WO2021131187A1

WO2021131187A1 - 箔転写用フィルムカートリッジおよび箔転写装置

Info

Publication number: WO2021131187A1
Application number: PCT/JP2020/035703
Authority: WO
Inventors: 市川智也; 山本智也
Original assignee: ブラザー工業株式会社
Priority date: 2019-12-27
Filing date: 2020-09-23
Publication date: 2021-07-01
Also published as: US20220306416A1; CN114867661A; EP4082792A4; EP4082792A1

Abstract

箔転写用フィルムカートリッジ（ＦＣ）は、第１幅の箔フィルム（Ｆ）が巻回される供給リール（３１）と、箔フィルム（Ｆ）の幅方向において第１幅よりも長い供給シャフト（３２）であって、供給リール（３１）を、第１位置と、第１位置とは異なる第２位置との間で、幅方向に移動可能に支持する供給シャフト（３２）と、を備える。

Description

箔転写用フィルムカートリッジおよび箔転写装置

　本発明は、箔フィルムが巻回される供給リールを有する箔転写用フィルムカートリッジと、シートに箔を転写する箔転写装置に関する。

　従来、箔転写装置として、箔フィルムが巻回された供給リールと、箔フィルムを巻き取るための巻取リールを備えるカートリッジと、カートリッジが着脱可能な筐体本体と、を備えたものが知られている（特許文献１参照）。

特開平７－２９０６８５号公報

　ところで、箔転写装置において、箔フィルムの幅方向の位置を変えて、様々な箔転写を実現することが望まれている。しかしながら、箔フィルムの幅方向の位置に応じた複数種類のカートリッジを製造すると、ユーザが所持するカートリッジの数が多くなり、ユーザの利便性が悪くなる問題が生じる。

　そこで、本発明は、ユーザの利便性を向上することができる箔転写用フィルムカートリッジおよび箔転写装置を提供することを目的とする。

　前記課題を解決するため、本発明に係る箔転写用フィルムカートリッジは、第１幅の箔フィルムが巻回される供給リールと、前記箔フィルムの幅方向において前記第１幅よりも長い供給シャフトであって、前記供給リールを、第１位置と、前記第１位置とは異なる第２位置との間で、前記幅方向に移動可能に支持する供給シャフトと、を備える。

　この構成によれば、１つの箔転写用フィルムカートリッジにおいて、箔フィルムの幅方向の位置を変更可能であるので、ユーザが多数のカートリッジを所持する必要がなくなり、ユーザの利便性を向上することができる。

　また、前記箔転写用フィルムカートリッジは、前記供給リールとともに前記幅方向に移動可能なレバーと、前記供給リールを収容する供給ケースであって、前記レバーを露出させる開口を有する供給ケースと、を備えていてもよい。

　この構成によれば、供給ケースから露出したレバーを操作することで、簡単に箔フィルムの幅方向の位置を変更することができる。

　また、前記供給リールが前記第１位置に位置するときに前記箔フィルムが前記供給シャフトの一端から第１距離離れ、前記供給リールが前記第２位置に位置するときに前記箔フィルムが前記供給シャフトの一端から前記第１距離よりも大きな第２距離離れ、前記レバーは、前記供給リールが前記第１位置に位置するときに、前記供給シャフトの一端から前記第１距離の範囲内に位置していてもよい。

　この構成によれば、デッドスペースとなる供給シャフトの一端から第１距離の範囲内を有効活用することができる。

　また、前記箔転写用フィルムカートリッジは、前記供給リールの一端に位置し、前記供給リールとともに回転するフランジを備え、前記レバーは、前記幅方向において前記フランジに係合してもよい。

　また、前記箔転写用フィルムカートリッジは、前記供給リールを前記第１位置または前記第２位置に位置決めする供給位置決め部を有していてもよい。

　この構成によれば、第１位置または第２位置に位置する箔フィルムが、箔転写時に幅方向に動くのを抑制することができる。

　また、前記供給位置決め部は、第１突起と、前記第１突起が嵌る穴と、を有していてもよい。

　また、前記供給位置決め部は、前記レバーに形成された、前記第１突起と、前記供給ケースに形成された、前記第１突起が嵌る第１穴であって、前記第１位置に対応した位置に位置する第１穴と、前記供給ケースに形成された、前記第１突起が嵌る第２穴であって、前記第２位置に対応した位置に位置する第２穴と、を有していてもよい。

　また、前記供給シャフトは、前記供給リールおよび前記フランジとともに回転可能であり、前記レバーは、前記フランジの回転方向において前記フランジと係合しないように構成されていてもよい。

　また、前記箔転写用フィルムカートリッジは、前記箔フィルムを巻き取るための巻取リールと、前記幅方向において前記第１幅よりも長い巻取シャフトであって、前記巻取リールを、第３位置と、前記第３位置とは異なる第４位置との間で、前記幅方向に移動可能に支持する巻取シャフトと、を備えていてもよい。

　この構成によれば、供給リールと巻取リールをともに幅方向に移動させて、箔フィルムの幅方向の位置を変更することができる。

　また、前記箔転写用フィルムカートリッジは、前記巻取リールを前記第３位置または前記第４位置に位置決めする巻取位置決め部を備えていてもよい。

　この構成によれば、第３位置または第４位置に位置する箔フィルムが、箔転写時に幅方向に動くのを抑制することができる。

　また、前記巻取位置決め部は、第２突起と、前記第２突起が嵌る穴と、を有していてもよい。

　また、前記巻取位置決め部は、前記巻取リールとともに前記幅方向に移動可能な前記第２突起と、前記巻取シャフトに形成された、前記第２突起が嵌る第３穴であって、前記第３位置に対応した位置に位置する第３穴と、前記巻取シャフトに形成された、前記第２突起が嵌る第４穴であって、前記第４位置に対応した位置に位置する第４穴と、を有していてもよい。

　また、前記巻取リールが前記第３位置に位置するときに前記箔フィルムが前記巻取シャフトの一端から第３距離離れ、前記巻取リールが前記第４位置に位置するときに前記箔フィルムが前記巻取シャフトの一端から前記第３距離よりも大きな第４距離離れ、前記第２突起は、前記巻取リールが前記第３位置に位置するときに、前記巻取シャフトの一端から前記第３距離の範囲内に位置していてもよい。

　この構成によれば、デッドスペースとなる巻取シャフトの一端から第３距離の範囲内を有効活用することができる。

　また、本発明に係る箔転写装置は、前記箔転写用フィルムカートリッジと、前記箔転写用フィルムカートリッジが着脱可能な筐体本体と、を備える箔転写装置であって、前記レバーを検出可能なセンサと、前記センサからの情報に基づいて、前記供給リールの前記幅方向の位置を判定する制御部と、を備える。

　この構成によれば、センサでレバーを検出することで、制御部が箔フィルムの幅方向の位置を把握することができる。

　また、前記箔転写装置は、前記箔フィルムを加熱する加熱部材と、前記加熱部材の第１部分を、前記幅方向に前記第１部分と並ぶ前記加熱部材の第２部分よりも強く加熱する第１ヒータと、前記第２部分を、前記第１部分よりも強く加熱する第２ヒータと、を備え、前記供給リールが前記第１位置に位置するときに前記箔フィルムが前記第１部分のみと重なり、前記供給リールが前記第２位置に位置するときに前記箔フィルムが前記第１部分と前記第２部分とに重なるように構成され、前記制御部は、箔転写時に、前記第１ヒータを所定の消費電力で制御するとともに、前記第２ヒータを第１の消費電力または前記第１の消費電力より小さな第２の消費電力で制御し、前記供給リールが前記第１位置に位置すると判定した場合には、前記第２ヒータを前記第２の消費電力で制御し、前記供給リールが前記第２位置に位置すると判定した場合には、前記第２ヒータを前記第１の消費電力で制御するように構成されていてもよい。

　この構成によれば、箔フィルムの位置に応じて適切なヒータ制御を行うことができる。

　また、前記センサは、前記供給リールが前記第１位置に位置する状態の前記箔転写用フィルムカートリッジが前記筐体本体に装着されたときに前記レバーと接触して移動する第１アクチュエータと、前記第１アクチュエータの位置を検出する第１センサと、前記供給リールが前記第２位置に位置する状態の前記箔転写用フィルムカートリッジが前記筐体本体に装着されたときに前記レバーと接触して移動する第２アクチュエータと、前記第２アクチュエータの位置を検出する第２センサと、を備えていてもよい。

　また、前記筐体本体は、前記第１幅よりも大きな第２幅の箔フィルムを備えた第２箔転写用フィルムカートリッジが着脱可能であり、前記第２箔転写用フィルムカートリッジが前記筐体本体に装着された場合には、前記第１アクチュエータおよび前記第２アクチュエータが、前記第２箔転写用フィルムカートリッジと接触して移動するように構成されていてもよい。

　この構成によれば、２つのアクチュエータで、箔フィルムの位置と幅を判定することができる。

　さらに、箔転写装置には、箔フィルムの上にシートを重ねた状態で、シートを搬送して箔を転写する構成のものがある。このような箔転写装置においては、複数種類の幅の箔フィルムを装着可能な装置である場合、シートを箔転写のために搬送したとしても、箔フィルムの上にシートが重ならなかったり、箔フィルムとシートが重なる部分が少なくなったりしてしまうことがある。シートを搬送したときに、箔フィルムの上にシートが重ならなかったり、箔フィルムとシートが重なる部分が少なくなったりしてしまうと、シートが搬送経路から外れてしまい、適切に箔転写することができない虞がある。従って、シートが搬送経路から外れてしまうのを抑制することが望ましい。

　本発明に係る箔転写装置は、第２幅の箔フィルムを装着可能であるとともに、第２幅の箔フィルムが装着される領域の幅方向における一方に寄せた片寄せ領域に、第２幅よりも狭い第１幅の箔フィルムを装着可能であり、箔フィルムの上にシートを重ねて、前記シートに箔を転写する装置である。この箔転写装置は、シートを搬送する搬送ローラと、箔フィルムと搬送ローラにより搬送されるシートとを挟んだ状態で加熱する転写部と、片寄せ領域を通過するシートを検知可能なシート幅センサと、制御部と、を備える。制御部は、箔の転写の指示を受けた場合において、シート幅センサがシートを検知していないことを条件に、エラー処理を実行する。

　この構成によれば、第２幅の箔フィルムより幅の狭い第１幅の箔フィルムが片寄せ領域に装着されたとしても、片寄せ領域に位置するシート幅センサがシートを検知しないことを条件にエラー処理を実行するので、箔フィルムの上にシートが重ならなかったり、箔フィルムとシートが重なる部分が少なくなったりしてしまった状態でシートＳを搬送することを抑制することができる。このため、シートＳが搬送経路から外れてしまうのを抑制することができる。

　前記した構成において、箔転写装置は、装着されている箔フィルムの幅を検知する箔フィルムセンサをさらに備え、制御部は、箔の転写の指示を受けた場合において、箔フィルムセンサが第１幅の箔フィルムが装着されていることを検知し、かつ、シート幅センサがシートを検知していないことを条件に、エラー処理を実行する構成としてもよい。

　この構成によれば、制御部は、シートを搬送したときに、シート幅センサがシートを検知しておらず、かつ、箔フィルムセンサが第１幅の箔フィルムＦが装着されていることを検知していれば、エラー処理を実行する。一方、制御部は、シートを搬送したときに、シート幅センサがシートを検知していなくても、箔フィルムセンサが第１幅の箔フィルムＦが装着されていない、すなわち箔フィルムセンサが第２幅の箔フィルムが装着されていることを検知していれば、エラー処理を実行せず、箔転写動作を実行する。このため、制御部は、エラー処理を適切な場面において実行することができる。

　前記した構成において、箔転写装置は、第２幅の箔フィルムが装着される領域の幅方向における中央に寄せた中央領域に、第１幅の箔フィルムをさらに装着可能であり、箔フィルムセンサは、第１幅の箔フィルムが片寄せ領域および中央領域のうちいずれの領域に装着されているかを、さらに検出可能であり、制御部は、箔の転写の指示を受けた場合において、箔フィルムセンサが第１幅の箔フィルムが片寄せ領域に装着されていることを検知し、かつ、シート幅センサがシートを検知していないことを条件に、エラー処理を実行する構成としてもよい。

　この構成によれば、制御部は、シートを搬送したときに、シート幅センサがシートを検知しておらず、かつ、箔フィルムセンサが第１幅の箔フィルムが片寄せ領域に装着されていることを検知していれば、エラー処理を実行する。一方、制御部は、シートを搬送したときに、シート幅センサがシートを検知しておらず、かつ、箔フィルムセンサが第１幅の箔フィルムが装着されていることを検知していても、箔フィルムセンサが第１幅の箔フィルムが片寄せ領域に装着されていない、すなわち箔フィルムセンサが第１幅の箔フィルムが中央領域に装着されていることを検知していければ、エラー処理を実行せず、箔転写動作を実行する。このため、制御部は、エラー処理を適切な場面において実行することができる。

　前記した構成において、箔転写装置は、シートを載置するシートトレイと、シートトレイに載置されたシートをピックアップする供給ローラとをさらに備え、搬送ローラは、供給ローラによってピックアップされたシートを転写部に搬送可能であり、シート幅センサは、シートの搬送方向において、供給ローラと転写部の間に位置する構成としてもよい。

　前記した構成において、制御部は、エラー処理において、駆動している搬送ローラを停止させる構成としてもよい。

　この構成によれば、制御部は、エラー処理において、駆動している搬送ローラを停止させるので、シートが搬送経路から外れてしまうのを抑制することができる。

　前記した構成において、箔転写装置は、シートを載置するシートトレイと、シートトレイに載置されたシートをピックアップする供給ローラとをさらに備え、搬送ローラは、供給ローラによってピックアップされたシートを転写部に搬送可能であり、シート幅センサは、シートの搬送方向において、供給ローラよりシートの搬送方向の上流側に位置する構成としてもよい。

　前記した構成において、制御部は、エラー処理において、供給ローラを駆動させない構成としてもよい。

　この構成によれば、制御部は、供給ローラより搬送方向の上流側に位置しているシート幅センサがシートを検知していないと判定した場合、供給ローラを駆動させない。このように、供給ローラの駆動を開始させる前にシート幅センサがシートを検知しているか否かを判定することができるので、箔フィルムの上にシートが重ならなかったり、箔フィルムとシートが重なる部分が少なくなったりしてしまった状態でシートを搬送することを確実に抑制することができる。このため、シートが搬送経路から外れてしまうのを抑制することができる。

　前記した構成において、制御部は、エラー処理において、エラー情報を通知する構成としてもよい。

　この構成によれば、制御部は、供給ローラより搬送方向の上流側に位置しているシート幅センサがシートを検知していないと判定した場合、ディスプレイにエラー表示させるので、このままシートを搬送すると、箔フィルムの上にシートが重ならなかったり、箔フィルムとシートが重なる部分が少なくなったりしてしまった状態でシートを搬送してしまう状況であることにユーザが気づきやすく、このような状況をユーザが解消しやすくなる。このため、シートが搬送経路から外れてしまうのを抑制することができる。

　前記した構成において、転写部は、ヒータによって加熱される加熱部材と、加熱部材との間で箔フィルムおよびシートを挟んだ状態で搬送する加圧ローラとを有する構成としてもよい。

本発明の第１実施形態に係る箔転写装置を示す図である。箔転写装置のカバーを開けた状態を示す図である。加熱部の断面図である。シートの搬送経路におけるシートセンサの位置を説明する図（ａ）と、各シートにおけるシートセンサの判定結果を示す表（ｂ）である。箔転写用フィルムカートリッジの供給リール側の構造を示す分解斜視図である。供給リールが第１位置に位置する状態を示す断面図（ａ）と、供給リールが第２位置に位置する状態を示す断面図（ｂ）である。箔転写用フィルムカートリッジの巻取リール側の構造を示す分解斜視図である。巻取リールが第３位置に位置する状態を示す断面図（ａ）と、巻取リールが第４位置に位置する状態を示す断面図（ｂ）である。中央寄せカートリッジを示す図（ａ）と、片寄せカートリッジを示す図（ｂ）と、第２箔転写用フィルムカートリッジを示す図（ｃ）である。レバー等を検出するセンサを示す図（ａ）～（ｃ）である。箔転写用フィルムカートリッジの種類を判別するための表を示す図である。制御部の動作を示すフローチャートである。本発明の第２実施形態に係る箔転写装置を示す図（ａ）と、箔フィルムの構成を示す断面図（ｂ）である。箔転写装置のカバーを開けた状態を示す図である。フィルムユニットを分解して示す斜視図である。第１フィルムカートリッジ（ａ）と、第２フィルムカートリッジ（ｂ）と、第３フィルムカートリッジ（ｃ）を示す斜視図である。３つのフィルムセンサを示す図（ａ）と、各センサの検知内容を示す表（ｂ）である。シートの搬送経路に配置されたシートセンサの位置を説明する図である。箔転写装置を上から見た図であり、箔フィルム、各シートセンサ、供給ローラ、搬送ローラの位置を説明する図である。制御部の処理を示すフローチャートである。第３実施形態における図１９に対応する図である。第３実施形態における制御部の処理を示すフローチャートである。

　本発明の第１実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
　以下の説明において、方向は、図１に示す方向で説明する。すなわち、図１の右側を「前」とし、図１の左側を「後」とし、図１の紙面手前側を「左」とし、図１の紙面奥側を「右」とする。また、図１の上下を「上下」とする。

　図１に示すように、箔転写装置１は、例えばレーザプリンタ等の画像形成装置でシートＳにトナー像を形成した後、シートのトナー像が形成された面に複数の層からなる箔フィルムＦを重ね、トナー像の上に箔フィルムＦの少なくとも一層を転写する箔転写を実行可能である。箔転写装置１は、筐体２と、シートトレイ３と、シート搬送部１０と、フィルム供給部３０と、転写部５０と、制御部８０とを備えている。

　筐体２は、樹脂などからなり、筐体本体２１と、カバー２２とを備えている。
　筐体本体２１は、上部に開口２１Ａ（図２参照）を有している。開口２１Ａは、後述するフィルムユニットＦＵが通過可能な大きさを有している。
　また、筐体本体２１は、フィルムユニットＦＵを着脱可能に保持する第１保持部ＧＤ１と第２保持部ＧＤ２を有する。
　カバー２２は、開口２１Ａを開閉するための部材である。カバー２２の後端部は、筐体本体２１に回動可能に支持されている。カバー２２は、開口２１Ａを閉じる閉位置（図１の位置）と、開口２１Ａを開放する開位置（図２の位置）との間で回動可能となっている。

　シートトレイ３は、用紙、ＯＨＰフィルム等のシートＳが載置されるトレイである。シートトレイ３は、筐体２の後部に設けられている。なお、シートＳは、トナー像が形成された面を下向きにしてシートトレイ３上に載置される。

　シート搬送部１０は、シート供給機構１１と、シート排出機構１２とを備えている。シート供給機構１１は、シートトレイ３上のシートＳを一枚ずつ転写部５０に向けて搬送する機構である。シート供給機構１１は、供給ローラ１１Ａとリタードローラ１１Ｂを備えている。供給ローラ１１Ａは、シートトレイ３上のシートＳを転写部５０に向けて搬送する。リタードローラ１１Ｂは、供給ローラ１１Ａに対向している。リタードローラ１１Ｂは、シートを戻す方向に回転してシートＳを一枚ずつに分離する。

　シート排出機構１２は、転写部５０を通過したシートＳを筐体２の外部に排出する機構である。シート排出機構１２は、複数の搬送ローラを備えている。

　フィルム供給部３０は、シート供給機構１１から搬送されたシートＳに重ねるように箔フィルムＦを供給する部分である。フィルム供給部３０は、フィルムユニットＦＵと、モータ等の駆動源（図示せず）を備えている。

　フィルムユニットＦＵは、図２に示すように、後述する供給リール３１の軸方向に直交する方向において、開口２１Ａを通過して筐体本体２１に着脱可能となっている。図１に示すように、フィルムユニットＦＵは、供給リール３１と、巻取リール３５と、第１案内軸４１と、第２案内軸４２と、第３案内軸４３とを備えている。供給リール３１には、箔フィルムＦが巻回されている。

　箔フィルムＦは、複数の層からなるフィルムである。詳しくは、箔フィルムＦは、支持層と、被支持層とを有する。支持層は、高分子材料からなるテープ状の透明な基材であり、被支持層を支持している。被支持層は、例えば、剥離層と、転写層と、接着層とを有する。剥離層は、支持層から転写層を剥離しやすくするための層であり、支持層と転写層との間に配置されている。

　転写層は、トナー像に転写される層であり、箔を含んでいる。箔とは、金、銀、銅、アルミニウム等の薄い金属である。転写層は、剥離層と接着層との間に配置されている。接着層は、転写層をトナー像に接着しやすくするための層である。

　供給リール３１には、箔フィルムＦの一端が固定されている。
　巻取リール３５は、箔フィルムＦを巻き取るための部材である。巻取リール３５には、箔フィルムＦの他端が固定されている。

　なお、図１等においては、便宜上、供給リール３１および巻取リール３５の両方に箔フィルムＦが最大に巻回された状態を図示することとする。実際には、フィルムユニットＦＵが新品の状態においては、供給リール３１に巻回されたロール状の箔フィルムＦの径は最大となっており、巻取リール３５には箔フィルムＦが巻回されていない、もしくは、巻取リール３５に巻回されたロール状の箔フィルムＦの径は最小となっている。また、フィルムユニットＦＵの寿命時（箔フィルムＦを使い切ったとき）においては、巻取リール３５に巻回されたロール状の箔フィルムＦの径は最大となり、供給リール３１には箔フィルムＦが巻回されていない、もしくは、供給リール３１に巻回されたロール状の箔フィルムＦの径は最小となる。

　第１案内軸４１は、供給リール３１から引き出される箔フィルムＦの進行方向を変更するための軸である。
　第２案内軸４２は、第１案内軸４１で案内された箔フィルムＦの進行方向を変更するための軸である。
　第３案内軸４３は、第２案内軸４２で案内された箔フィルムＦの進行方向を変更して巻取リール３５に案内する軸である。

　フィルムユニットＦＵが筐体本体２１に装着されることで箔転写装置１にセットされると、巻取リール３５は、筐体２に設けられた駆動源（図示せず）によって図示反時計回りに回転駆動される。巻取リール３５が回転すると、供給リール３１に巻回された箔フィルムＦが引き出され、引き出された箔フィルムＦが巻取リール３５に巻き取られていく。詳しくは、箔転写中において、後述する加圧ローラ５１と加熱部材６１によって箔フィルムＦが送り出されることで、供給リール３１から箔フィルムＦが引き出される。そして、加圧ローラ５１と加熱部材６１から送り出された箔フィルムＦが、巻取リール３５に巻き取られていく。

　第１案内軸４１は、トナー像を下にした状態で搬送されるシートＳに対して、供給リール３１から引き出された箔フィルムＦを下から重ねるように案内している。第１案内軸４１は、供給リール３１から引き出された箔フィルムＦの搬送方向を変えて、シートＳの搬送方向と略平行に箔フィルムＦを案内する。

　第２案内軸４２は、転写部５０を通過した箔フィルムＦと接触し、転写部５０を通過した箔フィルムＦの搬送方向をシートＳの搬送方向とは異なる方向に変更している。転写部５０を通過してシートＳと重なった状態で搬送された箔フィルムＦは、第２案内軸４２を通過する際にシートＳとは異なる方向に案内され、シートＳから剥離される。

　転写部５０は、シートＳと箔フィルムＦを重ねた状態で加熱および加圧することで、シートＳに形成されたトナー像の上に転写層を転写するための部分である。転写部５０は、加圧ローラ５１と、加熱部６０とを備えている。転写部５０は、加圧ローラ５１と加熱部６０のニップ部において、シートＳと箔フィルムＦを重ねて加熱および加圧する。

　加圧ローラ５１は、円筒状の芯金の周囲をシリコンゴムからなるゴム層で被覆したローラである。加圧ローラ５１は、箔フィルムＦの上側に配置され、シートＳの裏面（トナー像が形成された面と反対側の面）と接触可能となっている。

　加圧ローラ５１は、両端部がカバー２２に回転可能に支持されている。加圧ローラ５１は、加熱部材６１との間でシートＳおよび箔フィルムＦを挟み、駆動源（図示せず）によって回転駆動されることで加熱部材６１を従動回転させる。

　加熱部６０は、箔フィルムＦの下側に配置され、箔フィルムＦと接触して、箔フィルムＦおよびシートＳを加熱する部材である。加熱部６０は、箔フィルムＦの搬送方向と直交する箔フィルムＦの幅方向（以下の説明では単に「幅方向」という。）に沿って延びている。図３に示すように、加熱部６０は、加熱部材６１と、第１ヒータ６２と、第２ヒータ６３とを有している。

　加熱部材６１は、円筒状に形成された金属管からなるローラである。加熱部材６１は、箔フィルムＦと接触して、箔フィルムＦおよびシートＳを加熱する部材である。

　第１ヒータ６２は、加熱部材６１を加熱する。第１ヒータ６２は、幅方向における中央部６２Ａの出力が幅方向における両端部６２Ｂより出力が高い。このため、第１ヒータ６２は、加熱部材６１のうち、幅方向における中央部である第１部分６１Ａを、幅方向における両端部である第２部分６１Ｂよりも強く加熱するようになっている。加熱部材６１の第１部分６１Ａと第２部分６１Ｂは幅方向に並んでいる。本実施形態では、第１部分６１Ａの幅は、１５０～１８０ｍｍとなっており、第１ヒータ６２のみでＡ５サイズのシートＳを加熱可能である。

　第２ヒータ６３は、加熱部材６１を加熱する。第２ヒータ６３は、幅方向における両端部６３Ｂの出力が幅方向における中央部６３Ａより出力が高い。このため、第２ヒータ６３は、加熱部材６１のうち、第２部分６１Ｂを、第１部分６１Ａよりも強く加熱するようになっている。

　図４（ａ）に示すように、箔転写装置１は、シートＳの通過を検知するシートセンサ９０をさらに備えている。シートセンサ９０は、シートＳの搬送方向において、加熱部６０の上流側に配置されている。シートセンサ９０は、中央シートセンサ９１と、サイドシートセンサ９２とを有している。中央シートセンサ９１およびサイドシートセンサ９２は、筐体本体２１に揺動可能に支持されている。中央シートセンサ９１およびサイドシートセンサ９２は、シートＳに接触すると揺動してＯＮとなる（図１参照）。

　中央シートセンサ９１は、幅方向において、加熱部材６１の第１部分６１Ａに対応した位置に配置されている。中央シートセンサ９１は、シートＳが第１部分６１Ａの表面上を通過するか否かを検知可能である。本実施形態では、中央シートセンサ９１は、幅方向において、シートＳの搬送経路の中央に位置している。

　サイドシートセンサ９２は、幅方向において、加熱部材６１の第２部分６１Ｂに対応した位置に配置されている。サイドシートセンサ９２は、シートＳが第２部分６１Ｂの表面上を通過するか否かを検知可能である。本実施形態では、サイドシートセンサ９２は、幅方向において、シートＳの搬送経路の中央からＤ１だけ、具体的には７５～８０ｍｍ離れて位置している。

　図４（ａ），（ｂ）に示すように、シートＳが第１部分６１Ａと両側の第２部分６１Ｂの表面上を通過するシートＳＨ１である場合、中央シートセンサ９１とサイドシートセンサ９２の両方がＯＮとなる。シートＳＨ１は、例えばＡ４サイズ（横幅２１０ｍｍ）やレターサイズ（横幅２１５．９ｍｍ）である。
　シートＳが第１部分６１Ａの表面上を通過し、第２部分６１Ｂの表面上を通過しないシートＳＨ２である場合、中央シートセンサ９１のみがＯＮとなる。シートＳＨ２は、例えばＡ５サイズ（１４８ｍｍ）やＡ６サイズ（１０５ｍｍ）を中央寄せしたものである。
　シートＳが第１部分６１Ａと片側の第２部分６１Ｂの表面上を通過するシートＳＨ３である場合、中央シートセンサ９１とサイドシートセンサ９２の両方がＯＮとなる。シートＳＨ３は、例えばＡ５サイズ（１４８ｍｍ）やＡ６（１０５ｍｍ）を片寄せしたものである。

　図１に戻って、箔転写装置１は、加圧ローラ５１によって加熱部６０を加圧する接触位置と、加熱部６０と加圧ローラ５１とを離間させる離間位置との間で、加熱部６０と加圧ローラ５１の少なくとも一方の部材を移動させる接離機構７０を備えている。本実施形態では、接離機構７０は、加熱部６０を接触位置と離間位置との間で移動させている。

　カバー２２が開いている状態や、転写部５０においてシートＳに箔転写を行わない場合には、加熱部６０は、箔フィルムＦから離間する離間位置に位置している。制御部８０は、カバー２２が閉じている状態で箔転写制御を行うときに、接離機構７０を制御して、加熱部６０を箔フィルムＦに接触する接触位置に移動させる。

　制御部８０は、ＣＰＵ、ＲＯＭ、ＲＡＭ、不揮発性メモリなどを有し、予め用意されたプログラムに基づいて各種制御を行うように構成される。ＲＯＭ、ＲＡＭ、不揮発性メモリなどには、箔転写制御に必要なデータとして例えば、装着された箔フィルムＦに対する最適な制御テーブルが記憶されている。そして、例えば、ユーザが筐体２のカバー２２に設けられた操作パネル８５を操作して、シートＳに箔転写を行う場合には、制御部８０は、操作パネル８５からの信号を受けて、箔転写制御を行う。

　このように構成された箔転写装置１では、箔転写を行う場合、シートＳの表面を下向きにしてシートトレイ３に載置されたシートＳが、シート供給機構１１により一枚ずつ転写部５０に向けて搬送される。シートＳは、転写部５０のシート搬送方向における上流側で、供給リール３１から供給された箔フィルムＦと重ねられ、シートＳのトナー像と箔フィルムＦが接触した状態で転写部５０に搬送される。

　転写部５０においては、シートＳと箔フィルムＦが加圧ローラ５１と加熱部６０の間のニップ部を通過する際に、加熱部６０と加圧ローラ５１により加熱および加圧され、トナー像の上に箔が転写される。

　箔が転写された後、シートＳと箔フィルムＦは密着した状態で第２案内軸４２まで搬送される。シートＳと箔フィルムＦが第２案内軸４２を通過すると、箔フィルムＦの搬送方向がシートＳの搬送方向と異なる方向に変わるため、シートＳから箔フィルムＦが剥離される。

　シートＳから剥離された箔フィルムＦは、巻取リール３５に巻き取られていく。一方、箔フィルムＦが剥離されたシートＳは、シート排出機構１２によって、箔が転写された表面を下に向けた状態で、筐体２の外部に排出される。

　以下、フィルムユニットＦＵについて詳細に説明する。
　図２に示すように、フィルムユニットＦＵは、樹脂などからなるホルダ１００と、ホルダ１００に着脱可能な箔転写用フィルムカートリッジＦＣとを備えている。箔転写用フィルムカートリッジＦＣは、前述した供給リール３１および巻取リール３５を備えている。箔転写用フィルムカートリッジＦＣは、ホルダ１００に取り付けられた状態で、筐体本体２１に着脱可能となっている。なお、以下の説明では、箔転写用フィルムカートリッジＦＣがホルダ１００を介して筐体本体２１に着脱されることを、単に「箔転写用フィルムカートリッジＦＣが筐体本体２１に着脱される」とも称する。

　図５に示すように、箔転写用フィルムカートリッジＦＣは、供給リール３１と、供給シャフト３２と、レバー３３と、供給ケース３４と、を備えている。供給リール３１、供給シャフト３２、レバー３３および供給ケース３４は、樹脂などからなる。供給リール３１は、第１部材Ｍ１と、第２部材Ｍ２とを有している。

　第１部材Ｍ１は、略円筒状の部材である。第１部材Ｍ１には、第１幅Ｂ１の箔フィルムＦが巻回されている。

　第２部材Ｍ２は、略円筒状の部材である。第２部材Ｍ２は、第１部材Ｍ１の軸方向の一端の開口に嵌め込まれることで、第１部材Ｍ１とともに回転する。第２部材Ｍ２は、軸方向の一端、詳しくは第１部材Ｍ１とは反対側の端に、フランジＦＬを有している。言い換えると、フランジＦＬは、供給リール３１の軸方向の一端に位置している。フランジＦＬは、第２部材Ｍ２の外周面から突出し、第２部材Ｍ２の外周面の周方向に沿ったリング状に形成されている。

　供給シャフト３２は、箔フィルムＦの幅方向において、第１幅Ｂ１よりも長いシャフトである。詳しくは、供給シャフト３２は、幅方向において、供給リール３１よりも長い。供給シャフト３２は、供給リール３１の孔を通過可能となっている。詳しくは、供給シャフト３２は、第１部材Ｍ１の内部と第２部材Ｍ２の内部に配置されるようになっている。供給シャフト３２は、供給シャフト３２の周方向において供給リール３１と係合することで、フランジＦＬを含む供給リール３１とともに回転可能となっている。

　詳しくは、供給シャフト３２は、外周面に、軸方向に延びる溝３２Ａを有している。供給リール３１は、内周面に、溝３２Ａに入る突起（図示略）を有している。そして、溝３２Ａに突起が入ることで、溝３２Ａと突起が供給シャフト３２の周方向において係合するため、供給シャフト３２と供給リール３１とがともに回転可能となっている。また、このように溝３２Ａに突起が入ることで、供給シャフト３２は、供給リール３１を、第１位置と、第１位置とは異なる第２位置との間で、幅方向に移動可能に支持している。

　レバー３３は、供給リール３１と幅方向に係合して供給リール３１とともに幅方向に移動可能な部材である。レバー３３は、第１レバー部材Ｍ３と、第２レバー部材Ｍ４と、第３レバー部材Ｍ５とを有する。

　第１レバー部材Ｍ３は、幅方向においてフランジＦＬに係合する溝Ｍ３１を有している。溝Ｍ３１は、フランジＦＬの回転方向においてフランジＦＬと係合しないように構成されている。詳しくは、溝Ｍ３１の底面は、フランジＦＬの外周面から離れており、溝Ｍ３１の各側面は、フランジＦＬを幅方向で挟んでいる。

　第２レバー部材Ｍ４は、供給ケース３４の外周面に沿った外周面Ｍ４１を有する扇形状の部材である。第２レバー部材Ｍ４は、第１レバー部材Ｍ３に固定されている。

　第３レバー部材Ｍ５は、供給リール３１の径方向において、第１レバー部材Ｍ３に移動可能に支持されている。第３レバー部材Ｍ５には、第１突起Ｍ５１が形成されている。第１突起Ｍ５１は、供給リール３１を第１位置または第２位置に位置決めするための供給位置決め部を構成している。第１レバー部材Ｍ３と第３レバー部材Ｍ５の間には、第１突起Ｍ５１を供給ケース３４の径方向外側に向けて付勢する第１バネＳＰ１が設けられている。

　供給ケース３４は、供給リール３１を収容する供給ケースである。供給ケース３４は、第１ケース部材Ｃ１と、第２ケース部材Ｃ２と、第３ケース部材Ｃ３と、第４ケース部材Ｃ４とを有している。

　第１ケース部材Ｃ１および第２ケース部材Ｃ２は、略半円筒状の部材である。第２ケース部材Ｃ２は、外周壁Ｃ２１と、第１側壁Ｃ２２と、第２側壁Ｃ２３とを有している。外周壁Ｃ２１は、レバー３３の第２レバー部材Ｍ４を露出させるための開口Ｈ１を有している。外周壁Ｃ２１の周方向の一端Ｃ２１１は、箔フィルムＦが通るフィルム用開口Ｈ２の縁を構成している。

　ここで、フィルム用開口Ｈ２は、第１ケース部材Ｃ１と第２ケース部材Ｃ２を組み合わせたときに、幅方向に長い矩形の孔として形成される開口である。フィルム用開口Ｈ２は、箔フィルムＦが幅方向に移動可能となるように、幅方向の長さが第１幅Ｂ１よりも大きい。

　第１側壁Ｃ２２は、供給シャフト３２の一端を回転可能に支持している。第２側壁Ｃ２３は、供給シャフト３２の他端を通すための孔Ｈ３を有している。

　第３ケース部材Ｃ３は、ギヤＧ１を覆うカバーである。第３ケース部材Ｃ３は、第１ケース部材Ｃ１および第２ケース部材Ｃ２の軸方向の一端に固定される。ここで、ギヤＧ１は、ギヤＧ２とともに、供給シャフト３２に負荷を与えるためのギヤである。ギヤＧ２は、供給シャフト３２の一端に固定されるとともに、図示せぬギヤを介してギヤＧ１に連結される。ギヤＧ１は、筐体本体２１に設けられる負荷機構に連結される。

　第４ケース部材Ｃ４は、供給シャフト３２の他端を回転可能に支持する支持部Ｃ４１を有している。第４ケース部材Ｃ４は、第１ケース部材Ｃ１および第２ケース部材Ｃ２の軸方向の他端に固定される。

　図６（ａ）に示すように、第２ケース部材Ｃ２の外周壁Ｃ２１には、第１突起Ｍ５１が嵌る第１穴Ｈ１１および第２穴Ｈ１２が形成されている。第１穴Ｈ１１および第２穴Ｈ１２は、第１突起Ｍ５１とともに、供給リール３１を第１位置または第２位置に位置決めするための供給位置決め部を構成している。なお、第１突起Ｍ５１は、供給リール３１を幅方向に動かしたときに、各穴Ｈ１１，Ｈ１２から外れやすくなるように、先端形状が曲面状に形成されている。

　第１穴Ｈ１１は、供給リール３１が図６（ａ）の第１位置に位置するときに、第１突起Ｍ５１と係合する位置に位置している。言い換えると、第１穴Ｈ１１は、第１位置に対応した位置に位置している。

　第２穴Ｈ１２は、供給リール３１が図６（ｂ）の第２位置に位置するときに、第１突起Ｍ５１と係合する位置に位置している。言い換えると、第２穴Ｈ１２は、第２位置に対応した位置に位置している。

　本実施形態では、第１位置は、供給シャフト３２の軸方向の中央の位置とし、第２位置は、供給シャフト３２の軸方向の中央よりも他端に寄った位置とする。具体的に、図６（ａ）に示すように、供給リール３１が第１位置に位置するときには、箔フィルムＦは、供給シャフト３２の一端から第１距離Ｄ１１だけ離れている。また、図６（ｂ）に示すように、供給リール３１が第２位置に位置するときには、箔フィルムＦは、供給シャフト３２の一端から第１距離Ｄ１１よりも大きな第２距離Ｄ１２だけ離れている。レバー３３は、供給リール３１が第１位置に位置するときに、供給シャフト３２の一端から第１距離Ｄ１１の範囲内に位置している。

　図７に示すように、箔転写用フィルムカートリッジＦＣは、巻取リール３５と、巻取シャフト３６とを備えている。巻取リール３５および巻取シャフト３６は、樹脂などからなる。

　巻取リール３５は、第１リール部材Ｍ６と、第２リール部材Ｍ７と、第３リール部材Ｍ８とを備えている。第１リール部材Ｍ６は、半円筒状のベース部Ｍ６１と、半円状のフランジ部Ｍ６２と、膨出部Ｍ６３とを有している。

　フランジ部Ｍ６２は、ベース部Ｍ６１の軸方向の一端と他端に設けられている。フランジ部Ｍ６２は、ベース部Ｍ６１の外周面から延出している。膨出部Ｍ６３は、一方のフランジ部Ｍ６２のベース部Ｍ６１とは反対側の面から軸方向に膨出している。膨出部Ｍ６３は、巻取シャフト３６に向けて突出する突出部Ｍ６３１を有している。

　第２リール部材Ｍ７は、第１リール部材Ｍ６と略同様の構造となっている。詳しくは、第２リール部材Ｍ７は、第１リール部材Ｍ６の各部位と略同様の構造となる、ベース部Ｍ７１、ベース部Ｍ７１の軸方向の一端と他端に設けられているフランジ部Ｍ７２および突出部Ｍ７３１を有する膨出部Ｍ７３を有している。

　第２リール部材Ｍ７は、ベース部Ｍ７１の周方向の各端が第１リール部材Ｍ６のベース部Ｍ６１の周方向の各端と合わさるように、第１リール部材Ｍ６に組み付け可能となっている。第１リール部材Ｍ６と第２リール部材Ｍ７を組み付けた状態において、ベース部Ｍ６１，Ｍ７１は、円筒状となり、内部に巻取シャフト３６が配置されるようになっている。

　第３リール部材Ｍ８は、第１リール部材Ｍ６の突出部Ｍ６３１によって、巻取リール３５の径方向に移動可能に支持されている。詳しくは、突出部Ｍ６３１は、第３リール部材Ｍ８を移動可能に支持する凹部を有している。第３リール部材Ｍ８には、第２突起Ｍ８１が形成されている。第２突起Ｍ８１は、巻取リール３５を第３位置または第４位置に位置決めするための巻取位置決め部を構成している。第２突起Ｍ８１は、巻取リール３５とともに幅方向に移動可能となっている。第３リール部材Ｍ８と第１リール部材Ｍ６との間には、第２突起Ｍ８１を巻取シャフト３６に向けて付勢する第２バネＳＰ２が設けられている。

　巻取シャフト３６は、幅方向において、第１幅Ｂ１よりも長いシャフトである。詳しくは、巻取シャフト３６は、幅方向において、巻取リール３５よりも長い。巻取シャフト３６は、巻取シャフト３６の周方向において巻取リール３５と係合することで、巻取リール３５とともに回転可能となっている。

　詳しくは、巻取シャフト３６は、外周面に、軸方向に延びる溝３６Ａを有している。第１リール部材Ｍ６の突出部Ｍ６３１は、溝３６Ａに入るように構成されている。そして、溝３６Ａに突出部Ｍ６３１が入ることで、溝３６Ａと突出部Ｍ６３１が巻取シャフト３６の周方向において係合するため、巻取シャフト３６と巻取リール３５がともに回転可能となっている。また、このように溝３６Ａに突出部Ｍ６３１が入ることで、巻取シャフト３６は、巻取リール３５を、第３位置と、第３位置とは異なる第４位置との間で、幅方向に移動可能に支持している。なお、図示は省略するが、巻取シャフト３６は、第２リール部材Ｍ７の突出部Ｍ７３１が入る溝であって、軸方向に延びる溝も有している。

　また、巻取シャフト３６の一端には、巻取シャフト３６に駆動力を入力するための入力部材３７が設けられている。入力部材３７は、筐体本体２１に設けられる駆動源から駆動力が入力されるギヤ３７Ａと、ホルダ１００（図２参照）に回転可能に支持される軸部３７Ｂとを有している。巻取シャフト３６の他端には、ホルダ１００に回転可能に支持される軸部３８Ａを有するキャップ３８が設けられている。

　図８（ａ）に示すように、巻取シャフト３６の溝３６Ａの底壁３６Ｂには、第２突起Ｍ８１が嵌る第３穴Ｈ１３および第４穴Ｈ１４が形成されている。第３穴Ｈ１３および第４穴Ｈ１４は、第２突起Ｍ８１とともに、巻取リール３５を第３位置または第４位置に位置決めするための巻取位置決め部を構成している。なお、本実施形態では、第３穴Ｈ１３および第４穴Ｈ１４を、貫通孔としているが、本発明はこれに限定されず、第３穴Ｈ１３および第４穴Ｈ１４は、凹状の穴であってもよい。また、第２突起Ｍ８１は、巻取リール３５を幅方向に動かしたときに、各穴Ｈ１３，Ｈ１４から外れやすくなるように、先端形状が曲面状に形成されている。

　第３穴Ｈ１３は、巻取リール３５が図８（ａ）の第３位置に位置するときに、第２突起Ｍ８１と係合する位置に位置している。言い換えると、第３穴Ｈ１３は、第３位置に対応した位置に位置している。

　第４穴Ｈ１４は、巻取リール３５が図８（ｂ）の第４位置に位置するときに、第２突起Ｍ８１と係合する位置に位置している。言い換えると、第４穴Ｈ１４は、第４位置に対応した位置に位置している。

　本実施形態では、第３位置は、巻取シャフト３６の軸方向の中央の位置とし、第４位置は、巻取シャフト３６の軸方向の中央よりも他端に寄った位置とする。詳しくは、供給リール３１が第１位置に位置し、かつ、巻取リール３５が第３位置に位置するときに、箔フィルムＦが供給シャフト３２および巻取シャフト３６の軸方向の中央に位置し、かつ、箔フィルムＦの幅方向の両端が搬送方向に沿うように、第１位置および第３位置が設定されている。また、供給リール３１が第２位置に位置し、かつ、巻取リール３５が第４位置に位置するときに、箔フィルムＦが供給シャフト３２および巻取シャフト３６の軸方向の中央よりも他端に寄った位置に位置し、かつ、箔フィルムＦの幅方向の両端が搬送方向に沿うように、第２位置および第４位置が設定されている。

　図８（ａ）に示すように、巻取リール３５が第３位置に位置するときには、箔フィルムＦは、巻取シャフト３６の一端から第３距離Ｄ１３だけ離れている。また、図８（ｂ）に示すように、巻取リール３５が第４位置に位置するときには、箔フィルムＦは、巻取シャフト３６の一端から第３距離Ｄ１３よりも大きな第４距離Ｄ１４だけ離れている。第２突起Ｍ８１は、巻取リール３５が第３位置に位置するときに、巻取シャフト３６の一端から第３距離Ｄ１３の範囲内に位置している。

　図９（ａ）に示すように、供給リール３１が第１位置に位置し、かつ、巻取リール３５が第３位置に位置するときには、箔転写用フィルムカートリッジＦＣが筐体本体２１に装着されると、箔フィルムＦが、幅方向の中央に位置して、加熱部６０の第１部分６１Ａのみと重なるようになっている。この際、供給リール３１とともに幅方向に移動可能なレバー３３は、第１位置に対応した第１レバー位置、詳しくは供給ケース３４の軸方向の一端に寄った位置に配置される。

　第１レバー位置に位置するレバー３３は、箔転写用フィルムカートリッジＦＣが筐体本体２１に装着される際に、後述する第１アクチュエータＡ１（図１０（ａ）参照）を押圧可能となっている。なお、以下の説明では、箔フィルムＦが幅方向の中央に配置された状態の箔転写用フィルムカートリッジＦＣを、「中央寄せカートリッジＦＣ１」とも称する。

　図９（ｂ）に示すように、供給リール３１が第２位置に位置し、かつ、巻取リール３５が第４位置に位置するときには、箔転写用フィルムカートリッジＦＣが筐体本体２１に装着されると、箔フィルムＦが、加熱部６０の第１部分６１Ａと、加熱部６０の他端側の第２部分６１Ｂとに重なるようになっている。この際、供給リール３１とともに幅方向に移動可能なレバー３３は、第２位置に対応した第２レバー位置、詳しくは第１レバー位置よりも供給ケース３４の軸方向の他端に寄った位置に配置される。

　第２レバー位置に位置するレバー３３は、箔転写用フィルムカートリッジＦＣが筐体本体２１に装着される際に、後述する第２アクチュエータＡ２（図１０（ａ）参照）を押圧可能となっている。なお、以下の説明では、箔フィルムＦが幅方向の他端に偏って配置された状態の箔転写用フィルムカートリッジＦＣを、「片寄せカートリッジＦＣ２」とも称する。

　ここで、図９では、便宜上、シートＳの搬送方向を、図の下から上に向かう向きで図示している。一方、図４（ａ）では、シートＳの搬送方向を、図の上から下に向かう向きで図示している。そのため、図９（ｂ）の片寄せカートリッジＦＣ２は、上下反転された状態で、図４（ａ）に示す筐体本体２１内に装着される。このように片寄せカートリッジＦＣ２が筐体本体２１内に装着されると、箔フィルムＦが、片寄せされたシートＳＨ３に対応した位置に配置される。

　筐体本体２１には、図９（ｃ）に示す第２箔転写用フィルムカートリッジＦＣ３が着脱可能となっている。詳しくは、第２箔転写用フィルムカートリッジＦＣ３は、前述したホルダ１００（図２参照）に着脱可能となっている。

　第２箔転写用フィルムカートリッジＦＣ３は、第１幅Ｂ１よりも大きな第２幅Ｂ２の箔フィルムＦを備えている。第２箔転写用フィルムカートリッジＦＣ３は、箔転写用フィルムカートリッジＦＣと比べて構造が多少異なるが、基本的には、箔転写用フィルムカートリッジＦＣと略同様の構造であるため、略同様の部材には同一の符号を付して説明を適宜省略する。

　第２箔転写用フィルムカートリッジＦＣ３は、供給リール３１と巻取リール３５の幅方向の大きさが第２幅Ｂ２の箔フィルムＦに合わせて大きくなっている点で、箔転写用フィルムカートリッジＦＣとは異なっている。また、第２箔転写用フィルムカートリッジＦＣ３は、供給リール３１と巻取リール３５が幅方向に動かない点で、箔転写用フィルムカートリッジＦＣとは異なっている。

　第２箔転写用フィルムカートリッジＦＣ３の供給ケース３４には、供給ケース３４の外周面から突出する突出部３４Ａが形成されている。突出部３４Ａは、幅方向において、第１レバー位置に対応した位置から第２レバー位置に対応した位置までの範囲にわたって形成されている。これにより、突出部３４Ａは、第２箔転写用フィルムカートリッジＦＣ３が筐体本体２１に装着される際に、後述する第１アクチュエータＡ１および第２アクチュエータＡ２（図１０（ａ）参照）を両方とも押圧可能となっている。

　図１０（ａ）～（ｃ）に示すように、筐体本体２１は、レバー３３および突出部３４Ａを検出可能なセンサＳＥを備えている。センサＳＥは、第１アクチュエータＡ１と、第１センサＳＥ１と、第２アクチュエータＡ２と、第２センサＳＥ２とを備えている。

　第１アクチュエータＡ１は、供給リール３１が第１位置に位置する状態の箔転写用フィルムカートリッジＦＣ、つまり中央寄せカートリッジＦＣ１が筐体本体２１に装着されたときに、レバー３３と接触して回動する部材である。つまり、第１アクチュエータＡ１は、第１レバー位置に位置するレバー３３に対応した位置に配置されている。

　第２アクチュエータＡ２は、供給リール３１が第２位置に位置する状態の箔転写用フィルムカートリッジＦＣ、つまり片寄せカートリッジＦＣ２が筐体本体２１に装着されたときに、レバー３３と接触して回動する部材である。つまり、第２アクチュエータＡ２は、第２レバー位置に位置するレバー３３に対応した位置に配置されている。

　第１アクチュエータＡ１および第２アクチュエータＡ２は、それぞれ、図１０（ｂ）に示す非検出位置と、図１０（ｃ）に示す検出位置との間で回動可能となっている。箔転写用フィルムカートリッジＦＣが筐体本体２１に装着される場合には、第１アクチュエータＡ１および第２アクチュエータＡ２のいずれか一方が、非検出位置のままに維持され、他方が検出位置に回動する。また、第２箔転写用フィルムカートリッジＦＣ３が筐体本体２１に装着される場合には、第１アクチュエータＡ１および第２アクチュエータＡ２の両方が、第２箔転写用フィルムカートリッジＦＣ３の突出部３４Ａ（図９（ｃ）参照）と接触して、検出位置に回動する。

　第１センサＳＥ１は、第１アクチュエータＡ１の位置を検出するセンサである。第２センサＳＥ２は、第２アクチュエータＡ２の位置を検出するセンサである。第１センサＳＥ１および第２センサＳＥ２は、例えば発光部と受光部を有する光センサとすることができる。

　本実施形態では、アクチュエータ（Ａ１，Ａ２）が非検出位置に位置するときに、発光部から出射された光がアクチュエータで遮られて、光センサ（ＳＥ１，ＳＥ２）が信号を出力しないＯＦＦ状態となることとする。また、アクチュエータ（Ａ１，Ａ２）が検出位置に位置するときに、発光部から出射された光が受光部で受光されて、光センサ（ＳＥ１，ＳＥ２）が信号を出力するＯＮ状態となることとする。

　制御部８０は、センサＳＥからの情報に基づいて、供給リール３１の幅方向の位置や大きさを判定可能となっている。詳しくは、制御部８０は、第１センサＳＥ１および第２センサＳＥ２から出力される信号の組み合わせによって、箔転写用フィルムカートリッジＦＣの種類等を判別している。

　具体的には、図１１に示すように、制御部８０は、第１センサＳＥ１および第２センサＳＥ２がともにＯＦＦである場合には、箔転写用フィルムカートリッジＦＣまたは第２箔転写用フィルムカートリッジＦＣ３のいずれの箔転写用フィルムカートリッジも筐体本体２１に装着されていないと判定する。制御部８０は、第１センサＳＥ１がＯＮ、かつ、第２センサＳＥ２がＯＦＦである場合には、中央寄せカートリッジＦＣ１が筐体本体２１に装着されていると判定、つまり、供給リール３１が第１位置に位置し、かつ、箔フィルムＦの幅が第１幅Ｂ１であると判定する。

　制御部８０は、第１センサＳＥ１がＯＦＦ、かつ、第２センサＳＥ２がＯＮである場合には、片寄せカートリッジＦＣ２が筐体本体２１に装着されていると判定、つまり、供給リール３１が第２位置に位置し、かつ、箔フィルムＦの幅が第１幅Ｂ１であると判定する。制御部８０は、第１センサＳＥ１および第２センサＳＥ２がともにＯＮである場合には、第２箔転写用フィルムカートリッジＦＣ３が筐体本体２１に装着されていると判定、つまり箔フィルムＦの幅が第２幅Ｂ２であると判定する。

　制御部８０は、箔転写時に、第１ヒータ６２を所定の消費電力で制御するとともに、第２ヒータ６３を第１の消費電力または第１の消費電力より小さな第２の消費電力で制御する機能を有する。制御部８０は、供給リール３１が第１位置に位置すると判定した場合には、第２ヒータ６３を第２の消費電力で制御する機能を有する。制御部８０は、供給リール３１が第２位置に位置すると判定した場合には、第２ヒータ６３を第１の消費電力で制御する機能を有する。

　次に、図１２のフローチャートを参照して、本実施形態における、制御部８０の動作の一例を説明する。図１２に示す処理は、箔転写装置１の電源がＯＮになり、かつ、第１センサＳＥ１および第２センサＳＥ２の少なくとも一方がＯＮであるときに開始される。
　図１２に示すように、制御部８０は、まず、箔転写指令があるかどうか判断する（Ｓ１）。ステップＳ１において箔転写指令がないと判断した場合には（Ｓ１，Ｎｏ）、制御部８０は、箔転写指令があるまで待つ。

　ステップＳ１において、制御部８０は、箔転写指令があると判断した場合には（Ｓ１，Ｙｅｓ）、筐体本体２１に装着された箔転写用フィルムカートリッジが片寄せカートリッジＦＣ２または第２箔転写用フィルムカートリッジＦＣ３であるかを判断する（Ｓ２）。

　ステップＳ２において、制御部８０は、装着された箔転写用フィルムカートリッジが片寄せカートリッジＦＣ２または第２箔転写用フィルムカートリッジＦＣ３でない、言い換えると、箔転写用フィルムカートリッジが中央寄せカートリッジＦＣ１であると判断した場合には（Ｓ２，Ｎｏ）、第１ヒータ６２をＯＮ、第２ヒータ６３をＯＦＦにする（Ｓ２１）。つまり、制御部８０は、供給リール３１が第１位置に位置する場合には、第２ヒータ６３を第２の消費電力、詳しくは０で制御する。

　一方、ステップＳ２において、制御部８０は、箔転写用フィルムカートリッジが片寄せカートリッジＦＣ２または第２箔転写用フィルムカートリッジＦＣ３であると判断した場合には（Ｓ２，Ｙｅｓ）、第１ヒータ６２および第２ヒータ６３をＯＮにする（Ｓ１１）。つまり、制御部８０は、供給リール３１が第２位置に位置する場合には、第２ヒータ６３を、０よりも大きな第１の消費電力で制御する。

　ステップＳ１１の後、または、ステップＳ２１の後、加熱部材６１の温度が所定の温度になったら、シートＳの搬送を開始する（Ｓ１２）。ステップＳ１２の後、制御部８０は、箔転写が完了したかを判断する（Ｓ１３）。なお、箔転写完了かどうか判断するには、例えば、中央シートセンサ９１がＯＦＦになってからの経過時間に基づいて判断すればよい。

　ステップＳ１３において、制御部８０は、箔転写が完了していないと判断した場合には（Ｓ１３，Ｎｏ）、箔転写が完了するまで待ち、箔転写が完了したと判断した場合には（Ｓ１３，Ｙｅｓ）、次に箔転写するシートがあるかを判断する（Ｓ１４）。

　ステップＳ１４において、制御部８０は、次に箔転写するシートがあると判断した場合（Ｓ１４，Ｙｅｓ）、ステップＳ２に移行し、次に箔転写するシートがないと判断した場合（Ｓ１４，Ｎｏ）、第１ヒータ６２および第２ヒータ６３のうち、ＯＮしていたヒータをＯＦＦにし、本制御を終了する。

　以上によれば、本実施形態において以下のような効果を得ることができる。
　１つの箔転写用フィルムカートリッジＦＣにおいて、箔フィルムＦの幅方向の位置を変更可能であるので、ユーザが多数のカートリッジを所持する必要がなくなり、ユーザの利便性を向上することができる。

　供給リール３１を移動させるためのレバー３３が供給ケース３４から露出しているので、ユーザは、供給ケース３４から露出したレバー３３を操作することで、簡単に箔フィルムＦの幅方向の位置を変更することができる。

　供給リール３１が第１位置に位置するときに、レバー３３が供給シャフト３２の一端から第１距離Ｄ１１の範囲内に位置するので、デッドスペースとなる供給シャフト３２の一端から第１距離Ｄ１１の範囲内を有効活用することができる。

　巻取リール３５が第３位置に位置するときに、第２突起Ｍ８１が巻取シャフト３６の一端から第３距離Ｄ１３の範囲内に位置するので、デッドスペースとなる巻取シャフト３６の一端から第３距離Ｄ１３の範囲内を有効活用することができる。

　供給リール３１を第１位置または第２位置に位置決めする供給位置決め部を有しているので、第１位置または第２位置に位置する箔フィルムＦが、箔転写時に幅方向に動くのを抑制することができる。

　巻取リール３５を第３位置または第４位置に位置決めする巻取位置決め部を有しているので、第３位置または第４位置に位置する箔フィルムＦが、箔転写時に幅方向に動くのを抑制することができる。

　レバー３３を検出可能なセンサＳＥを有するので、制御部８０が箔フィルムＦの幅方向の位置を把握することができる。

　供給リール３１が第１位置に位置する場合には、第２ヒータ６３を第２の消費電力で制御し、供給リール３１が第２位置に位置する場合には、第２ヒータ６３を第２の消費電力よりも大きな第１の消費電力で制御するので、箔フィルムＦの位置に応じて適切なヒータ制御を行うことができる。

　第１アクチュエータＡ１および第２アクチュエータＡ２が、第１レバー位置または第２レバー位置に位置するレバー３３と接触することで回動可能であるとともに、第２箔転写用フィルムカートリッジＦＣ３と接触することでも回動可能であるので、２つのアクチュエータＡ１，Ａ２によって、箔フィルムＦの位置と幅を判定することができる。

　以上、本発明の第１実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではない。具体的な構成については、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。

　前記実施形態では、箔転写用フィルムカートリッジＦＣが巻取リール３５を有する構成としたが、本発明はこれに限定されず、箔転写用フィルムカートリッジは巻取リールを有していなくてもよい。この場合、巻取リールは、幅方向に移動可能となるように筐体本体に設ければよい。

　前記実施形態では、供給リールに係合するレバーを設けたが、本発明はこれに限定されず、レバーはなくてもよい。この場合、例えば、供給リールを直接操作するための開口を、供給ケースに設けてもよい。

　供給位置決め部および巻取位置決め部は、前記実施形態の構造に限らず、例えば、凹凸の関係を前記実施形態とは逆にしてもよい。

　前記実施形態では、センサをアクチュエータと光センサとで構成したが、本発明はこれに限定されず、センサは、例えば光センサのみで構成されていてもよい。また、アクチュエータは、例えば、直線的に移動可能であってもよい。

　前記実施形態では、レバー３３を供給リール３１に係合させたが、本発明はこれに限定されず、例えば、レバーが供給リールに一体に形成されていてもよい。

　前記実施形態では、加熱部材６１が円筒形に形成された金属管からなるローラであったが、本発明はこのような構成に限定されない。例えば、加熱部材はフィルムやベルトであってもよい。また、加熱部材を加熱するヒータは、加熱部材の外部に配置されていてもよい。

　前記実施形態では、第２ヒータ６３は、両端部６３Ｂの出力が中央部６３Ａの出力より高く、加熱部材６１の両端部である第２部分６１Ｂを第１部分６１Ａよりも強く加熱するものであったが、両端部６３Ｂのうち一方の端部６３Ｂの出力のみが中央部６３Ａの出力より高く、加熱部材６１の第２部分６１Ｂのうち一方のみを第１部分６１Ａよりも強く加熱するものであってもよい。この場合において、幅方向における両端部のうち他方の端部の出力のみが中央部の出力より高く、加熱部材６１の第２部分６１Ｂのうち他方のみを第１部分６１Ａよりも強く加熱する第３のヒータを配置してもよい。
　また、第２ヒータ６３が、両端部６３Ｂのうち一方の端部の出力のみが中央部６３Ａの出力より高く、加熱部材６１の第２部分６１Ｂのうち一方のみを第１部分６１Ａよりも強く加熱するものである場合において、第１ヒータ６２を、中央部６２Ａの出力と両端部６２Ｂのうち他方の端部の出力とが一方の端部の出力より高く、第１部分６１Ａと第２部分６１Ｂのうち他方を第２部分６１Ｂのうち一方よりも強く加熱するものとしてもよい。

　前記実施形態では、箔転写用フィルムカートリッジＦＣをホルダ１００に装着した状態であるフィルムユニットＦＵを筐体本体２１に装着していたが、箔転写用フィルムカートリッジＦＣをホルダに装着せずに直接、筐体本体２１に装着する構成であってもよい。この場合、例えば、前記実施形態のホルダ１００に相当する部分が筐体本体と一体に形成されている形態とすればよい。

　前記実施形態では、箔転写装置１は、接離機構７０によって加熱部６０を移動可能に構成したが、加圧部材を接離機構によって移動させたり、加熱部材と加圧部材の両方を接離機構によって移動させたりすることもできる。

　本発明の第２実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。第２実施形態は、第１実施形態と比べて構造が多少異なるが、基本的には略同様の構造であるため、略同様の部材には同一の符号を付して説明を適宜省略する。

　図１３（ａ）に示すように、筐体２には、カバー２２の開閉を検知するカバー開閉センサ２３と、ディスプレイ２４が設けられている。カバー開閉センサ２３は、カバー２２が閉じられている場合（図１３（ａ）参照）には、ＯＮ信号を示し、カバー２２が開けられた場合（図１４参照）にはＯＦＦ信号を示す。カバー２２が開けられた状態から閉じられると、カバー開閉センサ２３の信号がＯＦＦ信号からＯＮ信号に変わる。ディスプレイ２４は、後述する制御部３００の指令に基づいて、各種メッセージを表示する。また、本実施形態では、ディスプレイ２４は、選択画面を表示し、ユーザが箔転写を実行することを選択した場合に、選択結果を制御部３００に送る操作画面も兼ねている。

　シート搬送部１０は、図示せぬモータによって回転駆動されることでシートＳを搬送する。シート供給機構１１は、供給ローラ１１Ａと、リタードローラ１１Ｂと、搬送ローラの一例としての上流側搬送ローラ１１Ｃとを備えている。

　供給ローラ１１Ａは、シートトレイ３に載置されたシートＳをピックアップするローラである。リタードローラ１１Ｂは、供給ローラ１１Ａによって搬送されるシートＳを１枚に分離するためのローラである。供給ローラ１１Ａは、シートＳをピックアップする場合には、所定時間だけ駆動する。所定時間は、例えば、供給ローラ１１Ａが１回転する時間である。

　リタードローラ１１Ｂは、供給ローラ１１Ａの上に配置されている。リタードローラ１１Ｂは、供給ローラ１１Ａで送り出されるシートＳの上に重なっているシートＳをシートトレイ３に向けて戻す方向に回転可能となっている。

　上流側搬送ローラ１１Ｃは、２つのローラからなり、これらのローラの間でシートＳを挟んだ状態で各ローラが回転することで、シートＳを搬送可能となっている。上流側搬送ローラ１１Ｃは、供給ローラ１１Ａと転写部５０との間に配置され、供給ローラ１１ＡによってピックアップされたシートＳを転写部５０に搬送する。

　シート排出機構１２は、下流側搬送ローラ１２Ａと、排出ローラ１２Ｂとを備えている。下流側搬送ローラ１２Ａおよび排出ローラ１２Ｂは、それぞれ、２つのローラからなり、これらのローラの間でシートＳを挟んだ状態で各ローラが回転することで、シートＳを搬送可能となっている。下流側搬送ローラ１２Ａは、転写部５０と排出ローラ１２Ｂとの間に配置され、転写部５０から送り出されるシートＳを排出ローラ１２Ｂに搬送する。排出ローラ１２Ｂは、シートＳの搬送方向において下流側搬送ローラ１２Ａの下流側に配置され、下流側搬送ローラ１２Ａで送り出されるシートＳを筐体２の外に排出する。

　図１３（ｂ）に示すように、箔フィルムＦは、複数の層からなるフィルムである。詳しくは、箔フィルムＦは、支持層Ｆ１と、被支持層Ｆ２とを有する。支持層Ｆ１は、高分子材料からなるテープ状の透明な基材であり、被支持層Ｆ２を支持している。被支持層Ｆ２は、例えば、剥離層Ｆ２１と、転写層Ｆ２２と、接着層Ｆ２３とを有する。剥離層Ｆ２１は、支持層Ｆ１から転写層Ｆ２２を剥離しやすくするための層であり、支持層Ｆ１と転写層Ｆ２２との間に配置されている。剥離層Ｆ２１は、支持層Ｆ１から剥離しやすい透明な材料、例えばワックス系樹脂を含んでいる。

　転写層Ｆ２２は、トナー像に転写される層であり、箔を含んでいる。箔とは、金、銀、銅、アルミニウム等の薄い金属である。また、転写層Ｆ２２は、金色、銀色、赤色などの着色材料と、熱可塑性樹脂とを含む。転写層Ｆ２２は、剥離層Ｆ２１と接着層Ｆ２３との間に配置されている。

　接着層Ｆ２３は、転写層Ｆ２２をトナー像に接着しやすくするための層である。接着層Ｆ２３は、後述する転写部５０によって加熱されたトナー像に付着しやすい材料、例えば塩化ビニル系樹脂やアクリル系樹脂を含んでいる。

　供給リール３１は、樹脂などからなり、箔フィルムＦが巻回される供給軸部３１Ａを有している。供給軸部３１Ａには、箔フィルムＦの一端が固定されている。
　巻取リール３５は、樹脂などからなり、箔フィルムＦを巻き取るための巻取軸部３５Ａを有している。巻取軸部３５Ａには、箔フィルムＦの他端が固定されている。

　転写部５０は、加圧ローラ５１と、加熱部６０と、接離機構７０とを備えている。加圧ローラ５１と加熱部６０との間でシートＳおよび箔フィルムＦを挟んだ状態で、加圧ローラ５１および加熱部６０が回転することで、シートＳおよび箔フィルムＦが搬送される。

　加熱部６０は、加熱部材６１とヒータＨとを有する。加熱部材６１は、円筒状に形成された金属管の内部にヒータＨを配置したローラであり、ヒータＨによって加熱され、箔フィルムＦおよびシートＳを加熱している。

　接離機構７０は、加圧ローラ５１および加熱部材６１の状態を、加圧ローラ５１と加熱部材６１で箔フィルムＦを挟んだ圧接状態と、加圧ローラ５１と加熱部材６１の少なくとも一方が箔フィルムＦから離れた離間状態とに切り替えるための機構である。本実施形態では、接離機構７０は、加熱部材６１を、図１３に実線で示す圧接位置と、図１３に仮想線で示す離間位置との間で移動させることで、加熱部材６１を箔フィルムＦに対して接触・離間させている。つまり、接離機構７０は、加熱部材６１を箔フィルムＦから離すことで、加圧ローラ５１および加熱部材６１の状態を、離間状態にする。また、接離機構７０は、加熱部材６１を箔フィルムＦに圧接させることで、加圧ローラ５１および加熱部材６１の状態を、圧接状態にする。

　制御部３００は、ＣＰＵ、ＲＡＭ、ＲＯＭ、入出力回路など、を備えている。制御部３００は、ＲＡＭ、ＲＯＭなどに記憶されたプログラムやデータに基づいて各種演算処理を行うことによって、制御を実行する。制御部３００は、制御部８０と同様のものであってもよい。

　以下の説明では、トナー像への転写層Ｆ２２の転写を、単に「箔転写」とも称する。

　図１５に示すように、第３箔転写用フィルムカートリッジＦＣ４は、箔フィルムＦ、供給リール３１および巻取リール３５と、供給ケース３４とを備えている。第３箔転写用フィルムカートリッジＦＣ４は、カバー２２が開いた状態で開口２１Ａを通って、筐体２に着脱可能となっている。なお、ホルダ１００に設けられていた各部材が筐体本体２１に設けられ、第３箔転写用フィルムカートリッジＦＣ４が直接、筐体本体２１に着脱可能な構成としてもよい。

　供給リール３１（詳しくは、供給ケース３４）および巻取リール３５は、ホルダ１００に対して、供給リール３１の軸方向に直交する方向に着脱可能となっている。

　供給ケース３４は、供給リール３１を収容する中空のケースである。供給ケース３４は、略円筒状の外周壁３４Ｐと、外周壁３４Ｐの両端に設けられる略円板状の２つの側壁３４Ｓとを有する。供給リール３１は、供給ケース３４の各側壁３４Ｓに回転可能に支持されている。
　外周壁３４Ｐには、３つの凹部３４Ｄが供給リール３１の軸方向に並んで形成されており、識別子としての係合片Ｐ１，Ｐ２，Ｐ３が各凹部３４Ｄに固定可能である。

　ホルダ１００は、ベースフレーム１１０と、ベースフレーム１１０に回動可能（移動可能）に支持される規制フレーム１２０とを有している。
　ベースフレーム１１０は、前述した第１案内軸４１と第２案内軸４２を回転可能に支持している。また、ベースフレーム１１０は、第１保持部１１１と、第２保持部１１２と、２つの連結部１１３と、２つの取手１１４とを有している。
　規制フレーム１２０は、第３案内軸４３を回転可能に支持している。

　第１保持部１１１は、供給ケース３４を保持する部位である。第１保持部１１１は、供給ケース３４を介して供給リール３１を保持している。

　第２保持部１１２は、巻取リール３５を保持する部位である。詳しくは、第２保持部１１２は、規制フレーム１２０とともに、中空のケースを構成しており、中空のケース内に巻取リール３５を収容している。

　巻取リール３５は、前述した巻取軸部３５Ａと、２つのフランジ３５Ｂと、巻取ギヤ３５Ｃとを有している。フランジ３５Ｂは、巻取軸部３５Ａに巻回される箔フィルムＦの幅方向の移動を規制するための部位である。フランジ３５Ｂは、巻取軸部３５Ａよりも大径の円板状に形成されており、巻取軸部３５Ａの両端部に設けられている。

　巻取ギヤ３５Ｃは、箔転写装置１に設けられる図示せぬモータから駆動力を受け、駆動力を巻取軸部３５Ａに伝達するためのギヤである。巻取ギヤ３５Ｃは、軸方向において、フランジ３５Ｂの外側に配置されている。巻取ギヤ３５Ｃは、巻取軸部３５Ａと同軸に配置されている。

　２つの連結部１１３は、第１保持部１１１と第２保持部１１２とを連結する部位である。各連結部１１３は、供給リール３１の軸方向に間隔を開けて配置されている。
　このように連結部１１３が形成されることで、ホルダ１００は、供給リール３１の軸方向に直交する直交方向に貫通する貫通穴１００Ａを有する。
　各取手１１４は、各連結部１１３の上に配置されている。各取手１１４は、ホルダ１００のうち巻取リール３５の軸方向両端にそれぞれ配置されている。

　ここで、箔転写装置１は、図１６（ａ）～（ｃ）に示すような複数種類の幅の箔フィルムＦを装着可能である。本実施形態では、ホルダ１００には、箔フィルムＦの幅と位置が異なる第３箔転写用フィルムカートリッジＦＣ４を装着することが可能である。

　具体的に、箔転写装置１は、第２幅Ｗ２の箔フィルムＦを装着可能であるとともに、第２幅Ｗ２よりも狭い第１幅Ｗ１の箔フィルムＦを装着可能である。そして、箔転写装置１は、第１幅Ｗ１の箔フィルムＦを中央領域Ｒ２と、片寄せ領域Ｒ３に装着可能である（図１９参照）。中央領域Ｒ２とは、第２幅Ｗ２の箔フィルムＦが装着される領域Ｒ１の幅方向における中央に寄せた領域をいう。片寄せ領域Ｒ３とは、第２幅Ｗ２の箔フィルムＦが装着される領域Ｒ１の幅方向における一方側（図１９における左側）に寄せた領域をいう。

　さらに具体的に、ホルダ１００には、図１６（ａ）に示す第１フィルムカートリッジＦＣ５、図１６（ｂ）に示す第２フィルムカートリッジＦＣ６、または、図１６（ｃ）に示す第３フィルムカートリッジＦＣ７を装着可能である。

　図１６（ａ）に示すように、幅がＷ２である箔フィルムＦを有する第１フィルムカートリッジＦＣ５が装着されたフィルムユニットＦＵを第１フィルムユニットＦＵ１と呼ぶ。なお、第２幅Ｗ２は、フィルムユニットＦＵに配置可能な箔フィルムＦの最大幅であり、一例として、２２０ｍｍである。第１フィルムユニットＦＵ１は、搬送可能なサイズのシートＳの全般の使用に適しており、特に幅の大きいシートＳの幅方向全域に亘って箔転写を行いたい場合に最適である。
　第１フィルムユニットＦＵ１は、外周壁３４Ｐに形成された３つの凹部３４Ｄのすべてに係合片Ｐ１，Ｐ２，Ｐ３が固定されている。

　図１６（ｂ）に示すように、幅がＷ１である箔フィルムＦを有し、箔フィルムＦが中央に寄せられて配置された第２フィルムカートリッジＦＣ６が装着されたフィルムユニットを第２フィルムユニットＦＵ２と呼ぶ。なお、第１幅Ｗ１は、第２幅Ｗ２より小さく、一例として、１１０ｍｍである。第２フィルムユニットＦＵ２は、幅の小さいシートや、幅の大きいシートの中央領域Ｒ２のみに箔転写を行いたい場合に適しており、箔フィルムＦを節約できる（図１９参照）。
　第２フィルムユニットＰＵ２は、外周壁３４Ｐに形成された３つの凹部３４Ｄのうち、左右両側の２つの凹部３４Ｄには係合片Ｐ１，Ｐ３が固定されており、中央の凹部３４Ｄには係合片が固定されていない。

　図１６（ｃ）に示すように、幅がＷ１である箔フィルムＦを有し、箔フィルムＦが箔フィルムＦの幅方向の片側に寄せられて配置された第３フィルムカートリッジＦＣ７が装着されたフィルムユニットＦＵを第３フィルムユニットＦＵ３と呼ぶ。第３フィルムユニットＦＵ３は、幅の大きいシートの片寄せ領域Ｒ３のみに箔転写を行いたい場合に適しており、箔フィルムＦを節約できる（図１９参照）。
　第３フィルムユニットＰＵ３は、外周壁３４Ｐに形成された３つの凹部３４Ｄのうち、中央の凹部３４Ｄと、左右片側の凹部３４Ｄに係合片Ｐ２，Ｐ３が固定されており、左右片側のもう一方の凹部３４Ｄには係合片が固定されていない。

　図１７（ａ）に示すように、箔転写装置１は、箔フィルムＦの幅を検出する箔フィルムセンサを備えている。箔フィルムセンサは、第１センサＡＳ１、第２センサＡＳ２、第３センサＡＳ３の３つのセンサを有している。

　第１センサＡＳ１、第２センサＡＳ２、第３センサＡＳ３は、フィルムユニットＦＵが筐体本体２１に装着された状態で、供給ケース３４の外周壁３４Ｐに形成された３つ凹部３４Ｄに対応する位置に配置されている。
　第１センサＡＳ１は、フィルムユニットＦＵの係合片Ｐ１を検知したときに制御部３００にＬＯＷを表す信号を送り、係合片Ｐ１を検知しないときに制御部３００にＨＩＧＨを表す信号を送る。
　第２センサＡＳ２は、フィルムユニットＦＵの係合片Ｐ２を検知したときに制御部３００にＬＯＷを表す信号を送り、係合片Ｐ２を検知しないときに制御部３００にＨＩＧＨを表す信号を送る。
　第３センサＡＳ３は、フィルムユニットＦＵの係合片Ｐ３を検知したときに制御部３００にＬＯＷを表す信号を送り、係合片Ｐ３を検知しないときに制御部３００にＨＩＧＨを表す信号を送る。

　制御部３００は、第１センサＡＳ１、第２センサＡＳ２、第３センサＡＳ３からの信号を受けることで、第１フィルムユニットＦＵ１、第２フィルムユニットＦＵ２または第３フィルムユニットＦＵ３のどれが筐体本体２１に装着されているのか判断することができる。

　具体的には、図１７（ｂ）の表に示すように、第１センサＡＳ１と、第２センサＡＳ２と、第３センサＡＳ３からの信号が、いずれもＬＯＷである場合には、制御部３００は、第１フィルムユニットＦＵ１が筐体本体２１に装着されていると判断する。
　また、制御部３００は、第１センサＡＳ１および第３センサＡＳ３からの信号がＬＯＷで、第２センサＡＳ２からの信号がＨＩＧＨである場合には、第２フィルムユニットＦＵ２が筐体本体２１に装着されていると判断する。
　また、第２センサＡＳ２および第３センサＡＳ３からの信号がＬＯＷで、第１センサＡＳ１からの信号がＨＩＧＨである場合には、制御部３００は、第３フィルムユニットＦＵ３が筐体本体２１に装着されていると判断する。
　さらに、第１センサＡＳ１、第２センサＡＳ２および第３センサＡＳ３からの信号がいずれもＨＩＧＨである場合には、制御部３００は、第１フィルムユニットＦＵ１、第２フィルムユニットＦＵ２または第３フィルムユニットＦＵ３のいずれも筐体本体２１に装着されていないと判断する。

　次に、図１８を参照して、シートＳの搬送経路（図１８では二点鎖線で示している。）に設けられているシートセンサについて説明する。図１８においては、便宜上、箔転写装置１の構成を簡略化して図示している。

　図１８に示すように、箔転写装置１は、第１シートセンサＳＳ１と、第２シートセンサＳＳ２と、シートトレイセンサＳＳ３と、シート幅センサＳＳ４とを有している。

　第１シートセンサＳＳ１は、シートＳの搬送方向（以下の説明では、単に「搬送方向」という。）において、供給ローラ１１Ａと転写部５０の間に位置する。より具体的には、第１シートセンサＳＳ１は、搬送方向において、供給ローラ１１Ａと上流側搬送ローラ１１Ｃの間に位置する。第１シートセンサＳＳ１は、シートＳの幅方向（図１９の左右方向）における中心Ｃに位置している（図１９参照）。第１シートセンサＳＳ１は、転写部５０に向けて搬送されるシートＳの通過を検知可能である。第１シートセンサＳＳ１がシートＳを検知している間は、制御部３００にＯＮ信号が送られる。

　第２シートセンサＳＳ２は、搬送方向において、供給ローラ１１Ａと排出ローラ１２Ｂとの間、より具体的には下流側搬送ローラ１２Ａと排出ローラ１２Ｂの間に位置する。第２シートセンサＳＳ２は、シートＳの幅方向（図１９の左右方向）における中心Ｃに位置している（図１９参照）。第２シートセンサＳＳ２は、転写部５０から送り出されるシートＳの通過を検知可能である。第２シートセンサＳＳ２がシートＳを検知している間は、制御部３００にＯＮ信号が送られる。

　シートトレイセンサＳＳ３は、シートトレイ３に設けられている（図１３、図１９参照）。シートトレイセンサＳＳ３は、シートＳの幅方向（図１９の左右方向）における中心Ｃに位置している（図１９参照）。シートトレイセンサＳＳ３は、シートトレイ３にシートＳが載置されているか否かを検知可能である。シートトレイセンサＳＳ３がシートトレイ３にシートＳが載置されている間は、制御部３００にＯＮ信号が送られる。

　シート幅センサＳＳ４は、搬送方向において、供給ローラ１１Ａと転写部５０の間に位置する。図１９に示すように、シート幅センサＳＳ４は、転写部５０に向けて搬送されて片寄せ領域を通過するシートを検知可能である。本実施形態では、シート幅センサＳＳ４は、片寄せ領域Ｒ３に位置し、第１シートセンサＳＳ１より少しだけ搬送方向の上流側に位置している。シート幅センサＳＳ４は、シートＳの幅方向（図１９の左右方向）における中心Ｃから一方側に寄って配置されている。シート幅センサＳＳ４がシートＳを検知している間は、制御部３００にＯＮ信号が送られる。

　なお、本実施形態では、シート幅センサＳＳ４は、中心Ｃから図１９における左側に７５～７７ｍｍ離れた位置に配置されている。
　シート幅センサＳＳ４は、Ａ５サイズ（幅１４８．５ｍｍ）より大きな幅のシートＳ１が中央寄せで搬送されてきた場合には、シートＳ１を検知可能である。
　シート幅センサＳＳ４は、Ａ５サイズ（幅１４８．５ｍｍ）以下の幅のシートＳ２が中央寄せで搬送されてきた場合には、シートＳ２を検知不能である。

　前述したように、制御部３００は、箔フィルムセンサ（第１センサＡＳ１、第２センサＡＳ２、第３センサＡＳ３）によって、第１フィルムユニットＦＵ１が筐体本体２１に装着されていると判断した場合、第２幅Ｗ２の箔フィルムＦが領域Ｒ１（図１９参照）に装着されているとわかる。
　また、制御部３００は、箔フィルムセンサ（第１センサＡＳ１、第２センサＡＳ２、第３センサＡＳ３）によって、第２フィルムユニットＦＵ２が筐体本体２１に装着されていると判断した場合、第１幅Ｗ１の箔フィルムＦが中央領域Ｒ２（図１９参照）に装着されているとわかる。
　また、制御部３００は、箔フィルムセンサ（第１センサＡＳ１、第２センサＡＳ２、第３センサＡＳ３）によって、第３フィルムユニットＦＵ３が筐体本体２１に装着されていると判断した場合、第１幅Ｗ１の箔フィルムＦが片寄せ領域Ｒ３（図１９参照）に装着されているとわかる。
　このようにして、箔フィルムセンサ（第１センサＡＳ１、第２センサＡＳ２、第３センサＡＳ３）は、第２幅Ｗ２の箔フィルムＦが領域Ｒ１に装着されているか、または、第１幅Ｗ１の箔フィルムＦが片寄せ領域Ｒ３および中央領域Ｒ２のうちいずれの領域に装着されているかを、検出可能である。

　次に、制御部３００が実行する制御について説明する。
　制御部３００は、転写開始の指示があった場合に、箔転写動作を実行する。

　制御部３００は、シートトレイセンサＳＳ３からＯＮ信号が送られてきた場合に、シートトレイ３にシートＳが載置されていると判定する。

　制御部３００は、シートトレイ３にシートＳが載置されていると判定した状態で、箔の転写の指示を受けると、箔転写動作を実行する。言い換えると、制御部３００は、箔転写装置１が箔転写動作を行うための処理を実行する。まず、上流側搬送ローラ１１Ｃと、加圧ローラ５１と、巻取リール３５と、シート排出機構１２を駆動させる。その後、制御部３００は、供給ローラ１１Ａを所定時間だけ駆動させて、シートトレイ３に載置されたシートＳをピックアップする。供給ローラ１１ＡによってピックアップされたシートＳは、上流側搬送ローラ１１Ｃによって、転写部５０に向けて搬送される。転写部５０に搬送されたシートＳは、転写部５０で箔を転写される。制御部３００は、シートトレイ３に載置されているシートＳが無くなるまで、繰り返し供給ローラ１１Ａを所定時間だけ駆動させてシートＳを１枚ずつピックアップさせるとともに、上流側搬送ローラ１１Ｃと、加圧ローラ５１と、巻取リール３５と、シート排出機構１２の駆動を継続させる。制御部３００は、シートトレイ３に載置されているシートＳが無くなり、最後のシートＳがシート排出機構１２を通過すると、上流側搬送ローラ１１Ｃと、加圧ローラ５１と、巻取リール３５と、シート排出機構１２の駆動を停止させる。

　ここで、制御部３００は、箔の転写の指示を受けた場合において、箔フィルムセンサが第１幅Ｗ１の箔フィルムＦが片寄せ領域Ｒ３に装着されていることを検知し、かつ、シート幅センサＳＳ４がシートＳを検知していないことを条件に、エラー処理として、駆動している上流側搬送ローラ１１Ｃを停止させ、ディスプレイ２４にエラー表示をする。
　具体的には、制御部３００は、第３フィルムカートリッジＦＣ７が装着されていることを検知し、かつ、シート幅センサＳＳ４からの信号がＯＦＦ信号のままであれば、エラーと判断する。

　エラー表示は、例えば、「詰まったシートを引き抜いて下さい。使用されるシートが、内部に装着されている箔フィルムの用途と合っていません。」とすればよい。

　次に、制御部３００が実行する処理の一例について、図２０のフローチャートを参照して説明する。なお、図２０のフローチャートおよび以下の説明では、上流側搬送ローラ１１Ｃ、加圧ローラ５１、巻取リール３５、およびシート排出機構１２に対する駆動や駆動の停止については、代表して上流側搬送ローラ１１Ｃのみを単に搬送ローラといって説明する。

　制御部３００は、転写開始の指示を受けた場合、図２０の処理を開始し、シートトレイ３にシートがあるかを判定する（Ｓ１）。制御部３００は、シートトレイセンサＳＳ３からＯＮ信号が送られてきた場合に、シートトレイ３にシートＳがあると判定する。

　ステップＳ１において、制御部３００は、シートトレイ３にシートがないと判定した場合（Ｓ１，Ｎｏ）、シートトレイ３にシートが載置されるまで待つ。

　ステップＳ１において、制御部３００は、シートトレイ３にシートＳがあると判定した場合（Ｓ１，Ｙｅｓ）、箔フィルムＦは第２幅Ｗ２であるかを判定する（Ｓ２）。

　ステップＳ２において、制御部３００は、箔フィルムＦは第２幅Ｗ２であると判定した場合、すなわち第１フィルムユニットＦＵ１が装着されていると判定した場合（Ｓ２，Ｙｅｓ）、ステップＳ１１～Ｓ１４の箔転写動作を実行する。

　箔転写動作を実行する場合には、制御部３００は、搬送ローラ１１Ｃを駆動させる（Ｓ１１）。その後、制御部３００は、供給ローラ１１Ａを所定時間駆動させ、シートトレイ３に載置されているシートＳをピックアップさせる（Ｓ１２）。供給ローラ１１ＡにピックアップされたシートＳは、搬送ローラ１１Ｃによって転写部５０に搬送され、箔を転写される。

　ステップＳ１２の後、制御部３００は、シートトレイ３にシートＳがあるかを判定し（Ｓ１３）、シートトレイ３にシートがあると判定した場合（Ｓ１３，Ｙｅｓ）、箔転写を継続するためステップＳ１２に移行する。制御部３００は、シートトレイ３にシートがないと判定した場合（Ｓ１３，Ｎｏ）、搬送ローラ１１Ｃを停止させ（Ｓ１４）、処理を終了する。

　ステップＳ２において、制御部３００は、箔フィルムＦは第２幅Ｗ２でない、すなわち第１幅Ｗ１と判定した場合（Ｓ２，Ｎｏ）、箔フィルムＦは、片寄せであるかを判定する（Ｓ３）。

　ステップＳ３において、制御部３００は、箔フィルムＦは、片寄せでないと判定した場合（Ｓ３，Ｎｏ）、箔フィルムＦは中央寄せである、すなわち第２フィルムユニットＦＵ２が装着されているので、ステップＳ１１～Ｓ１４の箔転写動作を実行する。

　ステップＳ３において、制御部３００は、箔フィルムＦは、片寄せである、すなわち第３フィルムユニットＦＵ３が装着されていると判定した場合（Ｓ３，Ｙｅｓ）、搬送ローラ１１Ｃを駆動させる（Ｓ２１）。

　ステップＳ２１の後、制御部３００は、供給ローラ１１Ａを所定時間駆動させ、シートトレイ３に載置されているシートＳをピックアップさせる（Ｓ２２）。供給ローラ１１ＡにピックアップされたシートＳは、搬送ローラ１１Ｃによって転写部５０に向けて搬送される。

　ステップＳ２２の後、制御部３００は、第１シートセンサＳＳ１がシートＳを検知したときに、シート幅センサＳＳ４がシートＳを検知したかどうかを判定する（Ｓ２３）。

　ステップＳ２３において、制御部３００は、第１シートセンサＳＳ１がシートＳを検知したときに、シート幅センサＳＳ４がシートＳを検知したと判定した場合（Ｓ２３，Ｙｅｓ）、ステップＳ１３に移行し、箔転写動作を実行する。

　一方、ステップＳ２３において、制御部３００は、第１シートセンサＳＳ１がシートＳを検知したときに、シート幅センサＳＳ４がシートＳを検知していないと判定した場合（Ｓ２３，Ｎｏ）、搬送ローラ１１Ｃを停止し、ディスプレイ２４にエラー表示をする（Ｓ２４）。

　ステップＳ２４の後、制御部３００は、第１シートセンサＳＳ１がシートＳを検知しているかを判定する（Ｓ２５）。

　ステップＳ２５において、制御部３００は、第１シートセンサＳＳ１がシートＳを検知していると判定した場合（Ｓ２５，Ｙｅｓ）、シートが搬送経路に残っているので、第１シートセンサＳＳ１がシートＳを検知しなくなるまで待つ。

　ステップＳ２５において、制御部３００は、第１シートセンサＳＳ１がシートＳを検知していないと判定した場合（Ｓ２５，Ｎｏ）、シートが搬送経路に残っていないので、エラー表示を解除し（Ｓ２６）、処理を終了する。

　以上に説明した、本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
　シートＳを搬送したときに、箔フィルムＦの上にシートＳが重ならなかったり、箔フィルムＦとシートＳが重なる部分が少なくなったりしてしまうと、シートＳの先端が加熱部材６１に巻き付いてしまったり、第１案内軸４１と加熱部材６１との間や加熱部材６１と第２案内軸４２の間に入り込んでしまい、シートＳが搬送経路から外れてしまうことがある。
　しかし、箔転写装置１によれば、第２幅Ｗ２の箔フィルムＦより幅の狭い第１幅Ｗ１の箔フィルムＦが片寄せ領域Ｒ３に装着されたとしても、片寄せ領域Ｒ３に位置するシート幅センサＳＳ４がシートＳを検知しないことを条件にエラー処理を実行するので、箔フィルムＦの上にシートＳが重ならなかったり、箔フィルムＦとシートＳが重なる部分が少なくなったりしてしまった状態でシートＳを搬送することを抑制することができる。このため、シートＳが搬送経路から外れてしまうのを抑制することができる。

　また、制御部３００は、シートＳを搬送したときに、シート幅センサＳＳ４がシートＳを検知しておらず、かつ、箔フィルムセンサ（第１センサＡＳ１、第２センサＡＳ２、第３センサＡＳ３）が第１幅Ｗ１の箔フィルムＦが装着されていることを検知していれば、エラー処理を実行する。一方、制御部３００は、シートＳを搬送したときに、シート幅センサＳＳ４がシートＳを検知していなくても、箔フィルムセンサが第１幅Ｗ１の箔フィルムＦが装着されていない、すなわち箔フィルムセンサが第２幅Ｗ２の箔フィルムＦが装着されていることを検知していれば、エラー処理を実行せず、箔転写動作を実行する。
　第２幅Ｗ２の箔フィルムが装着されているときには、箔フィルムがシートＳの搬送経路の幅方向のほとんどを覆うように位置する。このため、シートＳの先端が加熱部材６１に巻き付いてしまったり、第１案内軸４１と加熱部材６１との間や加熱部材６１と第２案内軸４２の間に入り込んでしまう可能性は低い。しかし、第１幅Ｗ１の箔フィルムが装着されているときには、箔フィルムＦの幅方向においてシートＳの搬送経路に箔フィルムが位置しない範囲があるので、シートＳの先端が加熱部材６１に巻き付いてしまったり、第１案内軸４１と加熱部材６１との間や加熱部材６１と第２案内軸４２の間に入り込んでしまう可能性が高くなるからである。このため、制御部３００は、エラー処理を適切な場面において実行することができる。

　また、制御部３００は、シートＳを搬送したときに、シート幅センサＳＳ４がシートＳを検知しておらず、かつ、箔フィルムセンサ（第１センサＡＳ１、第２センサＡＳ２、第３センサＡＳ３）が第１幅Ｗ１の箔フィルムＦが片寄せ領域Ｒ３に装着されていることを検知していれば、エラー処理を実行する。一方、制御部３００は、シートＳを搬送したときに、シート幅センサＳＳ４がシートＳを検知しておらず、かつ、箔フィルムセンサが第１幅Ｗ１の箔フィルムＦが装着されていることを検知していても、箔フィルムセンサが第１幅Ｗ１の箔フィルムＦが片寄せ領域Ｒ３に装着されていない、すなわち箔フィルムセンサが第１幅Ｗ１の箔フィルムＦが中央領域Ｒ２に装着されていることを検知していければ、エラー処理を実行せず、箔転写動作を実行する。
　箔フィルムが中央寄せで装着されているときには、シートＳの幅方向の中心が箔フィルムＦの上にある可能性が高い。このため、シートＳの先端が加熱部材６１に巻き付いてしまったり、第１案内軸４１と加熱部材６１との間や加熱部材６１と第２案内軸４２の間に入り込んでしまう可能性は低い。しかし、箔フィルムが片寄せで装着されているときには、シートＳの幅方向の中心が箔フィルムＦの上にないか、箔フィルムＦの端部の上にある可能性があるので、シートＳの先端が加熱部材６１に巻き付いてしまったり、第１案内軸４１と加熱部材６１との間や加熱部材６１と第２案内軸４２の間に入り込んでしまう可能性が高くなるからである。このため、制御部３００は、エラー処理を適切な場面において実行することができる。

　また、制御部３００は、エラー処理において、駆動している上流側搬送ローラ１１Ｃを停止させるので、シートＳが搬送経路より下側に移動したり、シートＳが加熱部材６１に巻き付いてしまうことを抑制できるので、シートＳが搬送経路から外れてしまうのを抑制することができる。

　次に、本発明の第３実施形態について説明する。第３実施形態では、シート幅センサの位置が第２実施形態と異なる。以下の説明においては、第２実施形態と略同様の構造となる部材には同一の符号を付し、その説明は省略する。

　図２１に示すように、第３実施形態におけるシート幅センサＳＳ５は、搬送方向において、供給ローラ１１Ａより搬送方向の上流側に位置する。より詳しくは、シート幅センサＳＳ５は、シートトレイ３に設けられている。シート幅センサＳＳ５は、片寄せ領域Ｒ３に位置している。シート幅センサＳＳ５は、シートＳの幅方向における中心Ｃから一方側に寄って配置されている。シート幅センサＳＳ５がシートＳを検知している間は、制御部３００にＯＮ信号が送られる。
　なお、本実施形態では、シート幅センサＳＳ５のシートＳの幅方向における中心Ｃからの位置は、第２実施形態におけるシート幅センサＳＳ４のシートＳの幅方向における中心Ｃからの位置と同じである。
　シート幅センサＳＳ５は、供給ローラ１１Ａより搬送方向の上流側に位置していればよく、筐体本体２１に位置していてもよい。

　この第３実施形態においては、制御部３００は、箔の転写の指示を受けた場合において、箔フィルムセンサが第１幅Ｗ１の箔フィルムＦが片寄せ領域Ｒ３に装着されていることを検知し、かつ、シート幅センサＳＳ５がシートＳを検知していないことを条件に、エラー処理として、供給ローラ１１Ａを駆動させず、ディスプレイ２４にエラー表示をする。エラー表示は、例えば、「使用されるシートが、内部に装着されている箔フィルムの用途と合っていません」とすればよい。

　次に、第３実施形態における制御部３００が実行する処理の一例について、図２２のフローチャートを参照して説明する。

　ステップＳ１～Ｓ３、ステップＳ１１～Ｓ１４については、第２実施形態と同様の処理であるため、説明を省略する。

　図２２に示すように、制御部３００は、ステップＳ３において、箔フィルムが片寄せであると判定した場合（Ｓ３，Ｙｅｓ）、シート幅センサＳＳ５がシートＳを検知したかを判定する（Ｓ３１）。

　ステップＳ３１において、制御部３００は、シート幅センサＳＳ５がシートＳを検知したと判定した場合（Ｓ３１，Ｙｅｓ）、供給ローラ１１Ａを所定時間駆動し（Ｓ１１）、箔転写動作を実行する（Ｓ１２）。

　一方、ステップＳ３１において、制御部３００は、シート幅センサＳＳ５がシートＳを検知していないと判定した場合（Ｓ３１，Ｎｏ）、エラー表示（Ｓ３２）をして処理を終了する。

　以上のように説明した第３実施形態によれば、制御部３００は、供給ローラ１１Ａより搬送方向の上流側に位置しているシート幅センサＳＳ５がシートＳを検知していないと判定した場合、供給ローラ１１Ａの駆動を開始させない。このように、供給ローラ１１Ａの駆動を開始させる前にシート幅センサＳＳ５がシートＳを検知しているか否かを判定することができるので、箔フィルムＦの上にシートＳが重ならなかったり、箔フィルムＦとシートＳが重なる部分が少なくなったりしてしまった状態でシートＳを搬送することを確実に抑制することができる。このため、シートＳが搬送経路から外れてしまうのを抑制することができる。

　制御部３００は、供給ローラ１１Ａより搬送方向の上流側に位置しているシート幅センサＳＳ５がシートＳを検知していないと判定した場合、ディスプレイ２４にエラー表示させるので、このままシートＳを搬送すると、箔フィルムＦの上にシートＳが重ならなかったり、箔フィルムＦとシートＳが重なる部分が少なくなったりしてしまった状態でシートＳを搬送してしまう状況であることにユーザが気づきやすく、このような状況をユーザが解消しやすくなる。このため、シートＳが搬送経路から外れてしまうのを抑制することができる。

　なお、本発明は前記実施形態に限定されることなく、以下に例示するように様々な形態で利用できる。

　前記実施形態では、制御部３００は、箔の転写の指示を受けた場合において、箔フィルムセンサが第１幅Ｗ１の箔フィルムＦが片寄せ領域Ｒ３に装着されていることを検知し、かつ、シート幅センサＳＳ４がシートＳを検知していないことを条件に、エラー処理を実行していたが本発明はこれに限定されるものではない。
　例えば、制御部３００は、箔の転写の指示を受けた場合において、箔フィルムセンサが第１幅Ｗ１の箔フィルムＦが装着されていることを検知し、かつ、シート幅センサＳＳ４がシートＳを検知していないことを条件に、エラー処理を実行する構成であってもよい。
　また、制御部３００は、箔の転写の指示を受けた場合において、シート幅センサＳＳ４がシートＳを検知していないことを条件に、エラー処理を実行する構成であってもよい。

　前記実施形態では、シートトレイセンサＳＳ３は、シートトレイ３に設けられていたが、これに限定されるものではない。例えば、シートトレイセンサＳＳ３は、シートトレイ３と供給ローラ１１Ａの間に設けられていてもよい。すなわち、シートトレイセンサＳＳ３は、供給ローラ１１Ａより搬送方向の上流側であれば、筐体本体２１に設けられていてもよい。

　前記実施形態では、シート幅センサＳＳ４は、第１シートセンサＳＳ１より少しだけ搬送方向の上流側に位置していたが、本発明はこれに限定されない。例えば、シート幅センサＳＳ４は、搬送方向において、第１シートセンサＳＳ１と同じ位置に配置されている構成であってもよい。

　前記実施形態では、箔転写装置は、予め印刷されたトナー像の上にアルミニウム等の箔を転写する構成であったが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、インクリボンを用いて熱によって転写を行ういわゆるサーマルヘッド方式の箔転写装置に適用することもできる。この場合には、箔を転写する転写部は、サーマルヘッドとプラテンローラから構成される。

　前記実施形態では、シート幅センサＳＳ４によって、シートＳの幅を検知していたが、シートＳの幅は、ユーザが設定するよう構成されていてもよい。

　前記実施形態では、加圧ローラ５１がモータによって駆動され、加熱部材６１が従動回転していたが、加熱部材６１がモータによって駆動され、加圧ローラ５１が従動回転する構成であってもよい。

　前記実施形態では、箔転写装置１は、第１フィルムカートリッジＦＣ５、第２フィルムカートリッジＦＣ６、第３フィルムカートリッジＦＣ７の３種類の箔フィルムＦが装着可能であったが、例示したもの以外の他のサイズの箔フィルムＦを装着してもよい。

　前記実施形態では、箔フィルムＦを４層で構成したが、本発明はこれに限定されず、箔フィルムは、転写層と支持層を有していれば、層の数はいくつであってもよい。

　前記実施形態では、レーザプリンタ等の画像形成装置とは別の装置として箔転写装置１を構成したが、本発明はこれに限定されず、箔転写装置は画像形成装置と一体に構成されていてもよい。

　前記実施形態では、第１幅の箔フィルムの片寄せ領域と中央領域の間における位置の変更は、カートリッジを交換することによって行っている。しかし、第１実施形態のカートリッジのように、レバーの操作によって第１幅の箔フィルムの位置を片寄せ領域と中央領域の間で変更できるように構成してもよい。この場合、箔フィルムセンサに代えて、レバーの位置を第１実施形態のようなセンサＳＥで検知することによって、箔フィルムが片寄領域および中央領域のうちいずれの領域に装着されているかを検出することもできる。

　また、前記した実施形態および変形例で説明した各要素を、任意に組み合わせて実施してもよい。

Claims

　第１幅の箔フィルムが巻回される供給リールと、
　前記箔フィルムの幅方向において前記第１幅よりも長い供給シャフトであって、前記供給リールを、第１位置と、前記第１位置とは異なる第２位置との間で、前記幅方向に移動可能に支持する供給シャフトと、を備えることを特徴とする箔転写用フィルムカートリッジ。
　前記供給リールとともに前記幅方向に移動可能なレバーと、
　前記供給リールを収容する供給ケースであって、前記レバーを露出させる開口を有する供給ケースと、を備えることを特徴とする請求項１に記載の箔転写用フィルムカートリッジ。
　前記供給リールが前記第１位置に位置するときに前記箔フィルムが前記供給シャフトの一端から第１距離離れ、前記供給リールが前記第２位置に位置するときに前記箔フィルムが前記供給シャフトの一端から前記第１距離よりも大きな第２距離離れ、
　前記レバーは、前記供給リールが前記第１位置に位置するときに、前記供給シャフトの一端から前記第１距離の範囲内に位置することを特徴とする請求項２に記載の箔転写用フィルムカートリッジ。
　前記供給リールの一端に位置し、前記供給リールとともに回転するフランジを備え、
　前記レバーは、前記幅方向において前記フランジに係合することを特徴とする請求項３に記載の箔転写用フィルムカートリッジ。
　前記供給リールを前記第１位置または前記第２位置に位置決めする供給位置決め部を有することを特徴とする請求項４に記載の箔転写用フィルムカートリッジ。
　前記供給位置決め部は、
　　第１突起と、
　　前記第１突起が嵌る穴と、を有することを特徴とする請求項５に記載の箔転写用フィルムカートリッジ。
　前記供給位置決め部は、
　　前記レバーに形成された、前記第１突起と、
　　前記供給ケースに形成された、前記第１突起が嵌る第１穴であって、前記第１位置に対応した位置に位置する第１穴と、
　　前記供給ケースに形成された、前記第１突起が嵌る第２穴であって、前記第２位置に対応した位置に位置する第２穴と、を有することを特徴とする請求項６に記載の箔転写用フィルムカートリッジ。
　前記供給シャフトは、前記供給リールおよび前記フランジとともに回転可能であり、
　前記レバーは、前記フランジの回転方向において前記フランジと係合しないことを特徴とする請求項４から請求項７のいずれか１項に記載の箔転写用フィルムカートリッジ。
　前記箔フィルムを巻き取るための巻取リールと、
　前記幅方向において前記第１幅よりも長い巻取シャフトであって、前記巻取リールを、第３位置と、前記第３位置とは異なる第４位置との間で、前記幅方向に移動可能に支持する巻取シャフトと、を備えることを特徴とする請求項１から請求項８のいずれか１項に記載の箔転写用フィルムカートリッジ。
　前記巻取リールを前記第３位置または前記第４位置に位置決めする巻取位置決め部を備えることを特徴とする請求項９に記載の箔転写用フィルムカートリッジ。
　前記巻取位置決め部は、
　　第２突起と、
　　前記第２突起が嵌る穴と、を有することを特徴とする請求項１０に記載の箔転写用フィルムカートリッジ。
　前記巻取位置決め部は、
　　前記巻取リールとともに前記幅方向に移動可能な前記第２突起と、
　　前記巻取シャフトに形成された、前記第２突起が嵌る第３穴であって、前記第３位置に対応した位置に位置する第３穴と、
　　前記巻取シャフトに形成された、前記第２突起が嵌る第４穴であって、前記第４位置に対応した位置に位置する第４穴と、を有することを特徴とする請求項１１に記載の箔転写用フィルムカートリッジ。
　前記巻取リールが前記第３位置に位置するときに前記箔フィルムが前記巻取シャフトの一端から第３距離離れ、前記巻取リールが前記第４位置に位置するときに前記箔フィルムが前記巻取シャフトの一端から前記第３距離よりも大きな第４距離離れ、
　前記第２突起は、前記巻取リールが前記第３位置に位置するときに、前記巻取シャフトの一端から前記第３距離の範囲内に位置することを特徴とする請求項１２に記載の箔転写用フィルムカートリッジ。
　請求項２から請求項８のいずれか１項に記載の箔転写用フィルムカートリッジと、
　前記箔転写用フィルムカートリッジが着脱可能な筐体本体と、を備える箔転写装置であって、
　前記レバーを検出可能なセンサと、
　前記センサからの情報に基づいて、前記供給リールの前記幅方向の位置を判定する制御部と、を備えることを特徴とする箔転写装置。
　前記箔フィルムを加熱する加熱部材と、
　前記加熱部材の第１部分を、前記幅方向に前記第１部分と並ぶ前記加熱部材の第２部分よりも強く加熱する第１ヒータと、
　前記第２部分を、前記第１部分よりも強く加熱する第２ヒータと、を備え、
　前記供給リールが前記第１位置に位置するときに前記箔フィルムが前記第１部分のみと重なり、前記供給リールが前記第２位置に位置するときに前記箔フィルムが前記第１部分と前記第２部分とに重なるように構成され、
　前記制御部は、
　　箔転写時に、前記第１ヒータを所定の消費電力で制御するとともに、前記第２ヒータを第１の消費電力または前記第１の消費電力より小さな第２の消費電力で制御し、
　　前記供給リールが前記第１位置に位置すると判定した場合には、前記第２ヒータを前記第２の消費電力で制御し、
　　前記供給リールが前記第２位置に位置すると判定した場合には、前記第２ヒータを前記第１の消費電力で制御することを特徴とする請求項１４に記載の箔転写装置。
　前記センサは、
　　前記供給リールが前記第１位置に位置する状態の前記箔転写用フィルムカートリッジが前記筐体本体に装着されたときに前記レバーと接触して移動する第１アクチュエータと、
　　前記第１アクチュエータの位置を検出する第１センサと、
　　前記供給リールが前記第２位置に位置する状態の前記箔転写用フィルムカートリッジが前記筐体本体に装着されたときに前記レバーと接触して移動する第２アクチュエータと、
　　前記第２アクチュエータの位置を検出する第２センサと、を備えることを特徴とする請求項１４または請求項１５に記載の箔転写装置。
　前記筐体本体は、
　　前記第１幅よりも大きな第２幅の箔フィルムを備えた第２箔転写用フィルムカートリッジが着脱可能であり、
　前記第２箔転写用フィルムカートリッジが前記筐体本体に装着された場合には、前記第１アクチュエータおよび前記第２アクチュエータが、前記第２箔転写用フィルムカートリッジと接触して移動することを特徴とする請求項１６に記載の箔転写装置。
　第１幅の箔フィルムを巻回した請求項１に記載の箔転写用フィルムカートリッジを装着可能であるとともに、第１幅よりも広い第２幅の箔フィルムを装着可能であり、前記箔フィルムの上にシートを重ねて、前記シートに箔を転写する箔転写装置であって、前記第１幅の箔フィルムは、前記第２幅の箔フィルムが装着される領域の幅方向における一方に寄せた片寄せ領域に装着可能であり、
　前記シートを搬送する搬送ローラと、
　前記箔フィルムと、前記搬送ローラにより搬送される前記シートと、を挟んだ状態で加熱する転写部と、
　前記片寄せ領域を通過するシートを検知可能なシート幅センサと、
　制御部と、を備え、
　前記制御部は、前記箔の転写の指示を受けた場合において、前記シート幅センサが前記シートを検知していないことを条件に、エラー処理を実行することを特徴とする箔転写装置。
　前記箔転写装置は、装着されている前記箔フィルムの幅を検知する箔フィルムセンサをさらに備え、
　前記制御部は、前記箔の転写の指示を受けた場合において、
　　前記箔フィルムセンサが前記第１幅の箔フィルムが装着されていることを検知し、かつ、前記シート幅センサが前記シートを検知していないことを条件に、前記エラー処理を実行することを特徴とする請求項１８に記載の箔転写装置。
　前記箔転写装置は、前記第２幅の箔フィルムが装着される領域の幅方向における中央に寄せた中央領域に、前記第１幅の箔フィルムをさらに装着可能であり、
　前記箔フィルムセンサは、前記第１幅の箔フィルムが前記片寄せ領域および前記中央領域のうちいずれの領域に装着されているかを、さらに検出可能であり、
　前記制御部は、前記箔の転写の指示を受けた場合において、
　　前記箔フィルムセンサが前記第１幅の箔フィルムが前記片寄せ領域に装着されていることを検知し、かつ、前記シート幅センサが前記シートを検知していないことを条件に、前記エラー処理を実行することを特徴とする請求項１９に記載の箔転写装置。
　前記箔転写装置は、前記シートを載置するシートトレイと、前記シートトレイに載置された前記シートをピックアップする供給ローラとをさらに備え、
　前記搬送ローラは、前記供給ローラによってピックアップされた前記シートを前記転写部に搬送可能であり、
　前記シート幅センサは、前記シートの搬送方向において、前記供給ローラと前記転写部の間に位置することを特徴とする請求項１８から請求項２０のいずれか１項に記載の箔転写装置。
　前記制御部は、前記エラー処理において、駆動している前記搬送ローラを停止させることを特徴とする請求項２１に記載の箔転写装置。
　前記箔転写装置は、前記シートを載置するシートトレイと、前記シートトレイに載置された前記シートをピックアップする供給ローラとをさらに備え、
　前記搬送ローラは、前記供給ローラによってピックアップされた前記シートを前記転写部に搬送可能であり、
　前記シート幅センサは、前記シートの搬送方向において、前記供給ローラより前記シートの搬送方向の上流側に位置することを特徴とする請求項１８から請求項２０のいずれか１項に記載の箔転写装置。
　前記制御部は、前記エラー処理において、前記供給ローラを駆動させないことを特徴とする請求項２３に記載の箔転写装置。
　前記制御部は、前記エラー処理において、エラー情報を通知することを特徴とする請求項１８から請求項２４のいずれか１項に記載の箔転写装置。
　前記転写部は、ヒータによって加熱される加熱部材と、前記加熱部材との間で前記箔フィルムおよび前記シートを挟んだ状態で搬送する加圧ローラと、を有することを特徴とする請求項１８から請求項２５のいずれか１項に記載の箔転写装置。