WO2014097663A1

WO2014097663A1 - 逆止弁ユニット及び逆止弁ユニットを備える構造体

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Publication number: WO2014097663A1
Application number: PCT/JP2013/063167
Authority: WO
Inventors: 正典反本
Original assignee: 株式会社テクノクラーツ
Priority date: 2012-12-20
Filing date: 2013-05-10
Publication date: 2014-06-26
Also published as: WO2014097690A8; WO2014098126A1; WO2014098121A1; WO2014097690A1; JP2014139091A; WO2014097682A1

Abstract

　製造及び取付が容易で適用範囲が広く、シール性能に優れる逆止弁ユニット、該逆止弁ユニットを備える構造体を提供する。　弁孔２１を備える基台１１と前記弁孔２１を開閉自在に前記基台１１に重ねられたフィルム３１とで構成され、基台１１側からフィルム３１側への一方向のみ流体を通過させる逆止弁を備える逆止弁ユニット１であって、基台１１は、弁孔２１が設けられフィルム３１が重ねられる弁部２４と、該逆止弁ユニット１を被取付部に取付けるための取付部とを有し、弁部２４は、フィルム３１が被取付部に接触しないように取付部とは重複しない領域に設けられている。

Description

逆止弁ユニット及び逆止弁ユニットを備える構造体

　本発明は、基台と基台に重ねられたフィルムとで構成される逆止弁を備える逆止弁ユニットと、該逆止弁ユニットを備える構造体に関する。

　醤油のような液体の注出容器として、液体を酸化させることなく収容するセルフシール逆止ノズルを備えるフレキシブル包装袋が開発されている。このセルフシール逆止ノズルは、一対のプラスチックフィルムを対面させ、液体を介在させ毛管作用によりプラスチックフィルムを密着させることで外気の侵入を防止する（例えば特許文献１参照）。

　同様に、液体を収容する容器本体への外気の侵入を防止しつつ、収容する液体を注出可能な容器として、平面視において互いに重複しない位置に弁孔を有する２枚の薄膜状の弁体を重ねて構成される逆止弁を備えた注出容器も開発されている（例えば特許文献２、３参照）。

特開２０１１－１４８５３８号公報特開２０１１－１１１２０２号公報特開２０１１－１１６３７８号公報

　特許文献１から３に代表されるような薄膜体で構成される逆止弁を備える注出容器は種々あるが、逆止弁と注出容器とが一体的に形成されており、異なる種類の注出容器に転用することが難しい。幅広い種類の注出容器、さらには注出容器に限らず、流体が移動又は滞留するあらゆる構造体に容易に取付可能で、シール性能を十分に確保した逆止弁は、適用範囲やコストの面で非常に有利であるが、このような逆止弁は未だ開発されていない。

　本発明の目的は、製造及び取付が容易で適用範囲が広く、シール性能に優れる逆止弁ユニット、該逆止弁ユニットを備える構造体を提供することである。

　本発明は、弁孔を備える基台と前記弁孔を開閉自在に前記基台に重ねられたフィルムとを有し、前記基台側から前記フィルム側への一方向のみ流体を通過させる逆止弁を備える逆止弁ユニットであって、前記基台は、前記弁孔が設けられ前記フィルムが重ねられる弁部と、該逆止弁ユニットを被取付部に取付けるための取付部とを有し、前記弁部は、前記フィルムが前記被取付部に接触しないように前記取付部とは重複しない領域に設けられていることを特徴とする逆止弁ユニットである。

　本発明によれば、逆止弁がユニット化され、基台には、該逆止弁ユニットを被取付部に取付けるための取付部が設けられているので、種々の注出容器や配管、タンクの開口部等、流体が移動又は滞留するあらゆる構造体に容易に取付けて使用することができる。なお、取付部は、被取付部の形状等に合わせて任意の領域に設けられる。また本発明の逆止弁ユニットは、フィルムが重ねられる領域である弁部が取付部とは重複しない領域に設けられているので、取付時にフィルムが被取付部に接触せず、噛み込み等によるフィルムの変形又は損傷を回避することができ、逆止弁のシール性能を安定的に確保することができる。基台に対してフィルムを、弁孔を開閉自在に重ねる方法は、特定の方法に限定されるものではなく、吐出経路が形成されるようにフィルムを基台に溶着、あるいは接着剤等を用い接着し重ねる方法、吐出経路が形成されるようにフィルムを基台とリング、あるいはフィルム挟持具などで挟持し重ねる方法、吐出経路が形成されるようにフィルムを基台とリング、あるいはフィルム挟持具などで挟持しさらに接着して重ねる方法等がある。また本発明の逆止弁ユニットは、構造が簡単であり製造も容易である。

　また本発明において、前記基台は、前記取付部の一部を構成する、前記被取付部の内周に嵌り込む凸部を備えることを特徴とする。

　本発明によれば、本発明の逆止弁ユニットは、被取付部の内周部に嵌り込む凸部を備えるので、取付時の逆止弁ユニットの位置決めが容易であり、被取付部に確実に取付けることができる。これにより取付時の噛み込み等によるフィルムの変形又は損傷を確実に回避することができる。また凸部を被取付部の内周に圧入又は接着することで、該凸部を介して逆止弁ユニットを被取付部と気密性を有した状態で取付けることができる。

　また本発明において、前記基台は、前記フィルムが重ねられた面の周縁部に前記フィルムの上面よりも高い段差部を有し、前記弁部は、前記段差部の上面とは重複しない領域に設けられていることを特徴とする。

　本発明によれば、基台は、フィルムが重ねられた面の周縁部にフィルムの上面よりも高い段差部を備えるので、逆止弁ユニットの取付時に、噛み込み等によるフィルムの変形又は損傷を確実に回避することができる。またキャップを装着して使用する容器本体に本発明の逆止弁ユニットを取付けて使用する場合は、段差部によってキャップの天井面とフィルムの上面との間に一定の間隔が形成される。これにより開弁時のフィルムの浮き上がりを前記間隔内に規制することができるので、段差部の高さを適切に設定することで、開弁時のフィルムの過剰な浮き上がりによる損傷、残留ひずみによるシール性能の低下を防止することができる。

　また本発明の逆止弁ユニットは、前記基台の前記フィルムが重ねられた面の周縁部に取付けられたリングを有し、前記リングが前記段差部を形成することを特徴とする。

　本発明によれば、リングによって前記段差部を形成することができるので、段差部を簡単に設けることができる。

　また本発明において、前記リングは、前記基台とで前記フィルムを挟持した状態で前記基台に取付けられていることを特徴とする。

　本発明によれば、リングは、基台とでフィルムを挟持して基台に取付けられるので、逆止弁ユニットは、例えば、フィルムを挟持した状態でリングを基台に接着し、その後フィルムを基台の外形に沿って裁断する方法等で容易に製造可能である。

　また本発明の逆止弁ユニットは、前記基台とで前記フィルムを挟持するように前記基台に取付けられたフィルム挟持具を有することを特徴とする。

　本発明によれば、基台とでフィルムを挟持するように基台に取付けられるフィルム挟持具を備えるので、逆止弁ユニットは、基台にフィルムを被せてフィルム挟持具を取付けるだけで容易に製造可能である。

　また本発明の逆止弁ユニットは、さらに流体を排出する排出口を有し、前記フィルムの上面を覆うように前記基台、前記リング又は前記フィルム挟持具に取付けられたカバーを有し、前記カバーは、天井面が前記フィルムの上面と一定の間隔を有することを特徴とする。

　本発明によれば、逆止弁ユニットは、カバーを備え、フィルムはカバーと基台とで取り囲まれているので物にぶつかっても損傷の恐れがなく、さらに人の指などがフィルムに接触する恐れがないので衛生面においても好ましい。またカバーの天井面がフィルムの上面と一定の間隔を有しているので、開弁時のフィルムの浮き上がりを前記間隔内に規制することができ、天井面の高さを適切に設定することで、開弁時のフィルムの過剰な浮き上がりによる損傷、残留ひずみによるシール性能の低下を防止することができる。

　また本発明において、前記カバーは、前記基台とで前記フィルムを挟持した状態で前記基台、前記リング又は前記フィルム挟持具に取付けられていることを特徴とする。

　本発明によれば、カバーは、基台とでフィルムを挟持して基台、リング又はフィルム挟持具に取付けられるので、逆止弁ユニットは、例えば、フィルムを挟持して係合や嵌合等の方法でカバーを基台に組み付けてフィルムを重ねる方法、又はフィルムを挟持してカバーを基台に接着し、その後フィルムを基台の外形に沿って裁断する方法等で容易に製造可能である。

　また本発明において、前記基台と、前記リング、前記フィルム挟持具又は前記カバーとには、前記取付部とは重複しない領域でかつ、前記フィルムを挟持する面の継ぎ目となる互いの周縁部に接着時に発生するバリの逃げ溝が設けられ、前記継ぎ目において少なくとも前記基台と、前記リング、前記フィルム挟持具又は前記カバーとが接着されることを特徴とする。

　本発明によれば、フィルムを挟持する面の継ぎ目となる周縁部に逃げ溝が設けられ、継ぎ目において接着されるので、接着時に発生するバリが逆止弁ユニットの外形面から突出することを防止することができる。また継ぎ目において接着（溶着）されるので、基台とリング、フィルム挟持具又はカバーとにおいて接着（溶着）時の溶解による寸法収縮が防止され、逆止弁ユニットを被取付部に取付ける際の寸法管理が容易となり、被取付部とのシール不良を防止することができる。

　また本発明において、前記取付部は、前記基台に代えて、前記基台、前記リング、前記フィルム挟持具、又は前記カバーのうち少なくともいずれか一つ以上に設けられていることを特徴とする。

　本発明において、前記取付部は、前記フィルムが重ねられた面に直交するように、又は前記フィルムが重ねられた面に対して角度を有するように設けられていることを特徴とする。

　本発明によれば、取付部は、フィルムが重ねられた面に直交するように、又はフィルムが重ねられた面に対して角度を有するように設けられているので、逆止弁ユニットを容易に縦長の形状とすることができる。容器本体の口部が細い場合、通常の逆止弁では、流体の入口である弁孔と流体の出口である吐出口との距離を長くとることができないためシール性能が低下し易い。これに対して本発明の逆止弁ユニットは、縦長の形状とすることができるので、弁孔と吐出口との距離を長くし、逆止弁のシール性能を確保することができる。

　また本発明において、前記取付部は、前記被取付部に気密状態で取付け可能なことを特徴とする。

　また本発明の逆止弁ユニットは、前記取付部に設けられたシール手段、前記取付部と前記被取付部との間に介装されたシール手段、又は前記被取付部に設けられたシール手段のうち少なくともいずれか１のシール手段により前記取付部が、前記被取付部に気密状態で取付けられていることを特徴とする。

　本発明によれば、逆止弁ユニットは、シール手段を介して被取付部に取付けられるので、取付部からの液漏れや、外部流体の侵入を確実に防止することができる。

　また本発明において、前記基台、前記リング、前記フィルム挟持具又は前記カバーのうち少なくとも一つは、前記被取付部に設けられた連結部に連結する連結手段を備え、前記連結手段を介して逆止弁ユニットを前記被取付部に直接連結可能なことを特徴とする。

　本発明によれば、基台、リング、フィルム挟持具又はカバーのうち少なくとも一つは、被取付部に連結する、例えば、螺子やスナップフィットのような連結手段を備えるので、逆止弁ユニットを直接、被取付部に取付可能であり適用範囲が非常に広い。

　また本発明において、逆止弁ユニットは、前記取付部を介して容器、装置、機器の本体又は付属品、又は配管の前記被取付部に取付けて使用されることを特徴とする。

　また本発明は、前記逆止弁ユニットを備える構造体であり、前記構造体が、スパウト、キャップ、容器本体又は注出容器であることを特徴とする構造体である。

　本発明の逆止弁ユニットは、製造及び取付けが容易でシール性能に優れる。このような逆止弁ユニットを備えるスパウト、キャップ、容器本体又は注出容器は、空気との接触を嫌う調味料、染毛剤、化粧料等の注出容器や醤油差し等に好適に使用することができる。

　さらに本発明の逆止弁ユニットは、フィルムが重ねられる弁部と該逆止弁ユニットを被取付部に取付けるための取付部とが重複しないように構成され、取付時にフィルムが噛み込まれる恐れがないので、上記のような注出容器に限定されず、例えば、管路やタンクの開口部、可撓性のあるチューブ等、流体が移動又は滞留するあらゆる構造体に逆止弁の性能を損なうことなく容易に取付けることができる。

本発明の第１実施形態の逆止弁ユニット１を取付面１８６を有する流路１８０に取付けた要部断面図である。図１の逆止弁ユニット１を取付面を有しない流路１８１に取付けた要部断面図である。図１の逆止弁ユニット１の平面視における上面取付部２３と弁部２４との位置関係を示す図である。図１の逆止弁ユニット１を取付けた注出容器７０の要部断面図である。蛇腹構造の容器本体７２の半断面図である。図１の逆止弁ユニット１を接着したスパウト１０１の断面図である。図１の逆止弁ユニット１を接着したプルリング１１５付のスパウト１０２の断面図である。図１の逆止弁ユニット１を接着したチューブ付容器１７０の要部断面図である。図１の逆止弁ユニット１を接着した鍔部１７４を有するチューブ付容器１７３の要部断面図である。本発明の第２実施形態の逆止弁ユニット２を取付けた注出容器７０の要部断面図である。本発明の第３実施形態の逆止弁ユニット３を取付けた注出容器７８の要部断面図である。本発明の第４実施形態の逆止弁ユニット４を取付けた注出容器７８の要部断面図である。本発明の第５実施形態の逆止弁ユニット５を取付けた注出容器７０の要部断面図である。本発明の第５実施形態の逆止弁ユニット５を取付けた注出容器７８の要部断面図である。本発明の第６実施形態の逆止弁ユニット６を取付けた注出容器７８の要部断面図である。本発明の第７実施形態の逆止弁ユニット７を取付けた注出容器７９の要部断面図である。本発明の第８実施形態の逆止弁ユニット８を取付けた注出容器８０の要部断面図である。本発明の第９実施形態の逆止弁ユニット９を取付けた容器本体７１の要部断面図である。本発明の第１０実施形態の逆止弁ユニット１０を取付けた注出容器８０の要部断面図である。図１９の注出容器８０の平面図である。本発明の第１１実施形態の逆止弁ユニット１６の側面視における断面図である。図２１の逆止弁ユニット１６の平面視における断面図である。本発明の第１２実施形態の逆止弁ユニット１８の断面図である。本発明の第１３実施形態の逆止弁ユニット１５１の断面図である。本発明の第１４実施形態の逆止弁ユニット１５３の断面図である。フィルム挟持具を用いた逆止弁ユニットの変形例を示す要部断面図である。本発明の第５実施形態の逆止弁ユニット５をパッキン４３を介装させて取付けた注出容器７８の要部断面図である。本発明の第１５実施形態の逆止弁ユニット１０３をＯリング４４を介装させて取付けた流路１８１の要部断面図である。図１の逆止弁ユニット１の基台１１の取付部にシール手段としてシール部を設けた変形例を示す要部断面図である。図１の逆止弁ユニット１を取付けた、キャップ１９０にシール部を設けた注出容器１７５の要部断面図である。本発明の第１６実施形態の逆止弁ユニット１０５の平面視における溝１２１の形成要領を示す図である。本発明の第１７実施形態の逆止弁ユニット１０７の平面視における溝１２２の形成要領を示す図である。

　図１は、本発明の第１実施形態の逆止弁ユニット１を取付面１８６を有する流路１８０に取付けた要部断面図である。図２は、図１の逆止弁ユニット１を取付面を有しない流路１８１に取付けた要部断面図である。図３は、図１の逆止弁ユニット１の平面視における上面取付部２３と弁部２４との位置関係を示す図である。

　本発明の第１実施形態の逆止弁ユニット１は、逆止弁をユニット化して取付けを容易にしたものであり、弁孔２１を有する基台１１と、基台１１に接着され吐出孔３７を形成する薄膜のフィルム３１とで構成され、弁孔２１から吐出口３７への一方向のみ流体を流通させる。

　逆止弁ユニット１は、後述する流路の途中、注出容器、スパウト又はチューブ付容器の他、流路の端部、タンクの開口部等に取付けて使用されるが、特定の取付先に限定して使用されるものではない。逆止弁ユニット１は、容器、空隙、空洞、管内等の流体が滞留又は移動する空間において流体を隔てるように取付けられ流体の移動を一方向に制御する。また逆止弁ユニットによって隔てられる流体のうち少なくとも一方が大気であってもよい。

　基台１１は、弁孔２１を有する円板であり、合成樹脂材からなる。但し、材質は特定の材質に限定されるものではなく、合成樹脂の他、例えば金属、ガラス、炭素、焼結材、木材等が例示され、これらの複合材や、蒸着、塗布、メッキ、金属箔等により表面を金属で被覆した材料等でもよく、用途、内容物等に応じて適宜選択して使用することができる。

　基台１１は、変形し難い剛性を有することを基本形とするが、フィルム３１よりも剛性が大きく、逆止弁ユニット１の開弁時にはフィルム３１が基台１１から浮き上がるように、かつ逆止弁ユニット１の閉弁時にはフィルム３１が基台１１に密着する剛性を有していれば剛性の大きさは特に問われない。基台１１の厚さも特定の厚さに限定されるものではない。

　基台１１の上面には、弁孔２１を内包し、フィルム３１が重ねられる弁部２４が確保されている。また基台１１上の弁部２４を除いた任意の領域が逆止弁ユニット１の取付時に被取付部に当接する取付部となる。取付部の範囲は、被取付部の形状等によって異なり、弁部２４を除いた範囲であれば特定の範囲に限定されるものではない。

　なお第１実施形態の逆止弁ユニット１においては、説明の便宜上、基台１１の下面、上面及び側面に位置する取付部をそれぞれ下面取付部２２、上面取付部２３及び側面取付部３０とする。第１実施形態の逆止弁ユニット１では、下面取付部２２及び上面取付部２３は、それぞれ基台１１の下面周縁部及び上面周縁部であり、側面取付部３０は、基台１１の側面である。

　基台１１の下面取付部２２、上面取付部２３及び側面取付部３０の平面度、面粗度、形状等は、当接箇所の気密状態を確保可能に被取付部に応じて適宜決められる。なお逆止弁ユニット１を後述するパッキン等のシール手段を介して取付けてもよく、このときには下面取付部２２、上面取付部２３及び側面取付部３０の平面度、面粗度、形状等の条件を緩和することができる。

　フィルム３１は、薄膜状で弾性を有する円形フィルムであり、例えば合成樹脂製のストレッチフィルムを用いることができる。この他のフィルム３１の材料として薄膜の金属製フィルム、炭素製フィルム、ガラス製フィルム等が例示されるが、特定の材料に限定されるものではなく、用途、内容物等に応じて適宜選択して使用することができる。フィルム３１は、基台１１の弁部２４に包含され、かつ弁孔２１を包含可能な大きさであり、吐出口３７となる外周の一部と、弁孔２１から吐出口３７への吐出経路３９とを除いて基台１１の弁部２４内に弁孔２１を包含するように接着される。

　なおフィルム３１の形状は、特定の形状に限定されるものではなく、例えば、後述する弓形や矩形等でもよく、基台１１の弁部２４に包含され（基台１１の取付部と重複せず）、かつ弁孔２１を包含可能であればよい。

　また吐出口３７の形成方法は、特定の方法に限定されるものではなく、例えば、後述する予め吐出孔が穿設されたフィルムを用いてもよい。

　吐出経路３９は、弁孔２１から吐出口３７へ直線状となるようにフィルム３１を弁部２４に接着して形成されているが、これに限定されるものではなく、例えば、分岐や集合等の経路を形成してもよく、弁孔２１から吐出口３７へ流体を流通可能であればよい。吐出経路３９は、例えば、吐出口３７を除いてフィルム３１の周縁部を弁部２４に接着し、平面視において円形に形成されていてもよい。

　フィルム３１は、基本的に逆止弁ユニット１の使用時に基台１１側の圧力がフィルム３１側の圧力よりも低いときには基台１１に密着して逆止弁を閉弁させ、基台１１側の圧力がフィルム３１側の圧力よりも高いときには基台１１から浮き上がり、逆止弁を開弁させる。またフィルム３１は、基台１１との間に液体が介在すると毛管吸引力が働くように接着される。

　吐出口３７は、基台１１の弁孔２１に対して基台１１の中心を挟んで反対側に配置される。弁孔２１から吐出口３７までの距離が短いと、フィルム３１が基台１１に密着して逆止弁が閉弁するよりも先に流体が逆流する恐れがあるが、上記のように吐出口３７を配置すると、弁孔２１から吐出口３７までの距離を長くとることができるため好ましい。但し、吐出口３７と弁孔２１との位置関係は、これに限定されるものではなく、逆止弁ユニット１の大きさ、内容物、用途等に応じて適宜決定することができる。なお、吐出口３７と弁孔２１とは、一部分でも重複してはいけないことは当然である。

　逆止弁ユニット１は、一方に取付面１８６を有する２つの構造体１８３、１８４からなる流路１８０の途中に取付けられる際には、２つの構造体１８３、１８４に挟持され、上面取付部２３が片側の構造体１８４の取付面１８６に気密可能に当接して密着し、下面取付部２２がもう一方の構造体１８３の端面１８５に気密可能に当接して密着し、該当接箇所からの流体の出入りを防止するとともに、流路１８０上の流体の流れを一方向に制御する。

　また逆止弁ユニット１は、取付面を有しない１つの構造体１８７からなる流路１８１の途中に取付けられる際には、圧入や接着等の手段により取付けられ、側面取付部３０が構造物１８７の内壁面１８８に気密可能に当接して密着し、該当接箇所からの流体の出入りを防止するとともに、流路１８１上の流体の流れを一方向に制御する。

　上記のように構成され使用される第１実施形態の逆止弁ユニット１は、フィルム３１が重ねられる弁部２４と被取付部に当接する取付部（下面取付部２２、上面取付部２３及び側面取付部３０）とが重複しないので、取付時にフィルム３１が被取付部に噛み込まれて変形又は損傷することがない。また本発明の逆止弁ユニット１は、構成が単純なので、製造が容易であり、適用範囲が非常に広い。なお図１及び図２では、流路１８０、１８１の途中に逆止弁ユニット１を取付ける例を示したが、これに限定されるものではなく、逆止弁ユニット１は、流路の端部や流体を収容する容器の入口部、出口部又はその他の開口部等にも容易に取付けて使用することができる。

　次に第１実施形態の逆止弁ユニット１を一般的な注出容器に取付けて使用する場合を例示する。図４は、図１の逆止弁ユニット１を取付けた注出容器７０の要部断面図である。図５は、蛇腹構造の容器本体７２の半断面図である。

　注出容器７０は、内容物８１を収容する容器本体７１と、キャップ９０とで構成される一般的な注出容器である。ここで使用可能な容器本体７１は、特定の容器に限定されるものではなく、例えば市販のペットボトル等のプラスチック容器、液体紙容器、パウチ容器、ラミネートチューブのようなチューブ状容器又は金属箔包装容器等を使用可能である。また注出容器７０は、用途に応じて逆止弁ユニット１を予め組込んだ専用容器として製造してもよい。

　逆止弁ユニット１は、容器本体７１内への外部の流体８３の侵入を防止するために、フィルム３１が容器本体７１の外側に位置する向きで流体の出入口である容器本体７１の口部７３に取付けられる。

　容器本体７１は、ペットボトル容器などで見られるような丸味を帯びた肩部の先端に口部７３が設けられている。口部７３の外周面には、通常の液体注出容器と同様に、キャップ９０が螺合する雄ねじ７５が設けられている。ここでは、肩部の先端に口部７３が設けられた容器を示したが、内容物に応じた容器本体を使用することが可能であり、形状、構造も上記のように特定のものに限定されるものではない。

　また本件出願人が出願した特願２０１２－１０１９４０に記載の形状復元性により容器本体内が強制的に減圧となる、例えば図５に示すような蛇腹を備える容器本体７２、さらには特開２０１１－２３０８４０号公報に記載のような２重構造の容器本体（図示省略）など幅広い容器に使用することができる。

　容器本体７１の材質も特定のものに限定されるものではない。収容する内容物によっては、熱安定性、紫外線による劣化防止、帯電防止等が要求される。このような場合には、適宜、要求される仕様に適した材料を使用して容器本体を形成すればよい。

　容器本体７１内に収容可能な内容物８１は、特定の内容物に限定されるものではなく、逆止弁ユニット１を取付けた注出容器７０は、幅広く内容物を収容し注出することができる。内容物８１としては、醤油などのような比較的粘度の低い液体、マヨネーズのような粘性流体、サンプリングガスなどの気体、小麦粉のような粉粒体、スラリー溶液、液体中に固形分が浮遊する懸濁溶液などが例示される。

　キャップ９０は、内容物８１を注ぐ注出口９１を頂部に有する有頂円筒形状であり、合成樹脂材からなる。但し、特定の材質に限定されるものではなく、逆止弁ユニット１の基台１１と同様、用途、内容物等に応じて適宜選択した材質を用いることができる。

　キャップ９０の注出口９１の形状は、特定の形状に限定されるものではなく、例えば円筒形や角筒形とすればよい。また注出口９１と弁孔２１及び吐出口３７との位置関係についても特定の位置に限定されるものではない。

　キャップ９０の天井面８５には、逆止弁ユニット１の取付時に基台１１の上面取付部２３に気密可能に当接して密着する厚肉の封止部９２がリング状に形成されている。逆止弁ユニット１の取付時には、封止部９２の厚さ分、天井面８５とフィルム３１の上面との間にフィルム３１の開弁代となる隙間ができる。また封止部９２が厚肉に形成されることで、逆止弁ユニット１の取付時に圧縮力が下面取付部２２及び上面取付部２３に集中し、当接箇所の気密性を向上させることができる。

　キャップ９０の封止部９２の厚さ（高さ）は、特定の厚さに限定されるものではないが、開弁時のフィルム３１の過剰な浮き上がりを抑制するように設定すると、フィルム３１の損傷、残留ひずみによるシール性能の低下を防止することができ、好ましい。

　またキャップ９０の円筒部の内周面には、容器本体７１の口部７３に設けられた雄ねじ７５に螺合する雌ねじ９３が設けられている。

　さらにキャップ９０には、ヒンジ６１を介して蓋体６２が連結されている。蓋体６２は、注出容器７０を使用しないときに注出口９１を封止する部材であり、蓋体６２の一端部に設けられた凹部６３がキャップ９０の外周面に設けられた凸部９４に係止することで閉じられる。蓋体６２を閉めておくことで、注出容器７０が転倒しても内容物８１の排出を防止することができる。蓋体６２の形状、開閉機構は、本実施形態に限定されるものではなく、例えばスライドして開閉する蓋体等、幅広い蓋体、開閉機構を使用することができる。なお蓋体６２は、必要に応じて適宜用いればよく、なくてもよい。

　次に逆止弁ユニット１を取付けた注出容器７０を酸化防止用の醤油差しとして使用する場合を例として、使用方法を例示する。可撓性を有する容器本体７１内に醤油を収容した後に、逆止弁ユニット１を下面取付部２２が容器本体７１の口部先端部７４に当接するように取付け、キャップ９０を容器本体７１の口部７３に螺合する。このとき下面取付部２２が口部先端部７４に予め接着されていてもよい。

　キャップ９０を容器本体７１の口部７３にしっかりと締め付け螺合させると、逆止弁ユニット１は、キャップ９０と容器本体７１の口部７３との間に挟持されて注出容器７０に取付けられる。このときキャップ９０の封止部９２が基台１１の上面取付部２３に気密可能に当接して密着するとともに、容器本体７１の口部先端部７４が基台１１の下面取付部２２に気密可能に当接して密着し、該当接箇所からの流体の出入りを防止する。フィルム３１は、上面取付部２３とは重複せずに接着されているので、取付時にキャップ９０に噛み込まれて変形又は損傷する恐れがない。

　キャップ９０を螺合した後は、蓋体６２を開き、注出容器７０を上向きとしたまま容器本体７１を収縮させる。容器本体７１を収縮させると容器本体７１内が加圧されてフィルム３１が浮き上がり、基台１１との間に吐出経路３９となる隙間が形成され、容器本体７１内に残存する空気が排出される。これにより容器本体７１内は醤油で満たされ、逆止弁ユニット１により空気の侵入が防止されるので、醤油が酸化することはない。

　醤油を注出するときは、注出容器７０を下向きに傾ければ弁孔２１から醤油が流れ込み、醤油の液圧でフィルム３１が浮き上がり、吐出経路３９が形成され、醤油が吐出口３７より吐出されて注出口９１から注がれる。

　醤油の残量が少なくなり、容器本体７１内の負圧によるフィルム３１の密着力、及び基台１１とフィルム３１との隙間に介在する醤油の毛管吸引力によるフィルム３１の密着力よりも液圧が小さい場合は、容器本体７１を収縮させて内圧を加えることでフィルム３１を浮き上がらせ、醤油を注出することができる。内容物８１が気体の場合も同様である。

　注出容器７０を上向きに戻すと、容器本体７１内の負圧による作用と、基台１１とフィルム３１との隙間に介在する醤油の毛管吸引力とによりフィルム３１が基台１１の上面に素早く密着して逆止弁が閉弁される。このため閉弁後、容器本体７１内に空気が入り込むことはない。

　以上のように第１実施形態の逆止弁ユニット１は、注出容器７０に容易に取付けて使用することができ、取付時にフィルム３１が噛み込まれて変形又は損傷することがないので、内容物８１の吐出と、容器本体７１内への外部の流体８３の流入の防止を安定的に行うことができる。このように逆止弁ユニット１は、市販、その他の注出容器にも容易に取付けることができ、適用範囲が非常に広い。

　容器本体内が減圧となる容器本体、特に容器本体内が大きく減圧する容器は、外気が侵入し易いが、第１実施形態の逆止弁ユニット１は、シール性能が高いのでこのような容器に好適に使用することができる。容器本体内が大きく減圧する容器としては、本件出願人が特許出願した容器（特願２０１２－１０１９４０）が該当し、代表的には、図５に示すように蛇腹構造の胴部７７を有する容器本体７２である。図５において、図４の注出容器７０と同一の部材には同一の符号を付している。なお容器本体内が大きく減圧する他の容器については、特願２０１２－１０１９４０参照のこと。

　図５に示す蛇腹構造の容器本体７２は、容器本体７２内を液で充満させた後、容器本体７２を加圧し内容物８１を注出し、その後に加圧を停止すると、蛇腹構造がスプリングとして機能するため加圧していない当初の状態に素早く復帰しようとし、通常の容器に比較して容器本体７２内が大きく減圧となる。容器本体７２内の圧力が低いほど容器本体７２内に外部流体８３が侵入し易いが、本発明の逆止弁ユニット１は、シール性能が高いのでこのような容器であっても外気の侵入を十分に防止することができる。

　第１実施形態の逆止弁ユニット１を液体の注出容器７０に取付けて使用すると、フィルム３１と基台１１との隙間に液体が入り込むことで毛管吸引力が働き、シール性能が高まることは既に説明した通りであるが、毛管吸引力が働かなくても逆止弁ユニット１のシール性能は高い。よって、液体のみならず気体、粉体を収容する酸化防止用容器として好適に使用することができる。

　次に第１実施形態の逆止弁ユニット１を一般的なスパウトに取付けて使用する場合を例示する。図６は、図１の逆止弁ユニット１を接着したスパウト１０１の断面図である。図７は、図１の逆止弁ユニット１を接着したプルリング１１５付のスパウト１０２の断面図である。

　スパウト１０１は、円筒状のスパウトであり、合成樹脂等で形成される。スパウト１０１は、例えば液体紙容器、パウチ容器、金属箔包装容器、樹脂パック、アルミパック、又はそれらの複合容器等に用いられる一般的なスパウトであり、注出容器７０の容器本体７１やキャップ９０と同様に、用途に応じて材質、形状等を適宜決めればよい。スパウト１０１は、キャップ（図示省略）が螺合される雄ねじ１１１と、容器本体（図示省略）に取付けられるフランジ部１１２とを備える。

　逆止弁ユニット１は、下面取付部２２を接着面として先端部１１３に接着され、該接着箇所からの流体の出入りを防止するとともに、スパウト１０１の注出経路における流体の流れを一方向に制御する。また逆止弁ユニット１の上面取付部２３は、キャップの封止部（図示省略）と当接し、該当接箇所からの流体の出入りを防止する。なお逆止弁ユニット１の取付方法は、接着に限定されるものではなく、例えば先端部１１３に係止用の爪（図示省略）等を設けて逆止弁ユニット１を係合させてもよい。

　プルリング１１５付のスパウト１０２は、注出経路上に封緘用のプルリング１１５が破断可能に連結されている。プルリング１１５付のスパウト１０２では、逆止弁ユニット１が先端部１１３ではなく、フランジ部１１２に接着されている。フランジ部１１２には、逆止弁ユニット１を嵌め込んで接着する凹部１１６が設けられている。

　逆止弁ユニット１は、凹部１１６に嵌め込まれ、上面取付部２３を接着面としてフランジ部１１２に接着され、該接着箇所からの流体の出入りを防止するとともに、スパウト１０２の注出経路における流体の流れを一方向に制御する。なお逆止弁ユニット１の取付方法は、接着に限定されるものではなく、例えばフランジ部１１２に係止用の爪（図示省略）等を設けて逆止弁ユニット１を係合させてもよい。また側面取付部３０を接着面としてもよい。

　このように逆止弁ユニット１は、一般的なスパウトにも容易に取付けて使用することができるので、幅広い種類の液体紙容器やパウチ容器等のスパウトに使用することができ、適用範囲が非常に広い。

　次に第１実施形態の逆止弁ユニット１を一般的なチューブ付容器に取付けて使用する場合を例示する。図８は、図１の逆止弁ユニット１を接着したチューブ付容器１７０の要部断面図である。図９は、図１の逆止弁ユニット１を接着した鍔部１７４を有するチューブ付容器１７３の要部断面図である。

　チューブ付容器１７０は、容器本体１７１と可撓性を有するチューブ１７２とで構成される。容器本体１７１及びチューブ１７２の材質、形状、構造、大きさ等は、注出容器７０の容器本体７１等と同様、特定のものに限定されるものではなく、用途に応じて適宜決めることができる。

　逆止弁ユニット１は、チューブ付容器１７０のチューブ１７２の流路の途中に側面取付部３０を接着面として接着され、該接着箇所からの流体の出入りを防止するとともに、容器本体１７１からチューブ１７２の先端方向へ流体を流通させ、容器本体１７１への流体の逆流を防止する。

　また逆止弁ユニット１は、図９に示すように鍔部１７４を有するチューブ付容器１７３の鍔部１７４に接着して使用することもできる。鍔部１７４に接着される場合は、下面取付部２２、上面取付部２３又は側面取付部３０のうち少なくともいずれか１つを接着面として接着される。

　このように逆止弁ユニット１は、一般的なチューブ付容器にも容易に取付けて使用することができ、適用範囲が非常に広い。なお逆止弁ユニット１は、チューブ１７２の途中に接着したが、これに限定されるものではなく、チューブ１７２の先端又は根元に取付けてもよい。また図８及び図９では、逆止弁ユニット１をチューブ付容器１７０、１７３へ接着する場合を例示したが、逆止弁ユニット１をチューブ１７２単体に取付けて使用してもよい。

　以上、本発明の第１実施形態の逆止弁ユニット１を流路の途中、注出容器、スパウト、チューブ付容器に取付けて使用する例を説明したが、本発明の逆止弁ユニット１の取付先は、前述したようにこれらに限定されるものではない。

　次に本発明の逆止弁ユニットの他の実施形態について、一般的な注出容器に取付けて使用する場合を例として説明する。なお以下に説明する実施形態の逆止弁ユニットについても第１実施形態の逆止弁ユニット１と同様、注出容器に限らず、スパウトやチューブ付容器、その他種々の構造体に取付けて使用することができる。

　図１０は、本発明の第２実施形態の逆止弁ユニット２を取付けた注出容器７０の要部断面図である。図４に示す第１実施形態の逆止弁ユニット１及び注出容器７０と同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。第２実施形態の逆止弁ユニット２は、第１実施形態の逆止弁ユニット１と基本的構成は同じであるが、基台１２の形状が異なる。

　第２実施形態の逆止弁ユニット２は、容器本体７１の口部７３の内径と略同一の外径を有する位置決め用の凸部２５を基台１２の下面に備え、取付時に凸部２５が容器本体７１の口部７３に隙間なく嵌め込まれて位置決めされる。また第２実施形態の逆止弁ユニット２では、基台１２の下面及び上面の周縁部がそれぞれ下面取付部２２及び上面取付部２３となる。なおフィルム３１は、第１実施形態の逆止弁ユニット１と同様の要領で基台１２の弁部２４内に接着され、吐出口３７及び吐出経路３９を形成する。

　第２実施形態の逆止弁ユニット２では、取付時に下面取付部２２及び上面取付部２３の位置が規制されるので、下面取付部２２と容器本体７１の口部先端部７４、上面取付部２３とキャップ９０の封止部９２とを確実に当接させることができ、キャップ９０螺合時のフィルム３１の噛み込みをより確実に防止することができる。

　また逆止弁ユニット２は、位置決め精度をさらに向上させるべく、基台１２の凸部２５の外周面に突起（図示省略）を設け、容器本体７１の口部７３の内周面に係合させてもよく、又は凸部２５の外径を容器本体７１の口部７３の内径よりも大きくして圧入するようにしてもよい。

　さらに逆止弁ユニット２は、凸部２５の外周面を容器本体７１の口部７３の内周面に接着して取付けてもよく、凸部２５の外周面と容器本体の７１の口部７３の内周面とに互いに螺合するねじ山（図示省略）や、互いに係合する凹凸部（図示省略）等を設けて直接、容器本体の７１の口部７３に連結させてもよい。逆止弁ユニット２を直接、容器本体の口部７３に連結させる場合は、キャップ９０を用いることなく注出容器として使用することもできる。

　上記のように凸部２５を容器本体７１の口部７３の内周面に圧入又は接着する場合は、凸部の外周面を取付部としてシールするようにしてもよい。

　なお第２実施形態の逆止弁ユニット２では、凸部２５を基台１２の下面側に設けたが、凸部２５をキャップ９０との位置決め用に基台１２の上面側に設けてもよく、凸部２５が基台１２の上下両面に設けられていてもよい。

　図１１は、本発明の第３実施形態の逆止弁ユニット３を取付けた注出容器７８の要部断面図である。図４に示す第１実施形態の逆止弁ユニット１及び注出容器７０と同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。第３実施形態の逆止弁ユニット３は、第１実施形態の逆止弁ユニット１と基本的構成は同じであるが、基台１３の形状が異なる。またキャップ９５の封止部９２が厚肉となっておらず天井面８６が平である。

　第３実施形態の逆止弁ユニット３は、基台１３の上面周縁部に高さがフィルム３１の上面よりも高い段差部２６が形成されており、段差部２６の上面が上面取付部２３となり、段差部２６が形成されていない領域に弁部２４を有する。またフィルム３１は、第１実施形態の逆止弁ユニット１と同様の要領で基台１３の弁部２４内に接着され、吐出口３７及び吐出経路３９を形成する。逆止弁ユニット３の取付時には、上面取付部２３が確実にキャップ９５の封止部９２に当接するので、フィルム３１がキャップ９５に接触する恐れがない。

　また第３実施形態の逆止弁ユニット３を取付けた注出容器７８では、使用時において、開弁時のフィルム３１の浮き上がりがキャップ９５の天井面８６の高さ内に、すなわち基台１３の上面取付部２３の高さ内に規制されるので、基台１３の段差部２６の厚みを適切に設定することで開弁時のフィルム３１の過剰な浮き上がりを抑制し、損傷、残留ひずみによるシール性能の低下を防止することができる。

　さらに第３実施形態の逆止弁ユニット３を取付けた注出容器７８では、天井面８６が平なキャップ９５を用いた場合でも段差部２６により圧縮力を下面取付部２２及び上面取付部２３に集中させ、当接箇所の気密性を向上させることができる。

　図１２は、本発明の第４実施形態の逆止弁ユニット４を取付けた注出容器７８の要部断面図である。図４に示す第１実施形態の逆止弁ユニット１及び図１１に示す注出容器７８と同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。第４実施形態の逆止弁ユニット４は、第１実施形態の逆止弁ユニット１の構成に加え、第３実施形態の逆止弁ユニット３の段差部２６と同様の作用効果を有するリング４０を備える。

　第４実施形態の逆止弁ユニット４は、基台１１と、基台１１の直径と略同一の直径を有するフィルム３２と、平板状のリング４０とを備え、基台１１の上面周縁部とリング４０の下面とがフィルム３２を挟持した状態で接着されて構成される。第４実施形態の逆止弁ユニット４では、基台１１の上面全体がフィルム３２を重ねる弁部２４となり、基台１１の上面取付部２３に代えて、リング４０の上面が上面取付部４１となる。

　フィルム３２には、吐出孔３８が穿設されており、フィルム３２は、吐出孔３８が基台１１の弁孔２１に対して基台１１の中心を挟んで反対側に配置される向きで接着される。吐出孔３８の位置は、第１実施形態のフィルム３１の吐出口３７と同様、弁孔２１と重複していなければよく、特定の位置に限定されるものではない。また吐出孔３８の大きさ及び形状についても、特定のものに限定されるものではなく、例えば、フィルム３２に部分的に切込みを入れたスリット孔としてもよい。

　リング４０は、厚さがフィルム３２よりも厚く、上面が基台１１の上面取付部２３に代えてキャップ９５の封止部９２と当接する上面取付部４１となる。このため第３実施形態の逆止弁ユニット３の段差部２６と同様、上面取付部４１がフィルム３２の上面よりも高く、キャップ９５の螺合時には上面取付部４１がキャップ９５の封止部９２に確実に当接するので、フィルム３２がキャップ９５に噛み込まれて変形又は損傷する恐れがない。

　第４実施形態の逆止弁ユニット４は、吐出孔３８が穿設されたストレッチフィルムを基台１１の上面全体に被せ、その上からリング４０を基台１１に振動溶着や超音波溶着等で接着し、基台１１及びリング４０の外径に沿ってストレッチフィルムを裁断する手順で容易に製造することができる。このようにリング４０を用いると、リング４０の接着と同時にフィルム３２が吐出経路３９を確保した状態で接着される。ただし製造方法は、これに限定されるものではない。

　またリング４０の下面を吐出経路３９を確保可能な任意の形状とし、フィルム３２を挟持して接着することで吐出経路３９を任意の経路に形成することができる。なお第１実施形態の逆止弁ユニット１のように、フィルム３２を予め弁部２４において吐出経路３９を除いて接着してもよい。

　またフィルム３２は、挟持された状態で基台１１に接着されているが、これに限定されるものではなく、直径を小さくして挟持されていない状態で基台１１に接着されていてもよい。このときには、第１実施形態の逆止弁ユニット１と同様に、吐出孔３８が穿設されていないフィルム３１を用いて吐出口３７を形成するように接着されていてもよい。

　第４実施形態の逆止弁ユニット４を取付けた注出容器７８では、第３実施形態の逆止弁ユニット３と同様に、使用時において、開弁時のフィルム３２の浮き上がりがキャップ９５の天井面８６の高さに、すなわち上面取付部４１の高さに規制されるので、リング４０の厚みを適切に設定することで開弁時のフィルム３２の過剰な浮き上がりを抑制し、損傷、残留ひずみによるシール性能の低下を防止することができる。

　さらに天井面８６が平なキャップ９５を用いて逆止弁ユニット４を取付ける場合においても第３実施形態の逆止弁ユニット３の段差部２６と同様に、リング４０により圧縮力が下面取付部２２及び上面取付部４１に集中し、当接箇所の気密性を向上させることができる。

　このようにリング４０は、第３実施形態の逆止弁ユニット３の段差部２６と同様の作用効果を有し、さらにフィルム３２を挟持して基台に取付けられる場合には、フィルム挟持具としての機能を有する。

　図１３は、本発明の第５実施形態の逆止弁ユニット５を取付けた注出容器７０の要部断面図である。図１４は、本発明の第５実施形態の逆止弁ユニット５を取付けた注出容器７８の要部断面図である。図１２に示す第４実施形態の逆止弁ユニット４及び注出容器７８と同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。第５実施形態の逆止弁ユニット５は、第４実施形態の逆止弁ユニット４のリング４０に代えて、カバー４５を備える。

　第５実施形態の逆止弁ユニット５は、基台１１と、基台１１の直径と略同一の直径を有するフィルム３３と、有頂円筒形状のカバー４５とを備え、基台１１の上面周縁部とカバー４５の円筒部の下面５１とがフィルム３３を挟持した状態で接着されて構成される。第５実施形態の逆止弁ユニット５では、リング４０の上面取付部４１に代えて、カバー４５の上面に上面取付部５３を有する。

　フィルム３３は、平面視において円の一部を切り取った弓形であり、円弧に沿った周縁部が挟持及び接着され、弦にあたる部分が挟持及び接着されずに吐出口３７を形成する。吐出口３７を設ける位置は、弁孔２１と重複しない位置で適宜決めればよい。また吐出口３７は、フィルム３３の弦の一部のみを接着せずに形成されていてもよい。

　カバー４５は、頂部に設けられ内容物８１を排出する排出口５２と、上面に設けられキャップ９０、９５の封止部９２に当接する上面取付部５３とを備え、カバー４５の天井面５４の高さがフィルム３３の上面よりも高くなるように円筒部の高さが設定される。カバー４５の排出口５２と基台１１の弁孔２１、フィルム３３の吐出口３７及びキャップ９０、９５の注出口９１との位置関係は、特定の位置に限定されるものではない。またカバー４５の材質は、特定の材質に限定されるものではなく、基台１１と同様に適宜選択して使用することができる。

　第５実施形態の逆止弁ユニット５では、フィルム３３の上面が基台１１とカバー４５とで囲まれているので、接触によるフィルム３３の変形又は損傷の恐れがない。また逆止弁ユニット５は、注出容器７０、７８に取付けられる際、フィルム３３に人が触れることがないため衛生上も好ましい。さらに第４実施形態の逆止弁ユニット４のリング４０と同様に、カバー４５の円筒部の高さを適切に設定することで開弁時のフィルム３３の過剰な浮き上がりを抑制し、損傷、残留ひずみによるシール性能の低下を防止することができる。

　逆止弁ユニット５を天井面８６が平なキャップ９５で取付ける際には、カバー４５の排出口５２とキャップ９５の注出口９１との位置がずれたとしても内容物８１を排出することができるように、カバー４５の上面に排出経路となる溝（図示省略）等を設ければよい。また逆止弁ユニット５とキャップ９５との間に後述するパッキン等を装着してキャップ９５の天井面８６とカバー４５の上面との間に排出経路となる隙間を設けてもよい。キャップ９５の天井面８６とカバー４５の上面との間に形成する内容物８１の排出経路は、他の方法で形成してもよい。

　第５実施形態の逆止弁ユニット５は、フィルム３３が弓形となるようにストレッチフィルムを基台１１の上面に一部を除いて被せ、その上からカバー４５の円筒部の下面５１を基台１１に振動溶着や超音波溶着等で接着し、基台１１及びカバー４５の外径に沿ってストレッチフィルムを裁断する手順で容易に製造することができる。このようにカバー４５を用いると、カバー４５の接着と同時にフィルム３３が吐出経路３９を確保した状態で接着される。ただし製造方法は、これに限定されるものではない。

　またカバー４５の下面を吐出経路３９を確保可能な任意の形状とし、フィルム３２を挟持して接着することで吐出経路３９を任意の経路に形成することができる。なお第１実施形態の逆止弁ユニット１のように、フィルム３３を予め弁部２４において吐出経路３９を除いて接着してもよい。

　なお第５実施形態の逆止弁ユニット５に使用するフィルムは、弓形のフィルム３３に限定されるものではなく、例えば第１実施形態の逆止弁ユニット１と同様に円形のフィルム３１を用いてもよく、第４実施形態の逆止弁ユニット４と同様に吐出孔３８が穿設されたフィルム３２を用いてもよい。またフィルム３３は、直径を小さくして円弧に沿った周縁部が挟持されずに基台１１に接着されていてもよい。

　図１５は、本発明の第６実施形態の逆止弁ユニット６を取付けた注出容器７８の要部断面図である。図１４に示す第５実施形態の逆止弁ユニット５及び注出容器７８と同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。第６実施形態の逆止弁ユニット６は、第５実施形態の逆止弁ユニット５と基本的構成は同じであるが、カバー４６の形状が異なる。

　第６実施形態の逆止弁ユニット６のカバー４６は、第５実施形態の逆止弁ユニット５のカバー４５の上面の周縁部に段差部６５が設けられた形状となっており、断面がＨ字状である。また第６実施形態の逆止弁ユニット６では、カバー４６の段差部６５の上面が上面取付部５３となる。

　第６実施形態の逆止弁ユニット６では、取付時にカバー４６の上面とキャップ９５の天井面８６との間に確実に隙間ができるので、カバー４６の排出口５２とキャップ９５の注出口９１との位置がずれていても内容物８１の排出経路を確保することができる。

　また第６実施形態の逆止弁ユニット６では、天井面８６が平なキャップ９５を用いて取付けた場合でも、段差部６５により圧縮力が下面取付部２２及び上面取付部５３に集中し、当接箇所の気密性を向上させることができる。

　図１６は、本発明の第７実施形態の逆止弁ユニット７を取付けた注出容器７９の要部断面図である。図１４に示す第５実施形態の逆止弁ユニット５及び注出容器７８と同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。第７実施形態の逆止弁ユニット７は、第５実施形態の逆止弁ユニット５と基本的構成は同じであるが、カバー４７の形状が異なる。またキャップ９６の天井面８７の形状も異なる。

　第７実施形態の逆止弁ユニット７は、カバー４７に排出口６８が上面から突出するように形成されており、排出口６８の先端部が上面取付部５３である。

　キャップ９６には、注出口９１の入口にカバー４７の排出口６８の外形と略同一の形状の位置決め用凹部９７が排出口６８の高さよりも浅く設けられている。

　逆止弁ユニット７を注出容器７９に取付ける際には、排出口６８を位置決め用凹部９７に嵌め込んで位置決めを行い、排出口６８の上面取付部５３を位置決め用凹部９７の底面に当接させた状態でキャップ９６を容器本体７１の口部７３に螺合する。このため逆止弁ユニット７の取付時には、排出口６８の上面取付部５３と位置決め用凹部９７の底面とが気密可能に当接して密着し、該当接箇所からの流体の出入りが防止される。

　このように第７実施形態の逆止弁ユニット７では、カバー４７の排出口６８とキャップ９６の注出口９１との芯出しを容易に行うことができる。

　なおカバー４７の上面を上面取付部５３とし、キャップ９６の位置決め用凹部９７の深さを排出口６８の高さよりも深くして、逆止弁ユニット７の取付時においてカバー４７の上面とキャップ９６の天井面８７とを当接させて密着させ、該当接箇所からの流体の出入りを防止するようにしてもよい。

　図１７は、本発明の第８実施形態の逆止弁ユニット８を取付けた注出容器８０の要部断面図である。図１３に示す第５実施形態の逆止弁ユニット５及び注出容器７０と同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。第８実施形態の逆止弁ユニット８は、第５実施形態の逆止弁ユニット５と基本的構成は同じであるが、カバー４８の形状が異なる。またキャップ９８の形状も異なる。

　第８実施形態の逆止弁ユニット８のカバー４８は、排出口５２に代えて、注出口５５が上面から突出するように形成されており、さらに直径が基台１１の直径よりも小さく、基台１１の上面の周縁部よりも内側においてフィルム３３を挟持した状態で基台１１に接着されている。なおカバー４８の注出口５５の位置は、排出口５２と同様、特定の位置に限定されるものではない。第８実施形態の逆止弁ユニット８は、基台１１の下面及び上面の周縁部にそれぞれ下面取付部２２及び上面取付部２３を有する。

　キャップ９８は、頂部にカバー４８の直径と略同一の円孔９９を備え、逆止弁ユニット９を注出容器８０に取付ける際には、カバー４８を円孔９９に嵌め込んだ状態で容器本体７１の口部７３に螺合される。

　このように構成される第８実施形態の逆止弁ユニット８では、基台１１の上面取付部２３とキャップ９８の封止部９２との当接箇所の気密状態が該当接箇所からの内容物８１の漏洩に直接関係しないので、他の実施形態に比べて内容物８１が漏洩するリスクが低い。

　なおカバー４８の上面とキャップ９８の上面とは、高さが特定の高さに限定されるものではなく、カバー４８が突出した状態となっても、沈み込んだ状態となってもよい。また基台１１の上面は、段差が形成されていてもよく、フィルム３３が重ねられている弁部２４と上面取付部２３との高さ関係についても、特定の高さに限定されるものではない。

　またカバー４８又はキャップ９８には、転倒時の内容物８１の漏出を防止するために蓋体（図示省略）を付加してもよい。

　図１８は、本発明の第９実施形態の逆止弁ユニット９を取付けた容器本体７１の要部断面図である。図１７に示す第８実施形態の逆止弁ユニット８及び容器本体７１と同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。第９実施形態の逆止弁ユニット９は、第８実施形態の逆止弁ユニット８と基本的構成は同じであるが、基台１４に容器本体７１の雄ねじ７５と螺合する雌ねじ２７が設けられている。

　第９実施形態の逆止弁ユニット９は、有頂円筒形状の基台１４と、フィルム３３と、頂部に注出口５５を有するカバー４９とで構成され、カバー４９がフィルム３３を挟持した状態で基台１４の上面周縁部に接着されて構成されている。また逆止弁ユニット９では、取付部として容器本体７１の口部先端部７４に当接する基台１４の頂部の天井面の周縁部に下面取付部２２を有する。

　逆止弁ユニット９は、基台１４の円筒部に容器本体７１の雄ねじ７５と螺合する雌ねじ２７が設けられており、キャップを用いることなく容器本体７１の口部７３に直接、取付けることができる。

　第９実施形態の逆止弁ユニット９は、キャップとの形状が適合しない場合でも、直接、容器本体７１に取付けることができるので、適用範囲が非常に広い。なお逆止弁ユニット９のカバー４９には、転倒時の内容物８１の漏出を防止するためにキャップと同様、蓋体（図示省略）を付加してもよい。

　図１９は、本発明の第１０実施形態の逆止弁ユニット１０を取付けた注出容器８０の要部断面図である。図２０は、図１９の注出容器８０の平面図である。図１７に示す第８実施形態の逆止弁ユニット８及び注出容器８０と同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。第１０実施形態の逆止弁ユニット１０は、第８実施形態の逆止弁ユニット８と基本的構成は同じであるが、構成部品それぞれの形状と容器本体７１への取付姿勢とが異なる。

　第１０実施形態の逆止弁ユニット１０の基台１５とカバー５０とは、互いに重ね合わせたときに円柱となる形状であり、互いに重ね合わせてフィルム３４を挟持した状態で接着されている。逆止弁ユニット１０は、一端が斜めに切断されており、斜めに切断された方に注出口５５が形成され、注出口５５を上向きに注出容器８０に取付けられる。

　さらに基台１５とカバー５０とは、外周方向に一定の厚みを持った係止部２８、５６が互いに重ね合わせたときに連続するようにそれぞれの外周面に設けられており、係止部２８、５６のそれぞれ下面が下面取付部２２、５７、上面が上面取付部２３、５３となり、逆止弁ユニット１０の取付時には係止部２８、５６が容器本体７１とキャップ９８とで挟持される。

　基台１５は、カバー５０との重ね合せ面２９を有し、該重ね合せ面に弁部２４が設けられ、該重ね合せ面２９の上部を除いた周縁部においてフィルム３４及びカバー５０が接着される。また基台１５には、弁孔２１が係止部２８よりも下方に穿設されている。

　カバー５０において基台１５の重ね合せ面２９に接着される面には、吐出経路３９を形成可能なように、基台１５の上部を除いた周縁部に接着される一定幅でコ字状の接着代５８を残して溝５９が形成されている。また溝５９の先端が注出口５５となる。なお溝５９の深さは、開弁時のフィルム３４の過剰な浮き上がりを抑制可能に適宜決められる。

　フィルム３４は、基台１５の重ね合せ面２９と略同一の矩形状であり、基台１５の周縁部とカバー５０の接着代５８とで挟持されて接着される。このためフィルム３４は、下面取付部２２、５７と上面取付部２３、５３と直交する向きに配置される。またフィルム３４は、上辺が接着されずに吐出口３７を形成するとともに、接着と同時に弁孔２１から吐出口３７へ流体が流通可能に吐出経路３９を形成する。

　またカバー５０の接着代５８を吐出経路３９を確保可能な任意の形状とし、フィルム３４を挟持して接着することで吐出経路３９を任意の経路に形成することができる。なお第１実施形態の逆止弁ユニット１のように、フィルム３４を予め弁部２４において吐出経路３９を除いて接着してもよい。

　なおフィルム３４は、基台１５とカバー５０とで挟持して接着されているが、これに限定されるものではなく、フィルム３４の面積を小さくし、挟持されていない状態で基台１５に接着されていてもよい。また吐出孔３８が穿設されたフィルム（図示省略）を用いてもよい。

　注出容器８０のキャップ９８は、逆止弁ユニット１０を挿通可能に逆止弁ユニット１０の外形に合わせて頂部に円孔９９を有し、容器本体７１の口部７３に嵌め込まれた逆止弁ユニット１０を円孔９９に挿通させて、口部７３の雄ねじ７５に螺合し、逆止弁ユニット１０を注出容器８０に取付ける。

　このように構成される第１１実施形態の逆止弁ユニット１０を取付けた注出容器８０では、内容物８１が弁孔２１から吐出経路３９を通り、吐出口３７（注出口５５）より注出される。

　第１０実施形態の逆止弁ユニット１０では、容器本体７１の口部７３が細い場合でも逆止弁ユニット１０を縦長の形状とし、弁孔２１と吐出口３７との距離を長く設定することで弁孔２１と吐出口３７との近接によるシール不良を回避し、逆止弁のシール性能を確保することができる。

　第１０実施形態の逆止弁ユニット１０は、係止部２８、５６に代えて螺合部（図示省略）や係合部（図示省略）等が形成されることで、第９実施形態の逆止弁ユニット９と同様に、キャップ９８を用いることなく直接、容器本体７１に取付けることができる。また逆止弁ユニット１０は、係止部２８、５６の下面取付部２２、５７が容器本体７１の口部先端部７４に接着されていてもよく、上面取付部２３、５３がキャップ９８の封止部９２に接着されていてもよい。

　なお第１０実施形態の逆止弁ユニット１０の形状は、これに限定されるものではなく、容器本体の口部の形状等に合わせて適宜決めればよい。例えば基台及びカバーは、互いに重ね合わせたときに角柱となる形状でもよく、一端が斜めに切断されずに真っ直ぐの形状でもよい。

　また注出口５５の位置や形状も特定のものに限定されるものではなく、例えば注出口が先端面から突出するような形状としてもよい。さらに弁孔２１、吐出口３７及び注出口５５の位置関係についても特定の位置に限定するものではない。

　また係止部２８、５６とフィルム３４とは、直交する配置としたが、これに限定されるものではなく、容器本体７１の口部７３の形状や用途に応じて任意の角度を持って取付けられていてもよい。

　図２１は、本発明の第１１実施形態の逆止弁ユニット１６の側面視における断面図である。図２２は、図２１の逆止弁ユニット１６の平面視における断面図である。図１７に示す第８実施形態の逆止弁ユニット８と同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。第１１実施形態の逆止弁ユニット１６は、第８実施形態の逆止弁ユニット８と基本的構成は同じであるが、基台１７、フィルム３５及びカバー６０の形状が異なる。

　第１１実施形態の逆止弁ユニット１６の基台１７は、弁孔２１を有する矩形の平板であり、上面には取付部を有せず、下面に下面取付部２２を有する。

　フィルム３５は、基台１７と同様、矩形であり、基台１７とカバー６０とに挟持されて基台１７の上面に吐出口３７を形成するように接着される。吐出口３７は、フィルム３５の短辺の一辺が全幅に亘って接着されずに形成されているが、これに限定されるものではなく、例えばフィルム３５の短辺の一辺の一部のみが接着されずに吐出口３７が形成されていてもよい。なお吐出孔３８が穿設されているフィルム（図示省略）を用いてもよい。また吐出経路３９の形成方法は、第５実施形態の逆止弁ユニット５と同様である。

　カバー６０は、有頂角筒形状であり、一側面に注出口５５を備える。カバー６０は、角筒部の下面５１において基台１７の上面周縁部にフィルム３５を挟持して接着される。なおフィルム３５の面積を小さくし、フィルム３５を挟持しない状態で接着されていてもよい。

　このように構成される第１１実施形態の逆止弁ユニット１６は、例えば基台１７の下面取付部２２を口部が矩形の容器本体（図示省略）の口部先端部に接着して使用される。なお取付方法は、これに限定されるものではなく、用途に応じて適宜最適な取付方法を用いることができる。

　図２３は、本発明の第１２実施形態の逆止弁ユニット１８の断面図である。図１３に示す第５実施形態の逆止弁ユニット５と同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。第１２実施形態の逆止弁ユニット１８は、第５実施形態の逆止弁ユニット５と基本的構成は同じであるが、カバー６６を基台１９に係合して製造されている。

　第１２実施形態の逆止弁ユニット１８の基台１９の側面及びカバー６６の内周面には、互いに係合する凹部１２５及び凸部６７が設けられている。また吐出孔３８を有するフィルム３２は、基台１９の上面及び側面を被覆する大きさとなっている。このため基台１９の上面及び側面は、全体がフィルム３２を重ねる弁部２４となり、取付部を有しない。逆止弁ユニット１８の取付部は、基台１９の下面、カバー６６の下面、カバー６６の上面又はカバー６６の側面のうち少なくともいずれか一つ以上の任意の領域に設けられる。

　第１２実施形態の逆止弁ユニット１８の製造時には、基台１９の上面にフィルム３２を被せ、カバー６６の凸部６７と基台１９の凹部１２５とをフィルム３２の周縁部を挟持した状態で係合させる。なお基台１９とフィルム３２とは、互いの一部があらかじめ接着されていてもよく、基台１９とカバー６６とは、係合されるとともに接着されていてもよい。

　またカバー６６の天井面５４には、フィルム３２を押える厚肉のフィルム押え部（図示省略）を設けてもよい。さらにフィルム押え部及び基台１９の上面に互いに嵌合する凹凸部（図示省略）を設けてフィルム３２をよりしっかりと押えるようにしてもよい。

　図２４は、本発明の第１３実施形態の逆止弁ユニット１５１の断面図である。図２３に示す第１２実施形態の逆止弁ユニット１８と同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。第１３実施形態の逆止弁ユニット１５１は、カバー６６ではなくフィルム挟持具１５５を基台１５２に係合して製造されている。

　フィルム挟持具１５５は、基台１５２が嵌り込むリング形状であり、基台１５２とでフィルム３２を挟持するように基台１５２に取付けられる。なおフィルム挟持具１５５の形状は、特定の形状に限定されるものではなく、例えば、半円形状の部品２つで構成されていてもよく、リング状に連続している必要はない。

　またフィルム挟持具１５５の厚さも、特定の厚さに限定されるものではなく、基台１５２を嵌め込んだ時にフィルム挟持具１５５の上面と基台１５２の上面とで段差が形成されるような厚さでもよい。また該段差の高さも、特定の高さに限定されるものではない。

　基台１５２の側面及びフィルム挟持具１５５の内周面は、それぞれ互いに嵌合する凹部１２５及び凸部１２７を備えるとともに、互いにスライドして嵌り込むように傾斜している。なお傾斜の角度は、特定の角度に限定されるものではない。また基台１５２の上面周縁部は、丸味を帯びていることが好ましい。

　基台１５２の上面及び側面は、全体がフィルム３２を重ねる弁部２４となり、取付部を有しない。逆止弁ユニット１５１の取付部は、基台１５２の下面、フィルム挟持具１５５の下面、フィルム挟持具１５５の上面又はフィルム挟持具１５５の側面のうち少なくともいずれか一つ以上の任意の領域に設けられる。

　逆止弁ユニット１５１の製造時には、基台１５２の上面及び側面にフィルム３２を被せ、その上からフィルム挟持具１５５を嵌め込み、該フィルム挟持具１５５の凸部１２７を基台１５２の凹部１２５にフィルム３２の周縁部を挟持した状態で係合させる。

　このとき基台１５２の側面及びフィルム挟持具１５５の内周面が傾斜しているので、フィルム挟持具１５５を基台１５２に嵌め込み易く、さらにフィルム３２に適度な張力を加えながら嵌め込むことができ、フィルム３２が皺になり難い。

　また基台１５２とフィルム３２とは、互いの一部が予め接着されていてもよく、基台１５２とフィルム挟持具１５５とは、係合されるとともに接着されていてもよい。

　第１３実施形態の逆止弁ユニット１５１では、フィルム挟持具１５５を嵌め込むと同時に基台１５２の上面全体に吐出経路３９が形成される。なお第１実施形態の逆止弁ユニット１のように、フィルム３２を予め弁部２４において吐出経路３９を除いて接着してもよい。

　図２５は、本発明の第１４実施形態の逆止弁ユニット１５３の部分断面図である。図２４に示す第１３実施形態の逆止弁ユニット１５１と同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。第１４実施形態の逆止弁ユニット１５３は、第１３実施形態の逆止弁ユニット１５１の部分的な変形例である。

　第１４実施形態の逆止弁ユニット１５３は、基台１５４の下面が種々の形状に形成されている。このように基台１５４の下面の形状は、特定の形状に限定されるものではなく、用途、機能、又は美観等に合わせて種々の形状とすることができる。

　フィルム挟持具１５６は、フィルム３２の浮き上がりを防止するフィルム押え部を上部に備える他、側面の一部がくり抜かれており、下面が基台１５４の下面よりも突出している。またフィルム押え部は、上面がフィルム３２の上面よりも高くなるように厚みを有し、第３実施形態の逆止弁ユニット３の段差部２６と同様の作用効果を有する。このようにフィルム挟持具１５６についても基台１５４と同様、特定の形状に限定されるものではなく、用途、機能、又は美観等に合わせて種々の形状とすることができる。

　またフィルム挟持具１５６のフィルム押え部を吐出経路３９を確保可能な任意の形状とし、フィルム３４を挟持して係合することで吐出経路３９を任意の経路に形成することができる。

　逆止弁ユニット１５３の取付部は、第１３実施形態の逆止弁ユニット１５１と同様、基台１５４の下面、フィルム挟持具１５６の下面、フィルム挟持具１５６の上面又はフィルム挟持具１５６の側面のうち少なくともいずれか一つ以上の任意の領域に設けられる。

　図２６は、フィルム挟持具を用いた逆止弁ユニットの変形例を示す要部断面図である。図２４に示す第１３実施形態の逆止弁ユニット１５１と同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。

　図２６（ａ）は、内周面が傾斜していないフィルム挟持具１６５及び側面が傾斜していない基台１６１を用いた変形例を示す。このようにフィルム挟持具は、内周面が傾斜していなくてもよい。

　図２６（ｂ）は、凸部のないフィルム挟持具１６６及び凹部のない基台１６２を用いた変形例を示す。このようにフィルム挟持具１６６及び基台１６２は、凹部及び凸部を有しない場合でも傾斜部の作用又は嵌め合いによりフィルム３２を挟持した状態で互いに嵌め込むことができる。

　図２６（ｃ）及び図２６（ｄ）は、基台１６３、１６４の周縁部に受け部１６９を有する変形例を示す。このように受け部１６９を設けることでフィルム挟持具１６７、１６８を受け部１６９に突き当てて製造することができるので、製造が容易となる。またフィルム３２が折込まれて挟持される箇所が増えるので、フィルム３２の緩みや外れが起こり難くなる。

　図２６（ｅ）は、基台２００とフィルム挟持具２０１とでフィルム３２を挟持し、側面において溶着する変形例を示す。基台２００及びフィルム挟持具２０１は、それぞれ互いに嵌合する凹部１２５及び凸部１２７を有し、フィルム３２を挟んだ状態で嵌合され、嵌合時の継ぎ目２０３において全周に亘って溶着される。なお図２６（ｅ）に示す変形例では、フィルム３２も継ぎ目２０３において溶着されるが、フィルム３２の直径を小さくしフィルム３２を継ぎ目２０３において溶着しなくてもよい。

　基台２００及びフィルム挟持具２０１の継ぎ目２０３となる互いの周縁部には、段差が設けられており、該周縁部に溶着時に発生するバリの逃げ溝２０４が形成される。逃げ溝２０４の幅及び深さは、バリが逆止弁ユニットの外形面から突出しないように設定する。なお逃げ溝２０４は、特定の形状に限定されるものではなく、例えば、断面がＶ字状や半円状等でもよい。また逃げ溝２０４（継ぎ目２０３）の位置は、側面に限定されるものではなく、例えば、図２６（ａ）に示すように継ぎ目が下面に位置する場合においても逃げ溝を設け、バリの突出を防止するようにしてもよい。

　図２６（ｅ）に示すように、側面に位置する継ぎ目２０３において逆止弁ユニットの厚み方向には溶着せず周方向のみ溶着することで、溶解による寸法収縮が防止される。これにより基台２００の下面及びフィルム挟持具２０１の上面を取付部として逆止弁ユニットを被取付部に取付ける際の寸法管理が容易となり、厚み方向の寸法ズレによるシール不良を防止することができる。なお図２６（ａ）に示すように継ぎ目が下面に位置する場合においても、継ぎ目において周方向にのみ溶着することで、寸法収縮が防止され、側面を取付部として逆止弁ユニットを取付ける際の被取付部とのシール不良を防止することができる。

　なお図２３から図２６に示す逆止弁ユニットでは、吐出孔３８を有するフィルム３２を用いたが、これに限定されるものではなく、例えば、他の実施形態で用いた吐出孔３８を有しない円形フィルム３１や弓形フィルム３３を用いてもよい。

　以上、図１から図２６に示す逆止弁ユニット１、２、３、４、５、６、７、８、９、１０、１６、１８、１５１、１５３では、取付時に基台、リング、フィルム挟持具又はカバーの取付部が被取付部に直接当接して密着し、該当接箇所からの流体の出入りを防止する。

　このため図１から図２６に示す逆止弁ユニット１、２、３、４、５、６、７、８、９、１０、１６、１８、１５１、１５３では、基台等の取付部の平面度、面粗度、形状等を適切に設定することで当接箇所からの流体の出入りを防止するが、パッキン等のシール手段を使用し、当接箇所からの流体の出入りを防止するようにしてもよい。以下にパッキンを使用する例を示す。

　図２７は、本発明の第５実施形態の逆止弁ユニット５をパッキン４３を介装させて取付けた注出容器７８の要部断面図である。図２７で示す使用例において逆止弁ユニット５は、下面取付部２２及び上面取付部５３にシール手段である２つのリング状のパッキン４３を介装させて注出容器７８に取付けられている。

　パッキン４３の材質、形状、大きさは、特定のものに限定されるものではなく、逆止弁ユニット５、容器本体７１の口部先端部７４、キャップ９５の天井面８６の形態又は内容物８１等に合わせて適宜決めればよい。またパッキン４３は、逆止弁ユニット５の上下いずれか一方のみに設けられていてもよい。

　また図２８は、本発明の第１５実施形態の逆止弁ユニット１０３をＯリング４４を介装させて取付けた流路１８１の要部断面図である。図１に示す第１実施形態の逆止弁ユニット１と同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。第１５実施形態の逆止弁ユニット１０３は、第１実施形態の逆止弁ユニット１と基本的構成は同じであるが、基台１０４の側面取付部３０にＯリング４４を嵌め込む凹状のシール手段取付部１２６が設けられている。

　逆止弁ユニット１０３では、基台１０４の側面取付部３０のシール手段取付部１２６にシール手段であるＯリング４４が嵌め込まれ、逆止弁ユニット１０３の取付時に該Ｏリング４４が流路１８１の内壁面１８８に気密可能に当接し、該当接箇所からの流体の出入りを防止する。なおＯリング４４の材質、形状、大きさは、特定のものに限定されるものではなく、逆止弁ユニット１０３、流路１８１の内壁面１８８、又は流体の種類等に合わせて適宜決めることができる。

　図２７及び図２８で示すように、パッキン４３又はＯリング４４を用いれば、逆止弁ユニットの取付部と注出容器等の被取付部との気密状態を容易に確保することができる。

　なお基台等の下面取付部及び／又は上面取付部に第１５実施形態の逆止弁ユニット１０３の基台１０４の側面取付部３０と同様のシール手段取付部（図示省略）を設けて、該シール手段取付部にパッキン４３等を取付けてもよく、また基台等に第２実施形態の逆止弁ユニット２の基台１２と同様の凸部（図示省略）を設けて、該凸部にパッキン４３等を嵌め込んで取付けてもよい。さらには基台等の取付部に予めパッキン４３等を接着しておいてもよい。

　シール手段は、パッキン４３、Ｏリング４４、その他、圧縮状態で気密性を発揮するパッキン相当部材などの他、例えば基台等の取付部、容器本体７１の口部７３又はキャップの材質の一部又は全部が圧縮状態で気密性を発揮する材質となっていてもよい。シール手段を介装してシールする方法は、図２７及び図２８に示す実施形態に限定されるものではなく、前記第１実施形態の逆止弁ユニット１を含め、本発明の他の実施形態の逆止弁ユニットに適用できることは当然である。

　次にシール手段として、逆止弁ユニットの取付部にシール手段を設ける場合を説明する。図２９は、図１の逆止弁ユニット１の基台１１の取付部にシール手段としてシール部を設けた変形例を示す要部断面図である。

　図２９（ａ）に示す変形例では、基台１１の下面取付部２２にシール部として断面が三角形の突起１４１が形成されている。このため突起１４１が被取付部１５０に鋭角端で接触し、圧縮力が増して気密性を向上させることができる。なお突起１４１の角度、位置、大きさ等は、特定のものに限定されるものではない。また図２９（ｂ）、図２９（ｃ）に示すように突起１４１は、基台１１の下面取付部２２の縁部に設けられていてもよく、図２９（ｄ）、図２９（ｅ）に示すように突起１４１は、側面取付部３０に設けられていてもよい。さらに図２９（ｆ）に示すように突起１４１は、基台１１の下面取付部２２及び上面取付部２３の両方に設けられていてもよく、基台１１の取付部全てに設けられていてもよい。

　図２９（ｇ）に示す変形例では、基台１１の下面取付部２２にシール部として断面が半円形の突起１４２が形成されている。このため突起１４２が被取付部１５０に円弧端で接触し、圧縮力が増して気密性を向上させることができる。なお突起１４２の位置、大きさ等は、特定のものに限定されるものではない。また図２９（ｈ）、図２９（ｉ）に示すように突起１４２は、基台１１の下面取付部２２の縁部に設けられていてもよく、断面が三角形の突起１４１と同様、基台１１の側面取付部３０に設けられていてもよく、基台１１の下面取付部２２及び上面取付部２３の両方に設けられていてもよく、基台１１の取付部全てに設けられていてもよい。

　また図２９（ｊ）に示すようにシール部は、断面が三角形の突起１４１と断面が半円形の突起１４２とを組合せて基台１１の取付部に設けられていてもよい。

　図２９（ｋ）に示す変形例では、基台１１の下面取付部２２にシール部として断面が台形の突起１４３が形成されている。このため突起１４３が被取付部１５０に台形端で接触し、圧縮力が増して気密性を向上させることができる。なお突起１４３の角度、位置、大きさ等は、特定のものに限定されるものではない。また突起１４３は、断面が三角形の突起１４１と同様、基台１１の下面取付部２２の縁部に設けられていてもよく、基台１１の側面取付部３０に設けられていてもよく、基台１１の下面取付部２２及び上面取付部２３の両方に設けられていてもよく、基台１１の取付部全てに設けられていてもよい。

　図２９（ｌ）に示す変形例では、基台１１の下面取付部２２の端部にシール部として面取りが施されており、下面取付部２２の面取り部１４４と被取付部１５０とが面接触し、接触面積が減少して圧縮力が増し、気密性を向上させることができる。なお面取りの大きさや角度は、特定のものに限定されるものではない。

　図２９（ｍ）に示す変形例では、基台１１の下面取付部２２の端部にシール部としてＲ面取り（曲面取り）が施されており、下面取付部２２のＲ面取り部１４５と被取付部１５０とが点（線）接触し、圧縮力が増して気密性を向上させることができる。なおＲ面取りの大きさは、特定の大きさに限定されるものではない。

　図２９（ｎ）に示す変形例では、基台１１の側面取付部３０が傾斜している。また被取付部１５０も傾斜しており、逆止弁ユニット１の取付時には、側面取付部３０を被取付部１５０に確実に押し当てて取付けることができ、気密性を確保することができる。なお側面取付部３０の傾斜角度は、特定の角度に限定されるものではない。

　図２９（ｏ）に示す変形例では、基台１１の下面取付部２２にシール部として断面が三角形の突起１４１がリング状に形成され、該突起１４１の傾斜面が被取付部１５０の内周面に楔状に嵌り込んで点（線）接触するので、シールを確実に行うことができる。

　図２９（ｐ）に示す変形例では、基台１１の下面取付部２２にシール部として傾斜面を有する段差１４６が設けられており、該段差１４６の傾斜面が被取付部１５０の内周面に楔状に嵌り込んで点（線）接触するので、シールを確実に行うことができる。

　以上、基台１１の取付部にシール部を設ける変形例を示したが、それぞれの変形例を適宜組合せて用いてよいことは言うまでもない。また基台１１に代え、あるいは基台１１とともに被取付部１５０に同様のシール部が設けられていてもよい。

　図３０は、キャップ１９０にシール部を設けた注出容器１７５の要部断面図である。図４に示す第１実施形態の逆止弁ユニット１及び注出容器７０と同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。

　図３０に示す注出容器１７５のキャップ１９０は、シール部として天井面に全周に亘って突起状の封止部１９２を備え、該封止部１９２が被取付部となり逆止弁ユニット１の上面取付部２３に気密可能に当接する。封止部１９２は、突起先端の幅が狭くなっており、逆止弁ユニット１の取付時には当接箇所に圧縮力が集中することで気密性を高めることができる。このようにシール部は、基台に限らず、キャップ等の被取付部に設けられていてもよい。

　また基台１１の取付部に設けるシール部は、径方向に亘って連続して形成されていなくてもよく、例えば、基台等の取付部及び被取付部１５０に交互に不連続にシール部を形成し、噛み合わせて使うようにしてもよい。さらに基台等の取付部及び被取付部１５０にシール部を形成した上でパッキン４４、Ｏリング４５等を介装させてもよい。

　なお上記のように基台１１にシール部を設けずとも、図２９（ｑ）に示すように被取付部１５０が傾斜している場合は、下面取付部２２の端部と被取付部１５０とが点（線）接触するように逆止弁ユニット１を取付けることで気密性を確保することができる。

　図３１は、本発明の第１６実施形態の逆止弁ユニット１０５の平面視における溝１２１の形成要領を示す図である。図１に示す第１実施形態の逆止弁ユニット１と同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。第１６実施形態の逆止弁ユニット１０５は、第１実施形態の逆止弁ユニット１と基本的構成は同じであるが、基台１０６の上面の吐出経路３９となる部分に葉脈状の溝１２１を備える。

　葉脈状の溝１２１は、直線状の幹部１３１と、幹部１３１から分岐する複数の枝部１３２とで構成され、吐出経路３９と並行に３本形成されている。枝部１３２は、幹部１３１から角度を付けて分岐されており、隣り合う幹部１３１の枝部１３２同士が互い違いになるように形成されている。溝１２１の数や形状は、これに限定されるものではないが、逆止弁ユニット１０５の使用時に基台１０６の上面とフィルム３１との間に液体の内容物８１を介在させ易いように適宜決められる。溝１２１の深さは、深すぎると液体の内容物８１の入換えが難くなるため必要以上に深くすべきではない。

　第１６実施形態の逆止弁ユニット１０５では、基台１０６の上面とフィルム３１との間に液体の内容物８１を介在させ易くする溝１２１が基台１０６の上面の吐出経路３９となる部分に形成されているので、毛管吸引力を確実に働かせ、基台１０６の上面とフィルム３１との密着性を高めることができ、逆止弁のシール性能をより安定的に確保することができる。

　図３２は、本発明の第１７実施形態の逆止弁ユニット１０７の平面視における溝１２２の形成要領を示す図である。図１に示す第１実施形態の逆止弁ユニット１と同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。第１７実施形態の逆止弁ユニット１０７は、第１実施形態の逆止弁ユニット１と基本的構成は同じであるが、基台１０８の上面において吐出経路３９の全幅にまたがる溝１２２を備える。

　溝１２２の深さや幅は、逆止弁ユニット１０７の使用時に液体の内容物８１を溝１２２に常に滞留させることができるように適宜決められる。ただし溝１２２の深さは、深すぎると液体の内容物８１の入換えが難くなるため、液体の内容物８１が常に滞留する深さで、かつ液体の内容物８１の入換えが円滑に行われる深さに適宜決められる。

　第１７実施形態の逆止弁ユニット１０７では、液体の内容物８１を常に滞留させる溝１２２が基台１０８の上面において吐出経路３９の全幅にまたがり形成されているので、毛管吸引力を確実に働かせ、基台１０８の上面とフィルム３１との密着性を高めることができ、逆止弁のシール性能を安定的に確保することができる。

　図３１及び図３２に示す逆止弁ユニット１０５、１０７では、基台の上面とフィルムとの間に液体の内容物を介在させ易いように基台の上面に溝を設けたが、溝の形状は、特定の形状に限定されるものではなく、例えば丸印や×印等の溝を設けてもよい。

　以上、第１から第１７実施形態の逆止弁ユニットを用いて、本発明の逆止弁ユニット、スパウト、キャップ、容器本体及び注出容器を説明したが、本発明の逆止弁ユニット、スパウト、キャップ、容器本体及び注出容器は、上記実施形態に限定されるものではなく、要旨を変更しない範囲で変形して使用することができる。例えば上記実施形態では基台、フィルム、リング及びカバーは、それぞれ互いに振動溶着等で接着したが、これに限定されるものではなく、接着剤等を用いて接着してもよい。

　本発明の逆止弁ユニットの取付部は、特定の領域に限定されるものではなく、弁部とは重複しない領域で基台、リング、フィルム挟持具、カバーの任意の領域に設けることができる。例えば、第２から第１２実施形態の逆止弁ユニットは、側面取付部３０を用いずに注出容器に取付けられたが、側面取付部３０を用いて被取付部とシールするようにしてもよい。

　基台、フィルム、リング、フィルム挟持具、カバー、スパウト、キャップ、容器本体の口部、チューブ及びその他の構造体の形状は、円形や矩形に限定されるものではなく、例えば三角形や紡錘形等であってもよく、用途に応じて適宜決めることができる。またそれぞれが同一形状である必要はなく、例えば基台が円形でカバーが矩形であってもよい。

　カバーの注出口及びキャップの注出口の形状も特定の形状に限定されるものではなく、カバー及びキャップの形状に関係なく、例えば矩形や三角形等であってもよく、用途に応じて適宜決めることができる。またカバーの注出口又はキャップの注出口は、スプレーノズル（図示省略）等を用いてもよい。

　また楕円形の逆止弁ユニットを用いて、斜めに切断された形状の被取付部に取付けることもできる。さらに途中に傾斜面を有する流路（図示省略）に逆止弁ユニットを取付ける場合は、該傾斜面と同一の角度で基台の上面取付部又は側面取付部を傾斜させ、該傾斜面に上面取付部又は側面取付部を接着して取付けてもよい。このように本発明の逆止弁ユニットは、被取付部に応じて、フィルムが噛み込まれない範囲で種々の変形を施して用いることができる。また取付方向も特定の方向に限定されるものではない。

　第１実施形態の逆止弁ユニット１は、注出容器７０への取付時に容器本体７１の口部７３とキャップ９０とで挟持して取付けたが、これに限定されるものではなく、第１実施形態の逆止弁ユニット１を含め本発明の逆止弁ユニットは、容器本体の口部及び／又はキャップにあらかじめ接着されていてもよい。また逆止弁ユニットを直接、容器本体の口部に接着する場合は、注出口付のキャップを用いることなく、フィルムの吐出口等を注出口として注出容器を使用することもできる。キャップを用いずに使用する場合は、基台、カバー、スパウト又は容器本体に蓋体を設けてもよい。

　フィルムは、各実施形態において記載したものに限定されるものではなく、例えば第１実施形態の逆止弁ユニット１に吐出孔３８を設けたフィルム３２や弓形のフィルム３３を用いてもよく、またこれらに限定されるものでもない。第１実施形態の逆止弁ユニット１以外の逆止弁ユニットのフィルムにおいても、技術的に矛盾しない範囲で他の実施形態の逆止弁ユニットで使用されるフィルムを使用することができる。

　逆止弁ユニットを装着する際に使用するキャップも、各実施形態において記載したものに限定されるものではない。例えば第３実施形態の逆止弁ユニット３の取付けに封止部９２が厚肉のキャップ９０や円孔９９が設けられたキャップ９８を用いるなど、技術的に矛盾しない範囲で他の実施形態の逆止弁ユニットで使用されるキャップを使用することができ、またこれらに限定されるものでもない。

　また基台、カバー又はキャップと、スパウト又は容器本体とを連結する方法として螺合を用いたが、連結方法は螺合に限定されるものではない。例えばスナップフィットのように互いに係合する凹凸部、爪、又はその他の係止手段を設けて係合させてもよい。要するに基台、カバー又はキャップと、スパウト又は容器本体とを連結する方法は、逆止弁ユニットと容器本体等との接触部（装着箇所）の気密性を確保することができるように互いをしっかりと連結することができればよい。

　フィルムの吐出口又は吐出孔と、カバー又はキャップの注出口との位置関係は、特定の位置に限定されるものではないが、注出口が吐出口又は吐出孔に対して基台の中心を挟んで反対側に配置するように逆止弁ユニットを取付けると、内容物の注出時に吐出口又は吐出孔が基台の弁孔よりも常に高い位置となる。このようにすると、基台上面の流路に空気が侵入しても上方の吐出口又は吐出孔の方へ向かうので、空気が弁孔まで到達し難く、好ましい。

　またフィルムは、放射状に均一に張力を加えた状態で基台の上面に接着されると、シール不良の原因となる皺の生成が抑制され、好ましい。さらには、基台の上面をドーム状に形成すると、フィルムに張力を加えやすくなり、かつ張力がフィルムを基台に密着させる方向にも働くので、逆止弁のシール性能が向上し、好ましい。

　またスパウト１０１、１０２には逆止弁ユニット１を接着して取付けたが、これに限定されるものではなく、他の実施形態の逆止弁ユニットを使用することができる。例えば第２実施形態の逆止弁ユニット２の凸部２５を用いて圧入又は係合してもよい。

　この他、技術的に矛盾しない範囲で各実施形態における特徴的な部分、構成を適宜組合せて使用してもよいことは言うまでもない。

１、２、３、４、５、６、７、　逆止弁ユニット
８、９、１０、１６、１８、　　逆止弁ユニット
１０３、１０５、１０７　　　　逆止弁ユニット
１５１、１５３　　　　　　　　逆止弁ユニット
１１、１２、１３、１４、　　　基台
１５、１７、１９、１０４、　　基台
１０６、１０８、１５２、　　　基台
１５４、１６１、１６２、　　　基台
１６３、１６４、２００　　　　基台
２１　　　　　　　　　　　　　弁孔
２２、５７　　　　　　　　　　下面取付部
２３、４１、５３　　　　　　　上面取付部
２４　　　　　　　　　　　　　弁部
２５　　　　　　　　　　　　　凸部
２６　　　　　　　　　　　　　段差部
２７　　　　　　　　　　　　　雌ねじ
２８　　　　　　　　　　　　　係止部
３０　　　　　　　　　　　　　側面取付部
３１、３２、３３、３４、３５　フィルム
３７　　　　　　　　　　　　　吐出口
３８　　　　　　　　　　　　　吐出孔
３９　　　　　　　　　　　　　吐出経路
４０　　　　　　　　　　　　　リング
４３　　　　　　　　　　　　　パッキン
４４　　　　　　　　　　　　　Ｏリング
４５、４６、４７、４８、　　　カバー
４９、５０、６０、６６　　　　カバー
５２、６８　　　　　　　　　　排出口
５４　　　　　　　　　　　　　天井面
５５　　　　　　　　　　　　　注出口
５６　　　　　　　　　　　　　係止部
７０、７８、７９、８０、　　　注出容器
１７５　　　　　　　　　　　　注出容器
７１、７２　　　　　　　　　　容器本体
７３　　　　　　　　　　　　　口部
７４　　　　　　　　　　　　　口部先端部
７５　　　　　　　　　　　　　雄ねじ
８１　　　　　　　　　　　　　内容物
９０、９５、９６、９８、　　　キャップ
１９０　　　　　　　　　　　　キャップ
９２、１９２　　　　　　　　　封止部
１０１、１０２　　　　　　　　スパウト
１４１、１４２、１４３　　　　突起
１４４　　　　　　　　　　　　面取部
１４５　　　　　　　　　　　　Ｒ面取部
１４６　　　　　　　　　　　　段差
１５０　　　　　　　　　　　　被取付部
１５５、１５６、１６５、　　　フィルム挟持具
１６６、１６７、１６８、　　　フィルム挟持具
２０１　　　　　　　　　　　　フィルム挟持具
１８０、１８１　　　　　　　　流路
２０３　　　　　　　　　　　　継ぎ目
２０４　　　　　　　　　　　　逃げ溝

Claims

　弁孔を備える基台と前記弁孔を開閉自在に前記基台に重ねられたフィルムとを有し、前記基台側から前記フィルム側への一方向のみ流体を通過させる逆止弁を備える逆止弁ユニットであって、
　前記基台は、前記弁孔が設けられ前記フィルムが重ねられる弁部と、該逆止弁ユニットを被取付部に取付けるための取付部とを有し、
　前記弁部は、前記フィルムが前記被取付部に接触しないように前記取付部とは重複しない領域に設けられていることを特徴とする逆止弁ユニット。
　前記基台は、前記取付部の一部を構成する、前記被取付部の内周に嵌り込む凸部を備えることを特徴とする請求項１に記載の逆止弁ユニット。
　前記基台は、前記フィルムが重ねられた面の周縁部に前記フィルムの上面よりも高い段差部を有し、
　前記弁部は、前記段差部の上面とは重複しない領域に設けられていることを特徴とする請求項１又は２に記載の逆止弁ユニット。
　前記基台の前記フィルムが重ねられた面の周縁部に取付けられたリングを有し、前記リングが前記段差部を形成することを特徴とする請求項３に記載の逆止弁ユニット。
　前記リングは、前記基台とで前記フィルムを挟持した状態で前記基台に取付けられていることを特徴とする請求項４に記載の逆止弁ユニット。
　前記基台とで前記フィルムを挟持するように前記基台に取付けられたフィルム挟持具を有することを特徴とする請求項１から５のいずれか１項に記載の逆止弁ユニット。
　さらに流体を排出する排出口を有し、前記フィルムの上面を覆うように前記基台、前記リング又は前記フィルム挟持具に取付けられたカバーを有し、
　前記カバーは、天井面が前記フィルムの上面と一定の間隔を有することを特徴とする請求項１から６のいずれか１項に記載の逆止弁ユニット。
　前記カバーは、前記基台とで前記フィルムを挟持した状態で前記基台、前記リング又は前記フィルム挟持具に取付けられていることを特徴とする請求項７に記載の逆止弁ユニット。
　前記基台と、前記リング、前記フィルム挟持具又は前記カバーとには、前記取付部とは重複しない領域でかつ、前記フィルムを挟持する面の継ぎ目となる互いの周縁部に接着時に発生するバリの逃げ溝が設けられ、前記継ぎ目において少なくとも前記基台と、前記リング、前記フィルム挟持具又は前記カバーとが接着されることを特徴とする請求項５から８のいずれか１に記載の逆止弁ユニット。
　前記取付部は、前記基台に代えて、前記基台、前記リング、前記フィルム挟持具、又は前記カバーのうち少なくともいずれか一つ以上に設けられていることを特徴とする請求項１から９のいずれか１項に記載の逆止弁ユニット。
　前記取付部は、前記フィルムが重ねられた面に直交するように、又は前記フィルムが重ねられた面に対して角度を有するように設けられていることを特徴とする請求項１から１０のいずれか１項に記載の逆止弁ユニット。
　前記取付部は、前記被取付部に気密状態で取付け可能なことを特徴とする請求項１から１１のいずれか１項に記載の逆止弁ユニット。
　前記取付部に設けられたシール手段、前記取付部と前記被取付部との間に介装されたシール手段、又は前記被取付部に設けられたシール手段のうち少なくともいずれか１のシール手段により前記取付部が、前記被取付部に気密状態で取付けられていることを特徴とする請求項１から１２のいずれか１項に記載の逆止弁ユニット。
　前記基台、前記リング、前記フィルム挟持具又は前記カバーのうち少なくとも一つは、前記被取付部に設けられた連結部に連結する連結手段を備え、前記連結手段を介して逆止弁ユニットを前記被取付部に直接連結可能なことを特徴とする請求項１から１３のいずれか１項に記載の逆止弁ユニット。
　前記取付部を介して容器、装置、機器の本体又は付属品、又は配管の前記被取付部に取付けて使用されることを特徴とする請求項１から１４のいずれか１項に記載の逆止弁ユニット。
　請求項１から１５のいずれか１項に記載の逆止弁ユニットを備える構造体であり、
　前記構造体が、スパウト、キャップ、容器本体又は注出容器であることを特徴とする構造体。