WO2014097690A1

WO2014097690A1 - 噴出ポンプ及び該噴出ポンプを有するポンプ容器

Info

Publication number: WO2014097690A1
Application number: PCT/JP2013/074422
Authority: WO
Inventors: 正典反本
Original assignee: 株式会社テクノクラーツ
Priority date: 2012-12-20
Filing date: 2013-09-10
Publication date: 2014-06-26
Also published as: WO2014097682A1; WO2014098121A1; JP2014139091A; WO2014097663A1; WO2014097690A8; WO2014098126A1

Abstract

　逆止弁のシールに対する信頼が高く、製造が容易でコンパクトな噴出ポンプ及び該噴出ポンプを有するポンプ容器を提供する。　噴出ポンプ２１に用いられる逆止弁のうち、少なくとも１つ以上は、弁孔を備える基台と、弁孔を開閉自在に基台に重ねられたフィルムとを有し、基台側からフィルム側への一方向のみ流体を通過させる逆止機構を備え、基台が、弁孔が設けられフィルムが重ねられる弁部と、被取付部に取付けるための取付部とを有し、弁部が、フィルムが被取付部に接触しないように取付部とは重複しない領域に設けられている逆止弁ユニット８１（８２）である。

Description

噴出ポンプ及び該噴出ポンプを有するポンプ容器

　本発明は、逆止弁を備え、ピストン動作により流体を噴出する噴出ポンプ及び該噴出ポンプを有するポンプ容器に関する。

　各種ポンプ容器の口部に装着され、ピストン動作により内容物である流体、主に液体を噴出させる噴出ポンプは、種々のものが開発されている（例えば特許文献１参照）。一般的なポンプ構造は、流体の吐出経路上に逆止弁を有しており、ピストン動作により噴出経路の容積を変化させるとともに、逆止弁により流体の動きを規制することで、噴出経路内の圧力を制御し内容物を噴出させる。

　また噴出ポンプには、内容物を霧状にして噴出させるものや、内容物を泡状にして噴出させるものがある（例えば特許文献２、３参照）。

特開平５－３１９４６６号公報特開平１１－１３８０６４号公報実開昭５２－１５３１０７号公報

　特許文献１から３に代表されるような噴出ポンプでは、逆止弁として主に鋼球が用いられている。鋼球を用いる逆止弁は、鋼球が上下動する空間が必要となり、コンパクト化に限界がある。また鋼球とともにバネを用いる場合には、部品も小さく、組込みに手間がかかる。

　その他にも種々の逆止弁が用いられているが、基本的には噴出ポンプのピストン運動に連動して噴出経路内を上下動するものが多く、シール部材が上下動する空間を確保する必要がありコンパクト化に限界がある。またシール部材の可動範囲が広い程、不意の動作や引っ掛かり等が発生し易く、逆止弁のシール性が損なわれることがある。

　本発明の目的は、逆止弁のシールに対する信頼が高く、製造が容易でコンパクトな噴出ポンプ及び該噴出ポンプを有するポンプ容器を提供することである。

　本発明は、流体を収容する容器本体の口部に取付けられ、流体の吸込口、噴出経路、及び噴出口を有し、前記吸込口、前記噴出経路又は前記噴出口のうち、いずれか１箇所以上に１つ以上の逆止弁を備え、ピストン動作により流体を前記吸込口から吸込み、前記噴出口から噴出する噴出ポンプであって、前記逆止弁のうち、少なくとも１つ以上は、弁孔を備える基台と、前記弁孔を開閉自在に前記基台に重ねられたフィルムとを有し、前記基台側から前記フィルム側への一方向のみ流体を通過させる逆止機構を備え、前記基台が、前記弁孔が設けられ前記フィルムが重ねられる弁部と、被取付部に取付けるための前記取付部とを有し、前記弁部が、前記フィルムが被取付部に接触しないように前記取付部とは重複しない領域に設けられている逆止弁ユニットであることを特徴とする噴出ポンプである。

　本発明によれば、噴出ポンプは、逆止弁のうち少なくとも１つ以上が、弁孔を備える基台と、弁孔を開閉自在に基台に重ねられたフィルムとで構成される逆止機構を備える逆止弁ユニットなので、逆止機構の可動範囲が微小でありコンパクト化が可能である。また逆止弁ユニットは、基台が、弁孔が設けられフィルムが重ねられる弁部と、被取付部に取付けるための取付部とを有し、弁部が、フィルムが被取付部に接触しないように取付部とは重複しない領域に設けられているので、取付部を介して被取付部に容易に取付けることができ、さらに取付時のフィルムの噛み込みによる変形や損傷の恐れがなく、信頼性が高い。このような逆止弁ユニットを用いた噴出ポンプは、逆止弁のシールに対する信頼が高く、製造が容易でコンパクトである。

　また本発明において、前記逆止弁のうち、いずれか１つは、前記噴出経路内への外部流体の侵入を防止すべく前記噴出口に設けられており、前記噴出口に設けられた前記逆止弁が、前記逆止弁ユニットであることを特徴とする。

　本発明の噴出ポンプは、噴出口に逆止弁が設けられ、噴出経路内への外部流体、例えば空気の侵入を防止するので、噴出経路内の流体の酸化を防止することができる。

　また本発明において、前記基台は、前記取付部の一部を構成する、被取付部の内周に嵌り込む凸部を備えることを特徴とする。

　本発明によれば、逆止弁ユニットの基台は、被取付部の内周部に嵌り込む凸部を備えるので、取付時の逆止弁ユニットの位置決めが容易であり、被取付部に確実に取付けることができる。これにより取付時の噛み込み等によるフィルムの変形又は損傷を確実に回避することができる。また凸部を被取付部の内周に圧入又は接着することで、該凸部を介して逆止弁ユニットを被取付部と気密性を有した状態で取付けることができる。

　また本発明において、前記基台は、前記フィルムが重ねられた面の周縁部に前記フィルムの上面よりも高い段差部を有し、前記弁部は、前記段差部の上面とは重複しない領域に設けられていることを特徴とする。

　本発明によれば、逆止弁ユニットの基台は、フィルムが重ねられた面の周縁部にフィルムの上面よりも高い段差部を備えるので、逆止弁ユニットの取付時に、噛み込み等によるフィルムの変形又は損傷を確実に回避することができる。

　また本発明において、前記逆止弁ユニットは、前記基台の前記フィルムが重ねられた面の周縁部に取付けられたリングを有し、前記リングが前記段差部を形成することを特徴とする。

　本発明によれば、リングによって前記段差部を形成することができるので、段差部を簡単に設けることができる。

　また本発明において、前記リングは、前記基台とで前記フィルムを挟持した状態で前記基台に取付けられていることを特徴とする。

　本発明によれば、リングは、基台とでフィルムを挟持して基台に取付けられるので、逆止弁ユニットは、例えば、フィルムを挟持した状態でリングを基台に接着し、その後フィルムを基台の外形に沿って裁断する方法等で容易に製造可能である。

　また本発明において、前記逆止弁ユニットは、前記基台とで前記フィルムを挟持するように前記基台に取付けられたフィルム挟持具を有することを特徴とする。

　本発明によれば、基台とでフィルムを挟持するように基台に取付けられるフィルム挟持具を備えるので、逆止弁ユニットは、基台にフィルムを被せてフィルム挟持具を取付けるだけで容易に製造可能である。

　また本発明において、前記逆止弁ユニットは、さらに流体を排出する排出口を有し、前記フィルムの上面を覆うように前記基台、前記リング又は前記フィルム挟持具に取付けられたカバーを有し、前記カバーは、天井面が前記フィルムの上面と一定の間隔を有することを特徴とする。

　本発明によれば、逆止弁ユニットは、カバーを備え、フィルムはカバーと基台とで取り囲まれているので物にぶつかっても損傷の恐れがなく、さらに人の指などがフィルムに接触する恐れがないので衛生面においても好ましい。またカバーの天井面がフィルムの上面と一定の間隔を有しているので、開弁時のフィルムの浮き上がりを前記間隔内に規制することができ、天井面の高さを適切に設定することで、開弁時のフィルムの過剰な浮き上がりによる損傷、残留ひずみによるシール性能の低下を防止することができる。

　また本発明において、前記カバーは、前記基台とで前記フィルムを挟持した状態で前記基台、前記リング又は前記フィルム挟持具に取付けられていることを特徴とする。

　本発明によれば、カバーは、基台とでフィルムを挟持して基台、リング又はフィルム挟持具に取付けられるので、逆止弁ユニットは、例えば、フィルムを挟持して係合や嵌合等の方法でカバーを基台に組み付けてフィルムを重ねる方法、又はフィルムを挟持してカバーを基台に接着し、その後フィルムを基台の外形に沿って裁断する方法等で容易に製造可能である。

　また本発明において、前記基台と、前記リング、前記フィルム挟持具又は前記カバーとには、前記取付部とは重複しない領域でかつ、前記フィルムを挟持する面の継ぎ目となる互いの周縁部に接着時に発生するバリの逃げ溝が設けられ、前記継ぎ目において少なくとも前記基台と、前記リング、前記フィルム挟持具又は前記カバーとが接着されることを特徴とする。

　本発明によれば、フィルムを挟持する面の継ぎ目となる周縁部に逃げ溝が設けられ、継ぎ目において接着されるので、接着時に発生するバリが逆止弁ユニットの外形面から突出することを防止することができる。また継ぎ目において接着（溶着）されるので、基台とリング、フィルム挟持具又はカバーとにおいて接着（溶着）時の溶解による寸法収縮が防止され、逆止弁ユニットを被取付部に取付ける際の寸法管理が容易となり、被取付部とのシール不良を防止することができる。

　また本発明において、前記取付部は、前記基台に代えて、前記基台、前記リング、前記フィルム挟持具、又は前記カバーのうち少なくともいずれか一つ以上に設けられていることを特徴とする。

　また本発明において、前記取付部は、前記フィルムが重ねられた面に直交するように、又は前記フィルムが重ねられた面に対して角度を有するように設けられていることを特徴とする。

　本発明によれば、取付部は、フィルムが重ねられた面に直交するように、又はフィルムが重ねられた面に対して角度を有するように設けられているので、逆止弁ユニットを容易に縦長の形状とすることができる。被取付部の流路が細い場合、通常の逆止弁では、流体の入口である弁孔と流体の出口である吐出口との距離を長くとることができないためシール性能が低下し易い。これに対して本発明の逆止弁ユニットは、縦長の形状とすることができるので、弁孔と吐出口との距離を長くし、逆止弁のシール性能を確保することができる。

　また本発明において、前記取付部は、被取付部に気密状態で取付け可能なことを特徴とする。

　本発明によれば、逆止弁ユニットは、気密状態で被取付部に取付けられるので、取付部からの液漏れや、外部流体の侵入を確実に防止することができる。

　また本発明の噴出ポンプは、さらに流体を霧状にして噴出させるスプレーヘッドを前記噴出口の先端に備えることを特徴とする。

　また本発明の噴出ポンプは、さらに流体を泡状にして噴出させる泡噴出機構を備えることを特徴とする。

　また本発明は、前記噴出ポンプと、流体を収容する容器本体とを有し、前記容器本体に収容された流体を前記噴出ポンプにより噴出することを特徴とするポンプ容器である。

　また本発明において、前記容器本体は、胴部の全部又は一部が内容物の注出に伴いながら収縮する蛇腹構造を備えることを特徴とする。

　また本発明において、前記容器本体は、内容物の注出に伴いながら収縮する内側容器と、常に自立可能な外側容器とを備える二重容器であり、前記内側容器は、内容物を収容し、前記外側容器は、前記内側容器を収容し、前記噴出ポンプは、前記内側容器に連結されていることを特徴とする。

　本発明の噴出ポンプは、逆止弁のシールに対する信頼が高く、製造が容易でコンパクトである。このような噴出ポンプを備えるポンプ容器は、空気との接触を嫌う調味料、染毛剤、化粧料等のポンプ容器や醤油差し等に好適に使用することができ、製造コストが低く品質が高い。

本発明の第１実施形態のポンプ容器１の断面図である。図１のポンプ容器１の噴出ポンプ２１を押し込んだ状態の断面図である。図１のポンプ容器１の噴出ポンプ２１に用いる逆止弁ユニット８１（８２）の断面図である。図３の逆止弁ユニット８１（８２）の平面図である。逆止弁ユニットの変形例を示す図である。逆止弁ユニットの変形例を示す図である。逆止弁ユニットの変形例を示す図である。本発明の第２実施形態のポンプ容器２の断面図である。逆止弁ユニットの変形例を示す図である。本発明の第３実施形態のポンプ容器３の断面図である。本発明の第４実施形態のポンプ容器４の要部断面図である。本発明の第５実施形態のポンプ容器５の要部断面図である。

　図１は、本発明の第１実施形態のポンプ容器１の断面図である。図２は、図１のポンプ容器１の噴出ポンプ２１を押し込んだ状態の断面図である。図３は、図１のポンプ容器１の噴出ポンプ２１に用いる逆止弁ユニット８１（８２）の断面図である。図４は、図３の逆止弁ユニット８１（８２）の平面図である。

　本発明の第１実施形態のポンプ容器１は、内容物１０を収容する容器本体１１と、逆止弁を備え容器本体１１内に収容された内容物１０を噴出する噴出ポンプ２１とで構成されるポンプ容器であり、噴出ポンプ２１に用いられる逆止弁が、取付容易に且つコンパクトにユニット化され、シール性の良い逆止弁ユニット８１、８２であることに特徴がある。

　容器本体１１は、内容物１０を収容し、収容した内容物１０の減少に伴いながら収縮する内側容器１２と、内側容器１２を収容し保持した状態で常に自立可能な外側容器１３とで構成される二重容器であり、内側容器１２は外側容器１３に収容された状態で伸縮するが、外側容器１３により常に自立可能である。

　内側容器１２は、胴部が蛇腹構造の円筒容器であり、内容物１０の増減に伴い蛇腹が伸縮する。内側容器１２には、内容物１０の出入口となる口部１４が上面から突出するように設けられており、口部１４の外周面には噴出ポンプ２１が螺合する雄ねじ１５が設けられている。なお内側容器１２は、内容物１０の減少に伴いながら収縮可能であればよく、蛇腹構造に限定されるものではない。例えば、本件出願人が出願したＰＣＴ／ＪＰ２０１３／０６５７８１に記載の内容物の減少に伴いながら収縮する、折込み線が設けられた液体紙容器なども好適に用いることができる。

　内側容器１２の材質も特定のものに限定されるものではない。収容する内容物によっては、熱安定性、紫外線による劣化防止、帯電防止等が要求される。このような場合には、適宜、要求される仕様に適した材料を使用して内側容器を形成すればよい。

　内側容器１２内に収容可能な内容物１０は、特定の内容物に限定されるものではなく、ポンプ容器１は、幅広く内容物を収容し注出することができる。内容物１０としては、醤油などのような比較的粘度の低い液体、マヨネーズのような粘性流体、サンプリングガスなどの気体、スラリー溶液、液体中に固形分が浮遊する懸濁溶液などが例示される。

　外側容器１３は、内側容器１２よりも一回り大きい円筒容器であり、上面に内側容器１２の口部１４の外径と略同一の径を有する開口部１６が設けられ、開口部１６に内側容器１２の口部１４を嵌め込み、口部１４の外周面を接着させて内側容器１２を保持する。なお内側容器１２を保持する方法は、これに限定されるものではない。また外側容器１３は、内側容器１２を保持した状態で内部に空気を取り込むことが可能な構造となっており、例えば、空気孔（図示省略）等が設けられている。

　外側容器１３は、内側容器１２を収容し自立可能であればよく、特定の形状や構造に限定されるものではない。また外側容器１３の材質は、噴出ポンプ２１を操作する上では容易に変形しない材質であることが好ましいが、自立可能であれば可撓性を有する材質でもよく、特定の材質に限定されるものではない。

　噴出ポンプ２１は、吸込口４１を有する吸込ユニット３１と、噴出口６１を有する噴出ユニット５１と、噴出ユニット５１を持ち上げるバネ７１とを備え、吸込ユニット３１が内側容器１２の口部１４に連結され、噴出ユニット５１が吸込ユニット３１にバネ７１を挟んで上下動自在に連結され、噴出ユニット５１のピストン動作により内側容器１２に収容されている内容物１０を吸込口４１から吸込み、噴出口６１から噴出する。

　吸込ユニット３１は、二重の円筒体であり、内側円筒部４２の内部が内容物１０を流通させる噴出経路５０となっており、内側円筒部４２の下端に吸込口４１を有し、内側円筒部４２の中央部の外周面に、容器本体１１の口部１４に気密状態で連結可能なキャップ部４３が有頂円筒状に形成され、さらに噴出ユニット５１が外れないように係止するための係止部４４がキャップ部４３の上面から円筒状に形成されている。

　吸込ユニット３１の内側円筒部４２の下端の内周面には、後述する第一逆止弁ユニット８１が嵌り込むように凹状の段差部４５が形成されており、段差部４５に第一逆止弁ユニット８１が接着される。また内側円筒部４２の上端の外周面には、バネ７１が嵌り込むバネ受け部４６が形成されている。

　吸込ユニット３１のキャップ部４３の内周面には、容器本体１１の口部１４の雄ねじ１５に螺合する雌ねじ４７が形成されている。またキャップ部４３の天井面４８には、全周において容器本体１１の口部１４と線当たりとなるように周縁部にテーパが形成されている。

　係止部４４の上端は、噴出ユニット５１が吸込ユニット３１から外れないように係止可能な形状に形成されている。

　吸込ユニット３１の材質は、特定の材質に限定されるものではなく、例えば、合成樹脂、金属、ガラス、炭素、焼結材、木材等が例示され、これらの複合材や、蒸着、塗布、メッキ、金属箔等により表面を金属で被覆した材料等でもよく、用途、内容物等に応じて適宜選択して使用することができる。

　噴出ユニット５１は、上部６２で連結された二重の円筒体であり、上部６２に噴出口６１が形成されている。噴出ユニット５１は、内側円筒部６３の内部から噴出口６１にかけて逆Ｌ字状に噴出経路７０が形成されており、内側円筒部６３の下端が内容物１０の流入口６５となる。また内側円筒部６３の下端面には、後述する第二逆止弁ユニット８２が接着されている。

　噴出ユニット５１は、内側円筒部６３の外径が吸込ユニット３１の内側円筒部４２の内径と略同一であり、外側円筒部６４の内径が吸込ユニット３１の内側円筒部４２の外径と略同一であり、バネ７１が吸込ユニット３１のバネ受け部４６に挿入された状態で、内側円筒部６３が吸込ユニット３１の内側円筒部４２に上下動自在に挿入され、外側円筒部６４に吸込ユニット３１の円筒部４２が上下動自在に挿入される。

　噴出ユニット５１の内側円筒部６３の下端付近の外周面には、吸込ユニット３１の噴出経路５０の気密を確保するＯリング６６が取付けられている。

　噴出ユニット５１の外側円筒部６４の下端には、吸込ユニット３１の係止部４４に係止するストッパ６７が形成されている。

　噴出ユニット５１の材質は、吸込ユニット３１と同様、特定の材質に限定されるものではなく、例えば、合成樹脂、金属、ガラス、炭素、焼結材、木材等が例示され、これらの複合材や、蒸着、塗布、メッキ、金属箔等により表面を金属で被覆した材料等でもよく、用途、内容物等に応じて適宜選択して使用することができる。

　噴出口６１には、液体を霧状に噴霧させるスプレーノズル７３が装着されている。スプレーノズル７３は、特定のものに限定されるものではなく、噴霧させる内容物１０や噴霧条件等によって公知のスプレーノズルを適宜選定して用いることができる。またスプレーノズル７３は、必ずしも装着する必要はない。

　バネ７１は、内径が吸込ユニット３１のバネ受け部４６の外径と略同一であり、外径が噴出ユニット５１の外側円筒部６４の内径よりも小さい。バネ７１は、吸込ユニット３１のバネ受け部４６に挿入され、噴出ユニット５１の外側円筒部６４の天井面６８に上向きの力を加える。バネ７１には、噴出ユニット５１に外部から力が加わっていない状態で噴出ユニット５１をストッパ６７が吸込ユニット３１の係止部４４の上端に係止される状態まで押し上げ可能な弾性力を有するものを用いる。

　吸込ユニット３１に取付けられる第一逆止弁ユニット８１と噴出ユニット５１に取付けられる第二逆止弁ユニット８２とは、大きさが異なるが構成が同一であるため同一の符号を付し、以下、逆止弁ユニットとして同時に説明する。

　逆止弁ユニット８１、８２は、逆止弁を取付容易に且つコンパクトにユニット化したものであり、弁孔８４を有する基台８３と、基台８３に接着され吐出口８８を形成する薄膜のフィルム８７とで構成され、フィルム８７により弁孔８４を開閉させ、弁孔８４から吐出口８８への一方向のみ流体を流通させる。

　基台８３は、弁孔８４を有する円板であり、合成樹脂材からなる。但し、材質は特定の材質に限定されるものではなく、合成樹脂の他、例えば金属、ガラス、炭素、焼結材、木材等が例示され、これらの複合材や、蒸着、塗布、メッキ、金属箔等により表面を金属で被覆した材料等でもよく、用途、内容物等に応じて適宜選択して使用することができる。

　基台８３は、変形し難い剛性を有することを基本形とするが、フィルム８７よりも剛性が大きく、逆止弁ユニット８１、８２の開弁時にはフィルム８７が基台８３から浮き上がるように、かつ逆止弁ユニット８１、８２の閉弁時にはフィルム８７が基台８３に密着する剛性を有していれば剛性の大きさは特に問われない。基台８３の厚さも特定の厚さに限定されるものではない。また基台８３の外径は、被取付部の大きさに合わせて適宜決めることができる。

　基台８３の上面には、弁孔８４を内包し、フィルム８７が重ねられる弁部８５が確保されている。また基台８３上の弁部８５を除いた任意の領域が逆止弁ユニット８１、８２の取付時に被取付部に当接する取付部８６となる。取付部８６の範囲は、被取付部の形状等によって異なり、弁部８５を除いた範囲であれば特定の範囲に限定されるものではない。本実施形態においては、基台８３の上面の周縁部が取付部８６となる。

　基台８３の取付部８６の平面度、面粗度、形状等は、当接箇所の気密状態を確保可能に被取付部に応じて適宜決められる。なお逆止弁ユニット８１、８２をパッキン（図示省略）等のシール手段を介して取付けてもよく、このときには取付部８６の平面度、面粗度、形状等の条件を緩和することができる。

　弁孔８４の数は、限定されず１個、２個以上であってもよい。また弁孔８４の大きさも、特定の大きさのものに限定されるものではない。また弁孔８４は、円孔に限定されるものではなく、例えばスリット孔等でもよい。内容物の粘度等に応じて弁孔８４の数、大きさ、形状を適宜選択すればよいが、直径の小さい円孔を複数個設ける方が、フィルム７１に皺ができ難い。

　フィルム８７は、薄膜状の円形フィルムであり、可撓性、柔軟性、伸縮性を有する薄膜フィルムが含まれる。フィルムとしては、ポリエチレンなどの合成樹脂製フィルムや、合成樹脂製のストレッチフィルム、この他、可撓性及び／又は柔軟性を有する薄膜の金属製フィルム、炭素製フィルム、ガラス製フィルム等が例示されるが、特定の材質に限定されるものではなく、用途、内容物等に応じて適宜選択した材質のものを使用することができる。また空気の出入りを防ぐ合成樹脂材と水分の蒸発による乾燥を防ぐ合成樹脂材との多層フィルムなども好適に用いることができる。

　フィルム８７は、基台８３の弁部８５に包含され、かつ弁孔８４を包含可能な大きさであり、吐出口８８となる外周の一部と、弁孔８４から吐出口８８への吐出経路８９とを除いて基台８３の弁部８５内に弁孔８４を包含するように接着される。

　なおフィルム８７の形状は、特定の形状に限定されるものではなく、例えば、弓形や矩形等でもよく、基台８３の弁部８５に包含され（基台８３の取付部８６と重複せず）、かつ弁孔８４を包含可能であればよい。

　また吐出口８８の形成方法は、特定の方法に限定されるものではなく、例えば、後述する予め吐出孔が穿設されたフィルムを用いてもよい。

　吐出経路８９は、弁孔８４から吐出口８８へ直線状となるようにフィルム８７を弁部８５に接着して形成されているが、これに限定されるものではなく、例えば、分岐や集合等の経路を形成してもよく、弁孔８４から吐出口８８へ流体を流通可能であればよい。吐出経路８９は、例えば、吐出口８８を除いてフィルム８７の周縁部を弁部８５に接着し、平面視において円形に形成されていてもよい。

　フィルム８７は、基本的に逆止弁ユニット８１、８２の使用時に基台８３側の圧力がフィルム８７側の圧力よりも低いときには基台８３に密着して逆止弁を閉弁させ、基台８３側の圧力がフィルム８７側の圧力よりも高いときには基台８３から浮き上がり、逆止弁を開弁させる。またフィルム８７は、基台８３との間に液体が介在すると毛管吸引力が働くように接着される。

　吐出口８８は、基台８３の弁孔８４に対して基台８３の中心を挟んで反対側に配置される。弁孔８４から吐出口８８までの距離が短いと、フィルム８７が基台８３に密着して逆止弁が閉弁するよりも先に流体が逆流する恐れがあるが、上記のように吐出口８８を配置すると、弁孔８４から吐出口８８までの距離を長くとることができるため好ましい。但し、吐出口８８と弁孔８４との位置関係は、これに限定されるものではなく、逆止弁ユニット８１、８２の大きさ、内容物、用途等に応じて適宜決定することができる。なお、吐出口８８と弁孔８４とは、一部分でも重複してはいけないことは当然である。

　吸込ユニット３１に取付けられる第一逆止弁ユニット８１は、上面周縁部の取付部８６を介して段差部４５に接着され、噴出ユニット５１に取付けられる第二逆止弁ユニット８２は、上面周縁部の取付部８６を介して噴出ユニット５１の下端面に接着される。

　次にポンプ容器１を酸化防止用の醤油差しとして使用する場合を例として、使用方法を例示する。容器本体１１の口部１４から醤油を収容した後に噴出ポンプ２１を口部１４に取付ける。噴出ポンプ２１のキャップ部４３を容器本体１１の口部１４にしっかりと締め付け螺合させると、キャップ部４３の天井面４８のテーパ部分と容器本体１１の口部１４の先端とが当接して密着し当接箇所からの流体の出入りが防止される。

　噴出ポンプ２１を取付けた後は、噴出ユニット５１を押し込み容器本体１１の内側容器１２内、及び吸込ユニット３１の噴出経路５０内に残っている空気を排出させる。これにより内側容器１２内、及び吸込ユニット３１の噴出経路５０内は醤油で満たされ、第二逆止弁ユニット８２により外部の空気の侵入が防止されるので、収容されている醤油が酸化することはない。

　醤油を噴出するときは、噴出ユニット５１を押し込むと吸込ユニット３１の噴出経路５０内の容積が減少して昇圧され、吸込ユニット３１の第一逆止弁ユニット８１が閉弁し、噴出ユニット５１の第二逆止弁ユニット８２が開弁し、吸込ユニット３１の噴出経路５０内の醤油が第二逆止弁ユニット８２を通過し噴出ユニット５１の噴出経路７０を通って噴出口６１（スプレーノズル７３）より噴霧される。

　噴出ユニット５１を押し込むのをやめると、バネ７１の弾性力により噴出ユニット５１が持ち上げられる。このとき吸込ユニット３１の噴出経路５０内の容積が増大して減圧され、噴出ユニット５１の第二逆止弁ユニット８２が閉弁し、吸込ユニット３１の第一逆止弁ユニット８１が開弁し、内側容器１２内の醤油が第一逆止弁ユニット８１を通過し、吸込ユニット３１の噴出経路５０内に充填される。このとき内側容器１２は、吸込ユニット３１の噴出経路５０へ流出した醤油の容積分、減容し収縮する。なお醤油の噴霧を繰り返すと徐々に内側容器１２が収縮するが、ポンプ容器１は、外側容器１３により常に自立可能である。

　ポンプ容器１の使用中は、第二逆止弁ユニット８２により外部の空気の侵入が防止されるので、内側容器１２内、及び吸込ユニット３１の噴出経路５０内の醤油が酸化されることがない。また第二逆止弁ユニット８２は、閉弁時には負圧による作用に加え、基台８３とフィルム８７との隙間に介在する醤油の毛管吸引力とによりフィルム８７が基台８３の上面に素早く密着して逆止弁が閉弁されるので、シール性が良く、空気の侵入を確実に防止することができる。

　以上のように第１実施形態のポンプ容器１の噴出ポンプ２１に用いる逆止弁ユニット８１、８２は、構造が簡単でありながら鋼球や可動片等の部品を用いる他の逆止弁に比べて可動範囲が微小であり信頼性が高い。またフィルムにより弁孔を開閉するタイプの逆止弁では、フィルムが噛み込まれ等により変形したり損傷したりするとシール性が損なわれるが、本実施形態で用いる逆止弁ユニット８１、８２は、取付部８６が弁部８５と重複しない領域に設けられているので、噴出ポンプ２１への取付時にフィルム８７が噛み込まれる恐れがない。

　このように噴出ポンプ２１に逆止弁ユニット８１、８２を用いると容易に製造可能な低コストでコンパクト且つ高品質な噴出ポンプ２１を得ることができる。さらには、逆止弁ユニット８１、８２を用いた噴出ポンプ２１を備えるポンプ容器１は、低コストでコンパクト且つ高品質に製造することができる。

　次に本発明の噴出ポンプに用いる逆止弁ユニットの変形例を示す。図５から図７は、逆止弁ユニットの変形例を示す図である。第１実施形態の注出容器１に用いた逆止弁ユニット８１、８２と同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。

　図５（ａ）は、基台８３ａの上面に凸部１０１を有する逆止弁ユニット１００ａの断面図である。該逆止弁ユニット１００ａは、被取付部の内径と略同一の外径を有する位置決め用の凸部１０１を基台８３ａの上面に備え、取付時に凸部１０１が被取付部に隙間なく嵌め込まれて位置決めされる。このため該逆止弁ユニット１００ａは、取付けが容易であるとともに、取付部８６を被取付部に確実に当接させることができ、フィルム８７の噛み込みをより確実に防止することができる。なお取付方法によっては、凸部１０１を基台８３ａの下面に設けてもよく、上面及び下面の両方に設けてもよい。

　また図５（ａ）の逆止弁ユニット１００ａは、位置決め精度をさらに向上させるべく、基台８３ａの凸部１０１の外周面に突起（図示省略）を設け、被取付部の内周面に係合させてもよく、凸部１０１の外径を被取付部の内径よりも大きくして圧入するようにしてもよく、凸部１０１の外周面を被取付部の内周面に接着して取付けてもよく、凸部１０１の外周面と被取付部の内周面とに互いに螺合するねじ山（図示省略）や、互いに係合する凹凸部（図示省略）等を設けて直接、被取付部に連結させてもよい。また凸部１０１を被取付部の内周面に圧入又は接着する場合は、凸部の外周面を取付部としてシールするようにしてもよい。

　図５（ｂ）は、基台８３ｂの上面周縁部に段差部１０２を有する逆止弁ユニット１００ｂの断面図である。該逆止弁ユニット１００ｂは、基台８３ｂの上面周縁部に高さがフィルム８７の上面よりも高い段差部１０２が形成されており、段差部１０２の上面が取付部８６となり、段差部１０２が形成されていない領域に弁部８５を有する。該逆止弁ユニット１００ｂの取付時には、取付部８６が確実に被取付部に当接するので、フィルム８７が被取付部に接触する恐れがない。

　図５（ｃ）は、基台８３の上面周縁部にリング１０３を有する逆止弁ユニット１００ｃの断面図である。該逆止弁ユニット１００ｃは、基台８３と、基台８３の直径と略同一の直径を有するフィルム８７ｃと、平板状のリング１０３とを備え、基台８３の上面周縁部とリング１０３の下面とがフィルム８７ｃを挟持した状態で接着されて構成される。該逆止弁ユニット１００ｃでは、基台８３の上面全体がフィルム８７ｃを重ねる弁部８５となり、基台８３の上面周縁部に代えて、リング１０３の上面が取付部８６となる。

　フィルム８７ｃには、吐出孔９０が穿設されており、フィルム８７ｃは、吐出孔９０が基台８３の弁孔８４に対して基台８３の中心を挟んで反対側に配置される向きで接着される。吐出孔９０の位置は、弁孔８４と重複していなければよく、特定の位置に限定されるものではない。また吐出孔９０の大きさ及び形状についても、特定のものに限定されるものではなく、例えば、フィルム８７ｃに部分的に切込みを入れたスリット孔としてもよい。

　リング１０３は、厚さがフィルム８７ｃよりも厚く、上面が被取付部と当接する取付部８６となる。このため取付部８６がフィルム８７ｃの上面よりも高く、取付時には取付部８６が被取付部に確実に当接するので、フィルム８７ｃが被取付部に噛み込まれて変形又は損傷する恐れがない。

　図５（ｃ）の逆止弁ユニット１００ｃは、吐出孔９０が穿設されたストレッチフィルムを基台８３の上面全体に被せ、その上からリング１０３を基台８３に振動溶着や超音波溶着等で接着し、基台８３及びリング１０３の外径に沿ってストレッチフィルムを裁断する手順で容易に製造することができる。このようにリング１０３を用いると、リング１０３の接着と同時にフィルム８７ｃが吐出経路８９を確保した状態で接着される。ただし製造方法は、これに限定されるものではない。

　またリング１０３の下面を吐出経路８９を確保可能な任意の形状とし、フィルム８７ｃを挟持して接着することで吐出経路８９を任意の経路に形成することができる。なおフィルム８７ｃを予め弁部８５において吐出経路８９を除いて接着してもよい。

　またフィルム８７ｃは、挟持された状態で基台８３に接着されているが、これに限定されるものではなく、直径を小さくして挟持されていない状態で基台８３に接着されていてもよい。このときには、吐出孔９０が穿設されていないフィルム８７を用いて吐出口８８を形成するように接着されていてもよい。

　図５（ｄ）は、カバー１０４を備える逆止弁ユニット１００ｄの断面図である。該逆止弁ユニット１００ｄは、基台８３と、基台８３の直径と略同一の直径を有するフィルム８７ｄと、有頂円筒形状のカバー１０４とを備え、基台８３の上面周縁部とカバー１０４の円筒部の下面とがフィルム８７ｄを挟持した状態で接着されて構成される。また該逆止弁ユニット１００ｄの取付部は、基台８３の下面、基台８３の側面、カバー１０４の上面又はカバー１０４の側面のうち少なくともいずれか一つ以上の任意の領域に設けられる。

　フィルム８７ｄは、平面視において円の一部を切り取った弓形であり、円弧に沿った周縁部が挟持及び接着され、弦にあたる部分が挟持及び接着されずに吐出口８８を形成する。吐出口８８を設ける位置は、弁孔８４と重複しない位置に適宜決めればよい。また吐出口８８は、フィルム８７ｄの弦の一部のみを接着せずに形成されていてもよい。

　カバー１０４は、頂部に設けられ内容物１０を排出する排出口１０５を備え、カバー１０４の天井面１０６の高さがフィルム８７ｄの上面よりも高くなるように円筒部の高さが設定される。カバー１０４の排出口１０５と基台８３の弁孔８４、フィルム８７ｄの吐出口８８との位置関係は、特定の位置に限定されるものではない。またカバー１０４の材質は、特定の材質に限定されるものではなく、基台８３と同様に適宜選択したものを使用することができる。

　図５（ｄ）の逆止弁ユニット１００ｄでは、フィルム８７ｄの上面が基台８３とカバー１０４とで囲まれているので、接触によるフィルム８７ｄの変形又は損傷の恐れがない。また逆止弁ユニット１００ｄは、噴出ポンプ１１に取付けられる際、フィルム８７ｄに人が触れることがないため衛生上も好ましい。さらにカバー１０４の円筒部の高さを適切に設定することで開弁時のフィルム８７ｄの過剰な浮き上がりを抑制し、損傷、残留ひずみによるシール性能の低下を防止することができる。

　図５（ｄ）の逆止弁ユニット１００ｄは、フィルム８７ｄが弓形となるようにストレッチフィルムを基台８３の上面に一部を除いて被せ、その上からカバー１０４の円筒部の下面を基台８３に振動溶着や超音波溶着等で接着し、基台８３及びカバー１０４の外径に沿ってストレッチフィルムを裁断する手順で容易に製造することができる。このようにカバー１０４を用いると、カバー１０４の接着と同時にフィルム８７ｄが吐出経路８９を確保した状態で接着される。ただし製造方法は、これに限定されるものではない。

　またカバー１０４の下面を吐出経路８９を確保可能な任意の形状とし、フィルム８７ｃを挟持して接着することで吐出経路８９を任意の経路に形成することができる。なおフィルム８７ｄを予め弁部８５において吐出経路８９を除いて接着してもよい。

　なお図５（ｄ）の逆止弁ユニット１００ｄに使用するフィルムは、弓形のフィルム８７ｄに限定されるものではなく、例えば、円形のフィルム８７を用いてもよく、吐出孔９０が穿設されたフィルム８７ｃを用いてもよい。またフィルム８７ｄは、直径を小さくして円弧に沿った周縁部が挟持されずに基台８３に接着されていてもよい。

　図５（ｅ）は、カバー１０７を備える逆止弁ユニット１００ｅの断面図である。該逆止弁ユニット１００ｅは、カバー１０７を基台８３ｅに係合させて製造されている。基台８３ｅの側面及びカバー１０７の内周面には、互いに係合する凹部９１及び凸部１０８が設けられている。また吐出孔９０を有するフィルム８７ｃは、基台８３ｅの上面及び側面を被覆する大きさとなっている。このため基台８３ｅの上面及び側面は、全体がフィルム８７ｃを重ねる弁部８５となり、取付部を有しない。該逆止弁ユニット１００ｅの取付部は、基台８３ｅの下面、カバー１０７の下面、カバー１０７の上面又はカバー１０７の側面のうち少なくともいずれか一つ以上の任意の領域に設けられる。

　図５（ｅ）の逆止弁ユニット１００ｅの製造時には、基台８３ｅの上面にフィルム８７ｃを被せ、カバー１０７の凸部１０８と基台８３ｅの凹部９１とをフィルム８７ｃの周縁部を挟持した状態で係合させる。なお基台８３ｅとフィルム８７ｃとは、互いの一部があらかじめ接着されていてもよく、基台８３ｅとカバー１０７とは、係合されるとともに接着されていてもよい。

　またカバー１０７の天井面１０６には、フィルム８７ｃを押える厚肉のフィルム押え部（図示省略）を設けてもよい。さらにフィルム押え部及び基台８３ｅの上面に互いに嵌合する凹凸部（図示省略）を設けてフィルム８７ｃをよりしっかりと押えるようにしてもよい。

　図５（ｆ）は、フィルム挟持具１０９を有する逆止弁ユニット１００ｆの断面図である。該逆止弁ユニット１００ｆは、フィルム８７ｃを挟んだ状態でフィルム挟持具１０９を基台８３ｆに係合して製造されている。

　フィルム挟持具１０９は、基台８３ｆが嵌り込むリング形状であり、基台８３ｆとでフィルム８７ｃを挟持するように基台８３ｆに取付けられる。なおフィルム挟持具１０９の形状は、特定の形状に限定されるものではなく、例えば、半円形状の部品２つで構成されていてもよく、リング状に連続している必要はない。

　またフィルム挟持具１０９の厚さも、特定の厚さに限定されるものではなく、基台８３ｆを嵌め込んだ時にフィルム挟持具１０９の上面と基台８３ｆの上面とで段差が形成されるような厚さでもよい。また該段差の高さも、特定の高さに限定されるものではない。

　基台８３ｆの側面及びフィルム挟持具１０９の内周面は、それぞれ互いに嵌合する凹部９１及び凸部１１０を備えるとともに、互いにスライドして嵌り込むように傾斜している。なお傾斜の角度は、特定の角度に限定されるものではない。また基台８３ｆの上面周縁部は、丸味を帯びていることが好ましい。

　基台８３ｆの上面及び側面は、全体がフィルム８７ｃを重ねる弁部８５となり、取付部を有しない。逆止弁ユニット１００ｆの取付部は、基台８３ｆの下面、フィルム挟持具１０９の下面、フィルム挟持具１０９の上面又はフィルム挟持具１０９の側面のうち少なくともいずれか一つ以上の任意の領域に設けられる。

　図５（ｆ）の逆止弁ユニット１００ｆの製造時には、基台８３ｆの上面及び側面にフィルム８７ｃを被せ、その上からフィルム挟持具１０９を嵌め込み、該フィルム挟持具１０９の凸部１１０を基台８３ｆの凹部９１にフィルム８７ｃの周縁部を挟持した状態で係合させる。

　このとき基台８３ｆの側面及びフィルム挟持具１０９の内周面が傾斜しているので、フィルム挟持具１０９を基台８３ｆに嵌め込み易く、さらにフィルム８７ｃに適度な張力を加えながら嵌め込むことができ、フィルム８７ｃが皺になり難い。

　また基台８３ｆとフィルム８７ｃとは、互いの一部が予め接着されていてもよく、基台８３ｆとフィルム挟持具１０９とは、係合されるとともに接着されていてもよい。

　図５（ｆ）の逆止弁ユニット１００ｆでは、フィルム挟持具１０９を嵌め込むと同時に基台８３ｆの上面全体に吐出経路８９が形成される。なおフィルム８７ｃを予め弁部８５において吐出経路８９を除いて接着してもよい。

　図６（ａ）は、内周面が傾斜していないフィルム挟持具１０９ａを有する逆止弁ユニット１００ｇの要部断面図である。このようにフィルム挟持具１０９ａ及び基台８３ｇは、内周面又は外周面が傾斜していなくてもよい。

　図６（ｂ）は、内周面に凸部のないフィルム挟持具１０９ｂを有する逆止弁ユニット１００ｈの要部断面図である。このようにフィルム挟持具１０９ｂ及び基台８３ｈは、内周面又は外周面に凹部又は凸部を有しない場合でも傾斜部の嵌め合いによりフィルム８７ｃを挟持した状態で互いに嵌め込むことができる。

　図６（ｃ）及び図６（ｄ）は、基台８３ｉ、８３ｊの周縁部に受け部９２を有する逆止弁ユニット１００ｉ、１００ｊの要部断面図である。このように受け部９２を設けることでフィルム挟持具１０９ｃ、１０９ｄを受け部９２に突き当てて製造することができるので、製造が容易となる。またフィルム８７ｃが折込まれて挟持される箇所が増えるので、フィルム８７ｃの緩みや外れが起こり難くなる。

　図６（ｅ）は、基台８３ｋとフィルム挟持具１０９ｅとでフィルム８７ｃを挟持し、側面において溶着される逆止弁ユニット１００ｋの要部断面図である。基台８３ｋ及びフィルム挟持具１０９ｅは、それぞれ互いに嵌合する凹部９１及び凸部１１０を有し、フィルム８７ｃを挟んだ状態で嵌合され、嵌合時の継ぎ目９３において全周に亘って溶着される。なお図６（ｅ）の逆止弁ユニット１００ｋでは、フィルム８７ｃも継ぎ目９３において溶着されるが、フィルム８７ｃの直径を小さくしフィルム８７ｃを継ぎ目９３において溶着しなくてもよい。

　基台８３ｋ及びフィルム挟持具１０９ｅの継ぎ目９３となる互いの周縁部には、段差が設けられており、該周縁部に溶着時に発生するバリの逃げ溝９４が形成される。逃げ溝９４の幅及び深さは、バリが逆止弁ユニット１００ｋの外形面から突出しないように設定される。なお逃げ溝９４は、特定の形状に限定されるものではなく、例えば、断面がＶ字状や半円状等でもよい。また逃げ溝９４（継ぎ目９３）の位置は、側面に限定されるものではなく、例えば、図６（ａ）の逆止弁ユニット１００ｇのように継ぎ目が下面に位置する場合においても逃げ溝を設け、バリの突出を防止するようにしてもよい。

　図６（ｅ）に示すように、側面に位置する継ぎ目９３において逆止弁ユニット１００ｋの厚み方向には溶着せず周方向のみ溶着することで、溶解による寸法収縮が防止される。これにより基台８３ｋの下面及びフィルム挟持具１０９ｅの上面を取付部として逆止弁ユニット１００ｋを被取付部に取付ける際の寸法管理が容易となり、厚み方向の寸法ズレによるシール不良を防止することができる。なお図６（ａ）の逆止弁ユニット１００ｇのように継ぎ目が下面に位置する場合においても、継ぎ目において周方向にのみ溶着することで、寸法収縮が防止され、側面を取付部として逆止弁ユニットを取付ける際の被取付部とのシール不良を防止することができる。

　図６（ｆ）は、基台８３ｌ及びフィルム挟持具１０９ｆが種々の形状に形成された逆止弁ユニット１００ｌの要部断面図である。このように基台８３ｌの下面の形状は、特定の形状に限定されるものではなく、用途、機能、又は美観等に合わせて種々の形状とすることができる。またフィルム挟持具１０９ｆは、フィルム８７ｃの浮き上がりを防止するフィルム押え部を上部に備える他、側面の一部がくり抜かれており、下面が基台８３ｌの下面よりも突出している。

　またフィルム押え部は、上面がフィルム８７ｃの上面よりも高くなるように厚みを有し、図５（ｂ）の逆止弁ユニット１００ｂの段差部１０２と同様の作用効果を有する。このようにフィルム挟持具１０９ｆについても基台８３ｌと同様、特定の形状に限定されるものではなく、用途、機能、又は美観等に合わせて種々の形状とすることができる。

　またフィルム挟持具１０９ｆのフィルム押え部を吐出経路８９を確保可能な任意の形状とし、フィルム８７ｃを挟持して係合することで吐出経路８９を任意の経路に形成することができる。

　なお図６に示す逆止弁ユニットでは、吐出孔９０を有するフィルム８７ｃを用いたが、これに限定されるものではなく、例えば、他の変形例で用いた吐出孔９０を有しない円形フィルム８７や弓形フィルム８７ｄを用いてもよい。

　図７（ａ）は、基台８３ｍに葉脈状の溝９５を有する逆止弁ユニット１００ｍの平面図である。該逆止弁ユニット１００ｍは、基台８３ｍの上面の吐出経路８９となる部分に葉脈状の溝９５を備える。

　葉脈状の溝９５は、直線状の幹部９６と、幹部９６から分岐する複数の枝部９７とで構成され、吐出経路８９と並行に３本形成されている。枝部９７は、幹部９６から角度を付けて分岐されており、隣り合う幹部９６の枝部９７同士が互い違いになるように形成されている。溝９５の数や形状は、これに限定されるものではないが、逆止弁ユニット１００ｍの使用時に基台８３ｍの上面とフィルム８７との間に液体の内容物１０を介在させ易いように適宜決められる。溝９５の深さは、深すぎると液体の内容物１０の入換えが難くなるため必要以上に深くすべきではない。

　図７（ａ）の逆止弁ユニット１００ｍでは、基台８３ｍの上面とフィルム８７との間に液体の内容物１０を介在させ易くする溝９５が基台８３ｍの上面の吐出経路８９となる部分に形成されているので、毛管吸引力を確実に働かせ、基台８３ｍの上面とフィルム８７との密着性を高めることができ、逆止弁のシール性能をより安定的に確保することができる。

　図７（ｂ）は、基台８３ｎに吐出経路８９の全幅にまたがる溝９８を有する逆止弁ユニット１００ｎの平面図である。逆止弁ユニット１００ｎは、基台８３ｎの上面において吐出経路８９の全幅にまたがる溝９８を備える。

　溝９８の深さや幅は、逆止弁ユニット１００ｎの使用時に液体の内容物１０を溝９８に常に滞留させることができるように適宜決められる。ただし溝９８の深さは、深すぎると液体の内容物１０の入換えが難くなるため、液体の内容物１０が常に滞留する深さで、かつ液体の内容物１０の入換えが円滑に行われる深さに適宜決められる。

　図７（ｂ）の逆止弁ユニット１００ｎでは、液体の内容物１０を常に滞留させる溝９８が基台８３ｎの上面において吐出経路８９の全幅にまたがり形成されているので、毛管吸引力を確実に働かせ、基台８３ｎの上面とフィルム８７との密着性を高めることができ、逆止弁のシール性能を安定的に確保することができる。

　図７に示す逆止弁ユニット１００ｍ、１００ｎでは、基台の上面とフィルムとの間に液体の内容物を介在させ易いように基台の上面に溝を設けたが、溝の形状は、特定の形状に限定されるものではなく、例えば丸印や×印等の溝を設けてもよい。また溝ではなく、表面を荒らす、又は表面に小さな凹凸を設けることで同様の効果を得ることもできる。

　図８は、本発明の第２実施形態のポンプ容器２の断面図である。図１に示す第１実施形態のポンプ容器１と同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。第２実施形態のポンプ容器２は、第１実施形態のポンプ容器１と基本的構成は同じであるが、第二逆止弁ユニット８２の配置が異なる。

　第２実施形態のポンプ容器２では、スプレーノズル７３に代えて第二逆止弁ユニット８２が噴出口６１の先端に取付けられている。このとき第二逆止弁ユニット８２は、取付部８６が、基台８３の下面周縁部となり、取付部８６を介して噴出口６１の先端面に接着されている。

　第二逆止弁ユニット８２を噴出口６１の先端に配置すると、内側容器１２内及び吸込ユニット３１の噴出経路５０内のみならず噴出ユニット５１の噴出経路７０内にも外部の空気が侵入しないので、注出容器２内の全ての未使用の内容物１０の酸化を防止することができる。

　なお第２実施形態のポンプ容器２では、スプレーノズルを用いていないが、例えば、スプレーノズルと噴出口６１の先端面とで第二逆止弁ユニット８２を挟み込んだ状態でスプレーノズルと噴出口６１とを連結して第二逆止弁ユニット８２を取付けることもできる。この場合には、第二逆止弁ユニット８２の上面周縁部及び下面周縁部を取付部８６とし、取付部８６を介して取付けることでフィルム８７の噛み込みを回避することができる。

　図９は、本発明に係る逆止弁ユニットの変形例を示す図である。第一逆止弁ユニット８１及び第二逆止弁ユニット８２と同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。第２実施形態のポンプ容器２のように第二逆止弁ユニット８２を噴出口６１の先端に配置して使用する場合には、上面から突出した排出口を有するカバーを備える逆止弁ユニットを好適に用いることができる。

　図９（ａ）は、上面から突出した排出口１２２を有するカバー１２１ａを備える逆止弁ユニット１２０ａの断面図である。該逆止弁ユニット１２０ａは、図５（ｄ）の逆止弁ユニット１００ｄと構成は同様であるが、有頂円筒形状のカバー１２１ａに排出口１２２が上面から突出するように形成されている。このように排出口１２２を設けると内容物１０がスムーズに噴出されるため使い勝手が良い。

　図９（ｂ）は、上面から突出した排出口１２２を有するカバー１２１ｂを備える逆止弁ユニット１２０ｂの断面図である。該逆止弁ユニット１２０ｂは、カバー１２１ｂの外径が基台８３の外径よりも小さく、基台８３の上面周縁部及び下面周縁部が取付部８６となる。このように取付部８６を設けると、例えば、基台８３を噴出口６１の先端面とで挟持した状態で噴出口６１に連結される取付具（図示省略）等を用意して、基台８３の取付部８６（上面周縁部及び下面周縁部）を介して逆止弁ユニット１２０ｂを噴出口６１の先端面に取付けることもできる。

　図９（ｃ）は、上面から突出した排出口１２２を有するカバー１２１ｃを備える逆止弁ユニット１２０ｃの断面図である。該逆止弁ユニット１２０ｃは、基台１２３が有頂円筒形状であり、円筒部の内周面に雌ねじ１２４が設けられている。このような逆止弁ユニット１２０ｃは、噴出口６１の外周面に雌ねじ１２４が螺合する雄ねじ（図示省略）を設けることで、直接、噴出口６１の先端に取付けることができる。

　図９（ｄ）は、排出口１２２を有するカバー１２１ｄを備え、弁部８５と取付部８６とが直交した配置の逆止弁ユニット１２０ｄの断面図である。図９（ｅ）は、図９（ｄ）の逆止弁ユニット１２０ｄの平面図である。該逆止弁ユニット１２０ｄの基台１２５とカバー１２１ｄとは、互いに重ね合わせたときに円柱となる形状であり、互いに重ね合わせてフィルム１２６を挟持した状態で接着されている。逆止弁ユニット１２０ｄは、一端が斜めに切断されており、斜めに切断された方に排出口１２２が形成され、排出口１２２が外向きになるように噴出口６１の先端に取付けられる。

　さらに基台１２５とカバー１２１ｄとは、外周方向に一定の厚みを持った係止部１２７、１２８が互いに重ね合わせたときに連続するようにそれぞれの外周面に設けられており、係止部１２７、１２８の上面及び／又は下面が取付部８６となる。例えば、第２実施形態のポンプ容器２に用いる場合、逆止弁ユニット１２０ｄは、係止部１２７、１２８の下面が取付部８６となり、取付部８６を介して噴出口６１の先端面に接着される。

　基台１２５は、カバー１２１ｄとの重ね合せ面１２９を有し、該重ね合せ面１２９に弁部８５が設けられ、該重ね合せ面１２９の上部を除いた周縁部においてフィルム１２６及びカバー１２１ｄが接着される。また基台１２５には、弁孔８４が係止部１２７よりも下方に穿設されている。

　カバー１２１ｄにおいて基台１２５の重ね合せ面１２９に接着される面には、吐出経路８９を形成可能なように、基台１２５の上部を除いた周縁部に接着される一定幅でコ字状の接着代１３０を残して溝１３１が形成されている。また溝１３１の先端が排出口１２２となる。なお溝１３１の深さは、開弁時のフィルム１２６の過剰な浮き上がりを抑制可能に適宜決められる。

　フィルム１２６は、基台１２５の重ね合せ面１２９と略同一の矩形状であり、基台１２５の周縁部とカバー１２１ｄの接着代１３０とで挟持されて接着される。このためフィルム１２６は、取付部８６と直交する向きに配置される。またフィルム１２６は、上辺が接着されずに吐出口８８を形成するとともに、接着と同時に弁孔８４から吐出口８８へ流体が流通可能に吐出経路８９を形成する。

　またカバー１２１ｄの接着代１３０を吐出経路８９を確保可能な任意の形状とし、フィルム１２６を挟持して接着することで吐出経路８９を任意の経路に形成することができる。なおフィルム１２６を予め弁部８５において吐出経路８９を除いて接着してもよい。

　またフィルム１２６は、基台１２５とカバー１２１ｄとで挟持して接着されているが、これに限定されるものではなく、フィルム１２６の面積を小さくし、挟持されていない状態で基台１２５に接着されていてもよい。また吐出孔が穿設されたフィルム（図示省略）を用いてもよい。

　このように構成される図９（ｄ）、（ｅ）の逆止弁ユニット１２０ｄでは、内容物１０が弁孔８４から吐出経路８９を通り、吐出口８８（排出口１２２）より排出される。

　図９（ｄ）、（ｅ）の逆止弁ユニット１２０ｄでは、噴出口６１が細い場合でも逆止弁ユニット１２０ｄを縦長の形状とし、弁孔８４と吐出口８８との距離を長く設定することができる。これにより弁孔８４と吐出口８８との近接によるシール不良を回避し、逆止弁のシール性能を確保することができる。

　図９（ｄ）、（ｅ）の逆止弁ユニット１２０ｄは、係止部１２７、１２８に代えて螺合部（図示省略）や係合部（図示省略）等が形成されることで、係止部１２７、１２８の螺合部や係合部等に対応する螺合部や係合部等が設けられた噴出口６１に直接取付けることもできる。

　なお図９（ｄ）、（ｅ）の逆止弁ユニット１２０ｄの形状は、これに限定されるものではなく、噴出口６１の形状等に合わせて適宜決めればよい。例えば基台及びカバーは、互いに重ね合わせたときに角柱となる形状でもよく、一端が斜めに切断されずに真っ直ぐの形状でもよい。

　また排出口１２２の位置や形状も特定のものに限定されるものではなく、例えば排出口が先端面から突出するような形状としてもよい。さらに弁孔８４、吐出口８８及び排出口１２２の位置関係についても特定の位置に限定するものではない。

　また係止部１２７、１２８（取付部８６）とフィルム１２６（弁部８５）とは、直交する配置としたが、これに限定されるものではなく、噴出口６１の形状や用途に応じて任意の角度を持って取付けられていてもよい。

　図１０は、本発明の第３実施形態のポンプ容器３の断面図である。図１に示す第１実施形態のポンプ容器１と同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。第３実施形態のポンプ容器３は、容器本体１７と噴出ポンプ２２とからなる基本的構成は第１実施形態のポンプ容器１と同様であるが、容器本体１７及び噴出ポンプ２２の構造が異なる。

　第３実施形態のポンプ容器３の容器本体１７の内側容器１８は、口部１４の根元部分が噴出ポンプ２２の上下動により内側容器１８内の容積を増減させるためのシリンダ部１９となる。シリンダ部１９は、噴出ポンプ２２が上下動するストーローク以上の高さを有し、後述するピストンユニット１５１が滑らかに摺動可能に内周面の面粗度等が設定される。また口部１４には、外部の空気を導入する空気孔２０が設けられている。

　噴出ポンプ２２は、上下動して内容物を噴出する噴出ユニット５２と、噴出ユニット５２の上下動により内側容器１８内の容積を増減させるピストンユニット１５１と、噴出ユニット５２を持ち上げるバネ７１と、噴出ユニット５２及びバネ７１を支持し容器本体１７の口部１４に連結される連結支持具１６１とを備える。

　噴出ユニット５２は、第１実施形態のポンプ容器１の噴出ユニット５１と同様、上部６２、内側円筒部７５、及び外側円筒部６４から構成され、上部６２及び外側円筒部６４の構造は、第１実施形態のポンプ容器１の噴出ユニット５１と同一である。

　噴出ユニット５２の内側円筒部７５は、噴出ポンプ２２が容器本体１７に取付けられた状態で下端が内側容器１８のシリンダ部１９の上端付近に位置する長さとなっている。また噴出ユニット５２の内側円筒部７５の下端の外周面には、後述するピストンユニット１５１が螺合される雄ねじ７６が設けられている。

　なお噴出ユニット５２の内側円筒部７５には、第１実施形態のポンプ容器１の噴出ユニット５１に取付けられていた第二逆止弁ユニット８２及びＯリング６６が取付けられていない。

　ピストンユニット１５１は、剛性を有し、中央に噴出経路１６０となる中心孔１５２が設けられたドーナツ形の円板体であり、中心孔１５２の上面側には噴出ユニット５２の雄ねじ７６と螺合する雌ねじ１５３が上面から突出して形成され、中心孔１５２の下面側には凹状の段差部１５４が形成され、段差部１５４には第一逆止弁ユニット８１が嵌め込まれ取付部８６を介して接着されている。なおピストンユニット１５１の材質は、噴出ユニット５２等と同様、特定の材質に限定されるものではない。

　ピストンユニット１５１の外周面には、内側容器１８のシリンダ部１９の内周面との気密を確保するＯリング１５５が取付けられており、ピストンユニット１５１は、噴出ユニット５２の上下動に連動してＯリング１５５を介して内側容器１８のシリンダ部１９の内周面を気密状態で上下に摺動する。

　連結支持具１６１は、剛性を有する円筒体であり、円筒部の中央の内周面から円板体１６３が形成されている。円板体１６３の中心には、噴出ユニット５２の内側円筒部７５が挿入される挿入孔１６２が設けられている。また円板体１６３よりも下側の円筒部の内周面には、内側容器１８の口部１４の雄ねじ１５に螺合する雌ねじ１６４が形成され、円筒部の上端には噴出ユニット５２のストッパ６７を係止する係止部１６５が形成されている。

　バネ７１は、噴出ユニット５２の内側円筒部７５を挿入した状態で噴出ユニット５２の天井面６８と、連結支持具１６１の円板体１６３の上面との間に配置される。

　このように構成される第３実施形態のポンプ容器３は、噴出ユニット５２が押し込まれると、噴出ユニット５２に連結されたピストンユニット１５１が内側容器１８のシリンダ部１９をＯリング１５５により気密状態で下方に摺動し、内側容器１８内の容積を減少させ昇圧させる。

　内側容器１８内が昇圧されると、第一逆止弁ユニット８１が開弁して内容物１０が噴出口６１（スプレーノズル７３）より噴霧される。

　噴出ユニット５２を押し込むのをやめると、バネ７１の弾性力により噴出ユニット５２が持ち上がり、ピストンユニット１５１がシリンダ部１９を上方に摺動することで内側容器１８内の容積を増大させ減圧させる。

　内側容器１８内が減圧されると、第一逆止弁ユニット８１が閉弁して内側容器１８の蛇腹が収縮する。

　以上のように、第３実施形態のポンプ容器３は、逆止弁の数が一つでも内容物１０の噴霧が可能であり、逆止弁には逆止弁ユニット８１を用いることができる。

　図１１は、本発明の第４実施形態のポンプ容器４の要部断面図である。図１に示す第１実施形態のポンプ容器１と同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。第４実施形態のポンプ容器４は、液体の内容物１０を泡状にして噴出するポンプ容器である。

　第４実施形態のポンプ容器４は、容器本体１１とピストン動作により内容物１０を泡状にして噴出させる噴出ポンプ２３とを備える。

　噴出ポンプ２３は、第一逆止弁ユニット８１を有する吸込ユニット３３と、第二逆止弁ユニット８２、第三逆止弁ユニット１７１及び第四逆止弁ユニット１７２を備える噴出ユニット５３と、噴出ユニット５３を持ち上げるバネ７２とを備える。なお第三逆止弁ユニット１７１及び第四逆止弁ユニット１７２は、第一逆止弁ユニット８１、第二逆止弁ユニット８２と同一構造の逆止弁ユニットである。

　吸込ユニット３３は、二重の円筒体であり、内側円筒部１８１の内部が内容物１０を流通させる噴出経路５０となり、内側円筒部１８１の下端に吸込口４１を有し、内側円筒部１８１の上端の外周面から内側容器１２の口部１４と気密可能に螺合するキャップ部４３と噴出ユニット５３が外れないように係止する係止部４４とが円筒状に形成されている。

　吸込ユニット３３の内側円筒部１８１の下端の内周面には、鍔状の受け部１８２が形成されており、受け部１８２は、下面で第一逆止弁ユニット８１を受け、上面でバネ７２を受けるように形成されている。第一逆止弁ユニット８１は、受け部１８２の下面に取付部８６を介して接着される。吸込ユニット３３のその他の構造は、第１実施形態のポンプ容器１の吸込ユニット３１と同様であるため説明を省略する。

　噴出ユニット５３は、上部１９１で連結された二重の円筒体であり、上部１９１に噴出口６１が形成されている。噴出ユニット５３の内側円筒部１９２の内周面には、第二逆止弁ユニット８２を取付ける段差部１９３が形成されており、段差部１９３に第二逆止弁ユニット８２が取付部８６を介して接着されている。

　噴出ユニット５３の上面には、外部の空気を取込むための第一空気孔１９４が穿設されており、第一空気孔１９４には、第三逆止弁ユニット１７１を取付ける段差部１９５が形成されており、段差部１９５に第三逆止弁ユニット１７１が取付部８６を介して接着されている。

　噴出ユニット５３の内側円筒部１９２の段差部１９３よりも上方の外周面には、噴出経路７０内に空気を取込むための第二空気孔１９６が穿設されており、第二空気孔１９６には、第四逆止弁ユニット１７２を取付ける段差部１９７が形成されており、段差部１９７に第四逆止弁ユニット１７２が取付部８６を介して接着されている。

　噴出ユニット５３の噴出経路７０上には、第二逆止弁ユニット８２及び第四逆止弁ユニット１７２よりも噴出口６１側に第一発泡体１９８及び第二発泡体１９９が直列に配置されている。

　第一発泡体１９８及び第二発泡体１９９は、例えば、ポリエステル等で編まれたネットで構成されており空気と混合された液体が通過すると該液体を発泡させる。液体を発泡させる方法は、これに限定されるものではなく、他の公知の方法を用いてもよい。

　また噴出ユニット５３の内側円筒部１９２の外周面には、吸込ユニット３３の噴出経路５０から内容物１０が漏洩しないようにＯリング６６が取付けられている。

　噴出ユニット５３の外側円筒部６４の構造は、第１実施形態のポンプ容器１の噴出ユニット５１の構造と同様であるが、噴出ユニット５３の外側円筒部６４と吸込ユニット３３の係止部４４で囲まれた空間である空気充填部１９０の気密を確保するＯリング２００がストッパ６７の外周面に取付けられている。

　バネ７２は、吸込ユニット３３の内側円筒部１８１の内径と略同一の外径を有し、吸込ユニット３３の内側円筒部１８１に挿入され、吸込ユニット３３の受け部１８２の上面及び噴出ユニット５３の下端面に当接し弾性力を加え、噴出ユニット５３を持ち上げる。

　このように構成されるポンプ容器３は、液体の内容物１０を収容し、内容物１０を噴出する際に空気を混合させ、第一発泡体１９８及び第二発泡体１９９を通過させることで内容物１０を発泡させて噴出口６１より噴出させる。

　噴出ユニット５３が押し込まれると第一逆止弁ユニット８１と第二逆止弁ユニット８２の間の噴出経路５０の容積が減少して昇圧され、第二逆止弁ユニット８２が開弁して内容物１０が噴出ユニット５３の噴出経路７０へ排出される。同時に空気充填部１９０の容積が減少して昇圧され、第四逆止弁ユニット１７２が開弁して空気充填部１９０の空気が噴出ユニット５３の噴出経路７０へ排出される。

　排出された内容物１０と空気とは、混合され第一発泡体１９８及び第二発泡体１９９を通過し、発泡した状態で噴出口６１より噴出される。

　噴出ユニット５１の押し込みを止めると、第一逆止弁ユニット８１と第二逆止弁ユニット８２の間の噴出経路５０の容積が増大して減圧され、第二逆止弁ユニット８２が閉弁し、第一逆止弁ユニット８１が開弁して内側容器１２から噴出経路５０内へ内容物１０が吸い上げられる。同時に空気充填部１９０の容積が増大して減圧され、第四逆止弁ユニット１７２が閉弁し、第三逆止弁ユニット１７１が開弁して外部の空気が空気充填部１９０内に取り込まれる。

　このように内容物１０を泡状にして噴出させるポンプ容器４の噴出ポンプ２３においても、コンパクトかつ取付け容易にユニット化された逆止弁ユニットを用いることができ、噴出ポンプ２３をコンパクトにかつ簡単に製造することができる。

　図１２は、本発明の第５実施形態のポンプ容器５の要部断面図である。図１１に示す第４実施形態のポンプ容器４と同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。第５実施形態のポンプ容器５は、内容物１０を泡状にして噴出するポンプ容器であり、第一逆止弁ユニット８１に代えて棒状弁体２０１を用いる。またこれに伴い噴出ポンプ２４の吸込ユニット３４及び噴出ユニット５４の構造が第４実施形態のポンプ容器４の噴出ポンプ２３のものと異なる。

　棒状弁体２０１は、上端に上端弁部２０２、下端に下端弁部２０３を備える棒状の弁体であり、公知のものを用いることができる。上端弁部２０２及び下端弁部２０３は、共にテーパ面２０４、２０５を有し、テーパ面２０４、２０５が噴出ユニット５４の弁座２１１又は吸込ユニット３４の弁座２１２に当接してシールを行う。また下端弁部２０３には、バネ７２を受ける受け部２０６が形成されている。

　吸込ユニット３４は、第４実施形態のポンプ容器４の吸込ユニット３３と同様の構造であるが、内側円筒部２１３が棒状弁体２０１の長さに合わせて長くなっており、内側円筒部２１３の下端内周部に棒状弁体２０１の下端弁部２０３のテーパ面２０５と同程度の傾斜角を有する弁座２１２を備える。

　噴出ユニット５４は、第４実施形態のポンプ容器４の噴出ユニット５３と同様の構造であるが、内側円筒部２１４の内周面に棒状弁体２０１の上端弁部２０２のテーパ面２０４と同程度の傾斜角を有する弁座２１１を備える。

　容器本体２０の内側容器２９の胴部は、可撓性及び／又は柔軟性を有する素材で形成されており、内容物１０の減少に伴いながら吸込ユニット３４の内側円筒部２１３の外形に沿って収縮し、内容物１０を最後まで排出させることができる。

　なお容器本体に蛇腹構造の内側容器を用いる場合は、口部１４の根元の高さが吸込ユニット３４の内側円筒部２１３の先端（吸込口４１）の高さよりも低くなるように、口部１４の高さ及び／又は吸込ユニット３４のキャップ部４３の高さを設定することで、蛇腹を最後まで収縮させることができる。

　このように構成される第５実施形態のポンプ容器５は、棒状弁体２０１が第４実施形態のポンプ容器４の第一逆止弁ユニット８１の機能を果たし、第４実施形態のポンプ容器４と同様の動作により内容物１０を泡状にして噴出させる。

　このように噴出ポンプに用いる全ての逆止弁を逆止弁ユニットとせず、用途に応じて異なるタイプの逆止弁を用いることもできる。

　以上、第１から第５実施形態のポンプ容器を用いて、本発明の噴出ポンプ及び該噴出ポンプを有するポンプ容器を説明したが、本発明の噴出ポンプ及び該噴出ポンプを有するポンプ容器は、上記実施形態に限定されるものではなく、要旨を変更しない範囲で変形して使用することができる。例えば上記実施形態では逆止弁ユニットの基台、フィルム、リング及びカバーは、それぞれ互いに振動溶着等で接着したが、これに限定されるものではなく、接着剤等を用いて接着してもよい。

　逆止弁ユニットの取付部は、特定の領域に限定されるものではなく、弁部とは重複しない領域で基台、リング、フィルム挟持具、カバーの任意の領域に設けることができる。例えば、第１から第５実施形態のポンプ容器１、２、３、４、５で使用した逆止弁ユニットは、側面を取付部８６として被取付部に取付けるようにしてもよい。

　逆止弁ユニットの基台、フィルム、リング、フィルム挟持具、カバー、容器本体の口部の形状は、円形に限定されるものではなく、例えば矩形や三角形、紡錘形等であってもよく、吸込ユニットや噴出ユニットの形状に合わせて適宜決めることができる。またそれぞれが同一形状である必要はなく、例えば基台が円形でカバーが矩形であってもよい。

　逆止弁ユニットのカバーの排出口の形状も特定の形状に限定されるものではなく、カバーの形状に関係なく、例えば矩形や三角形等であってもよく、用途に応じて適宜決めることができる。

　また楕円形の逆止弁ユニットを用いて、斜めに切断された形状の被取付部に取付けることもできる。さらに途中に傾斜面を有する流路（図示省略）に逆止弁ユニットを取付ける場合は、該傾斜面と同一の角度で基台の上面又は側面を傾斜させ、該傾斜面に上面又は側面を取付部として接着してもよい。このように逆止弁ユニットは、被取付部に応じて、フィルムが噛み込まれない範囲で種々の変形を施して用いることができる。

　また図９（ｃ）の逆止弁ユニット１２０ｃでは、基台１２３と、噴出口６１とを連結する方法として螺合を用いたが、連結方法は螺合に限定されるものではない。例えばスナップフィットのように互いに係合する凹凸部、爪、又はその他の係止手段を設けて係合させてもよい。要するに逆止弁ユニットの基台と噴出口とを連結する方法は、逆止弁ユニットの基台と噴出口の先端面との気密性を確保することができるように互いをしっかりと連結することができればよい。

　逆止弁ユニットのフィルムの吐出口又は吐出孔と、カバーの排出口との位置関係は、特定の位置に限定されるものではないが、排出口が下側に位置するように逆止弁ユニットを噴出口の先端に取付ける場合、排出口を吐出口又は吐出孔に対して基台の中心を挟んで反対側に配置しておくと、内容物の排出時に吐出口又は吐出孔が基台の弁孔よりも常に高い位置となる。このようにすると、基台上面の流路に空気が侵入しても上方の吐出口又は吐出孔の方へ向かうので、空気が弁孔まで到達し難く、好ましい。

　また逆止弁ユニットのフィルムは、放射状に均一に張力を加えた状態で基台の上面に接着されると、シール不良の原因となる皺の生成が抑制され、好ましい。さらには、基台の上面をドーム状に形成すると、フィルムに張力を加えやすくなり、かつ張力がフィルムを基台に密着させる方向にも働くので、逆止弁のシール性能が向上し、好ましい。

　この他、技術的に矛盾しない範囲で各実施形態における特徴的な部分、構成を適宜組合せて使用してもよいことは言うまでもない。

１、２、３、４、５　　　　　　　　ポンプ容器
１０　　　　　　　　　　　　　　　内容物
１１、１７、２０　　　　　　　　　容器本体
１２、１８、２９　　　　　　　　　内側容器
１３　　　　　　　　　　　　　　　外側容器
１４　　　　　　　　　　　　　　　口部
２１、２２、２３、２４　　　　　　噴出ポンプ
４１　　　　　　　　　　　　　　　吸込口
５０、７０、１６０　　　　　　　　噴出経路
６１　　　　　　　　　　　　　　　噴出口
７３　　　　　　　　　　　　　　　スプレーヘッド
８１　　　　　　　　　　　　　　　第一逆止弁ユニット
８２　　　　　　　　　　　　　　　第二逆止弁ユニット
８３、８３ａ、８３ｂ、８３ｅ　　　基台
８３ｆ、８３ｇ、８３ｈ、８３ｉ　　基台
８３ｊ、８３ｋ、８３ｌ、８３ｍ　　基台
８３ｎ、１２３、１２５　　　　　　基台
８４　　　　　　　　　　　　　　　弁孔
８５　　　　　　　　　　　　　　　弁部
８６　　　　　　　　　　　　　　　取付部
８７、８７ｃ、８７ｄ、１２６　　　フィルム
８８　　　　　　　　　　　　　　　吐出口
８９　　　　　　　　　　　　　　　吐出孔
９３　　　　　　　　　　　　　　　継ぎ目
９４　　　　　　　　　　　　　　　逃げ溝
１００ａ、１００ｂ、１００ｃ　　　逆止弁ユニット
１００ｄ、１００ｅ、１００ｆ　　　逆止弁ユニット
１００ｇ、１００ｈ、１００ｉ　　　逆止弁ユニット
１００ｊ、１００ｋ、１００ｌ　　　逆止弁ユニット
１００ｍ、１００ｎ、１２０ａ　　　逆止弁ユニット
１２０ｂ、１２０ｃ、１２０ｄ　　　逆止弁ユニット
１０１　　　　　　　　　　　　　　凸部
１０２　　　　　　　　　　　　　　段差部
１０３　　　　　　　　　　　　　　リング
１０４、１０７、１２１ａ　　　　　カバー
１２１ｂ、１２１ｃ、１２１ｄ　　　カバー
１０５、１２２　　　　　　　　　　排出口
１０６　　　　　　　　　　　　　　天井面
１０９、１０９ａ、１０９ｂ　　　　フィルム挟持具
１０９ｃ、１０９ｄ、１０９ｅ　　　フィルム挟持具
１０９ｆ　　　　　　　　　　　　　フィルム挟持具
１７１　　　　　　　　　　　　　　第三逆止弁ユニット
１７２　　　　　　　　　　　　　　第四逆止弁ユニット
１９８　　　　　　　　　　　　　　第一発泡体
１９９　　　　　　　　　　　　　　第二発泡体

Claims

　流体を収容する容器本体の口部に取付けられ、流体の吸込口、噴出経路、及び噴出口を有し、前記吸込口、前記噴出経路又は前記噴出口のうち、いずれか１箇所以上に１つ以上の逆止弁を備え、ピストン動作により流体を前記吸込口から吸込み、前記噴出口から噴出する噴出ポンプであって、
　前記逆止弁のうち、少なくとも１つ以上は、弁孔を備える基台と、前記弁孔を開閉自在に前記基台に重ねられたフィルムとを有し、前記基台側から前記フィルム側への一方向のみ流体を通過させる逆止機構を備え、
　前記基台が、前記弁孔が設けられ前記フィルムが重ねられる弁部と、被取付部に取付けるための前記取付部とを有し、
　前記弁部が、前記フィルムが被取付部に接触しないように前記取付部とは重複しない領域に設けられている逆止弁ユニットであることを特徴とする噴出ポンプ。
　前記逆止弁のうち、いずれか１つは、前記噴出経路内への外部流体の侵入を防止すべく前記噴出口に設けられており、
　前記噴出口に設けられた前記逆止弁が、前記逆止弁ユニットであることを特徴とする請求項１に記載の噴出ポンプ。
　前記基台は、前記取付部の一部を構成する、被取付部の内周に嵌り込む凸部を備えることを特徴とする請求項１又は２に記載の噴出ポンプ。
　前記基台は、前記フィルムが重ねられた面の周縁部に前記フィルムの上面よりも高い段差部を有し、
　前記弁部は、前記段差部の上面とは重複しない領域に設けられていることを特徴とする請求項１から３のいずれか１項に記載の噴出ポンプ。
　前記逆止弁ユニットは、前記基台の前記フィルムが重ねられた面の周縁部に取付けられたリングを有し、前記リングが前記段差部を形成することを特徴とする請求項４に記載の噴出ポンプ。
　前記リングは、前記基台とで前記フィルムを挟持した状態で前記基台に取付けられていることを特徴とする請求項５に記載の噴出ポンプ。
　前記逆止弁ユニットは、前記基台とで前記フィルムを挟持するように前記基台に取付けられたフィルム挟持具を有することを特徴とする請求項１から６のいずれか１項に記載の噴出ポンプ。
　前記逆止弁ユニットは、さらに流体を排出する排出口を有し、前記フィルムの上面を覆うように前記基台、前記リング又は前記フィルム挟持具に取付けられたカバーを有し、
　前記カバーは、天井面が前記フィルムの上面と一定の間隔を有することを特徴とする請求項１から７のいずれか１項に記載の噴出ポンプ。
　前記カバーは、前記基台とで前記フィルムを挟持した状態で前記基台、前記リング又は前記フィルム挟持具に取付けられていることを特徴とする請求項８に記載の噴出ポンプ。
　前記基台と、前記リング、前記フィルム挟持具又は前記カバーとには、前記取付部とは重複しない領域でかつ、前記フィルムを挟持する面の継ぎ目となる互いの周縁部に接着時に発生するバリの逃げ溝が設けられ、前記継ぎ目において少なくとも前記基台と、前記リング、前記フィルム挟持具又は前記カバーとが接着されることを特徴とする請求項６、７又は９のいずれか１項に記載の噴出ポンプ。
　前記取付部は、前記基台に代えて、前記基台、前記リング、前記フィルム挟持具、又は前記カバーのうち少なくともいずれか一つ以上に設けられていることを特徴とする請求項１から１０のいずれか１項に記載の噴出ポンプ。
　前記取付部は、前記フィルムが重ねられた面に直交するように、又は前記フィルムが重ねられた面に対して角度を有するように設けられていることを特徴とする請求項１から１１のいずれか１項に記載の噴出ポンプ。
　前記取付部は、被取付部に気密状態で取付け可能なことを特徴とする請求項１から１２のいずれか１項に記載の噴出ポンプ。
　さらに流体を霧状にして噴出させるスプレーヘッドを前記噴出口の先端に備えることを特徴とする請求項１から１３のいずれか１項に記載の噴出ポンプ。
　さらに流体を泡状にして噴出させる泡噴出機構を備えることを特徴とする請求項１から１３のいずれか１項に記載の噴出ポンプ。
　請求項１から１５のいずれか１項に記載の噴出ポンプと、流体を収容する容器本体とを有し、前記容器本体に収容された流体を前記噴出ポンプにより噴出することを特徴とするポンプ容器。
　前記容器本体は、胴部の全部又は一部が内容物の注出に伴いながら収縮する蛇腹構造を備えることを特徴とする請求項１６に記載のポンプ容器。
　前記容器本体は、内容物の注出に伴いながら収縮する内側容器と、常に自立可能な外側容器とを備える二重容器であり、
　前記内側容器は、内容物を収容し、
　前記外側容器は、前記内側容器を収容し、
　前記噴出ポンプは、前記内側容器に連結されていることを特徴とする請求項１６又は１７に記載のポンプ容器。