WO2014162626A1 - 回転電機の固定子 - Google Patents

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橋本 昭
秋田 裕之
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井上 正哉
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Abstract

 この発明は、分布巻コイルのコイル形状を工夫し、相間絶縁に起因するコイルエンドの大径化を抑えつつ、レーンチェンジに起因するコイルエンドの大径化を抑えて、小型高出力の回転電機の固定子を得る。 固定子巻線は、それぞれ、絶縁被覆された、かつ接続部のない連続した導体線を巻き回して作製され、6スロット角度間隔で周方向に連続する第1スロット131、第2スロット132および第3スロット133に装着されて、周方向に1スロットピッチで配列された48個の巻線体22を備えている。巻線体22は、導体線19を、第1スロット131、第2スロット132、第3スロット133、第2スロット132の順に、かつ第1スロット131、第2スロット132および第3スロット133への軸方向からの挿入方向を交互に変えて挿入して形成されたδ状のコイルパターンに構成されている。

Description

回転電機の固定子
 この発明は、例えば電動機や発電機などの回転電機の固定子に関し、特に固定子巻線の構造に関するものである。
 近年、電動機や発電機などの回転電機において、小型高出力が求められている。この種の回転電機を小型化するに当たり、有効な磁束を発生しないコイルエンドを小型化する観点から、導体線を固定子鉄心のティースのそれぞれに巻回した集中巻の固定子巻線が用いられていた。しかしながら、トルク脈動が抑えられ、高出力化が可能な分布巻構造の固定子巻線を用いた固定子が要望されている。
 ここでは、導体線を1つのティースに巻回して構成された集中巻の巻線に対し、導体線を2スロット以上離れたスロットに巻回して構成された巻線を分布巻の巻線とする。つまり、分布巻の巻線は、1のスロットから延び出た導体線が連続する2つ以上のティースをまたいで他のスロットに入るように巻回されている。
 特許文献1に記載された従来の回転電機では、絶縁被覆された導体線を複数回巻き回してコイル状に成型された巻線コイル、いわゆる亀甲形コイルを、複数個のスロット離れたスロットの各対に収納して、分布巻の固定子巻線を構成していた。亀甲形コイルは、一方のスロットの内層側と他方のスロットの外層側に収納されるように、コイルエンド部の頭頂部を複数回巻き回した導体線の全幅だけずれるようにクランク状に成形し、コイルエンド部に絶縁層を施し、相間の絶縁を確保している。
 特許文献2に記載された従来の回転電機では、導体線を周方向に複数個離間したスロットのそれぞれに挿入して波状に装着した巻線を1スロットピッチで配列してなる巻線群を、径方向に多層に配設して、分布巻きの固定子巻線を構成していた。そして、導体線に厚い絶縁被膜を被覆して、あるいは導体線間に絶縁紙を配設して、相間の絶縁を確保していた。
特開2008-236924号公報 特開2011-142798号公報
 特許文献1では、ターン部の集合体であるコイルエンド部に絶縁層を施して相間絶縁を確保しているので、相間絶縁に起因するコイルエンドの大径化を抑えることができる。しかしながら、亀甲形コイルが、ターン部の集合体であるコイルエンド部の全幅だけずれるようにコイルエンド部の頭頂部でレーンチェンジされているので、コイルエンド部の頭頂部の曲げ半径が大きくなり、コイルエンドが大径化し、軸方向に延びるという課題があった。
 特許文献2では、固定子巻線が波巻き巻線の集合体であるので、ターン部の曲げ半径が小さくなり、レーンチェンジに起因するコイルエンドの寸法の増大が抑えられる。しかしながら、波巻き巻線が径方向に多層に配設され、各層間で絶縁(相間絶縁)を確保する必要があるので、相間絶縁によりコイルエンドが大径化し、導体線中の導体断面積が減少するという課題があった。
 この発明は、上記課題を解決するためになされたもので、分布巻コイルのコイル形状を工夫し、相間絶縁に起因するコイルエンドの大径化を抑えつつ、レーンチェンジに起因するコイルエンドの大径化を抑えて、小型高出力の回転電機の固定子を得ることを目的とする。
 この発明の回転電機の固定子は、スロットが周方向に配列された円環状の固定子鉄心と、上記固定子鉄心に装着された固定子巻線と、を備え、上記固定子巻線は、それぞれ、絶縁被覆された、かつ接続部のない連続した導体線を巻き回して作製され、周方向にnスロット角度間隔(但し、nは2以上の自然数)で並ぶ第1スロット、第2スロットおよび第3スロットに装着されて、周方向に1スロットピッチで配列された複数の巻線体を備えている。上記巻線体は、上記導体線を、上記第1スロット、上記第2スロット、上記第3スロット、上記第2スロットの順に、かつ上記第1スロット、上記第2スロットおよび上記第3スロットへの軸方向からの挿入方向を交互に変えて挿入して形成されたδ状のコイルパターンを、径方向にm回(但し、mは1以上の自然数)繰り返して巻き回して構成されている。
 この発明によれば、巻線体が、δ状のコイルパターンを径方向にm回(但し、mは1以上の自然数)繰り返して巻き回したパターンに構成されている。そこで、コイルエンド部での曲げ半径が小さくなり、レーンチェンジに起因するコイルエンドの大型化を抑制できる。また、巻線体が分布巻の巻線となり、トルク脈動が抑えられ、高出力化が図られる。
 δ状のコイルパターンを径方向にm回(但し、mは1以上の自然数)繰り返して巻き回したパターンに構成された巻線体を1スロットピッチで配列している。そこで、異相のコイルエンド部が交差する径方向の隣り合う層間の数が減り、相間絶縁が簡易となるとともに、相間絶縁に起因するコイルエンドの大型化を抑制できる。
この発明の実施の形態1に係る回転電機を示す片側断面図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機の要部を示す斜視図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機に適用される固定子を示す斜視図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機に適用される固定子鉄心を構成する鉄心ブロックを示す斜視図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機に適用される固定子の固定子巻線を構成する巻線アッセンブリを示す斜視図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機における巻線アッセンブリを構成する巻線体を示す正面図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機における巻線アッセンブリを構成する巻線体を固定子鉄心に装着した状態を第1コイルエンド側から見た模式図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機において3つの巻線体が1つのスロットを共有して固定子鉄心に装着されている状態を第1コイルエンド側から見た要部端面図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機において3つの巻線体が1つのスロットを共有して固定子鉄心に装着されている状態を第1コイルエンド側から見た展開図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機において16個の巻線体を周方向に1スロットピッチで配列した状態を示す斜視図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機において16個の巻線体を周方向に1スロットピッチで配列した状態を第1コイルエンド側から見た端面図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機における巻線アッセンブリの組み立て方法を説明する模式図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機における巻線アッセンブリの組み立て方法における48番目の巻線体を組み込む手順を説明する模式図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機における巻線アッセンブリの組み立て方法における48番目の巻線体を組み込む手順を説明する模式図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機における巻線アッセンブリの組み立て方法における48番目の巻線体を組み込む手順を説明する模式図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機における固定子の組み立て方法を説明する図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機における固定子の組み立て方法を説明する図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機における固定子の組み立て方法を説明する図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機における固定子の組み立て方法を説明する図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機における固定子を第1コイルエンド側から見た端面図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機における固定子巻線の第1の結線図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機における固定子巻線の第2の結線図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機における固定子巻線の第3の結線図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機の固定子において3つの巻線体が同一スロット群に装着された状態を第1コイルエンド側から見た模式図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機の固定子において第1コイルエンド側の絶縁紙の配置を説明する模式図である。 従来の回転電機の固定子において固定子巻線が装着された状態を第1コイルエンド側から見た模式図である。 従来の回転電機の固定子において第1コイルエンド側の絶縁紙の配置を説明する模式図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機の固定子において第2コイルエンド側の絶縁紙の配置を説明する模式図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機の固定子において第1コイルエンド側の絶縁紙の配置の実施態様を説明する模式図である。 この発明の実施の形態2に係る回転電機の要部を示す斜視図である。 この発明の実施の形態2に係る回転電機に適用される固定子を示す斜視図である。 この発明の実施の形態2に係る回転電機に適用される固定子の固定子巻線を構成する巻線アッセンブリを示す斜視図である。 この発明の実施の形態2に係る回転電機における巻線アッセンブリを構成する巻線体を示す斜視図である。 この発明の実施の形態2に係る回転電機における巻線アッセンブリを構成する巻線体を示す正面図である。 この発明の実施の形態2に係る回転電機における巻線アッセンブリを構成する巻線体を第2コイルエンド側から見た図である。 この発明の実施の形態2に係る回転電機において3つの巻線体が1つのスロットを共有して固定子鉄心に装着されている状態を第2コイルエンド側から見た要部端面図である。 この発明の実施の形態2に係る回転電機において3つの巻線体が1つのスロットを共有して固定子鉄心に装着されている状態を第2コイルエンド側から見た展開図である。 この発明の実施の形態2に係る回転電機において固定子鉄心に装着された巻線体を径方向外方から見た展開図である。 この発明の実施の形態2に係る回転電機において16個の巻線体を周方向に1スロットピッチで配列した状態を示す斜視図である。 この発明の実施の形態2に係る回転電機において16個の巻線体を周方向に1スロットピッチで配列した状態を第1コイルエンド側から見た端面図である。 この発明の実施の形態2に係る回転電機における巻線アッセンブリの組み立て方法を説明する斜視図である。 この発明の実施の形態2に係る回転電機における巻線アッセンブリの組み立て方法を説明する斜視図である。 この発明の実施の形態2に係る回転電機における巻線アッセンブリの組み立て方法を説明する斜視図である。 この発明の実施の形態2に係る回転電機における巻線アッセンブリの組み立て方法を説明する模式図である。 この発明の実施の形態2に係る回転電機における巻線アッセンブリの組み立て方法を説明する模式図である。 この発明の実施の形態2に係る回転電機における巻線アッセンブリの組み立て方法を説明する模式図である。 この発明の実施の形態2に係る回転電機における巻線アッセンブリの組み立て方法を説明する模式図である。 この発明の実施の形態2に係る回転電機における巻線アッセンブリの組み立て方法を説明する模式図である。 この発明の実施の形態2に係る回転電機の固定子において3つの巻線体が同一スロット群に装着された状態を第1コイルエンド側から見た模式図である。 この発明の実施の形態2に係る回転電機の固定子において第1コイルエンド側の絶縁紙の配置を説明する模式図である。 従来の回転電機の固定子において固定子巻線が装着された状態を第1コイルエンド側から見た模式図である。 従来の回転電機の固定子において第1コイルエンド側の絶縁紙の配置を説明する模式図である。 この発明の実施の形態2に係る回転電機の固定子において3つの巻線体が同一スロット群に装着された状態を第2コイルエンド側から見た模式図である。 この発明の実施の形態2に係る回転電機の固定子において第2コイルエンド側の絶縁紙の配置を説明する模式図である。
 以下、本発明による回転電機の好適な実施の形態につき図面を用いて説明する。
 実施の形態1.
 図1はこの発明の実施の形態1に係る回転電機を示す片側断面図、図2はこの発明の実施の形態1に係る回転電機の要部を示す斜視図、図3はこの発明の実施の形態1に係る回転電機に適用される固定子を示す斜視図、図4はこの発明の実施の形態1に係る回転電機に適用される固定子鉄心を構成する鉄心ブロックを示す斜視図、図5はこの発明の実施の形態1に係る回転電機に適用される固定子の固定子巻線を構成する巻線アッセンブリを示す斜視図、図6はこの発明の実施の形態1に係る回転電機における巻線アッセンブリを構成する巻線体を示す正面図、図7はこの発明の実施の形態1に係る回転電機における巻線アッセンブリを構成する巻線体を固定子鉄心に装着した状態を第1コイルエンド側から見た模式図、図8はこの発明の実施の形態1に係る回転電機において3つの巻線体が1つのスロットを共有して固定子鉄心に装着されている状態を第1コイルエンド側から見た要部端面図、図9はこの発明の実施の形態1に係る回転電機において3つの巻線体が1つのスロットを共有して固定子鉄心に装着されている状態を第1コイルエンド側から見た展開図、図10はこの発明の実施の形態1に係る回転電機において16個の巻線体を周方向に1スロットピッチで配列した状態を示す斜視図、図11はこの発明の実施の形態1に係る回転電機において16個の巻線体を周方向に1スロットピッチで配列した状態を第1コイルエンド側から見た端面図である。なお、図9では、便宜上、コイルエンド部を直線的に示している。
 図1および図2において、回転電機100は、有底円筒状のフレーム2およびフレーム2の開口を塞口する端板3を有するハウジング1と、フレーム2の円筒部に内嵌状態に固着された固定子10と、フレーム2の底部および端板3にベアリング4を介して回転可能に支持された回転軸6に固着されて、固定子10の内周側に回転可能に配設された回転子5と、を備えている。
 回転子5は、軸心位置に挿通された回転軸6に固着された回転子鉄心7と、回転子鉄心7の外周面側に埋設されて周方向に等ピッチで配列され、磁極を構成する永久磁石8と、を備えた永久磁石型回転子である。なお、回転子5は、永久磁石式回転子に限定されず、絶縁しない回転子導体を、回転子鉄心のスロットに収納して、両側を短絡環で短絡したかご形回転子や、絶縁した導体線を回転子鉄心のスロットに装着した巻線形回転子を用いてもよい。
 つぎに、固定子10の構成について具体的に図3乃至図7を参照しつつ説明する。
 固定子10は、図3に示されるように、固定子鉄心11と、固定子鉄心11に装着された固定子巻線20と、を備えている。ここで、説明の便宜上、回転子5の極数を8極、固定子鉄心11のスロット数を48個、固定子巻線20を三相巻線とする。すなわち、スロットは、毎極毎相当たり2個の割合で固定子鉄心11に形成されている。
 鉄心ブロック12は、円環状の固定子鉄心11を周方向に48等分割したもので、図4に示されるように、電磁鋼板を積層一体化して作製され、断面円弧形のコアバック部12aと、コアバック部12aの内周壁面から径方向内方に突出するティース12bと、を備えている。そして、固定子鉄心11は、ティース12bを径方向内方に向けて、コアバック部12aの周方向の側面同士を突き合わせて、48個の鉄心ブロック12を周方向に配列、一体化して、円環状に構成されている。周方向に隣り合う鉄心ブロック12により構成されるスロット13が、内周側に開口するように、周方向に等角ピッチで配列されている。ティース12bは周方向幅が径方向内方に向って漸次狭くなる先細り形状に形成されており、スロット13の断面は長方形となっている。
 固定子巻線20は、図3に示されるように、固定子鉄心11に装着された巻線アッセンブリ21に結線処理が施されて構成される。
 巻線体22は、例えば、エナメル樹脂で絶縁被覆された、かつ接続部のない連続した銅線やアルミニウム線などからなる長方形断面の導体線19をエッジワイズ巻きに巻いて作製される。具体的には、巻線体22は、図6および図7に示されるように、導体線19が固定子鉄心11の一端側から第1のスロット131に挿入され、第1のスロット131から固定子鉄心11の他端側に延び出て、周方向一側に6スロット角度間隔離れた第2のスロット132に固定子鉄心11の他端側から挿入され、第2のスロット132から固定子鉄心11の一端側に延び出て、周方向一側に6スロット角度間隔離れた第3のスロット133に固定子鉄心11の一端側から挿入され、第3のスロット133から固定子鉄心11の他端側に延び出て、周方向他側に6スロット角度間隔離れた第2のスロット132に固定子鉄心11の他端側から挿入され、第2のスロット132から固定子鉄心11の一端側に延び出るように作製される。
 なお、6スロット角度間隔とは、連続する6つのティース12bの両側のスロット13のスロット中心間の間隔である。また、図7において、説明の便宜上、6スロット角度間隔で周方向に連続するスロット13を周方向の並び順にスロット131、スロット132、スロット133とした。
 このように作製された巻線体22を径方向内方から見た場合、図6に示されるように、導体線19がδ状に巻かれている。つまり、巻線体22は、導体線19を、第1直線部22a、第1コイルエンド部22e、第2直線部22b、第2コイルエンド部22f、第3直線部22c、第3コイルエンド部22gおよび第4直線部22dからなるδ状のコイルパターンに巻いて作製される。そして、第2スロット132に挿入される第2直線部22bは、第1スロット131に挿入される第1直線部22aに対して第1コイルエンド部22eの頭頂部で径方向外方に導体線19の径方向幅dだけレーンチェンジ(以下、シフトという)される。第3スロット133に挿入される第3直線部22cは、第2スロット132に挿入される第2直線部22bに対して第2コイルエンド部22fの頭頂部で径方向外方に導体線19の径方向幅dだけシフトされる。さらに、第2スロット132に挿入される第4直線部22dは、第3スロット133に挿入される第3直線部22cに対して第3コイルエンド部22gの頭頂部で径方向外方に導体線19の径方向幅dだけシフトされる。そして、第1直線部22aから固定子鉄心11の一端側に延び出る導体線19の巻き始めが巻線端22hとなり、第4直線部22dから固定子鉄心11の一端側に延び出る導体線19の巻き終わりが巻線端22iとなる。
 巻線アッセンブリ21は、図5に示されるように、48個の巻線体22を1スロットピッチで周方向に配列して構成される。そして、第1コイルエンド部22eおよび第3コイルエンド部22gが周方向に配列されて第1コイルエンドを構成し、第2コイルエンド部22fが周方向に配列されて第2コイルエンドを構成する。巻線端22hが、それぞれ軸方向に第2コイルエンド側に延び出て、巻線アッセンブリ21の内径側に1スロットピッチで周方向に配列され、巻線端22iが、それぞれ軸方向に第2コイルエンド側に延び出て、巻線アッセンブリ21の外径側に1スロットピッチで周方向に配列されている。
 固定子10は、巻線アッセンブリ21が固定子鉄心11に装着され、巻線端22h,22iに結線処理を施して、作製される。なお、巻線アッセンブリ21を構成する48個の巻線体22は、それぞれ6スロット角度間隔で周方向に連続する3つのスロット13の組に装着されて、周方向に1スロットピッチで配列される。
 図8および図9は、それぞれ、3つの巻線体22が、1つのスロット13を共用して固定子鉄心11に装着されている状態を示し、図8は固定子鉄心に装着された巻線体22を軸方向から見た状態を示している。ここで、説明の便宜上、6スロット角度間隔で周方向に連続する3つのスロット13を周方向の並び順に1番目のスロット131、2番目のスロット132、3番目のスロット133、4番目のスロット134、5番目のスロット135とし、3つの巻線体22を周方向の並び順に第1の巻線体221、第2の巻線体222、第3の巻線体223とする。
 第1の巻線体221においては、1番目のスロット131のスロット開口側から第1層の第1直線部22aから軸方向他端側(第1コイルエンド側)に延び出た第1コイルエンド22eは、周方向に2番目のスロット132側に延び、頭頂部で径方向外方に距離dだけシフトされ、その後周方向に2番目のスロット132に延び、2番目のスロット132のスロット開口側から第2層の第2直線部22bに連結されている。ついで、2番目のスロット132のスロット開口側から第2層の第2直線部22bから軸方向一端側(第2コイルエンド側)に延び出た第2コイルエンド22fは、周方向に3番目のスロット133側に延び、頭頂部で径方向外方に距離dだけシフトされ、その後周方向に3番目のスロット133側に延び、3番目のスロット133のスロット開口側から第3層の第3直線部22cに連結されている。
 ついで、3番目のスロット133のスロット開口側から第3層の第3直線部22cから第1コイルエンド側に延び出た第3コイルエンド22gは、周方向に2番目のスロット132側に延び、頭頂部で径方向外方に距離dだけシフトされ、その後周方向に2番目のスロット132側に延び、2番目のスロット132のスロット開口側から第4層の第4直線部22dに連結されている。
 そこで、1番目のスロット131の第1層の第1直線部22aと2番目のスロット132の第2層の第2直線部22bとが、第1コイルエンド22eにより連結され、2番目のスロット132の第2層の第2直線部22bと3番目のスロット133の第3層の第3直線部22cとが、第2コイルエンド22fにより連結され、3番目のスロット133の第3層の第3直線部22cと2番目のスロット132の第4層の第4直線部22dとが、第3コイルエンド22gにより連結され、δ状のコイルパターンを構成する。
 同様に、第2の巻線体222が、2番目のスロット132、3番目のスロット133および4番目のスロット134の3つのスロット13に装着され、第3の巻線体223が、3番目のスロット133、4番目のスロット134および5番目のスロット135の3つのスロット13に装着される。
 このように、3つの巻線体221,222,223が1つのスロット133を共有して固定子鉄心11に装着される。第1から第3コイルエンド部22e,22f,22gにおいて、第1から第4直線部22a,22b,22c,22dの端部から頭頂部に至る傾斜部は、軸方向から見て、略円弧状に形成されている。そして、3つの巻線体221,222,223が共用するスロット133には、第1から第4直線部22a,22b,22c,22dが、導体線の長方形断面の長辺の長さ方向を周方向に向けて、径方向に1列に交互に並んで、収納されている。また、第1および第3コイルエンド部22e,22gが、固定子鉄心11のティース12bの先端面より径方向外方に位置し、スロット13の底部より径方向内方に位置している。
 ここで、巻線体22が1スロットピッチで配列した状態について図10および図11を参照して説明する。なお、図10および図11は、16個の巻線体22を周方向に1スロットピッチで配列した状態を示している。
 図10および図11において、左端に配設された巻線体2221の内径側から1層目に位置する第1直線部22aから延び出た第1コイルエンド部22eは、反時計回りに隣の巻線体2222の内径側から1層目に位置する第1直線部22aから延び出た第1コイルエンド22eの上方を通って周方向に反時計回りに延び、頭頂部で径方向外方に距離dだけシフトして、反時計回りに隣の巻線体2222の第1コイルエンド部22eの下方を通って周方向に反時計回りに延び、第2直線部22bに接続される。
 巻線体2221の第2直線部22bから延び出た第2コイルエンド部22fは、図示されていないが、図11の裏面側で、反時計回りの隣の巻線体2222の第2直線部22bから延び出た第2コイルエンド22fの下方を通って周方向に反時計回りに延び、頭頂部の手間で出現し、頭頂部で径方向外方に距離dだけシフトして、反時計回りの隣の巻線体2222の第2コイルエンド22fの上方を通って周方向に反時計回りに延び、第3直線部22cに接続される。
 巻線体2221の第3直線部22cから延び出た第3コイルエンド部22gは、巻線体2222の第3直線部22cから延び出た第3コイルエンド部22gの下方を通って周方向に時計回りに延び、頭頂部の手前で出現し、頭頂部で径方向外方に距離dだけシフトして、巻線体2222の第3コイルエンド部22gの上方を通って周方向に時計回りに延び、第4直線部22dに接続される。
 16個の巻線体22は、図10および図11に示されるように、第1から第4直線部22a,22b,22c,22dを各頭頂部で径方向に距離dだけシフトさせているので、互いに干渉することなく、周方向に1スロットピッチで配列される。同様に、48個の巻線体22を周方向に1スロットピッチで配列し、図5に示される巻線アッセンブリ21が組み立てられる。この巻線アッセンブリ21では、径方向に1列に並んだ4本の第1から第4直線部22a,22b,22c,22dが、1スロットピッチで周方向に48列配列される。そして、径方向に1列に並んだ4本の第1から第4直線部22a,22b,22c,22dの各列が、スロット13のそれぞれに収納される。
 つぎに、固定子10の組み立て方法について図を参照しつつ説明する。図12はこの発明の実施の形態1に係る回転電機における巻線アッセンブリの組み立て方法を説明する模式図、図13から図15はそれぞれこの発明の実施の形態1に係る回転電機における巻線アッセンブリの組み立て方法における48番目の巻線体を組み込む手順を説明する模式図、図16から図19はそれぞれこの発明の実施の形態1に係る回転電機における固定子の組み立て方法を説明する図であり、図16および図17は固定子組み立て前の状態を示し、図18は固定子組み立て後の状態を示し、図19は固定子組立後の状態を拡大して示している。なお、図17から図19は、軸方向に垂直な断面を示しているので、巻線アッセンブリ21は第1から第4直線部22a,22b,22c,22dのみが表されている。
 まず、導体線19をδ状のコイルパターンに巻いて巻線体22を作製する。ここで、説明の便宜上、巻線体22を組み付け順に巻線体221、巻線体222、巻線体223、巻線体2247、巻線体2248とする。
 ついで、図12の(a)に示されるように、2番目の巻線体222を1番目の巻線体221に軸方向高さ位置を揃えて周方向に隣接させる。ついで、図12の(b)に示されるように、2番目の巻線体222を1番目の巻線体221側に移動させる。そして、図12の(c)に示されるように、2番目の巻線体222が1番目の巻線体221に1スロットピッチまで近づくと、2番目の巻線体222の移動を停止する。
 ついで、図12の(d)に示されるように、3番目の巻線体223を2番目の巻線体222に軸方向高さ位置を揃えて周方向に隣接させる。ついで、図12の(e)に示されるように、3番目の巻線体223を2番目の巻線体222側に移動させる。そして、図12の(f)に示されるように、3番目の巻線体223が2番目の巻線体222に1スロットピッチまで近づくと、3番目の巻線体223の移動を停止する。
 同様にして、巻線体22を順次、軸方向高さ位置を揃え、周方向に移動させて、47番目の巻線体2247まで組み上げる。47個の巻線体221~2247が組み上げられた組立体23は、拡径されて、図13に示されるように、1番目の巻線体221と47番目の巻線体2247との間を48番目の巻線体2248の周方向幅より広げたC字状に成形される。
 ついで、図14に示されるように、48番目の巻線体2248を47番目の巻線体2247側に組み付ける。さらに、図15に示されるように、C字状の組立体23の開口を閉じ、1番目の巻線体221と48番目の巻線体2248とを組み付け、円環状の巻線アッセンブリ21が組み立てられる。
 このように組み立てられた巻線アッセンブリ21では、4本の第1から第4直線部22a,22b,22c,22dが、長方形断面の長辺の長さ方向を周方向に向けて、径方向内方から第1直線部22a、第2直線部22b、第3直線部22c、第4直線部22dの順に1列に並んで、周方向に略等角ピッチで48列配列されている。
 ついで、48個の鉄心ブロック12が、図16および図17に示されるように、ティース12bのそれぞれを、巻線アッセンブリ21の隣り合う第1から第4直線部22a,22b,22c,22dの列間の径方向外方に位置させるように、周方向に略等角ピッチで配列される。ついで、周方向に配列された鉄心ブロック12を、径方向内方に移動させる。これにより、鉄心ブロック12のティース12bのそれぞれが隣り合う第1から第4直線部22a,22b,22c,22dの列間に挿入される。
 そして、周方向に配列された鉄心ブロック12をさらに内径側に移動させると、隣り合う鉄心ブロック12の周方向の側面同士が突き合わされて、鉄心ブロック12の径方向内方への移動が阻止される。これにより、図18および図19に示されるように、巻線アッセンブリ21が固定子鉄心11に装着され、固定子10が組み立てられる。そして、各スロット13には、第1から第4直線部22a,22b,22c,22dが長方形断面の長辺の長さ方向を周方向に向けて径方向に1列に配列されて収納されている。
 このように、周方向に配列された鉄心ブロック12を内径側に移動させて、巻線アッセンブリ21に挿入することで、径方向に不揃いに並んでいる第1から第4直線部22a,22b,22c,22dが、隣り合う鉄心ブロック12のティース12bの間隔が狭まる動きにより整列される。さらに、径方向に整列された第1から第4直線部22a,22b,22c,22dの相互間の隙間が、鉄心ブロック12のコアバック部12aの内径側への移動により、縮小され、あるいはなくなる。そこで、スロット13内の導体線19の占積率を向上させることができる。また、スロット13内の導体線19と鉄心ブロック12とが接しており、通電時に発熱体となる巻線アッセンブリ21から固定子鉄心11への伝熱性能を向上させることができるため、巻線アッセンブリ21の温度上昇を抑制し、電気抵抗の増加を抑制することができる。また、鉄心ブロック12は隣り合うティース12b間の間隔が徐々に狭まるように挿入されるので、巻線アッセンブリ21と鉄心ブロック12との接触面での摺動が抑えられ、導体線19の絶縁被膜の損傷を防止することができる。
 つぎに、巻線アッセンブリ21の結線方法について図20および図21を参照しつつ説明する。図20はこの発明の実施の形態1に係る回転電機における固定子を第1コイルエンド側から見た断面図、図21はこの発明の実施の形態1に係る回転電機における固定子巻線の第1の結線図である。
 なお、図20中、1,7,13・・・、43はスロット13に周方向に順にふったスロット番号である。U1-1A,U1-2A,・・・,U1-8AおよびU1-1B,U1-2B,・・・,U1-8Bは、スロット番号(1+6n)(但し、nは0から7の整数)のスロット13の群に装着されたU1相を構成する巻線体22の巻線端22h,22iであり、U2-1A,U2-2A,・・・,U2-8A,U2-2AおよびU2-1B,U2-2B,・・・,U2-8Bはスロット番号(2+6n)のスロット13の群に装着されたU2相を構成する巻線体22の巻線端22h,22iである。
 また、巻線体22がスロット番号(3+6n)のスロット群に装着され、V1相を構成し、巻線体22がスロット番号(4+6n)のスロット群に装着され、V2相を構成する。巻線体22がスロット番号(5+6n)のスロット群に装着され、W1相を構成し、巻線体22がスロット番号(6+6n)のスロット群に装着され、W2相を構成する。ここでは、説明の便宜上、V1-1A,V1-2A,V1-1B,V1-2B(V1相を構成する巻線体22の巻線端)、V2-1A,V2-2A,V2-1B,V2-2B(V2相を構成する巻線体22の巻線端)、W1-1A,W1-2A,W1-1B,W1-2B(W1相を構成する巻線体22の巻線端)、W2-1A,W2-2A,W2-1B,W2-2B(W2相を構成する巻線体22の巻線端)のみを示している。
 まず、U1-1BとU1-3A、U1-3BとU1-5A、U1-5BとU1-7A、U1-7BとU2-8B、U2-8AとU2-6B、U2-6AとU2-4B、U2-4AとU2-2B、U2-2AとU2-1A、U2-1BとU2-3A、U2-3BとU2-5A、U2-5BとU2-7A、U2-7BとU1-8B、U1-8AとU1-6B、U1-6AとU1-4B、U1-4AとU1-2Bを接続する。これにより、U1相とU2相を構成する16本の巻線体22を直列に接続したU相巻線が得られる。
 ついで、V1-1BとV1-3A、V1-3BとV1-5A、V1-5BとV1-7A、V1-7BとV2-8B、V2-8AとV2-6B、V2-6AとV2-4B、V2-4AとV2-2B、V2-2AとV2-1A、V2-1BとV2-3A、V2-3BとV2-5A、V2-5BとV2-7A、V2-7BとV1-8B、V1-8AとV1-6B、V1-6AとV1-4B、V1-4AとV1-2Bを接続する。これにより、V1相とV2相を構成する16本の巻線体22を直列に接続したV相巻線が得られる。
 ついで、W1-1BとW1-3A、W1-3BとW1-5A、W1-5BとW1-7A、W1-7BとW2-8B、W2-8AとW2-6B、W2-6AとW2-4B、W2-4AとW2-2B、W2-2AとW2-1A、W2-1BとW2-3A、W2-3BとW2-5A、W2-5BとW2-7A、W2-7BとW1-8B、W1-8AとW1-6B、W1-6AとW1-4B、W1-4AとW1-2Bを接続する。これにより、W1相とW2相を構成する16本の巻線体22を直列に接続したW相巻線が得られる。
 さらに、U1-2AとV1-2AとW1-2Aとを接続する。このように、第1の結線方法によれば、16本の巻線体22を直列に接続したU相巻線と、16本の巻線体22を直列に接続したV相巻線と、16本の巻線体22を直列に接続したW相巻線とをY結線して構成される固定子巻線20が得られる。この固定子巻線20は、全節巻きの分布巻きの三相交流巻線となる。そして、U1-1AがU相巻線の給電端となり、V1-1AがV相巻線の給電端となり、W1-1AがW相巻線の給電端となる。
 つぎに、巻線アッセンブリ21の第2の結線方法について図20および図22を参照しつつ説明する。図22はこの発明の実施の形態1に係る回転電機における固定子巻線の第2の結線図である。
 まず、U1-1AとU2-1Aが接続される。そして、U1-1BとU1-3A、U1-3BとU1-5A、U1-5BとU1-7A、U1-7BとU2-8B、U2-8AとU2-6B、U2-6AとU2-4B、U2-4AとU2-2Bを接続する。ついで、U2-1BとU2-3A、U2-3BとU2-5A、U2-5BとU2-7A、U2-7BとU1-8B、U1-8AとU1-6B、U1-6AとU1-4B、U1-4AとU1-2Bを接続する。これにより、U1相とU2相を構成する8本の巻線体22を直列に接続した2つの巻線群を並列に接続したU相巻線が得られる。
 また、V1-1AとV2-1Aが接続される。そして、V1-1BとV1-3A、V1-3BとV1-5A、V1-5BとV1-7A、V1-7BとV2-8B、V2-8AとV2-6B、V2-6AとV2-4B、V2-4AとV2-2Bを接続する。ついで、V2-1BとV2-3A、V2-3BとV2-5A、V2-5BとV2-7A、V2-7BとV1-8B、V1-8AとV1-6B、V1-6AとV1-4B、V1-4AとV1-2Bを接続する。これにより、V1相とV2相を構成する8本の巻線体22を直列に接続した2つの巻線群を並列に接続したV相巻線が得られる。
 また、W1-1AとW2-1Aが接続される。そして、W1-1BとW1-3A、W1-3BとW1-5A、W1-5BとW1-7A、W1-7BとW2-8B、W2-8AとW2-6B、W2-6AとW2-4B、W2-4AとW2-2Bを接続する。ついで、W2-1BとW2-3A、W2-3BとW2-5A、W2-5BとW2-7A、W2-7BとW1-8B、W1-8AとW1-6B、W1-6AとW1-4B、W1-4AとW1-2Bを接続する。これにより、W1相とW2相を構成する8本の巻線体22を直列に接続した2つの巻線群を並列に接続したW相巻線が得られる。
 さらに、U1-2AとV1-2AとW1-2Aを接続し、U2-2AとV2-2AとW2-2Aを接続する。このように、第2の結線方法によれば、8本の巻線体22を直列に接続した2つの巻線群を並列に接続したU相巻線と、8本の巻線体22を直列に接続した2つの巻線群を並列に接続したV相巻線と、8本の巻線体22を直列に接続した2つの巻線群を並列に接続したW相巻線とをY結線して構成される固定子巻線20Aが得られる。この固定子巻線20Aは、全節巻きの分布巻きの三相交流巻線となる。
 つぎに、巻線アッセンブリ21の第3の結線方法について図20および図23を参照しつつ説明する。図23はこの発明の実施の形態1に係る回転電機における固定子巻線の第3の結線図である。
まず、U1-1BとU1-3A、U1-3BとU1-5A、U1-5BとU1-7A、U1-7BとU2-1A、U2-1BとU2-3A、U2-3BとU2-5A、U2-5BとU2-7A、U2-7BとU1-8B、U1-8AとU1-6B、U1-6AとU1-4B、U1-4AとU1-2B、U1-2AとU2-8B、U2-8AとU2-6B、U2-6AとU2-4B、U2-4AとU2-2Bを接続する。これにより、U1相とU2相を構成する16本の巻線体22を直列に接続したU相巻線が得られる。
 また、V1-1BとV1-3A、V1-3BとV1-5A、V1-5BとV1-7A、V1-7BとV2-1A、V2-1BとV2-3A、V2-3BとV2-5A、V2-5BとV2-7A、V2-7BとV1-8B、V1-8AとV1-6B、V1-6AとV1-4B、V1-4AとV1-2B、V1-2AとV2-8B、V2-8AとV2-6B、V2-6AとV2-4B、V2-4AとV2-2Bを接続する。これにより、V1相とV2相を構成する16本の巻線体22を直列に接続したV相巻線が得られる。
 そして、W1-1BとW1-3A、W1-3BとW1-5A、W1-5BとW1-7A、W1-7BとW2-1A、W2-1BとW2-3A、W2-3BとW2-5A、W2-5BとW2-7A、W2-7BとW1-8B、W1-8AとW1-6B、W1-6AとW1-4B、W1-4AとW1-2B、W1-2AとW2-8B、W2-8AとW2-6B、W2-6AとW2-4B、W2-4AとW2-2Bを接続する。これにより、W1相とW2相を構成する16本の巻線体22を直列に接続したW相巻線が得られる。
 さらに、U2-2AとV1-1Aを接続し、V2-2AとW1-1Aを接続し、W2-2AとU1-1Aを接続する。このように、第3の結線方法によれば、16本の巻線体22を直列に接続したU相巻線と、16本の巻線体22を直列に接続したV相巻線と、16本の巻線体22を直列に接続したW相巻線とをΔ結線して構成される固定子巻線20Bが得られる。この固定子巻線20Bは、全節巻きの分布巻きの三相交流巻線となる。
 このように結線された固定子巻線20,20A,20Bを備えた固定子10を用いた回転電機100は、固定子巻線20,20A,20Bに交流電力を給電することで、8極、48スロットのインナーロータ型の三相モータとして動作する。
 このように構成された回転電機100では、導体線19をδ状のコイルパターンに巻いて作製された巻線体22を周方向に1スロットピッチで配列して構成された巻線アッセンブリ21により固定子巻線20が構成されている。そこで、巻線体22が2極分の寸法となり、特許文献2に記載の固定子巻線に比べて、導体線19の長さが著しく短くなる。そこで、製造装置が小規模となり、低価格化を図ることができる。また、固定子巻線20の低抵抗化が図られ、回転電機100の効率を向上できる。さらに、固定子巻線20の低抵抗化により固定子巻線20での発熱が抑えられ、使用部品の熱劣化を抑制できるとともに、導体線19の長さが短くなるので、軽量化も図られる。
 また、第1から第4直線部22a,22b,22c,22dの軸長を変えて巻線体22を作製することが容易にできるので、装着される固定子鉄心11の軸長が変更となっても、安価に、かつ簡易に対応できる。
 巻線体22は、第1から第3コイルエンド部22e,22f,22gの頭頂部を径方向に第1から第4直線部22a,22b,22c,22dの径方向寸法に略等しい隙間dだけシフトするように構成されている。そこで、特許文献1に記載の固定子巻線に比べて、頭頂部での曲げ半径が小さくなるので、コイルエンドの径方向および軸方向の寸法が小さくなる。そこで、回転電機100の小型化を実現できる。また、導体線19の長さが短くなるので、固定子巻線20の低抵抗化が図られ、回転電機100の効率を向上できる。さらに、固定子巻線20の低抵抗化により固定子巻線20での発熱が抑えられ、使用部品の熱劣化を抑制できるとともに、導体線19の長さが短くなるので、軽量化も図られる。
 巻線体22が、第1から第3コイルエンド部22e,22f,22gの頭頂部が径方向に第1から第4直線部22a,22b,22c,22dの径方向寸法に略等しい隙間dだけシフトするように構成されているので、巻線体22を干渉なく1スロットピッチで配列することができ、巻線アッセンブリ21の組立性が向上される。同一形状の巻線体22を1スロットピッチで周方向に配列して巻線アッセンブリ21を組み立てているので、他種類の巻線体を作製する必要がなく、製造設備の台数が削減され、設備の構成が簡略化され、量産性が高められる。
 固定子巻線20,20A,20Bを構成するU相、V相およびW相の巻線が、それぞれ、隣り合うスロット13に装着された巻線体22を直列に接続して構成されている。そして、隣り合うスロット13に装着された巻線体22は電気角が異なるので、回転子5により隣り合うスロット13に装着された巻線体22に誘起される電圧が異なり、導体線19内に流れる渦電流が小さくなる。
 第1から第2コイルエンド部22e,22f,22gが軸方向から見て頭頂部で径方向に隙間dだけシフトされた2つの円弧状により構成され、第1から第3コイルエンド22e,33f,33gが固定子鉄心11のティース12bの先端面より径方向外方に位置している。そこで、第1から第3コイルエンド22e,22f,22gと回転子5との間の干渉が確実に阻止される。また、第1から第3コイルエンド22e,22f,22gが固定子鉄心11のコアバック部12aの径方向内方に位置しているので、コアバック部12aの軸方向外方に形成される空きスペースを冷却部材などの設置スペースに利用することができる。
 スロット13内に径方向に1列に配列された第1から第4直線部22a,22b,22c,22dが長方形断面に形成されているので、占積率が高められ、回転電機100の高出力化が図られる。
 また、第1から第4直線部22a,22b,22c,22dが長方形断面の長辺の長さ方向を周方向に向けてスロット13内に径方向に1列に配列されているので、スロット深さ方向の寸法が小さくなり、回転電機100の径方向寸法の小型化を図ることができる。
 スロット13内に径方向に1列に配列された第1から第4直線部22a,22b,22c,22dが長方形断面に形成されているので、占積率が高められ、回転電機の高出力化が図られる。
 つぎに、固定子巻線20の絶縁構造について説明する。図24はこの発明の実施の形態1に係る回転電機の固定子において3つの巻線体が同一スロット群に装着された状態を第1コイルエンド側から見た模式図、図25はこの発明の実施の形態1に係る回転電機の固定子において第1コイルエンド側の絶縁紙の配置を説明する模式図、図26は従来の回転電機の固定子において固定子巻線が装着された状態を第1コイルエンド側から見た模式図、図27は従来の回転電機の固定子において第1コイルエンド側の絶縁紙の配置を説明する模式図、図28はこの発明の実施の形態1に係る回転電機の固定子において第2コイルエンド側の絶縁紙の配置を説明する模式図、図29はこの発明の実施の形態1に係る回転電機の固定子において第1コイルエンド側の絶縁紙の配置の実施態様を説明する模式図である。
 図24において、第1コイルエンド側では、3つの巻線体22が共有する1つのスロット13に着目すれば、1番目の巻線体221の第1コイルエンド部22eがスロット13の内径側から1層目から周方向一側に延び出し、2番目の巻線体222の第1コイルエンド部22eがスロット13の内径側から2層目から周方向他側に延び出し、3番目の巻線体223の第3コイルエンド部22gがスロット13の内径側から3層目から周方向他側に延び出し、2番目の巻線体222の第3コイルエンド部22gがスロット13の内径側から4層目から周方向一側に延び出している。
 図24から、スロット13の2層目と3層目の第1および第3コイルエンド部22e,22gがスロット13から周方向の同じ方向に延び出していることがわかる。つまり、第1コイルエンドの2層目と3層目では、同じ相のコイルエンド部が径方向に隣り合って配置され、コイルエンド部間の電位差は小さい。図22から、スロット13の1層目と2層目の第1コイルエンド部22eがスロット13から周方向の逆の方向に延び出し、スロット13の3層目と4層目の第3コイルエンド部22gがスロット13から周方向の逆の方向に延び出していることがわかる。つまり、第1コイルエンドの1層目と2層目では、異なる相のコイルエンド部が径方向で交差し、コイルエンド部間の電位差が大きくなる。同様に、第1コイルエンドの3層目と4層目では、異なる相のコイルエンド部が径方向で交差し、コイルエンド部間の電位差が大きくなる。
 これらのことから、第1コイルエンドにおいては、1層目と2層目の第1コイルエンド部22e間、および3層目と4層目の第3コイルエンド部22g間の絶縁の耐圧を高める必要がある。そこで、導体線19の絶縁被膜を同相のコイル間の電位差により絶縁破壊が起きないような厚みとし、図25に示されるように、絶縁紙18を1層目と2層目の第1コイルエンド部22e間、および3層目と4層目の第3コイルエンド部22g間に配置して、絶縁性能を確保する。これにより、導体線19の絶縁被膜が過度に厚くならず、スロット13内の占積率の低下を抑制できる。
 ここで、特許文献2の回転電機では、固定子巻線が波巻き巻線で構成されているので、図26に示されるように、コイルエンド部25はスロット13の1層目および3層目から周方向一側に延び出し、2層目および4層目から周方向他側に延び出している。そして、コイルエンドの各層間で異なる相のコイルエンド部25が径方向に交差し、コイルエンド部25間の電位差が大きくなる。そこで、図27に示されるように、1層目と2層目のコイルエンド部25間、2層目と3層目のコイルエンド部25間および3層目と4層目のコイルエンド部25間に絶縁紙18を配設し、相間の絶縁を確保する必要がある。
 このように、実施の形態1によれば、特許文献2に対して、第1コイルエンドの2層目と3層目の第1および第3コイルエンド部22e,22g間に配設される絶縁紙18が不要となり、その分第1コイルエンドの径方向寸法を小さくすることができる。
 また、第2コイルエンド側では、図28に示されるように、各スロット13において、異なる巻線体222の第2コイルエンド部22fがスロット13の内径側から2層目と3層目から周方向の逆側に延び出している。つまり、第2コイルエンドの2層目と3層目では、異なる相のコイルエンド部が径方向で交差し、コイルエンド部間の電位差が大きくなる。そこで、2層目と3層目の第2コイルエンド部22f間に絶縁紙18を配設し、相間の絶縁を確保している。したがって、第2コイルエンドの径方向寸法を小さくすることができる。
 なお、上記実施の形態1において、図29に示されるように、絶縁紙18より薄い絶縁紙18aを2層目と3層目の第1および第3コイルエンド部22e,22g間に配設してもよい。この場合、2層目と3層目の第1および第3コイルエンド部22e,22g間に絶縁紙18より薄い絶縁紙18aを配設することができるので、特許文献2に対して、コイルエンドの径方向寸法を小さくすることができる。
 実施の形態2.
 図30はこの発明の実施の形態2に係る回転電機の要部を示す斜視図、図31はこの発明の実施の形態2に係る回転電機に適用される固定子を示す斜視図、図32はこの発明の実施の形態2に係る回転電機に適用される固定子の固定子巻線を構成する巻線アッセンブリを示す斜視図、図33はこの発明の実施の形態2に係る回転電機における巻線アッセンブリを構成する巻線体を示す斜視図、図34はこの発明の実施の形態2に係る回転電機における巻線アッセンブリを構成する巻線体を示す正面図、図35はこの発明の実施の形態2に係る回転電機における巻線アッセンブリを構成する巻線体を第2コイルエンド側から見た図、図36はこの発明の実施の形態2に係る回転電機において3つの巻線体が1つのスロットを共有して固定子鉄心に装着されている状態を第2コイルエンド側から見た要部端面図、図37はこの発明の実施の形態2に係る回転電機において3つの巻線体が1つのスロットを共有して固定子鉄心に装着されている状態を第2コイルエンド側から見た展開図、図38はこの発明の実施の形態2に係る回転電機において固定子鉄心に装着された巻線体を径方向外方から見た展開図、図39はこの発明の実施の形態2に係る回転電機において16個の巻線体を周方向に1スロットピッチで配列した状態を示す斜視図、図40はこの発明の実施の形態2に係る回転電機において16個の巻線体を周方向に1スロットピッチで配列した状態を第1コイルエンド側から見た端面図である。なお、図37では、便宜上、コイルエンド部を直線的に示している。
 図30および図31において、回転電機100Aは、固定子10Aと、固定子10Aの内周側に回転可能に配設された回転子5と、を備えている。固定子10Aは、固定子鉄心11と、固定子鉄心11に装着された固定子巻線30と、を備えている。
 固定子巻線30は、固定子鉄心11に装着された巻線アッセンブリ31に結線処理が施されて構成される。巻線アッセンブリ31は、図32に示されるように、6スロット角度間隔で周方向に連続する3つのスロット13の組に収納される巻線体32を1スロットピッチで周方向に配列して構成される。巻線端32hが、それぞれ軸方向に第2コイルエンド側に延び出て、巻線アッセンブリ31の内径側に1スロットピッチで周方向に配列され、後述する巻線端32iが、それぞれ軸方向に第2コイルエンド側に延び出て、巻線アッセンブリ31の外径側に1スロットピッチで周方向に配列されている。そして、巻線アッセンブリ31の巻線端32h,32iに結線処理が施される。
 巻線体32は、導体線19をエッジワイズ巻きにδ状のコイルパターンに2度巻いて作製される。具体的には、巻線体32は、図33から図35に示されるように、第1直線部32a、第1コイルエンド部32e、第2直線部32b、第2コイルエンド部32f、第3直線部32c、第3コイルエンド部32gおよび第4直線部32dからなるδ状のコイルパターンを導体線19の長方形断面の短辺の長さ方向に2つ配列し、第4直線部32dと第1直線部32aとを渡り線33で連結して構成される。つまり、巻線体32は、導体線19の長方形断面の短辺の長さ方向に2層に配列された巻線体22を渡り線33で連結して構成される巻線体と等価である。そして、渡り線33がコイルエンド部を構成し、導体線19の巻き始め端部が巻線端32hを構成し、巻き終わり端部が巻線端32iを構成する。
 このように構成された巻線体32では、第1直線部32aおよび第3直線部32cが、長方形断面の長辺の長さ方向を周方向に向け、長方形断面の短辺の長さ方向に隙間dをあけて1列に4本配列されている。また、第2直線部32bが、第1直線部32aおよび第3直線部32cの列から周方向一側に6スロット角度間隔離れて、長方形断面の長辺の長さ方向を周方向に向け、長方形断面の短辺の長さ方向に隙間3dをあけて2本配列される。また、第4直線部32dが、第1直線部32aおよび第3直線部32cの列から周方向他側に6スロット角度間隔離れて、長方形断面の長辺の長さ方向を周方向に向け、長方形断面の短辺の長さ方向に隙間3dをあけて2本配列される。
 図36および図37は、それぞれ、3つの巻線体32が、1つのスロット13を共用して固定子鉄心11に装着されている状態を示し、図38は固定子鉄心に装着された巻線体32を径方向外方から見た状態を示している。ここで、周方向に6スロット角度間隔で並ぶ3つのスロット13を周方向の並び順に1番目のスロット131、2番目のスロット132、3番目のスロット133とする。
 1つの巻線体32に着目すれば、2番目のスロット132のスロット開口側から第1層の第1直線部32aから軸方向他端側(第1コイルエンド側)に延び出た第1コイルエンド部32eは、傾斜角度θで周方向に1番目のスロット131側に延び、頭頂部で径方向外方に距離dだけシフトされ、その後逆向きの傾斜角度θで周方向に1番目のスロット131側に延び、1番目のスロット131のスロット開口側から第2層の第2直線部32bに連結されている。ついで、1番目のスロット131のスロット開口側から第2層の第2直線部32bから軸方向一端側(第2コイルエンド側)に延び出た第2コイルエンド部32fは、傾斜角度θで周方向に2番目のスロット132側に延び、頭頂部で径方向外方に距離dだけシフトされ、その後逆向きの傾斜角度θで周方向に2番目のスロット132側に延び、2番目のスロット132のスロット開口側から第3層の第3直線部32cに連結されている。
 ついで、2番目のスロット132のスロット開口側から第3層の第3直線部32cから第1コイルエンド側に延び出た第3コイルエンド部32gは、傾斜角度θで周方向に3番目のスロット133側に延び、頭頂部で径方向外方に距離dだけシフトされ、その後逆向きの傾斜角度θで周方向に3番目のスロット133側に延び、3番目のスロット133のスロット開口側から第4層の第4直線部32dに連結されている。
 ついで、3番目のスロット133のスロット開口側から第4層の第4直線部32dから第2コイルエンド側に延び出た渡り線33は、傾斜角度θで周方向に2番目のスロット132側に延び、頭頂部で径方向外方に距離dだけシフトされ、その後逆向きの傾斜角度θで周方向に2番目のスロット132側に延び、2番目のスロット132のスロット開口側から第5層の第1直線部32aに連結されている。2番目のスロット132のスロット開口側から第5層の第1直線部32aから第1コイルエンド側に延び出た第1コイルエンド部32eは、傾斜角度θで周方向に1番目のスロット131側に延び、頭頂部で径方向外方に距離dだけシフトされ、その後逆向きの傾斜角度θで周方向に1番目のスロット131側に延び、1番目のスロット131のスロット開口側から第6層の第2直線部32bに連結されている。
 ついで、1番目のスロット131のスロット開口側から第6層の第2直線部32bから第2コイルエンド側に延び出た第2コイルエンド部32fは、傾斜角度θで周方向に2番目のスロット132側に延び、頭頂部で径方向外方に距離dだけシフトされ、その後逆向きの傾斜角度θで周方向に2番目のスロット132側に延び、2番目のスロット132のスロット開口側から第7層の第3直線部32cに連結されている。ついで、2番目のスロット132のスロット開口側から第7層の第3直線部32cから第1コイルエンド側に延び出た第3コイルエンド部32gは、傾斜角度θで周方向に3番目のスロット133側に延び、頭頂部で径方向外方に距離dだけシフトされ、その後逆向きの傾斜角度θで周方向に3番目のスロット133側に延び、3番目のスロット133のスロット開口側から第8層の第4直線部32dに連結されている。
 そこで、2番目のスロット132の第1層の第1直線部32aと1番目のスロット131の第2層の第2直線部32bとが、第1コイルエンド部32eにより連結され、1番目のスロット131の第2層の第2直線部32bと1番目のスロット131の第3層の第3直線部32cとが、第2コイルエンド部32fにより連結され、2番目のスロット132の第3層の第3直線部32cと3番目のスロット133の第4層の第4直線部32dとが、第3コイルエンド32部gにより連結され、δ状のコイルパターンを構成する。
 さらに、2番目のスロット132の第5層の第1直線部32aと1番目のスロット131の第6層の第2直線部32bとが、第1コイルエンド部32eにより連結され、1番目のスロット131の第6層の第2直線部32bと1番目のスロット131の第7層の第3直線部32cとが、第2コイルエンド部32fにより連結され、2番目のスロット132の第7層の第3直線部32cと3番目のスロット133の第8層の第4直線部32dとが、第3コイルエンド部32gにより連結され、δ状のコイルパターンを構成する。
 このように、巻線体32は、2つのδ状のコイルパターンを渡り線33で連結して、径方向に2層に配列されて、構成される。第1から第3コイルエンド部32e,32f,32gおよび渡り線33において、第1から第4直線部32a,32b,32c,32dの端部から頭頂部に至る傾斜部は、軸方向から見て、略円弧状に形成されている。そして、3つの巻線体32が共用するスロット13には、第1から第4直線部32a,32b,32c,32dが、導体線の長方形断面の長辺の長さ方向を周方向に向けて、径方向に1列に並んで、収納されている。また、図33に示されるように、第1および第3コイルエンド部32e,32gが、固定子鉄心11のティース12bの先端面より径方向外方に位置し、スロット13の底部より径方向内方に位置している。
 ここで、巻線体32が1スロットピッチで配列した状態について図39および図40を参照して説明する。なお、図39および図40は、16個の巻線体32を周方向に1スロットピッチで配列した状態を示している。
 図39および図40において、左端に配設された巻線体3221の内径側から1層目に位置する第1直線部32aから延び出た第1コイルエンド部32eは、反時計回りに隣の巻線体3222の内径側から1層目に位置する第1直線部32aから延び出た第1コイルエンド部32eの上方を通って周方向に反時計回りに延び、頭頂部で径方向外方に距離dだけシフトして、反時計回りに隣の巻線体3222の第1コイルエンド部32eの下方を通って周方向に反時計回りに延び、第2直線部32bに接続される。
 巻線体3221の第2直線部32bから延び出た第2コイルエンド部32fは、図示されていないが、図40の裏面側で、巻線体3222の第2直線部32bから延び出た第2コイルエンド部32fの下方を通って周方向に時計回りに延び、頭頂部の手間で出現し、頭頂部で径方向外方に距離dだけシフトして、巻線体3222の第2コイルエンド部32fの上方を通って周方向に時計回りに延び、第3直線部32cに接続される。
 巻線体3221の第3直線部32cから延び出た第3コイルエンド部32gは、巻線体3222の第3直線部32cから延び出た第3コイルエンド部32gの下方を通って周方向に時計回りに延び、頭頂部の手前で出現し、頭頂部で径方向外方に距離dだけシフトして、反時計回りに隣の巻線体3222の第3コイルエンド部32gの上方を通って周方向に時計回りに延び、第4直線部32dに接続される。
 巻線体3221の第4直線部32dから延び出た渡り線33は、図示されていないが、図37の裏面側で、巻線体3222の第4直線部32dから延び出た渡り線33の下方を通って周方向に反時計回りに延び、頭頂部の手前で出現し、頭頂部で径方向外方に距離dだけシフトして、巻線体3222の渡り線33の上方を通って周方向に反時計回りに延び、内径側から5層目に位置する第1直線部32aに接続される。
 なお、巻線体32の内径側から5層目から8層目に至る第1直線部32a、第1コイルエンド部32e、第2直線部32b、第2コイルエンド部32f、第3直線部32c、第3コイルエンド部32gおよび第4直線部32dも同様に構成されているので、ここでは説明を省略する。
 16個の巻線体32は、図39および図40に示されるように、第1から第4直線部32a,32b,32c,32dを各頭頂部で径方向に距離dだけシフトさせているので、互いに干渉することなく、周方向に1スロットピッチで配列される。そして、48個の巻線体32を周方向に1スロットピッチで配列し、図32に示される巻線アッセンブリ31が組み立てられる。この巻線アッセンブリ31では、径方向に1列に並んだ8本の第1から第4直線部32a,32b,32c,32dが、1スロットピッチで周方向に48列配列される。そして、径方向に1列に並んだ8本の第1から第4直線部32a,32b,32c,32dの各列が、スロット13のそれぞれに収納される。
 つぎに、巻線アッセンブリ31の組み立て方法について図を参照しつつ説明する。図41から図43はそれぞれこの発明の実施の形態2に係る回転電機における巻線アッセンブリの組み立て方法を説明する斜視図、図44から図48はそれぞれこの発明の実施の形態2に係る回転電機における巻線アッセンブリの組み立て方法を説明する模式図である。
 まず、導体線19をδ状のコイルパターンに連続して2回巻き回して巻線体32を作製する。ここで、説明の便宜上、巻線体32を組み付け順に巻線体321、巻線体322、巻線体323、巻線体3247、巻線体3248とする。
 そして、図41および図44に示されるように、1番目および2番目の巻線体321,322を軸方向高さ位置を揃えて周方向に隣接させる。ついで、図42および図45に示されるように、2番目の巻線体322の外径側の第2直線部32bを、1番目の巻線体321の第4直線部32d間に差し込む。ついで、2番目の巻線体322の第2直線部32bが、1番目の巻線体321の第2直線部32bから1スロットピッチ(1スロット間の角度)離間した位置となるまで、2番目の巻線体322を周方向に移動させる。これにより、2つの巻線体321,322が、図43および図46に示されるように、組み立てられる。2つの巻線体321,322の組立体は、巻線体322の導体線19が巻線体321の導体線19間の隙間に入り込み、径方向に重なり合い、剛性が高まる。
 ついで、図47に示されるように、3番目の巻線体323を巻線体321,322の組立体に軸方向高さ位置を揃えて周方向に隣接させる。ついで、図48に示されるように、3番目の巻線体323の外径側の第2直線部32bを、巻線体321,322の第4直線部32d間に差し込む。ついで、3番目の巻線体323の第2直線部32bが、2番目の巻線体322の第2直線部32bから1スロットピッチ(1スロット間の角度)離間した位置となるまで、3番目の巻線体323を周方向に移動させる。これにより、3つの巻線体321,322,323が、組み立てられる。
 そして、上記実施の形態1と同様に、巻線体32を順次、軸方向高さ位置を揃え、周方向に移動させて、48個の巻線体32を組み付け、円環状の巻線アッセンブリ31が組み立てられる。ついで、上記実施の形態1と同様に、48個の鉄心ブロック12が巻線アッセンブリ31に装着される。さらに、巻線アッセンブリ31を結線して固定子巻線30を構成し、固定子10Aが作製される。
 このように構成された回転電機100Aでは、導体線19をδ状のコイルパターンに連続して2回巻き回して作製された巻線体32を周方向に1スロットピッチで配列して構成された巻線アッセンブリ31により固定子巻線30が構成されている。巻線体32は、導体線19の長方形断面の短辺の長さ方向に2層に配列された巻線体22を渡り線33で連結して構成される巻線体と等価である。したがって、この実施の形態2においても、上記実施の形態1と同様の効果を奏する。特に、巻線体32は、第1から第3コイルエンド部32e,32f,32gおよび渡り線33の頭頂部を径方向に第1から第4直線部32a,32b,32c,32dの径方向寸法に略等しい隙間dだけシフトするように構成されているので、特許文献1に記載の固定子巻線に比べて、頭頂部での曲げ半径が小さくなる。そこで、コイルエンドの径方向および軸方向の寸法が小さくなり、回転電機100Aの小型化を実現できる。
 つぎに、固定子巻線30の絶縁構造について説明する。図49はこの発明の実施の形態2に係る回転電機の固定子において3つの巻線体が同一スロット群に装着された状態を第1コイルエンド側から見た模式図、図50はこの発明の実施の形態2に係る回転電機の固定子において第1コイルエンド側の絶縁紙の配置を説明する模式図、図51は従来の回転電機の固定子において固定子巻線が装着された状態を第1コイルエンド側から見た模式図、図52は従来の回転電機の固定子において第1コイルエンド側の絶縁紙の配置を説明する模式図、図53はこの発明の実施の形態2に係る回転電機の固定子において3つの巻線体が同一スロット群に装着された状態を第2コイルエンド側から見た模式図、図54はこの発明の実施の形態2に係る回転電機の固定子において第2コイルエンド側の絶縁紙の配置を説明する模式図である。
 図49において、第1コイルエンド側では、3つの巻線体32が共有する1つのスロット13に着目すれば、2番目の巻線体322の第1コイルエンド部32eがスロット13の内径側から1層目から周方向一側に延び出し、3番目の巻線体323の第1コイルエンド部32eがスロット13の内径側から2層目から周方向他側に延び出し、2番目の巻線体322の第3コイルエンド部32gがスロット13の内径側から3層目から周方向他側に延び出し、1番目の巻線体321の第3コイルエンド部32gがスロット13の内径側から4層目から周方向一側に延び出している。さらに、2番目の巻線体322の第1コイルエンド部32eがスロット13の内径側から5層目から周方向一側に延び出し、3番目の巻線体323の第1コイルエンド部32eがスロット13の内径側から6層目から周方向他側に延び出し、2番目の巻線体322の第3コイルエンド部32gがスロット13の内径側から7層目から周方向他側に延び出し、1番目の巻線体321の第3コイルエンド部32gがスロット13の内径側から8層目から周方向一側に延び出している。
 図49から、スロット13の2層目と3層目の第1および第3コイルエンド部32e,32gがスロット13から周方向の同じ方向に延び出していることがわかる。同様に、スロット13の4層目と5層目の第1および第3コイルエンド部32e,32gがスロット13から周方向の同じ方向に延び出し、6層目と7層目の第1および第3コイルエンド部32e,32gがスロット13から周方向の同じ方向に延び出していることがわかる。つまり、第1コイルエンドの2層目と3層目、4層目と5層目、および6層目と7層目では、同じ相のコイルエンド部が径方向に隣り合って配置され、コイルエンド部間の電位差は小さい。
 図49から、スロット13の1層目と2層目の第1コイルエンド部32eがスロット13から周方向の逆の方向に延び出し、スロット13の3層目と4層目の第3コイルエンド部32gがスロット13から周方向の逆の方向に延び出し、スロット13の5層目と6層目の第1コイルエンド部32eがスロット13から周方向の逆の方向に延び出し、スロット13の7層目と8層目の第3コイルエンド部32gがスロット13から周方向の逆の方向に延び出していることがわかる。つまり、第1コイルエンドの1層目と2層目、3層目と4層目、5層目と6層目および7層目と8層目では、異なる相のコイルエンド部が径方向で交差し、コイルエンド部間の電位差が大きくなる。
 これらのことから、第1コイルエンドにおいては、1層目と2層目の第1コイルエンド部32e間、3層目と4層目の第3コイルエンド部32g間、5層目と6層目の第1コイルエンド部32e間、7層目と8層目の第3コイルエンド部32g間の絶縁の耐圧を高める必要がある。そこで、導体線19の絶縁被膜を同相のコイル間の電位差により絶縁破壊が起きないような厚みとし、図50に示されるように、絶縁紙18を1層目と2層目の第1コイルエンド部32e間、3層目と4層目の第3コイルエンド部32g間、5層目と6層目の第1コイルエンド部32e間、7層目と8層目の第3コイルエンド部32g間に配置して、絶縁性能を確保する。これにより、導体線19の絶縁被膜が過度に厚くならず、スロット13内の占積率の低下を抑制できる。
 ここで、特許文献2の回転電機では、固定子巻線が波巻き巻線で構成されているので、図51に示されるように、コイルエンド部25はスロット13の1層目、3層目、5層目および7層目から周方向一側に延び出し、2層目、4層目、6層目および8層目から周方向他側に延び出している。そして、コイルエンドの各層間で異なる相のコイルエンド部25が径方向に交差し、コイルエンド部25間の電位差が大きくなる。そこで、図52に示されるように、コイルエンドの各層間に絶縁紙18を配設し、相間の絶縁を確保する必要がある。
 したがって、実施の形態2によれば、特許文献2に対して、第1コイルエンドの2層目と3層目の間、4層目と5層目の間、6層目と7層目の間に配設される絶縁紙18が不要となり、その分第1コイルエンドの径方向寸法を小さくすることができる。
 また、第2コイルエンド側では、図53に示されるように、3つの巻線体32が共有する1つのスロット13に着目すれば、3番目の巻線体323の第1コイルエンド部32eがスロット13の内径側から2層目および6層目から周方向一側に延び出し、2番目の巻線体322および1番目の巻線体321の第2コイルエンド部32fがスロット13の内径側から3層目、4層目および7相目から周方向他側に延び出し、2番目の巻線体322の第2コイルエンド部32fがスロット13の内径側から5層目から周方向一側に延び出している。
 このように、第2コイルエンド側では、異なる巻線体32の第2コイルエンド部32fがスロット13の内径側から2層目と3層目から周方向の逆側に延び出している。同様に、異なる巻線体32の第2コイルエンド部32fがスロット13の内径側から4層目と5層目から、および6層目と7層目から周方向の逆側に延び出している。つまり、第2コイルエンドの2層目と3層目の間、4層目と5層目の間、および6層目と7層目の間では、異なる相の第2コイルエンド部32fが径方向で交差し、コイルエンド部間の電位差が大きくなる。
 これらのことから、第2コイルエンドにおいては、2層目と3層目の第2コイルエンド部32f間、4層目と5層目の第2コイルエンド部32f間、6層目と7層目の第2コイルエンド部32f間の絶縁の耐圧を高める必要がある。そこで、図54に示されるように、絶縁紙18を2層目と3層目の第2コイルエンド部32f間、4層目と5層目の第2コイルエンド部32f間、6層目と7層目の第2コイルエンド部32f間に配置して、絶縁性能を確保する。
 したがって、実施の形態2によれば、特許文献2に対して、第2コイルエンドの1層目と2層目の間、3層目と4層目の間、5層目と6層目、7層目と8層目の間に配設される絶縁紙18が不要となり、その分第2コイルエンドの径方向寸法を小さくすることができる。
 ここで、実施の形態2では、巻線体32が導体線19をδ状のコイルパターンを連続して2回巻き回して作製されているが、導体線をδ状のコイルパターンを3回以上巻き回して巻線体を作製してもよい。つまり、巻線体は、δ状のコイルパターン(巻線体22)を径方向に3層以上配列し、3つのδ状のコイルパターンの巻線端間を渡り線で連結して一続きに構成してもよい。
 なお、上記各実施の形態では、巻線体が長方形断面の導体線で作製されているものとしているが、巻線体を構成する導体線の断面形状は、長方形に限定されず、例えば円形断面の導体線を用いてもよい。
 また、上記各実施の形態では、第1から第4直線部が長方形断面の長辺の長さ方向を周方向に向けてスロット内に径方向に1列に配列されているものとしているが、第1から第4直線部は長方形断面の短辺の長さ方向を周方向に向けてスロット内に径方向に1列に配列してもよい。
 また、上記各施の形態では、巻線体の巻線端の溶接部間の絶縁について、何ら記載していないが、例えば溶接部に電気絶縁性樹脂を塗布すればよい。また、導体線が絶縁被覆されているので、第1から第4直線部と固定子鉄心との間の絶縁については問題ないが、例えば、絶縁紙などを第1から第4直線部とスロット内周面との間に介装させれば、第1から第4直線部と固定子鉄心との間の絶縁性が確実に確保される。
 また、上記各実施の形態では、インナーロータ型の電動機ついて説明しているが、本発明をアウターロータ型の電動機に適用しても、同様の効果を奏する。
 また、上記各実施の形態では、本願を電動機に適用した場合について説明しているが、本願を発電機に適用しても、同様の効果を奏する。
 また、上記各実施の形態では、8極48スロットの回転電機について説明しているが、極数およびスロット数は、8極48スロットに限定されないことは言うまでもないことである。また、スロット数が毎極毎相当たり2の割合で形成されているものとしているが、毎極毎相当たりのスロット数は2に限定されず、1でもよく、3以上でもよい。
 また、上記各実施の形態では、スロット数が毎極毎相当たり2の割合で形成され、巻線体の第1および第2直線部間の間隔を6スロット角度間隔として固定子巻線を全節巻きに構成するものとしているが、巻線体の第1および第2直線部間の間隔は、6スロット角度間隔に限定されない。例えば、巻線体の第1および第2直線部間の間隔を5スロット角度間隔とすれば、固定子巻線を短節巻きに構成することができる。

Claims (5)

  1.  スロットが周方向に配列された円環状の固定子鉄心と、上記固定子鉄心に装着された固定子巻線と、を備えた回転電機の固定子において、
     上記固定子巻線は、それぞれ、絶縁被覆された、かつ接続部のない連続した導体線を巻き回して作製され、周方向にnスロット角度間隔(但し、nは2以上の自然数)で並ぶ第1スロット、第2スロットおよび第3スロットに装着されて、周方向に1スロットピッチで配列された複数の巻線体を備え、
     上記巻線体は、上記導体線を、上記第1スロット、上記第2スロット、上記第3スロット、上記第2スロットの順に、かつ上記第1スロット、上記第2スロットおよび上記第3スロットへの軸方向からの挿入方向を交互に変えて挿入して形成されたδ状のコイルパターンを、径方向にm回(但し、mは1以上の自然数)繰り返して巻き回して構成されていることを特徴とする回転電機の固定子。
  2.  上記巻線体は、上記第1スロット、上記第2スロットおよび上記第3スロットに収納される直線部と、上記直線部の端部間を連結するコイルエンド部と、を備え、上記直線部の上記第1スロット、上記第2スロットおよび上記第3スロット内の径方向における収納位置が、上記第1スロット、上記第2スロット、上記第3スロット、上記第2スロットの順に、上記直線部の径方向厚み分、径方向の一側に順次シフトしていることを特徴とする請求項1記載の回転電機の固定子。
  3.  上記直線部は、上記スロットのそれぞれに1列に配列して4ラm層に収納され、
     上記スロットに収納された、隣り合う層の上記直線部から周方向に延び出る上記コイルエンド部の方向が、径方向に、同方向と逆方向とを交互に繰返されていることを特徴とする請求項2記載の回転電機の固定子。
  4.  上記スロットに収納された上記直線部から周方向に延び出る上記コイルエンド部により構成されるコイルエンドにおいて、絶縁紙が、上記スロットに収納された、隣り合う層の上記直線部から周方向に延び出る上記コイルエンド部の方向が逆方向のコイルエンド部間のみに配設されていることを特徴とする請求項3記載の回転電機の固定子。
  5.  上記スロットに収納された上記直線部から周方向に延び出る上記コイルエンド部により構成されるコイルエンドにおいて、
     第1の絶縁紙が、上記スロットに収納された、隣り合う層の上記直線部から周方向に延び出る上記コイルエンド部の方向が逆方向のコイルエンド部間に配設され、
     上記第1の絶縁紙より薄い第2の絶縁紙が、上記スロットに収納された、隣り合う層の上記直線部から周方向に延び出る上記コイルエンド部の方向が同方向のコイルエンド部間に配設されていることを特徴とする請求項3記載の回転電機の固定子。
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