JP5483182B2 - 合成樹脂製丸形ボトル - Google Patents
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Description
たとえば特許文献1には胴部に複数の傾斜パネルを配設した、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂製の2軸延伸ブロー成形品、所謂ペットボトルについての考案が記載されている。
また、隣接する傾斜パネル間にはボトルの剛性や強度を担う柱部が傾斜状に残存形成されるが、このように柱部を傾斜状に配設することにより、ボトルの軸方向に作用する荷重に対する座屈強度も大きくすることができる。
さらに、ヒール部近傍における座屈変形がボトルの接地部としての機能を果たす底面壁にも進展し、ボトルの自立性が損なわれると云う場合がある。
口筒部、円筒状の胴部、そして底部を有する合成樹脂製丸形ボトルにおいて、
胴部の、少なくとも下半部の領域に、ボトルの軸線に対して一定方向に傾斜した傾斜パネルを、周囲を段部で囲うようにして陥没状に周方向に複数、並列して形成、配設し、
隣接する傾斜パネル間には柱部を残存形成し、
胴部の下端に連設する底部のヒール部に放射状に複数の溝リブを配設し、
底部の底面壁の形状を、周縁部には環状の接地部を配設し、該接地部を基端として中央部には陥没凹部を配設し、該陥没凹部には、壁を外部方向に膨出させて放射状に放射状リブを複数延設したものとし、各放射状リブの延設方向に放射状リブと同数の溝リブを配設する、と云うものである。
そこで上記構成によりこのヒール部に放射状に複数の溝リブを配設することにより、この種の座屈変形を効果的に抑制することができる。
や外観を考慮して通常6〜8ケ程度の数とするのが一般的である。
また、傾斜パネルが胴部の上半部だけに配設される場合には、ヒール部への捩れ変形に伴う応力の作用の影響は小さいので、上記構成では傾斜パネルの配設領域を「少なくとも下半部の領域」としている。
また、溝リブの配設数、配設位置、断面形状等は減圧時におけるヒール部の変形態様を考慮しながら、また傾斜パネルとの相対的な位置関係を考慮しながら適宜設定することができる。
そこで、上記構成によれば、各傾斜パネルの下端の左右中央位置に相当する中心角度位置にそれぞれ溝リブを配設することにより、当該部分における変形を効果的に抑制することができる。
底部の底面壁の形状を、周縁部には環状の接地部を配設し、この接地部を基端として中央部には陥没凹部を配設し、この陥没凹部には、壁を外部方向に膨出させて放射状に放射状リブを複数延設したものとし、
この放射状リブの延設方向に揃えて、それぞれ溝リブを配設する、と云うものである。
上記構成によれば、放射状リブの延設方向に揃えて、それぞれ溝リブを配設することにより、放射状のリブと溝リブの強化リブとしての作用効果が相俟って、ヒール部から底面壁にかけての変形をより効果的に抑制することができる。
傾斜パネルを等中心角度で複数配設し、
傾斜パネルと同数の溝リブと放射状リブを、各傾斜パネルの下端の左右中央位置に相当する中心角度位置に揃えて、それぞれ配設する、と云うものである。
すなわち本発明の主たる構成を有する合成樹脂製ボトルにあっては、
ヒール部は、底部の中では比較的薄肉な部分であると共に、外向きの曲率半径を有するためボトルの内部の減圧度が上昇した場合には、底面壁の底上げ状の変形と胴部の捩れ変形による応力の作用が相俟って陥没状の座屈変形が発生し易い部分であるが、このヒール部に放射状に複数の溝リブを配設することにより、この種の陥没状の座屈変形を効果的に抑制することができ、傾斜パネルによる減圧吸収機能を十分に発揮させることができる。
図1〜図4は本発明の合成樹脂製丸形ボトルの一実施例を示すものであり、
図1はボトルの全体正面図、図2は図1中のA−A線に沿って示す平断面図、図3は底面図、図4は図3中のB−B線に沿って示す底部近傍の縦断面図である。
また、下半部には段部10で囲むように、ボトルの軸線Axに対して右上がり状に傾斜して、陥没状に6ケの傾斜パネル12が等中心角度で、周方向に並列して、配設されている。そして、隣接する傾斜パネル12の間には同じく右上がりに傾斜した6ケの柱部11が残存形成されている。
また、この下半部の下端部にも周溝13bが配設されている。
また、底面壁22の周縁部には環状の接地部23が配設され、この接地部23を基端として中央部には、ボトル1の内部に陥没するように陥没凹部24が形成されている。また陥没凹部24には、壁を外部方向に膨出させて、等中心角度で放射状に6ケの放射状リブ25が延設されている。
そして、上記した放射状リブ25と溝リブ26は各傾斜パネル12の下端の左右中央位置に相当する中心角度位置にその方向が揃うようにそれぞれ配設されている。
なお、周溝13aで強化された胴部4の上半部では顕著な変形は見られなかった。
たとえば、本発明の丸形ボトルはPET樹脂製の2軸延伸ブロー成形品に限定されることなく、従来から一般的に使用されているポロプロピレン樹脂製等の他の合成樹脂製のものとすることができる。
また傾斜パネルの形成個数は、減圧吸収機能、強度そして外観デザイン等を考慮し、適宜選択することができる。
また、本実施例では傾斜パネルを胴部の下半部に配設する構成としたが、胴部の略全高さ範囲に配設することもできるし、さらには周溝リブ等で2段に分けて配設する構成とすることもできる。
また、本実施例では底部の形状を陥没凹部、さらには放射状リブを有する構成としたが、たとえば、底面壁を平坦状にした形状等、使用目的に応じて適宜に選択することができる。
2 ;口筒部
3 ;肩部
4 ;胴部
5 ;底部
10;段部
11;柱部
12;傾斜パネル
13a;周溝
13b;周溝
21;ヒール部
22;底面壁
23;接地部
24;陥没凹部
25;放射状リブ
26;溝リブ
Ax;軸線
Claims (4)
- 口筒部(2)、円筒状の胴部(4)、そして底部(5)を有する合成樹脂製丸形ボトルであって、
前記胴部(4)の、少なくとも下半部の領域に、前記ボトル(1)の軸線(Ax)に対して一定方向に傾斜した傾斜パネル(12)を、周囲を段部(10)で囲うようにして陥没状に周方向に複数、並列して形成、配設し、隣接する前記傾斜パネル(12)間には柱部(11)を残存形成し、前記胴部(4)の下端に連設する底部(5)のヒール部(21)に放射状に複数の溝リブ(26)を配設し、
前記底部(5)の底面壁(22)の形状を、周縁部には環状の接地部(23)を配設し、該接地部(23)を基端として中央部には陥没凹部(24)を配設し、該陥没凹部(24)には、壁を外部方向に膨出させて放射状に放射状リブ(25)を複数延設したものとし、各放射状リブ(25)の延設方向に放射状リブ(25)と同数の溝リブ(26)を配設したことを特徴とする合成樹脂製丸形ボトル。 - 溝リブ(26)を、ヒール部(21)に連接する底部(5)の底面壁(22)の周縁部にまで延設した請求項1記載の合成樹脂製丸形ボトル。
- 各傾斜パネル(12)の下端の左右中央位置に相当する中心角度位置に、それぞれ溝リブ(26)を配設した請求項1または2記載の合成樹脂製丸形ボトル。
- 傾斜パネル(12)を等中心角度で複数配設し、該傾斜パネル(12)と同数の溝リブ(26)と放射状リブ(25)を、前記各傾斜パネル(12)の下端の左右中央位置に相当する中心角度位置に揃えて、それぞれ配設した請求項1記載の合成樹脂製丸形ボトル。
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