WO2011078268A1

WO2011078268A1 - ボトルおよび内容物入りボトル

Info

Publication number: WO2011078268A1
Application number: PCT/JP2010/073223
Authority: WO
Inventors: 洋二水口; 圭司松田; 宏明今井; 鈴木　孝典
Original assignee: サントリーホールディングス株式会社
Priority date: 2009-12-25
Filing date: 2010-12-22
Publication date: 2011-06-30
Also published as: CN102107742A; EP2517967A4; EP2517967A1; AU2010336298A1; AU2010336298B2; TW201139216A; TWI432364B; JP2011136705A; JP5691028B2

Abstract

　横断面が略正方形の胴部（２）を有する有底筒状のボトル（１）において、胴部には、ボトル周方向に延在する凹状の横リブ（１２２）がボトル軸方向に間隔をあけて複数形成され、径方向内側に凹んだ横リブの最内部分（１２３）の横断面が円形に形成され、胴部において、胴部の四隅の角部（２０）の間に形成される胴部面（２１）に、軸方向に沿って延在する凹状の縦リブ（１２５）が形成されている。

Description

ボトルおよび内容物入りボトル

　本発明は、ボトルおよび内容物入りボトルに関する。本願は、２００９年１２月２５日に、日本に出願された特願２００９－２９６０７２号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。

　この種のボトルとして、従来、例えば下記特許文献１に示されているような、ボトル内圧が陽圧となる陽圧ボトルが知られている。陽圧ボトルでは、例えば炭酸飲料が収容されたり内容物と共に窒素ガスが封入されることでボトル内圧が大気圧よりも高い状態で密封される。このような陽圧ボトルにおいては、ボトル内圧の上昇による変形（特に胴部が外方に膨出する変形）を抑えるため、胴部の横断面の形状が円形の陽圧ボトルが一般的に用いられる。

　一方、近頃は、デザインの多様性に対する要望などから、下記特許文献２、３に示されているような、胴部に横断面が楕円形や角形の部分が設けられた陽圧ボトルが提案されている。また、耐圧性能を高めるために凹凸状の横リブが周方向に設けられた陽圧ボトルも提案されている。

特開平１０－２６４９１７号公報特開２００８－２６５８３８号公報特開２００８－７１４７号公報

　ところが、陽圧ボトルに関して、胴部の横断面の形状が非円形（例えば四角形）に形成されると、ボトル内圧による変形によって胴部の外観形状が維持されない可能性がある。例えば、胴部の横断面が四角形に形成された角形ボトルでは、胴部の四隅の角部が変形しにくい。そのため、ボトル内圧が作用すると、隣り合う角部の間にある胴部面（特に幅方向の中央部）に応力が集中する。そして、ボトル内圧による胴部の径方向外側への変形量は、胴部の横断面において、胴部面の幅方向（横方向）の中央部分で最大となり、中央部分から角部に向かうに従い漸次小さくなる。その結果、陽圧ボトルの胴部が四角形に成形されても、正のボトル内圧が作用することで、各胴部面の中央部分が径方向外側に膨出して胴部の横断面が円形又は楕円形になる可能性がある。

　また、仮に、陽圧ボトルの四角形の胴部に上記した横リブが形成されても、横リブの最内部分（最も径方向内側に位置する部分）の横断面が四角形の横リブでは、ボトル内圧による径方向外側への変形量は、横リブの横断面において、各辺の中央部分で最大となり、その中央部分から角部に向かうに従い漸次小さくなる。このため、胴部面の中央部分における変形が十分に抑えられず、ボトルの外観形状が四角形に維持されない可能性がある。

　本発明は、上記した従来の問題が考慮されたもので、ボトル内圧が陽圧となる場合でも、胴部の外観形状が四角形に維持されるボトルおよび内容物入りボトルを提供することを目的とする。

　本発明に係るボトルは、横断面が略正方形の胴部を有する有底筒状のボトルである。そして、前記胴部には、ボトル周方向に延在する凹状の横リブがボトル軸方向に間隔をあけて複数形成される。そして、径方向内側に凹んだ前記横リブの最内部分の横断面が、円形に形成される。そして、前記胴部の四隅の角部の間に形成される胴部面に、軸方向に沿って延在する凹状の縦リブが形成される。
　本発明に係る内容物入りボトルは、ボトルに内容物が密封された内容物入りボトルである。そして、前記ボトルは本発明のボトルであり、ボトル内圧は大気圧よりも高い。

　本発明に係るボトルでは、横リブの最内部分の横断面が円形である。そのため、ボトル内圧が陽圧となった場合に、横リブが全周に亘って小さく均一に変形する。すなわち、本発明に係るボトルでは、最内部分の横断面円形である横リブの変形量は、最内部分の横断面が四角形（正方形）の横リブにおける最大変形量（各辺の中央部分における変形量）に比べて小さい。したがって、前記横リブによって、横断面が略正方形の胴部の各胴部面におけるボトル内圧による変形が効果的に抑えられる。また、縦リブによって、胴部の胴部面における径方向への膨出変形が抑えられる。

　また、本発明に係るボトルでは、前記胴部の四隅の角部が、前記胴部の横断面において径方向外側に向けて凸の円弧状に形成されることが好ましい。
　これにより、胴部の胴部面への応力集中が緩和され、胴部の横断面において、胴部の各胴部面の中央部分における変形量が抑えられる。そして、胴部の角部における変形量と胴部の各胴部面の中央部分における変形量との差が小さくなる。

　また、本発明に係る内容物入りボトルは、ボトル内圧が、０．２ＭＰａ以上０．８ＭＰａ以下であることが好ましい。
　これにより、前述の効果が有効に作用する。

　本発明に係るボトルおよび内容物入りボトルによれば、最内部分の横断面が円形である横リブによって、横断面が略正方形の胴部の各胴部面の中央部分における変形が効果的に抑えられる。そのため、ボトル内圧が陽圧となる場合でも、胴部の外観形状を四角形に維持できる。

ボトルの側面図である。図１に示すＡ－Ａ間の横断面図である。ボトルの側面図である。図３に示すＢ－Ｂ間の横断面図である。

　まず、図１、図２に示すボトル１について説明する。
　図１に示す鎖線Ｏはボトル１の中心軸線を示し、以下「軸線Ｏ」と記す。また、軸線Ｏに沿った方向を「軸方向」とし、軸線Ｏに直交する方向を「径方向」とし、軸線Ｏ回りの方向を「周方向」とする。また、軸方向の口部５側（図１における上側）を「上方」とし、その反対側、つまり軸方向の底部３側（図１における下側）を「下方」とする。

　図１に示すボトル１は、内容物を収容する底部を有する筒状の容器であり、ボトル上面から見て略正方形（角部が円弧状）を成す角形のボトルである。ボトル１は、例えばポリエチレンテレフタレート（ＰＥＴ）等の合成樹脂で構成される樹脂製部材である。そして、ボトル１は、射出成形によって形成された図示せぬプリフォームがブロー成形されて形成される。
　詳しく説明すると、図１に示すように、ボトル１は、軸線Ｏに沿って延びる略角筒形状の胴部２と、胴部２の下端に連設された底部３と、前記胴部２の上端に連設された肩部４と、肩部４の上端に立設された口部５と、を備える。胴部２、底部３、肩部４及び口部５は、互いに連通されていると共に一体に形成される。

　図１、図２に示すように、胴部２は、横断面が略正方形の角筒形状の筒部であり、軸線Ｏを中心軸線にして軸方向に沿って延設される。すなわち、胴部２は、軸方向に延在する四隅の角部２０と、隣り合う角部２０、２０の間に形成された四面の胴部面２１と、を備える。上記した四隅の角部２０は、胴部２の横断面において、それぞれ径方向外側に向けて凸の円弧状に形成される。また、上記した四面の胴部面２１は、それぞれ同一形状に形成される。

　また、胴部２には、ボトル周方向に延在する凹状の横リブ２２が間隔をあけて胴部２の軸方向に複数形成される。この間隔は、等間隔が好ましい。横リブ２２は、径方向内側に凹んでいると共に全周に亘って延在する環状の凹溝である。そして、横リブ２２の最内部分２３の横断面は円形に形成される。また、横リブ２２の最内部分２３の外径は、胴部２の胴部面２１の幅方向（横方向）の中央部分２４における外径に等しい。また、横リブ２２の最内部分２３の外面と胴部２の胴部面２１の中央部分２４の外面とは同一平面に形成される。すなわち、横リブ２２は、胴部２の四隅において、径方向内側に凹む横断面を有している。そして、横リブ２２の溝深さ（凹み量）は、胴部２の角部２０の中央部分において最大であり、角部２０の中央部分から胴部面２１の中央部分２４に向かうに従い漸次小さくなる。

　底部３は、横断面が略正方形の有底筒状の筒部である。そして、底部３の下端部の四隅の角部には、軸方向下側に向けて膨出した脚部３０がそれぞれ設けられる。
　肩部４は、横断面が略正方形に形成されると共に上方に向かうに従い漸次縮径されたテーパー状の筒部である。そして、肩部４は、縦断面がボトルの外方側に向かって凸の円弧形状を成す。
　口部５は、軸線Ｏを中心軸線にして軸方向上側に突出された略円筒形状の筒部である。そして、口部５の外周面には、図示せぬキャップを螺合させるための雄ねじ５０が形成される。

　次に、上記した構成からなるボトル１の作用について説明する。

　上記したボトル１の中に炭酸飲料が充填されたり、内容物と共に窒素が封入された後、口部５に図示せぬキャップが装着されることで、ボトル１に内容物が密封された内容物入りボトルが得られる。このとき、ボトル１の内圧が上昇し、大気圧よりも高くなって陽圧となる（例えば、０．２ＭＰａ以上０．８ＭＰａ以下）。すると、ボトル１の胴部２に対して胴部２の内側から径方向外側に向けて圧力（内圧）が作用する。このとき、横断面が略正方形の胴部２の胴部面２１の径方向外側への膨出変形が横リブ２２によって抑えられる。特に、横リブ２２の最内部分２３の横断面が円形であるため、横リブ２２には全周に亘って小さく均一に圧力が作用して、横リブ２２の変形が抑えられる。そのため、横リブ２２によって、ボトル内圧による胴部面２１の変形が効果的に抑えられ、胴部面２１の中央部分２４の変形量が小さくなる。

　また、上記した胴部２の四隅の角部２０が、胴部２の横断面において径方向外側に向けて凸の円弧状に形成される。そのため、胴部２に正の内圧が作用したときに、胴部面２１への応力集中が緩和される。その結果、胴部面２１の中央部分２４における変形量が抑えられる。そして、胴部２の角部２０における変形量と胴部２の各胴部面２１の中央部分２４における変形量との差が小さくなる。

　上記したボトル１によれば、最内部分２３の横断面が円形を成す横リブ２２によって、横断面が略正方形の胴部２の胴部面２１の中央部分２４における変形が効果的に抑えられる。そのため、ボトル内圧が陽圧となる場合でも、胴部２の外観形状は四角形に維持される。

　また、胴部２の四隅の角部２０が円弧状に形成されるため、胴部面２１の中央部分２４における変形量が抑えられる。そのため、胴部２に大きな正の内圧が作用する場合でも、胴部２の外観形状は四角形に確実に維持される。
　さらに、内容物入りボトルにおけるボトル１の内圧が０．２ＭＰａ以上０．８ＭＰａ以下の場合には、前述の効果が有効に作用する。

　次に、図３、図４に示すボトル１０１について説明する。
　なお、上述した図１、図２に示すボトル１と同様の構成については、同一の符号を付し、説明を省略する。

　図３、図４に示すように、胴部２には、ボトル周方向に延在する凹状の横リブ１２２が胴部２の軸方向に間隔をあけて複数形成される。さらに、胴部２には、胴部２の軸方向に沿って延在する凹状の縦リブ１２５が形成される。

　横リブ１２２は、径方向内側に凹んでいると共に全周に亘って延在する環状の凹溝である。そして、横リブ１２２の最内部分１２３の横断面は、円形に形成される。また、横リブ１２２の最内部分１２３は、全周に亘って胴部面２１の外面よりも径方向内側に形成される。

　縦リブ１２５は、径方向内側に凹んでいると共に軸方向に沿って延在する直線状の凹溝である。そして、縦リブ１２５は、胴部面２１の幅方向の中央部分に配設される。縦リブ１２５は、胴部２の上端（肩部４の下端）から胴部２の下端（底部３の上端）まで延設され、胴部２の４つの胴部面２１にそれぞれ形成されている。また、縦リブ１２５の最内部分１２６の外面と横リブ１２２の最内部分１２３の外面とは、横リブ１２２との交差部分において、同一平面上に位置している。

　上記したボトル１０１では、胴部２の胴部面２１に縦リブ１２５が形成される。そのため、胴部２の内側から胴部面２１に正の内圧が作用した場合に、縦リブ１２５によって胴部面２１の径方向への変形が抑えられる。これにより、胴部２に大きな正の内圧が作用する場合でも、胴部２の外観形状は四角形に確実に維持される。

　次に、上記した作用効果の検証試験について説明する。
　比較例として図１及び図２で示したボトル１を採用し、実施例として図３及び図４で示したボトル１０１を採用し、従来例として、比較例のボトル１において胴部２に横リブ２２を有しないボトルを採用した。これらの比較例、実施例及び従来例の各ボトルは、５００ｍｌの内容物が充填されるサイズとした。
　そして、各ボトルに正の内圧を０．５ＭＰａ加えたときの、胴部面における幅方向の中央部分の外径の増加率（以下、正面径変化という）、およびボトルの内容積の増加率（以下、体積変化という）をシミュレーションにより算出した。
　その結果、従来例の正面径変化は１３．４％であったのに対し、比較例の正面径変化は４．０％（従来例の２９．９％）、実施例の正面径変化は１．５％（従来例の１１．２％）であった。すなわち、比較例及び実施例のボトルでは、従来例のボトルと比べて正面径変化が低減できることが確認された。
　また、従来例の体積変化は６．７％であったのに対し、比較例の体積変化は３．８％（従来例の５６．７％）、実施例の体積変化は４．９％（従来例の７３．１％）であった。すなわち、比較例及び実施例のボトルでは、従来例のボトルよりも体積変化が抑えられることが確認された。

　以上、図１、図２に示すボトル１、及び、図３、図４に示すボトル１０１について説明したが、本発明は上記した実施の形態に限定されず、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
　例えば、上記した図１、図２に示すボトル１では、横リブ２２の最内部分２３の外面と胴部２の胴部面２１の中央部分２４の外面とが同一平面上に位置している。しかしながら、本発明では、横リブ２２の最内部分２３の外面が、胴部２の胴部面２１の中央部分２４の外面よりも径方向内側に位置し、横リブ２２が全周に亘って凹んだ形状でもよい。

　また、上記した図３、図４に示すボトル１０１では、胴部面２１の幅方向の中央部分に縦リブ１２５が配設される。しかしながら、本発明は、胴部面２１の幅方向の中央部分以外の位置に縦リブ１２５が形成されてもよい。例えば、本発明は、胴部面２１の幅方向の中央部分の両側に縦リブがそれぞれ形成されてもよい。

　また、上記した図３、図４に示すボトル１０１では、縦リブ１２５が、胴部２の上端（肩部４の下端）から胴部２の下端（底部３の上端）まで延設される。しかしながら、縦リブ１２５の長さは適宜変更可能であり、胴部２の軸方向の一部分にのみ縦リブが形成されてもよい。或いは、縦リブの上端が肩部４の外周面まで延設されてもよい。或いは、縦リブの下端が底部３の外周面まで延設されてもよい。例えば、縦リブの上端が肩部４の外周面まで延設されると共に縦リブの下端が底部３の外周面まで延設されると、胴部２に正の内圧が作用したときに、胴部面２１の径方向外側への変形がより抑えられる。そして、胴部２の外観形状はより確実に四角形に維持される。

　その他、本発明の主旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能である。また、上記した変形例を適宜組み合わせてもよい。

　本発明に係るボトルおよび内容物入りボトルでは、最内部分の横断面が円形を成す横リブによって、横断面が略正方形の胴部の各胴部面の中央部分における変形が効果的に抑えられる。そのため、本発明のボトルおよび内容物入りボトルによれば、ボトル内圧が陽圧となる場合でも、胴部の外観形状を四角形に維持できる。

１　ボトル
２　胴部
２０　角部
２１　胴部面
２２　横リブ
２３　最内部分
１０１　ボトル
１２２　横リブ
１２３　最内部分
１２５　縦リブ

Claims

　横断面が略正方形の胴部を有する有底筒状のボトルにおいて、
　前記胴部には、ボトル周方向に延在する凹状の横リブがボトル軸方向に間隔をあけて複数形成され、
　径方向内側に凹んだ前記横リブの最内部分の横断面が、円形に形成され、
　前記胴部において、前記胴部の四隅の角部の間に形成される胴部面に、軸方向に沿って延在する凹状の縦リブが形成されるボトル。
　請求項１に記載のボトルにおいて、
　前記胴部の四隅の角部が、前記胴部の横断面において径方向外側に向けて凸の円弧状に形成されるボトル。
　ボトルに内容物が密封された内容物入りボトルにおいて、
　前記ボトルが請求項１又は２に記載のボトルとされるとともに、ボトル内圧が大気圧よりも高い内容物入りボトル。
　請求項３に記載の内容物入りボトルにおいて、
　ボトル内圧が、０．２ＭＰａ以上０．８ＭＰａ以下である内容物入りボトル。