WO2013190879A1 - スカンジウムの分離精製方法 - Google Patents

スカンジウムの分離精製方法 Download PDF

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Abstract

 スカンジウムを含む水溶液から、スカンジウムと不純物元素との分離性(選択性)を担保しつつ、逆抽出性を向上させて、スカンジウム含有溶液から効率的にスカンジウムを分離精製することができるスカンジウムの分離精製方法を提供することを目的とする。本発明では、スカンジウムを含む水溶液とトリオクチルホスフィンオキシドを含む有機溶媒とを混合して有機溶媒中にスカンジウムを抽出し、その有機溶媒と、水、塩酸、硫酸、シュウ酸の何れか1種類以上を含有する逆抽出始液とを混合し、有機溶媒からスカンジウムを逆抽出する。

Description

スカンジウムの分離精製方法
 本発明は、スカンジウムの分離精製方法に関し、より詳しくは、スカンジウムを含有する鉱石や中間物等から浸出処理等することで得られたスカンジウム含有溶液から、溶媒抽出法を用いてスカンジウムを分離精製するスカンジウムの分離精製方法に関する。
 本出願は、日本国において2012年6月19日に出願された日本特許出願番号特願2012-137891を基礎として優先権を主張するものであり、これらの出願を参照することにより、本出願に援用される。
 スカンジウムは、希土類元素の中でも特にイオン半径が小さいため、通常の希土類鉱物中には殆ど存在せず、アルミニウム、スズ、タングステン、ジルコニウム、鉄、ニッケル等の酸化鉱中に広く、微量存在している。
 スカンジウムは、イオン半径が小さいことに伴い、塩基性が低いため、その溶解には強酸を必要とする。そのため、同時に溶解する共存元素の種類が多く、かつ、その濃度が高いため、水溶液に含有するスカンジウムを分離して精製することは容易ではない。
 代表的な分離方法としては、例えば特許文献1に記載されているような商品名PC-88A(主成分:2-エチルヘキシルホスホン酸2-エチルヘキシル)等の酸性アルキル燐酸エステルを抽出剤とする有機溶媒を用いた溶媒抽出法が知られている。具体的には、その有機溶媒とスカンジウムを含有する水溶液を混合して、スカンジウムと鉄、アルミニウム、カルシウム、イットリウム等の共存元素を有機溶媒中に抽出し、次いで濃度4~9mol/lの塩酸溶液を有機溶媒に加えて洗浄することにより、スカンジウム以外の元素を分離して除去し、最後に水酸化ナトリウム水溶液を有機溶媒に加えて、スカンジウムを水酸化物の形態で有機溶媒から分離する方法である。
 しかしながら、特許文献1の方法では、スカンジウムを水溶液として逆抽出することはできず、固体のゴム状あるいはゲル状沈殿として水酸化スカンジウムを有機溶媒から分離することになる。このため、溶媒と水酸化スカンジウムの固液分離が困難となり、水酸化スカンジウムは溶媒、特に、リンにより汚染されるという課題がある。さらに、その抽出剤は、逆抽出の都度、かなりの部分がナトリウム塩として水に溶解するため、逆抽出後の水相からの回収処理も必要となる。この回収処理を行わないと、排水のCOD値が著しく上昇し環境上の問題となる。
 また、スカンジウムを含有する溶液にジルコニウムが含有されている場合、スカンジウムとジルコニウムは抽出特性が近いため、この方法で製造したスカンジウムには多くのジルコニウムが含有して品位が低下するという課題がある。
 さらに、工業的な側面では、上述のように固体のゴム状~ゲル状沈殿が析出分離されるため、例えばミキサーセトラーのような連続的な抽出操作による分離精製操作を進めることができず、逆抽出の都度、煩雑なバッチ作業により処理を進める必要があり、手間やコストの面でも不利となる。
 抽出剤に関して、そのアルキル鎖として、通常の2-エチルヘキシル基に代わり、アルキルシクロヘキシル基をもつ酸性リン酸エステルも考案されている(例えば、特許文献2を参照。)。しかしながら、この抽出剤では、立体障害による不純物元素に対する分離係数は変化するものの、スカンジウムに対する強い化学結合力は変わらないため、上述した問題点は解決できない。
 一方で、酸性アルキル燐酸エステルを、溶媒抽出法ではなく、樹脂に担持した形態で吸着剤のように使用することも考えられる。
 例えば特許文献3では、2-エチルヘキシルホスホン酸、ジ(2-エチルヘキシル)ホスホン酸、トリブチル燐酸エステル等を樹脂に担持し、塩酸、硝酸、硫酸等の無機強酸水溶液、酢酸、モノクロル酢酸等の有機酸水溶液で展開する方法が開示されている。
 また、例えば特許文献4では、アルキルホスホン酸エステル、アルキル燐酸エステルを含浸した樹脂によりスカンジウムを吸着させた後、有機溶媒で抽出剤と共にスカンジウムを溶出させる方法が開示されている。
 しかしながら、特許文献3、4の方法では、樹脂からのスカンジウムの溶離が困難であることに加え、スカンジウムを吸着させる工程でも、樹脂表面でスカンジウムが抽出剤とポリマーを形成して固化する性質があるため、吸着の進行に伴いスカンジウム自身が抽出剤全体への拡散を阻害するという課題がある。
 また、上述した燐酸エステルを用いた場合の課題の解決方法として、例えば特許文献5に記載されているような、親油性のアミノカルボン酸類を使用する方法が知られている。
 酸性が弱いアミノカルボン酸は、スカンジウムへの親和力は弱いため、逆抽出は酸性リン酸エステルよりも容易となる特徴がある。しかしながら、逆にアミノカルボン酸との錯安定度定数が高いクロム(III)、鉄(III)イオン等との結合力が強くなるので、これらの不純物を含有する溶液では、不純物が溶媒に蓄積してスカンジウムの抽出力が徐々に低下してしまう。また、構造的に親水性が強いため、水溶液への溶出ロスが多くなるという課題もある。
 このように、スカンジウムを効率よく分離精製することが可能な方法は、未だ見出されていない。
特開平09-291320号公報 特開平04-36373号公報 特開平01-108119号公報 特開平01-246328号公報 特開平04-74711号公報
 そこで、本発明はこのような実情に鑑みて提案されたものであり、スカンジウムを含む水溶液から、スカンジウムと不純物元素との分離性(選択性)を担保しつつ、逆抽出性を向上させて、スカンジウム含有溶液から効率的にスカンジウムを分離精製することができるスカンジウムの分離精製方法を提供することを目的とする。
 本発明者らは、上述した目的を達成するために鋭意検討を重ねた。その結果、スカンジウムを含有する溶液に対して、抽出剤として溶媒和型抽出剤であるトリオクチルホスフィンオキシド(TOPO)を含有する有機溶媒を用いて抽出処理を施すことにより、スカンジウムを選択的に抽出できるとともに逆抽出性を高めことができることを見出した。
 すなわち、本発明に係るスカンジウムの分離精製方法は、スカンジウムを含む水溶液とトリオクチルホスフィンオキシドを含む有機溶媒とを混合して該有機溶媒中にスカンジウムを抽出する抽出工程と、上記有機溶媒と、水、塩酸、硫酸、シュウ酸の何れか1種類以上を含有する逆抽出始液とを混合し、該有機溶媒からスカンジウムを逆抽出して逆抽出後液を得る逆抽出工程とを有する。
 ここで、上記抽出工程にてスカンジウムを抽出した上記有機溶媒を、2.0mol/l以上9.0mol/l以下の濃度の塩酸溶液、又は、3.5mol/l以上9.0mol/l以下の濃度の硫酸溶液と混合して不純物を分離するスクラビング工程をさらに有することが好ましい。
 また、上記逆抽出工程において塩酸溶液又は硫酸溶液を逆抽出始液として用いる場合には、2.0mol/l未満の塩酸溶液、又は、3.5mol/l未満の硫酸溶液を用いることが好ましい。
 また、上記逆抽出工程においてシュウ酸溶液を逆抽出始液として用いる場合には、0.1mol/l以上1.0mol/l未満のシュウ酸溶液を逆抽出始液として用い、シュウ酸スカンジウムの結晶を得る。
 また、上記逆抽出工程において、水、塩酸溶液、硫酸溶液の何れか1種以上を逆抽出始液として用いた場合には、スカンジウムを逆抽出して得られた逆抽出後液にシュウ酸を添加し、シュウ酸スカンジウムの結晶を得る結晶化工程を有することが好ましい。
 また、上記スカンジウムを含む水溶液にジルコニウムが含有されている場合には、上記抽出工程に先立ち、該水溶液とテノイルトリフルオルアセトンを含む有機溶媒とを混合し、ジルコニウムを該有機溶媒中に抽出して分離させることが好ましい。
 本発明によれば、スカンジウムを選択的に抽出できるとともに逆抽出性を高めることができ、スカンジウム含有溶液から高い逆抽出率でスカンジウムを分離精製することができる。これにより、逆抽出されずにプロセス系内に滞留するスカンジウム量を低減することができ、スカンジウムの収率を高めることができる。
 また、スカンジウムを水溶液の形態として高い流動性で以って逆抽出できるので、例えば連続的な抽出操作による分離精製操作を進めることができ、設備の連続化や高速運転が容易となり、設備コスト的にも省力化を図ることができる。
図1は、スカンジウム含有溶液からスカンジウムを分離精製する分離精製方法の流れ、及び、その分離精製方法を用いた酸化スカンジウムの製造方法の流れを示す工程図である。 図2は、実施例1の洗浄工程における洗浄回数と洗浄液中の不純物金属濃度との関係を示すグラフである。 図3は、実施例1の逆抽出工程における逆抽出回数と逆抽出後液中の各金属元素濃度との関係を示すグラフである。 図4は、洗浄処理に用いる塩酸溶液(洗浄液)の濃度と洗浄液中のスカンジウム(Sc)濃度との関係を示すグラフである。 図5は、洗浄処理に用いる硫酸溶液(洗浄液)の濃度と洗浄液中のスカンジウム(Sc)濃度との関係を示すグラフである。
 以下、本発明に係るスカンジウムの分離精製方法について、以下の順序で詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない限りにおいて適宜変更することができる。
 1.本発明の概要
 2.スカンジウムの分離精製方法
  2-1.抽出工程
  2-2.スクラビング工程(洗浄工程)
  2-3.逆抽出工程
  2―4.結晶化工程
  2-5.まとめ
 3.酸化スカンジウムの製造方法
 4.実施例
 1.本発明の概要
 本発明に係るスカンジウムの分離精製方法は、スカンジウムを含有する鉱石や中間物を酸溶液等で浸出処理して得られた水溶液から、スカンジウムを選択的に抽出して分離精製する方法である。
 具体的に、この分離精製方法では、スカンジウムを含む水溶液とトリオクチルホスフィンオキシド(以下、適宜「TOPO」とも表記する。)を含む有機溶媒とを混合して有機相中にスカンジウムを抽出し、次いで、その有機溶媒と、水、塩酸、硫酸、シュウ酸の何れか1種類以上を含有する逆抽出始液とを混合して、有機相からスカンジウムを逆抽出してスカンジウムを分離する。
 本発明に係るスカンジウムの分離精製方法においては、抽出工程においてトリオクチルホスフィンオキシドを含む有機溶媒を用い、この有機溶媒にスカンジウムを含む水溶液を混合することが重要となる。
 詳細は後述するが、抽出剤として用いるトリオクチルホスフィンオキシドは、溶媒和型抽出剤であり、スカンジウム化合物との親和力のみで抽出して、化学結合を形成しない。また、溶液のイオン強度を制御することによって、容易に抽出、逆抽出を制御することができる。そのため、酸性抽出剤等によって抽出した場合のように、強固な化学結合が形成されることで逆抽出後液にゴム状又はゲル状の固体が析出して有機相、水相の流動性を妨げるということがなく、水溶液の形態で高い流動性で以って逆抽出することができ、逆抽出性を向上させることができる。
 このことから、この分離精製方法によれば、逆抽出されずにプロセス系内に残留するスカンジウム量を低減させることができ、スカンジウムを含有する溶液から高い収率でスカンジウムを分離精製することができる。また、高い流動性で以って逆抽出することができるので、連続的な抽出操作が可能となり高速運転が容易となるため、処理設備がコンパクトとなり、設備的にもコスト的にも省力化を実現することができる。
 以下に、本発明に係るスカンジウムの分離精製方法の具体的な実施形態(以下、「本実施の形態」という。)について、工程毎により詳細に説明する。
 2.スカンジウムの分離精製方法
 本実施の形態に係るスカンジウムの分離精製方法は、図1の工程図に示すように、スカンジウムを含む水溶液とトリオクチルホスフィンオキシド(TOPO)を含む有機溶媒とを混合して有機溶媒中にスカンジウムを抽出する抽出工程と、その有機溶媒と、水、塩酸、硫酸、シュウ酸の何れか1種類以上を含有する逆抽出始液とを混合し、有機溶媒からスカンジウムを逆抽出して逆抽出後液を得る逆抽出工程とを有する。
 また、この分離精製方法においては、抽出工程にてトリオクチルホスフィンオキシドを含む有機溶媒によりスカンジウムを抽出した後、それを逆抽出する前に、有機溶媒を所定の濃度の塩酸溶液又は硫酸溶液と混合させて洗浄するスクラビング工程を設けるようにしてもよい。これにより、処理対象溶液中に共存し、スカンジウムと共に有機溶媒中に抽出された不純物元素を水相に分離除去することができ、得られるスカンジウム化合物の純度をより高めることができる。
 さらに、逆抽出工程において、水、塩酸、硫酸の何れかを含有する逆抽出始液を用いて逆抽出処理を行った場合には、逆抽出して得られた逆抽出後液にシュウ酸を添加してシュウ酸スカンジウムの結晶を形成させる結晶化工程を設けるようにしてもよい。これにより、スカンジウムを難溶性のシュウ酸塩として分離して回収することができる。
 以下、より具体的に各工程について説明する。
  <2-1.抽出工程>
 抽出工程では、スカンジウムを含有する鉱石や中間物を塩酸や硫酸等の酸溶液によって浸出処理等することによって得られたスカンジウムを含有する水溶液(スカンジウム含有溶液)と、抽出剤を含む有機溶媒とを混合して、有機溶媒中にスカンジウムを選択的に抽出する溶媒抽出処理を行う。
 この抽出工程では、溶媒抽出法によるスカンジウムの抽出分離に際して、溶媒和型抽出剤(溶媒和性抽出剤)を含有する有機溶媒を用いる。具体的には、抽出剤としてトリオクチルホスフィンオキシド(TOPO)を用いる。
 ここで、スカンジウムの抽出分離に際して用いる抽出剤として、酸性抽出剤を用いることが考えられる。酸性抽出剤は、その抽出剤の持つ-Hがスカンジウムイオン等の陽イオンと置換して金属塩を形成することによって金属イオンを抽出する抽出剤である。しかしながら、この酸性抽出剤は、金属イオンと強固に化学結合し、その結合を切らないと逆抽出ができない。例えば、酸性抽出剤として酸性リン酸エステル等のリン酸系の抽出剤を用いると、リン酸とスカンジウムとの極めて強い親和力により、スカンジウムに対する選択性は高くなるものの、その結合を切ることは困難となる(例えば、下記反応式(1)参照。)。その結果、ゴム状やゲル状の固体が析出し、有機相や水相の流動性が悪くなり、効果的かつ効率的な逆抽出処理が困難となる。また、その強固な結合を切るために、例えば水酸化ナトリウム等のアルカリを別途添加して処理することが必要となる。
 3H-R+ScCl+3NaOH
         →Sc-R+3NaCl+3HO ・・・(1)
 (なお、式中のH-Rは酸性抽出剤を表す。)
 また、逆抽出性を改善するために、酸性抽出剤として、金属イオンとの結合力が弱いカルボン酸を使用すると、逆抽出性は改善可能であるものの、リン酸を含まないためスカンジウムに対する選択性が損なわれ、精製媒体としては使用できない。
 これらに対して、溶媒和型抽出剤は、分子中にイオン化していない分子状の金属化合物と親和力のある官能基を有し、金属化合物と親和することによって抽出を行う抽出剤である。溶媒和型抽出剤では、このように、スカンジウム化合物と親和力のみで結合して抽出し、化学結合を形成しないため、逆抽出後液の流動性が改善されて容易に逆抽出することができる。
 また、溶媒和型抽出剤は、水相中のイオン強度を上昇させることにより溶媒和が促されて抽出反応を促進させ、逆にイオン強度を低下させることにより逆抽出反応を促進させることができるため、溶液中の塩濃度の調整に基づいてイオン強度を制御することによって、抽出、逆抽出を容易に制御することができる。
 この点に関してより詳述すると、一般に、金属化合物が水に溶解すると、陽イオンと陰イオンのそれぞれに水分子が取り囲み安定化(水和)するため、その状態では溶媒和型抽剤を含んだ有機溶媒中に金属化合物を取り込むことは困難となる。ところが、水に溶解し易い塩類を溶液中に溶解させる、すなわちイオン強度を上げると、水溶液中の水分子が添加された塩類を構成するイオンに次々と水和し、最終的にフリーの水(自由水)が殆どない状態となる。すると、金属化合物を水和することができなくなり、その金属化合物が分子そのままの状態として存在する割合が増え、その結果として金属化合物が溶媒和側抽出剤で抽出されるようになる。一方で、溶媒和型抽出剤は、抽出された条件よりもイオン強度が低い水溶液や水と接触すると、金属化合物を構成するイオンが水和して安定化されるため、有機溶媒中に留まることが困難となり、結果的に逆抽出反応が進行することになる。このように、溶媒和型抽出剤を用いることにより、溶液の塩濃度を調整してイオン強度を制御することによって、抽出、逆抽出の反応を自由に制御することができる。
 この溶媒和型抽出剤としては、リン系、非リン系の抽出剤があるが、分離精製対象であるスカンジウムとの選択性が高い点を重視すると、リンを含む溶媒和抽出剤が特に適している。そしてその中でも、スカンジウムをより効果的に抽出、逆抽出することができるという点から、トリオクチルホスフィンオキシド(TOPO)を用いることが好ましい。
 下記反応式(2)に、TOPOを抽出剤として用いた抽出反応式を示す。この反応式(2)に示すように、この抽出剤に対しては、スカンジウム化合物が親和して付加されるのみで、化学結合の形成を伴わない反応で抽出される。
 3TOPO+ScCl→ScCl・3TOPO ・・・(2)
 抽出剤として用いるトリオクチルホスフィンオキシドとしては、そのアルキル鎖が異なる種々のトリアルキルホスフィンオキシド類が存在するが、何れのものであっても好適に使用することができる。
 トリオクチルホスフィンオキシドの融点は約60℃であり、常温では固体である。このため、抽出処理においては、例えば炭化水素系の有機溶媒等で希釈して使用する。なお、トリオクチルホスフィンオキシドと同じ官能基(PO)を持ちアルキル鎖が異なる類似構造を持つ化合物の中には常温で液体のものもあり、液体である場合には希釈は必ずしも必要ではない。
 トリオクチルホスフィンオキシドの有機溶媒中の濃度としては、特に限定されないが、5v/v%以上20v/v%以下とすることが好ましい。スカンジウムの最大抽出能力は、例えば有機溶媒中のTOPOの濃度が5v/v%の場合にはSc:1.8g/l程度であり、濃度が40v/v%の場合にはSc:11.4g/l程度である。このように、TOPOの有機溶媒中の濃度が高くなるほど抽出能力は高まるが、TOPOの体積あたりのスカンジウムの抽出量は低下する。したがって、抽出、逆抽出時の相分離性等を考慮すると、TOPOの有機溶媒中の濃度としては、5v/v%以上20v/v%以下であることが好ましく、特に10v/v%程度であることがより好ましい。なお、有機溶媒の炭化水素の種類によってその溶解度は異なるが、常温25℃付近では40v/v%程度の濃度がほぼ上限となる。
 原液となるスカンジウム含有溶液としては、特に限定されず如何なる液性の水溶液であっても用いることができるが、上述したように、スカンジウム含有溶液のイオン強度が高いほど、TOPOによる溶媒和が促進するため抽出には有利となる。すなわち、溶媒和反応を進行させるためには、抽出対象となる化合物が分子性であることが重要であり、化合物の解離を抑制するために、塩濃度を高く維持してイオン強度を高めることが好ましい。
 このことから、後述するスクラビング液の濃度と同様に、2.0mol/l以上の塩酸溶液、又は、3.5mol/l以上の硫酸溶液からなるスカンジウム含有溶液を用いることが特に好ましい。これにより、スカンジウムの抽出効果を高めることができる。なお、これらの濃度以下の溶液を用いて抽出を行う場合であっても、抽出段数を2段以上の多段とすることで実用上問題はない。
  <2-2.スクラビング工程(洗浄工程)>
 上述した抽出工程において用いる抽出剤であるTOPOは、溶液中に共存する不純物に対する選択性が高い。しかしながら、スカンジウム含有溶液中に抽出目的とするスカンジウム以外に大過剰の不純物元素が共存する場合には、スカンジウムを抽出した後に、それを逆抽出する前に、その有機溶媒(有機相)に対するスクラビング(溶媒の洗浄)処理を施し、不純物元素を水相に分離して抽出剤から除去することが好ましい。
 このようにしてスクラビング工程を設けて有機溶媒を洗浄して不純物元素を除去することによって、後述する各工程を経て得られるスカンジウム化合物の純度を、より一層に高めることができる。
 スクラビングに用いる溶液(洗浄溶液)としては、塩酸溶液や硫酸溶液を使用することができる。なお、硝酸溶液を用いてスクラビングを行うことも可能であるが、抽出剤であるTOPOの酸化劣化を促進するため好ましくない。また、塩酸溶液や硫酸溶液に代わって水に可溶性の塩化物や硫酸塩を使用することもできる。ただし、例えばアルカリ金属の塩類を使用すると新たな不純物の原因となる可能性があり、スカンジウムを高度に高純度化するという点においては好ましくない。
 スクラビングに用いる洗浄溶液の濃度として、塩酸溶液を用いる場合は2.0mol/l以上9.0mol/l以下とすることが好ましく、硫酸溶液を用いる場合は3.5mol/l以上9.0mol/l以下の濃度範囲とすることが好ましい。
 ここで、塩酸溶液や硫酸溶液中におけるスカンジウムをTOPOを用いて抽出する場合、塩酸溶液では6.5mol/l、硫酸溶液では7.0mol/lの濃度のときにそれぞれ抽出効果が最大となり、この範囲から離れるほど抽出できずに原液中に残留するスカンジウムの量が徐々に増える傾向がある。このことは、上述したように、水溶液のイオン強度を上げると金属化合物が分子そのままの状態として存在する割合が増えて溶媒和側抽出剤で抽出されるようになるが、さらにイオン強度を上げると、今度は金属が水溶液中で錯イオンを形成して安定化するという別の反応が起こるためと考えられる。
 このことから、スクラビング工程では、上述した範囲の濃度からなる塩酸溶液又は硫酸溶液を使用して溶媒を洗浄することが好ましい(なお、下記実施例2における酸濃度依存性についての検討も参照。)。これにより、有機溶媒の洗浄によって金属不純物と共に抽出したスカンジウムまでもが逆抽出されて洗浄除去されることを防止することができ、損失を抑制することができる。なお、塩酸溶液と硫酸溶液を比較すると、塩酸溶液を用いる方が損失濃度を低く抑えることができるという点で、より好ましい。
 洗浄段数(回数)としては、例えば有機相(O)と水相(A)の相比O/A=1/1とした場合、不純物元素の種類、濃度にも依存するが、3~5段の段数があれば後述のジルコニウム以外のほぼすべての元素を分析装置の検出下限未満まで分離することができる。
  <2-3.逆抽出工程>
 逆抽出工程では、抽出工程を経てスカンジウムを抽出した有機溶媒、あるいは抽出工程でスカンジウムを抽出した後にスクラビング工程を経て不純物元素を分離除去した有機溶媒から、スカンジウムを逆抽出する。
 この逆抽出工程では、有機溶媒に対して、水、又は、低濃度の酸溶液を逆抽出溶液(逆抽出始液)として用いて混合することにより、上記反応式(2)の逆反応を生じさせてスカンジウムを逆抽出し、スカンジウムを含む逆抽出後液を得る。
 ここで、上述したように、スカンジウムの抽出においては溶液の酸濃度が上昇するに従ってその抽出率が高まる。このことは、つまり、スカンジウムの逆抽出の点においては酸濃度が上昇するに従ってその逆抽出率が低下することを意味する。そのため、逆抽出率の観点からは、水を用いて逆抽出処理を行うことが最も有利となる。しかしながら、水相のイオン強度が極端に低下すると、有機相との相分離が不良となってエマルジョン発生の原因となる可能性がある。このことから、僅かに酸が存在する溶液(酸溶液)を逆抽出始液として用いて逆抽出処理を行うことが実用上好ましい。
 酸溶液としては、塩酸溶液、硫酸溶液を用いることができ、塩酸溶液の場合では2.0mol/l未満、硫酸溶液の場合では3.5mol/l未満の濃度とすることが好ましい。また、特に、塩酸溶液を用いる場合には、0.05mol/l以上0.3mol/l以下程度の濃度範囲とすることがより好ましい。
 また、上述した塩酸溶液、硫酸溶液と同様に、シュウ酸溶液を逆抽出始液として使用することもできる。スカンジウムを抽出した有機溶媒に対してシュウ酸溶液を混合して作用させると、下記反応式(3)に示すように、後述する結晶化工程を経ずにシュウ酸スカンジウムの結晶を生成させて回収することができる。
 2ScCl・3TOPO+3H
       →Sc(C+3TOPO+6HCl ・・・(3)
 しかも、シュウ酸溶液を逆抽出始液として用いた逆抽出反応は、可逆反応ではないため、塩酸溶液や硫酸溶液を用いて行う上記反応式(2)の逆反応による逆抽出処理よりも、より完全に逆抽出反応を進行させることができ、逆抽出率をより高めることができる。
 シュウ酸溶液を逆抽出始液として用いる場合、そのシュウ酸溶液の濃度としては、特に限定されないが、0.1mol/l以上1.0mol/l未満とすることが好ましい。濃度が0.1mol/l未満では、逆抽出力が弱すぎて、シュウ酸スカンジウムが効果的に生成されない可能性がある。一方で、水に対するシュウ酸自体の溶解度は大きくなく、1mol/l付近が上限となり、その以上の濃度としても結晶として沈降するだけとなる。
 また、シュウ酸溶液の使用量、すなわちスカンジウムを逆抽出するとともにシュウ酸スカンジウムの結晶を生成させるためのシュウ酸溶液の量としては、抽出されて有機溶媒に含有されたスカンジウム量に対して計算量で1当量以上となる量とすることが好ましい。これにより、抽出したスカンジウムを確実にシュウ酸スカンジウムの結晶とすることができる。
 上述したように、シュウ酸溶液を用いた逆抽出反応では、シュウ酸スカンジウムの固体の結晶が析出することになり、逆抽出性への影響も考えられる。しかしながら、この固体結晶は親水性であるため、酸性抽出剤を用いて抽出した後にゴム状~ゲル状固体の水酸化スカンジウムを生成させて逆抽出していた従来法のように、有機溶媒(有機相)と水相の相分離を妨げることなく、高い流動性を維持することができる。そのため、逆抽出処理において有機溶媒と混合した後に静置することで、スカンジウムの固体結晶は水相に分配され、さらに水相の底部に迅速に沈降していくので、容易に分離回収することができる。
 なお、逆抽出始液としては、上述した水、塩酸、硫酸、シュウ酸の何れかを単独で含有する溶液であっても、又は、何れか2種以上を併せて含有する溶液であってもよい。
  <2-4.結晶化工程>
 以上のように、トリオクチルホスフィンオキシドを含む有機溶媒を用いて抽出し、得られた有機溶媒を水、塩酸、硫酸、シュウ酸の何れか1種類以上を含有する逆抽出始液と混合して逆抽出することによって、水溶液の形態で高い流動性で以ってスカンジウムを分離精製することができる。
 ここで、上述した逆抽出工程にて得られた逆抽出後液に含まれるスカンジウムについては、そのスカンジウムを固体結晶として回収することが好ましい。これにより、逆抽出後液中のスカンジウムを濃縮させてより一層に精製効果を高めることができるとともに、回収効率を高めることができる。
 そこで、本実施の形態においては、上述した逆抽出工程にて得られた逆抽出後液からスカンジウムの固体結晶を得る結晶化工程を設けるようにすることができる。
 結晶化工程では、上述した逆抽出工程において、水、塩酸溶液、硫酸溶液の何れか1種以上を逆抽出始液として用いてスカンジウムを逆抽出して得られた逆抽出後液にシュウ酸を添加し、シュウ酸スカンジウムの結晶を得る。
 なお、上述したように、この結晶化工程は、逆抽出工程にてシュウ酸溶液を逆抽出始液として用いて逆抽出した場合には、その逆抽出処理において結晶が生成して回収することができるため、不要となる。したがって、逆抽出工程において、水、塩酸溶液、硫酸溶液の何れか1種以上を用いて逆抽出処理を行った場合に、当該結晶化工程によりスカンジウムの固体結晶を生成させて回収する。
 スカンジウムを含む逆抽出後液からスカンジウムの固体結晶を生成させる方法として、希土類塩類を生成させる一般的な方法である、シュウ酸を添加して難溶性のシュウ酸塩として分離する方法を用いることが好ましい。スカンジウムも他の希土類元素と同様に難溶性の結晶を形成するが、同時に他の大部分の不純物元素はシュウ酸と錯体を形成して母液に残存するため、より一層の精製効果を期待することができ、より高純度なスカンジウム化合物を生成することができる。
 シュウ酸の添加量としては、逆抽出後液に含まれているスカンジウム量に対して計算量で1当量以上となる量とすることが好ましい。これにより、逆抽出したスカンジウムを確実にシュウ酸スカンジウムの結晶とすることができる。
  <2-5.まとめ>
 以上説明したように、本実施の形態に係るスカンジウムの分離精製方法においては、スカンジウム含有溶液とトリオクチルホスフィンオキシドを含む有機溶媒とを混合してスカンジウムを抽出し、その有機溶媒と、水、塩酸、硫酸、シュウ酸の何れか1種類以上を含有する逆抽出始液とを混合してスカンジウムを逆抽出する。
 このような分離精製方法によれば、従来の酸性抽出剤等によって抽出する場合のように、強固な化学結合が形成されて逆抽出後液にゴム状又はゲル状の固体が析出して有機相、水相の流動性を妨げるということがなく、水溶液の形態で高い流動性で以って逆抽出することができ、逆抽出性を向上させることができる。
 そして、このことにより、逆抽出されずにプロセス系内に残留するスカンジウム量が減少し、スカンジウムを含有する溶液から高い逆抽出率でスカンジウムを分離精製することができる。また、高い流動性で以って逆抽出することができるので、連続的な抽出操作が可能となり高速運転が容易となるため、処理設備がコンパクトとなり、設備的にもコスト的にも省力化を実現することができる。
 また、溶液のイオン強度を制御することによって抽出、逆抽出の制御を容易に行うことができるので、逆抽出始液として用いる酸溶液の濃度を所定の範囲に調整することによって、逆抽出率をより向上させることができ、分離精製すべきスカンジウムの損失を低減することができる。
 さらに、スカンジウムを抽出した後、その有機溶媒を所定の濃度の塩酸溶液又は硫酸溶液と混合させて洗浄する工程を設けることにより、不純物元素を効果的に除去することができ、スカンジウム化合物の純度を高めることができる。
 ところで、上述した分離精製方法の処理対象溶液(原液)であるスカンジウム含有溶液の中には、スカンジウムと化学的性質が類似したジルコニウムがしばしば共存している場合が多い。このようなジルコニウムが共存している溶液を処理対象とする場合、上述した分離精製方法ではジルコニウムを十分に分離することができない可能性もある。
 そこで、処理対象となるスカンジウム含有溶液にジルコニウムが共存する場合には、上述したスカンジウムの分離精製方法における抽出工程に先立ち、溶液中のジルコニウムを抽出分離する予備抽出工程を設けることが好ましい。
 この予備抽出工程では、ジルコニウムが共存したスカンジウム含有溶液を、テノイルトリフルオルアセトン(以下、適宜「TAA」とも表記する。)を含む有機溶媒と混合し、ジルコニウムをその有機溶媒中に抽出して分離させる。
 ジルコニウムは、スカンジウム以上に陰イオン錯体を形成しやすい性質がある。そこで、陰イオンとしての分離を検討し、陰イオン抽出に適した抽出剤のタイプとして、ベータジケトン類の一種であるテノイルトリフルオルアセトンが特にジルコニウムの抽出分離特性が高く、スカンジウムを殆ど抽出しないことを見出した。
 テノイルトリフルオルアセトンは、トリオクチルホスフィンオキシド(TOPO)と同様に常温で固体であるため、炭化水素系の溶媒を用いて50g/l以上100g/l以下程度の濃度範囲となるように希釈して使用することが好ましい。
 なお、予備抽出工程では、TAAを含む有機溶媒によりジルコニウムを抽出した後、逆抽出処理を施し、これらの操作を数回繰り返すことが好ましいが、スカンジウム含有溶液中のジルコニウム品位が、例えばスカンジウムに対して100ppm以下程度の低い水準である場合は、毎回逆抽出操作を行うことなく、抽出操作のみを反復することができる。
 3.酸化スカンジウムの製造方法
 上述したスカンジウムの分離精製方法によりスカンジウム含有溶液から分離精製したスカンジウムを用いて、酸化スカンジウムを製造することができる。
 具体的に、酸化スカンジウムの製造方法は、スカンジウム含有溶液とトリオクチルホスフィンオキシド(TOPO)を含む有機溶媒とを混合して有機溶媒中にスカンジウムを抽出する抽出工程と、その有機溶媒と、水、塩酸、硫酸、シュウ酸の何れか1種類以上を含有する逆抽出始液とを混合し、有機溶媒からスカンジウムを逆抽出して逆抽出後液を得る逆抽出工程と、逆抽出工程にて水、塩酸、硫酸の何れか1種以上を含有する逆抽出始液を用いて逆抽出した場合には、得られた逆抽出後液にシュウ酸を添加し、シュウ酸スカンジウムの結晶を得る結晶化工程と、得られたシュウ酸スカンジウムを加熱して熱分解することで酸化スカンジウムを得る熱分解工程とを有する。
 この酸化スカンジウムの製造方法において、抽出工程及び逆抽出工程については、上述したスカンジウムの分離精製方法における処理と同様であるため、説明は省略する。また、結晶化工程においても同様に、逆抽出工程にて水、塩酸、硫酸の何れか1種以上を含有する逆抽出始液を用いて逆抽出した場合には、得られた逆抽出後液にシュウ酸を添加することでシュウ酸スカンジウムの固体結晶を生成して回収する。なお、逆抽出工程においてシュウ酸溶液を逆抽出始液として用いて逆抽出した場合には、その逆抽出処理に伴ってシュウ酸スカンジウムの結晶が得られるので、それを回収する。
 この酸化スカンジウムの製造方法においては、シュウ酸スカンジウムの固体結晶を回収した後、そのシュウ酸スカンジウムを加熱して熱分解(焼成)処理を施し、酸化物である酸化スカンジウムを得る熱分解工程(酸化スカンジウム変換工程)を行う。これにより、スカンジウムを利用し易い形態に変換することができる。
 熱分解工程における処理条件としては、特に限定されないが、例えば、管状炉等の熱分解炉内に結晶化して得られたシュウ酸スカンジウムの固体結晶を投入し、酸素雰囲気下にて700℃以上900℃以下程度の温度条件で行うことができる。
 このような酸化スカンジウムの製造方法では、スカンジウム含有溶液からトリオクチルホスフィンオキシドを含有する有機溶媒を用いて選択的にスカンジウムを抽出し、高い流動性で以って逆抽出することを可能にしているため、原液であるスカンジウム含有溶液から高い収率で酸化スカンジウムを得ることができる。また、得られた酸化スカンジウムは、不純物元素の品位が低く、高純度な化合物となる。
 4.実施例
 以下に本発明の実施例を説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
 [実施例1]
 (1)抽出工程
 下記表1の組成からなるスカンジウム(Sc)含有溶液(原液)103Lと、トリオクチルホスフィンオキシド(TOPO)(北興化学工業(株)製)を溶剤Shellsol A(Shell Chemicals社製)に13v/v%濃度で溶解した有機溶媒2.6Lとを60分攪拌して混合し、スカンジウムを含む抽出有機相を得た。なお、抽出残液中のスカンジウム濃度は0.1mg/l未満であり、抽出率は99.8%以上であった。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
 (2)スクラビング工程(洗浄工程)
 次に、抽出工程で得られたスカンジウムを含む有機溶媒(抽出有機相)を、濃度6.5mol/lの塩酸溶液を用いて、相比O/A=1/1の比率となるように混合して10分間攪拌することによって洗浄した。その後、水相を分離して、有機相は再び濃度6.5mol/lの新たな塩酸溶液と混合して洗浄し、同様に水相を分離した。このような洗浄操作を合計3回繰り返した。
 ここで図2に、有機溶媒に対する洗浄回数と洗浄液中の金属品位(不純物金属濃度)の関係を示す。
 図2に示されるように、抽出有機相を3回洗浄することにより、溶出する不純物金属濃度を0.001g/l以下のレベルまで除去できることが分かる。一方で、スカンジウムについては、0.01g/lオーダーのロスに留まり、有機溶媒に抽出したスカンジウムを水相に分離させずに、不純物のみを効果的に除去できることが分かる。
 (3)逆抽出工程
 次に、洗浄後の抽出有機相を、濃度1%(約0.3mol/l)の塩酸溶液を用いて、相比O/A=1/1の比率となるように混合し20分攪拌し、スカンジウムを水相に逆抽出した。その後、静置して水相を分離し、再び濃度1%の新たな塩酸溶液を用いて同様に混合し、水相を分離した。このような逆抽出操作を3回繰り返した。
 ここで図3に、逆抽出操作の回数と逆抽出液中の水相の各金属元素濃度の関係を示す。
 3回の逆抽出後の液(逆抽出後液)中の合計スカンジウム量は、原液中に含まれた量の98.3%となり、ほとんど抽出できていることが分かった。また、図3に示されるように、不純物として高濃度に存在するニッケル(Ni)はスカンジウムに対して1%ほど含まれたが、その他の不純物元素は全て0.1mg/l未満まで低減できていることが分かる。
 (4)酸化スカンジウム変換工程
 上述した逆抽出操作による3回分の逆抽出後液を合わせて、その抽出後液中に含まれるスカンジウム量に対して計算量で2倍となるシュウ酸・2水和物(三菱ガス(株)製)の結晶18gを溶解し、60分攪拌混合してシュウ酸スカンジウムの白色結晶性沈殿を生成させた。そして、生成した白色結晶性沈殿を吸引濾過し、純水500mlで洗浄した後、105℃にて8時間乾燥させた。
 続いて、乾燥したシュウ酸塩を、高純度マグネシア製のボートに移して石英管の管状炉内に入れ、空気を2L/minの流量で送り、850℃にて2時間加熱分解させることによって酸化スカンジウムを生成させた。その後、得られた酸化スカンジウムを室温にまで冷却して取り出し、発光分光分析法によって酸化物に含まれる金属品位を分析した。下記表2に分析結果を示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000002
 表2に示されるように、主要な不純物元素は全て1ppm未満にまで分離できており、その他の発光分光分析で検出された元素は、それぞれ、鉄(Fe)が4ppm、カルシウム(Ca)、マグネシウム(Mg)、アンチモン(Sb)、ケイ素(Si)はいずれも1ppm未満であり、5Nの純度に匹敵する高品質な酸化スカンジウムが得られた。
 [実施例2:Sc抽出、逆抽出の酸濃度依存性について]
 スカンジウム0.11g/l、ニッケル220g/lを含む塩化物水溶液100Lと、TOPOを溶剤Shellsol Aを用いて希釈し10体積%とした有機溶媒6.7Lとを混合し、10分間攪拌混合し、スカンジウムを有機相に抽出した。なお、相比O/Aは1/15の比率となる。
 次に、得られた有機相50mlを取り出し、相比O/A=1/1の比率となるように種々の濃度の塩酸溶液又は硫酸溶液を用いて分液漏斗内で振盪混合して、抽出有機相を洗浄した。図4及び図5に、各酸溶液の濃度と溶出したスカンジウム濃度との関係を示す。
 図4に示されるように、塩酸溶液で洗浄した場合、2.0mol/l未満あるいは9.0mol/lを超える濃度の条件では、スカンジウムの溶出ロスが急激に大きくなる。また、図5に示されるように、硫酸溶液で洗浄した場合には、3.5mol/l未満あるいは9.0mol/lを超える濃度の条件では、同様にスカンジウムの溶出ロスが大きくなる。
 なお、このことから、塩酸溶液であれば2.0mol/l未満、硫酸溶液であれば3.5mol/l未満の濃度が、逆抽出処理にあたっては適した酸濃度であることが分かる。
 [実施例3:ジルコニウム(Zr)を共存した原液に対する処理]
 (1)脱ジルコニウム工程(Zr抽出工程)
 ジルコニウム(Zr)を含む下記表3の組成の原料125gを、11.5mol/l濃度の塩酸溶液600mlと混合し、30分間攪拌して完全に溶解させた。次に、溶解した溶液(原液)に、濃度11.5mol/lの塩酸溶液と純水をそれぞれ400ml添加して希釈し、さらに、テノイルトリフルオロアセトン(TTA)を濃度50g/lで含有する溶剤Shellsol A溶液400mlを添加し、10分攪拌混合し、原液中のジルコニウムを抽出し分離した。なお、表3に示す元素の以外の元素は、全て発光分光分析法による検出下限以下であった。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000003
 (2)Sc抽出工程~洗浄工程
 上記(1)における脱ジルコニウム工程にてジルコニウムを除去した後の抽出残液に、さらに濃度11.5mol/lの塩酸溶液1.75Lと水2.25Lを添加し、TOPOを20v/v%の割合で含有する溶剤Shellsol A20Lを混合し、1時間攪拌してスカンジウムを抽出した。
 次に、得られた抽出有機相に対して、6.5mol/lの塩酸5Lを混合させて1時間攪拌して洗浄処理を施し、有機溶媒中の金属不純物を水相へ洗浄分離した。
 (3)逆抽出工程~酸化物製造工程
 洗浄後の抽出有機相に、シュウ酸・2水和物343g(抽出有機相中のスカンジウム量に対して計算量で1当量)を水5Lに溶解した水溶液(0.5mol/l)を添加して60分攪拌し、スカンジウムをシュウ酸スカンジウムの結晶として逆抽出した。得られた結晶は水相の底から吸引し、その吸引濾過後、エタノール300mlと水500mlで順次洗浄した。洗浄後の結晶は、105℃にて8時間かけて乾燥させた。
 乾燥後の結晶を、実施例1と同様の条件で熱分解させることによって酸化スカンジウムを生成させた。その後、得られた酸化スカンジウムを室温にまで冷却して取り出し、発光分光分析法によって酸化物に含まれる金属品位を分析した。下記表4に分析結果を示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000004
 表4に示されるように、ジルコニウムを含めて全ての不純物元素を1ppm未満に低減することができ、不純物の少ない高純度な酸化スカンジウムを得ることができた。なお、表4に示す元素の以外の元素は、全て発光分光分析法による検出下限以下であった。

Claims (7)

  1.  スカンジウムを含む水溶液とトリオクチルホスフィンオキシドを含む有機溶媒とを混合して該有機溶媒中にスカンジウムを抽出する抽出工程と、
     上記有機溶媒と、水、塩酸、硫酸、シュウ酸の何れか1種類以上を含有する逆抽出始液とを混合し、該有機溶媒からスカンジウムを逆抽出して逆抽出後液を得る逆抽出工程と
     を有することを特徴とするスカンジウムの分離精製方法。
  2.  上記抽出工程にてスカンジウムを抽出した上記有機溶媒を、2.0mol/l以上9.0mol/l以下の濃度の塩酸溶液、又は、3.5mol/l以上9.0mol/l以下の濃度の硫酸溶液と混合して不純物を分離するスクラビング工程を有することを特徴とする請求項1記載のスカンジウムの分離精製方法。
  3.  上記逆抽出工程では、2.0mol/l未満の塩酸溶液、又は、3.5mol/l未満の硫酸溶液を逆抽出始液として用いることを特徴とする請求項1記載のスカンジウムの分離精製方法。
  4.  上記逆抽出工程では、0.1mol/l以上1.0mol/l未満のシュウ酸溶液を逆抽出始液として用い、シュウ酸スカンジウムの結晶を得ることを特徴とする請求項1記載のスカンジウムの分離精製方法。
  5.  上記逆抽出工程において、水、塩酸溶液、硫酸溶液の何れか1種以上を逆抽出始液として用いてスカンジウムを逆抽出して得られた逆抽出後液にシュウ酸を添加し、シュウ酸スカンジウムの結晶を得る結晶化工程を有することを特徴とする請求項1記載のスカンジウムの分離精製方法。
  6.  上記スカンジウムを含む水溶液にジルコニウムが含有されている場合には、上記抽出工程に先立ち、該水溶液とテノイルトリフルオルアセトンを含む有機溶媒とを混合し、ジルコニウムを該有機溶媒中に抽出して分離させることを特徴とする請求項1記載のスカンジウムの分離精製方法。
  7.  スカンジウムを含む水溶液とトリオクチルホスフィンオキシドを含む有機溶媒とを混合して該有機溶媒中にスカンジウムを抽出する抽出工程と、
     上記有機溶媒と、水、塩酸、硫酸、シュウ酸の何れか1種類以上を含有する逆抽出始液とを混合し、該有機溶媒からスカンジウムを逆抽出して逆抽出後液を得る逆抽出工程と、
     上記逆抽出工程にて水、塩酸、硫酸の何れか1種以上を含有する逆抽出始液を用いて逆抽出した場合には、得られた逆抽出後液にシュウ酸を添加し、シュウ酸スカンジウムの結晶を得る結晶化工程と、
     得られたシュウ酸スカンジウムを加熱して熱分解することによって酸化スカンジウムを得る熱分解工程と
     を有することを特徴とする酸化スカンジウムの製造方法。
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