JP2012166717A - 車両外装用吸音構造体並びに車両の吸音構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】より優れた吸音性能を発揮する車両外装用吸音構造体を提供する。
【解決手段】板状本体と、該板状本体に対して厚さ方向に間隔を隔てて対向配置された、板状の樹脂発泡体からなる吸音板14との間に、それらの間の空間を仕切るように直立配置された板状リブ16,18,20にて、外部から閉鎖された空気室を複数形成する一方、吸音板14に対して、それら複数の空気室を外部に連通させる第一貫通孔32が複数集合した第一貫通孔集合領域40を形成し、更に、複数の空気室を外部に連通させる、第一貫通孔32よりも開口面積が小さくて細い第二貫通孔34が複数集合した第二貫通孔集合領域44を、該第一貫通孔集合領域40を取り囲んで形成して、構成した。
【選択図】図1
【解決手段】板状本体と、該板状本体に対して厚さ方向に間隔を隔てて対向配置された、板状の樹脂発泡体からなる吸音板14との間に、それらの間の空間を仕切るように直立配置された板状リブ16,18,20にて、外部から閉鎖された空気室を複数形成する一方、吸音板14に対して、それら複数の空気室を外部に連通させる第一貫通孔32が複数集合した第一貫通孔集合領域40を形成し、更に、複数の空気室を外部に連通させる、第一貫通孔32よりも開口面積が小さくて細い第二貫通孔34が複数集合した第二貫通孔集合領域44を、該第一貫通孔集合領域40を取り囲んで形成して、構成した。
【選択図】図1
Description
本発明は、車両外装用吸音構造体と車両の吸音構造に係り、特に、自動車の車体に外装されて、エンジン音やロードノイズ等の騒音を吸収するのに好適に使用可能な車両外装用吸音構造体と、それらの騒音の車室内への伝達を有利に防止可能な車両の吸音構造とに関するものである。
従来から、自動車等の車両においては、車室内の静粛性を高めるために、様々な吸音乃至は防音構造が付与されている。例えば、排気管等に消音器を取り付けたり、エンジンルームと車室とを仕切るダッシュパネルに吸音材を固着したりすること等によって、エンジン音や吸・排気音等の車室内への伝達が防止されるようになっている。
また、最近では、車体の床下の少なくとも一部を覆って配置されて、走行時に生ずる空気抵抗の軽減を図るエンジンアンダーカバーやフロアアンダーカバー等の各種のアンダーカバーや、車体のホイールハウス内に取り付けられて、ホイールハウスを保護するフェンダーライナー等の車両用外装品に対しても、エンジンルーム内から伝わるエンジン音、或いはタイヤの路面との転がり接触によって発生するパターンノイズやロードノイズ等を吸音するための構造が、付与されている。
例えば、特開2009−160959号公報(特許文献1)には、グラスウール製やロックウール製の不織布や樹脂発泡体等からなる吸音材を、エンジンルーム側の面に取り付けて構成したエンジンアンダーカバーが、開示されている。また、特開平8−207833号公報(特許文献2)には、カバー本体に空気層画成プレートを取り付けて、それらカバー本体と空気層画成プレートとの間に複数の空気層(空気室)を画成すると共に、それら複数の空気層を外部に連通する貫通孔を形成することにより、カバー本体に対して、複数のヘルムホルツ型共鳴器を設けてなるエンジンアンダーカバーが、明らかにされている。更に、特開2002−348767号公報(特許文献3)には、合成樹脂繊維からなる不織布を用いて形成されたフェンダーライナーが明らかにされている。これらの吸音構造を備えたエンジンアンダーカバーやフェンダーライナー等、所謂、車両外装用吸音構造体においては、構造体本体自身(フェンダーライナー等)が多孔質体にて構成されていることによって、或いは構造体本体(エンジンアンダーカバー等)に取付乃至は形成される吸音材やヘルムホルツ型共鳴器によって、吸音作用が発揮されるようになっている。
しかしながら、そのような従来の車両外装用吸音構造体では、近年の自動車に対する高級化指向に伴う更に高いレベルでの静粛性の要求に対して、十分に対応することが困難であった。
ここにおいて、本発明は、上述せる如き事情を背景にして為されたものであって、その解決課題とするところは、より優れた吸音性能を発揮する車両外装用吸音構造体を提供することにある。また、本発明にあっては、車両用外装品に伝わる音が、より高いレベルで吸収され得る車両の吸音構造を提供することをも、その解決課題とするところである。
本発明者は、かかる課題の解決のために、種々検討を行う過程で、車両外装用吸音構造体に対して、多孔質体による吸音構造とヘルムホルツの共鳴原理を利用した吸音構造とを兼備させることによって、車両外装用吸音構造体の吸音性能の向上を図ることを着想した。そして、そのような着想を基に、更に鋭意研究を重ねた結果、ヘルムホルツ型共鳴器を構成する空気室を外部に連通させる貫通孔を、開口面積が大きくて太い大貫通孔と、それよりも開口面積が小さくて細い小貫通孔とにて構成し、また、それら大貫通孔と小貫通孔の形成位置を特定の位置とすることによって、より一層優れた吸音作用が発揮され得ることを見出したのである。
すなわち、本発明は、かかる知見に基づいて完成されたものであって、その要旨とするところは、車体に外装されて、吸音を行う車両外装用吸音構造体であって、(a)車体に外装される板状本体と、(b)該板状本体との間に空間を形成するように、該板状本体に対して、該板状本体の厚さ方向に間隔を隔てて対向配置された、板状の樹脂発泡体からなる吸音板と、(c)前記板状本体と前記吸音板との間に、前記空間を複数に仕切るように直立配置されて、かかる仕切空間からなる、外部から閉鎖された空気室を、該板状本体と該吸音板との間に複数形成する複数の板状リブと、(d)前記複数の空気室を外部に連通させるように、前記吸音板を貫通して設けられた複数の第一貫通孔と、(e)前記複数の空気室を外部に連通させるように、前記吸音板を貫通して設けられた、前記第一貫通孔よりも開口面積が小さくて細い複数の第二貫通孔とを含み、更に、前記吸音板に対して、前記第一貫通孔が複数集合した第一貫通孔集合領域が設けられると共に、前記第二貫通孔が複数集合した第二貫通孔集合領域が、該第一貫通孔集合領域を取り囲んで設けられていることを特徴とする車両外装用吸音構造体を、その要旨とするものである。
なお、本発明の好ましい態様の一つによれば、前記第一貫通孔集合領域が、前記吸音板の複数箇所に設けられると共に、前記第二貫通孔集合領域が、該複数の第一貫通孔集合領域のそれぞれを取り囲んで、該吸音板の複数箇所に設けられる。
また、本発明の有利な態様の一つによれば、前記板状本体が、樹脂成形体にて構成されると共に、前記複数の板状リブが、該板状本体に一体成形されることとなる。
そして、本発明にあっては、車体に外装される車両用外装品に伝わる音を吸収する車両の吸音構造であって、板状の樹脂発泡体からなる吸音板を、前記車両用外装品に対して、間隔を隔てて対向配置して、該吸音板と該車両用外装品との間に空間を形成する一方、複数の板状リブを、該吸音板と該車両用外装品との間に、前記空間を複数に仕切るように直立配置して、かかる仕切空間からなる、外部から閉鎖された空気室を、該吸音板と該車両用外装品との間に複数形成し、更に、複数の第一貫通孔と、該第一貫通孔よりも開口面積が小さくて細い複数の第二貫通孔とを、前記複数の空気室を外部に連通させるように、該吸音板に設けると共に、該吸音板に対して、該第一貫通孔が複数集合した第一貫通孔集合領域と、該第二貫通孔が複数集合した第二貫通孔集合領域とを、該第一貫通孔集合領域が該第二貫通孔集合領域にて取り囲まれるように設けたことを特徴とする車両の吸音構造をも、また、その要旨とするものである。
すなわち、本発明に従う車両外装用吸音構造体にあっては、吸音板側から板状本体に伝わる音が、樹脂発泡体からなる吸音板によって吸収される。また、それら板状本体と吸音板との間に形成される複数の空気室と、それら複数の空気室を外部に連通させるように、吸音板に設けられた複数の第一及び第二貫通孔とによって、複数のヘルムホルツ型共鳴器が構成され、それら複数のヘルムホルツ型共鳴器によっても、吸音板側から板状本体に伝わる音が吸収される。
そして、本発明に係る車両外装用吸音構造体では、特に、吸音板に対して、第一貫通孔が複数集合した第一貫通孔集合領域と、第二貫通孔が複数集合した第二貫通孔集合領域とが、第一貫通孔集合領域を第二貫通孔集合領域にて取り囲んだ状態で設けられている。これによって、単に、樹脂発泡体からなる吸音板とヘルムホルツ型共鳴器とを組み合わせただけでは到底得られない、より優れた吸音作用が、極めて効果的に発揮され得る。
従って、かくの如き本発明に従う車両外装用吸音構造体にあっては、板状本体に伝わる音を、より一層十分に且つ確実に吸収することができるのである。
そして、本発明に従う車両の吸音構造によれば、本発明に係る車両外装用吸音構造体において奏される上記した優れた作用・効果と実質的に同一の作用・効果が、極めて有効に享受され得るのである。
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の構成について、図面を参照しつつ、詳細に説明することとする。
先ず、図1には、本発明に従う構造を有する車両外装用吸音構造体の一実施形態として、自動車のエンジンルームの下部を覆って設置される自動車のエンジンアンダーカバーが、その平面形態において示されている。また、図2及び図3には、かかるエンジンアンダーカバーの互いに異なる切断方向での縦断面形態が、それぞれ示されている。それら図1乃至図3から明らかなように、本実施形態のエンジンアンダーカバー10は、カバー本体12と、それに固着された吸音板14とを有している。そして、このエンジンアンダーカバー10は、吸音板14をエンジンルーム側に位置させた状態で、自動車の車体に取り付けられるようになっている(図5参照)。なお、以下からは、エンジンアンダーカバー10の自動車への設置状態に基づいて、エンジンアンダーカバー10におけるカバー本体12の配置側を下側、吸音材板14の配置側を上側と言い、図1中の上下方向を前後方向、図1中の左右方向を、単に、左右方向若しくは車幅方向と言うこととする。
より具体的には、カバー本体12は、例えば、複合強化ポリプロピレン樹脂を用いて射出成形された樹脂成形品からなっている。また、図2乃至図4に示されるように、かかるカバー本体12は、全体として、車幅方向に対応する幅が前後方向長さよりも大きくされた横長矩形状の平板形態を有している。なお、カバー本体12の形成材料は、複合強化ポリプロピレン樹脂に何等限定されるものではない。例えば、ポリエチレンやポリプロピレン、或いはそれらのブレンド材料等、高温となるエンジンルーム内の温度に耐え得る耐熱性乃至は難燃性を備えた公知の樹脂材料も、カバー本体12の形成材料として用いられ得る。また、カバー本体12の形状も、設置されるべき車種等に応じて、適宜に変更可能である。
平板形態を呈するカバー本体12の上面の外周縁部には、外側枠状リブ16が、直立状態で、一体的に立設されている。この外側枠状リブ16は、カバー本体12よりも薄肉の平板からなり、全体として、カバー本体12の全周に亘って、一定の高さで周方向に連続して延びる矩形の枠状形態を呈している。即ち、外側枠状リブ16は、カバー本体12の前後の端縁部に沿って延びる前側リブ17a及び後側リブ17bと、左右の端縁部に沿って延びる左側リブ17c及び右側リブ17dとを一体的に有して、構成されている。
また、カバー本体12の上面において、外周縁部から所定寸法だけ内側に入り込んだ位置には、内側枠状リブ18が、直立状態で、一体的に立設されている。この内側枠状リブ18は、外側枠状リブ16と同一厚さの平板からなり、全体として、外側枠状リブ16よりも一周り小さな矩形の枠状形態を呈している。そして、カバー本体12の全周に亘って、外側枠状リブ16と同じ一定の高さで周方向に連続して延びるように形成されている。即ち、内側枠状リブ18は、外側枠状リブ16の前側リブ17aと後側リブ17bと左側リブ17cと右側リブ17dに対して、それぞれ所定距離を隔てて対向配置された前側リブ19aと後側リブ19bと左側リブ19cと右側リブ19dとを一体的に有して、構成されている。ここでは、外側枠状リブ16と内側枠状リブ18の互いに対向配置されたリブ17a〜17d,19a〜19dとのそれぞれの対向面間距離が、同一の大きさとされている。
さらに、外側枠状リブ16と内側枠状リブ18との間には、複数の仕切リブ20が、直立状態で、一体的に立設されている。それら各仕切リブ20は、外側枠状リブ16や内側枠状リブ18と同一厚さの平板からなっている。そして、外側枠状リブ16と内側枠状リブ18の前側リブ17a,19a同士の間において、2個の仕切リブ20,20が、内側枠状リブ18の左側リブ19cと右側リブ19dとに対して一直線に延びるように配置されていると共に、それら2個の仕切リブ20,20間に、複数(ここでは、5個)の仕切リブ20が、左右方向に等間隔を隔てて互いに対向配置されて、外側及び内側枠状リブ16,18の前側リブ17a,19aを相互に連結するように立設されている。また、外側枠状リブ16と内側枠状リブ18の後側リブ17b,19b同士の間にも、複数の仕切リブ20が、外側及び内側枠状リブ16,18の前側リブ17a,19a同士の間と同様な配置状態で立設されている。更に、外側枠状リブ16と内側枠状リブ18の左側リブ17c,19c同士の間には、2個の仕切リブ20,20が、内側枠状リブ18の前側リブ19aと後側リブ19bとに対して一直線に延びるように配置されていると共に、それら2個の仕切リブ20,20間に、複数(ここでは、2個)の仕切リブ20が、前後方向に等間隔を隔てて互いに対向配置されて、外側及び内側枠状リブ16,18の左側リブ17c,19cを相互に連結するように立設されている。また、外側枠状リブ16と内側枠状リブ18の右側リブ17d,19d同士の間にも、複数の仕切リブ20が、外側及び内側枠状リブ16,18の左側リブ17c,19c同士の間と同様な配置状態で立設されている。
これによって、カバー本体12の上面側の中央部分に、内側枠状リブ18にて四方が囲まれて、上方に開口する、容積が大きな仕切空間としての第一空間21が形成されている。また、カバー本体12の上面側の外周部に、外側枠状リブ16の一部分と、内側枠状リブ18の一部分と、2個の仕切リブ20,20とにて、四方が囲まれて、上方に開口する、第一空間21よりも容積の小さな仕切空間としての第二空間22が、複数形成されている。それら複数の第二空間22は、第一空間21の全周を取り囲むように、配置されている。
そして、カバー本体12の左右の端縁部には、取付突起23が、それぞれ複数個(ここでは、2個)ずつ、側方に突出するように一体形成されている。それら各取付突起23には、ボルト孔24がそれぞれ形成されている。
一方、図1乃至図4に示されるように、吸音板14は、全体として、カバー本体12と略同じ大きさの横長矩形状の平板形態を有している。そして、この吸音板14は、例えば、ポリプロピレンを用いて射出発泡成形された樹脂発泡体からなっている。吸音板14の形成材料は、ポリプロピレンに、何等限定されるものではない。例えば、ポリエチレンや、ポリプロピレンとポリエチレンのブレンド材料、ガラス繊維強化ポリプロピレン等、高温となるエンジンルーム内の温度に耐え得る耐熱性乃至は難燃性を備えた、発泡成形が可能な公知の樹脂材料も、吸音板14の形成材料として用いられ得る。
なお、本発明は、エンジンアンダーカバー10以外にも、各種の車両外装用吸音構造体に適用可能であって、例えば、カバー本体に吸音板が取り付けられてなるフロアアンダーカバーにも適用できる。フロアアンダーカバーでは、自動車への設置状態下で、吸音板が道路側に露出して配置される。そのるため、そのような吸音板は、小石等の衝突によって破損乃至は損傷しないように、十分な耐衝撃性を有していることが望ましい。そこで、かかるフロアアンダーカバーが有する吸音材のように、車体の外部に露出して設置される吸音板の形成材料としては、熱可塑性樹脂に対して熱可塑性エラストマを混合してなる、耐衝撃性に優れたブレンド材料が、好適に用いられる。そのようなブレンド材料を構成する熱可塑性樹脂には、例えば、ポリプロピレンやポリエチレン、或いはそれらの混合材料が挙げられる。また、熱可塑性エラストマには、エチレン−オクデン共重合体やエチレン−ブテン共重合体等が例示され得る。そして、この熱可塑性樹脂と熱可塑性エラストマとのブレンド材料を吸音板の形成材料として用いる場合には、熱可塑性エラストマが、熱可塑性樹脂に対して15〜35重量%の範囲内となる量において混合されたブレンド材料が、好適に使用される。何故なら、熱可塑性エラストマの混合割合が15重量%を下回る場合には、熱可塑性エラストマの混合による吸音板の耐衝撃性の向上が不充分なものとなってしまう恐れがあるからであり、熱可塑性エラストマの混合割合が35重量%を超える場合には、高価な熱可塑性エラストマの使用量の増大によるコストの高騰や吸音板の剛性の低下が惹起される可能性があるからである。
ところで、図2及び図3から明らかなように、本実施形態のエンジンアンダーカバー10が有する吸音板14は、厚さ方向の中心部分が発泡層26とされている。この発泡層26は、細長い多数の気泡27が相互に連通してなる連続気泡構造を有している。そして、かかる発泡層26を間に挟んだ厚さ方向の両側に位置する上面側部分と下面側部分とが、それぞれ非発泡で、発泡層26よりも剛性の高い上面側スキン層28と下面側スキン層30とされている。つまり、吸音板14は、上面側スキン層28と下面側スキン層30との間に発泡層26が挟まれて位置するように、それら三層28,30,26が積層形成されてなる複層構造を有している。
また、かかる吸音板14には、第一貫通孔32と第二貫通孔34とが、上面側スキン層28と発泡層26と下面側スキン層30の全てを上下方向(厚さ方向)に貫通して真っ直ぐに延びるように、それぞれ、多数、形成されている。それら多数の第一貫通孔32は、互いに同じ径の円形状開口部と円筒状内周面とを有している。また、多数の第二貫通孔34も、互いに同じ径の円形状開口部と円筒状内周面とを有している。そして、第二貫通孔34の円形開口部の径が、第一貫通孔32の円形開口部よりも小さく、且つ第二貫通孔の円筒状内周面の径が、第一貫通孔32の円筒状内周面の径よりも小さくされている。即ち、第二貫通孔34が、第一貫通孔32よりも開口面積が小さくて細い円形孔とされているのである。
そのような多数の第一貫通孔32と多数の第二貫通孔34は、何れも、発泡層26に設けられた、互いに連通する多数の気泡27の幾つかのものに連通している。これによって、発泡層26内部の多数の気泡27が、多数の第一及び第二貫通孔32,34を通じて、上面側及び下面側スキン層28,30の表面上において、外部に開口している。
このため、吸音板14にあっては、その上下両面に、非発泡の上面側及び下面側スキン層28,30が形成されていることで、発泡層26のみからなる構造のものに比して、剛性が高められ、それにより、吸音板14全体の曲げ剛性乃至は曲げ強度が効果的に高められている。また、その一方で、非発泡の上面側及び下面側スキン層28,30を有しているにも拘わらず、外部から伝わる音が、上面側及び下面側スキン層28,30を貫通する多数の第一及び第二貫通孔32,34を通じて、発泡層26内の互いに連通する多数の気泡27内に導かれて拡散するようになっている。それにより、多数の気泡27内に拡散した音のエネルギーが、発泡層26の共振現象を起こして、運動エネルギーに変換され、更に、かかる運動エネルギーが熱エネルギーに変換されて消散し、その結果、吸音が行われるようになっているのである。
そして、図1乃至図3に示されるように、上記の如き構造とされた吸音板14は、その下面において、カバー本体12と所定距離を隔てて対向した状態で、カバー本体12の外側及び内側枠状リブ16,18の先端面と全ての仕切リブ20の先端面とに重ね合わされて、配置されている。また、そのような配置状態下で、吸音板14が、カバー本体12の各リブ16,18,20のそれぞれの先端面に対して、接着剤層(図示せず)を介して接着されている。これにより、本実施形態のエンジンアンダーカバー10が、カバー本体12と吸音板14との一体接合品として、構成されている。
かくして、かかるエンジンアンダーカバー10にあっては、カバー本体12の上面の中央部分に、内側枠状リブ18にて四方が囲まれて、上方に開口するように形成された前記第一空間21の上側開口部と、かかる第一空間21を取り囲んで配置された複数の第二空間22の上側開口部とが、何れも、吸音板14にて覆蓋されている。これにより、エンジンアンダーカバー10の中央部分に、第一空間21が外部から閉鎖されてなる、大容積の第一空気室36が形成されている。また、エンジンアンダーカバー10の外周部には、複数の第二空間22が外部から閉鎖されてなる、小容積の第二空気室38が形成されている。また、それら複数の第二空気室38は、第一空気室36を、その全周に亘って取り囲み、エンジンアンダーカバー10の周方向に一列に並んで配置されている。
そして、ここでは、特に、第一空間21の上側開口部を閉鎖して、第一空気室36を形成する吸音板14の中央部分に、大径の第一貫通孔32が、縦横に並んで配置された状態で、多数集合して、設けられている。即ち、第一貫通孔32が多数集合した第一貫通孔集合領域40が、吸音板14の中央部分に形成されている。そして、かかる第一貫通孔集合領域40に設けられた多数の第一貫通孔32を通じて、第一空気室36が、外部に連通させられている。これにより、エンジンアンダーカバー10の中央部位に、第一空気室36と多数の第一貫通孔32とにて構成された、大容積の第一ヘルムホルツ型共鳴器42が、1個だけ形成されている。
また、吸音板14のうち、第一空間21を取り囲んで位置する複数の第二空間22のそれぞれの上側開口部を閉鎖して、複数の第二空気室38を形成する部分であって、第一貫通孔集合領域40の形成部位を除く吸音板14の外周部には、小径の第二貫通孔34が、縦横に並んで配置された状態で、多数集合して、設けられている。即ち、吸音板14の外周部に、第二貫通孔34が多数集合した第二貫通孔集合領域44が、第一貫通孔集合領域40の全周を取り囲みつつ、吸音板14の周方向に連続して延びるように形成されている。そして、かかる第二貫通孔集合領域44に設けられた多数の第二貫通孔34を通じて、複数の第二空気室38の全てが、外部に連通させられている。
かくして、エンジンアンダーカバー10の外周部に、複数の第二空気室38と多数の第二貫通孔34とにて構成された、小容積の第二ヘルムホルツ型共鳴器46が、エンジンアンダーカバー10の中央部に形成された前記第一ヘルムホルツ型共鳴器42を取り囲むようにして、複数形成されている。なお、ここでは、各第二ヘルムホルツ型共鳴器46の第二空気室38を外部に連通させる第二貫通孔34の個数が、互いに同数とされている。
かくの如き構造とされた本実施形態のエンジンアンダーカバー10は、例えば、図5に示されるようにして、自動車に設置される。即ち、吸音板14をエンジンルーム48内に位置させる一方、カバー本体12を、エンジンルーム48の下部において、下面が外部に露出され、且つエンジンルーム48がカバー本体12にて下側から覆われるように配置する。そして、そのような配置状態下で、カバー本体12の各取付突起23のボルト孔24に挿通された取付ボルト50にて、カバー本体12を自動車のサイドメンバ52にボルト固定する。これによって、エンジンアンダーカバー10を、エンジンルーム48の下部において、エンジンルーム48を下側から覆った状態で、設置するのである。
かくしてエンジンアンダーカバー10がエンジンルーム48を下側から覆って設置された状態下では、エンジンルーム48内に位置するエンジン54の駆動音等の騒音が、エンジンアンダーカバー10の吸音板14に設けられた複数の第一貫通孔32内と複数の第二貫通孔34内に侵入し、そこから吸音板14の発泡層26の多数の気泡27内に伝わって、拡散する。これにより、吸音板14において、エンジンルーム48内の騒音に対する吸音作用が発揮される。また、複数の第一貫通孔32内に侵入した騒音は、それら複数の第一貫通孔32とそれらに連通する第一空気室36とにて構成された第一ヘルムホルツ型共鳴器42によって吸収される。更に、複数の第二貫通孔34内に侵入した騒音は、それら複数の第二貫通孔34とそれらに連通する複数の第二空気室38とにて構成された複数の第二ヘルムホルツ型共鳴器46によって吸収される。
そして、特に、本実施形態のエンジンアンダーカバー10にあっては、第一貫通孔集合領域40が吸音板14の中央部分に形成されて、内径が大きな(開口面積が大きくて太い)第一貫通孔32の多数が、吸音板14の中央部分に集中的に配置されている。また、第二貫通孔集合領域44が、吸音板14の外周部に、第一貫通孔集合領域40を取り囲むように形成されて、第一貫通孔32よりも内径が小さな(開口面積が小さくて細い)第二貫通孔34の多数が、吸音板14の外周部に、多数の第一貫通孔32の全てのものの周りを取り囲むように配置されている。これによって、単に、吸音板14の連続した多数の気泡27による吸音作用と、第一及び第二ヘルムホルツ型共鳴器42,46による吸音作用とを組み合わせただけでは到底得られない優れた吸音作用が、極めて効果的に発揮されるようになっているのである。
なお、一般に、エンジンアンダーカバー10には、カバー本体12に、水抜き孔(直径が5mm程度)等の貫通孔が複数個設けられている(図示せず)が、これらの貫通孔は、吸音板14や第一及び第二ヘルムホルツ型共鳴器42,46による吸音性能には殆ど影響を与えない。
また、上記のような優れた吸音作用を発揮させるためには、多数の大径の第一貫通孔32と多数の小径の第二貫通孔34の吸音板14に対する形成位置が極めて重要となるのであって、それら第一貫通孔32と第二貫通孔34の内径の差は、然程、問題とならない。それ故、第一及び第二貫通孔32,34のそれぞれの内径は、吸音板14の大きさ等に応じて、適宜に決定されるところであるが、一般には、大径の第一貫通孔32の内径が3〜10mm程度の範囲内の大きさとされ、小径の第二貫通孔34の内径が2〜6mmの範囲内で、且つ第一貫通孔32の内径よりも小さな大きさとされる。何故なら、第一貫通孔32の内径が10mmよりも大きい場合には、第一空気室36内に異物が侵入する恐れがあるからであり、また、第二貫通孔34の内径が2mmよりも小さい場合には、砂や埃等によって第二貫通孔34が目詰まりする可能性があるからである。
さらに、大径の第一貫通孔32の内径と小径の第二貫通孔34の内径の差の大きさも、何等限定されるものではないものの、好ましくは、第一貫通孔32の内径が、第二貫通孔34の内径に対して150〜250%程度の範囲内の値とされる。何故なら、第一貫通孔32の内径が、第二貫通孔34の内径に対して150%未満とされている場合には、第一貫通孔32の内径と第二貫通孔34の内径との差が余りに小さくなる。そのため、吸音板14の中央部分に第一貫通孔集合領域40を設ける一方、吸音板14の外周部に、第一貫通孔集合領域40を取り囲むようにして、第二貫通孔集合領域44を設けることによって得られる吸音効果を、吸音板14の全体に同一径の貫通孔を分散配置させて、形成した場合に得られる吸音効果よりも十分に高めることが困難となる恐れがあるからである。また、第一貫通孔32の内径が、第二貫通孔34の内径に対して250%を超える大きさとしても、第一貫通孔32と第二貫通孔34との内径の違いによる吸音効果の更なる向上は望めず、却って、第一貫通孔32の内径が大きくされている分だけ、吸音板14全体の開口率が大きくなり、それが、吸音板14の強度低下を招く可能性があるからである。
このように、本実施形態のエンジンアンダーカバー10にあっては、エンジンルーム48を下側から覆って自動車の下部に設置されることにより、従来の吸音構造付きのエンジンアンダーカバーでは到底得られない優れた吸音作用を発揮する。そして、その結果として、エンジンルーム48内に位置するエンジン54の駆動音等、エンジンルーム48内から発せられる騒音を、より一層十分に且つ確実に吸収することができるのである。
ところで、前記第一の実施形態では、第一貫通孔集合領域40が、吸音板14の中央部に1個だけ設けられ、その周りを取り囲むようにして、第二貫通孔集合領域44が形成されていた。しかしながら、吸音板14に形成される第一貫通孔集合領域40の個数と形成位置は、特に限定されるものではない。また、第二貫通孔集合領域44は、第一貫通孔集合領域40を取り囲むように設けられておれば、様々な形成形態が採用可能である。
図6及び図7には、第一貫通孔集合領域40と第二貫通孔集合領域44とが、吸音板14に対して、前記第一の実施形態とは異なる形態をもって形成された、別の実施形態としてのエンジンアンダーカバー55が、示されている。なお、本実施形態に係るエンジンアンダーカバー55に関しては、前記第一の実施形態に係るエンジンアンダーカバー10と同様な構造とされた部材及び部位について、図1乃至図4と同一の符号を図6及び図7に付すことにより、その詳細な説明を省略する。また、後述する図8及び図9に示された、更に別の実施形態に関しても同様とする。
すなわち、図6及び図7から明らかなように、本実施形態のエンジンアンダーカバー55にあっては、カバー本体12の上面の外周縁部に、外側枠状リブ16が一体的に立設されている。また、カバー本体12の上面の外周縁部から内側に所定寸法だけ入り込んだ位置には、4個の内側枠状リブ56,56,56,56が、互いに所定距離を隔てて、縦と横に2個ずつ並んで位置するように、一体的に立設されている。それら各内側枠状リブ56は、前記第一の実施形態に係るエンジンアンダーカバー10のカバー本体12に設けられる内側枠状リブ18よりも小さな矩形形状を有している。更に、4個の内側枠状リブ56,56,56,56同士の間と、外側枠状リブ16と各内側枠状リブ56との間には、それらを相互に連結する仕切リブ20が、前後方向や左右方向に一定の間隔を隔てて対向位置するように、一体的に立設されている。これにより、カバー本体12の中央部分に、4個の内側枠状リブ56,56,56,56にて囲まれて、上方に開口する4個の第一空間58,58,58,58が形成されている。また、カバー本体12に対して、内側枠状リブ56と外側枠状リブ16と仕切リブ20とにて囲まれて、上方に開口する多数の第二空間22が、4個の第一空間58,58,58,58のそれぞれを取り囲むように配置されて、形成されている。
一方、吸音板14の中央部分の互いに所定の間隔を隔てた4箇所には、大径の第一貫通孔32の複数が集合した第一貫通孔集合領域40が、それぞれ形成されている。また、かかる吸音板14には、小径の第二貫通孔34の複数が集合した第二貫通孔集合領域44が、4個の第一貫通孔集合領域40,40,40,40のそれぞれの周りを取り囲むように形成されている。
そして、そのような吸音板14が、外側及び内側リブ16,56と仕切リブ20の先端面に重ね合わされ、接着されることにより、カバー本体12に対して、上下方向に所定距離を隔てた状態で、各リブ16,56,20を介して接合されている。また、そのような吸音板14のカバー本体12への接合状態下で、4個の第一空間58,58,58,58の上方への開口部のそれぞれが、吸音板14の4個の第一貫通孔集合領域40にて閉鎖されている。更に、多数の第二空間22の上方への開口部が、吸音板14の第二貫通孔集合領域44にて閉鎖されている。
これにより、吸音板14とカバー本体12との間に、4個の第一空間58,58,58,58が閉鎖されてなる4個の第一空気室60,60,60,60が形成され、また、それら各第一空気室60が、複数の第一貫通孔32を通じて外部に連通させられている。更に、多数の第二空間22が閉鎖されてなる多数の第二空気室38が形成され、また、それら各第二空気室38が、複数の第二貫通孔34を通じて外部に連通させられている。
かくして、エンジンアンダーカバー55の中央部位に、第一空気室60と複数の第一貫通孔32とにて構成された、大容積の第一ヘルムホルツ型共鳴器62が、4個形成されている。また、エンジンアンダーカバー55に対して、複数の第二空気室38と多数の第二貫通孔34とにて構成された、小容積の第二ヘルムホルツ型共鳴器46が、エンジンアンダーカバー55の中央部に形成された4個の第一ヘルムホルツ型共鳴器62,62,62,62をそれぞれ取り囲むようにして、複数形成されている。なお、ここでは、各第一ヘルムホルツ型共鳴器62の第一空気室60を外部に連通させる第一貫通孔32の個数が、互いに同数とされ、また、各第二ヘルムホルツ型共鳴器46の第二空気室38を外部に連通させる第二貫通孔34の個数が、互いに同数とされている。
このような構造とされたエンジンアンダーカバー55においては、エンジンルーム48の下部を覆った状態で自動車に設置されることによって、エンジンルーム48内で発生する騒音が、吸音板14に設けられた、互いに連通する多数の気泡27による吸音作用と、4個の第一ヘルムホルツ型共鳴器62,62,62,62と複数の第二ヘルムホルツ型共鳴器46のそれぞれの吸音作用とによって、有利に吸収され得る。そして、特に、かかるエンジンアンダーカバー55にあっては、吸音板14の中央部分の複数箇所(ここでは4箇所)に、第一貫通孔集合領域40が設けられて、それらの第一貫通孔集合領域40をそれぞれ取り囲むように、第二貫通孔集合領域44が形成されている。それ故、単に、吸音板14の連続した多数の気泡27による吸音作用と、第一及び第二ヘルムホルツ型共鳴器62,46による吸音作用とを組み合わせただけでは到底得られない優れた吸音作用が、吸音板14の中央部分の1箇所に第一貫通孔集合領域40が設けられる場合よりも、更に一層効果的に発揮される。
従って、本実施形態のエンジンアンダーカバー55にあっては、エンジンルーム48内から発せられる騒音を、より一段と高いレベルで十分に且つ確実に吸収することができるのである。
このように、第一貫通孔集合領域40は、第二貫通孔集合領域44にて取り囲まれておれば、吸音板14への形成個数や形成位置は、何等限定されるものではなく、例えば、吸音板14の大きさや形状等によって、適宜に変更可能なのである。
次に、図8及び図9には、第一ヘルムホルツ型共鳴器42と第二ヘルムホルツ型共鳴器70の構造が、前記第二の実施形態とは異なる、更に別の実施形態としてのエンジンアンダーカバー64が、その平面形態と横断面形態とにおいて、それぞれ示されている。
図8及び図9から明らかなように、本実施形態のエンジンアンダーカバー64では、カバー本体12の上面の外周縁部に、外側枠状リブ16が一体的に立設されている。また、カバー本体12の上面の外周縁部から内側に所定寸法だけ入り込んだ位置には、内側枠状リブ18が、外側枠状リブ16と所定距離を隔てて対向配置された状態で、一体的に立設されている。それら外側枠状リブ16と内側枠状リブ18は、前記第一の実施形態に係るエンジンアンダーカバー10のカバー本体12に設けられる外側枠状リブ16及び内側枠状リブ18と同一の形状と構造を有している。また、ここでは、仕切リブ20が何等設けられていない。これによって、カバー本体12の中央部分に、内側枠状リブ18にて囲まれて、上方に開口する第一空間21が形成されている。また、カバー本体12の外周部には、内側枠状リブ18と外側枠状リブ16とにて囲まれて、上方に開口する第二空間66が、第一空間21を外側から取り囲むように形成されている。この第二空間66は、カバー本体12の外周縁部に沿って連続的に延びる環状形態を有している。
一方、吸音板14には、複数の第一貫通孔32と、それよりも多い数の第二貫通孔34とが、前記第二の実施形態に係るエンジンアンダーカバー55の吸音板14に対する第一貫通孔32と第二貫通孔34の形成形態と同一の形態において形成されている。即ち、吸音板14には、その中央部分の互いに所定の間隔を隔てた4箇所に、第一貫通孔32の複数が集合した第一貫通孔集合領域40がそれぞれ形成されており、また、それら4個の第一貫通孔集合領域40,40,40,40のそれぞれの周りを取り囲むようにして、第二貫通孔34の複数が集合した第二貫通孔集合領域44が、形成されている。
そして、そのような吸音板14が、外側及び内側リブ16,18の先端面に重ね合わされ、接着されることにより、カバー本体12に対して、上下方向に所定距離を隔てた状態で、各リブ16,18を介して接合されている。また、そのような吸音板14のカバー本体12への接合状態下で、第一空間21と第二空間66のそれぞれの上方への開口部が、吸音板14にて閉鎖されている。
これにより、吸音板14とカバー本体12との間に、第一空間21が閉鎖されてなる第一空気室36が形成されていると共に、第二空間66が閉鎖されてなる第二空気室68が、第一空気室36を取り囲むように形成されている。そして、第一空気室36が、吸音板14の中央部分に位置する4個の第一貫通孔集合領域40に設けられた複数の第一貫通孔32と、それら4個の第一貫通孔集合領域40の間に位置して吸音板14の中央部分に設けられた複数の第二貫通孔34とを通じて、外部に連通させられている。また、第二空気室68が、吸音板14の外周部に形成された複数の第二貫通孔34を通じて、外部に連通させられている。
かくして、エンジンアンダーカバー64の中央部位に、第一空気室36と複数の第一貫通孔32と複数の第二貫通孔34とにて構成された第一ヘルムホルツ型共鳴器42が形成されている。また、エンジンアンダーカバー64の外周部に対して、第二空気室68と複数の第二貫通孔34とにて構成された第二ヘルムホルツ型共鳴器70が、エンジンアンダーカバー64の中央部に形成された第一ヘルムホルツ型共鳴器42を取り囲むように形成されている。
このような構造とされたエンジンアンダーカバー64にあっても、前記第一及び第二の実施形態に係るエンジンアンダーカバー10,55と同様に、エンジンルーム48内で発生する騒音が、吸音板14による吸音作用と、第一及び第二ヘルムホルツ型共鳴器42,70による吸音作用とによって、有利に吸収され得る。しかも、第一貫通孔32よりも内径が小さな第二貫通孔34の多数が、複数の第一貫通孔32の全てのものの周りを取り囲むように配置されて、吸音板14に形成されているため、単に、吸音板14による吸音作用と、第一及び第二ヘルムホルツ型共鳴器42,70による吸音作用とを組み合わせただけでは到底得られない優れた吸音作用が、極めて効果的に発揮される。
従って、本実施形態のエンジンアンダーカバー64にあっても、エンジンルーム48内から発せられる騒音を、より一層十分に且つ確実に吸収することができるのである。
第一乃至第三の実施形態から明らかなように、カバー本体12と吸音板14との間において、第一ヘルムホルツ型共鳴器42,62の第一空気室36,60と、第二ヘルムホルツ型共鳴器46,70の第二空気室38,68とを画成する板状のリブ16,18,20,56の形状や、カバー本体12と吸音板14との間での配置形態は、特に限定されるものではなく、適宜に変更可能なのである。
ここにおいて、本発明に従う構造を有する車両外装用吸音構造体が、前記した優れた特徴を有するものであることを確認するために、本発明者によって実施された試験について、詳述する。
すなわち、先ず、図4に示されるように、全体として矩形状の平板からなり、一方の板面に対して、外側枠状リブと内側枠状リブとが互いに対向位置するように一体形成されると共に、それら外側枠状リブと内側枠状リブとの間に、複数の仕切リブが等間隔を隔てて一体形成されてなるカバー本体を、ポリプロピレンを用いた射出成形を行うことにより、5個成形して、準備した。かくして得られた5個のカバー本体のそれぞれの縦×横×厚さを333mm×333mm×2mmとした。また、それら各カバー本体に設けられた外側枠状リブと内側枠状リブと仕切リブのそれぞれの厚さを2mm、高さを10mmとした。更に、互いに隣り合う仕切リブ間の距離を75mmとした。
また、それとは別に、ガラス繊維強化ポリプロピレンを用いた射出発泡成形をコアバック方式により実施して、発泡層と、かかる発泡層の厚さ方向両側にスキン層がそれぞれ積層形成された複層構造を有する矩形平板状の樹脂発泡体を、5個成形して、準備した。かくして得られた5個の樹脂発泡体の縦×横のサイズを、カバー本体と同じ333mm×333mmとした。また、それら各樹脂発泡体の厚さを10mmとした。なお、各樹脂発泡体の発泡層を、多数の気泡が互いに連通してなる連続気泡構造とした。
次に、上記のようにして得られた5個の樹脂発泡体のうちの1個を用い、図1に示されるように、かかる1個の樹脂発泡体の中央部分に対して、内径が5mmの大貫通孔を、縦横に並んで集合して位置するように複数個形成し、また、その外周部に対して、内径が3mmの小貫通孔を、内径が5mmの大貫通孔が集合する部分を取り囲むように複数個形成した。かくして、大貫通孔と小貫通孔とがそれぞれ複数個ずつ形成された樹脂発泡体を吸音板1とした。なお、この吸音板1の開口率(吸音板1の一方の面の面積に対する全ての貫通孔の開口面積の合計の百分率)を5.6%とした。
そして、かくして得られた吸音板1と、先に成形されたカバー本体の1個とを用い、かかる1個のカバー本体の外側枠状リブと内側枠状リブと仕切リブのそれぞれの先端面に、吸音板1を重ね合わせて、接着した。これにより、図1に示されるように、吸音板の中央部分に、大貫通孔が複数個集合した大貫通孔集合領域が形成されると共に、小貫通孔が複数個集合した小貫通孔集合領域が、大貫通孔集合領域を取り囲むようにして、吸音板の外周部に形成され、更に、複数のヘルムホルツ型共鳴器が設けられた、本発明に従う構造を有するエンジンアンダーカバーを作製した。このエンジンアンダーカバーを実施例1とした。
また、別の1個の樹脂発泡体を用い、図6に示されるように、かかる1個の樹脂発泡体の中央部分の4箇所に、内径が5mmの大貫通孔を、縦横に並んで集合して位置するように、それぞれ複数個ずつ形成した。また、樹脂発泡体の中央部分のうち、大貫通孔が集合する四つの部分の間に位置する部分と、樹脂発泡体の外周部に対して、内径が3mmの小貫通孔を、大貫通孔が集合する四つの部分を取り囲むように複数個ずつ形成した。かくして、大貫通孔と小貫通孔とがそれぞれ複数個ずつ形成された樹脂発泡体を吸音板2とした。なお、この吸音板2の開口率も、吸音板1の開口率と同じ5.6%とした。
そして、かくして得られた吸音板2と、先に成形されたカバー本体の1個とを用い、実施例1のエンジンアンダーカバーを形成する際と同様に、1個のカバー本体の外側枠状リブと内側枠状リブと仕切リブのそれぞれの先端面に吸音板2を接着した。これにより、吸音板に対して、その中央部分に、大貫通孔が複数個集合した大貫通孔集合領域が4個形成されると共に、小貫通孔が複数個集合した小貫通孔集合領域が、各大貫通孔集合領域をそれぞれ取り囲むように形成され、更に、複数のヘルムホルツ型共鳴器が設けられた、本発明に従う構造を有するエンジンアンダーカバーを作製した。このエンジンアンダーカバーを実施例2とした。
また、別の1個の樹脂発泡体を用い、かかる1個の樹脂発泡体の全体に、内径が4mmの中貫通孔を、互いに一定の間隔を隔てて縦横に並んで位置するように、多数個形成した。この中貫通孔のみが、多数、分散して位置するように形成された樹脂発泡体を吸音板3とした。なお、かかる吸音板3の開口率も、吸音板1の開口率と同じ5.6%とした。
そして、かくして得られた吸音板3と、先に成形されたカバー本体の1個とを用い、実施例1のエンジンアンダーカバーを形成する際と同様に、1個のカバー本体の外側枠状リブと内側枠状リブと仕切リブのそれぞれの先端面に吸音板3を接着した。これにより、吸音板の全体に、中貫通孔が分散して形成されると共に、複数のヘルムホルツ型共鳴器が設けられた、本発明とは異なる構造を有するエンジンアンダーカバーを作製した。このエンジンアンダーカバーを比較例1とした。
さらに、別の1個の樹脂発泡体を用い、かかる1個の樹脂発泡体の中央部分に対して、内径が3mmの小貫通孔を、縦横に並んで集合して位置するように複数個形成し、また、その外周部に対して、内径が5mmの大貫通孔を、内径が3mmの小貫通孔が集合する部分を取り囲むように複数個形成した。かくして、大貫通孔と小貫通孔とがそれぞれ複数個ずつ形成されるものの、それらの形成位置が、前記吸音板1とは異なる位置とされた樹脂発泡体を吸音板4とした。なお、この吸音板4の開口率も、吸音板1の開口率と同じ5.6%とした。
そして、かくして得られた吸音板4と、先に成形されたカバー本体の1個とを用い、実施例1のエンジンアンダーカバーを形成する際と同様に、1個のカバー本体の外側枠状リブと内側枠状リブと仕切リブのそれぞれの先端面に吸音板4を接着した。これにより、吸音板の中央部分に、小貫通孔が複数個集合した小貫通孔集合領域が形成されると共に、大貫通孔が複数個集合した大貫通孔集合領域が、小貫通孔集合領域を取り囲むように、吸音板の外周部に形成され、更に、複数のヘルムホルツ型共鳴器が設けられた、本発明とは異なる構造を有するエンジンアンダーカバーを作製した。このエンジンアンダーカバーを比較例2とした。
さらに、残りの1個の樹脂発泡体を用い、かかる1個の樹脂発泡体の全体に、内径が5mmの大貫通孔と、内径が3mmの小貫通孔とを、互いに一定の間隔を隔てて縦横に且つ交互に並んで位置するように、それぞれ多数個ずつ形成した。この樹脂発泡体を吸音板5とした。なお、かかる吸音板5の開口率も、吸音板1の開口率と同じ5.6%とした。
そして、かくして得られた吸音板5と、残りのカバー本体の1個とを用い、実施例1のエンジンアンダーカバーを形成する際と同様に、1個のカバー本体の外側枠状リブと内側枠状リブと仕切リブのそれぞれの先端面に吸音板5を接着した。これにより、吸音板の全体に、大貫通孔と小貫通孔とが縦横方向において交互に位置するように形成されると共に、複数のヘルムホルツ型共鳴器が設けられた、本発明とは異なる構造を有するエンジンアンダーカバーを作製した。このエンジンアンダーカバーを比較例3とした。
そして、上記のようにして得られた実施例1,2と比較例1〜3の5種類のエンジンアンダーカバーと、音響箱(FW168:日本自動車部品総合研究所製)とを用いて、各エンジンアンダーカバーの吸音板側から伝わる音に対する吸音特性(音の周波数と吸音量との関係)を、公知の手法により調べた。その結果を図10に併せて示した。なお、音源として、ランダムノイズ(ピンクノイズ)を使用し、その音圧を、音響箱中央部で、エンジンルーム内と同等の音圧(95dB)となるように設定した。また、音圧の測定時間を120秒とした。
図10の結果から明らかなように、実施例1,2のエンジンアンダーカバーは、比較例1,2,3のエンジンアンダーカバーと比較して、630〜2000Hzの範囲内の周波数のノイズを、より十分に吸収することができる。しかも、吸音板の中央部分の1箇所に大貫通孔集合領域を設けて、その周りに小貫通孔集合領域を設けてなる実施例1のエンジンアンダーカバーよりも、吸音板の中央部分の4箇所に大貫通孔集合領域を設けて、それら4個の大貫通孔集合領域のそれぞれの周りに小貫通孔集合領域を設けてなる実施例2のエンジンアンダーカバーの方が、630〜1400Hz程度の範囲内の周波数のノイズを、更に十分に吸収可能となっている。これらの結果は、本発明に従って大径の貫通孔と小径の貫通孔とを吸音板の特定の位置に形成することによって、優れた吸音効果が得られることを如実に示している。
以上、本発明の具体的な構成について詳述してきたが、これはあくまでも例示に過ぎないのであって、本発明は、上記の記載によって、何等の制約をも受けるものではない。
例えば、前記した幾つかの実施形態では、第一貫通孔集合領域40を形成する複数の第一貫通孔32が、全て同一の大きさ(内径)とされていた。しかしながら、第一貫通孔集合領域40を形成する複数の第一貫通孔32の中に、他のものとは大きさ(内径)の異なるものが含まれていても良い。それと同様に、第二貫通孔集合領域44を形成する複数の第二貫通孔34の中に、他のものとは大きさ(内径)の異なるものが含まれていても、何等差し支えない。
また、第一貫通孔集合領域40は、大部分が第一貫通孔32にて形成されておれば良い。従って、第一貫通孔集合領域40に対して、複数の第一貫通孔32と共に、第一貫通孔32よりも開口面積が小さく細い第二貫通孔34の幾つかが紛れ込むようにして形成されていても良い。それと同様に、第二貫通孔集合領域44に対して、複数の第二貫通孔34に混じって、第二貫通孔34よりも開口面積が大きくて太い第一貫通孔32の幾つかが形成されていても良い。
さらに、カバー本体12に対する外側枠状リブ16や内側枠状リブ18や仕切リブ20の形成位置や形成形態は、適宜に変更可能である。例えば、容積の小さな空気室が、開口面積が大きくて太い第一貫通孔32にて外部に連通されることにより、ヘルムホルツ型共鳴器が形成されるように、外側枠状リブ16や内側枠状リブ18や仕切リブ20をカバー本体12に設けることも可能である。また、容積の大きな空気室が、第一貫通孔32よりも開口面積が小さくて細い第二貫通孔34にて外部に連通されることにより、ヘルムホルツ型共鳴器が形成されるように、外側枠状リブ16や内側枠状リブ18や仕切リブ20をカバー本体12に設けることも可能である。
更にまた、それら外側枠状リブ16や内側枠状リブ18や仕切リブ20を、カバー本体12に代えて、吸音板14に一体形成しても良い。或いは外側枠状リブ16や内側枠状リブ18や仕切リブ20を、カバー本体12や吸音板14とは別個の独立した部材にて構成しても良い。この場合には、外側枠状リブ16や内側枠状リブ18や仕切リブ20を、カバー本体12と吸音板14との対向面間に配置した状態下で、それら各リブ16,18,20とカバー本体12と吸音板14とを一体的に接合することにより、エンジンアンダーカバーが形成されることとなる。
なお、各リブ16,18,20を吸音板14とカバー本体12の何れか一方に一体形成した場合にあっても、或いは各リブ16,18,20と吸音板14とカバー本体12とを互いに独立した別個の部材にて構成した場合にあっても、各リブ16,18,20と吸音板14とカバー本体12の接合方法には、例示した接着による方法以外に、溶着による方法や、ねじやボルト、クリップ等を用いた機械的接合方法等が、適宜に採用される。
また、吸音板14には、上面側スキン層28と下面側スキン層30とが必ずしも設けられている必要はない。吸音板14が、発泡層26のみにて構成されていても、何等差し支えない。
前記実施形態では、本発明を、自動車のエンジンアンダーカバーに適用した具体例が示されていたが、本発明は、例えば、自動車のフロアアンダーカバーやフェンダーライナー等のの車両外装用吸音構造体、或いは自動車を除く車両の車両外装用吸音構造体の何れに対しても、有利に適用され得ることは、勿論である。
また、前記幾つかの実施形態では、板状本体が樹脂製のカバー本体12にて構成されていたが、本発明構造がエンジンアンダーカバー以外の車両外装用吸音構造体、例えば、吸音板が車体の外部に露出して配置されるフロアアンダーカバー等に適用される場合には、フロアアンダーカバーのカバー本体を車両外装用吸音構造体の吸音板にて構成し、車両外装用吸音構造体の板状本体を自動車のボデーパネル等にて構成することも可能である。
その他、一々列挙はしないが、本発明は、当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良等を加えた態様において実施され得るものであり、また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもないところである。
10,55,64 エンジンアンダーカバー
12 カバー本体 14 吸音板
16 外側枠状リブ 18,56 内側枠状リブ
20 仕切リブ 21,58 第一空間
22,66 第二空間 32 第一貫通孔
34 第二貫通孔 36,60 第一空気室
38,68 第二空気室 40 第一貫通孔集合領域
42,62 第一ヘルムホルツ型共鳴器 44 第二貫通孔集合領域
46,70 第二ヘルムホルツ型共鳴器
12 カバー本体 14 吸音板
16 外側枠状リブ 18,56 内側枠状リブ
20 仕切リブ 21,58 第一空間
22,66 第二空間 32 第一貫通孔
34 第二貫通孔 36,60 第一空気室
38,68 第二空気室 40 第一貫通孔集合領域
42,62 第一ヘルムホルツ型共鳴器 44 第二貫通孔集合領域
46,70 第二ヘルムホルツ型共鳴器
Claims (4)
- 車体に外装されて、吸音を行う車両外装用吸音構造体であって、
車体に外装される板状本体と、
該板状本体との間に空間を形成するように、該板状本体に対して、該板状本体の厚さ方向に間隔を隔てて対向配置された、板状の樹脂発泡体からなる吸音板と、
前記板状本体と前記吸音板との間に、前記空間を複数に仕切るように直立配置されて、かかる仕切空間からなる、外部から閉鎖された空気室を、該板状本体と該吸音板との間に複数形成する複数の板状リブと、
前記複数の空気室を外部に連通させるように、前記吸音板を貫通して設けられた複数の第一貫通孔と、
前記複数の空気室を外部に連通させるように、前記吸音板を貫通して設けられた、前記第一貫通孔よりも開口面積が小さくて細い複数の第二貫通孔と、
を含み、
更に、前記吸音板に対して、前記第一貫通孔が複数集合した第一貫通孔集合領域が設けられると共に、前記第二貫通孔が複数集合した第二貫通孔集合領域が、該第一貫通孔集合領域を取り囲んで設けられていることを特徴とする車両外装用吸音構造体。 - 前記第一貫通孔集合領域が、前記吸音板の複数箇所に設けられていると共に、前記第二貫通孔集合領域が、該複数の第一貫通孔集合領域のそれぞれを取り囲んで、該吸音板の複数箇所に設けられている請求項1に記載の車両外装用吸音構造体。
- 前記板状本体が、樹脂成形体にて構成されていると共に、前記複数の板状リブが、該板状本体に一体成形されている請求項1又は請求項2に記載の車両外装用吸音構造体。
- 車体に外装される車両用外装品に伝わる音を吸収する車両の吸音構造であって、
板状の樹脂発泡体からなる吸音板を、前記車両用外装品に対して、間隔を隔てて対向配置して、該吸音板と該車両用外装品との間に空間を形成する一方、複数の板状リブを、該吸音板と該車両用外装品との間に、前記空間を複数に仕切るように直立配置して、かかる仕切空間からなる、外部から閉鎖された空気室を、該吸音板と該車両用外装品との間に複数形成し、更に、複数の第一貫通孔と、該第一貫通孔よりも開口面積が小さくて細い複数の第二貫通孔とを、前記複数の空気室を外部に連通させるように、該吸音板に設けると共に、該吸音板に対して、該第一貫通孔が複数集合した第一貫通孔集合領域と、該第二貫通孔が複数集合した第二貫通孔集合領域とを、該第一貫通孔集合領域が該第二貫通孔集合領域にて取り囲まれるように設けたことを特徴とする車両の吸音構造。
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