JP2023047044A - コンバイン - Google Patents

コンバイン Download PDF

Info

Publication number
JP2023047044A
JP2023047044A JP2021155942A JP2021155942A JP2023047044A JP 2023047044 A JP2023047044 A JP 2023047044A JP 2021155942 A JP2021155942 A JP 2021155942A JP 2021155942 A JP2021155942 A JP 2021155942A JP 2023047044 A JP2023047044 A JP 2023047044A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
grain
threshing
sieve
grain sieve
combine
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2021155942A
Other languages
English (en)
Inventor
翔太 國松
Shota Kunimatsu
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yanmar Holdings Co Ltd
Original Assignee
Yanmar Holdings Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yanmar Holdings Co Ltd filed Critical Yanmar Holdings Co Ltd
Priority to JP2021155942A priority Critical patent/JP2023047044A/ja
Publication of JP2023047044A publication Critical patent/JP2023047044A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】コンバインにおいて、選別部に設けられたグレンシーブの着脱作業についての作業性を向上させる。【解決手段】扱室7b内に扱胴41を有する脱穀部7と、脱穀部7の下方に設けられ、脱穀部7により脱穀した穀粒を受けるグレンシーブ130と、を備えたコンバインであって、グレンシーブ130を支持する支持梁160と、グレンシーブ130の左右方向の中間部に設けられ、支持梁160に対してグレンシーブ130を固定ボルトにより固定する締結固定部180と、を有し、脱穀部7の左右の側板部のうち少なくとも一方の側板部には、前後方向について締結固定部180に対応する位置に開口部201が形成されている。【選択図】図4

Description

本発明は、脱穀部により脱穀した穀粒を選別する選別部を備えたコンバインに関する。
従来、コンバインにおいては、刈取部にて刈り取った作物を搬送装置により搬送して脱穀部に供給し、脱穀部により脱穀した穀粒を、脱穀部の下方に設けられた選別部により選別する構成を備えたものがある。選別部は、揺動することで穀粒の選別を行う揺動選別盤を有する。揺動選別盤は、選別用の部材としてチャフシーブやグレンシーブ等を含んで構成されている。
グレンシーブに関し、穀物の種類等に応じてグレンシーブを交換できるように設けた構成がある(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1には、グレンシーブの前端側を、揺動選別盤を構成するグレンパンに連結させるとともに、グレンシーブの後端部を、揺動選別盤の左右の側板間に架設されたガイドレールに載せた状態で、左右の側板から左右内向きに張り出したブラケットに対してボルトおよびナットにより締結固定させた支持構成が開示されている。
特開2018-166489号公報
特許文献1に開示されたようなグレンシーブの支持構成によれば、グレンシーブの着脱作業の作業性が良くないという問題がある。グレンシーブの着脱作業において、作業者は、脱穀部の側板に形成され通常は蓋カバーにより塞がれている開口部から、グレンシーブの後端部の左右の締結固定部にアクセスし、ボルトおよびナットの締結または取外しを行い、同開口部から、グレンシーブの出し入れを行う。
グレンシーブの後端部の左右の締結固定部は、揺動選別盤の左右の側板間に架設されたガイドレールの左右両端部の近傍に位置する。このため、脱穀部の左右の側板のうち左右一方の側板の開口部からの作業において、左右の締結固定部のうち、奥側となる左右他方の締結固定部にアクセスするためには、作業者は開口部から体を乗り入れたり手を伸ばしたりといった無理な体勢をとらなければならず、作業性が良くない。
一方で、グレンシーブの左右の締結固定部に対し、脱穀部の左右の側板のそれぞれの開口部から、手前側に位置する締結固定部にアクセスすることが考えられるが、脱穀部の左右両側からの作業となるため、作業に手間がかかるという問題がある。特に、脱穀部の左右一側に、選別部で選別された穀粒を貯留するグレンタンクを設けた構成において、脱穀部の左右の側板のうちグレンタンク側の側板の開口部から作業を行うためには、例えばグレンタンクをサイドオープンさせる必要が生じるため、作業が煩雑となる。
本発明は、上記のような問題点に鑑みてなされたものであり、選別部に設けられたグレンシーブの着脱作業についての作業性を向上させることができるコンバインを提供することを目的とする。
本発明に係るコンバインは、扱室内に扱胴を有する脱穀部と、前記脱穀部の下方に設けられ、前記脱穀部により脱穀した穀粒を受けるグレンシーブと、を備えたコンバインであって、前記グレンシーブを支持する支持部と、前記グレンシーブの左右方向の中間部に設けられ、前記支持部に対して前記グレンシーブを固定具により固定する固定部と、を有し、前記脱穀部の左右の側板部のうち少なくとも一方の側板部には、前後方向について前記固定部に対応する位置に開口部が形成されているものである。
本発明の他の態様に係るコンバインは、前記コンバインにおいて、前記グレンシーブは、前記脱穀部の下方に設けられた揺動選別部に設けられており、前記揺動選別部の左右の側板には、平面視で前後方向に延伸し、前記グレンシーブの左右両端部を支持するガイドレールが設けられており、前記揺動選別部の後方には、前記グレンシーブを出し入れするための開口が設けられているものである。
本発明の他の態様に係るコンバインは、前記コンバインにおいて、前記グレンシーブの上方には、複数のフィンを有するチャフシーブが設けられており、前記複数のフィンのうち、前後方向について前記固定部に対応する位置に設けられたフィンは、取外し可能に設けられているものである。
本発明の他の態様に係るコンバインは、前記コンバインにおいて、前記脱穀部の左右一側の側方に設けられ、穀粒を貯留するグレンタンクを備え、前記一方の側板部は、前記脱穀部の左右の側板部のうち、前記脱穀部に対して前記グレンタンクが設けられた側と反対側の側板部であるものである。
本発明の他の態様に係るコンバインは、前記コンバインにおいて、前記支持部は、前記グレンシーブの後端部を支持するように設けられているものである。
本発明の他の態様に係るコンバインは、前記コンバインにおいて、前記グレンシーブは、前記脱穀部の下方に設けられた揺動選別部に設けられており、前記支持部は、前記揺動選別部の左右の側板間に架設された梁状の部分であるものである。
本発明によれば、選別部に設けられたグレンシーブの着脱作業についての作業性を向上させることができる。
本発明の一実施形態に係るコンバインの左側面図である。 本発明の一実施形態に係るコンバインの右側面図である。 本発明の一実施形態に係るコンバインの平面図である。 本発明の一実施形態に係る脱穀部および選別部の構成を示す左側面断面図である。 本発明の一実施形態に係るコンバインにおける動力伝達構成を示す図である。 本発明の一実施形態に係る揺動選別盤の後上方斜視図である。 本発明の一実施形態に係る揺動選別盤の左側面断面図である。 本発明の一実施形態に係るグレンシーブの支持構成を示す後上方斜視図である。 本発明の一実施形態に係るグレンシーブの支持構成を示す分解斜視図である。 本発明の一実施形態に係るグレンシーブの支持構成を示す左側面断面図である。 本発明の一実施形態に係るグレンシーブの支持構成を示す分解左側面断面図である。 本発明の一実施形態に係る揺動選別盤の背面断面図である。 本発明の一実施形態に係る脱穀部および選別部の後部を示す左側面図である。 本発明の一実施形態に係る脱穀部および選別部の構成を示す背面断面図である。 本発明の一実施形態に係る脱穀部および選別部の後部を示す左後方斜視図である。 本発明の一実施形態に係る揺動選別盤の一部を示す後上方斜視図である。 本発明の一実施形態に係る揺動選別盤の一部を示す一部分解斜視図である。
本発明は、脱穀部により脱穀した穀粒を選別する選別部に設けられたグレンシーブの支持構成等について工夫をすることにより、グレンシーブの着脱作業の作業性の向上を図ろうとするものである。以下、本発明の実施の形態を説明する。
まず、図1から図5を用いて、本実施形態に係るコンバイン1の全体構成について説明する。なお、以下の説明では、コンバイン1の前方に向かって左側(図3における下側)および右側(図3における上側)を、それぞれコンバイン1における左側および右側とする。
図1および図2に示すように、本実施形態に係るコンバイン1は、刈り取った圃場の作物(稲、麦、大豆、トウモロコシ等)を機体内に掻き込み、脱穀・選別・穀粒貯留し、適宜機外に搬出可能とした収穫機としての普通型コンバインである。コンバイン1は、自走可能な走行機体2と、走行機体2の前端部に設けられた刈取部3を有する。刈取部3は、稲や麦等の未刈り穀稈を刈り取りながら取り込む刈取装置として構成されたものであり、走行機体2に対して昇降可能に取り付けられている。
走行機体2は、左右一対のクローラ部5,5を有するクローラ式の走行装置として構成された走行部4を備える。左右のクローラ部5,5間には、機体フレーム6が架設されている。各クローラ部5は、その前端部に設けられた駆動スプロケット5aを含む複数の回転体と、これらの回転体に巻回された履帯5cとを有する。駆動スプロケット5aは、コンバイン1が備えるエンジン25の動力の伝達を受けて回転駆動する。
機体フレーム6上の左側には、刈取部3により刈り取られて供給された穀稈を脱穀する脱穀部7と、脱穀部7により脱穀された穀粒を選別する選別部8とが設けられている。脱穀部7および選別部8は、刈取部3の後方において、脱穀部7を上段、選別部8を下段とした態様で配設されている。
機体フレーム6上において、脱穀部7および選別部8の右方には、選別部8で選別された穀粒(清粒)を貯留するグレンタンク10を有する穀粒貯留部9が設けられている。このように、コンバイン1は、脱穀部7の右側の側方に設けられたグレンタンク10を備えている。
グレンタンク10内には、グレンタンク10の排出口に向けて貯溜穀粒を搬送する下部排出コンベヤ11が設けられている(図5参照)。グレンタンク10の排出口に連通するように、縦搬送コンベヤ12が上下方向に沿って立設されている。縦搬送コンベヤ12の上端部には、穀粒排出コンベヤ13が連設されている。穀粒排出コンベヤ13は、水平方向に旋回可能かつ水平軸回りに上下揺動可能に設けられている。これらのコンベヤにより、グレンタンク10内の穀粒が搬送され、穀粒排出コンベヤ13の先端部に設けられた籾投口14からトラックの荷台やコンテナ等に排出される。
機体フレーム6上において、穀粒貯留部9の前方の位置、つまり機体フレーム6上における右側前部の位置には、オペレータが搭乗する運転部15が設けられている。運転部15は、キャビン16により覆われている。運転部15には、運転座席17と、運転座席17の前方に配置された操縦ハンドル18と、主変速レバー19、副変速レバー、作業クラッチレバー等の各種操作具とが設けられている。作業クラッチレバーは、脱穀クラッチ57および刈取クラッチ75(図5参照)を入り切り操作するための作業操作具である。
走行機体2上における穀粒貯留部9の後方には、駆動源としてのエンジン25が設けられている。エンジン25は、例えばディーゼルエンジンである。
刈取部3について説明する。刈取部3は、搬送装置としてのフィーダ30と、穀物ヘッダ(プラットホーム)31と、刈刃装置32と、左右一対の分草体33,33と、掻込リール34とを有する。
フィーダ30は、刈取部3にて刈り取られた穀稈を搬送して脱穀部7へと供給する搬送装置である。フィーダ30は、ハウジングとしてのフィーダハウス35と、フィーダハウス35内に設けられた穀稈搬送用のコンベヤ36(図5参照)とを有する。フィーダ30は、キャビン16の左方に位置し、平面視で長手方向を前後方向とする略四角筒状に構成されたフィーダハウス35の後端開口部を脱穀部7の前側の扱口7aに連通させた状態で設けられている。
穀物ヘッダ31は、横長バケット状に構成され、フィーダハウス35の前端開口部に連通するように、フィーダ30の前側に連設されている。穀物ヘッダ31内には、掻込オーガ(プラットホームオーガ)37が設けられている。掻込オーガ37は、左右方向を回転軸方向として回転可能に軸架されている。
刈刃装置32は、穀物ヘッダ31の前下端縁部に設けられており、バリカン状に構成されている。左右一対の分草体33,33は、穀物ヘッダ31の前側の左右側部から前方へ突出するように設けられている。掻込リール34は、タインバー付きのリールであり、掻込オーガ37の前上方の位置に設けられている。掻込リール34は、穀物ヘッダ31に基端部が枢支された左右一対のリール支持アーム34a,34aの先端部間に、左右方向を回転軸方向として回転可能に支持されている。掻込リール34は、回転しながら連続的に穀稈の着莢部に作用し、穀稈の着莢部を掻込オーガ37側へ掻き込む。
フィーダハウス35内のコンベヤ36は、その送り終端側を軸支する駆動軸として、脱穀部7の前部に設けられ左右方向を軸方向とする刈取入力軸38を有する。フィーダ30の後端部は、刈取入力軸38により、走行機体2側に対して左右方向を回動軸方向として回動可能に支持されている。また、フィーダハウス35の下面部と機体フレーム6との間には、油圧シリンダである昇降用シリンダ39が介設されている。昇降用シリンダ39の伸縮動作により、刈取部3が刈取入力軸38を回動支軸として昇降する。刈取部3の昇降動作により、刈取部3の高さ調節が行われる。刈取部3の昇降動作は、運転部15に設けられた所定の操作部により操作される。
脱穀部7および選別部8について説明する。脱穀部7は、扱口7aを前側に開口させた扱室7b内に設けられた扱胴41と、扱胴41の下方に配置された受網42とを有する。扱室7bは、機体フレーム6上に設けられた機枠100によって形成されている。
扱胴41は、前後方向を軸方向とする扱胴軸41aにより回転可能に支持されている。扱胴41は、扱胴軸41aを中心軸に沿わせた略円筒状の本体部を有し、本体部の外周面には、螺旋状の羽根が設けられている。扱胴41の上側には、扱室7b内の脱穀物の搬送速度(滞留時間)を調節するための複数の送塵弁40が、扱口7aの天面部7cに対して角度調節可能に設けられている。受網42は、穀粒を漏下させるものであり、扱胴41の下部の外周面に沿うように設けられている。
選別部8は、脱穀部7の下方に受網42を介して設けられた揺動選別部としての揺動選別盤43と、揺動軸44aを含む揺動機構44と、一番コンベヤ45と、二番コンベヤ46と、唐箕47とを有する。揺動機構44は、駆動源からの回転動力によって揺動軸44aを回転駆動させ、揺動選別盤43を平面視で前後方向となる所定の方向に往復揺動させる。唐箕47の前方には、プレファン71が設けられており、唐箕47の後方には、セカンドファン72が設けられている。
揺動選別盤43は、比重選別用の構成として、上フィードパン111と、上フィードパン111の後方に配置され穀粒漏下量を調節するチャフシーブ120と、チャフシーブ120の下方に配置された下フィードパン112と、チャフシーブ120の下方に配置されたグレンシーブ130等を有する。一番コンベヤ45は、一番穀粒(一番物)を集約するように機体幅方向に延びる一番樋45b内に配置されている。二番コンベヤ46は、一番コンベヤ45の後方の位置において、二番穀粒(二番物)を集約するように機体幅方向に延びる二番樋46b内に配置されている。唐箕47は、揺動選別盤43に対して前下方から後上方へ抜ける選別風を送風する。
また、脱穀部7および選別部8の配設部分の機体左側方には、還元コンベヤ48が設けられている。還元コンベヤ48は、下端部を二番コンベヤ46近傍に位置させて二番コンベヤ46に連設されるとともに、上端部を扱胴41の前端部の近傍に位置させ、前上がりの傾斜状に延設されている。また、還元コンベヤ48の上端部には、扱胴41の前方において左右方向に延びる上コンベヤ49が設けられている。
以上のような構成を備えたコンバイン1は、圃場において、刈取入力軸38を中心(支軸)としたフィーダ30の昇降動作により刈取部3を地上に対して所望の高さとなるまで上昇させ、非作業状態から作業状態となり、その状態で走行機体2により走行する。これにより、コンバイン1は、収穫作物を左右の分草体33,33により刈取対象と非刈取対象とに分草し、刈取対象の穀稈の穂先側の着莢部を掻込リール34により掻き込みながら刈刃装置32により穀稈の着莢部を刈り取る。
所望の刈取位置で刈り取られた穀稈の着莢部は、回転駆動する掻込オーガ37により穀物ヘッダ31内に掻き込まれるとともに、穀物ヘッダ31の左右中央部のフィーダハウス35の入口付近に集められ、フィーダハウス35内のコンベヤ36によりフィーダハウス35内を通って扱口7aに投入され、脱穀部7に供給される。
脱穀部7に供給された穀稈の着莢部は、脱穀部7により脱穀処理される。具体的には、脱穀部7に供給された穀稈は、回転する扱胴41により後方に向けて搬送されながら、主に扱胴41と受網42との間で脱穀される。受網42の網目よりも小さい穀粒等の脱穀物は、受網42から漏下する。受網42から漏下しない藁屑等は、扱胴41の搬送作用によって、選別部8の後部に設けられた排塵口8aから圃場に排出される。
一方、脱穀部7で脱穀処理され受網42から漏下した穀粒は、選別部8により選別処理される。具体的には、扱胴41にて脱穀されて受網42から漏下した脱穀物は、揺動選別盤43による比重選別作用と、唐箕47による風選別作用とにより、精粒等の穀粒(一番物)と、枝梗付き穀粒等の穀粒と藁の混合物(二番物)と、藁屑等とに選別されて取出される。
選別部8における選別により揺動選別盤43から落下した穀粒(一番物)は、一番コンベヤ45とこれに連設された揚穀コンベヤ(図示略)とによってグレンタンク10へ搬送される。二番物は、二番コンベヤ46とこれに連設された還元コンベヤ48および上コンベヤ49とによって扱胴41の脱穀始端側に戻され、再度脱穀処理を受ける。藁屑等は、排塵口8aから圃場に排出される。
次に、本実施形態に係るコンバイン1の動力伝達構成について、図5を用いて説明する。コンバイン1は、エンジン25の回転動力により、刈取部3、走行部4、脱穀部7、選別部8、および穀粒貯留部9を駆動させる。
エンジン25の出力軸25aの回転動力は、第1ベルト伝動機構52により第1カウンタ軸51に伝達される。一方、エンジン25の回転動力は、オーガクラッチ53等を介して、下部排出コンベヤ11、縦搬送コンベヤ12および穀粒排出コンベヤ13を含む穀粒貯留部9の各種駆動部に伝達される。なお、エンジン25は、昇降用シリンダ39等を作動させるチャージポンプ54を駆動させる作業機ポンプ軸を有する。
エンジン25の出力軸25aから第1カウンタ軸51に伝達された回転動力は、脱穀部7への動力伝達系と、走行部4、選別部8および刈取部3への動力伝達系とに分岐する。
まず、脱穀部7への動力伝達系に関し、第1カウンタ軸51の回転動力は、第2ベルト伝動機構55により第1ロータ駆動軸56に伝達される。第2ベルト伝動機構55には、第1カウンタ軸51の回転動力を第1ロータ駆動軸56に任意に断続して伝える脱穀クラッチ57が設けられている。脱穀クラッチ57のON/OFFは、作業クラッチレバーの操作により切り換えられる。
第1ロータ駆動軸56の回転動力は、脱穀変速装置58を介してロータ駆動軸59に伝達され、ロータ駆動軸59の回転動力は、第3ベルト伝動機構60を介して扱胴軸41aに伝達される。脱穀変速装置58は、高速ギヤ列と低速ギヤ列とを有する2段式の構成を備え、コンバイン1が備える制御装置による制御下で所定のアクチュエータにより、処理対象の作物の種類等に応じて適宜変速動作させられる。なお、扱胴軸41aの後端部には、第3ベルト伝動機構60を構成するプーリ41bが固設されている。
次に、走行部4への動力伝達系に関し、第1カウンタ軸51の回転動力は、第4ベルト伝動機構61により第2カウンタ軸62に伝達される。第2カウンタ軸62の回転動力は、第5ベルト伝動機構63を介してHST入力軸64に伝達され、HST入力軸64により、走行用HSTおよび旋回用HSTを含むトランスミッション65に入力される。ここで、「HST」とは、油圧ポンプを駆動させることで発生させた油圧を油圧モータで再び回転力に変換する方式を採用した油圧式無段変速装置である。トランスミッション65の駆動力により、走行部4を構成するクローラ部5の駆動スプロケット5aが回転駆動させられる。
また、選別部8への動力伝達系に関し、第2カウンタ軸62の回転動力は、第6ベルト伝動機構66により第1PTO駆動軸67に伝達され、第1PTO駆動軸67の回転動力は、ギヤ等を含む伝動機構68を介して第2PTO駆動軸69に伝達される。第2PTO駆動軸69の回転動力は、ベルト伝動機構等の所定の伝動機構により、プレファン71を回転させるプレファン軸71a、唐箕47を回転させる唐箕軸47a、および一番コンベヤ45を回転させる一番コンベヤ軸45aにそれぞれ伝達される。また、第2PTO駆動軸69の回転動力は、一番コンベヤ軸45aを介して揺動機構44の揺動軸44aに伝達される。また、一番コンベヤ軸45aの回転動力は、所定の伝動機構により、セカンドファン72を回転させるセカンドファン軸72aに伝達される。
揺動軸44aの回転動力は、所定の伝動機構により二番コンベヤ46を回転させる二番コンベヤ軸46aに伝達される。二番コンベヤ軸46aの回転動力は、所定の伝動機構により還元コンベヤ48を回転させる縦コンベヤ軸48aに伝達され、縦コンベヤ軸48aの回転動力は、所定の伝動機構により上コンベヤ49を回転させる横コンベヤ軸49aに伝達される。
そして、刈取部3への動力伝達系に関し、第2PTO駆動軸69の回転動力は、第7ベルト伝動機構73により刈取入力軸38に伝達される。刈取入力軸38の回転駆動により、フィーダハウス35内のコンベヤ36が作動する。第7ベルト伝動機構73には、第2PTO駆動軸69の回転動力を刈取入力軸38に任意に断続して伝える刈取クラッチ75が設けられている。刈取クラッチ75のON/OFFは、作業クラッチレバーの操作により切り換えられる。
刈取入力軸38の回転動力は、第1チェン伝動機構76によりPF駆動軸77に伝達される。PF駆動軸77の回転動力は、第2チェン伝動機構78を介して掻込オーガ37を回転させるPFオーガ軸37aに伝達される。また、PF駆動軸77の回転動力は、第8ベルト伝動機構80を介して刈刃装置32を駆動させる刈刃駆動軸32aに伝達される。また、PF駆動軸77の回転動力は、第1リールカウンタ軸81および第2リールカウンタ軸82を含む動力伝達機構により、掻込リール34を回転させるリール軸34bに伝達される。
以上のような構成を備えた本実施形態に係るコンバイン1は、揺動選別盤43において、コンバイン1により収穫する穀物の種類等に応じてグレンシーブ130を交換できるように設けている。以下、揺動選別盤43およびその周囲の構成について、図6から図17を用いて説明する。なお、図12は、図7におけるA-A矢視断面図であり、図14は、図7におけるA-A位置に対応する位置の脱穀部7および選別部8の一部省略背面断面図である。
図6および図7に示すように、揺動選別盤43は、平面視で前後方向を長手方向とする略矩形状をなすように構成された枠体140を揺動本体とし、平面視で前後方向に揺動する揺動選別装置を構成している。枠体140は、左右の側板141,141と、左右の側板141,141の前端部間に設けられた前板部142と、左右の側板141,141の後端部間に設けられた後板部143および後底板部144とを有し、これらの板部により略矩形枠状に構成されている。なお、図8および図9に示す斜視図おいて、枠体140については平面断面により下部のみを示している。
側板141は、前後方向を長手方向とした長手状の板状部材であり、側面視において、上縁部を水平状にするとともに、概略的に前側から後側にかけて上下方向の寸法を徐々に大きくした形状を有する。側板141は、左右方向を板厚方向とする鉛直状の面部をなし、内側面141aおよび外側面141bを有する。左右の側板141,141の間に、揺動選別盤43を構成する選別用の各種構成が設けられている。
枠体140は、前下がりの傾斜面部をなす後底板部144において、揺動機構44の連結を受けている。揺動機構44の動作により、枠体140およびこれに支持された選別用の各種構成が一体的に揺動する。
左右の側板141,141間の前端部に、上フィードパン111が設けられている。上フィードパン111は、左右の側板141,141間に架設された略水平の板状の部材である。上フィードパン111上には、穀粒を左右中央側に導くガイド板111aが立設されている。上フィードパン111の後部には、直線棒状の複数の篩線を櫛歯状に配置した篩部111bが後方に向けて延出するように設けられている。篩部111bをなす複数の篩線は、左右方向に所定の間隔を空けて並列配置されている。上フィードパン111は、受網42から落下してきた脱穀処理物を受け止め、揺動選別盤43の揺動にともなって脱穀処理物を均しながら後方に移動させる。
上フィードパン111は、その左右の縁部に形成された取付片部111cを左右の側板141,141の内側面141aに沿わせ、取付片部を貫通するボルト等の固定具や溶接等によって左右の側板141,141に固定された状態で設けられている。上フィードパン111の下側には、上フィードパン111を支持する屈曲板状の支持板113が設けられている。支持板113は、左右の側板141,141に固定されるとともに、上フィードパン111に対して下側から固定されている。
上フィードパン111の下方に、下フィードパン112が設けられている。下フィードパン112は、左右の側板141,141間に架設された屈曲板状の部材である。下フィードパン112は、緩やかに後下がりに傾斜して下フィードパン112の前側の大部分をなす前傾斜面部112aと、前傾斜面部112aとともに鈍角をなす後面部112bとを有し、これらの面部により側面視で屈曲形状をなしている。下フィードパン112は、前後方向について、前部を、上フィードパン111の後部に重ねており、後部を、上フィードパン111よりも後方に延出させている。
下フィードパン112の左右の縁部には、下フィードパン112を左右の側板141,141に固定するための板状の取付片部112cが設けられている。下フィードパン112は、左右の取付片部112cをそれぞれ側板141の内側面141aに沿わせた状態で、取付片部112cを貫通するボルト等の固定具や溶接等によって左右の側板141,141に固定されている。
上下方向について、上フィードパン111と下フィードパン112の間の高さ位置に、チャフシーブ120が設けられている。チャフシーブ120は、穀粒の漏下量を調節するための構成であり、複数のフィンであるチャフフィン121を有する。
チャフフィン121は、左右方向を長手方向とする幅狭の矩形板状の部材であり、前下がりの傾斜状となる向きで、左右の側板141,141間に架設されている。チャフシーブ120をなす複数の(例えば十数枚の)チャフフィン121は、前後に所定の間隔を空けて平行に並んだ状態で設けられている。チャフフィン121は、傾斜角度の調整ができるように設けられている。
チャフシーブ120は、前後方向について、前端のチャフフィン121を、上フィードパン111の後端部近傍に位置させており、後側の略半分のチャフフィン121群を、下フィードパン112の後端よりも後方に位置させている。チャフシーブ120は、揺動選別盤43の揺動にともない、上フィードパン111から送られてきた脱穀処理物を篩にかけて比重選別し、穀粒と夾雑物とを分離する。
チャフシーブ120の後側には、チャフシーブ120に連続するようにスイングセレクタ125が設けられている。スイングセレクタ125は、左右方向を軸方向とした回動軸125aと、左右方向に延伸して回動軸125aに固設された支持板125bと、支持板125bから後側に延出した複数の篩線を櫛歯状に配置した篩部125cとを有する。篩部125cをなす複数の篩線は、左右方向に所定の間隔を空けて並列配置されている。
スイングセレクタ125は、左右両端に板状のフランジ部125dを有し、フランジ部125dを貫通するボルト125eにより左右の側板141,141に固定されている。スイングセレクタ125は、篩部125cを上下動させるように(図7、矢印B1参照)、回動軸125aを中心に一体的に回動可能に設けられている。スイングセレクタ125は、チャフシーブ120とともに脱穀処理物の選別処理を行う。
スイングセレクタ125の下方からグレンシーブ130の下方にかけて、一番コンベヤ45へ向かう前下がりの傾斜面をなす前側案内板145が設けられている。スイングセレクタ125から落下した脱穀物やグレンシーブ130から落下した脱穀物(一番物)が、前側案内板145により一番コンベヤ45へと案内される。
スイングセレクタ125の後下側には、ストローラック機構126が設けられている。ストローラック機構126は、左右の側板141,141間の後部に位置している。ストローラック機構126は、複数のフィン127を有する。フィン127は、左右方向を長手方向とする幅狭の矩形板状の部材であり、前下がりの傾斜状となる向きで、左右の側板141,141間に架設されている。複数のフィン127は、前後に所定の間隔を空けて平行に並んだ状態で設けられている。
ストローラック機構126において、複数のフィン127の後側には、篩部128が設けられている。篩部128は、左右方向に延伸して左右の側板141,141間に架設された支持板128aと、支持板128aから後側に延出した複数の篩線を櫛歯状に配置した篩部128bとを有する。篩部128bをなす複数の篩線は、左右方向に所定の間隔を空けて並列配置されている。
ストローラック機構126は、チャフシーブ120側から送られてくる脱穀物に対して比重選別を行う。ストローラック機構126は、脱穀物のうち、穀粒よりも比重の軽い二番物(枝梗付き穀粒や穂切れ物等)を流下させるとともに、排藁等を機外に送るように構成されている。
ストローラック機構126の下方には、二番コンベヤ46へ向かう前下がりの傾斜面をなす後側案内板146が設けられている。後側案内板146は、後底板部144の傾斜にならって前側に延出した態様で設けられている。ストローラック機構126から落下した脱穀物が、後側案内板146により二番コンベヤ46へと案内される。
グレンシーブ130は、扱室7b内に扱胴41を有する脱穀部7の下方に設けられ、脱穀部7により脱穀した穀粒を受けるものであり、一番物選別用の篩部として揺動選別盤43に設けられている。グレンシーブ130の上方には、複数のチャフフィン121を有するチャフシーブ120が設けられており、グレンシーブ130は、チャフシーブ120により選別された脱穀処理物を更に選別する。グレンシーブ130は、一番コンベヤ45の上方に位置し、脱穀処理物の搬送先を一番コンベヤ45と二番コンベヤ46に振り分ける。
グレンシーブ130は、図9および図11に示すように、略矩形板状の外形を有する平板状の部材である。グレンシーブ130は、左右の側板141,141間の間隔に対応した幅寸法(左右方向の寸法)を有する。
グレンシーブ130の平板状のグレンシーブ本体部130aには、前後の縁端部を除いた大部分の範囲に、脱穀処理物を選別するための多数の孔部131が貫通形成されている。グレンシーブ130は、孔部131群により、グレンタンク10に貯溜すべき穀粒を落下させるとともに、穀粒以外の夾雑物をグレンシーブ130上に残す。
グレンシーブ130は、そのグレンシーブ本体部130aにおいて、孔部131の非形成部位である前縁部132および後縁部133を有する。前縁部132および後縁部133は、グレンシーブ130の幅方向の全体にわたる板状部分である。グレンシーブ本体部130aの幅方向の中央部の裏側には、平面視で前後方向に沿う直線状の縦桟130bが設けられている(図12参照)。
グレンシーブ130は、前後方向について、前端部を、チャフシーブ120の中央部近傍の下方に位置させており、後端部を、チャフシーブ120の後部の下方であってスイングセレクタ125よりも前方に位置させている。
揺動選別盤43におけるグレンシーブ130の支持構成について説明する。グレンシーブ130は、掃除のためや他のグレンシーブ130との交換のために、揺動選別盤43において着脱可能に設けられている。グレンシーブ130としては、例えば、収穫対象となる作物の種類等に応じて孔部131の大きさや形状等を異ならせたものが用いられる。
グレンシーブ130は、前支持部134、後支持部135、および左右の側方支持部136,136により、矩形状の外形における四辺側で支持されている。グレンシーブ130およびその支持構成は、左右対称または略左右対称に構成されている。
前支持部134は、下フィードパン112の後縁部に設けられている。前支持部134は、下フィードパン112の後面部112bの後縁部の下側に取り付けられた受部材150により構成されている。
受部材150は、左右方向について下フィードパン112と略同じ寸法を有する直線状の部材であり、左右の側板141,141の間の略全体にわたるように設けられている。受部材150は、一定の横断面形状を有する屈曲板状の部材であり、下フィードパン112の後縁部とともに後側を開放側とした嵌合溝149を形成している。
受部材150は、その横断面形状をなす面部として、下フィードパン112の下面に沿う固定面部151と、固定面部151の後端部から下側に直角状に屈曲した縦面部152と、縦面部152の下端部から後側に直角状に屈曲した横面部153とを有する。受部材150は、これらの面部によって側面断面視において略クランク形状を有する。
受部材150は、固定面部151を、下フィードパン112の後面部112bの後側の縁部近傍部分に対して溶接あるいはボルト等の固定具によって固定させている。固定面部151は、下フィードパン112の後端縁部に対してわずかに前側(図11において左側)に位置しており、下フィードパン112は、その後縁部112dを、固定面部151の固定部分よりも後側に突出させている。
受部材150は、下フィードパン112の後端部の底側に固定された状態において、縦面部152を、後面部112bに対して垂下させるとともに、横面部153を、下フィードパン112の後縁部112dの下方において後縁部112dと平行状に後方に向けている。したがって、下フィードパン112の後縁部112dと、受部材150の縦面部152および横面部153とにより、側面断面視において後側を開放側とした略「C」字状をなして左右方向に延伸した凹状溝である嵌合溝149が形成されている。
グレンシーブ130は、嵌合溝149に対し、前側の縁端部を嵌合部137としている。嵌合部137は、グレンシーブ本体部130aの前縁部132と、前縁部132の前端部から下側に直角状に屈曲した前屈曲面部138とにより、側面断面視で略「L」字状をなす部分として形成されている。嵌合部137の内側には、前縁部132と前屈曲面部138とによる角部分に沿うように側面断面視で略「L」字状をなす補強板139が溶接等によって固定されている(図11参照)。
嵌合部137は、前屈曲面部138の上下方向の寸法と略同じとなる上下方向の寸法を、嵌合溝149の溝幅の寸法、つまり下フィードパン112の後縁部112dと受部材150の横面部153との間の間隔の寸法と略同じとしている。嵌合部137は、嵌合溝149に対して、前屈曲面部138を縦面部152に合わせる向きで嵌合可能に形成されている。
グレンシーブ130は、嵌合部137を前屈曲面部138側から嵌合溝149に差し込ませることで、嵌合部137を嵌合溝149に嵌合させた状態となる。グレンシーブ130は、嵌合部137を嵌合溝149に対して後側から嵌合させることで、前側の縁部を前支持部134に対して支持させた状態となる。嵌合部137は、嵌合溝149に嵌合した状態において、前屈曲面部138の下端を受部材150の横面部153に接触させるとともに、前屈曲面部138の上端部を受部材150の縦面部152の上部に接触させた状態となる。
下フィードパン112において略水平状の面部をなしている後面部112bに対して、グレンシーブ130は、例えば水平方向に対して略5~10°程度の傾斜角度で前下がりの傾斜状に設けられている。このため、グレンシーブ130の嵌合部137は、嵌合溝149に対して傾斜状に嵌合しており、左右方向の線に沿う線接触(側面断面視では点接触)の態様で複数箇所を嵌合溝149の内側の面に接触させている。
なお、本実施形態では、下フィードパン112側の嵌合溝149とグレンシーブ130側の嵌合部137とは、左右方向について左右の側板141,141間の略全体にわたって連続した部分として設けられているが、前支持部134の構造は特に限定されるものではない。例えば、嵌合溝149と嵌合部137による嵌合構造は、左右方向について部分的に設けられてもよく、複数箇所に設けられてもよい。また、前支持部134は、例えば、グレンシーブ130の係止片を下フィードパン112側に係止させることでグレンシーブ130の前側を支持するフック構造のもの等であってもよい。
後支持部135は、グレンシーブ130を支持する支持部としての支持梁160により構成されている。支持梁160は、左右の側板141,141間に横架された状態で設けられている。このように、グレンシーブ130の後側を支持する支持部は、揺動選別盤43の左右の側板141,141間に架設された梁状の部分として設けられている。支持梁160は、グレンシーブ130の後端部を支持するように設けられている。
支持梁160は、左右方向に延伸した直線状の部材であり、略「L」字状の横断面形状を有する山形鋼(アングル)状の部分を本体部としている。支持梁160は、本体部をなす部分として、第1面部161と第2面部162とを有する。
第1面部161は、グレンシーブ130の前下がりの傾斜に沿う前下がりの面部である。第2面部162は、第1面部161の後縁部から下側に直角状に屈曲した面部である。支持梁160は、前支持部134を構成する受部材150の後方に設けられており、上下方向について、受部材150よりも高い位置に設けられている。
支持梁160は、左右両端側に、左右の側板141,141に対する固定部分となる前固定片部163および後固定片部164を有する。前固定片部163は、第1面部161の左右端部から下側に直角状に屈曲した面部である。後固定片部164は、第2面部162の左右縁端から後側に直角状に屈曲した面部である。支持梁160は、左右の前固定片部163および後固定片部164を、それぞれ側板141の内側面141aに沿わせた状態で、これらの固定片部を貫通するボルト等の固定具や溶接等によって左右の側板141,141に固定されている。支持梁160は、グレンシーブ130の前下がりの傾斜に対応して、第1面部161を前下がりに傾斜させるように設けられている。
グレンシーブ130は、支持梁160に対し、後側の縁端部を係合部170としている。係合部170は、グレンシーブ本体部130aの後縁部133と、後縁部133の後端部から下側に直角状に屈曲した後屈曲面部171とにより、側面断面視で略「L」字状をなす部分として形成されている。係合部170は、後屈曲面部171の上下方向の寸法を、支持梁160の第2面部162の上下方向の寸法と略同じとしている。なお、後屈曲面部171の上下方向の寸法は、前屈曲面部138の同寸法よりも大きい。
グレンシーブ130は、係合部170を支持梁160に対して上側から重ねることで、係合部170を支持梁160に係合させた状態となる。グレンシーブ130は、係合部170を支持梁160に係合させることで、後側の縁部を後支持部135に対して支持させた状態となる。係合部170は、支持梁160に係合した状態において、後縁部133を第1面部161の上側に重ねるとともに、後屈曲面部171を第2面部162の後側に重ねた状態となる。
グレンシーブ130は、係合部170を、支持梁160に対して左右2箇所の締結固定部180により固定させている。すなわち、締結固定部180は、支持梁160に対してグレンシーブ130を固定する固定部である。
締結固定部180は、固定具としての固定ボルト181により、グレンシーブ130を支持梁160に固定している。固定ボルト181は、グレンシーブ130の後屈曲面部171および支持梁160の第2面部162を後側から貫通し、第2面部162の前側に設けられたナット部182に螺挿されている。後屈曲面部171および第2面部162には、それぞれ固定ボルト181を貫通させる孔部171a、162aが形成されている。ナット部182は、孔部162aに連続するネジ孔182aを有する螺挿部分であり、第2面部162の前側にナット状の部材を溶接等によって固定することにより設けられている。
2箇所の締結固定部180は、グレンシーブ130の左右方向の中間部に設けられている。具体的には、図12に示すように、左右の締結固定部180は、左右方向について、グレンシーブ130の左右両端から、グレンシーブ130の全体の寸法の1/3程度の寸法分、内側の位置に設けられている。
なお、本実施形態では、グレンシーブ130の後屈曲面部171は、左右方向についてグレンシーブ130の略全体にわたる範囲に設けられているが、後屈曲面部171は、左右方向について部分的に設けられてもよく、複数箇所に設けられてもよい。
また、グレンシーブ130を支持梁160に固定する締結固定部180は、支持梁160の延伸方向(左右方向)の中間部の左右2箇所に設けられているが、締結固定部180の配置位置や数は特に限定されない。締結固定部180は、支持梁160に対し、支持梁160の延伸方向の左右両端部(図12、範囲C1参照)を除いた中間部であれば、1箇所に設けられても3箇所以上に設けられてもよい。範囲C1は、グレンシーブ130の左右方向の全体の寸法に対して、例えば1/5程度の範囲である。
また、本実施形態では、支持梁160にグレンシーブ130を固定するための固定部は、固定ボルト181による締結固定部であるが、このような構成のものに限定されない。固定部としては、例えば、固定用のピンやクリップ等、固定ボルト181以外の固定具を用いた構成のものであってもよい。また、支持梁160は、グレンシーブ130の後端部を支持するように設けられているが、支持梁160は、グレンシーブ130の後端部よりも前方の部位を支持するように設けられてもよい。
左右の側方支持部136は、揺動選別盤43の左右の側板141,141に設けられたガイドレール190により構成されている。ガイドレール190は、平面視で前後方向に延伸し、グレンシーブ130の左右両端部を支持する。
ガイドレール190は、グレンシーブ130の前下がりの傾斜方向に沿って延伸した長手状の部材であり、側板141に固定された状態で前下がりの傾斜状に設けられている。ガイドレール190は、側板141に対する固定部分である固定面部191と、グレンシーブ130を案内・支持する部分であるガイド支持面部192とを有し、これらの面部によって略「L」字状の横断面形状を有する。
ガイドレール190は、固定面部191を側板141の内側面141aに沿わせた状態で、固定面部191を貫通するボルト等の固定具や溶接等によって側板141に固定されている。左右のガイドレール190は、互いに同じ高さ位置に設けられており、左右対称に構成されている。
固定面部191は、ガイドレール190の延伸方向に細長い略台形状の外形を有する。ガイド支持面部192は、固定面部191の下縁部から左右内側に向けて直角状に屈曲した面部である。固定面部191は、前後両端部において、ガイド支持面部192よりもわずかに下側に延出させた突片部191aを有する。突片部191aは、側板141に対するガイドレール190の固定に際して例えばボルト等の固定具を貫通させる部分等に用いられる。
ガイドレール190は、ガイド支持面部192により、側板141の内側面141aから左右内側に突出した突面部を形成しており、ガイド支持面部192の上面192aが、ガイド支持面となる。ガイド支持面部192の上面192aは、グレンシーブ130の着脱時においてはグレンシーブ本体部130aの摺動を受ける面となり、グレンシーブ130の装着状態においてはグレンシーブ本体部130aを下側から支持する支持面となる。
ガイドレール190は、ガイド支持面部192により、グレンシーブ本体部130aの左右の両縁部を下側から支持する。また、ガイド支持面部192は、グレンシーブ本体部130aの左右の縁部のうち、前後方向の両端部を除いた中間部を支持している。ただし、ガイド支持面部192によるグレンシーブ本体部130aに対する支持に関し、支持部位は複数箇所であってもよく、支持位置についても特に限定されない。
グレンシーブ130は、ガイドレール190に対する形状部分として、グレンシーブ本体部130aの左右両縁部に形成されたガイド面部175を有する。ガイド面部175は、グレンシーブ130の左右の縁部から上側に直角状に屈曲した縦面部である。
ガイド面部175は、グレンシーブ本体部130aの前後方向の略全体にわたって略一定の高さで形成されている。ガイド面部175の高さ(上下方向の寸法)は、ガイドレール190の固定面部191の高さよりもわずかに小さく、グレンシーブ130の装着状態において、固定面部191の上縁部がガイド面部175から上側にはみ出ている。ただし、ガイド面部175と固定面部191の高さの大小関係は限定されない。ガイド面部175においては、外側の側面175aが、ガイドレール190の固定面部191に対する接触面となる。
以上のようなグレンシーブ130の支持構成に対し、グレンシーブ130の交換等のためのグレンシーブ130の着脱作業において締結固定部180にアクセスするため、コンバイン1は、以下のような構成を備えている。
図13から図15に示すように、脱穀部7の左右の側板部200のうち、左側の側板部200である左側板部200Lには、開口部201が形成されている。左右の側板部200は、扱胴41等が収容された扱室7bを形成する面部のうち、左右の側面部をなす鉛直状の壁面部である。左右の側板部200の上端部間には、送塵弁40を支持する天面部7cを含み扱室7bの上面部をなす上面カバー203が設けられている。
開口部201は、側面視で前後方向を長手方向とした矩形状の開口をなす部分であり、左側板部200Lを貫通し、扱室7bと外部とを連通させる。開口部201は、矩形状の開口をなす開口縁部として、前側縁部201a、後側縁部201b、上側縁部201cおよび下側縁部201dを有する。開口部201は、前後方向について、左側板部200Lの全体の寸法の略半分の開口寸法を有し、左側板部200Lの後部に形成されている。
開口部201は、上下方向について、脱穀部7の下部に対応した位置に形成されている。具体的には、開口部201は、扱胴41の下部の周囲を覆う受網42の下部に対応した高さ位置に形成されている。開口部201は、上下方向について、上側縁部201cを、扱胴41の扱胴軸41aより下方かつ扱胴41の本体部の下端よりも上方に位置させるとともに、下側縁部201dを、受網42よりも下方かつ揺動選別盤43よりも上方に位置させている。開口部201は、図13に示すように、左側面視において、扱胴41の後部の下縁部、および受網42の後部の下側の部分を露出させるように形成されている。
開口部201は、グレンシーブ130の支持構造に対して、前後方向について、グレンシーブ130の後端部を固定する締結固定部180に対応する位置に形成されている。つまり、開口部201は、前後方向について、開口の範囲内に締結固定部180が位置するように形成されている。
図4および図13に示すように、開口部201は、前後方向について、前側縁部201aの位置となる前端位置D1を、グレンシーブ130の前縁部よりもわずかに前方に位置させている。また、開口部201は、前後方向について、後側縁部201bの位置となる後端位置D2を、揺動選別盤43の後端よりもわずかに前方に位置させている。
したがって、開口部201は、前後方向について、前端位置D1から後端位置D2までの範囲D3の範囲内に、締結固定部180を位置させている。本実施形態では、開口部201は、前後方向について、範囲D3の前後中間部であって前後中央位置よりも前方に締結固定部180を位置させるように形成されている。なお、図4においては、開口部201の開口範囲を二点鎖線で示している。
このように、本実施形態では、脱穀部7の右側の側方にグレンタンク10を備えた構成において、脱穀部7の左右の側板部200のうち、脱穀部7に対してグレンタンク10が設けられた側と反対側の側板部200である左側板部200Lに、締結固定部180の操作等に用いられる開口部201が形成されている。
なお、脱穀部7の左方にグレンタンク10を備えた構成の場合は、脱穀部7の右側の側板部200である右側板部200Rに開口部201が形成される。また、開口部201は、グレンタンク10の配置に関わらず、左側板部200Lおよび右側板部200Rの両方に形成されてもよい。つまり、開口部201は、脱穀部7の左右の側板部200のうち少なくとも一方の側板部200に形成されていればよく、一方の側板部200にのみ開口部201が形成される場合は、グレンタンク10の配置側と反対側の側板部200に形成される。
図14および図15に示すように、開口部201は、通常は、蓋板205により塞がれている。蓋板205は、開口部201の開口範囲に合致するように矩形状の外形を有する板状の部材である。蓋板205は、開口部201に嵌った状態で、左側板部200Lに連続する平面部をなし、開口部201を全体的に閉塞する。
蓋板205は、上下の縁部に、左右外側(左側)に直角状に屈曲したガイド面部206,207を有する。一方、開口部201においては、上側縁部201cに沿うように、左右外側(左側)に庇状に突出した上支持面部208が設けられている。また、開口部201においては、下側縁部201dに沿うよう、上支持面部208に対して上下に対向するように左側に突出した下支持面部209が設けられている。上支持面部208および下支持面部209は、開口部201の上下の縁部において、左側板部200Lの外側に突出するとともに上下に対向した水平状の支持面をなしている。
蓋板205は、開口部201を閉塞した状態において、上側のガイド面部206を上支持面部208に下側から合わせるとともに、下側のガイド面部207を下支持面部209に上側から合わせた状態となる。このように、蓋板205は、開口部201に対して、側板部200の板厚よりも広い面状の部分を合わせ部として支持されている。
上支持面部208においては、先端縁部に、下側に向けて直角状に屈曲した係止面部208aが形成されている。係止面部208aは、右側の面においてガイド面部206の縁端の接触を受け、蓋板205の上側を係止する。
また、蓋板205の下側は、ロックレバー210により操作される係止ピン211により側板部200に対して係止されている。係止ピン211は、直線棒状の部材であり、蓋板205を貫通する操作軸212のうち、蓋板205の内側(図14において右側)への突出部分に対して、径方向に貫通した状態で設けられている。
操作軸212は、左右方向を軸方向とし、軸回りに回動することで、係止ピン211を側板部200に係止させたロック状態と、係止ピン211を側面視で蓋板205の外形の範囲内に位置させる非ロック状態とを切り換える。ロック状態において、係止ピン211は、側板部200における開口部201の下側縁部201dをなす部分に対して内側から係止された状態となる。
操作軸212のうち蓋板205の外側(図14において左側)の部分からの延出部分により、把持部210aを有するロックレバー210が設けられている。ロックレバー210は、操作軸212から後側に延出するとともに先端側を立ち上げるように屈曲状に設けられている。ロックレバー210は、操作軸212と一体の部分であり、ロックレバー210の操作により、操作軸212が軸回りに回動し、ロック状態と非ロック状態とが切り替わる。係止ピン211によるロック部は、蓋板205の前後の2箇所に設けられている。
このような構成において、蓋板205を取り外す際には、前後のロックレバー210を回動操作して係止ピン211による係止状態を解除し、ロックレバー210を把持した状態で蓋板205の下部を手前側に引くとともに、上支持面部208に対するガイド面部206による係止部分を外すことで、蓋板205が左側板部200Lから取り外される。一方、蓋板205を取り付ける際には、上支持面部208に対してガイド面部206を係止させた後に蓋板205により開口部201を塞ぎ、その後、前後のロックレバー210の回動操作によって係止ピン211を係止状態とする。
このように、蓋板205は、手動操作により着脱できるように構成されている。そして、脱穀部7の左側板部200Lにおいて、蓋板205により開閉される開口部201が、扱室7b内の構成に対するメンテナンス等に用いられる点検用の窓部として設けられている。
開口部201が形成されている左側板部200Lは、外側(左側)から外装カバー215により覆われている(図1参照)。外装カバー215は、コンバイン1の走行機体2の左側後部の外装をなすカバー部材の一つである。外装カバー215は、走行機体2の左側面部において、還元コンベヤ48よりも後側の部分に設けられている。走行機体2の左側後部の外装をなすカバー部材としては、外装カバー215の上側に、走行機体2の左側面部の上部を覆う上カバー216が設けられており、外装カバー215の後側かつ上カバー216の後端部の下側に後カバー217が設けられている。
外装カバー215は、走行機体2の本体側に対して着脱可能または所定の軸支部により開閉可能に設けられている。外装カバー215を取り外すか開くことにより、左側板部200Lにおける開口部201の形成部位が露出した状態となる。
図16および図17に示すように、グレンシーブ130の着脱作業において締結固定部180にアクセスするため、チャフシーブ120を構成する複数のチャフフィン121のうち、前後方向について締結固定部180に対応する位置に設けられたチャフフィン121は、取外し可能に設けられている。
本実施形態では、前後に並んだ16本のチャフフィン121のうち、グレンシーブ130の後支持部135をなす支持梁160の上方に位置する後側の2本のチャフフィン121が、締結固定部180に対応する位置に設けられたチャフフィン121となり、枠体140に対して着脱可能に設けられている。前後方向について締結固定部180に対応する位置にあるチャフフィン121は、上面視で少なくとも一部を締結固定部180に重ねるチャフフィン121であると言える。
本実施形態では、支持梁160は、前後方向について、後側の2本のチャフフィン121の間に位置している(図10参照)。以下では、着脱可能に設けられた後側の2本のチャフフィン121を「後側チャフフィン121A」とする。
図17に示すように、後側チャフフィン121Aは、そのフィン本体部について、左片部221と右片部222とによる左右2分割構造を有する。後側チャフフィン121Aのフィン本体部は、一体の横断面形状を有する直線的な板状の部材であり、長手方向における所定の位置で左片部221と右片部222により左右に分割されている。本実施形態では、フィン本体部の分割位置は、後側チャフフィン121Aの左端部近傍に位置しており、左片部221と右片部222との長さ比が略1:5となっている。ただし、後側チャフフィン121Aの分割位置は特に限定されない。
左片部221と右片部222とは、両片部の突き合わせ部の裏側に設けられた連結プレート224を介して互いに連結されている。連結プレート224は、後側チャフフィン121Aのフィン本体部と略同じ幅を有する矩形板状の部材である。
連結プレート224は、左片部221と右片部222との合わせ部の裏側にあてがわれた状態で、左片部221および右片部222それぞれを表面側から貫通するボルト225により各片部に対して固定されている。ボルト225は、左片部221または右片部222と連結プレート224を貫通し、連結プレート224の裏側に設けられたナット部226に螺挿される。左片部221、右片部222および連結プレート224には、ボルト225を貫通させる孔部221a,222a,224aが形成されている。ボルト225による固定部は、左片部221および右片部222の各片部に対して2箇所ずつ、計4箇所に設けられている。
後側チャフフィン121Aは、揺動選別盤43の左右の側板141,141の内側面141aに設けられたフィン取付部227に両端を保持させた状態で、左右の側板141,141間に架設される。フィン取付部227は、側板141の内側面141aから突出した部分であり、フィン本体部の両端部を差し込ませるスリット状の挿嵌溝227aを有する。
フィン取付部227は、挿嵌溝227aにフィン本体部の左右の端部を挿嵌させた状態で、左片部221または右片部222の端部を板厚方向に挟んだ態様で各片部を固定状態で支持する。すなわち、左片部221の左側の端部が、左側の側板141に設けられたフィン取付部227により固定支持され、右片部222の右側の端部が、右側の側板141に設けられたフィン取付部227により固定支持される。
以上のような構成において、装着状態の後側チャフフィン121Aを取り外す際には、まず、4本のボルト225が取り外され、連結プレート224が取り外される。その後、左片部221および右片部222の各片部が、フィン取付部227から取り外される。これにより、後側チャフフィン121Aが取り外される。
2本の後側チャフフィン121Aを取り外すことで、後から3番目のチャフフィン121(121B)と、スイングセレクタ125との間にスペース228ができる(図17参照)。これにより、上面視において、スペース228を介して、グレンシーブ130の後支持部135が露出した状態となる。つまり、スペース228を介して、締結固定部180に対する上方からのアクセスが可能な状態となる。
また、図4および図15に示すように、グレンシーブ130の取付け・取外し用の構成として、走行機体2において、揺動選別盤43の後方には、グレンシーブ130を出し入れするための開口230が設けられている。開口230は、扱室7bの後側において扱室7bに連続した空間をなす部分であり、扱室7bの下方の揺動選別盤43の収容空間を後方に向けて開放させる部分である。
開口230は、走行機体2の背面部の上部を覆うカバー部材である後上カバー231の下側において、左右の後側壁232により形成されている。左右の後側壁232は、左右の側板部200を後側に延出させた態様で設けられた壁面部であり、側面視において後側に膨出した凸形状を有する。
開口230は、通常は、走行機体2の背面部の下部を覆うカバー部材である後下カバー233により後方側から覆われている。後下カバー233は、左右の後側壁232の後縁部間に架設された状態で設けられている。後下カバー233は、水平状の上縁部を後上カバー231の下縁部の直下に位置させるとともに、左右の後側壁232の後側に凸の側面視形状に沿うように、側面視で所定の屈曲形状を有する。
左右の後側壁232は、下端部において、側面視で後上がりの傾斜をなす傾斜辺部232aを有する。後下カバー233は、上下方向について、左右の後側壁232に対して、傾斜辺部232aよりも上側の部分の全体にわたる範囲に設けられている。左右の後側壁232の傾斜辺部232aと、後下カバー233の下縁部とにより、後下側に開口した排塵口8aの開口部が形成されている。なお、排塵口8aを形成する面部として、後下カバー233の前下側に位置する排塵ガイド面部234が設けられている。排塵ガイド面部234は、揺動選別盤43の枠体140の後板部143の下側から後下がりに傾斜した傾斜面部と、傾斜面部の下端から下方に延びた鉛直面部とを有する。
後下カバー233は、走行機体2の本体側に対して着脱可能または所定の軸支部により開閉可能に設けられている。開口230は、後下カバー233により閉じられることで、排塵口8aの一部をなし、後下カバー233が取り外されたり開かれたりすることにより後側に開放された状態となる。グレンシーブ130を走行機体2の内部から取り出すときは、グレンシーブ130は、開口230から後側に引き出され、グレンシーブ130を走行機体2の内部に取り付けるときは、グレンシーブ130は、開口230から前側に押し入れられる。
以上のような構成を備えたコンバイン1において、グレンシーブ130の取外しおよび取付けの手順について説明する。
グレンシーブ130を取り外すときは、まず、走行機体2の左側の外装カバー215を取り外す等して左側板部200Lを露出させる。次に、ロックレバー210の操作によって蓋板205を取り外し、開口部201を開けた状態とする(図13参照)。開口部201から作業を行い、ボルト225および連結プレート224を取り外すことで、2本の後側チャフフィン121Aを取り外す(図17参照)。
次に、開口部201からの作業として、2本の後側チャフフィン121Aを取り外したスペース228を介して、締結固定部180にアクセスし、2箇所の固定ボルト181を取り外す。これにより、グレンシーブ130の固定が解除された状態となる。その後、後下カバー233を取り外す等して開口230を開放させる。なお、開口230の開放作業は、開口部201を開口させる作業よりも先に行われてもよい。
そして、グレンシーブ130が、後側に引き出される。ここで、左右のガイドレール190のガイド支持面部192の上面192aがガイド面となり、スイングセレクタ125とストローラック機構126との間のスペースからグレンシーブ130が後側に引き出される(図6、矢印E1参照)。後側に引き出されたグレンシーブ130は、そのまま開口230から取り出される。
グレンシーブ130を取り付ける手順は、グレンシーブ130を取り外す手順と逆の手順となる。すなわち、機体後方の開口230から、グレンシーブ130を、前屈曲面部138側を前側とした向きで、嵌合部137を嵌合溝149に差し込むように押し入れる。ここで、左右のガイドレール190のガイド支持面部192の上面192aがガイド面となり、グレンシーブ130を前方に押し込むことにより、嵌合部137が嵌合溝149に自動的に差し込まれる。
その後、機体左側の開口部201からの作業として、スペース228を介して、左右2箇所の締結固定部180の固定ボルト181の締結作業を行うことで、グレンシーブ130を支持梁160に固定する。そして、2本の後側チャフフィン121Aを取り付け、開口部201を蓋板205により塞ぎ、外装カバー215および後下カバー233を取り付ける等して元の状態に戻す。
以上のような構成を備えた本実施形態に係るコンバイン1によれば、選別部8に設けられたグレンシーブ130の着脱作業についての作業性を向上させることができる。
例えば、グレンシーブ130を揺動選別盤43の左右の側板141,141に対してボルト等により固定した構成の場合、左側板部200Lの開口部201からの作業において、グレンシーブ130の奥側(右側)の固定部にアクセスするためには、作業者は開口部から体を乗り入れたり手を伸ばしたりといった無理な体勢をとらなければならず、作業性が良くない。
これに対し、本実施形態のコンバイン1においては、グレンシーブ130の後部を支持梁160に固定する締結固定部180が、グレンシーブ130の後縁部の左右方向(幅方向)の両端部よりも中央側の部位である中間部に設けられている。また、脱穀部7の左側板部200Lにおいては、前後方向の開口範囲内に締結固定部180を位置させるように開口部201が形成されている。
このような構成によれば、開口部201からの作業として行われる締結固定部180に対する作業について、締結固定部180に手が届きやすくなるため、作業者は、無理な体勢をとることなく固定ボルト181の締結操作を容易に行うことができる。また、作業者は、左右両側に設けられた締結固定部180に対する作業を、機体左側の開口部201からの作業として、つまり左右一側からの作業として行うことができる。このように、本実施形態に係るコンバイン1によれば、グレンシーブ130の着脱作業について良好な作業性を得ることができ、グレンシーブ130を容易に交換することができる。
また、揺動選別盤43においては、左右の側板141,141にグレンシーブ130を平面視で前後方向に案内して支持するガイドレール190が設けられており、グレンシーブ130の出し入れは、機体の後側に形成された開口230から行われる。
このような構成によれば、グレンシーブ130の着脱作業において、左右のガイドレール190により、グレンシーブ130が支持されるとともにグレンシーブ130の移動方向が案内されることから、選別部8に対するグレンシーブ130の出し入れを容易に行うことができる。具体的には、例えば、グレンシーブ130を取り付けるときには、グレンシーブ130を左右のガイドレール190上に乗せた状態からは、前方に押すだけで自動的にグレンシーブ130を所定の取り付け位置に位置させることができる。また、グレンシーブ130を取り出すときには、左右のガイドレール190による支持作用が得られる位置までは、ガイドレール190に沿った所定の経路でグレンシーブ130を移動させることができるため、グレンシーブ130を他の装置構成と干渉させることなくスムーズに取り出すことができる。
また、機体後側の開口230からグレンシーブ130を出し入れする構成により、例えば左側板部200L側等の機体の側方からグレンシーブ130を出し入れする構成に対して、次のような効果を得ることができる。左側板部200Lの外側(左側)には、第2PTO駆動軸69(図5参照)からの動力を選別部8の各駆動部に伝達するためのベルト伝動機構等の伝動機構が設けられるが、この伝動機構におけるベルトの配置等の設計についての自由度を確保することができる。すなわち、機体の左側方からグレンシーブ130を出し入れする構成の場合、左側板部200Lの外側の伝動機構について、グレンシーブ130の出し入れ用の開口部との位置関係を考慮する必要があるが、機体後側の開口230からグレンシーブ130を出し入れする構成によれば、左側板部200Lの外側の伝動機構の設計を比較的自由に行うことが可能となる。
また、揺動選別盤43においては、チャフシーブ120を構成する複数のチャフフィン121のうち、締結固定部180に対応する位置に設けられた後側チャフフィン121Aが取外し可能に設けられている。
このような構成によれば、例えばスイングセレクタ125等の他の装置構成を取り外したりすることなく、後側チャフフィン121Aを取り外す作業のみにより、締結固定部180に上方からアクセスするためのスペースを容易に確保することができる。これにより、締結固定部180に対する作業を容易に行うことができ、グレンシーブ130の着脱作業の作業性を向上させることができる。
なお、2本の後側チャフフィン121Aと取り外すことで得られるスペース228は、締結固定部180に対するアクセスのほか、グレンシーブ130に対するエア吹付け等によるグレンシーブ130の清掃等にも用いられる。また、本実施形態では、締結固定部180に対応する位置のチャフフィン121は、2本の後側チャフフィン121Aであるが、取外し可能とするチャフフィン121の位置や本数は、チャフシーブ120と締結固定部180の位置関係等に応じて定まる。
また、本実施形態のコンバイン1のように、脱穀部7および選別部8の右側方にグレンタンク10を配置した構成においては、脱穀部7および選別部8の右側からグレンシーブ130の着脱のための作業を行う場合、例えばグレンタンク10を機体右側に回動させてサイドオープンさせる必要がある。グレンシーブ130の着脱のためにグレンタンク10を回動操作することは、作業効率の面で好ましくない。
そこで、本実施形態のコンバイン1では、脱穀部7の左右の側板部200のうち、グレンタンク10の配置側と反対側の側板部200である左側板部200Lに、締結固定部180にアクセスするための開口部201が形成されている。このような構成によれば、グレンシーブ130の着脱作業においてグレンタンク10を回動させる必要がないので、良好な作業性を得ることができる。
また、グレンシーブ130を支持する支持梁160は、グレンシーブ130の後端部に設けられている。このような構成によれば、例えばグレンシーブ130の前後中間部を支持梁160により支持する構成と比べて、グレンシーブ130をバランス良くしっかりと保持することが可能となる。
また、グレンシーブ130の支持部として、左右の側板141,141間に架設された梁状の部分である支持梁160が設けられている。このような構成によれば、グレンシーブ130を簡単な構成により支持固定することができる。
また、グレンシーブ130を支持梁160に対して固定ボルト181によって締結固定する構成によれば、支持梁160をグレンシーブ130の強度部材として機能させることができ、グレンシーブ130を補強することができる。これにより、グレンシーブ130の耐久性を向上させることができる。また、支持部材としての支持梁160をグレンシーブ130の強度部材として兼用することができるので、グレンシーブ130側に強度部材を設ける必要がなく、グレンシーブ130の重量化を抑制することができる。これにより、グレンシーブ130の着脱作業について良好な作業性を得ることができる。
また、グレンシーブ130の支持梁160に対する締結部は、後屈曲面部171を貫通する固定ボルト181による締結固定部180として、グレンシーブ130の後面側に設けられている。このような構成によれば、固定ボルト181のボルト頭部等をグレンシーブ130の上面に露出させることがないので、グレンシーブ130上を通る作物が引っかかることを抑制することができ、選別部8における作物の流れをスムーズなものとすることができる。
また、グレンシーブ130の支持構成として、グレンシーブ130の後側については、支持梁160に対する締結固定部180による固定支持を採用するとともに、グレンシーブ130の前側については、グレンシーブ130の前端部の嵌合部137を、下フィードパン112の後縁部に設けられた嵌合溝149に嵌合させる構造を採用している。
このような構成によれば、グレンシーブ130の前側については、グレンシーブ130の押し引きによる単純な操作によって支持状態およびその解除状態を得ることができる。これにより、グレンシーブ130の着脱に必要なボルト締結等の固定作業を減らすことができ、グレンシーブ130について良好な着脱性を得ることができる。
以上のように実施形態を用いて説明した本発明に係るコンバインは、上述した実施形態に限定されず、本発明の趣旨に沿う範囲で、種々の態様を採用することができる。
上述した実施形態では、コンバイン1は、普通型コンバインであるが、本発明は、例えば自脱型コンバイン等の他のタイプのコンバインであっても適用可能である。
1 コンバイン
7b 扱室
7 脱穀部
8 選別部
10 グレンタンク
41 扱胴
43 揺動選別盤
120 チャフシーブ
121 チャフフィン(フィン)
121A 後側チャフフィン(フィン)
130 グレンシーブ
137 嵌合部
141 側板
149 嵌合溝
160 支持梁(支持部)
170 係合部
180 締結固定部(固定部)
181 固定ボルト(固定具)
190 ガイドレール
200 側板部
200L 左側板部(一方の側板部)
201 開口部
205 蓋板
230 開口

Claims (6)

  1. 扱室内に扱胴を有する脱穀部と、前記脱穀部の下方に設けられ、前記脱穀部により脱穀した穀粒を受けるグレンシーブと、を備えたコンバインであって、
    前記グレンシーブを支持する支持部と、
    前記グレンシーブの左右方向の中間部に設けられ、前記支持部に対して前記グレンシーブを固定具により固定する固定部と、を有し、
    前記脱穀部の左右の側板部のうち少なくとも一方の側板部には、前後方向について前記固定部に対応する位置に開口部が形成されている
    ことを特徴とするコンバイン。
  2. 前記グレンシーブは、前記脱穀部の下方に設けられた揺動選別部に設けられており、
    前記揺動選別部の左右の側板には、平面視で前後方向に延伸し、前記グレンシーブの左右両端部を支持するガイドレールが設けられており、
    前記揺動選別部の後方には、前記グレンシーブを出し入れするための開口が設けられている
    ことを特徴とする請求項1に記載のコンバイン。
  3. 前記グレンシーブの上方には、複数のフィンを有するチャフシーブが設けられており、
    前記複数のフィンのうち、前後方向について前記固定部に対応する位置に設けられたフィンは、取外し可能に設けられている
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のコンバイン。
  4. 前記脱穀部の左右一側の側方に設けられ、穀粒を貯留するグレンタンクを備え、
    前記一方の側板部は、前記脱穀部の左右の側板部のうち、前記脱穀部に対して前記グレンタンクが設けられた側と反対側の側板部である
    ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のコンバイン。
  5. 前記支持部は、前記グレンシーブの後端部を支持するように設けられている
    ことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載のコンバイン。
  6. 前記グレンシーブは、前記脱穀部の下方に設けられた揺動選別部に設けられており、
    前記支持部は、前記揺動選別部の左右の側板間に架設された梁状の部分である
    ことを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載のコンバイン。
JP2021155942A 2021-09-24 2021-09-24 コンバイン Pending JP2023047044A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021155942A JP2023047044A (ja) 2021-09-24 2021-09-24 コンバイン

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021155942A JP2023047044A (ja) 2021-09-24 2021-09-24 コンバイン

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023047044A true JP2023047044A (ja) 2023-04-05

Family

ID=85778159

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021155942A Pending JP2023047044A (ja) 2021-09-24 2021-09-24 コンバイン

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2023047044A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN108207289B (zh) 联合收割机
JP6033128B2 (ja) コンバイン
JP5797980B2 (ja) コンバイン
CN110226415B (zh) 联合收割机以及装载在该联合收割机的脱粒装置
JP4892960B2 (ja) コンバイン
JP6129043B2 (ja) 普通型コンバイン
JPH10295158A (ja) コンバインの脱穀選別装置
JP4650940B2 (ja) コンバイン
JP2023047044A (ja) コンバイン
WO2010021318A1 (ja) 自脱型のコンバイン
JP2013059279A (ja) コンバイン
JP4968377B2 (ja) コンバイン
JPH037325B2 (ja)
JP7453074B2 (ja) コンバイン
JP7423397B2 (ja) 収穫機
US20220264796A1 (en) Combine and Threshing Device
JP2014014327A (ja) 普通型コンバインの脱穀装置
JP5763457B2 (ja) コンバインの伝動構造
JP5340617B2 (ja) コンバイン
JP4413187B2 (ja) 脱穀装置の選別構造
JP2023082967A (ja) 作業車両
JP2024005012A (ja) コンバイン
JP2000037133A (ja) 汎用コンバインのグレンタンク
JP4968396B2 (ja) コンバイン
JP2015065880A (ja) 普通型コンバイン

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20240220