JP2010149917A - ボトル - Google Patents
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Abstract
【解決手段】有底筒状に形成されたボトルであって、ボトル軸Lを中心に胴部4の外周面に沿って一周に亘り径方向内方に凹むように形成され、内圧が減圧された際にボトル軸の軸方向に胴部を収縮変形させる環状溝10を備え、この環状溝が、口部2側に配置される第1の壁面10aと、底部5側に配置される第2の壁面10bとで凹み形成され、胴部が、環状溝を挟んで口部側の外径よりも、底部側の外径の方が大きくなるように形成されているボトル1を提供する。
【選択図】図1
Description
ところで、この種のボトルは、胴部の肉厚が薄いことからボトル内が減圧状態になると、胴部が楕円状や三角状等の歪な形に変形する等の不都合があった。胴部がこのように変形してしまった場合には、外観上の美観を損なうだけでなく、操作性が劣ってしまうという問題があった。特に、肉厚を薄くしてボトルの軽量化を図った場合には、より顕著になってしまう。
このボトルは、胴部の外周面に環状溝が形成されており、環状溝を中心に胴部が軸方向(縦方向)に収縮変形可能とされたボトルである。つまり、このボトルは、軸方向に胴部を収縮変形させることで、減圧時の圧力変化を吸収することができるように設計されている。
本発明に係るボトルは、有底筒状に形成されたボトルであって、ボトル軸を中心に胴部の外周面に沿って一周に亘り径方向内方に凹むように形成され、内圧が減圧された際にボトル軸の軸方向に胴部を収縮変形させる環状溝を備え、前記環状溝が、口部側に配置される第1の壁面と、底部側に配置される第2の壁面とで凹み形成され、前記胴部が、前記環状溝を挟んで口部側の外径よりも、底部側の外径の方が大きくなるように形成されていることを特徴とする。
ところで、胴部は、環状溝を挟んで外径が異なるように形成されている。即ち、口部側の外径よりも、底部側の外径の方が大きくなるように形成されている。そのため、減圧によって環状溝が潰れるほど胴部が軸方向に収縮した際、環状溝を境にして口部側に位置する胴部が、底部側に位置する胴部上に乗って支えられた状態となり、姿勢が安定する。特に、口部側の胴部は、底部側の胴部に部分的に支えられているのではなく、全周に亘って支えられているので、非常に姿勢が安定する。
通常、軸方向に収縮変形する場合には、口部側の胴部が下方に向けて移動するのが自然な形である。この点、第2の壁面によって口部側の胴部を下方に引っ張り易くなるので、自然に近い形で収縮変形をより生じ易くすることができる。従って、減圧時の圧力変化をより効果的に吸収することができる。
また、環状溝が潰れるほど収縮変形した際に、第1の壁面が水平面であるので、口部側の胴部が底部側の胴部上により安定した状態で乗り易く、姿勢がさらに安定する。従って、首曲がり等の不正変形をより効果的に抑制することができる。
本実施形態のボトル1は、図1に示すように、ボトル軸Lに沿って口部2、肩部3、胴部4及び底部5が一体的に連続して形成された有底筒状のボトル1である。具体的には、例えば二軸延伸ブロー成形により、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の合成樹脂で一体的に形成されている。
具体的に本実施形態の環状溝10は、口部2側に配置された第1の壁面10aと、底部5側に配置された第2の壁面10bとで凹み形成されている。これら2つの壁面10a、10bのうち、第1の壁面10aは、胴部4の外周面から径方向内方に向かって延在する平坦(平面状)な壁面である。より詳細には、ボトル軸Lに対して直交するように延在した水平面である。
一方、第2の壁面10bは、第1の壁面10aと胴部4の外周面とを連設する壁面であり、径方向内方から胴部4の外周面に向かって滑らかに湾曲する曲面状(ボトル内方に凸の曲面状)に形成されている。特に、この第2の壁面10bは、第1の壁面10aに連設する径方向内方側に近づくにつれて、ボトル軸Lに対して平行になるように徐々に向きが変わるようになっている。
また、この主目的に加え、これら環状リブ11、12、13、14は、減圧時に生じた圧力変化を上記環状溝10で吸収しきれなかった場合に、ボトル1を軸方向に収縮変形させて残りの圧力変化を吸収させる補助的な役割も担っている。そのため、これら環状リブ11、12、13、14は、環状溝10より浅く凹み形成されている。
このように若干役割が異なった2種類の環状リブ11、12、13、14は、底部5側から交互に配置されている。
内圧が減圧された場合には、ボトル1全体に、ボトル軸Lの軸方向に収縮させようとする圧力が主に作用する。この際、胴部4には環状溝10が一周に亘って凹み形成されているので、この環状溝10を中心に胴部4が軸方向に収縮変形する。これにより、減圧時における上記圧力変化をボトル1の軸方向への収縮によって吸収することができる。
従って、環状溝10による収縮変形が生じても、胴部4の口部2側が曲がってしまう首曲がり等の不正変形が生じ難い。よって、外観劣化の発生を抑制することができる。
しかも、本実施形態のボトル11は、環状溝10と別に4つの環状リブ11、12、13、14を胴部4に備えているので、環状溝10では吸収しきれなかった圧力変化を4つの環状リブ11、12、13、14を中心とした収縮変形によって吸収することができる。更に、これら4つの環状リブ11、12、13、14と、1つの環状補強リブ15によって、全体の剛性が高まっているので、減圧時に胴部4が不正変形し難いだけでなく、ボトル1を把持する際等における径方向の剛性にも優れている。
加えて、このボトル1は、胴部4に一般的な減圧吸収パネルが設けられていないパネルレスタイプのボトルであるので、減圧吸収パネルの制約を受けることなく比較的自由にデザイン設計を行える。よって、デザイン設計の自由度を向上することができる。
即ち、環状溝10を構成する2つの壁面のうち底部5側に位置する第2の壁面10bが、径方向内方から胴部4の外周面に向かって湾曲する曲面状に形成されており、第1の壁面10aに連設する径方向内方側に近づくにつれてボトル軸Lに対して平行になるように徐々に向きが変わっている。従って、内圧が減圧した際に、口部2側の胴部4を下方に引っ張り易く、軸方向への収縮変形をより生じ易くすることができる。通常、軸方向に収縮変形する場合には、口部2側の胴部4が下方に向けて移動するのが自然な形である。この点、第2の壁面10bによって口部2側の胴部4を下方に引っ張り易くなるので、自然に近い形で収縮変形をより生じ易くすることができる。従って、より効果的に減圧時の圧力変化を吸収することができる。
加えて、第1の壁面10aが水平面であるので、口部2側の胴部4が底部5側の胴部4上により安定した状態で乗り易い。従って、首曲がり等の不正変形をより効果的に抑制することができる。
また、第1の壁面10aと第2の壁面10bとを、連結壁を介して連設しても良い。この場合、環状溝10の断面形状は略台形状となり、前記連結壁は平面状(ボトル軸Lに平行或いは傾斜)又は曲面状等、目的とする変形程度に応じて適宜設定することができる。
φ1…口部側の胴部の外径
φ2…底部側の胴部の外径
1…ボトル
2…口部
4…胴部
5…底部
10…環状溝
10a…第1の壁面
10b…第2の壁面
Claims (3)
- 有底筒状に形成されたボトルであって、
ボトル軸を中心に胴部の外周面に沿って一周に亘り径方向内方に凹むように形成され、内圧が減圧された際にボトル軸の軸方向に胴部を収縮変形させる環状溝を備え、
前記環状溝は、口部側に配置される第1の壁面と、底部側に配置される第2の壁面とで凹み形成され、
前記胴部は、前記環状溝を挟んで口部側の外径よりも、底部側の外径の方が大きくなるように形成されていることを特徴とするボトル。 - 請求項1に記載のボトルにおいて、
前記第1の壁面は、前記胴部の外周面から径方向内方に向かって平面状に形成され、
前記第2の壁面は、径方向内方から前記胴部の外周面に向かって曲面状に形成されていることを特徴とするボトル。 - 請求項2に記載のボトルにおいて、
前記第1の壁面は、前記ボトル軸に対して直交する水平面であることを特徴とするボトル。
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