JP2016186108A - スカンジウム及び/又はランタノイドの抽出方法 - Google Patents
スカンジウム及び/又はランタノイドの抽出方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2016186108A JP2016186108A JP2015066732A JP2015066732A JP2016186108A JP 2016186108 A JP2016186108 A JP 2016186108A JP 2015066732 A JP2015066732 A JP 2015066732A JP 2015066732 A JP2015066732 A JP 2015066732A JP 2016186108 A JP2016186108 A JP 2016186108A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- scandium
- lanthanoid
- aqueous solution
- acidic aqueous
- organic solvent
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
- 0 *N(*)C(CN(CC(N(*)*)=O)CC(N(*)*)=O)=O Chemical compound *N(*)C(CN(CC(N(*)*)=O)CC(N(*)*)=O)=O 0.000 description 1
Images
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P10/00—Technologies related to metal processing
- Y02P10/20—Recycling
Landscapes
- Manufacture And Refinement Of Metals (AREA)
Abstract
Description
スカンジウムを回収又は精製する方法としては、スカンジウムを含む水溶液とトリオクチルホスフィンオキシドを含む有機溶媒とを混合して有機溶媒中にスカンジウムを抽出し、その有機溶媒と、水、塩酸、硫酸、シュウ酸の何れか1種類以上を含有する逆抽出始液とを混合し、有機溶媒からスカンジウムを逆抽出する方法(特許文献1参照)や抽出剤として特定のアミド誘導体を利用する方法が提案されている(特許文献2参照)。
即ち、本発明は以下の通りである。
<1> スカンジウム及び/又はランタノイドを含む酸性水溶液を準備する準備工程、並
びに下記一般式(A)で表されるニトリロ三酢酸トリアミドの存在下、前記準備工程で準備した酸性水溶液と有機溶媒を接触させる液液接触工程を含むことを特徴とする、スカン
ジウム及び/又はランタノイドの抽出方法。
<2> 前記準備工程で準備した酸性水溶液が、硝酸イオン(NO3 −)を含む、<1>
に記載のスカンジウム及び/又はランタノイドの抽出方法。
<3> さらに前記液液接触工程で接触させた酸性水溶液と有機溶媒を分液する分液工程
、及び前記分液工程で分液した有機溶媒に酸性水溶液を接触させる逆抽出工程を含む、<1>又は<2>に記載のスカンジウム及び/又はランタノイドの抽出方法。
<4> 前記逆抽出工程で接触させる酸性水溶液が、硫酸イオン(SO4 2−)を含む、
<3>に記載のスカンジウム及び/又はランタノイドの抽出方法。
<5> 前記準備工程で準備した酸性水溶液が、スカンジウム及びランタノイドから選択
される抽出対象元素とスカンジウム及びランタノイドから選択される非抽出対象元素とを含み、前記抽出対象元素を抽出して、前記非抽出対象元素と分離する、<1>〜<4>の何れかに記載のスカンジウム及び/又はランタノイドの抽出方法。
本発明の一態様であるスカンジウム及び/又はランタノイドの抽出方法(以下、「本発明の抽出方法」と略す場合がある。)は、スカンジウム及び/又はランタノイドを含む酸性水溶液を準備する準備工程(以下、「準備工程」と略す場合がある。)、並びに下記一
般式(A)で表されるニトリロ三酢酸トリアミドの存在下、準備工程で準備した酸性水溶液と有機溶媒を接触させる液液接触工程(以下、「液液接触工程」と略す場合がある。)を含むことを特徴とする。
本発明者らは、スカンジウムやランタノイドの効率的な抽出方法を求めて検討を重ねた結果、スカンジウム及び/又はランタノイドを含む酸性水溶液を、一般式(A)で表されるニトリロ三酢酸トリアミドの存在下で有機溶媒に接触させることにより、スカンジウムを有機溶媒に溶解させて、効率良く抽出することができることを見出したのである。
ニトリロ三酢酸トリアミドは、水に対しても有機溶媒に対しても親和性が高く、またスカンジウムやランタノイドとの結合に非常に適した構造を有していると考えられる(窒素原子と3つのアミド基が、スカンジウムやランタノイドと結合に有効に作用するものと考えられる。)。そのため、水溶液と有機溶媒の液液接触によって、ニトリロ三酢酸トリアミドがスカンジウムやランタノイドと会合し、水溶液中のスカンジウムやランタノイドが有機溶媒に可溶化して、抽出されるものと考えられる。
また、ニトリロ三酢酸トリアミドは、スカンジウムやランタノイドを逆抽出し易くするという優れた特長も有している。即ち、スカンジウムやランタノイドが溶解した有機溶媒を硫酸水溶液等の酸性水溶液に接触させることによって、酸性水溶液にスカンジウムやランタノイドを溶解させて回収することが可能となるのである。
さらに、ニトリロ三酢酸トリアミドは、例えば水素イオン濃度やアニオン濃度によって、それぞれの元素に対する親和性が変化するため、特定の元素を選択的に抽出することも可能となる。そのため、例えばスカンジウム(Sc)とイットリウム(Y)のように従来分離が困難であった元素同士を、効率的に抽出することが可能となり、工業廃液の処理や希土類元素(レアアース)の生産に応用することができる。
なお、「ランタノイド」とは、ランタノイドに属する金属元素を意味し、酸性水溶液や有機溶媒中の酸化数、状態等は特に限定されないものとする。
また、「一般式(A)で表されるニトリロ三酢酸トリアミドの存在下」とは、通常有機溶媒にニトリロ三酢酸トリアミドが存在していることを意味し、予め有機溶媒に含有させていても、或いは酸性水溶液と有機溶媒を接触させるときに別途ニトリロ三酢酸トリアミドを添加するものであってもよいものとする。
なお、ランタノイドは、具体的にはランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、プロメチウム(Pm)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、ルテチウム(Lu)である。
抽出対象元素としては、スカンジウム(Sc)、ランタン(La)、セリウム(Ce)
、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)が好ましく、スカンジウム(Sc)が特に好ましい。上記のものであると、特に効率良く抽出することができる。
なお、スカンジウムとランタノイドの酸化数は、通常1〜6価であり、それぞれの元素に応じた安定な酸化数を有しているが、3価、4価、5価が好ましく、3価が特に好ましい。
また、抽出対象元素であるスカンジウム及び/又はランタノイドは、1種類に限られず、2種類以上のスカンジウム及びランタノイドを抽出対象元素とするものであってもよい。
準備工程は、スカンジウム及び/又はランタノイドを含む酸性水溶液を準備する工程であるが、準備方法は特に限定されず、スカンジウム及び/又はランタノイドを含む酸性水溶液を入手しても、或いはスカンジウム及び/又はランタノイドを含む酸性水溶液を自ら調製してもよい。
また、スカンジウム及び/又はランタノイドを含む酸性水溶液を自ら調製する場合の調製方法も特に限定されず、スカンジウム及び/又はランタノイドを含む水溶液に酸を添加しても、或いはスカンジウム及び/又はランタノイドを溶解させるために酸性水溶液とし、それにスカンジウム及び/又はランタノイドを含んだものを添加してもよい。
また、スカンジウム(Sc)を抽出対象元素とする場合の酸性水溶液の水素イオン濃度は、好ましくは2.0M以下、より好ましくは1.0M以下、さらに好ましくは0.2M以下であり、好ましくは0.001M以上、より好ましくは0.01M以上、さらに好ましくは0.1M以上である。
また、ランタン(La)を抽出対象元素とする場合の酸性水溶液の水素イオン濃度は、好ましくは4M以下、より好ましくは3M以下、さらに好ましくは2M以下であり、好ましくは0.4M以上、より好ましくは0.5M以上、さらに好ましくは0.6M以上である。
また、セリウム(Ce)を抽出対象元素とする場合の酸性水溶液の水素イオン濃度は、好ましくは4M以下、より好ましくは3M以下、さらに好ましくは2M以下であり、好ましくは0.4M以上、より好ましくは0.5M以上、さらに好ましくは0.6M以上である。
酸性水溶液に使用する酸の具体的種類は、特に限定されないが、塩酸、硫酸、硝酸等の無機酸が挙げられる。なお、塩酸を使用する場合、酸性水溶液は塩化物イオン(Cl−)を含み、硫酸を使用する場合、酸性水溶液は硫酸イオン(SO4 2−)を含み、硝酸を使用する場合、酸性水溶液は硝酸イオン(NO3 −)を含むと表現することができる。スカンジウムを抽出する場合、この中でも硝酸を使用すること、即ち酸性水溶液は硝酸イオン(NO3 −)を含むことが好ましい。
液液接触工程は、下記一般式(A)で表されるニトリロ三酢酸トリアミドの存在下、準備工程で準備した酸性水溶液と有機溶媒を接触させる工程であるが、一般式(A)で表されるニトリロ三酢酸トリアミドの具体的種類は、特に限定されず、目的に応じて適宜選択することができる。
Rはそれぞれ独立して炭素数1〜20の炭化水素基を表しているが、「炭化水素基」は、直鎖状の飽和炭化水素基に限られず、炭素−炭素不飽和結合、分岐構造、環状構造のそれぞれを有していてもよいことを意味する。また、Rの炭素数は、好ましくは2以上、より好ましくは3以上、さらに好ましくは4以上、さらに好ましくは6以上であり、好ましくは18以下、より好ましくは15以下である。
Rはとしては、ブチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、2−エチルへキシル基、2,2−ジメチルへキシル基等が挙げられる。
一般式(A)で表されるニトリロ三酢酸トリアミドとしては、下記式で表されるものが挙げられる。
なお、酸性水溶液と有機溶媒を振とうする場合の振とう時間は、通常5秒以上、好ましくは10秒以上、より好ましくは20秒以上、さらに好ましくは30秒以上である。上記範囲内であると、スカンジウムをより効率良く抽出することができる。
液液接触工程は、1回に限られず、接触と分液を複数回繰り返してもよい。液液接触工程の回数は、通常1回〜20回の範囲であり、好ましくは2回以上、より好ましくは3回以上、さらに好ましくは4回以上であり、好ましくは15回以下、より好ましくは10回以下、さらに好ましくは5回以下である。上記範囲内であると、スカンジウムやランタノイドを効率良く抽出し易くなる。
また、一般式(A)で表されるニトリロ三酢酸トリアミドの存在下で酸性水溶液と有機溶媒を接触させる方法は、例えば下記の(a)〜(c)の方法が挙げられる。
(a)一般式(A)で表されるニトリロ三酢酸トリアミドを含む有機溶媒溶液を、容器内等で酸性水溶液と接触させる方法。
(b)一般式(A)で表されるニトリロ三酢酸トリアミドを含む酸性水溶液を、容器内等で有機溶媒と接触させる方法。
(c)一般式(A)で表されるニトリロ三酢酸トリアミドと酸性水溶液と有機溶媒をそれぞれ容器等に投入し、接触させる方法。
この中でも、より効率良く抽出することができることから、(a)が特に好ましい。
逆抽出工程は、分液工程で分液した有機溶媒に酸性水溶液を接触させる工程であるが、逆抽出工程で接触させる酸性水溶液の水素イオン濃度等は、特に限定されず、目的に応じて適宜選択することができる。
逆抽出工程で接触させる酸性水溶液の水素イオン濃度は、通常0.1〜8Mの範囲であり、好ましくは7M以下、より好ましくは6M以下、さらに好ましくは5M以下であり、好ましくは1M以上、より好ましくは2M以上、さらに好ましくは4M以上である。
また、スカンジウム(Sc)を逆抽出する場合の酸性水溶液の水素イオン濃度は、好ましく7M以下、より好ましくは6M以下、さらに好ましくは5M以下であり、好ましくは1M以上、より好ましくは2M以上、さらに好ましくは4M以上である。
また、ランタン(La)を逆抽出する場合の酸性水溶液の水素イオン濃度は、好ましくは0.2M以下、より好ましくは0.3M以下、さらに好ましくは0.4M以下であり、好ましくは3M以上、より好ましくは3.5M以上、さらに好ましくは4M以上である。
また、セリウム(Ce)を逆抽出する場合の酸性水溶液の水素イオン濃度は、好ましくは0.2M以下、より好ましくは0.3M以下、さらに好ましくは0.4M以下であり、好ましくは3M以上、より好ましくは3.5M以上、さらに好ましくは4M以上である。
逆抽出工程で接触させる酸性水溶液に使用する酸の具体的種類は、特に限定されないが、塩酸、硫酸、硝酸等の無機酸が挙げられる。なお、塩酸を使用する場合、酸性水溶液は塩化物イオン(Cl−)を含み、硫酸を使用する場合、酸性水溶液は硫酸イオン(SO4 2−)を含み、硝酸を使用する場合、酸性水溶液は硝酸イオン(NO3 −)を含むと表現することができる。スカンジウムを逆抽出する場合、この中でも硫酸を使用すること、即ち酸性水溶液は硫酸イオン(SO4 2−)を含むことが好ましい。
00/1の範囲であり、好ましくは1/50以上、より好ましくは1/10以上、さらに好ましくは1/5以上であり、好ましくは50/1以下、より好ましくは10/1以下、さらに好ましくは5/1以下である。上記範囲内であると、スカンジウムやランタノイドを効率良く逆抽出し易くなる。
前述のように、ニトリロ三酢酸トリアミドは、例えば水素イオン濃度やアニオン濃度によって、それぞれの元素に対する親和性が変化するため、特定の元素を選択的に抽出することも可能となる。従って、酸性水溶液にスカンジウム及びランタノイドから選択される抽出対象元素とスカンジウム及びランタノイドから選択される非抽出対象元素が含まれる場合、抽出対象元素を抽出し、非抽出対象元素と分離することにも利用することができる。
なお、酸性水溶液が、スカンジウム及びランタノイドから選択される抽出対象元素とスカンジウム及びランタノイドから選択される非抽出対象元素とを含み、抽出対象元素を抽出して、非抽出対象元素と分離する態様は、本発明の抽出方法の好ましい態様の1つである。かかる態様は、言い換えれば下記のように表現することができる。
スカンジウム及びランタノイドから選択される抽出対象元素とスカンジウム及びランタノイドから選択される非抽出対象元素を含む酸性水溶液を準備する準備工程、並びに下記一般式(A)で表されるニトリロ三酢酸トリアミドの存在下、前記準備工程で準備した酸性水溶液と有機溶媒を接触させて、抽出対象元素を抽出し、非抽出対象元素と分離する液液接触工程を含むことを特徴とする、スカンジウム及び/又はランタノイドの分離方法。
スカンジウム(Sc)とユウロピウム(Eu)及びガドリニウム(Gd)との分離は、特に困難であるが、これらの元素の分配比(後述の実施例1を参照。)に差が出る、即ちこれらの元素同士について十分な分離係数(後述の実施例1を参照。)が得られることを本発明者らは明らかとしている。特に分配比と分離係数が高くなるように、抽出装置、有機溶媒、添加剤等を選択することによって、これらを効率良く抽出分離することができる。
リロ三酢酸トリアミド濃度依存性)>
3価のスカンジウムイオン(Sm(III))、3価のイットリウムイオン(Y(III))、及び種々の3価のランタノイドイオン(La(III),Ce(III),・・・)を濃度約10ppm含んだ0.2Mの硝酸水溶液と、下記式で表されるニトリロ三酢酸トリアミド(以下、「NTAアミド」と略す場合がある。)をそれぞれ所定の濃度(0.05〜0.4M)含んだn−ドデカン溶液をそれぞれ準備した。なお、硝酸として多摩化学工業株式会社製の超高純度分析用試薬TAMAPURE−AA−100を、希釈水として超純水製造装置(Milli−Q Merck Millipore社製)を用いて調製した超純水を、n−ドデカンとして和光純薬株式会社製の特級試薬を用いた。
ニトリロ三酢酸トリアミドの濃度を0.08Mとし、硝酸(HNO3)の濃度をそれぞれ所定の濃度(0.04〜3.0M)に変更した以外、実施例1と同様の方法により、Sc(III)、Y(III)、及び種々のランタノイドイオンの濃度を定量し、分配比(D)を算出して、その値と硝酸濃度との関係をグラフにまとめた。結果を図2に示す。
図2の結果から、Sc(III)、Y(III)、及び種々のランタノイドイオンの分配比は、硝酸濃度0.2M程度までは硝酸濃度の増加に伴って減少する。一方、La(III)、Ce(III)、Pr(III)、Nd(III)は、硝酸濃度0.2Mから1M程度まで上昇し、1M程度以上では硝酸濃度の増加に伴って低下することが明らかである。また、例えば硝酸濃度0.2Mにおいて、Sc(III)の分配比は、1を超える一方、Y(III)及び種々のランタノイドイオンの分配比は1未満となるため、Sc(III)とY(III)及び種々のランタノイドイオンとの分離が可能であることが明らかである。
3価のスカンジウムイオン(Sc(III))を所定の濃度(10〜333mM)含んだ0.2Mの硝酸水溶液と、下記式で表されるニトリロ三酢酸トリアミドを0.2M含んだn−ドデカン溶液をそれぞれ準備した。
図3の結果から、スカンジウムに対して十分な抽出容量を持つことは明らかである。
3価のスカンジウムイオン(Sc(III))を100ppm含んだ0.2Mの硝酸水溶液と、下記式で表されるニトリロ三酢酸トリアミドを0.1M含んだn−ドデカン溶液をそれぞれ準備した。
う機を用いて、25℃±1℃で所定の時間(10〜300秒)振とうした。その後、5分間遠心分離を行って相分離させ、水相と有機相からそれぞれ溶液をサンプリングし、ICP−AES(ICPS−7510 株式会社島津製作所製)によりそれぞれの溶液についてSc(III)の濃度を定量した。得られた値からSc(III)の分配比(D)を算出し、その値と振とう時間との関係をグラフにまとめた。結果を図4に示す。
図4の結果から、10秒間の振とう以降、Sc(III)の分配比が一定となり、抽出平衡に達していることが明らかである。0.1Mのニトリロ三酢酸トリアミドを用いて、10秒間の振とうで抽出平衡となることから、スカンジウムに対して十分に速い抽出速度を有することが明らかである。
3価のスカンジウムイオン(Sc(III))を1000ppm含んだ0.1Mの硝酸水溶液と、下記式で表されるニトリロ三酢酸トリアミドを0.08M含んだn−ドデカン溶液をそれぞれ準備した。
次に分離した有機相の溶液と所定の濃度(0.1〜3.0M)の硫酸水溶液を等量(容積比)容器にそれぞれ投入し、振とう機を用いて、25℃±1℃で20分間振とうした。その後、5分間遠心分離を行って相分離させ、水相の溶液をサンプリングし、ICP−AES(ICPS−7510 株式会社島津製作所製)により、Sc(III)の濃度を定量して、逆抽出率を決定した。結果を表1に示す。なお、逆抽出率は、下記式により算出することができる。
硫酸水溶液を5.0Mの塩酸溶液に変更した以外、実施例5と同様の方法により、抽出及び逆抽出を行い、逆抽出率を決定した。逆抽出率は44.9%であった。
Claims (5)
- 前記準備工程で準備した酸性水溶液が、硝酸イオン(NO3 −)を含む、請求項1に記載のスカンジウム及び/又はランタノイドの抽出方法。
- さらに前記液液接触工程で接触させた酸性水溶液と有機溶媒を分液する分液工程、及び前記分液工程で分液した有機溶媒に酸性水溶液を接触させる逆抽出工程を含む、請求項1又は2に記載のスカンジウム及び/又はランタノイドの抽出方法。
- 前記逆抽出工程で接触させる酸性水溶液が、硫酸イオン(SO4 2−)を含む、請求項3に記載のスカンジウム及び/又はランタノイドの抽出方法。
- 前記準備工程で準備した酸性水溶液が、スカンジウム及びランタノイドから選択される抽出対象元素とスカンジウム及びランタノイドから選択される非抽出対象元素とを含み、前記抽出対象元素を抽出して、前記非抽出対象元素と分離する、請求項1〜4の何れか1項に記載のスカンジウム及び/又はランタノイドの抽出方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015066732A JP6554745B2 (ja) | 2015-03-27 | 2015-03-27 | スカンジウム及び/又はランタノイドの抽出方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015066732A JP6554745B2 (ja) | 2015-03-27 | 2015-03-27 | スカンジウム及び/又はランタノイドの抽出方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2016186108A true JP2016186108A (ja) | 2016-10-27 |
JP6554745B2 JP6554745B2 (ja) | 2019-08-07 |
Family
ID=57203062
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015066732A Active JP6554745B2 (ja) | 2015-03-27 | 2015-03-27 | スカンジウム及び/又はランタノイドの抽出方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6554745B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018168424A (ja) * | 2017-03-30 | 2018-11-01 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 | 希土類イオンの高精密相互分離法 |
JP2019019400A (ja) * | 2017-07-21 | 2019-02-07 | 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構 | 希土類元素及び/又はアクチノイドの吸着材、それを用いた希土類元素及び/又はアクチノイドの回収方法並びにそれを用いたスカンジウム又はアクチノイドの分離方法 |
Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH11100622A (ja) * | 1997-09-25 | 1999-04-13 | Daihachi Chemical Industry Co Ltd | 希土類金属イオンの分離回収方法 |
WO2012126092A1 (en) * | 2011-03-18 | 2012-09-27 | Orbite Aluminae Inc. | Processes for recovering rare earth elements from aluminum-bearing materials |
WO2013190879A1 (ja) * | 2012-06-19 | 2013-12-27 | 住友金属鉱山株式会社 | スカンジウムの分離精製方法 |
JP2014105200A (ja) * | 2012-11-29 | 2014-06-09 | Japan Atomic Energy Agency | ニトリロトリアセトアミドおよびその合成方法並びにニトリロトリアセトアミドを用いるアクチノイドとランタノイドとの抽出分離方法およびAm/Cm溶媒抽出方法 |
JP2014152382A (ja) * | 2013-02-13 | 2014-08-25 | Japan Atomic Energy Agency | ニトリロトリアセトアミドを用いるレアメタルの抽出分離方法 |
JP2015057505A (ja) * | 2013-08-12 | 2015-03-26 | 国立大学法人九州大学 | 希土類抽出剤及び希土類抽出方法 |
-
2015
- 2015-03-27 JP JP2015066732A patent/JP6554745B2/ja active Active
Patent Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH11100622A (ja) * | 1997-09-25 | 1999-04-13 | Daihachi Chemical Industry Co Ltd | 希土類金属イオンの分離回収方法 |
WO2012126092A1 (en) * | 2011-03-18 | 2012-09-27 | Orbite Aluminae Inc. | Processes for recovering rare earth elements from aluminum-bearing materials |
WO2013190879A1 (ja) * | 2012-06-19 | 2013-12-27 | 住友金属鉱山株式会社 | スカンジウムの分離精製方法 |
JP2014105200A (ja) * | 2012-11-29 | 2014-06-09 | Japan Atomic Energy Agency | ニトリロトリアセトアミドおよびその合成方法並びにニトリロトリアセトアミドを用いるアクチノイドとランタノイドとの抽出分離方法およびAm/Cm溶媒抽出方法 |
JP2014152382A (ja) * | 2013-02-13 | 2014-08-25 | Japan Atomic Energy Agency | ニトリロトリアセトアミドを用いるレアメタルの抽出分離方法 |
JP2015057505A (ja) * | 2013-08-12 | 2015-03-26 | 国立大学法人九州大学 | 希土類抽出剤及び希土類抽出方法 |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018168424A (ja) * | 2017-03-30 | 2018-11-01 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 | 希土類イオンの高精密相互分離法 |
JP2019019400A (ja) * | 2017-07-21 | 2019-02-07 | 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構 | 希土類元素及び/又はアクチノイドの吸着材、それを用いた希土類元素及び/又はアクチノイドの回収方法並びにそれを用いたスカンジウム又はアクチノイドの分離方法 |
JP7066091B2 (ja) | 2017-07-21 | 2022-05-13 | 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構 | 希土類元素及び/又はアクチノイドの吸着材、それを用いた希土類元素及び/又はアクチノイドの回収方法並びにそれを用いたスカンジウム又はアクチノイドの分離方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP6554745B2 (ja) | 2019-08-07 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Yoon et al. | Solvent extraction, separation and recovery of dysprosium (Dy) and neodymium (Nd) from aqueous solutions: Waste recycling strategies for permanent magnet processing | |
Larsson et al. | Selective extraction of metals using ionic liquids for nickel metal hydride battery recycling | |
CA2707933C (en) | Method for extracting and separating rare earth elements | |
JP6573115B2 (ja) | アミド化リン酸エステル化合物、抽出剤、及び抽出方法 | |
JP6693647B2 (ja) | 金属元素の分離方法 | |
WO2015106324A1 (en) | Process for extraction and separation of rare earths by split-anion extraction with ionic liquids | |
JP6554745B2 (ja) | スカンジウム及び/又はランタノイドの抽出方法 | |
CN102041384A (zh) | 协同萃取分离稀土元素的方法 | |
Khaironie et al. | Solvent extraction of light rare earth ions using D2EHPA from nitric acid and sulphuric acid solutions | |
KR20210012013A (ko) | 금속 화합물로부터의 미세 금속 분말의 제조 방법 | |
CN103122410B (zh) | 一种多稀土复杂溶液萃取分组分离轻中重稀土元素的方法 | |
JP5684885B1 (ja) | 希土類抽出剤及び希土類抽出方法 | |
JP2021134421A (ja) | ランタノイド及び/又はアクチノイドの分離法 | |
CN111575493B (zh) | 一种高纯钪产品中杂质的去除方法 | |
JP7066091B2 (ja) | 希土類元素及び/又はアクチノイドの吸着材、それを用いた希土類元素及び/又はアクチノイドの回収方法並びにそれを用いたスカンジウム又はアクチノイドの分離方法 | |
US20140356259A1 (en) | Selective Separation of Rare Earth Metals by Integrated Extraction and Crystallization | |
JP2016060926A (ja) | 金属の分離方法 | |
JP6635259B2 (ja) | アクチノイド及び/又はレアアースの抽出方法 | |
Wejman-Gibas et al. | solvent extraction of zinc (II) from ammonia leaching solution by LIX 54-100, LIX 84 I and TOA | |
JP5931487B2 (ja) | フェニルホスホン酸エステルからなる金属抽出剤 | |
JP2019173071A (ja) | モリブデン及び/又はジルコニウムの分離回収方法 | |
JP7333057B2 (ja) | アメリシウムの抽出方法 | |
Kubota et al. | Application of ionic liquids for rare-earth recovery from waste electric materials | |
JP6614654B2 (ja) | ニトリロ酢酸ジアセトアミド化合物、抽出剤、及び抽出方法 | |
JP6647060B2 (ja) | NdとDyの分離、回収方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20180313 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20180313 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20181207 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20190108 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20190308 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20190604 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20190621 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6554745 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |