WO2013187023A1 - 洗濯機システム - Google Patents

Abstract

　通信ネットワークを介して通信可能な、少なくとも洗濯機（１）および洗濯機情報サーバ（３００）を備えた洗濯機システム（４００）である。洗濯機情報サーバ（３００）は、洗濯動作シーケンス情報と、洗剤情報および柔軟剤情報の少なくとも一方とを記憶する記憶部（３０２）と、記憶部（３０２）に記憶された情報を、通信ネットワークを介して提供する通信部（３０１）とを有している。洗濯機（１）は、洗濯を行う洗濯部（２１）と、洗濯部（２１）の動作を設定する設定操作部と、通信ネットワークを介して洗濯機情報サーバ（３００）と通信し、洗濯機情報サーバ（３００）から提供された情報を取得する通信制御部と、洗濯機情報サーバ（３００）から提供された情報を表示する表示部（２６）とを有している。

Description

洗濯機システム

　本発明は、洗濯機システム、特に、洗濯機と、洗濯機の運転制御に関連する各種データを提供する外部データベースを含むサーバとが、通信ネットワークを介して接続された洗濯機システムに関する。

　従来の洗濯乾燥機は、洗濯乾燥機自身のメモリに記憶された運転制御プログラムに従って、洗濯物を洗濯し、乾燥させる制御を行う。運転制御プログラムは、使用者のニーズに合わせて複数のコースから選択されたり、状況に応じて変更されたりする。複数のコースからの選択は、使用者が、洗濯乾燥機の操作スイッチ類を直接操作することにより行われる。

　このような洗濯乾燥機においては、洗濯物の多種類化、洗剤および柔軟剤の多種類化、および、洗濯方法や乾燥方法の多様化が進んでいる。従って、従来のように、洗濯乾燥機の運転制御部のメモリに、多様な洗濯条件、運転制御プログラムおよび実用知識等を記憶しておくためには、多大なメモリ容量が必要となる。

　洗濯乾燥機自体に大きな容量のメモリを設けることは、洗濯乾燥機の価格上昇の原因となる。また、多様な洗濯条件や実用知識は経年的に変化することが多いが、メモリに最初に保存されたプログラムデータを頻繁に変更することは実用上困難であり、その変化に対応することは難しい。

　一方で、洗濯機等の家電機器を通信ネットワークに接続し、その運転状況をネットワーク端末機器により確認できるようにする技術が従来から知られている。また、洗濯機を通信ネットワークに接続し、洗濯対象項目に応じた運転制御データ等を外部データベースから取得可能とするシステムも知られている。

　例えば、特許文献１および特許文献２には、ランドリー機器における運転制御プログラムの記憶容量軽減や、マイクロコンピュータ等の運転制御部や表示装置の簡素化を図ることが可能で、また、最新の洗濯条件や実用知識への対応も可能となるランドリーシステムが開示されている。

　特許文献１および特許文献２に開示されたランドリーシステムは、ランドリー機器と、ホーム端末と、外部データ提供装置（データベース）とによって構成されている。

　ランドリー機器は、運転制御プログラムに従って洗濯物を洗濯または乾燥する運転制御部に加えて、対端末用通信部を備えている。

　ホーム端末は、表示部、入力部、および制御部等に加えて、ランドリー機器と通信するための対ランドリー用通信部、および、外部データ提供装置と通信するための対外通信部を有している。ホーム端末の制御部は、洗濯対象項目を表示部に表示し、入力部によって洗濯対象項目が選択されると、選択された洗濯対象項目に応じた運転制御データや各種データ等の制御データを外部データ提供装置から取得し、ランドリー機器に転送する。

　このようなランドリーシステムによれば、外部データ提供装置に制御データや実用知識等の運転制御情報を蓄積しておけば、ホーム端末から洗濯対象項目を選択することにより、これに応じた運転制御情報をホーム端末に取り込んで、ランドリー機器に制御データを必要時に転送することができる。この結果、ランドリー機器における制御データの記憶容量軽減、および、マイクロコンピュータ等の運転制御部や表示装置の簡素化を図ることが可能となる。また、最新の洗濯条件や実用知識への対応も容易になる。

　他方、従来から、洗剤の種類に応じた運転を行う機能が付加されている洗濯機も知られている。例えば特許文献３には、使用される洗剤に応じた洗浄時間およびすすぎ時間を設定することのできる洗濯機が開示されている。

　特許文献３に開示された洗濯機は、水槽内の洗浄水およびすすぎ水の透過度を検出する透過度検出部を備えており、洗剤投入前の洗浄水の透過度の値と、洗剤を投入して洗濯動作を開始する前の透過度の値とから、投入された洗剤の種類を判定する。これにより、判定された洗剤の種類に応じて、洗浄時間およびすすぎ時間を適切に設定することができる。

　特許文献３に開示された構成では、予め用意された種類の洗剤のみに応じた設定が可能であり、新しく発売された洗剤には対応することができない。また、洗浄運転開始前に、スイッチ操作によって、洗剤の種類を選択するようにしているが、洗剤の種類が多いと操作性が悪くなるという課題もある。

　また、特許文献１および特許文献２に開示されたランドリーシステムによれば、洗濯機の運転制御に関する各種の情報は外部データ提供装置から提供されるが、洗剤の種類に応じた洗濯機の運転動作の設定に関して、使用者の操作の煩雑さを排除するための構成は開示されていない。

特開２００２－８５８８５号公報 特開２００３－２１０８８７号公報 特開平０７－１２４３７４号公報

　洗剤の種類に応じた運転制御情報の保有の有無に関わらず、洗濯機に対する運転動作の設定操作を煩雑化することなく、使用される洗剤および柔軟剤の少なくとも一方の種類に応じて運転制御プログラムを最適に調整可能な洗濯機システムが提供される。

　通信ネットワークを介して通信可能な、少なくとも洗濯機および洗濯機情報サーバを備えた洗濯機システムが提供される。洗濯機情報サーバは、洗濯動作シーケンス情報と、洗剤情報および柔軟剤情報の少なくとも一方とを記憶する記憶部と、記憶部に記憶された情報を、通信ネットワークを介して提供する通信部とを有している。洗濯機は、洗濯を行う洗濯部と、洗濯部の動作を設定する設定操作部と、通信ネットワークを介して洗濯機情報サーバと通信し、洗濯機情報サーバから提供された情報を取得する通信制御部と、洗濯機情報サーバから提供された情報を表示する表示部とを有している。

図１は、本発明の実施の形態における洗濯機システムの概略構成を示す図である。 図２は、本発明の実施の形態における洗濯機の、洗濯運転中の各工程の一例を示す概念図である。 図３は、本発明の実施の形態における洗濯機システムの構成を示すブロック図である。 図４は、本発明の実施の形態における洗濯機システムの動作ステップを示すフローチャートである。 図５は、本発明の実施の形態における洗濯機システムの動作ステップを示すフローチャートである。 図６は、本発明の実施の形態における洗濯機システムの動作ステップを示すフローチャートである。 図７は、本発明の実施の形態における洗濯機システムの動作ステップを示すフローチャートである。 図８は、本発明の実施の形態における洗濯機システムの動作ステップを示すフローチャートである。 図９は、本発明の実施の形態における洗濯機システムの動作ステップを示すフローチャートである。 図１０は、本発明の実施の形態における洗濯機システムの動作ステップを示すフローチャートである。 図１１は、本発明の実施の形態における情報端末に表示される通信指示画面の一例を示す図である。 図１２は、本発明の実施の形態におけるメニュー画面の一例を示す図である。 図１３は、本発明の実施の形態におけるサーバに記憶された使用者情報データベースの一例を示す図である。 図１４は、本発明の実施の形態における情報端末に表示される洗剤・柔軟剤設定メュー画面の一例を表す図である。 図１５は、本発明の実施の形態におけるサーバ上の洗剤データベースの一例を示す図である。 図１６は、本発明の実施の形態における情報端末に表示される洗剤設定画面の一例を表す図である。 図１７は、本発明の実施の形態における情報端末に表示される洗剤関連画面の一例を表す図である。 図１８は、本発明の実施の形態における情報端末に表示される柔軟剤設定画面の一例を表す図である。 図１９は、本発明の実施の形態における、洗濯機での洗剤・柔軟剤投入量表示の一例を表す図である。 図２０は、本発明の実施の形態における、洗濯機での洗剤・柔軟剤投入量表示の一例を表す図である。 図２１は、本発明の実施の形態における、洗濯機での洗剤・柔軟剤投入量表示の一例を表す図である。 図２２は、本発明の実施の形態における、洗濯機での洗剤・柔軟剤投入量表示の一例を表す図である。

　以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。

　図１は、本発明の実施の形態における洗濯機システム４００の概略構成を示す図である。

　洗濯機システム４００は、洗濯機１と情報端末１０とサーバ３００とを備えている。

　情報端末１０は、ＲＦＩＤ（Ｒａｄｉｏ　Ｆｒｅｑｕｅｎｃｙ　ＩＤｅｎｔｉｆｉｃａｔｉｏｎ）、またはＮＦＣ（Ｎｅａｒ　Ｆｉｅｌｄ　Ｃｏｍｍｕｎｉｃａｔｉｏｎ）によって、リーダ／ライタと通信可能な機器である。

　洗濯機１は、洗濯機１に搭載されたループアンテナ２７を介して、上述した近距離無線通信を利用して情報端末１０と通信する。洗濯機１の洗濯運転は、衣類を洗剤水に浸して洗濯槽を回転することで汚れを落とす洗い運転、洗剤水に浸された衣類を水ですすぐすすぎ運転、水を含んだ衣類を脱水する脱水運転、および、温風をあてて衣類を乾燥させる乾燥運転のうち、少なくとも１つを含んでいる。これらの各運転は、さらに各種工程を含んでいる。例えば、洗い運転であれば、布量判定工程、洗剤量表示工程、給水工程、たたき洗い工程、および、もみ洗い工程等といった各工程を含んでいる。

　図２は、本発明の実施の形態における洗濯機１の、洗濯運転中の各工程の一例を示す概念図である。ここで、洗濯運転においては、洗い、すすぎ、脱水、および乾燥の各運転が実施されるものとする。

　図１に戻って、情報端末１０は、例えば携帯電話機等の通信装置から構成され、ループアンテナ１０６を搭載している。情報端末１０は、ループアンテナ１０６を介して近距離無線通信を利用して洗濯機１と通信するとともに、通信ネットワーク２００を介してサーバ３００（洗濯機情報サーバ）と通信可能に構成されている。情報端末１０は、洗濯機１に搭載されたＲＦＩＤまたはＮＦＣのリーダ／ライタと通信可能な機器であればどのような機器であってもよいが、可搬性のある機器がより好ましい。

　また、サーバ３００は、公知のサーバコンピュータ等から構成され、通信ネットワーク２００を介して情報端末１０と通信可能に構成されている。

　図３は、本発明の実施の形態における洗濯機システム４００の構成を示すブロック図である。

　情報端末１０は、第１通信部１０１、第２通信部１０２、報知部１０３、操作部１０４、制御部１０５、およびループアンテナ１０６を備えている。

　第１通信部１０１は、ループアンテナ１０６を介して近距離無線通信を利用して洗濯機１と通信する。

　ループアンテナ１０６は、近距離無線通信を行うためのアンテナである。本実施の形態では、近距離無線通信として、例えば１３．５６ＭＨｚ帯を用いる高周波数帯域のＲＦＩＤまたはＮＦＣを想定しているが、使用周波数帯は、この周波数帯に限定されるものではない。近距離無線通信の周波数帯は、９０ＭＨｚ～１ＧＨｚのＶＨＦ帯またはＵＨＦ帯であってもよく、２ＧＨｚ帯を越える周波数帯であってもよい。

　近距離無線通信においては、通信距離が短いので、通信を行う二つの無線通信機器のループアンテナ同士を接近させる必要がある。無線通信機器のループアンテナが実装されている面には、ループアンテナの位置を表すマークが付されており、使用者は、二つの無線通信機器のマーク同士を接近させて、二つの無線通信機器間で通信を行わせる。例えば、携帯電話機に内蔵されるＲＦＩＤでは、ループアンテナの出力を上げることができないため、数ｍｍ単位でのループアンテナ同士の位置合わせが必要であり、互いのループアンテナを正確に接近させる必要がある。

　情報端末１０の第１通信部１０１がループアンテナ１０６に電流を流すと、ループアンテナ１０６を通る磁束が発生する。ループアンテナ１０６と洗濯機１のループアンテナ２７とが十分に接近している場合には、ループアンテナ１０６を通る磁束が、洗濯機１のループアンテナ２７を通過する。これにより、ループアンテナ２７とループアンテナ１０６とが磁気的に結合する。情報端末１０の第１通信部がループアンテナ１０６の電流を変化させれば、ループアンテナ１０６を通る磁束が変化し、ループアンテナ２７を通る磁束もそれに応じて変化する。そして、洗濯機１の通信部２２によってループアンテナ２７を通る磁束の変化が検知されることにより、情報端末１０から洗濯機１への情報の送信が行われる。

　逆に、洗濯機１の通信部２２によりループアンテナ２７の給電点の負荷インピーダンスを変化させることにより、ループアンテナ２７を通る磁束が変化する。この磁束の変化は、ループアンテナ１０６に流れる電流の変化となり、この電流の変化が情報端末１０の第１通信部１０１に検知されることにより、洗濯機１から情報端末１０への情報の送信が行われる。

　上述したように、洗濯機１と情報端末１０との情報の送受信は、ループアンテナ１０６とループアンテナ２７との磁気的な結合によって実現される。また、磁気的な結合のための磁束の発生は、情報端末１０のループアンテナ１０６への給電によって実現されているが、その給電の出力を上げることができないため、ループアンテナ１０６とループアンテナ２７とを接近させることが必要となる。

　なお、本実施の形態において、第１通信部１０１は、ループアンテナ１０６を介した近距離無線通信を利用して洗濯機１と通信しているが、本発明は特にこの例に限定されない。例えば、近距離無線通信以外の、電波または光等を用いた他の通信方式を利用してもよい。

　第２通信部１０２は、通信ネットワーク２００を利用してサーバ３００と通信する。なお、通信ネットワーク２００は、例えば移動体通信網である。

　報知部１０３は、使用者に洗濯機１で利用する洗剤または柔軟剤を選択・設定させるための画面と、設定された洗剤または柔軟剤に関する情報を洗濯機１に送信することを使用者に指示する通信指示画面とを表示する。

　操作部１０４は、例えばタッチパネルまたは操作キー等で構成され、使用者による入力操作を受け付け、報知部１０３に表示される洗剤または柔軟剤を選択・設定させる画面での入力操作等に利用される。

　制御部１０５は、情報端末１０全体を制御し、表示制御部１０５ａ、第１通信制御部１０５ｂ、および第２通信制御部１０５ｃを備えている。

　表示制御部１０５ａは、報知部１０３に表示される表示画面を切り替える。例えば、洗剤または柔軟剤を選択・設定させるための画面での選択・設定が終了した後に、通信指示画面に切り換える。第１通信制御部１０５ｂは、第１通信部１０１を制御する。第２通信制御部１０５ｃは、第２通信部１０２を制御する。

　本実施の形態において、通信指示画面は、情報端末１０と洗濯機１とを通信させるために、情報端末１０のループアンテナ１０６と洗濯機１のループアンテナ２７とを近接させることを使用者に指示するための画面である。第１通信部１０１は、第１通信部１０１と洗濯機１とが通信可能な距離に近接された後に、洗剤または柔軟剤に関する情報を洗濯機１に送信する。

　第２通信部１０２は、サーバ３００が決定した、報知部１０３に表示すべき文言をサーバ３００から受信する。表示すべき文言とは、使用者に洗濯機１で利用する洗剤または柔軟剤を選択・設定させるための画面に出力する文言であったり、すでに選択された洗剤または柔軟剤の設定を画面に出力する文言であったり、使用者に洗濯機１と情報端末１０とを近接させることを指示する文言であったりする。

　第２通信部１０２は、さらに、サーバ３００が決定した、洗濯機１に送信すべき情報をサーバ３００から受信する。洗濯機１に送信すべき情報とは、使用者が選択した洗剤または柔軟剤に対応した、洗濯機１の制御および表示に利用される情報である。

　次に、洗濯機１は、洗濯機本来の機能である、洗い、すすぎ、脱水、および乾燥等を行う、洗濯部２１、通信部２２、制御部２３、記憶部２４、操作部２５、表示部２６、およびループアンテナ２７を備えている。

　洗濯部２１は、洗い、すすぎ、脱水、および乾燥の各機能を実現するものであり、洗濯槽を回すモータ、洗濯水（洗浄水、すすぎ水）の給水量を調整する給水弁、洗濯水を排水する排水弁、洗濯水を循環させるための循環ポンプ、風呂水を洗濯機１に引き入れるために使用されるバスポンプ、衣類を乾燥させるための温風を発生するヒータ、および、温風を循環させるファン等から構成されている。

　通信部２２（通信制御部とも記す）は、ループアンテナ２７を介した近距離無線通信により、種々の情報を情報端末１０と双方向に送信および受信する。ループアンテナ２７は、近距離無線通信を行うためのアンテナである。なお、通信部２２は、受信部および送信部としての機能を果たす。洗濯機１は、通信部２２によって情報端末１０と通信し、情報端末１０により通信ネットワーク２００を介してサーバ３００と通信する。

　なお、本実施の形態においては、サーバ３００と洗濯機１との通信が、情報端末１０を介して行われるものとしたが、これに限られず、洗濯機１とサーバ３００とが、ネットワークを介して直接通信する構成であってもよい。

　制御部２３は、マイクロコンピュータであり、洗濯機１を機能させるために予め作成されたプログラムやデータ等を格納するメモリを備えている。また、制御部２３は、工程管理部２３ａ、水位決定部２３ｂ、応答内容決定部２３ｃ、布量検知部２３ｄ、および運転予約制御部２３ｅを備えている。

　工程管理部２３ａは、各運転（洗い、すすぎ、脱水、乾燥）において実施される工程を管理するともに、洗濯部２１を制御する。洗濯部２１を制御するとは、例えば、洗濯槽の揺れを検知しながらモータの回転を制御したり、洗濯槽に給水された水位を検知して給水弁を開閉したり、排水弁を開閉したり、温風の温度を検知しながらヒータをＯＮ／ＯＦＦしたりすることである。

　制御部２３は、洗濯部２１を制御して、洗濯機に投入された衣類の量を検知する布量検知部２３ｄを備えている。布量検知部２３ｄは、衣類が投入された洗濯槽を回すモータを一定トルクで駆動するように洗濯部２１を制御し、洗濯槽の回転数を監視することにより、洗濯槽に投入された衣類の量を検知する。なお、布量検知の方式は、特にこの方式に限定されるものではなく、洗濯機に投入された衣類の量を検知することができるものであればよい。例えば、給水時の洗濯槽内の水位の変位速度を検知する方式でもよいし、洗濯槽を支持する機構部品に備わった重量計を利用する方式であってもよい。

　制御部２３は、洗濯動作時に、洗濯槽内に給水する水位を決定する水位決定部２３ｂを備えている。水位決定部２３ｂは、布量検知部２３ｄによって検知された衣類の量によって水位を決定する。布量が多い場合には水位を高めにし、少ない場合には水位を低めにする。こうすることにより、洗濯機１に投入された衣類の量に応じて、不必要に水を利用することなく、必要な洗浄性能、および、すすぎ性能を得ることが出来る。また、水位決定部２３ｂは、操作部２５（設定操作部とも記す）によって、使用者により水位設定が指示されている場合には、その水位設定に従って水位を決定する。

　応答内容決定部２３ｃは、情報端末１０から、通信部２２を経由して洗濯機特定情報（後述）の問い合わせを受けたときに、その問い合わせに対する応答内容を決定する。また、応答内容決定部２３ｃは、現在の洗濯機本体の状態等の、洗濯機１の情報を問い合わせる信号を受信したときに、その問合せ信号に対する応答内容を決定する。

　記憶部２４は、洗濯機特定情報記憶部２４ａ、洗剤量表示データ記憶部２４ｂ、柔軟剤量表示データ記憶部２４ｃ、および、すすぎ回数設定記憶部２４ｄを備えている。

　洗濯機特定情報記憶部２４ａは、洗濯機１を特定するための洗濯機特定情報、例えば洗濯機１の型番号およびシリアルナンバー等を予め記憶している。なお、洗濯機特定情報は、製造時等に予め記憶されるものとする。

　洗剤量表示データ記憶部２４ｂには、情報端末１０で使用者が指定した洗剤について、洗濯機１での洗濯時に、水位決定部２３ｂで決定された水位にもとづいて投入すべき洗剤量（洗剤情報とも記す）を決定するための情報が記憶されている。なお、洗剤情報は、投入すべき洗剤量に限られず、洗濯時の水量等であってもよい。洗剤情報は、洗剤の種類によって、異なる洗濯性能を決定するパラメータであればよく、表示部２６に表示されない情報であってもよい。

　柔軟剤量表示データ記憶部２４ｃには、情報端末１０で使用者が指定した柔軟剤について、洗濯機１での洗濯時に、水位決定部２３ｂで決定された水位にもとづいて投入すべき柔軟剤量（柔軟剤情報とも記す）を決定するための情報を記憶する。なお、柔軟剤情報は、投入すべき柔軟剤量に限られず、洗濯時の水量等であってもよい。柔軟剤情報は、柔軟剤の種類によって、異なる洗濯性能を決定するパラメータであればよく、表示部２６に表示されない情報であってもよい。

　すすぎ回数設定記憶部２４ｄには、洗濯機１が洗濯時にすすぎを何回実施するか、という洗濯動作シーケンス情報が記憶されている。工程管理部２３ａは、すすぎ回数設定記憶部２４ｄに記憶された情報に基づき、図２に記載されたすすぎ運転において、すすぎを何回実施するかを決定して、洗濯部２１を制御する。なお、洗濯動作シーケンス情報は、すすぎ回数に限られず、洗濯時のモータの回転数等であってもよい。洗濯動作シーケンス情報は、洗剤や柔軟剤の種類によって、異なる洗濯性能を決定する洗濯動作シーケンスに関わるパラメータであればよい。

　操作部２５は、例えば操作ボタン等により構成され、使用者による入力操作を受け付ける。

　表示部２６は、例えば７セグメントＬＥＤで構成され、水位設定、洗い時間、すすぎ回数、脱水時間、洗剤量表示、柔軟剤量表示、残り時間および予約時刻等をデジタル表示する。

　なお、本実施の形態においては、操作部２５を操作ボタン、表示部２６を７セグメントＬＥＤとして説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。例えば、表示部２６を液晶パネルで構成してもよいし、操作部２５をタッチパネルで構成してもよい。表示部２６をドットマトリクス方式の液晶パネルで構成し、操作部２５の一部または全てを、この液晶パネルと組み合わせたタッチパネルで構成することもできる。この場合には、使用者に対して文章、写真、または図等を使って情報を提供しつつ、選択肢を提示するためのボタンを液晶パネルに図として表示させ、そのボタン領域の使用者による選択をタッチパネルで検出することができる。これにより、より直感的でわかりやすい表示部２６および操作部２５の構成を実現することができる。

　次に、サーバ３００は、通信部３０１、記憶部３０２および制御部３０３を備えている。

　通信部３０１は、通信ネットワーク２００を利用して情報端末１０と通信する。

　記憶部３０２は、情報端末１０に表示されるメニュー画面を、洗濯機１の製品毎に記憶している。さらに、記憶部３０２には、情報端末１０に表示される洗剤および柔軟剤の種類と、それらの種類毎の基準の布量に対して、投入すべき洗剤および柔軟剤の量と、洗剤の種類毎に洗剤の特性によって推奨されるすすぎ回数の情報等とが記憶されている。

　制御部３０３は、ＣＰＵ等から構成され、通信部３０１の動作を制御するとともに、通信部３０１を介して受信した情報、および、記憶部３０２に記憶された情報に基づいて、サーバ３００の通信部３０１を介して情報端末１０に送信すべき情報を生成する。

　次に、本発明の実施の形態における洗濯機システム４００の動作を説明する。

　図４～図１０は、本発明の実施の形態における洗濯機システム４００の動作ステップを示すフローチャートである。

　図４～図９は、使用者によって、洗剤および柔軟剤の少なくともいずれかが選択・設定される動作を説明するための図である。また、図１０は、使用者によって設定された洗剤および柔軟剤の少なくともいずれかに対応する設定に対応する洗濯機１の動作を説明する図である。

　まず、図４に示したように、情報端末１０の制御部１０５は、洗濯機１を制御するための画面を報知部１０３に表示するためのアプリケーションを起動する（Ｓ６０１）。このとき、操作部１０４は、使用者によるアプリケーションの起動指示を受け付け、制御部１０５は、受け付けられた起動指示に基づいてアプリケーションを起動する。

　次に、表示制御部１０５ａは、使用者情報を使用者に入力させるための使用者情報入力画面を報知部１０３に表示する（Ｓ６０２）。ここで、使用者情報とは、使用者を特定するためのＩＤ番号と、パスワードとからなる情報であり、本ステップ以前に使用者によって設定され、サーバ３００に記録されている情報である。情報端末１０の報知部１０３は、ＩＤ番号とパスワードとが入力される画面を表示し、使用者が、情報端末１０の操作部１０４によってＩＤ番号とパスワードとを入力する。

　次に、情報端末１０は、サーバ３００に、入力されたＩＤ番号とパスワードとを送信する（Ｓ６０３）。

　サーバ３００は、送信されたＩＤ番号とパスワードとを受信する（Ｓ６３１）。そして、制御部３０３は、予めサーバ３００に記録されているＩＤ番号およびパスワードと、ステップＳ６３１で受信したものとを比較し、一致するか否かによって、使用者が予め登録された使用者か否かを認証する（Ｓ６３２）。そして、その認証結果が情報端末１０に送信される（Ｓ６３３）。

　情報端末１０は、使用者に対する認証結果を受信する（Ｓ６０４）。認証結果が「ＯＫ」であった場合（Ｓ６０５，ＹＥＳ）にはステップＳ６０６に進み、認証がなされなかった場合（Ｓ６０５，ＮＯ）にはステップＳ６０２に戻って、使用者情報入力画面が再表示され、再度正しいＩＤ番号およびパスワードを使用者に入力させる。

　ステップＳ６０６において、表示制御部１０５ａは、第１通信部１０１と洗濯機１とを通信させるために、第１通信部１０１と洗濯機１とを近接させることを使用者に指示するための通信指示画面を表示するよう、報知部１０３を制御する。そして、報知部１０３は、通信指示画面を表示する。通信指示画面は、情報端末１０のループアンテナ１０６と、洗濯機１のループアンテナ２７とを近接させることを使用者に指示するための画面である。通信指示画面は、情報端末１０が備える記憶部に予め記憶されており、表示制御部１０５ａは、記憶部から通信指示画面を読み出して報知部１０３に表示する。

　図１１は、本発明の実施の形態における情報端末１０に表示される通信指示画面の一例を示す図である。

　図１１に示した通信指示画面Ｇ１には、「対応家電にタッチしてください」というメッセージが表示されている。通信指示画面Ｇ１は、情報端末１０を洗濯機１に近接させるように使用者を誘導する画面である。情報端末１０の報知部１０３に通信指示画面Ｇ１が表示されると、使用者は、情報端末１０と洗濯機１とが近距離無線通信により通信可能な距離になるように、情報端末１０のループアンテナ１０６と、洗濯機１のループアンテナ２７とを近接させる。

　本実施の形態においては、使用者が情報端末１０のループアンテナ１０６と洗濯機１のループアンテナ２７とを近接させることによって通信が可能となる近距離無線通信を利用している。この方式では、通信に際して、使用者の操作が必要になるが、使用者が通信対象を明確に認識し、選択することになる。これにより、使用者が複数の操作対象となる機器を所有している場合にも、操作対象となる機器を直感的に指定することができる。

　図４に戻って、第１通信制御部１０５ｂは、報知部１０３に通信指示画面が表示された後、洗濯機１を特定するための洗濯機特定情報を要求する要求情報を洗濯機１へ送信するよう、第１通信部１０１を制御する。第１通信部１０１は、報知部１０３に通信指示画面が表示された後、要求情報を洗濯機１へ送信する（Ｓ６０７）。第１通信部１０１は、報知部１０３に通信指示画面が表示されたことに連動して、洗濯機１に要求情報の送信を開始する。

　次に、洗濯機１の通信部２２は、第１通信部１０１と洗濯機１とが通信可能な距離に近接された後、情報端末１０の第１通信部１０１によって送信された要求情報を受信する（Ｓ６７１）。

　洗濯機１の応答内容決定部２３ｃは、洗濯機特定情報記憶部２４ａから洗濯機特定情報を読み出す（Ｓ６７２）。

　次に、応答内容決定部２３ｃは、洗濯機特定情報を情報端末１０へ送信するように通信部２２を制御する。通信部２２は、洗濯機特定情報を情報端末１０に送信する（Ｓ６７３）。

　なお、上述した要求情報には、情報端末１０を特定するためのアドレス情報が含まれており、通信部２２は、要求情報に含まれるアドレス情報に基づいて洗濯機特定情報を情報端末１０に送信することができる。

　なお、応答内容決定部２３ｃは、洗濯機特定情報とともに、洗濯機１の使用履歴およびエラー情報等の状態情報を情報端末１０に送信してもよい。エラー情報は、例えば洗濯部２１によって、モータやヒータ等の負荷の状態や、水位センサ、温度センサのセンシング情報等を監視することによって検知される。

　次に、情報端末１０の第１通信部１０１は、洗濯機１の通信部２２から送信された洗濯機特定情報を受信する（Ｓ６０８）。

　次に、図５に示すように、第２通信制御部１０５ｃは、第１通信部１０１によって受信された洗濯機特定情報をサーバ３００へ送信するよう、第２通信部１０２を制御する。第２通信部１０２は、第１通信部１０１によって受信された洗濯機特定情報をサーバ３００に送信する（Ｓ７０１）。洗濯機１から送信される洗濯機特定情報は、サーバ３００を特定するためのアドレス情報とともに送信されるので、第２通信部１０２は、洗濯機特定情報とともに送信されるアドレス情報に基づいて、洗濯機特定情報をサーバ３００へ送信する。

　なお、本実施の形態では、洗濯機１から送信される洗濯機特定情報とともにサーバ３００を特定するためのアドレス情報が送信されるものとして説明したが、本発明は特にこれに限定されない。例えば、情報端末１０がサーバ３００を特定するためのアドレス情報を記憶していてもよい。

　サーバ３００の通信部３０１は、情報端末１０の第２通信部１０２から送信された洗濯機特定情報を受信する（Ｓ７１１）。

　制御部３０３は、洗濯機特定情報によって特定された洗濯機１に応じたメニュー画面情報を作成する（Ｓ７１２）。具体的には、制御部３０３は、洗濯機特定情報によって特定される洗濯機１に応じたメニュー画面を記憶部３０２から読み出す。

　通信部３０１は、洗濯機１に固有のメニュー画面を表示させるためのメニュー画面情報を情報端末１０へ送信する（Ｓ７１３）。

　情報端末１０の第２通信部１０２は、サーバ３００の通信部３０１から送信されたメニュー画面情報を受信する（Ｓ７０２）。

　表示制御部１０５ａは、第２通信部１０２によって受信されたメニュー画面情報に基づいて表示画面をメニュー画面に切り替える。報知部１０３は、第２通信部１０２によって受信されたメニュー画面情報に基づいてメニュー画面を表示する（Ｓ７０３）。

　なお、本実施の形態において、洗濯機１についてのメニュー画面の表示に関して、情報端末１０から洗濯機１に対して要求情報を送信し、その要求に洗濯機１から応答を送信し返すことで洗濯機１を特定する方法を説明したが、本発明はこの方法に限定されない。例えば、情報端末１０は、図４のステップＳ６０５で使用者の認証が終了した後に、サーバ３００から利用可能な電気機器毎に固有のメニュー画面のリスト情報を取得して、そのリストを報知部１０３に表示することもできる。そして、使用している電気機器（洗濯機１）を、使用者が操作部１０４を介して選択することによって、どのリストが選択されたかが情報端末１０からサーバ３００へと送信される。この方法によっても、情報端末１０の第２通信部１０２は、サーバ３００の通信部３０１から送信されたメニュー画面情報を受信し（Ｓ７０２）、表示制御部１０５ａは、第２通信部１０２によって受信されたメニュー画面情報に基づいて表示画面をメニュー画面に切り替える（Ｓ７０３）ことができる。この方法によれば、情報端末１０と洗濯機１とを通信させることなくメニュー画面を表示させることができる。

　メニュー画面が表示されている間、操作部１０４は、使用者による、メニュー画面に表示されている項目の選択を受け付け（Ｓ７０４）、以下、選択された項目に応じた画面の表示、および選択された項目に応じた洗濯機１の制御が行われる。

　図１２は、本発明の実施の形態におけるメニュー画面の一例を示す図である。

　図１２に示したメニュー画面Ｇ２には、洗濯機１の製品名および製品番号を表す製品名表示５０１、洗濯機１の省エネルギー状態に関する情報を表示するためのエコ情報表示ボタン５０２、および、洗濯機１のサポート情報を表示するためのサポート情報表示ボタン５０３が表示されている。また、メニュー画面Ｇ２には、現在の洗濯機本体の状態を問い合わせるための状況確認表示ボタン５０４、および洗濯機の洗剤および柔軟剤情報を設定するための設定表示ボタン５０５が表示されている。

　エコ情報表示ボタン５０２、サポート情報表示ボタン５０３、状況確認表示ボタン５０４、および設定表示ボタン５０５は、操作部１０４を介して選択可能である。エコ情報表示ボタン５０２が選択されると、洗濯機１の消費電力等の省エネルギーに関する情報を表す画面が表示される。サポート情報表示ボタン５０３が選択されると、洗濯機１をサポートするための情報を表す画面が表示される。また、状況確認表示ボタン５０４が選択されると、現在の洗濯機本体の状態を問い合わせるために情報端末１０と洗濯機１とを通信させる通信指示画面が表示される。なお、メニュー画面Ｇ２に表示される項目は、図１２に示した項目に限定されず、種々の項目を表示することが可能である。

　図５に戻って、図１２のメニュー画面Ｇ２において設定表示ボタン５０５が選択された場合（Ｓ７０４，ＹＥＳ）には、ステップＳ７０５に進んで、情報端末１０に設定説明画面が表示される。設定説明画面は、使用者に対して、洗剤および柔軟剤を設定する方法についての説明文を記載した画面であり、説明内容が確認された後に、使用者による次ステップへの移行指示を受付けるためのボタンが表示される。一方、設定表示ボタン５０５が選択されない場合には、ステップＳ７０４が繰り返される（Ｓ７０４，ＮＯ）。

　そして、次ステップへの移行が使用者から指示されると（Ｓ７０６，ＹＥＳ）、ステップＳ７０７に進んで、サーバ３００に設定画面情報の要求が送信される。一方、使用者から次ステップへの移行が指示されない場合には、ステップＳ７０５に戻る（Ｓ７０６，ＮＯ）。

　サーバ３００は、情報端末１０からの設定画面情報要求を受信（Ｓ７７１）した後、使用者毎に記憶部３０２に記憶されている洗剤および柔軟剤に関する設定内容を読み出して、情報端末１０に表示すべき設定画面情報を作成する（Ｓ７７２）。そして、サーバ３００から情報端末１０に設定画面情報が送信される（Ｓ７７３）。

　図１３は、本発明の実施の形態におけるサーバ３００に記憶された使用者情報データベースの一例を示す図である。

　図１３に示した使用者情報データベースは、使用者毎に記憶部３０２に記憶されている、洗剤および柔軟剤に関する設定のデータベースである。使用者毎に一行で表されており、例えば使用者Ａに対しては、洗剤は「洗剤Ａ」、柔軟剤は「柔軟剤Ａ」、すすぎ回数は「二回」という値が、設定値として記憶されている。使用者の特定は、図４のステップＳ６０２で使用者が入力した、使用者を特定する為のＩＤ番号によって行われる。

　図５に戻って、情報端末１０は、サーバ３００から送信された設定画面情報にもとづき、設定メニュー画面を表示する（Ｓ７０８）。

　図１４は、本発明の実施の形態における情報端末１０に表示される洗剤・柔軟剤設定メュー画面の一例を表す図である。

　図１４に示した設定メニュー画面Ｇ４には、使用者が過去に設定した洗剤の銘柄（種類）を表示し、かつ、選択されると洗剤の銘柄を選択する画面が呼び出されるボタン７０１と、柔軟剤の銘柄（種類）を表示し、かつ、選択されると柔軟剤の銘柄を選択する画面が呼び出されるボタン７０３とが表示されている。また、設定メニュー画面Ｇ４は、洗濯運転時にすすぎを何回実施するかの設定を表示する表示７０２と、それらの洗剤および柔軟剤に関連する情報を洗濯機１に設定する処理を実行させるためのボタン７０４とを備えている。

　図６は、本発明の実施の形態における、情報端末１０に設定メニュー画面Ｇ４が表示されたときの処理を示すフローチャートである。

　図６に示したように、洗剤および柔軟剤に関連する情報を洗濯機１に設定するためのボタン７０４が選択される（Ｓ８０１，ＹＥＳ）と、図７のフローチャートで説明する処理（ステップ（Ｃ））に移行する。

　一方、ステップＳ８０１において、設定転送の指示が受け付けられない場合（Ｓ８０１，ＮＯ）には、ステップＳ８０２に進む。

　ステップＳ８０２において、洗剤の銘柄を選択するためのボタン７０１が選択されると（Ｓ８０２，ＹＥＳ）、図８のフローチャートで説明する処理（ステップ（Ｄ））に移行する。

　一方、ステップＳ８０２において、洗剤設定の変更がなされない場合（Ｓ８０２，ＮＯ）には、ステップＳ８０３に進む。

　ステップＳ８０３において、柔軟剤の銘柄を選択するためのボタン７０３が選択されると（Ｓ８０３，ＹＥＳ）、柔軟剤の銘柄を選択するための処理（ステップ（Ｅ））に移行する。なお、本実施の形態において、ステップ（Ｅ）は洗剤の銘柄を選択する際の処理ステップ（Ｄ）とほぼ同様のステップなので、ステップ（Ｄ）を援用して、その説明を省略する。なお、ステップＳ８０３において、柔軟剤の変更が行われなかった場合には、ステップＳ８０１に戻る（Ｓ８０３，ＮＯ）。

　図８を用いて、洗剤の銘柄を設定する処理について説明する。

　情報端末１０は、洗剤設定画面を表示するための要求をサーバ３００に送信する（Ｓ１００１）。

　サーバ３００は、洗剤設定画面の要求を情報端末１０から受信する（Ｓ１０１１）。そして、サーバ３００は、洗剤設定画面情報を生成する（Ｓ１０１２）。洗剤設定画面情報は、記憶部３０２に記録された洗剤銘柄のデータベース、および、使用者毎に記録された選択中の洗剤銘柄設定のデータベースの情報から生成される。

　図１５は、本発明の実施の形態におけるサーバ３００上の洗剤データベースの一例を示す図である。

　図１５においては、洗剤毎に、洗剤名称、基準水量に対して洗剤を投入すべき投入量の係数、およびその洗剤銘柄に対して推奨されているすすぎ回数が記録されている。このデータベースがサーバ３００に記録されているので、洗剤が新規に発売された場合であっても、サーバ３００のデータベースを更新することで、洗濯機システム４００全体として簡便に対応することができる。

　ここで、洗濯動作の際に投入すべき洗剤の量について説明する。洗濯時に投入される洗剤量は、多すぎると泡が大量に発生して洗濯機１からあふれでるおそれがある。また、排水時に排水口からあふれでるおそれもある。さらに、泡が大量に発生した状態で脱水を行うと、脱水時にかかるモータの負荷が増大するという課題もある。逆に洗剤量が少なすぎると、適切な洗浄性能を得ることができないという課題がある。

　上述したような課題を回避するために、適切な量の洗剤を洗濯機１に投入する必要があるが、適切な量は、洗剤を投入する際の洗濯機１内の水量によって異なる。例えば、ドラム式の洗濯機１の場合には、使用する水量が少ないので、洗剤を多く投入すると過大な泡の発生が起こりうる。

　多くの洗剤のパッケージには、適切な投入量を示す表示が記載されているが、それはある基準の水量を仮定して、その水量に対して適切な量を重量で表示するものである。また、単に重量で表示しても毎回の洗濯時に重量を計測することは簡便とは言えないので、洗剤にスプーン等の計量器を同梱し、その計量器での杯数も併せて表示することが一般的である。ここで、異なる種類の洗剤については、同梱される計量器の大きさも当然異なるので、基準となる水量が同じであっても、杯数の表示は洗剤によって異なることになる。

　図１５に示した基準水量に対する洗剤投入量係数とは、この杯数の表示を洗濯機１で洗剤毎に適切に行うための係数であり、基準の水量に対して、洗剤に同梱した計量器にて何杯の投入が適切かを示すものである。図１５の例では、洗剤Ａに対する基準水量に対する洗剤投入量係数は「１００」となっている。これは、基準の水量に対して、洗剤に同梱された計量器にて１００／１００＝１杯の投入が適切であることを示している。また、洗剤Ｃの係数は「８０」であることから、８０／１００＝０．８杯の投入が適切であることが示されている。

　なお、図１５は洗剤に対するデータベースの例であるが、柔軟剤に対しても同様のデータベースを持つものとする。なお、柔軟剤のデータベースにおいては、推奨すすぎ回数の情報は不要である。

　図８に戻って、サーバ３００は、ステップＳ１０１２で生成された洗剤設定画面情報を情報端末１０に送信する（Ｓ１０１３）。

　情報端末１０は、洗剤設定画面情報を受信し（Ｓ１００２）、洗剤設定画面を表示する（Ｓ１００３）。

　図１６は、本発明の実施の形態における情報端末１０に表示される洗剤設定画面の一例を表す図である。

　洗剤設定画面Ｇ５上には、サーバ３００に記憶された各洗剤銘柄の名称と、それぞれの洗剤を選択するためのボタンとが表示される。例えば、「洗剤Ａ」を選択する際にはボタン８０１を、「洗剤Ｂ」を選択する際にはボタン８０２を、使用者が情報端末１０の操作部１０４を用いて選択する。なお、洗剤設定画面Ｇ５では、洗剤選択用のボタンの中でボタン８０１だけが塗りつぶされており、これは、使用者が現在選択している洗剤が「洗剤Ａ」であることを示している。

　図８に戻って、使用者が現在選択されているボタンとは異なる他のボタンを選択した場合（Ｓ１００４，ＹＥＳ）には、ステップＳ１００５に移行して、洗剤設定表示を変更する。例えば、使用者が洗剤設定画面Ｇ５にてボタン８０２を選択すると、ボタン８０１は他の洗剤と同様の表示（白抜き）となり、変わってボタン８０２が塗りつぶされた表示となる。

　なお、使用者が使用する洗剤が洗剤設定画面Ｇ５に無かった場合には、ボタン８０３（「該当なし」）が選択される。また、ボタン８０４（「初期設定」）は、サーバ３００に記憶された使用者の洗剤に関する情報を初期設定に戻す場合に選択される。

　使用者が現在選択されているボタンを変更せずに（Ｓ１００４，ＮＯ）、図１６中の洗剤設定画面Ｇ５にてボタン８０５が選択されると、洗剤設定画面Ｇ５での洗剤設定操作が終了して、洗剤が決定される（Ｓ１００６，ＹＥＳ）。そして、次のステップＳ１００７に移行する。なお、ステップＳ１００６において特に洗剤決定操作が実施されなかった場合（Ｓ１００６，ＮＯ）には、ステップＳ１００４に戻り、洗剤設定画面の表示と、使用者による操作を受付ける処理とが継続される。

　情報端末１０は、ステップＳ１００６で選択された洗剤を特定する情報をサーバ３００に送信し（Ｓ１００７）、サーバ３００はその情報を受信する（Ｓ１０７１）。

　サーバ３００は、情報端末１０から送られた洗剤情報を記憶部３０２中の使用者毎の洗剤・柔軟剤関連設定データベース（図１３参照）に記憶し（Ｓ１０７２）、選択された洗剤に関連して情報端末１０で表示すべき情報（選択洗剤関連画面情報）が送信される（Ｓ１０７３）。情報端末１０は、その選択洗剤関連画面情報を受信し（Ｓ１００８）、洗剤関連画面として表示する（Ｓ１００９）。

　図１７は、本発明の実施の形態における情報端末１０に表示される洗剤関連画面の一例を表す図である。

　図１７の洗剤関連画面Ｇ６には、洗剤メーカが推奨しているすすぎ回数が「一回」であることを示す表示９０１と、すすぎ回数を、推奨されている「一回」にするか否かを使用者に問いかける表示９０２とが表示されている。さらに、使用者が選択するボタンとして、すすぎ一回設定用のボタン９０４（「一回にする」）と、二回設定用のボタン９０３（「二回にする」）とが設けられている。

　続いて、図９を用いて説明する。図９では、使用者が選択した洗剤の推奨すすぎ回数が、「一回」であった場合の例を示す。

　推奨すすぎ回数が「一回」である洗剤は、泡切れの良い洗剤であり、通常の洗濯運転では「二回」のすすぎ工程が必要な洗剤が主流であるのに対し、すすぎを一回だけ実施すれば洗い時の洗浄液をすすぐことが可能となっている。洗濯機１は、二回のすすぎ工程が必要な多くの洗剤に合わせて、すすぎ工程を二回繰り返すことを基本動作としている。図２に示した洗濯工程の例でいえば、すすぎ運転のところで、「すすぎ回数分繰り返し」となっている部分が、二回実施されることになる。これに対して、推奨すすぎ回数が「一回」である洗剤では、「すすぎ回数分繰り返し」のところを一回実施することが推奨される。

　そこで、使用者が、推奨すすぎ回数が「一回」の洗剤を選択した場合には、洗剤関連画面Ｇ６において、使用者に推奨すすぎ回数を表示して、すすぎを何回実施するかを選択させるための画面が情報端末１０に表示される。

　図１７に示した洗剤関連画面Ｇ６を表示した後、情報端末１０は、使用者によるすすぎ回数選択がなされるまで待機し続ける（Ｓ１１０１，ＮＯ）。

　情報端末１０において、使用者によりすすぎ回数が選択されると、選択されたすすぎ回数情報がサーバ３００に送信される（Ｓ１１０２）。

　サーバ３００は選択されたすすぎ回数の情報を受信（Ｓ１１２１）した後、記憶部３０２中の使用者毎の洗剤・柔軟剤関連設定データベースにおいて、すすぎ回数の情報を更新して記憶し（Ｓ１１２２）、すすぎ回数情報の受信が完了したことを通知するための情報を送信する（Ｓ１１２３）。情報端末１０では、サーバ３００からのすすぎ回数情報の受信完了通知を受信（Ｓ１１０３）した後、図５のフローチャートのステップＳ７０７の処理へと移行する。

　次に、図６のフローチャートにおいて、柔軟剤の設定変更を受付けた場合（Ｓ８０３，ＹＥＳ，ＳＴＥＰ（Ｅ））の処理について説明する。なお、前述したように、基本的な処理のフローは、図８で説明した洗剤の設定フローと同様なので説明を省略する。

　図１８は、本発明の実施の形態における情報端末１０に表示される柔軟剤設定画面の一例を表す図である。

　柔軟剤設定画面とは、柔軟剤の設定変更を受付けた後に情報端末１０上に表示される、柔軟剤を選択し、設定を変更するための画面である。

　柔軟剤設定画面Ｇ７には、洗剤を選択させる図１６の洗剤設定画面Ｇ５と同じように、サーバ３００に記憶された各柔軟剤銘柄の名称と、柔軟剤を選択させるためのボタンとが表示される。柔軟剤Ａを選択する際にはボタン１００１を、柔軟剤Ｂを選択する際にはボタン１００２を、使用者が情報端末１０の操作部を使って選択する。

　図１８に示した柔軟剤設定画面Ｇ７では、柔軟剤選択用のボタンの中で、ボタン１００１だけが塗りつぶされており、これは、使用者が現在選択している柔軟剤が「柔軟剤Ａ」であることを示している。使用者が他のボタンを選択した場合には、柔軟剤選択画面を変更する。例えば、使用者が柔軟剤設定画面Ｇ７にてボタン１００２を選択すると、ボタン１００１は他の柔軟剤と同様の表示（白抜き）となり、変わってボタン１００２が塗りつぶされた表示となる。

　なお、使用者が使用する柔軟剤が柔軟剤設定画面Ｇ７に無かった場合には、ボタン１００３（「該当なし」）が選択される。ボタン１００４（「初期設定」）は、サーバ３００に記憶された使用者の柔軟剤に関する情報を初期設定に戻す場合に選択される。

　図１８に示した柔軟剤設定画面Ｇ７において、ボタン１００５（「設定」）が選択されると、画面Ｇ７での柔軟剤設定操作が終了し、柔軟剤が決定される。

　次に、図７を使って、使用者によって設定された洗剤および柔軟剤の設定情報、および、洗剤に関連して決定されたすすぎ回数の設定情報を、洗濯機１に設定する処理を説明する。この処理は、図６のステップＳ８０１において、情報端末１０が、洗剤および柔軟剤関連の設定を洗濯機１に転送する指示を受付けた場合に実施される。言い換えれば、図１４の設定メニュー画面Ｇ４においてボタン７０４が選択された場合に実施される処理である。

　まず、情報端末１０は、洗濯機１に設定を実施するために送信すべき設定コマンドの生成の要求をサーバ３００に送信する（Ｓ９０１）。

　サーバ３００は、設定コマンドを生成する要求を受信し（Ｓ９１１）、設定コマンドを生成する（Ｓ９１２）。設定コマンドには、使用者が選択した洗剤銘柄に対する投入量の係数、洗剤を選択した際に追加で選択したすすぎ回数設定、および、使用者が選択した柔軟剤銘柄に対する投入量の係数を表すパラメータが含まれる。次に、ステップＳ９１２にて生成された設定コマンドが情報端末１０に送信される（Ｓ９１３）。

　情報端末１０は、設定コマンドを受信（Ｓ９０２）し、使用者に、洗濯機１と情報端末１０とを近づけて、通信を可能とするように指示する画面を表示する（Ｓ９０３）。その後、情報端末１０は洗濯機１に設定コマンドを送信する（Ｓ９０４）。

　洗濯機１は、設定コマンドを受信する（Ｓ９４１）と、コマンドに含まれている情報を洗濯機１の記憶部２４に記憶する（Ｓ９４２）。使用者が選択した洗剤銘柄に対する投入量の係数は洗剤量表示データ記憶部２４ｂに、洗剤を選択した際に追加で選択したすすぎ回数設定はすすぎ回数設定記憶部２４ｄに、使用者が選択した柔軟剤銘柄に対する投入量の係数は柔軟剤量表示データ記憶部２４ｃに、それぞれ記憶される。次に、設定コマンドの受信が完了したことを通知するための信号が情報端末１０に対して送信される（Ｓ９４３）。

　情報端末１０は、洗濯機１からコマンド受信完了通知を受信（Ｓ９０５）した後、使用者に対して設定が完了したことを通知する画面を表示（Ｓ９０６）する。これにより、使用者による洗剤および柔軟剤に関連する情報を、洗濯機１に設定する処理が終了する。

　なお、上述の例においては、記憶部３０２中の使用者毎の洗剤・柔軟剤関連設定データベースに記憶するタイミングを、使用者によって洗剤または柔軟剤が選択された直後、または、すすぎ回数が選択された後の情報端末１０からサーバ３００への通信の直後として説明したが、本発明は、この例に限定されるものではない。例えば、使用者が洗剤および柔軟剤の選択を終えて、洗濯機１への設定を行うことを選択した後の、情報端末１０からサーバ３００への通信後であってもよい。また、洗濯機１への設定が完了した通知を情報端末１０からサーバ３００に送信するフローを追加して、洗濯機１への設定が完了したことをサーバ３００が通知を受けた後で、サーバ３００の記憶部３０２中の使用者毎の洗剤・柔軟剤関連設定データベースに情報を記憶することもできる。使用者が洗濯機１へ設定を行うことにより、洗剤および柔軟剤の設定が更新されるので、洗濯機１とサーバ３００との間で、使用者毎の洗剤および柔軟剤の設定を、一致した状態にすることができる。

　また、洗濯機１の洗剤量表示データ記憶部２４ｂ、柔軟剤量表示データ記憶部２４ｃ、および、すすぎ回数設定記憶部２４ｄの情報の更新は、情報端末１０から洗濯機１への通信を行った後に実施するとしたが、洗濯機１の操作部２５と表示部２６を使って使用者が情報を更新することも可能である。これにより、情報端末１０が利用できない場合にも、洗剤および柔軟剤のデータを、洗剤も柔軟剤も「未選択」で、すすぎ回数を「二回」というような出荷初期状態へと戻す等、情報を更新することができる。

　次に、図１０を使って、洗濯機１に設定された洗剤および柔軟剤に関連する情報を、洗濯動作時に利用する処理について説明する。

　使用者により洗濯機１の電源が投入され、処理が開始される。

　まず、洗濯機１での洗濯動作について、使用者が表示部２６と操作部２５とを使用して行う設定を受け付ける処理が行われる（Ｓ１２０１）。洗濯動作に関する設定の具体的な例としては、洗濯動作を変更するコースの指定、設定されたコースでの洗いを行う時間の指定、すすぎ回数の指定、脱水時間の指定、乾燥工程の有無や時間の指定、または、洗濯時に利用する水量を決定するための水位の指定等がある。

　使用者により、運転開始が、洗濯機１の操作部２５に指示された場合（Ｓ１２０２，ＹＥＳ）は、布量を判定するための工程が実施される（Ｓ１２０３）。なお、運転指示がなされない場合には、ステップＳ１２０１に戻る（Ｓ１２０２，ＮＯ）。布量の判定動作は、制御部２３の布量検知部２３ｄによって洗濯部２１を制御することにより実施される。

　ステップＳ１２０３の布量判定工程の実施が終了すると、水位の指定がされているか否かによって処理が分岐される。使用者により、水位指定が運転開始受付け前のステップＳ１２０１において実施されていた場合（Ｓ１２０４，ＹＥＳ）には、ステップＳ１２０５へと進み、指定された水位を洗濯運転中の水位設定とする。水位指定がなされていなかった場合（Ｓ１２０４，ＮＯ）には、ステップＳ１２０６へと進み、ステップＳ１２０３で判定された布量に応じて、水位が決定される。具体的には、布量が少なかった場合には水位を低くし、布量が多かった場合には水位を高めることにより、必要な洗浄およびすすぎ性能を確保しつつ、使用する水量を最小限に抑制するように、水位が決定される。

　次に、洗剤量表示データ記憶部２４ｂに、使用者によって指定された洗剤に対する洗剤量情報が記憶されているかによって処理が分岐される。洗剤量情報が記憶されている場合（Ｓ１２０７，ＹＥＳ）も、されていない場合（Ｓ１２０７，ＮＯ）にも、さらに、柔軟剤量表示データ記憶部２４ｃに使用者によって指定された柔軟剤に対する柔軟剤量情報が記憶されているかによって処理が分岐される（Ｓ１２０８およびＳ１２０９）。

　洗剤量情報および柔軟剤量情報が、ともに記憶されていた場合（Ｓ１２０７およびＳ１２０８，ＹＥＳ）には、ステップＳ１２１１に進んで、洗剤および柔軟剤の投入量を表示する表示Ｄ１が洗濯機１の表示部２６に表示される。洗剤量情報は記憶されていて、柔軟剤情報は記憶されていない場合（Ｓ１２０７，ＹＥＳかつＳ１２０８，ＮＯ）は、ステップＳ１２１０において表示Ｄ２が洗濯機１の表示部２６に表示される。洗剤量情報は記憶されておらず、柔軟剤量情報が記憶されている場合（Ｓ１２０７，ＮＯかつＳ１２０８，ＹＥＳ）は、ステップＳ１２１２において表示Ｄ３が洗濯機１の表示部２６に表示される。洗剤量情報と柔軟剤量情報ともに記憶されていなかった場合（Ｓ１２０７およびＳ１２０８，ＮＯ）には、ステップＳ１２１３において表示Ｄ４が洗濯機１の表示部２６に表示される。

　投入量表示（Ｓ１２１０～Ｓ１２１３）が所定時間実施された後、ステップＳ１２１４において、洗い、すすぎ等の実際の洗濯運転が実施される。全工程が終わると、運転を終了する。

　前述の、ステップＳ１２１０からステップＳ１２１３までにて行われる投入量表示について、図面を用いて説明する。

　図１９から図２２は、本発明の実施の形態における、洗濯機１での洗剤・柔軟剤投入量表示の一例を表す図である。

　なお、これらの表示は、洗濯機１の表示部２６において行われる。

　ステップＳ１２１１における表示Ｄ１の例を図１９に示す。この場合、洗剤が使用者によって指定されているので、指定された洗剤に対する表示であることを示す表示１３０１と共に、投入すべき洗剤量が表示１３０２によって示されている。投入すべき洗剤量は、ステップＳ１２０５またはステップＳ１２０６で決定された水位設定から、洗濯時に利用する水量を算出して基準水量に対する比率が求められ、それに対して洗剤量表示データ記憶部２４ｂに記憶されている基準水量に対する洗剤投入量係数を掛け合わせることで求めることができる。

　柔軟剤に対しても同様に、指定柔軟剤に対する表示であることを示す表示１３０３と共に、投入すべき柔軟剤量が表示１３０４に示されている。投入すべき柔軟剤量も、洗剤量の場合と同様に算出することができる。

　次に、ステップＳ１２１０における表示Ｄ２の例を図２０に示す。洗剤は使用者によって指定されているため、図１９と同様に、指定洗剤に対する表示であることが示されつつ、投入すべき洗剤量が表示されている。柔軟剤については使用者によって指定されておらず、かつ、洗濯において柔軟剤の投入は必須では無いので、この例では、柔軟剤の投入量の表示は実施されていない。

　次に、ステップＳ１２１２における投入量表示Ｄ３の例を図２１に示す。洗剤は使用者によって指定されていないが、通常、洗濯において洗剤は必ず投入されると想定されるので、多くの洗剤で有効となる洗剤投入量が表示されているが、図１９の表示１３０１に相当する指定洗剤についての表示は行われていない。柔軟剤表示に関しては図１９の場合と同様である。

　次に、ステップＳ１２１３における投入量表示Ｄ４の例を図２２に示す。図２１と同様に、洗剤は使用者によって指定されていないが、通常、洗濯において洗剤は必ず投入されると想定されるので、多くの洗剤で有効となる洗剤投入量が表示されているが、図１９の表示１３０１に相当する指定洗剤についての表示は行われていない。また、柔軟剤に関しては、図２０の表示と同様に、投入量表示が行われていない。

　なお、本実施の形態において、情報端末１０と洗濯機１の間の通信は、ループアンテナを介した近距離無線通信によって行われるものとして説明したが、本発明は、この例に限定されるものではない。Ｗｉ－Ｆｉ等の無線ＬＡＮによって、複数端末間の通信が可能な方式を用いて、情報端末１０と洗濯機１との間の通信を行ってもよいし、赤外線通信等の一対一の通信方式を利用してもよい。

　なお、情報端末１０と通信ネットワーク２００とが接続する通信についても、Ｗｉ－Ｆｉ等の無線ＬＡＮを用いてもよい。

　以上述べたように、本実施の形態の洗濯機システム４００は、通信ネットワークを介して通信可能な、少なくとも洗濯機１および洗濯機情報サーバであるサーバ３００を備えた洗濯機システム４００である。また、サーバ３００は、洗濯動作シーケンス情報と、洗剤情報および柔軟剤情報の少なくとも一方とを記憶する記憶部３０２と、記憶部３０２に記憶された情報を、通信ネットワークを介して提供する通信部３０１とを有している。また、洗濯機１は、洗濯を行う洗濯部２１と、洗濯部２１の動作を設定する設定操作部である操作部２５と、通信ネットワークを介してサーバ３００と通信し、サーバ３００から提供された情報を取得する通信制御部である通信部２２と、サーバ３００から提供された情報を表示する表示部２６とを有している。

　このような構成により、洗剤および柔軟剤の少なくともいずれかの銘柄（種類）に応じた洗濯を行うことが簡便に出来る。具体的には、洗剤および柔軟剤の少なくともいずれかについて、銘柄に応じた適量を投入して洗濯を行うことが簡便にできる。

　また、洗剤によって異なる動作シーケンスを洗濯機１に設定したり、洗剤や柔軟剤の種類によって異なる投入量を表示させたりすることが出来る。よって、使用者が洗濯毎に動作シーケンスを変更する必要がなくなり、利便性を向上させることができる。さらに、洗剤または柔軟剤に応じた適切な投入量を表示するので、わずらわしさを低減させることができる。また、適切な洗剤量または柔軟剤量を表示するので、洗剤量や柔軟剤量を使用者が誤って投入することを防止し、適切な濃度で適切な洗濯性能を得ることができる。

　また、本実施の形態においては、サーバ３００に記憶される洗濯動作シーケンス情報は、少なくとも洗濯時に実施するすすぎの回数を含んでいる。

　このような構成により、洗剤によって異なるすすぎ回数を、洗濯機１にデフォルト値として設定することができる。このため、使用者が洗濯毎にすすぎ回数を設定する、といったわずらわしさを低減させることができ、利便性を向上させることができる。また、洗剤に応じた適切なすすぎ回数を設定することにより、適切な時間において、適切な水の使用量により、適切なすすぎ性能を得ることができる。さらに、洗剤の銘柄に応じたすすぎ回数で洗濯を行うことが簡便に出来る。

　また、洗濯機システム４００は、情報端末１０をさらに備えている。情報端末１０は、洗濯に使用する、洗剤および柔軟剤の少なくとも一方を使用者に設定させるための操作部１０４と、通信ネットワーク２００を介して通信するための通信制御部である第２通信部１０２とを有している。また、操作部１０４で設定された洗剤および柔軟剤の少なくとも一方に応じて、サーバ３００に蓄積された洗濯動作シーケンス情報と、洗剤情報および柔軟剤情報の少なくとも一方とが、洗濯機１に提供される構成となっている。

　これにより、情報端末１０によって、使用する洗剤および柔軟剤の少なくとも一方が選択され、選択された結果について、洗濯機１に反映すべき情報を、情報端末１０によって簡便に洗濯機１に提供することができる。

　また、洗濯機１は、洗濯機１に投入された布量を検知する布量検知部２３ｄを有している。サーバ３００から提供された、洗剤情報および柔軟剤情報の少なくとも一方と、布量検知部２３ｄによって検知された布量とに応じて、投入すべき洗剤の量および柔軟剤の量の少なくとも一方が表示部２６に表示される。

　これにより、投入された衣類の量に応じて適量な洗剤および柔軟剤の少なくともいずれかの量を、使用している洗剤および柔軟剤の少なくともいずれかの種類に応じて適切に表示することができる。よって、洗濯物の量に応じて、洗剤および柔軟剤の少なくともいずれかに応じた適切な投入量が表示されるので、使用者が洗剤や柔軟剤を投入する際にどれくらいの量を入れたらよいか確認するわずらわしさを低減させることができる。また、適切な洗剤量および柔軟剤量の少なくともいずれかが表示されるので、洗剤量や柔軟剤量が誤って投入されることを防止し、布量に応じた適切な濃度で適切な洗濯性能を得ることができる。

　また、洗濯機１の設定操作部である操作部２５により、洗濯時に利用する水量が設定され、サーバ３００から提供された洗剤情報および柔軟剤情報の少なくとも一方と、設定された水量とに応じて、投入すべき洗剤および柔軟剤の少なくとも一方の量が表示部２６に表示される。

　これにより、使用者が指定した洗濯時に利用する水量に応じて、適量な洗剤および柔軟剤の少なくともいずれかの量を、使用している洗剤および柔軟剤の少なくともいずれかの種類に応じて適切に表示することができる。よって、水量に応じて、洗剤および柔軟剤の少なくともいずれかに対応する適切な投入量が表示されるので、使用者が洗剤や柔軟剤を投入する際にどれくらいの量を入れたらよいか確認するわずらわしさを低減させることができる。また、適切な洗剤量および柔軟剤量の少なくともいずれかが表示されるので、洗剤量や柔軟剤量が誤って投入されることを防止し、水量に応じた適切な濃度で適切な洗濯性能を得ることができる。

　また、洗濯機１の表示部２６は、洗濯時に投入すべき洗剤および柔軟剤の少なくとも一方の量を表示する際に、情報端末１０で設定された洗剤および柔軟剤の少なくとも一方に対応した量を表示しているか否かを併せて表示する。

　これにより、使用者が洗剤および柔軟剤の少なくともいずれかの投入量を確認する際に、指定した洗剤および柔軟剤の少なくともいずれかに対する表示なのか、洗剤または柔軟剤が指定されていない状態での目安の表示なのかを容易に判別することができる。

　以上述べたように、本実施の形態における洗濯機システム４００は、使用者が使用する洗剤および柔軟剤の少なくともいずれかを簡便に設定することができ、その設定に応じてすすぎ回数等の洗濯シーケンスを適切かつ簡便に変更することができる。さらに、洗剤および柔軟剤の少なくともいずれかの投入量について、適切かつ簡便に表示することができる。

　以上述べたように、本発明によれば、洗剤の種類に応じた運転制御情報の保有の有無に関わらず、洗濯機に対する運転動作の設定操作を煩雑化することなく、使用される洗剤および柔軟剤の少なくとも一方の種類に応じて運転制御プログラムを最適に調整することが可能、という格別な効果を奏することができる。よって、本発明は、洗濯機システム、特に、洗濯機と、洗濯機の運転制御に関連する各種データを提供する外部データベースを含むサーバとが、通信ネットワークを介して接続された洗濯機システム等として有用である。また、洗濯機システムの他にも、洗剤を利用する食器洗い乾燥機システム、車両洗浄機システム等の各種洗浄装置にも適用することができる。

　１　　洗濯機
　１０　　情報端末
　２１　　洗濯部
　２２，３０１　　通信部
　２３，１０５，３０３　　制御部
　２３ａ　　工程管理部
　２３ｂ　　水位決定部
　２３ｃ　　応答内容決定部
　２３ｄ　　布量検知部
　２３ｅ　　運転予約制御部
　２４，３０２　　記憶部
　２４ａ　　洗濯機特定情報記憶部
　２４ｂ　　洗剤量表示データ記憶部
　２４ｃ　　柔軟剤量表示データ記憶部
　２４ｄ　　すすぎ回数設定記憶部
　２５　　操作部
　２６　　表示部
　２７，１０６　　ループアンテナ
　１０１　　第１通信部
　１０２　　第２通信部
　１０３　　報知部
　１０４　　操作部
　１０５ａ　　表示制御部
　１０５ｂ　　第１通信制御部
　１０５ｃ　　第２通信制御部
　２００　　通信ネットワーク
　３００　　サーバ
　４００　　洗濯機システム
　５０１　　製品名表示
　５０２　　エコ情報表示ボタン
　５０３　　サポート情報表示ボタン
　５０４　　状況確認表示ボタン
　５０５　　設定表示ボタン
　７０１，７０３，７０４，８０１～８０５，９０３，９０４，１００１～１００５　　ボタン
　７０２，９０１，９０２，１３０１～１３０４　　表示

Claims (6)

1. 通信ネットワークを介して通信可能な、少なくとも洗濯機および洗濯機情報サーバを備えた洗濯機システムであって、
   前記洗濯機情報サーバは、洗濯動作シーケンス情報と、洗剤情報および柔軟剤情報の少なくとも一方とを記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶された情報を、前記通信ネットワークを介して提供する通信部とを有し、
   前記洗濯機は、洗濯を行う洗濯部と、前記洗濯部の動作を設定する設定操作部と、前記通信ネットワークを介して前記洗濯機情報サーバと通信し、前記洗濯機情報サーバから提供された情報を取得する通信制御部と、前記洗濯機情報サーバから提供された情報を表示する表示部とを有する
   洗濯機システム。
2. 前記洗濯機情報サーバに記憶される前記洗濯動作シーケンス情報は、少なくとも洗濯時に実施するすすぎの回数を含む
   請求項１に記載の洗濯機システム。
3. 前記洗濯機システムは、情報端末をさらに備え、
   前記情報端末は、
   洗濯に使用する、洗剤および柔軟剤の少なくとも一方を使用者に設定させるための操作部と、
   前記通信ネットワークを介して通信するための通信制御部と、を有し、
   前記操作部で設定された洗剤および柔軟剤の少なくとも一方に応じて、前記洗濯機情報サーバに蓄積された前記洗濯動作シーケンス情報と、前記洗剤情報および前記柔軟剤情報の少なくとも一方とが、前記洗濯機に提供される
   請求項１に記載の洗濯機システム。
4. 前記洗濯機は、前記洗濯機に投入された布量を検知する布量検知部を有し、
   前記洗濯機情報サーバから提供された、前記洗剤情報および前記柔軟剤情報の少なくとも一方と、前記布量検知部によって検知された布量とに応じて、投入すべき洗剤の量および柔軟剤の量の少なくとも一方が前記表示部に表示される
   請求項１から請求項３までのいずれか１項に記載の洗濯機システム。
5. 前記洗濯機の前記設定操作部により、洗濯時に利用する水量が設定され、
   前記洗濯機情報サーバから提供された前記洗剤情報および前記柔軟剤情報の少なくとも一方と、設定された前記水量とに応じて、投入すべき洗剤および柔軟剤の少なくとも一方の量が前記表示部に表示される
   請求項１から請求項３までのいずれか１項に記載の洗濯機システム。
6. 前記洗濯機の前記表示部は、洗濯時に投入すべき洗剤および柔軟剤の少なくとも一方の量を表示する際に、前記情報端末で設定された洗剤および柔軟剤の少なくとも一方に対応した量を表示しているか否かを併せて表示する
   請求項３から請求項５までのいずれか１項に記載の洗濯機システム。

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