JP4968377B2 - コンバイン - Google Patents

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Description

この発明は、コンバインに関する。
コンバインは、エンジン回転をギア式の伝動機構と静油圧式無段変速装置(HST)により変速して得られた動力を用いてクローラ走行装置、刈取装置、脱穀装置及びオーガを駆動させて圃場の穀稈から穀粒を収穫する農作業機である。
コンバインの刈取装置は刈り取り前の圃場の植立穀稈をそれぞれの植付条分の引起し装置に向けて分けながら導入する分草具がそれぞれ植付条分だけ設けられている。
例えば特許文献1記載のコンバインの刈取装置に設けられた分草具は、コンバインを車庫に格納する際に、分草具分だけ車長を短くするために、通常は前方に向いている分草具を横向きにするために90度回転させることができる構成が記載されている。
特開2001−251934号公報
上記特許文献1のコンバインでは、コンバインを車庫に格納する際には、前方に向いている分草具を作業者が人力で横向きにすることが必要であった。
また、分草具の向きを変更することは、穀物の収穫作業時にも行うことができれば、その分、コンバインの穀物の収穫作業性の向上となる。
そこで、本発明の課題は、コンバインの穀物の良好な収穫作業性を発揮できるように分草具の向きを変更可能なコンバインを提供することである。
この発明は、上述の課題を解決するために、次の技術的手段を講じる。
即ち、クローラ式の走行装置(3)を備えた走行フレーム(2)に対して刈取装置(6)を左右方向へスライドさせる刈取スライド機構(131)を備えたコンバインにおいて前記刈取装置(6)を右側へスライドさせると、該刈取装置(6)に備えた右端部の分草具(7)が右外側へ回動して開くように、刈取装置(6)のスライドと右端部の分草具(7)の回動とを連動する連動機構を設けたことを特徴とするコンバインとしたものである。
この発明によれば、刈取装置(6)の側へのスライドに連動して右端部の分草具(7)が右外側へ開くことによって、刈取装置(6)の穀稈導入幅を拡大することができる。
コンバインの左側面図である。 図1のコンバインの平面図である。 図1のコンバインの脱穀装置の側面断面概略図である。 図1のコンバインのエンジンを駆動源とする駆動経路展開図である。 図1のコンバインのエンジンを駆動源とする駆動経路の一部展開図である。 図1のコンバインの側部操作パネルを一部縦断面を示す側面図である。 本発明の一実施例のコンバインの一部展開図である。 図1のコンバインの刈取部を右寄せにしたときの平面図である。 図1のコンバインの刈取部を左寄せにしたときの平面図である。 図7のコンバインの駆動経路の一部展開図である。 図7のコンバインの駆動経路の一部展開図である。 図7のコンバインの駆動経路の一部展開図である。 コンバインの左側面図である。 図13のコンバインの平面図である。 コンバインの刈取装置と脱穀装置の受渡部の斜視図(図15(a))と縦断面図(図15(b))である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて具体的に説明する。
図1は本発明の実施の形態の穀類の収穫作業を行うコンバイン1の左側面図を示し、図2はコンバイン1の平面図を示し、図3はコンバイン1の脱穀装置15の側面断面概略図を示し、図4はコンバイン1のエンジンを駆動源とする駆動経路展開図である。
なお、本明細書では左側及び右側とはコンバインが前進する方向に向かっての方向を言い、前側と後側はそれぞれコンバインの前進側と後進側を言うものとする。
図1などに示すコンバイン1の走行フレーム2の下部には、ゴムなどの可撓性材料を素材として無端帯状に成型した左右一対のクローラ4を持ち、乾田はもちろんのこと、湿田においてもクローラ4が若干沈下するだけで自由に走行できる構成の走行装置3を備え、走行フレーム2の前部には刈取装置6を搭載し、走行フレーム2の上部にはエンジン21(図4)ならびに脱穀装置15、操縦席20およびグレンタンク30を搭載する。
刈取装置6は、図示しない刈取昇降シリンダの伸縮作用により刈取装置6全体を昇降して、圃場に植立する穀稈を所定の高さで刈取りができる構成としている。刈取装置6の前端下部に分草具7を、その背後に前方下位、後方上位にした穀稈引起し装置5を、その後方底部には刈刃11をそれぞれ配置している。刈刃11と脱穀装置15のフィードチェン14の始端部との間に、図1、2に示すように前部搬送装置8、供給搬送装置9などを、順次穀稈の受継搬送と扱深さ調節とができるように配置している。
コンバイン1の刈取装置6の作動は次のように行われる。まず、エンジン21を始動して図2に示す刈取クラッチレバー47で刈取クラッチ(図示せず)を入り操作し、また脱穀クラッチレバー48で脱穀クラッチ(図示せず)を入り操作して機体の回転各部に動力を伝達しながら、主変速レバー10をコンバイン1が前進するように操作し、走行フレーム2を前進走行させると、刈取作業や脱穀作業が開始される。圃場に植立する穀稈は刈取装置6の前端下部にある分草具7によって分草作用を受け、次いで穀稈引起し装置5の引起し作用によって倒伏状態にあれば直立状態に引起こされ、穀稈の株元が刈刃11に達して刈取られ、前部搬送装置8に掻込まれて後方に搬送され、供給搬送装置9に受け継がれて順次連続状態で後部上方に搬送される。
穀稈は供給搬送装置9によって扱ぎ深さを調節されてフィードチェン14の始端部に受け継がれ、脱穀装置15に供給される。脱穀装置15には、上側に扱胴69を軸架した扱室66を配置し、扱室66の下側に選別室50を一体的に設け、供給された刈取穀稈を脱穀、選別する。
脱穀装置15に供給された穀稈は、図3に示す主脱穀部である扱室66に送られて脱穀され、比重の重い穀粒は一番揚穀筒16(図1)を経てグレンタンク30へ搬送され、グレンタンク30に一時貯留される。
脱穀装置15の扱室66の終端に到達した脱穀された残りの排藁で長尺のままのものは図示しない排藁チェーンと排藁穂先チェーンに挟持されて搬送され、脱穀装置15の後部の藁用カッター(図示せず)に投入された後、切断され、圃場に放出される。
グレンタンク30内の底部に穀粒移送用のグレンタンク螺旋83(図4)を設け、グレンタンク螺旋83を駆動する螺旋駆動軸84に縦オーガ18および横オーガ19からなる排出オーガの駆動系を連接し、グレンタンク30内に貯留した穀粒を排出オーガ排出口からコンバイン1の外部に排出する。グレンタンク螺旋83、縦オーガ螺旋89および横オーガ螺旋90はエンジン21の動力の伝動を受けて回転駆動され、それぞれの螺旋羽根のスクリュウコンベヤ作用により貯留穀粒を搬送する。
刈取装置6で刈り取った穀稈は刈取装置6に装着された供給搬送装置9で扱深さが調節され、フィードチェン14で搬送されながら脱穀装置15の主脱穀部である扱室66内に挿入される。該扱室66に軸架された扱胴69の表面には多数の扱歯69aが設けられており、前記扱胴69は図3に示す駆動機構によりエンジン21からの動力で回転する。扱室66内に挿入された穀粒の付いた穀稈はフィードチェン14とスプリング付勢されたフィードチェン挟扼杆13(図1)との間に挟扼され、図1の矢印A方向に移送されながら、回転する扱胴69の扱歯69aにより脱穀される。穀稈から分離された被処理物(穀粒や藁くず)は図3に示す受け樋74を矢印C1方向に通過して、揺動棚51で受け止められる。
揺動棚51は図示しない揺動棚駆動機構の作動により上下前後方向に揺動するので、被処理物は矢印D方向(図3)に移動しながら、唐箕79からの送風を受けて風力選別され、比重の重い穀粒はシーブ53および選別網63を矢印E方向に通過し、一番棚板64で集積され、一番螺旋65から一番揚穀筒16を経てグレンタンク30へ搬送される。グレンタンク30に貯留された穀粒は、オーガ18、19を経由してコンバイン1の外部へ搬送される。
揺動棚51の上の被処理物のうち落下しないものは、揺動棚51の揺動作用と唐箕79のファン79aによる送風作用により、シーブ53の上を矢印D方向に移動し、シーブ53やストローラック62の上から二番物が矢印G方向等に落下して二番棚板85に集められ、二番螺旋86で二番揚穀筒87へ搬送される。また一番螺旋65と二番螺旋86は駆動用ベルト91(図4)により同時に同一速度で駆動される。
正常な穀粒、枝梗粒、藁くずおよび藁くずの中に正常な穀粒が刺さっているササリ粒などの混合物である二番物は、二番揚穀筒87の中を二番揚穀筒螺旋88(図4)により矢印H方向(図3)に揚送されて、二番処理室入口から二番処理室67の上方へ放出される。二番処理室67に軸架された二番処理胴70の多数の処理歯70aに衝突しながら二番物の分離と枝梗粒の枝梗の除去が行われて、被処理物の一部(三番物)は図3に示すように二番処理胴70の下方に設けられた受け網樋74を矢印Q方向に移動する。その後、二番物は二番処理胴70の端部から矢印C3方向に通り抜けて揺動棚51に落下し、扱室66からの被処理物と合流する。
また、扱室66の被処理物搬送方向終端部に到達した被処理物の中で、藁くずなど短尺のものは、排塵処理室入口から排塵処理室68に入り、排塵処理室68では二番処理胴70と一体に回転する排塵処理胴71の螺旋71aにより矢印K方向に搬送されながら処理され、藁くずは解砕されて、藁くず中に残っていた穀粒と共に矢印C4方向に網体76を通り抜けて選別室50に落下する。
図4に示すように変速装置24のギア式伝動機構は走行伝動ケ−ス25における伝動経路下手側から操向伝動部24aと中間伝動部24bと副変速部24cとカウンタ−部24d(入出力部26内にある)と入出力部26とを設け、回転動力を入出力部26からカウンタ−部24d、副変速部24c及び中間伝動部24bを経由して操向伝動部24aに伝動する構成しており、該操向伝動部24aを切り替え操作することにより機体の進行方向を右側又は左側に旋回させることができる構成である。
HST28はケース29の側方に突出している油圧入力軸33の軸端部にエンジン21からの駆動力を受ける入力プーリ35を着脱自在に取り付け、さらにケース29の中に可変油圧ポンプ28aおよび回転可能に設けている出力軸26aを有する定量油圧モータ28b等を設けている。
油圧ポンプ28aの斜板28cは主変速レバー10によってその傾斜角度が変更可能になっており、斜板28cの傾斜角度により可変油圧ポンプ28aの吐出油量と油の吐出方向を変え、それらに応じて定量油圧モータ28bに接続する入出力部26内の出力軸26aの回転速度と回転方向を調整する。
また、油圧入力軸33に設けた入力プーリ35には、エンジン21の出力軸37に設けたプーリ38からベルト40を介してエンジン21からの動力が伝達されてHST28が駆動する構成である。入力プーリ35は操縦席20の下方の走行フレーム2に着脱自在に設けられ、且つ負荷が変動しても燃料供給量を自動制御してあらかじめ設定した回転数を出力する構成である。なお、HST28から出力される回転動力は伝動機構を介して変速装置24の入出力部26に伝動される。
刈取装置6とそれぞれフィードチェン14には、入出力部26から突出した出力軸42と出力軸44のそれぞれの軸端部に着脱自在に取り付けた刈取部伝動プ−リ43とフィードチェン駆動用無段変速ベルト39を介してHST28からの動力がそれぞれ伝達される。
フィードチェンクラッチC1は、図示していないが手動レバーでフィードチェン14の速度を切り替えると出力軸44に設けられた無段変速ベルト39によりフィードチェン14の刈取搬送に対する速度を変更し、条件適応性を向上させることができる。
刈取装置6を駆動するための入出力部26に動力伝達するため刈取入力プ−リ92と刈取部伝動プ−リ43との間にはベルト46を巻きかけ、刈取クラッチレバ−47の操作によって図示しないテンションプーリを作動し、このベルト46を張圧又は解除し、回転動力の伝動を入り切りするテンションクラッチを構成している。
脱穀装置15は機体の進行方向に回転するフィードチェン14を一側部に有し、前記刈取装置6の供給搬送装置9などを搬送されてきた穀稈の株元部を挟持搬送して穂先部を扱室66内に送り込んで脱穀する自脱型の構成であって、前記走行フレーム2に搭載してボルトやナット等の取付具で着脱自在に取り付けている。
なお、エンジン出力軸37には出力プーリ101から穀粒排出オーガの入力部102の穀粒排出入力プーリ103との間にベルト105を巻きかけグレンタンク30内の螺旋駆動軸84などを駆動している。
機体を穀稈の前方あるいは近くに移動したとき、運転者はスロットルレバー(図示せず)を操作することによる機体の作業部分の回転数の調節、穀稈列に対する機体位置、穀稈に対する刈取装置6の高さ位置等を適正に選択していることを再確認してから、主変速レバー10を前側に倒して所望する作業速度を選択し、作業を開始する。
刈取り後の穀稈の処理は先に概略を説明したとおりである。
脱穀装置15の後部に吸引ファン110(図3)を設け、脱穀装置15内で発生する排塵のうち、比重の軽い藁くず、枝梗および塵埃を含む空気をカウンタ軸111を介して回転する吸引ファン110による送風で吸引し、吸引ファン110の出口から吹き出して、コンバイン1の外部へ放出する。
扱室66の終端に到達した被処理物の中の脱穀された穀稈で長尺のままのものは、排藁処理室(図示せず)に投入される。排藁処理室の入口部の図示しないダンパーが開放した場合には、排藁は排藁処理室の入口部から落下して、カウンタ軸111(図4)に設けられた図示しない藁用カッター駆動用のプーリにより伝達され、藁用カッターにより切断される。
脱穀装置15の扱胴69はプーリ112の扱胴回転軸113から動力が伝達される。また唐箕79は脱穀入力プーリ96の回転軸114に設けられたプーリ115からベルト117、プーリ118を介して唐箕回転軸119が回転されて唐箕ファン79aが回転する。また唐箕回転軸119の別のプーリ116を介して一番螺旋軸122、二番螺旋軸123が駆動され、またプーリ116からカウンタ軸111に動力が伝達され吸引ファン110と藁用カッターが駆動される。
本実施例では右端部の分草具7をリモコンで操作可能な構成にしたことに特徴がある。
図2に示すように右端部の分草具7の操作レバー49を操縦席20の側部にある側部操作パネル22の中で外側部位に配置している。そのため前記分草具7の操作が操縦席20から容易に行えるので前記分草具7の操作性が従来より向上する。
上記側部操作パネル22を前側と後側の側部操作パネル22a,22bに前後に2分割し、後側の側部操作パネル22bに刈取クラッチレバー47と脱穀クラッチレバー48及び分草具操作レバー49を設け、刈取、脱穀クラッチレバー47,48の外側に分草具7の操作レバー49を設けた。このように、操作頻度の高い刈取、脱穀クラッチレバー47,48を操作席20の手前に配置し、操作頻度の少ない分草具操作レバー49を外側に配置することでこれらレバー47〜49の操作性が互いに干渉することなく行える。
また、上記分草具操作レバー49の回動支点から上側を側面視でL字形状しているので、脱穀装置15と側部操作パネル22の間にある空間を全域にわたり利用でき、更に分草具操作レバー長を十分長くすることができるため、限られた空間でレバー操作荷重を低減できる。
また、前側の側部操作パネル22bに設けられた分草具操作レバー49は、それを前側に回動させた場合に、主変速レバー10の前進域の横側であって、かつ外側部位に前側に回動させた分草具操作レバー49が位置するように配置される構成であるので、分草具操作レバー49の操作が主変速レバー10の操作の障害にならずに、両方のレバー10、49の操作を容易にできる。
さらに、刈取装置6は図4の駆動経路展開図に示すように刈取スライド機構131により全ての分草具7を未刈穀稈側である左側にスライドさせることができるが、再び右側(標準位置)に戻すと、このとき分草具操作レバー49の操作で右端部の分草具7が二点鎖線位置から実線位置に開く機構を取り付けている。右端部の分草具7が開くと穀稈導入幅が拡大して、2条分でなく3条分の穀稈を収穫することができる。
前記分草具操作レバー49の操作で右端部の分草具7が二点鎖線位置から実線位置に開く機構は、右端部の分草具7に基部に設けた該分草具7と一体で回動する中心軸を有し、左右方向に伸びたアーム132と該アーム132の右端部と分草具操作レバー49とをワイヤ133で連結た構成からなり、分草具操作レバー49を実線位置から点線位置に回動させると該アーム132が回動支点132aを中心に回動し、このアーム132の動きに連動して右端部の分草具7を開くことができる。
コンバインでは、刈取装置6の全ての分草具7を含む前処理部を左側に移動させる場合は、湿田での刈取作業であり、左側のクローラが沈下して、盛り上がる泥によって、未刈稈を倒さないためである。刈取装置6の全ての分草具7を含む前処理部を右側に寄せる場合には、乾田での刈り作業時であり、これを刈取装置6の標準位置とする。
また、右端部の分草具7の操作レバー49の操作による開き動作に連動して、図4に示すようにワイヤ134により副変速装置24を低速側にチェンジさせる構成にして、コンバイン1の走行速度を下げて、前記した脱穀の処理量増大を防ぐことができる。
また、前記分草具操作レバー49の前方に倒す操作により右端部の分草具7を開く動作に連動して、主変速(HST)レバー10の増速上限位置が規制されるような連動機構(刈取支持アーム12と操作パネルに配置される主変速HSTレバー10に上限位置規制アーム(図示せず)とを連結するワイヤ)を設けても良い。
また、図5に示すように、右端の分草具7を開くL字状の分草具操作レバー49の操作に連動させて、フィードチェーン14が増速する構成にしても良い。この連動機構は、操作レバー49の基部に一端が接続したワイヤ130の他端をフィードチェン駆動機構の無段変速式のベルト39の張力を変更するクラッチC1に連結しておく。
右端部の分草具7が分草具操作レバー49の操作により開いて作業する場合は、通常N条刈りコンバイン(引き起こしがN個)であれば(N+1)条刈りとして使用する場合である。(N+1)条刈をすると脱穀処理量が増大し、扱室66での藁くずの発生量が増大して脱穀ロスが増加するおそれがあるので、これを防止するためにフィードチェン駆動速度を上げる。
上記構成では刈取クラッチレバー47と脱穀クラッチレバー48を分草具7の操作レバー49に隣接して配置するが、刈取クラッチレバー47と脱穀クラッチレバー48の入り操作方向と、分草具操作レバー49による分草具7の開き操作方向を前方としている。前記3つのレバーの47〜49の操作方向はいずれも負荷が増大する方向であり、3つのレバー47〜49の操作荷重の増加方向が同じ向きに統一されるので、操作性が良く、また不用意な大きな力を出す操作ミス等が無い。
また図6に側部操作パネル22の一部縦断を示す側面図で示すように、側部操作パネル22を前後に2分割し、後側のパネル22bに刈取クラッチレバー47と脱穀クラッチレバー48と分草具操作レバー49等の作業レバーを配置し、前側のパネル22aに主変速レバー10や副変速レバー145やパワステレバー146等の走行関係のレバーを配置し、後側のパネル22bを開閉自在としている。この構成により、後側のパネル22bに設けたレバーガイド溝に装入されるレバー47〜49は刈取クラッチレバー47と脱穀クラッチレバー48と分草具操作レバー49だけとなり、後側のパネル22bを容易に上方へ取り外すことができ、該パネル22bの下側に配置されるレバー47〜49の基部のワイヤー調整等のメンテナンスが容易に行える。
次に刈取装置6を手動で左右方向にスライドさせ、さらに右端部の分草具7を開く構成を備えた実施例により説明する。
図7は、本発明の他の実施例として刈取装置6の駆動経路の一部展開図である。
図7に示すように、全ての分草具7を二点鎖線で示す位置から乾田でも刈取作業を想定した標準位置である実線で示す位置(既刈側)に刈取スライド機構131を介した手動でスライドさせて戻すと、右端部の分草具7が開くように連動する機構を取り付けた構成を採用しても良い。右端側の分草具7が開くと穀稈導入幅が拡大して、2条分でなく3条分の穀稈を収穫することができることは既に説明した通りである。
刈取スライド機構131は基部が刈取支持アーム12とその分岐アーム12aに連結した回動軸131aを中心に回動自在な一対のリンク部材125,125と該リンク部材125,125の先端部が回動自在に連結した全ての分草具7を取付けた分草具取付部材126などから成る。
前記一方のリンク部材125の回動軸131aに取付片125bを設け、該取付片125bにはワイヤ128の一端を連結しておき、該ワイヤ128の他端を右端部の分草具7の基部に連結して該分草具7と一体で回動する中心軸を有するアーム132と連結する。
そして刈取スライド機構131が右側にスライドすると、取付片125bが回動し、該取付片125bに連結しているワイヤ128を介して右端部の分草具7が開く。これは乾田状態であるので、分草具7を開いて、1条分余分に刈って、作業効率を向上させるためである。
すなわち、図8に示すように前記刈取装置6の分草具7を含む前処理部を実線で示す標準位置に戻すと、その操作に連動して右端部の分草具7が前記のように開く構成となるので、右側クローラ4の右端部と分草具7の距離L3が少なくなり、未刈稈W2を右側クローラ4で踏むおそれがあることを防止できる。これは、未刈稈W2と分草具7の距離(L3+L4)(距離L3は右側クローラ4の右端部と分草具7との間の距離、距離L4は右側クローラ4の右端部と未刈稈W2との間の距離)が少なくなり、二点鎖線で示す右端部の分草具7が開いていない位置(R1)にあると未刈稈W1を刈り取るためにはコンバイン1を全体に右に寄せる必要があり、このとき右側のクローラ4の右端部と未刈稈W2の距離L4が図8に示す距離L4より小さくなるため、右クローラ4が未刈稈W2を踏んでしまう可能性があるからである
また、刈取装置6の分草具7を含む前処理部を左に移動させる場合は、標準状態にある分草具7の開いていた右端部の分草具7が閉じる方向に移動する。このように分草具7を含む前処理部を左に移動させると、以下の理由で図9に示すように左側クローラ4の左端部と左端部の分草具7の距離(L2)が標準状態における前記距離(L1)より大きくなる。すなわち通常2条刈りはコンバインは左旋回して穀稈の刈取りを行うため、前記したように分草具7を含む前処理部を左に移動させて左側クローラ4の左端部と左端部の分草具7の距離を大きくした方が、圃場の植立穀稈を押し倒すことが無いので有利である。
また、分草具7を含む前処理部を左に移動させるときに右端部の分草具7が開いていると、前回刈り取った穀稈の処理藁を開いた分草具7が押すことになるので、これを防止するため前記分草具7を閉じることで適切な分草幅とする。
また、前記右端部の分草具7の手動での開き動作に連動して、フィードチェーン14が増速するように連動機構を設けることができる。
すなわち、右端部の分草具7を開いて作業する場合は、通常2条刈であれば3条刈をする場合であり、この場合には脱穀の処理量が増大し、扱室66での藁くずの発生量が増大し、脱穀ロスが増加するおそれがある。そこで、図10に示すように、刈取支持アーム12とフィードチェン駆動用の無段ベルト39の張力を変更するクラッチC1を設け、右端部の分草具7の開き動作に連動するアーム132の右端部と該クラッチC1との間をワイヤ45で連結させておき、右端部の分草具7の開き動作でフィードチェン14の穀稈搬送速度を早める。
さらに、図11に示すように右端部の分草具7を手動で開く動作に連動して、副変速装置24の副変速部24cを低速側にチェンジさせるような連動機構を設けても良い。前記連動機構は、一方のリンク部材125の回動軸131aに設けられた取付片125bに一端が接続したワイヤ133の他端を副変速装置24の副変速部24cのギア群のシフト機構135と連結した構成である。
そして刈取スライド機構131が右側にスライドすると、取付片125bが回動し、該取付片125bに連結しているワイヤ128を介して右端部の分草具7が開くと同時にワイヤ133により副変速装置24の副変速部24cが低速側にチェンジする。
これにより、分草具7を開いて作業する場合には、前述のように脱穀処理量が増大し、扱室66での藁くずの発生量が増大して脱穀ロスが増加するおそれがあるので、これを防止するためにコンバイン1の走行作業速度を下げることができる。
また、図12に示すように、前記手動での右端部の分草具7の開き動作に連動して、主変速HSTレバー10の増速上限位置が規制されるような連動機構(刈取支持アーム12と操作パネルに配置される主変速HSTレバー10に上限位置規制アーム136とを連結するワイヤ137)を設けても良い。これは、前記分草具7を開いて作業する場合は、前述のように脱穀の処理量が増大するため、扱室66での藁くずの発生量が増えないように作業速度を下げる。
また、図13に示す側面図と図14に示す平面図に示す実施例のコンバイン1では操作パネル22の外側に刈取スライド機構131のロック解除レバー140と分草具操作レバー49とを接近配置した構成例である。この構成で、ロック解除レバー140と分草具操作レバー49を操縦席20で容易に操作できる。また、図13と図14には、刈取装置6の上方に刈取防塵カバー141を設け、分草具操作レバー49を、刈取防塵カバー141よりも外側に配置した構成を示している。この場合は、刈取スライド機構131の操作と、右端の分草具7の開閉操作は同時に行うので操作性が向上する。
図14に示すように分草具操作レバー49を刈取装置6の右側の引起し装置5aの近傍に配置すると、分草具7の操作レバー49を刈取装置6と一体で構成でき、コンバイン1の機体から刈取装置6を取り外すとき、分草具7の操作レバー49も一体で外すことができるため、刈取装置6の着脱性が良い。
また、本実施例のコンバイン1において、図15(a)の斜視図と図15(b)の縦断面図に示すように左右にスライドできる刈取装置6から脱穀装置15の入口漏斗15aに渡し掛けて2枚のゴム板150,151を一部重ねて設置する。2枚のゴム板150,151のうちフィードチェーン14側で、かつ刈取装置6に固定される下側のゴム板150の剛性を高め、上側のゴム板151だけが刈取装置6のスライド機構に追従するような構成にしている。
前記下側のゴム板150は図示のように折り曲げて丸めることで、剛性が高まる。そして、下側のゴム板150の剛性が高まる事で上側のゴム板151を軽くしても上側のゴム板151は垂れ下がらないので、脱粒した籾がこぼれるのを防止できる。また、上側のゴム板151は、刈取装置6と共に刈取装置6の左右方向へのスライド時に追従性が良くなる。
2 走行フレーム
3 走行装置
5 穀稈引起し装置
6 刈取装置
7 分草具
11 刈刃
15 脱穀装置
131 刈取スライド機構

Claims (1)

  1. クローラ式の走行装置(3)を備えた走行フレーム(2)に対して刈取装置(6)を左右方向へスライドさせる刈取スライド機構(131)を備えたコンバインにおいて前記刈取装置(6)を右側へスライドさせると、該刈取装置(6)に備えた右端部の分草具(7)が右外側へ回動して開くように、刈取装置(6)のスライドと右端部の分草具(7)の回動とを連動する連動機構を設けたことを特徴とするコンバイン。
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