JP7165083B2 - エアレスキャップ及びエアレスキャップ付き容器 - Google Patents
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Description
このようなエアレスキャップは、最近では、微小繊維質の材料や微粒状のものを分散含有した内容物を収容した容器に取り付けられることがあり、このような内容物であっても、外気の流入を確実に防止して安定した内容物の注出が可能な逆止弁構造となっていることが望ましい。
以下、図面を参照しながら、本発明に係るエアレスキャップの実施形態、及び、エアレスキャップを取り付けた容器の実施形態について説明する。
本実施形態の容器100は、内側体101と外側体102を備えた二重成形容器として構成されており、内側体101に内容物が収容され、内側体101と外側体102との間に外気が導入される構造となっている。このような容器100は、使用時において、外側体102の胴部を押圧すると、内側体101が減容変形して内容物が注出される。また、外側体102は、そのスクイーズ性によって原形復帰し、内側体101と外側体102との間には外気が導入されるため、内側体101は、減容変形した状態が維持される。
本実施形態の容器は、内側体101の口部101aが外側体102の口部102aから僅かに突出しており、口部101aの外周に沿って形成されたフランジ101bが、口部102aの開口縁102bに当接して係止された状態となっている。そして、このような係止構造において、フランジ101bと開口縁102bとの間には、一定間隔をおいて周方向に沿った円弧状の切欠部105が形成されており、この切欠部105が外気流入路としての機能を果たしている(以下、外気流入路105とする)。この外気流入路105は、図2、図3、及び、図8に示されており、例えば、円周方向に沿って略90°間隔で4箇所形成され、後述するエアレスキャップ1の吸気弁を介して、内側体101と外側体102との間に外気を流入させる機能を果たす。
本実施形態のエアレスキャップ1は、内側体101に収容された内容物が注出される注出口11を具備した本体10と、本体10の内部に取り付けられ、内側体の内部空間から注出口11に至る流路24が設けられた中栓20と、略平坦状で弾性変形可能であり、中栓20を本体10に取り付けた際に本体10と中栓20との間に介在されて固定状態となる弁体50と、を有している。
中栓20は、前記本体10(天板10bの裏面側)との間に、略平坦状で弾性変形可能な弁体50を介在させて保持すると共に、容器内の内容物を注出口11に案内して流出させる機能を有している。すなわち、本体10との間に介在される弁体50と協働して、内容物を、流路24を介して注出口11に流出させると共に、外気を容器内に流入させない逆止弁(注出弁)としての機能を発揮する。
前記一対の切欠き27aは、中栓20を本体10に組み付ける際、天板10bの裏面に形成された前記突起14と係合し、切欠き27bは、天板10bに形成された吸気口12に位置付けられる。この切欠き27bの位置には、後述する弁体50に形成された吸気弁55が位置付けされる。
まず、図5に示す弁体50を図6に示す中栓20に組み付ける(組付けた状態を図7に示す)。両部材の組み付けに際しては、吸気弁55を中栓の切欠き27bに位置合わせしつつ、弁体50の環状突起51を、中栓20の凹所25の底面25aに形成された環状の溝25bに嵌合すれば良く、これにより、弁体50は、中栓20の凹所25内に設置され、両者は一体化(ユニット化)される。
この状態で、弁体50の中央の密着領域54は、図8に拡大して示すように、圧接部22の傾斜面22aに所定の弾性力で密着している。なお、弁体50に形成される開口53の径を変更することで、弁体50の傾斜面22aに対する密着領域54(密着幅L)を容易に変更することが可能であり、また、傾斜面22aの凹所25の底面25aに対する傾斜角度αを変更することで、密着領域54における密着力を容易に変更することが可能である。
すなわち、上記した構成によれば、エアレスキャップ1の組立を容易に行なうことができる。
図10に示す構成(第2の変形例)は、圧接部22の頂部に、凹状部22dを形成しており、弁体50の開口部53の周囲の内縁領域を変形させて凹状部22dに沿って弾性変形させている。このような構成によれば、密閉性を向上させることができる。
図11に示す構成(第3の変形例)は、弁体50の中央部に開口を形成するのではなく、密着する傾斜面22aに対する密着領域54に複数の開口53aを形成している。このような開口53aは、例えば、円周上に沿って複数個形成することが可能であり、その形成個数を減らしたり、密着幅Lの中央寄りに形成することで、シール性を高めることができる。
この変形例の弁体50は、前記流路24を塞ぐ領域に、内容物が収容された前記収容体に押圧力が作用した際、点線Bで示すように、前記注出口11の方向に膨出すると共に、前記収容体に作用する押圧力が解除された際、実線Aで示すように、前記収容体側に反転して流路24に入り込むことが可能な反転変形部58を備えている。
このような形状の弁体50は、収容体に押圧力が作用していない状態では、凹状に窪んだ反転変形部58が圧接部22の周囲の流路24に入り込んでおり、そこから径方向内側(密着領域54)は、圧接部22の傾斜面22aに圧接された状態となっている。この状態で、収容体に押圧力を作用させると、反転変形部58の領域が流路24側から押し上げるような押圧作用を受けて膨出変形し、これにより密着領域54が傾斜面22aから離間して内容物が注出される。
上記した実施形態では、容器として、二重成形タイプのものを例示したが、プラスチック製のフィルムシートを重ねた容器(パウチパック)にも適用することが可能である。具体的には、容器200は、例えば、図14に示すような矩形のフィルムシート201a,201bを重ね合わせ、斜線で示す部分をヒートバー等によって熱溶着することで形成される。このような容器は、内容物が注出されるにしたがって萎むように柔軟性を有しており、使い切った後は、そのまま廃棄することが可能である。
なお、第1実施形態のエアレスキャップと同様な構成、機能を有する部分には、同一の参照符号を付し、その詳細な説明については省略する。
上記したエアレスキャップについては、平板状で弾性変形可能に形成された弁体を中栓と本体との間に介在し、中栓に設けられた傾斜面を有する圧接部に密着させて注出弁が構成されていれば良く、それ以外の構成については適宜変形することが可能である。例えば、本体10,10Aには、注出口を閉塞するためのキャップ(ヒンジ式、スクリュー式など)が別途、装着されていても良い。また、注出口の配設位置を弁体50の開口部の真上部とせず、位置関係をずらして、例えば、注出内容物を真上の壁面に当ててから注出口に向かうようにすることで、内容物の急な注出を緩和し、注出口から穏やかに流出させることができる。その他、所望により、圧接部の構成、及び流路の形成方法など、種々変形することが可能である。
10,10A 本体
12 吸気口
20 中栓
22 圧接部
22a 傾斜面
50,50A 弁体
55 吸気弁
58 反転部
100,200 収容体
Claims (8)
- 内容物を収容する変形可能な収容体に装着され、前記収容体に作用する押圧力によって内容物が注出される際、内容物の注出を許容し、外気の流入を阻止するエアレスキャップであって、
前記エアレスキャップは、内容物が注出される注出口を具備した本体と、前記本体の内部に取り付けられ、前記収容体の内部空間から注出口に至る流路が設けられた中栓と、弾性変形可能であり、前記中栓を本体に取り付けた際に前記本体と中栓との間に介在されて固定状態となる略円形状で略平坦状の弁体と、を有し、
前記中栓は、前記本体に取り付けられ、中央領域に形成された円形の開口を有する基体と、前記円形の開口内に複数の連結部を介して前記基体と一体形成され、傾斜面を備えた圧接部と、前記基体の前記圧接部の径方向外方に形成され、前記弁体の肉厚と同程度の深さを備えて前記弁体が設置される円形の凹所と、前記弁体の外周面から垂下して突出形成される環状突起が嵌合する環状の溝を有する嵌合構造と、を有し、
前記流路は、前記圧接部の周囲で前記複数の連結部間に形成され、
前記圧接部は、前記注出口に向けて膨出することで前記傾斜面を形成すると共に、前記円形の凹所よりも前記注出口側に突出するように形成され、
前記弁体と中栓は、前記嵌合構造によって弁体が中栓に付勢されて両者が一体化した状態で前記本体に取り付け可能であり、
前記本体と中栓との間に介在される略平坦状の弁体は、前記円形の凹所に嵌合、設置された状態で、前記圧接部によって中央領域を弾性的に撓ませて前記傾斜面に対する密着状態を維持するように前記基体に保持されており、
前記弁体には、前記傾斜面に対する密着状態で傾斜面の中央領域を露出させる開口が形成されており、
前記中栓と弁体は、前記収容体に押圧力が作用した際、前記傾斜面から弾性的に撓んだ状態の弁体を離間させて前記開口を介して内容物の注出を可能にすると共に、前記収容体に作用する押圧力が解除された際、前記傾斜面から離間した弁体を傾斜面に密着させて前記開口を閉塞する注出弁を構成している、ことを特徴とするエアレスキャップ。 - 前記弁体には、前記傾斜面に対する密着状態で傾斜面を露出させる複数の開口が形成されている、ことを特徴とする請求項1に記載のエアレスキャップ。
- 前記弁体は、前記流路を塞ぐ領域に、内容物が収容された前記収容体に押圧力が作用した際には、前記注出口の方向に膨出すると共に、前記収容体に作用する押圧力が解除された際には、前記収容体側に反転して前記流路に入り込むことが可能な反転部を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載のエアレスキャップ。
- 前記弁体の反転部は、弁体の他の部位に比べて肉厚が薄い薄肉領域を備えることを特徴とする請求項3に記載のエアレスキャップ。
- 前記中栓の傾斜面は、前記流路を塞ぐ領域で前記弁体の反転部が反転して流路に入り込んだ際の弁体の形状に沿うように形成されていることを特徴とする請求項3又は4に記載のエアレスキャップ。
- 前記弁体は、エラストマー、又は、弾性プラスチック材によって一体成形されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のエアレスキャップ。
- 請求項1から請求項6のいずれか1項に記載されたエアレスキャップが装着可能な容器であり、
前記内容物を収容する収容体を構成する内側体と、前記内側体を囲繞するように成形された外側体と、前記内側体と外側体との間に空気の流入を許容する外気流入路と、を有し、
前記エアレスキャップは、前記外側体に形成された口部に固定される、ことを特徴とする容器。 - 請求項1から請求項6のいずれか1項に記載されたエアレスキャップが装着可能な容器であり、
前記エアレスキャップの本体は、断面略楕円形状の溶着部を備えた溶着体に一体形成された口部に固定され、
前記溶着部に、周囲が溶着されたプラスチック製のフィルムシートが溶着されている、ことを特徴とする容器。
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