WO2014050539A1 - 導電膜形成用組成物および導電膜の製造方法 - Google Patents

導電膜形成用組成物および導電膜の製造方法 Download PDF

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    • H01B1/20Conductive material dispersed in non-conductive organic material
    • H01B1/22Conductive material dispersed in non-conductive organic material the conductive material comprising metals or alloys

Definitions

  • copper salts of carboxylic acids include copper acetate, copper trifluoroacetate, copper propionate, copper butyrate, copper isobutyrate, copper 2-methylbutyrate, copper 2-ethylbutyrate, copper valerate, isoyoshichi Copper salts with aliphatic carboxylic acids such as copper herbate, copper pivalate, copper hexanoate, copper heptanoate, copper octoate, copper 2-ethylhexanoate, copper nonanoate, copper malonate, copper succinate, maleic acid Copper salts with dicarboxylic acids such as copper, copper salts with aromatic carboxylic acids such as copper benzoate and copper salicylate, copper formate, copper hydroxyacetate, copper glyoxylate, copper lactate, copper oxalate, copper tartrate, malic acid Suitable examples include copper salts with carboxylic acids having a reducing power such as copper and copper citrate. Of these, copper formate is more preferable because it easily
  • the material of the insulating film is not particularly limited.
  • epoxy resin glass epoxy resin, aramid resin, crystalline polyolefin resin, amorphous polyolefin resin, fluorine-containing resin (polytetrafluoroethylene, perfluorinated polyimide, perfluorinated) Amorphous resin), polyimide resin, polyether sulfone resin, polyphenylene sulfide resin, polyether ether ketone resin, liquid crystal resin, and the like.
  • an epoxy resin, a polyimide resin, or a liquid crystal resin and more preferably an epoxy resin. Specific examples include ABF GX-13 manufactured by Ajinomoto Fine Techno Co., Ltd.
  • A The peeled area of the copper thin film is 0 to 20% of the whole
  • B The peeled area of the copper thin film is more than 20% and 40% or less of the whole
  • C The copper thin film is peeled off
  • D the area where the copper thin film is peeled off is more than 60% and 80% or less of the whole
  • E the area where the copper thin film is peeled is 80% of the whole More than%
  • Example 4 A copper thin film was produced according to the same procedure as in Example 1 except that the copper-containing polymer solution 1 was changed to the copper-containing polymer solution 4, and various evaluations were performed. The results are summarized in Table 1.

Abstract

 本発明は、優れた導電性を示すと共に、基材との密着性にも優れた導電膜を形成することができる導電膜形成用組成物、および、該組成物を用いた導電膜の製造方法を提供することを目的とする。本発明の導電膜形成用組成物は、銅含有ポリマーと、金属銅粒子および/または酸化銅粒子と、溶媒とを含み、銅含有ポリマーが、銅イオンおよび/または銅塩と、銅イオンまたは銅塩と相互作用する官能基を有するポリマーとを含み、銅イオンまたは銅塩が官能基を介してポリマーに連結されており、官能基が、アミノ基、アミド基、ピリジル基、ヒドロキシル基、およびカルボキシル基からなる群から選択される少なくとも一つを含む。

Description

導電膜形成用組成物および導電膜の製造方法
 本発明は、導電膜形成用組成物に係り、特に、所定の銅含有ポリマーを含有する導電膜形成用組成物に関する。
 また、本発明は、導電膜の製造方法に係り、特に、上記導電膜形成用組成物を用いた導電膜の製造方法に関する。
 基材上に金属膜を形成する方法として、金属粒子または金属酸化物粒子の分散体を印刷法により基材に塗布し、加熱処理または光照射処理して焼結させることによって金属膜や回路基板における配線等の電気的導通部位を形成する技術が知られている。
 上記方法は、従来の高熱・真空プロセス(スパッタ)やめっき処理による配線作製法に比べて、簡便・省エネ・省資源であることから次世代エレクトロニクス開発において大きな期待を集めている。
 例えば、特許文献1においては、金属微粒子と、銅カルボン酸塩などの銅前駆体と、還元剤とを含有する導電膜形成用組成物が開示されており、導電性に優れる導電膜が得られる旨が開示されている。
特開2010-176976号公報
 一方、近年、電子機器の小型化、高機能化の要求に対応するため、プリント配線板などにおいては配線のより一層の微細化および高集積化が進んでいる。それに伴って、基材と導電膜との密着性のより一層の向上が要求されている。
 本発明者らが、特許文献1に記載される導電膜形成用組成物を用いて導電膜の作製を試みたところ、得られた導電膜は基材との密着性が昨今求められるレベルまで達しておらず、更なる改良が必要であった。
 本発明は、上記実情に鑑みて、優れた導電性を示すと共に、基材との密着性にも優れた導電膜を形成することができる導電膜形成用組成物を提供することを目的とする。
 また、本発明は、この導電膜形成用組成物を用いた導電膜の製造方法を提供することも目的とする。
 本発明者らは、従来技術の問題点について鋭意検討した結果、銅イオンおよび/または銅塩を含む銅含有ポリマーを使用することにより、上記課題を解決できることを見出した。
 すなわち、以下の構成により上記目的を達成することができることを見出した。
(1) 銅含有ポリマーと、金属銅粒子および/または酸化銅粒子と、溶媒とを含み、
 銅含有ポリマーが、
 銅イオンおよび/または銅塩と、
 銅イオンおよび/または銅塩と相互作用する官能基を有するポリマーとを含み、
 銅イオンおよび/または銅塩が官能基を介してポリマーに連結されており、
 官能基が、アミノ基、アミド基、ピリジル基、ヒドロキシル基、およびカルボキシル基からなる群から選択される少なくとも一つを含む、
 導電膜形成用組成物。
(2) 官能基がアミノ基、カルボキシル基、アミド基、およびピリジル基からなる群から選択される基である、(1)に記載の導電膜形成用組成物。
(3) 銅含有ポリマー中における銅イオンおよび銅塩の合計含有量が20質量%以上である、(1)または(2)に記載の導電膜形成用組成物。
(4) 銅含有ポリマーの含有量が、金属銅粒子および酸化銅粒子の合計質量100質量部に対して、2~50質量部である、(1)~(3)のいずれかに記載の導電膜形成用組成物。
(5) 銅イオンおよび/または銅塩がギ酸銅である、(1)~(4)のいずれかに記載の導電膜形成用組成物。
(6) (1)~(5)のいずれかに記載の導電膜形成用組成物を基材上に付与して、塗膜を形成する工程と、
 塗膜に対して加熱処理および/または光照射処理を行い、導電膜を形成する工程とを備える、導電膜の製造方法。
 本発明によれば、優れた導電性を示すと共に、基材との密着性にも優れた導電膜を形成することができる導電膜形成用組成物を提供することができる。
 また、本発明によれば、該導電膜形成用組成物を用いた導電膜の製造方法を提供することもできる。
 以下に、本発明の導電膜形成用組成物および導電膜の製造方法の好適態様について詳述する。
 まず、本発明の従来技術と比較した特徴点について詳述する。
 上述したように、本発明の一つの特徴点は、銅イオンおよび/または銅塩を含む銅含有ポリマーと、金属銅粒子および/または酸化銅粒子を併用する点が挙げられる。銅含有ポリマーは、銅イオンおよび/または銅塩と、銅イオンおよび/または銅塩と相互作用する官能基(以後、相互作用性基とも称する)を有するポリマー(以後、配位性ポリマーとも称する)とを含む。形成される導電膜中に銅含有ポリマーが含まれることにより、配位性ポリマー中の相互作用性基が導電膜中の金属銅と相互作用すると共に、配位性ポリマーの相互作用性基以外の部分(有機成分)が基材と密着する。つまり、導電膜中において配位性ポリマーが金属銅と基材との両方に相互作用し、両者の密着を助けるプライマーとしての役割を果たす。また、銅含有ポリマー中に銅イオンまたは銅塩が含まれることにより、加熱処理または光照射処理を施した際に、それらが還元して金属銅が生成する。この生成した金属銅は、組成物に含まれる金属銅粒子や、酸化銅粒子が加熱処理または光照射処理によって還元されて生成する金属銅と、結着する。通常、ポリマーのような有機物と金属銅とは相分離状態を形成しやすく、金属銅が相互に独立したドメイン(領域)を形成しやすい。そのため、バインダーポリマーを含む導電膜中では金属銅が離散した状態で分布してしまい、導電性が劣化する場合が多かった。しかし、本発明においては、銅含有ポリマー中に含まれる銅イオンまたは銅塩が還元して金属銅を形成するため、有機物のドメインによって離散した状態にあった金属銅同士を連結し、結果として優れた導電性が達成される。
 以下では、まず、導電膜形成用組成物の各種成分(銅含有ポリマー、金属銅粒子、酸化銅粒子、溶媒など)について詳述し、その後、導電膜の製造方法について詳述する。
(銅含有ポリマー)
 銅含有ポリマーは、銅イオンおよび/または銅塩と、銅イオンおよび/または銅塩と相互作用する官能基(以後、相互作用性基とも称する)を有するポリマー(以後、配位性ポリマーとも称する)とを含む。銅イオンおよび/または銅塩は、相互作用性基を介してポリマーに連結されている。
 まず、銅含有ポリマーに含まれる銅イオンおよび銅塩について詳述する。
 銅含有ポリマーに含まれる銅イオンの種類は特に制限されず、例えば、Cu(I)イオンまたはCu(II)イオンが挙げられる。これらのイオンは、通常、銅のハロゲン化物、過塩素酸塩、鉱酸塩、有機酸塩などの銅塩の水溶液または極性溶媒中の溶液として提供される。
 銅塩とは、カチオン種として銅イオンを含有する化合物を意味する。このような銅塩の種類は特に制限されないが、例えば、フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物、亜硝酸塩、硝酸塩、亜硫酸塩、硫酸塩、亜リン酸塩、リン酸塩、ピロリン酸塩、カルボン酸塩、ギ酸銅などが挙げられる。
 カルボン酸の銅塩としては、カルボン酸をアニオン種とし、かつ銅イオンをカチオン種とする化合物であれば特に限定されないが、例えば、1価の銅イオン、2価の銅イオン、および3価の銅イオンからなる群より選ばれる1種または2種以上の銅イオンとカルボン酸との銅塩が挙げられる。これらの中でも、安定性、および入手の容易さから、カルボン酸と2価の銅イオンからなる銅塩が好ましい。
 カルボン酸の銅塩としては、具体的には、酢酸銅、トリフルオロ酢酸銅、プロピオン酸銅、酪酸銅、イソ酪酸銅、2-メチル酪酸銅、2-エチル酪酸銅、吉草酸銅、イソ吉草酸銅、ピバリン酸銅、ヘキサン酸銅、ヘプタン酸銅、オクタン酸銅、2-エチルヘキサン酸銅、ノナン酸銅などの脂式カルボン酸との銅塩、マロン酸銅、コハク酸銅、マレイン酸銅等のジカルボン酸との銅塩、安息香酸銅、サリチル酸銅などの芳香族カルボン酸との銅塩、ギ酸銅、ヒドロキシ酢酸銅、グリオキシル酸銅、乳酸銅、シュウ酸銅、酒石酸銅、リンゴ酸銅、クエン酸銅などの還元力を有するカルボン酸との銅塩などが好適なものとして挙げられる。これらのうち、後述するポリマーと相互作用しやすい点から、ギ酸銅がより好ましい。
 なお、銅含有ポリマー中には、銅イオンおよび銅塩の一方のみが含まれていてもよく、両方が含まれていてもよい。
 配位性ポリマー中には、アミノ基、アミド基、ピリジル基、ヒドロキシル基、およびカルボキシル基からなる群から選択される少なくとも一つの官能基(以後、これらの総称として単に官能基とも称する)が含まれる。これらの基は、上述した銅イオンおよび銅塩と相互作用する。なお、相互作用としては、例えば、水素結合、配位結合、イオン結合などを含む。
 上記官能基のなかでも、導電膜の導電性および密着性がより優れる点で、アミノ基、ピリジル基、アミド基、カルボキシル基が好ましく、導電膜の導電性がより優れる点で、アミノ基、カルボキシル基がより好ましく、アミノ基が最も好ましい。
 なお、本明細書において、アミノ基とは、第1級アミノ基、第2級アミノ基、および第3級アミノ基を含む概念である。
 配位性ポリマー中における上記官能基の導入位置は特に制限されず、主鎖、側鎖、または末端などが挙げられる。
 上記官能基が主鎖に含まれるポリマーとしては、導電膜の導電性および密着性がより優れる点で、式(1)で表される繰り返し単位を有するポリマーが好ましい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000001
 式(1)中、L1は、アミド基(-NHCO-)、第2級アミノ基(-NH-)、または-NRa-で表される第3級アミノ基を表す。Raは、炭化水素基を表す。
 Raで表される炭化水素基としては、例えば、脂肪族炭化水素基(例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基など)、芳香族炭化水素基、またはこれらを組み合わせた基が挙げられる。
 式(1)中、R1は、2価の脂肪族炭化水素基、2価の芳香族炭化水素基、またはこれらを組み合わせた基を表す。2価の脂肪族炭化水素基の炭素数は特に制限されないが、導電膜の導電性および密着性がより優れる点で、2~10が好ましく、2~4がより好ましい。2価の芳香族炭化水素基の炭素数は特に制限されないが、導電膜の導電性および密着性がより優れる点で、6~12が好ましく、6がより好ましい。
 ポリマー中における式(1)で表される繰り返し単位の含有量は特に制限されないが、導電膜の導電性および密着性がより優れる点で、全繰り返し単位に対して、30モル%以上が好ましく、60モル%以上がより好ましい。最も好ましくは100モル%である。
 上記官能基が側鎖に含まれるポリマーとしては、導電膜の導電性および密着性がより優れる点で、以下の式(2)で表される繰り返し単位を有するポリマーが好ましい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000002
 式(2)中、L2は、単結合または2価の連結基を表す。2価の連結基としては、2価の脂肪族炭化水素基(好ましくは炭素数1~8)、2価の芳香族炭化水素基(好ましくは炭素数6~12)、-O-、-S-、-SO2-、-N(R)-(R:アルキル基)、-CO-、-NH-、-COO-、-CONH-、またはこれらを組み合わせた基(例えば、アルキレンオキシ基、アルキレンオキシカルボニル基、アルキレンカルボニルオキシ基など)などが挙げられる。
 2価の脂肪族炭化水素基(例えば、アルキレン基)としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、またはブチレン基などが挙げられる。
 2価の芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニレン基、ナフチレン基などが挙げられる。
 R2は、水素原子またはアルキル基を表す。アルキル基の炭素数は特に制限されないが、合成がより容易である点で、炭素数1~3が好ましく、炭素数1がより好ましい。
 R3は、アミノ基、アミド基、ピリジル基、ヒドロキシル基、およびカルボキシル基からなる群から選択される官能基が挙げられる。
 ポリマー中における式(2)で表される繰り返し単位の含有量は特に制限されないが、導電膜の導電性および密着性がより優れる点で、全繰り返し単位に対して、30モル%以上が好ましく、60モル%以上がより好ましい。最も好ましくは100モル%である。
 配位性ポリマー中における官能基の含有量は特に制限されないが、導電膜の導電性および密着性がより優れる点で、10-4~100mol/gが好ましく、10-3~10-1mol/gがより好ましい。
 配位性ポリマーの重量平均分子量は特に制限されないが、導電膜の導電性および密着性がより優れる点で、1,000~1,000,000が好ましく、5,000~100,000がより好ましい。尚、重量平均分子量は、GPCにて測定をする。
 配位性ポリマーとしては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリジメチルアミノエチルアクリレート、ポリ4-ヒドロキシスチレン、ポリアクリル酸、ポリ4-ビニルピリジン、ポリジメチルアクリルアミド、ポリエチレンイミンなどが挙げられる。
 銅含有ポリマー中における銅イオンおよび銅塩の合計含有量は特に制限されないが、
導電膜の導電性および密着性がより優れる点で、10質量%以上が好ましく、導電膜の導電性がより優れる点で、20質量%以上がより好ましく、30質量%以上がさらに好ましく、40質量%以上が特に好ましい。上限は特に制限されないが、通常、80質量%以下の場合が多い。
 銅含有ポリマーの製造方法は特に制限されず、公知の方法が採用できる。例えば、銅イオンおよび/または銅塩が含まれる溶液中に配位性ポリマーを所定量加えて、所定時間混合することにより製造することができる。つまり、溶媒の存在下、銅イオンおよび/または銅塩と配位性ポリマーとを混合することにより、銅含有ポリマーを製造できる。
 混合条件は使用される配位性ポリマーの種類に応じて適宜最適な条件が選択されるが、効率よく銅含有ポリマーを製造できる点で、0~100℃(好ましくは20~60℃)の条件下で0.3~10時間(好ましくは0.5~3時間)混合することが好ましい。
 なお、ここで使用される溶媒の種類は特に制限されず、後述する導電膜形成用組成物に含まれる溶媒の具体例などが挙げられる。
(金属銅粒子および/または酸化銅粒子)
 導電膜形成用組成物には、金属銅粒子および/または酸化銅粒子が含まれる。これらの粒子は、後述する加熱処理または光照射処理によって、導電膜中の金属銅を構成する。なお、後述するように酸化銅粒子が含まれる場合は、後述する加熱処理または光照射処理によって、酸化銅は金属銅に還元される。
 本発明における「酸化銅」とは、酸化されていない銅を実質的に含まない化合物であり、具体的には、X線回折による結晶解析において、酸化銅由来のピークが検出され、かつ金属由来のピークが検出されない化合物のことを指す。銅を実質的に含まないとは、限定的ではないが、銅の含有量が酸化銅粒子に対して1質量%以下であることをいう。
 酸化銅としては、酸化銅(I)または酸化銅(II)が好ましく、安価に入手可能であること、低抵抗であることから酸化銅(II)であることが更に好ましい。
 金属銅粒子および酸化銅粒子の平均粒子径は特に制限されないが、1nm~10μmが好ましく、10nm~5μmがより好ましい。
 平均粒子径が1nm以上であれば、粒子表面の活性が高くなりすぎず、組成物中で溶解することがなく、取扱い性に優れるため好ましい。また、10μm以下であれば、組成物をインクジェット用インク組成物やスクリーン印刷用ペースト組成物として用い、各種印刷法により配線等のパターン形成を行うことが容易となり、組成物を導体化する際に、金属銅への還元が十分となり、得られる導電膜の導電性が良好であるため好ましい。
 なお、本発明における平均粒子径は、平均一次粒径のことを指す。平均粒子径は、透過型電子顕微鏡(TEM)観察または走査型電子顕微鏡(SEM)観察により、少なくとも50個以上の金属銅粒子または酸化銅粒子の粒子径(直径)を測定し、それらを算術平均して求める。なお、観察図中、金属銅粒子または酸化銅粒子の形状が真円状でない場合、長径を直径として測定する。
 金属銅粒子としては、例えば、Copper, powder particle size 3 microm 99.7%(Aldrich社製)を好ましく使用することができる。
 酸化銅粒子としては、例えば、関東化学社製のCuOナノ粒子、シグマアルドリッチ社製のCuOナノ粒子等を好ましく使用することができる。
(溶媒)
 導電膜形成用組成物には、溶媒が含まれる。溶媒は、酸化銅粒子の分散媒として機能する。
 溶媒の種類は特に制限されないが、例えば、水や、アルコール類、エーテル類、エステル類などの有機溶媒などを使用することができる。なかでも、上記銅含有ポリマーとの相溶性がより優れる点から、水、1~3価のヒドロキシル基を有する脂肪族アルコール、この脂肪族アルコール由来のアルキルエーテル、この脂肪族アルコール由来のアルキルエステル、またはこれらの混合物が好ましく用いられる。
 溶媒として、水を用いる場合には、イオン交換水のレベルの純度を有するものが好ましい。
 1~3価のヒドロキシル基を有する脂肪族アルコールとしては、メタノール、エタノール、1-プロパノール、1-ブタノール、1-ペンタノール、1-ヘキサノール、シクロヘキサノール、1-ヘプタノール、1-オクタノール、1-ノナノール、1-デカノール、グリシドール、メチルシクロヘキサノール、2-メチル-1-ブタノール、3-メチル-2-ブタノール、4-メチル-2-ペンタノール、イソプロピルアルコール、2-エチルブタノール、2-エチルヘキサノール、2-オクタノール、テルピネオール、ジヒドロテルピネオール、2-メトキシエタノール、2-エトキシエタノール、2-n-ブトキシエタノール、カルビトール、エチルカルビトール、n-ブチルカルビトール、ジアセトンアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,2-ブチレングリコール、1,3-ブチレングリコール、1,4-ブチレングリコール、ペンタメチレングリコール、へキシレングリコール、グリセリン等が挙げられる。
 なかでも、1~3価のヒドロキシル基を有する炭素数1~6の脂肪族アルコールは、沸点が高すぎず導電膜形成後に残存しにくいことから好ましく、具体的には、メタノール、エチレングリコール、グリセリン、2-メトキシエタノール、ジエチレングリコール、イソプロピルアルコールがより好ましい。
 エーテル類としては、上記アルコール由来のアルキルエーテルが挙げられ、ジエチルエーテル、ジイソブチルエーテル、ジブチルエーテル、メチル-t-ブチルエーテル、メチルシクロヘキシルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,4-ジオキサン等が例示される。なかでも、1~3価のヒドロキシル基を有する炭素数1~4の脂肪族アルコール由来の炭素数2~8のアルキルエーテルが好ましく、具体的には、ジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフランがより好ましい。
 エステル類としては、上記アルコール由来のアルキルエステルが挙げられ、ギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸ブチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ブチル、γ-ブチロラクトン等が例示される。なかでも、1~3価のヒドロキシル基を有する炭素数1~4の脂肪族アルコール由来の炭素数2~8のアルキルエステルが好ましく、具体的には、ギ酸メチル、ギ酸エチル、酢酸メチルがより好ましい。
 上記溶媒の中でも、沸点が高すぎないことから、特に水を主溶媒として用いることが好ましい。主溶媒とは、溶媒の中で含有率が最も多い溶媒である。
(その他成分)
 導電膜形成用組成物には、上記銅含有ポリマー、金属銅粒子、酸化銅粒子および溶媒以外にも他の成分が含まれていてもよい。
 例えば、導電膜形成用組成物には、界面活性剤が含まれていてもよい。界面活性剤は、金属銅粒子および酸化銅粒子の分散性を向上させる役割を果たす。界面活性剤の種類は特に制限されず、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、両性界面活性剤などが挙げられる。これら界面活性剤は、1種を単独、または2種以上を混合して用いることができる。
[導電膜形成用組成物]
 導電膜形成用組成物には、上述した銅含有ポリマーと、金属銅粒子および/または酸化銅粒子と、溶媒とが含有される。
 導電膜形成用組成物中における銅含有ポリマーの含有量は特に制限されないが、導電膜の導電性および密着性がより優れる点から、組成物全質量に対して、2~50質量%が好ましく、5~30質量%がより好ましい。
 導電膜形成用組成物中における金属銅粒子および酸化銅粒子の合計含有量は特に制限されないが、導電特性により優れる十分な膜厚の導電膜が得られると共に、粘度の上昇が抑制され、組成物をインクジェット用インクやスクリーン印刷用のペースト組成物として用いることができる点から、組成物全質量に対して、5~70質量%が好ましく、10~60質量%がより好ましい。
 導電膜形成用組成物中における溶媒の含有量は特に制限されないが、粘度の上昇が抑制され、取扱い性により優れる点から、組成物全質量に対して、5~90質量%が好ましく、10~80質量%がより好ましい。
 導電膜形成用組成物中における銅含有ポリマーの含有量は特に制限されないが、導電膜の導電性および密着性がより優れる点から、金属銅粒子および酸化銅粒子の合計質量100質量部に対して、2~70質量部が好ましく、導電膜の導電性がより優れる点で、2~50質量部が好ましく、5~30質量部がより好ましい。
 導電膜形成用組成物中に界面活性剤が含まれる場合、界面活性剤の含有量は特に制限されないが、塗布性向上の点から、組成物全質量に対して、0.0001~1質量%が好ましく、0.001~0.1質量%がより好ましい。
 導電膜形成用組成物の粘度は、インクジェット、スクリーン印刷等の印刷用途に適するような粘度に調整させることが好ましい。インクジェット吐出を行う場合、1~50cPが好ましく、1~40cPがより好ましい。スクリーン印刷を行う場合は、1000~100000cPが好ましく、10000~80000cPがより好ましい。
 導電膜形成用組成物の調製方法は特に制限されず、公知の方法を採用できる。例えば、溶媒中に金属銅粒子および/または酸化銅粒子と、銅含有ポリマーとを添加した後、超音波法(例えば、超音波ホモジナイザーによる処理)、ミキサー法、3本ロール法、ボールミル法などの公知の手段により成分を分散させることによって、組成物を得ることができる。
[導電膜の製造方法]
 本発明の導電膜の製造方法は、上述した導電膜形成用組成物を用いて基材上に塗膜を形成する工程(以後、適宜塗膜形成工程とも称する)と、加熱処理および/または光照射処理を施して導電膜を得る工程(以後、導電膜形成工程とも称する)とを有する。以下に、それぞれの工程について詳述する。
(塗膜形成工程)
 本工程は、上述した導電膜形成用組成物を基材上に付与して、塗膜を形成する工程である。本工程により還元処理が施される前の前駆体膜が得られる。
 使用される導電膜形成用組成物については、上述の通りである。
 本工程で使用される基材としては、公知のものを用いることができる。基材に使用される材料としては、例えば、樹脂、紙、ガラス、シリコン系半導体、化合物半導体、金属酸化物、金属窒化物、木材、またはこれらの複合物が挙げられる。
 より具体的には、低密度ポリエチレン樹脂、高密度ポリエチレン樹脂、ABS樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリエステル樹脂(ポリエチレンテレフタレート)、ポリアセタール樹脂、ポリサルフォン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、セルロース誘導体等の樹脂基材;非塗工印刷用紙、微塗工印刷用紙、塗工印刷用紙(アート紙、コート紙)、特殊印刷用紙、コピー用紙(PPC用紙)、未晒包装紙(重袋用両更クラフト紙、両更クラフト紙)、晒包装紙(晒クラフト紙、純白ロール紙)、コートボール、チップボール、段ボール等の紙基材;ソーダガラス、ホウケイ酸ガラス、シリカガラス、石英ガラス等のガラス基材;アモルファスシリコン、ポリシリコン等のシリコン系半導体基材;CdS、CdTe、GaAs等の化合物半導体基材;銅板、鉄板、アルミ板等の金属基材;アルミナ、サファイア、ジルコニア、チタニア、酸化イットリウム、酸化インジウム、ITO(インジウム錫酸化物)、IZO(インジウム亜鉛酸化物)、ネサ(酸化錫)、ATO(アンチモンドープ酸化錫)、フッ素ドープ酸化錫、酸化亜鉛、AZO(アルミドープ酸化亜鉛)、ガリウムドープ酸化亜鉛、窒化アルミニウム基材、炭化ケイ素等のその他無機基材;紙-フェノール樹脂、紙-エポキシ樹脂、紙-ポリエステル樹脂等の紙-樹脂複合物、ガラス布-エポキシ樹脂、ガラス布-ポリイミド系樹脂、ガラス布-フッ素樹脂等のガラス-樹脂複合物等の複合基材等が挙げられる。これらの中でも、ポリエステル樹脂基材、ポリエーテルイミド樹脂基材、紙基材、ガラス基材が好ましく使用される。
 導電膜形成用組成物を基材上に付与する方法は特に制限されず、公知の方法を採用できる。例えば、スクリーン印刷法、ディップコーティング法、スプレー塗布法、スピンコーティング法、インクジェット法などの塗布法が挙げられる。
 塗布の形状は特に制限されず、基材全面を覆う面状であっても、パターン状(例えば、配線状、ドット状)であってもよい。
 基材上への導電膜形成用組成物の塗布量としては、所望する導電膜の膜厚に応じて適宜調整すればよいが、通常、塗膜の膜厚は0.01~5000μmが好ましく、0.1~1000μmがより好ましい。
 本工程においては、必要に応じて、導電膜形成用組成物を基材へ塗布した後に乾燥処理を行い、溶媒を除去してもよい。残存する溶媒を除去することにより、後述する導電膜形成工程において、溶媒の気化膨張に起因する微小なクラックや空隙の発生を抑制することができ、導電膜の導電性および導電膜と基材との密着性の点で好ましい。
 乾燥処理の方法としては温風乾燥機などを用いることができ、温度としては、40℃~200℃で加熱処理を行うことが好ましく、50℃以上150℃未満で加熱処理を行なうことがより好ましく、70℃~120℃で加熱処理を行うことがさらに好ましい。金属銅粒子を用いる場合は酸化を抑制するような条件が好ましく、例えば窒素、アルゴンなどの不活性ガス雰囲気下がより好ましく、水素等の還元性ガス雰囲気下で乾燥することがさらに好ましい。
(導電膜形成工程)
 本工程は、上記塗膜形成工程で形成された塗膜に対して加熱処理および/または光照射処理を行い、金属銅を含有する導電膜を形成する工程である。
 加熱処理および/または光照射処理を行うことにより、上記銅含有ポリマー中の銅イオンおよび/または銅塩が金属銅に還元される。なお、酸化銅粒子を使用している場合も、これらの処理を実施することにより、酸化銅粒子中の酸化銅が還元され、さらに焼結されて金属銅が得られる。
 より具体的には、例えば、金属銅粒子と銅含有ポリマーとが導電膜形成用組成物中に含まれる場合は、上記処理を実施することにより、銅含有ポリマーから生成した金属銅と金属銅粒子とが互いに融着してグレインを形成し、さらにグレイン同士が接着・融着して薄膜を形成する。
 また、例えば、酸化銅粒子と銅含有ポリマーとが導電膜形成用組成物中に含まれる場合は、上記処理を実施することにより、銅含有ポリマーから生成した金属銅と、酸化銅粒子が還元して得られる金属銅粒子とが互いに融着してグレインを形成し、さらにグレイン同士が接着・融着して薄膜を形成する。
 なお、光照射処理を実施した場合、金属銅粒子または酸化銅粒子が光を吸収し、熱に変換する光熱変換物質として働き、塗膜中に熱を伝達させる役割を果たしていると推測される。
 加熱処理の条件は、使用される銅含有ポリマーや溶媒の種類によって適宜最適な条件が選択される。なかでも、短時間で、導電性により優れる導電膜を形成することができる点で、加熱温度は100~300℃が好ましく、150~250℃がより好ましく、また、加熱時間は5~120分が好ましく、10~60分がより好ましい。
 なお、加熱手段は特に制限されず、オーブン、ホットプレート等公知の加熱手段を用いることができる。
 本発明では、比較的低温の加熱処理により導電膜の形成が可能であり、従って、プロセスコストが安いという利点を有する。
 光照射処理は、上述した加熱処理とは異なり、室温にて塗膜が付与された部分に対して光を短時間照射することで金属銅への還元および焼結が可能となり、長時間の加熱による基材の劣化が起こらず、導電膜の基材との密着性がより良好となる。
 光照射処理で使用される光源は特に制限されず、例えば、水銀灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、ケミカルランプ、カーボンアーク灯等がある。放射線としては、電子線、X線、イオンビーム、遠赤外線などがある。また、g線、i線、Deep-UV光、高密度エネルギービーム(レーザービーム)も使用される。
 具体的な態様としては、赤外線レーザーによる走査露光、キセノン放電灯などの高照度フラッシュ露光、赤外線ランプ露光などが好適に挙げられる。
 光照射は、フラッシュランプによる光照射が好ましく、フラッシュランプによるパルス光照射であることがより好ましい。高エネルギーのパルス光の照射は、塗膜を付与した部分の表面を、極めて短い時間で集中して加熱することができるため、基材への熱の影響を極めて小さくすることができる。
 パルス光の照射エネルギーとしては、1~100J/cm2が好ましく、1~30J/cm2がより好ましく、パルス幅としては1μ秒~100m秒が好ましく、10μ秒~10m秒がより好ましい。パルス光の照射時間は、1~100m秒が好ましく、1~50m秒がより好ましく、1~20m秒が更に好ましい。
 上記加熱処理および光照射処理は、単独で実施してもよく、両者を同時に実施してもよい。また、一方の処理を施した後、さらに他方の処理を施してもよい。
 上記加熱処理および光照射処理を実施する雰囲気は特に制限されず、大気雰囲気下、不活性雰囲気下、または還元性雰囲気下などが挙げられる。なお、不活性雰囲気とは、例えば、アルゴン、ヘリウム、ネオン、窒素等の不活性ガスで満たされた雰囲気であり、また、還元性雰囲気とは、水素、一酸化炭素等の還元性ガスが存在する雰囲気を指す。
(導電膜)
 上記工程を実施することにより、金属銅を含有する導電膜(金属銅膜)が得られる。
 導電膜の膜厚は特に制限されず、使用される用途に応じて適宜最適な膜厚が調整される。なかでも、プリント配線基板用途の点からは、0.01~1000μmが好ましく、0.1~100μmがより好ましい。
 なお、膜厚は、導電膜の任意の点における厚みを3箇所以上測定し、その値を算術平均して得られる値(平均値)である。
 導電膜の体積抵抗率(体積抵抗値)は、導電特性の点から、1×10-1Ωcm以下が好ましく、1×10-3Ωcm以下がより好ましく、5×10-4Ωcm以下がさらに好ましい。
 体積抵抗率は、導電膜の表面抵抗値を四探針法にて測定後、得られた表面抵抗値に膜厚を乗算することで算出することができる。
 導電膜は基材の全面、または、パターン状に設けられてもよい。パターン状の導電膜は、プリント配線基板などの導体配線(配線)として有用である。
 パターン状の導電膜を得る方法としては、上記導電膜形成用組成物をパターン状に基材に付与して、上記加熱処理および/または光照射処理を行う方法や、基材全面に設けられた導電膜をパターン状にエッチングする方法などが挙げられる。
 エッチングの方法は特に制限されず、公知のサブトラクティブ法、セミアディティブ法などを採用できる。
 パターン状の導電膜を多層配線基板として構成する場合、パターン状の導電膜の表面に、さらに絶縁層(絶縁樹脂層、層間絶縁膜、ソルダーレジスト)を積層して、その表面にさらなる配線(金属パターン)を形成してもよい。
 絶縁膜の材料は特に制限されないが、例えば、エポキシ樹脂、ガラスエポキシ樹脂、アラミド樹脂、結晶性ポリオレフィン樹脂、非晶性ポリオレフィン樹脂、フッ素含有樹脂(ポリテトラフルオロエチレン、全フッ素化ポリイミド、全フッ素化アモルファス樹脂など)、ポリイミド樹脂、ポリエーテルスルフォン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、液晶樹脂など挙げられる。
 これらの中でも、密着性、寸法安定性、耐熱性、電気絶縁性等の観点から、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、または液晶樹脂を含有するものであることが好ましく、より好ましくはエポキシ樹脂である。具体的には、味の素ファインテクノ(株)製、ABF GX-13などが挙げられる。
 また、配線保護のために用いられる絶縁層の材料の一種であるソルダーレジストについては、例えば、特開平10-204150号公報や、特開2003-222993号公報等に詳細に記載され、ここに記載の材料を所望により本発明にも適用することができる。ソルダーレジストは市販品を用いてもよく、具体的には、例えば、太陽インキ製造(株)製PFR800、PSR4000(商品名)、日立化成工業(株)製 SR7200G、などが挙げられる。
 上記で得られた導電膜を有する基材(導電膜付き基材)は、種々の用途に使用することができる。例えば、プリント配線基板、TFT、FPC、RFIDなどが挙げられる。
 以下、実施例により、本発明について更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(合成例1)
 ナスフラスコに、銅塩であるギ酸銅・四水和物2.26g、メタノール80mlを入れ、窒素気流下、室温で3時間攪拌した。そこへポリエチレンイミン(30wt%水溶液)2.87gを加え、4時間攪拌した。その後、エバポレーターでメタノールを留去し、固形分50wt%の銅含有ポリマー水溶液1となるよう水でメスアップした。
 なお、得られた銅含有ポリマー中に含まれる銅塩の含有量は72質量%であった。また、ポリエチレンイミンの重量平均分子量は70000であった。
(合成例2)
 ナスフラスコに、ギ酸銅・四水和物2.26g、メタノール80mlを入れ、窒素気流下、室温で3時間攪拌した。そこへポリジメチルアクリルアミド(30wt%水溶液)6.60gを加え、4時間攪拌した。その後、エバポレーターでメタノールを留去し、固形分50wt%の銅含有ポリマー水溶液2となるよう水でメスアップした。
 なお、得られた銅含有ポリマー中に含まれる銅塩の含有量は53質量%であった。また、ポリジメチルアクリルアミドの重量平均分子量は10000であった。
(合成例3)
 ナスフラスコに、ギ酸銅・四水和物2.26g、メタノール80mlを入れ、窒素気流下、室温で3時間攪拌した。そこへポリ4-ビニルピリジン(30wt%メチルエチルケトン溶液)7.00gを加え、4時間攪拌した。その後、エバポレーターでメタノールを留去し、固形分50wt%の銅含有ポリマー溶液3となるよう調製した。
 なお、得られた銅含有ポリマー中に含まれる銅塩の含有量は51質量%であった。また、ポリ4-ビニルピリジンの重量平均分子量は50000であった。
(合成例4)
 ナスフラスコに、ギ酸銅・四水和物2.26g、メタノール80mlを入れ、窒素気流下、室温で3時間攪拌した。そこへポリアクリル酸(30wt%水溶液)4.80gを加え、4時間攪拌した。その後、エバポレーターでメタノールを留去し、固形分50wt%の銅含有ポリマー水溶液4となるよう調製した。
 なお、得られた銅含有ポリマー中に含まれる銅塩の含有量は61質量%であった。また、ポリアクリル酸の重量平均分子量は30000であった。
(合成例5)
 ナスフラスコに、ギ酸銅・四水和物2.26g、メタノール80mlを入れ、窒素気流下、室温で3時間攪拌した。そこへポリ4-ヒドロキシスチレン(30wt%メチルエチルケトン溶液)8.01gを加え、4時間攪拌した。その後、エバポレーターでメタノールを留去し、固形分50wt%の銅含有ポリマー溶液5となるよう調製した。
 なお、得られた銅含有ポリマー中に含まれる銅塩の含有量は48質量%であった。また、ポリ4-ヒドロキシスチレンの重量平均分子量は40000であった。
(合成例6)
 ナスフラスコに、ギ酸銅・四水和物2.26g、メタノール80mlを入れ、窒素気流下、室温で3時間攪拌した。そこへポリジメチルアミノエチルアクリレート(30wt%水溶液)9.55gを加え、4時間攪拌した。その後、エバポレーターでメタノールを留去し、固形分50wt%の銅含有ポリマー溶液6となるよう調製した。
 なお、得られた銅含有ポリマー中に含まれる銅塩の含有量は44質量%であった。また、ポリジメチルアミノエチルアクリレートの重量平均分子量は35000であった。
(合成例7)
 ナスフラスコに、ギ酸銅・四水和物2.26g、メタノール80mlを入れ、窒素気流下、室温で3時間攪拌した。そこへポリビニルアルコール(30wt%水溶液)2.94gを加え、4時間攪拌した。その後、エバポレーターでメタノールを留去し、固形分50wt%の銅含有ポリマー溶液7となるよう水でメスアップした。
 なお、得られた銅含有ポリマー中に含まれる銅塩の含有量は72質量%であった。また、ポリビニルアルコールの重量平均分子量は60000であった。
(合成例8)
 ナスフラスコに、銅塩である酢酸銅・一水和物2.26g、メタノール80mlを入れ、窒素気流下、室温で3時間攪拌した。そこへポリエチレンイミン(30wt%水溶液)2.87gを加え、4時間攪拌した。その後、エバポレーターでメタノールを留去し、固形分50wt%の銅含有ポリマー水溶液8となるよう水でメスアップした。
 なお、得られた銅含有ポリマー中に含まれる銅塩の含有量は72質量%であった。また、ポリエチレンイミンの重量平均分子量は70000であった。
(合成例9)
 ナスフラスコに、ギ酸銅・四水和物96mg、メタノール80mlを入れ、窒素気流下、室温で3時間攪拌した。そこへポリエチレンイミン(30wt%水溶液)2.87gを加え、4時間攪拌した。その後、エバポレーターでメタノールを留去し、固形分50wt%の銅含有ポリマー水溶液9となるよう水でメスアップした。
 なお、得られた銅含有ポリマー中に含まれる銅塩の含有量は10質量%であった。また、ポリエチレンイミンの重量平均分子量は70000であった。
(合成例10)
 ナスフラスコに、ギ酸銅・四水和物192mg、メタノール80mlを入れ、窒素気流下、室温で3時間攪拌した。そこへポリエチレンイミン(30wt%水溶液)2.87gを加え、4時間攪拌した。その後、エバポレーターでメタノールを留去し、固形分50wt%の銅含有ポリマー水溶液10となるよう水でメスアップした。
 なお、得られた銅含有ポリマー中に含まれる銅塩の含有量は20質量%であった。また、ポリエチレンイミンの重量平均分子量は70000であった。
(実施例1)
 銅粒子(Aldrich社製、3μm)(5.0g)と、上記銅含有ポリマー溶液1(1.0g)と、水(4.0g)とを混合して、超音波ホモジナイザーで30分間処理して導電膜形成用組成物1を調製した。
 ガラス基板の2cm×2cmの面上に上記導電膜形成用組成物1をキャストし、グローブボックス中(酸素濃度<100ppm)、ホットプレートにて100℃、10分間乾燥した後、200℃で1時間焼結することで銅薄膜を得た。得られた銅薄膜に対して、以下の導電性評価および密着性評価を実施した。結果を表1にまとめて示す。
(導電性評価)
 得られた銅薄膜に対して、四探針法抵抗率計を用いて体積抵抗率を測定した。
 なお、表1中の体積抵抗率は、銅薄膜の任意の4箇所の体積抵抗率を測定して、それらを算術平均した値である。
(密着性評価)
 得られた銅薄膜に対して、1mm間隔で縦横各11本ずつの素地面に達する切り傷をカッターで碁盤目状につけ、この銅薄膜の上に粘着テープ(JIS K5400に準拠したセロテープ(登録商標))を貼って、引きはがした後の導電膜の基材への付着状態を目視によって観察し、以下の基準にそって評価した。実用上、C以上であることが好ましい。
「A」:銅薄膜の剥がれた面積が全体の0~20%であるもの
「B」:銅薄膜の剥がれた面積が全体の20%超40%以下であるもの
「C」:銅薄膜の剥がれた面積が全体の40%超60%以下であるもの
「D」:銅薄膜の剥がれた面積が全体の60%超80%以下であるもの
「E」:銅薄膜の剥がれた面積が全体の80%超であるもの
(実施例2)
 銅含有ポリマー溶液1を銅含有ポリマー溶液2に変更した以外は、実施例1と同様の手順に従って、銅薄膜を製造し、各種評価を行った。結果を表1にまとめて示す。
(実施例3)
 銅含有ポリマー溶液1を銅含有ポリマー溶液3に変更した以外は、実施例1と同様の手順に従って、銅薄膜を製造し、各種評価を行った。結果を表1にまとめて示す。
(実施例4)
 銅含有ポリマー溶液1を銅含有ポリマー溶液4に変更した以外は、実施例1と同様の手順に従って、銅薄膜を製造し、各種評価を行った。結果を表1にまとめて示す。
(実施例5)
 銅含有ポリマー溶液1を銅含有ポリマー溶液5に変更した以外は、実施例1と同様の手順に従って、銅薄膜を製造し、各種評価を行った。結果を表1にまとめて示す。
(実施例6)
 銅含有ポリマー溶液1を銅含有ポリマー溶液6に変更した以外は、実施例1と同様の手順に従って、銅薄膜を製造し、各種評価を行った。結果を表1にまとめて示す。
(実施例7)
 銅含有ポリマー溶液1を銅含有ポリマー溶液7に変更した以外は、実施例1と同様の手順に従って、銅薄膜を製造し、各種評価を行った。結果を表1にまとめて示す。
(実施例8)
 銅含有ポリマー溶液1を銅含有ポリマー溶液8に変更した以外は、実施例1と同様の手順に従って、銅薄膜を製造し、各種評価を行った。結果を表1にまとめて示す。
(実施例9)
 銅含有ポリマー溶液1を銅含有ポリマー溶液9に変更した以外は、実施例1と同様の手順に従って、銅薄膜を製造し、各種評価を行った。結果を表1にまとめて示す。
(実施例10)
 銅含有ポリマー溶液1を銅含有ポリマー溶液10に変更した以外は、実施例1と同様の手順に従って、銅薄膜を製造し、各種評価を行った。結果を表1にまとめて示す。
(実施例11)
 銅含有ポリマー溶液1の添加量を0.2gに変更した以外は、実施例1と同様の手順に従って、銅薄膜を製造し、各種評価を行った。結果を表1にまとめて示す。
(実施例12)
 銅含有ポリマー溶液1の添加量を5.0gに変更した以外は、実施例1と同様の手順に従って、銅薄膜を製造し、各種評価を行った。結果を表1にまとめて示す。
(実施例13)
 銅含有ポリマー溶液1の添加量を7.0gに変更した以外は、実施例1と同様の手順に従って、銅薄膜を製造し、各種評価を行った。結果を表1にまとめて示す。
(実施例14)
 焼結方法を200℃で1時間の加熱焼結から以下に示す光焼結に変更した以外は、実施例1と同様の手順に従って、銅薄膜を製造し、各種評価を行った。結果を表1にまとめて示す。
 光焼結:Xeフラッシュランプ(設定電圧3kV)を用いて、照射エネルギー2070J、パルス幅2msecにて、光照射を行った。
(実施例15)
 銅粒子を酸化銅(II)粒子(関東化学、50nm)に変更し、加熱温度を250℃に変更する以外は、実施例1と同様の手順に従って、銅薄膜を製造し、各種評価を行った。結果を表1にまとめて示す。
(実施例16)
 銅粒子を酸化銅(II)粒子(関東化学、50nm)に変更した以外は、実施例14と同様の手順に従って、銅薄膜を製造し、各種評価を行った。結果を表1にまとめて示す。
(実施例17)
 ガラス基板をPET基板(PPC/レーザー用OHPフィルムGAAA5224(富士ゼロックス製))に変更し、加熱温度を200℃から150℃に変更した以外は、実施例1と同様の手順に従って、銅薄膜を製造し、各種評価を行った。結果を表1にまとめて示す。
(実施例18)
 ガラス基板をポリイミド(PI)基板(カプトン500H(125μm)、東レ製)に変更した以外は、実施例1と同様の手順に従って、銅薄膜を製造し、各種評価を行った。結果を表1にまとめて示す。
(実施例19)
 ガラス基板をガラスエポキシ樹脂基板に変更した以外は、実施例1と同様の手順に従って、銅薄膜を製造し、各種評価を行った。結果を表1にまとめて示す。なお、使用したガラスエポキシ樹脂基板は、ガラスエポキシ銅張積層板(R1705、規格FR-4、パナソニック電工製)をエッチングにて銅箔除去して得られた樹脂基板である。
(比較例1)
 銅含有ポリマー溶液1(1.0g)をポリエチレンイミン(30wt%水溶液)1.67gに変更した以外は、実施例1と同様の手順に従って、薄膜を製造し、各種評価を行った。結果を表1にまとめて示す。
 比較例1では、銅含有ポリマーが使用されていない。
(比較例2)
 ナスフラスコに、ギ酸銅・四水和物2.26g、メタノール80mlを入れ、窒素気流下、室温で3時間攪拌した。そこへポリスチレン2.08gを加え、メチルエチルケトン30mlを加え4時間攪拌した。その後、エバポレーターで溶媒を留去し、固形分30wt%のポリマー溶液Xとなるよう調製した。
 銅含有ポリマー溶液1を上記ポリマー溶液に変更した以外は、実施例1と同様の手順に従って、薄膜を製造し、各種評価を行った。結果を表1にまとめて示す。
 なお、比較例1で使用されたポリマーには、所定の官能基は含まれていない。
(比較例3)
 銅粒子を酸化銅(II)粒子に変更した以外は比較例2と同様の手順に従って、薄膜を製造し、各種評価を行った。結果を表1にまとめて示す。
(比較例4)
 ナスフラスコに、ギ酸銅・四水和物2.26g、メタノール80mlを入れ、窒素気流下、室温で3時間攪拌した。そこへポリメタクリル酸メチル860mgを加え、メチルエチルケトン30mlを加え4時間攪拌した。その後、エバポレーターでメタノールを留去し、固形分50wt%のポリマー溶液Yを調製した。
 銅含有ポリマー溶液1を上記ポリマー溶液Yに変更した以外は、実施例1と同様の手順に従って、薄膜を製造し、各種評価を行った。結果を表1にまとめて示す。
(比較例5)
 特許文献1中の実施例2および10に従って、銅粒子、イソ吉草酸銅、1,2-ジ-n-オクチルヒドラジン、および、1,2-プロパンジオールを含有する導電性組成物を調製し、ガラス基板上に塗布・製膜してからグローブボックス中(酸素濃度<100ppm)、ホットプレートにて100℃、10分間乾燥した後、200℃で1時間焼結することで銅薄膜を得た。得られた銅薄膜に対して、各種評価を行った。結果を表1にまとめて示す。
 表1中、「粒子の種類」欄における「銅」は金属銅粒子を意図し、「酸化銅(II)」は酸化銅粒子(II)を意図する。
 表1中、「ポリマー比率」は、導電膜形成用組成物中における金属銅粒子および酸化銅粒子の合計質量100質量部に対するポリマーの質量部を意味する。
 また、表1中、「測定不可」は、測定許容量を超えた(体積抵抗率が大きすぎる)ことを意味する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000003
 表1に示すように、本発明の導電膜形成用組成物を使用した場合、優れた導電性および密着性を有する銅薄膜を得ることができた。
 なかでも、実施例1~6の比較から分かるように、ポリマー中の相互作用性基がアミノ基、カルボキシル基、ピリジル基、アミド基の場合に銅薄膜の導電性がより優れ、アミノ基、カルボキシル基の場合に銅薄膜の導電性がさらに優れ、アミノ基の場合に特に銅薄膜の導電性が優れることが確認された。また、ポリマー中の相互作用性基がアミノ基、カルボキシル基、ピリジル基、アミド基の場合に銅薄膜の密着性がより優れ、特にアミノ基の場合に銅薄膜の密着性が特に優れることが確認された。
 また、実施例1と実施例7との比較から分かるように、銅塩としてギ酸塩を使用した場合(実施例1に該当)、銅薄膜の密着性がより優れることが確認された。
 また、実施例1、9、および10の比較から分かるように、銅含有ポリマー中における銅イオンおよび銅塩の合計含有量が20質量%以上の場合(実施例1および10に該当)、銅薄膜の導電性がより優れることが確認された。
 また、実施例1、11~13の比較から分かるように、銅含有ポリマーの含有量が、金属銅粒子および酸化銅粒子の合計質量100質量部に対して、2~50質量部の場合(実施例1、11および12に該当)、銅薄膜の導電性がより優れることが確認された。
 また、実施例1と実施例15との比較から分かるように、金属銅粒子を使用した場合、銅薄膜の密着性がより優れることが確認された。
 また、実施例1と実施例14との比較から分かるように、焼結方法として加熱処理または光照射処理のいずれを選択しても、導電性および導電性に優れる銅薄膜が得られることが確認された。
 また、実施例17~19から分かるように、基材として樹脂基材を使用した場合も、導電性および導電性に優れる銅薄膜が得られることが確認された。
 一方、所定の官能基を有する銅含有ポリマーを使用していない比較例1~4では、導電性または密着性の少なくとも一方が劣っていた。
 また、特許文献1に記載される銅前駆体である銅塩を使用した比較例5では、銅薄膜の密着性に劣っていた。

Claims (6)

  1.  銅含有ポリマーと、金属銅粒子および/または酸化銅粒子と、溶媒とを含み、
     前記銅含有ポリマーが、
     銅イオンおよび/または銅塩と、
     前記銅イオンおよび/または前記銅塩と相互作用する官能基を有するポリマーとを含み、
     前記銅イオンおよび/または前記銅塩が前記官能基を介して前記ポリマーに連結されており、
     前記官能基が、アミノ基、アミド基、ピリジル基、ヒドロキシル基、およびカルボキシル基からなる群から選択される少なくとも一つを含む、
     導電膜形成用組成物。
  2.  前記官能基がアミノ基、カルボキシル基、アミド基、およびピリジル基からなる群から選択される基である、請求項1に記載の導電膜形成用組成物。
  3.  前記銅含有ポリマー中における銅イオンおよび銅塩の合計含有量が20質量%以上である、請求項1または2に記載の導電膜形成用組成物。
  4.  前記銅含有ポリマーの含有量が、前記金属銅粒子および酸化銅粒子の合計質量100質量部に対して、2~50質量部である、請求項1~3のいずれか1項に記載の導電膜形成用組成物。
  5.  前記銅イオンおよび/または銅塩がギ酸銅である、請求項1~4のいずれか1項に記載の導電膜形成用組成物。
  6.  請求項1~5のいずれか1項に記載の導電膜形成用組成物を基材上に付与して、塗膜を形成する工程と、
     前記塗膜に対して加熱処理および/または光照射処理を行い、導電膜を形成する工程とを備える、導電膜の製造方法。
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