本発明の洗濯機システムは、洗濯機と携帯端末とより構成される洗濯機通信システムにおいて、
前記洗濯機は、洗濯コースを設定する洗濯機操作部と、前記洗濯コースを制御する洗濯機制御部と、携帯端末と通信をする洗濯機通信部と、洗濯機情報を表示する洗濯機表示部と、柔軟剤の情報を記憶する洗濯機記憶部とを有し、
前記携帯端末は、端末情報を表示する端末表示部と、前記洗濯機に使用される柔軟剤の種類を設定する端末操作部と、前記洗濯機と通信をする端末通信部と、を有し、
前記洗濯機表示部は、初期設定では柔軟剤の情報を表示せず、前記携帯端末にて選択された柔軟剤情報が前記洗濯機に送信された場合に、柔軟剤の情報を表示するものである。
これにより、柔軟剤を使用する者にとっては、携帯端末にて柔軟剤を設定し洗濯機に情報を送信することにより柔軟剤表示がされて使いやすいものとなり、柔軟剤を使用しない者にとっては、柔軟剤の情報が洗濯機に表示されないため使いやすいものとなる。よって、柔軟剤の使用をする者にとっても、使用しない者にとてっても使い勝手を向上させることができる。
さらに本発明は、前記柔軟剤の情報は、柔軟剤の投入量であるものである。
これにより、柔軟剤を使用する者にとっては、携帯端末にて柔軟剤を設定し洗濯機に情報を送信することにより柔軟剤の量の表示がされて使いやすいものとなる。柔軟剤を使用しない者にとっては、柔軟剤の量が表示されないので、洗剤量と間違えて投入するといっ
たような事態を招くことがなく、使い勝手を向上させることができる。
さらに本発明は、前記洗濯機操作部により、前記洗濯機記憶部に記憶された柔軟剤の情報を初期化可能としたものである。
これにより、何らかの理由により、携帯端末が使用できないような場合であっても、また、使用者が複数人いるような場合にも、洗濯機にて記憶している情報を操作することができ、使用者の利便性を向上させることができる。
さらに本発明は、前記携帯端末にて設定された柔軟剤の情報を記憶する端末記憶部を備えるものである。
これにより、使用者が洗濯機にて初期化した場合にも、携帯端末にて情報を保持しておくことにより、簡単に柔軟剤の情報を設定することができる。また、携帯端末がネットワークと通信して情報を得なくても、洗濯機に柔軟剤情報を送信することができるので、ネットワークへのアクセスが困難、不可能である場合にも柔軟剤の設定をすることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における洗濯機システムの概略構成図である。このシステムは、電気機器である洗濯機1と情報端末10とサーバ300とを備える。
RFID(Radio Frequency IDentification)又は
NFC(Near Field Communication)によってリーダ/ライタと通信可能な機器である。洗濯機1は、ループアンテナ27を介して近距離無線通信を利用して情報端末10と通信する。洗濯機1の洗濯運転とは、衣類を洗濯水に浸し洗濯槽を回転することで汚れを落とす洗い運転、洗剤水で浸った衣類を水ですすぐすすぎ運転、水を含んだ衣類を脱水する脱水運転、温風をあてて衣類を乾燥させる乾燥運転の少なくとも1つを含んだ形で構成されている。そして、この各運転は、更に各種工程を行うことである。例えば、洗い運転であれば、布量判定工程、洗剤量表示工程、給水工程、押し洗い工程、もみ洗い工程…といった具合である。
図2は、本発明の実施の形態1における洗濯運転中の工程の概念図である。この洗濯運転は、各運転(洗い、すすぎ、脱水、乾燥)を実施する運転である。
情報端末10は、例えば携帯電話機などの通信装置から構成され、ループアンテナ106を介して近距離無線通信を利用して洗濯機1と通信するとともに、ネットワーク200を介してサーバ300と通信可能に接続されている。情報端末10は、洗濯機1のRFID又はNFCと通信可能なリーダ/ライタを備える機器であればどのような機器であってもよいが、可搬性のある機器がより好ましい。
サーバ300は、公知のサーバコンピュータ等から構成され、ネットワーク200を介して情報端末10と通信可能に接続されている。
図3は、本発明の形態1における洗濯機システムの構成図である。
情報端末10は、第1通信手段101(端末通信部)、第2通信手段102、報知手段
103(端末表示部)、操作手段104(端末操作部)、制御手段105及びループアンテナ106を備える。
第1通信手段101は、ループアンテナ106を介して近距離無線通信を利用して洗濯機1と通信する。
ループアンテナ106は、近接無線通信を行うためのアンテナである。本実施の形態では、近接無線通信として、例えば13.56MHz帯を用いる高周波数帯域のRFID又はNFCを想定しているが、この周波数帯に限定されることはない。近接無線通信の周波数帯は、90MHz〜1GHzのUHF帯であってもよく、2GHz帯を越える周波数帯であってもよい。
近接無線通信は、通信距離が短く、通信を行う2つの無線通信機器のループアンテナ同士を接近させる必要がある。無線通信機器のループアンテナが実装されている面には、ループアンテナの位置を表すマークが付されており、使用者は2つの無線通信機器のマーク同士を接近させて、2つの無線通信機器間で通信を行わせる。携帯電話機に内蔵されるRFIDはループアンテナへの給電の出力を上げることができないため、例えば数mm単位でのループアンテナ同士の位置合わせが必要であり、互いのループアンテナを正確に接近させる必要がある。
情報端末10の第1通信手段によりループアンテナ106に電流を流すと、ループアンテナ106を通る磁束が発生する。ループアンテナ106と、洗濯機1のループアンテナ27が十分に接近している場合、ループアンテナ106を通る磁束が洗濯機1のループアンテナ27を通過する。これにより、ループアンテナ27とループアンテナ106が磁気的に結合する。情報端末10の第1通信手段がループアンテナ106の電流を変化させれば、ループアンテナ106を通る磁束が変化し、ループアンテナ27を通る磁束もそれに応じて変化し、洗濯機1の通信手段22(洗濯機通信部)によりその変化を検知することで、情報端末10から洗濯機1への情報の送信が行われる。
また、洗濯機1の通信手段22によりループアンテナ27の給電点の負荷インピーダンスを変化させることにより、ループアンテナ27を通る磁束が変化する。この磁束の変化はループアンテナ106のループアンテナに流れる電流の変化となるため、この電流の変化を情報端末10の第1通信手段が検知することで、洗濯機1から情報端末10への情報の送信が行われる。
上記のように洗濯機1と情報端末10の送受信は、ループアンテナ106とループアンテナ27との磁気的な結合によって実現されており、かつ磁気的な結合のための磁束の発生は情報端末10のループアンテナ106への給電によって実現されていて、その給電の出力を上げることができないため、ループアンテナ106とループアンテナ27を接近させることが必要となるわけである。
なお、本実施の形態では、第1通信手段101は、ループアンテナ106を介して近距離無線通信を利用して洗濯機1と通信しているが、本発明は特にこれに限定されず、近距離無線通信以外の電波又は光などを用いた他の無線通信を利用してもよい。
第2通信手段102は、ネットワーク200を利用してサーバ300と通信する。
なお、ネットワーク200は、例えば移動体通信網である。
報知手段103は、使用者に洗濯機1で利用する洗剤もしくは柔軟剤を選択・設定するための画面と、設定された洗剤もしくは柔軟剤に関する情報を洗濯機1に送信させること
を使用者に指示する通信指示画面とを表示する。操作手段104は、例えばタッチパネル又は操作キーなどで構成され、使用者による入力操作を受け付け、報知手段103で表示される洗剤もしくは柔軟剤の銘柄を選択・設定する画面での入力操作に利用される。
制御手段105は、情報端末10全体を制御し、表示制御部105a、第1通信制御部105b及び第2通信制御部105cを備える。
表示制御部105aは、報知手段103に表示する表示画面を切り替える。例えば、洗剤もしくは柔軟剤を選択・設定するための画面での選択・設定終了後に、通信指示画面に切り換えるといった具合である。第1通信制御部105bは、第1通信手段101を制御する。第2通信制御部105cは、第2通信手段102を制御する。
本実施の形態において、通信指示画面は、第1通信手段101と洗濯機1とが通信するために第1通信手段101と洗濯機1とを近接させることを使用者に指示するための画面である。第1通信手段101は、第1通信手段101と洗濯機1とが通信可能な距離に近接された後、洗剤もしくは柔軟剤に関する情報を洗濯機1に送信する。
第2通信手段102は、サーバ300が決定した表示する文言を受信する。表示する文言とは、使用者に洗濯機1で利用する洗剤もしくは柔軟剤を選択・設定させるための画面に出力される文言であったり、既に選択された洗剤もしくは柔軟剤の設定を画面に出力する文言であったり、使用者に洗濯機1と情報端末10を近接させることを指示する文言である。第2通信手段102は、さらに、サーバ300が決定した洗濯機1に送信すべき情報を受信する。洗濯機1に送信すべき情報とは、使用者が選択した洗剤もしくは柔軟剤に対応した、洗濯機1の制御及び表示に利用する情報である。
洗濯機1は、洗濯機本来の機能である洗い、すすぎ、脱水、乾燥などを行う洗い・すすぎ、脱水・乾燥手段21(以下、洗濯手段21と記載する)、通信手段22、制御手段23、記憶手段24、操作手段25(洗濯機操作部)、表示手段26(洗濯機表示部)及びループアンテナ27を備える。
洗濯手段21とは、洗い、すすぎ、脱水、乾燥の各機能を実現するものであり、洗濯槽を回すモータ、給水量を調整する給水弁、排水するための排水弁、洗濯、すすぎ水を循環させるための循環ポンプ、風呂水を洗濯機1に引き入れるために使用するパスポンプ、乾燥させるために温風を発生させるヒータ、ポンプを循環させる送付ファンなどから構成させる。
通信手段22とは、ループアンテナ27を介して近接無線通信により双方向で種々の情報を情報端末10と送信及び受信する。ループアンテナ27は、近接無線通信を行うためのアンテナである。なお、通信手段22が受信部と送信部の一例に相当する。
制御手段23とは、マイクロコンピュータであり、洗濯機1を機能させるために予め作成されたプログラムとデータ等を格納するメモリ(図示せず)を備えている。
工程管理部23aは、各運転(洗い、すすぎ、脱水、乾燥)において実施する工程を管理するともに、洗濯手段21を制御する。洗濯手段21を制御するとは、洗濯槽の揺れを検知しながらモータの回転を制御したり、洗濯槽に給水された水位を検知して給水弁を開閉させたり、排水弁を開閉させたり、温風の温度を検知しながらヒータをON/OFFさせたりすることである。
制御手段23は、洗濯手段21を制御して、洗濯機に投入された衣類の量を検知する布
量検知部23dを備える。布量検知部23dは、衣類が投入された洗濯槽を回すモータを一定トルクで駆動するように洗濯手段21を制御し、洗濯槽の回転数を監視することで洗濯槽に投入された衣類の量を検知する。なお、布量検知の方式は特に上記方式に限定されるものではなく、洗濯機に投入された衣類の量を検知することが出来れば良い。給水時の洗濯槽内の水位の変位速度を見る方式でも、洗濯槽を指示する機構部品に備わった重量計を利用する方式であっても良い。
制御手段23は、洗濯動作時の洗濯槽内に給水する水位を決定する水位決定部23bを備える。水位決定部23bは、布量検知部23dによる衣類の量によって水位を決定する。布量が多い場合には水位を高めにし、少ない場合には水位を低めにする。こうすることで、洗濯機1に投入された衣類に応じ、不必要に水を利用することなく、必要な洗浄性能、すすぎ性能を得ることが出来る。さらに水位決定部23bは、操作手段25によって使用者により水位設定を指示されている場合には、その水位設定に従う。
応答内容決定部23cは、情報端末10から通信手段22を経由して、洗濯機特定情報の問い合わせを受けた際に、その問い合わせに対する応答内容を決定する処理部である。洗濯機1の現在の洗濯機本体の状態など洗濯機1の情報を問い合わせる信号を受信した時に、その問合せ信号に対する応答内容を決定する処理部である。
記憶手段24は、洗濯機特定情報記憶部24a、洗剤量表示データ記憶手段24b、柔軟剤量表示データ記憶手段24c、すすぎ回数設定記憶手段24dを備える。
洗濯機特定情報記憶部24aには、洗濯機1を特定するための洗濯機特定情報、例えば洗濯機1の型番号及びシリアルナンバー等を予め記憶する。なお、洗濯機特定情報は、製造時等に予め記憶される。
洗剤量表示データ記憶手段24bには、情報端末10で使用者が指定した洗剤に対して、洗濯機1での洗濯時に、水位決定部23bで決定された水位にもとづいて投入すべき洗剤量を決定するための情報を記憶する。
柔軟剤量表示データ記憶手段24cには、情報端末10で使用者が指定した柔軟剤に対して、洗濯機1での洗濯時に、水位決定部23bで決定された水位にもとづいて投入すべき柔軟剤量を決定するための情報を記憶する。
すすぎ回数設定記憶手段24dには、洗濯機1が洗濯時にすすぎを何回実施するかを記憶する。工程管理部23aは、すすぎ回数設定記憶手段24dに記憶された情報に基づき、図2に記載されたすすぎ運転において、すすぎを何回実施するかを決定し、洗濯手段21を制御する。
操作手段25は、例えば操作ボタンなどで構成され、使用者による入力操作を受け付ける。
表示手段26は、例えば7セグLEDで構成され、水位設定、洗い時間、すすぎ回数、脱水時間、洗剤量表示、柔軟剤量表示、残り時間及び予約時刻などをデジタル表示する。ここで、操作手段25を操作ボタン、表示手段26を7セグLEDにも対応での表示としたが、これに限定されるものではない。
表示手段26を液晶パネルで構成しても良いし、操作手段25をタッチパネルで構成しても良い。表示手段26をドットマトリクス方式の液晶パネルで構成し、操作手段25の一部もしくは全てをこの液晶パネルと組み合わせたタッチパネルで構成すれば、使用者に
対して文章や写真、図などを使って情報を提供しつつ、選択肢を提示するためのボタンを液晶パネルで図として表示し、当該ボタン領域の使用者による選択をタッチパネルで検出することができる。これにより、より直感的でわかりやすい情報提供及び操作手段とすることができる。
サーバ300は、通信手段301、記憶手段302及び制御手段303を備える。
通信手段301は、ネットワーク200を利用して情報端末10と通信する。
記憶手段302は、情報端末10に表示されるメニュー画面を洗濯機1の製品ごとに記憶する。さらに記憶手段302には、情報端末10に表示される洗剤及び柔軟剤の種類と、その種類毎の基準の布量に対して投入すべき洗剤及び柔軟剤の量(洗濯運転に必要な情報)と、洗剤の種類毎に洗剤の特性によって推奨されるすすぎ回数の情報(洗濯運転に必要な情報)とを記憶する。
制御手段303は、CPU等から構成され、通信手段301の動作を制御するとともに、通信手段301を介して受信した情報及び記憶手段302で記憶された情報を元に、情報端末10に通信手段301を介して送信すべき情報を生成する。
次に本発明の実施の形態における電気機器の動作を説明する。図6〜12は、本発明の実施の形態1における洗濯機システムのフローチャートである。図6〜11は、使用者によって、洗剤および、もしくは柔軟剤を選択・設定する動作を説明するためのものであり、図12は設定された洗剤および、もしくは柔軟剤の設定に対する洗濯機の動作を説明するためのものである。
図6について説明する。
まず、ステップS601において、情報端末10の制御手段105は、洗濯機1を制御するための画面を報知手段103に表示するためのアプリケーションを起動する。このとき、操作手段104は、使用者による当該アプリケーションの起動指示を受け付ける。制御手段105は、受け付けられた起動指示に基づいてアプリケーションを起動する。
次に、ステップS602において、表示制御部105aは、使用者情報を使用者に入力させるための画面を表示する。使用者情報とは、使用者を特定するためのID番号と、パスワードからなる情報であり、本ステップ以前に使用者によって設定され、サーバ300に記録されている情報である。情報端末10の報知手段103によってID番号とパスワードを入力する画面を表示し、操作手段104を介して使用者がID番号とパスワードを入力する。
次に、ステップS603において、情報端末10はサーバ300に、入力されたID番号とパスワードを送信する。
サーバ300はステップS631において、送信されたID番号とパスワードを受信し、次のステップS632において予めサーバ300に記録されているID番号とパスワードと、ステップS631で受信したものとを比較し一致するか否かによって、予め登録された使用者か否かを認証し、その結果をステップS633にて情報端末10に送信する。
情報端末10はステップS604にて使用者に対する認証結果を受信し、ステップS605にて認証結果がOKで有った場合にはステップS606へ、認証がなされなかった場合にはステップS602へ戻り、使用者情報入力画面を再表示して再度正しいID番号と
パスワードを使用者に入力させる。
次にステップS606で、第1通信手段101と洗濯機1とが通信するために第1通信手段101と洗濯機1とを近接させることを使用者に指示するための通信指示画面を表示するように報知手段103を制御する。報知手段103は、通信指示画面を表示する。なお、より具体的には、通信指示画面は、情報端末10のループアンテナ106と、洗濯機1のループアンテナ27とを近接させることを使用者に指示するための画面である。また、通信指示画面は、情報端末10が備える記憶手段(不図示)に予め記憶されており、表示制御部105aは、記憶手段から通信指示画面を読み出して表示する。
図17は、本実施の形態1における情報端末での通信指示画面を示す図である。
図17に示す通信指示画面G1では、例えば「対応家電にタッチしてください」というメッセージが表示される。通信指示画面G1は、情報端末10を洗濯機1に近接させるように使用者を誘導する画面である。情報端末10の報知手段103に通信指示画面G1が表示されると、使用者は、情報端末10と洗濯機1とが近接無線通信により通信可能な距離になるように、情報端末10のループアンテナ106と、洗濯機1のループアンテナ27とを近接させる。
使用者によって情報端末10のループアンテナ106と洗濯機1のループアンテナ27を近接させることによって通信が可能となる近接無線通信を利用することは、通信に際して使用者の操作が必要になるが、通信対象を明確に使用者が選択しているという特徴がある。これにより、使用者が複数の操作対象となる機器を所有している場合でも、操作対象となる機器を指定することが直感的に行える。
次に、ステップS607において、第1通信制御部105bは、報知手段103に通信指示画面が表示された後、洗濯機1を特定するための洗濯機特定情報を要求する要求情報を洗濯機1へ送信するように第1通信手段101を制御する。第1通信手段101は、報知手段103に通信指示画面が表示された後、要求情報を洗濯機1へ送信する。なお、第1通信手段101は、報知手段103に通信指示画面が表示されたことに連動して、洗濯機1へ要求情報の送信を開始する。
次に、ステップS671において、洗濯機1の通信手段22は、第1通信手段101と洗濯機1とが通信可能な距離に近接された後、情報端末10の第1通信手段101によって送信された要求情報を受信する。
次に、ステップS672において、洗濯機1の応答内容決定部23cは、洗濯機特定情報記憶部24aから洗濯機特定情報を読み出す。
次に、ステップS673において、応答内容決定部23cは、洗濯機特定情報を情報端末10へ送信するよう通信手段22を制御する。通信手段22は、洗濯機特定情報を情報端末10へ送信する。なお、要求情報には、情報端末10を特定するためのアドレス情報が含まれており、通信手段22は、要求情報に含まれるアドレス情報に基づいて洗濯機特定情報を情報端末10へ送信する。
なお、応答内容決定部23cは、洗濯機特定情報とともに洗濯機1の使用履歴及びエラー情報などの状態情報を情報端末10へ送信してもよい。エラー情報は、例えば洗濯手段21でモータやヒータなどの負荷の状態や、水位センサ、温度センサのセンシング情報を監視することによって検知される。
次に、ステップS608において、情報端末10の第1通信手段101は、洗濯機1の通信手段22によって送信された洗濯機特定情報を受信する。
ステップS608以降の処理については、図7を使って説明する。
ステップS701において、第2通信制御部105cは、第1通信手段101によって受信された洗濯機特定情報をサーバ300へ送信するように第2通信手段102を制御する。第2通信手段102は、第1通信手段101によって受信された洗濯機特定情報をサーバ300へ送信する。洗濯機1によって送信される洗濯機特定情報は、サーバ300を特定するためのアドレス情報とともに送信され、第2通信手段102は、洗濯機特定情報とともに送信されるアドレス情報に基づいて洗濯機特定情報をサーバ300へ送信する。
なお、本実施の形態では、洗濯機1によって送信される洗濯機特定情報とともにサーバ300を特定するためのアドレス情報が送信されるが、本発明は特にこれに限定されず、情報端末10がサーバ300を特定するためのアドレス情報を記憶していてもよい。
次に、ステップS711において、サーバ300の通信手段301は、情報端末10の第2通信手段102によって送信された洗濯機特定情報を受信する。
次に、ステップS712において、制御手段303は、洗濯機特定情報によって特定される洗濯機1に応じたメニュー画面情報を作成する。ここで、制御手段303は、洗濯機特定情報によって特定される洗濯機1に応じたメニュー画面を記憶手段302から読み出す。
次に、ステップS713において、通信手段301は、洗濯機1に固有のメニュー画面を表示させるためのメニュー画面情報を情報端末10へ送信する。
次に、ステップS702において、情報端末10の第2通信手段102は、サーバ300の通信手段301によって送信されたメニュー画面情報を受信する。
次に、ステップS703において、表示制御部105aは、第2通信手段102によって受信されたメニュー画面情報に基づいて表示画面をメニュー画面に切り替える。報知手段103は、第2通信手段102によって受信されたメニュー画面情報に基づいてメニュー画面を表示する。
上記において、電気機器のメニュー画面の表示に関して、情報端末10から電気機器に対して要求情報を送信し、その要求に電気機器から応答を送信仕返すことで電気機器を特定する方法を説明したが、この方法に限定されるものではない。例えば、情報端末10は、図6のステップS605で使用者の認証が終了した後に、サーバ300に対して利用可能な電気機器ごとに固有のメニュー画面のリスト情報を取得して、そのリストを報知手段103に表示し、操作手段104を介して使用している洗濯機を使用者が選択することによって、どのリストが選択されたか情報端末10からサーバ300へ送信し、これによって、情報端末10の第2通信手段102は、サーバ300の通信手段301によって送信されたメニュー画面情報を受信し(ステップS702)、表示制御部105aは、第2通信手段102によって受信されたメニュー画面情報に基づいて表示画面をメニュー画面に切り替える(ステップS703)のようにしてもよい。こうすれば、メニュー画面を表示するために、情報端末10と洗濯機1とを通信させることなくメニュー画面を表示することができる。
メニュー画面が表示されている間、操作手段104は、メニュー画面に表示されている
項目の使用者による選択を受け付け、選択された項目に応じた画面の表示、及び選択された項目に応じた洗濯機1の制御が行われる。
図18は、本実施の形態1における情報端末での機器操作メニュー画面を示す図である。
図18に示すメニュー画面G2では、洗濯機1の製品名及び製品番号を表す製品名501、洗濯機1の省エネルギー状態に関する情報を表示するためのエコ情報表示ボタン502、洗濯機1のサポート情報を表示するためのサポート情報表示ボタン503、現在の洗濯機本体の状態を問い合わせる状況確認表示ボタン504、及び洗濯機の洗剤及び柔軟剤情報(洗濯に必要な情報)を設定するための設定表示ボタン505が表示される。
エコ情報表示ボタン502、サポート情報表示ボタン503、状況確認表示ボタン504及び設定表示ボタン505は、操作手段104を介して選択可能である。エコ情報表示ボタン502が選択されると、洗濯機1の消費電力などの省エネルギーに関する情報を表す画面が表示され、サポート情報表示ボタン503が選択されると、洗濯機1をサポートするための情報を表す画面が表示され、状況確認表示ボタン504が選択されると、現在の洗濯機本体の状態を問い合わせる為に情報端末10と洗濯機1とが通信させる通信指示画面が表示される。
なお、メニュー画面G2に表示される項目は、図18に示す項目に限定されず、種々の項目を表示することが可能である。
図7のフローチャートの説明を再開する。ステップS704にて、図18のメニュー画面G2において設定表示ボタン505が受付けられた場合、次のステップS705にて情報端末10には設定説明画面を表示する。設定説明画面は特に図示しないが、使用者に対して、洗剤及び柔軟剤を設定する方法について説明文を記載した説明画面であり、説明内容確認後に、使用者により次ステップへの移行を受付けるためのボタンを有している。
上記次ステップへの移行を使用者からの指示として受付けると(ステップS706)、ステップS707にてサーバ300に設定画面情報の要求を送信する。
サーバ300では、ステップS771にて情報端末10からの設定画面情報要求を受信した後、ステップS772にて使用者毎に記憶手段302に記憶している洗剤及び柔軟剤に関する設定内容を読み出し、情報端末10に表示すべき設定画面情報を作成し、ステップS773にて情報端末に送信する。
図5は、本発明の実施の形態1における洗濯機情報サーバ上の使用者毎の洗剤・柔軟剤関連設定データベースを示す図である。使用者毎に1行で表されており、例えば使用者Aに対しては、洗剤は洗剤Aを、柔軟剤は柔軟剤Aを、すすぎ回数は2回が設定値として記憶されていることとなる。使用者の特定は、図6のフローチャートのステップS602で使用者が入力した使用者を特定する為のID番号によってなされる。
情報端末10は、ステップS708にてサーバ300から送信された設定画面情報にもとづき、設定画面を表示する。
図19は、本実施の形態1における情報端末での洗剤選択画面を示す図である。
図19に示す画面G4には、使用者が過去に設定した洗剤の銘柄を表示し、かつ選択されると洗剤の銘柄を選択する画面を呼び出すボタン701と、同様に柔軟剤の銘柄を表示
し、選択されると柔軟剤の銘柄を選択する画面を呼び出すボタン703と、洗濯運転時にすすぎを何回実施するかの設定を表示する表示702と、それらの洗剤および柔軟剤に関連する情報を洗濯機1に設定するための処理を実行するためのボタン704とを備えている。
図8は画面G4での処理のフローチャートである。
ステップS801で洗濯機1に洗剤および柔軟剤に関連する情報を洗濯機1に設定するためのボタン704が選択されると、図9のフローチャートで説明する処理へと移行する。次にステップS802で洗剤の銘柄を選択するためにボタン701が選択されると、図10のフローチャートで説明する処理へと移行する。次にステップS803で柔軟剤の銘柄を選択するためのボタン703が選択されると、柔軟剤の銘柄を選択するための処理へと移行するが、洗剤の銘柄を選択する際の処理とほぼ同様なので、本実施例ではフローチャートでは説明しない。
図10を使って、洗剤の銘柄を設定する一連の処理について説明する。
情報端末10は、ステップS1001において、洗剤設定画面を表示するための要求を送信する。
サーバ300は、ステップS1011で洗剤設定画面の要求を情報端末10から受信すると、ステップS1012で洗剤設定画面情報を生成する。洗剤設定画面情報は、記憶手段302に記録された洗剤銘柄のデータベースと、使用者毎に記録された選択中の洗剤銘柄設定のデータベースの情報から生成される。
図4は、本発明の実施の形態1における洗濯機情報サーバ上の洗剤銘柄毎の洗剤データベースを示す図である。洗剤設定毎に洗剤名称と、基準水量に対して洗剤を投入すべき投入量の係数、及び当該洗剤銘柄に対して推奨されているすすぎ回数とが記録されている。このデータベースがサーバ300に記録されているため、洗剤が新規に発売された場合であっても、サーバ300のデータベースを修正することで、洗濯機システム全体として簡便に対応することができる。
洗濯動作の際に投入すべき洗剤の量について説明する。洗濯時に投入すべき洗剤量は、多すぎると泡が大量に発生して洗濯機からあふれでるおそれがある。また、排水時に排水溝からあふれでるおそれもある。また、泡が大量に発生した状態で脱水を行うと、脱水時にかかるモータの負荷が増大するという課題もある。逆に洗剤量が少なすぎると、適切な洗浄性能を得ることができないという課題がある。
上記のような課題を回避するために洗剤は適切な量を投入する必要があるが、適切な量は洗剤を投入する際の洗濯機内の水量によって異なる。ドラム式の洗濯機の場合は使用する水量が少ないので特に洗剤を多く投入すると過大な泡の発生が起こりうる。多くの洗剤のパッケージには適切な投入量を示す表示が記載されているが、それはある基準の水量を仮定し、その水量に対して適切な量を重量で表示している。ただし重量で表示しても毎回の洗濯時に重量を計測するのは簡便とは言えないため、洗剤にスプーンなどの計量器を同梱し、当該計量器での杯数も併せて表示するのが一般的である。ここで異なる種類の洗剤について、同梱される計量器の大きさは当然異なるので、基準の水量が同じであっても、杯数の表示は洗剤によって異なる事となる。
図4の基準水量に対する洗剤投入量係数とは、この杯数の表示を洗濯機で洗剤毎に適切に行うための係数であり、基準の水量に対して、洗剤に同梱した計量器にて何杯の投入が
適切かを示す。図4の例で言えば、洗剤Aに対する基準水量に対する洗剤投入量係数は100となっており、これは基準の水量に対して、洗剤に同梱した計量器にて100/100=1杯の投入が適切であることを示しており、洗剤Cの係数が80であることから、80/100=0.8杯の投入が適切であることを示している。
なお、図4は洗剤に対するデータベースの例であり、本実施例では柔軟剤に対しても同様のデータベースを持つこととする(図示せず。なお、推奨すすぎ回数の情報は柔軟剤のデータベースには不要である)。
以上のように、使用者は、情報端末10にて洗剤または柔軟剤の銘柄を指定し、サーバ300が記憶している洗剤や柔軟剤の係数を洗濯機1に送信することにより、洗剤の量、柔軟剤の量およびすすぎ回数といった洗濯運転に必要な情報を設定することができる。
サーバ300はステップS1013にて、ステップS1012で生成した洗剤設定画面情報を情報端末10に送信する。
情報端末はステップS1002で洗剤設定画面情報を受信した後、ステップS1003にて表示する。
図20は本実施の形態1における情報端末での洗剤選択画面を示す図である。画面G5上には、サーバ300に記憶された各洗剤銘柄の洗剤名称と、当該洗剤を選択するためのボタンが表示される。洗剤Aを選択する際には、ボタン801、洗剤Bを選択する際にはボタン802を情報端末10の操作手段を使って選択することとなる。本例の画面G5では、洗剤選択用のボタンの中でボタン801だけが塗りつぶされており、これにより使用者が現在選択している洗剤が洗剤Aであることを示している。
図10のフローチャートでステップS1004にて使用者が他のボタンを選択した場合には、ステップ1005に移行し、洗剤選択表示を変更する。例えば、使用者が画面G5にてボタン802を選択すると、ボタン801は他の洗剤と同様の表示となり、変わってボタン802が塗りつぶされた表示となる。
なお、使用者が使用する洗剤が画面G5に無かった場合には、ボタン803を選択する。ボタン804はサーバ300に記憶された使用者の洗剤に関する情報を初期設定に戻す場合に選択する。
図20中の画面G5にてボタン805を選択すると、画面G5での洗剤設定操作が終了し、洗剤が決定されたことを意味する。図10のフローチャートのステップS1006での洗剤決定操作が有る場合として、次のステップS1007へ移行することと同じである。なお、ステップS1006にて特に洗剤決定操作が実施されなかった場合には、ステップS1004へ戻り、洗剤設定画面の表示と、使用者による操作を受付ける処理を継続することとなる。
情報端末10はステップS1007で選択された洗剤を特定する情報をサーバ300に送信し、サーバ300はステップS1071にてそれを受信し、ステップS1072にてその洗剤情報を記憶手段302中の使用者毎の洗剤・柔軟剤関連設定データベースに記憶し、ステップS1073にて選択された洗剤に関連して情報端末10で表示すべき情報を送信する。情報端末10はステップS1008にてその情報を受信し、ステップS1009にてその情報を表示する。
図21は、本実施の形態1における情報端末での洗剤関連画面を示す図であり、図10
のフローチャートのステップS1009にて表示される選択洗剤関連画面の一例である。図21の画面G6には、洗剤メーカが推奨しているすすぎ回数が1回となっていることを表示する表示901と、使用者にすすぎ回数を推奨の1回にするか否かを問いかける表示902とが有り、使用者に選択すべきボタンとしてすすぎ1回設定用のボタン904と2回設定用のボタン903とを備えている。
図11は使用者が選択した洗剤がすすぎ1回推奨だった場合の処理フローチャートである。
すすぎ1回推奨洗剤は、泡切れが良い洗剤であり、通常の洗濯運転では2回のすすぎ工程が必要な洗剤が主流であるのに対し、すすぎを1回だけ実施すれば洗い時の洗浄液をすすぐことが可能とされているものである。洗濯機1は2回のすすぎ工程が必要な多くの洗剤に合わせてすすぎ工程を2回繰り返すことを基本動作としている。図2の洗濯工程の図の例で言えば、すすぎ運転のところで、すすぎ回数分繰り返しとなっているところを、2回実施することとなる。これに対し、すすぎ1回推奨洗剤では、すすぎ回数繰り返しのところを1回の実施とすることが推奨されることとなる。
そこで、すすぎ1回推奨洗剤を使用者が選択した場合、使用者に推奨すすぎ回数を表示し、すすぎを何回実施するかを選択するための画面をステップS1009にて洗剤に関連して情報端末10で表示すべき情報として表示するわけである。
図21の画面G6表示の後、ステップS1101にて、使用者によるすすぎ回数選択がされるまで待機し続ける。
情報端末10で使用者によりすすぎ回数が選択されると、ステップS1102にて選択されたすすぎ回数情報をサーバ300に送信する。
サーバ300はステップS1121にてすすぎ回数の選択情報を受信した後、ステップS1122にて記憶手段302中の使用者毎の洗剤・柔軟剤関連設定データベースの中で、すすぎ回数の情報を更新して記憶し、すすぎ回数情報の受信が完了したことを通知するための送信をステップS1123で実施する。情報端末10では、ステップS1103にてサーバ300からのすすぎ回数情報の受信完了通知を受信した後、図7のフローチャートのステップS707の処理へと移行する。
次に、図8のフローチャートにおいて、ステップS803にて柔軟剤の設定変更を受付けた場合の処理を説明する。基本的な処理のフローは図10で説明した洗剤の設定フローと同様なので省略する。図22は、本実施の形態1における情報端末での柔軟剤選択画面を示す図であり、柔軟剤の設定変更を受付けた後に、情報端末10上に表示される柔軟剤を選択して、設定を変更するための画面の一例である。
画面G7には、洗剤に対する図20の画面G5と同様に、サーバ300に記憶された各柔軟剤銘柄の柔軟剤名称と、当該柔軟剤を選択するためのボタンが表示される。柔軟剤Aを選択する際には、ボタン1001、柔軟剤Bを選択する際にはボタン1002を情報端末10の操作手段を使って選択することとなる。本例の画面G7では、柔軟剤選択用のボタンの中でボタン1001だけが塗りつぶされており、これにより使用者が現在選択している柔軟剤が柔軟剤Aであることを示している。使用者が他のボタンを選択した場合には、柔軟剤選択表示を変更する。例えば、使用者が画面G7にてボタン1002を選択すると、ボタン1001は他の柔軟剤と同様の表示となり、変わってボタン1002が塗りつぶされた表示となる。
なお、使用者が使用する柔軟剤が画面G7に無かった場合には、ボタン1003を選択する。ボタン1004はサーバ300に記憶された使用者の柔軟剤に関する情報を初期設定に戻す場合に選択する。
図22中の画面G7にてボタン1005を選択すると、画面G7での柔軟剤設定操作が終了し、洗剤が決定されたことを意味する。
次に、図9を使って、使用者によって設定された洗剤及び柔軟剤設定、洗剤に関連して決定したすすぎ回数の設定を、洗濯機1に設定する処理を説明する。この処理は、図8のステップS801で洗濯機1への洗剤及び柔軟剤関連の設定を転送することを受付けた場合に実施される。言い換えれば、図19の画面G4にてボタン704を選択した場合の処理である。
まず、情報端末10は、洗濯機1に設定を実施するために送信すべき設定コマンドを生成することをサーバ300に要求するために送信をステップS901にて行う。
サーバ300はステップS911にて設定コマンドを生成する要求を受信すると、ステップS912にて設定コマンドを生成する。設定コマンドには、使用者が選択した洗剤銘柄に対する投入量の係数、洗剤を選択した際に追加で選択したすすぎ回数設定、使用者が選択した柔軟剤銘柄に対する投入量の係数を表すパラメータが含まれる。次にステップS913にてステップS912にて生成した設定コマンドを情報端末10に送信する。
情報端末10はステップS902にて設定コマンドを受信した後、ステップS903にて使用者に洗濯機1と情報端末10を近づけて通信が可能となるように指示する画面を表示する。その後、情報端末10は洗濯機1に設定コマンドを送信する。
洗濯機1はステップS941にて設定コマンドを受信すると、ステップS942にてコマンドに含まれている情報を記憶手段24にて記憶する。使用者が選択した洗剤銘柄に対する投入量の係数は洗剤量表示データ記憶手段24bに、洗剤を選択した際に追加で選択したすすぎ回数設定はすすぎ回数設定記憶手段24dに、使用者が選択した柔軟剤銘柄に対する投入量の係数は柔軟剤量表示データ記憶手段24cに記憶する。次にステップS943にて設定コマンドの受信が完了したことを通知するための送信を情報端末10に対して実施する。
情報端末10はステップS905にて洗濯機1からコマンド受信完了通知を受信した後、使用者に対して設定が完了したことを通知する画面を表示(ステップS906)する。これにより、使用者による洗剤および柔軟剤に関連する情報を洗濯機1に設定する処理が終了する。
なお、記憶手段302中の使用者毎の洗剤・柔軟剤関連設定データベースに記憶するのを、使用者によって洗剤もしく柔軟剤を選択した直後及びもしくはすすぎ回数を選択した直後の情報端末10からサーバ300への通信の直後としているが、これに限定されるものではない。例えば、使用者が設定した洗剤、柔軟剤の選択を終えて、洗濯機1への設定を行うことを選択した後の情報端末10からサーバ300への通信後でも良い。もしくは、洗濯機1への設定が完了した通知を情報端末10からサーバ300へ送信するフローを追加し、洗濯機1への設定が完了したことをサーバ300が通知を受けた後で、記憶手段302中の使用者毎の洗剤・柔軟剤関連設定データベースに記憶するのでも良い。使用者が洗濯機1へ設定を行ったことにより洗剤および柔軟剤の設定が更新されるので、洗濯機1とサーバ300の使用者毎の洗剤及び柔軟剤の設定が一致した状態とすることができる。
次に図12を使って、洗濯機1に設定された洗剤および柔軟剤に関連する情報を洗濯動作時に利用する処理を説明する。
使用者により洗濯機1の電源が投入されて処理が開始される。
まずステップS1201で、洗濯機1での洗濯動作について使用者が表示手段26と操作手段25を使用して設定を行うための処理が行われる。洗濯動作に関する設定の具体的な例としては、洗濯動作を大きく変更するコースの指定、設定されたコースでの洗いを行う時間の指定、すすぎ回数の指定、脱水時間の指定、乾燥工程の有無や時間の指定、洗濯時に利用する水量を決定するための水位の指定などがある。
ステップS1202で使用者により運転開始を操作手段25により指示された場合は、次のステップS1203にて布量を判定するための工程を実施する。布量の判定動作は、制御手段23の布量検知部23dにより洗濯手段21を制御することで実施される。
ステップS1203の布量判定工程の実施が終了すると、次にステップS1204にて水位の指定がされているか否かによって処理を分岐する。水位指定が使用者により運転開始受付け前のステップS1201にて実施されていた場合は、ステップS1205へすすみ、指定された水位を洗濯運転中の水位設定とする。水位指定がされていなかった場合には、ステップS1206へすすみ、ステップS1203で判定した洗濯機1に投入された布量によって、水位を決定する。布量が少なかった場合には水位を低くし、多かった場合には水位を高めることで、必要な洗浄及びすすぎ性能を確保しつつ、使用する水量を最小限に抑制するように水位を決定する。
次にステップS1207にて、洗剤量表示データ記憶手段24bに、使用者によって指定された洗剤に対する洗剤量情報が記憶されているかによって処理を分岐する。情報が記憶されている場合も、されていない場合にも、さらに、柔軟剤量表示データ記憶手段24cに使用者によって指定された柔軟剤に対する柔軟剤量情報が記憶されているかによって処理を分岐する(ステップS1208及びステップS1209)。結果として、洗剤量情報と柔軟剤量情報ともに記憶されていた場合には、ステップS1211にて洗剤および柔軟剤の表示D1を表示する。洗剤量情報はあって柔軟材料情報は無い場合はステップS1210にて表示D2を表示し、洗剤量情報は無くて柔軟剤量情報がある場合はステップS1212にて表示D3を表示し、洗剤量情報と柔軟剤量情報ともに記憶されていなかった場合には、ステップS1213にて表示D4を表示する。
投入量表示(ステップS1210〜ステップS1213)を所定時間実施した後、ステップS1214にて洗い、すすぎなどの実際の洗濯運転をステップS1214で実施した後に、運転を終了する。
ステップS1210からステップS1213の投入量表示について図13〜16を用いて説明する。図13〜16は、本発明の実施の形態1における洗濯機での洗剤・柔軟剤投入量表示を示す図である。なお、これらの表示は洗濯機1の表示手段26によって行われる。
図13は、本発明の実施の形態1におけるステップS1211の表示D1の例である。洗剤が使用者によって指定されているため、指定洗剤に対する表示であることを示す表示1301と共に、投入すべき洗剤量を表示1302にて表示している。投入すべき洗剤量は、ステップS1205もしくはステップS1206で決定された水位設定から、洗濯時に利用する水量を算出して基準水量に対する比率を求め、それに対して洗剤量表示データ
記憶手段24bに記憶されている基準水量に対する洗剤投入量係数を掛け合わせることで求めることができる。これにより、指定された洗剤に付属している計量具にて、指定された洗剤を何杯投入すべきかを表示することができる。
柔軟剤に対しても同様に、指定柔軟剤に対する表示であることを示す表示1303と共に、投入すべき柔軟剤量を表示1304にて表示している。投入すべき柔軟剤量は、洗剤量の場合と同様に求めることができる。
図14は、ステップS1210の表示D2の例である。洗剤は使用者によって指定されているため、図13と同様に指定洗剤に対する表示であることを示しつつ、投入すべき洗剤量を表示している。柔軟剤について使用者によって指定されておらず、かつ洗濯において柔軟剤の投入は必須では無いため、柔軟剤の投入量の表示は特に実施しない。
図15は、ステップS1212の表示D3の例である。洗剤が使用者によって指定されていないが、通常洗濯において洗剤は必ず投入されると想定されるため、多くの洗剤で有効な洗剤投入量を表示するが、図13の表示1301に相当する指定洗剤に対する表示は行わない。柔軟剤表示に関しては図13の場合と同様である。
図16は、ステップS1213の表示D4の例である。図15と同様に、洗剤が使用者によって指定されていないが、通常洗濯において洗剤は必ず投入されると想定されるため、多くの洗剤で有効な洗剤投入量を表示するが、図13の表示1301に相当する指定洗剤に対する表示は行わない。柔軟剤に関しては、図14の表示と同様に投入量表示を行わない。
本実施の形態の洗濯機システムを使用者が利用を始めた初期状態では、洗剤もしくは柔軟剤の指定を行っていない状態となる。この状態では、投入量表示は図16となり、洗剤の投入量のみが表示され、柔軟剤に対する情報は提示されない。使用者が柔軟剤を利用する際には、柔軟剤添付の説明書及び洗濯機の説明書により投入量を使用者が決める必要がある。これは柔軟剤の利用の有無が使用者によってまちまちで、利用する使用者もいれば、利用しない使用者もおり、利用しない使用者にとって柔軟剤情報は情報過多による混乱をきたす恐れがあるからである。しかるに、本実施の形態の洗濯機システムによって柔軟剤の指定を行った使用者に対しては、柔軟剤の投入量情報を提示することができるため、柔軟剤を利用する使用者に対してのみ柔軟剤情報を提示することが可能となる。このようにして、使用者の使用実態に応じた表示をすることができる。
図23は、本実施の形態1における洗濯機での初期表示画面を示す図である。表示手段26がドットマトリクス方式の液晶で構成され、操作手段25がタッチパネルで構成されている。表示手段26によって、洗濯機1の運転コースを使用者が選択するためのコース選択用ボタン2301、2302、2303と、別途、洗濯機1の設定を使用者に選択させるメニュー画面を表示するためのメニュー呼出ボタン2304とが表示されている。使用者が当該ボタン領域をふれると、操作手段25のタッチパネルによって使用者による選択操作が検知される。
図24は、本実施の形態1における洗濯機でのメニュー画面を示す図であり、図23の画面にて使用者がボタン2304を選択すると表示されるメニュー画面の一例である。表示2401によって、現在表示している画面がメニュー画面であることを示している。ボタン2402は洗濯機1の設定のうち、すすぎ回数の情報を変更する画面を表示するためのものである。ボタン2403は洗濯機1の設定を初期状態に戻すための画面を表示するためのものである。ボタン2403を選択した場合の動作については、別途図28のフローチャートを使って説明する。
図25は、本実施の形態1における洗濯機でのすすぎ回数変更画面を示す図であり、使用者がボタン2402を操作手段25のタッチパネルによって選択すると表示される画面の一例である。表示2501によって、現在表示している画面がすすぎ回数の設定変更のためのものであることを提示している。表示2502の文章によって図25の画面で設定変更するすすぎ回数が、特定のコースを使って運転した際に反映されることを提示している。ボタン2503と2504は設定するすすぎ回数を指定するためのボタンであり、ボタン2503を選択するとすすぎを1回に、ボタン2504を選択するとすすぎを2回に選択することとなる。現在選択している設定を使用者に提示するために、選択している設定に相当するボタンの色を変化させる。図25の例では、ボタン2503のすすぎ1回が選択されている状態を示している。ボタン2505は、ボタン2503および2504によって選択されたすすぎ回数を洗濯機1の設定として決定するためのものである。
図25の画面で、すすぎ回数が設定されると、制御手段23は記憶手段24中のすすぎ回数設定記憶手段24dに当該設定を記憶する。
次に、図28のフローチャートを使って、図24のメニュー画面において使用者が設定を初期に戻す選択を実施した場合の動作について説明する。図28は、本実施の形態1における洗濯機における設定初期化時のフローチャートである。
図24のメニュー画面において、使用者がボタン2403を選択することにより、図28のフローチャートのステップS2801にて洗濯機1の設定内容を初期状態に戻す処理を開始する。
次にステップS2802において、洗濯機1の制御手段23は、記憶手段24中の洗剤量表示データ記憶手段24b及び柔軟剤量表示データ記憶手段24cに、洗剤もしくは柔軟剤量の表示データに関する設定が記憶されているかを判定する。洗剤もしくは柔軟剤の表示データに関する設定が記憶されている場合はステップS2802へ進み、記憶されていない場合はステップS2806へ進む。
次にステップS2803において、洗濯機1の制御手段23は表示手段26に対し、洗濯機1の設定を初期状態に戻すことを使用者に確認するための表示D8を表示する。
図26は、本実施の形態1における洗濯機での設定初期化確認画面を示す図であり、初期状態に戻すことを使用者に確認するための表示D8の一例である。表示2601にて当該画面が初期状態に戻すことを選択するための画面であることを提示している。さらに表示2602において、洗濯機1で設定可能な設定内容と共に、洗剤および柔軟剤の設定も併せて初期状態に戻すことを使用者に提示している。ボタン2603は、使用者が初期状態に戻すことを選択するためのものである。ボタン2604は初期状態に戻すことを取りやめるためのものである。ボタン2605は、ボタン2603もしくはボタン2604によって使用者が選択した動作を決定して図26の画面操作を終了するためのボタンである。使用者がボタン2603、ボタン2604、ボタン2605を選択することは、操作手段25のタッチパネルにふれることにより実行される。
図28のフローチャートに説明を戻す。ステップS2804で使用者が初期状態に戻すことを決定した場合はステップS2805へ進み、初期状態に戻すことを取りやめた場合はステップS8209へ進んで、初期状態に戻すための一連の動作を終了する。ステップS2805へすすむ場合とは、図26の画面において、使用者がボタン2603を選択した状態で、ボタン2605を選択した場合に相当する。
次にステップS2805において、制御手段23は、記憶手段24中の洗剤量表示データ記憶手段24bと柔軟剤量表示データ記憶手段24cに記憶されている洗剤および柔軟剤量の表示データに関する設定を初期化する。
次にステップS2808において、その他の洗濯機1の設定内容を初期化する。本実施の形態においては、すすぎ回数設定記憶手段24dに記憶されている、すすぎ回数設定が初期化される。なお、洗濯機1の他の設定を使用者に変更できるようにしておき、それらの内容を初期化するようにしてもよい。例えば、洗濯運転終了時に使用者に終了を報知するブザーの吹聴を行うか否かの設定などである。
ステップS2802から分岐するステップS2806に進んだ場合(ステップS2806のNO)は、洗濯機1の制御手段23は表示手段26に対し、洗濯機1の設定を初期状態に戻すことを使用者に確認するための表示D9を表示する。
図27は、本発明の実施の形態1における洗濯機での設定初期化確認画面を示す図である。表示2701にて当該画面が初期状態に戻すことを選択するための画面(表示D9)であることを提示している。さらに表示2702において、洗濯機1で設定可能な設定内容を初期状態に戻すことを使用者に提示している。ボタン2703は、使用者が初期状態に戻すことを選択するためのものである。ボタン2704は、初期状態に戻すことを取りやめるためのものである。ボタン2705は、ボタン2703もしくはボタン2704によって使用者が選択した動作を決定して図27の画面操作を終了するためのボタンである。使用者がボタン2703、ボタン2704、ボタン2705を選択することは、操作手段25のタッチパネルにふれることにより実行される。
図28のフローチャートに説明を戻す。ステップS2807で使用者が初期状態に戻すことを決定した場合はステップS2808へ進み、初期状態に戻すことを取りやめた場合はステップS8209へ進んで、初期状態に戻すための一連の動作を終了する。ステップS2808へすすむ場合とは、図27の画面において、使用者がボタン2703を選択した状態で、ボタン2705を選択した場合に相当する。
ステップS2808以降の動作は前述の通りなので割愛する。
図26の初期状態に戻すことを使用者に確認するための画面での表示2602と、図27の初期状態に戻すことを使用者に確認するための画面での表示2702との違いにより、使用者は洗濯機1の操作時に、洗濯機1本体での操作・設定だけでなく、情報端末10での操作・設定による洗剤及び柔軟剤についての設定も初期化されることを初期化の実行前に知ることが出来る。また、情報端末10の操作・設定による設定も、情報端末10を用いることなく、洗濯機1の操作・設定のみで初期化することができる。これにより、何らかの理由により情報端末10、ネットワーク200、サーバ300が利用不可能な状況であっても、洗濯機1の設定を初期状態に戻すことが可能となる。
なお、本実施の形態においては、情報端末10に表示すべき画面情報を、サーバ300から情報端末10に送信するものとし、それらの画面によって使用者が選択した洗剤および柔軟剤に関する設定内容をサーバ300に記憶し、さらにサーバ300は、選択した洗剤及び柔軟剤に関する設定を洗濯機1に送信する設定コマンドを生成し、情報端末10に送信するものとしているが、これに限定されるものではない。
例えば、情報端末10の記憶手段107に情報端末10に表示すべき画面を生成する情報を記憶し、それらの画面によって使用者が選択した洗剤および柔軟剤に関する設定内容も情報端末10の記憶手段107に記憶し、さらに情報端末10の制御手段105が、選
択した洗剤及び柔軟剤に関する設定を洗濯機1に送信する設定コマンドを生成するようにしても良い。このような構成とする場合でも、新しい洗剤や柔軟剤の銘柄が発売されるなどした際には、この記憶手段107に記憶された情報を更新することで対応することが可能である。更新の方法としては、例えば、更新の時のみネットワーク200に接続してネットワーク上の情報サーバからデータを取得しても良いし、メモリーカードなどの外部記憶手段を介してデータを取得しても良い。
上記のような構成とすることで、使用者による、情報端末10の操作による洗剤および柔軟剤の選択操作、及びその選択結果の洗濯機1への送信を行う一連の操作の際に、情報端末10とサーバ300の通信が不要となる。すなわち、情報端末10が移動体通信網のネットワーク200に対してアクセス不能な圏外状態であっても一連の操作が可能となる。さらに、使用者が選択した洗剤および柔軟剤に関する設定内容も含めて情報端末10の記憶手段107に記憶されるので、一連の操作の前の、サーバ300に対する使用者に認証手続きも不要となる。さらに、そもそも情報端末10がネットワーク200に接続することが必須ではなくなるので、情報端末10の構成を簡素化することが可能となる。
本実施の形態において、情報端末10と洗濯機1の間の通信を、ループアンテナを介した近距離無線通信としたが、これに限定されるものではない。Wi−Fiなどの無線LANによって複数端末間の通信が可能な方式で情報端末10と洗濯機1間の通信を行っても良いし、赤外線通信などの1対1の通信方式を利用しても良い。
なお、情報端末10がネットワーク200に接続する通信もWi−Fiなどの無線LANとしても良い。