WO2014006985A1

WO2014006985A1 - 緩衝器

Info

Publication number: WO2014006985A1
Application number: PCT/JP2013/063642
Authority: WO
Inventors: 拓弥鳥海
Original assignee: カヤバ工業株式会社
Priority date: 2012-07-03
Filing date: 2013-05-16
Publication date: 2014-01-09
Also published as: KR101895113B1; KR20150133292A; TWI526637B; TW201402381A; KR20140091592A; JP5941357B2; JP2014009804A; CN104040211B; CN104040211A

Abstract

緩衝器であって、開口端部（１ａ）を有する外筒（１）と、前記外筒（１）内に出入自在に挿通するピストンロッド（２）と、前記外筒（１）の前記開口端部（１ａ）を封止する封止部材（１２）と、前記封止部材（１２）から突出する前記ピストンロッド（２）の突出部と前記外筒（１）の前記開口端部（１ａ）とを覆う筒状のカバー（３）と、前記外筒（１）の前記開口端部（１ａ）の外周または前記封止部材（１２）の外周に設けられて、その外周が前記カバー（３）の内周に対向するガイドリング（４）と、を備え、前記ガイドリング（４）は、外周に周方向に間隔をあけて配置される複数の切欠（４ｂ）を備える。

Description

緩衝器

　本発明は、横据付型とされる緩衝器に関する。

　ＪＰ１１－３４４０６８Ａには、横据付型の緩衝器において、外筒の開口端部および外筒の開口端を封止する封止部材を貫通するピストンロッドの突出部を飛石から護る筒状のカバーを有する緩衝器が開示されている。

　ＪＰ１１－３４４０６８Ａに開示のカバーは、一端部がピストンロッドの先端部に設けられる取付ブラケットに保持され、内側をピストンロッドが通ると共に、他端部が外筒のボトム端部に向けて延びている。また、このカバーは、緩衝器が最伸張状態になるときにも、カバーの他端部が外筒の開口端部を露出させない十分な長さを有するように設定されており、隙間を有して外筒の外周を覆っている。

　カバーを有する横据付型の緩衝器において、カバーが金属製であって、カバーが傾いて外筒に干渉することを確実に防止したい場合には、外筒の開口端部の外周あるいは封止部材の外周にガイドリングを設けることがある。ガイドリングを設けると、カバーが傾いてもガイドリングがカバーの内周に当接して、カバーが外筒に干渉することを防止できる。

　ガイドリングは、取り付け作業の際の拡径を可能にするように、割りを有するＣリング状に形成される。したがって、緩衝器が据付られるときに、ガイドリングの割りが下を向く状態になっていれば、この割りによって、カバーの内側に入り込んだ雨水をカバーの外へ流出させることができる。

　しかしながら、一旦組み上がって製品化された緩衝器は、ガイドリングの割りがある場所をカバーの外から確認できないため、ガイドリングの割りが下を向いた状態にないまま、緩衝器が据付られることもあり得る。

　その結果、緩衝器が雨水に晒される場所に据付られる場合に、カバーの内側に雨水が入り込むと、雨水を排出できないおそれがある。また、カバー内の雨水が排出されないと、外筒の開口端部あるいは外筒の開口端を封止する封止部材が錆びてしまう可能性がある。

　本発明は、カバー内に入り込んだ雨水を排水できる横据付型の緩衝器を提供することを目的とする。

　本発明のある態様によれば、緩衝器であって、開口端部を有する外筒と、前記外筒内に出入自在に挿通するピストンロッドと、前記外筒の前記開口端部を封止する封止部材と、前記封止部材から突出する前記ピストンロッドの突出部と前記外筒の前記開口端部とを覆う筒状のカバーと、前記外筒の前記開口端部の外周または前記封止部材の外周に設けられて、その外周が前記カバーの内周に対向するガイドリングと、を備え、前記ガイドリングは、外周に周方向に間隔をあけて配置される複数の切欠を備える緩衝器が提供される。

　本発明の実施形態及び利点については、添付された図面を参照しながら以下に詳細に説明する。

図１Ａは、本実施形態による横置き状態の緩衝器を示す正面縦断面図である。図１Ｂは、図１Ａ中のＢ部の拡大図である。図２は、図１Ａ中のＹ－Ｙ線位置で示すガイドリングの拡大正面図である。図３は、図２のガイドリングを拡大して示す部分図である。図４は、本実施形態の他の変形例におけるガイドリングの部分拡大図である。図５は、本実施形態の別の変形例におけるガイドリングの部分拡大図である。

　以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。

　本実施形態による緩衝器は、横据付型とされ、たとえば、前後に連結される鉄道車両の間に設けられ、鉄道車両におけるヨー方向の揺れを減衰する。本実施形態による緩衝器は、図１Ａに示すように、外筒１と、ピストンロッド２と、筒状のカバー３と、ガイドリング４とを有する。

　外筒１は、図示しないボトム端にボトムキャップを溶接することにより閉塞される。外筒１の開口端は、外筒１の開口端部１ａの内側に嵌め込まれるロッドガイド１１およびロッドガイド１１に隣接されて外筒１の開口端部１ａの内周に捻じ込まれるリングナット１２を封止部材として封止されている。

　図示しないボトムキャップと上記のロッドガイド１１とによって外筒１の内側に内筒１３が同芯に支持され、内筒１３と外筒１との間がリザーバＲとされる。リザーバＲは、ボトムキャップに形成される流路を通じて内筒１３内に連通する。

　ピストンロッド２は、外筒１の開口端部１ａに設けられる封止部材であるロッドガイド１１およびリングナット１２の軸芯部を貫通する。ピストンロッド２の図示しない基端部が内筒１３内に挿入されて、内筒１３内に摺動可能に設けられるピストンに連結される。ピストンは、緩衝器における周知の構造を採用すれば良い。

　図示しないが、ロッドガイド１１は、内筒１３内とリザーバＲとの連通を許容する通路を有する一方で、ピストンロッド２が挿通する軸芯部にブッシュおよびシールを有する。このようにして、ピストンロッド２のロッドガイド１１に対する摺動性およびシール性を保障している。

　ピストンロッド２の図１Ａにおいて左端部となる先端部２ａは、外筒１の開口端を封止する封止部材から外筒１の軸線方向に突出する。先端部２ａには、取付ブラケット２１が一体となって設けられる。取付ブラケット２１は、鍔部２１ａを有して、後述するカバー３の一端部との連結を許容する。

　図示しないが、外筒１のボトム端部にも取付ブラケットが設けられ、ボトム端部の取付ブラケットとピストンロッド２の取付ブラケット２１とによって、緩衝器の所定位置への据付が可能となる。

　カバー３は、たとえば、金属製とされ、筒状に形成される。カバー３は、図１Ａにおいて左側部となる一端側部の軸芯部にピストンロッド２を通すと共に、図１Ａにおいて右側部となる他端側部が隙間を有して外筒１の外周を覆う。カバー３は、金属以外の材料で形成されても良い。

　このように、筒状のカバー３がピストンロッド２および外筒１を覆うことで、ピストンロッド２および外筒１を伸縮自在な蛇腹構造のゴムや樹脂製のカバーで覆う場合と比較して、緩衝器における径方向の寸法を大径化させない点で有利になる。

　カバー３は、一端部がピストンロッド２の先端部２ａに保持される。図１Ａに示すように、カバー３は、先端部２ａに設けられた取付ブラケット２１の鍔部２１ａに複数の六角孔付ボルト２２で分離可能に連結される。

　カバー３がピストンロッド２に分離可能に連結されるのは、緩衝器のメンテナンスのためである。カバー３をピストンロッド２の先端部２ａから取り外すことで、外筒１の開口端部１ａおよび外筒１の開口端を封止する封止部材の全容が明らかになり、開口端部１ａおよび封止部材に対するメンテナンス作業を円滑に行うことができる。

　カバー３は、図示しないが、緩衝器が最伸張状態になるときにも、カバー３の他端部が外筒１の開口端部１ａを露出させない十分な長さを有するように設定される。

　これによって、カバー３は、緩衝器がどのような伸縮状態にあっても、外筒１の開口端部１ａおよび封止部材から突出するピストンロッド２の突出部を飛石から護ることができる。

　ガイドリング４は、図２に示すように、拡径を可能にするように割り４ａを有するＣリング状に形成される。ガイドリング４は、フッ素樹脂で形成されているため、カバー３との摩擦抵抗が小さく、カバー３が接触しても、緩衝器の伸縮作動性を低下させない。

　図２において一点鎖線で示すのは、カバー３である。カバー３の内周とガイドリング４の外周との間には隙間が設けられ、カバー３が傾いてもガイドリング４がカバー３の内周に当接して、カバー３が外筒１に干渉することを防止する。

　ガイドリング４は、カバー３が接触するときに、カバー３とガイドリング４との間における相対移動を妨げない限り、上記のフッ素樹脂に代えて、他の材料で形成されてもよい。

　ガイドリング４は、本発明の実施形態において、割り４ａを有しているが、ガイドリング４が割り４ａを有しない環状に形成されていても良い。

　本実施形態では、ガイドリング４の外周には、周方向に等間隔をあけて複数の切欠４ｂが設けられている。これによって、切欠４ｂは、流路を形成し、ガイドリング４によって軸線方向に区画されるカバー３の内側の一方側と他方側の連通を許容する。つまり、切欠４ｂは、カバー３の内側であってピストンロッド２周りとなる一方側空間Ｉと、カバー３の内側であって外筒１周りとなる他方側空間Ｏとの連通を許容する。

　ガイドリング４は、切欠４ｂの間にランド部４ｃを有する。ランド部４ｃの外周は、カバー３の内周に対向する。したがって、ガイドリング４において、カバー３の内周がガイドリング４の外周に摺接する状況になっても、ランド部４ｃがカバー３の内周に接触することによって切欠４ｂにおける流路面積が保障される。

　以上のように、本実施形態におけるガイドリング４は、全周に亘って複数の切欠４ｂを有してカバー３の一方側空間Ｉと他方側空間Ｏとの連通を許容すればよい。また、ガイドリング４は、ランド部４ｃを有してカバー３の摺接を保障すればよい。この限りにおいては、切欠４ｂおよびランド部４ｃの形状については任意に設定できる。

　たとえば、図４に示すガイドリング５は、切欠５ｂの底面が凹状に湾曲し、ランド部５ｃの外端面が直線になる。また、図５に示すガイドリング６は、切欠６ｂの底面が直線になるのに対して、ランド部６ｃの外端面が凸状に湾曲する。そして、図示しないが、切欠の底面が凹状に湾曲すると共にランド部の外端面が凸状に湾曲するとしてもよい。

　図２に示すように、切欠４ｂの周方向の幅寸法については、隣接するランド部４ｃの周方向の幅寸法とほぼ同じである。これに代えて、流路面積を可能な限りに大きく確保するために、切欠４ｂの幅をランド部４ｃの幅より大きくしてもよく、ランド部４ｃがカバー３の軸線方向に沿うリブ状に形成されて、ガイドリング４の周方向に任意の角度間隔で設けられるとしてもよい。

　切欠４ｂの周方向長さの総和はランド部４ｃの周方向長さの総和より大きくなるのが好ましく、切欠４ｂの間隔は、等間隔でなくてもよい。ガイドリング４の形成については、任意の方策を選択できる。たとえば、任意の長さに形成される筒素材の外周に軸線方向に沿う複数本の溝を形成し、その後、輪切りにして所望の形状にするのが良い。

　図３，図４および図５に示すように、切欠４ｂ，５ｂ，６ｂの深さ、つまり、切欠４ｂ，５ｂ，６ｂの底面は、外筒１の外周面よりもカバー３側に突出しているのが良い。この場合には、ランド部４ｃ，５ｃ，６ｃが磨耗することがあっても、カバー３が外筒１に接触することを防止できる。

　また、図４および図５に示すように、ランド部５ｃ，６ｃが磨耗しても、カバー３に対する接触面積が増加するので、面圧を低下でき、ランド部５ｃ，６ｃの更なる磨耗を抑制できる。そして、図５に示すように、ランド部６ｃが磨耗したとしても、切欠６ｃにおける流路面積の減少を小さく抑えることが可能になり、雨水の排水性を大きく妨げない。

　本実施形態において、ガイドリング４は、外筒１の開口端部１ａの外周あるいは封止部材の外周に設けられる。図示するところでは、ガイドリング４は、封止部材を形成するリングナット１２の外周に設けられる。

　封止部材がロッドガイド１１とリングナット１２を一体にした状態に形成される場合には、ガイドリング４がリングナット部分の外周に設けられ、あるいは、ロッドガイド部分の外周に設けられてもよい。

　ガイドリング４は、図１Ｂに示すように、リングナット１２の外周に形成される溝部である環状溝１２ａに嵌装される。これによって、あらかじめガイドリング４を嵌装したリングナット１２を外筒１の開口端部１ａにねじ込むことで、ガイドリング４を所望の位置に設けることが可能になる。

　本実施形態では、ガイドリング４はリングナット１２の外周、つまり、封止部材の外周に設けられるとした。これに代えて、図示しないが、ガイドリング４は、外筒１の開口端部１ａの外周に設けられてもよい。たとえば、リングナット１２の外周が外筒１の開口端部１ａの外周より凹んでいる場合には、ガイドリング４を外筒１の開口端部１ａの外周に設ける方が良い。

　ガイドリング４をリングナット１２あるいはロッドガイド１１の外周に設ける場合には、リングナット１２あるいはロッドガイド１１に十分な肉厚があるため、ガイドリング４を外筒１の開口端部１ａの外周に設ける場合と比較して、ガイドリング４を嵌装させる溝部である環状溝１２ａを形成する上で有利になる。

　さらに、本実施形態におけるガイドリング４は、外筒１の開口端部１ａあるいは封止部材に設けられる。このため、カバー３を有する既存の横据付型の緩衝器における外筒１の開口端部１ａの外周あるいは封止部材の外周に溝部を設けることで、あるいは、溝部を設けなくても、ガイドリング４の配設が可能になる。

　以上のように、本実施形態おける緩衝器は、ガイドリング４が外周に周方向に間隔をあけて配置される複数の切欠４ｂを備えるから、カバー３の内側のガイドリング４において、複数ある切欠４ｂのうち下を向いて配置される切欠４ｂが出現する。このため、下を向く切欠４ｂで形成される流路によってカバー３の内側に入り込んだ雨水の排出が可能になる。

　その結果、横据付型の緩衝器において、雨水に晒される場所で据付られる場合に、筒状のカバー３の内側に雨水が入り込むことがあっても、ガイドリング４に形成される切欠４ｂによって雨水を排出できる。

　また、ガイドリング４に形成される切欠４ｂが、ガイドリング４によって軸線方向に区画されるカバー３の内側の一方側と他方側の連通を許容するから、カバー３の内側における通気性を良くすることが可能になる。そして、外筒１の開口端部１ａあるいは封止部材における雨水による錆びの発生も抑制できる。

　以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。

　本願は、２０１２年７月３日に日本国特許庁に出願された特願２０１２－１４９２０１に基づく優先権を主張し、この出願の全ての内容は参照により本明細書に組み込まれる。

　この発明の実施例が包含する排他的性質又は特徴は、以下のようにクレームされる。

Claims

　緩衝器であって、
　開口端部を有する外筒と、
　前記外筒内に出入自在に挿通するピストンロッドと、
　前記外筒の前記開口端部を封止する封止部材と、
　前記封止部材から突出する前記ピストンロッドの突出部と前記外筒の前記開口端部とを覆う筒状のカバーと、
　前記外筒の前記開口端部の外周または前記封止部材の外周に設けられて、その外周が前記カバーの内周に対向するガイドリングと、を備え、
　前記ガイドリングは、外周に周方向に間隔をあけて配置される複数の切欠を備える緩衝器。
　請求項１に記載の緩衝器であって、
　前記ガイドリングは、隣り合う前記切欠間に、その外周が前記カバーの内周に対向するランド部を有する緩衝器。
　請求項１又は２に記載の緩衝器であって、
　前記ガイドリングは、前記開口端部の外周または前記封止部材の外周に形成された溝部に設けられる緩衝器。
　請求項１又は２に記載の緩衝器であって、
　前記封止部材は、前記外筒の前記開口端部にねじ込まれるリングナットを有し、
　前記ガイドリングは、前記リングナットの外周または前記リングナットの外周に形成された溝部に設けられる緩衝器。
　請求項１又は２に記載の緩衝器であって、
　前記切欠の底面が前記外筒の外周面または前記封止部材の外周面よりも前記カバー側に突出している緩衝器。
　請求項１又は２に記載の緩衝器であって、
　前記切欠の底面が、凹状に湾曲する緩衝器。
　請求項２に記載の緩衝器であって、
　前記ランド部の外端面が、凸状に湾曲する緩衝器。