JP2014139893A - 導電層含有積層体の製造方法 - Google Patents

導電層含有積層体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、優れた導電性を示すと共に、基材との密着性にも優れた導電層を含有する導電層含有積層体の製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】基材と、基材上に配置されたプライマー層と、プライマー層上に配置され、酸化銅の粒子を含有する導電層前駆体とを備える前駆体膜に対して、加熱処理および/または光照射処理を行い、酸化銅を還元して金属銅を含有する導電層を形成する工程とを備える、導電層含有積層体の製造方法であって、プライマー層中に、銅含有ポリマーが含有される、導電層含有積層体の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、導電層含有積層体の製造方法に係り、特に、銅含有ポリマーを含むプライマー層を有する前駆体膜に対して所定の処理を施し、導電層含有積層体を製造する方法に関する。
基材上に金属膜を形成する方法として、金属粒子または金属酸化物粒子の分散体を印刷法により基材に塗布し、加熱処理または光照射処理して焼結させることによって金属膜や回路基板における配線等の電気的導通部位を形成する技術が知られている。
上記方法は、従来の高熱・真空プロセス(スパッタ)やめっき処理による配線作製法に比べて、簡便・省エネ・省資源であることから次世代エレクトロニクス開発において大きな期待を集めている。
例えば、特許文献1においては、基板の表面上に酸化銅ナノ粒子を含有するフィルムを堆積させ、フィルムの少なくとも一部を露光して、露光部分を導電性にする方法が開示されている。
また、特許文献2においては、基板と金属薄膜との密着性を高めるために、基板上に、熱硬化性樹脂と粒子径1nm〜1μmの金属微粒子とを含有する塗布液を塗工し、加熱することによってコンポジット層を形成する方法が開示されている。
特表2010−528428号公報 特開2005−262598号公報
一方、近年、電子機器の小型化、高機能化の要求に対応するため、プリント配線板などにおいては配線のより一層の微細化および高集積化が進んでいる。それに伴って、基材と導電層との密着性のより一層の向上が要求されている。
本発明者らが、特許文献1および2に記載される方法を用いて導電層の作製を行ったところ、得られた導電層は基材との密着性が昨今求められるレベルまで達しておらず、更なる改良が必要であった。
本発明は、上記実情に鑑みて、優れた導電性を示すと共に、基材との密着性にも優れた導電層を含有する導電層含有積層体の製造方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、この導電層含有積層体の製造方法で使用される前駆体膜を提供することも目的とする。
本発明者らは、従来技術の問題点について鋭意検討した結果、銅イオンおよび/または銅塩を含む銅含有ポリマーを含むプライマー層を使用することにより、上記課題を解決できることを見出した。
すなわち、以下の構成により上記目的を達成することができることを見出した。
(1) 基材と、基材上に配置されたプライマー層と、プライマー層上に配置され、酸化銅の粒子を含有する導電層前駆体とを備える前駆体膜に対して、加熱処理および/または光照射処理を施し、酸化銅を還元して金属銅を含有する導電層を形成する工程を備える、導電層含有積層体の製造方法であって、
プライマー層中に、銅含有ポリマーが含有され、
銅含有ポリマーが、銅イオンおよび/または銅塩と、銅イオンおよび/または銅塩と相互作用する官能基を有するポリマーとを含み、
銅イオンおよび/または銅塩が官能基を介してポリマーに連結されている、導電層含有積層体の製造方法。
(2) 官能基が、アミノ基、アミド基、ピリジル基、ヒドロキシル基、およびカルボキシル基からなる群から選択される少なくとも一つを含む、(1)に記載の導電層含有積層体の製造方法。
(3) 銅含有ポリマー中における銅イオンおよび銅塩の合計含有量が20質量%以上である、(1)または(2)に記載の導電層含有積層体の製造方法。
(4) 銅イオンおよび/または銅塩がギ酸銅である、(1)〜(3)のいずれかに記載の導電層含有積層体の製造方法。
(5) プライマー層に樹脂粒子が含まれる、(1)〜(4)のいずれかに記載の導電層含有積層体の製造方法。
(6) プライマー層に不活性樹脂が含まれる、(1)〜(5)のいずれかに記載の導電層含有積層体の製造方法。
(7) 基材が、熱可塑性樹脂基材である、(1)〜(6)のいずれかに記載の導電層含有積層体の製造方法。
(8) プライマー層の厚みが10μm以下である、(1)〜(7)のいずれかに記載の導電層含有積層体の製造方法。
(9) 導電層前駆体の厚みが30μm以下である、(1)〜(8)のいずれかに記載の導電層含有積層体の製造方法。
(10) 導電層前駆体に、100nm以上1000nm未満の第1金属銅粒子と、1μm以上100μm未満の第2金属銅粒子とが含まれる、(1)〜(9)のいずれかに記載の導電層含有積層体の製造方法。
(11) 基材と、基材上に配置されたプライマー層と、プライマー層上に配置され、酸化銅の粒子を含有する導電層前駆体とを備え、加熱処理および/または光照射が施されて導電層含有積層体となる前駆体膜であって、
プライマー層中に、銅含有ポリマーが含有され、
銅含有ポリマーが、銅イオンおよび/または銅塩と、銅イオンおよび/または銅塩と相互作用する官能基を有するポリマーとを含み、
銅イオンおよび/または銅塩が官能基を介してポリマーに連結されている、前駆体膜。
(12) 官能基が、アミノ基、アミド基、ピリジル基、ヒドロキシル基、およびカルボキシル基からなる群から選択される少なくとも一つを含む、(11)に記載の前駆体膜。
(13) 銅含有ポリマー中における銅イオンおよび銅塩の合計含有量が20質量%以上である、(11)または(12)に記載の前駆体膜。
(14) 銅イオンおよび/または銅塩がギ酸銅である、(11)〜(13)のいずれかに記載の前駆体膜。
(15) 基材が、熱可塑性樹脂基材である、(11)〜(14)のいずれかに記載の前駆体膜。
本発明によれば、優れた導電性を示すと共に、基材との密着性にも優れた導電層を含有する導電層含有積層体の製造方法を提供することができる。
また、本発明によれば、この導電層含有積層体の製造方法で使用される前駆体膜を提供することもできる。
以下に、本発明の導電層含有積層体の製造方法の好適態様について詳述する。
まず、本発明の従来技術と比較した特徴点について詳述する。
上述したように、本発明の特徴点は、銅イオンおよび/または銅塩を含む銅含有ポリマーを含むプライマー層を備える前駆体膜に対して、加熱処理および/または光照射処理を行っている点が挙げられる。プライマー層を備える前駆体膜に対して加熱処理および/または光照射処理が施されると、銅含有ポリマー中の銅イオンまたは銅塩が還元して金属銅が生成する。この生成した金属銅は、導電層前駆体中の酸化銅粒子が加熱処理または光照射処理によって還元されて生成する金属銅と、結着する。その結果、プライマー層と導電層との密着性が強化される。また、プライマー層中に残存するポリマーは、基材とプライマー層との密着性を高める役割を果たすと共に、生成した金属銅と官能基を介して相互作用するためにプライマー層と導電層との密着性を高める役割を果たす。
本発明の導電層含有積層体の製造方法は、所定の前駆体膜に加熱処理および/または光照射処理を施す工程(還元工程)を有する。
以下では、まず、本工程で前駆体膜について詳述し、その後工程の手順について詳述する。
<前駆体膜>
前駆体膜は、基材と、基材上に配置されたプライマー層と、プライマー層上に配置され導電層前駆体とを備える。
以下では、まず、基材について詳述する。
[基材]
基材は、後述するプライマー層および導電層前駆体を支持するものであれば、その種類は特に制限されない。基材としては、樹脂基材、ガラス基材、セラミック基材、金属基材などが挙げられる。
なかでも、導電層の密着性がより優れる点で、樹脂基材としては熱可塑性樹脂基材が好ましい。熱可塑性樹脂基材の好適態様の一つとしては、ポリオレフィン系基材が好ましい。ポリオレフィン系基材を構成する材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン、ポリシクロオレフィン等のポリオレフィン系樹脂、エチレン−(メタ)アクリル酸(エステル)共重合体等のポリオレフィン系共重合体が挙げられる。
また、樹脂基材の他の好適態様としては、導電層の密着性がより優れる点で、二重結合基を有する樹脂(例えば、ポリブタジエンなど)より構成される基材が挙げられる。
基材としてより具体的には、低密度ポリエチレン樹脂、高密度ポリエチレン樹脂、ABS樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリエステル樹脂(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート)、ポリアセタール樹脂、ポリサルフォン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、セルロース誘導体等の樹脂基材;非塗工印刷用紙、微塗工印刷用紙、塗工印刷用紙(アート紙、コート紙)、特殊印刷用紙、コピー用紙(PPC用紙)、未晒包装紙(重袋用両更クラフト紙、両更クラフト紙)、晒包装紙(晒クラフト紙、純白ロール紙)、コートボール、チップボール、段ボール等の紙基材;ソーダガラス、ホウケイ酸ガラス、シリカガラス、石英ガラス等のガラス基材;アモルファスシリコン、ポリシリコン等のシリコン系半導体基材;CdS、CdTe、GaAs等の化合物半導体基材;銅板、鉄板、アルミ板等の金属基材;アルミナ、サファイア、ジルコニア、チタニア、酸化イットリウム、酸化インジウム、ITO(インジウム錫酸化物)、IZO(インジウム亜鉛酸化物)、ネサ(酸化錫)、ATO(アンチモンドープ酸化錫)、フッ素ドープ酸化錫、酸化亜鉛、AZO(アルミドープ酸化亜鉛)、ガリウムドープ酸化亜鉛、窒化アルミニウム基材、炭化ケイ素等のその他無機基材;紙−フェノール樹脂、紙−エポキシ樹脂、紙−ポリエステル樹脂等の紙−樹脂複合物、ガラス布−エポキシ樹脂、ガラス布−ポリイミド系樹脂、ガラス布−フッ素樹脂等のガラス−樹脂複合物等の複合基材等が挙げられる。
[プライマー層]
プライマー層は、導電層含有積層体中における基材と導電層との間の密着性を高めるために設けられる層である。プライマー層には、銅含有ポリマーが含有される。
まず、銅含有ポリマーに関して詳述する。
(銅含有ポリマー)
銅含有ポリマーは、銅イオンおよび/または銅塩と、銅イオンおよび/または銅塩と相互作用する官能基(以後、相互作用性基とも称する)を有するポリマー(以後、配位性ポリマーとも称する)とを含む。銅イオンおよび/または銅塩は、相互作用性基を介してポリマーに連結されている。
まず、銅含有ポリマーに含まれる銅イオンおよび銅塩について詳述する。
銅含有ポリマーに含まれる銅イオンの種類は特に制限されず、例えば、Cu(I)イオンまたはCu(II)イオンが挙げられる。これらのイオンは、通常、銅のハロゲン化物、過塩素酸塩、鉱酸塩、有機酸塩などの銅塩の水溶液または極性溶媒中の溶液として提供される。
銅塩とは、カチオン種として銅イオンを含有する化合物を意味する。このような銅塩の種類は特に制限されないが、例えば、フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物、亜硝酸塩、硝酸塩、亜硫酸塩、硫酸塩、亜リン酸塩、リン酸塩、ピロリン酸塩、カルボン酸塩、ギ酸銅などが挙げられる。
カルボン酸の銅塩としては、カルボン酸をアニオン種とし、かつ銅イオンをカチオン種とする化合物であれば特に限定されないが、例えば、1価の銅イオン、2価の銅イオン、および3価の銅イオンからなる群より選ばれる1種または2種以上の銅イオンとカルボン酸との銅塩が挙げられる。これらの中でも、安定性、および入手の容易さから、カルボン酸と二価の銅イオンからなる銅塩が好ましい。
カルボン酸の銅塩としては、具体的には、酢酸銅、トリフルオロ酢酸銅、プロピオン酸銅、酪酸銅、イソ酪酸銅、2−メチル酪酸銅、2−エチル酪酸銅、吉草酸銅、イソ吉草酸銅、ピバリン酸銅、ヘキサン酸銅、ヘプタン酸銅、オクタン酸銅、2−エチルヘキサン酸銅、ノナン酸銅などの脂式カルボン酸との銅塩、マロン酸銅、コハク酸銅、マレイン酸銅等のジカルボン酸との銅塩、安息香酸銅、サリチル酸銅などの芳香族カルボン酸との銅塩、ギ酸銅、ヒドロキシ酢酸銅、グリオキシル酸銅、乳酸銅、シュウ酸銅、酒石酸銅、リンゴ酸銅、クエン酸銅などの還元力を有するカルボン酸との銅塩などが好適なものとして挙げられる。これらのうち、後述するポリマーと相互作用しやすい点から、ギ酸銅がより好ましい。
なお、銅含有ポリマー中には、銅イオンおよび銅塩の一方のみが含まれていてもよく、両方が含まれていてもよい。
配位性ポリマー中には、銅イオンおよび/または銅塩と相互作用する官能基が含まれる。官能基の種類は特に制限されず、銅イオンおよび/または銅塩と相互作用(例えば、水素結合、配位結合、静電相互作用、イオン結合など)を形成する基であれば特に制限されない。例えば、エーテル基、アミノ基、アミド基、ピリジル基、ヒドロキシル基、カルボキシル基が挙げられる。なかでも、本発明の効果(導電層の密着性)がより優れる点で、アミノ基、アミド基、ピリジル基、ヒドロキシル基、およびカルボキシル基からなる群から選択される少なくとも一つの官能基(以後、これらの総称として単に官能基とも称する)が含まれる。これらの基は、上述した銅イオンおよび銅塩と相互作用する。
上記官能基のなかでも、導電層の導電性または密着性がより優れる点で、アミノ基、ピリジル基、アミド基、カルボキシル基が好ましく、導電層の導電性がより優れる点で、アミノ基、カルボキシル基がより好ましく、アミノ基が最も好ましい。
なお、本明細書において、アミノ基とは、第1級アミノ基、第2級アミノ基、および第3級アミノ基を含む概念である。
配位性ポリマー中における上記官能基の導入位置は特に制限されず、主鎖、側鎖、または末端などが挙げられる。
上記官能基が主鎖に含まれるポリマーとしては、導電層の導電性または密着性がより優れる点で、式(1)で表される繰り返し単位を有するポリマーが好ましい。
式(1)中、L1は、アミド基(−NHCO−)、第2級アミノ基(−NH−)、または−NRa−で表される第3級アミノ基を表す。Raは、炭化水素基を表す。
Raで表される炭化水素基としては、例えば、脂肪族炭化水素基(例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基など)、芳香族炭化水素基、またはこれらを組み合わせた基が挙げられる。
式(1)中、R1は、2価の脂肪族炭化水素基、2価の芳香族炭化水素基、またはこれらを組み合わせた基を表す。2価の脂肪族炭化水素基の炭素数は特に制限されないが、導電層の導電性または密着性がより優れる点で、2〜10が好ましく、2〜4がより好ましい。2価の芳香族炭化水素基の炭素数は特に制限されないが、導電層の導電性または密着性がより優れる点で、6〜12が好ましく、6がより好ましい。
ポリマー中における式(1)で表される繰り返し単位の含有量は特に制限されないが、導電層の導電性または密着性がより優れる点で、ポリマー中の全繰り返し単位に対して、30モル%以上が好ましく、60モル%以上がより好ましい。最も好ましくは100モル%である。
上記官能基が側鎖に含まれるポリマーとしては、導電層の導電性または密着性がより優れる点で、以下の式(2)で表される繰り返し単位を有するポリマーが好ましい。
式(2)中、L2は、単結合または2価の連結基を表す。2価の連結基としては、2価の脂肪族炭化水素基(好ましくは炭素数1〜8)、2価の芳香族炭化水素基(好ましくは炭素数6〜12)、−O−、−S−、−SO2−、−N(R)−(R:アルキル基)、−CO−、−NH−、−COO−、−CONH−、またはこれらを組み合わせた基(例えば、アルキレンオキシ基、アルキレンオキシカルボニル基、アルキレンカルボニルオキシ基など)などが挙げられる。
2価の脂肪族炭化水素基(例えば、アルキレン基)としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、またはブチレン基などが挙げられる。
2価の芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニレン基、ナフチレン基などが挙げられる。
R2は、水素原子またはアルキル基を表す。アルキル基の炭素数は特に制限されないが、合成がより容易である点で、炭素数1〜3が好ましく、炭素数1がより好ましい。
R3は、アミノ基、アミド基、ピリジル基、ヒドロキシル基、およびカルボキシル基からなる群から選択される官能基が挙げられる。
ポリマー中における式(2)で表される繰り返し単位の含有量は特に制限されないが、導電層の導電性または密着性がより優れる点で、ポリマー中の全繰り返し単位に対して、30モル%以上が好ましく、60モル%以上がより好ましい。最も好ましくは100モル%である。
配位性ポリマー中における官能基の含有量は特に制限されないが、導電層の導電性または密着性がより優れる点で、10-4〜100mol/gが好ましく、10-3〜10-1mol/gがより好ましい。
配位性ポリマーの重量平均分子量は特に制限されないが、導電層の導電性または密着性がより優れる点で、1,000〜1,000,000が好ましく、5,000〜100,000がより好ましい。尚、重量平均分子量は、GPCにて測定をする。
配位性ポリマーとしては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリジメチルアミノエチルアクリレート、ポリ4−ヒドロキシスチレン、ポリアクリル酸、ポリ4−ビニルピリジン、ポリジメチルアクリルアミド、ポリエチレンイミン、ポリビニルメチルエーテルなどが挙げられる。
銅含有ポリマー中における銅イオンおよび銅塩の合計含有量は特に制限されないが、導電層の導電性または密着性がより優れる点で、10質量%以上が好ましく、導電層の導電性がより優れる点で、20質量%以上がより好ましく、30質量%以上がさらに好ましく、40質量%以上が特に好ましい。上限は特に制限されないが、通常、80質量%以下の場合が多い。
銅含有ポリマーの製造方法は特に制限されず、公知の方法が採用できる。例えば、銅イオンおよび/または銅塩が含まれる溶液中に配位性ポリマーを所定量加えて、所定時間混合することにより製造することができる。つまり、溶媒の存在下、銅イオンおよび/または銅塩と配位性ポリマーとを混合することにより、銅含有ポリマーを製造できる。
混合条件は使用される配位性ポリマーの種類に応じて適宜最適な条件が選択されるが、効率よく銅含有ポリマーを製造できる点で、0〜100℃(好ましくは20〜60℃)の条件下で0.3〜10時間(好ましくは0.5〜3時間)混合することが好ましい。
なお、ここで使用される溶媒の種類は特に制限されず、後述するプライマー層形成用組成物に含まれる溶媒の具体例などが挙げられる。
プライマー層中における銅含有ポリマーの含有量は特に制限されないが、導電層の密着性がより優れる点で、プライマー層全質量に対して、20質量%以上が好ましく、30質量%以上がより好ましい。上限は特に制限されないが、100質量%が挙げられ、90質量%以下が好ましい。
(その他の成分)
プライマー層には、上記銅含有ポリマー以外の成分が含まれていてもよい。
例えば、プライマー層には、不活性樹脂(非反応性樹脂)が含まれていてもよい。不活性樹脂とは、熱や光によって化学反応(例えば、重合反応や架橋反応)を実質的に起こさない樹脂を意図する。このような樹脂をプライマー層に用いることで、加熱処理および/または光照射処理の際に、プライマー層の体積収縮を抑制することができ、導電層含有積層体のカール(反り)を抑制できる。
不活性樹脂の種類は特に制限されないが、例えば、ポリアルキル(メタ)アクリレート、ポリアルキレンオキシド、ポリアルキレングリコール、ポリビニルエーテル、ポリビニルエステル、ポリビニルクロライド、ポリアミド、ポリシロキサン、ポリカーボネート、ポリスチレンなどの基材と樹脂との間に水素結合が期待できる樹脂;ポリウレタン、ポリエステルなどの熱可塑性樹脂;ポリスチレン、ポリベンジル(メタ)アクリレートなどのπ-π結合が期待できる樹脂;等が挙げられる。
不活性樹脂のなかでも、不活性なメチルメタクリレート単独重合体および/または共重合体が好ましい。不活性なメチルメタクリレート単独重合体および/または共重合体とは、メチルメタクリレート単独重合体および/または共重合体が、さらに連鎖重合反応可能な重合性の官能基をもたない、並びに、さらに逐次架橋反応可能な架橋性および/または被架橋性の官能基をもたない重合体であることを意味する。すなわち、重合反応および架橋反応を実質的に生じない状態のメチルメタクリレート単独重合体および/または共重合体を指す。
不活性なメチルメタクリレート単独重合体としては、特に制約はなく、例えばメチルメタクリレートを公知の重合方法により単独重合体としたもの、または、市販の単独重合体製品として入手できるものが好ましく挙げられる。
また、不活性なメチルメタクリレート共重合体としては、特に制約はなく、例えば、メチルメタクリレートとその他の重合性化合物とを公知の重合方法により共重合体としたもの、または、市販の共重合体製品として入手できるものが好ましく挙げられる。共重合体は、ランダム共重合体、ブロック共重合体またはグラフト共重合体のいずれでもよい。共重合に使用するその他の重合性化合物としては、(メタ)アクリレート化合物が好ましく挙げられる。より好ましくは、メタクリレート化合物である。
不活性なメチルメタクリレート単独重合体および/または共重合体の重量平均分子量は特に制限されないが、取扱い性が優れる点で、4,000以上120,000未満が好ましく、8,000〜80,000がより好ましく、10,000〜70,000がさらに好ましく、10,000〜60,000が特に好ましく、12,000〜50,000が最も好ましい。
プライマー層中における不活性樹脂の含有量は特に制限されないが、導電層の密着性がより優れる点で、プライマー層全質量に対して、5〜70質量%が好ましく、10〜60質量%がより好ましい。
プライマー層には、樹脂粒子が含まれていてもよい。樹脂粒子が含まれることにより、粒子の体積効果によりプライマー層の体積収縮が緩和され、導電層含有積層体のカール(反り)の発生が抑えられる。
樹脂粒子を構成する樹脂の種類は特に制限されず、各種の合成樹脂、例えば、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ベンゾグアナミン/メラミン/ホルムアルデヒド樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、スチレン樹脂、ゴム類(例えば、アクリルニトリルブタジエンゴム)等が挙げられる。
樹脂粒子の平均粒径(平均直径)は特に制限されないが、導電層の密着性がより優れる点で、0.1〜10μmが好ましく、0.2〜7μmがより好ましい。平均粒径は、少なくとも50個の樹脂粒子の直径を測定し、算術平均して得られる。
プライマー層中における樹脂粒子の含有量は特に制限されないが、導電層の密着性がより優れる点で、プライマー層全質量に対して、5〜50質量%が好ましく、10〜40質量%がより好ましい。
プライマー層には、界面活性剤が含まれていてもよい。界面活性剤が含まれることにより、プライマー層を形成する際に使用されるプライマー層形成用組成物の基材に対する濡れ性が向上し、成膜性が向上する。
使用される界面活性剤の種類は特に制限されず、公知の界面活性剤が使用される。例えば、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤のいずれも使用することができる。更には、上記高分子物質(高分子分散剤)を界面活性剤としても使用することもできる。
プライマー層中における界面活性剤の含有量は特に制限されないが、導電層の密着性がより優れる点で、プライマー層全質量に対して、0.01〜5質量%が好ましく、0.03〜3質量%がより好ましい。
プライマー層の厚みは特に制限されないが、導電層の密着性がより優れる点で、0.2μm以上が好ましく、0.5μm以上がより好ましく、10μm以下が好ましく、5μm以下がより好ましく、3μm以下がさらに好ましい。
なお、上記プライマー層の厚みは平均厚みであり、プライマー層の任意の10点の厚みを測定し、それらを算術平均した値である。
[導電層前駆体]
導電層前駆体には、酸化銅粒子が含まれており、後述する加熱処理および/または光照射処理によって導電層となる前駆体の層である。
以下では、まず、酸化銅粒子について詳述する。
(酸化銅の粒子(酸化銅粒子))
本発明における「酸化銅」とは、酸化されていない銅を実質的に含まない化合物であり、具体的には、X線回折による結晶解析において、酸化銅由来のピークが検出され、かつ金属由来のピークが検出されない化合物のことを指す。銅を実質的に含まないとは、限定的ではないが、銅の含有量が酸化銅粒子に対して1質量%以下であることをいう。
酸化銅としては、酸化銅(I)または酸化銅(II)が好ましく、安価に入手可能であること、低抵抗であることから酸化銅(II)であることが更に好ましい。
酸化銅粒子の平均粒子径は特に制限されないが、100nm以下が好ましく、50nm以下がより好ましい。下限も特に制限されないが、1nm以上が好ましい。
平均粒子径が1nm以上であれば、粒子表面の活性が高くなりすぎず、酸化銅粒子を含む組成物中で溶解することがなく、取扱い性に優れるため好ましい。また、100nm以下であれば、酸化銅粒子を含む組成物をインクジェット用インク組成物として用い、印刷法により配線等のパターン形成を行うことが容易となり、組成物を導体化する際に、金属銅への還元が十分となり、得られる導電層の導電性が良好であるため好ましい。
なお、本発明における平均粒子径は、平均一次粒径のことを指す。平均粒子径は、透過型電子顕微鏡(TEM)観察または走査型電子顕微鏡(SEM)観察により、少なくとも50個以上の酸化銅粒子の粒子径(直径)を測定し、それらを算術平均して求める。なお、観察図中、酸化銅粒子の形状が真円状でない場合、長径を直径として測定する。
酸化銅粒子としては、例えば、関東化学社製のCuOナノ粒子、シグマアルドリッチ社製のCuOナノ粒子等を好ましく使用することができる。
導電層前駆体中における酸化銅粒子の含有量は特に制限されないが、導電層の密着性および導電性がより優れる点で、導電層前駆体全質量に対して、40〜95質量%が好ましく、50〜90質量%がより好ましい。
(その他の成分)
導電層前駆体には、本発明の効果を損なわない範囲で酸化銅粒子以外の成分が含まれていてもよい。
例えば、バインダー成分として高分子化合物(ポリマー)が含まれていてもよい。高分子化合物は、天然、合成高分子またはこれらの混合物のいずれでもよく、例えば、ビニル系ポリマー(例えば、ポリビニルピロリドン)、ポリエーテル、アクリル系ポリマー、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ロジン配合物などが好適に挙げられる。なかでも、酸化銅を還元する還元剤の機能も有していると考えられるポリビニルピロリドンが好ましい。
また、導電層前駆体には、還元性基を有するポリマーが含まれていてもよい。このポリマーが導電層前駆体に含まれることにより、酸化銅の還元がより促進され、より導電特性に優れた導電層が得られる。なお、還元性基とは、酸化銅の還元に寄与する基を意図し、例えば、ヒドロキシル基、アミノ基などが挙げられる。還元性基を有する有機ポリマーの具体例としては、例えば、ポリビニルアルコールなどが挙げられる。
酸化銅粒子以外の成分を含む場合は、その他の成分の、導電層前駆体中における含有量は、0.1〜20質量%であることが好ましく、0.5〜15質量%であることがより好ましく、1〜13質量%であることが更に好ましい。
また、導電層前駆体には、金属銅粒子が含まれていてもよい。金属銅粒子が含まれることにより、形成される導電層の導電性がより優れる。
金属銅粒子の種類は特に制限されないが、導電層の導電性がより優れる点で、100nm以上1000nm未満の第1金属銅粒子と、1μm以上100μm未満の第2金属銅粒子とが併用されることが好ましい。なお、第1金属銅粒子の粒子径は、好ましくは150nm〜700nmであり、より好ましくは200nm〜500nmである。第2金属銅粒子の粒子径は、好ましくは2μm〜50μmであり、より好ましくは3μm〜30μmである。
導電層前駆体の層の厚みは特に制限されないが、導電層の密着性がより優れる点で、1μm以上が好ましく、5μm以上がより好ましく、50μm以下が好ましく、30μm以下がより好ましい。
なお、上記導電層前駆体の層の厚みは平均厚みであり、導電層前駆体の層の任意の10点の厚みを測定し、それらを算術平均した値である。
<前駆体膜の製造方法>
上述した基材、プライマー層および導電層前駆体を備える前駆体膜の製造方法は特に制限されず、公知の方法を適用できる。例えば、基材上にプライマー層を形成する工程(1)と、プライマー層上に導電層前駆体を形成する工程(2)とを備えることが好ましい。
以下に、好適態様中の各工程(工程(1)および工程(2))の手順について詳述する。
(工程(1):プライマー層形成工程)
工程(1)は基材上にプライマー層を形成する工程であり、その手順は特に制限されない。なかでも、プライマー層の厚みの調整がより容易である点から、基材上にプライマー層形成用組成物を塗布して、必要に応じて乾燥処理を施して、プライマー層を形成する工程が好ましい。
以下、この好適態様について詳述する。
プライマー層形成用組成物には、上述した銅含有ポリマーが含有される。
プライマー層形成用組成物中における銅含有ポリマーの含有量は特に制限されないが、塗布性および成膜性がより優れる点で、プライマー層全質量に対して、20〜95質量%が好ましく、30〜90質量%がより好ましい。
なお、必要に応じて、プライマー層形成用組成物には、上述したその他の任意成分(例えば、不活性樹脂、樹脂粒子、界面活性剤)が含まれていてもよい。
また、プライマー層形成用組成物には、必要に応じて、溶媒が含まれていてもよい。
溶媒の種類は特に制限されず、例えば、水または有機溶媒が挙げられる。有機溶媒としては、例えば、アルコール系溶媒(例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、)、ケトン系溶媒(例えば、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン)、芳香族炭化水素溶媒(例えば、トルエン、キシレン)、アミド系溶媒(例えば、ホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン)、ニトリル系溶媒(例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル)、エステル系溶媒(例えば、酢酸メチル、酢酸エチル)、カーボネート系溶媒(例えば、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート)、エーテル系溶媒、ハロゲン系溶媒などが挙げられる。
プライマー層形成用組成物を基材上に塗布する方法は特に制限されず、公知の方法を採用できる。例えば、スクリーン印刷法、ディップコーティング法、スプレー塗布法、スピンコーティング法、インクジェット法などの塗布法が挙げられる。
塗布膜の形状は特に制限されず、基材全面を覆う面状であっても、パターン状(例えば、配線状、ドット状)であってもよい。
本工程においては、必要に応じて、プライマー層形成用組成物を基材へ塗布した後に乾燥処理を行い、溶媒を除去してもよい。残存する溶媒を除去することにより、後述する加熱処理および/または光照射処理において、溶媒の気化膨張に起因する微小なクラックや空隙の発生を抑制することができ、導電層の導電性および導電層と基材との密着性の点で好ましい。
乾燥処理の方法としては温風乾燥機などを用いることができ、温度としては、40℃〜200℃で加熱処理を行うことが好ましく、50℃以上150℃未満で加熱処理を行なうことがより好ましく、70℃〜120℃で加熱処理を行うことがさらに好ましい。金属銅粒子を用いる場合は酸化を抑制するような条件が好ましく、例えば、窒素、アルゴンなどの不活性ガス雰囲気下がより好ましく、水素等の還元性ガス雰囲気下で乾燥することがさらに好ましい。
なお、プライマー層の形成方法は上記方法に限定されず、例えば、剥離性フィルム上にプライマー層形成用組成物を塗布してプライマー層を形成した後、プライマー層を剥離性フィルムより剥離して、基材表面にプライマー層を貼り合せることも可能である。
(工程(2):導電層前駆体形成工程)
工程(2)はプライマー層上に導電層前駆体を形成する工程であり、その手順は特に制限されない。なかでも、導電層前駆体の厚みの調整がより容易である点から、プライマー層上に導電層前駆体形成用組成物を塗布して、必要に応じて乾燥処理を施して、導電層前駆体を形成する工程が好ましい。
以下、この好適態様について詳述する。
導電層前駆体形成用組成物には、上述した酸化銅粒子が含まれる。
導電層前駆体形成用組成物中における酸化銅粒子の含有量は特に制限されないが、塗布性および成膜性がより優れる点で、導電層前駆体全質量に対して、40〜95質量%が好ましく、50〜90質量%がより好ましい。
なお、必要に応じて、導電層前駆体形成用組成物には、上述したその他の任意成分(例えば、バインダー成分、金属銅粒子)が含まれていてもよい。
また、導電層前駆体形成用組成物には、必要に応じて、溶媒が含まれていてもよい。
溶媒の種類は特に制限されないが、例えば、水や、アルコール類、エーテル類、エステル類などの有機溶媒などを使用することができる。なかでも、上記銅含有ポリマーとの相溶性がより優れる点から、水、1〜3価のヒドロキシル基を有する脂肪族アルコール、この脂肪族アルコール由来のアルキルエーテル、この脂肪族アルコール由来のアルキルエステル、またはこれらの混合物が好ましく用いられる。
溶媒として、水を用いる場合には、イオン交換水のレベルの純度を有するものが好ましい。
1〜3価のヒドロキシル基を有する脂肪族アルコールとしては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、1−ブタノール、1−ペンタノール、1−ヘキサノール、シクロヘキサノール、1−ヘプタノール、1−オクタノール、1−ノナノール、1−デカノール、グリシドール、メチルシクロヘキサノール、2−メチル−1−ブタノール、3−メチル−2−ブタノール、4−メチル−2−ペンタノール、イソプロピルアルコール、2−エチルブタノール、2−エチルヘキサノール、2−オクタノール、テルピネオール、ジヒドロテルピネオール、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−n−ブトキシエタノール、カルビトール、エチルカルビトール、n−ブチルカルビトール、ジアセトンアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、ペンタメチレングリコール、へキシレングリコール、グリセリン等が挙げられる。
なかでも、1〜3価のヒドロキシル基を有する炭素数1〜6の脂肪族アルコールは、沸点が高すぎず導電層形成後に残存しにくいことから好ましく、具体的には、メタノール、エチレングリコール、グリセリン、2−メトキシエタノール、ジエチレングリコール、イソプロピルアルコールがより好ましい。
エーテル類としては、上記アルコール由来のアルキルエーテルが挙げられ、ジエチルエーテル、ジイソブチルエーテル、ジブチルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル、メチルシクロヘキシルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,4−ジオキサン等が例示される。なかでも、1〜3価のヒドロキシル基を有する炭素数1〜4の脂肪族アルコール由来の炭素数2〜8のアルキルエーテルが好ましく、具体的には、ジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフランがより好ましい。
エステル類としては、上記アルコール由来のアルキルエステルが挙げられ、ギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸ブチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ブチル、γ−ブチロラクトン等が例示される。なかでも、1〜3価のヒドロキシル基を有する炭素数1〜4の脂肪族アルコール由来の炭素数2〜8のアルキルエステルが好ましく、具体的には、ギ酸メチル、ギ酸エチル、酢酸メチルがより好ましい。
上記溶媒の中でも、沸点が高すぎないことから、特に水を主溶媒として用いることが好ましい。主溶媒とは、溶媒の中で含有率が最も多い溶媒である。
導電層前駆体形成用組成物のプライマー層上への塗布方法は特に制限されず、上述した工程(1)で述べた塗布方法が挙げられる。
本工程においては、必要に応じて、導電層前駆体形成用組成物をプライマー層上へ塗布した後に乾燥処理を行い、溶媒を除去してもよい。乾燥処理の条件は、上述した工程(1)での乾燥処理の条件と同義である。
<導電層含有積層体の製造方法>
導電層含有積層体は、上述した前駆体膜に対して、加熱処理および/または光照射処理を施すことにより形成される。加熱処理および/または光照射処理を行うことにより、導電層前駆体中の酸化銅粒子が金属銅粒子に還元され、生成した金属銅粒子同士が互いに融着してグレインを形成し、さらにグレイン同士が接着・融着して導電層を形成する。なお、その際、プライマー層中に含まれる銅含有ポリマー中の銅イオンおよび/または銅塩も金属銅に還元される。プライマー層中に形成された金属銅は、導電層前駆体中で発生した金属銅とも融着する。結果として、プライマー層と形成される導電層との密着性がより向上する。
以下に、加熱処理および光照射処理の条件について詳述する。
(加熱処理)
加熱処理の条件は、使用される銅含有ポリマーや溶媒の種類によって適宜最適な条件が選択される。なかでも、短時間で、導電性により優れる導電層を形成することができる点で、加熱温度は100〜300℃が好ましく、150〜250℃がより好ましく、また、加熱時間は5〜120分が好ましく、10〜60分がより好ましい。
なお、加熱手段は特に制限されず、オーブン、ホットプレート等の公知の加熱手段を用いることができる。
本発明では、比較的低温の加熱処理により導電層の形成が可能であり、従って、プロセスコストが安いという利点を有する。
(光照射処理)
光照射処理は、上述した加熱処理とは異なり、室温にて前駆体膜に対して光を短時間照射することで金属銅への還元および焼結が可能となり、長時間の加熱による基材の劣化が起こらず、導電層の基材との密着性がより良好となる。
光照射処理で使用される光源は特に制限されず、例えば、水銀灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、ケミカルランプ、カーボンアーク灯等がある。放射線としては、電子線、X線、イオンビーム、遠赤外線などがある。また、g線、i線、Deep−UV光、高密度エネルギービーム(レーザービーム)も使用される。
具体的な態様としては、赤外線レーザーによる走査露光、キセノン放電灯などの高照度フラッシュ露光、赤外線ランプ露光などが好適に挙げられる。
光照射は、フラッシュランプによる光照射が好ましく、フラッシュランプによるパルス光照射であることがより好ましい。高エネルギーのパルス光の照射は、前駆体膜の表面を、極めて短い時間で集中して加熱することができるため、基材への熱の影響を極めて小さくすることができる。
パルス光の照射エネルギーとしては、1〜100J/cm2が好ましく、1〜30J/cm2がより好ましく、パルス幅としては1μ秒〜100m秒が好ましく、10μ秒〜10m秒がより好ましい。パルス光の照射時間は、1〜100m秒が好ましく、1〜50m秒がより好ましく、1〜20m秒が更に好ましい。
上記加熱処理および光照射処理は、単独で実施してもよく、両者を同時に実施してもよい。また、一方の処理を施した後、さらに他方の処理を施してもよい。なお、本発明では、光照射処理をする態様が好ましい。
上記加熱処理および光照射処理を実施する雰囲気は特に制限されず、大気雰囲気下、不活性雰囲気下、または還元性雰囲気下などが挙げられる。なお、不活性雰囲気とは、例えば、アルゴン、ヘリウム、ネオン、窒素等の不活性ガスで満たされた雰囲気であり、また、還元性雰囲気とは、水素、一酸化炭素等の還元性ガスが存在する雰囲気を指す。
<導電層含有積層体>
上記工程を実施することにより、金属銅を含有する導電層(金属銅膜)を備える積層体(導電層含有積層体)が得られる。
形成される導電層の層厚は特に制限されず、導電層前駆体の厚みにより適宜調整される。なかでも、プリント配線基板用途の点からは、0.01〜1000μmが好ましく、0.1〜100μmがより好ましい。
なお、層厚は、導電層の任意の点における厚みを3箇所以上測定し、その値を算術平均して得られる値(平均値)である。
導電層の体積抵抗値は、導電特性の点から、1×10-1Ωcm以下が好ましく、1×10-3Ωcm以下がより好ましく、5×10-4Ωcm以下がさらに好ましい。
体積抵抗値は、導電層の表面抵抗値を四探針法にて測定後、得られた表面抵抗値に膜厚を乗算することで算出することができる。
導電層は基材の全面、または、パターン状に設けられてもよい。パターン状の導電層は、プリント配線基板などの導体配線(配線)として有用である。
パターン状の導電層を得る方法としては、上記プライマー層形成用組成物および導電層前駆体形成用組成物をパターン状に基材に付与して、上記加熱処理および/または光照射処理を行う方法や、基材全面に設けられた導電層をパターン状にエッチングする方法などが挙げられる。
エッチングの方法は特に制限されず、公知のサブトラクティブ法、セミアディティブ法などを採用できる。
パターン状の導電層を多層配線基板として構成する場合、パターン状の導電層の表面に、さらに絶縁層(絶縁樹脂層、層間絶縁膜、ソルダーレジスト)を積層して、その表面にさらなる配線(金属パターン)を形成してもよい。
上記で得られた導電層含有積層体は、種々の用途に使用することができる。例えば、プリント配線基板、TFT、FPC、RFIDなどが挙げられる。
以下、実施例により、本発明について更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(合成例1)
ナスフラスコに、銅塩であるギ酸銅・四水和物2.26g、メタノール80mlを入れ、窒素気流下、室温で3時間攪拌した。そこへポリエチレンイミン(30wt%水溶液)2.87gを加え、4時間攪拌した。その後、エバポレーターでメタノールを留去し、固形分50wt%の銅含有ポリマー溶液1となるよう水でメスアップした。
なお、得られた銅含有ポリマー中に含まれる銅塩の含有量は72質量%であった。また、ポリエチレンイミンの重量平均分子量は70000であった。
(合成例2)
ナスフラスコに、ギ酸銅・四水和物2.26g、メタノール80mlを入れ、窒素気流下、室温で3時間攪拌した。そこへポリジメチルアクリルアミド(30wt%水溶液)6.60gを加え、4時間攪拌した。その後、エバポレーターでメタノールを留去し、固形分50wt%の銅含有ポリマー溶液2となるよう水でメスアップした。
なお、得られた銅含有ポリマー中に含まれる銅塩の含有量は53質量%であった。また、ポリジメチルアクリルアミドの重量平均分子量は10000であった。
(合成例3)
ナスフラスコに、ギ酸銅・四水和物2.26g、メタノール80mlを入れ、窒素気流下、室温で3時間攪拌した。そこへポリ4−ビニルピリジン(30wt%メチルエチルケトン溶液)7.00gを加え、4時間攪拌した。その後、エバポレーターでメタノールを留去し、固形分50wt%の銅含有ポリマー溶液3となるよう調製した。
なお、得られた銅含有ポリマー中に含まれる銅塩の含有量は51質量%であった。また、ポリ4−ビニルピリジンの重量平均分子量は50000であった。
(合成例4)
ナスフラスコに、ギ酸銅・四水和物2.26g、メタノール80mlを入れ、窒素気流下、室温で3時間攪拌した。そこへポリアクリル酸(30wt%水溶液)4.80gを加え、4時間攪拌した。その後、エバポレーターでメタノールを留去し、固形分50wt%の銅含有ポリマー溶液4となるよう調製した。
なお、得られた銅含有ポリマー中に含まれる銅塩の含有量は61質量%であった。また、ポリアクリル酸の重量平均分子量は30000であった。
(合成例5)
ナスフラスコに、ギ酸銅・四水和物2.26g、メタノール80mlを入れ、窒素気流下、室温で3時間攪拌した。そこへポリ4−ヒドロキシスチレン(30wt%メチルエチルケトン溶液)8.01gを加え、4時間攪拌した。その後、エバポレーターでメタノールを留去し、固形分50wt%の銅含有ポリマー溶液5となるよう調製した。
なお、得られた銅含有ポリマー中に含まれる銅塩の含有量は48質量%であった。また、ポリ4−ヒドロキシスチレンの重量平均分子量は40000であった。
(合成例6)
ナスフラスコに、ギ酸銅・四水和物2.26g、メタノール80mlを入れ、窒素気流下、室温で3時間攪拌した。そこへポリジメチルアミノエチルアクリレート(30wt%水溶液)9.55gを加え、4時間攪拌した。その後、エバポレーターでメタノールを留去し、固形分50wt%の銅含有ポリマー溶液6となるよう調製した。
なお、得られた銅含有ポリマー中に含まれる銅塩の含有量は44質量%であった。また、ポリジメチルアミノエチルアクリレートの重量平均分子量は35000であった。
(合成例7)
ナスフラスコに、ギ酸銅・四水和物2.26g、メタノール80mlを入れ、窒素気流下、室温で3時間攪拌した。そこへポリビニルアルコール(30wt%水溶液)2.94gを加え、4時間攪拌した。その後、エバポレーターでメタノールを留去し、固形分50wt%の銅含有ポリマー溶液7となるよう水でメスアップした。
なお、得られた銅含有ポリマー中に含まれる銅塩の含有量は72質量%であった。また、ポリビニルアルコールの重量平均分子量は60000であった。
(合成例8)
ナスフラスコに、銅塩である酢酸銅・一水和物2.26g、メタノール80mlを入れ、窒素気流下、室温で3時間攪拌した。そこへポリエチレンイミン(30wt%水溶液)2.87gを加え、4時間攪拌した。その後、エバポレーターでメタノールを留去し、固形分50wt%の銅含有ポリマー溶液8となるよう水でメスアップした。
なお、得られた銅含有ポリマー中に含まれる銅塩の含有量は72質量%であった。また、ポリエチレンイミンの重量平均分子量は70000であった。
(合成例9)
ナスフラスコに、ギ酸銅・四水和物192mg、メタノール80mlを入れ、窒素気流下、室温で3時間攪拌した。そこへポリエチレンイミン(30wt%水溶液)2.87gを加え、4時間攪拌した。その後、エバポレーターでメタノールを留去し、固形分50wt%の銅含有ポリマー溶液9となるよう水でメスアップした。
なお、得られた銅含有ポリマー中に含まれる銅塩の含有量は20質量%であった。また、ポリエチレンイミンの重量平均分子量は70000であった。
(合成例10)
ナスフラスコに、ギ酸銅・四水和物96mg、メタノール80mlを入れ、窒素気流下、室温で3時間攪拌した。そこへポリエチレンイミン(30wt%水溶液)2.87gを加え、4時間攪拌した。その後、エバポレーターでメタノールを留去し、固形分50wt%の銅含有ポリマー溶液10となるよう水でメスアップした。
なお、得られた銅含有ポリマー中に含まれる銅塩の含有量は10質量%であった。また、ポリエチレンイミンの重量平均分子量は70000であった。
(合成例11)
ナスフラスコに、銅塩であるギ酸銅・四水和物2.26g、メタノール80mlを入れ、窒素気流下、室温で3時間攪拌した。そこへポリビニルメチルエーテル(30wt%水溶液)3.87gを加え、4時間攪拌した。その後、エバポレーターでメタノールを留去し、固形分50wt%の銅含有ポリマー溶液11となるよう水でメスアップした。
なお、得られた銅含有ポリマー中に含まれる銅塩の含有量は62質量%であった。また、ポリビニルメチルエーテルの重量平均分子量は10000であった。
<実施例1>
(プライマー層形成用組成物1の作製)
下記素材を200ml容器に投入し、スターラー撹拌機にて液温40℃以下を保ち、20分撹拌した。その後、2μmのフィルターにて濾過し、プライマー層形成用組成物1を作製した。
・銅含有ポリマー溶液1 10g
・エマルゲンA−60[花王社製] 0.1g
・イオン交換水 20g
(プライマー層付き基材の作製)
上記プライマー層形成用組成物1をPET(富士フイルム社製、厚み100μm)の20cm×20cmの面上に溶媒乾燥後の膜厚が1μmとなるように均一に塗布し、グローブボックス中(酸素濃度<100ppm)、ホットプレートにて100℃、1分間乾燥し、さらに100℃で30分間焼結することでプライマー層付き基材を得た。
(導電層前駆体形成用組成物1の作製)
60gのジルコニアビーズと共に、以下の各成分を以下の質量で200mlのポリ容器に投入および密封し、ペイントシェイカー分散機(東洋精機社製)にて30分間分散させ、その後、2μmのフィルターにて濾過し、導電層前駆体形成用組成物1を調製した。
・CuOナノ粒子(平均粒子径50nm、関東化学社製) 20g
・ポリビニルピロリドン(Mw:60000、東京化成社製) 1.2g
・イオン交換水(和光純薬社製) 20g
(導電層含有積層体の作製)
作製したプライマー層付き基材のプライマー層上に、導電層前駆体形成用組成物1を膜厚10μmとなるようにバー塗布し、ホットプレートにて100℃、1分間乾燥して、前駆体膜を作製した。
Xeフラッシュランプ(設定電圧3kV)を用いて、得られた前駆体膜に対して照射エネルギー2070J、パルス幅2msecにて光照射(光焼結)を行い、金属銅を含有する導電層を有するシート(導電層含有積層体)を得た。その後、導電層含有積層体の導電性評価および密着性評価を実施した。結果を表1にまとめて示す。
(導電性評価)
得られた導電層含有積層体中の導電層に対して、四探針法抵抗率計を用いて体積抵抗率を測定した。
なお、表1中の体積抵抗率は、導電層の任意の4箇所の体積抵抗率を測定して、それらを算術平均した値である。
(密着性評価)
得られた導電層含有積層体中の導電層に対して、1mm間隔で縦横各11本ずつの素地面に達する切り傷をカッターで碁盤目状につけ、この導電層の上に粘着テープ(JIS K5400に準拠したセロテープ(登録商標))を貼って、引きはがした後の導電層の基材への付着状態を目視によって観察し、以下の基準にそって評価した。実用上、C以上であることが好ましい。
「A」:導電層の剥がれた面積が全体の0〜20%であるもの
「B」:導電層の剥がれた面積が全体の20%超40%以下であるもの
「C」:導電層の剥がれた面積が全体の40%超60%以下であるもの
「D」:導電層の剥がれた面積が全体の60%超80%以下であるもの
「E」:導電層の剥がれた面積が全体の80%超であるもの
<実施例2>
銅含有ポリマー溶液1を銅含有ポリマー溶液2に変更した以外は、実施例1と同様の手順に従って、導電層含有積層体を製造し、各種評価を行った。結果を表1にまとめて示す。
<実施例3>
銅含有ポリマー溶液1を銅含有ポリマー溶液3に変更した以外は、実施例1と同様の手順に従って、導電層含有積層体を製造し、各種評価を行った。結果を表1にまとめて示す。
<実施例4>
銅含有ポリマー溶液1を銅含有ポリマー溶液4に変更した以外は、実施例1と同様の手順に従って、導電層含有積層体を製造し、各種評価を行った。結果を表1にまとめて示す。
<実施例5>
銅含有ポリマー溶液1を銅含有ポリマー溶液5に変更した以外は、実施例1と同様の手順に従って、導電層含有積層体を製造し、各種評価を行った。結果を表1にまとめて示す。
<実施例6>
銅含有ポリマー溶液1を銅含有ポリマー溶液6に変更した以外は、実施例1と同様の手順に従って、導電層含有積層体を製造し、各種評価を行った。結果を表1にまとめて示す。
(実施例7)
銅含有ポリマー溶液1を銅含有ポリマー溶液7に変更した以外は、実施例1と同様の手順に従って、導電層含有積層体を製造し、各種評価を行った。結果を表1にまとめて示す。
<実施例8>
銅含有ポリマー溶液1を銅含有ポリマー溶液8に変更した以外は、実施例1と同様の手順に従って、導電層含有積層体を製造し、各種評価を行った。結果を表1にまとめて示す。
<実施例9>
銅含有ポリマー溶液1を銅含有ポリマー溶液9に変更した以外は、実施例1と同様の手順に従って、導電層含有積層体を製造し、各種評価を行った。結果を表1にまとめて示す。
<実施例10>
銅含有ポリマー溶液1を銅含有ポリマー溶液10に変更した以外は、実施例1と同様の手順に従って、導電層含有積層体を製造し、各種評価を行った。結果を表1にまとめて示す。
<実施例11>
銅含有ポリマー溶液1を銅含有ポリマー溶液11に変更した以外は、実施例1と同様の手順に従って、導電層含有積層体を製造し、各種評価を行った。結果を表1にまとめて示す。
<実施例12>
PET基板をポリイミド(PI)基板(カプトン500H(125μm)、東レ・デュポン製)に変更した以外は、実施例1と同様の手順に従って、導電層含有積層体を製造し、各種評価を行った。結果を表1にまとめて示す。
<実施例13>
PET基板をガラスエポキシ樹脂基板に変更した以外は、実施例1と同様の手順に従って、導電層含有積層体を製造し、各種評価を行った。結果を表1にまとめて示す。
なお、使用したガラスエポキシ樹脂基板は、ガラスエポキシ銅張積層板(R1705、規格FR−4、パナソニック電工製)をエッチングにて銅箔除去して得られた樹脂基板である。
<実施例14>
PET基板をガラス基板(旭硝子製)に変更した以外は、実施例1と同様の手順に従って、導電層含有積層体を製造し、各種評価を行った。結果を表1にまとめて示す。
<実施例15>
PET基板をシクロオレフィン基板(ゼオノアZF14、日本ゼオン製)に変更した以外は、実施例1と同様の手順に従って、導電層含有積層体を製造し、各種評価を行った。結果を表1にまとめて示す。
<実施例16>
PET基板をPEN基板(テオネックス、帝人製)に変更した以外は、実施例1と同様の手順に従って、導電層含有積層体を製造し、各種評価を行った。結果を表1にまとめて示す。
<実施例17>
PET基板をシクロオレフィン基板(ARTON、JSR製)に変更した以外は、実施例1と同様の手順に従って、導電層含有積層体を製造し、各種評価を行った。結果を表1にまとめて示す。
<実施例18>
PET基板をシクロオレフィン基板(APEC、三井化学製)に変更した以外は、実施例1と同様の手順に従って、導電層含有積層体を製造し、各種評価を行った。結果を表1にまとめて示す。
<実施例19>
PET基板をシクロオレフィン基板(TOPAS、ポリプラスチックス製)に変更した以外は、実施例1と同様の手順に従って、導電層含有積層体を製造し、各種評価を行った。結果を表1にまとめて示す。
<実施例20>
焼結方法を光焼結から、赤外ランプ加熱装置を用い、Ar雰囲気下200℃で30分間の加熱焼結に変更した以外は、実施例1と同様の手順に従って、導電層含有積層体を製造し、各種評価を行った。結果を表1にまとめて示す。
<実施例21>
(プライマー層形成用組成物2の作製)
下記素材を200ml容器に投入し、スターラー撹拌機にて液温40℃以下を保ち、20分撹拌した。その後、2μmのフィルターにて濾過し、プライマー層形成用組成物2を作製した。
・銅含有ポリマー溶液1 7g
・ポリエチレングリコール(Mn:35000)[Aldrich社製] 3g
・エマルゲンA−60[花王社製] 0.1g
・イオン交換水 20g
プライマー層形成用組成物1をプライマー層形成用組成物2に置き換えた以外は実施例1と同様の手順に従って、導電層含有積層体を製造し、各種評価を行った。結果を表1にまとめて示す。
なお、プライマー層形成用組成物2には、不活性樹脂(ポリエチレングリコール)が含まれる。
<実施例22>
(プライマー層形成用組成物3の作製)
下記素材を200ml容器に投入し、スターラー撹拌機にて液温40℃以下を保ち、20分撹拌した。その後、2μmのフィルターにて濾過し、プライマー層形成用組成物3を作製した。
・銅含有ポリマー溶液1 7g
・Nipol 1561[日本ゼオン(株)] 3g
・エマルゲンA−60[花王社製] 0.1g
・イオン交換水 20g
プライマー層形成用組成物1をプライマー層形成用組成物3に置き換えた以外は実施例1と同様の手順に従って、導電層含有積層体を製造し、各種評価を行った。結果を表1にまとめて示す。
なお、プライマー層形成用組成物3には、樹脂粒子が含まれる。
<実施例23>
(導電層前駆体形成用組成物2の作製)
60gのジルコニアビーズと共に、以下の各成分を以下の質量で200mlのポリ容器に投入および密封し、ペイントシェイカー分散機(東洋精機社製)にて30分間分散させ、その後、2μmのフィルターにて濾過し、導電層前駆体形成用組成物2を調製した。
・CuOナノ粒子(平均粒子径50nm、関東化学社製) 12g
・球状銅粉MA−C08JM(平均粒子径:7μm)[三井金属製] 5g
・球状微細銅粉1020Y(平均粒子径:0.4μm)[三井金属製] 3g
・ポリビニルピロリドン(Mw:60000、東京化成社製) 1.2g
・イオン交換水(和光純薬社製) 20g
導電層前駆体形成用組成物1を導電層前駆体形成用組成物2に置き換えた以外は実施例1と同様の手順に従って、導電層含有積層体を製造し、各種評価を行った。結果を表1にまとめて示す。
なお、導電層前駆体形成用組成物2には、上述した第1金属銅粒子と第2金属銅粒子とが含まれる。
<比較例1>
銅含有ポリマー溶液1(1.0g)をポリエチレンイミン(30wt%水溶液)1.67gに変更した以外は、実施例1と同様の手順に従って、導電層含有積層体を製造し、各種評価を行った。結果を表1にまとめて示す。
比較例1では、銅含有ポリマーが使用されていない。
<比較例2>
プライマー層を設けずに直接基材上に導電層前駆体形成用組成物を塗布した以外は、実施例1と同様の手順に従って、導電層含有積層体を製造し、各種評価を行った。結果を表1にまとめて示す。
比較例2では、プライマー層が使用されていない。
<比較例3>
(プライマー層形成用組成物4の作製)
下記素材を200ml容器に投入し、スターラー撹拌機にて液温40℃以下を保ち、20分撹拌した。その後、2μmのフィルターにて濾過し、プライマー層形成用組成物4を作製した。
・エポキシ樹脂ECR-9185K[住友ベークライト製] 10g
・球状微細銅粉1020Y(平均粒子径:0.4μm)[三井金属製] 5g
・トルエン 30g
プライマー層形成用組成物1をプライマー層形成用組成物4に置き換えた以外は実施例1と同様の手順に従って、導電層含有積層体を製造し、各種評価を行った。結果を表1にまとめて示す。
なお、プライマー層形成用組成物4には、熱硬化性樹脂および金属銅粒子が含まれ、上述した特許文献2の態様に該当する。
(カール(反り)評価)
実施例1、21、22、および、比較例3に関して、以下のカール評価を実施した。
具体的には、得られたプライマー層配置後の基材(プライマー層付き基材)(20cm×20cm)を水平かつ平滑面の台の上に置き、台表面と該基材の各頂点部分(4点)との間隔を測定後、それらを算術平均して平均値を算出し、以下の基準にそって評価した。実用上、B以上であることが好ましい。
「A」:隙間間隔1mm未満であるもの
「B」:隙間間隔1mm以上、2mm未満であるもの
「C」:隙間間隔2mm以上、3mm未満であるもの
「D」:隙間間隔3mm以上、5mm未満であるもの
「E」:隙間間隔5mm以上であるもの
表1に示すように、本発明の製造方法で得られた導電層含有積層体中の導電層は、優れた導電性を示すと共に、密着性にも優れていた。
特に、実施例1〜11の比較から、銅含有ポリマー中に含まれる官能基がアミノ基、アミド基、ピリジル基、ヒドロキシル基またはカルボキシル基である場合、導電層の密着性がより優れることが確認された。
また、実施例9および10の比較から、銅含有ポリマー中における銅イオンおよび銅塩の合計含有量が20質量%以上である場合、導電層の導電性がより優れることが確認された。
また、実施例14と他の実施例との比較から、基材として樹脂基材を使用した場合、導電層の密着性がより優れることが確認された。
また、実施例1、21および22の比較から、プライマー層に不活性樹脂または樹脂粒子が含まれる場合、カール(反り)が抑制されることが確認された。
また、実施例1と23との比較から、導電層前駆体に第1金属銅粒子と第2金属銅粒子とが含まれる場合、導電層の導電性がより優れることが確認された。
一方、銅含有ポリマーを含まないプライマー層を使用した比較例1、および、プライマー層を使用しなかった比較例2では、導電層の密着性に劣っていた。
また、特許文献2の態様に該当する比較例3でも、導電層の密着性に劣っていた。

Claims (15)

  1. 基材と、前記基材上に配置されたプライマー層と、前記プライマー層上に配置され、酸化銅の粒子を含有する導電層前駆体とを備える前駆体膜に対して、加熱処理および/または光照射処理を施し、酸化銅を還元して金属銅を含有する導電層を形成する工程を備える、導電層含有積層体の製造方法であって、
    前記プライマー層中に、銅含有ポリマーが含有され、
    前記銅含有ポリマーが、銅イオンおよび/または銅塩と、前記銅イオンおよび/または前記銅塩と相互作用する官能基を有するポリマーとを含み、
    前記銅イオンおよび/または前記銅塩が前記官能基を介して前記ポリマーに連結されている、導電層含有積層体の製造方法。
  2. 前記官能基が、アミノ基、アミド基、ピリジル基、ヒドロキシル基、およびカルボキシル基からなる群から選択される少なくとも一つを含む、請求項1に記載の導電層含有積層体の製造方法。
  3. 前記銅含有ポリマー中における銅イオンおよび銅塩の合計含有量が20質量%以上である、請求項1または2に記載の導電層含有積層体の製造方法。
  4. 前記銅イオンおよび/または銅塩がギ酸銅である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の導電層含有積層体の製造方法。
  5. 前記プライマー層に樹脂粒子が含まれる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の導電層含有積層体の製造方法。
  6. 前記プライマー層に不活性樹脂が含まれる、請求項1〜5のいずれか一項に記載の導電層含有積層体の製造方法。
  7. 前記基材が、熱可塑性樹脂基材である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の導電層含有積層体の製造方法。
  8. 前記プライマー層の厚みが10μm以下である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の導電層含有積層体の製造方法。
  9. 前記導電層前駆体の厚みが30μm以下である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の導電層含有積層体の製造方法。
  10. 前記導電層前駆体に、100nm以上1000nm未満の第1金属銅粒子と、1μm以上100μm未満の第2金属銅粒子とが含まれる、請求項1〜9のいずれか一項に記載の導電層含有積層体の製造方法。
  11. 基材と、前記基材上に配置されたプライマー層と、前記プライマー層上に配置され、酸化銅の粒子を含有する導電層前駆体とを備え、加熱処理および/または光照射が施されて導電層含有積層体となる前駆体膜であって、
    前記プライマー層中に、銅含有ポリマーが含有され、
    前記銅含有ポリマーが、銅イオンおよび/または銅塩と、前記銅イオンおよび/または前記銅塩と相互作用する官能基を有するポリマーとを含み、
    前記銅イオンおよび/または前記銅塩が前記官能基を介して前記ポリマーに連結されている、前駆体膜。
  12. 前記官能基が、アミノ基、アミド基、ピリジル基、ヒドロキシル基、およびカルボキシル基からなる群から選択される少なくとも一つを含む、請求項11に記載の前駆体膜。
  13. 前記銅含有ポリマー中における銅イオンおよび銅塩の合計含有量が20質量%以上である、請求項11または12に記載の前駆体膜。
  14. 前記銅イオンおよび/または銅塩がギ酸銅である、請求項11〜13のいずれか一項に記載の前駆体膜。
  15. 前記基材が、熱可塑性樹脂基材である、請求項11〜14のいずれか一項に記載の前駆体膜。
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