WO2015125272A1

WO2015125272A1 - 清掃シート

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Publication number: WO2015125272A1
Application number: PCT/JP2014/054164
Authority: WO
Inventors: 山田　菊夫
Original assignee: 山田　菊夫
Priority date: 2014-02-21
Filing date: 2014-02-21
Publication date: 2015-08-27
Also published as: JPWO2015125272A1

Abstract

　ヒートシール可能な繊維シートよりなり、微細シール部とギャップ部とから構成される線状シール領域を備えており、前記線状シール領域は幅を０．１ｍｍ～３．０ｍｍの範囲とすると共に、前記ギャップ部を前記線状シール領域の前記幅よりも狭くしてなる、清掃シートである。

Description

清掃シート

　この発明は、清掃シートの改良に関する。

　ヒートシール可能な繊維シートから構成された清掃シートが汎用されている。多くの場合、この種の清掃シートには、ヒートシール部が形成されている。このようなヒートシール部の形成箇所は、他の箇所より薄くなり、また、伸縮し難くなることから、このようなヒートシール部を所望の数、所望の箇所に形成させることで、この種の清掃シートの清掃性能に所望の変化を付与することが可能となる。また、このようなヒートシール部によって、前記繊維シートに折りにより施した凹凸模様を固定したり、複数の繊維シートの積層状態を維持させたり、繊維シートとトウ（繊維束）とを止着させることなどが可能となる。

　しかるに、前記ヒートシール部は、前記繊維シートを構成する繊維を線状に溶融させた後の硬化によって形成されており、前記ヒートシール部においては繊維シートの伸縮性は著しく減少している。その一方で、前記ヒートシール部近傍の繊維はヒートシール時の熱によって少なからず変質し、脆弱化している。このため、この種のヒートシール部を備えた清掃シートにあっては、これにテンションを与えた場合、前記ヒートシール部近傍において破断を生じ易かった。

　また、この種の清掃シートは、一般に、長尺の前記繊維シートをその長さ方向に沿って搬送させながら（いわゆるマシンダイレクション方向、以下ではこれを、ＭＤ方向と略し称することとする。）これに各種の加工を施して生成されるものであるところ、前記ヒートシール部が適切に形成されていないと、前記搬送に伴って前記清掃シートに作用される前記ＭＤ方向のテンションにより前記ヒートシール部近傍に破断や歪みなどを生じさせ、また、前記ヒートシール部近傍を脆弱化させることとなる。こうした破断などは、生成される清掃シートの寸法安定性を損なう。また、このような破断などは、清掃シートの使用時においては清掃シートの破断などの要因となり得る。また、清掃シートの製造時には、製造ラインにおいて搬送されるワークとしての前記繊維シートの分断をもたらす可能性もあり、この種の清掃シートの製造効率の最適化の観点からも前記のような破断などができるだけ生じないようにすることが望まれるところである。

　この発明が解決しようとする主たる問題点は、この種の清掃シートにおいて、前記ヒートシールに起因した不都合をできるだけ生じさせないようにする点にある。

　前記課題を達成するために、この発明にあっては、清掃シートを、ヒートシール可能な繊維シートよりなり、微細シール部とギャップ部とから構成される線状シール領域を備えており、
　前記線状シール領域は幅を０．１ｍｍ～３．０ｍｍの範囲とすると共に、前記ギャップ部を前記線状シール領域の前記幅よりも狭くしてなるものとした。

　前記ギャップ部なく前記繊維シートの一部を連続的に溶融させて線状シール領域を構成した場合、清掃シートにテンションを作用させると、線状シール領域の剛性がその周囲の非溶融の箇所の柔軟な動きに追随することができずに線状シール領域とその周囲の非溶融の箇所との境界において破断が生じ易くなる。これに対し、この実施の形態にかかる清掃シートにあっては、前記線状シール領域は微細シール部の集合体に細分化されており、前記ギャップ部間には隣り合う微細シール部に跨るように非溶融の繊維が存在することから、清掃シートにテンションを作用させた場合、線状シール領域をその周囲の非溶融の箇所の柔軟な動きにある程度追随させて変化させることができ、前記のような破断を可及的に防止できる。

　前記線状シール領域中に占める前記微細シール部の面積は、５５％～９５％の範囲の範囲となるようにしておくことが、この発明の好ましい態様の一つとされる。

　また、前記清掃シートを、折りにより前記繊維シートに施された凹凸模様を前記線状シール領域によって固定してなるものとすることが、この発明の好ましい態様の一つとされる。また、前記清掃シートを、複数の前記繊維シートを前記線状シール領域によって止着させてなるものとすることが、この発明の好ましい態様の一つとされる。この場合さらに、複数の前記繊維シートの少なくとも一つを、スリット、孔又は凹凸を有したものとすることが、この発明の好ましい態様の一つとされる。典型的には、前記スリットは前記繊維シートに対する部分的なカッティングにより、前記孔は前記繊維シートに対するパンチングにより、凹凸は前記繊維シートに対する折りや、エンボス加工により、前記繊維シートに備えさせることができる。

　また、前記清掃シートを、前記繊維シートとトウとを前記線状シール領域によって止着させることが、この発明の好ましい態様の一つとされる。

　この発明によれば、ヒートシールに起因した不都合を可及的に防止しながら、前記繊維シートに所望のパターンないしは所望の数の線状シール領域を形成させることができ、所望の清掃性能を備えた清掃シートを容易かつ適切に製造することが可能となる。

図１は、この発明の一実施の形態にかかる清掃シート（第一例）の平面図である。図２は、前記第一例の要部拡大図である。図３は、前記第一例の線状シール領域の一つを拡大して示した要部拡大図である。図４は、線状シール領域のバリエーションの一つを示した構成図である。図５は、線状シール領域のバリエーションの一つを示した構成図である。図６は、この発明の一実施の形態にかかる清掃シート（第二例）の要部斜視構成図である。図７は、この発明の一実施の形態にかかる清掃シート（第三例）の要部斜視構成図であり、線状シール領域の記載は省略している。図８は、この発明の一実施の形態にかかる清掃シート（第四例）を構成する二枚の繊維シートを分離した状態で示したの斜視構成図である。図９は、この発明の一実施の形態にかかる清掃シート（第五例）の要部斜視構成図である。図１０は、この発明の一実施の形態にかかる清掃シート（第六例）の平面構成図である。図１１は、前記第六例の図１０におけるＡ－Ａ線位置での断面構成図である。図１２は、前記第六例の清掃シートが組み合わされる清掃器具の斜視構成図である。図１３は、前記第六例の清掃シートを清掃器具に装着した状態を示した斜視構成図である。

　以下、図１～図１３に基づいて、この発明の典型的な実施の形態について、説明する。この実施の形態にかかる清掃シートＳは、ヒートシール可能な繊維シートＨＳから構成される。典型的には、かかる繊維シートＨＳは、熱可塑性樹脂製の繊維から、あるいは、熱可塑性樹脂製の繊維とその他の繊維とを混合した繊維から、構成される。また、かかる繊維シートＨＳは、典型的には不織布とされるが、織布や編み物であっても構わない。

　また、前記清掃シートＳは、微細シール部２とギャップ部３とから構成される線状シール領域１を備えている。かかる線状シール領域１は、前記繊維シートＨＳに前記ヒートシールを施すことにより、形成される。前記微細シール部２は前記ヒートシールにより溶融された繊維が硬化してなり、この微細シール部２では繊維シートＨＳは他の箇所より薄くなる。前記線状シール領域１は、このような微細シール部２の集合体から構成される。前記ギャップ部３は、前記線状シール領域１内にあって、ヒートシールされていない箇所であり、このギャップ部３においては前記繊維は溶融されておらず、また、繊維シートＨＳは微細シール部２のように薄くなっていない。

　典型的には、前記繊維シートＨＳは、ロールとして用意され、このロールから連続的に引き出されて搬送される繊維シートＨＳに対し、各種の加工を施して清掃シートＳが生成される。かかる線状シール領域１は、前記繊維シートＨＳの前記搬送の過程において、かかる繊維シートＨＳに施される。かかる線状シール領域１は、典型的には、これを形成する形状をロール周面に備えた熱ロールによる加熱圧締を前記繊維シートＨＳに施すことで、かかる繊維シートＨＳに形成することができる。

　また、前記線状シール領域１は、その幅を０．１ｍｍ～３．０ｍｍの範囲とすると共に、前記微細シール部２は前記線状シール領域１の連続方向での大きさを０．５ｍｍ～５．０ｍｍとし、前記ギャップ部３を前記線状シール領域１の前記幅よりも狭くしてなる。これにより、前記線状シール領域１は、巨視的には線として認識され、微視的にはギャップ部３を隣り合う微細シール部２、２間に位置させて配列された複数の微細シール部２、２…の集合体として認識される。

　前記線状シール領域１の幅は０．１ｍｍ未満であると、前記ヒートシールにあたりこの線状シール領域１の形成箇所において前記熱ロールなどによる単位面積あたりの圧締力が高くなるためこの形成箇所において繊維シートＨＳの溶断が生じ易くなる。一方、前記線状シール領域１の幅は３．０ｍｍ超であると、塵埃などを捕捉し難い線状シール領域１の面積が過大となり清掃シートＳの清掃性能の低下を招来する。以上のことから、前記線状シール領域１は、その幅を０．１ｍｍ～３．０ｍｍの範囲とすることが好ましく、前記清掃シートＳの製造にあたっての機械装置の微妙な調整を不要にすると共に前述の溶断を回避する観点からは、０．５ｍｍ以上にすることがより好ましい。また、前記清掃性能の低下を最小限に留める観点からは、前記線状シール領域の幅は２．０ｍｍ以下にすることがより好ましい。また、前記線状シール領域１中に占める前記微細シール部２の面積は、５５％～９５％の範囲、より好ましくは、６５％～８５％の範囲となるようにしておくことが、最適と認められる。

　前記ギャップ部３なく前記繊維シートＨＳの一部を連続的に溶融させて線状シール領域１を構成した場合、清掃シートＳにテンションを作用させると、線状シール領域１の剛性がその周囲の非溶融の箇所の柔軟な動きに追随することができずに線状シール領域１とその周囲の非溶融の箇所との境界において破断が生じ易くなる。これに対し、この実施の形態にかかる清掃シートＳにあっては、前記線状シール領域１は微細シール部２の集合体に細分化されており、前記ギャップ部３間には隣り合う微細シール部２、２に跨るように非溶融の繊維が存在することから、清掃シートＳにテンションを作用させた場合、線状シール領域１をその周囲の非溶融の箇所の柔軟な動きにある程度追随させて変化させることができ、前記のような破断を可及的に防止できる。

　前記線状シール領域１中に占める前記ギャップ部３の面積を小さくすればするほど、線状シール領域の剛性を高くでき、これとは逆に前記線状シール領域１中に占める前記ギャップ部３の面積が大きくるればするほど、線状シール領域１の柔軟性を高くできる。

　前記線状シール領域１は、清掃シートＳに凹凸を形成する機能も持つ。かかる凹凸によって、清掃シートＳをフローリングワイパーとして用いる場合、高い掻き取り効果が得られる。

（第一例）
　図１～図３は、縦（図１においてはその上下方向）と横（図１においてはその左右方向）を備えた平面視四角形の清掃シートＳの構成例（第一例）を示している。この第一例では、一枚の繊維シートＨＳから清掃シートＳを構成させている。

　この第一例にあっては、線状シール領域１には、直線状パターン４と、弧状パターン５とがある。直線状パターン４は、いずれも前記縦方向ｘに斜めに交叉している。弧状パターン５は、その両端末２ｃ、２ｃを前記横方向ｙａに沿った仮想の直線ｙａ上に位置させると共に、その中央をこの仮想の直線ｙａよりも図１の上側に位置させるように湾曲している（図１、図２参照）。

　この第一例にあっては、清掃シートＳの中央Ｓａに複数の弧状パターン５、５…が縦方向ｘに列を作って並び設けられている（図１参照）。縦方向ｘにおいて隣り合う弧状パターン５間には、縦方向ｘのどの位置でも等しい間隔が形成されている。

　また、この第一例にあっては、清掃シートＳの中央Ｓａを挟んだ右側と左側とにそれぞれ、複数の直線状パターン４、４…が形成されている。

　清掃シートＳの中央を挟んだ右側のうち、左右方向中程の位置と清掃シートＳの右辺との間は、直線状パターン４の縦方向ｘの列が四列形成された四列エリアＳｂとなっている（図１参照）。この四列エリアＳｂにおいては、隣り合う列の一方を構成する直線状パターン４は、隣り合う列の他方を構成する直線状パターン４と逆向きに傾斜している。また、この四列エリアＳｂの一つの列においては、縦方向ｘにおいて隣り合う直線状パターン４間には、縦方向ｘのどの位置でも等しい間隔が形成されている。

　また、清掃シートＳの中央を挟んだ右側のうち、左右方向中程の位置と清掃シートＳの中央との間は、線状パターンの縦方向ｘの列が三列形成された三列エリアＳｃとなっている（図１参照）。この三列エリアＳｃにおいては、各直線状パターン４は、それぞれ他の直線状パターン４と平行をなすように同じ向きに傾斜している。また、この三列エリアＳｃの一つの列においては、縦方向ｘにおいて隣り合う直線状パターン４間には、縦方向ｘのどの位置でも等しい間隔が形成されているが、この間隔は前記四列エリアＳｂの隣り合う直線状パターン４間の間隔よりも広くなっている。

　清掃シートＳの中央を挟んだ左側は、前記右側と前記中央を中心とした線対称となるように複数の直線状パターン４が形成されている。すなわち、第一例では、清掃シートＳの中央Ｓａに形成された一つの弧状パターン５の列を挟んだ右側と左側にそれぞれ７つの直線状パターン４の列が形成されている。

　この第一例では、前記線状シール領域１はいずれも、清掃シートＳの縦方向ｘにその連続方向を交叉させるように形成されていることから、かかる清掃シートＳは前記縦方向ｘを前記ＭＤ方向にするようにして生成するのに適した形態となっている。

　この第一例では、一つの線状シール領域１は、前記連続方向に沿った第一仮想線分Ｌ１と、この第一仮想線分Ｌ１との間に前記連続方向においていずれの位置でも同じ間隔を作る第二仮想線分Ｌ２との間に、底辺２ａをこの第一仮想線分Ｌ１及び第二仮想線分Ｌ２の一方に沿わせ、かつ、底辺２ａに対向する頂点２ｂをこの第一仮想線分Ｌ１及び第二仮想線分Ｌ２の他方側に位置させるようにした三角形の微細シール部２を形成させることで構成されている。前記ギャップ部３は、隣り合う微細シール部２、２の一方の斜辺と、隣り合う微細シール部２、２の他方の斜辺との間に形成されている。隣り合う微細シール部２、２の一方は前記第一仮想線分Ｌ１側に頂点２ｂを位置させ、隣り合う微細シール部２、２の他方は前記第二仮想線分Ｌ２側に頂点２ｂを位置させるように配列され、両微細シール部２、２間に形成されるギャップ部３は前記第一仮想線分Ｌ１及び第二仮想線分Ｌ２のいずれにも斜めに交叉した直線状の隙間となっている。なお、この第一例では、線状シール領域１の端末２ｃは半円弧状に形成されており、この端末２ｃを構成する微細シール部２は三角形状を呈していない（図３参照）。

　この第一例にあっては、清掃シートＳの前記四列エリアＳｂの線状シール領域１の数は、前記中央Ｓａ及び三列エリアＳｃよりも多くなっており、清掃シートＳの左右にそれぞれ剛性を付与させながら、前記中央Ｓａ及び三列エリアＳｃが充分な塵埃捕捉機能を持つようにしている。

　この第一例にあっては、清掃器具の清掃シートＳの装着部（図示は省略する。）などに前記四列エリアＳｂを耳部として清掃シートＳを都合良く取り付けることができる。すなわち、この第一例にあっては、前記耳部として機能する四列エリアＳｂによって、前記清掃器具への清掃シートＳの取り付け時にはその際に作用される力で清掃シートＳの前記四列エリアＳｂに破断が生じないようにすることができ、また、前記清掃器具の使用時には清掃シートＳを前記装着部に確実に固定させることができ、清掃シートＳの前記清掃器具からの予期しない脱落を防ぐと共に、前記装着部に前記中央Ｓａ及び三列エリアＳｃを弛み少なく張り込むことが可能とされる。

　もっとも、かかる線状シール領域１は、幅を０．１ｍｍ～３．０ｍｍの範囲とすると共に、前記微細シール部２は前記線状シール領域１の連続方向での大きさを０．５ｍｍ～５．０ｍｍとし、前記ギャップ部３を前記線状シール領域１の前記幅よりも狭くしてなるものであれば良く、図４に示される形状のものや、図５に示される形状など、その具体的形状は必要に応じて適宜選択して構ない。なお、図４に示されるように、ギャップ部３を大きくすると、線状シール領域１の柔軟性の低下を少なくできる。また、図５に示されるように、ギャップ部３を直線的ではなく、屈曲線状の形態とすれば、隣り合う微細シール部２、２相互の一体性が増し、線状シール領域１の剛性は高められる。

　前記線状シール領域１は、他の線状シール領域１と交差するように形成しても良い。例えば、全体として格子模様や網目模様となるように線状シール領域１を形成しても良い。

（第二例）
　図６は、折りにより前記繊維シートＨＳに凹凸模様を施すと共に、この凹凸模様を前記線状シール領域１によって固定させるようにした清掃シートＳの構成例（第二例）を示している。この第二例では、繊維シートＨＳは、前記折りにより、三層重ねの厚い部分６を並列的に配し、これにより前記凹凸模様を備えるようになっている。図６において符号ｚで示す方向に畝状に続くこの厚い部分６を横切るように前記線状シール領域１を形成することで前記凹凸模様を固定化した清掃シートＳが得られる。かかる凹凸模様の凸部は塵埃の掻き取りに寄与し、凹部は塵埃の保持に寄与する。前記線状シール領域１は前記凹凸模様を適度な柔軟性をもって固定することから、清掃シートＳの使用時には清掃シートＳの小さな弛みは許容され塵埃は前記凹凸模様を構成する前記凹部に取り込まれ易くなる。

（第三例）
　図７は、第二例のように構成された表裏の繊維シートＨＳ間に、前記凹凸模様を持たない繊維シートＨＳを介在させて、これら三枚の繊維シートＨＳを前記線状シール領域１（図７においては図示を省略する。）により止着させ合わせてなる清掃シートＳの構成例（第三例）を示している。

（第四例）
　図８は、それぞれ複数のスリット７を備えてなる表裏の繊維シートＨＳを前記線状シール領域１（図８においては図示を省略する。）により止着一体化させてなる清掃シートＳの構成例（第四例）を示している。この第四例では、前記スリット７は、縦と横とを備えた四角形状の繊維シートＨＳの横方向ｙにスリット７の連続方向を斜めに交叉させるように繊維シートＨＳに形成されている。また、表側の繊維シートＨＳと裏側の繊維シートＨＳとで、前記スリット７の傾斜が逆向きとなるようにして、かかる表裏の繊維シートＨＳ同士を重ね合わせるようにしている。前記線状シール領域１は前記スリット７に交叉するように形成することが好ましく、このようにすればスリット７の形成箇所の過度の弛みを抑制でき、清掃シートＳに掻き取り機能と塵埃捕捉機能とをバランスよく備えさせることができる。

　図示は省略するが、前記スリット７を備えた清掃シートＳとこのようなスリット７を備えない繊維シートＳとを前記線状シール領域１により止着一体化させて清掃シートＳを構成させることもできる。

（第五例）
　図９は、縦と横とを備えた四角形状の繊維シートＨＳの図示の例では縦方向ｘに沿った左右の縁部にそれぞれ、帯状をなす繊維シートＨＳを前記線状シール領域１により止着させて、この帯状をなす繊維シートＨＳを耳部Ｓｄとし、左右の耳部Ｓｄ、Ｓｄ間を主体部Ｓｅとしてなる清掃シートＳの構成例（第五例）を示している。この第五例にあっては、清掃器具の清掃シートＳの装着部（図示は省略する。）などに前記耳部Ｓｄを利用して清掃シートＳを取り付けることができると共に、この取り付けによって清掃シートＳがテンションを作用された状態で変形されても前記耳部Ｓｄと前記主体部Ｓｅとの止着状態は前記線状シール領域１により安定的に維持される。

（第六例）
　図１０及び図１１は、前記繊維シートＨＳとトウＴとを前記線状シール領域１によって止着させてなる清掃シートＳの構成例（第六例）を示している。この第六例では、清掃シートＳは、前記繊維シートＨＳよりなるベースシートＢＳの表側にトウＴが配されると共に、このベースシートＢＳの裏側に前記繊維シートＨＳよりなるサブシートＳＳが配され、この三者を前記線状シール領域１により止着一体化させた構成となっている。

　前記ベースシートＢＳは、縦と横とを備えた四角形状となっており、図示の例ではこのベースシートＢＳの横方向ｙにトウＴを構成する繊維の連続方向を沿わせるようにして、前記線状シール領域１によりベースシートＢＳとトウＴとが一体化されている。

　図示の例では、ベースシートＢＳの中央にこのベースシートＢＳ縦方向ｘに沿って連続する線状シール領域１が形成されている。

　また、図示の例では、前記中央の線状シール領域１を挟んだ右側と左側とにそれぞれ、複数の線状シール領域１、１…が形成されている。図示の例では、前記中央の線状シール領域１を挟んだ左右の線状シール領域１はそれぞれ、三つの線状シール領域１…１からなる集合体８を、ベースシートＢＳの縦方向ｘにおいて隣り合う集合体８との間に間隔を開けて並び設けることで形成されている。各集合体８は、前記縦方向ｘに沿った一つの縦要素８ａと、前記トウＴを構成する繊維の連続方向に斜めに交叉する二つの交叉要素８ｂとから構成されている。各集合体８はそれぞれ、二つの交叉要素８ｂ、８ｂ間に縦要素８ａを配してなる。縦要素８ａと前記中央の線状シール領域１との間には後述のスリーブ部Ｓｆを作る間隔が形成されている。二つの交叉要素８ｂ、８ｂ間の距離は前記中央の線状シール領域１から離れるに従って大きくなるようになっている。すなわち、一つの集合体８を構成する二つの交叉要素８ｂ、８ｂの一方は他方に対して逆向きに傾斜している。これにより、図示の例では、前記トウＴを構成する繊維は、前記ベースシートＢＳに対し止着された固定端と自由端との間の距離（図１０において符号ｅ１やｅ２で示す距離）を、清掃シートＳの各位置において一様としないようにして清掃シートＳを構成するようになっている。

　なお、図示の例では、ハンドル部Ｍａと、清掃シートＳの装着部Ｍｂとを備えた清掃器具に対し、前記ヒートシールによりベースシートＢＳとサブシートＳＳ間に形成される清掃シートＳの縦方向ｘに沿った左右のスリーブ部Ｓｆを利用して、清掃シートＳを着脱可能に取り付けできるようになっている。図示の例では、前記装着部Ｍｂは、ハンドル部Ｍａから分岐状に延びる左右の棒体Ｍｃ、Ｍｃによって構成されており、清掃シートＳの左側のスリーブ部Ｓｆに左側の棒体Ｍｃを差し込む共に、清掃シートＳの右側のスリーブ部Ｓｆに右側の棒体Ｍｃを差し込むことで、清掃シートＳは清掃器具の装着部Ｍｂに着脱可能に取り付けられるようになっている。

　なお、当然のことながら、本発明は以上に説明した実施態様に限定されるものではなく、本発明の目的を達成し得るすべての実施態様を含むものである。

Claims

　ヒートシール可能な繊維シートよりなり、微細シール部とギャップ部とから構成される線状シール領域を備えており、
　前記線状シール領域は幅を０．１ｍｍ～３．０ｍｍの範囲とすると共に、前記ギャップ部を前記線状シール領域の前記幅よりも狭くしてなる、清掃シート。
　前記線状シール領域中に占める前記微細シール部の面積を、５５％～９５％の範囲としてなる、請求項１に記載の清掃シート。
　折りにより前記繊維シートに施された凹凸模様を前記線状シール領域によって固定してなる、請求項１又は請求項２に記載の清掃シート。
　複数の前記繊維シートを前記線状シール領域によって止着させてなる、請求項１又は請求項２に記載の清掃シート。
　複数の前記繊維シートの少なくとも一つを、スリット、孔又は凹凸を有したものとしてなる、請求項５に記載の清掃シート。
　前記繊維シートとトウとを前記線状シール領域によって止着させてなる、請求項１又は請求項２に記載の清掃シート。