WO2021220552A1 - 銀粒子 - Google Patents

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Abstract

導電性と分散性に優れた銀粒子、及びその製造方法を提供する。 中心部より放射状に突出した突起を有し、平均粒子径(D)が0.1~10μmであり、比表面積(S)が0.1~10m/gであり、銀粒子の真比重(ρ)と平均粒子径(D)と比表面積(S)との積が12以上24以下である、銀粒子とする。

Description

銀粒子
 本発明は、銀粒子に関するものである。
 導電性インクや導電性ペーストに関して、より狭い幅、より小さいピッチの配線描画が可能であることが求められている。また、薄く塗布した場合であっても、平滑な表面が形成でき、信頼性の高い導電性が得られることが求められている。
 このような市場の要求に対して、例えば銀ナノ粒子の使用が検討されている。銀ナノ粒子を用いた場合、極細線や薄膜を形成できるが、信頼性の高い導電性を得るためには、銀ナノ粒子を高配合する必要があり、焼成時の体積収縮によりひずみや割れが生じるおそれがある。
 また、樹枝状(デンドライト状)銀粒子やフレーク状銀粒子の使用が検討されている。樹枝状銀粒子を用いた場合、樹枝部の絡み合いにより導電性が発現するため、銀粒子の配合量を少なくしても、導電性を維持することができる。配合量を減らすことで、ひずみや割れを抑制することはできるが、樹枝部が長く張り出した形状であるため極細線や薄膜を形成するものには適さない。さらに、樹枝部が長く伸びている場合、樹枝部の折れが導電性に影響するという問題や、樹脂成分との混合の際に、樹枝部間に空隙を生じやすいという問題があった。
 また、フレーク状銀粒子は、平面同士の癒着が生じやすく、分散性を改善するために、多量の表面処理剤(滑剤)の使用が必要となる。しかしながら、表面処理剤を多量に配合する場合、表面処理剤がフレーク状銀粒子同士の電気的な接続を阻害するため導電性が低下するという問題があった。
特開2011-168806号公報 特開2011-26665号公報 WO2012/063747A1 特開2009-144196号公報 特許第4335968号公報 特許第4534098号公報
 本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、導電性と分散性に優れた銀粒子を提供することを目的とする。
 特許文献1~4には、中心部より放射状に突出した突起を有する金属粒子が記載されているが、図5に示すように、本発明の銀粒子とは、形状、平均粒子径、及び比表面積の組み合わせにおいて異なるものである。
 本発明に係る銀粒子は、中心部より放射状に突出した突起を有し、平均粒子径(D)が0.1~10μmであり、比表面積(S)が0.1~10m/gであり、銀粒子の真比重(ρ)と平均粒子径(D)と比表面積(S)との積が12以上24以下であるものとする。
 上記銀粒子は、タップ密度が、2~4g/cmであるものとすることができる。
 本発明に係る銀粒子の製造方法は、接近・離反可能に互いに対向して配設され、少なくとも一方が他方に対して回転する第1処理用面と第2処理用面とを有する処理用部を備えた強制薄膜反応装置を用いて、液相の反応系中で銀イオンを還元することで、銀粒子を析出させる銀粒子の製造方法において、第1処理用面と第2処理用面との間に、上記液相となる被処理流動体を導入し、この被処理流動体の圧力により第1処理用面から第2処理用面を離反させる方向に移動させる力を発生させ、この力によって、第1処理用面と第2処理用面との間が微小な間隔に保たれ、この微小間隔に保たれた第1処理用面と第2処理用面との間を通過する上記被処理流動体が薄膜流体を形成し、上記の薄膜流体中で上記金属イオンと還元剤とが反応することにより銀粒子が得られるものであって、上記被処理流体における硝酸銀と還元剤との含有割合が、モル比(硝酸銀/還元剤)で0.3~0.9であり、上記処理用部の回転数が2000~5000rpmであり、上記処理用部における背圧が、0.005~0.05MPaであるものとする。
 本発明の銀粒子によれば、優れた導電性及び分散性が得られる。
強制薄膜反応装置の構成を示す模式図。 強制薄膜反応装置の処理用部を示す模式図。 実施例において得られた銀粒子の電子顕微鏡写真(倍率:20000倍)。 実施例において得られた銀粒子の電子顕微鏡写真(倍率:30000倍)。 平均粒子径と比表面積との関係を示す散布図。 平均粒子径とタップ密度との関係を示す散布図。
 以下、本発明の実施の形態を、より具体的に説明する。
 本発明の一実施形態に係る銀粒子は、図3,4(後述する実施例で得られた銀粒子の電子顕微鏡写真)に示すように、中心部より放射状に突出した突起を有するものである。また、平均粒子径(D)が0.1~10μmであり、比表面積(S)が0.1~10m/gであり、銀粒子の真比重(ρ)と平均粒子径(D)と比表面積(S)との積が12以上24以下であるものとする。
 本実施形態に係る銀粒子の平均粒子径は、0.1~10μmであれば特に限定されないが、例えば導電性ペーストに用いる場合は、分散性と塗工性の観点から1μm~5μmであることが好ましい。0.1μm以上である場合、良好な分散性が得られ、凝集しにくく、10μm以下である場合、微細な配線を描きやすい。ここで、本明細書において平均粒子径とは、レーザー回折散乱法により得られた粒度分布における積算値50%での粒径(一次粒子径)を意味する。
 本実施形態に係る銀粒子の比表面積は、0.1~10m/gであれば特に限定されないが、例えば導電性ペーストに用いる場合は、接触面積と導電性の観点から0.2~2m/gであることが好ましい。0.1m/g以上である場合、球状の銀粒子と比べて優れた導電性が得られやすく、10m/g以下である場合、デンドライト状の銀粒子が有する課題を改善しやすい。ここで、本明細書において比表面積とは、測定試料を真空乾燥機に入れ、常温で2時間処理を行い、その後、試料をセルが密になるように充填した後、BET比表面積測定装置にセットし、次いで、脱気温度40℃にて60分間前処理を行った後、測定した値とする。
 本実施形態に係る銀粒子の形状は、星形多面体に近似でき、正12面体や正20面体を近似モデルとすると、比表面積は、次の式(1),(2)により理論値を求めることができる。
<正12面体の星形多面体>
比表面積(S)≒12/(真比重(ρ)×平均粒子径(D))・・・(1)
<正20面体の星形多面体>
比表面積(S)≒24/(真比重(ρ)×平均粒子径(D))・・・(2)
 上記式(1),(2)から本実施形態に係る銀粒子の真比重(ρ)と平均粒子径(D)と比表面積(S)との積は12以上24以下である。なお、銀の真比重(ρ)は、10.49g/cmとする。
 また、真球状とフレーク状(平面形状が真円の場合)の銀粒子の比表面積は、次の式(3),(4)により理論値を求めることができる。
<真球状>
比表面積(S)=6/(真比重(ρ)×平均粒子径(D))・・・(3)
<フレーク状>
比表面積(S)=2(アスペクト比+2)/(真比重(ρ)×平均粒子径(D))・・・(4)
 上記式(3)から真球状銀粒子の真比重(ρ)と平均粒子径(D)と比表面積(S)との積は6である。本実施形態に係る銀粒子は、真比重(ρ)と平均粒子径(D)と比表面積(S)との積が12以上24以下であるため、同体積の真球状銀粒子と比較し、2~4倍程度の比表面積を有することがわかる。本実施形態に係る銀粒子を導電性組成物などに用いることで、比表面積に比例して向上する特性を向上させることができる。具体的には、真球状銀粒子に比べて同じ配合量でも粒子どうしの接触面積がふえることで導電性が向上したり、配合する樹脂との接合界面が大きくなることで組成物の強度を真球状銀粒子よりも向上させたりすることができる。
 上記式(4)からフレーク状銀粒子の真比重(ρ)と平均粒子径(D)と比表面積(S)との積は、フレーク状銀粒子のアスペクト比が10~100である場合、24~204であり、同体積の真球状銀粒子と比較し、約4~35倍の比表面積を有することがわかる。また、デンドライト状銀粒子は、後述する実施例において測定した市販品の実測値から、同体積の真球状銀粒子と比較し、約10~30倍の比表面積を有することを確認した。従って、フレーク状やデンドライト状の銀粒子についても、導電性組成物などに用いることで、比表面積に比例して向上する特性を真球状銀粒子よりも向上させることができるが、上述のとおり、フレーク状銀粒子は分散性と導電性の両立について課題を有し、デンドライト状銀粒子は極細線や薄膜を形成に適していないなどの問題を有している。
 本実施形態に係る銀粒子の同体積に対する比表面積は、真球状よりも大きく、フレーク状やデンドライト状よりも小さいものであり、本実施形態に係る銀粒子は、真球状やフレーク状、デンドライト状が有する特性をバランス良く備えるものである。具体的には、本実施形態に係る銀粒子は、中心部より放射状に突出した突起を有することで、平面同士の癒着が生じにくく、表面処理剤(滑剤)がなくても凝集しにくく、優れた分散性が得られやすい。また、本実施形態に係る銀粒子は、中心部より放射状に突出した突起を有することで、突起同士の絡み合いにより優れた導電性が得られやすく、電気接点に圧着させた時に、電気接点表面の保護膜や酸化被膜などの絶縁性の膜を突き破り導電回路との接続信頼性を向上させる、いわゆるスパイク効果も得られる。
 ここで、本実施形態に係る銀粒子は、従来から知られているデンドライト状とは異なる形状を有するものである。具体的には、本実施形態に係る銀粒子は、中心部より放射状に突出した突起を有するものであるが、デンドライト状は、粒子表面から突出する突起が主枝からさらに枝部分が分岐して平面状或いは三次元的に成長してなる樹枝状である点で本実施形態に係る銀粒子とは異なる。そのため、デンドライト状のように樹枝部の折れが導電性に影響するという問題や、樹脂成分との混合の際に、樹枝部間に空隙を生じるという問題は生じない。また、本実施形態に係る銀粒子の平均粒子径と比表面積との関係から、突起部はデンドライト状のように長く張り出した形状ではなく極細線や薄膜の形成に適応できる。
 本実施形態に係る銀粒子のタップ密度は、特に限定されないが、2~4g/cmであることが好ましく、2.5~3.5g/cmであることがより好ましい。タップ密度が上記範囲内である場合、導電性組成物を作製した際にボイドが生じにくく、乾燥や焼成時に体積収縮が生じにくい。
 本実施形態に係る銀粒子の製造方法としては、強制薄膜反応装置1を用いて、薄膜流体中で硝酸銀と還元剤とを反応させる方法が挙げられる。
 強制薄膜反応装置1としては、例えば、図1及び図2に示すように、還元剤を含む水溶液(以下、A液ともいう)を貯蔵するA液タンク10と、A液の温度を調整するA液用熱交換器11と、A液タンク10に空気を送り込む不図示の圧縮機と、硝酸銀水溶液(以下、B液ともいう)を貯蔵するB液容器20と、B液容器20内を攪拌するスターラー21と、B液容器20からB液を送り出すためのB液用ポンプ22と、B液の温度を調整するB液用熱交換器23と、被処理流動体(A液とB液)を薄膜流体化させる処理用部3と、処理用部3を構成する第1処理用部4と第2処理用部5とを相対的に回転させる回転駆動装置2とを有するものが挙げられる。
 まず、A液の流れについて、図1を用いて説明する。不図示の圧縮機により、A液タンク10内に空気が送られ、A液タンク10内の圧力が上昇することにより、A液は、A液タンク10からA液用熱交換器11へと送られて温度調整された後、処理用部3へと送られる。
 A液の送液速度は、特に限定されないが、200~1000ml/minであることが好ましく、500~700ml/minであることがより好ましい。送液速度が上記範囲内である場合、所望の平均粒子径、及び比表面積を有する銀粒子が得られやすい。
 A液の温度は、特に限定されないが、10~40℃であることが好ましく、20~30℃であることがより好ましい。A液の温度が上記範囲内である場合、所望の平均粒子径、及び比表面積を有する銀粒子が得られやすい。
 次に、B液の流れについて、図1を用いて説明する。B液容器20内では、スターラー21が回転していることで、硝酸銀が水溶液中に均一に分散している。そして、B液ポンプ22により、B液は、B液容器20からB液用熱交換器23へと送られて温度調整された後、処理用部3へと送られる。
 B液の送液速度は、特に限定されないが、10~200ml/minであることが好ましく、50~150ml/minであることがより好ましい。送液速度が上記範囲内である場合、所望の平均粒子径、及び比表面積を有する銀粒子が得られやすい。
 B液の温度は、特に限定されないが、10~40℃であることが好ましく、20~30℃であることがより好ましい。B液の温度が上記範囲内である場合、所望の平均粒子径、及び比表面積を有する銀粒子が得られやすい。
 処理用部3は、図2に示すように、相対的に接近・離反可能に設けられた第1処理用部4と第2処理用部5とを有する。第1処理用部4と第2処理用部5は、互いに対向する第1処理用面(図示せず)と第2処理用面5’をそれぞれ有する。第1処理用部4には、処理用部3に送られてきたA液を、矢印Aに示すように、第1処理用面及び第2処理用面5’との間に導入するためのA液用流路6と、処理用部3に送られてきたB液を、矢印Bに示すように、第1処理用面及び第2処理用面5’との間に導入するためのB液用流路7とが設けられている。
 上記流路6,7を介して、第1処理用面及び第2処理用面5’との間に導入された被処理流動体(A液及びB液)の圧力により第1処理用面から第2処理用面5’を離反させる方向に移動させる力を発生させ、この力によって、第1処理用面と第2処理用面5’との間が微小な間隔に保たれ、この微小間隔に保たれた第1処理用面と第2処理用面5’との間を通過する上記被処理流動体が薄膜流体を形成する。そして、回転駆動装置2により、第2処理用部5が、第1処理用部4に対して相対的に回転することで、上記被処理流動体は均一に混合されながら、処理用部3の径方向外側へと押し出される。
 混合された被処理流動体では、硝酸銀と還元剤との反応により、被処理流動体中の銀イオンが還元され、銀粒子が析出する。
 被処理流体における硝酸銀と還元剤との含有割合は、モル比(硝酸銀/還元剤)で0.3~0.9であり、0.5~0.7であることが好ましい。上記含有割合で硝酸銀と還元剤とを反応させることにより、所望の平均粒子径、及び比表面積を有する銀粒子が得られやすい。
 処理用部3の回転数は、2000~5000rpmであり、3000~4000rpmであることが好ましい。回転数が2000rpm以上である場合、処理用部3内の被処理流動体が十分撹拌され、均一な粒子が生成しやすい。また、回転数が5000rpm以下である場合、被処理流動体が摩擦熱により高温になりにくく目的の粒子が生成しやすい。
 処理用部3における背圧は、0.005~0.05MPaであり、0.01~0.03MPaであることが好ましい。背圧が上記範囲内である場合、所望の平均粒子径、及び比表面積を有する銀粒子が得られやすい。ここで背圧とは、被処理流動体が第1処理用部4と第2処理用部5との間を通過する際に第1処理用部4を第1処理用面5’から離反させる方向に押し広げようとする力に対抗して第1処理用部4の背面から押さえつける圧力である。背圧が0.005MPa以上である場合、処理用部3の間隙が広くなりすぎず、所望の撹拌力が得られやすく、背圧が0.05MPa以下である場合、被処理流動体が処理用部3内に流れこみやすい。
 還元剤としては、特に限定されないが、例えば、水素化ホウ素ナトリウム、次亜リン酸ナトリウム、ヒドラジン、遷移金属元素のイオン(三価のチタンイオン、二価のコバルトイオン等)やメタノール、エタノール、2-プロパノール等のアルコールやグルコース、マルトース等の還元性のある糖類、あるいはアスコルビン酸、エリソルビン酸等を挙げることができる。
 このような強制薄膜反応装置1としては、例えば、上記特許文献5,6に記載のものを使用することができ、具体的には、M-technique社製の強制薄膜反応装置「ULREA SS-11」などを用いることができる。
 以下に本発明の実施例を示すが、本発明は以下の実施例によって限定されるものではない。なお、以下において含有量等は、特にことわらない限り質量基準とする。
[実施例1]
 水10Lに対して、L-アスコルビン酸を1kg溶解させて、9.1質量%のL-アスコルビン酸水溶液を調製し、反応液Aとした。また、水2Lに対して、硝酸銀1kgを溶解させて、33質量%の硝酸銀水溶液を調製し、反応液Bとした。
 M-technique社製の強制薄膜反応装置「ULREA SS-11」を用いて、以下の条件で、反応を行った。具体的には、上記強制薄膜反応装置の第1処理用面と第2処理用面との間に形成された、薄膜流体中で反応液Aと反応液Bとを混合し、得られた混合液を1時間静置した後、No.5のろ紙を用いて、ろ別・洗浄し、真空デシケータ内で24時間乾燥することで、銀粒子を550g得た(収率:約85%)。
<装置の設定条件>
処理用部の形状・材質:シリコンカーバイド(SiC)製 円環溝ディスク及び回転ディスク
処理用部の回転数:3000rpm
処理用部の背圧:0.02MPa
反応液Aの温度:25℃
反応液Aの送液速度:600ml/min
反応液Bの温度:25℃
反応液Bの送液速度:100ml/min
 得られた銀粒子について、以下の測定方法により、粒度分布、比表面積、及びタップ密度を測定した。
・平均粒子径(D50):レーザー回析式粒度分布測定装置(マイクロトラック・ベル株式会社製「MT3300EX II」、測定媒体:水)を用いて、レーザー回折散乱法により得た粒度分布において積算値50%での粒径を平均粒子径とした。
・比表面積:測定試料を真空乾燥機に入れ、常温で2時間処理を行い、その後、試料をセルが密になるように充填した後、BET比表面積測定装置(株式会社 島津製作所製「ジェミニVII2390」)にセットし、次いで、脱気温度40℃にて60分間前処理を行った後、測定した。
・タップ密度:株式会社 セイシン企業製「タップデンサーKYT-5000」のシリンダに得られた銀粒子を静かに充填した後、タッピング(シリンダを上方に移動させた後、シリンダを自由落下させること)を行い、銀粒子間の空隙を破壊し、密充填した時の見かけかさ密度を測定した。
 実施例1で得られた銀粒子の平均粒子径は4.97μm、比表面積は0.28m/g、タップ密度は2.9g/cmであり、結果を図5,6の散布図にプロットした。これらの結果から、真比重(ρ)と平均粒子径(D)と比表面積(S)との積は、14.6であった。
 また、市販されている複数の球状銀粒子、フレーク状銀粒子、デンドライト状銀粒子について、カタログから平均粒子径、比表面積、及びタップ密度を抽出し、記載のないものは上記方法に従い測定した。その結果を表1に示し、図5,6の散布図にプロットした。また、特許文献1~4の記載から、銀粒子が有する平均粒子径及び比表面積を抽出し、これらの文献に記載の銀粒子の属する領域30~33を図5の散布図に示した。また、上記式(3)、(4)から求めた、真球状銀粒子、及びフレーク状銀粒子の比表面積の理論値を点線で示した。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
 
 図5において、領域40には、フレーク状銀粒子No.13が属している。しかしながら、上述のとおり、フレーク状銀粒子は、平面同士の癒着が生じやすく、分散性を改善するために、多量の表面処理剤(滑剤)の使用が必要となり、表面処理剤が導電性を阻害するため、分散性と導電性との両立が困難であるという問題がある。従って、本実施形態に係る銀粒子は、フレーク状銀粒子とは形状が異なるため、異なる特性を有するものである。
 図5において、領域40には、球状銀粒子No.2が属している。しかしながら、球状銀粒子は、突起を有していないため、本実施形態の銀粒子とは少なくとも導電性に関して異なる特性を有するものである。
 これらの結果から、本実施形態に係る銀粒子は、従来から知られている球状や、フレーク状、デンドライト状の銀粒子とは、形状、平均粒子径、及び比表面積の組み合わせにおいて異なるものであることがわかる。
1・・・強制薄膜反応装置
2・・・回転駆動機構
3・・・処理用部
4・・・第1処理用部
5・・・第2処理用部
5’・・第2処理用面
6・・・A液用流路
7・・・B液用流路
10・・A液タンク
11・・A液用熱交換器
20・・B液容器
21・・スターラー
22・・B液用ポンプ
23・・B液用熱交換器
30・・特許文献1に記載の粒子が属する領域
31・・特許文献2に記載の粒子が属する領域
32・・特許文献3に記載の粒子が属する領域
33・・特許文献4に記載の粒子が属する領域
40・・本発明に係る銀粒子が属する領域

 

Claims (3)

  1.  中心部より放射状に突出した突起を有し、
     平均粒子径(D)が0.1~10μmであり、
     比表面積(S)が0.1~10m/gであり、
     銀粒子の真比重(ρ)と平均粒子径(D)と比表面積(S)との積が12以上24以下である、銀粒子。
  2.  タップ密度が、2~4g/cmである、請求項1に記載の銀粒子。
  3.  接近・離反可能に互いに対向して配設され、少なくとも一方が他方に対して回転する第1処理用面と第2処理用面とを有する処理用部を備えた強制薄膜反応装置を用いて、液相の反応系中で銀イオンを還元することで、銀粒子を析出させる銀粒子の製造方法において、
     第1処理用面と第2処理用面との間に、前記液相となる被処理流動体を導入し、この被処理流動体の圧力により第1処理用面から第2処理用面を離反させる方向に移動させる力を発生させ、この力によって、第1処理用面と第2処理用面との間が微小な間隔に保たれ、この微小間隔に保たれた第1処理用面と第2処理用面との間を通過する前記被処理流動体が薄膜流体を形成し、前記の薄膜流体中で前記金属イオンと還元剤とが反応することにより銀粒子が得られるものであって、
     前記被処理流体における硝酸銀と還元剤との含有割合が、モル比(硝酸銀/還元剤)で0.3~0.9であり、
     前記処理用部の回転数が2000~5000rpmであり、
     前記処理用部における背圧が、0.005~0.05MPaでることを特徴とする、銀粒子の製造方法。

     
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