JP3926489B2 - 油圧緩衝器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、油圧緩衝器に関し、特に、ユニフロー型に設定され横置き状態に設置されて利用される油圧緩衝器の改良に関する。
【0002】
【従来技術とその問題点】
ユニフロー型に設定の油圧緩衝器は、シリンダに対してピストンロッドが出没される際に、内部の油が常に同一の減衰バルブを通過することになるので、伸側作動時および圧側作動時のいずれにあっても同じ特性の減衰力の発生を期待し得ることになり、それゆえ、横置き状態に設置されて左右動に対する減衰作用を実行する場合の利用に適することになる。
【0003】
ところで、図5に示すように、このユニフロー型に設定の油圧緩衝器を横置き状態に設置する場合には、油圧緩衝器の作動休止時に伸側油室R1の上方にエア混じりの油が溜まる傾向になるから、このエア混じりの油をリザーバ室Rに流出させるべく、伸側油室R1を区画するシリンダ1部分にエア混じりの油の通過を許容するいわゆるエア抜き用の孔1aを開穿するとの提案がある。
【0004】
それゆえ、この提案によれば、伸側油室R1にある油中のエアが油圧緩衝器の作動休止時に上記の孔1aを介してリザーバ室Rに抜け出ることになり、したがって、エア混じりの油がベアリング部2に配在の減衰バルブ3を通過することになる機会を減らし、この減衰バルブ3による安定した減衰力の発生を期待し得ることになる。
【0005】
しかしながら、上記の提案にあっては、油圧緩衝器を設置する場合に、伸側油室R1にあるエア混じり油が減衰バルブ3を通過する機会を減らすために、油圧緩衝器において減衰バルブ3がいわゆる下側に配在されることになるように配慮しなければならないことになる。
【0006】
のみならず、上記の提案にあっては、油圧緩衝器の組立作業時に減衰バルブ3を下側に位置決めるに対して上記の孔1aをいわゆる上側に位置決めるように配慮しなければならないことにもなる。
【0007】
その結果、上記の提案にあっては、油圧緩衝器の組立作業だけでなく、設置作業においても、いわゆる慎重さが要求されることになり、組立作業性を向上させることで製造コストの低廉化に寄与したり、設置作業性を向上させることで設置工事期間の短縮化に寄与したりすることを困難にする不具合がある。
【0008】
この発明は、上記した事情を鑑みて創案されたものであって、その目的とするところは、ユニフロー型に設定され横置き状態に設置されて利用される場合に、製造コストの低廉化に寄与すると共に設置工事期間の短縮化に寄与し得て、その汎用性の向上を期待するのに最適となる油圧緩衝器を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため 、本発明の一つの手段は、 シリンダ内に摺動可能に収装されてシリンダに対して出没可能に挿通のピストンロッドの基端に連設されるピストン部がシリンダ内に伸側油室と圧側油室とを区画してなる一方で、ピストン部に圧側油室からの油の伸側油室への流入を許容しながらその逆流を阻止するチェック弁を有してなると共に、シリンダとシリンダの外周に配在の外筒との間に形成されるリザーバ室からの油の圧側油室への流入を許容しながらその逆流を阻止するチェック弁をシリンダのボトム端に近隣するベース部に有してなり、かつ、シリンダの開口端を閉塞しながら軸芯部にピストンロッドを貫通させるベアリング部に伸側油室からの油のリザーバ室への通過を許容する減衰バルブを有してなる油圧緩衝器において、上記シリンダの開口端に上記伸側油室側に膨出させた環状プレートを設け、当該環状プレートと上記ベアリング部の端面との間に容室を形成し、上記環状プレートに上記伸側油室を上記容室に連通する通孔を形成し、上記容室を上記減衰バルブを介して上記リザーバ室に連通させたことを特徴とするものである。
【0011】
同じく、他の手段は、シリンダ内に摺動可能に収装されてシリンダに対して出没可能に挿通のピストンロッドの基端に連設されるピストン部がシリンダ内に伸側油室と圧側油室とを区画してなる一方で、ピストン部に圧側油室からの油の伸側油室への流入を許容しながらその逆流を阻止するチェック弁を有してなると共に、シリンダとシリンダの外周に配在の外筒との間に形成されるリザーバ室からの油の圧側油室への流入を許容しながらその逆流を阻止するチェック弁をシリンダのボトム端に近隣するベース部に有してなり、かつ、シリンダの開口端を閉塞しながら軸芯部にピストンロッドを貫通させるベアリング部に伸側油室からの油のリザーバ室への通過を許容する減衰バルブを有してなる油圧緩衝器において、上記シリンダの開口端に平板状の環状プレートを設け、上記ベアリング部の端面に凹部を形成し、当該凹部を上記環状プレートで封じて凹部内に容室を隔成し、上記環状プレートに上記伸側油室を上記容室に連通する通孔を形成し、上記容室を上記減衰バルブを介して上記リザーバ室に連通させたことを特徴とするものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
本発明の二つの実施の形態が図1、図2に示されており、課題を解決する他の手段としての実施の形態が図4の参考例として示されている。
図1,図2の実施の形態に係る油圧緩衝器は、図5の従来技術と同じく、シリンダ1内に摺動可能に収装されてシリンダ1に対して出没可能に挿通のピストンロッド4の基端に連設されるピストン部5がシリンダ1内に伸側油室R1と圧側油室R2とを区画してなる一方で、ピストン部5に圧側油室R2からの油の伸側油室R1への流入を許容しながらその逆流を阻止するチェック弁6を有している。
更に、シリンダ1とシリンダ1の外周に配在の外筒7との間に形成されるリザーバ室Rからの油の圧側油室R2への流入を許容しながらその逆流を阻止するチェック弁8をシリンダ1のボトム端7aに近隣するベース部に有しいている。
又、シリンダ1の開口端を閉塞しながら軸芯部にピストンロッド4を貫通させるベアリング部5に伸側油室R1からの油のリザーバ室Rへの通過を許容する減衰バルブ3を有している。
そして、図1の油圧緩衝器では、上記シリンダ1の開口端に上記伸側油室側R1に膨出させた環状プレート9を設け、当該環状プレート9と上記ベアリング部2の端面との間に容室Aを形成し、上記環状プレート9に上記伸側油室R1を上記容室Aに連通する通孔9aを形成し、上記容室Aを上記減衰バルブ3を介して上記リザーバ室Rに連通させている。
他方、図2の油圧緩衝器では、シリンダ1の開口端に平板状の環状プレート10を設け、上記ベアリング部2の端面に凹部を形成し、当該凹部を上記環状プレート10で封じて凹部内に容室Aを隔成し、上記環状プレート10に上記伸側油室R1を上記容室Aに連通する通孔10aを形成し、上記容室Aを上記減衰バルブ3を介して上記リザーバ室Rに連通させている。
上記の各油圧緩衝器はユニフロー型に設定されていて、横向きに配置されるのに適するものである。
以下更に詳しく説明する。
【0013】
すなわち、まず、油圧緩衝器自体は、図1に示すように、シリンダ1内に摺動可能に収装されてシリンダ1に対して出没可能に挿通のピストンロッド4の基端に連設されるピストン部5がシリンダ1内に伸側油室R1と圧側油室R2とを区画してなるとしている。
【0014】
そして、、ピストン部5に圧側油室R2からの油の伸側油室R1への流入を許容しながらその逆流を阻止するチェック弁6を有してなると共に、シリンダ1とシリンダ1の外周に配在の外筒7との間に形成されるリザーバ室Rからの油の圧側油室R2への流入を許容しながらその逆流を阻止するチェック弁8をシリンダ1のボトム端に近隣するベース部に、すなわち、図示する実施の形態では、シリンダ1の図中で右端となるボトム端を封止する外筒7におけるボトム部7aに有してなるとしている。
【0015】
また、シリンダ1の図中で左端となる開口端を閉塞しながら軸芯部にピストンロッド4を貫通させるベアリング部2に伸側油室R1からの油のリザーバ室Rへの通過を許容する減衰バルブ3を有してなるとしている。
【0016】
それゆえ、上記した構成からなるこの油圧緩衝器の伸縮作動は、基本的には、以下のようになる。
【0017】
すなわち、まず、ピストンロッド4がシリンダ1内に没入されるようになる圧縮作動時には、ベース部たる外筒7のボトム部7aに配在のチェック弁8によってリザーバ室R側に流出することが阻止された圧側油室R2における油がピストン部5に配在のチェック弁6を通過して伸側油室R1に流入することになる。
【0018】
そして、このときに、伸側油室R1にあっては、ピストンロッド4の侵入体積分に相当する量の油が言わば過剰になり、したがって、この過剰分の油が伸側油室R1から流出されてベアリング部2に配在の減衰バルブ3を通過しリザーバ室Rに流入することになり、上記の過剰分の油が減衰バルブ3を通過する際に所定の減衰力が発生されることになる。
【0019】
つぎに、ピストンロッド4がシリンダ1内から突出するようになる伸側作動時には、チェック弁6によって圧側油室R2側に流出することが阻止された伸側油室R1における油が減衰バルブ3を通過してリザーバ室Rに流入し、また、油が減衰バルブ3を通過する際に所定の減衰力が発生されることになる。
【0020】
ちなみに、この伸側作動時における圧側油室R2には、ここで不足することになる量の油がチェック弁8を介してリザーバ室Rから補充される。
【0021】
それゆえ、上記の油圧緩衝器にあっては、伸側作動時および圧側作動時のいずれにあってもベアリング部2に配在の一つの減衰バルブ3を油が通過することになるので、同じ特性になる伸圧両側の減衰力の発生を期待し得ることになる。
【0022】
ところで、上記のように構成された油圧緩衝器にあって、この発明では、シリンダ1の開口端の内周側に配在される環状プレート9を有してなるが、この環状プレート9の構成およびその機能するところについて、以下に説明する。
【0023】
すなわち、まず、この環状プレート9は、シリンダ1の開口端の内周側に配在されるとき、軸芯部にピストンロッド4を貫通させながらシリンダ1の開口端に露呈するベアリング部2の端面との間に伸側油室R1と区画される容室Aを形成するとしている。
【0024】
そして、この環状プレート9は、伸側油室R1からの油の容室Aへの流入を許容する多数の通孔9aを有してなるとしており、また、容室Aは、ベアリング部2に配在の減衰バルブ3に連通されてなるとしている。
【0025】
このとき、環状プレート9は、フランジ状に形成された外周側端部9bをシリンダ1の開口端とベアリング部2との間に挟持させることで、所定位置に固定状態に配在されるとしており、また、図示する実施の形態では、伸側油室R1側に膨出されて環状の容室Aを形成するとしている。
【0026】
ちなみに、環状プレート9の内周側端部(符示せず)は、ピストンロッド4の外周に摺接するとしても良いが、好ましくは、摺接せずして離れているとするのが良く、この場合には、環状プレート9の内周側端部がピストンロッド4の外周に摺接することで招来されることがあるピストンロッド4の外周における傷付き現象を危惧しなくて済む点で有利となる。
【0027】
それゆえ、以上のように構成された環状プレート9および容室Aを有する油圧緩衝器にあっては、その伸縮作動時に伸側油室R1にある油が環状プレート9の通孔9aを介して容室Aに流入してから減衰バルブ3を通過することになる。
【0028】
したがって、仮に、伸側油室R1にエア混じりの油があったとしても、油圧緩衝器の言わば初動時に容室Aおよび減衰バルブ3を介してリザーバ室Rに流出されて、以降は、エアを混入しない油が減衰バルブ3を通過することになり、この減衰バルブ3による安定した減衰力の発生が期待できることになる。
【0029】
そして、以上からすれば、この油圧緩衝器の設置時に、仮に、減衰バルブ3が上側に配在されることになっても、なんら問題がないことになり、したがって、この油圧緩衝器を設置する際に、減衰バルブ3の配在位置について配慮しなくて済むことになる。
【0030】
のみならず、この油圧緩衝器にあっては、シリンダ1にエア抜き用の孔1a(図5参照)を形成しないから、この油圧緩衝器の組立時にシリンダ1の配設状態について配慮しなくて済むことになる。
【0031】
それゆえ、この実施の形態による場合には、シリンダ1にエア抜き用の孔1aを開穿する必要がない上に、環状プレート9を言わば介装するのみで足りることになるから、油圧緩衝器における組立作業性を悪化することがなく、また、構成的にも簡単であり、製造コストの低廉化にも寄与し得ることになる。
【0032】
図2に示すところは、他の実施の形態による環状プレート10および容室Aの構成であるが、以下には、これらについて少し説明する。
【0033】
まず、この実施の形態では、多数の孔10aを有する環状プレート10を平板状に形成して外周端部10bをシリンダ1の開口端とベアリング部2との間に挟持させてなる一方で、図3にも示すように、この環状プレート10が隣接するベアリング部2の端面に環状の凹部(符示せず)を形成することで、環状プレート10によって伸側油室R1と区画される環状の容室Aを形成するとしている。
【0034】
ちなみに、ベアリング部2の端面に形成される環状の凹部は、結果として環状の凹部に形成されていれば良く、したがって、図2中に破線図で示すように、ベアリング部2の内周側端部(符示せず)が全周に亙って欠落される一方で、ピストンロッド4が臨在されることで、結果として環状の凹部が形成されるとしても良い。
【0035】
そして、この場合には、図2中および図3中の実線図で示すように、ベアリング部2の内周側端部を言わば残すようにして、環状の凹部を形成する場合に比較して、このベアリング部2を製作する上で、あるいは、加工する上で有利となる利点がある。
【0036】
それゆえ、この実施の形態による場合には、環状プレート10が平板状に形成されるから、前記した図1に示す環状プレート9に比較して、その製作が容易になるのはもちろんのこと、容室Aを形成するについてベアリング部2に凹部を形成して環状プレート10を伸側油室R1側に膨出されないから、いわゆるピストンストロークを大きく採れることになる点で有利となる。
【0037】
なお、この実施の形態による油圧緩衝器にあっても、その設置時に減衰バルブ3の配在位置について配慮しなくて済み、また、その組立時にシリンダ1の配設状態について配慮しなくて済むことになるのはもちろんである。
【0038】
一方、ベアリング部2に形成の容室Aについてだが、図2に示す実施の形態では、図3中に実線図でも示すように、ベアリング部2の端面に環状に形成された凹部からなるとするが、これに代えて、同じく図3中に破線図で示すように、周方向に独立して形成された複数の部屋状凹部2aが複数の通路2bで連通されてなるとしても良い。
【0039】
そして、このように形成する場合には、容室Aの構造が複雑になるから、このベアリング部2を製作する上で、あるいは、加工する上で不利となるが、ベアリング部2におけるいわゆる欠落部分を減らせるから、ベアリング部2における機械的強度を保障する上で有利となる。
【0040】
図4は、この発明の目的を達成する他の手段の構成を示すものであるが、この構成による場合には、環状プレートの配在を要しない、すなわち、前記した各実施の形態に比較して、環状プレートと言う部品が不要になる利点がある。
【0041】
また、この構成による場合には、シリンダ1に前記した図5に示す従来例の場合と同様に、エア抜き用の孔1aを開穿する必要があるが、この点に関しては、言わば従来品としてのシリンダ1をそのまま利用できることになる点で有利となる。
【0042】
ところで、この構成における容室Aは、シリンダ1の外周側に形成される、すなわち、ベアリング部2の図中で右端となる下端の外周側に環状に一体に形成のリザーバ室Rへの挿し込み部2cの内周面に環状に形成された凹部(符示せず)からなるとしている。
【0043】
そして、この凹部からなる容室Aは、上記の孔1aを介してシリンダ1内に連通する一方で、オリフィス11を介して減衰バルブ3の下流側に、すなわち、リザーバ室R側に連通するとしている。
【0044】
なお、オリフィス11は、減衰バルブ3の作動を保障するものであるから、これに代えて、その配設を省略し、容室Aと減衰バルブ3の下流側とを連通する通路(符示せず)自体にオリフィス効果をもたらすように設定するとしても良いことはもちろんである。
【0045】
それゆえ、この構成による場合にも、前記した実施の形態の場合と同様に、油圧緩衝器の伸縮作動時に伸側油室R1にある油がシリンダ1に開穿の孔1aを介して容室Aに流入してから減衰バルブ3を通過することになり、この減衰バルブ3による安定した減衰力の発生を期待し得ることになる。
【0046】
また、この構成による油圧緩衝器にあっても、その設置時に減衰バルブ3の配在位置について配慮しなくて済み、また、その組立時にシリンダ1の配設状態について配慮しなくて済むことになるのはもちろんである。
【0047】
【発明の効果】
以上のように、この発明にあっては、油圧緩衝器の伸縮作動時に伸側油室にある油が一旦容室に流入してから減衰バルブを通過し、その後にリザーバ室に流出するから、仮に、伸側油室にエア混じりの油があったとしても、油圧緩衝器の言わば初動時にリザーバ室に流出され、以降は、エアを混入しない油が減衰バルブを通過することになり、この減衰バルブによる安定した減衰力の発生が期待できることになる。
【0048】
このとき、容室が伸側油室と区画されてなるから、油圧緩衝器の設置時に減衰バルブが上側に配在されることになっても、なんら問題がないことになり、したがって、この油圧緩衝器を設置する際に、減衰バルブの配在位置について配慮しなくて済むことになり、また、シリンダがエア抜き用の孔を有しないとする場合には、油圧緩衝器の組立時にシリンダの配設状態について配慮しなくて済むことにもなる。
【0049】
そして、請求項1の発明によれば、伸側油室側に膨出する環状プレートを利用して容室を形成しているので、例えば、環状プレートの外周端部をシリンダの開口端とベアリング部との間に挟持させるのみで環状プレートを固定でき、油圧緩衝器における組立作業性を悪化することがなく、また、環状プレートを言わば介装するのみで足りるから、構成的にも簡単であり、シリンダにエア抜き用の孔を開穿しないことと相俟って製造コストの低廉化にも寄与し得ることになる。
【0050】
そしてまた、請求項1の発明によれば、環状プレートを利用しての容室の形成にあって、環状プレートを伸側油室側に膨出させることで容室を形成しているので、環状プレートにおけるいわゆる部品加工のみで足りる。
また、請求項2の発明によれば、容室をベアリング部に形成された凹部からなると共に多数の通孔を有する環状プレートが平板状に形成されているので、シリンダ内におけるいわゆるピストンストロークを大きく採れることになる。
【0051】
さらに、請求項2の発明によれば、容室をベアリング部に形成の凹部で構成しているから、その形成が容易であり、また、凹部が周方向に独立した部屋状に形成され複数の通路で連通されてなるとする場合には、ベアリング部におけるいわゆる欠落部分を減らせることで、ベアリング部における機械的強度を保障し得ることになる。
【0052】
その結果、この発明によれば、ユニフロー型に設定されて横置き状態に設置される場合に減衰バルブの配在位置について配慮を要せず、また、その組立時におけるシリンダの組立状態についての配慮をも要せずして、しかも、エア混入の油が常態的に減衰バルブを通過し得ないようにして、その汎用性の向上を期待するのに最適となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施の形態による油圧緩衝器を原理的に示す縦断面図である。
【図2】他の実施の形態による油圧緩衝器の要部を原理的に示す縦断面図である。
【図3】ベアリング部の端面に容室が形成された状態を部分的に示す図である。
【図4】この発明の目的を達成するための他の手段による構成を図2と同様に示す図である。
【図5】従来例としての油圧緩衝器を図1と同様に示す図である。
【符号の説明】
1 シリンダ
2 ベアリング部
2a 凹部
2b 通路
2c 挿し込み部
3 減衰バルブ
4 ピストンロッド
5 ピストン部
6,8 チェック弁
7 外筒
7a ベース部たるボトム部
9,10 環状プレート
9a,10a 通孔
9b,10b 外周端部
11 オリフィス
A 容室
R リザーバ室
R1 伸側油室
R2 圧側油室
Claims (2)
- シリンダ内に摺動可能に収装されてシリンダに対して出没可能に挿通のピストンロッドの基端に連設されるピストン部がシリンダ内に伸側油室と圧側油室とを区画してなる一方で、ピストン部に圧側油室からの油の伸側油室への流入を許容しながらその逆流を阻止するチェック弁を有してなると共に、シリンダとシリンダの外周に配在の外筒との間に形成されるリザーバ室からの油の圧側油室への流入を許容しながらその逆流を阻止するチェック弁をシリンダのボトム端に近隣するベース部に有してなり、かつ、シリンダの開口端を閉塞しながら軸芯部にピストンロッドを貫通させるベアリング部に伸側油室からの油のリザーバ室への通過を許容する減衰バルブを有してなる油圧緩衝器において、上記シリンダの開口端に上記伸側油室側に膨出させた環状プレートを設け、当該環状プレートと上記ベアリング部の端面との間に容室を形成し、上記環状プレートに上記伸側油室を上記容室に連通する通孔を形成し、上記容室を上記減衰バルブを介して上記リザーバ室に連通させたことを特徴とする油圧緩衝器
- シリンダ内に摺動可能に収装されてシリンダに対して出没可能に挿通のピストンロッドの基端に連設されるピストン部がシリンダ内に伸側油室と圧側油室とを区画してなる一方で、ピストン部に圧側油室からの油の伸側油室への流入を許容しながらその逆流を阻止するチェック弁を有してなると共に、シリンダとシリンダの外周に配在の外筒との間に形成されるリザーバ室からの油の圧側油室への流入を許容しながらその逆流を阻止するチェック弁をシリンダのボトム端に近隣するベース部に有してなり、かつ、シリンダの開口端を閉塞しながら軸芯部にピストンロッドを貫通させるベアリング部に伸側油室からの油のリザーバ室への通過を許容する減衰バルブを有してなる油圧緩衝器において、上記シリンダの開口端に平板状の環状プレートを設け、上記ベアリング部の端面に凹部を形成し、当該凹部を上記環状プレートで封じて凹部内に容室を隔成し、上記環状プレートに上記伸側油室を上記容室に連通する通孔を形成し、上記容室を上記減衰バルブを介して上記リザーバ室に連通させたことを特徴とする油圧緩衝器。
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