JP2802233B2 - スラックス及びその製作方法 - Google Patents

スラックス及びその製作方法

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JP2802233B2
JP2802233B2 JP6212274A JP21227494A JP2802233B2 JP 2802233 B2 JP2802233 B2 JP 2802233B2 JP 6212274 A JP6212274 A JP 6212274A JP 21227494 A JP21227494 A JP 21227494A JP 2802233 B2 JP2802233 B2 JP 2802233B2
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龍男 渡邉
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日興毛織株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、スラックス及びその製作方法に
係り、特にスラックスラインに対して優れた耐久性が付
与されて、該スラックスラインが良好な状態に長期間保
持され得るスラックス及びその有利な製作方法に関する
ものである。
【0002】
【背景技術】一般に、スラックスは、少なくとも、その
脚部の前側と後ろ側に、スチーミング等によってセット
された折り目よりなるスラックスラインを有している。
そして、このスラックスラインが、スラックスを常に同
じ状態で折り畳み得るようにして、皺の発生や形崩れを
防ぐといった役割を果していると共に、着用時に直線的
なシルエットを与えて、外観を向上させるといった役割
をも担っている。
【0003】ところで、そのようなスラックスにおいて
は、その着用時に、着用者の挙動に応じて、様々な方向
への引っ張り力が加えられる。そして、かかる引っ張り
力は、スラックスラインを形成する折り目を広げる方向
(左右方向)にも作用せしめられることとなる。
【0004】そのため、上述の如く、スチーミング等に
よって、スラックスラインが単なる折り目として形成さ
れたスラックスにあっては、着用される毎に、スラック
スラインが次第に薄くなってしまうことが避けられず、
それによって、皺や形崩れが生じ、また外観も低下する
といった問題が惹起せしめられていた。
【0005】そこで、従来より、耐久性に優れたスラッ
クスラインを有するスラックスを得るべく、種々の工夫
が為されている。そして、その中の一つとして、図7に
示される如き手順に従って、スラックスラインがセット
されたスラックスが知られている。即ち、このスラック
ス32にあっては、先ず、図7の(a)に示される如
く、脚部12におけるスラックスライン形成部位30の
裏側に、接着テープ34が重ね合わされて、配置せしめ
られ、次いで、かかる図の(b)の如く、かかるスラッ
クスライン形成部位30において、該接着テープ34が
内側となるように折り曲げられ、そして、(c)に示さ
れる如く、表側からスチーミング等が行なわれることに
よって、折り目が形成されて、スラックスライン14が
セットされ、それと同時に接着テープ34が、該スラッ
クスライン14の両サイド部16,16の裏側に接着せ
しめられるようになっているのである。
【0006】かくして、かかるスラックスにおいては、
折曲げによって、接着テープ34の、スラックスライン
形成部位30の裏側への重ね合わせ位置が、当初、該接
着テープ34を該スラックスライン形成部位30の裏側
に配置した位置から、かかる裏側方向(図中、右側方
向)に所定寸法ずらされた状態で、接着テープ34が、
スラックスライン14の両サイド部16,16に跨がる
ようにして、接着せしめられているのであり、それによ
って、着用者の挙動に応じて生ずる引っ張り力がスラッ
クスライン14を形成する折り目を広げる方向(図中、
上下方向)に作用せしめられた際に、スラックスライン
14の両サイド部16,16が、接着テープ34により
引っ張られて、互いに離隔する方向に広がらないように
なっているのである。
【0007】ところが、そのようなスラックス32にお
いては、上述の如き構造とされているがために、スラッ
クスライン14を形成する折り目を広げる方向に作用せ
しめられる引っ張り力によって、該接着テープ34が、
その幅方向に引っ張られて、伸長せしめられることが避
けられなかったのであり、また場合によっては接着テー
プ34自体が、スラックスライン14の両サイド部1
6,16の裏側から剥がれ落ちてしまうことさえもあっ
たのである。
【0008】このため、従来のスラックス32にあって
は、上述の如き引っ張り力によるスラックスライン14
の両サイド部16,16の拡開を十分に阻止することが
困難であったのであり、それ故にスラックスライン14
を長期間、良好に保持せしめる上において、実用上、十
分に満足し得るものであるとは、到底、言い得るもので
はなかったのである。
【0009】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、上述の如き事情
に鑑みて為されたものであって、その解決課題とすると
ころは、スラックスラインを効果的に固定せしめ、その
両サイド部の拡開をより有効に阻止せしめて、かかるス
ラックスラインが、従来のものよりも更に長期にわたっ
て良好に保持され得るようにしたスラックスを提供する
ことにある。また、本発明にあっては、そのような耐久
性に優れたスラックスラインを有するスラックスの有利
な製作方法を提供することをも、その解決課題とするも
のである。
【0010】
【解決手段】そして、本発明にあっては、かくの如き課
題を解決するために、少なくとも脚部の前側と後ろ側に
それぞれ上下方向に設けられた折り目よりなるスラック
スラインの両サイド部の裏側に、該スラックスラインに
沿って、所定幅の第一の接着テープを該両サイド部に跨
がるようにして接着せしめて、該スラックスラインの両
サイド部の拡開を第一の接着テープにて阻止するように
為す一方、かかる第一の接着テープに対して、更に、1
又は2以上の第二の接着テープを重なり合うように接着
せしめて、該第二の接着テープによって、前記第一の接
着テープの、前記スラックスラインの両サイド部の拡開
に伴う引っ張り力による幅方向への伸長を阻止せしめる
ように構成し、且つそれら第一及び第二の接着テープの
何れか一方が、それらの幅方向の少なくとも一方の側に
おいて、互いに重なり合わない部分を有し、該重なり合
わない部分において前記スラックスラインのサイド部の
裏側に接着せしめたことを特徴とするスラックスを、そ
の要旨としているのである。
【0011】なお、かくの如き本発明に従うスラックス
の好ましい態様によれば、前記第一及び第二の接着テー
プは、それぞれ、布地の接着テープにて構成される。
【0012】また、かかる本発明に従うスラックスの望
ましい態様の一つによれば、前記第一又は第二の接着テ
ープは、それぞれ、その一方若しくは両方の面の全面
に、接着剤が点在せしめられて構成される。
【0013】さらに、本発明に係るスラックスの有利な
態様の一つによれば、前記第一及び第二の接着テープ
は、それぞれ、感熱性の接着剤と熱収縮性の布地とから
構成されることとなる。
【0014】
【0015】 また、本発明は、上述せるスラックスの
有効な製造手法として、少なくとも脚部の前側と後ろ側
にそれぞれ上下方向に設けられた折り目よりなるスラッ
クスラインを有するスラックスを製作するに際し、前記
脚部のスラックスライン形成部位の両サイド部の裏側
に、第一及び第二の接着テープを、互いに重ね合わせた
状態で、且つ第一の接着テープがスラックスの生地側に
位置するようにして、該スラックスライン形成部位に沿
って互いに重ね合わせて、配置せしめると共に、該スラ
ックスの生地に重ね合わされる第一の接着テープを、か
かる生地から剥がれ落ちることのないように、また重な
り合う第一及び第二の接着テープ同士を、互いに剥がれ
落ちることのないように、それぞれ仮接着せしめる
方、該スラックスライン形成部位において、それら接着
テープが内側となるように、前記脚部の上下方向に沿っ
て折り曲げた後、プレスすることによって、前記スラッ
クスの少なくとも脚部の前側と後ろ側に、その上下方向
に沿った折り目を設けつつ、該スラックスの生地とそれ
に重ね合わされる第一の接着テープとを接着し、更に重
なり合う第一及び第二の接着テープを互いに接着せしめ
るようにしたスラックスの製作方法をも、その特徴とす
るものである。
【0016】なお、このような本発明に従うスラックス
の製作方法の好ましい態様の一つによれば、前記第一及
び第二の接着テープとして、それぞれ、布地の接着テー
プが用いられることとなる。
【0017】さらに、かかる本発明に従うスラックスの
製作方法の望ましい態様の他の一つによれば、前記第一
又は第二の接着テープとして、それぞれ、その一方若し
くは両方の面の全面に、接着剤が点在せしめられて構成
されたものが用いられる。
【0018】更にまた、本発明に係るスラックスの製作
方法の有利な態様の一つによれば、前記第一及び第二の
接着テープとして、それぞれ、感熱性の接着剤と熱収縮
性の布地とから構成されたものが用いられることとな
る。
【0019】
【0020】
【実施例】以下、本発明を更に具体的に明らかにするた
めに、本発明の代表的な実施例について、図面を参照し
つつ、詳細に説明することとする。
【0021】先ず、図1には、本発明が適用されてなる
羊毛繊維製のスラックスの概略図が示されている。かか
る図からも明らかなように、スラックス10において、
両足がそれぞれ挿入される脚部12,12の各中央部に
は、それぞれ、スラックスライン14,14が、上下方
向に連続して延びるように形成されている。なお、この
図には明示されていないが、スラックス10の脚部1
2,12の後ろ側にも、スラックスライン14,14
が、前側と同様に、上下方向にそれぞれ連続的に形成さ
れている。
【0022】そして、このスラックス10におけるスラ
ックスライン14の周辺部位の横断面を拡大して示す図
2からも明らかなように、かかるスラックスライン14
は、スラックス10の表側に断面逆V字形形状をもって
所定寸法突出するように折曲された折り目によって、形
成されている。
【0023】また、スラックスライン14の両サイド部
16,16の裏側(図中、下側)には、第一の接着テー
プ18と第二の接着テープ20とが、互いに重ね合わさ
れた状態で、配されている。この第一及び第二の接着テ
ープ18,20は、図3に示される如く、何れも、ポリ
エステル繊維からなる熱収縮性の平織組織から構成され
る、所定幅を有する帯状の薄手の布地22の一方の面
に、感熱性の接着剤24が点在して付着せしめられて成
っており、それによって、該一方の面が接着面26とさ
れた、感熱性の片面接着テープとして、構成されてい
る。なお、図示されてはいないが、それら第一及び第二
の接着テープ18,20は、スラックスライン14と略
同一の長さを有している。
【0024】そして、そのような第一の接着テープ18
が、スラックスライン14の両サイド部16,16の裏
側に対して、該両サイド部16,16を跨いだ状態で、
また第二の接着テープ20が、該第一の接着テープ18
に重なり合うようにして、それぞれ感熱接着せしめられ
ているのである(図2参照)。
【0025】ところで、かくの如き構造とされたスラッ
クス10は、以下のようにして製作されるものである。
【0026】すなわち、先ず、従来と同様にして、所定
の生地を裁断し、縫製して、仕上加工前のスラックス1
0を製作する。次いで、図4の(a)に示される如く、
かかるスラックス10において、少なくとも各脚部12
の前側と後ろ側のスラックスライン形成部位30の裏側
に、前記第一及び第二の接着テープ18,20を、それ
ぞれ配置する。
【0027】より詳細には、第一の接着テープ18を、
その接着面26において、前記スラックスライン形成部
位30の裏側に重ね合せ、且つ該スラックスライン形成
部位30に沿うように配置せしめ、また第二の接着テー
プ20を、その接着面26において、該第一の接着テー
プ18の非接着面28に重ね合わせ、且つそれに沿うよ
うにして、配置せしめるのである。なお、ここでは、そ
れら第一及び第二の接着テープ18,20が剥がれ落ち
ることのないように、スラックスライン形成部位30の
裏側及び第一の接着テープ18の非接着面28に対し
て、それぞれ仮接着せしめられて、配置されるようにな
っているが、勿論、それら第一及び第二の接着テープ1
8,20を順次重ね合わせて配置させても、何等差し支
えない。
【0028】次いで、図4の(b)に示される如く、第
一及び第二の接着テープ18,20が内側となるよう
に、前記脚部12を、スラックスライン形成部位30に
おいて、その上下方向に沿って折り曲げる。そして、そ
の後、図4の(c)に示される如く、例えばスチームア
イロン等を用いて、前記脚部12を表側から加熱プレス
して、スラックスライン形成部位30に、その上下方向
に沿った折り目を設け、それと同時に、第一の接着テー
プ18をスラックスライン形成部位30の裏側に、また
第二の接着テープ20を該第一の接着テープ18の非接
着面に、それぞれ感熱接着せしめるのである。これによ
って、折り目の付いた図4の(c)乃至は図2の状態に
おいて、第一の接着テープ18が両サイド部16,16
の生地に対して、また第二の接着テープ20が第一の接
着テープ18に対して、それぞれ接着固定せしめられる
のである。すなわち、第一及び第二の接着テープ18,
20の接着面26,26に付与された接着剤24が延ば
され、各接着面26に拡がると共に、テープ基材たる布
地22内に浸み込むようになるのであり、以てスラック
スライン14の裏側に少なくとも二つの接着テープ1
8,20の重ね合わせ厚さに相当する長さの比較的に長
い固着領域が形成されると共に、二つの接着テープ1
8,20の熱収縮によって、各接着テープ18,20に
引張応力が生じ、これがスラックスライン両サイド部1
6,16をスラックスライン14方向へ引張せしめる力
となるのである。
【0029】かくして、少なくとも脚部12,12の前
側と後ろ側において、その上下方向に沿って、スラック
スライン14がセットされたスラックス10が作製され
るのである。そして、特に、かかるスラックス10にあ
っては、第一の接着テープ18が、該スラックスライン
14の両サイド部16,16の裏側における、上述の如
き重ね合わせ位置において、該両サイド部16,16を
跨いだ状態で、また第二の接着テープ20が、該第一の
接着テープ18の非接着面における、上述の如き重ね合
わせ位置において、該第一の接着テープ18に重なり合
うようにして、それぞれ、接着せしめられるようになっ
ているのである。
【0030】それ故、かかるスラックス10にあって
は、着用者の挙動によって、スラックスライン14を形
成する折り目を広げる方向(図2中、左右方向)に引っ
張り力が作用せしめられた際に、該スラックスライン1
4の両サイド部16,16が、第一の接着テープ18に
よって引っ張られて、かかる両サイド部16,16の拡
開が阻止され得るようになっているのであり、またそれ
と共に、該第一の接着テープ18が、該第二の接着テー
プ20によって引っ張られて、該両サイド部16,16
の拡開に伴う引っ張り力による第一の接着テープ18の
幅方向への伸長が阻止され得るようになっているのであ
り、またそれらの拡開乃至は伸長阻止作用は、各接着テ
ープ18,20の熱接着による熱収縮に基づくところの
引張応力の存在によってより高められているのである。
【0031】従って、本実施例に従うスラックス10に
あっては、第一及び第二の接着テープ18,20の重ね
合わせによる固着領域増大効果に加えて、第一の接着テ
ープ18によるスラックスライン14の両サイド部1
6,16の拡開阻止効果と、第二の接着テープ20によ
る第一の接着テープ18の伸長阻止効果とが相俟って、
スラックスライン14を形成する折り目が広げられるよ
うなことが極めて効果的に阻止され得、以てスラックス
ライン14が、より長期間、良好な状態に保持され得る
こととなったのである。
【0032】また、かかるスラックス10においては、
第一及び第二の接着テープ18,20が、所定幅を有す
る帯状の布地22からなっていることから、それら両接
着テープ18,20が、自在に折曲げ可能とされ得て、
良好なスラックスライン14が容易に形成され得るので
ある。
【0033】さらに、かかるスラックス10にあって
は、第一及び第二の接着テープ18,20が、何れも、
前記布地22の一方の面に、接着剤24が点在せしめら
れて構成されているところから、接着剤24の使用量が
容易に調節され得て、かかる接着剤24の過剰な使用に
よるスラックスライン14の両サイド部16,16への
滲み出しが有利に防止され得、以て該両サイド部16,
16周辺の外観の低下や着用者に対する違和感の発生等
の問題が惹起されることが有効に防止され得るのであ
る。
【0034】更にまた、かかるスラックス10において
は、そのような接着剤24が、感熱性を有しているとこ
ろから、スチームアイロン等を用いて、熱プレスを行な
うだけで、スラックスライン14のセット加工と、第一
及び第二の接着テープ18,20の所定の部位への接着
加工とが同時に行なわれ得るのであり、それによって製
作工程が有利に簡素化され得、以て製作性の向上が効果
的に図られ得る他、各接着テープ18,20の熱収縮に
基づいて惹起される引張作用によって、スラックスライ
ン14の両サイド部16,16の拡開が効果的に阻止せ
しめられ得ることとなるのである。
【0035】また、かかるスラックス10にあっては、
その製作過程において、スラックスライン14のセット
と、第一及び第二の接着テープ18,20の接着とが、
一工程にて行なわれ得るようになっていることから、耐
久性に優れたスラックスライン14が、簡便にセットさ
れ得るのである。
【0036】さらに、かかるスラックス10にあって
は、その製作過程において、第一及び第二の接着テープ
18,20が、剥がれ落ちないように、スラックスライ
ン形成部位30の裏側及び第一の接着テープ18の非接
着面28に、それぞれ仮接着せしめられて、配置されて
いることから、特別な操作を何等加えることなく、それ
ら第一及び第二の接着テープ18,20が、その配置部
位から移動し、脱落するようなことが有効に防止され
得、以てその後の折曲げ作業やプレス作業における作業
性が効果的に向上され得るのである。なお、この第一の
接着テープ18と第二の接着テープ20との仮接着は、
それら二つの接着テープの全面的な接着ではなく、スポ
ット的(部分的)な接着によって実現され、具体的には
両接着テープを所定間隔のストライプ若しくはライン部
分において接着せしめたり、所定間隔をおいた点状部分
において接着せしめたりすることによって、行なわれる
こととなる。
【0037】以上、本発明の代表的な実施例について詳
述してきたが、それは文字通りの例示であって、本発明
が、それら例示のものにのみ限定して解釈されるもので
はないことは、言うまでもないところである。
【0038】例えば、前記実施例では、第二の接着テー
プ20が、単一のテープ形態において、第一の接着テー
プ18に対して重なり合うように接着せしめられていた
が、そのような第二の接着テープ20として、複数の接
着テープを用い、それらが互いに重なり合う状態で、第
一の接着テープ18に接着せしめられるようにしても良
い。それによって、かかる複数の第二の接着テープ20
のうち、第一の接着テープ18側に位置するものおけ
る、スラックスラインの両サイド部の拡開に伴う引っ張
り力による幅方向への伸長が、それとは反対側に位置す
るものによって有利に阻止され得、以て着用時に加えら
れる引っ張り力によってスラックスラインを形成する折
り目が広げられるようなことが、更に効果的に阻止され
得ることとなる。
【0039】また、そのような第一及び第二の接着テー
プ18,20の重合接着形態乃至は重合接着構造も、前
記実施例における如きものに何等限定されるものではな
く、第一の接着テープ18が、スラックスライン14の
両サイド部16,16の裏側に対して、それに跨がるよ
うに接着せしめられて、該両サイド部16,16の拡開
が阻止され得るようになっており、また第二の接着テー
プ20が、かかる第一の接着テープ18に重なり合うよ
うに接着せしめられて、前記両サイド部16,16の拡
開に伴う引っ張り力による幅方向への伸長が阻止せしめ
られ得るようになっておれば、如何なる構造のものも採
用され得るのである。具体的には、第一の接着テープ1
8と第二の接着テープ20とを全面において接着せしめ
る場合の他、必要な部分において接着せしめた構造であ
っても何等差し支えなく、また第一の接着テープ18と
第二の接着テープ20とを、同一幅において、図2や図
4に示される如く完全に重合せしめる場合のみならず、
図5に示される如く所定幅においてのみ重ね合わせて接
着せしめることも出来、更には図6に示されるように、
第二の接着テープ20よりも第一の接着テープ18を広
幅とし、スラックスライン形成部位30付近において第
一及び第二の接着テープ18,20の重合部分を形成す
る一方、テープ幅方向の両端部分では第一の接着テープ
18の所定幅部分のみが存在するように構成することも
可能である。特に、図5及び図6に示される如く、テー
プ幅方向の両端部が、所定幅において一つの接着テープ
(18,20)部分のみにて構成されるようにすれば、
スラックスライン両サイド部16,16の表側に、重ね
合わされた第一及び第二の接着テープ18,20の端部
のラインが現れ難く、良好な外観を呈するものとなって
望ましい。
【0040】さらに、前記実施例では、第一及び第二の
接着テープ18,20が、布地22の一方の面に、感熱
性の接着剤24が点在して付着せしめられてなる感熱性
の片面接着テープとして、構成されていたが、それら第
一及び第二の接着テープ18,20の構造も、決して、
これに限定されるものではない。即ち、例えば、第一及
び第二の接着テープ18,20を与える基材として、布
地以外のもの用いたり、また接着剤として、感熱性でな
いものを用いたりしても良い。更に、接着剤の付着形態
を層状と為すことも、また両方の面に所定の接着剤が適
用されて、両面が接着面とされた両面接着テープとして
構成することも、勿論、可能である。特に第一の接着テ
ープ18に両面接着テープを用いる場合にあっては、第
二の接着テープ20としては、単に布地等の基材のみ
(接着剤なし)からなるテープを用いることも可能であ
る。更にまた、それら第一の接着テープ18と第二の接
着テープ20とを別異な構造としても、何等差し支えな
い。
【0041】加えて、前記実施例では、本発明を羊毛繊
維製のスラックスに対して適用したものの具体例を示し
たが、本発明は、合成繊維や木綿等、その他の繊維から
なる糸を用いて製作されたスラックスに対しても、有利
に適用され得ることは、勿論である。
【0042】その他、一々列挙はしないが、本発明が、
当業者の知識に基づいて、種々なる変更、修正、改良を
加えた態様において実施され得るものであり、また、そ
のような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、
何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、
言うまでもないところである。
【0043】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
に従うスラックスにあっては、第一及び第二の接着テー
プの重ね合わせによって、スラックスラインの裏側に比
較的に長い固着領域が形成されて、かかるスラックスラ
インの有効な固定が行なわれ得ることに加えて、第一の
接着テープによって、スラックスラインの両サイド部の
拡開が有効に阻止され得るようになっていると共に、更
に、第二の接着テープによって、該両サイド部の拡開に
伴う引っ張り力による第一の接着テープの幅方向への伸
長が有利に阻止され得るようになっているところから、
着用時に加えられる引っ張り力によって、スラックスラ
インを形成する折り目が広げられるようなことが極めて
効果的に阻止され得、以て、単に1つの接着テープをス
ラックスラインの両サイド部の裏側に接着せしめて、該
両サイド部の拡開を阻止するようにしただけの従来のも
のに比して、スラックスラインが、より長期に亘って且
つ良好に保持され得ることとなる。
【0044】また、本発明に係るスラックスの製作方法
にあっては、1つの工程にて、スラックスラインのセッ
トと、該スラックスラインの両サイド部の拡開を効果的
に阻止せしめる第一及び第二の接着テープの接着とが同
時に行なわれ得ることから、上述の如き優れた特徴を有
するスラックスが、比較的少ない工程数にて、簡便に製
作され得るのである。
【0045】なお、本発明において、第一及び第二の接
着テープが布地の接着テープにて構成される場合には、
かかる接着テープが自在に折曲げ可能とされて、良好な
スラックスラインが容易に形成され得るのであり、ま
た、接着テープが着用者の両足等に接触せしめられるこ
とがあっても、該着用者において違和感が生ずるような
ことが可及的に抑制され得るといった利点がある。
【0046】また、本発明において、第一又は第二の接
着テープが、その一方若しくは両方の面の全面に、接着
剤が点在せしめられて構成される場合には、かかる接着
剤の使用量を任意に且つ容易に調節することができ、そ
れによって、第一及び第二の接着テープがスラックスラ
インの形成部位に接着せしめられた際に、余分な接着剤
がスラックスラインの周辺部位に滲み出して、スラック
スの外観を損ねたり、着用者に対して不快感を生ぜしめ
たりするようなことが、効果的に回避され得るのであ
る。
【0047】さらに、本発明において、第一及び第二の
接着テープが、感熱性の接着剤と熱収縮性の布地とから
構成される場合には、スチームアイロン等を用いた熱プ
レスを行なって、スラックスラインをセットせしめる際
に、該スラックスラインの両サイド部の裏側に、同時
に、第一及び第二の接着テープを感熱接着させることが
でき、それによって上述の如き優れた特徴を有するスラ
ックスの製作工程の簡略化が有利に図られ得、その結
果、かかるスラックスの製作性乃至はその製作作業にお
ける作業性が効果的に向上され得ることに加えて、熱プ
レス時における接着テープを構成する布地の熱収縮によ
って、各接着テープに引張応力を発生せしめ、それがス
ラックスラインの両サイド部の拡開を妨げる力として作
用し、以てスラックスラインの固定乃至は保持に有効に
寄与しているのである。
【0048】更にまた、本発明において、第一及び第二
の接着テープの何れか一方が、それらの幅方向の少なく
とも一方の側において、互いに重なりあわない部分を有
し、該重なり合わない部分において前記スラックスライ
ンの両サイド部の裏側に接着せしめられる場合には、該
両サイド部の表側に、重ね合わされた第一及び第二の接
着テープの端部のラインが現れ難くすることが可能とな
り、それらの接着テープの接着によって外観が低下する
ようなことが効果的に防止され得ることとなるのであ
る。
【0049】そして、本発明に従うスラックスの製作方
法において、第一及び第二の接着テープを所定の位置に
配置せしめるに際して、脚部のスラックスライン形成部
位の両サイド部の裏側に、第一の接着テープを、該裏側
から剥がれ落ちないように、また該第一の接着テープに
対して、第二の接着テープを、該第一の接着テープから
剥がれ落ちないように、それぞれ仮接着せしめるように
する場合には、その後の折曲げ工程やプレス工程の作業
中において、特別な操作を何等施すことなく、それら第
一及び第二の接着テープが、所定の位置から脱落するよ
うなことが有効に防止され得、以て耐久性に優れたスラ
ックスラインを有するスラックスが、より簡便に且つ能
率的に製作され得ることとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従うスラックスの一例を示す正面説明
図である。
【図2】図1に示されたスラックスのA−A断面を拡大
して示す要部拡大断面説明図である。
【図3】図1に示されたスラックスの裏側に接着せしめ
られる第一及び第二の接着テープの一例を示す平面説明
図である。
【図4】本発明に従うスラックスの製作方法における一
工程例を示す図であって、スラックスラインの形成工程
を説明するための図である。
【図5】本発明に従うスラックスの製作方法における他
の工程例を示す図であって、図4に対応する説明図であ
る。
【図6】第一の接着テープと第二の接着テープとの重合
状態の異なる例を示す図5の(c)に対応する説明図で
ある。
【図7】従来のスラックスの製作方法における一工程例
を示す図であって、図4に対応する説明図である。
【符号の説明】
10,32 スラックス 12 脚部 14 スラックスライン 16 サイド部 18 第一の接着テープ 20 第二の接着
テープ 22 布地 24 接着剤 26 接着面 28 非接着面 30 スラックスライン形成部位 34 接着テープ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A41D 1/06 A41D 1/06 501 A41D 27/02 - 27/08

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも脚部の前側と後ろ側にそれぞ
    れ上下方向に設けられた折り目よりなるスラックスライ
    ンの両サイド部の裏側に、該スラックスラインに沿っ
    て、所定幅の第一の接着テープを該両サイド部に跨がる
    ようにして接着せしめて、該スラックスラインの両サイ
    ド部の拡開を第一の接着テープにて阻止するように為す
    一方、かかる第一の接着テープに対して、更に、1又は
    2以上の第二の接着テープを重なり合うように接着せし
    めて、該第二の接着テープによって、前記第一の接着テ
    ープの、前記スラックスラインの両サイド部の拡開に伴
    う引っ張り力による幅方向への伸長を阻止せしめるよう
    に構成し、且つそれら第一及び第二の接着テープの何れ
    か一方が、それらの幅方向の少なくとも一方の側におい
    て、互いに重なり合わない部分を有し、該重なり合わな
    い部分において前記スラックスラインのサイド部の裏側
    に接着せしめたことを特徴とするスラックス。
  2. 【請求項2】 前記第一及び第二の接着テープが、それ
    ぞれ、布地の接着テープにて構成されている請求項1に
    記載のスラックス。
  3. 【請求項3】 前記第一又は第二の接着テープが、それ
    ぞれ、その一方若しくは両方の面の全面に、接着剤が点
    在せしめられて構成されている請求項1又は請求項2に
    記載のスラックス。
  4. 【請求項4】 前記第一及び第二の接着テープが、それ
    ぞれ、感熱性の接着剤と熱収縮性の布地とから構成され
    ている請求項1乃至3の何れかに記載のスラックス。
  5. 【請求項5】 少なくとも脚部の前側と後ろ側にそれぞ
    れ上下方向に設けられた折り目よりなるスラックスライ
    ンを有するスラックスを製作するに際し、 前記脚部のスラックスライン形成部位の両サイド部の裏
    側に、第一及び第二の接着テープを、互いに重ね合わせ
    た状態で、且つ第一の接着テープがスラックスの生地側
    に位置するようにして、該スラックスライン形成部位に
    沿って互いに重ね合わせて、配置せしめると共に、該ス
    ラックスの生地に重ね合わされる第一の接着テープを、
    かかる生地から剥がれ落ちることのないように、また重
    なり合う第一及び第二の接着テープ同士を、互いに剥が
    れ落ちることのないように、それぞれ仮接着せしめる
    方、該スラックスライン形成部位において、それら接着
    テープが内側となるように、前記脚部の上下方向に沿っ
    て折り曲げた後、プレスすることによって、前記スラッ
    クスの少なくとも脚部の前側と後ろ側に、その上下方向
    に沿った折り目を設けつつ、該スラックスの生地とそれ
    に重ね合わされる第一の接着テープとを接着し、更に重
    なり合う第一及び第二の接着テープを互いに接着せしめ
    るようにしたことを特徴とするスラックスの製作方法。
  6. 【請求項6】 前記第一及び第二の接着テープとして、
    それぞれ、布地の接着テープが用いられている請求項
    に記載のスラックスの製作方法。
  7. 【請求項7】 前記第一又は第二の接着テープとして、
    それぞれ、その一方若しくは両方の面の全面に、接着剤
    が点在せしめられて構成されたものが用いられている請
    求項又は請求項に記載のスラックスの製作方法。
  8. 【請求項8】 前記第一及び第二の接着テープとして、
    それぞれ、感熱性の接着剤と熱収縮性の布地とから構成
    されたものが用いられている請求項乃至の何れかに
    記載のスラックスの製作方法。
  9. 【請求項9】 前記第一及び第二の接着テープの何れか
    一方が、それらの幅方向の少なくとも一方の側におい
    て、互いに重なり合わない部分を有し、該重なり合わな
    い部分において前記スラックスラインのサイド部の裏側
    に接着せしめるようにした請求項5乃至8の何れかに記
    載のスラックスの製作方法。
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JPS5618585U (ja) * 1979-07-17 1981-02-18
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