WO2019003831A1

WO2019003831A1 - 収穫機

Info

Publication number: WO2019003831A1
Application number: PCT/JP2018/021646
Authority: WO
Inventors: 岩本瞬; 安田和男; 小田佑樹; 平川順一; 迫和志; 藤田敏章; 加藤勝秀; 松林智也; 吉川実希; 乙宗拓也
Original assignee: 株式会社クボタ
Priority date: 2017-06-26
Filing date: 2018-06-06
Publication date: 2019-01-03
Also published as: CN110678064A; KR102618161B1; KR20200019852A

Abstract

収穫された作物を脱穀処理する脱穀装置と、脱穀装置と横並び状態で設けられ、脱穀装置によって脱穀された穀粒を貯留する穀粒タンク４と、が備えられ、穀粒タンク４の側壁４Ｗのうち、左右方向において脱穀装置と反対側に位置する外側壁４Ｗｏに、外側壁４Ｗｏの前後方向における一部に開口された点検口４１と、点検口４１を開閉する扉４３と、が備えられている。

Description

収穫機

　本発明は、収穫された作物を脱穀処理する脱穀装置と、当該脱穀装置によって脱穀された穀粒を貯留する穀粒タンクと、が備えられている収穫機に関する。

　この種の収穫機は、穀粒タンクの内部のメンテナンスが可能となるように構成されている。例えば、下記の特許文献１には、側壁に開口が形成された穀粒タンクを備えているコンバインが開示されている。この開口は、着脱自在なカバー体〔特許文献１における第１サイドカバー５４〕によって覆われており、このカバー体の着脱により開閉自在となっている。特許文献１のコンバインにおいては、上記開口を、穀粒タンク内部のメンテナンスを行うための点検口として利用することが可能である。

　また、収穫機は、脱穀装置に、脱穀機体の内部に揺動可能に設けられた選別枠と、選別枠に支持されると共に処理物漏下穴の開度調節可能なチャフシーブとを備えるものがある。このような収穫機において、脱穀装置に供給される収穫物の量、性状などが変化しても、チャフシーブでの選別処理が精度よく行われるように、チャフシーブでの処理物漏下穴の開度調節をする収穫機も存在する。さらに、収穫機は、チャフシーブの開度調節部に操作ケーブルを介して連動連結され、開度調節部を電動力によって遠隔操作する遠隔操作装置を備える場合もある。このような構成によると、遠隔操作装置を操作するだけで楽にチャフシーブの開度調節を行なえる。

　この種のものとしては、例えば、特許文献２に示されるものがある。特許文献２に示されるものでは、チャフ板はワイヤを介して電動モータにより一体的に揺動作動して、処理物の漏下開度を変更調節できるよう構成されている。

　この種の収穫機において、脱穀機体の後部に選別枠を出し入れする点検口が備えられ、選別枠を点検口から脱穀機体の外部に取出し、選別枠におけるチャフシーブなどの清掃や点検などを脱穀機体の外部で行うことを可能にされたものがある。

　さらに、収穫機は、エンジンから動力が伝達され、伝達された動力を変速して脱穀装置の扱胴駆動部へ出力する扱胴変速装置を備えるものがある。このような収穫機によると、性状や品種などが異なる作物を収穫する場合、あるいは、脱穀装置に供給される作物の量が変化する場合でも、扱胴変速装置によって扱胴の駆動速度を変更し、扱き残しなどを生じにくくできる。

　この種の収穫機として、従来、たとえば特許文献３に示されるコンバインがある。特許文献３に示されるコンバインでは、エンジンの動力が伝動ベルトを介して伝動ケースの入力軸に伝達され、伝動ケースの出力軸の動力が伝動ベルト及び伝動軸を介して扱胴の入力軸に伝達される。伝動ケースの内部に、入力軸の回転速度を高中低の３段階に変速して出力軸に伝達するギヤ変速機構が備えられている。伝動ケースは、脱穀装置の前部と、グレンタンクの前部（底部）との間に備えられている。

特開２０１６－６７２２１号公報特開平９－５６２５０号公報特許第３９０７５９６号公報

　しかし、特許文献１のコンバインにおいて点検口を開くには、点検口を覆うカバー体を取り外す前に、このカバー体の一部を覆う２つの外側カバー〔特許文献１における第３サイドカバー６１、第２サイドカバー５５〕を取り外さなければならず、複数の手順を踏む必要がある。更に、点検口は、穀粒タンクの側壁における機体前後方向の全体に亘って形成されているため、これを覆うカバー体、及び外側カバー体を取り外す作業は大掛かりなものとなる。そのため、特許文献１のコンバインでは、穀粒タンクの内部のメンテナンスを容易に行えるものではなかった。

　上記実情に鑑み、穀粒タンクに形成された点検口を容易に開閉でき、穀粒タンクの内部のメンテナンスを容易に行える収穫機が要望されている。

　ところで、特許文献１のコンバインでは、カバー体が点検口の縁部に対して外側から当接することによって、当該点検口が塞がれている。そのため、穀粒タンクの内部に蓄積された穀粒によって穀粒タンクの外側に向けて作用する圧力が高まった場合には、カバー体に対して、外側、すなわち、カバー体が外れる側に向けて圧力が作用する。そのため、従来の構成では、穀粒タンクの内部の圧力によってカバー体が脱落する可能性があり、当該圧力に対する耐久性について改善の余地があった。

　上記実情に鑑み、メンテナンス時に使用可能な点検口を穀粒タンクに備えながらも、穀粒タンクの内部の圧力等によって点検口が不測に開放されない収穫機が要望されている。

　遠隔操作装置が走行機体の奥深い箇所に位置する場合、遠隔操作装置と操作ケーブルとの連結を解除して、選別枠を脱穀機体の外部へ取出す取出し方法を採用する場合がある。この場合、遠隔操作装置と操作ケーブルとの連結解除に手間が掛かり、選別枠の取出しに必要な手間が多くなる。また、遠隔操作装置を取り外し、遠隔操作装置と操作ケーブルとを連結したままにして遠隔操作装置を選別枠と共に取出す取出し方法を採用する場合もある。この場合は、遠隔操作装置の取り外しに手間が掛かり、選別枠の取出しに必要な手間が多くなる。

　そのため、選別枠の取出しを手早くできる収穫機が要望されている。

　特許文献３に開示された技術を採用した場合、扱胴変速装置を変速操作するとき、脱穀装置あるいはグレンタンクが扱胴変速装置の手前に位置するため、脱穀装置等が変速操作の障害になり、扱胴変速装置の変速操作を行ないにくい。

　そのため、扱胴変速装置を変速操作しやすい収穫機が要望されている。

　本発明の一実施形態に係る収穫機は、
　収穫された作物を脱穀処理する脱穀装置と、
　前記脱穀装置と横並び状態で設けられ、前記脱穀装置によって脱穀された穀粒を貯留する穀粒タンクと、が備えられ、
　前記穀粒タンクの側壁のうち、左右方向において前記脱穀装置と反対側に位置する外側壁に、前記外側壁の前後方向における一部に開口された点検口と、前記点検口を開閉する扉と、が備えられていることを特徴とする。

　本構成によれば、穀粒タンクの点検口は、外側壁の前後方向における一部に開口されているため、穀粒タンクに対してスペースの広い側からアクセスでき、かつ、前後方向における点検口の占有領域を比較的狭くすることができる。そのため、点検口を開くための作業が大掛かりとなることを抑制できる。更に、当該点検口は、扉により開閉するように構成されている。そのため、点検口の開閉を容易に行うことが可能となる。従って、本発明によれば、穀粒タンクの内部をメンテナンスする際に必要な点検口の開閉が容易であるため、当該メンテナンスを容易に行うことができる。

　本発明の一実施形態において、
　前記穀粒タンクの内部に、前記脱穀装置からの前記穀粒が吐出される吐出部が設けられ、
　前記点検口は、側面視で前記吐出部と重複しない位置に配置されていると好適である。

　本構成によれば、点検口と吐出部とが側面視で重複していないため、それぞれが配置されるための空間を確実性高く確保することができる。これにより、例えば、点検口を開閉する扉が、穀粒タンクの内側に向かって揺動する内開き形状である場合であっても、開く扉が穀粒タンク内部に設けられた吐出部と干渉することを避けることができる。更には、吐出部の周辺に、穀粒の状態を測定するための各種装置が設けられている場合であっても、このような装置と扉との干渉も避けることができる。従って、本発明の一実施形態によれば、吐出部の周辺においてメンテナンスするための空間を確保し易くなり、メンテナンスを容易に行うことができる。

　本発明の一実施形態において、
　前記吐出部は、前記穀粒タンクの内部における前方領域に配置されており、
　前記点検口は、前記外側壁における後方領域に配置されていると好適である。

　本構成によれば、吐出部と点検口とを、前後方向における異なる位置に配置することが可能となる。これにより、例えば、吐出部及びその周辺の装置等のメンテナンスを行う場合に、これらに対して後方からアクセスすることが可能となり、よりメンテナンスを行い易い状況をつくることができる。

　本発明の一実施形態において、
　前記扉は、前記点検口の縁部に当接する当接部を有し、
　前記扉の閉鎖状態において、前記当接部と前記縁部とは、シール部材を介して当接していると好適である。

　本構成によれば、扉の閉鎖状態において、点検口の縁部と扉の当接部とがシール部材を介して当接しているため、穀粒タンクの密閉性を確実性高く確保することができる。

　本発明の一実施形態において、
　前記扉は、前記点検口よりも大きく形成されており、
　前記当接部は、前記縁部に対して前記穀粒タンクの内側から当接していると好適である。

　本構成によれば、扉の当接部が点検口の縁部に対して穀粒タンクの内側から当接しているため、穀粒タンクの内部に蓄積された穀粒によって、穀粒タンクの外側に向けて作用する圧力が高まった場合であっても、この圧力によって扉が脱落することを抑制することができる。従って、本構成によれば、穀粒タンクの内部の圧力に対する耐久性の高い扉を実現可能となる。

　本発明の一実施形態において、
　前記扉は、前記外側壁の外面に対して面一に配置されていると好適である。

　例えば、本構成と異なり扉が外側壁の外面に対して外側又は内側に配置されている場合であって、収穫機が強風にあおられた場合等には、当該扉に対して空気抵抗が局所的に掛かり、扉が破損又は脱落することがある。しかし、本構成によれば、扉を含む外側壁の外面に掛かる空気抵抗を均一にすることができ、ひいては、扉の破損や脱落等を抑制することができる。また、扉を含む外側壁の外面が面一であることから、例えば、外側壁の周辺で作業する作業者の安全性など、外側壁の周辺における安全性の向上を図ることができる。

　本発明の一実施形態において、
　前記扉に、前記穀粒タンクの内側に向けて窪む凹部が形成され、
　前記凹部に、前記扉を開閉するためのハンドルが設けられていると好適である。

　本構成によれば、ハンドルが、穀粒タンクの内側に向けて窪む凹部に設けられているため、当該ハンドルが外側壁の外面から外側に突出することを抑制することができる。これにより、外側壁の周辺における安全性の更なる向上を図ることができる。

　本発明の一実施形態において、
　前記凹部は、内側に向かって窄まる内窄まり形状に形成されていると好適である。

　本構成によれば、凹部におけるエッジの角度を緩やかにすることができ、ハンドルの操作を安全に行うことが可能となる。

　本発明の一実施形態において、
　前記点検口は、上下方向に沿う縦長形状に形成されていると好適である。

　点検口が縦長形状であると、作業者は無理のない姿勢で穀粒タンクに出入りすることができる。従って、本構成によれば、穀粒タンクへの出入りを、点検口を介して容易に行うことができる。

　本発明の一実施形態において、
　前記穀粒タンクに、下窄まり形状に形成され、貯留された穀粒を前記穀粒タンクから排出する底スクリューが配置された下側タンク部と、前記下側タンク部の上側に設けられた上側タンク部と、が備えられ、
　前記点検口は、前記上側タンク部のうち前記外側壁を構成する部分における上部から下部に亘って形成されていると好適である。

　本構成によれば、点検口が上側タンク部に形成されているため、下窄まり形状である下側タンク部に亘って点検口を形成する場合に比べて、簡便に点検口を設け易い。更には、このような点検口を開閉する扉の設置も、簡便に行い易くなる。

　本発明の一実施形態に係るコンバインは、
　収穫された作物を脱穀処理する脱穀装置と、
　前記脱穀装置と横並び状態で設けられ、前記脱穀装置によって脱穀された穀粒を貯留する穀粒タンクと、が備えられ、
　前記穀粒タンクの側壁に開口された点検口と、内開き状に構成され、前記点検口の縁部に前記穀粒タンクの内側から当接して前記点検口を塞ぐ扉と、が備えられていることを特徴とする。

　本構成によれば、点検口を塞ぐものが開閉方式の決められた扉であり、いわゆる内開き状に構成された扉が点検口の縁部に対して穀粒タンクの内側から当接しているため、穀粒タンクの内部に蓄積された穀粒によって穀粒タンクの外側に向けて作用する圧力が高まった場合であっても、この圧力によって扉が開いてしまうことを抑制することができる。従って、本構成によれば、穀粒タンクの内部の圧力等によって点検口が不測に開放されることがなくなる。

　本発明の一実施形態において、
　前記扉は、前記縁部に当接する当接部を有し、
　前記扉の閉鎖状態において、前記当接部と前記縁部とは、シール部材を介して当接していると好適である。

　本構成によれば、扉の閉鎖状態において、点検口の縁部と扉の当接部とがシール部材を介して当接しているため、穀粒タンクの内部の圧力が高まった場合であっても、シール部材の緩衝作用により扉の破損等を抑制することができる。

　本発明の一実施形態において、
　前記当接部は、前記扉の周縁の全周に亘って設けられ、前記縁部の全体に亘って当接していると好適である。

　本構成によれば、当接部に作用する圧力を、扉の周縁の全周に亘って分散させることができ、局所的に圧力が集中することに起因する扉の破損等を抑制することができる。

　本発明の一実施形態において、
　前記扉は、前記穀粒タンクの内側に向けて屈曲する屈曲部を有し、
　前記当接部は、前記屈曲部に連続して形成され、前記縁部と対向するように配置されており、
　前記扉は、前記側壁の外面に対して面一に配置されていると好適である。

　本構成によれば、穀粒タンクの内側に向けて屈曲する屈曲部により、穀粒タンクの内側から外側に向けて作用する圧力に対する扉の耐久性を向上させることができる。また、屈曲部に連続するように当接部を形成することで、当該当接部と点検口の縁部とを対向して配置することが容易となる。更には、このような構成から、扉と側壁の外面とを面一に配置可能となり、例えば、側壁の周辺で作業する作業者の安全性など、側壁の周辺における安全性の向上を図ることができる。

　本構成によれば、ハンドルが、穀粒タンクの内側に向けて窪む凹部に設けられているため、当該ハンドルが側壁の外面から外側に突出することを抑制することができる。これにより、側壁の周辺における安全性の更なる向上を図ることができる。

　本発明の一実施形態において、
　前記穀粒タンクの内部に、閉鎖状態の前記扉をロックするロック機構が備えられ、
　前記扉を開閉するためのハンドルと前記ロック機構とが、連動するように構成されていると好適である。

　本構成によれば、ロック機構により扉をロックすることで、当該扉の閉鎖状態を維持することができる。更に、穀粒タンクの内部にあるロック機構を、扉の外側に設けられたハンドルによって穀粒タンクの外部から操作することができる。

　本発明の一実施形態において、
　前記穀粒タンクの内部に、閉鎖状態の前記扉を支持する支持機構が備えられていると好適である。

　一般的に、穀粒タンクにはある程度の剛性が必要であるため、穀粒タンクを構成する扉は、例えば金属製であるなど、剛性を有することが好ましい。扉は、重くなるほど点検口（穀粒タンク）に対して傾き易くなる。特に、扉の閉鎖状態においては、少しの傾きであっても、扉と点検口との間に隙間が生じる原因となり得る。このような事態は穀粒タンクの密閉性を確保する観点から好ましくない。本構成によれば、支持機構により閉鎖状態の扉を支持することで、扉が点検口に対して傾くことを抑制でき、穀粒タンクの密閉性を確実性高く確保することが可能となる。

　本発明の一実施形態において、
　前記扉における前記穀粒タンクの内側の部分に、複数のリブ部が形成されていると好適である。

　本構成によれば、複数のリブ部によって、穀粒タンクの内部の圧力に対する扉の耐久性を向上させることができる。

　本発明の一実施形態において、
　複数の前記リブ部は、上下方向に沿って形成される複数の縦リブ部と、水平方向に沿って形成される複数の横リブ部と、を有して構成されていると好適である。

　本構成によれば、上下方向の曲げ応力、及び、水平方向の曲げ応力等に対する扉の耐久性を向上させることができ、より高い圧力を受けた場合であっても、扉の破損等を更に抑制することができる。

　本発明の一実施形態において、
　複数の前記縦リブ部は、前記凹部を挟んだ位置に配置されており、
　複数の前記横リブ部は、前記扉における上下の縁のそれぞれに配置されていると好適である。

　本構成によれば、比較的応力集中が発生し易い凹部を縦リブ部によって挟むことで、当該凹部の耐久性を向上させることができる。また、扉のうち比較的応力集中が発生し易い縁部分においても、当該縁部分に横リブ部を配置することで、扉全体として耐久性を向上させることが可能となる。

　本発明の一実施形態による収穫機は、
　刈取部によって収穫された作物が供給され、供給された作物を脱穀処理し、脱穀処理物を選別処理する脱穀装置と、前記脱穀装置から排出された脱穀物が供給され、供給された脱穀物を貯留する貯留部とが、走行機体の横幅方向に並ぶ配置で前記走行機体に備えられ、
　前記脱穀装置は、脱穀機体と、前記脱穀機体の内部に揺動可能に設けられた選別枠と、前記選別枠に支持されると共に開度調節可能なチャフシーブと、前記脱穀機体の後部に開口され、前記選別枠を出し入れする点検口と、を備え、
　前記チャフシーブの開度調節部に操作ケーブルを介して連動連結され、前記開度調節部を電動力によって遠隔操作する遠隔操作装置が前記貯留部の後方に設けられている。

　本構成によると、遠隔操作装置に走行機体の後方から手が届き易いので、選別枠を脱穀機体から取出して清掃や点検などを行なうとき、遠隔操作装置と操作ケーブルとの連結を解除するにしても、遠隔操作装置の取り外しをするにしても、操作しやすい。

　従って、遠隔操作装置と操作ケーブルとの連結を解除して選別枠を取出すものにあっては、連結解除をし易くて、選別枠の取出しを手早くできる。遠隔操作装置を取り外して遠隔操作装置と操作ケーブルとを連結したままにして選別枠を取出すものにあっては、遠隔操作装置を取り外し易くて、選別枠の取出しを手早くできる。

　本発明の一実施形態においては、前記貯留部は、脱穀物タンクであり、前記脱穀物タンクの後側に前記走行機体の上下方向に延びる状態で設けられ、前記脱穀物タンクから脱穀物を排出する縦排出装置と、前記走行機体に立設され、前記縦排出装置を支持する支柱と、が備えられ、前記遠隔操作装置は、前記支柱に支持されていると好適である。

　本構成によると、縦排出装置を支持するべく高い剛性を具備する支柱を遠隔操作装置の支持に活用した簡素な支持構造によって遠隔操作装置をしっかり支持できる。

　本発明の一実施形態においては、前記遠隔操作装置は、前記支柱の後側に位置する状態で前記支柱に支持されていると好適である。

　本構成によれば、遠隔操作装置に走行機体の後方からより手が届きやすいので、遠隔操作装置の取り外し、あるいは、遠隔操作装置と操作ケーブルとの連結解除をより行ないやすく、選別枠の取出しをより手早くできる。

　本発明の一実施形態による収穫機は、
　走行機体の前方に設けられ、圃場の作物を刈取る刈取部と、前記走行機体に設けられ、前記刈取部によって刈り取られた作物を脱穀する脱穀装置と、前記走行機体から前記刈取部へ延出され、前記刈取部によって刈り取られた作物を前記脱穀装置に供給する搬送部と、エンジンから動力が伝達され、伝達された動力を変速して前記脱穀装置の扱胴駆動部へ出力する扱胴変速装置と、が備えられ、
　前記扱胴変速装置は、前記脱穀装置の前方かつ前記搬送部の下方の箇所において、前記走行機体の機体フレームよりも高い位置に設けられている。

　本構成によると、脱穀装置が扱胴変速装置よりも後側に位置し、搬送部が扱胴変速装置よりも上側に位置し、機体フレームが扱胴変速装置よりも下側に位置するので、扱胴変速装置を走行機体の外部から変速操作するのに、脱穀装置、搬送部及び機体フレームが障害になりにくく、変速操作しやすい。

　本発明の一実施形態においては、前記脱穀装置を走行機体横外側から覆う外装カバーが備えられ、
　前記扱胴変速装置は、前記外装カバーによって走行機体横外側から覆われていると好適である。

　本構成によると、脱穀装置を覆う外装カバーを扱胴変速装置のカバーに活用して安価に扱胴変速装置を保護できる。

　本発明の一実施形態においては、前記扱胴変速装置の前端部に、前方に向けて突出する変速操作部が備えられ、前記外装カバーは、前記脱穀装置及び前記扱胴変速装置を覆う閉じ状態と、前記脱穀装置及び前記扱胴変速装置を開放する開き状態とに状態変更可能に備えられ、前記外装カバーの前端部に、機体横内側に向かって突設され、前記外装カバーが前記閉じ状態になると、前記変速操作部を前側から覆い、前記外装カバーが前記開き状態になると、前記変速操作部を開放する前横向きカバー部が備えられていると好適である。

　本構成によると、外装カバーを閉じるだけで、変速操作部が前横向きカバー部によって前側から覆われて変速操作部を保護できる。外装カバーを開くだけで、前横向きカバー部による変速操作部の覆いが解除されて変速操作部が開放され、変速操作部を操作できる。

　本発明の一実施形態においては、前記扱胴変速装置の入力軸から前記搬送部の駆動軸に動力伝達されると好適である。

　本構成によると、エンジンからの動力を扱胴と搬送部とに分岐させる手段に扱胴変速装置を活用しつつ、扱胴の変速による影響を受けない一定回転速度の動力を搬送部に伝達できる。

　本発明の一実施形態においては、前記扱胴変速装置は、前記脱穀装置が有する唐箕の前方に位置し、前記エンジンは、前記走行機体の両横側部のうち、前記扱胴変速装置が位置する側と反対側の横側部に位置し、前記エンジンの動力が前記唐箕を介して前記扱胴変速装置の入力軸に伝達されると好適である。

　本構成によると、唐箕をカウンター手段に活用した簡素な動力伝達構造によってエンジンからの動力を扱胴変速装置に伝達できる。

　本発明の一実施形態においては、前記扱胴変速装置において、入力軸が出力軸より上方に位置していると好適である。

　本構成によると、入力プーリの直径が出力プーリよりも大きい入力プーリを採用するのに、入力軸が出力軸より下方に位置するものに比べ、プーリが扱胴変速装置から下方に突出することを回避あるいは抑制しつつ採用できる。

　本発明の一実施形態においては、前記搬送部の駆動軸及び前記扱胴駆動部が前記扱胴変速装置の上方に位置し、前記出力軸の動力が前記扱胴駆動部へ伝達され、かつ、前記入力軸の動力が前記駆動軸へ伝達され、前記出力軸と前記扱胴駆動部とを連係する伝動系が前記入力軸と前記駆動軸とを連係する伝動系よりも走行機体横外側に位置していると好適である。

　本構成によると、搬送部の駆動負荷よりも扱胴の駆動負荷の方が大きく、搬送部用の伝動部材の交換頻度よりも扱胴駆動部用の伝動部材の交換頻度の方が高くなりがちである。そのため、扱胴駆動部用の伝動部材が搬送部用の伝動部材よりも走行機体横外側に位置するので、扱胴駆動部用の伝動部材を交換しやすい。

実施形態１に係るコンバインの平面図である。実施形態１に係るコンバインの右側面図である。背面視における実施形態１に係るコンバインの要部断面図である。右側面視における実施形態１に係るコンバインの要部断面図である。平面視における実施形態１に係るコンバインの要部断面図である。実施形態１に係る穀粒タンクの斜視図である。平面視における実施形態１に係る穀粒タンクの要部拡大断面図である。背面視における実施形態１に係る穀粒タンクの要部拡大断面図である。実施形態１に係る穀粒タンクの内側における要部を示す左側面視図である。右側面視における実施形態１に係る天井点検口の周辺を示す要部断面図である。平面視における実施形態１に係る下側カバーの連結機構を示す要部断面図である。背面視における実施形態１に係る下側カバーの連結機構を示す要部断面図である。実施形態１の別実施形態に係るコンバインの右側面視図である。実施形態１の別実施形態に係るコンバインの右側面視図である。実施形態２に係るコンバインの全体を示す左側面図である。実施形態２に係るコンバインの全体を示す平面図である。実施形態２に係る脱穀装置を示す縦断側面図である。実施形態２に係る遠隔操作装置の配設部を示す後面図である。実施形態２に係る開度調節部を示す側面図である。実施形態２に係る開度調節部を示す平面図である。実施形態２に係る遠隔操作装置の後面図である。実施形態２に係る遠隔操作装置の横断平面図である。実施形態２に係る開度調節部と遠隔操作装置の連係、及び、選別枠の取出実施形態３に係るコンバインの全体を示す左側面図である。実施形態３に係るコンバインの全体を示す平面図である。実施形態３に係る動力伝達構造を示す線図である。実施形態３に係る扱胴変速装置の配設部及び動力伝達構造を示す左側面図である。実施形態３に係る扱胴変速装置の配設部及び動力伝達構造を示す正面図である。実施形態３に係る扱胴変速装置の配設部及び動力伝達構造を示す平面図である。実施形態３に係る唐箕の風量調節機構を示す側面図である。

〔実施形態１〕
　本発明の実施形態の一例として、実施形態１に係る本発明が普通型コンバインに適用された場合を例に、図面を参照して説明する。なお、以下の説明では、特に断らない限り、コンバインの進行方向を前側として「前後方向」及び「左右方向」を定義するものとする。

〔コンバインの概略構成〕
　図１及び図２に示すように、コンバイン１００は、機体フレームＦに支持された左右一対のクローラ式走行装置Ｃにより走行する。図示の例では、コンバイン１００は普通型として構成されており、圃場に植立するイネ、大豆、そば等の作物を収穫可能である。

　コンバイン１００には、植立穀稈を刈り取る刈取部１と、刈り取られた植立穀稈を脱穀処理する脱穀装置２と、脱穀装置２と横並び状態で設けられ、脱穀装置２によって脱穀された穀粒を貯留する穀粒タンク４と、穀粒タンク４に貯留された穀粒を排出するアンローダＡと、これらの各装置を含むコンバイン１００の全体を操作するための運転部Ｄと、が備えられている。なお、以下の説明では、刈取部１によって刈り取られた作物がアンローダＡによって排出されるまでの流れに基づいて、「上流側」及び「下流側」を定義するものとする。

〔刈取部〕
　図１及び図２に示すように、刈取部１は、機体フレームＦの前側に設けられている。刈取部１は、左右方向に沿う軸心周りで上下方向に昇降可能に構成されている。刈取部１は、コンバイン１００の旋回時などの非収穫作業時には上昇状態となり、収穫作業時には圃場面に近接した下降状態となる。

　刈取部１には、植立穀稈を梳き分けるデバイダ１１と、回転駆動されることにより植立穀稈を後方へ掻き込む掻込リール１２と、掻込リール１２によって掻き込まれた植立穀稈を刈り取る切断装置１３と、切断装置１３によって刈り取られた刈取穀稈を後方の脱穀装置２へ搬送する横送り装置１４及び搬送装置１５と、が備えられている。

〔脱穀装置〕
　図１に示すように、脱穀装置２は、刈取部１の後方であって機体フレームＦの左部に設けられている。脱穀装置２は、収穫された作物を脱穀処理する。詳細には、脱穀装置２は、刈取部１によって刈り取られた刈取穀稈を脱穀して、一番物としての穀粒を得る。脱穀により得られた穀粒は、脱穀装置２が備える一番物回収部２２によって回収されると共に、一番物搬送部３に搬送される（図３も参照）。

〔一番物搬送部〕
　図３に示すように、一番物搬送部３は、脱穀装置２から穀粒タンク４に穀粒を搬送する。一番物搬送部３には、穀粒を上方に搬送する揚穀装置３１と、上方に搬送された穀粒を横送りして穀粒タンク４の内部に搬送する横送り部３２と、が備えられている。これにより、穀粒タンク４の上方領域に穀粒を搬送することができる。

　揚穀装置３１は、駆動スプロケットと従動スプロケットとに亘って巻き掛けられた無端回動チェーンの外周側に複数のバケットが備えられたバケット式に構成されている。揚穀装置３１の下流側の端部（上端部）は、横送り部３２の上流側の端部（左端部）に接続されている。

　横送り部３２は、穀粒タンク４の内側壁４Ｗｉを貫通している。これにより、横送り部３２の下流側の端部（右端部）が穀粒タンク４の内部に配置される。横送り部３２には、ケーシング３３に覆われて穀粒を下流側に搬送するスクリュー部３４と、横送り部３２における下流側の端部に配置されて回転羽根３６の回転作用により穀粒タンク４の内部に穀粒を吐出する吐出部３５と、が備えられている。

　図４及び図５に示すように、回転羽根３６は、左右方向に沿う軸心周りに回転する。このため、回転羽根３６の回転作用によって吐出部３５から吐出される穀粒は、穀粒タンク４の内部における後方側に投擲される。図４に示す例では、吐出部３５は、斜め上方に向けて後方側に穀粒を吐出する。横送り部３２によって搬送される穀粒の一部は、測定装置Ｓによる測定対象となる。

〔測定装置〕
　図３～図５に示すように、測定装置Ｓは、穀粒タンク４の内部に配置されており、より詳細には、吐出部３５の周辺に配置されている。測定装置Ｓは、穀粒タンク４に搬送される穀粒の状態を測定する。測定装置Ｓには、穀粒タンク４に搬送される穀粒の流量を測定する流量測定装置Ｓ１と、水分やタンパクなどの穀粒成分を測定する食味測定装置Ｓ２と、が含まれる。

〔アンローダ〕
　図１及び図２に示すように、アンローダＡは、穀粒タンク４に貯留された穀粒を排出口Ａ３から排出する。アンローダＡには、穀粒タンク４の底スクリュー４Ｓによって穀粒タンク４の外部に搬送された穀粒を上方に縦送りする縦送りスクリューコンベアＡ１と、縦送りスクリューコンベアＡ１に接続されて当該縦送りスクリューコンベアＡ１によって搬送された穀粒を排出口Ａ３に横送りする横送りスクリューコンベアＡ２と、が備えられている。アンローダＡは、縦送りスクリューコンベアＡ１を中心とする上下軸心周りに旋回可能に構成されている。

　以上説明したコンバイン１００では、穀粒タンク４の内部のメンテナンスが定期的に行われる。前述したように、穀粒タンク４の内部には、穀粒を吐出する吐出部３５や穀粒の状態を測定する測定装置Ｓが備えられており、例えば、これらについてもメンテナンスの対象となる。以下、穀粒タンク４及びその周辺の構成について詳細に説明する。

〔穀粒タンク及びその周辺の構成〕
　図１及び図２に示すように、穀粒タンク４は、当該穀粒タンク４よりも後方側に設けられた上下軸心周りに、左右方向に回動可能に構成されている。これにより、穀粒タンク４は、脱穀装置２に隣接して当該脱穀装置２からの穀粒を受け取ることが可能な作業位置と、脱穀装置２から離間すると共に機体フレームＦからはみ出して当該脱穀装置２の右側方を開放するメンテナンス位置と、に位置変換可能に構成されている。穀粒タンク４がメンテナンス位置にある状態で、脱穀装置２やアンローダＡなど、穀粒タンク４の周辺機器のメンテナンスを好適に行うことができる。なお、以下では、特に断らない限り、穀粒タンク４が作業位置にある状態を主として説明する。

　図１に示すように、穀粒タンク４は、前後方向を長手方向とする箱状に形成されている。穀粒タンク４は、天板４Ｃと、天板４Ｃの縁から下方に延出する複数の側壁４Ｗと、を含んで構成されている。天板４Ｃと複数の側壁４Ｗとにより囲まれて、穀粒タンク４の内部空間が形成されている。

　天板４Ｃの後部には、後方側に向かって下方に傾斜する天板傾斜部４Ｃａ（図４参照）が形成されている。これにより、穀粒タンク４の後方側に配置されたアンローダＡが旋回する際に、当該アンローダＡと穀粒タンク４とが干渉することを抑制することができる。

　複数の側壁４Ｗには、穀粒タンク４の前方に配置される前側壁４Ｗｆと、左右方向において脱穀装置２とは反対側に配置される外側壁４Ｗｏと、外側壁４Ｗｏに対して左右方向において対向するように配置される内側壁４Ｗｉと、前側壁４Ｗｆに対して前後方向において対向するように配置される後側壁４Ｗｒと、が含まれる。

　前側壁４Ｗｆは、前後方向において運転部Ｄと隣接するように配置されている。内側壁４Ｗｉは、左右方向において脱穀装置２と隣接するように配置されている。後側壁４Ｗｒは、前後方向においてアンローダＡと隣接するように配置されている。外側壁４Ｗｏは、コンバイン１００の左右方向において最も外側に配置される外側部分の一部である。

　図３及び図６に示すように、穀粒タンク４には、下窄まり形状に形成され、貯留された穀粒を穀粒タンク４から排出する底スクリュー４Ｓが配置された下側タンク部４Ｌと、下側タンク部４Ｌの上側に設けられた上側タンク部４Ｕと、が備えられている。上側タンク部４Ｕは、天板４Ｃ及び複数の側壁４Ｗによって構成されている。

　図４～図６等に示すように、穀粒タンク４の複数の側壁４Ｗのうち、左右方向において脱穀装置２と反対側に位置する外側壁４Ｗｏに、外側壁４Ｗｏの前後方向における一部に開口された点検口４１と、当該点検口４１を開閉する扉４３と、が備えられている。

　点検口４１は、上下方向に沿う縦長形状に形成されている。これにより、穀粒タンク４の内部のメンテナンスが行われる際に、作業者が無理のない姿勢で穀粒タンク４に出入りすることが可能となる。本実施形態では、点検口４１は、上側タンク部４Ｕのうち外側壁４Ｗｏを構成する部分における上部から下部に亘って形成されている。

　図４及び図５に示すように、穀粒タンク４の内部には、脱穀装置２からの穀粒が吐出される吐出部３５が設けられている。吐出部３５は、穀粒タンク４の内部における前方領域に配置されている。前述したように、本実施形態では、吐出部３５は、回転羽根３６によって後方側に穀粒を投擲するように構成されている。そのため、このような吐出部３５が穀粒タンク４の内部における前方領域に配置されていることで、前方領域から後方側に向けて穀粒を投擲可能となり、穀粒タンク４の内部において満遍なく穀粒を貯留することが可能となる。但し、この構成に限らず、吐出部３５は、前後方向における中間の領域に配置されていても良い。

　図４に示すように、点検口４１は、側面視で吐出部３５と重複しない位置に配置されている。これにより、穀粒タンク４の内部のメンテナンスが行われる際に、作業者は、吐出部３５及びその周辺の測定装置Ｓ等が存在しない広い空間を利用して、穀粒タンク４の内部に入ることができる。本実施形態では、点検口４１は、外側壁４Ｗｏにおける後方領域に配置されている。但し、点検口４１は、側面視で吐出部３５と重複しない位置に配置されていれば良く、例えば、外側壁４Ｗｏにおける前方領域または中間領域に配置されていても良い。

　図４に示すように、扉４３は、点検口４１よりも大きく形成されている。また、図５及び図７等に示すように、扉４３は、内開き状に構成され、点検口４１の縁部４２に穀粒タンク４の内側から当接して点検口４１を塞ぐ。これにより、穀粒タンク４の内部に蓄積された穀粒によって穀粒タンク４の外側に向けて作用する圧力が高まった場合であっても、この圧力によって扉４３が脱落することを抑制することができる。

　本実施形態では、扉４３は、その後部がヒンジ部４３Ｅによって上下軸周りに揺動自在に支持された片開き式の開き戸として構成されている。これにより、点検口４１が外側壁４Ｗｏにおける後方領域に配置された構成において、扉４３を開いた際における穀粒タンク４の内部空間を広く確保可能となる。但し、この構成に限らず、扉４３は、その前部がヒンジ部４３Ｅによって支持された構成であっても良い。また、扉４３は、片開き式に限らず、両開き式の開き戸として構成されていても良い。

　図７に示すように、扉４３は、外側壁４Ｗｏの外面４Ｆに対して面一に配置される面部４３Ａと、穀粒タンク４の内側に向けて屈曲する屈曲部４３Ｂと、を有している。面部４３Ａは、扉４３の大部分を占めている。そのため、扉４３は、全体として、外側壁４Ｗｏの外面４Ｆに対して面一に配置されている。

　扉４３は、点検口４１の縁部４２に当接する当接部４３Ｃを有している。当接部４３Ｃは、屈曲部４３Ｂに連続して形成され、点検口４１の縁部４２と対向するように配置されている。これにより、当接部４３Ｃと縁部４２とが当接可能となっている。本実施形態では、扉４３の閉鎖状態において、当接部４３Ｃと縁部４２とは、シール部材９９を介して当接している。また、図７に示す例では、シール部材９９は、扉４３の閉鎖状態において、当接部４３Ｃを左右方向で挟み込むようにして一対設けられている。

　当接部４３Ｃは、縁部４２に対して穀粒タンク４の内側から当接している。本実施形態では、当接部４３Ｃは、扉４３の周縁の全周に亘って設けられ、縁部４２の全体に亘って当接している。

　図６及び図７に示すように、扉４３には、穀粒タンク４の内側に向けて窪む凹部４３Ｄが形成されている。凹部４３Ｄには、扉４３を開閉するためのハンドル４４が設けられている。本実施形態では、ハンドル４４は、レバー式に構成されている。但し、この構成に限らず、ハンドル４４は、スポーク式に構成されていても良い。

　図８に示すように、凹部４３Ｄは、内側に向かって窄まる内窄まり形状に形成されている。本実施形態では、凹部４３Ｄは、面部４３Ａと平行で、且つ、当該面部４３Ａよりも穀粒タンク４の内側に配置されたハンドル設置部４３Ｄａと、ハンドル設置部４３Ｄａの上下縁のそれぞれから傾斜して面部４３Ａに連結する傾斜部４３Ｄｂと、を有している。これにより、凹部４３Ｄは、穀粒タンク４の内側に向かって上下方向に窄まる内窄まり形状となっている。ハンドル設置部４３Ｄａには、ハンドル４４が貫通して設けられている。

　図９に示すように、扉４３における穀粒タンク４の内側の部分には、複数のリブ部４６が形成されている。これにより、穀粒タンク４の内部の圧力に対する扉４３の耐久性を向上させることができる。

　複数のリブ部４６は、上下方向に沿って形成される複数の縦リブ部４６Ａと、水平方向に沿って形成される複数の横リブ部４６Ｂと、を有して構成されている。図示の例では、縦リブ部４６Ａは扉４３の内側に４つ形成されており、横リブ部４６Ｂは扉４３の内側に２つ形成されている。

　複数の縦リブ部４６Ａのうちの一部（２つ）は、凹部４３Ｄを挟んだ位置に配置されている。本実施形態では、凹部４３Ｄを挟んだ位置に配置された一対の縦リブ部４６Ａが、凹部４３Ｄの一部を構成している。すなわち、図７及び図８に示すように、本実施形態では、凹部４３Ｄは、ハンドル設置部４３Ｄａと、ハンドル設置部４３Ｄａの上下縁のそれぞれに連続する一対の傾斜部４３Ｄｂと、ハンドル設置部４３Ｄａの側縁のそれぞれに連続する一対の縦リブ部４６Ａ（一対の縦リブ部４６Ａの一部）と、から構成されている。
図８に示すように、ハンドル設置部４３Ｄａ及び一対の傾斜部４３Ｄｂは、屈曲した一枚の板体として構成されており、これにより、上下方向に連続するように形成されている。そして、扉４３の内側に形成された一対の縦リブ部４６Ａによって、当該板体の側縁のそれぞれが覆われることにより、凹部４３Ｄが形成されている。

　図９に示すように、複数の横リブ部４６Ｂは、扉４３における上下の縁のそれぞれに配置されている。本実施形態では、複数の横リブ部４６Ｂのうち、扉４３の上縁に配置された横リブ部４６Ｂは、複数の縦リブ部４６Ａすべての上端部と連結している。また、複数の横リブ部４６Ｂのうち、扉４３の下縁に配置された横リブ部４６Ｂは、複数の縦リブ部４６Ａすべての下端部と連結している。換言すれば、一対の横リブ部４６Ｂは、複数の縦リブ部４６Ａを上下方向から挟み込むように配置されている。

　図７～図９に示すように、穀粒タンク４の内部には、閉鎖状態の扉４３をロックするロック機構５が備えられている。本実施形態では、扉４３を開閉するためのハンドル４４とロック機構５とが、連動するように構成されている。これにより、扉４３の外側からハンドル４４を介してロック機構５を操作することができる。

　ロック機構５は、扉４３の内側に設けられたロックバー５３と、外側壁４Ｗｏの内側に設けられてロックバー５３を固定する固定ステー５４と、を有している。ロックバー５３が固定ステー５４に固定されることにより、扉４３がロックされる。

　また、ロック機構５は、ハンドル設置部４３Ｄａを貫通するハンドル軸部４４Ａを回転自在に支持する軸受部５１と、ハンドル軸部４４Ａに連結すると共にロックバー５３と連結する連結部材５２と、を有している。本実施形態では、ハンドル軸部４４Ａ（ハンドル４４）と連結部材５２とは、ボルトによって固定されており、共に一体回転する。また、連結部材５２とロックバー５３とは、溶接によって固定されており、共に一体回転する。従って、ハンドル４４とロックバー５３とは、連結部材５２を介して、ハンドル軸部４４Ａの軸心周りに一体回転するように構成されている（図９参照）。

　図９に示すように、本実施形態では、ハンドル４４が水平姿勢の状態で、ロックバー５３が、水平方向に沿うロック姿勢となる。より詳細には、ハンドル４４が回転軸心から後方側に延びる水平姿勢の状態で、ロックバー５３が、回転軸心から水平方向に沿って前方側に延びるロック姿勢となる。

　また、ハンドル４４が鉛直姿勢の状態で、ロックバー５３が、鉛直方向に沿うロック解除姿勢となる。より詳細には、ハンドル４４が回転軸心から上方側に延びる鉛直姿勢の状態で、ロックバー５３が、回転軸心から鉛直方向に沿って下方側に延びるロック解除姿勢となる。

　図８及び図９に示すように、本実施形態では、固定ステー５４は、ロックバー５３よりも上方に配置されている。また、固定ステー５４は、左右方向に沿って形成された調整長孔５５を介してボルトにより固定されている（図８参照）。これにより、固定ステー５４の配置位置を左右方向に調整することができる。固定ステー５４は、外側壁４Ｗｏから穀粒タンク４の内側に距離を置いた位置において下方に突出する突起部５４Ａを有している。

　ロックバー５３がロック解除姿勢の状態で、扉４３が開放位置から閉鎖位置に揺動すると（図５の実線で示される位置が閉鎖位置であり、仮想線で示される位置が開放位置である）、当該ロックバー５３は、固定ステー５４の突起部５４Ａよりも外側壁４Ｗｏ側に配置される状態となる。この状態から、ハンドル４４を操作してロックバー５３をロック姿勢にすると、ロックバー５３は、外側壁４Ｗｏと固定ステー５４の突起部５４Ａとによって、左右方向の両側から挟まれる状態となる（図８参照）。これにより、ロックバー５３の揺動が規制され、扉４３は、開く方向への揺動が規制されたロック状態となる。

　なお、調整長孔５５によって固定ステー５４の配置位置を左右方向に調整することで、扉４３のロック状態の程度を調整することができる。例えば、固定ステー５４を右側（外側壁４Ｗｏ側）に寄せて配置することで、ロックバー５３と突起部５４Ａとを強く当接させることができ、扉４３の揺動がより強く抑制されたロック状態とすることができる。

　また、図８に示すように、固定ステー５４には、ロック解除姿勢からロック姿勢となるロックバー５３を案内するロックバー案内部５４Ｂが備えられている。これにより、扉４３をロックするための操作が容易となっている。本実施形態では、ロックバー案内部５４Ｂは、突起部５４Ａの一部に形成されており、突起部５４Ａの下端部から上方に向かって外側壁４Ｗｏ側に傾斜している。

　図８及び図９に示すように、穀粒タンク４の内部には、閉鎖状態の扉４３を支持する支持機構６が備えられている。支持機構６は、扉４３の内側に設けられた支持バー６１と、外側壁４Ｗｏの内側に設けられて支持バー６１を支持する支持ステー６２と、を有している。支持バー６１が支持ステー６２に支持されることにより、扉４３が支持される。

　支持バー６１は、凹部４３Ｄを構成する一対の縦リブ部４６Ａのそれぞれを前後方向に貫通して設けられている。本実施形態では、支持バー６１は、水平方向に沿う姿勢となるように、凹部４３Ｄを構成する一対の縦リブ部４６Ａのそれぞれを貫通している。

　支持ステー６２は、支持バー６１よりも下方に配置されている。また、支持ステー６２は、外側壁４Ｗｏから穀粒タンク４の内側に向かって突出する突起状に形成されている。本実施形態では、支持ステー６２は、支持バー６１を下方から支持可能に構成されている。

　扉４３が開放位置から閉鎖位置に揺動すると、支持バー６１は、平面視において支持ステー６２と重複する被支持位置に配置される状態となる。また、この状態において、支持バー６１は、支持ステー６２に対して上方から接触する。これにより、支持ステー６２が支持バー６１を下方から支持する状態となり、支持バー６１を介して、閉鎖状態の扉４３が支持される。

　なお、図８に示すように、支持ステー６２には、扉４３が開放位置から閉鎖位置に揺動する過程で、支持バー６１を被支持位置に案内する支持バー案内部６２Ａが備えられている。本実施形態では、支持バー案内部６２Ａは、支持ステー６２の一部に形成されており、支持ステー６２における穀粒タンク４の内側端部から外側壁４Ｗｏ側に向かって上方に傾斜している。これにより、例えば、自重により扉４３が下方に傾いている場合であっても、支持バー案内部６２Ａによって扉４３を一旦持ち上げることができ、閉鎖位置として適切な位置に扉４３を配置させることが可能となる。

　図７及び図９に示すように、穀粒タンク４の内部には、穀粒タンク４の内側に開いた扉４３が開き過ぎによって穀粒タンク４と干渉することを抑止する戸当たり機構７が備えられている。本実施形態では、戸当たり機構７は、穀粒タンク４の内部において上下の２箇所に備えられている。戸当たり機構７は、扉４３の開き過ぎを抑止するストッパ７１と、扉４３が開く限界位置においてストッパ７１と接触するストッパ受部７３と、を有している（図５も参照）。

　ストッパ７１は、外側壁４Ｗｏ側に設けられている。本実施形態では、ストッパ７１は、ストッパ支持部７２を介して外側壁４Ｗｏに設けられている。ストッパ７１におけるストッパ受部７３と接触する部分は、前方を向くように配置されている。ストッパ７１は、例えば、ゴム製であるなど、緩衝作用を有していると好適である。

　ストッパ受部７３は、扉４３側に設けられている。本実施形態では、ストッパ受部７３は、扉４３を揺動自在に支持するヒンジ部４３Ｅに設けられている。ストッパ受部７３は、ヒンジ部４３Ｅの上下軸心周りに回転自在に構成されており、扉４３と共に一体回転する。図７に示すように、本実施形態では、ストッパ受部７３は、板状に形成されており、扉４３の閉鎖状態において複数の縦リブ部４６Ａのうちの一部（本例では２つ）と当接している。より詳細には、ストッパ受部７３の一方の面が、２つの縦リブ部４６Ａと当接している。ストッパ受部７３の他方の面は、扉４３が開く限界位置においてストッパ７１と接触する（図５参照）。ストッパ受部７３が縦リブ部４６Ａと当接していることで、ストッパ７１との接触時におけるストッパ受部７３の耐久性を向上させることができる。

　図６等に示すように、外側壁４Ｗｏには、当該外側壁４Ｗｏに開口された監視窓４５と、当該監視窓４５を開閉する小扉４５Ａと、が備えられている。本実施形態では、小扉４５Ａは、透明または半透明に構成されている。これにより、小扉４５Ａにより監視窓４５が閉鎖された状態においても、当該監視窓４５から穀粒タンク４の内部を監視することができる。また、必要に応じて、小扉４５Ａを開放することにより、穀粒タンク４の内部のメンテナンスを行うこともできる。但し、本実施形態では、監視窓４５は、点検口４１に比べて小さく形成されており、監視窓４５を介しての穀粒タンク４への出入りは不可能に構成されている。これにより、外側壁４Ｗｏにおける開口部分（点検口４１や監視窓４５）が占める領域を必要以上に広げることを抑えることができるため、穀粒タンク４の耐久性の低下を抑止することができる。

　図６に示す例では、監視窓４５は、点検口４１の下部近傍に配置されている。これにより、穀粒タンク４の内部における点検口４１の下部近傍の状態を監視することが容易となる。例えば、点検口４１を閉鎖している状態の扉４３を開放する場合、貯留されている穀粒の詰まりなど、扉４３の開放の妨げとなる要因を当該扉４３の開放前に認知することが可能となる。また、そのような場合、監視窓４５を閉鎖する小扉４５Ａを開放することにより、詰まりを起こしている穀粒を排除するなど、扉４３の開放の妨げとなっている要因を排除することも可能となる。例えば、監視窓４５が配置される点検口４１の下部近傍は、コンバイン１００に乗車していない作業者（例えば圃場に立つ作業者）の目線の位置に配置されていると好適である。これによれば、作業者は、立った姿勢で、監視窓４５から穀粒タンク４の内部を監視することが可能となる。

　本実施形態では、小扉４５Ａは、上下方向にスライドするスライド式に構成されている。これにより、点検口４１に比べて開閉頻度が少なくなる監視窓４５において、簡素な開閉構造とすることができる。但し、このような構成に限らず、小扉４５Ａは、前後方向にスライドするように構成されていても良い。更には、小扉４５Ａは、常に閉鎖状態である開閉不可能な構成とされていても良い。この場合であっても、小扉４５Ａは、透明または半透明に構成されているため、監視窓４５を介して穀粒タンク４の内部を監視することが可能である。

　図６及び図１０に示すように、天板４Ｃには、当該天板４Ｃに開口された天井点検口４７と、当該天井点検口４７を開閉する蓋４７Ａと、が備えられている。天井点検口４７は、穀粒タンク４の内部に配置された吐出部３５の近傍に配置されている。これにより、天井点検口４７から、吐出部３５及びその周辺の測定装置Ｓ等のメンテナンスを行うことが容易となる。本実施形態では、天井点検口４７は、天板４Ｃにおける前方領域に配置されている。

　本実施形態では、蓋４７Ａは、その後部が蓋ヒンジ４７Ｂによって水平軸周りに揺動自在に支持された片開き式の開き戸として構成されている。また、蓋４７Ａは、透明または半透明に構成されている。これにより、蓋４７Ａにより天井点検口４７が閉鎖された状態においても、当該天井点検口４７から穀粒タンク４の内部を視認することが可能となる。

　天井点検口４７の後方側には、天井点検口４７を補強するための補強部材４８が設けられている。補強部材４８は、左右方向に沿うリブ状に形成されている。ここで、前述したように、本実施形態では、吐出部３５が、穀粒を斜め上方に向けて後方側に吐出するように構成されている。例えば、上記のような補強部材４８が天板４Ｃの内面に設けられている場合には、補強部材４８が天板４Ｃの内面から下方に突出する状態となる。この場合には、当該補強部材４８が、上方に向けて後方側に吐出される穀粒の妨げとなり、穀粒タンク４の後方領域において穀粒が貯留されにくくなる事態が生じる可能性がある。そこで、本実施形態では、補強部材４８は、天板４Ｃの外面に設けられている。これによれば、補強部材４８が、吐出される穀粒の妨げとなることがないため、穀粒タンク４の後方領域において穀粒が貯留されにくくなる事態の発生を抑制することができる。

　図６に示すように、下側タンク部４Ｌを保護する下側カバー８が、左右方向における下側タンク部４Ｌの外側に備えられている。下側カバー８の上部と下部とが、下側タンク部４Ｌと連結している。下側カバー８の上部は、後述する連結機構９により下側タンク部４Ｌに対して着脱自在に構成されている。そして、下側カバー８は、下側カバー８の上部が下側タンク部４Ｌから外れた状態で、下側タンク部４Ｌと連結する下側カバー８の下部を回転中心として揺動可能に構成されている。

　下側カバー８は、外側壁４Ｗｏに対して面一に配置される壁面部８Ａと、壁面部８Ａの下端部に連続して形成され、下方に向かって内側に傾斜する斜面部８Ｂと、を有している（図３も参照）。

　図１１及び図１２に示すように、下側カバー８には、下側タンク部４Ｌに対して連結及び連結解除が可能な連結機構９が備えられている。図６に示す例では、連結機構９は、前後方向に離間して一対備えられている。

　図１１及び図１２に示すように、連結機構９は、下側タンク部４Ｌに設けられたバー９７に係止することが可能な一対のフック９２及び係止片９３を有している。一対のフック９２及び係止片９３は、下側カバー８における壁面部８Ａの内側に設けられている。

　壁面部８Ａの外側には、取手部９１が設けられている。取手部９１は、一対のフック９２と連動するように構成されている。取手部９１が上方に揺動することで、一対のフック９２は下方に揺動する。一対のフック９２がバー９７に係止している状態から取手部９１を揺動させることで、一対のフック９２が下方に揺動してバー９７との係止が解除される。そして、下側カバー８の全体を左右方向における外側に揺動させることで、バー９７に係止していた状態の係止片９３も外れ、連結機構９による連結が解除される。

　このように、下側カバー８が揺動可能に構成されているため、壁面部８Ａと下側タンク部４Ｌとが連結している状態であっても、壁面部８Ａが外側壁４Ｗｏに対して揺動方向にずれて配置される可能性がある。このような場合には、壁面部８Ａと外側壁４Ｗｏとが面一とならない場合がある。

　そこで、本実施形態では、図１２に示すように、連結機構９が、下側カバー８の角度を調整可能に構成されている。

　図１１に示すように、連結機構９には、下側タンク部４Ｌの外面に設けられた角ばったＵ字状のブラケット９５と、ブラケット９５における前後方向の両端部のそれぞれに設けられた板状の連結部９６と、が備えられている。一対の連結部９６は、左右方向における外側に突出して設けられている。バー９７は、一対の連結部９６のそれぞれを前後方向に貫通して設けられている。そして、前述のように、バー９７に対して下側カバー８側に設けられた一対のフック９２及び係止片９３が係止することで、連結機構９が連結状態となる。

　ブラケット９５と連結部９６とは、これらを前後方向に一体的に貫通するボルト９８によって連結されている。連結部９６におけるボルト９８の貫通部分には、下側タンク部４Ｌの傾斜部分に対して垂直な方向に沿って延びる調整長孔９６Ａが形成されている。ボルト９８は、調整長孔９６Ａを前後方向に貫通することによって、連結部９６を貫通している。これにより、連結部９６は、調整長孔９６Ａが延びる方向に、ブラケット９５との連結位置を調整可能となっている。そのため、一対の連結部９６を貫通する状態で設けられるバー９７の配置位置も調整長孔９６Ａが延びる方向に調整可能であり、当該バー９７と壁面部８Ａ（詳細には一対のフック９２及び係止片９３）との連結位置も調整可能となる。従って、下側カバー８の全体の角度を調整することができ、壁面部８Ａと外側壁４Ｗｏとを面一に配置することが容易となっている。

〔実施形態１の別実施形態〕
　以下、実施形態１に係るコンバインの別実施形態について説明する。

〔１〕上記の実施形態では、扉４３が、点検口４１の縁部４２に穀粒タンク４の内側から当接している例について説明した。しかし、扉４３は、穀粒タンク４の外側から、点検口４１の縁部４２に当接していても良い。

〔２〕上記の実施形態では、扉４３は、点検口４１よりも大きく形成されている例について説明した。しかし、扉４３は、点検口４１の縁部４２とは当接しない態様で、点検口４１よりも小さく形成されていても良い。この場合には、点検口４１の縁部４２に、閉鎖位置にある扉４３に当接するように構成された戸受けが設けられ、扉４３の閉鎖状態において点検口４１と扉４３との大きさの差によって生じる隙間に、当該隙間を密閉するシール部材が設けられていると良い。

〔３〕上記の実施形態では、扉４３は、ヒンジ部４３Ｅによって支持された片開き式の開き戸として構成されている例について説明した。しかし、扉４３は、引き戸のようなスライド式に構成されていても良く、また、折れ戸やグライドスライドドアのようなリンク式に構成されていても良い。

〔４〕上記の実施形態では、扉４３は、縦長形状である例について説明した。例えば、図１３に示すように、扉４３の上縁は、穀粒タンク４の上面に形成された天板傾斜部４Ｃａと平行となるように傾斜していても良い。この構成によれば、扉４３が長方形状である場合に比べて、扉４３の大きさを確保し易くなる。

〔５〕上記の実施形態では、監視窓４５が、外側壁４Ｗｏに開口されている例について説明した。この監視窓４５は、外側壁４Ｗｏに複数開口されていても良い。例えば、図１４に示すように、監視窓４５は、外側壁において、上下方向に離間した位置に一対開口されていても良い。この場合にも、下方側の監視窓４５は、作業者の目線の高さに配置されていると好適である。

〔６〕上記の実施形態では、戸当たり機構７としてのストッパ７１が外側壁４Ｗｏ側に設けられ、ストッパ受部７３が扉４３側に設けられている例について説明した。しかし、これらが設けられる位置は、逆であっても良い。すなわち、ストッパ７１が扉４３側に設けられ、ストッパ受部７３が外側壁４Ｗｏ側に設けられていても良い。また、例えば、ストッパ７１は、扉４３の内側における揺動軸心から離れた箇所（例えばロック機構５の近傍）に設けられ、ストッパ受部７３は、後側壁４Ｗｒの内側に設けられていても良い。

〔７〕上記の実施形態では、扉４３が、ヒンジ部４３Ｅによって上下軸周りに揺動して開くように構成されている例について説明した。しかし、扉４３は、水平軸周りに揺動して、上下方向に開くように構成されていても良い。

〔８〕上記の実施形態では、点検口４１が、外側壁４Ｗｏの前後方向における一部に開口されている例について説明した。しかし、点検口４１は、外側壁４Ｗｏの前後方向における全部に開口されていても良い。この場合であっても、扉４３は、内開き状であって、点検口４１の縁部４２に穀粒タンク４の内側から当接して当該点検口４１を塞ぐように構成される。

〔９〕上記の実施形態では、点検口４１は、上下方向に沿う縦長形状に形成されている例について説明した。しかし、点検口４１は、正方形状に形成されていても良く、更には、前後方向に沿う横長状に形成されていても良い。

〔実施形態２〕
　以下、本発明の実施形態２を収穫機の一例であるコンバインに適用した場合について、図面に基づいて説明する。図１５は、実施形態２に係るコンバインの全体を示す側面図である。図１６は、実施形態２に係るコンバインの全体を示す平面図である。図１５，１６に示す［Ｆ］の方向が走行機体１０１の前方向、［Ｂ］の方向が走行機体１０１の後方向、図１６に示す［Ｌ］の方向が走行機体１０１の左方向、［Ｒ］の方向が走行機体１０１の右方向と定義する。

　図１５，１６に示すように、コンバインは、左右一対のクローラ走行装置１０２が装備された走行機体１０１を備えている。走行機体１０１の前部における右側部位に運転部１０３が形成されている。運転部１０３は、キャビン１０４によって覆われている。運転部１０３の下方に原動部（図示せず）が形成されている。原動部にエンジン（図示せず）が設けられている。走行機体１０１の後部に脱穀装置１０６、及び、貯留部としての脱穀物タンク１０７が設けられている。脱穀装置１０６と脱穀物タンク１０７とは、脱穀物タンク１０７が運転部１０３の後側に位置する状態で走行機体１０１の横幅方向に並んでいる。脱穀装置１０６の後部に排ワラ細断装置１０８が装備されている。走行機体１０１の前部における脱穀装置側の部位から刈取り搬送装置１０９が前方向きに延出されている。刈取り搬送装置１０９には、走行機体１０１から前方へ上下揺動操作可能に延出している搬送部１１０、及び、刈取部１１１が備えられている。刈取部１１１の後部は搬送部１１０の前端部に連結されている。刈取部１１１は、搬送部１１０が揺動操作されることによって、下降作業状態と上昇非作業状態とにわたって昇降操作される。

　コンバインにおいては、刈取部１１１を下降作業状態に下降させ、この状態で走行機体１０１を走行させることにより、作物としての稲、麦、大豆などの収穫作業を行なえる。すなわち、刈取部１１１において、圃場の植立穀稈のうち、走行機体の前方に位置する植立穀稈の穂先側が回転リール１１２によって後方に掻き込まれつつ、植立穀稈の株元側が刈取装置１１３によって切断されて、作物としての植立穀稈の刈取りが行われる。そして、刈取り穀稈の株元から穂先までの全体がオーガ１１４及び搬送部１１０によって後方へ搬送されて脱穀装置１０６に供給される。脱穀装置１０６において、刈取り穀稈が脱穀処理され、脱穀処理によって得られた脱穀粒を塵埃と選別する選別処理が行われる。脱穀排ワラが排ワラ細断装置１０８によって細断処理される。細断ワラは、排ワラ細断装置１０８の下部に備えられた排出口カバー１０８ａによって案内されて走行機体１０１の後方へ排出される。選別処理後の脱穀粒が揚穀装置１１７によって脱穀物タンク１０７に供給されて貯留される。脱穀物タンク１０７に貯留された脱穀粒は、脱穀物排出装置１１６によって脱穀物タンク１０７から取出すことができる。

〔脱穀装置１０６の構成〕
　図１７に示すように、脱穀装置１０６は、脱穀機体１２０を備えている。脱穀機体１２０の上部に脱穀部１０６Ａが形成され、脱穀機体１２０の下部に選別部１０６Ｂが形成されている。脱穀機体１２０の後部に点検口１５０が開口されている。

　図１７に示すように、脱穀部１０６Ａにおいては、搬送部１１０によって扱室１２１の前端部に供給された刈取穀稈が扱胴１２２のうちの掻込み部１２２ａによって扱胴１２２の後方に向けて掻き込まれ、扱胴１２２のうちの扱き処理部１２２ｂに供給される。扱き処理部１２２ｂに供給された穀稈が扱歯１２３及び受網１２４によって脱穀処理される。扱き処理部１２２ｂによって回動力を付与された脱穀処理物が天板１２５に支持されている送塵弁１２５ａに当接し、扱室１２１の後方に向けて流動するように送塵弁１２５ａによって案内され、脱穀処理物が扱室１２１の後方に向けて移送されつつ脱穀処理される。脱穀処理によって得られた脱穀粒が受網１２４の処理物漏下穴を通って選別部１０６Ｂに落下する。脱穀処理によって発生した脱穀塵埃としてのわら屑が扱室１２１の後部に位置する排塵口１２６から扱室１２１の後方へ排出される。扱室１２１から排出された脱穀塵埃は、点検口１５０に兼用の排出口１２７から排ワラ細断装置１０８に流入する。

　選別部１０６Ｂは、選別室１３０を備えている。選別室１３０は、脱穀機体１２０の左右の側壁部等によって脱穀機体１２０の内部に形成されている。選別室１３０に選別枠１３１が設けられている。選別枠１３１は、選別枠１３１の前部に作用する支持部１３２、及び、選別枠１３１の後部に連結された駆動機構１３３によって揺動可能に支持され、かつ、駆動機構１３３によって揺動駆動される。選別枠１３１の内部に、グレンパン１３４ａ、篩い線部１３４、第１のチャフシーブ１３５、グレンシーブ１３６及び第２のチャフシーブ１３７が支持されている。選別枠１３１の前下方に唐箕１３８が設けられている。唐箕１３８によって選別風が選別室１３０の後方に向けて供給される。受網１２４から漏下した脱穀処理物がグレンパン１３４ａ、篩い線部１３４、第１のチャフシーブ１３５、グレンシーブ１３６及び第２のチャフシーブ１３７によって揺すられて、かつ、唐箕１３８からの選別風を受けて穀粒とワラ屑などの塵埃とに選別される。

　選別枠１３１の下方に１番回収部１３９及び２番回収部１４０が設けられている。本実施形態では、１番回収部１３９及び２番回収部１４０は、スクリューコンベヤによって構成されている。選別枠１３１の第１のチャフシーブ１３５及びグレンシーブ１３６等によって選別された１番処理物としての精粒が１番回収部１３９に落下して回収され、１番回収部１３９によって脱穀機体１２０の外部へ排出される。排出された精粒は、揚穀装置１１７に受け継がれ、揚穀装置１１７によって脱穀物タンク１０７へ搬送される。選別枠１３１の第２のチャフシーブ１３７等によって選別された２番処理物としての未処理粒が２番回収部１４０に落下して回収され、２番回収部１４０によって脱穀機体１２０の外部へ排出される。排出された未処理粒は、還元装置１４１に受け継がれ、還元装置１４１によって選別室１３０の前部に搬送されて選別枠内の前部に還元される。選別枠１３１において選別されたワラ屑などの選別塵埃は、排出口１２７から排出され、排ワラ細断装置１０８に流入する。

〔第１のチャフシーブ１３５の開度調節〕
　図１９，２０に示すように、第１のチャフシーブ１３５は、選別枠１３１の前後方向に間隔を空けて並ぶ複数のチャフプレート１３５ａによって構成されている。チャフプレート１３５ａどうしの間の隙間が処理物漏下穴になる。

　各チャフプレート１３５ａの上端部が支点軸１４３を介して選別枠１３１の支持部１３１ａに支持され、各チャフプレート１３５ａは、支点軸１４３を揺動支点にして前後揺動可能な状態で選別枠１３１に支持されている。各チャフプレート１３５ａの下端部が連動リンク１４４に連結されている。チャフプレート１３５ａと連動リンク１４４とは、連結ピン１４４ａを介して相対回転可能に連結されている。複数のチャフプレート１３５ａは、連動リンク１４４によって連動連結され、選別枠１３１に対して同じ揺動方向に連動して揺動可能になっている。

　選別枠１３１の右横外側（脱穀物タンク側）に開度調節部１４５が設けられている。開度調節部１４５は、支点軸１４６を介して選別枠１３１に支持され、支点軸１４６を揺動支点にして前後方向に揺動操作可能になっている。開度調節部１４５の支点軸１４６と、チャフプレート１３５ａの支点軸１４３とは、同一の支点軸によって構成されている。開度調節部１４５の遊端側と連動リンク１４４が連動軸１４７によって連動連結されている。連動軸１４７は、選別枠１３１に形成された長穴形の貫通穴１４８を通っている。

　開度調節部１４５が揺動操作されると、開度調節部１４５の揺動力が連動軸１４７によって連動リンク１４４に伝達されて連動リンク１４４が前後方向に移動する。連動リンク１４４が前後方向に移動すると、複数のチャフプレート１３５ａが支点軸１４３を揺動支点にして前後方向に揺動し、チャフプレート１３５ａどうしの隙間の広さが変化する。すなわち、処理物漏下穴の開度が変化する。

　図２０，２３に示すように、開度調節部１４５に操作ケーブル１４９を介して遠隔操作装置１６０が連動連結されている。図１８，２０に示すように、遠隔操作装置１６０は、脱穀物タンク１０７の後方に設けられている。操作ケーブル１４９は、開度調節部１４５から選別室１３０を通って脱穀機体１２０の後部に至り、脱穀機体１２０の後部に開口されている点検口１５０から脱穀機体１２０の外部に出て遠隔操作装置１６０に至っている。

　図１５，１６，１８に示すように、脱穀物排出装置１１６には、縦排出装置１１６ａと、横排出装置１１６ｂとが備えられている。縦排出装置１１６ａは、脱穀物タンク１０７の後側に走行機体１０１の上下方向に延びる状態で設けられている。横排出装置１１６ｂは、縦排出装置１１６ａの上端部から延出されている。図１８，２３に示すように、縦排出装置１１６ａの横側方において、支柱１５１が機体フレーム１０１ａに立設されている。支柱１５１から支持アーム１５２が縦排出装置１１６ａに向けて延出されている。縦排出装置１１６ａを包持する包持部材１５３が支持アーム１５２の延出端部に支持されている。縦排出装置１１６ａが包持部材１５３及び支持アーム１５２を介して支柱１５１に支持されている。図１８，２３に示す１５４は、脱穀装置１０６と支柱１５１とに連結され、支柱１５１を補強する補強部材である。補強部材１５４と支柱１５１とは、連結部材１５１ａを介して連結されている。補強部材１５４の端部が連結部材１５２ａを介して支持アーム１５２に連結されている。図１８に示す１５５は、電動モータであり、縦排出装置１１６ａのギヤ１１６ｃを回転操作して、脱穀物排出装置１１６を旋回操作する。

　図１８，２３に示すように、遠隔操作装置１６０は、支柱１５１に支持されている。遠隔操作装置１６０は、縦排出装置１１６ａを支持するべく高い剛性を具備する支柱１５１によってしっかり支持される。本実施形態では、遠隔操作装置１６０は、支柱１５１の後側に位置する状態で支柱１５１に支持されているが、支柱１５１の横側や前側で支持する構成を採用してもよい。

　図２１，２２に示すように、遠隔操作装置１６０は、操作ケース１６１を備えている。操作ケース１６１は、ケース本体１６１ａ及び蓋ケース１６１ｂを備えている。蓋ケース１６１ｂは、ケース本体１６１ａに連結ボルト１６３によって脱着可能に支持されており、脱着によって開閉できる。遠隔操作装置１６０の支柱１５１への支持は、操作ケース１６１が２本の取付けボルト１６２によって支柱１５１の支持部１５１ｂに連結されることによって行なわれている。２本の取付けボルト１６２は、操作ケース１６１の外部から蓋ケース１６１ｂの貫通穴を通って操作ケース１６１の内部に入り、ケース本体１６１ａの底部を支持部１５１ｂに締め付けることにより、操作ケース１６１を支持部１５１ｂに支持している。取付けボルト１６２の端部にハンドル１６２ａが相対回転不能に備えられている。ハンドル１６２ａは、操作ケース１６１の外部に位置している。ハンドル１６２ａを回転操作することにより、取付けボルト１６２を支持部１５１ｂから取り外して、操作ケース１６１を蓋ケース１６１ｂが閉じられたままの状態で支柱１５１から取外することができ、遠隔操作装置１６０の全体を支柱１５１から取り外すことができる。

　図２１，２２に示すように、ケース本体１６１ａの内部に、電動モータ１６４及び操作アーム１６５が支持されている。電動モータ１６４と操作アーム１６５とは、減速伝動機構１６６及び連動ギヤ１６７を介して連動連結されている。すなわち、電動モータ１６４の出力軸に減速伝動機構１６６の入力部が連動連結され、減速伝動機構１６６の出力ギヤ１６６ａに連動ギヤ１６７が噛み合っている。連動ギヤ１６７は、操作アーム１６５の回転支軸１６５ａに相対回転不能に支持されている。操作アーム１６５に操作ケーブル１４９のインナーケーブル１４９ａが連結されている。図２２に示す１６０ａは、操作アーム１６５の揺動角を検出するセンサーである。

　遠隔操作装置１６０においては、電動モータ１６４の動力が減速伝動機構１６６によって減速されて連動ギヤ１６７に伝達されて、連動ギヤ１６７が回転支軸１６５ａを回動支点にして回転操作される。連動ギヤ１６７が回転操作されると、操作アーム１６５が連動ギヤ１６７の動力によって回転支軸１６５ａを揺動支点にして揺動操作されてインナーケーブル１４９ａを引張り操作したり、弛め操作したりする。インナーケーブル１４９ａが引っ張り操作されると、開度調節部１４５がインナーケーブル１４９ａの引張力によってリターンスプリング１６８（図２０，２３参照）に抗して揺動操作される。インナーケーブル１４９ａが緩み操作されると、開度調節部１４５がリターンスプリング１６８の引張り力によって揺動操作される。

　つまり、運転部１０３に設けられたチャフ操作スイッチ１６９（図１５参照）を操作することにより、チャフ操作スイッチ１６９からの情報を基に制御装置（図示せず）が作動し、電動モータ１６４が制御装置によって制御される。これにより、遠隔操作装置１６０を作動させる。遠隔操作装置１６０は、操作ケーブル１４９を介して遠隔操作を行い、開度調節部１４５を揺動操作させることができ、第１のチャフシーブ１３５の処理物漏下穴の開度調節を行う。なお、開度調節部１４５は、遠隔操作装置１６０から供給される電力によって動作する。

　第１のチャフシーブ１３５、第２のチャフシーブ１３７、グレンシーブ１３６などを清掃及び点検するなどの作業を行なう場合、排ワラ細断装置１０８の回転カッター１０８ｂ及び排出口カバー１０８ａを外して点検口１５０の後方を開放する。選別枠１３１を支持部１３２及び駆動機構１３３との連結を解除した状態にすることにより、選別枠１３１を点検口１５０から脱穀機体１２０の外部へ取出すことができる（図１７参照）。この場合、取付けボルト１６２を取り外すことにより、遠隔操作装置１６０を操作ケーブル１４９が連結したままの状態にして選別枠１３１と共に取り外すことができる。このとき、脱穀物タンク１０７及び遠隔操作装置１６０を後側から覆う揺動開閉可能の外装カバー１７０を開け、遠隔操作装置１６０の後方を開放する（図１８，２３参照）。遠隔操作装置１６０と操作ケーブル１４９とを連結したままにできるので、選別枠１３１を点検口１５０から選別室１３０に入れ戻した後において、遠隔操作装置１６０と操作ケーブル１４９との連動調整を行なう必要がない。

　図１８，２３に示すように、走行機体１０１の後部において、脱穀装置１０６と脱穀物タンク１０７の間にエンジン用の燃料タンク１０５が設けられている。燃料タンク１０５の脱穀物タンク１０７側の横側部は、脱穀物タンク１０７の下細り形状となっている底部１０７ａの下方に入り込んでいる。遠隔操作装置１６０は、燃料タンク１０５の後方に配置されている。尚、図２３においては、燃料タンク１０５を分かりやすくするために破線で示している。

〔実施形態２の別実施形態〕
（１）上記した実施形態では、遠隔操作装置１６０を支柱１５１から取り外して選別枠１３１を取出す形態を採用しているが、遠隔操作装置１６０と操作ケーブル１４９との連結を解除して選別枠１３１を取出す形態を採用してもよい。

（２）上記した実施形態では、脱穀物の貯留部として脱穀物タンク１０７が採用された例を示したが、袋詰めタンクが備えられた貯留部を採用してもよい。

（３）上記した実施形態では、遠隔操作装置１６０が縦排出装置１１６ａの支柱１５１に支持される例を示したが、専用の支持部材に支持する構成を採用してもよい。

（４）上記した実施形態では、遠隔操作装置１６０が支柱１５１の後側に位置する状態で支柱１５１に支持される例を示したが、支柱１５１の横側や前側に位置する構成を採用してもよい。

（５）上記した実施形態では、第２のチャフシーブ１３７は、選別枠１３１の左横外側に設けられ、第１のチャフシーブ１３５の開度調節部１４５と同じ構成を有した開度調節部を備え、この開度調節部を人為操作することによって開度調節するよう構成されている。第２のチャフシーブ１３７においても、第１のチャフシーブ１３５と同様の遠隔操作装置によって開度調節するよう構成して実施してもよい。

〔実施形態３〕
　以下、本発明の実施形態３を収穫機の一例であるコンバインに適用した場合について、図面に基づいて説明する。図２４は、実施形態３に係るコンバインの全体を示す左側面図である。図２５は、実施形態３に係るコンバインの全体を示す平面図である。図２４，２５に示す［Ｆ］の方向が走行機体２０１の前方向、［Ｂ］の方向が走行機体２０１の後方向、図２５に示す［Ｌ］の方向が走行機体２０１の左方向、［Ｒ］の方向が走行機体２０１の右方向と定義する。

　図２４，２５に示すように、コンバインは、左右一対のクローラ走行装置２０２が装備された走行機体２０１を備えている。走行機体２０１の前部における右側部位に運転部２０３が形成されている。運転部２０３に運転座席２０４が設けられている。運転部２０３は、キャビン２０５によって覆われている。走行機体２０１の後部に脱穀装置２０６、及び、脱穀物タンク２０７が設けられている。脱穀装置２０６と脱穀物タンク２０７とは、脱穀物タンク２０７が運転部２０３の後側に位置する状態で走行機体２０１の横幅方向に並んでいる。脱穀装置２０６の後部に排ワラ細断装置２０８が装備されている。走行機体２０１の前部における脱穀装置側の部位から刈取り搬送装置２０９が前方向きに延出されている。刈取り搬送装置２０９には、走行機体２０１から前方へ上下揺動操作可能に延出された搬送部２１０、及び、走行機体２０１の前方に設けられる刈取部２１１を備えている。刈取部２１１の後部は、搬送部２１０の前端部に連結されている。刈取部２１１は、搬送部２１０が昇降シリンダ２１２の伸縮によって揺動操作されることによって、下降作業状態と上昇非作業状態とにわたって昇降操作される。

　コンバインにおいては、刈取部２１１を下降作業状態に下降させ、この状態で走行機体２０１を走行させることにより、作物としての稲、麦、大豆などの収穫作業を行なえる。すなわち、刈取部２１１において、圃場の植立穀稈のうち、走行機体の前方に位置する植立穀稈の穂先側が回転リール２１３によって後方に掻き込まれつつ、植立穀稈の株元側が刈取装置２１４によって切断されて、作物としての植立穀稈の刈取りが行われる。そして、刈取り穀稈の株元から穂先までの全体がオーガ２１５によって搬送部２１０へ搬送される。搬送部２１０へ搬送された刈取穀稈が搬送部２１０によって後方へ搬送されて脱穀装置２０６に供給される。脱穀装置２０６において、刈取り穀稈が扱胴２０６ａによって脱穀処理され、脱穀処理によって得られた脱穀粒を塵埃と選別する選別処理が行われる。脱穀排ワラが排ワラ細断装置２０８によって細断処理される。細断ワラは、排ワラ細断装置２０８の下部に備えられた排出口カバー２０８ａによって案内されて走行機体２０１の後方へ排出される。選別処理後の脱穀粒が揚穀装置２１６によって脱穀物タンク２０７に供給されて貯留される。脱穀物タンク２０７に貯留された脱穀粒は、脱穀物排出装置２１７によって脱穀物タンク２０７から取出すことができる。

　図２４，２５に示すように、脱穀装置２０６の前方において、梯子２１８が機体フレーム２０１ａに立設されている。梯子２１８を利用して脱穀装置２０６の上にあがることが可能になっている。梯子２１８の支柱部は、脱穀装置２０６を走行機体横外側から覆う外装カバー２１９の前端縁の傾斜に沿って傾斜している。梯子２１８の上端は、外装カバー２１９の上端と同じ又はほぼ同じ高さ位置に位置している。梯子２１８から支持部材２２０が延出され、支持部材２２０の延出端部にバックミラー２２１が支持されている。支持部材２２０は、梯子２１８に揺動操作可能に支持されている。梯子２１８を使用するとき、支持部材２２０を揺動操作することにより、支持部材２２０及びバックミラー２２１を梯子２１８から離すことができる。梯子２１８の上部と支柱部材２２２とが補強部材２２３によって連結されている。支柱部材２２２は、脱穀装置２０６の前側に設けられ、脱穀物排出装置２１７のうちの横コンベヤ部２１７ａを格納姿勢で支持するように構成されている。梯子２１８は、横コンベヤ部２１７ａを支持するべく高い剛性を有する支柱部材２２２によって補強部材２２３を介して支持され、揺れ動き難いようにしっかり支持される。これにより、バックミラー２２１の揺れ動きが生じにくい。

〔動力伝達構造について〕
　運転座席２０４の下方にエンジン２２５（図２６参照）が設けられている。エンジン２２５は、出力軸２２５ａ（図２６参照）が走行機体２０１の横幅方向に延びる搭載姿勢で走行機体２０１の右横側部に設けられている。エンジン２２５の動力が図２６に示す動力伝達構造によってクローラ走行装置２０２、脱穀装置２０６における扱胴２０６ａ及び選別部２０６ｂなどに伝達される。

　図２６に示すように、エンジン２２５の出力軸２２５ａの動力がベルト伝達機構２２６を介して走行ミッション２２７に入力され、走行ミッション２２７から左右のクローラ走行装置２０２の駆動輪体２０２ａに出力される。走行ミッション２２７においては、エンジン２２５からの動力が静油圧式無段変速部２２７ａに入力され、静油圧式無段変速部２２７ａによって変速された動力が副変速部（図示せず）を介して分配ミッション（図示せず）に伝達され、分配ミッションから左右の駆動輪体２０２ａに出力される。

　エンジン２２５の出力軸２２５ａの動力がベルト伝達機構２２８を介して脱穀物タンク２０７の底スクリュー２２９に伝達され、底スクリュー２２９から脱穀物排出装置２１７の縦コンベヤ部２１７ｂ及び横コンベヤ部２１７ａに伝達される。

　エンジン２２５の出力軸２２５ａの動力がベルト伝達機構２３０ａを介して選別部２０６ｂにおける唐箕２３１の回転支軸２３１ａに伝達され、回転支軸２３１ａからベルト伝達機構２３０ｂを介して扱胴変速装置２３２の入力軸２３２ａに伝達される。扱胴変速装置２３２の出力軸２３２ｂの動力がベルト伝達機構２３３を介して扱胴駆動部２３４の入力軸２３４ａに伝達される。扱胴変速装置２３２には、入力軸２３２ａの回転速度を変速して出力軸２３２ｂに伝達するギヤ変速機構２３５が内装されている。図２７，２８，２９に示すように、扱胴変速装置２３２の前端部に、変速操作部２３２ｃが前方に向けて突出する状態で備えられている。扱胴変速装置２３２においては、変速操作部２３２ｃを操作することにより、シフトギヤ２３５ａがスライドして３つの伝動ギヤ２３５ｂ，２３５ｃ，２３５ｄに掛けかわり、高、中、低速の３段階の変速状態に切り換わって出力軸２３２ｂの回転速度が変更される。扱胴駆動部２３４によって駆動される扱胴２０６ａの回転速度を扱胴変速装置２３２によって３段階に変更できる。

　扱胴変速装置２３２の入力軸２３２ａの動力がベルト伝達機構２３６を介して選別部２０６ｂの１番スクリューコンベヤ２３７及び２番スクリューコンベヤ２３８に伝達される。１番スクリューコンベヤ２３７の動力が揚穀装置２１６のバケットコンベヤ部２１６ａ及びスクリューコンベヤ部２１６ｂに伝達される。ベルト伝達機構２３６の動力がカウンター軸２３９及びベルト伝達機構２４０を介して選別部２０６ｂの揺動選別装置２４１に伝達される。２番スクリューコンベヤ２３８の動力がチェーン伝達機構２６３を介して還元装置２６４に伝達される。還元装置２６４は、２番スクリューコンベヤ２３８からの未処理粒を揺動選別装置２４１に還元するものである。唐箕２３１の回転支軸２３１ａの動力がベルト伝達機構２４２、カウンター軸２４３及びベルト伝達機構２４４を介して排ワラ細断装置２０８の回転刃２０８ｂに伝達される。１番スクリューコンベヤ２３７、２番スクリューコンベヤ２３８、揺動選別装置２４１及び回転刃２０８ｂは、扱胴変速装置２３２による扱胴２０６ａの変速にかかわらず、一定の回転速度で駆動される。

　扱胴変速装置２３２の入力軸２３２ａと、搬送部２１０の駆動軸２１０ａにおける一端側部分とにわたって正回転伝達のベルト伝達機構２４５が設けられている。扱胴駆動部２３４の逆転出力軸２３４ｂと駆動軸２１０ａの他端側部分とにわたって逆回転伝達のベルト伝達機構２４６が設けられている。逆転出力軸２３４ｂは、ベベルギヤ機構２３４ｃを介し入力軸２３４ａに連動連結され、入力軸２３４ａの回転方向とは逆の回転方向に駆動される。

　正回転伝達のベルト伝達機構２４５が張り側に操作されて伝達入り状態に切り換えられ、逆回転伝達のベルト伝達機構２４６が緩み側に操作されて伝達切り状態に切り換えられることにより、入力軸２３２ａの動力が正回転伝達のベルト伝達機構２４５を介して駆動軸２１０ａに伝達され、搬送部２１０が搬送方向に駆動される。このとき、搬送部２１０は、扱胴変速装置２３２による扱胴２０６ａの変速にかかわらず、一定の回転速度で駆動される。正回転伝達のベルト伝達機構２４５が緩み側に操作されて伝達切り状態に切り換えられ、逆回転伝達のベルト伝達機構２４６が張り側に操作されて伝達入り状態に切り換えられることにより、出力軸２３２ｂの動力がベベルギヤ機構２３４ｃ、逆転出力軸２３４ｂ及び逆回転伝達のベルト伝達機構２４６を介して駆動軸２１０ａに伝達され、搬送部２１０が搬送回転方向とは逆回転方向に駆動される。

　搬送部２１０の駆動軸２１０ａの動力がチェーン伝達機構２４７を介して、刈取部２１１の背後に位置する刈取部２１１の入力軸２１１ａに伝達される。図２６に示す２４８は、運転部空調の冷媒に作用するコンプレッサーである。

　図２７，２８，２９に示すように、扱胴変速装置２３２は、脱穀装置２０６の前方かつ搬送部２１０の下方の箇所において、機体フレーム２０１ａよりも高い位置に設けられている。扱胴変速装置２３２は、脱穀装置２０６のうちの唐箕２３１の前方に設けられている。扱胴変速装置２３２と機体フレーム２０１ａとの間に台部材２４９が介装されており、扱胴変速装置２３２が機体フレーム２０１ａより高い位置に位置している。

　扱胴変速装置２３２は、走行機体２０１の左側の横側部に配置され、走行機体２０１の両横側部のうち、エンジン２２５が位置する側と反対側の横側部に位置している。本実施形態では、扱胴変速装置２３２は、左側の横側部に配置されているが、エンジン２２５が左側の横側部に設けられる場合、右側の横側部に配置するとよい。扱胴変速装置２３２の変速操作部２３２ｃは、扱胴変速装置２３２の前部において、前方に向けて突出されている。本実施形態では、変速操作部２３２ｃは、上下揺動操作可能に設けられているが、左右揺動可能な変速操作部、あるいは、上下方向又は左右方向にスライド操作可能な変速操作部を採用してもよい。

　図２４に示すように、脱穀装置２０６を走行機体横外側から覆う外装カバー２１９は、５つの分割外装カバー２５０によって構成されている。各分割外装カバー２５０は、脱穀装置２０６の横側壁部に設けられた支持部（図示せず）に脱着可能に支持され、脱穀装置２０６を開放する開き状態と、脱穀装置２０６を覆う閉じ状態とに脱着によって切換え可能になっている。図２７，２８，２９に示すように、５つの分割外装カバー２５０のうち、外装カバー２１９の前下部を構成する分割外装カバー２５０ａの前端部に、走行機体横内側に向かって延びる前横向きカバー部２５１が備えられている。

　図２９に実線で示すように、分割外装カバー２５０ａを閉じ状態にすると、扱胴変速装置２３２が分割外装カバー２５０ａによって走行機体横外側から覆われ、かつ、変速操作部２３２ｃが前横向きカバー部２５１によって前側から覆われる。扱胴変速装置２３２及び変速操作部２３２ｃを分割外装カバー２５０ａ及び前横向きカバー部２５１によって保護できる。

　扱胴２０６ａの変速を行なう場合、図２９に二点鎖線で示すように、分割外装カバー２５０ａを開き状態にすることにより、扱胴変速装置２３２の分割外装カバー２５０ａによる覆いが解除され、かつ、変速操作部２３２ｃの前横向きカバー部２５１による覆いが解除され、扱胴変速装置２３２及び変速操作部２３２ｃが走行機体横外側に向けて、かつ、走行機体前方に向けて開放される。さらに、搬送部２１０が扱胴変速装置２３２よりも上側に位置し、脱穀装置２０６が扱胴変速装置２３２よりも後側に位置し、機体フレーム２０１ａが扱胴変速装置２３２よりも下側に位置しており、搬送部２１０、脱穀装置２０６及び機体フレーム２０１ａが変速操作の障害になりにくく、扱胴変速装置２３２を走行機体横外側から変速操作しやすい。

　図２７，２９に示すように、扱胴変速装置２３２は、入力軸２３２ａが出力軸２３２ｂより上方に位置するよう構成されている。入力軸２３２ａに相対回転不能に支持され、唐箕２３１からの動力を入力する入力プーリ２５２は、出力軸２３２ｂに相対回転不能に支持され、扱胴駆動部２３４へ出力する出力プーリ２５３の外径より大きい外径を備えている。搬送部２１０は、駆動軸２１０ａが扱胴変速装置２３２の上方に位置するよう構成されている。扱胴駆動部２３４は、扱胴変速装置２３２の上方に位置する配置で脱穀装置２０６の前部に支持されている。図２７，２８，２９に示すように、出力軸２３２ｂと扱胴駆動部２３４とを連係する伝動系としての扱胴用のベルト伝達機構２３３は、入力軸２３２ａと駆動軸２１０ａと連係する伝動系としての搬送部用のベルト伝達機構２４５よりも走行機体横外側に配置されている。ベルト伝達機構２３３のベルト交換は、ベルト伝達機構２４５のベルト交換よりも走行機体横外側から行ないやすい。

〔唐箕２３１の風量調節〕
　図３０に示すように、唐箕２３１の両横側の吸気口２３１ｂの外側に開度調節部材２５５が設けられている。左右の開度調節部材２５５に連動ロッド２５６の両端側のアーム部２５６ａが連結され、左右の開度調節部材２５５は、連動ロッド２５６によって連動連結されている。連動ロッド２５６のうち、脱穀装置２０６の横幅方向に延びる支点軸部２５６ｂがブラケット２５７に相対回動可能に支持されている。ブラケット２５７は、脱穀装置２０６の前部に支持されている。左右の開度調節部材２５５は、連動ロッド２５６を介して支持作用するブラケット２５７、及び、開度調節部材２５５の長穴２５５ａに係入している支持ピン２５８によって支持され、支点軸部２５６ｂの軸芯Ｐを揺動支点にして、かつ、長穴２５５ａをガイドにして揺動可能になっている。連動ロッド２５６の支点軸部２５６ｂから延出された操作アーム２５９と、電動モータ２６０とがリンク機構２６１を介して連動連結されている。電動モータ２６０が駆動されると、操作アーム２５９がリンク機構２６１を介しての電動モータ２６０の操作によって揺動操作される。
　操作アーム２５９が揺動操作されると、左右のアーム部２５６ａが軸芯Ｐを揺動支点にして揺動操作され、左右の開度調節部材２５５がアーム部２５６ａによって揺動操作される。開度調節部材２５５が揺動操作されると、吸気口２３１ｂのうちの開度調節部材２５５によって閉じられる部分の面積が変化し、吸気口２３１ｂの開度が変化する。

　電動モータ２６０による左右の開度調節部材２５５の揺動操作により、左右の吸気口２３１ｂの開度調節が行われて唐箕２３１の吸気量が調節され、唐箕２３１によって供給される選別風の風量調節が行われる。

〔実施形態３の別実施形態〕
（１）上記した実施形態では、扱胴変速装置２３２が分割外装カバー２５０ｂによって走行機体横外側から覆わる例を示したが、扱胴変速装置２３２がカバーによって覆われず、開放されたままになる構成を採用してもよい。

（２）上記した実施形態では、前横向きカバー部２５１を備えた例を示したが、前横向きカバー部２５１を備えないで実施してもよい。

（３）上記した実施形態では、扱胴変速装置２３２の入力軸２３２ａから搬送部２１０に動力伝達される構成を示したが、扱胴変速装置２３２を介さないで搬送部２１０に動力伝達される構成を採用してもよい。

（４）上記した実施形態では、エンジン２２５からの動力が唐箕２３１をカウンター手段にして扱胴変速装置２３２に伝達される構成を示したが、専用のカウンター軸を設けて実施してもよい。

（５）上記した実施形態では、扱胴変速装置２３２において、入力軸２３２ａが出力軸２３２ｂより上方に位置する例を示したが、入力軸２３２ａが出力軸２３２ｂより下方に位置する構成、あるいは、入力軸２３２ａ及び出力軸２３２ｂが前後方向に並ぶ構成を採用してもよい。

（６）上記した実施形態では、出力軸２３２ｂから扱胴駆動部２３４への伝動系が入力軸２３２ａから搬送部２１０への伝動系よりも走行機体横外側に位置する例を示したが、逆になる配置構成を採用してもよい。

（７）なお、上述した各実施形態で開示された構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示された構成と組み合わせて適用することも可能である。その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で単なる例示に過ぎない。従って、本開示の趣旨を逸脱しない範囲内で、適宜、種々の改変を行うことが可能である。

　本発明は、稲、麦、大豆の他、トウモロコシなどの各種の作物を収穫対象とする各種の収穫機に適用できる。

　１００　　　コンバイン
　　　２　　　脱穀装置
　　　４　　　穀粒タンク
　　４Ｆ　　　外側壁の外面
　　４Ｌ　　　下側タンク部
　　４Ｓ　　　底スクリュー
　　４Ｕ　　　上側タンク部
　　４Ｗ　　　側壁
　４Ｗｆ　　　前側壁
　４Ｗｉ　　　内側壁
　４Ｗｏ　　　外側壁
　４Ｗｒ　　　高速壁
　　　５　　　ロック機構
　　　６　　　支持機構
　　　７　　　戸当たり機構
　　　８　　　下側カバー
　　　９　　　連結機構
　　３５　　　吐出部
　　４１　　　点検口
　　４２　　　点検口の縁部
　　４３　　　扉
　４３Ａ　　　面部
　４３Ｂ　　　屈曲部
　４３Ｃ　　　当接部
　４３Ｄ　　　凹部
　　４４　　　ハンドル
　　４５　　　監視窓
　４５Ａ　　　小扉
　　４６　　　リブ部
　４６Ａ　　　縦リブ部
　４６Ｂ　　　横リブ部
　　６１　　　支持バー
　　６２　　　支持ステー
　６２Ａ　　　支持バー案内部
　　９９　　　シール部材
　１０１　　　走行機体
　１０６　　　脱穀装置
　１０７　　　貯留部（脱穀物タンク）
　１１１　　　刈取部
１１６ａ　　　縦排出装置
　１２０　　　脱穀機体
　１３１　　　選別枠
　１３５　　　チャフシーブ（第１のチャフシーブ）
　１４５　　　開度調節部
　１４９　　　操作ケーブル
　１５０　　　点検口
　１５１　　　支柱
　１６０　　　遠隔操作装置
　２０１　　　走行機体
２０１ａ　　　機体フレーム
　２０６　　　脱穀装置
　２１０　　　搬送部
２１０ａ　　　駆動軸
　２１１　　　刈取部
　２３１　　　唐箕
　２３２　　　扱胴変速装置
２３２ａ　　　入力軸
２３２ｂ　　　出力軸
２３２ｃ　　　変速操作部
　２３４　　　扱胴駆動部
２５０ａ　　　外装カバー（分割外装カバー）
　２５１　　　前横向きカバー部

Claims

　収穫された作物を脱穀処理する脱穀装置と、
　前記脱穀装置と横並び状態で設けられ、前記脱穀装置によって脱穀された穀粒を貯留する穀粒タンクと、が備えられ、
　前記穀粒タンクの側壁のうち、左右方向において前記脱穀装置と反対側に位置する外側壁に、前記外側壁の前後方向における一部に開口された点検口と、前記点検口を開閉する扉と、が備えられている収穫機。
　前記穀粒タンクの内部に、前記脱穀装置からの前記穀粒が吐出される吐出部が設けられ、
　前記点検口は、側面視で前記吐出部と重複しない位置に配置されている請求項１に記載の収穫機。
　前記吐出部は、前記穀粒タンクの内部における前方領域に配置されており、
　前記点検口は、前記外側壁における後方領域に配置されている請求項２に記載の収穫機。
　前記扉は、前記点検口の縁部に当接する当接部を有し、
　前記扉の閉鎖状態において、前記当接部と前記縁部とは、シール部材を介して当接している請求項１から３のいずれか一項に記載の収穫機。
　前記扉は、前記点検口よりも大きく形成されており、
　前記当接部は、前記縁部に対して前記穀粒タンクの内側から当接している請求項４に記載の収穫機。
　前記扉は、前記外側壁の外面に対して面一に配置されている請求項１から５のいずれか一項に記載の収穫機。
　前記扉に、前記穀粒タンクの内側に向けて窪む凹部が形成され、
　前記凹部に、前記扉を開閉するためのハンドルが設けられている請求項１から６のいずれか一項に記載の収穫機。
　前記凹部は、内側に向かって窄まる内窄まり形状に形成されている請求項７に記載の収穫機。
　前記点検口は、上下方向に沿う縦長形状に形成されている請求項１から８のいずれか一項に記載の収穫機。
　前記穀粒タンクに、下窄まり形状に形成され、貯留された穀粒を前記穀粒タンクから排出する底スクリューが配置された下側タンク部と、前記下側タンク部の上側に設けられた上側タンク部と、が備えられ、
　前記点検口は、前記上側タンク部のうち前記外側壁を構成する部分における上部から下部に亘って形成されている請求項１から９のいずれか一項に記載の収穫機。
　収穫された作物を脱穀処理する脱穀装置と、
　前記脱穀装置と横並び状態で設けられ、前記脱穀装置によって脱穀された穀粒を貯留する穀粒タンクと、が備えられ、
　前記穀粒タンクの側壁に開口された点検口と、内開き状に構成され、前記点検口の縁部に前記穀粒タンクの内側から当接して前記点検口を塞ぐ扉と、が備えられている収穫機。
　前記扉は、前記縁部に当接する当接部を有し、
　前記扉の閉鎖状態において、前記当接部と前記縁部とは、シール部材を介して当接している請求項１１に記載の収穫機。
　前記当接部は、前記扉の周縁の全周に亘って設けられ、前記縁部の全体に亘って当接している請求項１２に記載の収穫機。
　前記扉は、前記穀粒タンクの内側に向けて屈曲する屈曲部を有し、
　前記当接部は、前記屈曲部に連続して形成され、前記縁部と対向するように配置されており、
　前記扉は、前記側壁の外面に対して面一に配置されている請求項１２又は１３に記載の収穫機。
　前記扉に、前記穀粒タンクの内側に向けて窪む凹部が形成され、
　前記凹部に、前記扉を開閉するためのハンドルが設けられている請求項１１から１４のいずれか一項に記載の収穫機。
　前記穀粒タンクの内部に、閉鎖状態の前記扉をロックするロック機構が備えられ、
　前記扉を開閉するためのハンドルと前記ロック機構とが、連動するように構成されている請求項１１から１５のいずれか一項に記載の収穫機。
　前記穀粒タンクの内部に、閉鎖状態の前記扉を支持する支持機構が備えられている請求項１１から１６のいずれか一項に記載の収穫機。
　前記扉における前記穀粒タンクの内側の部分に、複数のリブ部が形成されている請求項１１から１７のいずれか一項に記載の収穫機。
　複数の前記リブ部は、上下方向に沿って形成される複数の縦リブ部と、水平方向に沿って形成される複数の横リブ部と、を有して構成されている請求項１８に記載の収穫機。
　前記扉に、前記穀粒タンクの内側に向けて窪む凹部が形成され、
　複数の前記縦リブ部は、前記凹部を挟んだ位置に配置されており、
　複数の前記横リブ部は、前記扉における上下の縁のそれぞれに配置されている請求項１９に記載の収穫機。
　刈取部によって収穫された作物が供給され、供給された作物を脱穀処理し、脱穀処理物を選別処理する脱穀装置と、前記脱穀装置から排出された脱穀物が供給され、供給された脱穀物を貯留する貯留部とが、走行機体の横幅方向に並ぶ配置で前記走行機体に備えられ、
　前記脱穀装置は、脱穀機体と、前記脱穀機体の内部に揺動可能に設けられた選別枠と、前記選別枠に支持されると共に開度調節可能なチャフシーブと、前記脱穀機体の後部に開口され、前記選別枠を出し入れする点検口と、を備え、
　前記チャフシーブの開度調節部に操作ケーブルを介して連動連結され、前記開度調節部を電動力によって遠隔操作する遠隔操作装置が前記貯留部の後方に設けられている収穫機。
　前記貯留部は、脱穀物タンクであり、
　前記脱穀物タンクの後側に前記走行機体の上下方向に延びる状態で設けられ、前記脱穀物タンクから脱穀物を排出する縦排出装置と、前記走行機体に立設され、前記縦排出装置を支持する支柱と、が備えられ、
　前記遠隔操作装置は、前記支柱に支持されている請求項２１に記載の収穫機。
　前記遠隔操作装置は、前記支柱の後側に位置する状態で前記支柱に支持されている請求項２２に記載の収穫機。
　走行機体の前方に設けられ、圃場の作物を刈取る刈取部と、前記走行機体に設けられ、前記刈取部によって刈り取られた作物を脱穀する脱穀装置と、前記走行機体から前記刈取部へ延出され、前記刈取部によって刈り取られた作物を前記脱穀装置に供給する搬送部と、エンジンから動力が伝達され、伝達された動力を変速して前記脱穀装置の扱胴駆動部へ出力する扱胴変速装置と、が備えられ、
　前記扱胴変速装置は、前記脱穀装置の前方かつ前記搬送部の下方の箇所において、前記走行機体の機体フレームよりも高い位置に設けられている収穫機。
　前記脱穀装置を走行機体横外側から覆う外装カバーが備えられ、
　前記扱胴変速装置は、前記外装カバーによって走行機体横外側から覆われている請求項２４に記載の収穫機。
　前記扱胴変速装置の前端部に、前方に向けて突出する変速操作部が備えられ、
　前記外装カバーは、前記脱穀装置及び前記扱胴変速装置を覆う閉じ状態と、前記脱穀装置及び前記扱胴変速装置を開放する開き状態とに状態変更可能に備えられ、
　前記外装カバーの前端部に、機体横内側に向かって突設され、前記外装カバーが前記閉じ状態になると、前記変速操作部を前側から覆い、前記外装カバーが前記開き状態になると、前記変速操作部を開放する前横向きカバー部が備えられている請求項２５に記載の収穫機。
　前記扱胴変速装置の入力軸から前記搬送部の駆動軸に動力伝達される請求項２４から２６のいずれか一項に記載の収穫機。
　前記扱胴変速装置は、前記脱穀装置が有する唐箕の前方に位置し、
　前記エンジンは、前記走行機体の両横側部のうち、前記扱胴変速装置が位置する側と反対側の横側部に位置し、
　前記エンジンの動力が前記唐箕を介して前記扱胴変速装置の入力軸に伝達される請求項２４から２７のいずれか一項に記載の収穫機。
　前記扱胴変速装置において、入力軸が出力軸より上方に位置している請求項２７または２８に記載の収穫機。
　前記搬送部の駆動軸及び前記扱胴駆動部が前記扱胴変速装置の上方に位置し、
　前記出力軸の動力が前記扱胴駆動部へ伝達され、かつ、前記入力軸の動力が前記駆動軸へ伝達され、
　前記出力軸と前記扱胴駆動部とを連係する伝動系が前記入力軸と前記駆動軸とを連係する伝動系よりも走行機体横外側に位置している請求項２９に記載の収穫機。