H1 凸部の高さ寸法
H2 凹部の深さ寸法
L1A 水平部におけるリブの間隔
L2 傾斜部におけるリブの間隔
S 隙間
Claims (10)
- 車両の駆動源であるパワーユニットを前記車両の上下方向の少なくとも一方から覆うカバー本体と、前記カバー本体から前記パワーユニット側へ突出する複数の凸部と、を有するカバー部材と、
前記パワーユニットと前記カバー部材との間に配置され、前記凸部と対応する位置に凹部が形成された吸音部材と、
を備え、
前記凸部は、前記凹部の底面に当接し、
前記凸部の高さ寸法は、前記凹部の深さ寸法よりも大きく形成され、
複数の前記凸部同士の間において、前記吸音部材と前記カバー部材との間には隙間が設けられており、
前記カバー本体は、
前記車両の前後方向に延びる水平部と、
前記水平部の前端から上方に傾斜する傾斜部と、
を備え、
前記傾斜部に設けられる前記凸部の前記車両の車幅方向における間隔は、前記水平部に設けられる前記凸部の前記車幅方向における間隔よりも狭いことを特徴とするパワーユニットカバー。 - 前記カバー本体は、前記上下方向に貫通する第一貫通孔を有し、
前記吸音部材は、前記上下方向に貫通する第二貫通孔を有し、
前記第一貫通孔と前記第二貫通孔とは重なるように配置されることを特徴とする請求項1に記載のパワーユニットカバー。 - 前記第二貫通孔の外周部に設けられた開口周辺部の上面は、前記第二貫通孔から外周部へ向かうにつれて前記第二貫通孔の内形が拡大するように傾斜していることを特徴とする請求項2に記載のパワーユニットカバー。
- 車両の駆動源であるパワーユニットを前記車両の上下方向の少なくとも一方から覆うカバー本体と、前記カバー本体から前記パワーユニット側へ突出する複数の凸部と、を有するカバー部材と、
前記パワーユニットと前記カバー部材との間に配置され、前記凸部と対応する位置に凹部が形成された吸音部材と、
を備え、
前記凸部は、前記凹部の底面に当接し、
前記凸部の高さ寸法は、前記凹部の深さ寸法よりも大きく形成され、
複数の前記凸部同士の間において、前記吸音部材と前記カバー部材との間には隙間が設けられており、
前記カバー本体は、前記上下方向に貫通する第一貫通孔を有し、
前記吸音部材は、前記上下方向に貫通する第二貫通孔を有し、
前記第一貫通孔と前記第二貫通孔とは重なるように配置され、
前記第二貫通孔の外周部に設けられた開口周辺部の上面は、前記第二貫通孔から外周部へ向かうにつれて前記第二貫通孔の内形が拡大するように傾斜していることを特徴とするパワーユニットカバー。 - 前記カバー本体は、
前記車両の前後方向に延びる水平部と、
前記水平部の前端から上方に傾斜する傾斜部と、
を備え、
前記傾斜部に設けられる前記凸部の前記車両の車幅方向における間隔は、前記水平部に設けられる前記凸部の前記車幅方向における間隔よりも狭いことを特徴とする請求項4に記載のパワーユニットカバー。 - 前記凸部はリブであることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のパワーユニットカバー。
- 前記リブは、一対の縦リブと、前記一対の縦リブと交差する一対の横リブと、を有し、
前記吸音部材は、前記一対の縦リブ及び前記一対の横リブにより囲まれた枠部に配置される膨出部を有することを特徴とする請求項6に記載のパワーユニットカバー。 - 前記カバー本体は、前記吸音部材の周縁部に対向する位置において前記吸音部材側に突出する突出部を有し、
前記吸音部材は、前記突出部に溶着される溶着部を有することを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のパワーユニットカバー。 - 前記カバー本体は、
前記車両の車幅方向の両側に設けられる側壁部と、
前記車両の前後方向において前記側壁部の前方に設けられ、前記側壁部の下端部から前記車幅方向の内側に延びるフランジ部と、
を備え、
前記カバー本体は、前記側壁部を介して前記車両の前記前後方向に延びるサイドメンバに連結されていることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載のパワーユニットカバー。 - 前記吸音部材は、前記車幅方向から見て、前記サイドメンバと重なるように配置されることを特徴とする請求項9に記載のパワーユニットカバー。
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