WO2016031737A1

WO2016031737A1 - 加熱調理器

Info

Publication number: WO2016031737A1
Application number: PCT/JP2015/073626
Authority: WO
Inventors: 唯那須; 彰宏吉留; 雅之岩本; 竹内　淳一; 浩史平野
Original assignee: シャープ株式会社
Priority date: 2014-08-29
Filing date: 2015-08-21
Publication date: 2016-03-03
Also published as: CA2940468C; CA2940468A1; US10154549B2; US20170171921A1

Abstract

　簡単な構造で熱風の流れを整流することができ、均一に被調理物を加熱することができ、良好な加熱調理効率を有する加熱調理器を提供する。　オーブンレンジ１は、箱状をなし、正面側に開口部が設けられた加熱室３を有する調理器本体２と、開口部を開閉する扉部４、並びに該扉部４に連設された２枚の側板部５１、底板部５３、及び背板部５２を含む内箱部５を有し、正面側に移動可能であり、被調理物９を収納する収納体１０と、熱風を生成する熱風生成部８とを備える。熱風生成部８は加熱室３の後壁３１の外側に設けられており、後壁３１における背板部５２より高い位置に、熱風を吹き出す吹出口３１ａが設けられている。

Description

加熱調理器

　本発明は、箱状をなし、正面側に開口部を有する調理器本体と、開口部を開閉する扉及び内箱を有し、正面側に移動可能であり、被調理物を収納する収納体と、熱風を生成する熱風生成部とを備える加熱調理器に関する。

　加熱調理器として、被調理物を収納する内箱に開閉扉が一体化された収納体を調理器本体からスライドさせ、被調理物を加熱室から出し入れするように構成されたものが知られている。

　特許文献１には、加熱室内における被調理物の加熱機能として、被調理物に向かってマイクロ波を照射するマイクロ波加熱機能と、送風ファン、上面ダクト及び側面ダクトを含んでなる高速熱風加熱機能とを組み込み、複合加熱調理を可能とした加熱調理器の発明が開示されている。この加熱調理器においては、加熱室の底面に回転テーブルを備え、導波管を加熱室の側面部の空間に配することによって、上面ダクトを天井部構造に配置することが可能になり、高速熱風加熱調理機能を調理器本体内に組込んでいる。

特開２０１０－１３３６３４号公報

　上述の特許文献１の加熱調理器においては、上面ダクトに設けられた吹出口から熱風が下方に噴出され、加熱室の左側面の中央部に設けられた側面ダクトの吹出口から右側面に向けて熱風が噴出される。両吹出口から吹き出した熱風は合流した上で、加熱室の背面の右下隅部に設けられた吸気開口部を通じて送風ファンの吸込口に至り、循環気流が形成される。

　この特許文献１の加熱調理器においては、上述したように、加熱室の左側面の吹出口から背面の右下隅部の吸気開口部に向けて熱風が流れるように構成されているので、被調理物の前側右下部及び後ろ側左下部には熱風が当たりにくく、加熱むらが生じる可能性がある。従って、回転テーブルにより被調理物を回転させて、加熱むらの発生を防止する必要がある。

　本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、簡単な構造で熱風の流れを整流することができ、均一に被調理物を加熱することができ、良好な加熱調理効率を有する加熱調理器を提供することを目的とする。

　本発明に係る加熱調理器は、箱状をなし、正面側に開口部が設けられた加熱室を有する調理器本体と、前記開口部を開閉する扉、並びに該扉に連設された２枚の側板部、底板部、及び背板部を含む内箱を有し、正面側に移動可能であり、被調理物を収納する収納体と、熱風を生成する熱風生成部とを備える加熱調理器において、前記熱風生成部は、前記加熱室の後壁の外側に設けてあり、前記後壁における前記収納体の背板部より高い位置に、前記熱風を吹き出す吹出口が設けられていることを特徴とする。

　本発明に係る加熱調理器は、前記背板部の上端と、前記吹出口の下側部分とを橋絡して、前記熱風を前記収納体内へ導入する導入板部を備えることを特徴とする。

　本発明に係る加熱調理器は、箱状をなし、正面側に開口部が設けられた加熱室を有する調理器本体と、前記開口部を開閉する扉、並びに該扉に連設された２枚の側板部、底板部、及び背板部を含む内箱を有し、正面側に移動可能であり、被調理物を収納する収納体と、熱風を生成する熱風生成部とを備える加熱調理器において、前記熱風生成部は前記加熱室の外側に設けてあり、前記加熱室の壁面に、前記熱風を吹き出す吹出口が設けられ、前記吹出口に対向する位置に、前記収納体の側板部の外側に前記熱風を案内する案内部が設けられていることを特徴とする。

　本発明に係る加熱調理器は、前記収納体の側板部の前記扉側に、又は前記収納体の底板部に、前記熱風を吹き出す吹出口が設けられていることを特徴とする。

　本発明に係る加熱調理器は、前記熱風生成部は、前記加熱室の上壁の外側に設けてあり、前記上壁に前記吹出口が設けられていることを特徴とする。

　本発明によれば、加熱室の後壁における収納体の背板部より高い位置に、熱風を吹き出す吹出口が設けられているので、熱風生成部により生じた熱風は吹出口から吹き出し、収納体の背板部の端縁部の上側から収納体の内側へ導入されて後方から前方に被調理物に吹き付け、送風ファンの吸込口に至る。
　従って、簡単な構造で熱風を整流することができ、均一に被調理物を加熱することができ、加熱調理効率が良好である。
　そして、被調理物の材質、形状、重量、調理の種類等に対応して、送風ファンの回転数及び回転方向を変えることで、被調理物に当たる熱風の風量及び位置を変え、調理時間及び加熱の度合い等を調整することも可能である。

本発明の実施の形態１に係る加熱調理器としてのオーブンレンジの斜視図である。本発明の実施の形態１に係るオーブンレンジの収納体を引き出した状態を示す模式的側面断面図である。本発明の実施の形態１に係るオーブンレンジの内箱を収納した状態を示す模式的側面断面図である。本発明の実施の形態２に係るオーブンレンジを示す模式的側面断面図である。本発明の実施の形態３に係るオーブンレンジを示す模式的正面図である。本発明の実施の形態３に係るオーブンレンジを示す模式的平面断面図である。本発明の実施の形態４に係るオーブンレンジを示す模式的正面断面図である。本発明の実施の形態５に係るオーブンレンジを示す模式的正面断面図である。実施形態６の加熱調理器の第１実施例を示す外観斜視図である。実施形態６の加熱調理器の第１実施例を示す要部斜視図である。実施形態６の加熱調理器の第１実施例を示す要部斜視図である。実施形態６の加熱調理器の第１実施例を示す要部正面図である。実施形態６の加熱調理器の第２実施例を示す要部正面図である。実施形態６の加熱調理器の第３実施例を示す要部正面図である。実施形態６の加熱調理器の第４実施例を示す要部分解斜視図である。実施形態６の加熱調理器の第４実施例を示す要部斜視図である。実施形態６の加熱調理器の第５実施例を示す背面側要部斜視図である。実施形態６の加熱調理器の第５実施例を示す要部斜視図である。実施形態６の加熱調理器の第６実施例を示す要部斜視図である。実施形態６の加熱調理器の第７実施例を示す外観斜視図である。実施形態６の加熱調理器の第７実施例を示す要部正面図である。実施形態６の加熱調理器の第８実施例を示す要部正面図である。本発明の実施の形態７に係る加熱調理器の外観構成を略示する斜視図である。加熱調理器の内部構成を模式的に示す平面図である。加熱調理器の内部構成を模式的に示す側面図である。本発明の実施の形態８に係る加熱調理器の内部構成を模式的に示す平面図である。加熱調理器の内部構成（収納体突出時）を模式的に示す側面図である。加熱調理器の内部構成（収納体没入時）を模式的に示す側面図である。本発明の実施の形態９に係る加熱調理器の内部構成を模式的に示す平面図である。加熱調理器の内部構成を模式的に示す側面図である。本発明の実施の形態１０に係る加熱調理器の内部構成を模式的に示す平面図である。実施の形態１１に係る加熱調理器の外観斜視図である。実施の形態１１に係る加熱調理器の側断面図である。実施の形態１１に係る加熱調理器の側断面図である。蓋の取付の説明図である。実施の形態１１に係る加熱調理器の制御系の構成を示すブロック図である。ダンパーの配置を示す概略図である。実施の形態１２に係る加熱調理器の側断面図である。実施の形態１２に係る加熱調理器の制御系の構成を示すブロック図である。本発明に係る加熱調理器の実施の形態１４の外観を示す斜視図である。調理器本体の内部に形成されている加熱室の側断面を模式的に示す側断面図である。制御センサ、閉止確認センサ及びアームの側断面を拡大して模式的に示す側断面図である。制御センサ、閉止確認センサ及びアームの動作を模式的に示す説明図である。制御センサ、閉止確認センサ及びアームの動作を模式的に示す説明図である。扉部を開閉制御する為の構成例を示すブロック図である。本発明に係る電子レンジの扉部の開閉動作を示すフローチャートである。本発明に係る加熱調理器の実施の形態１６の調理器本体の内部に形成されている加熱室の側断面を模式的に示す側断面図である。扉部を開閉制御する為の構成例を示すブロック図である。本発明に係る電子レンジの扉部の開閉動作を示すフローチャートである。

（実施形態１～実施形態５）
　以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。
実施の形態１．
　図１は本発明の実施の形態１に係る加熱調理器としてのオーブンレンジ１の斜視図、図２はオーブンレンジ１の収納体１０を引き出した状態を示す模式的側面断面図、図３はオーブンレンジ１の内箱５を収納した状態を示す模式的側面断面図である。図３中、マイクロ波照射部７、及び加熱室３の右側の側壁３２は省略している。

　オーブンレンジ１は、調理器本体２、扉部４及び内箱部５を有する収納体１０、マイクロ波照射部７、並びに熱風生成部８を備える。
　調理器本体２は箱状をなし、正面側に開口部を有する。開口部の上縁部には、パネル部２１が設けられている。パネル部２１は、ユーザがオーブンレンジ１を操作するための各種のキーを有する操作部、及びユーザに通知する各種の情報を表示する表示部を有する。調理器本体２の内側は、例えば塊肉等の被調理物９を収容して加熱する加熱室３となっている。

　収納体１０の扉部４は矩形板状をなし、調理器本体２の開口部を開閉するように構成されている。
　扉部４は、把手４１、及び窓部４３を備える。把手４１は扉部４の本体の上寄りに設けられ、横方向に延びる棒状の握り部を有する。窓部４３は扉部４の中央部に備えられ、加熱室３内を覗くことができるように構成されている。

　内箱部５は、２枚の側板部５１，５１、背板部５２、及び底板部５３を備える。背板部５２の上端縁部には、後方に向かって高さが高くなるように傾斜した導入板部５４が設けられている。底板部５３には、被調理物９を載置する載置台５５が配置される。載置台５５は、例えば金属製で網状をなす矩形板の四隅に脚部を設けてなる。

　スライド部６は、固定レール６１及び可動レール６２を２対備える。２対の固定レール６１及び可動レール６２は、加熱室３の両側壁と調理器本体２の両側板部との間の下部に設けられている。可動レール６２，６２は板状をなし、扉部４の背面の両側の下部に取り付けられており、固定レール６１，６１も板状をなし、調理器本体２側に取り付けられている。可動レール６２は固定レール６１に内嵌され、固定レール６１に、前後方向に摺動可能に支持されている。

　内箱部５の底板部５３の下面の中央部には、その長手方向を前後方向に一致させてラックギア（不図示）が設けられ、調理器本体２にはピニオンギア（不図示）が軸支され、ラックアンドピニオン構造が構成されている。ピニオンギアにはモータ（不図示）が連結され、ユーザの前記操作部による操作により、収納体１０が自動的に進退するように構成されている。収納体１０の進退は手動でも行うことができる。

　ユーザが前記操作部により内箱部５の引き出しを指示した場合、又は扉部４の把手４１を握って手前に引っ張った場合、可動レール６２が固定レール６１内を前側に摺動し、ラックギアが前側に移動して、収納体１０が引き出される。そして、ユーザが前記操作部により内箱部５の収納を指示した場合、又はユーザが把手４１を奥側へ押した場合、可動レール６２が固定レール６１内を後ろ側に摺動し、ラックギアが後ろ側に移動して、内箱部５が加熱室３内に収容され、扉部４が調理器本体２の開口部を閉塞する。

　図１における加熱室３の右側壁と調理器本体２の右側板部との間には、マイクロ波照射部７が内蔵されている。
　マイクロ波照射部７は、マグネトロン７１、導波管７２、高圧トランス７３、高圧コンデンサ７４、及び冷却ファン７５を備える。
　高圧トランス７３及び高圧コンデンサ７４を含む電源部によりマグネトロン７１に電力が供給され、マグネトロン７１はマイクロ波を発生させる。発生したマイクロ波は導波管７２内を伝播され、加熱室３の右側壁から加熱室３内に照射される。冷却ファン７５は電源部に送風して電源部を冷却する。

　加熱室３の後壁３１と調理器本体２の背板部との間には、コンベクション加熱等の熱風加熱を行うための熱風生成部８が内蔵されている。
　熱風生成部８は、複数のヒータ８１、及び例えば遠心送風ファン等の送風ファン８２を備える。
　加熱室３の後壁３１には、内箱部５が加熱室３内に収容されたときに、導入板部５４の上端縁部より上側で、かつ送風ファン８２の幅方向（図１の左右方向）両側に対応する位置に、複数の吹出口３１ａが設けられている。

　以上のように構成されたオーブンレンジ１においては、ユーザの操作により収納体１０を進出させて、被調理物９を載置した載置台５５を底板部５３に配置した後、扉部４を閉じて収納体１０を後退させ、内箱部５を加熱室３内に収容する。そして、ヒータ８１に通電して、送風ファン８２を所定の回転数で回転させる。
　これにより生じた熱風は吹出口３１ａから吹き出し、導入板部５４によって斜め下方に案内され、内箱部５の内部に導入されて被調理物９を前後方向に沿って後方から前方へ吹き付けた後、例えば底板部５３及び加熱室３の底壁の前側部分を貫通する吸気開口部（不図示）を通じて、送風ファン８２の吸込口に至る。

　本実施の形態においては、簡単な構造で、吹出口３１ａから吹き出した熱風が整流され、均一に、効率良く被調理物９に熱風を当てることができ、加熱調理効率が良好である。
　被調理物９の材質、形状、重量、調理の種類等に対応して、送風ファン８２の回転数及び回転方向を変えることで、被調理物９に当たる熱風の風量及び位置を変え、調理時間及び加熱の度合い等を調整することも可能である。
　また、導入板部５４を傾斜角度を変更可能に構成した場合、傾斜角度を変えることで、被調理物９に当たる熱風の風量及び位置を変えることも可能である。

　なお、マイクロ波照射部７は加熱室３の右側壁と調理器本体２の右側板部との間に内蔵されている場合に限定されるものではなく、加熱室３の上板部と調理器本体２の上板部との間に内蔵することにしてもよい。

実施の形態２．
　本発明の実施の形態２に係るオーブンレンジ１１は、内箱部５の構成が異なること以外は、実施の形態１に係るオーブンレンジ１と同様の構成を有する。
　図４は、本発明の実施の形態２に係るオーブンレンジ１１を示す模式的側面断面図である。図中、図２及び図３と同一部分は同一符号を付して詳細な説明を省略する。

　本実施の形態に係るオーブンレンジ１１の内箱部５の背板部５２は、上端縁部が加熱室３の後壁３１に向かうように傾斜している。また、内箱部５は、前側に前板部５６を備える。

　以上のように構成されたオーブンレンジにおいては、ヒータ８１に通電し、送風ファン８２を所定の回転数で回転させて生じた熱風が吹出口３１ａから吹き出し、背板部５２により斜め下方に案内され、内箱部５の内部に導入されて前後方向に沿って被調理物９に吹き付ける。熱風は前板部５６に当たって向きを変え、底板部５３及び加熱室３の底壁の前側部分に設けられた吸気開口部を通じて送風ファン８２の吸込口に至る。

　本実施の形態においては、以上のように構成されているので、吹出口３１ａから吹き出した熱風が整流され、均一に、効率良く被調理物９に熱風を当てることができ、加熱調理効率が良好である。

実施の形態３．
　本発明の実施の形態３に係るオーブンレンジ１２は、内箱部５の構成が異なること以外は、実施の形態１に係るオーブンレンジ１と同様の構成を有する。
　図５は、本発明の実施の形態３に係るオーブンレンジ１２を示す模式的正面図、図６はオーブンレンジ１２を示す模式的平面断面図である。図中、図２及び図３と同一部分は同一符号を付して詳細な説明を省略する。また、図５中、扉部４は省略している。

　本実施の形態に係るオーブンレンジ１２においては、内箱部５の両側板部５１の上端縁部に、加熱室３の側壁３２側に横方向に張り出した案内板部５８，５８が設けられている。
　そして、側板部５１，５１の扉部４側の下部の、載置台５５の載置位置に対応する部分には、複数の吹出口５１ａが設けられている。

　加熱室３の後壁３１と調理器本体２の背板部との間には、オーブンレンジ１及び１１と同様に、熱風生成部８が内蔵されている。
　熱風生成部８は、複数のヒータ８１、及び送風ファン８２を備える。
　加熱室３の後壁３１には、背板部５２の上端縁部より上側で、かつ送風ファン８２の幅方向両側に対応する位置に、複数の吹出口３１ａが設けられ、端部寄りで案内板部５８より下側に対応する位置に、複数の吹出口３１ｂが設けられている。

　以上のように構成されたオーブンレンジ１２においては、ヒータ８１に通電し、送風ファン８２を所定の回転数で回転させて生じた熱風は吹出口３１ａから吹き出し、背板部５２の上側から内箱部５の内部に導入され、後ろ側から前側へ被調理物９に吹き付ける。
　また、吹出口３１ｂから吹き出した熱風は、案内板部５８、側板部５１、加熱室３の底壁３３、及び側壁３２から形成される空間である案内部３５を後ろ側から前側へ通流し、吹出口５１ａを通って、前側底部から被調理物９に吹き付ける。
　熱風は合流して、吸気開口部を通じて、送風ファン８２の吸込口に至る。
　従って、熱風が整流され、均一に、効率良く被調理物９に当てられ、加熱調理効率が良好である。

　なお、背板部５２には、オーブンレンジ１のように、後方に向かって高さが高くなるように傾斜する導入板部５４を設けてもよく、オーブンレンジ１１のように、背板部５２の上端縁部が加熱室３の後壁３１に向かうように傾斜させることにしてもよい。
　また、側板部５１に吹出口５１ａを設ける代わりに、底板部５３の幅方向の中央部の、載置台５５の載置位置の前側に対応する部分に吹出口を設けることにしてもよい。

実施の形態４．
　本発明の実施の形態４に係るオーブンレンジ１３は、熱風生成部８を上部に備えること、及び内箱部５の構成が異なること以外は、実施の形態１に係るオーブンレンジ１と同様の構成を有する。

　図７は、本発明の実施の形態４に係るオーブンレンジ１３を示す模式的正面断面図である。図中、図２及び図３と同一部分は同一符号を付して詳細な説明を省略する。
　加熱室３の上壁３４と調理器本体２の上板部との間に熱風生成部８が設けられている。上壁３４の、送風ファン８２の幅方向（図７の左右方向）の両側に対応する部分には複数の吹出口３４ａが設けられ、側壁３２寄りの部分には複数の吹出口３４ｂが設けられている。

　内箱部５の側板部５１，５１は、オーブンレンジ１、１１、及び１２の側板部５１と比較して、高さを高くしてある。また、側板部５１，５１の扉部４側の下部の、載置台５５の載置位置の前側に対応する部分には、複数の吹出口５１ａが設けられている。

　以上のように構成されたオーブンレンジ１３においては、ヒータ８１に通電し、送風ファン８２を所定の回転数で回転させて生じた熱風は吹出口３４ａから吹き出し、上側から被調理物９に吹き付ける。
　また、吹出口３４ｂから吹き出した熱風は、側板部５１、加熱室３の上壁３４、側壁３２、及び底壁３３から形成される空間である案内部３５を通流し、吹出口５１ａを通り、さらに載置台５５の脚部の間を通って、矩形板の網目から被調理物９の下部に吹き付ける。
　熱風は合流して、背板部５２の下部に設けられた吸気開口部５２ａを通じて、送風ファン８２の吸込口に至る。
　従って、被調理物９の下部の直接の加熱が可能となり、熱風が整流され、均一に、効率良く被調理物９に当てられ、加熱調理効率が良好である。

　なお、加熱室３の上壁３４の下側に熱風生成部８を設け、熱風生成部８と内箱部５の開口部との間に、吹出口を有する板部を設けることにしてもよい。
　また、吹出口３４ａは設けないことにしてもよい。

実施の形態５．
　本発明の実施の形態５に係るオーブンレンジ１４は、内箱部５の構成が異なること以外は、実施の形態４に係るオーブンレンジ１３と同様の構成を有する。

　図８は、本発明の実施の形態５に係るオーブンレンジ１４を示す模式的正面断面図である。図中、図７と同一部分は同一符号を付して詳細な説明を省略する。
　加熱室３の上壁３４と調理器本体２の上板部との間に熱風生成部８が設けられている。上壁３４の、送風ファン８２の幅方向（図８の左右方向）の両側に対応する部分には複数の吹出口３４ａが設けられ、側壁３２寄りの部分には複数の吹出口３４ｂが設けられている。
　内箱部５の底板部５３の幅方向の中央部の、載置台５５の載置位置の前側に対応する部分には、複数の吹出口５３ａが設けられている。

　以上のように構成されたオーブンレンジ１４においては、ヒータ８１に通電し、送風ファン８２を所定の回転数で回転させて生じた熱風は吹出口３４ａから吹き出し、上側から被調理物９に吹き付ける。
　また、吹出口３４ｂから吹き出した熱風は、側板部５１、加熱室３の上壁３４、側壁３２、及び底壁３３から形成される空間である案内部３５を通流し、吹出口５３ａを通り、矩形板の網目から被調理物９の下部に吹き付ける。
　従って、被調理物９の下部の直接の加熱が可能となり、熱風が効率良く被調理物９に当てられ、加熱調理効率が良好である。

　以上のように、本発明に係る加熱調理器（１、１１）は、箱状をなし、正面側に開口部が設けられた加熱室（３）を有する調理器本体（２）と、前記開口部を開閉する扉（４）、並びに該扉に連設された２枚の側板部（５１）、底板部（５３）、及び背板部（５２）を含む内箱（５）を有し、正面側に移動可能であり、被調理物（９）を収納する収納体（１０）と、熱風を生成する熱風生成部（８）とを備える加熱調理器において、前記熱風生成部は、前記加熱室の後壁（３１）の外側に設けてあり、前記後壁における前記収納体の背板部より高い位置に、前記熱風を吹き出す吹出口（３１ａ）が設けられていることを特徴とする。

　本発明においては、熱風生成部により生じた熱風は吹出口から吹き出し、収納体の背板部の端縁部の上側から収納体の内側へ導入されて後方から前方へ被調理物に吹き付けた後、熱風生成部の吸込口に至る。
　従って、簡単な構造で熱風を整流することができ、均一に、効率良く被調理物を加熱することができる。
　そして、被調理物の材質、形状、重量、調理の種類等に対応して、送風ファンの回転数及び回転方向を変えることで、被調理物に当たる熱風の風量及び位置を変え、調理時間及び加熱の度合い等を調整することも可能である。

　本発明に係る加熱調理器（１）は、前記背板部の上端と、前記吹出口の下側部分とを橋絡して、前記熱風を前記収納体内へ導入する導入板部（５４）を備えることを特徴とする。

　本発明においては、熱風生成部により生じた熱風は吹出口から吹き出し、導入板部によって斜め下方に案内され、収納体の内部に導入されて被調理物に吹き付け、被調理物が加熱される。
　従って、簡単な構造で熱風を整流することができ、均一に被調理物を加熱することができ、加熱調理効率が良好である。
　そして、導入板部を傾斜角度を変更可能に構成した場合、該傾斜角度を変えることで、風量及び被調理物に熱風を当てる位置を容易に変えることができる。

　本発明に係る加熱調理器（１２、１３、１４）は、箱状をなし、正面側に開口部が設けられた加熱室（３）を有する調理器本体（２）と、前記開口部を開閉する扉（４）、並びに該扉に連設された２枚の側板部（５１）、底板部（５３）、及び背板部（５２）を含む内箱（４）を有し、正面側に移動可能であり、被調理物（９）を収納する収納体（１０）と、熱風を生成する熱風生成部（８）とを備える加熱調理器において、前記熱風生成部は前記加熱室の外側に設けてあり、前記加熱室の壁面（３１、３４）に、前記熱風を吹き出す吹出口（３１ａ、３１ｂ、３４ａ、３４ｂ）が設けられ、前記吹出口に対向する位置に、前記収納体の側板部の外側に前記熱風を案内する案内部（３５）が設けられていることを特徴とする。

　本発明においては、熱風生成部により生じた熱風は吹出口（３１ａ、３４ａ）から吹き出し、上側から収納体に導入され、被調理物に吹き付ける。
　また、吹出口（３１ｂ、３４ｂ）から吹き出した熱風は、案内部を通流し、前側底部から被調理物に吹き付ける。
　従って、簡単な構造で熱風が整流することができ、均一に被調理物を加熱することができ、加熱調理効率が良好である。
　そして、被調理物の材質、形状、重量、調理の種類等に対応して、送風ファンの回転数及び回転方向を変えることで、被調理物に当たる熱風の風量及び位置を変え、調理時間及び加熱の度合い等を調整することも可能である。

　本発明に係る加熱調理器（１２、１３、１４）は、前記収納体の側板部の前記扉側に、又は前記収納体の底板部に、前記熱風を吹き出す吹出口（５１ａ）が設けられていることを特徴とする。

　本発明においては、収納体の側板部の扉側に吹出口が設けられている場合、確実に前側から熱風を被調理物に吹き付けることができ、収納体の底板部に吹出口が設けられている場合、熱風を被調理物の下部に吹き付けることができる。

　本発明に係る加熱調理器（１３、１４）は前記熱風生成部は、前記加熱室の上壁（３４）の外側に設けてあり、前記上壁に前記吹出口（３４ａ）が設けられていることを特徴とする。

　本発明においては、熱風生成部により生じた熱風は上壁に設けられた吹出口から吹き出し、上側から被調理物に吹き付けるとともに、収納体の両側板部と加熱室の両側壁との間を通流し、収納体の側板部の扉側に、又は収納体の底板部に設けられた吹出口を通って、被調理物の下部に吹き付ける。
　従って、簡単な構造で熱風を整流することができ、被調理物の下部の直接の加熱が可能となり、均一に被調理物を加熱することができ、熱風が効率良く被調理物に当てられ、加熱調理効率が良好である。

　今回開示した上述の実施の形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、請求の範囲内での全ての変更及び請求の範囲と均等の範囲が含まれることが意図される。
　例えば、前記実施の形態１～５においては、加熱調理器としてオーブンレンジ１、１１、１２、１３、１４を適用した場合につき説明しているがこれに限定されるものではなく、マイクロ波照射部７を有しないものであってもよい。この場合、吹出口を電磁波が出ないような大きさにする必要がないので、大きくすることができる。
　また、載置台５５を回転テーブルにしてもよい。

（実施形態６）
　図９は実施形態６の加熱調理器１１００の第１実施例を示す外観斜視図である。加熱調理器１１００は、調理器本体１０１０及び調理器本体１０１０から引き出し可能な引出部１０２０などを備える。調理器本体１０１０は箱状をなし、外筐体１０１６を有する。調理器本体１０１０の内部には、正面側に開口部１０１２を有する加熱室１０１３を備えた後述の筐体（１０５５）を配置してある。調理器本体１０１０の正面上側には、加熱調理器１１００の動作を制御（例えば、調理方法、加熱時間、動作開始、停止など）するための操作ボタンなどを備えた操作部１０１１を設けている。

　引出部１０２０は、開口部１０１２を開閉する開閉扉１０２１及び加熱室１０１３に収容される容器１０２３を備える。容器１０２３は、上面側が開口した箱状をなし、矩形状の底板１２３１、底板１２３１の両側縁に設けられ、対向する矩形状の側板１２３２、１２３３、開閉扉１０２１に対設された矩形状の後板１２３４を有する。開閉扉１０２１の中央部には容器１０２３内を外部から視認することができるようガラス窓１０２２を設けている。

　調理器本体１０１０内には、加熱室１０１３を覆う後述の箱状の筐体（１０５５）を配置してあり、筐体（１０５５）の両側壁それぞれには、後述の長尺の固定レール部（１０４１、１０４２）を固定してある。引出部１０２０には、固定レール部（１０４１、１０４２）それぞれに対して摺動可能な長尺の可動レール部１０３１、１０３２を固定してある。調理器本体１０１０の正面の両側側には、可動レール部１０３１、１０３２が可動することができるよう可動レール部１０３１、１０３２を挿通する矩形状の挿通孔１０１４、１０１５を設けてある。固定レール部（１０４１、１０４２）と可動レール部１０３１、１０３２とは、引出部１０２０を引き出すための移動機構（スライド機構）を構成する。

　図１０は実施形態６の加熱調理器１１００の第１実施例を示す要部斜視図であり、図１１は実施形態６の加熱調理器１１００の第１実施例を示す要部斜視図である。また、図１２は実施形態６の加熱調理器１１００の第１実施例を示す要部正面図である。図１０及び図１２は容器１０２３と可動レール部１０３１、１０３２との位置関係がわかるように、開閉扉１０２１を省略した図であり、図１１は調理器本体１０１０の内部構造がわかるように外筐体１０１６を省略した図である。

　図１１に示すように、調理器本体１０１０は、内筐体１０５０を有する。すなわち、加熱調理器１１００は、内筐体１０５０及び外筐体１０１６を有する二重構造の筐体を備える。内筐体１０５０は、矩形状の底壁１０５１、底壁１０５１の中途部から立設された後壁１０５２、底壁１０５１と対向配置された天壁１０５３、天壁１０５３及び後壁１０５２に固定され、加熱室１０１３を覆う筐体１０５５などを有する。

　天壁１０５３には、後述のマグネトロン（１０６３）で発生したマイクロ波を加熱室１０１３内に伝播する導波管１０６１を設けてある。また、筐体１０５５の両側壁それぞれには長尺の固定レール部１０４１、１０４２を固定してある。後壁１０５２の外側の底壁１０５１には、制御基板１０６２などを配置してある。

　図１２に示すように、加熱室１０１３内には、容器１０２３に収容される被加熱物を加熱する上面ヒータ１０７１、底面ヒータ１０７２を設けている。すなわち、上面ヒータ１０７１は、底板１２３１と略同寸法の寸法を有し、側板１２３２、１２３３の上端縁Ｂよりも上方に配置してある。また、底面ヒータ１０７２は、底板１２３１と略同寸法の寸法を有し、底板１２３１の下方に配置してある。なお、上面ヒータ１０７１及び底面ヒータ１０７２の配置は図１２の例に限定されるものではない。また、図１２の例では、底面ヒータ１０７２が開口部１０１２の下縁よりも下方に配置されているが、開口部１０１２の高さ寸法を若干大きくして、開口部１０１２の下縁よりも上方に底面ヒータ１０７２を配置するようにしてもよい。以下、本実施の形態では、上面ヒータ１０７１及び下面ヒータ１０７２を纏めて単にヒータ１０７１、１０７２と称する。

　加熱調理器１１００は、ヒータ１０７１、１０７２により加熱された容器１０２３による熱傷を防止するようにしてある。加熱調理後に開閉扉１０２１を引き出して容器１０２３を加熱室１０１３から露出させた場合に、ヒータ１０７１、１０７２で加熱されて高温となった容器１０２３をユーザが誤って触って熱傷（火傷）を負うことを防止するには、例えば、ユーザが容器１０２３（特に、側板１２３２、１２３３）を触らないようにする、あるいは容器１０２３に触ったとしても熱傷を負わない程度に温度を下げるようにすればよい。このような構成により、ユーザの熱傷を防止することができる。以下、具体例について説明する。

　図１０に示すように、可動レール部１０３１、１０３２それぞれは、容器１０２３の側板１２３２、１２３３それぞれの外側に配置してあり、可動レール部１０３１、１０３２の幅寸法（側板１２３２、１２３３の高さ方向と同じ方向の寸法）は側板１２３２、１２３３の高さ寸法以上であり、さらに、可動レール部１０３１、１０３２の上端縁Ｃは側板１２３２、１２３３の上端縁Ｂの位置又は当該位置よりも上方にある。

　容器１０２３の対向する側板１２３２、１２３３それぞれの外側に可動レール部１０３１、１０３２を配置し、側板１２３２、１２３３の外側は可動レール部１０３１、１０３２で覆われるので、ユーザが容器１０２３の側板１２３２、１２３３に触れ難い構成となり、ユーザの熱傷を防止することができる。また、側板１２３２、１２３３の上端縁Ｃよりも可動レール部１０３１、１０３２の上端縁Ｃを上方にすることにより、一層、ユーザが容器１０２３の側板１２３２、１２３３に触れ難い構成となり、ユーザの熱傷をさらに防止することができる。

　また、図１２に示すように、容器１０２３の対向する側板１２３２、１２３３のうち、一方の側板１２３２と対向する可動レール部１０３１の上端縁Ｃは、一方の側板１２３２の上端縁Ｂ及び他方の側板１２３３が設けられた底板１２３１の側縁Ａで画定される平面Ｓ１より上方にある。

　なお、同様に、他方の側板１２３３と対向する可動レール部１０３２の上端縁は、他方の側板１２３３の上端縁及び一方の側板１２３２が設けられた底板１２３１の側縁で画定される平面より上方にある。

　加熱調理後に容器１０２３内に置かれた皿などの食器を取り出す際に、ユーザは容器１０２３の上方から手を挿入して食器を掴む。手を容器１０２３の底板１２３１に対して略垂直方向に挿入する場合よりも斜め方向に挿入する場合の方が、手又は腕が容器１０２３の側板１２３２、１２３３に触れる可能性が高くなる。そこで、可動レール部１０３１、１０３２の上端縁Ｃを平面Ｓ１より上方にすることにより、ユーザが手を斜めに挿入した場合に、手又は腕が可動レール部１０３１、１０３２に当たって、側板１２３２、１２３３に触れないようにすることができ、ユーザの熱傷を防止することができる。

　また、図１２に示すように、一方の側板１２３２と対向する可動レール部１０３１との離隔寸法ｄを小さくする。例えば、離隔寸法ｄは、人の指が入らない程度の大きさとすることができ、例えば、５ｍｍ以下とすることができる。他方の側板１２３３と可動レール部１０３２との離隔寸法も同様である。これにより、ユーザが誤って側板１２３２、１２３３に触れる可能性を低減することができる。

　上述のように、本実施形態の加熱調理器１１００は、可動レール部１０３１、１０３２を、側板１２３２、１２３３の外側であってヒータ１０７１、１０７２により加熱された容器１０２３による熱傷を防止可能な位置に配置してある。容器１０２３の対向する側板１２３２、１２３３それぞれの外側に可動レール部１０３１、１０３２を配置し、側板１２３２、１２３３の外側は可動レール部１０３１、１０３２で覆われるので、ユーザが容器１０２３の側板１２３２、１２３３に触れ難い構成となり、ユーザの熱傷を防止することができる。

　図１３は実施形態６の加熱調理器１１００の第２実施例を示す要部正面図である。図１３に示すように、容器１０２３の対向する側板１２３２、１２３３のうち、一方の側板１２３２と対向する可動レール部１０３１の上端縁Ｃは、一方の側板１２３２の上端縁Ｂ及び底板１２３１の中央部Ｄで画定される平面Ｓ２より上方にある。

　なお、同様に、他方の側板１２３３と対向する可動レール部１０３２の上端縁は、他方の側板１２３３の上端縁及び底板１２３１の中央部Ｄで画定される平面より上方にある。

　加熱調理後に容器１０２３内に置かれた皿などの食器を取り出す際に、ユーザは容器１０２３の上方から手を挿入して食器を掴む。手を容器１０２３の底板１２３１に対して略垂直方向に挿入する場合よりも斜め方向に挿入する場合の方が、手又は腕が容器１０２３の側板１２３２、１２３３に触れる可能性が高くなる。そこで、可動レール部１０３１、１０３２の上端縁Ｃを平面Ｓ２より上方にすることにより、ユーザが手を斜めに挿入した場合に、可動レール部１０３１、１０３２が、ユーザの手又は腕が側板１２３２、１２３３へ一層接触しにくくするので、ユーザの熱傷をさらに防止することができる。

　図１４は実施形態６の加熱調理器１１００の第３実施例を示す要部正面図である。図１４に示すように、可動レール部１０３１の下端縁Ｄは、側板１２３２の下端、すなわち底板１２３１よりも図１４中の符号ｈで示す高さ寸法だけ下方に位置してある。なお、他の可動レール部１０３２も同様である。つまり、可動レール部１０３１、１０３２の幅寸法（側板の高さ方向と同じ方向の寸法）は、側板１２３２、１２３３の高さ寸法以上であり、可動レール部１０３１、１０３２の下端縁は側板１２３２、１２３３の下端縁の位置又は当該位置よりも下方にある。側板１２３２、１２３３の下端縁を可動レール部１０３１、１０３２の下端縁の位置、又は側板１２３２、１２３３の下端縁よりも可動レール部１０３１、１０３２の下端縁を下方にすることにより、一層、ユーザが容器１０２３の側板１２３２、１２３３、及び底板１２３１に触れ難い構成となり、ユーザの熱傷をさらに防止することができる。

　これにより、背の低いユーザ（特に幼児）が、容器１０２３の底板１２３１を誤って触ることを防止することができる。

　上述のとおり、第１実施例乃至第３実施例にあっては、容器１０２３の側板１２３２、１２３３の高さに対して、加熱室１０１３の外側に配置された移動機構（具体的には、可動レール部１０３１、１０３２）の上端縁が同等又はそれ以上の位置になるように可動レール部１０３１、１０３２を配置し、さらに、移動機構（具体的には、可動レール部１０３１、１０３２）の高さ寸法を側板１２３２、１２３３の高さ寸法よりも大きくすることにより、ユーザが容器１０２３の側板１２３２、１２３３に触れ難い構造とすることができる。

　図１５は実施形態６の加熱調理器１１００の第４実施例を示す要部分解斜視図であり、図１６は実施形態６の加熱調理器１１００の第４実施例を示す要部斜視図である。図１５は側板カバー１０８１、１０８２を装着する前の状態を示し、図１６は側板カバー１０８１、１０８２を装着した状態を示す。側板カバー１０８１、１０８２は、側板１２３２、１２３３を覆う覆部材としての機能を有する。側板カバー１０８１、１０８２は、側板１２３２、１２３３と略同寸法の長さを有するとともに、例えば、断面が、側板１２３２、１２３３の厚みと略同寸法の隙間を有するＵ字状をなし、上方から下方に向かって側板１２３２、１２３３を挟み込むようにして装着する。側板カバー１０８１、１０８２は、耐熱性を有するとともに、側板１２３２、１２３３の熱伝導率よりも小さい熱伝導率を有する。なお、側板カバー１０８１、１０８２は、着脱可能にしてもよい。

　容器１０２３は、熱を被加熱部に効率よく伝導させるため金属製である。側板カバー１０８１、１０８２は、例えば、合成樹脂などの金属よりも熱伝導率が小さい。これにより、側板カバー１０８１、１０８２が、高温になることを抑制し、ユーザが側板カバー１０８１、１０８２に触れても熱傷を負わないようにすることができる。

　なお、第４実施例において、側板１２３２、１２３３と可動レール部１０３１、１０３２との関係は、図１５及び図１６に例示する構成に代えて、前述の第１実施例から第３実施例のいずれの構成を採用してもよい。また、第４実施例において、側板カバー１０８１、１０８２を設ける代わりに、容器１０２３の側板１２３２、１２３３を金属製に代えて耐熱性の合成樹脂で構成することもできる。

　上述のとおり、第４実施例にあっては、側板１２３２、１２３３を耐熱性樹脂の側板カバー１０８１、１０８２で覆うことにより、火傷しにくい構造とすることができる。

　図１７は実施形態６の加熱調理器１１００の第５実施例を示す背面側要部斜視図であり、図１８は実施形態６の加熱調理器１１００の第５実施例を示す要部斜視図である。図１７に示すように、後壁１０５２には、マイクロ波を発生するマグネトロン１０６３、マグネトロン１０６３及び制御基板１０６２などを冷却するファン１０６４を設けてある。また、天壁１０５３には、ファン１０６４が空気を送出する際に空気を取り込む取込口１０６５を設けてある。

　後壁１０５２の両側には、矩形状の切欠き１０５６、１０５８を形成してある。また、調理器本体１０１０の正面の両側には、可動レール部１０３１、１０３２を挿通するとともに、切欠き１０５６、１０５８と略同寸法の開口部１０５７、１０５９を形成してある。外筐体１０１６を装着することにより、切欠き１０５６、１０５８及び外筐体１０１６により画定される空気口が形成され、ファン１０６４が送出した空気が、図中符号Ｆ１及びＦ２で示す方向に流れる。具体的には、ファン１０６４が送出した空気は、切欠き１０５６、１０５８及び外筐体１０１６により画定される空気口を通り、さらに開口部１０５７、１０５９を通り、容器１０２３の側板１２３２、１２３３の方へ流れる。

　第５実施例では、容器１０２３の方へ空気を送出するファン１０６４を備える。なお、ファン１０６４は加熱調理終了後であって開閉扉１０２１を開く前に作動するようにしてもよく、加熱調理終了後であって開閉扉１０２１を開いた場合に作動するようにしてもよい。ファン１０６４により空気を容器１０２３（特に側板１２３２、１２３３）の方へ送出するので、容器１０２３の温度を下げることができ、ユーザが容器１０２３に触れても熱傷を負わないようにすることができる。また、第５実施例では、容器１０２３を冷却するためのファン１０６４は、マグネトロン１０６３などを冷却するためのファンと共用なので、部品点数の増加を防止することができる。

　なお、第５実施例において、側板１２３２、１２３３と可動レール部１０３１、１０３２との関係は、図１７及び図１８に例示する構成に代えて、前述の第１実施例から第３実施例のいずれの構成を採用してもよい。

　図１９は本実施形態の加熱調理器１１００の第６実施例を示す要部斜視図である。図１９に示すように、筐体１０５５の両側面であって、開口部１０５７、１０５９の近くにファン１０９１、１０９１を取り付けてある。ファン１０９１、１０９１が送出した空気は、符号Ｆ３、Ｆ４が示すように、開口部１０５７、１０５９を通り、容器１０２３の側板１２３２、１２３３の方へ流れる。

　なお、ファン１０９１は加熱調理終了後に開閉扉１０２１を開いた場合に作動するようにすればよい。ファン１０９１により空気を容器１０２３（特に側板１２３２、１２３３）の方へ送出するので、容器１０２３の温度を下げることができ、ユーザが容器１０２３に触れても熱傷を負わないようにすることができる。

　なお、第６実施例において、側板１２３２、１２３３と可動レール部１０３１、１０３２との関係は、図１９に例示する構成に代えて、前述の第１実施例から第３実施例のいずれの構成を採用してもよい。

　上述のとおり、第５実施例及び第６実施例にあっては、ファン１０６４、１０９１により容器１０２３（特に、側板１２３２、１２３３）を冷却するので、ユーザが側板１２３２、１２３３に触れても火傷しにくい構造とすることができる。

　図２０は実施形態６の加熱調理器１１００の第７実施例を示す外観斜視図であり、図２１は実施形態６の加熱調理器１１００の第７実施例を示す要部正面図である。第７実施例では、加熱室１０１３の上側に天板１０７３を設ける。なお、ヒータ１０７１、１０７２は省略している。天板１０７３は、容器１０２３の底板１２３１と略同寸法の長さ、幅を有する。また、天板１０７３の中央部には、長手方向（長さ方向）に沿って断面形状が略Ｌ字の係止部１７３１を設けている。そして、加熱室１０１３の上側には、天板１０７３の断面形状と略同寸法の開口部１０１７を形成してある。天板１０７３は、引出部１０２０と同様に、正面の手前側に引き出して取り外すことができる。これにより、加熱室１０１３内で被加熱物（又は被調理物）から飛散した飛散物が、加熱室１０１３の上側に付着することを防止することができる。また、飛散物は天板１０７３に付着するが、天板１０７３を引き出すことにより、簡単に清掃することが可能となるので、加熱調理器１１００の清掃が容易になる。

　図２２は実施形態６の加熱調理器１１００の第８実施例を示す要部正面図である。第８実施例では、天板１０７４は、容器１０２３の底板１２３１と略同寸法の長さ、幅を有する。また、天板１０７４の中央部には、長手方向（長さ方向）に沿って断面形状が略Ｔ字の係止部１７４１を設けている。また、加熱室１０１３の上側角部には、天板１０７４の長手方向に沿って支持部材１０７５を設けている。

　天板１０７４は、引出部１０２０と同様に、正面の手前側に引き出して取り外すことができる。これにより、加熱室１０１３内で被加熱物（又は被調理物）から飛散した飛散物が、加熱室１０１３の上側に付着することを防止することができる。また、飛散物は天板１０７４に付着するが、天板１０７４を引き出すことにより、簡単に清掃することが可能となるので、加熱調理器１１００の清掃が容易になる。

　本発明の上述の各実施の形態で記載されている技術特徴は、お互いに組み合わせて新しい技術方案を形成することができる。

　本実施の形態の加熱調理器は、正面側に開口部（１０１２）を有する加熱室（１０１３）を備えた筐体（１０５５）と、前記開口部の開閉扉（１０２１）及び前記加熱室に収容される容器（１０２３）を有する引出部（１０２０）と、前記筐体の両側壁に固定された長尺の固定レール部（１０４１、１０４２）と、前記引出部に固定され前記固定レール部それぞれに対して摺動可能な長尺の可動レール部（１０３１、１０３２）と、前記容器に収容される被加熱物を加熱するヒータ（１０７１、１０７２）とを備え、前記容器は矩形状の底板（１２３１）及び対向する側板（１２３２、１２３３）を有する加熱調理器であって、前記可動レール部それぞれは、前記側板それぞれの外側に配置してあり、前記可動レール部の上端縁は前記側板の上端縁の位置又は該位置よりも上方にあること特徴とする。

　本実施の形態にあっては、加熱調理器は、正面側に開口部を有する加熱室を備えた筐体と、開口部の開閉扉及び加熱室に収容される容器を有する引出部と、筐体の両側壁に固定された長尺の固定レール部と、引出部に固定され固定レール部それぞれに対して摺動可能な長尺の可動レール部と、容器に収容される被加熱物を加熱するヒータとを備え、容器は矩形状の底板及び対向する側板を有する。

　可動レール部それぞれは、容器の側板それぞれの外側に配置してあり、可動レール部の上端縁は側板の上端縁の位置又は当該位置よりも上方にある。容器の対向する側板それぞれの外側に可動レール部を配置し、側板の外側は可動レール部で覆われるので、ユーザが容器の側板に触れ難い構成となり、ユーザの熱傷を防止することができる。また、側板の上端縁よりも可動レール部の上端縁を上方にすることにより、ユーザが容器の側板に触れ難い構成となり、ユーザの熱傷をさらに防止することができる。例えば、加熱調理後に開閉扉を引き出して容器を加熱室から露出させた場合に、ヒータで加熱されて高温となった容器をユーザが誤って触って熱傷（火傷）を負うことを防止することができる。

　本実施の形態の加熱調理器は、前記可動レール部（１０３１、１０３２）の幅寸法は前記側板（１２３２、１２３３）の高さ寸法以上であり、前記可動レール部の下端縁は前記側板の下端縁の位置又は該位置よりも下方にあることを特徴とする。

　本実施の形態にあっては、可動レール部の幅寸法（側板の高さ方向と同じ方向の寸法）は側板の高さ寸法以上であり、可動レール部の下端縁は側板の下端縁の位置又は当該位置よりも下方にある。側板の下端縁を可動レール部の下端縁の位置、又は側板の下端縁よりも可動レール部の下端縁を下方にすることにより、一層、ユーザが容器の側板及び底板に触れ難い構成となり、ユーザの熱傷をさらに防止することができる。また、背の低いユーザ（特に幼児）が、容器の底板を誤って触ることを防止することができる。

　本実施の形態の加熱調理器は、一方の側板（１２３２、１２３３）と対向する前記可動レール部（１０３１、１０３２）の上端縁は、前記一方の側板の上端縁及び他方の側板（１２３３、１２３２）が設けられた前記底板（１２３１）の側縁で画定される平面より上方にあることを特徴とする。

　本実施の形態にあっては、容器の対向する側板のうち、一方の側板と対向する可動レール部の上端縁は、一方の側板の上端縁及び他方の側板が設けられた底板の側縁で画定される平面より上方にある。加熱調理後に容器内に置かれた皿などの食器を取り出す際に、ユーザは容器の上方から手を挿入して食器を掴む。手を容器の底板に対して略垂直方向に挿入する場合よりも斜め方向に挿入する場合の方が、手又は腕が容器の側板に触れる可能性が高くなる。そこで、可動レール部の上端縁を平面より上方にすることにより、ユーザが手を斜めに挿入した場合に、手又は腕が可動レール部に当たって、側板に触れないようにすることができ、ユーザの熱傷を防止することができる。

　本実施の形態の加熱調理器は、前記側板の熱伝導率よりも小さい熱伝導率を有し、前記側板を覆う覆部材（１０８１、１０８２）を備えることを特徴とする。

　本実施の形態にあっては、側板の熱伝導率よりも小さい熱伝導率を有し、側板を覆う覆部材を備える。容器は、熱を被加熱部に効率よく伝導させるため金属製である。覆部材は、例えば、合成樹脂などの金属よりも熱伝導率が小さい。これにより、覆部材が高温になることを抑制し、ユーザが覆部材に触れても熱傷を負わないようにすることができる。

　本実施の形態の加熱調理器は、前記容器の方へ空気を送出するファン（１０６４、１０９１）を備えることを特徴とする。

　本実施の形態にあっては、容器の方へ空気を送出するファンを備える。なお、ファンは加熱調理終了後に作動するようにしてもよく、開閉扉を開いた場合に作動するようにしてもよい。ファンにより空気を容器（特に側板）の方へ送出するので、容器の温度を下げることができ、ユーザが容器に触れても熱傷を負わないようにすることができる。

　本実施の形態の加熱調理器は、正面側に開口部（１０１２）を有する加熱室（１０１３）を備えた筐体（１０５５）と、前記開口部の開閉扉（１０２１）及び前記加熱室に収容される容器（１０２３）を有する引出部（１０２０）と、前記筐体の両側壁に固定された長尺の固定レール部（１０４１、１０４２）と、前記引出部に固定され前記固定レール部それぞれに対して摺動可能な長尺の可動レール部（１０３１、１０３２）と、前記容器に収容される被加熱物を加熱するヒータ（１０７１、１０７２）とを備え、前記容器は矩形状の底板（１２３１）及び対向する側板（１２３２、１２３３）を有する加熱調理器であって、前記可動レール部を、前記側板の外側であって前記ヒータにより加熱された前記容器による熱傷を防止可能な位置に配置してあることを特徴とする。

　加熱調理器は、可動レール部を、側板の外側であってヒータにより加熱された容器による熱傷を防止可能な位置に配置してある。容器の対向する側板それぞれの外側に可動レール部を配置し、側板の外側は可動レール部で覆われるので、ユーザが容器の側板に触れ難い構成となり、ユーザの熱傷を防止することができる。例えば、加熱調理後に開閉扉を引き出して容器を加熱室から露出させた場合に、ヒータで加熱されて高温となった容器をユーザが誤って触って熱傷（火傷）を負うことを防止することができる。

　上述の実施形態６によれば、以下のような効果を奏する。すなわち、従来の加熱調理器は、加熱調理する被加熱物を載せた皿などを載置する載置板を加熱室内に収容し、マグネトロンで発生したマイクロ波を導波管により加熱室内に伝播することで、被加熱物を加熱調理することができる。また、載置板を加熱室の開閉扉と連結して引き出すことができるものもある（特開平０３－４５８２０号公報及び特開平０６－１０９２５７号公報を参照）。また、加熱調理中の被加熱物の飛散、載置板からの落下又は液体物のこぼれ等を防止するため、載置板の周縁に側板及び後板を設けた容器を備えるものもある（特開２００５－２２１０８１号公報及び特開２００６－３８２９６号公報を参照）。また、加熱室内にハロゲンランプ又は赤外線ヒータなどの加熱源を備えるものもある（特開平１１－２３７０５３号公報を参照）。

　しかし、従来の加熱調理器は、加熱室内に収容される容器は金属製であるため、ハロゲンランプ又は赤外線ヒータなどの加熱源で被加熱物を加熱すると容器は高温になる。開閉扉を開いて容器を引き出して、ユーザが容器から皿などを取り出す場合、手が容器の側板に触れて熱傷（火傷）のおそれがある。

　上述の実施形態６によれば、ユーザの熱傷を防止することができる加熱調理器を提供することができる。

（実施形態７～実施形態１０）
　以下の説明では、図において矢符で示す上下、前後、及び左右を使用する。

実施の形態７．
　図２３は、本発明の実施の形態７に係る加熱調理器２００１の外観構成を略示する斜視図である。図２４及び図２５は、加熱調理器２００１の内部構成を模式的に示す平面図及び側面図である。加熱調理器２００１は、システムキッチンの一部を構成している。加熱調理器２００１は、調理器本体２００２、収納体２００３、スライドレール２０４１～２０４３、ラックギア２０４４、ピニオンギア２０４５、モータ２０４６、マグネトロン２０５１、導波管２０５２、及びヒータ２０５３を備えている。

　調理器本体２００２は、直方体状の筐体２０２１と、筐体２０２１の内部に形成された横姿勢の有底矩形筒状の加熱室２０２２とを有する。
　筐体２０２１は、夫々金属製の各矩形状の前壁２０２１ａ、後壁２０２１ｂ、左側壁２０２１ｃ、右側壁２０２１ｄ、天壁２０２１ｅ、及び底壁２０２１ｆを一体的に有する。
　加熱室２０２２は、矩形状の開口部２０２２ａを有し、夫々金属製の各矩形状の後壁２０２２ｂ、左側壁２０２２ｃ、右側壁２０２２ｄ、天壁２０２２ｅ、及び底壁２０２２ｆを一体的に有する。加熱室２０２２の開口部２０２２ａは、筐体２０２１の前壁２０２１ａの上下左右方向中央部に形成されている。右側壁２０２２ｄには、図示しない導波口が設けられている。

　筐体２０２１の内部且つ加熱室２０２２の外部であって、後壁２０２２ｂ～右側壁２０２２ｄに対向する領域を、以下では低温領域２０２３ｂ～２０２３ｄという。
　筐体２０２１の内部且つ加熱室２０２２の外部であって、天壁２０２２ｅ及び底壁２０２２ｆに対向する領域を、以下では高温領域２０２３ｅ，２０２３ｆという。

　収納体２００３は、被調理物（例えば食品）を収納可能な抽斗状であり、抽斗の前板に相当する扉２０３１、左右の端板に相当する側板部２０３２，２０３３、先板に相当する背板部２０３４、及び底板に相当する底板部２０３５を一体的に有する。
　底板部２０３５の上面は、被調理物が載置される載置面である。

　側板部２０３２，２０３３、及び底板部２０３５夫々の前後方向の長さは、加熱室２０２２の奥行きよりも短い。背板部２０３４及び底板部２０３５夫々の左右方向の長さは、加熱室２０２２の開口部２０２２ａの左右方向の長さよりも短い。側板部２０３２～背板部２０３４夫々の上下方向の長さは、開口部２０２２ａの上下方向の長さよりも短い。扉２０３１の上下左右方向の長さは、開口部２０２２ａの上下左右方向の長さよりも長い。
　扉２０３１が加熱室２０２２の開口部２０２２ａを閉鎖した場合、側板部２０３２，２０３３、背板部２０３４、及び底板部２０３５は加熱室２０２２に収容される。扉２０３１によって開口部２０２２ａが閉鎖されている加熱室２０２２からマイクロ波が漏出することはない。

　収納体２００３は、スライドレール２０４１～２０４３によって、加熱室２０２２の内部に対して出没可能に支持されている。収納体２００３の加熱室２０２２に対する突出方向／没入方向は前方向（図２４及び図２５中の白抜矢符方向）／後方向である。
　スライドレール２０４１，２０４２は、低温領域２０２３ｃ，２０２３ｄに配されている。スライドレール２０４３は、加熱室２０２２の底壁２０２２ｆの内面に配されている。
　スライドレール２０４１は固定レール２４１１及び可動レール２４１２を有する。固定レール２４１１は、筐体２０２１の左側壁２０２１ｃの内面に、前後方向の横姿勢で取り付けられている。可動レール２４１２は、前後方向に摺動可能に、固定レール２４１１の右側に取り付けられており、筐体２０２１の前壁２０２１ａに設けられている開口部を貫通している。

　スライドレール２０４２は固定レール２４２１及び可動レール２４２２を有する。固定レール２４２１は、筐体２０２１の右側壁２０２１ｄの内面に、前後方向の横姿勢で取り付けられている。可動レール２４２２は、前後方向に摺動可能に、固定レール２４１１の左側に取り付けられており、筐体２０２１の前壁２０２１ａに設けられている開口部を貫通している。
　スライドレール２０４１，２０４２の可動レール２４１２，２４２２夫々は、前端部が収納体２００３の扉２０３１に取り付けられている。

　スライドレール２０４３は固定レール２４３１及び可動レール２４３２を有する。固定レール２４３１は、加熱室２０２２の底壁２０２２ｆの内面に、前後方向の横姿勢で取り付けられている。可動レール２４３２は、前後方向に摺動可能に、固定レール２４１１の上側に取り付けられており、筐体２０２１の前壁２０２１ａに設けられている図示しない開口部を貫通している。
　スライドレール２０４３の可動レール２４３２は、収納体２００３の底板部２０３５の外面に取り付けられている。
　スライドレール２０４３は加熱室２０２２の内部に配されているので、加熱室の外部に配されているスライドレール２０４１，２０４２よりも耐熱性が高い素材で構成されている。例えば、スライドレール２０４１，２０４２は合成樹脂製であり、スライドレール２０４３は金属製である。

　ラックギア２０４４及びピニオンギア２０４５は合成樹脂製であり、低温領域２０２３ｄに配されている。
　ラックギア２０４４は、前後方向の横姿勢で、スライドレール２０４２の可動レール２４２２に取り付けられている。ラックギア２０４４の歯は下向きである。
　ピニオンギア２０４５は、前後方向の縦姿勢で、ラックギア２０４４に下側から噛み合っている。
　ただし、図２４では、図を見やすくするために、ラックギア２０４４の歯が上向きであり、ピニオンギア２０４５がラックギア２０４４に上側から噛み合っている状態を示している。

　モータ２０４６は、収納体２００３を出没させるためのアクチュエータであり、ハウジング２０４６ａから出力軸２０４６ｂが右方向へ突出する姿勢で低温領域２０２３ｄに配されている。ハウジング２０４６ａは、筐体２０２１の底壁２０２１ｆの内側に載置されていてもよく、加熱室２０２２の右側壁２０２２ｄの外面に取り付けられていてもよい。筐体２０２１又は加熱室２０２２からハウジング２０４６ａへの熱伝達を抑制すべく、図示しない断熱部が配されていてもよい。
　モータ２０４６の出力軸２０４６ｂにはピニオンギア２０４５が取り付けられている。モータ２０４６の出力軸２０４６ｂが回転すると、これに伴ってピニオンギア２０４５が回転する。

　ピニオンギア２０４５の回転運動は、ラックギア２０４４の前後方向の直線運動になる。このとき、スライドレール２０４２の可動レール２４２２が固定レール２４２１に沿って摺動する。可動レール２４２２の摺動は、収納体２００３を介してスライドレール２０４１，２０４３に伝わり、可動レール２４１２，２４３２が固定レール２４１１，２４３１に沿って摺動する。可動レール２４１２～２４３２の固定レール２４１１～２４３１に沿った摺動に伴って、収納体２００３は、加熱室２０２２の内部から突出し、また、加熱室２０２２の内部に没入する。収納体２００３の出没に伴い、ラックギア２０４４は低温領域２０２３ｄに対して出没する。

　スライドレール２０４１，２０４２は、従来の引き出し式の加熱調理器が備える２本の両側スライドレールに相当し、スライドレール２０４３は、従来の引き出し式の加熱調理器が備える下側スライドレールに相当する。ただし、従来の引き出し式の加熱調理器においては、ラックギア２０４４、ピニオンギア２０４５、及びモータ２０４６に相当するものは下側スライドレールに対して配されていたが、加熱調理器２００１においては、ラックギア２０４４、ピニオンギア２０４５、及びモータ２０４６は、２本の両側スライドレールの一方に対して配されている。

　なお、スライドレール２０４１，２０４２の固定レール２４１１，２４２１は、図示しない断熱部を介して、加熱室２０２２の左側壁２０２２ｃ及び右側壁２０２２ｄの外面に取り付けられていてもよい。この場合、モータ２０４６は、例えば筐体２０２１の左側壁２０２１ｃの内面に取り付けられる。
　また、スライドレール２０４１～２０４３に替えて、スライドレール２０４１，２０４２に対応する左右２本のスライドレールが収納体２００３を支える構成でもよい。この場合、耐熱性が高いスライドレール２０４３を備えている必要がない。

　マグネトロン２０５１は、マイクロ波を発する電磁波発生部である。マグネトロン２０５１は、低温領域２０２３ｂに配されている。なお、マグネトロン２０５１は、低温領域２０２３ｄに配されていてもよい。

　導波管２０５２は、低温領域２０２３ｂ，２０２３ｄにて、マグネトロン２０５１から加熱室２０２２の右側壁２０２２ｄに設けられた導波口に亘って配されている。マグネトロン２０５１が発したマイクロ波は、導波管２０５２に導かれ、導波口を通って、加熱室２０２２の内部に伝播する。

　なお、導波管２０５２は、マグネトロン２０５１から、低温領域２０２３ｂに配された図示しないアンテナ室にわたって配されていてもよい。導波管２０５２によって、マグネトロン２０５１からアンテナ室に導かれたマイクロ波は、アンテナ室に収容された図示しない可動アンテナによって、加熱室２０２２の内部に散乱する。

　ヒータ２０５３は、適宜に屈曲された１本の金属管を用いてなるヒータ本体２５３１と、ヒータ本体２５３１の一端部及び他端部に取り付けられている横姿勢の筒状の非発熱部２５３２，２５３２とを一体的に有する。
　非発熱部２５３２，２５３２は、加熱室２０２２の左側壁２０２２ｃを貫通して左側壁２０２２ｃに支持されている。ヒータ本体２５３１に給電する図示しない給電線は、加熱室２０２２の外部に配されており、非発熱部２５３２，２５３２の内部を通してヒータ本体２５３１に電気的に接続されている。
　ヒータ本体２５３１は、矩形の４辺の内の１辺が矩形の内側にて蛇行しているような形状である。

　ヒータ２０５３は、加熱室２０２２の天壁２０２２ｅ近傍（少なくとも加熱室２０２２の上下方向中央部よりも天壁２０２２ｅ側）に配されている。ヒータ本体２５３１は収納体２００３の載置面に平行に、且つ、収納体２００３の載置面に載置される被調理物の高さよりも高い位置になるように配されている。
　加熱室２０２２の内部におけるヒータ２０５３よりも天壁２０２２ｅ側には、ヒータ２０５３が発した熱を下方へ反射する図示しない熱反射部が配されている。
　なお、ヒータ本体２５３１はガラス管を用いてなる構成でもよい。

　以上のような加熱調理器２００１は、従来の引き出し式の加熱調理器とは異なり、マグネトロン２０５１及び導波管２０５２等の他に、ヒータ２０５３を備えているので、電子レンジ機能のみならずグリル機能及び／又はオーブン機能等をも有する多機能型として構成されている。
　なお、加熱調理器２００１はコンベクションオーブン機能も有していてもよい。この場合、加熱調理器２００１は、送風機と、送風機の送風によって、ヒータ２０５３が熱した加熱室の内部の空気を吸い出し、吸い出した空気を加熱室の内部に吹き込むための空気循環路とを更に備える。

　ヒータ２０５３が発した熱は、特に下方へ伝達し易いので、ヒータ２０５３の発熱中には、高温領域２０２３ｆが最も高温であり、次に、ヒータ２０５３に近い高温領域２０２３ｅが高温である。高温領域２０２３ｅ，２０２３ｆに比べると、低温領域２０２３ｂ～２０２３ｄは低温である。
　ラックギア２０４４、ピニオンギア２０４５、モータ２０４６、及びマグネトロン２０５１は耐熱性が低い安価なものである。仮に、これらが高温領域２０２３ｅ，２０２３ｆに配されていた場合、高温に起因する不都合（ラックギア２０４４若しくはピニオンギア２０４５の融解、又はモータ２０４６の破損等）が生じ得る。しかしながら、これらは低温領域２０２３ｂ～２０２３ｄに配されているので、特段の問題はない。

　導波管２０５２は低温領域２０２３ｂ，２０２３ｄに配されている。何故ならば、仮に、導波管２０５２を高温領域２０２３ｅに配した場合、導波管２０５２を介してマグネトロン２０５１に伝達した熱によって、高温に起因する不都合がマグネトロン２０５１に生じ得るからである。
　なお、加熱室２０２２の導波口は、後壁２０２２ｂ又は底壁２０２２ｆに設けられていてもよい。この場合、導波管２０５２は、低温領域２０２３ｂ又は高温領域２０２３ｆにて、マグネトロン２０５１から加熱室２０２２に設けられた導波口に亘って配される。
　導波管２０５２は複数個備えられていてもよい。例えば、加熱室２０２２の左側壁２０２２ｃ及び右側壁２０２２ｄ夫々に導波口が設けられており、２個の導波管２０５２，２０５２が、低温領域２０２３ｃ，２０２３ｄにて、マグネトロン２０５１から左側壁２０２２ｃ及び右側壁２０２２ｄの導波口に亘って配される。

　加熱調理器２００１は、耐熱性が高く高価なラックギア２０４４、２０ピニオンギア４５、モータ２０４６、及びマグネトロン２０５１、並びに熱伝達性が低い導波管２０５２を備えている必要がないので、安価に製造することができる。ラックギア２０４４、ピニオンギア２０４５、モータ２０４６、マグネトロン２０５１、及び導波管２０５２が、従来の引き出し式の加熱調理器が備えているものと共通であれば、加熱調理器２００１の製造コストを更に低減させることができる。

実施の形態８．
　図２６は、本発明の実施の形態８に係る加熱調理器２００１の内部構成を模式的に示す平面図である。
　図２７及び図２８は、加熱調理器２００１の内部構成を模式的に示す側面図である。図２７は収納体２００３が加熱室２０２２の内部から突出している場合を示し、図２８は収納体２００３が加熱室２０２２の内部に没入している場合を示している。
　図２６と図２７及び図２８とは、実施の形態１の図２２と図２５とに対応する。ただし、図２６～図２８において、スライドレール２０４３、ラックギア２０４４、ピニオンギア２０４５、モータ２０４６、マグネトロン２０５１、及び導波管２０５２の図示は省略している。
　本実施の形態の加熱調理器２００１は、実施の形態７の加熱調理器２００１と略同様の構成である。以下では、実施の形態７との差異について説明し、その他、実施の形態７に対応する部分には同一符号を付してそれらの説明を省略する。

　加熱調理器２００１は、実施の形態７のヒータ２０５３に替えて、ヒータ２０５４を備えている。ヒータ２０５３は固定式であるが、ヒータ２０５４は可動式である。
　ヒータ２０５４は、適宜に屈曲された１本の金属管を用いてなるヒータ本体２５４１と、ヒータ本体２５４１の一端部及び他端部に取り付けられている非発熱部２５４２，２０５５と、付勢部２５４３とを一体的に有する。

　ヒータ本体２５４１は実施の形態７のヒータ本体２５３１に対応するが、ヒータ本体２５４１の形状はコ字状又はＵ字状等である。ヒータ本体２５４１は、非発熱部２５４２，２０５５を介して加熱室２０２２の左側壁２０２２ｃ及び右側壁２０２２ｄに可動支持されている。
　ヒータ本体２５４１は、収納体２００３の出没に伴って揺動する。ヒータ本体２５４１の揺動範囲は、加熱室２０２２の天壁２０２２ｅ近傍（少なくとも加熱室２０２２の上下方向中央部よりも天壁２０２２ｅ側。例えば実施の形態７におけるヒータ本体２５３１の配置位置）と、収納体２００３における被調理物の載置面（底板部２０３５の上面）側との間である。

　天壁２０２２ｅ側にあるヒータ本体２５４１は収納体２００３の載置面に平行に、且つ、収納体２００３の載置面に載置される被調理物の高さよりも高い位置に配される。
　載置面側にあるヒータ本体２５４１は、天壁２０２２ｅ側にあるときよりも前側が下がった後傾姿勢である。載置面側にあるヒータ本体２５４１は、収納体２００３の載置面に載置された被調理物の前方及び左右両側方を囲繞する。

　非発熱部２５４２は横姿勢の筒状である。非発熱部２５４２は、加熱室２０２２の左側壁２０２２ｃを貫通して、自身の軸心を中心に回動可能に左側壁２０２２ｃに支持されている。
　非発熱部２０５５は回動部２５５１と揺動部２５５２とを一体的に有する。
　回動部２５５１は横姿勢の筒状である。回動部２５５１は、加熱室２０２２の右側壁２０２２ｄを貫通して、自身の軸心を中心に回動可能に右側壁２０２２ｄに支持されている。非発熱部２５４２及び回動部２５５１の回動に伴って、ヒータ本体２５４１は揺動する。

　揺動部２５５２は、低温領域２０２３ｄにおいて、回動部２５５１の右端部（即ち、回動部２５５１における加熱室２０２２の外部側の端部）に突設してある。揺動部２５５２の突設方向は回動部２５５１の軸長方向に直交し、概ね下向きである。回動部２５５１の回動に伴って、揺動部２５５２は、縦姿勢になる第１位置（図２７参照）と前傾姿勢になる第２位置（図２８参照）との間で揺動する。
　付勢部２５４３は、例えば渦巻ばねを用いてなり、低温領域２０２３ｄにおいて、回動部２５５１に取り付けられている。付勢部２５４３は、回動部２５５１が所定の一方向に回転するよう回動部２５５１を付勢する。回動部２５５１が所定の一方向に回転すると、ヒータ本体２５４１が加熱室２０２２の天壁２０２２ｅ側に揺動すると共に、揺動部２５５２が第１位置側に揺動する。

　ヒータ本体２５４１に給電する図示しない給電線は、加熱室２０２２の外部に配されており、非発熱部２５４２，２０５５の内部を通してヒータ本体２５４１に電気的に接続されている。

　スライドレール２０４２の可動レール２４２２には、接離部２０５６が設けられている。
　接離部２０５６は、前後方向に沿う縦姿勢の板状であり、可動レール２４２２の後端部から上向きに突出している。接離部２０５６の上部には、前側から前後方向中央部に亘って水平面が設けられており、前後方向中央部から後部に亘って、後ろ側ほど下がる傾斜面が設けられている。

　接離部２０５６は、可動レール２４２２の前方／後方移動（即ち収納体２００３の出／没）に伴って、非発熱部２０５５の揺動部２５５２に対して離隔／接近する。収納体２００３の没入によって扉２０３１が閉じるとき、接離部２０５６の傾斜面の後端部は揺動部２５５２の下端部に接触し、可動レール２４２２が更に後方移動することによって、接離部２０５６から揺動部２５５２に徐々に外力が加わる。この外力は、付勢部２５４３の付勢力に打ち勝って、揺動部２５５２を第２位置側に揺動させ、揺動部２５５２を介して回動部２５５１を所定の一方向の逆方向に回転させる。この結果、ヒータ本体２５４１が、加熱室２０２２の内部に没入した収納体２００３の載置面側に揺動する。

　以上のような付勢部２５４３、揺動部２５５２、及び接離部２０５６は、収納体２００３の出／没に連動してヒータ２０５４を加熱室２０２２の天壁２０２２ｅ側／被調理物の収納位置側に揺動させる揺動機構２０５７として機能する。

　以上のような加熱調理器２００１は、実施の形態７の加熱調理器２００１と同様の作用効果を奏する上に、可動式のヒータ２０５４によって、被調理物を適切に加熱する。
　ヒータ２０５４は、収納体２００３の出没に伴って自動的に揺動するので、使用者が手動で揺動させる必要がない。即ち、使用者の利便性が向上する。本実施の形態では、収納体２００３はモータ２０４６に駆動されて出没する。即ち、ヒータ２０５４を揺動させるためのアクチュエータを別途備えている必要がない。
　なお、ヒータ２０５４を揺動させるためのアクチュエータを別途備えている構成でもよい。

　収納体２００３が加熱室２０２２の内部に没入している場合、接離部２０５６が揺動部２５５２に接触し、揺動部２５５２を介してヒータ２０５４を加熱室２０２２の載置面側へ揺動させる。このとき、ヒータ２０５４と加熱室２０２２の載置面に載置された被調理物との離隔距離が短くなるので、被調理物が効率よく加熱される。
　一方、収納体２００３が加熱室２０２２の内部から突出している場合は、接離部２０５６が揺動部２５５２から離隔し、付勢部２５４３がヒータ２０５４を加熱室２０２２の天壁２０２２ｅ側へ揺動させる。このとき、ヒータ２０５４と加熱室２０２２の載置面に載置された被調理物との離隔距離が長くなるので、収納体２００３と共に加熱室２０２２の内部に対して出没する被調理物に、ヒータ２０５４が干渉することが抑制される。

実施の形態９．
　図２９及び図３０は、本発明の実施の形態９に係る加熱調理器２００１の内部構成を模式的に示す平面図及び側面図である。
　図２９及び図３０は、実施の形態１の図２５及び図２５に対応する。ただし、図２９及び図３０において、スライドレール２０４３の図示は省略している。また、図２９では、図を見やすくするために、ラックギア２０４４の歯が上向きであり、ピニオンギア２０４５がラックギア２０４４に上側から噛み合っている状態を示している。更に、図２９においてマグネトロン２０５１の図示は省略しており、図３０において、スライドレール２０４２、ラックギア２０４４、ピニオンギア２０４５、及びモータ２０４６の図示は省略している。

　本実施の形態の加熱調理器２００１は、実施の形態７の加熱調理器２００１と略同様の構成である。以下では、実施の形態７との差異について説明し、その他、実施の形態７に対応する部分には同一符号を付してそれらの説明を省略する。

　加熱室２０２２の導波口は、天壁２０２２ｅに設けられている。
　収納体２００３の背板部２０３４は、下部に開口部２３４１を有する。
　モータ２０４６は、ハウジング２０４６ａから出力軸２０４６ｂが左方向へ突出する姿勢で低温領域２０２３ｄに配されている。ハウジング２０４６ａは、筐体２０２１の右側壁２０２１ｄの内面に取り付けられている。
　導波管２０５２は、低温領域２０２３ｂ及び高温領域２０２３ｅにて、マグネトロン２０５１から加熱室２０２２の天壁２０２２ｅに設けられた導波口に亘って配されている。

　加熱調理器２００１は、実施の形態７のヒータ２０５３に替えてヒータ２０５８を備えている。
　ヒータ２０５８は、ヒータ本体２５８１と非発熱部２５８２，２５８２とを一体的に有する。これらは、実施の形態７のヒータ本体２５３１と非発熱部２５３２，２５３２とに対応する。
　ヒータ本体２５８１の形状は、一筆書きの二重のコ字状又はＵ字状等である。

　ヒータ２０５８は、加熱室２０２２の上下方向中央部よりも底壁２０２２ｆ側に配されている。ヒータ本体２５８１は収納体２００３の背板部２０３４の開口部３３４１を貫通し、収納体２００３の載置面に平行に、載置面近傍に配されている。収納体２００３が加熱室２００２２の内部に没入すると、ヒータ本体２５８１は、収納体２００３の載置面に載置される被調理物の後方及び左右両側方を囲繞する。

　以上のような加熱調理器２００１は、実施の形態７と同様の作用効果を奏する。
　ところで、本実施の形態における導波管２０５２は高温領域２０２３ｅに配されている。しかしながら、導波管２０５２は、例えばラックギア２０４４、ピニオンギア２０４５、及びモータ２０４６等に比べて耐熱性が高い。しかも、ヒータ２０５８は高温領域２０２３ｅから離隔しているので、ヒータ２０５８の発熱中であっても、高温領域２０２３ｅの温度は実施の形態７の場合よりも低温である。故に、導波管２０５２を介してマグネトロン２０５１に熱が伝達しても、高温に起因する不都合がマグネトロン２０５１に生じるほどではない。
　なお、導波管２０５２の配置は実施の形態７の配置と同じであってもよい。

実施の形態１０．
　図３１は、本発明の実施の形態１０に係る加熱調理器２００１の内部構成を模式的に示す平面図である。
　図３１は、実施の形態７の図２４に対応する。ただし、スライドレール２０４２，２０４３、ラックギア２０４４、ピニオンギア２０４５、及びモータ２０４６の図示は省略している。
　本実施の形態の加熱調理器２００１は、実施の形態７の加熱調理器２００１と略同様の構成である。以下では、実施の形態７との差異について説明し、その他、実施の形態７に対応する部分には同一符号を付してそれらの説明を省略する。
　加熱調理器２００１は、可動アンテナ２０６１、駆動部２０６２、送風部２０６３、通風路２０６４、アンテナ室２６６１、及び駆動室２６６２を備えている。

　アンテナ室２６６１及び駆動室２６６２は、左右方向に隣接して低温領域２０２３ｄに設けられている。
　アンテナ室２６６１においては、縦姿勢の円盤状の可動アンテナ２０６１が、加熱室２０２２の右側壁２０２２ｄに対面配置されている。
　駆動室２６６２には、駆動部２０６２が配されている。本実施の形態の駆動部２０６２はモータを用いてなる。駆動部２０６２の出力軸は、アンテナ室２６６１と駆動室２６６２とを隔てる隔壁を貫通しており、アンテナ室２６６１の内部にて、可動アンテナ２０６１の中心位置に連結されている。駆動部２０６２は、可動アンテナ２０６１を駆動する。即ち、駆動部２０６２の出力軸が回転すると、可動アンテナ２０６１が回転する。

　導波管２０５２は、低温領域２０２３ｂ，２０２３ｄにて、マグネトロン２０５１からアンテナ室２６６１に亘って配されている。マグネトロン２０５１が発したマイクロ波は、導波管２０５２に導かれ、アンテナ室２６６１にて回転する可動アンテナ２０６１によって加熱室２０２２の内部へ散乱する。

　送風部２０６３は、冷却のための空気を送風する。
　通風路２０６４は、送風部２０６３とマグネトロン２０５１及び駆動室２６６２夫々とに亘って配されている。
　送風部２０６３が送風した空気は、通風路２０６４を通ってマグネトロン２０５１及び駆動部２０６２夫々に吹き付けられ、これらを冷却する。従って、マグネトロン２０５１又は駆動部２０６２の異常発熱、及び、異常発熱に起因するマグネトロン２０５１又は駆動部２０６２に係る不都合の発生が抑制される。
　なお、送風部２０６３が送風した空気は、マグネトロン２０５１及び駆動部２０６２のみならず、モータ２０４６にも吹き付けられる構成でもよい。

　以上のような加熱調理器２００１は、実施の形態７と同様の作用効果を奏する。

　最後に、本発明の実施の形態についてまとめる。

　本発明に係る加熱調理器２００１は、正面側に開口部２０２２ａが設けられた加熱室２０２２を有する調理器本体２００２と、前記加熱室２０２２の内部に対して前記開口部２０２２ａを通して出没可能に支持され、被調理物が収納される収納体２００３と、該収納体２００３を出没させるためのモータ２０４６と、マグネトロン２０５１と、該マグネトロン２０５１が発したマイクロ波を前記加熱室２０２２の内部へ導くための導波管２０５２とを備え、前記モータ２０４６、前記マグネトロン２０５１、及び前記導波管２０５２は、前記加熱室２０２２の外部に配されている加熱調理器２００１において、前記加熱室２０２２の内部の天壁２０２２ｅ側又は底壁２０２２ｆ側に配されるヒータ２０５３，２０５４，２０５８を備え、前記モータ２０４６は、前記加熱室２０２２の天壁２０２２ｅ及び底壁２０２２ｆの何れかに対向する高温領域２０２３ｅ，２０２３ｆ以外の低温領域２０２３ｂ，２０２３ｃ，２０２３ｄに配されていることを特徴とする。

　本発明に係る加熱調理器２００１は、前記ヒータ２０５３，２０５４，２０５８は、前記加熱室２０２２の内部の天壁２０２２ｅ側に配されており、前記マグネトロン２０５１は、前記加熱室２０２２の後壁２０２２ｂ又は左側壁２０２２ｃ（右側壁２０２２ｄ）に対向する前記低温領域２０２３ｂ，２０２３ｃ，２０２３ｄに配され、前記導波管２０５２は、前記加熱室２０２２の後壁２０２２ｂ又は左側壁２０２２ｃ（右側壁２０２２ｄ）に対向する前記低温領域２０２３ｂ，２０２３ｃ，２０２３ｄか、或いは前記底壁２０２２ｆに対向する前記高温領域２０２３ｅ，２０２３ｆに配されていることを特徴とする。

　本発明に係る加熱調理器２００１は、前記ヒータ２０５４は、前記加熱室２０２２の内部の天壁２０２２ｅ側と、該天壁２０２２ｅ側より低い前記被調理物の収納位置側との間で揺動可能に支持してあり、前記収納体２００３の出／没に連動して前記ヒータ２０５４を前記天壁２０２２ｅ側／前記収納位置側に揺動させる揺動機構２０５７を備えることを特徴とする。

　本発明に係る加熱調理器２００１は、前記収納体２００３は、前記開口部２０２２ａを開閉する扉２０３１を一体的に有し、前記揺動機構２０５７は、前記ヒータ２０５４と共に揺動する揺動部２５５２と、前記ヒータ２０５４に対し、該ヒータ２０５４が前記天壁２０２２ｅ側に揺動する方向へ付勢する付勢部２５４３と、前記収納体２００３の出／没に伴って前記揺動部２５５２に対し離隔／接近し、前記扉２０３１が閉じるときに前記揺動部２５５２に接触して、前記ヒータ２０５４が前記収納位置側に揺動する方向へ前記揺動部２５５２に外力を加える接離部２０５６とを有することを特徴とする。

　本発明に係る加熱調理器２００１は、前記ヒータ２０５３，２０５４は、前記加熱室２０２２の内部の天壁２０２２ｅ側に配されており、前記導波管２０５２が導いたマイクロ波を前記加熱室２０２２の内部へ散乱させる可動アンテナ２０６１と、該可動アンテナ２０６１を駆動する駆動部２６２６と、送風部２０６３と、該送風部２０６３が送風した空気を前記マグネトロン２０５１及び駆動部２６２６夫々の側へ導くための通風路２０６４とを備え、前記可動アンテナ２０６１、駆動部２６２６、送風部２０６３、及び通風路２０６４は、前記加熱室２０２２の外部における前記加熱室２０２２の後壁２０２２ｂ又は左側壁２０２２ｃ（右側壁２０２２ｄ）に対向する前記低温領域２０２３ｂ，２０２３ｃ，２０２３ｄに配されていることを特徴とする。

　本発明に係る加熱調理器２００１は、前記収納体２００３を出没可能に支持するスライドレール２０４２と、該スライドレール２０４２に取り付けられており、前記収納体２００３と共に出没するラックギア２０４４と、該ラックギア２０４４に噛み合うピニオンギア２０４５とを、前記加熱室２０２２の外部における前記加熱室２０２２の左側壁２０２２ｃ（右側壁２０２２ｄ）に対向する前記低温領域２０２３ｃ，２０２３ｄに更に備え、前記モータ２０４６は、前記ピニオンギア２０４５を回転駆動するモータであり、前記左側壁２０２２ｃ（右側壁２０２２ｄ）に対向する前記低温領域２０２３ｃ，２０２３ｄに配されていることを特徴とする。

　本発明にあっては、ヒータは加熱室の内部の天壁側又は底壁側に配される。故に、加熱室の外部における加熱室の天壁及び底壁の何れかに対向する領域には、ヒータが発する熱が伝達し易い（即ち、この領域は高温領域である）。高温領域に配される部品は、高い耐熱性を有している必要がある。
　一方、高温領域以外の領域にはヒータが発する熱が伝達し難い（即ち、この領域は低温領域である）。低温領域に配されているアクチュエータは、高い耐熱性を必要としない。

　本発明にあっては、電磁波発生部は、加熱室の後壁又は側壁に対向する低温領域に配されている。低温領域に配されている電磁波発生部は、高い耐熱性を有している必要がない。
　一方、導波管は、加熱室の後壁又は側壁に対向する低温領域か、或いは加熱室の底壁に対向する高温領域に配されている。これは、従来の加熱調理器において加熱室の上方に配されていた導波管を、加熱室の天壁に対向する高温領域から退避させたような構成である。

　一般に、導波管は、従来の加熱調理器が備えるラックギア、ピニオンギア、モータ、及び電磁波発生部等に比べれば、高温による不都合が生じ難い。また、加熱室の底壁に対向する高温領域は、加熱室の天壁に対向する高温領域ほど高温にはならないので、導波管を介して電磁波発生部に高熱が伝達しても、高温による不都合が電磁波発生部に生じ難い。故に、導波管を加熱室の底壁に対向する高温領域に配しても特段の問題はない。
　以上の結果、従来同様の低耐熱性を有する安価な電磁波発生部及び導波管を用いて、加熱調理器を安価に製造することができる。

　本発明にあっては、加熱調理器が備えるヒータは可動ヒータである。
　ヒータの揺動は、収納体の出没に連動する。従って、使用者が手動でヒータを揺動させる必要がない。

　本発明にあっては、収納体が加熱室の内部に没入している場合は、接離部が揺動部に接触し、揺動部を介してヒータを加熱室の内部の被調理物の収納位置側へ揺動させる。つまり、ヒータは、収納体が加熱室に没入している場合は加熱室の内部の被調理物の収納位置側にある。故に、ヒータと被調理物との離隔距離が短いので、被調理物が効率よく加熱される。

　一方、収納体が加熱室の内部から突出している場合は、接離部が揺動部から離隔し、付勢部がヒータを加熱室の内部の天壁側へ揺動させる。つまり、ヒータは、収納体が加熱室から突出している場合は加熱室の天壁側にある。故に、ヒータと被調理物との離隔距離が長いので、収納体と共に加熱室に対して出没する被調理物に、ヒータが干渉することが抑制される。
　以上のような構成では、ヒータを自動的に揺動させるためのアクチュエータは不要である。

　本発明にあっては、送風部は、電磁波発生部及び駆動部に対して送風することによって、これらの温度上昇を抑制する。

　本発明にあっては、スライドレール、ラックギア、ピニオンギア、及びアクチュエータとしてのモータは、加熱室の側壁に対向する低温領域に配されている。これは、従来の加熱調理器において下側スライドレールに配されていたラックギア、ピニオンギア、及びモータを、両側スライドレールの少なくとも一方に移動させたような構成である。
　低温領域に配されているスライドレール、ラックギア、ピニオンギア、及びモータは、高い耐熱性を有している必要がないので、これらが従来同様の低耐熱性を有する安価なものであっても特段の問題はない。この結果、加熱調理器を安価に製造することができる。

　今回開示された実施の形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述した意味ではなく、請求の範囲と均等の意味及び請求の範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
　また、本発明の効果がある限りにおいて、加熱調理器２００１に、実施の形態７～１０に開示されていない構成要素が含まれていてもよい。
　各実施の形態に開示されている構成要件（技術的特徴）はお互いに組み合わせ可能であり、組み合わせによって新しい技術的特徴を形成することができる。

　上述の実施の形態７～１０によれば、以下のような効果を奏する。すなわち、従来、引き出し式の加熱調理器が提案されている（特許第４０２７３２５号公報、特許第４５２８６４０号号公報、特許第４２９６１９０号公報、特許第４４０４９１８号公報参照）。引き出し式の加熱調理器は、加熱室を有する調理器本体と、電磁波発生部と、電磁波発生部が発した電磁波を加熱室の内部へ導くための導波管とを備える。電磁波発生部は加熱室の背後に配されており、導波管は電磁波発生部から加熱室の上方に亘って設けられている。更に、引き出し式の加熱調理器は、被調理物が収納される収納体を備える。収納体は、加熱室の左右両側方に配された２本の両側スライドレールと、加熱室の下方に配された１本の下側スライドレールとによって、加熱室の内部に対して出没可能に支持されている。下側スライドレールにはラックギアが取り付けられている。ラックギアに噛み合うピニオンギアをモータが回転駆動することによって、収納体が加熱室の内部から引き出されたり加熱室の内部へ押し入れられたり（即ち出没）する。モータ及びピニオンギアは、加熱室の底壁の下方に配されている。ところで、引き出し式ではない一般的な加熱調理器は、可動ヒータを備えていることがある（特開平３－１４４２１８号公報、特開２０１１－１５８１８４号公報参照）。可動ヒータは、モータに駆動されて自動的に揺動するか、又は使用者が手動で揺動させる。可動ヒータは、被調理物に対して接離したり、被調理物の表面に沿って周回したりすることによって、被調理物を適切に加熱する。上述のように、従来の引き出し式の加熱調理器は、電子レンジ機能のみを有する単機能型である。従来の引き出し式の加熱調理器にヒータを追加すれば、特許文献５，６に記載された加熱調理器のような電子レンジ機能及びグリル機能等を有する多機能型の加熱調理器が得られる。このために、加熱調理器は、加熱室の内部の天壁側に配されたヒータから、ヒータの下方に位置する被調理物側へ熱が伝達するよう構成される。この場合、ヒータが発した熱は加熱室の上方及び下方にも伝達する。故に、加熱室の下方に配されている下側スライドレール、ラックギア、ピニオンギア、及びモータが高温になり易い。ところが、ラックギア、ピニオンギア、及びモータは、一般に耐熱性が低い。かといって、これらを全て高耐熱性のものにすると、加熱調理器の製造コストが増大する。

　上述の実施の形態７～１０によれば、電子レンジ機能を含む多機能型であって、安価に製造可能な引き出し式の加熱調理器を提供することができる。すなわち、上述の実施の形態７～１０によれば、収納体を出没させるためのアクチュエータは、ヒータが発する熱が伝達し難い低温領域に配されている。故に、加熱調理器が備えるべきアクチュエータとして、従来同様の低耐熱性を有する安価なアクチュエータを採用することができる。この結果、電子レンジ機能を含む多機能型の引き出し式の加熱調理器を安価に製造することができる。

（実施形態１１～実施形態１３）
　図３２は、実施の形態１１に係る加熱調理器３００１の外観斜視図である。加熱調理器３００１は、筐状の調理器本体３０１０を備え、該調理器本体３０１０の一面には、加熱調理器３００１の設置面（図示せず）側に扉３０１１が設けられ、設置面と反対側、即ち天面側に操作パネル３０１２が設けられている。

　操作パネル３０１２には、使用者が加熱調理器３００１を操作するための各種キーを有する操作部３０１２ａと、使用者に通知すべき各種の情報を表示する表示部３０１２ｂと、加熱調理器３００１による調理を開始するスタートスイッチ３０１２ｃが設けられている。

　図３３及び図３４は、実施の形態１１に係る加熱調理器３００１の側断面図である。調理器本体３０１０は、被調理物が加熱される加熱室３０１３を有する。図３３においては、加熱室３０１３の右側面を図示していない。

　加熱室３０１３には、調理器本体３０１０の前記一面の側に、扉３０１１により開閉される開口部３０１４が設けられている。扉３０１１の内面の中央には、被調理物３０１５ａが載置される載置台３０１５が突設されている。載置台３０１５は、加熱調理器３００１の天面側の一面が開口した筐状をなし、被調理物３０１５ｂが載置されるトレー３０１５ａを有する。

　扉３０１１の内面には、加熱調理器３００１の載置面側にて、載置台３０１５が間に位置するように二つの可動レール３０１９ａが突設されている。加熱調理器３００１の内部の両側面には夫々、可動レール３０１９ａに摺動可能な固定レール３０１９ｂが取り付けられている。

　可動レール３０１９ａ及び固定レール３０１９ｂは、マイクロ波又は被調理物３０１５ｂのカス等の影響を受けないように加熱室３０１３の外側に位置するように配されている。

　扉３０１１は、可動レール３０１９ａ及び固定レール３０１９ｂの摺動により、加熱室の手前及び内奥方向に移動し、開口部３０１４を開閉する。図３３は、開口部３０１４を閉塞した場合、図３４は、開放した場合に対応する。

　開口部３０１４を閉塞状態から開放した場合、載置台３０１５は、扉３０１１の移動に伴って加熱室３０１３の外側に移動する。使用者は、開口部３０１４の開放状態において、被調理物３０１５ｂをトレー３０１５ａを介して載置台３０１５に載置することができる。更に、開口部３０１４を閉止することで、載置台３０１５を加熱室３０１３内に移動させ、被調理物３０１５ｂを加熱室３０１３内に搬入することができる。

　図３３に示すように、開口部３０１４を閉塞した状態において、加熱室３０１３の内奥面には、載置台３０１５よりも加熱調理器３００１の天面側に吸気口３０１６が設けられている。吸気口３０１６は、吸気ダクト（図示せず）に接続されており、該吸気ダクトは、調理器本体３０１０の内奥面に設けられた吸気口３０１０ａに接続されている。

　また、加熱室３０１３の天面には、排気口３０１７が設けられている。排気口３０１７は、排気ダクト（図示せず）を通じて、調理器本体３０１０に設けられた排気口（図示せず）に接続されている。吸気口３０１６及び排気口３０１７を通じて加熱室３０１３内の換気が行われる。

　載置台３０１５には、加熱室３０１３の内奥側に、吸気口３０１６を閉塞する閉塞部の一例としての蓋３０１８が着脱可能に取り付けられている。図３５は、蓋３０１８の取付の説明図である。蓋３０１８は矩形板状をなし、長手方向一端に爪部３０１８ａを有する。爪部３０１８ａは、加熱室３０１３の内奥側にて、載置台３０１５の開口の周縁部に嵌合する。

　蓋３０１８は、爪３０１８ａが載置台３０１５の前記周縁部に篏合することにより、載置台３０１５に取り付けられる。蓋３０１８は、加熱調理器３００１の天面側に載置台３０１５から突出する。蓋３０１８は、扉３０１１の移動に伴って、加熱室３０１３内を移動し、開口部３０１４が閉塞される場合に吸気口３０１６を閉塞する。

　図３４に示すように、加熱調理器３００１には、調理器本体３０１０の内部の側面にて、加熱室３０１３との間にマグネトロン３０２１及び該マグネトロン３０２１に接続された導波管３０２２が設けられている。マグネトロン３０２１及び導波管３０２２は、加熱部をなす。また、加熱室３０１３の外側にて吸気口３０１６付近に近接センサ３０２３が設けられている。

　以上のように構成された加熱調理器３００１による加熱，調理は、載置台３０１５に載置した被調理物３０１５ｂを加熱室３０１３内に搬入し、開口部３０１４を閉塞し、操作パネル３０１２を操作して加熱，調理に必要な情報を設定した後、スタートスイッチ３０１２ｃをオン操作することにより開始される。これにより加熱室３０１３の内部には、マグネトロン３０２１が発生するマイクロ波が導波管３０２２を介して導入され、被調理物３０１５ｂに照射され、加熱，調理が進行する。

　図３６は、実施の形態１１に係る加熱調理器３００１の制御系の構成を示すブロック図である。加熱調理器３００１は、制御装置３０２４を備える。制御装置３０２４は、互いに接続された制御部３０２５、記憶部３０２６及び入出力部３０２７を有する。

　加熱調理器３００１は、被調理物３０１５ｂを加熱する加熱機能及び加熱を抑制することにより保温する保温機能を有し、記憶部３０２６にはこれら対応する加熱態様が記憶されている。マグネトロン３０２１、近接センサ３０２３及びスタートスイッチ３０１２ｃは、夫々入出力部３０２７に接続されている。

　加熱調理器３００１が運転を開始し、開口部３０１４が閉塞されている場合、近接センサ３０２３は、蓋３０１８が載置台３０１５に取り付けられているか否かを検出する。近接センサ３０２３が蓋３０１８を検出しない場合、その情報が入出力部３０２７を介して入力される。この時、制御部３０２５は、被調理物３０１５ｂを加熱する加熱機能を選択する。

　この場合において、使用者がスタートスイッチ３０１２ｃを押したとき、制御部３０２５は、操作パネル３０１２において使用者が指定した加熱態様を記憶部３０２６から読み出し、入出力部３０２７を介して、マグネトロン３０２１の駆動命令を出力する。マグネトロン３０２１は、該駆動命令に基づいて、マイクロ波を発生する。

　近接センサ３０２３が、蓋３０１８が載置台３０１５に取り付けられていることを検出した場合、その情報が入出力部３０２７を介して入力される。この時、制御部３０２５は、被調理物３０１５ｂを保温する保温機能を選択する。

　この場合、スタートスイッチ３０１２ｃがオンとされたとき、制御部３０２５は記憶部３０２６から保温機能に対応する加熱態様を読み出し、入出力部３０２７を介して、マグネトロン３０２１の駆動命令を出力する。マグネトロン３０２１は、該駆動命令に従って、被調理物３０１５ｂを保温するように、断続的にマイクロ波を発生する。

　以上の構成では、蓋３０１８が取り付けられているか否かにより、加熱機能と保温機能を入れ替えることができる。蓋３０１８は、使用者自らが着脱するものであるので、誤操作を低減できる。また、蓋３０１８は手動で着脱するものであり、複雑な機構は不要であるので装置全体の故障率は低下し、また、コストを減少させることができる。

　なお、加熱は、マグネトロン３０２１による構成でなく、ヒーターその他の加熱器により行う構成としてもよい。また、被調理物３０１５ｂを断続的に加熱することで保温する構成でなく、連続的に所定の温度で加熱することにより保温する構成であってもよい。

　更に、実施の形態１１では、近接センサ３０２３により、蓋３０１８による開閉を検出しているが、その他のセンサ又はスイッチ等により蓋３０１８の開閉を検出する構成としてもよい。

　以下、実施の形態１２に係る加熱調理器３００３についてその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。実施の形態１２における加熱調理器３００３の構成の内、実施の形態１１にかかる加熱調理器３００１と同様な構成については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。

　加熱調理器３００３は、蓋３０１８に代えて、吸気口３０１６を開閉可能に閉塞する閉塞部として機能するダンパー３０３０を備える。図３７は、ダンパー３０３０の配置を示す概略図であり、図３８は、実施の形態１２に係る加熱調理器３００３の側断面図である。

　ダンパー３０３０は、矩形状をなし、一辺が加熱室３０１３の背面に固定され、前記一辺を軸として、図示しないモータ及びギアにより回転動作を行う。制御部３０２５は、入出力部３０２７を介してダンパー３０３０の駆動命令を出力し、モータ及びギアにより吸気口３０１６を開閉し、その開量を制御する。

　また、加熱調理器３００３は、加熱室３０１３の天面にて、排気口３０１７付近に湿度センサ３０３１を備える。湿度センサ３０３１は、吸気口３０１６から排気口３０１７に流れる空気から、加熱室３０１３内の湿度を検出する。

　図３９は、実施の形態１２に係る加熱調理器３００３の制御系の構成を示すブロック図である。ダンパー３０３０及び湿度センサ３０３１は、夫々入出力部３０２７に接続されている。使用者が操作パネル３０１２にて加熱機能を選択し、スタートスイッチ３０１２ｃをオンとした場合、入出力部３０２７を介して、その情報が制御部３０２５に入力される。

　制御部３０２５は記憶部３０２６から使用者が操作パネル３０１２により指定した加熱態様を読み出し、入出力部３０２７を介してマグネトロン３０２１の駆動命令を出力する。マグネトロン３０２１は該駆動命令に従ってマイクロ波を発生する。マグネトロン３０２１を駆動させる。また、この時、ダンパー３０３０のモータを駆動させ、吸気口３０１６を最大限開放させる。

　使用者が操作パネル３０１２にて保温機能を選択し、スタートスイッチ３０１２ｃをオンとした場合、入出力部３０２７を介して、その情報が制御部３０２５に入力される。制御部３０２５は、記憶部３０２６から保温機能に対応する加熱態様を読み出す。

　制御部３０２５は、入出力部３０２７を介して、マグネトロン３０２１の駆動命令を出力する。マグネトロン３０２１は、該駆動命令に従って断続的にマイクロ波を発生させ、被調理物３０１５ｂの温度を一定に保つ。また、この間制御部３０２５は、湿度センサ３０３１に加熱室３０１３内の湿度を検出させる。湿度センサ３０３１が検出した湿度は入出力部３０２７を介して制御部３０２５に入力される。

　記憶部３０２６は、湿度の閾値Ａ、Ｂ及びＣを記憶している。湿度の閾値Ａ、Ｂ及びＣの大小関係は、Ａ＜Ｂ＜Ｃである。また、記憶部３０２６は、湿度の閾値Ａ、Ｂ及びＣに応じたダンパー３０３０の開閉量を記憶している。

　制御部３０２５は、湿度センサ３０３１から入出力部３０２７を介して入力される湿度の値と記憶部３０２６が記憶している湿度の閾値Ａ、Ｂ、及びＣとを比較する。制御部３０２５は、加熱室３０１３内の湿度がＡ以下であると判定した場合、入出力部３０２７を介してダンパー３０３０の駆動命令を出力し、モータを駆動させ、吸気口３０１６を閉塞する。

　制御部３０２５は、加熱室３０１３内の湿度がＡより大きくＢ以下であると判定した場合、入出力部３０２７を介してダンパー３０３０の駆動命令を出力し、モータを駆動させ、ダンパー３０３０と加熱室３０１３の背面とが３０度の角をなすように吸気口３０１６を開放する。

　制御部３０２５は、加熱室３０１３内の湿度がＢより大きくＣ以下であると判定した場合、入出力部３０２７を介してダンパー３０３０の駆動命令を出力し、モータを駆動させ、ダンパー３０３０と加熱室３０１３の背面とが６０度の角をなすように吸気口３０１６を開放する。

　制御部３０２５は、加熱室３０１３内の湿度がＣより大きいと判定した場合、入出力部３０２７を介してダンパー３０３０の駆動命令を出力し、モータを駆動させ、ダンパー３０３０と加熱室３０１３の背面とが９０度の角をなすように、即ち、吸気口３０１６を最大限に開放する。

　以上の構成により、加熱調理器３００３の保温機能を用いる場合に、加熱室３０１３内の湿度にダンパー３０３０の駆動を連動させることができる。これにより、加熱室３０１３内の湿度の微調整ができる。

　なお、閾値はＡ、Ｂ及びＣの三つに限られず、四つ以上の閾値を持つ構成としてもよい。加熱調理器３００３は、閾値を増やすことで、より細かい湿度調整が可能となる。また、ダンパー３０３０の開閉量は、３０度、６０度又は９０度に限られるものではなく、他の角度とする構成であってもよい。

　以下、実施の形態１３に係る加熱調理器３００１について詳述する。実施の形態１３における加熱調理器３００１の構成の内、実施の形態１１と同様な構成については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。

　実施の形態１３に係る加熱調理器３００１は、実施の形態１１の構成に加え、ヒーターその他の加熱器（図示せず）を備える。また、加熱調理器３００１はマグネトロン３０２１及び前記加熱器夫々に対応する加熱モードを有する。更に、加熱調理器３００１は、ユーザに対し蓋３０１８の取付をライトの点滅又はアラーム等により報知する報知部（図示せず）を有する。

　制御部３０２５は、マグネトロン３０２１を用いた加熱モードが選択された場合には、報知部により、蓋３０１８を取り外すようにユーザに対し報知する。また、制御部３０２５は、前記加熱器を用いた加熱モードが選択された場合、蓋３０１８を取り付けるようにユーザに対し報知する。

　以上の構成により、ユーザは、マグネトロン３０２１及び前記加熱器に夫々に対応する加熱モードに応じて蓋３０１８の取付について判断が容易となる。

　本発明に係る加熱調理器（３００１）は、開口部（３０１４）が設けられ、被調理物（３０１５ｂ）が加熱される加熱室（３０１３）と、該加熱室（３０１３）の内部にて、前記開口部（３０１４）から搬出入可能に設けられ、前記被調理物（３０１５ｂ）が載置される載置台（３０１５）と、前記加熱室（３０１３）に設けられた吸気口（３０１６）とを備える加熱調理器において、前記載置台（３０１５）に着脱可能に取り付けられ、前記吸気口（３０１６）を閉塞する閉塞部（３０１８）を備えることを特徴とする。

　本発明にあっては、閉塞部（３０１８）が載置台（３０１５）に着脱可能であるので、吸気口（３０１６）の開閉が使用者の手作業により行われることとなり、複雑な機構が不要となるので、加熱調理器（３００１）の故障率及びコストを低減することができる。

　本発明に係る加熱調理器（３００１）は、前記吸気口（３０１６）は、前記開口部（３０１４）に対向する位置に設けられ、前記載置台（３０１５）は、前記開口部（３０１４）及び吸気口（３０１６）の対向方向に移動可能であり、前記閉塞部（３０１８）は、前記載置台（３０１５）に取り付けられた場合、前記載置台（３０１５）の縁部の前記吸気口（３０１６）側から突出することを特徴とする。

　本発明にあっては、載置台（３０１５）が、開口部（３０１４）及び吸気口（３０１６）の対向方向に移動可能であるので、載置台（３０１５）に取り付けられた閉塞部（３０１８）は、載置台（３０１５）の移動に伴って移動する。また、閉塞部（３０１８）は、載置台（３０１５）の縁部の吸気口（３０１６）側から突出するので、載置台（３０１５）の移動に伴って、容易に吸気口（３０１６）の開閉ができる。

　本発明に係る加熱調理器（３００１）は、前記被調理物（３０１５ｂ）を加熱する加熱部（３０２１）と、該加熱部（３０２１）による加熱を制御する制御部（３０２５）とを備え、該制御部（３０２５）は、前記閉塞部（３０１８）により前記吸気口（３０１６）が閉塞されている場合、前記吸気口（３０１６）が開放されている場合に対し、前記加熱部（３０２１）による加熱を抑制させるようにしてあることを特徴とする。

　本発明にあっては、吸気口（３０１６）を閉塞することにより、吸気口（３０１６）を開放する場合に対し、加熱を抑制することができる。これにより、例えば、加熱調理器（３００１）が加熱を抑制することによる保温機能を有する場合、吸気口（３０１６）の閉塞部（３０１８）の開閉により、加熱機能と保温機能とを切り替えることができる。これにより、使用者の加熱機能及び保温機能の切替の誤動作を防止することができる。

　本発明に係る加熱調理器（３００１）は、前記吸気口（３０１６）の開閉を検出するセンサ（３０２３）を備えることを特徴とする。

　本発明にあっては、加熱調理器（３００１）は、吸気口（３０１６）の開閉を検出するセンサ（３０２３）を備えるので、使用者は、閉塞部（３０１８）を載置台（３０１５）に取り付ける否かにより、例えば、加熱機能及び加熱を抑制することによる保温機能を入れ替えることができる。

　本発明に係る加熱調理器（３００３）は、被調理物（３０１５ｂ）が加熱される加熱室（３０１３）と、前記被調理物（３０１５ｂ）を加熱する加熱部（３０２１）と、前記加熱室（３０１３）に設けられた吸気口（３０１６）と、該吸気口（３０１６）を開閉する閉塞部（３０３０）とを備える加熱調理器（３００３）において、前記閉塞部（３０３０）の開量を制御する制御部（３０２５）を備え、該制御部（３０２５）は、前記加熱室（３０１３）内の湿度に応じて前記閉塞部（３０３０）の開量を制御するようにしてあることを特徴とする。

　本発明にあっては、制御部（３０２５）により、吸気口（３０１６）を開閉する閉塞部（３０３０）の開量を加熱室（３０１３）の湿度に応じて制御することができる。したがって、被調理物（３０１５ｂ）を適切な湿度で保温することができる。

　上述の実施の形態１１～１３によれば、以下のような効果を奏する。すなわち、従来、加熱調理器は、吸気口及び排気口が設けられた加熱室を備えている。また、加熱機能及び保温機能の切替は、加熱室の外部に設けられた操作ボタン又はスイッチ等の操作により行われる。加熱調理器の加熱機能を用いる場合には、加熱室内の換気のために吸気口を開放する必要があり、保温機能を用いる場合には、加熱室内の乾燥を防止するために蓋により前記吸気口を閉塞する必要がある。したがって、加熱機能及び保温機能を両立させるため、従来、モータにより吸気口又は排気口の開閉動作を行う蓋が用いられている（特開２０１１－２４７４８５号公報参照）。しかしながら、上述のモータにより動作する蓋を用いれば、複雑な機構が必要となり、コストが上昇し、また、該機構の故障による加熱調理器全体の故障率が上昇するという問題がある。更に、操作ボタン又はスイッチ等による加熱機能及び保温機能の切替では、操作誤り、勘違いなどにより使用者の意図した操作ができない場合がある。更に、従来のモータにより動作する蓋は、加熱室内の湿度の微調整が困難であるという問題がある。

　上述の実施の形態１１～１３によれば、コスト、故障率及び誤操作を低減でき、加熱室内の湿度の微調整ができる。

（実施形態１４～実施形態１６）
　図４０は、本発明に係る加熱調理器の実施の形態１４の外観を示す斜視図である。
　この加熱調理器は、引出し型の電子レンジ４００１であり、キッチンの作業台（調理台）に組込まれる（ビルトイン）調理器本体４００２が箱状をなしている。
　調理器本体４００２は、正面側に開口部を備え、開口部の上縁部には、パネル部４０２１が設けられている。パネル部４０２１は、ユーザが電子レンジ４００１を操作するための各種のキーを有する操作部、及びユーザに通知する各種の情報を表示する表示部を備えている。

　調理器本体４００２の開口部には扉部４００４が設けられ、扉部４００４は、矩形板状をなし、調理器本体４００２の開口部を開閉するように構成されている。パネル部４０２１の操作部には、ユーザが扉部４００４の開閉操作を行う為の開閉操作キー４０４２が設けられている。
　扉部４００４は、把手４０４１、及び窓部４０４３を備え、把手４０４１は、扉部４００４の本体の上寄りに設けられ、横方向に延びる棒状の握り部を有している。窓部４０４３は、扉部４００４の中央部に設けられ、調理器本体４００２の内部を覗くことができるように形成されている。

　図４１は、調理器本体４００２の内部に形成されている加熱室４００３の側断面を模式的に示す側断面図である。
　加熱室４００３は、調理器本体４００２の各内壁とそれぞれ適宜距離を保持して設けられた底壁４０３３、上壁４０３４、後壁４０３１及び１対の側壁４０３２，４０３２により形成されている。加熱室４００３の各壁と調理器本体４００２の各内壁との間には、加熱調理に使用されるマグネトロン、導波管、高圧トランス、高圧コンデンサ、及び冷却ファン等（図示せず）が設けられている。

　加熱室４００３の両側壁４０３２，４０３２と調理器本体４００２の両側内壁との間の下部に設けられたスライド部４００６は、固定レール４０６１及び可動レール４０６２を各１対備えている。可動レール４０６２，４０６２は板状をなし、扉部４００４の背面の両側下部に取り付けられており、固定レール４０６１，４０６１も板状をなし、調理器本体４００２側に取り付けられている。可動レール４０６２は、固定レール４０６１に内嵌され、固定レール４０６１に前後方向に摺動可能に支持されている。

　扉部４００４の背面側に連接された収納体４０１０は、２枚の側板、背板、及び底板により形成され、底板には、被調理物を載置する載置台（図示せず）が配置されている。
　収納体４０１０の底板の下面の中央部には、その長手方向を前後方向に一致させてラックギア（移動機構）４１０１が設けられ、調理器本体４００２側にはピニオンギア（移動機構）４１０２が軸支され、ラックアンドピニオン機構が構成されている。

　ピニオンギア４１０２には、調理器本体４００２側に固定されたモータ４１０３が連結され、ユーザの開閉操作キー４０４２への操作に応じて、収納体４０１０が自動的に進退するように構成されている。モータ４１０３は、回転位置制御が可能な例えばステッピングモータである。収納体４０１０の進退は、把手４０４１による手動でも行うことができる。尚、モータ４１０３が回転位置制御の可能なステッピングモータである場合は、扉部４００４の閉止を検出する為のセンサ類４００７，４００８（後述）を省略することも可能である。

　ラックギア４１０１が前後に移動する範囲に合わせて、加熱室４００３の両側壁４０３２，４０３２にサイドレール４１０４，４１０４がそれぞれ固設されており、収納体４０１０の後端部両側には１対のキャスタ４１０５，４１０５が設けられている。キャスタ４１０５，４１０５は、ラックギア４１０１の移動に従って、それぞれサイドレール４１０４，４１０４上を走行して、収納体４０１０を略水平方向に移動させる。

　ユーザが、開閉操作キー４０４２を操作した場合、又は扉部４００４の把手４０４１を握って手前に引っ張った場合、可動レール４０６２が固定レール４０６１内を手前側へ摺動し、ラックギア４１０１が手前側へ移動して、収納体４０１０が引き出される。ユーザが更に開閉操作キー４０４２を操作した場合、又はユーザが把手４０４１を奥側へ押した場合、可動レール４０６２が固定レール４０６１内を奥側へ摺動し、ラックギア４１０１が奥側へ移動して、収納体４０１０が加熱室４００３内に収容され、扉部４００４が調理器本体４００２の開口部を閉塞する。

　加熱室４００３の一方の側壁４０３２の開口部側支持枠４０３５の上端部には、扉部４００４の閉止を検出する為の制御センサ（第２検出器）４００７及び閉止確認センサ（検出器）４００８が設けられており、扉部４００４の背面には、制御センサ４００７及び閉止確認センサ４００８をオンにする為のアーム４００９が突出するように設けられている。
　図４２は、制御センサ４００７、閉止確認センサ４００８及びアーム４００９の側断面を拡大して模式的に示す側断面図である。制御センサ４００７及び閉止確認センサ４００８は、マイクロスイッチであり、それぞれ１対のリード線４０７２，４０７２，４０８２，４０８２により、後述する開閉制御部４０１１へオン信号を送信する。

　アーム４００９は、先端部が下方へ屈曲して係止部が形成されており、支持枠４０３５には、この係止部が係止する為の突起部４０９１が設けられている。
　扉部４００４が閉止されて、図４３Ａに示すように、アーム４００９が撓んで係止部が突起部４０９１を乗り越えると、アーム４００９の係止部が、その背部で制御センサ４００７のアクチュエータ４０７１を押圧する（オン）。

　扉部４００４が更に閉止方向へ進むと、図４３Ｂに示すように、アーム４００９が、撓みを解消し、アクチュエータ４０７１を押圧し続けた状態で、アーム４００９の係止部が、その先端部で閉止確認センサ４００８のアクチュエータ４０８１を押圧する（オン）。
　閉止確認センサ４００８は、扉部４００４が完全に閉止したことを検出し、制御センサ４００７は、扉部４００４が完全に閉止する位置より所定長手前の位置を検出するように構成されている。

　図４４は、扉部４００４を開閉制御する為の構成例を示すブロック図である。
　この電子レンジ４００１は、扉部４００４を開閉制御する為に、制御センサ４００７、閉止確認センサ４００８、開閉制御部４０１１、開閉操作キー４０４２、駆動回路４１０６及びモータ４１０３を備えている。
　開閉制御部４０１１は、マイクロコンピュータ及びタイマ４１１１を有しており、開閉操作キー４０４２からの操作信号、並びに制御センサ４００７及び閉止確認センサ４００８からの各オン信号を与えられ、与えられた各信号に基づき、駆動回路４１０６によりモータ４１０３を駆動制御する。
　開閉制御部４０１１は、また、与えられた閉止確認センサ４００８のオン信号を加熱制御部４０１２へ送信する。加熱制御部４０１２は、マイクロコンピュータを有し、閉止確認センサ４００８のオン信号が送信されているときに限り、マグネトロンを作動させる。

　以下に、このような構成の電子レンジ４００１の扉部４００４の開閉動作を、それを示す図４５のフローチャートを参照しながら説明する。
　開閉制御部４０１１は、扉部４００４が開状態であるときに、開閉操作キー４０４２が操作されると（Ｓ１）、扉部４００４を閉にする方向へ、駆動回路４１０６によりモータ４１０３を起動する（Ｓ３）。
　開閉制御部４０１１は、扉部４００４を閉にする方向へ、モータ４１０３を駆動しているときに、制御センサ４００７からオン信号を与えられると（Ｓ５）、駆動回路４１０６によりモータ４１０３を漸次減速させながら駆動させる（Ｓ７）。尚、この際、例えば、オイルダンパが衝撃を吸収するときの収縮する速さ程度に、モータ４１０３を漸次減速させる。

　開閉制御部４０１１は、モータ４１０３を漸次減速させながら駆動させているときに（Ｓ７）、閉止確認センサ４００８からオン信号を与えられると（Ｓ９）、モータ４１０３の電源をオフにして停止させる（Ｓ１１）。次いで、開閉制御部４０１１は、閉止確認センサ４００８から更にオン信号が与えられているかを確認し（Ｓ１３）、オン信号が与えられていれば終了する。
　開閉制御部４０１１は、オン信号が与えられていなければ（Ｓ１３）、制御センサ４００７からオン信号が与えられているか否かを判定する（Ｓ１５）。

　開閉制御部４０１１は、制御センサ４００７からオン信号が与えられていなければ（Ｓ１５）、扉部４００４を閉にする方向へ、駆動回路４１０６によりモータ４１０３を起動する（Ｓ３）。
　開閉制御部４０１１は、制御センサ４００７からオン信号が与えられていれば（Ｓ１５）、扉部４００４を閉にする方向へ、駆動回路４１０６によりモータ４１０３を起動した後（Ｓ１７）、モータ４１０３を漸次減速させながら駆動させる（Ｓ７）。

　実施の形態１５．
　尚、本実施の形態１５の電子レンジ４００１の外観は、実施の形態１４の外観を示す斜視図（図４０）と同様である。また、その他の構成についても、実施の形態１４で説明した構成（図４４）と同様であるので、説明を省略する。

　開閉制御部４０１１は、制御センサ４００７からオン信号が与えられることに伴い（Ｓ１５）モータ４１０３を漸次減速駆動するが、それによって、アーム４００９の係止部が突起部４０９１を乗り越えられずに閉止確認センサ４００８のアクチュエータ４０８１を押圧することができないことがある。しかし、この場合には、収納体４０１０は略全閉状態であるため、そのまま閉止確認センサ４００８からオン信号を与えられるまで駆動しても大きな衝撃は発生しない。
　よって、開閉制御部４０１１は、駆動回路４１０６がモータ４１０３を漸次減速駆動させ始めてから、タイマ４１１１が所定時間を計時するまでに、閉止確認センサ４００８が扉４００４が閉じたことを検出しなかった場合には、この位置から制御センサ４００７によるオン信号に伴う減速を行わずに扉部４００４を閉にする方向へモータ４１０３を駆動する。

　実施の形態１６．
　図４６は、本発明に係る加熱調理器の実施の形態１６の調理器本体の内部に形成されている加熱室４００３の側断面を模式的に示す側断面図である。
　この電子レンジでは、スライド部４００６は、固定レール４０６１及び可動レール４０６２を各１対備えており、可動レール４０６２は、固定レール４０６１に内嵌され、固定レール４０６１に前後方向に摺動可能に支持されている。各可動レール４０６２の先端部には、オイルダンパ４０６３，４０６３が設けられており、扉部４００４が閉止するときに、オイルダンパ（ダンパ）４０６３，４０６３が加熱室４００３の後壁４０３１に衝突するように構成されている。

　加熱室４００３の一方の側壁４０３２の開口部側支持枠４０３５の上端部には、扉部４００４の閉止を検出する為の閉止センサ（検出器）４００７ａ及び閉止確認センサ４００８が設けられており、扉部４００４の背面には、閉止センサ４００７ａ及び閉止確認センサ４００８をオンにする為のアーム４００９が突出するように設けられている。その他の構成は、実施の形態１４で説明した加熱室４００３の側断面図（図４１）、並びに制御センサ４００７（閉止センサ４００７ａ）、閉止確認センサ４００８及びアーム４００９の側断面図（図４２）と同様であるので、説明を省略する。また、閉止センサ４００７ａ、閉止確認センサ４００８及びアーム４００９の動作も上述した説明図（図４３）と同様である（但し、アクチュエータ４０７１をアクチュエータ４０７１ａに置換える）ので、説明を省略する。
　尚、本実施の形態１６の電子レンジ４００１の外観は、実施の形態１４の外観を示す斜視図（図４０）と同様であるので、説明を省略する。

　図４７は、扉部４００４を開閉制御する為の構成例を示すブロック図である。
　この電子レンジ４００１は、扉部４００４を開閉制御する為に、閉止センサ４００７ａ、閉止確認センサ４００８、開閉制御部４０１１、開閉操作キー４０４２、駆動回路４１０６及びモータ４１０３を備えている。これらの構成は、実施の形態１４で説明した構成（図４４）と同様（但し、制御センサ４００７を閉止センサ４００７ａに置換えてある）であるので、説明を省略する。

　以下に、このような構成の電子レンジ４００１の扉部４００４の開閉動作を、それを示す図４８のフローチャートを参照しながら説明する。
　開閉制御部４０１１は、扉部４００４が開状態であるときに、開閉操作キー４０４２が操作されると（Ｓ２１）、扉部４００４を閉にする方向へ、駆動回路４１０６によりモータ４１０３を起動する（Ｓ２３）。

　開閉制御部４０１１は、扉部４００４を閉にする方向へ、モータ４１０３を駆動させているときに、閉止センサ４００７ａからオン信号を与えられると（Ｓ２５）、タイマ４１１１による計時を開始し（Ｓ２７）、所定時間を計時する迄（Ｓ２９）、駆動回路４１０６によりモータ４１０３を駆動させ続ける。尚、オイルダンパ４０６３，４０６３が加熱室４００３の後壁４０３１に衝突して、オイルダンパ４０６３，４０６３が効き始める時点で、閉止センサ４００７ａがオンになるように構成してある。
　開閉制御部４０１１は、タイマ４１１１が所定時間を計時すると（Ｓ２９）、モータ４１０３の電源をオフにして停止させる（Ｓ３１）。

　次に、開閉制御部４０１１は、閉止確認センサ４００８からオン信号を与えられているか否かを判定し（Ｓ３３）、オン信号が与えられていれば終了する。
　開閉制御部４０１１は、オン信号が与えられていなければ（Ｓ３３）、扉部４００４を閉にする方向へ、駆動回路４１０６によりモータ４１０３を起動し（Ｓ３５）、所定時間を計時する迄（Ｓ２９）、モータ４１０３を駆動させる。

　本発明に係る加熱調理器（４００１）は、箱状をなし、正面側に開口部が設けられた加熱室を有する調理器本体（４００２）と、前記開口部を開閉する扉（４００４）と、該扉（４００４）に連設され被調理物を収納する収納体（４０１０）と、該収納体（４０１０）を正面側及び背面側へ移動させる移動機構（４１０１，４１０２）と、該移動機構（４１０１，４１０２）を駆動するモータ（４１０３）と、前記扉（４００４）が閉じたことを検出する検出器（４００８）とを備え、該検出器（４００８）が前記扉（４００４）が閉じたことを検出したときは、前記モータ（４１０３）を停止させるように構成してある加熱調理器（４００１）において、前記扉（４００４）が閉じる位置より所定長正面側に位置する状態を検出する第２検出器（４００７）と、前記移動機構（４１０１，４１０２）が前記収納体（４０１０）を背面側へ移動させ、前記第２検出器（４００７）が前記状態を検出したときは、前記モータ（４１０３）を漸次減速駆動させる駆動回路（４１０６）とを備えることを特徴とする。

　この加熱調理器では、移動機構が収納体を背面側へ移動させている場合に、第２検出器が、扉が閉じる位置より所定長正面側に位置する状態を検出したときは、駆動回路が、移動機構を駆動するモータを漸次減速駆動させる。これにより、オイルダンパを使用しなくても、気温が低い場合でも、扉が衝撃なしに完全に閉止し、加熱動作を確実に開始することができる引出し型の加熱調理器を実現することができる。

　本発明に係る加熱調理器（４００１）は、前記駆動回路（４１０６）がモータ（４１０３）を漸次減速駆動させた後は、前記検出器（４００８）が扉（４００４）が閉じたことを検出する迄、前記収納体（４０１０）の背面側への移動動作、及び前記駆動回路（４１０６）の漸次減速駆動を繰り返すように構成してあることを特徴とする。

　この加熱調理器では、駆動回路がモータを漸次減速駆動させた後は、検出器が扉が閉じたことを検出する迄、収納体の背面側への移動動作、及び駆動回路の漸次減速駆動を繰り返す。これにより、オイルダンパを使用しなくても、気温が低い場合でも、扉が衝撃なしに更に完全に閉止し、加熱動作を確実に開始することができる引出し型の加熱調理器を実現することができる。

　本発明に係る加熱調理器（４００１）は、前記駆動回路（４１０６）がモータ（４１０３）を漸次減速駆動させ始めてから所定時間経過後までに、前記検出器（４００８）が扉（４００４）が閉じたことを検出しなかった場合には、前記第２検出器（４００７）による検出結果に伴う前記モータ（４１０３）の減速駆動を行わずに、前記検出器（４００８）が前記扉（４００４）が閉じたことを検出するまで前記駆動回路（４１０６）により前記収納体（４０１０）を背面側へ移動させることを特徴とする。

　この加熱調理器では、駆動回路がモータを漸次減速駆動させ始めてから所定時間経過後までに、検出器が扉が閉じたことを検出しなかった場合には、第２検出器による検出結果に伴うモータの減速駆動を行わずに、検出器が扉が閉じたことを検出するまで駆動回路により収納体を背面側へ移動させる。これにより、オイルダンパを使用しなくても、気温が低い場合でも、扉が衝撃なしに更に完全に閉止し、加熱動作を確実に開始することができる引出し型の加熱調理器を実現することができる。

　本発明に係る加熱調理器（４００１）は、箱状をなし、正面側に開口部が設けられた加熱室（４００３）を有する調理器本体（４００２）と、前記開口部を開閉する扉（４００４）と、該扉（４００４）に連設され被調理物を収納する収納体（４０１０）と、該収納体（４０１０）を正面側及び背面側へ移動させる移動機構（４１０１，４１０２）と、該移動機構（４１０１，４１０２）を駆動するモータ（４１０３）と、該移動機構（４１０１，４１０２）が前記収納体（４０１０）を背面側へ移動させ前記扉（４００４）が閉じる際の衝撃を吸収するダンパ（６３）と、前記扉（４）が閉じたことを検出する検出器（４００７ａ）とを備え、該検出器（４００７ａ）が前記扉（４００４）が閉じたことを検出したときは、前記モータ（４１０３）を停止させるように構成してある加熱調理器（４００１）において、前記移動機構（４１０１，４１０２）が前記収納体（４０１０）を背面側へ移動させ、前記検出器（４００７ａ）が前記扉（４００４）が閉じたことを検出したときは、該扉（４００４）を背面側へ更に移動させるように、前記モータ（４１０３）を更に所定時間駆動させる駆動回路（４１０６）を備えることを特徴とする。

　この加熱調理器では、移動機構が収納体を背面側へ移動させている場合に、検出器が扉が閉じたことを検出したときは、扉を背面側へ更に移動させるように、駆動回路が、移動機構を駆動するモータを更に所定時間駆動させる。これにより、オイルダンパを使用していて、気温が低い場合でも、扉が衝撃なしに完全に閉止し、加熱動作を確実に開始することができる引出し型の加熱調理器を実現することができる。

　今回開示した上記の実施の形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、請求の範囲内での全ての変更及び請求の範囲と均等の範囲が含まれることが意図される。

　上述の実施の形態１４～１６によれば、以下の効果を奏する。すなわち、従来の加熱調理器では、キッチンの作業台（調理台）に組込まれ、被調理物を収納する内箱に開閉扉が一体化された収納体を、引出しのように調理器本体からスライドさせ、被調理物を加熱室から出し入れするように構成された引出し型（ビルトイン型）の電子レンジが知られている。このような引出し型の電子レンジでは、モータで駆動するラックアンドピニオン（移動機構）により、被調理物を収納する収納体を加熱室から出し入れするが、収納体を加熱室へ入れて扉が閉止するときの衝撃が大きい。その為、収納体を摺動案内するスライド部の、収納体側に固定されたレールの先端部にオイルダンパを設け、オイルダンパが加熱室の後壁に衝突し始めたときに、モータの電源をオフにすることにより、惰力による衝撃を吸収するようにしてある。また、扉が完全に閉止したことを検出するセンサを設けてあり、このセンサが扉の閉止を検出している場合に限り、マグネトロンが作動する安全機構が設けられている。特開２０１０－１３３６３４号公報には、加熱調理器本体に対して開閉扉を備え、被加熱調理物が載置される引出し体が、加熱室内から外部へ引き出せるように、調理器本体内で移動可能に配置されている引出し型加熱調理器が開示されている。しかし、上述した引出し型の電子レンジでは、気温が低い場合、オイルの粘性が高くなる為、オイルダンパが効き始めたときに、モータの電源をオフにしても、扉が完全には閉止せず、センサが扉の閉止を検出せず、マグネトロンが作動できないことがあるという問題がある。

　上述の実施の形態１４～１６によれば、気温が低い場合でも、扉が衝撃なしに完全に閉止し、加熱動作を確実に開始することができる引出し型の加熱調理器を実現することができる。

　１、１１、１２、１３、１４　オーブンレンジ
　２　調理器本体
　２１　パネル部
　３　加熱室
　３１　後壁
　３１ａ、３１ｂ、３４ａ、５１ａ、５３ａ　吹出口
　３２　側壁
　３３　底壁
　３４　上壁
　３５　案内部
　４　扉部
　４１　把手
　５　内箱部
　５１　側板部
　５２　背板部
　５３　底板部
　５４　導入板部
　５８　案内板部
　１０　収納体
　７　マイクロ波照射部
　８　熱風生成部
　８１　ヒータ
　８２　送風ファン
　１０１０　調理器本体
　１０１１　操作部
　１０１２　開口部
　１０１３　加熱室
　１０１４、１０１５　挿通孔
　１０１６　外筐体
　１０２０　引出部
　１０２１　開閉扉
　１０２２　ガラス窓
　１０２３　容器
　１２３１　底板
　１２３２、１２３３　側板
　１２３４　後板
　１０３１、１０３２　可動レール部
　１０４１、１０４２　固定レール部
　１０５０　内筐体
　１０５１　底壁
　１０５２　後壁
　１０５３　天壁
　１０５５　筐体
　１０５６、１０５８　切欠き
　１０５７、１０５９　開口部
　１０６１　導波管
　１０６２　制御基板
　１０６４、１０９１　ファン
　１０６５　取込口
　１０７１　上面ヒータ（ヒータ）
　１０７２　下面ヒータ（ヒータ）
　１０７３、１０７４　天板
　１０８１、１０８２　側板カバー（覆部材）
　２００１　　　加熱調理器
　２００２　　　調理器本体
　２０２２　　加熱室
　２０２３ｂ，２０２３ｃ，２０２３ｄ　低温領域
　２０２３ｅ，２０２３ｆ　高温領域
　２００３　　　収納体
　２０３１　　扉
　２０４２　　スライドレール
　２０４４　　ラックギア
　２０４５　　ピニオンギア
　２０４６　　モータ（アクチュエータ）
　２０５１　　マグネトロン（電磁波発生部）
　２０５２　　導波管
　２０５３，２０５４，２０５８　ヒータ
　２５４３　付勢部
　２５５２　揺動部
　２０５６　　接離部
　２０５７　　揺動機構
　２００６　　　駆動部
　２０６１　　可動アンテナ
　２０６２　　駆動部
　２０６３　　送風部
　２０６４　　通風路
　３００１、３００３　加熱調理器
　３０１３　加熱室
　３０１４　開口部
　３０１５　載置台
　３０１５ｂ　被調理物
　３０１６　吸気口
　３０１８　蓋
　３０２１　マグネトロン
　３０２２　導波管
　３０２３　近接センサ
　３０２５　制御部
　３０３０　ダンパー
　４００１　電子レンジ（加熱調理器）
　４００２　調理器本体
　４００３　加熱室
　４０３１　後壁
　４０３２　側壁
　４０３３　底壁
　４０３４　上壁
　４０３５　支持枠
　４００４　扉部
　４０４１　把手
　４０４２　開閉操作キー
　４０６２　可動レール
　４０６３　オイルダンパ（ダンパ）
　４００７　制御センサ（第２検出器）
　４００７ａ　閉止センサ（検出器）
　４００８　閉止確認センサ（検出器）
　４００９　アーム
　４０９１　突起部
　４０１０　収納体
　４１０１　ラックギア（移動機構）
　４１０２　ピニオンギア（移動機構）
　４１０３　モータ
　４１０５　キャスタ
　４１０６　駆動回路
　４０１１　開閉制御部
　４１１１　タイマ

Claims

　箱状をなし、正面側に開口部が設けられた加熱室を有する調理器本体と、前記開口部を開閉する扉、並びに該扉に連設された２枚の側板部、底板部、及び背板部を含む内箱を有し、正面側に移動可能であり、被調理物を収納する収納体と、熱風を生成する熱風生成部とを備える加熱調理器において、
　前記熱風生成部は、前記加熱室の後壁の外側に設けてあり、
　前記後壁における前記収納体の背板部より高い位置に、前記熱風を吹き出す吹出口が設けられていることを特徴とする加熱調理器。
　前記背板部の上端と、前記吹出口の下側部分とを橋絡して、前記熱風を前記収納体内へ導入する導入板部を備えることを特徴とする請求項１に記載の加熱調理器。
　箱状をなし、正面側に開口部が設けられた加熱室を有する調理器本体と、前記開口部を開閉する扉、並びに該扉に連設された２枚の側板部、底板部、及び背板部を含む内箱を有し、正面側に移動可能であり、被調理物を収納する収納体と、熱風を生成する熱風生成部とを備える加熱調理器において、
　前記熱風生成部は前記加熱室の外側に設けてあり、
　前記加熱室の壁面に、前記熱風を吹き出す吹出口が設けられ、
　前記吹出口に対向する位置に、前記収納体の側板部の外側に前記熱風を案内する案内部が設けられていることを特徴とする加熱調理器。
　前記収納体の側板部の前記扉側に、又は前記収納体の底板部に、前記熱風を吹き出す吹出口が設けられていることを特徴とする請求項３に記載の加熱調理器。
　前記熱風生成部は、前記加熱室の上壁の外側に設けてあり、
　前記上壁に前記吹出口が設けられていることを特徴とする請求項３又は４に記載の加熱調理器。