JP2014169035A - 自動車の車体構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】ハイドロフォーム加工された車体フレームと繊維強化プラスチック製の車体外板とを組み合わせても、自動車の軽量化、強度、デザインの自由度を向上できる車体構造を提供する。
【解決手段】自動車の車体構造は、ハイドロフォーム加工された金属製管状部材であり、長手方向に沿って形成され互いに離間しかつ法線方向の位置が異なる第1側面221L及第2側面222Lを有する左サイドパネル30Lと、第1側面221L及第2側面222Lの相対的な向き及び位置に対応するようにそれぞれ形成された第1接着面311L及び第2接着面312Lを含んだ上縁部301Lを有し、第1接着面311L及び第2接着面312Lの少なくとも1つは上縁部301Lの端部近傍にあり、第1接着面311Lは第1側面221Lに接着され、第2接着面312Lは第2側面222Lに接着される繊維強化プラスチック製の左サイドパネル30Lと、を備えている。
【選択図】図3

Description

本発明は、自動車の車体構造に関する。
従来、自動車の軽量化、強度、デザインの自由度を向上させるために、ハイドロフォーム加工された車体フレーム、繊維強化プラスチック(FRP)からなる外装用の車体外板がそれぞれ個別に使用されている。
車体外板は、一般的に、車体フレームに予め設置された取付金具(ブラケット、ステー等)にボルトやリベットが締結されることにより、固定される。このとき、車体フレームと車体外板との間に隙間が生じたり、取付金具の占有空間を確保するために室内空間が狭くなったりする問題があった。
上述した問題を回避するために、取付金具やボルト等を使用せず、車体フレームに車体外板を接着することが行われている。具体的には、Aピラーやルーフサイドレール等の成形材の横フランジにガラス面を接続する技術(特許文献1参照)、風防ガラスを柱の接触面に接続する技術が開示されている(特許文献2参照)。
また、従来、車両のフロントフードに歩行者が衝突した場合に、歩行者への衝撃を緩和するために、フロントフードを跳ね上げる技術が開示されている(特許文献3参照)。
特許文献3の技術は、同文献の図3に示されている屈曲ラインにおいてフロントフードを屈曲させながら跳ね上げる。これにより、フロントフードに歩行者が衝突した場合に、歩行者の頭部が車幅方向の右側又は左側へ振られても、歩行者がフロントフードの右側又は左側から落下するのを防止できる。
特開平6−219321号公報 特表2000−505395号公報 特開2008−7064号公報
しかし、特許文献1及び2に記載された技術では、ガラスが車体外板に直接接着され、ガラス端部が露出している。このため、車両のデザイン性を重視する場合、これらの技術を使用できない問題があった。
また、特許文献3に記載された技術では、フロントフードが跳ね上げられた場合に、そのフロントフードによって運転者の視界が遮られる問題がある。
本発明は、このような実情を鑑みて提案されたものであり、ハイドロフォーム加工された車体フレームと繊維強化プラスチック製の車体外板とを組み合わせた場合でも、自動車の軽量化、強度、デザインの自由度を向上させることができる自動車の車体構造を提供することを目的とする。
また、本発明は、歩行者が車両に衝突した場合に、歩行者への衝撃を緩和すると共に、運転者の視界を確保することができる自動車の車体構造を提供することを目的とする。
本発明に係る自動車の車体構造は、ハイドロフォーム加工された金属製管状部材であり、長手方向に沿って形成され互いに離間しかつ法線方向の位置が異なる第1及び第2側面を有する車体フレームと、前記第1及び第2側面の相対的な向き及び位置に対応するようにそれぞれ形成された第1及び第2接着面を含んだ縁部を有し、前記第1及び第2接着面の少なくとも1つは前記縁部の端部近傍にあり、前記第1接着面は前記第1側面に接着され、前記第2接着面は前記第2側面に接着される繊維強化プラスチック製の車体外板と、を備えている。
本発明に係る自動車の車体構造は、ルーフパネルの車幅方向の端部に沿って設置され、ハイドロフォーム加工されかつ対向する部分が互いに接着された第1及び第2金属製管状部材を有する車体フレームを備えている。
本発明に係る自動車の車体構造は、フロントフードと、前記フロントフードの前方かつ幅方向の両端部にそれぞれ設置され、前記フロントフードの前方の車幅方向を軸にして、前記フロントフードを回転可能に支持する2つの回転支持部と、前記フロントフードの後方かつ車幅方向の中央部を固定する固定機構と、衝撃を検出する衝撃検出手段と、前記衝撃検出手段により検出された衝撃の大きさが閾値以上であるときに、前記フロントフードの後方の両端部をそれぞれ跳ね上げる跳ね上げ機構と、を備えている。
本発明に係る自動車の車体構造は、ハイドロフォーム加工された車体フレームと繊維強化プラスチック製の車体外板とを組み合わせた場合でも、自動車の軽量化、強度、デザインの自由度を向上させることができる。
本発明に係る自動車の車体構造は、ルーフパネルの車幅方向の端部に沿って設置され、ハイドロフォーム加工されかつ対向する部分が互いに接着された第1及び第2金属製管状部材を有する車体フレームを備えることで、ルーフパネルの車幅方向の端部の強度を向上させることができる。
本発明に係る自動車の車体構造は、歩行者が車両に衝突した場合に、歩行者への衝撃を緩和すると共に、運転者の視界を確保することができる。
本発明の第1実施形態に係る自動車の車体構造の構成を示す分解斜視図である。 右サイドパネル及び左サイドパネルが一体に構成された状態を示す斜視図である。 第1左フロントピラーと左サイドパネルの接着構造を説明するための断面図である。 ハッチバック扉を支持するためのリアルーフサイドレールにリアサイドパネルを取り付けた状態を示す車幅方向の断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る自動車の車体構造の要部分解斜視図である。 第1及び第2左フロントピラーと左サイドパネルの接着構造を説明するための車幅方向の断面図である。 第1及び第2右フロントピラーの側面図である。 車両が障害物に衝突したときの衝撃伝達経路を示す図である 第1及び第2左フロントピラーと左サイドパネルの他の接着構造を説明するための車幅方向の断面図である。 本発明の第3の実施形態に係る自動車の車体構造の構成図である。 フード外板の斜視図である。 フードフレームの斜視図である。 ストライカーの斜視図である。 ヒンジ部の斜視図である。 ロック機構の正面図である。 フード跳ね上げ処理ルーチンを示すフローチャートである。 フロントフードが跳ね上げられた状態を示す要部概略図である。
本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。以下では、説明の都合上、車体構造の一方の側面について主に説明し、他方の側面については同様の構成であるので、その詳細な説明は省略する。
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係る自動車の車体構造1の構成を示す分解斜視図である。
第1実施形態に係る自動車の車体構造1は、車輪及びパワートレーン等を搭載するためのアンダーボデー10と、乗員の占有空間を確保するためのアッパーキャビン部20と、車体前方に対してアッパーキャビン部20の右側を外装する右サイドパネル30Rと、車体前方に対してアッパーキャビン部20の左側を外装する左サイドパネル40Lと、を備えている。
図2は、右サイドパネル30R及び左サイドパネル30Lが一体に構成された状態を示す斜視図である。同図に示すように、右サイドパネル30R及び左サイドパネル30Lは、ルーフパネル31を介して一体に構成されている。なお、右サイドパネル30R、左サイドパネル30L、ルーフパネル31は、図2の構成に限らず、それぞれ独立して成形されたものでもよい。
図1に示すように、アンダーボデー10は、車体全体の基礎部分であるメインフレーム11と、メインフレーム11の車幅方向の両側面に固定されたフロントクロスフレーム12L,12R、センタークロスフレーム13L,13R、リアクロスフレーム14L,14Rと、各クロスフレーム12L,12R,13L,13R,14L,14Rの先端部と接合され車体前後方向に沿って設けられた左・右サイドシル15L,15Rと、メインフレーム11、各クロスフレーム12L,12R,13L,13R,14L,14R、左・右サイドシル15L,15Rにより支持されたフロアパネル16と、を備えている。
メインフレーム11は、鉄製板金をプレス加工されており、車体前後方向に沿って設けられている。フロントクロスフレーム12L,12Rは、メインフレーム11のフロント部分の両側面にそれぞれ固定され、車幅方向の両側へそれぞれ延びている。
センタークロスフレーム13L,13Rは、メインフレーム11のセンター部分の両側面にそれぞれ固定され、車幅方向の両側へそれぞれ延びている。リアクロスフレーム14L,14Rは、メインフレーム11のリア部分の両側面にそれぞれ固定され、車幅方向の両側へそれぞれ延びている。
左・右サイドシル15L,15Rは、メインフレーム11に対してそれぞれ車幅方向の両側において、車体前後方向に沿って設けられている。左・右サイドシル15L,15Rは、各クロスフレーム12L,12R,13L,13R,14L,14Rの先端部と接合されると共に、アッパーキャビン部20とも接合される。
アッパーキャビン部20は、金属製、例えば鉄製の管状(パイプ状)部材であり、乗員占有空間の外枠を形成する。アッパーキャビン部20は、車幅方向に沿って設けられたフロントルーフレール21と、フロントルーフレール21の車幅方向の両端部からそれぞれ車体前後に沿って設けられた第1左フロントピラー22L及び第1右フロントピラー22R(以下、「第1左・右フロントピラー22L,22R」という。)と、第1左・右フロントピラー22L,22Rの車体後方側であって各側面から車体下方に向かって設けられた左センターピラー23L及び右センターピラー23R(以下、「左・右センターピラー23L,23R」という。)と、を備えている。
フロントルーフレール21は、ルーフレール当て板26Lを介して第1左フロントピラー22Lの車幅方向の内側面に接合されると共に、ルーフレール当て板26Rを介して第1右フロントピラー22Rの車幅方向の内側面に接合されている。
第1左・右フロントピラー22L,22Rの各一端部は、ピラー下部当て板25L,25Rを介して、左・右サイドシル15L,15Rに接合されている。第1左・右フロントピラー22L,22Rは、左・右サイドシル15L,15Rとの接合部からフロントルーフレール21の両端部(車体後方かつ上方)に向かって延びている。さらに、第1左・右フロントピラー22L,22Rは、不図示のルーフパネルの両端部に沿って車体後方に延びており左・右センターピラー23L,23Rの各上端部と接合している。
左・右センターピラー23L,23Rの上端部は、ピラー上部当て板27L,27Rを介して、第1左・右フロントピラー22L,22Rに接合されている。左・右センターピラー23L,23Rの下端部は、ピラー下部当て板28L,28Rを介して、左・右サイドシル15L,15Rに接合されている。
図3は、第1左フロントピラー22Lと左サイドパネル30Lの接着構造を説明するための車幅方向の断面図である。なお、第1右フロントピラー22Rと右サイドパネル30Rの接着構造については、図3を左右対称にしたものと同じであり、その詳細な説明は省略する。
第1左フロントピラー22Lは精密にハイドロフォーム加工されており、左サイドパネル30Lは繊維強化プラスチックにより精密に成形されている。このため、第1左フロントピラー22Lの断面形状と、左サイドパネル30Lの上縁部301Lの断面形状は、次のように精密に対応して、互いに接合可能に成形されている。
第1左フロントピラー22Lは、車体前後方向に沿って長手方向が形成された複数の側面を有している。このため、第1左フロントピラー22Lは、車幅方向においては、図3に示すように、凹凸のある断面形状になっている。
また、第1左フロントピラー22Lは、互いに離間しかつ法線方向の位置が異なる(同一平面上にない)第1側面221L及び第2側面222Lを有している。第1側面221Lは、車幅方向の外側上部に形成されている。第2側面222Lは、第1側面221Lから離れた位置であって、車幅方向の外側下部に形成されている。
なお、第1側面221Lから第2側面222Lまでの各側面の断面形状は、特に限定されるものではなく、本実施形態では凹凸状になっている。
左サイドパネル30Lは、上縁部301Lにおいて、車体前後方向に沿って長手方向が形成された第1接着面311Lと第2接着面312Lとを有している。このため、左サイドパネル30Lの上縁部301Lは、車幅方向においては、図3に示すように、凹凸のある断面形状になっている。なお、図3には図示されていないが、左サイドパネル30Lの上縁部301Lは、車体中心(紙面右側)方向へ延伸しており、図2に示したルーフパネル31と一体に構成されている。
第1接着面311Lと第2接着面312Lは、互いに法線方向及びその位置が異なっている(同一平面上にない)。第1接着面311Lは、上縁部301Lの上端部に形成されている。第2接着面312Lは、第1接着面311Lから離れた位置であって、上縁部301Lの下端部に形成されている。第1側面221Lと第2側面222Lの間には、扉枠シール320を取り付け可能にするための凹部313Lが形成されている。
第1側面221Lに対する第2側面222Lの位置及び向きと、第1接着面311Lに対する第2接着面312Lの位置及び向きとは、互いに対応している。
第1左フロントピラー22Lに対して車幅方向の外側から左サイドパネル30Lの上縁部301Lが装着されると、第1接着面311Lが第1側面221Lに対向し、第2接着面312Lが第2側面222Lに対向する。
そして、第1接着面311Lと第1側面221Lが、上部接着部32Lを介して接着される。第2接着面312Lと第2側面222Lとが、下部接着部33Lを介して接着される。この結果、左サイドパネル30Lは、第1左フロントピラー22Lの車幅方向の外側に接着される。
ここで、上部接着部32L及び下部接着部33Lのいずれかが欠けると、次のような問題がある。
左サイドパネル30Lと第1左フロントピラー22Lとが上部接着部32Lのみで接着された場合、下部接着部33Lに対応する部分が固定されない。一方で、左サイドパネル30Lと第1左フロントピラー22Lとが下部接着部33Lのみで接着された場合、上部接着部32Lに対応する部分が固定されない。
このため、左サイドパネル30Lは、シール機能が発揮される程度に扉枠シール320を強く受けることができなくなる。また、昇降扉330の開閉動作によって、上部接着部32L又は下部接着部32Lに対応する部分が動いてしまい、左サイドパネル30Lの上縁部301Lが劣化・摩耗する問題もある。
また、仮に、左サイドパネル30Lの上縁部301Lが第1接着面311Lのみで構成され、第1接着面311Lと第1側面221Lとが上部接着部32Lのみで接着された場合、上縁部301Lは、デザイン的に美しく仕上げられなくなる。さらに、扉枠シール320がシール機能を発揮できるようにするためには、下部接着部33Lの代わりになる別の部品が必要になる。このため、部品点数が増えてしまい、製造コストが上がると共に、製造工程が複雑になるという問題点がある。
したがって、左サイドパネル30Lと第1左フロントピラー22Lとは、上部接着部32L及び下部接着部33Lの2か所で接着される。これにより、左サイドパネル30Lの上縁部301Lがデザイン的に美しく仕上げられる。さらに、左サイドパネル30Lは、シール機能が発揮できるように扉枠シール320を受け止めることが可能になる。
以上のように、第1の実施形態に係る自動車の車体構造1は、車体前後方向に沿って形成され互いに離間しかつ法線方向の位置が異なる第1側面221L及び第2側面222Lを有する第1左フロントピラー22Lと、第1側面221L及び第2側面222Lの相対的な向き及び位置に対応するようにそれぞれ形成された第1接着面311L及び第2接着面312Lを含んだ上縁部301Lを有する左サイドパネル30Lと、を備えている。
これにより、上記自動車の車体構造1は、第1接着面311Lが第1側面221Lに接着可能になり、第2接着面312Lが第2側面222Lに接着可能になる。この結果、第1左フロントピラー22Lが左サイドパネル30Lの車幅方向の内側から接着されるので、左サイドパネル30Lの上縁部301Lをデザイン的に美しい仕上がりにすることが可能になる。
上述した実施形態では、第1左フロントピラー22Lに左サイドパネル30Lの上縁部301Lを取り付けることを例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
本発明は、例えば、フード、後部トランク扉、ハッチバック扉などの繊維強化プラスチック製の車体外板を、ハイドロフォーム加工された金属製の管状部材である他のフレームに取り付ける場合にも適用可能である。
図4は、ハッチバック扉50を支持するためのリアルーフサイドレール60にリアサイドパネル70を取り付けた状態を示す車幅方向の断面図である。
リアルーフサイドレール60は、ハイドロフォーム加工された鉄製の管状(パイプ状)部材であり、車体前後方向に沿って形成され互いに離間しかつ法線方向の位置が異なる第1側面61及び第2側面62を有している。
リアサイドパネル70は、繊維強化プラスチック製であり、第1側面61及び第2側面62の相対的な向き及び位置に対応するようにそれぞれ形成された第1接着面71及び第2接着面72を含んだ縁部73を有している。第1接着面71は、縁部73の端部近傍にある。
そして、リアサイドパネル70の第1接着面71は、第1接着部81によりリアルーフサイドレール60の第1側面61に接着される。第2接着面72は、第2接着部82により第2側面62に接着される。
これにより、リアサイドパネル70とリアルーフサイドレール60とは、第1接着部81及び第2接着部82の2か所で接着され、リアサイドパネル70の縁部73がデザイン的に美しく仕上げられる。さらに、リアサイドパネル70は、ハッチバック扉50が開閉動作される場合でも、シール機能が発揮できるように扉枠シール51を受け止めることが可能になる。
[第2の実施形態]
図5は、本発明の第2の実施形態に係る自動車の車体構造1の要部分解斜視図である。なお、第1の実施形態と同一のものには同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
第2の実施形態に係る自動車の車体構造1は、図1に示すアッパーキャビン部20の構成に加えて、さらに第2左・右フロントピラー24L,24Rを備えている。
フロントルーフレール21は、ルーフレール当て板26Lを介して第2左フロントピラー24Lの車幅方向の内側面に接合されると共に、ルーフレール当て板26Rを介して第2右フロントピラー24Rの車幅方向の内側面に接合されている。
第1左フロントピラー22Lと第2左フロントピラー24Lは、左サイドシル15L上に車体前後方向に沿って設けられている。また、第1左フロントピラー22Lと第2左フロントピラー24Lは、フロントルーフレール21から左・右センターピラー23L,23Rまでの車体前後方向の範囲では対向する側面において接着され、フロントルーフレール21より車体前方においては上下方向に異なる角度で曲げられている。
なお、第1左フロントピラー22Lと第2左フロントピラー24Lを溶接で固定しようとすると、熱によって歪みが発生するおそれがある。熱が発生すると、左サイドパネル30Lと接着する面(後述する図7の第1側面221L及び第2側面222L)が歪んでしまい、第1及び第2左フロントピラー22L,24Lと左サイドパネル30Lを精度よく接着して固定することが難しくなる。そのため、第1左フロントピラー22Lと第2左フロントピラー24Lとは、接着により固定される。
そして、第1左フロントピラー22Lと第2左フロントピラー24Lとが接着により固定された結果、第1の実施の形態(第1左フロントピラー22Lだけの場合)に比べて、曲げに対する強度が向上している。なお、第1及び第2左フロントピラー22L,24Lが接着する部分の断面積は、第1の実施形態の第1左フロントピラー22Lの断面積とほぼ同じである。このため、断面積はほぼ同じであるが、曲げに対する強度が強化されている。
第2左フロントピラー24Lのフロントルーフレール21から車体前方への部分の曲げ角度は、第1左フロントピラー22Lのフロントルーフレール21から車体前方への部分の曲げ角度よりも小さい。そして、第2左フロントピラー24Lの車体前方の端部は、フロントフードの後方であって幅方向の端部にあるフロントサイドフレームに溶接で固定される。
なお、第1右フロントピラー22Rと第2右フロントピラー24Rの関係は、上述した第1左フロントピラー22Lと第2左フロントピラー24Lの関係と同様であるので、その記載を省略する。
図6は、第1及び第2左フロントピラー22L,24Lと左サイドパネル30Lの接着構造を説明するための車幅方向の断面図である。なお、第1及び第2右フロントピラー22R,24Rと右サイドパネル30Rの接着構造については、図6を左右対称にしたものと同じであり、その詳細な説明は省略する。
第1及び第2左フロントピラー22L,24Lは精密にハイドロフォーム加工されており、左サイドパネル30Lは繊維強化プラスチックにより精密に成形されている。このため、第1及び第2左フロントピラー22L,24Lの断面形状と、左サイドパネル30Lの上縁部301Lの断面形状は、次のように精密に対応して、互いに接合可能に成形されている。
第2左フロントピラー24Lは第1側面221Lを有し、第1左フロントピラー22Lは第1側面222Lを有する。第1側面221Lと第2側面222Lは、互いに離間しかつ法線方向の位置が異なる(同一平面上にない)。第1側面221Lは、車幅方向の外側上部に形成されている。第2側面222Lは、第1側面221Lから離れた位置であって、車幅方向の外側下部に形成されている。
左サイドパネル30Lは、第1実施形態と同様に、上縁部301Lにおいて、車体前後方向に沿って長手方向が形成された第1接着面311Lと第2接着面312Lとを有している。なお、図6には図示されていないが、左サイドパネル30Lの上縁部301Lは、車体中心(紙面右側)方向へ延伸しており、図2に示したルーフパネル31と一体に構成されている。第1側面221Lに対する第2側面222Lの位置及び向きと、第1接着面311Lに対する第2接着面312Lの位置及び向きとは、互いに対応している。
第1及び第2左フロントピラー22L,24Lに対して車幅方向の外側から左サイドパネル30Lの上縁部301Lが装着されると、第1接着面311Lが第1側面221Lに対向し、第2接着面312Lが第2側面222Lに対向する。
そして、第1接着面311Lと第1側面221Lが、上部接着部32Lを介して接着される。第2接着面312Lと第2側面222Lとが、下部接着部33Lを介して接着される。この結果、左サイドパネル30Lは、第1及び第2左フロントピラー22L,24Lの車幅方向の外側に接着される。
図7は、第1及び第2右フロントピラー22R,24Rの側面図である。ここでは、車両の右側を例に挙げているが、車両左側でも同様である。
第2右フロントピラー24Rは、管状に形成されており、車体前方の先端部に矩形状に形成された開口部である外気導入口24Raと、外気導入口24Raから導入された外気を乗員室へ吹き出す吹出し口24Rbと、を有している。図7では、吹出し口24Rbは1つだけ形成されているが、複数形成されてもよい。
車両の窓を閉めた状態で乗員室に新鮮な外気を送り込む場合、専用のダクトを設置する必要があり、その分、乗員室が狭くなる問題があった。そこで、第2右フロントピラー24Rに外気導入口24Ra及び吹出し口24Rbを形成することにより、専用のダクトを設ける必要がなくなり、広い乗員室を確保できる。
図8は、車両が障害物に衝突したときの衝撃伝達経路を示す図である。ここでは、車両の左側を例に挙げているが、車両右側でも同様である。
第1の実施形態では、第2左フロントピラー24Lがないため、車両前方からの衝撃は、左フロントドアの車体前方側であって上下方向の中央部(フロントサイドフレーム29Lを介して第1左フロントピラー22Lの上下方向の中央部)に集中する。この結果、当該部分が変形しやすくなる。
これに対して、第2の実施形態では、車両前方からの衝撃は、その一部が第2左フロントピラー24Lを伝達するので、左フロントドアの車体前方側であって上下方向の中央部には集中せず、分散される。このため、当該部分が変形しにくくなる。
一般に、自動車の衝突安全性を高めるためには、衝突時に車体前方の構造体が変形し、乗員室はできる限り変形しないことが求められる。
そこで、第2の実施形態に係る自動車の車体構造1は、車体前方に接合された第2左フロントピラー24Lと、左フロントドアの車体前方側に設けられた第1左フロントピラー22Lとを、互いに対向する側面において接着している。これにより、上記自動車の車体構造1は、車両前方からの衝撃を第2左フロントピラー24Lで分散吸収して、乗員室への衝撃を緩和すると共に、第1及び第2左フロントピラー22L,24Lの接着部分を設けたことで乗員室の変形を抑制して、乗員を挟み込まないようにする。この結果、上記自動車の車体構造1は、従来に比べて、衝突安全性を高めることができる。
自動車の車体構造1は、特に、電柱、街路樹などのポール状物体に側面衝突した場合には、側面衝突による衝撃を低減して、乗員室の変形を抑制することができる。また、自動車の車体構造1は、車両(自動車、台車など)に側面衝突した場合には、側面からの衝撃を左センターピラー23Lで受けて、第1及び第2左フロントピラー22L,24Lへ2次的に分散吸収する。このため、車両との側面衝突による衝撃を低減して、乗員室の変形を抑制することができる。このように、自動車の車体構造1は、互いに接着された2本の鉄製管状部材である第1及び第2左フロントピラー22L,24Lを屋根の左右の測頂部に備えることで、屋根の側端部の強度を向上させ、側面衝突時の安全性を向上させることができる。
また、上記自動車の車体構造1は、第2右フロントピラー24Rに外気導入口24Ra及び吹出し口24Rbを形成することで、簡易な構成で乗員室に外気を導入することができ、乗員室を広く確保することができる。
図9は、第1及び第2左フロントピラー22L,24Lと左サイドパネル30Lの他の接着構造を説明するための車幅方向の断面図である。ここでは、図6に比べて、第1及び第2左フロントピラー22L,24Lの断面形状が異なり、接着箇所が増えている。
具体的には、左サイドパネル30Lは、第1左フロントピラー22Lと2箇所、第2左フロントピラー24Lと1箇所で接着されている。
第1左フロントピラー22Lは、左サイドパネル30Lと接着される第2側面222Lと、左サイドパネル30Lと接着される第3側面223Lと、を有している。第3側面223Lは、中間接着部34Lを介して、左サイドパネル30Lの第1接着面311Lに接着されている。
このように、図9に示す上部接着部32L及び中間接着部34Lは、図6に示す上部接着部32Lと同様に、第1接着面311Lの上端部を第1及び第2左フロントピラー22L,24Lに接着する役割を果たしている。
以上のように、第2の実施形態に係る自動車の車体構造1は、フロントルーフレール21から左・右センターピラー23L,23Rまでの車体前後方向に沿って互いに接着された第1及び第2左フロントピラー22L,24Lを備えている。つまり、自動車の車体構造1は、ルーフパネルの車幅方向の両端側に、互いに接着された2本の鉄製管状部材である第1及び第2左フロントピラー22L,24Lを備えているので、ルーフパネルの端部の強度を上げて、側面衝突時の安全性を向上させることができる。
さらに、第2左フロントピラー24Lは、その一端部がフロントフードの後方に固定され、当該一端部から不図示のルーフパネルの端部に向かって延びている。このため、車両前方に障害物が衝突した場合には、車両前方からの衝撃は、第2左フロントピラー24Lを伝達して屋根側へ分散される。残りの衝撃は、第1左フロントピラー22Lを通じて、床構造材である左サイドシル15L、左フロントドアなどに伝達される。このように、車両前方からの衝撃が大きく分散されるので、乗員室の変形を抑制することができる。
[第3の実施形態]
図10は、本発明の第3の実施形態に係る自動車の車体構造100の構成図である。
自動車の車体構造100は、外部からの衝撃に応じた信号を出力する衝撃センサ101と、衝撃センサ101からの信号に基づいた制御を行う電子制御ユニット(ECU)102と、ECU102の指令に従って作動するアクチュエータ103と、車幅方向の両端部がアクチュエータ103によって上下方向に変位するフロントフード110と、を備えている。
衝撃センサ101は、フロントバンパー104の裏側に設置されている。衝撃センサ101は、歩行者などの障害物がフロントバンパー104に衝突したことを検出すると、衝撃(加速度)に応じた信号をECU102に出力する。
ECU102は、CPU、RAM、ROM等を有するマイクロコンピュータであり、衝撃センサ101から出力された信号(加速度)が閾値を超えたか否かを判定する。ECU102は、衝撃センサ101から出力された信号が閾値を超え、かつ、所定の条件を満たしたときに、アクチュエータ103に作動指令を出力する。
アクチュエータ103は、フロントフード110の下側であって、フロントフード110の車体後方であって車幅方向の両端側にそれぞれ2個設置されている。
アクチュエータ103は、例えば油圧シリンダが該当する。アクチュエータ103は、下端部が車体に固定されたシリンダ103aと、シリンダ103aの長手方向の上側から一部が露出され、その長手方向に対して上下に移動可能なピストンロッド103bと、を備えている。
ピストンロッド103bは、フロントフード110が閉じられている場合、シリンダ103aの下端側まで下降している(アクチュエータ103が縮小)。このとき、ピストンロッド103aの上端部は、フロントフード110の裏面に接していない。
また、ピストンロッド103bは、ECU102から指令があると、シリンダ103aの上端側まで上昇する(アクチュエータ103が伸長)。このとき、ピストンロッド103bの上端部は、フロントフード110の車両後方であって車幅方向の両側の裏面を押圧し、フロントフード110を裏面から跳ね上げる。
フロントフード110は、車体前方部分上部の外装であり、後述するフード外板120及びフードフレーム130の二重構造になっている。
図11はフード外板120の斜視図、図12はフードフレーム130の斜視図である。
フード外板120は、車体前方部分上部に設置される車体外装部材である。フードフレーム130は、フード外板120の裏面に接着され、フード外板120への衝撃に応じて変形してその衝撃を吸収する。なお、フードフレーム130をフード外板120の裏面に接着する際には、図11及び図12中のAとA、BとB、CとCがそれぞれ合わせられる。
フードフレーム130は、外枠フレーム131と、センタークロスフレーム132と、右内枠フレーム133と、左内枠フレーム134と、を備えている。
外枠フレーム131は、フード外板120の外周部より小さめの枠体である。センタークロスフレーム132は、外枠フレーム131の車体前方側であって車幅方向に沿って、長板状に形成されている。
右内枠フレーム133は、外枠フレーム131の車体後方側であって車幅方向の中心部から、外枠フレーム131の右側であって車体前方側の部位までの間に、長板状に形成されている。左内枠フレーム134は、外枠フレーム131の車体後方側であって車幅方向の中心部から、外枠フレーム131の左側であって車体前方側の部位までの間に、長板状に形成されている。
ここで、外枠フレーム131、センタークロスフレーム132、右内枠フレーム133、左内枠フレーム134には、それぞれの幅方向の両端において、長手方向に沿ってリブが形成されている。このため、右内枠フレーム133及び左内枠フレーム134は、幅方向に沿って屈曲しにくいように補強されている。つまり、右内枠フレーム133及び左内枠フレーム134は、幅方向に比べて長手方向(図12の一点鎖線)に沿って屈曲しやすい構造になっている。
また、外枠フレーム131の車体後方側であって車幅方向の中央部には、ストライカー取付け部135が設けられている。外枠フレーム131の車体前方側であって車幅方向の両側には、それぞれヒンジ取付け部136が設けられている。
ここで、右内枠フレーム133及び左内枠フレーム134は、ストライカー取付け部135から各ヒンジ取付け部136までの直線の近傍であって当該直線に沿って設けられている。このため、フロントフード110の後方側の両端部が上方へ跳ね上げられた場合、フロントフード110は、右内枠フレーム133及び左内枠フレーム134の長手方向(図12の破線部)に沿って屈曲される。
図13は、ストライカー140の斜視図である。ストライカー140は、外枠フレーム131のストライカー取付け部135に取り付けられる土台板141と、土台板141に接合されたU字状部材142と、を備えている。U字状部材142はU字状に形成されており、その開口部が土台板141に接合されている。
図14は、ヒンジ部150の斜視図である。ヒンジ部150は、車体に取り付けられる車体側部材151と、外枠フレーム131のヒンジ取付け部136に取り付けられるフード側部材152と、車体側部材151の一端部に対してフード側部材152が回転できるように支持する回転支持部153と、を備えている。
これにより、フロントフード110は、車体前方側であって車幅方向に沿った線(2つのヒンジ部150の回転支持部153を結ぶ線)を軸にして回転可能に支持される。
図15(A)及び(B)は、ロック機構160の正面図である。ロック機構160は、車体に取り付けられており、フロントフード110の裏側に取り付けられたストライカー140をロック又は開放する。ロック機構160は、車両が停止しているときに、手動によりストライカー140をロック又は開放する。また、ロック機構160は、車両が走行しているときは、ストライカー140のロック状態を維持する。
ロック機構160は、カバー板161と、第1案内板162と、第2案内板163と、ロック部材164と、解放バネ165と、スライド式留め金166と、を備えている。
カバー板161、第1案内板162、第2案内板163は、車体上に固定されている。第1案内板162及び第2案内板163には、上方中央部から下方に向かって案内溝が形成されている。第1案内板162及び第2案内板163の各案内溝の幅は、正面方向(紙面垂直方向)からみてほぼ一致している。
ロック部材164は、第1案内板162に設けられた回転支持部167によって、当該ロック部材164の中心部を軸として回転できるように支持されている。
ロック部材164には、ストライカー140のU字状部材142を挟み込むための凹部168が形成されている。ロック部材164の凹部168は、U字状部材142を挟み込んだ状態で第1案内板162及び第2案内板163の各案内溝を上下方向にスライドさせることで、ストライカー140をロック又は開放する。
解放バネ165の一端はロック部材164の一端側のバネ孔169に掛けられ、解放バネ165の他端はカバー板161の車幅方向の端部(図15ではカバー板161の正面右側の端部)に掛けられている。そして、ロック部材164が回転支持部167を中心に左回転するように、ロック部材164に対して力が働いている。
また、スライド式留め金166は、車幅方向にスライド可能である。スライド式留め金166がロック部材164のロック用凹部170の奥まで(図15の紙面左方向へ)スライドされた状態では、ロック部材164は、解放バネ165のバネ力に抗して、U字状部材142を第1案内板162及び第2案内板163の各案内溝の奥までスライドさせる。これにより、ストライカー140がロック機構160にロックされる。
一方、スライド式留め金166が、図15の紙面右方向へスライドしてロック部材164のロック用凹部170の奥から外れると、ロック部材164は、解放バネ165のバネ力に従って、U字状部材142を第1案内板162及び第2案内板163の各案内溝の奥から外部へ向けて解放する。これにより、ストライカー140がロック機構160から解放される。なお、車両走行中においては、スライド式留め金166はスライドしないので、ストライカー140がロック機構160から解放されることはない。
以上のように構成された自動車の車体構造100のECU102は、次に示すフード跳ね上げルーチンを実行する。
図16は、フード跳ね上げ処理ルーチンを示すフローチャートである。
ECU102は、車輪速センサからの信号を受信して、車速が閾値以上であるか、つまり車両が走行中であるか否かを判定する(ステップS1)。ECU102は、車両が走行中ではないと判定(否定判定)したときはステップS1に待機して、肯定判定したときは、フロントフード110が閉じているかを判定する(ステップS2)。
ECU102は、フロントフード110が閉じていないと判定(否定判定)したときはステップS1に戻り、肯定判定したときは、衝撃センサ101からの信号を受信して、歩行者が衝突したときの衝撃を検出したかを判定する(ステップS3)。
ECU102は、衝撃を検出していないと判定(否定判定)したときはステップS1に戻り、肯定判定したときはアクチュエータ103に作動指令を出力する(ステップS4)。
アクチュエータ103は、ECU102からの作動指令を受信すると、ピストンロッド103bを伸長させる。これにより、フロントフード110は、車体後方側の両端の裏側から跳ね上げられる。
図17は、フロントフード110が跳ね上げられた状態を示す要部概略図である。フロントフード110の車体後方側の中央部に取り付けられたストライカー140は、ロック機構160によってロックされたままである。また、フロントフード110では、図12の点線部分に対応する図16の破線部分の強度が、他の部分に比べて低くなっている。
このため、図17に示すように、フロントフード110は、車体後方側の中央部は変位せず、図17の一点鎖線部分(図12の右内枠フレーム133及び左内枠フレーム134の長手方向)から屈曲して、車体後方側の両端部が上方へ跳ね上げられる。
また、図10に示すように、フロントフード110の車体後方側の両端部が上方へ跳ね上げられた場合、フロントフード110の車幅方向の各端部から車体後方に伸ばした延長線は、車体の最上部(フロントガラスの上縁、屋根(ルーフパネル)の車体前方側の縁部など)よりも上にある。
これにより、歩行者が車両に衝突した際、歩行者がフロントフード110の上に乗りあがってフロントフード110上を行き過ぎる場合でも、歩行者がフロントピラー等の車体フレームに衝突するのを回避できる。
以上のように、第3の実施形態に係る自動車の車体構造100は、歩行者の衝突を検出すると、フロントフード110の車体後方側の中央部を変位させることなく、フロントフード110の車体後方側の両端部を上方へ跳ね上げる。
これにより、自動車の車体構造100は、歩行者が車体幅方向の中心部からずれた位置で車両に衝突して、フロントフード110に乗り上げた場合であっても、歩行者を車体幅方向の中心部に近付けることができる。このため、衝突した歩行者は、フロントピラー(Aピラー)から遠ざかり、フロントピラーとの2次衝突が回避される。
また、フロントフード110を上方へ跳ね上げた際には、フロントフード110の車幅方向の各端部から車体後方に伸ばした延長線は、車体の最上部よりも上にある。このため、フロントフード110を乗り上げた歩行者が、勢い余ってフロントフード110を行き過ぎても、フロントピラーに衝突するのを回避できる。
さらに、自動車の車体構造100は、フロントフード110の車体後方側の両端部を上方へ跳ね上げても、フロントフード110の車体後方側の中央部を変位させないので、運転者の視界を確保することができる。
なお、本発明は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された事項の範囲内で設計変更されたものについても適用可能である。例えば、上述した各実施形態に係る自動車の車体構造は、ガソリンエンジン自動車に限らず、電気自動車にも適用可能である。
また、第3の実施形態において、従来のガソリンエンジン自動車は、エンジン部品とフロントフードとの隙間が小さいため、フロントフードの中央部を跳ね上げる必要があった。これに対して、第3の実施形態に係る自動車の車体構造は、電気自動車(又はリアエンジン自動車)に適用された場合、フロントフードの下部にエンジンなどの硬い物体が設置されていないので、フロントフードの中央部を跳ね上げずに済む。さらに、自動車の車体構造は、フロントフードを跳ね上げるための特別な機構で構成されたヒンジ部を使用することなく、汎用的なヒンジ部を使用できるので、コストを抑制できる。
1,100 自動車の車体構造
30L 左サイドパネル
22L 第1左フロントピラー
24L 第2左フロントピラー
101 衝撃センサ
102 ECU
103 アクチュエータ
110 フロントフード
221L 第1側面
222L 第2側面
311L 第1接着面
312L 第2接着面

Claims (7)

  1. ハイドロフォーム加工された金属製管状部材であり、長手方向に沿って形成され互いに離間しかつ法線方向の位置が異なる第1及び第2側面を有する車体フレームと、
    前記第1及び第2側面の相対的な向き及び位置に対応するようにそれぞれ形成された第1及び第2接着面を含んだ縁部を有し、前記第1及び第2接着面の少なくとも1つは前記縁部の端部近傍にあり、前記第1接着面は前記第1側面に接着され、前記第2接着面は前記第2側面に接着される繊維強化プラスチック製の車体外板と、
    を備えた自動車の車体構造。
  2. 前記車体フレームは、ルーフパネルの車幅方向の端部に沿って設置され、対向する部分が接着された第1及び第2金属製管状部材を有し、
    前記第1金属製管状部材は、前記第1側面を有し、
    前記第2金属製管状部材は、前記第2側面を有する
    請求項1に記載の自動車の車体構造。
  3. ルーフパネルの車幅方向の端部に沿って設置され、ハイドロフォーム加工されかつ対向する部分が互いに接着された第1及び第2金属製管状部材を有する車体フレームを備えた
    自動車の車体構造。
  4. 前記第1及び第2金属製管状部材は、前記ルーフパネルの車幅方向の端部において接着され、前記端部以外では離間された状態で設置され、
    前記第1金属製管状部材は第2金属製管状部材に対して車幅方向の内側に設置され、前記第1金属製管状部材の一端部はフロントフードの後方であって幅方向の端部に向かって延び、
    前記第2金属製管状部材はドアパネルの縁部に接し、前記第2金属製管状部材の一端部はアンダーボデーに固定された
    請求項2または請求項3に記載の自動車の車体構造。
  5. 前記第1金属製管状部材は、前記一端部から空気を導入する導入口と、前記導入口から導入された空気を乗員室へ吹き出す吹出し口と、を有する
    請求項4に記載の自動車の車体構造。
  6. フロントフードと、
    前記フロントフードの前方かつ幅方向の両端部にそれぞれ設置され、前記フロントフードの前方の車幅方向を軸にして、前記フロントフードを回転可能に支持する2つの回転支持部と、
    前記フロントフードの後方かつ車幅方向の中央部を固定する固定機構と、
    衝撃を検出する衝撃検出手段と、
    前記衝撃検出手段により検出された衝撃の大きさが閾値以上であるときに、前記フロントフードの後方の両端部をそれぞれ跳ね上げる跳ね上げ機構と、
    を備えた自動車の車体構造。
  7. 前記フロントフードは、前記固定機構が設置された領域から前記各回転支持部が設置された各領域に沿って屈曲する屈曲部を有する
    請求項6に記載の自動車の車体構造。

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JP2021008136A (ja) * 2019-06-28 2021-01-28 トヨタ自動車株式会社 車両構造

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