JP2019183268A - 銀粉およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】凝集し難く且つ導電性ペーストの材料として使用して導電膜を形成する場合に焼成の際に炭素分から二酸化炭素などのガスが発生するのを抑制することができる銀粉およびその製造方法を提供する。【解決手段】20ppm以上の銅を含む銀粉であって、この銀粉を大気雰囲気中において150℃で10時間加熱したときの炭素含有量が0.05質量%以下であり、この銀粉のレーザー回折式粒度分布測定装置により測定した体積基準の累積50%粒子径(D50径)が1〜15μmであり、この累積50%粒子径(D50径)に対する、電界放出型走査電子顕微鏡によって観測した単体粒子の平均粒子径(SEM径)の比(SEM径/D50径)が0.3〜1.0である。【選択図】図1

Description

本発明は、銀粉およびその製造方法に関し、特に、導電性ペーストの材料に適した銀粉およびその製造方法に関する。
従来、太陽電池の電極、低温焼成セラミック(LTCC)を使用した電子部品や積層セラミックインダクタ(MLCI)などの積層セラミック電子部品の内部電極、積層セラミックコンデンサや積層セラミックインダクタなどの外部電極などを形成する導電性ペーストの材料として、銀粉などの金属粉末が使用されている。
このような導電性ペーストの材料として使用される銀粉として、銀イオンを含有する水性反応系に、銅などの種粒子の存在下で、還元剤を添加して銀粒子を還元析出させる、銀粉の製造方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、硝酸銀などの銀水溶液に、ステアリン酸塩などの凝集抑制剤を添加した後、還元剤を添加して銀粒子を還元析出させる、銀粉の製造方法も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2009−235474号公報(段落番号0012−0014) 特開2013−14790号公報(段落番号0023〜0027)
しかし、特許文献1〜2に記載された銀粉の製造方法のように、湿式還元法によって銀粉を製造する方法では、製造中に銀粉の粒子の内部に不純物として炭素含有化合物を取り込んでしまう。そのため、このような方法により製造された銀粉を焼成型導電性ペーストの材料として使用し、この焼成型導電性ペーストを基板に塗布した後に焼成して導電膜を形成すると、焼成の際に炭素分から二酸化炭素などのガスが発生し、このガスによって導電膜にクラックが生じて、導電膜と基板との密着性が悪くなるという問題がある。
このような問題を解消するため、炭素などの不純物の含有量が極めて少ない銀粉を安価に製造する方法として、銀を溶解した溶湯を落下させながら高圧水を吹き付けて急冷凝固させる、所謂水アトマイズ法によって銀粉を製造する方法が知られている。しかし、従来の水アトマイズ法による銀粉の製造方法により製造された銀粉は、凝集して二次粒子径が大きくなり易く、このように凝集した銀粉を導電性ペーストの材料として使用すると、表面が平滑な薄い導電膜を形成するのが困難になる。
特に、近年、積層セラミックインダクタ(MLCI)などの電子部品の内部電極などの小型化により、導電性ペーストに使用する銀粉として、粒子径の小さい銀粉が求められているが、銀粉の粒子径が小さくなると、銀粉が凝集し易くなる。
したがって、本発明は、このような従来の問題点に鑑み、凝集し難く且つ導電性ペーストの材料として使用して導電膜を形成する場合に焼成の際に炭素分から二酸化炭素などのガスが発生するのを抑制することができる銀粉およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、20ppm以上の銅を含む銀粉であって、この銀粉を大気雰囲気中において150℃で10時間加熱したときの炭素含有量が0.05質量%以下である銀粉を製造すれば、凝集し難く且つ導電性ペーストの材料として使用して導電膜を形成する場合に焼成の際に炭素分から二酸化炭素などのガスが発生するのを抑制することができる銀粉を提供することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明による銀粉は、20ppm以上の銅を含む銀粉であって、この銀粉を大気雰囲気中において150℃で10時間加熱したときの炭素含有量が0.05質量%以下であることを特徴とする。
上記の銀粉中の銅の含有量は20〜10000ppmであるのが好ましい。また、上記の銀粉は、レーザー回折式粒度分布測定装置により測定した体積基準の累積50%粒子径(D50径)が1〜15μmであるのが好ましく、銀粉の累積50%粒子径(D50径)に対する、電界放出型走査電子顕微鏡によって観測した単体粒子の平均粒子径(SEM径)の比(SEM径/D50径)が0.3〜1.0であるのが好ましい。また、銀粉の累積50%粒子径(D50径)に対するタップ密度の比(タップ密度/D50径)が0.45〜3.6g/(cm・μm)であるのが好ましい。また、銀粉中の酸素含有量は0.1質量%以下であるのが好ましい。さらに、銀粉のBET比表面積は0.1〜1.0m/gであるのが好ましく、タップ密度は2〜8g/cmであるのが好ましい。また、上記の銀粉は、表面に有機化合物が付着している銀粉でもよい。
また、本発明による銀粉の製造方法は、20ppm以上の銅を含む銀を溶解した溶湯を落下させながら、高圧水を吹き付けて急冷凝固させ、得られた銀粒子の表面を有機化合物で表面処理することを特徴とする。この銀粉の製造方法において、溶湯中の銅の含有量が20〜10000ppmであるのが好ましい。
また、本発明による導電性ペーストは、上記の銀粉が有機成分中に分散していることを特徴とする。
さらに、本発明による導電膜の製造方法は、上記の導電性ペーストを基板上に塗布した後に焼成して導電膜を製造することを特徴とする。
本発明によれば、凝集し難く且つ導電性ペーストの材料として使用して導電膜を形成する場合に焼成の際に炭素分から二酸化炭素などのガスが発生するのを抑制することができる銀粉を製造することができる。
実施例10で得られた銀粉を5000倍で観察した電界放出型走査電子顕微鏡(FE−SEM)写真を示す図である。 実施例11で得られた銀粉を5000倍で観察したFE−SEM写真を示す図である。 実施例12で得られた銀粉を5000倍で観察したFE−SEM写真を示す図である。 実施例13で得られた銀粉を5000倍で観察したFE−SEM写真を示す図である。 実施例14で得られた銀粉を5000倍で観察したFE−SEM写真を示す図である。 実施例15で得られた銀粉を5000倍で観察したFE−SEM写真を示す図である。 実施例16で得られた銀粉を5000倍で観察したFE−SEM写真を示す図である。 実施例17で得られた銀粉を5000倍で観察したFE−SEM写真を示す図である。 実施例18で得られた銀粉を5000倍で観察したFE−SEM写真を示す図である。 実施例15で得られた銀粉についてレーザー回折式粒度分布測定装置により測定した体積基準の粒度分布を示す図である。 実施例16で得られた銀粉についてレーザー回折式粒度分布測定装置により測定した体積基準の粒度分布を示す図である。 実施例17で得られた銀粉についてレーザー回折式粒度分布測定装置により測定した体積基準の粒度分布を示す図である。 実施例18で得られた銀粉についてレーザー回折式粒度分布測定装置により測定した体積基準の粒度分布を示す図である。
本発明による銀粉の実施の形態では、20ppm以上の銅を含む銀粉であって、この銀粉を大気雰囲気中において150℃で10時間加熱したときの炭素含有量が0.05質量%以下である。
この銀粉中の銅の含有量は、(銀粉の凝集を防止する観点から)20ppm以上であり、銀粉の耐酸化性や導電性を向上させる観点から、20〜10000ppmであるのが好ましく、40〜2000ppmであるのがさらに好ましく、40〜800ppmであるのがさらに好ましく、230〜750ppmであるのが最も好ましい。
この銀粉を大気雰囲気中において150℃で10時間加熱したときの炭素含有量は、0.05質量%以下であり、0.03質量%以下であるのが好ましく、0.007質量%以下であるのがさらに好ましい。このような炭素含有量が低い銀粉を材料として使用した焼成型導電性ペーストを基板に塗布した後に焼成して導電膜を形成すると、焼成の際に炭素分から発生する二酸化炭素などのガスの量が少なく、ガスによる導電膜のクラックが生じ難くなり、基板との密着性に優れた導電膜を形成することができる。
また、銀粉中の酸素含有量は、0.1質量%以下であるのが好ましく、0.01〜0.07質量%であるのがさらに好ましい。このように銀粉中の酸素含有量が低ければ、十分に焼結して高い導電性の導電膜を形成することができる。
この銀粉の(ヘロス法によって)レーザー回折式粒度分布測定装置により測定した体積基準の累積50%粒子径(D50径)は、1〜15μmであるのが好ましく、銀粉をさらに小型化した電子部品の内部電極などを形成する導電性ペーストの材料として使用する場合には、1〜8μmであるのがさらに好ましく、1.2〜7μmであるのが最も好ましい。また、この銀粉の電界放出型走査電子顕微鏡(SEM)によって観測した単体粒子の平均粒子径(SEM径)は、銀粉をさらに小型化した電子部品の内部電極などを形成する導電性ペーストの材料として使用する場合には、1〜8μmであるのが好ましく、1〜5μmであるのがさらに好ましく、1.2〜4μmであるのが最も好ましい。また、この銀粉の累積50%粒子径(D50径)に対する、電界放出型走査電子顕微鏡によって観測した単体粒子の平均粒子径(SEM径)の比(SEM径/D50径)は、0.3〜1.0であるのが好ましく、0.35〜1.0であるのがさらに好ましく、0.5〜1.0であるのがさらに一層好ましく、0.65〜1.0であるのが最も好ましい。この比(SEM径/D50径)(一次粒子径/二次粒子径)が大きいほど、銀粉の凝集が少ないといえる。
また、銀粉のBET比表面積は、0.1〜1.0m/gであるのが好ましく、0.15〜0.8m/gであるのがさらに好ましく、0.18〜0.5m/gであるのが最も好ましい。また、銀粉のタップ密度は、銀粉を導電性ペーストの材料として使用して導電膜を形成する場合に銀粉の充填性を高めて良好な導電性の導電膜を形成するために、2〜8g/cmであるのが好ましく、2.5〜7.8g/cmであるのがさらに好ましく、3.5〜7.5g/cmであるのが最も好ましい。さらに、銀粉を導電性ペーストの材料として使用して導電膜を形成する場合に銀粉の充填性を高めて良好な導電性の導電膜を形成するために、銀粉の累積50%粒子径(D50径)に対するタップ密度の比(タップ密度/D50径)は、0.45〜3.6g/(cm・μm)であるのが好ましく、0.8〜3.2g/(cm・μm)であるのがさらに好ましく、1.1〜3.0g/(cm・μm)であるのが最も好ましい。
なお、上記の銀粉の形状は、球状やフレーク状などの様々な粒状の形状のいずれの形状でもよく、形状が揃っていない不定形状でもよい。
また、この銀粉をさらに凝集し難くするために、銀粉の表面に有機化合物からなる表面処理剤を付着させてもよい。このように有機化合物からなる表面処理剤を銀粉の表面に付着させる(銀粉の表面を被覆する)と、この有機化合物により銀粉中の炭素含有量が多くなる。しかし、このように有機化合物からなる表面処理剤が存在する銀粉を使用した焼成型導電性ペーストを基板に塗布した後に焼成して導電膜を形成する場合、銀粉の表面に存在する表面処理剤は、焼成の際に早期に銀粉の表面から離脱するため、焼成の際に炭素分から発生した二酸化炭素などのガスによって導電膜にクラックが生じて導電膜と基板との密着性が悪くなるという問題は生じないと考えられる。すなわち、焼成の際に炭素分から発生した二酸化炭素などのガスによって導電膜にクラックが生じて導電膜と基板との密着性が悪くなるという問題は、銀粉の内部に存在する炭素の含有量が多くなると生じる問題であり、銀粉の内部に存在する炭素の含有量が少なければ、銀粉の表面に存在する有機化合物によって銀粉中の炭素含有量が多くなっても、そのような問題は生じないと考えられる。そのため、有機化合物からなる表面処理剤が存在する銀粉では、銀粉の表面に存在する有機化合物からなる表面処理剤の大部分(または略全て)を除去したときの炭素含有量が少なければよく、(銀粉の内部の炭素は残存したまま)銀粉の表面に存在する有機化合物からなる表面処理剤の大部分(または略全て)を除去できる程度に加熱したとき(銀粉を150℃で10時間加熱したとき)の炭素含有量が、0.05質量%以下であればよく、0.03質量%以下であるのが好ましく、0.007質量%以下であるのがさらに好ましい。なお、銀粉の表面に有機化合物からなる表面処理剤が付着した銀粉中の炭素含有量は、0.3質量%以下であるのが好ましく、0.2質量%以下であるのがさらに好ましく、また、0.001質量%以上であるのが好ましい。
この有機化合物からなる表面処理剤として、炭素数1〜32の飽和または不飽和脂肪酸、炭素数1〜32の飽和または不飽和アミン、環構成原子数5〜12の複素環化合物などの有機化合物からなる表面処理剤を使用することができるが、導電性を向上させる観点から、炭素数1〜32の飽和または不飽和脂肪酸を使用するのが好ましく、分散性を向上させる観点から、脂肪酸やアミンの炭素数が4〜24であるのが好ましい。脂肪酸やアミンは、環状構造を有してもよい。また、複素環化合物は、飽和または不飽和のいずれの化合物でもよく、縮合環構造の化合物でもよく、トリアゾール化合物(分子内にトリアゾール構造を有する化合物)であるのが好ましい。
有機化合物からなる表面処理剤として、具体的には、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、バクセン酸、リノール酸、リシノール酸、リノレン酸、アラキジン酸、エイコサジエン酸、エイコサトリエン酸、エイコサテトラエン酸、アラキドン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、ネルボン酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸、ベンゾトリアゾールなどを使用することができるが、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸またはリシノール酸を使用するのが好ましい。
上述した銀粉の実施の形態のうち、表面に有機化合物からなる表面処理剤を付着させていない銀粉は、銀に20ppm以上(好ましくは20〜10000ppm、さらに好ましくは40〜2000ppm、さらに好ましくは40〜800ppm、最も好ましくは230〜750ppm)の銅を(好ましくは銅単体またはAg−Cu合金の形態で)添加して溶解した(好ましくは銀の融点約962℃より300〜720℃高い温度の)溶湯を落下させながら、(好ましくは、大気雰囲気中または(水素、一酸化炭素、アルゴン、窒素などの)非酸化性雰囲気中において水圧70〜400MPa(さらに好ましくは90〜280MPa)で)(好ましくは純水またはpH8〜12のアルカリ水である)高圧水を吹き付けて急冷凝固させることにより製造することができる。
高圧水を吹き付ける、所謂水アトマイズ法によって、銀に微量の銅(溶湯中の含有量が20ppm以上、好ましくは20〜10000ppm、さらに好ましくは40〜2000ppm、さらに好ましくは40〜800ppm、最も好ましくは230〜750ppmになる銅)を添加した溶湯から銀粉を製造すると、粒子径が小さく、炭素含有量が少なく且つ凝集し難い銀粉を得ることができる。
また、水アトマイズ法によって溶湯から銀粉を製造する際に、溶湯の温度と高圧水の圧力を調整することによって、銀粉の平均粒子径を調整することができる。例えば、溶湯の温度を高くしたり、高圧水の圧力を高くすることにより、銀粉の平均粒子径を小さくすることができる。
また、水アトマイズ法によって溶湯から銀粉を製造する際に、溶湯を落下させながら高圧水を吹き付けて急冷凝固させて得られたスラリーを固液分離し、得られた固形物を乾燥して(微量の銅を含む)銀粉を得ることができる。なお、必要に応じて、固液分離して得られた固形物を乾燥する前に水洗してもよいし、乾燥した後に解砕したり分級して、粒度を調整してもよい。
また、上述した銀粉の実施の形態のうち、表面に有機化合物からなる表面処理剤を付着させた銀粉は、水アトマイズ法により得られた銀粒子の表面処理を行うことによって製造することができる。この表面処理は、水アトマイズ法により得られた銀粒子と有機化合物からなる表面処理剤を混合して、銀粒子の表面に表面処理剤を付着させることによって行ってもよいし、急冷凝固により得られたスラリーを固液分離する前に、(銀粒子を含む)スラリーに有機化合物からなる表面処理剤を添加(混合)して、銀粒子の表面に表面処理剤を付着させることによって行ってもよい。このようにして銀粉の表面に表面処理剤を付着させる(銀粉の表面を表面処理剤で被覆する)ことにより、銀粉のタップ密度を高めることができる。なお、表面処理剤の添加量は、(表面処理剤を含まない)銀粉100重量部に対して、0.01〜7重量部であるのが好ましく、0.015〜6重量部であるのがさらに好ましく、0.02〜5重量部であるのが最も好ましい。
本発明による銀粉の実施の形態を(焼成型導電性ペーストなどの)導電性ペーストの材料として使用する場合、この銀粉を、(飽和脂肪族炭化水素類、不飽和脂肪族炭化水素類、ケトン類、芳香族炭化水素類、グリコールエーテル類、エステル類、アルコール類などの)有機溶剤や、(エチルセルロースやアクリル樹脂などの)バインダ樹脂などの有機成分中に分散させて導電性ペーストを作製することができる。また、必要に応じて、この導電性ペーストにガラスフリット、無機酸化物、分散剤などを添加してもよい。
導電性ペースト中の銀粉の含有量は、導電性ペーストの製造コストおよび導電膜の導電性の観点から、5〜98質量%であるのが好ましく、70〜95質量%であるのがさらに好ましい。また、導電性ペースト中の銀粉は、1種以上の他の金属粉末(銀と錫の合金粉末、錫粉などの金属粉末)と混合して使用してもよい。この金属粉末は、本発明による銀粉の実施の形態と形状や粒径が異なる金属粉末でもよい。この金属粉末のレーザー回折式粒度分布測定装置により測定した体積基準の累積50%粒子径(D50径)は、導電性ペーストを焼成して薄い導電膜を形成するために、0.5〜20μmであるのが好ましい。また、この金属粉末の導電性ペースト中の含有量は、1〜94質量%であるのが好ましく、4〜29質量%であるのがさらに好ましい。なお、導電性ペースト中の銀粉と金属粉末の含有量の合計は、60〜99質量%であるのが好ましく、74〜99質量%であるのがさらに好ましい。また、導電性ペースト中の有機溶剤の含有量は、導電性ペースト中の銀粉の分散性や導電性ペーストの適切な粘度を考慮して、0.8〜20質量%であるのが好ましく、0.8〜15質量%であるのがさらに好ましい。この有機溶剤は、2種以上を混合して使用してもよい。また、導電性ペースト中のバインダ樹脂の含有量は、導電性ペースト中の銀粉の分散性や導電性ペーストの導電性の観点から、0.1〜10質量%であるのが好ましく、0.1〜6質量%であるのがさらに好ましい。このバインダ樹脂は、2種以上を混合して使用してもよい。また、導電性ペースト中のガラスフリットの含有量は、導電性ペーストの焼結性の観点から、0.1〜20質量%であるのが好ましく、0.1〜10質量%であるのがさらに好ましい。このガラスフリットは、2種以上を混合して使用してもよい。
このような導電性ペーストは、例えば、各構成要素を計量して所定の容器に入れ、らいかい機、万能攪拌機、ニーダーなどを用いて予備混練した後、3本ロールで本混練することによって作製することができる。また、必要に応じて、その後、さらに有機溶剤を添加して、粘度調整を行ってもよい。また、ガラスフリットや無機酸化物と有機溶剤やバインダ樹脂を混練して粒度を下げた後、最後に銀粉を追加して本混練してもよい。
この導電性ペーストをディッピングや(メタルマスク印刷、スクリーン印刷、インクジェット印刷などの)印刷などにより(セラミック基板や誘電体層などの)基板上に所定パターン形状に塗布した後に焼成して導電膜を形成することができる。導電性ペーストをディッピングにより塗布する場合には、導電性ペースト中に基板をディッピングして塗膜を形成し、この塗膜を焼成して得られた導電膜の不要な部分を除去して、基板上に所定パターン形状の導電膜を形成することができる。
基板上に塗布した導電性ペーストの焼成は、窒素、アルゴン、水素、一酸化炭素などの非酸化性雰囲気下で行ってもよいが、銀粉は酸化し難いため、コスト面から大気雰囲気下で行うのが好ましい。なお、導電性ペーストの焼成温度は、600〜1000℃程度であるのが好ましく、700〜900℃程度であるのがさらに好ましい。また、導電性ペーストの焼成の前に、真空乾燥などにより予備乾燥を行うことにより、導電性ペースト中の有機溶剤などの揮発成分を除去してもよい。また、導電性ペーストがバインダ樹脂を含む場合は、導電性ペーストの焼成の前に、バインダ樹脂の含有量を低減させる脱バインダ工程として250〜400℃の低温で加熱するのが好ましい。
以下、本発明による銀粉およびその製造方法の実施例について詳細に説明する。
[実施例1]
純度99.99質量%のショット銀23.96kgと、(228ppmの銅を含む)Ag−Cu合金6.04kgとを大気雰囲気中において1600℃に加熱して溶解した溶湯(46ppmの銅を含む銀の溶湯)をタンディッシュ下部から落下させながら、水アトマイズ装置により大気雰囲気中において水圧150MPa、水量160L/分でアルカリ水(純水21.6mに対して苛性ソーダ157.55gを添加したアルカリ水溶液(pH10.7))を吹き付けて急冷凝固させ、得られたスラリーを固液分離し、固形物を水洗し、乾燥して、(微量の銅を含む)銀粉を得た。
このようにして得られた銀粉の単体粒子径(一次粒子径)として、電界放出型走査電子顕微鏡(SEM)(株式会社日立ハイテクノロジーズ製のS−4700)によって倍率5000倍で観測した単体粒子の平均粒子径(SEM径)を、任意の粒子30個のフェレ径の平均値から求めた。その結果、銀粉のSEM径(一次粒子径)は2.35μmであった。また、銀粉の凝集粒子径(二次粒子径)として、レーザー回折式粒度分布測定装置(SYMPATEC社製のへロス粒度分布測定装置(HELOS&RODOS(気流式の分散モジュール)))を使用して、分散圧5barで体積基準の累積50%粒子径(D50径)を測定したところ、銀粉の累積50%粒子径(D50径)は6.0μmであった。なお、累積50%粒子径(D50径)(二次粒子径)に対するSEM径(一次粒子径)の比(一次粒子径/二次粒子径)を算出すると、0.39であった。
また、銀粉の組成分析を誘導結合プラズマ(ICP)発光分光分析装置(株式会社日立ハイテクサイエンス製のSPS3520V)によって行ったところ、銀粉中の銅の含有量は溶湯中の銅の含有量の±10%の範囲内であった。
また、銀粉中の炭素含有量を炭素・硫黄分析装置(株式会社堀場製作所製のEMIA−920V2)により測定したところ、炭素含有量は0.004質量%であり、酸素含有量を酸素・窒素・水素分析装置(株式会社堀場製作所製のEMGA−920)により測定したところ、酸素含有量は0.040質量%であった。なお、本実施例の銀粉は、有機化合物による表面処理を行っていないため、後述するように150℃で10時間加熱した後も、炭素含有量は0.004質量%程度である。
また、銀粉のBET比表面積をBET比表面積測定器(株式会社マウンテック製のMacsorb)を使用して、測定器内に105℃で20分間窒素ガスを流して脱気した後、窒素とヘリウムの混合ガス(N:30体積%、He:70体積%)を流しながら、BET1点法により測定したところ、BET比表面積は0.34m/gであった。
さらに、銀粉のタップ密度(TAP)として、特開2007−263860号公報に記載された方法と同様に、銀粉を内径6mm×高さ11.9mmの有底円筒形のダイに容積の80%まで充填して銀粉層を形成し、この銀粉層の上面に0.160N/mの圧力を均一に加えて、この圧力で銀粉がこれ以上密に充填されなくなるまで銀粉を圧縮した後、銀粉層の高さを測定し、この銀粉層の高さの測定値と、充填された銀粉の重量とから、銀粉の密度を求めた。その結果、タップ密度は3.0g/cmであった。なお、銀粉の累積50%粒子径(D50径)に対するタップ密度(TAP)の比(TAP/D50径)を算出したところ、0.50g/(cm・μm)であった。
[実施例2]
ショット銀25kgと、(581ppmの銅を含む)Ag−Cu合金15kgとを溶解した溶湯(218ppmの銅を含む銀の溶湯)を使用した以外は、実施例1と同様の方法により、(微量の銅を含む)銀粉を得た。
このようにして得られた銀粉について、実施例1と同様の方法により、SEM径(一次粒子径)を算出し、累積50%粒子径(D50径)(二次粒子径)を測定し、累積50%粒子径(D50径)(二次粒子径)に対するSEM径(一次粒子径)の比(SEM径/D50径)(一次粒子径/二次粒子径)を算出したところ、銀粉のSEM径(一次粒子径)は2.34μm、累積50%粒子径(D50径)は4.1μmであり、SEM径/D50径(一次粒子径/二次粒子径)は0.57であった。
また、実施例1と同様の方法により、銀粉の組成分析を行い、銀粉中の炭素含有量および酸素含有量を測定し、銀粉のBET比表面積およびタップ密度(TAP)を求め、銀粉の累積50%粒子径(D50径)に対するタップ密度(TAP)の比(TAP/D50径)を算出したところ、銀粉中の銅の含有量は溶湯中の銅の含有量の±10%の範囲内であり、炭素含有量は0.002質量%、酸素含有量は0.041質量%、BET比表面積は0.36m/g、タップ密度は4.1g/cmであり、銀粉の累積50%粒子径(D50径)に対するタップ密度(TAP)の比(TAP/D50径)は1.00g/(cm・μm)であった。なお、本実施例の銀粉は、有機化合物による表面処理を行っていないため、後述するように150℃で10時間加熱した後も、炭素含有量は0.002質量%程度である。
[実施例3]
ショット銀24kgと、(595ppmの銅を含む)Ag−Cu合金16kgとを溶解した溶湯(238ppmの銅を含む銀の溶湯)を使用した以外は、実施例1と同様の方法により、(微量の銅を含む)銀粉を得た。
このようにして得られた銀粉について、実施例1と同様の方法により、SEM径(一次粒子径)を算出し、累積50%粒子径(D50径)(二次粒子径)を測定し、累積50%粒子径(D50径)(二次粒子径)に対するSEM径(一次粒子径)の比(SEM径/D50径)(一次粒子径/二次粒子径)を算出したところ、銀粉のSEM径(一次粒子径)は2.19μm、累積50%粒子径(D50径)は2.9μmであり、SEM径/D50径(一次粒子径/二次粒子径)は0.75であった。
また、実施例1と同様の方法により、銀粉の組成分析を行い、銀粉中の炭素含有量および酸素含有量を測定し、銀粉のBET比表面積およびタップ密度(TAP)を求め、銀粉の累積50%粒子径(D50径)に対するタップ密度(TAP)の比(TAP/D50径)を算出したところ、銀粉中の銅の含有量は溶湯中の銅の含有量の±10%の範囲内であり、炭素含有量は0.004質量%、酸素含有量は0.051質量%、BET比表面積は0.42m/g、タップ密度は4.2g/cmであり、銀粉の累積50%粒子径(D50径)に対するタップ密度(TAP)の比(TAP/D50径)は1.45g/(cm・μm)であった。なお、本実施例の銀粉は、有機化合物による表面処理を行っていないため、後述するように150℃で10時間加熱した後も、炭素含有量は0.004質量%程度である。
[実施例4]
ショット銀25kgと、(675ppmの銅を含む)Ag−Cu合金15kgとを溶解した溶湯(253ppmの銅を含む銀の溶湯)を使用した以外は、実施例1と同様の方法により、(微量の銅を含む)銀粉を得た。
このようにして得られた銀粉について、実施例1と同様の方法により、SEM径(一次粒子径)を算出し、累積50%粒子径(D50径)(二次粒子径)を測定し、累積50%粒子径(D50径)(二次粒子径)に対するSEM径(一次粒子径)の比(SEM径/D50径)(一次粒子径/二次粒子径)を算出したところ、銀粉のSEM径(一次粒子径)は2.51μm、累積50%粒子径(D50径)は3.1μmであり、SEM径/D50径(一次粒子径/二次粒子径)は0.81であった。
また、実施例1と同様の方法により、銀粉の組成分析を行い、銀粉中の炭素含有量および酸素含有量を測定し、銀粉のBET比表面積およびタップ密度(TAP)を求め、銀粉の累積50%粒子径(D50径)に対するタップ密度(TAP)の比(TAP/D50径)を算出したところ、銀粉中の銅の含有量は溶湯中の銅の含有量の±10%の範囲内であり、炭素含有量は0.003質量%、酸素含有量は0.036質量%、BET比表面積は0.36m/g、タップ密度は5.0g/cmであり、銀粉の累積50%粒子径(D50径)に対するタップ密度(TAP)の比(TAP/D50径)は1.61g/(cm・μm)であった。なお、本実施例の銀粉は、有機化合物による表面処理を行っていないため、後述するように150℃で10時間加熱した後も、炭素含有量は0.003質量%程度である。
[実施例5]
ショット銀18.62kgと、(975ppmの銅を含む)Ag−Cu合金11.38kgとを溶解した溶湯(370ppmの銅を含む銀の溶湯)を使用した以外は、実施例1と同様の方法により、(微量の銅を含む)銀粉を得た。
このようにして得られた銀粉について、実施例1と同様の方法により、SEM径(一次粒子径)を算出し、累積50%粒子径(D50径)(二次粒子径)を測定し、累積50%粒子径(D50径)(二次粒子径)に対するSEM径(一次粒子径)の比(SEM径/D50径)(一次粒子径/二次粒子径)を算出したところ、銀粉のSEM径(一次粒子径)は2.54μm、累積50%粒子径(D50径)は2.8μmであり、SEM径/D50径(一次粒子径/二次粒子径)は0.90であった。
また、実施例1と同様の方法により、銀粉の組成分析を行い、銀粉中の炭素含有量および酸素含有量を測定し、銀粉のBET比表面積およびタップ密度(TAP)を求め、銀粉の累積50%粒子径(D50径)に対するタップ密度(TAP)の比(TAP/D50径)を算出したところ、銀粉中の銅の含有量は溶湯中の銅の含有量の±10%の範囲内であり、炭素含有量は0.004質量%、酸素含有量は0.049質量%、BET比表面積は0.37m/g、タップ密度は4.7g/cmであり、銀粉の累積50%粒子径(D50径)に対するタップ密度(TAP)の比(TAP/D50径)は1.68g/(cm・μm)であった。なお、本実施例の銀粉は、有機化合物による表面処理を行っていないため、後述するように150℃で10時間加熱した後も、炭素含有量は0.004質量%程度である。
[実施例6]
ショット銀6.27kgと、(1343ppmの銅を含む)Ag−Cu合金2.43kgとを溶解した溶湯(375ppmの銅を含む銀の溶湯)を使用した以外は、実施例1と同様の方法により、(微量の銅を含む)銀粉を得た。
このようにして得られた銀粉について、実施例1と同様の方法により、SEM径(一次粒子径)を算出し、累積50%粒子径(D50径)(二次粒子径)を測定し、累積50%粒子径(D50径)(二次粒子径)に対するSEM径(一次粒子径)の比(SEM径/D50径)(一次粒子径/二次粒子径)を算出したところ、銀粉のSEM径(一次粒子径)は2.83μm、累積50%粒子径(D50径)は3.1μmであり、SEM径/D50径(一次粒子径/二次粒子径)は0.91であった。
また、実施例1と同様の方法により、銀粉の組成分析を行い、銀粉中の炭素含有量および酸素含有量を測定し、銀粉のBET比表面積およびタップ密度(TAP)を求め、銀粉の累積50%粒子径(D50径)に対するタップ密度(TAP)の比(TAP/D50径)を算出したところ、銀粉中の銅の含有量は溶湯中の銅の含有量の±10%の範囲内であり、炭素含有量は0.006質量%、酸素含有量は0.069質量%、BET比表面積は0.35m/g、タップ密度は4.7g/cmであり、銀粉の累積50%粒子径(D50径)に対するタップ密度(TAP)の比(TAP/D50径)は1.52g/(cm・μm)であった。なお、本実施例の銀粉は、有機化合物による表面処理を行っていないため、後述するように150℃で10時間加熱した後も、炭素含有量は0.006質量%程度である。
[実施例7]
ショット銀29.79kgと、(1508ppmの銅を含む)Ag−Cu合金10.21kgとを溶解した溶湯(385ppmの銅を含む銀の溶湯)を使用した以外は、実施例1と同様の方法により、(微量の銅を含む)銀粉を得た。
このようにして得られた銀粉について、実施例1と同様の方法により、SEM径(一次粒子径)を算出し、累積50%粒子径(D50径)(二次粒子径)を測定し、累積50%粒子径(D50径)(二次粒子径)に対するSEM径(一次粒子径)の比(SEM径/D50径)(一次粒子径/二次粒子径)を算出したところ、銀粉のSEM径(一次粒子径)は2.57μm、累積50%粒子径(D50径)は2.9μmであり、SEM径/D50径(一次粒子径/二次粒子径)は0.89であった。
また、実施例1と同様の方法により、銀粉の組成分析を行い、銀粉中の炭素含有量および酸素含有量を測定し、銀粉のBET比表面積およびタップ密度(TAP)を求め、銀粉の累積50%粒子径(D50径)に対するタップ密度(TAP)の比(TAP/D50径)を算出したところ、銀粉中の銅の含有量は溶湯中の銅の含有量の±10%の範囲内であり、炭素含有量は0.002質量%、酸素含有量は0.046質量%、BET比表面積は0.36m/g、タップ密度は4.3g/cmであり、銀粉の累積50%粒子径(D50径)に対するタップ密度(TAP)の比(TAP/D50径)は1.48g/(cm・μm)であった。なお、本実施例の銀粉は、有機化合物による表面処理を行っていないため、後述するように150℃で10時間加熱した後も、炭素含有量は0.002質量%程度である。
[比較例1]
ショット銀5kgを溶解した溶湯を使用した以外は、実施例1と同様の方法により、銀粉を得た。
このようにして得られた銀粉について、実施例1と同様の方法により、SEM径(一次粒子径)を算出し、累積50%粒子径(D50径)(二次粒子径)を測定し、累積50%粒子径(D50径)(二次粒子径)に対するSEM径(一次粒子径)の比(SEM径/D50径)(一次粒子径/二次粒子径)を算出したところ、銀粉のSEM径(一次粒子径)は2.33μm、累積50%粒子径(D50径)は9.6μmであり、SEM径/D50径(一次粒子径/二次粒子径)は0.24であった。
また、実施例1と同様の方法により、銀粉の組成分析を行い、銀粉中の炭素含有量および酸素含有量を測定し、銀粉のBET比表面積およびタップ密度(TAP)を求め、銀粉の累積50%粒子径(D50径)に対するタップ密度(TAP)の比(TAP/D50径)を算出したところ、得られた銀粉はCuを含まない銀粉であり、炭素含有量は0.004質量%、酸素含有量は0.038質量%、BET比表面積は0.35m/g、タップ密度は2.3g/cmであり、銀粉の累積50%粒子径(D50径)に対するタップ密度(TAP)の比(TAP/D50径)は0.24g/(cm・μm)であった。なお、本比較例の銀粉は、有機化合物による表面処理を行っていないため、後述するように150℃で10時間加熱した後も、炭素含有量は0.004質量%程度である。
実施例1〜7および比較例1の銀粉の原料中の銅の量と特性を表1および表2に示す。
Figure 2019183268
Figure 2019183268
[実施例8]
ショット銀13.76kgと、(61ppmの銅を含む)Ag−Cu合金26.26kgとを溶解した溶湯(400ppmの銅を含む銀の溶湯)を使用した以外は、実施例1と同様の方法により、(微量の銅を含む)銀粉を得た。なお、実施例1と同様の方法により、この銀粉中の炭素含有量を測定したところ、0.005質量%であった。
また、上記の銀粉に、表面処理剤としてオレイン酸26.6g(銀粉100質量部に対して0.07重量部)を加えて、銀粉を解砕しながら、銀粉と表面処理剤を混合して、オレイン酸で表面処理された銀粉を得た。このようにオレイン酸で表面処理を行った銀粉について、実施例1と同様の方法により、SEM径(一次粒子径)を算出し、累積50%粒子径(D50径)(二次粒子径)を測定し、累積50%粒子径(D50径)(二次粒子径)に対するSEM径(一次粒子径)の比(SEM径/D50径)(一次粒子径/二次粒子径)を算出したところ、銀粉のSEM径(一次粒子径)は1.81μm、累積50%粒子径(D50径)は2.5μmであり、SEM径/D50径(一次粒子径/二次粒子径)は0.72であった。
また、表面処理を行った銀粉について、実施例1と同様の方法により、組成分析を行い、炭素含有量および酸素含有量を測定し、BET比表面積およびタップ密度(TAP)を求め、銀粉の累積50%粒子径(D50径)に対するタップ密度(TAP)の比(TAP/D50径)を算出したところ、銀粉中の銅の含有量は360ppmであり、炭素含有量は0.101質量%、酸素含有量は0.042質量%、BET比表面積は0.34m/g、タップ密度は6.9g/cmであり、銀粉の累積50%粒子径(D50径)に対するタップ密度(TAP)の比(TAP/D50径)は2.76g/(cm・μm)であった。
また、表面処理を行った銀粉30gを(縦150mm×横100mm×深さ20mmの)SUSトレイ上に載せ、このトレイを棚式乾燥機(ヤマト科学株式会社製のDN610I型)に入れ、この乾燥機内に30L/分の流量で空気を流しながら、常温から100℃、120℃、150℃および180℃までそれぞれ5℃/分で昇温させ、それぞれの温度で10時間保持した後、それぞれ常温まで自然降温させ、実施例1と同様の方法により、銀粉中の炭素含有量を測定したところ、100℃で10時間加熱したときに0.105質量%、120℃で10時間加熱したときに0.057質量%、150℃で10時間加熱したときに0.005質量%、180℃で10時間加熱したときに0.005質量%であった。この結果から、銀粉を150℃以上で10時間加熱したときにオレイン酸による表面処理前の銀粉の炭素含有量になっており、銀粉を150℃以上で10時間加熱することにより、銀粉の表面に存在する(表面処理剤としての)オレイン酸が全て除去されていることがわかる。
[実施例9]
ショット銀10kgと、(740ppmの銅を含む)Ag−Cu合金10.012kgとを溶解した溶湯(370ppmの銅を含む銀の溶湯)を使用した以外は、実施例1と同様の方法により、(微量の銅を含む)銀粉を得た。なお、実施例1と同様の方法により、この銀粉中の炭素含有量を測定したところ、0.003質量%であった。
また、上記の銀粉に、表面処理剤としてオレイン酸10.0g(銀粉100質量部に対して0.05重量部)を加えて、銀粉を解砕しながら、銀粉と表面処理剤を混合して、オレイン酸で表面処理された銀粉を得た。このように表面処理を行った銀粉について、実施例1と同様の方法により、SEM径(一次粒子径)を算出し、累積50%粒子径(D50径)(二次粒子径)を測定し、累積50%粒子径(D50径)(二次粒子径)に対するSEM径(一次粒子径)の比(SEM径/D50径)(一次粒子径/二次粒子径)を算出したところ、銀粉のSEM径(一次粒子径)は2.00μm、累積50%粒子径(D50径)は2.9μmであり、SEM径/D50径(一次粒子径/二次粒子径)は0.69であった。
また、表面処理を行った銀粉について、実施例1と同様の方法により、組成分析を行い、炭素含有量および酸素含有量を測定し、BET比表面積およびタップ密度(TAP)を求め、銀粉の累積50%粒子径(D50径)に対するタップ密度(TAP)の比(TAP/D50径)を算出したところ、銀粉中の銅の含有量は350ppmであり、炭素含有量は0.047質量%、酸素含有量は0.043質量%、BET比表面積は0.30m/g、タップ密度は6.5g/cmであり、銀粉の累積50%粒子径(D50径)に対するタップ密度(TAP)の比(TAP/D50径)は2.24g/(cm・μm)であった。
また、表面処理を行った銀粉30gを(縦150mm×横100mm×深さ20mmの)SUSトレイ上に載せ、このトレイを棚式乾燥機(ヤマト科学株式会社製のDN610I型)に入れ、この乾燥機内に30L/分の流量で空気を流しながら、常温から120℃および150℃までそれぞれ5℃/分で昇温させ、それぞれの温度で10時間保持した後、それぞれ常温まで自然降温させ、実施例1と同様の方法により、銀粉中の炭素含有量を測定したところ、120℃で10時間加熱したときに0.020質量%、150℃で10時間加熱したときに0.003質量%であった。この結果から、銀粉を150℃以上で10時間加熱したときにオレイン酸による表面処理前の銀粉の炭素含有量になっており、銀粉を150℃で10時間加熱することにより、銀粉の表面に存在する(表面処理剤としての)オレイン酸が全て除去されていることがわかる。
[比較例2]
湿式還元法によって製造された銀粉(DOWAハイテック株式会社により製造されてDOWAエレクトロニクス株式会社により販売されているAG−4−8F)を用意し、実施例1と同様の方法により、SEM径(一次粒子径)を算出し、累積50%粒子径(D50径)(二次粒子径)を測定し、累積50%粒子径(D50径)(二次粒子径)に対するSEM径(一次粒子径)の比(SEM径/D50径)(一次粒子径/二次粒子径)を算出したところ、銀粉のSEM径(一次粒子径)は1.65μm、累積50%粒子径(D50径)は1.9μmであり、SEM径/D50径(一次粒子径/二次粒子径)は0.87であった。
また、この銀粉について、実施例1と同様の方法により、組成分析を行い、炭素含有量および酸素含有量を測定し、BET比表面積およびタップ密度(TAP)を求め、銀粉の累積50%粒子径(D50径)に対するタップ密度(TAP)の比(TAP/D50径)を算出したところ、銀粉中の銅の含有量は0質量%、炭素含有量は0.196質量%、酸素含有量は0.297質量%、BET比表面積は0.30m/g、タップ密度は6.5g/cmであり、銀粉の累積50%粒子径(D50径)に対するタップ密度(TAP)の比(TAP/D50径)は3.42g/(cm・μm)であった。
また、この銀粉30gを(縦150mm×横100mm×深さ20mmの)SUSトレイ上に載せ、このトレイを棚式乾燥機(ヤマト科学株式会社製のDN610I型)に入れ、この乾燥機内に30L/分の流量で空気を流しながら、常温から100℃、120℃および150℃までそれぞれ5℃/分で昇温させ、それぞれの温度で10時間保持した後、それぞれ常温まで自然降温させ、実施例1と同様の方法により、銀粉中の炭素含有量を測定したところ、100℃で10時間加熱したときに0.195質量%、120℃で10時間加熱したときに0.070質量%、150℃で10時間加熱したときに0.062質量%であった。
実施例8〜9および比較例2の銀粉の原料中の銅の量と特性を表3および表4に示し、加熱による炭素含有量の変化を表5に示す。
Figure 2019183268
Figure 2019183268
Figure 2019183268
[実施例10]
ショット銀39.97kgと(28質量%の銅を含む)Ag−Cu合金0.031kgとを溶解した溶湯(218ppmの銅を含む銀の溶湯)を使用した以外は、実施例1と同様の方法により、(220ppmの銅を含む)銀粉を得た。
このようにして得られた銀粉について、SEM径(一次粒子径)を算出し、累積50%粒子径(D50径)(二次粒子径)を測定し、累積50%粒子径(D50径)(二次粒子径)に対するSEM径(一次粒子径)の比(SEM径/D50径)(一次粒子径/二次粒子径)を算出したところ、銀粉のSEM径(一次粒子径)は2.33μm、累積50%粒子径(D50径)は4.3μmであり、SEM径/D50径(一次粒子径/二次粒子径)は0.54であった。
また、実施例1と同様の方法により、銀粉の組成分析を行い、銀粉中の炭素含有量および酸素含有量を測定し、銀粉のBET比表面積およびタップ密度(TAP)を求め、銀粉の累積50%粒子径(D50径)に対するタップ密度(TAP)の比(TAP/D50径)を算出したところ、銀粉中の銅の含有量は220ppmであり、炭素含有量は0.005質量%、酸素含有量は0.046質量%、BET比表面積は0.34m/g、タップ密度は3.7g/cmであり、銀粉の累積50%粒子径(D50径)に対するタップ密度(TAP)の比(TAP/D50径)は0.84g/(cm・μm)であった。
[実施例11]
ショット銀31.79kgと(1252ppmの銅を含む)Ag−Cu合金8.21kgとを溶解した溶湯(257ppmの銅を含む銀の溶湯)を使用した以外は、実施例1と同様の方法により、(270ppmの銅を含む)銀粉を得た。
このようにして得られた銀粉について、SEM径(一次粒子径)を算出し、累積50%粒子径(D50径)(二次粒子径)を測定し、累積50%粒子径(D50径)(二次粒子径)に対するSEM径(一次粒子径)の比(SEM径/D50径)(一次粒子径/二次粒子径)を算出したところ、銀粉のSEM径(一次粒子径)は2.60μm、累積50%粒子径(D50径)は2.9μmであり、SEM径/D50径(一次粒子径/二次粒子径)は0.89であった。
また、実施例1と同様の方法により、銀粉の組成分析を行い、銀粉中の炭素含有量および酸素含有量を測定し、銀粉のBET比表面積およびタップ密度(TAP)を求め、銀粉の累積50%粒子径(D50径)に対するタップ密度(TAP)の比(TAP/D50径)を算出したところ、銀粉中の銅の含有量は270ppmであり、炭素含有量は0.001質量%、酸素含有量は0.042質量%、BET比表面積は0.37m/g、タップ密度は4.7g/cmであり、銀粉の累積50%粒子径(D50径)に対するタップ密度(TAP)の比(TAP/D50径)は1.60g/(cm・μm)であった。
[実施例12]
ショット銀48.00kgと(757ppmの銅を含む)Ag−Cu合金32.00kgとを溶解した溶湯(303ppmの銅を含む銀の溶湯)を使用した以外は、実施例1と同様の方法により、(310ppmの銅を含む)銀粉を得た。
このようにして得られた銀粉について、SEM径(一次粒子径)を算出し、累積50%粒子径(D50径)(二次粒子径)を測定し、累積50%粒子径(D50径)(二次粒子径)に対するSEM径(一次粒子径)の比(SEM径/D50径)(一次粒子径/二次粒子径)を算出したところ、銀粉のSEM径(一次粒子径)は2.73μm、累積50%粒子径(D50径)は3.6μmであり、SEM径/D50径(一次粒子径/二次粒子径)は0.76であった。
また、実施例1と同様の方法により、銀粉の組成分析を行い、銀粉中の炭素含有量および酸素含有量を測定し、銀粉のBET比表面積およびタップ密度(TAP)を求め、銀粉の累積50%粒子径(D50径)に対するタップ密度(TAP)の比(TAP/D50径)を算出したところ、銀粉中の銅の含有量は310ppmであり、炭素含有量は0.003質量%、酸素含有量は0.042質量%、BET比表面積は0.35m/g、タップ密度は4.1g/cmであり、銀粉の累積50%粒子径(D50径)に対するタップ密度(TAP)の比(TAP/D50径)は1.14g/(cm・μm)であった。
[実施例13]
ショット銀20.69kgと(723ppmの銅を含む)Ag−Cu合金19.31kgとを溶解した溶湯(349ppmの銅を含む銀の溶湯)を使用した以外は、実施例1と同様の方法により、(360ppmの銅を含む)銀粉を得た。
このようにして得られた銀粉について、SEM径(一次粒子径)を算出し、累積50%粒子径(D50径)(二次粒子径)を測定し、累積50%粒子径(D50径)(二次粒子径)に対するSEM径(一次粒子径)の比(SEM径/D50径)(一次粒子径/二次粒子径)を算出したところ、銀粉のSEM径(一次粒子径)は3.15μm、累積50%粒子径(D50径)は3.3μmであり、SEM径/D50径(一次粒子径/二次粒子径)は0.97であった。
また、実施例1と同様の方法により、銀粉の組成分析を行い、銀粉中の炭素含有量および酸素含有量を測定し、銀粉のBET比表面積およびタップ密度(TAP)を求め、銀粉の累積50%粒子径(D50径)に対するタップ密度(TAP)の比(TAP/D50径)を算出したところ、銀粉中の銅の含有量は360ppmであり、炭素含有量は0.003質量%、酸素含有量は0.043質量%、BET比表面積は0.38m/g、タップ密度は3.8g/cmであり、銀粉の累積50%粒子径(D50径)に対するタップ密度(TAP)の比(TAP/D50径)は1.16g/(cm・μm)であった。
[実施例14]
ショット銀6.00kgと(800ppmの銅を含む)Ag−Cu合金14.00kgとを溶解した溶湯(560ppmの銅を含む銀の溶湯)を使用した以外は、実施例1と同様の方法により、(620ppmの銅を含む)銀粉を得た。
このようにして得られた銀粉について、SEM径(一次粒子径)を算出し、累積50%粒子径(D50径)(二次粒子径)を測定し、累積50%粒子径(D50径)(二次粒子径)に対するSEM径(一次粒子径)の比(SEM径/D50径)(一次粒子径/二次粒子径)を算出したところ、銀粉のSEM径(一次粒子径)は2.32μm、累積50%粒子径(D50径)は2.8μmであり、SEM径/D50径(一次粒子径/二次粒子径)は0.84であった。
また、実施例1と同様の方法により、銀粉の組成分析を行い、銀粉中の炭素含有量および酸素含有量を測定し、銀粉のBET比表面積およびタップ密度(TAP)を求め、銀粉の累積50%粒子径(D50径)に対するタップ密度(TAP)の比(TAP/D50径)を算出したところ、銀粉中の銅の含有量は620ppmであり、炭素含有量は0.003質量%、酸素含有量は0.057質量%、BET比表面積は0.38m/g、タップ密度は4.4g/cmであり、銀粉の累積50%粒子径(D50径)に対するタップ密度(TAP)の比(TAP/D50径)は1.59g/(cm・μm)であった。
実施例10〜14の銀粉の原料中の銅の量と特性を表6および表7に示す。また、実施例10〜14で得られた銀粉を5000倍で観察した電界放出型走査電子顕微鏡(FE−SEM)写真を図1〜図5に示す。
Figure 2019183268
Figure 2019183268
[実施例15]
ショット銀27.99kgと、(340ppmの銅を含む)Ag−Cu合金7.15kgと、(360ppmの銅を含む)Ag−Cu合金4.84kgと(27.93質量%の銅を含む)Ag−Cu合金0.024kgとを溶解した溶湯(260ppmの銅を含む銀の溶湯)を使用した以外は、実施例1と同様の方法により、(微量の銅を含む)銀粉を得た。なお、実施例1と同様の方法により、この銀粉中の炭素含有量を測定したところ、0.002質量%であった。
また、上記の銀粉に、表面処理剤としてリシノール酸3.8g(銀粉100質量部に対して0.05重量部)を加えて、銀粉を解砕しながら、銀粉と表面処理剤を混合して、リシノール酸で表面処理された銀粉を得た。このようにリシノール酸で表面処理を行った銀粉について、実施例1と同様の方法により、SEM径(一次粒子径)を算出し、累積10%粒子径(D10径)、累積50%粒子径(D50径)、累積90%粒子径(D90径)および累積99%粒子径(D99径)を測定し、累積50%粒子径(D50径)(二次粒子径)に対するSEM径(一次粒子径)の比(SEM径/D50径)(一次粒子径/二次粒子径)を算出したところ、銀粉のSEM径(一次粒子径)は3.63μm、累積10%粒子径(D10径)、累積50%粒子径(D50径)、累積90%粒子径(D90径)および累積99%粒子径(D99径)はそれぞれ2.0μm、4.0μm、7.1μm、10.13μmであり、SEM径/D50径(一次粒子径/二次粒子径)は0.90であった。
また、表面処理を行った銀粉について、実施例1と同様の方法により、組成分析を行い、炭素含有量、酸素含有量、リン含有量およびカルシウム含有量を測定し、BET比表面積およびタップ密度(TAP)を求め、銀粉の累積50%粒子径(D50径)に対するタップ密度(TAP)の比(TAP/D50径)を算出したところ、銀粉中の銅の含有量は270ppmであり、炭素含有量は0.033質量%、酸素含有量は0.033質量%、リン含有量は10ppm未満、カルシウム含有量は10ppm、BET比表面積は0.19m/g、タップ密度は7.2g/cmであり、銀粉の累積50%粒子径(D50径)に対するタップ密度(TAP)の比(TAP/D50径)は1.80g/(cm・μm)であった。なお、リン含有量およびカルシウム含有量は、実施例1の銀粉の組成分析と同様に、誘導結合プラズマ(ICP)発光分光分析装置(株式会社日立ハイテクサイエンス製のSPS3520V)によって行った。
また、表面処理を行った銀粉30gを(縦150mm×横100mm×深さ20mmの)SUSトレイ上に載せ、このトレイを棚式乾燥機(ヤマト科学株式会社製のDN610I型)に入れ、この乾燥機内に30L/分の流量で空気を流しながら、常温から150℃まで5℃/分で昇温させ、その温度で10時間保持した後、常温まで自然降温させ、実施例1と同様の方法により、銀粉中の炭素含有量を測定したところ、0.003質量%であった。この結果から、銀粉を150℃で10時間加熱したときにリシノール酸による表面処理前の銀粉の炭素含有量とほぼ同等になっており、銀粉を150℃で10時間加熱することにより、銀粉の表面に存在する(表面処理剤としての)リシノール酸が殆ど除去されていることがわかる。
[実施例16]
ショット銀17.99kgと、(330ppmの銅を含む)Ag−Cu合金22.0kgと、(27.93質量%の銅を含む)Ag−Cu合金0.013kgとを溶解した溶湯(270ppmの銅を含む銀の溶湯)を使用した以外は、実施例1と同様の方法により、(微量の銅を含む)銀粉を得た。なお、実施例1と同様の方法により、この銀粉中の炭素含有量を測定したところ、0.003質量%であった。
また、上記の銀粉に、表面処理剤としてリシノール酸20.0g(銀粉100質量部に対して0.05重量部)を加えて、銀粉を解砕しながら、銀粉と表面処理剤を混合して、リシノール酸で表面処理された銀粉を得た。このようにリシノール酸で表面処理を行った銀粉について、実施例15と同様の方法により、SEM径(一次粒子径)を算出し、累積10%粒子径(D10径)、累積50%粒子径(D50径)、累積90%粒子径(D90径)および累積99%粒子径(D99径)を測定し、累積50%粒子径(D50径)(二次粒子径)に対するSEM径(一次粒子径)の比(SEM径/D50径)(一次粒子径/二次粒子径)を算出したところ、銀粉のSEM径(一次粒子径)は3.60μm、累積10%粒子径(D10径)、累積50%粒子径(D50径)、累積90%粒子径(D90径)および累積99%粒子径(D99径)はそれぞれ1.8μm、3.6μm、6.8μm、11.39μmであり、SEM径/D50径(一次粒子径/二次粒子径)は0.99であった。
また、表面処理を行った銀粉について、実施例15と同様の方法により、組成分析を行い、炭素含有量、酸素含有量、リン含有量およびカルシウム含有量を測定し、BET比表面積およびタップ密度(TAP)を求め、銀粉の累積50%粒子径(D50径)に対するタップ密度(TAP)の比(TAP/D50径)を算出したところ、銀粉中の銅の含有量は280ppmであり、炭素含有量は0.036質量%、酸素含有量は0.038質量%、リン含有量は10ppm未満、カルシウム含有量は12ppm、BET比表面積は0.20m/g、タップ密度は7.2g/cmであり、銀粉の累積50%粒子径(D50径)に対するタップ密度(TAP)の比(TAP/D50径)は1.98g/(cm・μm)であった。
また、表面処理を行った銀粉30gを(縦150mm×横100mm×深さ20mmの)SUSトレイ上に載せ、このトレイを棚式乾燥機(ヤマト科学株式会社製のDN610I型)に入れ、この乾燥機内に30L/分の流量で空気を流しながら、常温から150℃まで5℃/分で昇温させ、その温度で10時間保持した後、常温まで自然降温させ、実施例15と同様の方法により、銀粉中の炭素含有量を測定したところ、0.003質量%であった。この結果から、銀粉を150℃で10時間加熱したときにリシノール酸による表面処理前の銀粉の炭素含有量になっており、銀粉を150℃で10時間加熱することにより、銀粉の表面に存在する(表面処理剤としての)リシノール酸が全て除去されていることがわかる。
[実施例17]
ショット銀27.99kgと、(340ppmの銅を含む)Ag−Cu合金7.15kgと、(360ppmの銅を含む)Ag−Cu合金4.84kgと、(27.93質量%の銅を含む)Ag−Cu合金0.024kgとを溶解した溶湯(270ppmの銅を含む銀の溶湯)を使用した以外は、実施例1と同様の方法により、(微量の銅を含む)銀粉を得た。なお、実施例1と同様の方法により、この銀粉中の炭素含有量を測定したところ、0.002質量%であった。
また、上記の銀粉に、表面処理剤としてリシノール酸1.20g(銀粉100質量部に対して0.04重量部)を加えて、銀粉を解砕しながら、銀粉と表面処理剤を混合して、リシノール酸で表面処理された銀粉を得た。このようにリシノール酸で表面処理を行った銀粉について、実施例15と同様の方法により、SEM径(一次粒子径)を算出し、累積10%粒子径(D10径)、累積50%粒子径(D50径)、累積90%粒子径(D90径)および累積99%粒子径(D99径)を測定し、累積50%粒子径(D50径)(二次粒子径)に対するSEM径(一次粒子径)の比(SEM径/D50径)(一次粒子径/二次粒子径)を算出したところ、銀粉のSEM径(一次粒子径)は3.53μm、累積10%粒子径(D10径)、累積50%粒子径(D50径)、累積90%粒子径(D90径)および累積99%粒子径(D99径)はそれぞれ1.9μm、3.7μm、6.3μm、9.59μmであり、SEM径/D50径(一次粒子径/二次粒子径)は0.97であった。
また、表面処理を行った銀粉について、実施例15と同様の方法により、組成分析を行い、炭素含有量、酸素含有量、リン含有量およびカルシウム含有量を測定し、BET比表面積およびタップ密度(TAP)を求め、銀粉の累積50%粒子径(D50径)に対するタップ密度(TAP)の比(TAP/D50径)を算出したところ、銀粉中の銅の含有量は260ppmであり、炭素含有量は0.029質量%、酸素含有量は0.033質量%、リン含有量は10ppm未満、カルシウム含有量は10ppm、BET比表面積は0.21m/g、タップ密度は7.1g/cmであり、銀粉の累積50%粒子径(D50径)に対するタップ密度(TAP)の比(TAP/D50径)は1.95g/(cm・μm)であった。
また、表面処理を行った銀粉30gを(縦150mm×横100mm×深さ20mmの)SUSトレイ上に載せ、このトレイを棚式乾燥機(ヤマト科学株式会社製のDN610I型)に入れ、この乾燥機内に30L/分の流量で空気を流しながら、常温から150℃まで5℃/分で昇温させ、その温度で10時間保持した後、常温まで自然降温させ、実施例15と同様の方法により、銀粉中の炭素含有量を測定したところ、0.003質量%であった。この結果から、銀粉を150℃で10時間加熱したときにリシノール酸による表面処理前の銀粉の炭素含有量とほぼ同等になっており、銀粉を150℃で10時間加熱することにより、銀粉の表面に存在する(表面処理剤としての)リシノール酸が殆ど除去されていることがわかる。
[実施例18]
ショット銀27.99kgと、(340ppmの銅を含む)Ag−Cu合金7.15kgと、(360ppmの銅を含む)Ag−Cu合金4.84kgと、(27.93質量%の銅を含む)Ag−Cu合金0.024kgとを溶解した溶湯(270ppmの銅を含む銀の溶湯)を使用した以外は、実施例1と同様の方法により、(微量の銅を含む)銀粉を得た。なお、実施例1と同様の方法により、この銀粉中の炭素含有量を測定したところ、0.002質量%であった。
また、上記の銀粉に、表面処理剤としてリシノール酸0.70g(銀粉100質量部に対して0.023重量部)を加えて、銀粉を解砕しながら、銀粉と表面処理剤を混合して、リシノール酸で表面処理された銀粉を得た。このようにリシノール酸で表面処理を行った銀粉について、実施例15と同様の方法により、SEM径(一次粒子径)を算出し、累積10%粒子径(D10径)、累積50%粒子径(D50径)、累積90%粒子径(D90径)および累積99%粒子径(D99径)を測定し、累積50%粒子径(D50径)(二次粒子径)に対するSEM径(一次粒子径)の比(SEM径/D50径)(一次粒子径/二次粒子径)を算出したところ、銀粉のSEM径(一次粒子径)は3.29μm、累積10%粒子径(D10径)、累積50%粒子径(D50径)、累積90%粒子径(D90径)および累積99%粒子径(D99径)はそれぞれ1.8μm、3.5μm、6.2μm、9.75μmであり、SEM径/D50径(一次粒子径/二次粒子径)は0.93であった。
また、表面処理を行った銀粉について、実施例15と同様の方法により、組成分析を行い、炭素含有量、酸素含有量、リン含有量およびカルシウム含有量を測定し、BET比表面積およびタップ密度(TAP)を求め、銀粉の累積50%粒子径(D50径)に対するタップ密度(TAP)の比(TAP/D50径)を算出したところ、銀粉中の銅の含有量は270ppmであり、炭素含有量は0.020質量%、酸素含有量は0.034質量%、リン含有量は10ppm未満、カルシウム含有量は10ppm未満、BET比表面積は0.20m/g、タップ密度は6.8g/cmであり、銀粉の累積50%粒子径(D50径)に対するタップ密度(TAP)の比(TAP/D50径)は1.92g/(cm・μm)であった。
また、表面処理を行った銀粉30gを(縦150mm×横100mm×深さ20mmの)SUSトレイ上に載せ、このトレイを棚式乾燥機(ヤマト科学株式会社製のDN610I型)に入れ、この乾燥機内に30L/分の流量で空気を流しながら、常温から150℃まで5℃/分で昇温させ、その温度で10時間保持した後、常温まで自然降温させ、実施例15と同様の方法により、銀粉中の炭素含有量を測定したところ、0.003質量%であった。この結果から、銀粉を150℃で10時間加熱したときにリシノール酸による表面処理前の銀粉の炭素含有量とほぼ同等になっており、銀粉を150℃で10時間加熱することにより、銀粉の表面に存在する(表面処理剤としての)リシノール酸が殆ど除去されていることがわかる。
実施例15〜18の銀粉の原料中の銅の量と特性を表8〜表10に示し、加熱による炭素含有量の変化を表11に示す。また、実施例15〜18で得られた銀粉を5000倍で観察した電界放出型走査電子顕微鏡(FE−SEM)写真を図6〜図9に示し、実施例15〜18で得られた銀粉についてレーザー回折式粒度分布測定装置により測定した体積基準の粒度分布を図10〜図13に示す。
Figure 2019183268
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本発明による銀粉は、太陽電池の電極、低温焼成セラミック(LTCC)を使用した電子部品や積層セラミックインダクタなどの積層セラミック電子部品の内部電極、積層セラミックコンデンサや積層セラミックインダクタなどの外部電極などを形成するために、焼成型導電性ペーストの材料として利用して、高い導電性の導電膜を得ることができる。

Claims (13)

  1. 20ppm以上の銅を含む銀粉であって、この銀粉を大気雰囲気中において150℃で10時間加熱したときの炭素含有量が0.05質量%以下であることを特徴とする、銀粉。
  2. 前記銀粉中の銅の含有量が20〜10000ppmであることを特徴とする、請求項1に記載の銀粉。
  3. レーザー回折式粒度分布測定装置により測定した体積基準の累積50%粒子径が1〜15μmであることを特徴とする、請求項1または2に記載の銀粉。
  4. 前記銀粉の累積50%粒子径(D50径)に対する、電界放出型走査電子顕微鏡によって観測した単体粒子の平均粒子径(SEM径)の比(SEM径/D50径)が0.3〜1.0であることを特徴とする、請求項3に記載の銀粉。
  5. 前記銀粉の累積50%粒子径(D50径)に対するタップ密度の比(タップ密度/D50径)が0.45〜3.6g/(cm・μm)であることを特徴とする、請求項3または4に記載の銀粉。
  6. 前記銀粉中の酸素含有量が0.1質量%以下であることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれかに記載の銀粉。
  7. 前記銀粉のBET比表面積が0.1〜1.0m/gであることを特徴とする、請求項1乃至6のいずれかに記載の銀粉。
  8. 前記銀粉のタップ密度が2〜8g/cmであることを特徴とする、請求項1乃至7のいずれかに記載の銀粉。
  9. 前記銀粉の表面に有機化合物が付着していることを特徴とする、請求項1乃至8のいずれかに記載の銀粉。
  10. 20ppm以上の銅を含む銀を溶解した溶湯を落下させながら、高圧水を吹き付けて急冷凝固させ、得られた銀粒子を有機化合物で表面処理することを特徴とする、銀粉の製造方法。
  11. 前記溶湯中の銅の含有量が20〜10000ppmであることを特徴とする、請求項10に記載の銀粉の製造方法。
  12. 請求項1乃至9のいずれかに記載の銀粉が有機成分中に分散していることを特徴とする、導電性ペースト。
  13. 請求項12の導電性ペーストを基板上に塗布した後に焼成して導電膜を製造することを特徴とする、導電膜の製造方法。

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