JP5986462B2 - 注出入治具及び注出入治具を備える容器の製造方法 - Google Patents
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Description
また、特許文献1には、注入口を備え且つ密閉性を有する金属ケースが記載されている。注入口は、金属ケースに形成された開口であり、注入口には、金属管の下端部が挿入されて固定されている。この注入口に固定された金属管から金属ケース内に封入物が注入される。つまり、金属管は、金属ケースの注入部位を形成している。そして、金属管は、金属ケースの壁部の表側及び裏側からハンダ付け又は溶接されることによって、注入口の周囲に対して固定されている。
また、特許文献1に記載の金属ケースにおいて、気密性、耐圧性等が要求されるなど、高い密閉強度が要求される場合、金属管はハンダ付け又は溶接によって金属ケースに固定される。母材を共に溶かす溶接による固定を行うためには、強度的な問題等から金属管及び金属ケースの肉厚を増大する必要がある。そのため、金属ケースの加工機械が大型化してコストが増加する他、金属ケースの重量増加によってその使用用途が限定されてしまうという問題がある。
さらに、ハンダ付け又は溶接による固定を行うためには金属が表面に露出している必要がある。しかしながら、例えば金属板に樹脂フィルムを片面又は両面に積層したラミネート金属板や、意匠性、絶縁性等を付与するために塗装された樹脂被覆金属板を用いて、公知のヒートシール法で作製した金属ケースでは、ハンダ付け又は溶接時に発生する熱により樹脂製の被覆層が劣化してしまい、気密性、耐圧性が得られなくなるという問題もある。
第一押圧部材の第一押圧部及び軸部は、別個の部材であり、第一押圧部は、軸部に移動可能に設けられてもよい。
板状材に対して封止材と同じ側に位置する第二押圧部材又は第一押圧部材の第一押圧部が、板状材と対向する部位に、封止材を含むことができる第二窪みを有してもよい。
また、この発明に係る上記注出入治具を壁部に備える容器の製造方法は、リブを板状材に押し当てた状態から、封止材と共に板状材を変形させつつ第一窪み内に押圧するように第一押圧部及び第二押圧部材を互いに接近させることによって、第一押圧部材及び第二押圧部材を取付穴に固定することを含む。
実施の形態1.
まず、この発明の実施の形態に係る注出入治具100及び注出入治具100を備える金属容器1の構成を説明する。
図1を参照すると、略直方体状をした金属容器1の上部に形成された窪みの上部壁部1aに、金属容器1の注出入口を形成する注出入治具100が取り付けられ、さらに注出入治具100には、回転レバー式のバルブ器具2が取り付けられている。
例えば金属容器1は、100μmm程度の厚さの薄肉の金属板によって気密に形成されている。
図2を参照すると、注出入治具100は、板状材である金属容器1の壁部1aを貫通する取付穴1bに取り付けられるように構成されている。
注出入治具100は、略円筒状をした金属製の本体部11と、本体部11よりも大径の円筒状をした金属製の第二押圧部材13と、第二押圧部材13よりも大径の円板状をした金属製の第一押圧部12と、輪状の封止材14とによって構成されている。そして、本体部11及び第一押圧部12は、第一押圧部材10を構成し、さらに本体部11は、軸部を構成している。
封止材14は、ゴム、発泡体などの弾性材、弾性を有する金属ガスケット、金属パッキン等から形成されている。さらに、封止材14は、壁部1aの取付穴1bを外側から囲むことができる内径を有している。
また、六角頭部11aは、本体軸部11bよりも、本体軸部11bの径方向に広くなった形状を有している。
一方、六角端部11cは、本体軸部11bの径方向において、本体軸部11bと同等以下の大きさで形成されている。そして、六角端部11c及び本体軸部11bは、金属容器1の壁部1aに形成された取付穴1bに挿入可能な外径で形成されている。
ここで、凹部13bは、第一窪みを構成している。
また、第二押圧部材13は、凹部13bの中央で第二押圧部材13を円筒軸方向に貫通する締結穴13dを有している。締結穴13dは、凹部13bよりも小径に形成されている。さらに、締結穴13dは、その内周面の全体に雌ねじが形成され、本体部11の本体軸部11bの雄ねじ11baに外側から螺合するように形成されている。
図3の状態3Aを参照すると、注出入治具100において、六角端部11c及び本体軸部11bを貫通穴12aに通して第一押圧部12が取り付けられた本体部11が、六角端部11c及び本体軸部11bを、金属容器1の壁部1aの内部側から取付穴1bに挿入させる。なお、挿入の前に、第一押圧部12を貫通する本体軸部11bが封止材14に通され、本体軸部11bの周囲は封止材14によって囲まれている。これにより、本体軸部11bの挿入後、封止材14は、壁部1aと第一押圧部12との間に挟まれる。
また、このとき、封止材14は、取付穴1bの径方向外側に位置して取付穴1bを囲み、第二押圧部材13のリブ13cは、封止材14の径方向外側に位置し、第一押圧部12と対向している。
なお、注出入治具100の本体部11に六角端部11cを設けているため、本体部11をねじ回転の方向に固定することができ、バルブ器具2の接続端部2aと本体部11との接続が容易になる。
また、注出入治具100において、第一押圧部材10の第一押圧部12及び本体部11は、別個の部材であり、第一押圧部12は、本体部11の本体軸部11bに移動可能に設けられる。これによって、第一押圧部12及び第二押圧部材13を回転させずに本体部11を回転させることができ、そして本体部11のみを回転させることによって、第一押圧部12及び第二押圧部材13を互いに接近させることができる。つまり、第一押圧部12又は第二押圧部材13が回転することによる壁部1a及び封止材14の移動を防ぐことができる。
また、実施の形態1の注出入治具100において、第二押圧部材13の凹部13bと金属容器1の壁部1aとの間にも、封止材を設けてもよい。これにより、第二押圧部材13と壁部1aとの間を、より確実に封止することができる。
この発明の実施の形態2に係る注出入治具200は、実施の形態1に係る注出入治具100において、金属容器1への取付時に、壁部1aと第一押圧部12との間に封止材14を配置し、壁部1aを第二押圧部材13の凹部13b内に向かって窪むように変形させていたものを、封止材14を第二押圧部材13と壁部1aとの間に配置し、第一押圧部212にも壁部1aを窪ませるための凹部を形成するようにしたものである。
なお、実施の形態2において、前出した図における参照符号と同一の符号は、同一または同様な構成要素であるので、その詳細な説明は省略する。
第一押圧部212は、平坦な両側部の一方の側部212aの中央に、反対側の側部に向かって窪む円筒状の対向凹部212bを有している。なお、対向凹部212bの内径は、金属容器1の取付穴1bの内径及び封止材14の外径よりも大きいが、第二押圧部材13の凹部13bの内径以下となっている。
ここで、本体部11及び第一押圧部212は、第一押圧部材210を構成している。さらに、第一押圧部212の対向凹部212bは、第一窪みを構成し、第二押圧部材13の凹部13bは、第二窪みを構成している。
図4の状態4Aを参照すると、注出入治具200において、六角端部11c及び本体軸部11bを貫通穴212cに通して第一押圧部212が取り付けられた本体部11が、六角端部11c及び本体軸部11bを、壁部1aの内部側から取付穴1bに挿入させる。なお、第一押圧部212は、対向凹部212bを有する側部212aが六角頭部11aと反対側になるように、本体部11に取り付けられる。
このとき、封止材14は、第二押圧部材13の凹部13b内において取付穴1bの径方向外側に位置して取付穴1bを囲むと共に、第一押圧部212の対向凹部212bに対向する位置にある。また、第二押圧部材13のリブ13cは、第一押圧部212における対向凹部212bよりも突出する側部212aと対向している。
第二押圧部材13をねじ回転の方向に固定しつつ、本体部11の六角頭部11aをねじの締め付け方向に回転させると、軸方向に移動する本体部11の六角頭部11aに押圧される第一押圧部212が第二押圧部材13に接近する。
また、この発明の実施の形態2に係る注出入治具200のその他の構成及び動作は、実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。
また、実施の形態2の注出入治具200において、金属容器1の壁部1aに対して封止材14と同じ側に位置する第二押圧部材13が、壁部1aと対向する端部13aに、封止材14を含むことができる凹部13bを有している。これによって、第一押圧部212と第二押圧部材13との間で壁部1a及び封止材14を挟んで押圧するとき、封止材14が壁部1a上で凹部13bよりも外に移動して、第一押圧部212及び第二押圧部材13の間から外れてしまうことを防ぐことができる。
また、実施の形態2の注出入治具200において、第一押圧部212の対向凹部212bと金属容器1の壁部1aとの間にも、封止材を設けてもよい。これにより、第一押圧部212と壁部1aとの間を、より確実に封止することができる。
また、実施の形態1及び2の注出入治具100及び200が取り付けられる金属容器1を構成する金属板の厚さは、例に挙げた100μmmに限定されるものでなく、第二押圧部材13と第一押圧部12及び212とを互いに接近させることによって、封止材14によって変形させることができるものであればよい。
また、実施の形態1及び2の注出入治具100及び200において、第二押圧部材13は円筒状であったが、多角形断面を有する角筒状としてもよい。これにより、第二押圧部材13の周方向移動に対する固定が容易になる。
さらに、実施の形態1及び2の注出入治具100及び200は、金属板に取り付けられるだけでなく、注出入治具100及び200の取付時に封止材14によって変形することが可能であるいかなる板状の部材(シート・箔状の部材も含む)にも取り付けることができる。例えば、注出入治具100及び200を取り付ける部材は、パルプ・紙類、プラスチック・ビニル等の樹脂類、ゴム等の弾性材、皮革類、天然・合成繊維類などから形成されていてもよい。
Claims (5)
- 板状材の取付穴に取り付けられ、注出入口を形成する注出入治具において、
前記板状材に対向する第一押圧部、及び前記第一押圧部から延び且つ前記取付穴に通される軸部を有する第一押圧部材と、
前記軸部に軸方向に移動可能に設けられると共に前記板状材を挟んで前記第一押圧部と対向して設けられる第二押圧部材と、
前記第一押圧部及び前記第二押圧部材の間で前記取付穴の周囲を囲むように設けられ、弾性を有する封止材と
を備え、
前記板状材を挟んで前記封止材と反対側に位置する前記第一押圧部及び前記第二押圧部材の一方が、前記板状材と対向する部位に、前記封止材を含むことができる広さで開口する第一窪みと、前記第一窪みを囲むように前記一方から前記第一押圧部及び前記第二押圧部材の他方に向かう方向に突出されたリブとを有し、
前記軸部は、流体が流通可能な通路を軸方向に沿って有し、
前記第一押圧部材及び前記第二押圧部材は、前記リブを前記板状材に押し当てた状態から、前記封止材と共に前記板状材を変形させつつ前記第一窪み内に押圧するように前記第一押圧部及び前記第二押圧部材を互いに接近させることによって、前記取付穴に固定されるように構成されている
注出入治具。 - 前記第二押圧部材は、前記第一押圧部材の前記軸部の周りに螺合する請求項1に記載の注出入治具。
- 前記第一押圧部材の前記第一押圧部及び前記軸部は、別個の部材であり、
前記第一押圧部は、前記軸部に移動可能に設けられる請求項1または2に記載の注出入治具。 - 前記板状材に対して前記封止材と同じ側に位置する前記第二押圧部材又は前記第一押圧部材の前記第一押圧部が、前記板状材と対向する部位に、前記封止材を含むことができる第二窪みを有する請求項1〜3のいずれか一項に記載の注出入治具。
- 請求項1〜4のいずれか一項に記載の注出入治具を壁部に備える容器の製造方法であって、
前記リブを前記板状材に押し当てた状態から、前記封止材と共に前記板状材を変形させつつ前記第一窪み内に押圧するように前記第一押圧部及び前記第二押圧部材を互いに接近させることによって、前記第一押圧部材及び前記第二押圧部材を前記取付穴に固定すること
を含む、容器の製造方法。
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