WO2012011349A1 - 体重管理装置 - Google Patents

Abstract

　装置は、被測定者の体重測定値と、測定日時とが関連付けされた測定データを取得するための体重取得部と、体重取得部により取得された測定データを格納するための記憶部と、就寝中の体重の変動量と、体重の日内目標増減量とを含む目標日内変動量を記憶部の測定データに基づき算出する目標取得部（１８２）と、目標取得部（１８２）により取得された目標日内変動量に基づいて、被測定者の起床から就寝までのうち起床側の第１タイミングで測定した起床側体重値に対して就寝側の第２タイミングで就寝側体重値を測定する際の目標となるべき目標値を算出する演算部（１８３）と、を備える。目標取得部（１８２）は、記憶部の測定データに基づき、日内目標増減量が起床側体重値に対して所定範囲の増減率となるように、日内目標増減量を算出する。

Description

体重管理装置

　この発明は、体重管理装置に関し、特に、日内変動する被測定者の体重を管理するための体重管理装置に関する。

　従来より、被測定者は、体重計で体重を測定することで、体重が増加しているか減少しているかを確認することができる。

　たとえば、１日ごとの体重をグラフで表示し健康状態を判定する体重計が特許文献１（特開２００３－２８８４１７号公報）に示される。この体重計は、目標体重と現体重との比較を行うことにより判定する。

　ここで、体重は、起床から就寝までに増加し、就寝から起床までの間で減少するように変動する（日内変動という）ことが知られているが、特許文献１では日内変動は考慮されていない。

　そこで、特許文献２（特開２００５－２１８５８２号公報）には、日内変動を考慮して体重の変化傾向を測る体重管理システムが記載されている。また、特許文献３（特開２０１０－１４７３７号公報）は日内変動をグラフ化し、１週間の変動値の変化量を基に健康判定を行うシステムを開示する。

特開２００３－２８８４１７号公報 特開２００５－２１８５８２号公報 特開２０１０－１４７３７号公報

　近年は、体重計に対して、体重測定機能の他に、効果的にダイエットを支援する機能など体重管理機能の提供が求められている。この場合、過度のダイエットとならないように、上述の日内変動を考慮しながら減量目標を設定するべきであるところ、上記の特許文献は、いずれも起床時の体重と就寝前の体重を使用して健康状態を判定する仕組みをとっているが、被測定者毎に日内変動を考慮しながら、過度のダイエットとならないように一日の減量目標値を決めて、被測定者に提示する仕組みは提供されていなかった。

　それゆえに、この発明の目的は、体重の日内変動を考慮しながら目標値となるように体重管理するための体重管理装置を提供することである。

　本発明は、被測定者の体重測定値と、測定日時とが関連付けされた測定データを取得するための体重取得部と、体重取得部により取得された測定データを格納するための記憶部と、就寝中の体重の変動量と、体重の日内目標増減量とを含む目標日内変動量を記憶部の測定データに基づき算出する目標算出部と、目標取得部により取得された目標日内変動量に基づいて、被測定者の起床から就寝までのうち起床側の第１タイミングで測定した起床側体重値に対して就寝側の第２タイミングで就寝側体重値を測定する際の目標となるべき目標値を算出する演算部と、を備え、目標取得部は、記憶部の測定データに基づき、日内目標増減量が起床側体重値に対して所定範囲の増減率となるように、日内目標増減量を算出する。

　本発明によれば、体重の日内変動を考慮しながら目標値となるように体重を管理することができる。

本発明の実施の形態に係る体組成計の外観を示す斜視図である。 本発明の実施の形態に係る体組成計とサーバとの構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態に係る制御部の機能構成図である。 本発明の実施の形態に係る記憶部に格納される各種データを説明する図である。 本発明の実施の形態に係る目標体重の算出手順の概要を説明する図である。 本発明の実施の形態に係る体組成計の動作を示すメインフローチャートである。 本発明の実施の形態に係る記憶・分析処理のフローチャートである。 本発明の実施の形態に係る晩目標体重算出処理のフローチャートである。 本発明の実施の形態に係る朝体重算出処理のフローチャートである。 本発明の実施の形態に係る健康判定処理のフローチャートである。 本発明の実施の形態に係る到達度合いを説明する図である。 本発明の実施の形態に係る表示画面例を示す図である。 体重の日内変動を説明する図である。

　以下、本発明の実施の形態について、図を参照して詳細に説明する。なお、以下に示す実施の形態においては同一または対応する部分に図中同一の符号を付し、その説明は繰返さない。

　まず、用語を定義する。本実施の形態では体重測定に関する「朝時間」は、たとえば午前４時～正午（昼の１２時）の時間帯を指し、「晩時間」は、たとえば午後７時～午前２時の時間帯を指す。「朝体重」は、朝時間に測定された体重を指し、「晩体重」は晩時間に測定された体重を指す。本実施の形態では、「就寝時間」は晩体重が測定された時間を指し、「起床時間」は朝体重が測定された時間を指す。本実施の形態では、日内の起床側のあるタイミングで体重測定がされ、就寝側のあるタイミングで体重測定がされるとする。説明を簡単にするために、就寝するために床に入る直前に体重（晩体重）が測定され、起床の直後に体重（朝体重）が測定されると想定する。なお、「日内」とは、被測定者の起床時間から就寝時間までの一日を指す。

　「夜間減少体重」とは、就寝時間から起床時間までの間における発汗などの主に基礎代謝によって減少する体重を指す。「日内目標増減量」とは、日内の目標とするべき体重の増減量を指す。「目標日内変動量」とは、「夜間減少体重」と「日内目標増減量」からなる体重の変動量を指す。

　本実施の形態では、体重管理装置として、体重だけでなく生体インピーダンスを測定することにより体脂肪率などの体組成情報も取得することができる体重体組成計を例示するが、単に体重のみを測定する機能を有した装置であってもよい。

　図１には、体重体組成計３の外観が示されて、図２には体重管理システム１の構成が示される。

　図２の体重管理システム１は、体重体組成計３と、体重体組成計３と通信するサーバ（サーバコンピュータ）５を備える。図２では、説明を簡単にするために、サーバ５には１台の体重体組成計３が接続されるとしているが、複数台の体重体組成計３が接続されてもよい。図２では、体重体組成計３とサーバ５は無線または有線により通信する。なお、体重体組成計３とサーバ５との間でのデータの授受は通信によらず、記憶媒体を介して授受するようにしてもよい。

　図１を参照して、体重体組成計３は、被測定者が手で持つ第１の筐体である表示操作部１０、被測定者が乗る第２の筐体である体重測定部３０とを備える。

　表示操作部１０は、図２に示すように通信部１１、記憶部１２、計時部１３、操作部１４、表示部１５、定電流回路部１６、電源部１７、ＣＰＵ（Central　Processing　Unit）１８１を有する制御部１８、二重積分ＡＤ（Analog/Digital）部１９、インピーダンス検知部２０、および電極部２１を含む。

　通信部１１は、制御部１８に接続されており、該制御部１８からの制御信号に従ってサーバ５と通信する。なお、通信部１１は、サーバ５に限らず、歩数計などの他の生体情報取得装置と通信する、あるいはパーソナルコンピュータや携帯情報端末(ＰＤＡ（Personal　Digital　Assistants）、携帯電話機など)と通信するなど、適宜の装置と通信するとしてもよい。

　記憶部１２は、不揮発性のメモリやハードディスクなどの情報を記憶できる装置を含む。記憶部１２は、接続された制御部１８から制御信号に従って情報の読出しと書き込みがされる。

　計時部１３は、現在日時などの時刻を計時するタイマ・カウンタから構成される装置であり、必要に応じて時刻を制御部１８へ出力する。

　操作部１４は、押下などの操作がされる複数のボタン・スイッチなど(図１参照)を含む。被測定者は操作部１４を操作することにより、ＩＤ（Identification　Data）、性別、年齢、身長、体重などの被測定者の個人情報・身体情報を入力することができる。入力されたこれら情報は、制御部１８へ出力される。

　表示部１５は、液晶画面(図１参照)などの表示装置によって構成され、制御部１８から与えられる画像信号に従って文字や図形となどの画像を表示する。

　定電流回路部１６は、制御部１８の制御に基づいて、電源部１７から供給される高周波(交流)電流を電流印加用の電極部２１に一方向に流す。

　電源部１７は、制御部１８を含む各部に動作電力を供給する。
　制御部１８は、ＣＰＵ１８１、および図示のないＲＯＭ（Read　Only　Memory）とＲＡＭ（Random　Access　Memory）を含むマイコン(マイクロコンピュータ)により構成されており、ＲＯＭ等に記憶されているプログラムおよび各種データに従って各部の制御動作や演算動作を実行する。

　このプログラムおよびデータには、体重管理のためのプログラムおよびデータが含まれる。

　二重積分ＡＤ部１９は、二重積分型のＡＤ変換部である。動作においては、インピーダンス検知部２０から出力されるアナログ信号（電圧信号）をデジタル信号に変換して制御部１８に出力する。

　インピーダンス検知部２０は、体重測定部３０に設けられている電極部３６と表示操作部１０に設けられている電極部２１との電位差に基づいて、被測定者の生体インピーダンスを検出する。

　電極部２１は、被測定者が手で持つ表示操作部１０のグリップ部分(図１参照)の表面に設けられる。電極部２１は、グリップ部分を握っている被測定者の手のひらへ電源部１７から供給される高周波(交流)電流を印加する。

　体重測定部３０は、操作部３１、電池３２、荷重検知部３３、および電極部３６を含む。操作部３１は、電源のＯＮ／ＯＦＦを切り替えるために操作される入力スイッチとして機能し、操作部３１は操作されると操作に応じた入力信号を制御部１８に出力する。

　電池３２は、電源部１７を中心に各部へ電力を供給する。
　荷重検知部３３は、複数のロードセル３４を内蔵する。筐体の上面カバーを兼ね備える上面カバー部３５(図１参照)の上に乗った被測定者の体重を測定する。測定された体重は、二重積分ＡＤ部１９に出力される。

　電極部３６は、被測定者が乗る体重測定部３０の上面部分(図１参照)の表面に設けられており、被測定者の足裏から流れてくる電流を検出する電流測定用の電極である。電極部３６は、被測定者の左足指側、左足踵側、右足指側、右足踵側に接触する４つの電極を含む。

　荷重検知部３３のロードセル３４のそれぞれは、体重測定部３０の上面部分にかかる荷重を測定可能なように、ここでは、電極部３６の各電極の下部に配置される。したがって、上面部分に被測定者が乗った場合に、生体インピーダンスと体重の両方を測定することができる。

　体重測定において、各ロードセル３４には、被測定者の体重による荷重がかかる。各ロードセル３４は、かけられる荷重に応じて変形する金属部材からなる歪体と、歪体に張られた歪ゲージとからなる。歪体が歪むと、歪ゲージが伸縮して歪ゲージの伸縮に応じて抵抗値が変化し、その抵抗変化は荷重信号出力として導出される。したがって、被測定者が上面部分に乗って、両足が各ロードセル３４にかかった場合、ロードセル３４にかけられる被測定者の体重により歪体が歪むと、上述の荷重信号出力の変化として体重が測定される。

　なお、荷重を検出するための荷重センサとして、本実施の形態では、ロードセル３４を利用しているが、上面部へ加えられた力の量が検出できるものであれば、たとえば、ばねやピエゾフィルムを利用したセンサや、圧縮素子、変位センサなどであってもよい。

　サーバ５は、通信部５１、ＣＰＵ５２１、ＲＯＭ、ＲＡＭを有するコンピュータからなる制御部５２、操作部５３、表示部５４、および記憶部５５を含む。

　通信部５１は、制御部５２の制御に従って体重体組成計３とデータを送受信する。制御部５２のＣＰＵ５２１は、ＲＯＭなどに記憶されているプログラムおよびデータに従って各部の動作を制御するとともに、各種の演算を実行する。

　操作部５３は、キーボードやマウスなどを含む。オペレータにより操作されることにより入力された信号は、制御部５２に出力される。

　表示部５４は、液晶ディスプレイやＣＲＴ（Cathode　Ray　Tube）ディスプレイなどに相当する。表示部５４は、制御部５２から与えられる制御信号に従って絵・文字などの画像を表示する。

　記憶部５５は、ハードディスクなどの固定の記憶装置、またはフレキシブルディスク、ＣＤ－ＲＯＭ（Compact　Disk　Read　Only　Memory）、ＲＯＭ（Read　Only　Memory）、ＲＡＭ（Random　Access　Memory）およびメモリカードなどのＣＰＵ５２１のコンピュータが読取り可能な記録媒体に相当する。

　記憶部５５は、体重体組成計３で測定したデータ(体組成情報、体重データ、測定日時データなど)、および被測定者の氏名（ＩＤ）や住所といった個人情報など、被測定者に関する種々のデータが記憶される。

　図３を参照して、体重体組成計３の体重管理に係る機能構成について説明する。ＣＰＵ１８１は、目標取得部１８２、演算部１８３、目標達成判定部１８４および処理の結果を表示部１５に出力するための出力処理部１８５を含む。これらの各部は、ＣＰＵ１８１によって実行されるプログラムにより実現される。このプログラムは、制御部１８の図示のないＲＯＭに予め格納されている。ＣＰＵ１８１は、ＲＯＭからプログラムを読出し、読み出したプログラムの命令を実行することにより、各部の機能が実現される。

　目標取得部１８２は、就寝中の体重値の変動量である夜間減少体重と、体重値の日内目標増減量とを含む体重値の目標日内変動量を取得する。

　体重算出部１８６は、ダイエットなどの体重管理を開始した初期日時において測定される初期体重値から、ダイエット完了の目標日時において所望される目標体重値まで、所定増減量に従って体重値が変化する過程を想定した場合に、その過程における所定の日時の所定体重値を算出（推定）する。ここで、目標日時とは、体重管理の完了の日時である。また、目標体重値とは、体重管理の完了のときに目標とされる体重値である。

　なお、目標日時および目標体重値は、操作部５３を介して入力される情報に基づいて特定される。ここで入力される情報とは、目標日時および目標体重値を直接指定する情報であっても良い。

　また、当該情報は、記憶部１２に予め記憶された目標日時と目標体重値を設定する情報を特定する情報であっても良い。具体的には、記憶部１２に、現在日時から目標日時までの期間と、現在の体重値から目標体重値までの差分の値の複数の組が記憶されているとする。そして、操作部５３に対して、当該複数の組のいずれかを選択する情報が入力される。これにより、選択された組の期間および差分の値と、現在日時と、現在の体重値とに基づいて、制御部５２は、目標日時と目標体重値を設定する。

　増減量算出部１８７は、上述の所定の日時において実際に体重測定部３０により測定された被測定者の体重値と、体重算出部１８６によって算出（推定）された上述の所定体重値とを比較する。そして、その比較結果に基づき、日内目標増減量を算出する。

　なお、増減量算出部１８７は、上記した日内目標増減量を、目標体重値と初期体重値の差（第１の差分）と、上記の所定の日時における被測定者の実際の体重値と初期体重値との差（第２の差分）の比較結果に基づいて算出しても良い。また、増減量算出部１８７は、目標体重値の初期体重値に対する増減率（第１の増減率）と上記の所定の日時における被測定者の実際の体重値の初期体重値に対する増減率（第２の増減率）の比較結果に基づいて、上記した日内目標増減量を算出しても良い。さらに、増減量算出部１８７は、上記した初期体重値の代わりに、上記の所定の日時より前の日時であって、後述する記憶部１２に記憶される各種データとして測定データを記憶される日時の体重値を用いて、上記の日内目標増減量を算出しても良い。

　演算部１８３は、目標取得部１８２により取得された目標日内変動量に基づき、被測定者の起床から就寝までのうちの起床側の第１タイミング（朝時間）で測定した起床側体重値に対して、就寝側の第２タイミング（晩時間）で就寝側体重値値を測定する際に、その目標となるべき日内目標値（以下、晩目標体重という）を算出する。

　目標達成判定部１８４は、実際に測定した被測定者の就寝側体重値と、同様に実際に測定した起床側体重値と、上述のように算出された日内目標値とに基づき、目標を達成したか否かを判定する。

　出力処理部１８５は、測定された体重値、目標達成判定部１８４による判定結果などを表示部１５に表示する。

　図４を参照して、記憶部１２に格納される各種データを説明する。体重測定部３０により測定される体重は、被測定者毎に、測定がされる毎に、図４の（Ａ）に示す測定データ４０として格納される。測定データ４０は、実際に測定された体重値を指すデータ４０１、補正後体重値を指すデータ４０２、計時部１３の計時データに基づいた体重測定の日時を指すデータ４０３およびフラグ４０４を関連付けて含む。

　データ４０２が指す補正後体重値は、対応のデータ４０１の体重値を補正した値を指す。この体重補正については、後述する。

　フラグ４０４は、対応のデータ４０１が指す体重が、朝（起床側）に測定された朝体重か晩（就寝側）に測定された晩体重かの別を指す。

　記憶部１２は、測定データ４０を、複数週間分、複数月分を記憶可能な容量を有する。
　図４の（Ｂ）に示す標準日内変動量データ４１は、被測定者の標準的な日内変動量を指す。この標準日内変動量は、演算部１８３により過去の測定データ４０（１週間分あるいは２週間分）を基に算出する。この算出は、次のように算出すると良い。

　すなわち、晩体重から翌日の朝体重を減算することで、就寝中に変動した体重を示す夜間減少体重を算出し、この夜間減少体重を複数日分算出してその平均値を算出し、該平均値を標準日内変動量とすることができる。

　なお、標準日内変動量を算出する他の方法として、演算部１８３は、インピーダンス検知部２０で検出する被測定者の生体インピーダンスから求めた基礎代謝量（Ｋcal）を利用することができる。なお、基礎代謝量の算出方法は公知の手順に従う。一般に、脂肪１ｇを消費するには９Ｋｃａｌ（ただし、人の脂肪は２０％は水分を含むため、おおよそ７Ｋｃａｌ）が必要とされ、炭水化物１ｇを消費するには４Ｋｃａｌ、たんぱく質１ｇを消費するには４Ｋｃａ必要とされることから、演算部１８３は、こられらの消費Ｋｃａｌと、算出された基礎代謝量と、睡眠時間（就寝時間～起床時間までのトータル時間）から、夜間体重減少量を算出することができる。この夜間減少体重を複数日分算出してその平均値を算出し、該平均値を標準日内変動量とすることができる。

　なお、標準日内変動量を、被測定者毎に算出するものに限定されず、予め定められた一般人の日内変動量の固定値に設定しておくこともできる。

　図４の（Ｃ）には目標設定日データ４２が示される。目標設定日データ４２は、被測定者が体重体組成計３を用いてダイエットなどの体重管理を開始した日付けを指す。つまり、被測定者により体重管理のための図４のデータが設定（入力）された日付けを指す。

　図４の（Ｄ）に示す長期目標増減量データ４３は、被測定者が操作部１４を操作することにより入力した体重増減量の目標値を指す。たとえば、ダイエットで減量したい場合であればマイナス値が入力され、体重維持したい場合であれば０が入力され、体重を増量したい場合であればプラス値が入力される。なお、増減量でなく、目標の体重値であってもよい。

　図４の（Ｅ）に示す目標達成期間データ４４は、被測定者が操作部１４を操作することにより設定した目標達成期間を記憶する。目標達成期間は、長期目標増減量の達成をどれくらいの期間で実現したいかを示す期間である。

　この目標達成期間が入力設定されるとき、目標取得部１８２は、長期目標増減量を目標達成期間の日数で除算した一日のノルマとなる日内増減量が所定範囲内に収まるか否か適正判定を実行する。そして、適正判定で所定範囲外と判定した場合、表示部１５にエラー表示する。そして、所定範囲内と判定されるまで被測定者に対して目標達成期間の再入力を促す。これにより、体に負担のかかる無理なダイエットなどを抑制することができる。

　体重の変動に関して、発明者の実験によれば、健康な成人であれば、１ヶ月間の減量（または増量）は、現在の体重の所定範囲内の増減率、すなわち２％～１０％の量に留めることが健康を害さない量であるとの知見を得た。したがって、本実施の形態では、１ヶ月間の減量（または増量）が、現在の体重の２％～１０％の量となるように決定される。

　図４の（Ｆ）に示す初期体重データ４５は、ダイエットなどの体重管理を開始した初期日時の測定体重、すなわち目標設定日データ４２が指す日付けに測定された体重を指す。

　これにより、初期体重データ４５に長期目標増減量データ４３を加算した体重が、ダイエット完了など体重管理完了の目標日付（すなわち、目標設定日データ４２に目標達成期間データ４４を加算した日付）の目標体重を指すことになる。

　ここで、図５を参照して、ダイエット（体重減量）目的の体重管理をする場合における、日内の目標体重すなわち晩体重の算出方法について説明する。

　図５の（Ａ）に示すように、一般に被測定者の朝体重と晩体重は日内で変動する。図５の（Ａ）に示す日内変動に着目すると、図５の（Ｂ）に示すように、朝体重は起床時の測定体重であるので日内の最低体重とみなすことができることから、図５の（Ｂ）に示すように、その日の朝体重と翌日の朝体重の差分を調整するべき量、すなわち１日の減量目標ＴＧとして決定することができる。したがって、その日の晩体重は、その日の朝体重に１日の減量目標ＴＧを加算することによって算出することができる。

　本実施の形態では、この１日の減量目標を目標日内変動量とし、この目標日内変動量を、「夜間減少体重」と「日内目標増減量」とから算出する。

　図６～図１０は、体重体組成計３の制御部１８のＣＰＵ１８１が実行する動作を示すフローチャートである。ここで、ダイエット目的の体重管理を実行するための処理を、これらのフローチャートに従って説明する。これらフローチャートは、予めプログラムとして制御部１８内のメモリまたは記憶部１２に格納されており、ＣＰＵ１８１がプログラムを読み出し、その命令を実行することにより処理が実現される。

　なお、記憶部１２には、図４に示したデータ４１～データ４５が予め格納されていると想定する。また、記憶部１２には、目標設定日データ４２が指す日付けから９日分の朝体重および晩体重の測定データ４０が格納されていると想定する。したがって、ここでは１０日目の体重測定を想定して説明する。

　図６を参照して、ＣＰＵ１８１は、被測定者による操作部１４の操作による電源ＯＮの指示を入力して起動し（ステップＳ１）、上面カバー部３５（図１参照）に乗った被測定者の体重を荷重検知部３３により測定する（ステップＳ２）。このとき、ＣＰＵ１８１は、体重測定部３０の電極部３６と表示操作部１０の電極部２１を通じて、インピーダンス検知部２０（図２参照）によって検知される生体インピーダンスに基づき体組成情報を算出することができる。

　その後、ＣＰＵ１８１は、記憶・分析処理を実行し（ステップＳ３）、電源をＯＦＦして（ステップＳ４）、処理を終了する。

　図７は、記憶・分析処理（図６のステップＳ３参照）のフローチャートである。図７を参照してＣＰＵ１８１は、前述のステップＳ２で体重測定した日時である現在日時のデータを計時部１３から取得し、現在日時が朝時間、晩時間およびその他のいずれに該当するかを判定する（ステップＳ２１）。朝時間および晩時間のデータは予め制御部１８内のメモリに格納されていると想定する。メモリから読み出した朝時間および晩時間のデータと、現在日時のデータとを比較することにより、判定することができる。

　朝時間と判定されると（ステップＳ２１で“朝”）、ＣＰＵ１８１は、ステップＳ２で測定した体重を朝体重とした測定データ４０を生成し、生成した測定データ４０を記憶部１２に格納する。この測定データ４０は、測定した体重を指すデータ４０１、現在日時を指すデータ４０３および“朝”を指すフラグ４０４を含む。

　朝体重の測定データ４０が格納されると、目標とするべき晩体重、すなわち日内目標値を算出する（ステップＳ２４）。この処理は、図８を参照して後述する。

　日内目標値が算出されると、出力処理部１８５は、算出した日内目標値を指す晩体重の目標と、ステップＳ２で測定した体重との表示項目を含む画面（図１２の（Ａ）参照）を、表示部１５に表示する（ステップＳ２５）。

　図１２の（Ａ）の画面は、表示項目として、朝体重であることを示す朝体重タイトル表示６１と、朝体重の測定値を示す測定体重表示６２と、算出された日内目標値である晩体重の目標値を示す目標表示６３と、晩体重の目標値であることを示す目標タイトル表示６４とを含む。なお、図１２の（Ａ）の画面に代替して、図１２の（Ｆ）の画面を表示してもよい。図１２の（Ｆ）の画面では、図１２の（Ａ）の表示項目に追加して補正後の朝体重表示６５が追加されている。この補正後の朝体重については、後述する。

　ステップＳ２１で晩時間と判定された場合(ステップＳ２１で“晩”)、ＣＰＵ１８１は、ステップＳ２で取得した測定体重を晩体重とした測定データ４０を生成し、生成した測定データ４０を記憶部１２に格納する（ステップＳ３１）。この測定データ４０は、測定した体重を指すデータ４０１、現在日時を指すデータ４０３および“晩”を指すフラグ４０４を含む。

　晩体重の測定データ４０が格納されると、ＣＰＵ１８１は、記憶部１２の測定データ４０に基づき、目標の達成度を判定する（ステップＳ３３）。以下、この判定を“健康判定”ともいう。この判定については図１０を参照して後述する。

　判定結果、目標達成していた場合（ステップＳ３４で“達成”）、出力処理部１８５は、図１２の（Ｃ）に示す画面を表示部１５に表示する（ステップＳ３５）。

　図１２の（Ｃ）の画面は、表示項目として、晩体重であることを示す晩体重タイトル表示８１と、晩体重の測定値を示す測定体重表示８２と、日内目標値（晩体重の目標）と実際に測定された晩体重との差を示す差分表示８３と、目標を達成したか否かを示す目標達成結果表示８４とを含む。この例では、測定された晩体重が日内目標値よりも０．３ｋｇ軽かったこと、および目標を達成したことを、差分表示８３および目標達成結果表示８４により示している。

　目標達成していなかった場合（ステップＳ３４で“未達成”）、出力処理部１８５は、図１２の（Ｄ）に示す画面を表示部１５に表示する（ステップＳ３６）。図１２の（Ｄ）の画面は、図１２の（Ｃ）の画面と同一項目を表示するため、同一項目に同一符号を付してその詳細な説明を省略する。図示の例では、測定された晩体重が日内目標値よりも０．２ｋｇ重かったこと、および目標未達成であったことを、差分表示８３および目標達成結果表示８４により示している。

　ステップＳ２１に戻り、朝時間および晩時間のいずれにも該当しないと判定されると（ステップＳ２１で“その他”）、測定された体重データは測定時間と関連付けて記憶部１２に格納されるとともに、出力処理部１８５は、図１２の（Ｂ）に示す画面を表示部１５に表示する（ステップＳ２９）。

　図１２の（Ｂ）の画面は、表示項目として、測定体重を表示していることを示す測定体重タイトル表示７１と、測定体重を表示する測定体重表示７２とを含む。

　ステップＳ２５、Ｓ２９、Ｓ３５およびＳ３６の処理後は、図６の元の処理に戻る。
　（晩目標体重算出処理）
　図８を参照して、晩目標体重算出処理（図７のステップＳ２４）について説明する。

　まず、体重算出部１８６は、目標設定日データ４２が指す日付け（初期日）から、所定の目標日（たとえば、初期日から３０日後）の体重目標を設定する（ステップＳ４０）。ここでは、過度のダイエットにならない範囲で、たとえば３０日後の体重が、現在の体重からたとえば２％減じた体重となるよう値を算出する。ここでは、この２％減じた体重を、“３０日後の体重目標”という。なお、２％は、体重体組成計３のメモリに予め設定された値であるが、ユーザが可変に設定できるようにしてもよい。

　なお、ステップＳ４０では、目標日を初期日から３０日後としたが、３０日後に限定されず、目標日は、目標達成期間データ４４が指す期間内で適宜設定されればよい。また、ここでは晩目標体重を算出するために初期日からの体重測定によって取得された複数日分の測定データ４０を用いるために、たとえば初期日から１０日目以降から晩目標体重の算出が開始されるとしている。

　３０日後の体重目標が算出されると、次に、測定された体重を用いて補正後の朝体重が算出される（ステップＳ４３）。つまり、ステップＳ２３で記憶部１２に格納された測定データ４０のデータ４０１の指す朝体重を、標準日内変動量データ４１と当該測定データ４０のデータ４０２が指す朝時間とに基づき補正する。補正後の朝体重は、データ４０２として当該測定データ４０に格納される。この補正処理については図９を参照して後述する。

　算出された補正後の朝体重を用いて、減量の到達度合が判定がされる（ステップＳ４５）。この判定の概要を、図１１を参照して説明する。

　図１１の右下がりの矢印直線は、上述の初期日から３０日後まで２％の減量に従って体重値が変化する過程を指す。増減量算出部１８７は、矢印直線が指す１０日目の体重を算出する。そして、１０日目に実際に測定された朝体重と矢印直線が指す１０日目の算出体重とを比較する。比較結果に基づき判定する。

　具体的には、初期日から測定した朝／晩体重がケースＬ２のように変化する場合、すなわちケースＬ２の朝体重を繋ぐ直線の傾き（体重の増減率）が矢印直線の傾き（体重の増減率）と略等しい場合には“標準”と判定する。より具体的には、１０日目に測定された朝体重と矢印直線が指す１０日目の算出体重の両者が等しい場合には、順調に減量が進行している場合であり“標準”と判定する。

　一方、比較結果、初期日から測定した朝／晩体重がケースＬ１のように変化する場合、すなわちケースＬ１の朝体重を繋ぐ直線の傾き（体重の増減率）が矢印直線の傾き（体重の増減率）よりも大きい場合には“目標未達”と判定する。より具体的には、１０日目に測定された朝体重が矢印直線が指す１０日目の算出体重よりも重い場合には、減量は目標に達していないことを指す“目標未達”と判定する。

　また、比較結果、初期日から測定した朝／晩体重がケースＬ３のように変化する場合、すなわちケースＬ３の朝体重を繋ぐ直線の傾き（体重の増減率）が矢印直線の傾き（体重の増減率）よりも小さい場合には“やせすぎ”と判定する。より具体的には、１０日目に測定された朝体重が矢印直線が指す１０日目の算出体重よりも軽い場合には、減量の目標よりも過度に減量が進行していることを指す“やせすぎ”と判定する。

　このように、増減量算出部１８７は、上述の傾き（体重の増減率）の差分、より具体的には１０日目に測定された朝体重と矢印直線が指す１０日目の算出体重との差分ＤＴに基づき、減量の到達度合いを判定する。

　図８の処理に戻り、“やせすぎ”と判定した場合には（ステップＳ４５で“やせすぎ”）、増減量算出部１８７は減量目標値（すなわち、日内目標増減量）を、（式１）により算出する（ステップＳ４９）。

　（３０日後の体重目標－目標日の体重目標）／残り日数）・・・（式１）
　“標準”と判定されると、増減量算出部１８７は減量目標値を（（現朝体重－目標日の体重目標）／残り日数）・・・（式２）に基づき算出する（ステップＳ４７）。

　“目標未達”と判定されると、増減量算出部１８７は上述の（式１）と後述の（式３）を用いて減量目標値を算出して、（式１）の算出値と（式３）の算出値のうち小さい方の値を、減量目標値として決定する（ステップＳ５１）。

　（現朝体重×０．１）／３０日…（式３）
　なお、（式１）～（式３）について、“目標日の体重目標”は、初期体重データ４５の体重に長期目標増減量データ４３の値を加算することにより算出される。また、“残り日数”は、目標達成期間データ４４の日数から１０日（初期日からの経過した日数）を減じることにより算出される。また、“現朝体重”は、ステップＳ２で測定された朝体重またはステップＳ４３で算出された補正後朝体重を指す。

　減量目標値が算出されると、演算部１８３は、日内目標値である晩目標体重を算出する（ステップＳ５３）。すなわち、演算部１８３は、次の（式４）に従って、晩目標体重を算出する。晩目標体重＝朝の体重＋１日の夜間減少体重－減量目標値・・・（式４）
　なお、（式４）の“朝の体重”はステップＳ２で測定された朝体重またはステップＳ４３で算出された補正後体重であり、“１日の夜間減少体重”は、標準日内変動量データ４１の値を指し、“減量目標値”はステップＳ４７、Ｓ４９およびＳ５１のいずれかで算出された値を指す。

　（式４）に従って晩目標体重が算出されるた後は、図７の元の処理に戻る。
　図８および図１１で説明したように、ダイエットなどの体重管理が実施される期間は、晩目標体重は、（式１）～（式４）を用いることで、ダイエットの達成度合い（図１１参照）に応じて可変に決定することができる。

　具体的には、達成度合いが“やせすぎ”と判定された場合には、過度のダイエットとならないように、（式１）を用いて、当初の２％の減量に従って体重値が変化するような減量目標値が決定される。また、“標準”と判定された場合には、このまま順調な減量を維持できるように、（式２）を用いて当初の２％の減量に従って体重値が変化するような減量目標値が決定される。一方、“目標未達”と判定された場合には、（式１）の算出値と（式３）の算出値の小さい方を選択して、目標減量値を所定範囲内で収めるようにしている。すなわち、（式３）は、３０日（１ヶ月）で現体重の１０％を減量するような減量目標値の算出式を指す。（式３）に従う減量目標値は、上述したように発明者の実験によれば健康に害を及ぼさない上限値（１０％減量）を指す。したがって、本実施の形態では、目標を達成するように減量目標値を決定するけれども、その値は、当該上限値を超えない適正範囲内（２％減量～１０％減量）で収まるように決定される。

　（朝体重算出処理）
　図９のフローチャートに従って、演算部１８３による朝体重の算出処理（図８のステップＳ４３）を説明する。

　まず、演算部１８３は、夜間減少体重を取得する。この夜間減少体重は、記憶部１２から読出した標準日内変動量データ４１を指す（ステップＳ６１）。夜間減少体重は、前述したように被測定者の基礎代謝量から推定されるようにしてもよい。

　続いて、演算部１８３は、計時部１３を用いて起床時間（朝時間）を取得する（ステップＳ６３）。そして、起床平均時間を取得する（ステップＳ６５）。具体的には、記憶部１２に格納された過去の複数日分の測定データ４０のうち、フラグ４０４が“朝”を指す測定データ４０のデータ４０３が指す起床時間の平均値を算出することにより、起床平均時間を取得する。

　続いて、演算部１８３は、ステップＳ６３で取得された起床時間と、ステップＳ６５で算出された起床平均時間との差分を算出する（ステップＳ６７）。そして、算出された時間の差分から、ステップＳ２で測定されて記憶部１２に格納された測定データ４０のデータ４０１が指す朝体重を補正する。そして、補正後の朝体重（朝補正体重）をデータ４０２として当該測定データ４０に格納する（ステップＳ６９）。

　補正では、夜間減少体重がたとえば５７６ｇ（図４の（Ｂ）参照）であれば、夜間減少体重を平均の睡眠時間（就寝時間～起床時間のトータル時間）で除算した値と、ステップＳ６７で取得した差分時間とを乗算し、その乗算結果を、今回測定されて取得された測定データ４０のデータ４０１が指す朝体重に加算する。つまり、差分時間がマイナス（すなわち、取得した起床時間が起床平均時間よりも早い）であれば朝体重は乗算結果の値だけ増加し、差分時間がプラス（すなわち、取得した起床時間が起床平均時間よりも遅い）であれば朝体重は乗算結果の値だけ減少するように補正される。

　その後、処理は、図８の元の処理に戻る。
　（健康判定処理）
　図１１を参照して、目標達成判定部１８４による健康判定処理（図７のステップＳ３３）について説明する。

　まず、目標達成判定部１８４は、計時部１３を用いて就寝時間（晩時間）を取得し（ステップＳ７１）、就寝平均時間を取得する（ステップＳ７３）。具体的には、記憶部１２に格納された過去の複数日分の測定データ４０のうち、フラグ４０４が“晩”を指す測定データ４０のデータ４０３が指す就寝時間の平均値を算出することにより、就寝平均時間を取得する。

　続いて、目標達成判定部１８４は、ステップＳ７１で取得された就寝時間と、ステップＳ７３で算出された就寝時間の平均との差分を算出する（ステップＳ７５）。そして、算出された時間の差分から、ステップＳ２で測定されて記憶部１２に格納された測定データ４０のデータ４０１が指す晩体重を補正する。そして、補正後の晩体重（晩補正体重）をデータ４０２として当該測定データ４０に格納する（ステップＳ７７）。

　補正では、夜間減少体重がたとえば５７６ｇ（図４の（Ｂ）参照）であれば、夜間減少体重を平均の睡眠時間（就寝時間～起床時間）で除算した値と、ステップＳ７５で取得した差分時間とを乗算し、その乗算結果を、今回測定されて取得された測定データ４０のデータ４０１が指す晩体重に加算する。つまり、差分時間がマイナス（すなわち、取得した就寝時間が就寝平均時間よりも早い）であれば晩体重は乗算結果の値だけ増加し、差分時間がプラス（すなわち、取得した就寝時間が就寝平均時間よりも遅い）であれば晩体重は乗算結果の値だけ減少するように補正される。

　続いて、ステップＳ７９において目標達成判定部１８４は（晩補正体重－朝補正体重－夜間減少体重）の式に基づく値を算出する。ここで、晩補正体重は、ステップＳ７７で算出された値であり、朝補正体重は、前回の測定日時を指すデータ４０３を有する記憶部１２の測定データ４０のデータ４０２が指す補正後の朝体重を指す。夜間減少体重は、図４の（Ｂ）の標準日内変動量データ４１を指す。

　目標達成判定部１８４は、算出結果の値がゼロまたはマイナス値を指すときは、体重は増加しておらず現状を維持している、すなわち健康状態としては“ＯＫ”（目標達成）と判定する。また、プラスを指すときは体重が増加している、すなわち“ＮＧ”（目標未達成）と判定する。これにより体重増減を判定して、判定結果を健康状態の判定として出力することができる。

　さらに目標達成判定部１８４は、次のように判定してもよい。つまり、上述の式を（晩補正体重－朝補正体重－夜間減少体重－減量目標値）と変更する。ここで、減量目標値は、図８のステップＳ４７、Ｓ４９およびＳ５１のいずれかで算出された値を指す。

　目標達成判定部１８４は、この変更後の式の算出結果の値がゼロまたはマイナス値を指すときは、減量の目標を達成しているとして“ＯＫ”（目標達成）と判定し、プラス値を指すときは体重が増加している、すなわち“ＮＧ”（目標未達成）と判定する。これにより減量目標値が指す体重減量を達成したか否かを判定して、その結果を出力することができる。

　目標達成判定部１８４が達成したと判定した場合の表示画面は、図１２の（Ｃ）に限定されず、図１２の（Ｅ）のようであってもよい。図１２の（Ｅ）の画面では、図１２の（Ｃ）の表示項目に、晩補正体重の表示８５が追加されて、表示８４が“ＯＫ”の文字に変更される。また、未達成と判定した場合の表示画面では、図１２の（Ｅ）の表示８４が“ＮＧ”となる。

　このように、標準日内変動量データ４１（就寝中の基礎代謝量）と睡眠時間（就寝時間～起床時間のトータル時間）とを用いて、１日ごとの起床時間や就寝時間の違いによる体重増減量を用いて朝体重または晩体重に補正し、補正後のこれら体重を用いることで、被測定者の生活活動時間のリズムに基づいたより正確な健康状態判定を行なうことができる。

　また、（式４）で朝体重として補正後の朝体重を用いることで、晩目標体重を生活活動時間のリズムに基づき算出することができる。

　本実施の形態では、標準日内変動量データ４１を被測定者毎に正確に設定することができる。つまり、図１３の（Ａ）に示すように、被測定者の晩体重から朝体重を減算して就寝中体重変動量を算出し、複数日分の就寝中体重変動量の平均値を算出することで、実際の被測定者の体重増減量に基づいて標準日内変動量データ４１を定めることができる。

　さらに、この算出方法を用いることで、体重が増加傾向であるか減少傾向であるかに関わらず正しい標準日内変動量を定めることができる。

　また、本実施の形態では、人の体重は朝から晩にかけて増加し、晩から朝にかけて減少する傾向（図５の（Ａ）および図１３の（Ｂ）参照）を（式４）により考慮しながら、朝時間から晩時間までの増加量をどの程度に抑えれば良いかの目安である晩目標体重を算出して出力することで、被測定者は、１日単位で体重の増減量を管理する支援情報を得ることができる。

　以上の構成および動作により、被測定者は、日内の体重変動をどの程度に留めれば良いかを示す晩目標体重を確認することができ、この目標達成に向けて日内の体重変動の管理を計画的に行える。したがって、例えばダイエットする場合、一日単位という非常に短期間でダイエットが順調に進んでいるか否かを判断するための支援情報を得ることができる。

　（変形例）
　なお、上述の実施形態では、体重体組成計３が全ての演算を行ったが、サーバ５が各種演算や出力を行う構成にしてもよい。

　この場合、体重体組成計３は、ステップＳ３でサーバ５へ体重測定値を測定日時とともにサーバ５へ送信する構成にすればよい。そして、サーバ５の制御部５２のＣＰＵ５２１は、体重体組成計３から体重測定値および測定日時を受け取ると、朝体重や晩体重を含む体重測定値の測定データ４０を取得し、図６～図１０のフローチャートに従う処理を実行し、データの記憶は記憶部５５で行い、表示は表示部５４で行う構成にすればよい。

　この場合、サーバ５は、表示部５４の画面に表示する情報を体重体組成計３に送信する構成にしてもよい。体重体組成計３は、この情報を受信して、表示部１５に受信情報を表示する構成にしても良い。

　このようにサーバ５で処理を行う場合でも、晩目標体重および達成度の判定の結果を被測定者に通知することができる。またこのようにサーバ５を用いる場合は、例えばインストラクターなどが確認し、利用者にアドバイスするといった利用も可能になる。

　ステップＳ１とステップＳ２の間で被測定者に操作部１４で朝／晩ボタン（図示せず）を選択入力させる構成にしてもよい。この場合は、入力によって朝体重の測定か晩体重の測定かを判別できる。このため、シフトワーカなど昼夜逆転の生活をしている被測定者であっても本実施の形態に係る体重管理装置を利用できる。

　このように構成した場合、朝／晩ボタンが押下されなければ目標などを表示せずに体重だけを表示するなど、朝／晩ボタンの押下の有無によって表示内容を異ならせるとよい。これにより、朝／晩ボタンの押し忘れを防止することができる。

　また、表示画面は、図１２に示す画面に限定されない。図１２の（Ａ）では、目標表示６３に晩目標体重を表示したが、晩目標体重と朝体重の差分を目標値として表示する構成にしてもよい。

　また、図１２の（Ｃ）と（Ｄ）の画面では、差分表示８３と目標達成結果表示８４により目標達成できたか否かを表示したが、これに限らずグラフ表示によって目標ラインを超えているか否かを表示する、あるいは目標達成マークと目標不達成マークのどちらかを表示するなど、適宜の表示にすることができる。

　また、表示タイミングについても、朝体重と晩目標体重との両方を同時表示し、晩測定体重と目標達成結果を同時表示することに限らず、様々なタイミングとすることができる。例えば、体重測定完了時点で測定体重を表示し、その後に所定時間経過や利用者が上面カバー部３５から降りる等のタイミングで目標表示や目標達成結果の表示に切り替える構成にしてもよい。この場合でも、朝の測定で日内目標（晩目標体重）を確認でき、日内目標を達成したか否かの結果を確認できる。

　また、上述の実施の形態では、インピーダンス検知部２０で検出する被測定者の生体インピーダンスから基礎代謝量を算出するとしたが、算出される体組成情報は基礎代謝量に限定されない。たとえば、生体インピーダンスと、記憶部１２に記憶された被測定者の身長、年齢、性別と、荷重検知部３３により検出した体重をもとに、体脂肪率、ＢＭＩ、内臓脂肪レベル、骨格筋率、および、体年齢などを算出して、体重とともに出力するようにしてよい。

　さらに、本実施の形態における体重体組成計３が行なう上述した体重管理の方法は、プログラムとして提供することもできる。このようなプログラムは、制御部１８または制御部５２のコンピュータに付属するフレキシブルディスク、ＣＤ－ＲＯＭ（compact　disk　read　only　memory）、ＲＯＭ、ＲＡＭおよびメモリカードなどのコンピュータ読取り可能な記録媒体５６にて記録させて、プログラム製品として提供することもできる。あるいは、コンピュータに内蔵するハードディスクなどの記録媒体にて記録させて、プログラムを提供することもできる。また、ネットワークを介したダウンロードによって、プログラムを提供することもできる。

　提供されるプログラム製品は、ハードディスクなどのプログラム格納部にインストールされてＣＰＵ１８１（または５２１）により読出されて実行される。なお、プログラム製品は、プログラム自体と、プログラムが記録された記録媒体とを含む。

　今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。

　１　体重管理システム、３　体重体組成計、５　サーバ、１０　表示操作部、１１，５１　通信部、１２，５５　記憶部、１３　計時部、１４，３１，５３　操作部、１５，５４　表示部、１６　定電流回路部、１７　電源部、１８，５２　制御部、１９　二重積分ＡＤ部、２０　インピーダンス検知部、２１，３６　電極部、３０　体重測定部、３２　電池、３３　荷重検知部、３４　ロードセル、３５　上面カバー部、４０　測定データ、４１　標準日内変動量データ、４２　目標設定日データ、４３　長期目標増減量データ、４４　目標達成期間データ、４５　初期体重データ、１８２　目標取得部、１８３　演算部、１８４　目標達成判定部、１８５　出力処理部、１８６　体重算出部、１８７　増減量算出部。

Claims (14)

1. 　被測定者の体重測定値と、測定日時とが関連付けされた測定データを取得するための体重取得手段と、
   　前記体重取得手段により取得された前記測定データを格納するための記憶手段と、
   　就寝中の体重の変動量と、体重の日内目標増減量とを含む目標日内変動量を、前記記憶手段の前記測定データに基づき算出する目標算出手段（１８２）と、
   　前記目標算出手段により取得された前記目標日内変動量に基づいて、被測定者の起床から就寝までのうち起床側の第１タイミングで測定した起床側体重値に対して就寝側の第２タイミングで就寝側体重値を測定する際の目標となるべき目標値を算出する演算手段（１８３）と、を備え、
   　前記目標算出手段は、
   　前記記憶手段の前記測定データに基づき、前記日内目標増減量が前記起床側体重値に対して所定範囲の増減率となるように、前記日内目標増減量を算出する、体重管理装置。
2. 　前記目標算出手段は、
   　初期日時の初期体重値から体重管理の完了の日時である目標日時の体重管理の完了のときに目標とされる目標体重値までの、前記所定範囲の増減率のうちの所定増減率と、前記記憶手段に前記測定データが記憶された第１の日時から前記第１の日時より後の第２の日時までの体重の増減率とを比較し、比較結果に基づき、前記日内目標増減量を算出する、請求項１に記載の体重管理装置。
3. 　前記目標算出手段は、
   　初期日時の初期体重値から目標日時の目標体重値まで、前記所定範囲の増減率のうちの所定増減率に従って体重値が変化する場合における、所定日時の所定体重値を算出する体重算出手段と、
   　所定日時に測定される前記起床側体重値と、前記体重算出手段により算出された前記所定体重値とを比較し、値の比較結果に基づき、前記日内目標増減量を算出する増減量算出手段と、を含む、請求項１に記載の体重管理装置。
4. 　前記値の比較結果が、前記所定日時に測定された前記起床側体重値は、前記所定体重値よりも大きいことを指すときは、前記増減量算出手段は、
   　前記所定日時に測定された前記起床側体重値の所定割合に相当する増減量と、前記所定増減率に従う増減量とのうちの小さい方を前記日内目標増減量として算出し、
   　前記所定割合は、前記所定範囲の増減率のうちの最大増減率である、請求項３に記載の体重管理装置。
5. 　前記値の比較結果が、前記所定日時に測定された前記起床側体重値は、前記所定体重値よりも小さいことを指すときは、前記増減量算出手段は、
   　前記所定増減率に従う増減量を前記日内目標増減量として算出する、請求項３に記載の体重管理装置。
6. 　前記値の比較結果が、前記所定日時に測定された前記起床側体重値は、前記所定体重値と等しいことを指すときは、前記増減量算出手段は、
   　前記所定日時に測定された前記起床側体重値と前記目標体重値との差分を、前記所定日時から前記目標日時までの日数で除算することにより、前記日内目標増減量を算出する、請求項３に記載の体重管理装置。
7. 　前記目標算出手段は、
   　前記測定データに基づき、過去の複数日における就寝側体重値と翌日の起床側体重値との差である複数の就寝中体重変動量の平均を算出することにより、前記就寝中の体重の変動量を取得する、請求項１に記載の体重管理装置。
8. 　前記演算手段は、
   　前記測定データに基づき、過去に複数日測定した就寝側体重値と翌日の起床側体重値との差である複数の就寝中体重変動量の平均を、標準変動量として算出し、
   　前記測定データに基づき、過去に複数日測定した起床側体重値の測定日時の平均時間と、前記所定日時に測定された起床側体重値の測定時間との差により、前記標準変動量を除算し、除算結果の値を用いて前記起床側体重値を補正し、
   　補正後の前記起床側体重値を用いて前記目標値を算出する、請求項１に記載の体重管理装置。
9. 　被測定者の身体に関する身体情報と身体のインピーダンスとに基づく基礎代謝量を算出する基礎代謝量取得手段を、さらに備え、
   　前記目標算出手段は、
   　前記基礎代謝量を用いて前記就寝中の体重の変動量を算出する、請求項１に記載の体重管理装置。
10. 　前記演算手段により算出された前記目標値を出力する出力手段を、さらに備える、請求項１に記載の体重管理装置。
11. 　前記就寝側体重値および前記起床側体重値を用いて、日内の目標を達成したか否か判定する目標達成判定手段と、
    　前記目標達成判定手段の判定結果を出力する手段とを、さらに備える、請求項１に記載の体重管理装置。
12. 　コンピュータを用いて被測定者の体重を管理する体重管理方法であって、
    　測定された被測定者の体重測定値と、測定日時とが関連付けされた測定データを取得するためのステップと、
    　前記測定データをメモリに格納するためのステップと、
    　就寝中の体重の変動量と、体重の日内目標増減量とを含む目標日内変動量を、前記メモリの前記測定データに基づき算出するステップと、
    　前記算出するステップにより算出された前記目標日内変動量に基づいて、被測定者の起床から就寝までのうち起床側の第１タイミングで測定した起床側体重値に対して就寝側の第２タイミングで就寝側体重値を測定する際の目標となるべき目標値を算出するステップと、を備え、
    　前記取得するステップは、
    　前記メモリの前記測定データに基づき、前記日内目標増減量が前記起床側体重値に対して所定範囲の増減率となるように、前記日内目標増減量を算出するステップを含む、体重管理方法。
13. 　コンピュータに体重管理方法を実行させるためのプログラムであって、
    　前記体重管理方法は、
    　測定された被測定者の体重測定値と、測定日時とが関連付けされた測定データを取得するためのステップと、
    　取得された前記測定データがメモリに格納するためのステップと、
    　就寝中の体重の変動量と、体重の日内目標増減量とを含む目標日内変動量を、前記メモリの前記測定データに基づき算出するステップと、
    　前記算出するステップにより算出された前記目標日内変動量に基づいて、被測定者の起床から就寝までのうち起床側の第１タイミングで測定した起床側体重値に対して就寝側の
    第２タイミングで就寝側体重値を測定する際の目標となるべき目標値を算出するステップと、を備え、
    　前記取得するステップは、
    　前記メモリの前記測定データに基づき、前記日内目標増減量が前記起床側体重値に対して所定範囲の増減率となるように、前記日内目標増減量を算出するステップを含む、コンピュータに体重管理方法を実行させるためのプログラム。
14. 　請求項１３に記載のプログラムを記録した機械読取り可能な記録媒体。

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