第1の発明は、通信ネットワークを介して通信可能な電気機器及び電気機器情報サーバ及び情報端末及び中継装置を備えた機器制御システムにおいて、前記通信ネットワークは宅外のネットワークと宅内のネットワークを含み、前記電気機器と前記情報端末は近距離で相互に通信を行う近接無線通信手段を備え、前記電気機器情報サーバ及び前記中継装置のいずれかは、前記電気機器と前記情報端末が前記近接無線通信手段により通信を行うと通信実績の有無を記憶する記憶手段を備え、前記通信実績が有りの場合に、前記情報端末は前記通信ネットワークを介して前記電気機器と通信が可能となることにより、宅外からの電気機器へのアクセスは、宅内で近接無線通信により電気機器を制御したことがある情報端末に限定されることとなるので、信頼性や安全性を高くすることができる。
また、近接無線通信手段を有しない電気機器であっても、宅外からのアクセスは、宅内で近接無線通信により電気機器を制御したことがある情報端末に限定されることとなり、近接無線通信手段を持つ機器と同様に、信頼性や安全性を高めることができる。
以下、発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。また、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態における機器制御システムの全体構成を示す概略構成図、図2は、同機器制御システムに接続された例である洗濯機の運転工程の概念図である。
図1、図2において、このシステムは、電気機器の接続例である洗濯機1およびエアコン700と、情報端末10、サーバ300、宅内ゲートウェイ400とを備える。サーバ300は、電気機器情報サーバとして例示される。宅内ゲートウェイ400は、中継装置として例示される。
洗濯機1は、ループアンテナ27を介して近接無線通信を利用して情報端末10と通信可能であり、近接無線通信機能と宅内ネットワーク500への接続機能を備えている。
エアコン700は、宅内ネットワーク500への接続機能のみを備えている。
宅内ネットワーク500には、洗濯機1、エアコン700以外の電気機器が接続されてもよいが、ここでは図示の簡略化のため、近接無線通信機能と宅内ネットワーク500への接続機能を備えた例としての洗濯機1と、宅内ネットワーク500への接続機能のみを備えた例としてのエアコン700のみを示す。このように、情報端末10と近距離で相互に通信を行う近接無線通信手段を備える第1の電気機器は、洗濯機1で例示され、近接無線通信手段を備えない第2の電機機器は、エアコン700で例示される。
宅内ゲートウェイ400は、宅内ネットワーク500を構築するための宅内通信インターフェース401、操作部402、及びインターネットなどのネットワーク600を介した通信のための外部通信インターフェース403を備え、それらの動作は制御部404により制御される。操作部402には、入力操作部と表示のためのLED又は液晶画面などの表示部が含まれる。そして、操作部402により、宅内ゲートウェイ400の動作を設定し、宅内ネットワーク500に接続された電気機器の動作を設定するための操作を行うことができる。
宅内ネットワーク500は、無線、有線、何れでもよい。無線の場合は、無線LAN、特定小電力無線、Bluetooth(登録商標)、ZigBeeなどが想定される。IrDAなどの赤外線無線通信であってもよい。有線であれば、Ethernet(登録商標)などが想定される。
情報端末10は、例えば携帯電話機などの通信装置から構成され、ループアンテナ106を介して近接無線通信を利用して洗濯機1と通信するとともに、ネットワーク200を介してサーバ300と通信可能に接続されている。情報端末10は、洗濯機1のRFID又はNFCと通信可能なリーダ/ライタを備える機器であればどのような機器であってもよいが、可搬性のある機器がより好ましい。
サーバ300は、公知のサーバコンピュータなどから構成され、ネットワーク200を介して情報端末10と通信可能に接続されている。
図2において、洗濯機1の洗濯運転とは、衣類を洗濯水に浸し洗濯槽を回転することで汚れを落とす洗い運転、洗剤水で浸った衣類を水ですすぐすすぎ運転、水を含んだ衣類を脱水する脱水運転、温風をあてて衣類を乾燥させる乾燥運転の少なくとも1つを含んだ形で構成されている。そして、この各運転は、更に各種行程を行うことである。例えば、洗い運転であれば、布量判定行程、洗剤量表示行程、給水行程、押し洗い行程、もみ洗い行程…といった具合である。
図3は、本発明の実施の形態における機器制御システムの構成図である。
図3において、情報端末10は、第1通信手段101、第2通信手段102、第3通信手段107、報知手段103、操作手段104、制御手段105及びループアンテナ106を備えている。
情報端末10の第1通信手段101は、ループアンテナ106を介して近接無線通信を利用して洗濯機1と通信する。
ループアンテナ106は、近接無線通信を行うためのアンテナである。本実施の形態では、近接無線通信として、例えば13.56MHz帯を用いる高周波数帯域のRFID(Radio Frequency IDentification)、又は、NFC(Near Field Communication)を想定しているが、この周波数帯に限定されることはない。近接無線通信の周波数帯は、90MHz〜1GHzのUHF帯であってもよく、2GHz帯を越える周波数帯であってもよい。
近接無線通信は、通信距離が短く、通信を行う2つの無線通信機器のループアンテナ同士を接近させる必要がある。無線通信機器のループアンテナが実装されている面には、ループアンテナの位置を表すマークが付されており、使用者は2つの無線通信機器のマーク同士を接近させて、2つの無線通信機器間で通信を行わせる。携帯電話機に内蔵されるRFIDはループアンテナの出力を上げることができないため、例えば数mm単位でのループアンテナ同士の位置合わせが必要であり、互いのループアンテナを正確に接近させる必要がある。
なお、本実施の形態では、第1通信手段101は、ループアンテナ106を介して近接無線通信を利用して洗濯機1と通信しているが、本発明は特にこれに限定されず、洗濯機1との通信距離が数m程度と限定される通信方式であれば、近接無線通信以外の電波又は光などを用いた他の無線通信を利用してもよい。
情報端末10の第2通信手段102は、ネットワーク200を利用してサーバ300と通信する。なお、ネットワーク200は、例えば移動体通信網である。
また、情報端末10は、第3通信手段107により、宅内ネットワーク500への接続が可能となっている。
報知手段103は、使用者に電気機器を電気機器情報サーバに登録するための画面や、登録した電気機器の一覧の画面、登録した電気機器を操作・制御するための画面を表示する。
操作手段104は、例えばタッチパネル又は操作キーなどで構成され、使用者による入力操作を受け付け、報知手段103で表示される画面での入力操作に利用される。
制御手段105は、情報端末10全体を制御し、表示制御部105a、第1通信制御部105b及び第2通信制御部105c、第3制御部105dを備える。
操作手段104の表示制御部105aは、報知手段103に表示する表示画面を切り替える。例えば、電気機器を登録するための画面の表示の後に、登録した電気機器を含む電気機器の一覧画面に切り換えるといった具合である。第1通信制御部105bは、第1通信手段101を制御する。第2通信制御部105cは、第2通信手段102を制御し、第3制御部105dは第3通信手段107を制御する。
本実施の形態において、情報端末10の通信指示画面は、情報端末10の第1通信手段101と洗濯機1とが通信するために、第1通信手段101と洗濯機1とを近接させることを使用者に指示するための画面である。第1通信手段101は、第1通信手段101と洗濯機1とが通信可能な距離に近接された後、機器特定情報を含む機器個別情報を洗濯機1から読み出す。
情報端末10の第2通信手段102は、洗濯機1から読み出した機器個別情報を、サーバ300の通信手段301を介して送信する。さらに、第2通信手段102は、サーバ300が決定した情報端末10で表示する画面情報を受信する。表示する画面情報とは、使用者に電気機器を登録するための情報を入力させる画面や、登録した電気機器の一覧画面などである。
洗濯機1は、洗濯機本来の機能である洗い、すすぎ、脱水、乾燥などを行う洗い・すすぎ、脱水・乾燥手段21(以下、洗濯手段21と記載する)、第1通信手段22、制御手段23、記憶手段24、操作手段25、表示手段26及びループアンテナ27を備えている。
洗濯機1は、また、宅内ネットワーク500に接続し、宅内ゲートウェイ400と通信する第2通信手段28を備えている。第1通信手段22および101は、近接無線通信手段として例示される。
洗濯手段21とは、洗い、すすぎ、脱水、乾燥の各機能を実現するものであり、洗濯槽(図示せず)を回すモータ(図示せず)、給水量を調整する給水弁(図示せず)、排水するための排水弁(図示せず)、洗濯、すすぎ水を循環させるための循環ポンプ(図示せず)、風呂水を洗濯機1に引き入れるために使用するパスポンプ(図示せず)、乾燥させるために温風を発生させるヒータ(図示せず)、温風を循環させる送付ファン(図示せず)などから構成される。
洗濯機1の第1通信手段22とは、ループアンテナ27を介して近接無線通信により双方向で種々の情報を情報端末10と送信及び受信する。ループアンテナ27は、近接無線通信を行うためのアンテナである。なお、第1通信手段22が受信部と送信部の一例に相当する。
制御手段23とは、マイクロコンピュータであり、洗濯機1を機能させるために予め作成されたプログラムとデータなどを格納するメモリ(図示せず)を備えている。
制御手段23の工程管理部23aは、各運転(洗い、すすぎ、脱水、乾燥)において実施する工程を管理するともに、洗濯手段21を制御する。洗濯手段21を制御するとは、洗濯槽の揺れを検知しながらモータの回転を制御したり、洗濯槽に給水された水位を検知して給水弁を開閉させたり、排水弁を開閉させたり、温風の温度を検知しながらヒータをON/OFFさせたりすることである。
また、制御手段23は、洗濯手段21を制御して、洗濯機に投入された衣類の量を検知する布量検知部23dを備える。布量検知部23dは、衣類が投入された洗濯槽を回すモータを一定トルクで駆動するように洗濯手段21を制御し、洗濯槽の回転数を監視することで洗濯槽に投入された衣類の量を検知する。なお、布量検知の方式は、特に上記方式に限定されるものではなく、洗濯機に投入された衣類の量を検知することが出来れば良い。給水時の洗濯槽内の水位の変位速度を見る方式でも、洗濯槽を指示する機構部品に備わった重量計を利用する方式であっても良い。
また、制御手段23は、洗濯動作時の洗濯槽内に給水する水位を決定する水位決定部23bを備える。水位決定部23bは、布量検知部23dによる衣類の量によって水位を決定する。布量が多い場合には水位を高めにし、少ない場合には水位を低めにする。こうすることで、洗濯機1に投入された衣類に応じ、不必要に水を利用することなく、必要な洗浄性能、すすぎ性能を得ることができる。さらに水位決定部23bは、操作手段25によって使用者により水位設定を指示されている場合には、その水位設定に従う。
制御手段23の応答内容決定部23cは、情報端末10から第1通信手段22を経由して、機器個別情報を問い合わせを受けた際に、その問い合わせに対する応答内容を決定する処理部である。洗濯機1の現在の洗濯機本体の状態など洗濯機1の情報を問い合わせる信号を受信した時に、その問い合わせ信号に対する応答内容を決定する処理部である。
記憶手段24は、機器個別情報記憶手段24a、洗剤量表示データ記憶手段24b、柔軟剤量表示データ記憶手段24c、すすぎ回数設定記憶手段24dを備える。
記憶手段24の機器個別情報記憶手段24aには、洗濯機1を特定するための機器特定情報、近接無線通信機能に関する情報、及びネットワーク接続機能に関する情報が製造時などに予め記憶されている。以下、これら3つの情報、即ち、機器特定情報、近接無線通信機能に関する情報、及びネットワーク接続機能に関する情報を機器個別情報と記載する。
機器特定情報は下記のような複数の情報を一体としているものである。機器特定情報には、電気機器を複数種類の電気機器の中から特定するための情報として品番を備える。さらに品番が同一の電気機器の中でさらに電気機器の個体を特定するために製造時のシリアル番号を備える。さらに機器特定情報には、電気機器の形状特徴を表現する色情報を備える。さらにドラム式洗濯機の場合の機器特定情報には、電気機器の形状特徴を表現する情報として洗濯機のフタの開く方向を示す情報を備える。
記憶手段24の洗剤量表示データ記憶手段24bには、情報端末10で使用者が指定した洗剤に対して、洗濯機1での洗濯時に、水位決定部23bで決定された水位に基づいて投入すべき洗剤量を決定するための情報を記憶する。
柔軟剤量表示データ記憶手段24cには、情報端末10で使用者が指定した柔軟剤に対して、洗濯機1での洗濯時に、水位決定部23bで決定された水位に基づいて投入すべき柔軟剤量を決定するための情報を記憶する。
すすぎ回数設定記憶手段24dには、洗濯機1が洗濯時にすすぎを何回実施するかを記憶する。工程管理部23aは、すすぎ回数設定記憶手段24dに記憶された情報に基づき、図2に記載されたすすぎ運転において、すすぎを何回実施するかを決定し、洗濯手段21を制御する。
操作手段25は、例えば操作ボタンなどで構成され、使用者による入力操作を受け付ける。
表示手段26は、例えば7セグメントLEDで構成され、水位設定、洗い時間、すすぎ回数、脱水時間、洗剤量表示、柔軟剤量表示、残り時間及び予約時刻などをデジタル表示する。ここで、操作手段25を操作ボタン、表示手段26を7セグメントLEDにも対応での表示としたが、これに限定されるものではない。表示手段26を液晶パネルで構成しても良いし、操作手段25をタッチパネルで構成しても良い。
サーバ300は、前述した通信手段301と、記憶手段302、及び、制御手段303を備えている。
通信手段301は、ネットワーク200を利用して情報端末10と通信する。
記憶手段302には、情報端末10に表示される洗剤及び柔軟剤の種類と、その種類毎の基準の布量に対して投入すべき洗剤及び柔軟剤の量と、洗剤の種類毎に洗剤の特性によって推奨されるすすぎ回数の情報とを記憶する。
制御手段303は、CPUなどから構成され、通信手段301の動作を制御するとともに、通信手段301を介して受信した情報及び記憶手段302で記憶された情報を元に、情報端末10に通信手段301を介して送信すべき情報を生成する。
また、記憶手段302には、使用者ごとに登録された電気機器を記憶している使用者登録機器データベース302aを含む。
図4は、本発明の実施の形態における同機器制御システムのサーバ上の使用者登録機器データベース302aの一例である。1行ごとが、それぞれセットとして記憶されている。
図4の各列の項目が示す内容について説明する。使用者特定情報は使用者に関する情報、機器名称は使用者によって入力される機器に対して付与される名称、機器特定情報は機器を特定するための情報、近接無線通信機能は機器が近接無線通信機能を備えるか否かに関する情報、ネットワーク接続機能は機器がネットワーク接続機能を備えるか否かに関する情報、ネットワーク識別符号は使用している宅内ネットワークを識別するための情報、情報端末特定情報は情報端末を特定するための情報番号、アクセス実績は情報端末が近接無線通信機能によりアクセスした実績に関する情報である。
ここで、特定の使用者が複数の機器を登録している場合の例として使用者Aのケースが記載されている。使用者Aは、洗濯機という名称を登録時に入力した、機器特定情報がNA−VX4200L−W−00000001という洗濯機(ここでの登録名称は洗濯乾燥機)と、エアコンという名称を登録時に入力した、機器特定情報がCS−X1000C−W−00000001というエアコンを登録している。さらに、機器特定情報がNA−VX4200L−W−00000001は、使用者Aとは別の使用者Bにも登録されている。これは、使用者Aと使用者Bが家族であって1つの機器を共有している状態であることを想定したものである。
図14は、図4の使用者登録機器データベースの一例の中の機器特定情報のうち、NA−VX4200L−W−00000001を例にあげて説明するものである。
機器特定情報は4つのブロックに分けられる。まず、複数種類の電気機器の中から特定するための情報として品番情報1602を備える。電気機器の機能が同じであれば、品番情報1602は同じとなる。次に、ドラム式洗濯機の場合には、形状特徴を表現する情報として洗濯機のフタの開く方向を示すフタ開き方向情報1603を備える。図14の例で、LとはLeftの略で、左開きのフタを意味し、右開きの場合はRとなる。次に、形状特徴を表現する情報として電気機器の色を示す色情報1604を備える。図14の例でWはWhiteの略であり、白色を意味する。ほかにも例えば黒色の場合には、Bとするなどで電気機器の色を特定することが可能となる情報である。さらに、品番が同一の電気機器の中でさらに電気機器の個体を特定するために製造時のシリアル番号情報1605を備える。
以上のように構成された機器制御システムにおいて、以下その動動作、作用を説明する。
まず、近接無線通信機能と宅内ネットワーク500への接続機能を備えた機器例としての洗濯機1の操作、制御について説明する。
図5〜図8は、本発明の実施の形態における機器制御システムのフローチャートであり、図5は使用者認証のフローチャート、図6は機器登録のフローチャート、図7は機器登録のフローチャート、図8はメニュー表示のフローチャートである。
図5において、まず、ステップS501にて、情報端末10の制御手段105は、電気機器、本実施の形態では近接無線通信機能を備えた例としての洗濯機1を制御するための画面を、報知手段103に表示するためのアプリケーションを起動する。このとき、情報端末10の操作手段104は、使用者による当該アプリケーションの起動指示を受け付け、制御手段105は、受け付けられた起動指示に基づいてアプリケーションを起動する。
次に、ステップS502において、表示制御部105aは、使用者情報を使用者に入力させるための画面を表示する。使用者情報とは、使用者を特定するためのID番号と、パスワードからなる情報であり、本ステップ以前に使用者によって設定され、サーバ300に記録されている情報である。情報端末10の報知手段103によってID番号とパスワードを入力する画面を表示し、操作手段104を介して使用者がID番号とパスワードを入力する。
次に、ステップS503において、情報端末10はサーバ300に、入力されたID番号とパスワードを送信する。サーバ300は、ステップS531において、送信されたID番号とパスワードを受信し、次のステップS532において、予めサーバ300に記録されているID番号とパスワードと、ステップS531で受信したものとを比較し、一致するか否かによって、予め登録された使用者か否かを認証し、その結果をステップS533にて情報端末10に送信する。
情報端末10は、ステップS504にて使用者に対する認証結果を受信し、認証結果がOKで有った場合(ステップS505のYes)には、次ステップXへ、認証がなされなかった場合(ステップS505のNo)にはステップS502へ戻り、使用者情報入力画面を再表示して、再度正しいID番号とパスワードを使用者に入力させる。
次ステップX以降については図6にて説明する。
図6において、まず、ステップS601において、情報端末10は認証された使用者に対して登録されている機器の一覧情報をサーバ300に要求するための送信を行う。サーバ300は、ステップS611での要求の受信の後、ステップS612にて登録機器の一覧を作成する。すなわち、サーバ300の制御手段303は通信手段301による要求の受信を受け、記憶手段302中の使用者登録機器データベース302aから認証された使用者が登録している電気機器を検索し、それらの一覧情報を作成する。
次に、ステップS613にて、サーバ300は作成した登録機器一覧を送信し、情報端末10は、ステップS602にて登録機器一覧を受信し、ステップS603にて表示を行う。
ここで、図12は、上記ステップS603にて行われる情報端末10の報知手段103にて、画面に提示される登録機器一覧表示の一例である。
表示例では、当該使用者には3つの電気機器が登録されており、それらの機器一覧が画面G5中に表示されている。3つの電気機器は、表示801、表示804、表示803で表されている。表示801は洗濯乾燥機の形状特徴を表したアイコンが表示されており、アイコン上にある洗濯乾燥機という文字列は使用者によってあらかじめ登録されている機器の名称である。表示804と803は個別のTVをあらわしており、表示804には使用者によって入力された居間のTVという機器の名称が、表示803には同じく使用者によって入力された寝室のTVという機器の名称がTVの形状を表したアイコンとともに表示される。
使用者には2つのTVが登録されているが、使用者によって入力された機器の名称が表示されることで、容易に機器を特定し、選択することができる。表示801、804、803は、情報端末10の操作手段104によって選択可能なボタンとして機能し、使用者によって当該ボタンを選択されると、それぞれの機器を操作・制御するための機器毎の操作画面が情報端末10の報知手段103に表示されることとなる。上記図6のフローチャートで言えば、ステップS604で登録済み機器が選択されたことを判断した場合(ステップS604のYes)の、ステップY以降の処理となる。ステップY以降は、図8で後述する。
情報端末10の画面G5には、さらに、当該使用者が新たに電気機器を追加登録するための表示802が表示されており、操作手段104によって選択された場合には、後述する電気機器の登録のための処理を実行するようになっている。すなわち、上記図6のフローチャートで言えば、ステップS604で登録済み機器が選択されず(ステップS604のNo)、ステップS605で新規機器登録が選択され(ステップS605のYes)、ステップS606以降の処理を実行する内容である。
画面G5で新規機器登録が選択される(ステップS605のYes)と、ステップS606で、情報端末10は、情報端末10と洗濯機1とが通信するために、情報端末10と洗濯機1とを近接させることを使用者に指示するための通信指示画面を表示するように、報知手段103を制御し、報知手段103は、通信指示画面を表示する。なお、より具体的には、通信指示画面は、情報端末10のループアンテナ106と、洗濯機1のループアンテナ27とを近接させることを使用者に指示するための画面である。また、通信指示画面は、情報端末10が備える記憶手段(図示せず)に予め記憶されており、表示制御部105aは、記憶手段から通信指示画面を読み出して表示する。
ここで、図9は、上記ステップS606にて行なわれる通信指示画面表示の一例を示す図である。
図9において、情報端末10の通信指示画面G1では、例えば、「対応家電にタッチしてください」というメッセージが表示される。通信指示画面G1は、情報端末10を洗濯機1に近接させるように使用者を誘導する画面である。情報端末10の報知手段103に通信指示画面G1が表示されると、使用者は、情報端末10と洗濯機1とが近接無線通信により通信可能な距離になるように、情報端末10のループアンテナ106と、洗濯機1のループアンテナ27とを近接させる。
次に、図6のステップS607において、情報端末10の第1通信制御部105bは、報知手段103に通信指示画面が表示された後、洗濯機1を特定するための機器個別情報を要求する要求情報を洗濯機1へ送信するように第1通信手段101を制御する。第1通信手段101は、報知手段103に通信指示画面が表示された後、要求情報を洗濯機1へ送信する。なお、第1通信手段101は、報知手段103に通信指示画面が表示されたことに連動して、洗濯機1へ要求情報の送信を開始する。
次に、ステップS671において、洗濯機1の第1通信手段22は、第1通信手段101と洗濯機1とが通信可能な距離に近接された後、情報端末10の第1通信手段101によって送信された要求情報を受信する。次に、ステップS672において、洗濯機1の応答内容決定部23cは、機器個別情報記憶手段24aから機器個別情報を読み出し、ステップS673において、応答内容決定部23cは、機器特定情報、近接無線通信機能に関する情報、ネットワーク接続機能に関する情報を含む機器個別情報を情報端末10へ送信するよう第1通信手段22を制御する。そして、第1通信手段22は、機器個別情報を情報端末10へ送信する。なお、要求情報には、情報端末10を特定するためのアドレス情報が含まれており、第1通信手段22は、要求情報に含まれるアドレス情報に基づいて機器個別情報を情報端末10へ送信する。
なお、応答内容決定部23cは、機器個別情報とともに洗濯機1の使用履歴及びエラー情報などの状態情報を情報端末10へ送信してもよい。エラー情報は、例えば洗濯手段21でモータやヒータなどの負荷の状態や、水位センサ、温度センサのセンシング情報を監視することによって検知される。
次に、ステップS608において、情報端末10の第1通信手段101は、洗濯機1の第1通信手段22によって送信された機器個別情報を受信する。ステップS608以降の処理については、図7を使って説明する。
図7において、ステップS701にて、情報端末10の第2通信制御部105cは、第1通信手段101によって受信された機器個別情報をサーバ300へ送信するように、情報端末10の第2通信手段102を制御し、第2通信手段102は、第1通信手段101によって受信された機器個別情報をサーバ300へ送信する。この時、ネットワーク識別符号、情報端末特定情報、アクセス実績もサーバ300へ送信する。この場合、近接無線通信を使用しているため、アクセス実績は「有り」として送信する。洗濯機1によって送信される機器個別情報は、サーバ300を特定するためのアドレス情報とともに送信され、第2通信手段102は、機器個別情報とともに送信されるアドレス情報に基づいて機器個別情報をサーバ300へ送信する。
なお、本実施の形態では、洗濯機1によって送信される機器個別情報とともにサーバ300を特定するためのアドレス情報が送信されるが、本発明は特にこれに限定されず、情報端末10がサーバ300を特定するためのアドレス情報を記憶していてもよい。
次に、ステップS711において、サーバ300の通信手段301は、情報端末10の第2通信手段102によって送信された機器個別情報を受信し、ステップS712において、制御手段303は、記憶手段302の使用者登録機器データベース302aに、図5のステップS532にて認証された使用者の登録機器としてS711にて受信した機器個別情報を記録する。
次に、ステップS713において、サーバ300の制御手段303は、使用者に機器登録のための追加情報の入力を促す画面情報を作成し、ステップS714にて通信手段301を介して情報端末10に送信する。
情報端末10は、ステップS702にて、第2通信手段102及び第2通信制御部105cによってサーバ300から送信された画面情報を受信し、ステップS703にて当該画面を報知手段103に表示する。
ここで、図11は、上記ステップS703にて表示される電気機器登録のための画面の一例を示す図である。
図11において、画面G3には、登録情報入力を促す表示701とともに、洗濯機1から情報端末10を介してサーバ300へと送られた機器特定情報から品番表示702が表示されている。それらに加えて、使用者に新規登録しようとしている電気機器の名称を入力するための表示入力部703が提示されている。使用者は情報端末10の操作手段104をもって電気機器の名称の文字列を入力・編集することができる。図11には洗濯乾燥機という名称が入力された状態となっているが、これは品番から決まる一般的な名称を、サーバ300での画面情報作成時に一時的につけているためである。通常はサーバ300によって提示された一般的な名称をそのまま登録すれば、特に使用者が入力に煩わされることはないが、表示入力部703によって、同一種の電気機器を複数台登録する際などに、それらを使用者が区別できるような名称に変更することができる。図7においては、この名称の変更・入力を、ステップS704で行なうことができる。
ステップS704にて、使用者によって登録情報の入力もしくは確認が終わり、図11の画面の表示704が選択される(ステップS705のYes)と、登録情報の確定が行われ、ステップS706で、使用者によって入力された電気機器名称を含む登録用情報がサーバ300に送信され、ステップS761にてサーバ300で受信される。そして、サーバ300では、次のステップS762にて使用者登録機器データベース上の機器名称を、使用者が入力した機器名称で更新する。
次に、ステップS763にて、登録された電気機器、本実施例では洗濯機1を操作・制御するための洗濯機に応じたメニュー画面情報を作成し、ステップS764にて情報端末10に送信する。情報端末10は、ステップS707にて機器用のメニュー画面情報を受信し、ステップS708にて表示する。以降は、当該機器のメニュー画面による機器の操作・制御を行うことができるようになる。
ここで、図10は、上記ステップS708にて表示される洗濯機1のメニュー画面の一例を示す図である。
図10において、メニュー画面G2では、洗濯機1の製品名及び製品番号を表す製品名表示501、洗濯機1の省エネルギー状態に関する情報を表示するためのエコ情報表示ボタン502、洗濯機1のサポート情報を表示するためのサポート情報表示ボタン503、現在の洗濯機本体の状態を問い合わせる状況確認表示ボタン504、及び洗濯機の洗剤及び柔軟剤情報を設定するための設定表示ボタン505が表示される。
エコ情報表示ボタン502、サポート情報表示ボタン503、状況確認表示ボタン504及び設定表示ボタン505は、操作手段104を介して選択可能である。エコ情報表示ボタン502が選択されると、洗濯機1の消費電力などの省エネルギーに関する情報を表す画面が表示され、サポート情報表示ボタン503が選択されると、洗濯機1をサポートするための情報を表す画面が表示され、状況確認表示ボタン504が選択されると、現在の洗濯機本体の状態を問い合わせる為に情報端末10と洗濯機1とが通信させる通信指示画面が表示される。
なお、メニュー画面G2に表示される項目は、図10に示す項目に限定されず、種々の項目を表示することが可能である。
図8は、前述のように、図6におけるステップS604にて、登録機器一覧表示から登録済み機器を選択した場合の、ステップY以降のフローチャートである。
図8において、ステップS801にて登録機器一覧表示から選択された登録済み機器情報を、情報端末10からサーバ300に送信し、ステップS811にてサーバ300で受信する。これ以降の処理は、図7で既に説明済みのステップS763以降の処理と同じである。
すなわち、ステップS812にて電気機器、本実施例では洗濯機1を操作・制御するための洗濯機に応じたメニュー画面情報を作成し、ステップS813にて情報端末10に送信する。情報端末10は、ステップS802にて機器用のメニュー画面情報を受信し、ステップS803にて表示する。以降は、当該機器のメニュー画面による機器の操作・制御を行うことができるようになる。
次に、情報端末10により、ネットワーク200を介して洗濯機1にアクセスするときの動作について説明する。
図13は、図1に示すネットワーク200から宅内ゲートウェイ400を経由し、宅内ネットワーク500から洗濯機1にアクセスする場合の、情報端末10のメニュー画面の一例を示す図である。
図13において、情報端末10のメニュー画面G4で、表示1401に従い、洗濯機1の品番を表示1402で確認し、接続方法表示ボタン1403で接続方法を選択した後に、移動体通信網ボタン1404を選択すると、情報端末10からサーバ300に接続要求が送信され、サーバ300で認証を行う。このとき、情報端末10から送信される情報端末特定情報に基づき、情報端末10が、アクセス実績があるか否かが識別される。アクセス実績が「有り」の場合は、洗濯機1へのアクセスを許可し、当該機器のメニュー画面による機器の操作・制御を行うことができるようになる。
アクセス実績が「無し」の場合は、サーバ300は情報端末10に対して、アクセス不可の返信を行う。このとき、アクセスできない理由などを示すメッセージを返信する構成としてもよい。
洗濯機1へのアクセスが許可されたときの操作・制御を行うメニュー画面としては、近接無線通信による場合と同じ、図10の画面が一例となる。メニュー画面からのボタン操作などに応じて、情報端末10からの処理要求(現在状態の確認、予約時間の変更など)が、サーバ300、宅内ゲートウェイ400を経由して洗濯機1に送信され、結果などが、逆の経路を通って、情報端末10に返信される。
ネットワーク200を介して洗濯機1にアクセスする状況としては、宅外から宅内の洗濯機1の状態を確認するような場合が想定されるが、ネットワーク200への接続は宅外に限定されるものではなく、宅内であってもネットワーク200に接続することは可能であるため、宅内からネットワーク200を介して洗濯機1にアクセスすることは可能である。
次に、前述した、宅内ネットワークへの接続機能のみを備えた機器例としてのエアコン700の操作、制御について説明する。
エアコン700は近接無線通信機能を備えないため、情報端末10からエアコン700の操作・制御を行う場合は、通常は、図1に示す宅内ネットワーク500を介して操作・制御が行われる。
図15は、宅内ネットワーク500からエアコン700にアクセスする場合の、情報端末10のメニュー画面の一例を示す図、図16は、情報端末10により、洗濯機1の近接無線通信機能を利用して、エアコン700を登録するための画面を示すものである。
図15において、情報端末10のメニュー画面G6で、表示1701に従い、エアコン700の品番を表示1702で確認し、接続方法表示ボタン1703で宅内ネットワークを選択した後に、移動体通信網ボタン1704を選択すると、情報端末10で宅内ネットワーク500を介して操作・制御ができる。
また、通常は、エアコン700は、宅内ネットワーク500を介して操作・制御を行ないサーバ300へは接続しないために、サーバ300の使用者登録機器データベース302aにおいては、図4に示すように、エアコン700の情報に関しては、アクセス実績は「無し」となっているが、アクセス実績を「有り」とすることにより、ネットワーク200を介してエアコン700の操作・制御を行なうことができる。以下、アクセス実績を「有り」に変更するための登録動作を説明する。
図16において、情報端末10のメニュー画面G7で、表示1801に従い、洗濯機1の品番を表示1802で確認し、ボタン1803でエアコン700を確認する。洗濯機1とエアコン700は宅内ネットワーク500を介して相互に接続されているため、洗濯機1は、エアコン700の存在を認識しており、メニュー画面G7のボタン1803にはエアコン700の品番が表示されている。ボタン1804の「−−−」は、ほかには同様な機器が存在しないことを示している。
ボタン1803によりエアコン700を選択後、情報端末10を洗濯機1に近接させると、洗濯機1は、エアコン700から、宅内ネットワーク500を介して機器個別情報を取得し、情報端末10に送信し、情報端末10は、機器個別情報をサーバ300へ送信する。この時、図4で表される情報であるネットワーク識別符号、情報端末特定情報、アクセス実績もサーバ300へ送信され、アクセス実績は「有り」として送信される。サーバ300は、受信した情報に基づき、エアコン700のデータを更新する。
アクセス実績が「有り」となることにより、以後、エアコン700は、ネットワーク200を介して操作・制御ができる状態となり、図15に示すメニュー画面G6で、移動体通信網ボタン1704を選択すると、ネットワーク200を介してエアコン700へのアクセスが行われる。
なお、洗濯機1がエアコン700の存在を認識する動作においては、洗濯機1の制御手段23が単独で処理を実行し認識する構成としてもよく、あるいは、宅内ネットワーク500に存在する機器を宅内ゲートウェイ400が全体管理し、一覧リストのようなものを宅内ゲートウェイ400が洗濯機1に送信する構成としてもよい。
なお、本実施の形態において、サーバ300が備える機能の一部(認証処理、画面生成、データの記憶など)を、宅内ゲートウェイに持たせることにより、サーバ300を介さず、情報端末10から直接に宅内ゲートウェイ400と接続する構成としてもよい。
また、情報端末10が無線LANなどの機能を備え、宅内ネットワーク500に接続可能な場合には、宅内からは、ネットワーク200を介さずに宅内ネットワーク500に直接接続することを選択できる構成としてもよい。
さらに、本実施の形態では、機器個別情報を更新するときにアクセス実績を「有り」とすることとしたが、別の時期、例えば、初めて洗濯機1を、近接無線通信により操作した時(スタートさせた時など)にアクセス実績を「有り」とする構成としてもよい。
また、本実施の形態において、電気機器として洗濯機を例に説明したがこれに限定されるものではない。登録機器一覧表示の例の図12に示したTVのほか、DVDレコーダ、BDレコーダなどの機器であってもよいし、冷蔵庫、掃除機、電子レンジ、炊飯器、空気清浄機などの機器であっても当然良い。
また、宅内ゲートウェイ400に関しては、宅内ネットワークの種別によっては、一般的なゲートウェイが備えるプロトコル変換に関する機能が不要な場合もあり、例えば、ルーター機能と無線LANアクセスポイント機能のみを備える構成とするなど、各種の形態が想定される。
また、本実施の形態において、機器個別情報は電気機器から情報端末を介してサーバに送られるとしたが、これに限定されるものではない。電気機器がネットワーク200に接続してサーバと直接情報を送受信するようにしても良い。この場合は、電気機器の操作表示手段などを用いて、登録のための追加情報の入力を使用者に促し、追加情報とともにサーバ300に機器を登録するようにしても良いし、追加情報は別途編集することとして機器の登録のみを初回のネットワーク接続時にサーバに登録するようにしても良い。
このように、本実施の形態においては、電気機器情報サーバとして例示されるサーバ300は、洗濯機1(電気機器)と情報端末10が、第1通信手段22(近接無線通信手段)と第1通信手段101(近接無線通信手段)により無線通信を行なった場合に、通信実績の有無を記憶手段302にて記憶し、次回以降の通信時に、通信実績が有りの場合は、情報端末10による宅外のネットワーク200、600及び宅内ネットワーク500を介しての、洗濯機1との通信を可能とする構成とすることにより、宅外からの洗濯機1へのアクセスは、宅内で近接無線通信により電気機器を制御したことがある情報端末に限定されることとなるので、信頼性や安全性を高くすることができる。
また、サーバ300は、情報端末10と洗濯機1(近接無線通信手段を有する電気機器)とが、第1通信手段22(近接無線通信手段)と第1通信手段101(近接無線通信手段)により無線通信を行なった後に、洗濯機1とエアコン700(近接無線通信手段を有しない電気機器)とが、情報端末10により宅内ネットワーク500を介して通信した場合、記憶手段302にてエアコン700の通信実績を有りと記憶し、以後、情報端末10による宅外のネットワーク200、600及び宅内ネットワーク500を介しての、エアコン700との通信を可能とする構成とすることにより、近接無線通信手段を有しない電気機器であっても、宅外からのアクセスは、宅内で近接無線通信により電気機器を制御したことがある情報端末10に限定されることとなり、近接無線通信手段を持つ機器と同様に、信頼性や安全性を高めることができる。