JP3877122B2 - フォークリフト - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明はフォークリフトにかかり、詳しくは、バッテリ収納ケースの形状及び構造に関する。
【０００２】
【従来の技術】
近年、各種荷物の運搬に使用されるフォークリフトでは動力源としてバッテリが用いられるようになっており、図４で示す第１の従来例にかかるフォークリフト１１や図５で示す第２の従来例にかかるフォークリフト１２にあっては、前側位置にフォーク１３が配備され、かつ、後側位置にカウンタウェイト１４が配備されて走行する車体１５の後側寄り位置に対して立方体形状のバッテリ収納ケース１６、つまり、その内部に複数個のバッテリ１７を収納してなるバッテリ収納ケース１６を搭載しておいたうえ、このバッテリ収納ケース１６の上面開口部を閉塞して配置されたケースカバー１８上に運転者座席１９を設置することが行われている。なお、図４及び図５中の符号２０はマストを示しており、このマスト２０はフォーク１３の昇降動作を案内するものとなっている。
【０００３】
ところで、フォークリフト１１，１２の動力源であるバッテリ１７の消耗時や故障時などには、バッテリ収納ケース１６をバッテリ１７ごとフォークリフト１１，１２の車体１５から取り外した後、バッテリ収納ケース１６を持ち上げ支持しながら所定場所まで移送したうえでバッテリ１７を交換したり修理したりする必要がある。そして、このような必要がある都合上、バッテリ収納ケース１６の側面１６ａ、つまり、フォークリフト１１，１２の走行方向と直交する向きで対向しあう側板１６ａのそれぞれに対しては、このバッテリ収納ケース１６を持ち上げ支持するために使用される他のフォークリフトに配備された２本のフォーク（図示省略）を差し込み挿入する挿入用開口部２１が設けられている。
【０００４】
すなわち、第１の従来例にかかるフォークリフト１１のバッテリ収納ケース１６では、図４で示しており、図６でも模式化して示すように、バッテリ収納ケース１６の側面１６ａそれぞれの上側位置に別体である一対ずつの吊上用板部材２２が取着されている。そして、これらの吊上用板部材２２は、バッテリ収納ケース１６の上側開口部よりも上方にまで延出させられており、吊上用板部材２２の各々に対しては、ケースカバー１８が開放されたバッテリ収納ケース１６の対向しあう吊上用板部材２２同士間を水平方向に沿って挿通したうえでバッテリ収納ケース１６を持ち上げ支持するフォーク（図示省略）が差し込み挿入されるための挿入用開口部２１が形成されている。
【０００５】
また、第２の従来例にかかるフォークリフト１２を構成しているバッテリ収納ケース１６では、図５で示しており、さらに、図７でも模式化して示すように、
バッテリ１７が載置される底板１６ｂを第１の従来例よりも上側位置に配設しておき、この底板１６ｂよりも下側の位置に所定高さの下側空間部２３を設けたうえ、側面１６ａそれぞれの下側空間部２３と対応する位置にフォークの挿入用開口部２１を一対ずつ形成することが行われている。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の形態にかかるフォークリフト１１，１２では、次のような不都合が生じることになっていた。まず、第１の従来例にかかるフォークリフト１１では、開口部２１が形成されてバッテリ収納ケース１６の上側開口部よりも上方にまで延出された吊上用板部材２２をバッテリ収納ケース１６の側面１６ａそれぞれの上側位置に取着している。ところが、このような構成である場合には、吊上用板部材２２の方が運転者座席１９よりも上側に位置しているために外観上のスマートさを欠くばかりか、運転者座席１９に着座したり運転者座席１９から退座したりするオペレータの乗り降り動作が吊上用板部材２２によって阻害されることになってしまう。
【０００７】
一方、第２の従来例にかかるフォークリフト１２を構成しているバッテリ収納ケース１６では、バッテリ１７が載置される底板１６ｂよりも下側位置にフォークが挿通する下側空間部２３を設けているため、この下側空間部２３を設けている分だけバッテリ収納ケース１６の全体高さが高くなる。そして、全体高さが高くなっていると、バッテリ収納ケース１６の重心位置が高くなり、また、バッテリ収納ケース１６の上面開口部を閉塞しているケースカバー１８の高さ位置、ひいては運転者座席１９の高さ位置までもが高くなるため、安定度が減少してしまう。
【０００８】
さらに、このような構成を採用している場合には、バッテリ収納ケース１６の側面１６ａそれぞれに形成された挿入用開口部２１を露出させておく必要がある都合上、車体１５のフレーム１５ａを切り欠いておかなければならず、その結果として車体１５の強度低下を招くことも起こっている。
【０００９】
本発明はこれらの不都合に鑑みて創案されたものであって、オペレータの乗り降り動作が阻害されたり不安定性が増大したりすることが起こらず、また、車体の強度低下を招くこともないバッテリ収納ケースを備えて構成されたフォークリフトの提供を目的としている。
【００１０】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項１にかかるフォークリフトは、内部に複数個のバッテリセルを内臓したバッテリ収納ケースと、該ケースの上面開口部を開閉自在に閉塞するケースカバーと、該カバーの上に設置された運転者座席とを備えたフォークリフトであって、上記ケースの対向する各側板の上側位置に他のフォークリフトのフォークを差し込むための各一対の開口部が形成され、また上記運転者座席が設置される上記カバーの座席設置部には上記ケースの内部に向ってくぼんだ形状の凹所が形成されると共に、上記ケースの前板の上側端部には上記座席設置部に対応するくぼんだ形状の切欠が形成されていることを特徴とする。
【００１１】
本発明の請求項２にかかるフォークリフトは請求項１に記載したものであり、
バッテリ収納ケース内に収納されたバッテリセルの上側位置には、バッテリセルに対するフォークの当接防止部品が配設されていることを特徴としている。
【００１２】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【００１３】
図１は本実施の形態にかかるフォークリフトの全体構造を示す側面図、図２はバッテリ収納ケースを模式化して示す斜視図、図３はバッテリ収納ケースの全体構造を示す正面図であり、図１ないし図３における符号１はフォークリフト、２はバッテリ収納ケース、３はケースカバーをそれぞれ示している。なお、本実施の形態にかかるフォークリフトの全体構造は従来例と基本的に異ならないので、
図１において図４及び図５と互いに同一である部品、部分に対しては同一符号を付している。
【００１４】
本実施の形態にかかるフォークリフト１は、図１で示すように、フォーク１３が前側位置に配備されると共に、後側位置にカウンタウェイト１４が配備されたうえで前後方向に沿って走行する車体１５を備えており、この車体１５の後側寄り位置には、複数個のバッテリ１７を内部に収納してなる立方体形状のバッテリ収納ケース２が搭載されている。そして、車体１５上に搭載されたバッテリ収納ケース２の上面開口部は、カウンタウェイト１４側で支持して開閉自在に配置されたケースカバー３を用いて閉塞されることになっており、バッテリ収納ケース２の上面開口部を閉塞したケースカバー３の座席設置部３ａ上には運転者座席１９が設置されている。なお、図１中の符号２０はマストであり、フォーク１３の昇降動作はマスト２０によって案内されている。
【００１５】
ところで、フォークリフト１の動力源であるバッテリ１７の消耗時や故障時などにおけるバッテリ収納ケース２はバッテリ１７ごと車体１５から取り外され、
持ち上げ支持されたうえで所定の交換場所もしくは修理場所まで移送されることとなっている。そのため、図２でも示すように、このバッテリ収納ケース２の側面２ａ、つまり、フォークリフト１の走行方向と直交する向きで対向しあう側板２ａそれぞれの上側位置に対しては、バッテリ収納ケース２を持ち上げ支持する際に使用される他のフォークリフトに配備された２本のフォーク（図示省略）が差し込み挿入される一対ずつの挿入用開口部４が直接に形成されている。
【００１６】
すなわち、本実施の形態にかかるバッテリ収納ケース２は、第１の従来例で示した吊上用板部材２２などを用いることなく、挿入用開口部４が側板２ａそのものに対して直接的に形成されている点を特徴としており、一対ずつの挿入用開口部４はバッテリ収納ケース２の対向しあう側面２ａそれぞれにおける上側の対応する位置を選択したうえで形成されている。なお、このような挿入用開口部４をバッテリ収納ケース２の側面２ａに対して直接に形成している場合には、鉛蓄電池であるバッテリセル１７から発生した水素ガスが自然的な換気作用によってそのまま外気中に放出されてしまうという利点も確保される。
【００１７】
したがって、互いに対向する一方側の挿入用開口部４から他方側の挿入用開口部４に向かって差し込み挿入された２本のフォークは、ケースカバー３が開放された後におけるバッテリ収納ケース２内の上側空間部５を水平方向に沿って挿通したうえでバッテリ収納ケース２を持ち上げ支持することになる。なお、これらフォークの挿入方向が水平よりも下向きであった場合にはフォーク先端部が当接することに伴ってバッテリセル１７の損傷を招くことも起こるため、図３で示すように、バッテリ収納ケース２内に収納されたバッテリセル１７の上側位置に対し、金網状や孔明き板状とされて着脱自在なガードである当接防止部品６を予め配設しておくことが望ましいと考えられる。
【００１８】
さらに、本実施の形態にかかるバッテリ収納ケース２では、その上面開口部がケースカバー３によって閉塞されることになっているが、図３で示すように、このケースカバー３の座席設置部３ａ、つまり、運転者座席１９が設置されるべき座席設置部３ａは、バッテリ収納ケース２の内部へと向かってくぼんだ形状を有している。また、このことに伴ってバッテリ収納ケース２の前板２ｂ、つまり、
車体１５の走行方向と合致する向きで配置されたバッテリ収納ケース２の前板２ｂの上側端部は、図２でも示すように、ケースカバー３の座席設置部３ａと対応してくぼんだ形状を有している。なお、図３中の符号７は掛け金構造とされた締結部品であり、このような締結部品７を利用したうえでバッテリ収納ケース２及びケースカバー３の双方は互いに締結されることになっている。
【００１９】
すなわち、上記したように、バッテリ収納ケース２の側面２ａそれぞれの上側位置に挿入用開口部４を形成し、他のフォークリフトのフォークが挿通する上側空間部５をバッテリ収納ケース２内に設けた場合には、第２の従来例と同様、このバッテリ収納ケース２の全体高さが高くなってしまう。しかしながら、ケースカバー３の座席設置部３ａをバッテリ収納ケース２の内部へと向かってくぼんだ形状とし、かつ、バッテリ収納ケース２の前板２ｂの上側端部をケースカバー３の座席設置部３ａと対応してくぼんだ形状としておけば、ケースカバー３の座席設置部３ａ上に設置された運転者座席１９の高さ位置が高くなり過ぎることは起こらず、通常通りの高さ位置に運転者座席１９を設置し得ることとなる。
【００２０】
なお、本実施の形態においては、バッテリ収納ケース２の側面２ａそれぞれに形成された挿入用開口部４が、他のフォークリフトに配備された２本のフォークを差し込み挿入するためのものであるとしているが、フォークの差し込み挿入に限定されることはないのであり、例えば、これらの挿入用開口部４に対してクレーンのフックを掛けたうえ、バッテリ収納ケース２をバッテリセル１７ごとクレーンで吊り上げて移送するようにしてもよいことは勿論である。
【００２１】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明にかかるフォークリフトでは、バッテリ収納ケースの側板それぞれの上側位置にフォークの挿入用開口部を形成しており、かつ、
ケースカバーの座席設置部とバッテリ収納ケースの前板上側端部とがバッテリ収納ケースの内部へと向かってくぼんだ形状を有しているので、バッテリ収納ケースの外観上のスマートさが失われることはなく、オペレータの乗り降り動作が阻害されることも起こらない。また、バッテリ収納ケースの重心位置や運転者座席の高さ位置が高くなってもいないので、安定性を確保することが可能となり、車体の強度低下を招くことも起こらないという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本実施の形態にかかるフォークリフトの全体構造を示す側面図である。
【図２】本実施の形態にかかるバッテリ収納ケースを模式化して示す斜視図である。
【図３】本実施の形態にかかるバッテリ収納ケースの全体構造を示す正面図である。
【図４】第１の従来例にかかるフォークリフトの全体構造を示す側面図である。
【図５】第２の従来例にかかるフォークリフトの全体構造を示す側面図である。
【図６】第１の従来例にかかるバッテリ収納ケースを模式化して示す斜視図である。
【図７】第２の従来例にかかるバッテリ収納ケースを模式化して示す斜視図である。
【符号の説明】
１ フォークリフト
２ バッテリ収納ケース
２ａ 側板
２ｂ 前板
３ ケースカバー
３ａ 座席設置部
４ 挿入用開口部
５ 上側空間部
６ 当接防止部品
１５ 車体
１７ バッテリセル
１９ 運転者座席
【発明の属する技術分野】
本発明はフォークリフトにかかり、詳しくは、バッテリ収納ケースの形状及び構造に関する。
【０００２】
【従来の技術】
近年、各種荷物の運搬に使用されるフォークリフトでは動力源としてバッテリが用いられるようになっており、図４で示す第１の従来例にかかるフォークリフト１１や図５で示す第２の従来例にかかるフォークリフト１２にあっては、前側位置にフォーク１３が配備され、かつ、後側位置にカウンタウェイト１４が配備されて走行する車体１５の後側寄り位置に対して立方体形状のバッテリ収納ケース１６、つまり、その内部に複数個のバッテリ１７を収納してなるバッテリ収納ケース１６を搭載しておいたうえ、このバッテリ収納ケース１６の上面開口部を閉塞して配置されたケースカバー１８上に運転者座席１９を設置することが行われている。なお、図４及び図５中の符号２０はマストを示しており、このマスト２０はフォーク１３の昇降動作を案内するものとなっている。
【０００３】
ところで、フォークリフト１１，１２の動力源であるバッテリ１７の消耗時や故障時などには、バッテリ収納ケース１６をバッテリ１７ごとフォークリフト１１，１２の車体１５から取り外した後、バッテリ収納ケース１６を持ち上げ支持しながら所定場所まで移送したうえでバッテリ１７を交換したり修理したりする必要がある。そして、このような必要がある都合上、バッテリ収納ケース１６の側面１６ａ、つまり、フォークリフト１１，１２の走行方向と直交する向きで対向しあう側板１６ａのそれぞれに対しては、このバッテリ収納ケース１６を持ち上げ支持するために使用される他のフォークリフトに配備された２本のフォーク（図示省略）を差し込み挿入する挿入用開口部２１が設けられている。
【０００４】
すなわち、第１の従来例にかかるフォークリフト１１のバッテリ収納ケース１６では、図４で示しており、図６でも模式化して示すように、バッテリ収納ケース１６の側面１６ａそれぞれの上側位置に別体である一対ずつの吊上用板部材２２が取着されている。そして、これらの吊上用板部材２２は、バッテリ収納ケース１６の上側開口部よりも上方にまで延出させられており、吊上用板部材２２の各々に対しては、ケースカバー１８が開放されたバッテリ収納ケース１６の対向しあう吊上用板部材２２同士間を水平方向に沿って挿通したうえでバッテリ収納ケース１６を持ち上げ支持するフォーク（図示省略）が差し込み挿入されるための挿入用開口部２１が形成されている。
【０００５】
また、第２の従来例にかかるフォークリフト１２を構成しているバッテリ収納ケース１６では、図５で示しており、さらに、図７でも模式化して示すように、
バッテリ１７が載置される底板１６ｂを第１の従来例よりも上側位置に配設しておき、この底板１６ｂよりも下側の位置に所定高さの下側空間部２３を設けたうえ、側面１６ａそれぞれの下側空間部２３と対応する位置にフォークの挿入用開口部２１を一対ずつ形成することが行われている。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の形態にかかるフォークリフト１１，１２では、次のような不都合が生じることになっていた。まず、第１の従来例にかかるフォークリフト１１では、開口部２１が形成されてバッテリ収納ケース１６の上側開口部よりも上方にまで延出された吊上用板部材２２をバッテリ収納ケース１６の側面１６ａそれぞれの上側位置に取着している。ところが、このような構成である場合には、吊上用板部材２２の方が運転者座席１９よりも上側に位置しているために外観上のスマートさを欠くばかりか、運転者座席１９に着座したり運転者座席１９から退座したりするオペレータの乗り降り動作が吊上用板部材２２によって阻害されることになってしまう。
【０００７】
一方、第２の従来例にかかるフォークリフト１２を構成しているバッテリ収納ケース１６では、バッテリ１７が載置される底板１６ｂよりも下側位置にフォークが挿通する下側空間部２３を設けているため、この下側空間部２３を設けている分だけバッテリ収納ケース１６の全体高さが高くなる。そして、全体高さが高くなっていると、バッテリ収納ケース１６の重心位置が高くなり、また、バッテリ収納ケース１６の上面開口部を閉塞しているケースカバー１８の高さ位置、ひいては運転者座席１９の高さ位置までもが高くなるため、安定度が減少してしまう。
【０００８】
さらに、このような構成を採用している場合には、バッテリ収納ケース１６の側面１６ａそれぞれに形成された挿入用開口部２１を露出させておく必要がある都合上、車体１５のフレーム１５ａを切り欠いておかなければならず、その結果として車体１５の強度低下を招くことも起こっている。
【０００９】
本発明はこれらの不都合に鑑みて創案されたものであって、オペレータの乗り降り動作が阻害されたり不安定性が増大したりすることが起こらず、また、車体の強度低下を招くこともないバッテリ収納ケースを備えて構成されたフォークリフトの提供を目的としている。
【００１０】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項１にかかるフォークリフトは、内部に複数個のバッテリセルを内臓したバッテリ収納ケースと、該ケースの上面開口部を開閉自在に閉塞するケースカバーと、該カバーの上に設置された運転者座席とを備えたフォークリフトであって、上記ケースの対向する各側板の上側位置に他のフォークリフトのフォークを差し込むための各一対の開口部が形成され、また上記運転者座席が設置される上記カバーの座席設置部には上記ケースの内部に向ってくぼんだ形状の凹所が形成されると共に、上記ケースの前板の上側端部には上記座席設置部に対応するくぼんだ形状の切欠が形成されていることを特徴とする。
【００１１】
本発明の請求項２にかかるフォークリフトは請求項１に記載したものであり、
バッテリ収納ケース内に収納されたバッテリセルの上側位置には、バッテリセルに対するフォークの当接防止部品が配設されていることを特徴としている。
【００１２】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【００１３】
図１は本実施の形態にかかるフォークリフトの全体構造を示す側面図、図２はバッテリ収納ケースを模式化して示す斜視図、図３はバッテリ収納ケースの全体構造を示す正面図であり、図１ないし図３における符号１はフォークリフト、２はバッテリ収納ケース、３はケースカバーをそれぞれ示している。なお、本実施の形態にかかるフォークリフトの全体構造は従来例と基本的に異ならないので、
図１において図４及び図５と互いに同一である部品、部分に対しては同一符号を付している。
【００１４】
本実施の形態にかかるフォークリフト１は、図１で示すように、フォーク１３が前側位置に配備されると共に、後側位置にカウンタウェイト１４が配備されたうえで前後方向に沿って走行する車体１５を備えており、この車体１５の後側寄り位置には、複数個のバッテリ１７を内部に収納してなる立方体形状のバッテリ収納ケース２が搭載されている。そして、車体１５上に搭載されたバッテリ収納ケース２の上面開口部は、カウンタウェイト１４側で支持して開閉自在に配置されたケースカバー３を用いて閉塞されることになっており、バッテリ収納ケース２の上面開口部を閉塞したケースカバー３の座席設置部３ａ上には運転者座席１９が設置されている。なお、図１中の符号２０はマストであり、フォーク１３の昇降動作はマスト２０によって案内されている。
【００１５】
ところで、フォークリフト１の動力源であるバッテリ１７の消耗時や故障時などにおけるバッテリ収納ケース２はバッテリ１７ごと車体１５から取り外され、
持ち上げ支持されたうえで所定の交換場所もしくは修理場所まで移送されることとなっている。そのため、図２でも示すように、このバッテリ収納ケース２の側面２ａ、つまり、フォークリフト１の走行方向と直交する向きで対向しあう側板２ａそれぞれの上側位置に対しては、バッテリ収納ケース２を持ち上げ支持する際に使用される他のフォークリフトに配備された２本のフォーク（図示省略）が差し込み挿入される一対ずつの挿入用開口部４が直接に形成されている。
【００１６】
すなわち、本実施の形態にかかるバッテリ収納ケース２は、第１の従来例で示した吊上用板部材２２などを用いることなく、挿入用開口部４が側板２ａそのものに対して直接的に形成されている点を特徴としており、一対ずつの挿入用開口部４はバッテリ収納ケース２の対向しあう側面２ａそれぞれにおける上側の対応する位置を選択したうえで形成されている。なお、このような挿入用開口部４をバッテリ収納ケース２の側面２ａに対して直接に形成している場合には、鉛蓄電池であるバッテリセル１７から発生した水素ガスが自然的な換気作用によってそのまま外気中に放出されてしまうという利点も確保される。
【００１７】
したがって、互いに対向する一方側の挿入用開口部４から他方側の挿入用開口部４に向かって差し込み挿入された２本のフォークは、ケースカバー３が開放された後におけるバッテリ収納ケース２内の上側空間部５を水平方向に沿って挿通したうえでバッテリ収納ケース２を持ち上げ支持することになる。なお、これらフォークの挿入方向が水平よりも下向きであった場合にはフォーク先端部が当接することに伴ってバッテリセル１７の損傷を招くことも起こるため、図３で示すように、バッテリ収納ケース２内に収納されたバッテリセル１７の上側位置に対し、金網状や孔明き板状とされて着脱自在なガードである当接防止部品６を予め配設しておくことが望ましいと考えられる。
【００１８】
さらに、本実施の形態にかかるバッテリ収納ケース２では、その上面開口部がケースカバー３によって閉塞されることになっているが、図３で示すように、このケースカバー３の座席設置部３ａ、つまり、運転者座席１９が設置されるべき座席設置部３ａは、バッテリ収納ケース２の内部へと向かってくぼんだ形状を有している。また、このことに伴ってバッテリ収納ケース２の前板２ｂ、つまり、
車体１５の走行方向と合致する向きで配置されたバッテリ収納ケース２の前板２ｂの上側端部は、図２でも示すように、ケースカバー３の座席設置部３ａと対応してくぼんだ形状を有している。なお、図３中の符号７は掛け金構造とされた締結部品であり、このような締結部品７を利用したうえでバッテリ収納ケース２及びケースカバー３の双方は互いに締結されることになっている。
【００１９】
すなわち、上記したように、バッテリ収納ケース２の側面２ａそれぞれの上側位置に挿入用開口部４を形成し、他のフォークリフトのフォークが挿通する上側空間部５をバッテリ収納ケース２内に設けた場合には、第２の従来例と同様、このバッテリ収納ケース２の全体高さが高くなってしまう。しかしながら、ケースカバー３の座席設置部３ａをバッテリ収納ケース２の内部へと向かってくぼんだ形状とし、かつ、バッテリ収納ケース２の前板２ｂの上側端部をケースカバー３の座席設置部３ａと対応してくぼんだ形状としておけば、ケースカバー３の座席設置部３ａ上に設置された運転者座席１９の高さ位置が高くなり過ぎることは起こらず、通常通りの高さ位置に運転者座席１９を設置し得ることとなる。
【００２０】
なお、本実施の形態においては、バッテリ収納ケース２の側面２ａそれぞれに形成された挿入用開口部４が、他のフォークリフトに配備された２本のフォークを差し込み挿入するためのものであるとしているが、フォークの差し込み挿入に限定されることはないのであり、例えば、これらの挿入用開口部４に対してクレーンのフックを掛けたうえ、バッテリ収納ケース２をバッテリセル１７ごとクレーンで吊り上げて移送するようにしてもよいことは勿論である。
【００２１】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明にかかるフォークリフトでは、バッテリ収納ケースの側板それぞれの上側位置にフォークの挿入用開口部を形成しており、かつ、
ケースカバーの座席設置部とバッテリ収納ケースの前板上側端部とがバッテリ収納ケースの内部へと向かってくぼんだ形状を有しているので、バッテリ収納ケースの外観上のスマートさが失われることはなく、オペレータの乗り降り動作が阻害されることも起こらない。また、バッテリ収納ケースの重心位置や運転者座席の高さ位置が高くなってもいないので、安定性を確保することが可能となり、車体の強度低下を招くことも起こらないという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本実施の形態にかかるフォークリフトの全体構造を示す側面図である。
【図２】本実施の形態にかかるバッテリ収納ケースを模式化して示す斜視図である。
【図３】本実施の形態にかかるバッテリ収納ケースの全体構造を示す正面図である。
【図４】第１の従来例にかかるフォークリフトの全体構造を示す側面図である。
【図５】第２の従来例にかかるフォークリフトの全体構造を示す側面図である。
【図６】第１の従来例にかかるバッテリ収納ケースを模式化して示す斜視図である。
【図７】第２の従来例にかかるバッテリ収納ケースを模式化して示す斜視図である。
【符号の説明】
１ フォークリフト
２ バッテリ収納ケース
２ａ 側板
２ｂ 前板
３ ケースカバー
３ａ 座席設置部
４ 挿入用開口部
５ 上側空間部
６ 当接防止部品
１５ 車体
１７ バッテリセル
１９ 運転者座席
Claims (2)
- 内部に複数個のバッテリセルを内臓したバッテリ収納ケースと、該ケースの上面開口部を開閉自在に閉塞するケースカバーと、該カバーの上に設置された運転者座席とを備えたフォークリフトであって、上記ケースの対向する各側板の上側位置に他のフォークリフトのフォークを差し込むための各一対の開口部が形成され、また上記運転者座席が設置される上記カバーの座席設置部には上記ケースの内部に向ってくぼんだ形状の凹所が形成されると共に、上記ケースの前板の上側端部には上記座席設置部に対応するくぼんだ形状の切欠が形成されていることを特徴とするフォークリフト。
- バッテリ収納ケース内に収納されたバッテリセルの上側位置には、バッテリセルに対するフォークの当接防止部品が配設されていることを特徴とする請求項１に記載したフォークリフト。
Priority Applications (1)
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Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2000026055A JP3877122B2 (ja) | 2000-02-03 | 2000-02-03 | フォークリフト |
Publications (2)
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Family Applications (1)
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|---|---|---|---|
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