WO2020085145A1

WO2020085145A1 - 車両用ルーフ装置

Info

Publication number: WO2020085145A1
Application number: PCT/JP2019/040445
Authority: WO
Inventors: 勇一水谷; 田中　正明
Original assignee: 株式会社豊田自動織機; トヨタ自動車株式会社
Priority date: 2018-10-23
Filing date: 2019-10-15
Publication date: 2020-04-30
Also published as: CN112912303B; CN112912303A; US20210347236A1; DE112019005301T5; JP6752261B2; JP2020066285A

Abstract

車両用ルーフ装置は、車両のボデーに固定されるように構成され、略方形の開口部を形成する内周縁を有する樹脂製ルーフパネルと、開口部を閉塞可能なルーフウインドウと、内周縁に沿うように樹脂製ルーフパネルの裏面に接着されたフレーム部材と、を備える。フレーム部材はボデーに固定されている。

Description

車両用ルーフ装置

　本開示は、樹脂製ルーフパネルを備えた車両用ルーフ装置に関する。

　例えば、特許文献１に開示された車両用ルーフ装置では、ルーフパネルの開口部の周縁部にアッパメンバを介してサンルーフパネルが配置されている。サンルーフパネルとアッパメンバとの間には、シールのためにウエザーストリップが配置されている。

　近年、車両の軽量化や製造の容易化等の観点から、樹脂製ルーフパネルを備えた車両用ルーフ装置が提案されている。例えば、図９に示す車両用ルーフ装置は、車両のボデー１２１に固定された樹脂製ルーフパネル１２２と、樹脂製ルーフパネル１２２に支持された、開閉可能なガラス製のルーフウインドウ１２３と、を備えている。樹脂製ルーフパネル１２２は、ルーフウインドウ１２３と樹脂製ルーフパネル１２２との間からの水または音の進入を防止するウエザーストリップ１２４、１２５を備えている。

実開昭５８－１２９２２０号公報

　しかしながら、図９に示す車両用ルーフ装置は、樹脂製ルーフパネル１２２が熱収縮によって変形するという問題を有する。樹脂製ルーフパネル１２２が変形すると、樹脂製ルーフパネル１２２とウエザーストリップ１２４、１２５との間に隙間が生じて、水や異音が車室内に入り込むおそれがある。

　本開示の目的は、樹脂製ルーフパネルの剛性を高め、樹脂製ルーフパネルの熱収縮による変形を抑制することが可能な車両用ルーフ装置を提供することにある。

　本開示の一態様では、車両用ルーフ装置は、車両のボデーに固定されるように構成され、略方形の開口部を形成する内周縁を有する樹脂製ルーフパネルと、前記開口部を閉塞可能なルーフウインドウと、前記内周縁に沿うように前記樹脂製ルーフパネルの裏面に接着されたフレーム部材と、を備え、前記フレーム部材は前記ボデーに固定されている。

第１の実施形態に係る車両用ルーフ装置の概要を示す分解斜視図である。図１の車両用ルーフ装置の平面図である。図２における３－３線に沿った断面図である。図２における４－４線に沿った断面図である。フレーム部材の要部を示す斜視図である。第２の実施形態に係る車両用ルーフ装置の要部の側断面図である。図６の車両用ルーフ装置の正断面図である。変形例１に係るフレーム部材の要部を示す斜視図である。変形例２に係るフレーム部材の要部を示す断面図である。従来の車両用ルーフ装置の要部を示す断面図である。

　（第１の実施形態）
　以下、第１の実施形態に係る車両用ルーフ装置について図面を参照して説明する。本実施形態の車両は自動車である。方向を特定する「前後」、「左右」および「上下」は、車両の運転席に着座した運転手が車両の前進側を向いた状態を基準としている。

　図１、図２に示すように、本実施形態の車両用ルーフ装置は、車両のボデー１１のルーフに形成されたボデー開口１２を覆うように設けられている。ボデー開口１２は方形であり車室と連通する。ボデー１１はボデー開口１２の前方に前ボデー部１３を有する。ボデー１１は、ボデー開口１２の左右両側に横ボデー部１４を有し、ボデー開口１２の後方に後ボデー部１５を有する。前ボデー部１３の前方にはフロントウインドウ（図示せず）が設けられ、後ボデー部１５の後方にはリヤウインドウ（図示せず）が設けられている。

　車両用ルーフ装置は、略方形の開口部１７を有する樹脂製ルーフパネル１６と、開口部１７を閉塞可能なルーフウインドウ１８と、ルーフウインドウ１８の開閉動作を行う作動機構１９と、を備えている。樹脂製ルーフパネル１６の詳細については後述する。

　ルーフウインドウ１８は、一定の厚さを有する無色透明の無機ガラス板である。ルーフウインドウ１８は、前後方向の長さが左右方向の長さに比べて短い略矩形状に形成されている。図３に示すように、ルーフウインドウ１８の表面１８Ａは車外を向いており、ルーフウインドウ１８の裏面１８Ｂは下方の車室を向いている。

　図１に示すように、作動機構１９は、一対のレール２０および一対の摺動部材２１を有している。一対のレール２０は、前後方向に延在するように互いに平行に配置されており、センターリインフォースメント２２により相互に連結されている。一対の摺動部材２１は、ルーフウインドウ１８の裏面１８Ｂに固定されている。作動機構１９は、摺動部材２１をスライドさせる駆動モータ（図示せず）を有している。駆動モータの作動により、摺動部材２１がレール２０に対して後方へ移動すると、開口部１７を閉じた状態のルーフウインドウ１８が、樹脂製ルーフパネル１６の上面側にて後方へ向けて移動し、開口部１７が開放される。なお、作動機構１９の構成は公知の作動機構と同様の構成である。

　樹脂製ルーフパネル１６は、前後方向の長さが左右方向の長さに比べて長い略矩形状に形成されている。樹脂製ルーフパネル１６は、２色成形によって製作されており、パネル本体２３とパネル本体２３の表面に形成された表面層２４とを有している（図３参照）。パネル本体２３は、黒色に着色された不透明樹脂により形成されている。樹脂製ルーフパネル１６は、作動機構１９よりも大きく、作動機構１９を上方から覆うことが可能である。

　樹脂製ルーフパネル１６は、車室と連通可能な開口部１７を備えている。開口部１７は樹脂製ルーフパネル１６の前部に設けられている。樹脂製ルーフパネル１６は、開口部１７を形成する内周縁２６を有するとともに、略矩形の外周縁２７を有する。樹脂製ルーフパネル１６の前端には、ディフレクタ（図示せず）が上下に変位可能に取り付けられている。ディフレクタはルーフウインドウ１８の開放時における風切音の発生を抑制する。

　図１、図２に示すように、樹脂製ルーフパネル１６は、開口部１７の前方の前パネル体２８と、前パネル体２８の左右両端から後方へ向けて延在し、開口部１７の左右両側に位置する一対の横パネル体２９と、を有する。さらに、樹脂製ルーフパネル１６は開口部１７の後方の後パネル体３０を備える。

　前パネル体２８は、内周縁２６に沿って左右方向に延在している。図３に示すように、前パネル体２８は、ボデー１１に固定される前パネル基部３１と、前パネル基部３１から開口部１７へ向けて延在する前パネル延在部３２と、を有する。前パネル基部３１はほぼ平坦な部位であり、前パネル基部３１の下方には、作動機構１９の駆動モータ（図示せず）が設けられている。前パネル基部３１は、ボデー１１に近い方の縁部付近において、接着部３３によってボデー１１に接着されている。接着部３３は例えばウレタン樹脂系の接着剤により形成されている。

　図３に示すように、前パネル延在部３２は、第１壁部３４と、第１水平部３５と、第２壁部３６と、底壁部３７と、第３壁部３８と、第２水平部３９と、第４壁部４０と、内縁部４１と、を有する。第１壁部３４は、前パネル基部３１の内側（後側）の縁部から下方へ延びている。第１壁部３４には、ルーフウインドウ１８の前縁部と当接する第１ウエザーストリップ４２が取り付けられている。第１ウエザーストリップ４２は、前パネル基部３１とルーフウインドウ１８との間からの水や異音の車室への進入を防止する。

　第１水平部３５は、第１壁部３４の下端部から開口部１７へ向けて水平方向に延在する。第２壁部３６は、第１水平部３５の内側（後側）の縁部から下方へ延びている。底壁部３７は、第２壁部３６の下端部から開口部１７へ向けて水平方向に延在する。第３壁部３８は底壁部３７の内側（後側）の縁部から上方へ延びている。

　第２水平部３９は、第３壁部３８の上端部から開口部１７へ向けて水平方向に延在する。第２水平部３９の上面には、ルーフウインドウ１８の裏面１８Ｂと当接する第２ウエザーストリップ４３が取り付けられている。第２ウエザーストリップ４３は、第２水平部３９よりも後方に位置する開口部１７への水や異物の進入を防止する。

　第４壁部４０は、第２水平部３９の内側（後側）の縁部から開口部１７へ向けて延在する。内縁部４１は、第４壁部４０の下端部から開口部１７へ向けて水平方向へ延在する。内縁部４１は底壁部３７より低い位置に設けられている。第２壁部３６、底壁部３７および第３壁部３８は左右方向に延在する溝を形成する。

　次に、横パネル体２９について説明する。各横パネル体２９は、内周縁２６に沿って前後方向に延在している。図４に示すように、各横パネル体２９は、ボデー１１に固定される横パネル基部４４と、横パネル基部４４から開口部１７へ向けて延在する横パネル延在部４５と、を有する。横パネル基部４４はほぼ平坦な部位である。横パネル基部４４は、ボデー１１に近い方の縁部付近において、接着部４６によってボデー１１に接着されている。接着部４６は例えばウレタン樹脂系の接着剤により形成されている。横パネル基部４４の左右方向の長さ、すなわち幅は、前パネル基部３１の前後方向の長さ、すなわち幅と比較して短い。

　図４に示すように、横パネル延在部４５は、第１壁部４７と、第１水平部４８と、第２壁部４９と、底壁部５０と、第３壁部５１と、第２水平部５２と、第４壁部５３と、を有する。第１壁部４７は、横パネル基部４４の内側の縁部から下方へ延びている。第１壁部４７には、ルーフウインドウ１８の側縁部と当接する前記第１ウエザーストリップ４２が取り付けられている。第１ウエザーストリップ４２は、横パネル基部４４とルーフウインドウ１８との間からの水や異物の進入を防止する。第１ウエザーストリップ４２は開口部１７を囲繞するようにループ状に形成されており、樹脂製ルーフパネル１６に設けられている。

　図４に示すように、第１水平部４８は、第１壁部４７の下端部から開口部１７へ向けて水平方向に延在する。第２壁部４９は、第１水平部４８の内側の縁部から下方へ延びている。底壁部５０は、第２壁部４９の下端部から開口部１７へ向けて水平方向に延在する。第３壁部５１は底壁部５０の内側の縁部から上方へ延びている。

　第２水平部５２は、第３壁部５１の上端部から開口部１７へ向けて水平方向に延在する。第２水平部５２の上面には、ルーフウインドウ１８の裏面１８Ｂと当接する前記第２ウエザーストリップ４３が取り付けられている。第２ウエザーストリップ４３は、第２水平部５２よりも内側に位置する開口部１７への水や異物の進入を防止する。第２ウエザーストリップ４３は開口部１７を囲繞するようにループ状に形成されている。

　第４壁部５３は、第２水平部５２の内側の縁部から開口部１７へ向けて延在する。第２壁部４９、底壁部５０および第３壁部５１は前後方向に延在する溝を形成する。図４に示すように、溝内には、ディフレクタが備えるアーム部材５４が設けられている。また、横パネル体２９の下方には、車室に面する内装パネル５５が設けられている。内装パネル５５はボデー１１に固定されており、開口部１７へ向けて張り出している。内装パネル５５とルーフウインドウ１８との間には、作動機構１９の一部（レール２０、摺動部材２１等）が配設されている。

　本実施形態の車両用ルーフ装置は、内周縁２６に沿うように樹脂製ルーフパネル１６の裏面に接着されるフレーム部材６０を備えている。図２に示すように、フレーム部材６０は、前パネル延在部３２および左右一対の横パネル延在部４５に沿うように、平面視において略Ｕ字状に形成されている。フレーム部材６０は、樹脂製ルーフパネル１６の剛性を高めて、樹脂製ルーフパネル１６の熱収縮による変形を抑制するために設けられている。

　図５に示すように、フレーム部材６０は、前パネル体２８に沿って延びる前フレーム体６１と、両横パネル体２９に沿って延びる２つ（一方のみ図示）の横フレーム体６２と、前フレーム体６１および各横フレーム体６２の間のコーナー部に位置するコーナーフレーム体６３を有する。前フレーム体６１、２つの横フレーム体６２、および２つのコーナーフレーム体６３は一体形成されている。図２に示すように、各横フレーム体６２の後端部は、センターリインフォースメント２２に、例えばボルトを用いた締結、または溶接により連結されている。

　前フレーム体６１は、前パネル基部３１と対向する上壁部６４と、前パネル延在部３２の底壁部３７と対向する底壁部６５と、上壁部６４と底壁部６５とを繋ぐ内壁部６６と、ボデー１１に近い方の上壁部６４の端部から下方へ延びる外壁部６７と、を有する。前フレーム体６１は、金属板を折り曲げることによって形成されており、曲げ応力に対抗し易い形状である。図３に示すように、上壁部６４は接着部６８によって前パネル基部３１の裏面に接着されている。接着部６８は例えばウレタン樹脂系の接着剤により形成されている。図５では、接着部６８の範囲を二点鎖線Ｍにて示す。前フレーム体６１が前パネル基部３１に接着されている状態では、上壁部６４および底壁部６５はほぼ水平となる。なお、本実施形態では、前フレーム体６１の底壁部６５は前パネル延在部３２に接着されていない。

　次に、横フレーム体６２について説明する。各横フレーム体６２は、横パネル基部４４と対向する上壁部６４と、横パネル延在部４５の底壁部５０と対向する底壁部６５と、上壁部６４と底壁部６５とを繋ぐ内壁部６６と、ボデー１１に近い方の上壁部６４の端部から下方へ延びる外壁部６７と、を有する。各横フレーム体６２は、金属板を折り曲げることによって形成されており、前フレーム体６１と同様に曲げ応力に対抗し易い形状である。図４に示すように、上壁部６４は接着部６８によって横パネル基部４４の裏面に接着されている。また、底壁部６５は、接着部７４によって横パネル延在部４５の底壁部５０の裏面に接着されている。接着部７４は例えばウレタン樹脂系の接着剤により形成されている。図５では、接着部７４の範囲を二点鎖線Ｎにて示す。各横フレーム体６２が対応する横パネル基部４４および対応する横パネル延在部４５に接着されている状態では、上壁部６４および底壁部６５はほぼ水平となる。

　図５に示すように、コーナーフレーム体６３は、前フレーム体６１と各横フレーム体６２とを相互に繋ぐ部位であり、上壁部７５、底壁部７６、内壁部７７、および外壁部（図示せず）を有する。上壁部７５は、前フレーム体６１の上壁部６４と各横フレーム体６２の上壁部６４とを相互に接続する部位である。底壁部７６は、前フレーム体６１の底壁部６５と各横フレーム体６２の底壁部６５とを相互に接続する部位である。内壁部７７は、前フレーム体６１の内壁部６６と各横フレーム体６２の内壁部６６とを相互に接続する部位である。コーナーフレーム体６３の外壁部は、前フレーム体６１の外壁部６７と各横フレーム体６２の外壁部６７とを相互に接続する部位である。接着部６８は、前フレーム体６１の上壁部６４、コーナーフレーム体６３の上壁部７５、および横フレーム体６２の上壁部６４に沿って連続して延びている。

　図２、図４および図５に示すように、本実施形態では、フレーム部材６０は２つのブラケット７９を介してボデー１１に固定されている。具体的には、各横フレーム体６２がブラケット７９を介して横ボデー部１４に接続されている。各ブラケット７９の両端部は、例えばボルト７８を用いた締結、または溶接により、フレーム部材６０およびボデー１１にそれぞれ固定されている。各ブラケット７９は横フレーム体６２の前端部を横フレーム体６２に接続している。

　次に、本実施形態の車両用ルーフ装置の作用について説明する。ルーフウインドウ１８が開口部１７を覆っている状態のときに作動機構１９を作動させると、ルーフウインドウ１８は樹脂製ルーフパネル１６上を後方へスライドして開口部１７を開放する。ルーフウインドウ１８が開口部１７を開放した状態のときに作動機構１９を作動させると、ルーフウインドウ１８は樹脂製ルーフパネル１６上を前方へスライドして開口部１７を覆う。

　車両用ルーフ装置の樹脂製ルーフパネル１６は、樹脂により形成されているため熱収縮により変形しやすい。しかし、樹脂製ルーフパネル１６の裏面に接着されたフレーム部材６０が樹脂製ルーフパネル１６の熱収縮による変形を抑制する。フレーム部材６０の各横フレーム体６２は、対応する横パネル体２９に２箇所で接着されている。具体的には、各横フレーム体６２は、横パネル基部４４と横パネル延在部４５とに接着されている。横フレーム体６２は、横パネル体２９を２箇所にて拘束することにより、横パネル体２９の熱収縮による変形を抑制する。

　フレーム部材６０の前フレーム体６１は、前パネル体２８に１箇所で接着されている。すなわち、前フレーム体６１は、前パネル基部３１に接着されているが、前パネル延在部３２には接着されていない。本実施形態では、前パネル体２８の内周縁２６から外周縁２７までの距離は、各横パネル体２９の内周縁２６から外周縁２７までの距離と比較して十分に大きい。このため、前フレーム体６１が前パネル体２８を２箇所にて拘束すると、樹脂製ルーフパネル１６が熱収縮により変形したとき、拘束された２箇所の間で前パネル体２８が反りを生じ、前パネル延在部３２が上方へ大きく変位する可能性がある。前パネル体２８のこのような反りを防止するため、本実施形態では、前パネル基部３１の１箇所に前フレーム体６１を接着するようにしている。これにより、前パネル体２８の熱収縮による局所的な過度の変形が防止される。

　本実施形態では、前パネル体２８がフレーム部材６０により１箇所にて拘束されるものの、各横パネル体２９はフレーム部材６０により２箇所にて拘束されている。このため、樹脂製ルーフパネル１６の全体的な剛性は高められており、樹脂製ルーフパネル１６の熱収縮による変形はフレーム部材６０により適切に規制されて抑制される。

　本実施形態の車両用ルーフ装置は以下の利点を有する。
　（１）ボデー１１に固定されるフレーム部材６０が樹脂製ルーフパネル１６の裏面に接着されているので、樹脂製ルーフパネル１６の剛性がフレーム部材６０により高められ、樹脂製ルーフパネル１６の熱収縮による変形がフレーム部材６０により規制される。

　（２）フレーム部材６０は、前パネル体２８および各横パネル体２９の裏面に接着されているので、前パネル体２８および横パネル体２９の剛性を高めることができ、前パネル体２８および各横パネル体２９の熱収縮による変形を抑制することが可能である。また、各横フレーム体６２の後端部は、センターリインフォースメント２２に連結されているので、フレーム部材６０の剛性を高めることができる。

　（３）フレーム部材６０は、前パネル延在部３２には接着されず、前パネル基部３１、両横パネル基部４４および両横パネル延在部４５の裏面に接着される。フレーム部材６０が前パネル延在部３２に接着されないことにより、前パネル体２８の熱収縮による局所的な変形を抑制することができる。

　（第２の実施形態）
　次に、第２の実施形態に係る車両用ルーフ装置について説明する。本実施形態の車両用ルーフ装置は、フレーム部材の構成が第１の実施形態と異なる。本実施形態では、第１の実施形態と同じ構成については第１の実施形態の説明を援用し、共通の符号を用いる。

　フレーム部材８０は、図６、図７に示すように、前フレーム体８１および２つ（１つのみ図示）の横フレーム体８２を有する。また、フレーム部材８０は、前フレーム体８１と各横フレーム体８２との間にコーナーフレーム体（図示せず）を有する。図６に示すように、前フレーム体８１は、前パネル基部３１と対向する上壁部８４と、前パネル延在部３２の底壁部３７と対向する底壁部８５と、上壁部８４と底壁部８５とを繋ぐ内壁部８６と、ボデー１１に近い方の上壁部８４の端部からボデー１１へ向かって延在する延在部８７と、を有する。上壁部８４は接着部６８によって前パネル基部３１の裏面に接着されている。接着部６８は例えばウレタン樹脂系の接着剤により形成されている。なお、本実施形態では、前フレーム体６１の底壁部８５は前パネル延在部３２に接着されていない。

　延在部８７の外縁付近は接着部８８により前パネル体２８の裏面に接着されている。前ボデー部１３の一部は、延在部８７の下方に位置するように延在する。延在部８７は前ボデー部１３にボルト８９により締結されている。つまり、前パネル体２８は、前フレーム体８１を介してボデー１１に固定されている。

　図７に示すように、各横フレーム体８２は、横パネル基部４４と対向する上壁部８４と、横パネル延在部４５の底壁部５０と対向する底壁部８５と、上壁部８４と底壁部８５とを繋ぐ内壁部８６と、ボデー１１に近い方の上壁部８４の端部からボデー１１へ向かって延在する延在部８７と、を有する。上壁部８４は接着部６８によって横パネル基部４４の裏面に接着されている。また、底壁部８５は、接着部７４によって横パネル延在部４５の底壁部５０の裏面に接着されている。

　延在部８７の外縁付近は接着部９４により横パネル体２９の裏面に接着されている。横ボデー部１４の一部は、延在部８７の下方に位置するように延在する。延在部８７は横ボデー部１４にボルト８９により締結されている。つまり、各横パネル体２９は、横フレーム体８２を介してボデー１１に固定されている。したがって、横フレーム体８２はブラケット７９を備えない。このように、本実施形態の樹脂製ルーフパネル１６は、フレーム部材８０を介してボデー１１に固定されている。樹脂製ルーフパネル１６は、ボデー１１に接着されずフレーム部材８０に接着される。この点、本実施形態は、樹脂製ルーフパネル１６がボデー１１およびフレーム部材６０の両方に接着される上記第１の実施形態と異なる。延在部８７は、ボデー１１にボルト８９によって締結されるボルト締結部に相当する。

　本実施形態は、第１の実施形態の利点（１）～（３）と同等の利点を有する。また、フレーム部材８０がボルト８９によりボデー１１に固定されるため、ボルト８９による締結を解除してボデー１１からフレーム部材８０を取り外すことにより、車両用ルーフ装置のボデー１１からの取り外しが可能となる。樹脂製ルーフパネル１６がボデー１１に接着されている場合と比較して、車両用ルーフ装置のボデー１１に対する着脱が容易である。

　（変形例１）
　次に、変形例１に係るフレーム部材について説明する。図８Ａに示すように、変形例１に係るフレーム部材１００は、コーナーフレーム体６３に対応する位置に切り欠き１０１を有する。切り欠き１０１は、コーナーフレーム体６３に対応する位置において、内壁部７７および底壁部７６の殆どの領域が切り欠かれていることにより形成されている。変形例１によれば、樹脂製ルーフパネル１６の熱収縮による変形をより抑制し易くなる。加えて、車両用ルーフ装置の取り付けのために用いられる部材（図示せず）および／または排水のための部材（図示せず）を配置するスペースを確保し易くなる。なお、切り欠き１０１の大きさおよび／または形状は、樹脂製ルーフパネル１６および／またはフレーム部材１００の大きさおよび／または形状等の各種条件によって適宜設定される。なお、図８Ａではブラケット７９の図示を省略している。

　（変形例２）
　次に、変形例１に係るフレーム部材について説明する。図８Ｂに示すように、変形例２に係るフレーム部材１１０では、前フレーム体６１の底壁部６５が接着部１１１により前パネル延在部３２の裏面に接着される。変形例２では、図示はしないが、前パネル体２８の内周縁２６から外周縁２７までの長さが、各横パネル体２９の内周縁２６から外周縁２７までの長さと実質的に同じである。このため、前フレーム体６１の底壁部６５が接着部１１１により前パネル延在部３２の裏面に接着されても、前フレーム体６１の熱収縮による変形は、前パネル体２８の反りを生じさせない。したがって、フレーム部材１１０が前パネル体２８の２箇所にて接着されて前パネル体２８を拘束することができる。

　上記の第１および第２の実施形態並びに変形例１および変形例２は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができるとともに、例えば、次のように変更してもよい。

　フレーム部材の平面視形状は略Ｕ字状に限らず、開口部１７の全周に沿って延びる略四角枠状であってもよい。また、フレーム部材は、単一部材でなく、分割された複数の部材の組み合わせであってもよい。また、フレーム部材は、開口部１７の内周縁の一部のみに沿って延びるように構成されてもよい。

　ルーフウインドウ１８は無機ガラス板に限らず、樹脂製でもよい。この場合、車両用ルーフ装置のより軽量化を図ることができる。

Claims

　車両のボデーに固定されるように構成され、略方形の開口部を形成する内周縁を有する樹脂製ルーフパネルと、
　前記開口部を閉塞可能なルーフウインドウと、
　前記内周縁に沿うように前記樹脂製ルーフパネルの裏面に接着されたフレーム部材と、を備え、
　前記フレーム部材は前記ボデーに固定されている、車両用ルーフ装置。
　前記樹脂製ルーフパネルは、
　　前記開口部の前方の前パネル体と、
　　前記前パネル体の左右両端から後方へ向けて延在し、前記開口部の左右両側に位置する２つの横パネル体と、を有し、
　前記フレーム部材は、前記前パネル体および前記横パネル体の裏面に接着されている、請求項１に記載の車両用ルーフ装置。
　前記前パネル体は、
　　前記ボデーに固定されるように構成された前パネル基部と、
　　前記前パネル基部から前記開口部へ向けて延在する前パネル延在部と、を有し、
　前記各横パネル体は、
　　前記ボデーに固定されるように構成された横パネル基部と、
　　前記横パネル基部から前記開口部へ向けて延在する横パネル延在部と、を有し、
　前記フレーム部材は、前記前パネル延在部の裏面と接着されず、前記前パネル基部、前記横パネル基部および前記横パネル延在部の裏面に接着されている、請求項２に記載の車両用ルーフ装置。
　前記フレーム部材は、前記開口部のコーナー部に対応する位置に切り欠きを有する、請求項２または３に記載の車両用ルーフ装置。
　前記フレーム部材は、前記ボデーにボルトによって締結されるように構成されたボルト締結部を有している、請求項１～４のいずれか一項に記載の車両用ルーフ装置。
　前記樹脂製ルーフパネルは前記フレーム部材を介して前記ボデーに固定されるように構成されている、請求項５に記載の車両用ルーフ装置。
　前記樹脂製ルーフパネルは前記ボデーに接着されていない、請求項５または６に記載の車両用ルーフ装置。