JP2004507405A - 半剛性の圧潰可能な容器 - Google Patents

Abstract

半剛性の圧潰可能な容器１０は、上方部分５と中央部分６と下方部分７と底部８とを備える側壁を有する。中央部分６は、制御部分２と開始部分１とを有する負圧パネル部分を含む。制御部分２は、開始部分１よりも、垂直方向により急勾配で傾斜し、すなわち容器１０の長手軸に対してより鋭い角度を有する。容器１０内の高温液体を冷却した後に容器パネル内に存在する低い負圧の力を受けて、開始部分１が内側に屈曲して、制御部分２を容器１０内に反転させ、さらに内側に屈曲させ、中央部分６を圧潰する。圧潰状態では、容器１０の頂部荷重性能を備えるように、中央部分６の上方および下方部分を実質的に接触させることができる。圧潰状態で、隆起したリブ３が、容器の追加の支持体となる。他の実施形態では、容器の蓋を取り外して負圧の力を解放すると、容器が元の位置に伸縮式に戻る。

Description

【０００１】
発明の背景
本発明は、ポリエステル容器、詳細には、高温液体で充填することのできる半剛性の圧潰可能な容器に関し、より詳細には、そのような容器で圧潰を開始する改良型構成に関する。
【０００２】
「ホットフィル（Ｈｏｔ−Ｆｉｌｌ）」用途は、容器の構造に顕著な機械的応力を与える。従来の容器の薄い側壁構成は、蓋を付けた後、続いて液体内容物が冷却されるので、容器内圧が低下すると変形し、またはつぶれる。制御された構成を維持しながらそのような内圧変化に耐えるように、様々な方法が考案されてきている。
【０００３】
一般に、ポリエステルは、熱的安定性を示す容器が得られる分子変化を引き起こすように、熱処理されなければならない。加えて、容器の構造は、内部の負圧を無くして、容器構造に過剰な力が加わるのを避けるため、その領域またはパネルが内側に「屈曲」できるように構成しなければならない。しかし、従来の垂直に配置された屈曲パネルで可能な「屈曲」の量は限られており、限界に達すると、力が側壁に、特に容器のパネル間の領域に伝達され、それ以上荷重が増加すると容器が破損される。
【０００４】
さらに、圧力を安定化するためにパネルを内側に屈曲させるには、負圧の力が必要となる。したがって、パネルをきわめて柔軟かつ効率的に構成しても、力が依然としてある程度まで容器構造に加わる。加わる力が大きくなると、容器の壁厚を増加させる必要が生じ、それが次には容器コストの増加をまねく。
【０００５】
本出願人が知るすべての従来技術での破損の主なモードとは、商業上の利点のために容器の重量を低減させたときの、容器の構造幾何学的な弱さによる回復不可能な座屈である。この問題を解決しようとする多くの試みは、容器の側壁またはパネル自体に補強を加え、さらに負圧の下方閾値で屈曲するパネル形状を提供することを対象としてきた。
【０００６】
今日まで、垂直に向けられた負圧屈曲パネルを利用する容器だけが、商業的に存在し成功している。
【０００７】
「Ｃｏｌｌａｐｓｉｂｌｅ　Ｃｏｎｔａｉｎｅｒ」という名称のニュージーランド特許第２４０４４８号では、内圧による拡張を阻止することができ、長手方向の圧潰力を受けて折り畳まれる部分を圧潰するように横方向に拡張できる、複数のアーチ形パネルによって制御された圧潰を実現する、半剛性の圧潰可能な容器を記載し、かつ請求している。圧潰可能な容器では多くの先行技術が開示されたが、そのほとんどが、容器の蛇腹様、またはアコーディオン様の垂直方向の圧潰を提供するものであった。
【０００８】
このようなアコーディオン様構造は、圧縮荷重下での容器の安定性維持が困難であるので、本来、ホットフィル用途には適していない。このような容器は、その側壁を容器の中央長手軸から離して屈曲させる。さらに、垂直方向の運動をするので、ラベルはそのような領域を覆って正しく貼付することができない。これが、深刻なラベルの歪みを引き起こす。ラベルをうまく貼付するには、圧縮荷重下での容器の形状保持力を高めるために波形にされている、多くの従来技術のコールドフィル容器側壁に見られるように、表面下部を構造的に安定にしなければならない。そのような圧縮荷重は、頂部荷重の増加、または例えばホットフィル容器内に生じる負圧の増加によって与えられる可能性がある。
【０００９】
発明の目的
本発明の目的は、容器内の負圧をより効率的に補償し、今日までの従来技術の問題を克服または少なくとも改善することができる半剛性容器を提供し、かつ／または世間の人々に有用な選択肢を少なくとも提供することである。
【００１０】
発明の概要
本発明の一態様によれば、その側壁が、開始部分と圧潰状態から拡張するのを阻止する制御部分とを含む、ほぼ垂直に折り畳まれる少なくとも１つの負圧パネル部分を有する、半剛性容器が提供される。
【００１１】
負圧パネルは、液体内容物の冷却によって生じる負圧を完全に取り除くために、外部から機械的な力をかけると内側に折り畳まれるように、かつ容器の蓋を外したときに圧潰状態から拡張するのを妨げるように構成されることが好ましい。
【００１２】
本発明のさらなる態様によれば、側壁が、開始部分と圧潰状態から拡張させる制御部分とを含む、ほぼ垂直に折り畳まれる負圧パネル部分を有する、半剛性容器が提供される。
【００１３】
負圧パネルは、所定のレベルより低い負圧による力を受けて内側に折り畳まれるように、かつ容器の蓋を外して負圧を解放すると、圧潰状態から拡張できるように構成されることが好ましい。
【００１４】
本発明の他の態様は、そのすべての新規態様内にあると考えるべきであり、これらについては以下の説明から明らかとなろう。
【００１５】
好ましい実施の形態の説明
本発明は、容器内の負圧を補償する、ほぼ垂直に折り畳まれる少なくとも１つの負圧パネル領域を備える側壁を有する、半剛性の圧潰可能な容器に関する。
【００１６】
一実施形態では、機械的な力を与えると内側に屈曲できることが好ましい。容器内部の高温液体を冷却するときに通常生じる負圧の影響を打ち消すのに必要な容積減少量を計算することによって、この容積減少を完全にその中に見込めるように、垂直に折り畳まれる部分を構成することができる。ホットフィル後にこの部分を機械的に折り畳むことによって、液体冷却時に容器内に生じる負圧の力が完全に取り除かれる。冷却した容器内には生じた負圧が残らないので、側壁に対する力がほとんどまたは全く生じず、容器側壁に加わる応力が従来技術よりも低減される。
【００１７】
さらに、制御部分を急な角度を有するように構成することによって、容器の蓋を外すときに、圧潰状態から拡張することも妨げられる。制御位置をその前の位置に戻すには、初めに加えられる機械的な力に等しい、大きな力が必要となる。この内部負圧の力の打消しを伴う容積の即時の減少は、従来技術の負圧パネル容器の性能とは全く異なっている。
【００１８】
本発明は、任意の必要な形またはサイズの容器にでき、任意の適切な材料から任意の適切な技術によって作製される。ただし、ポリエチレンテレフタレート（ＰＥＴ）製のブロー成形プラスチック容器が、特に好ましいことがある。
【００１９】
半剛性容器の可能な構成の１つを、添付の図面の図１〜４に示す。容器は、概ね矢印Ｃで参照され、球根状の上方部分５、中央部分６、下方部分７、および底部８に続く開放ネック部分４が示されている。
【００２０】
中央部分６は、高温液体を冷却した後の容器１０内の負圧を補償するために、ほぼ垂直に折り畳まれる負圧パネル部分を提供する。
【００２１】
負圧パネル部分は、低い負圧の力を受けて内側に屈曲することのできる開始部分１を有し、より垂直に急勾配で傾斜した（容器１０の長手軸に対してより鋭角の）制御部分２を容器１０内に反転させ、さらに内側に屈曲させる。
【００２２】
開始部分１が設けられているので、制御部分２で用いる角度を長手軸に対して急勾配にすることができる。開始部分１がなければ、制御部分２を反転させるのに必要な力のレベルが、望ましくないことに上昇する可能性がある。これにより、ボトル１の圧潰状態からの拡張に対する抵抗性を高めることができる。さらに、制御部分の反転を開始するための開始部分がなければ、制御部分が、圧縮垂直荷重を受けて望ましくない座屈を生じることがある。このような座屈が生じると、制御部分それ自体が内部に満足に折り畳まれなくなる可能性がある。したがって、単一のパネル領域から、従来技術の負圧屈曲パネルよりもさらに大きい容積が排除される。負圧は、その後、先行技術よりも大幅に低減され、その結果、容器側壁に加わる応力が低減される。
【００２３】
さらに、容器１０のネック部分４に蓋を適用し、続いて容器内容物を冷却後に負圧を調整するときに、圧潰領域を用いて、容器１０内を周囲圧力条件、またはさらに圧力の高い条件にさえすることができる。
【００２４】
このように負圧がより排除されるので、容器１０の側壁に伝達される力が有利に低減される。これにより、容器１０の構成で必然的に利用される材料を減らし、製品を安価なものにすることができる。これがまた、容器１０が荷重を受けて破損するのを低減させ、容器１０などのホットフィル容器の構成で必然的に利用されるパネル領域に関する要件をかなり低減させる。したがって、これにより、ホットフィル用途のための容器構成で、美的により美しい他の構成を使用することができる。例えば、従来なら負圧の悪影響を受けるはずの形状を用いることができる。さらに、垂直に向けられた負圧屈曲パネルを用いる従来技術の容器によって空隙が設けられた「しわ」領域をその下に有するのではなく、ラベル貼付領域を全体的に支持することができる。
【００２５】
本発明の特定の一実施形態では、図に示す隆起した径方向リブなどの支持構造３を、中央部分６の周りに設けることができ、特に開始部分１と制御部分２が圧潰された図２および図３に見られるように、頂部荷重性能を維持し、または頂部荷重性能に寄与するため、図３の１ｂ、２ｂ、および３ｂに見られるように、最終的には支持構造３に密接な関係で、実質的に接触して静置できる。
【００２６】
他の実施形態では、伸縮式負圧パネルが、低い負圧の力を受けて内側に屈曲し、容器の蓋を外して負圧を解放すると、圧潰状態から拡張することができる。
【００２７】
一実施形態では、開始部分が、低い負圧の力を受けて内側に屈曲するように構成されることが好ましい。容器サイズに適した負圧補償をするように制御部分が構成されているので、負圧の力が維持されるが、これはかなり低く保たれており、垂直に折り畳まれる負圧パネル領域をさらなる負圧補償が必要なくなるまで引き下げるに足るにすぎない。これにより、容器の蓋を外して負圧を解放したときに、圧潰状態から拡張できるようになる。垂直に折り畳まれる負圧パネル領域を引き下げる低い負圧の力がなければ、プラスチック材料の復元力によって生じる力のために、すぐに方向が反対になる。これが、消費者に「不正開封防止（ｔａｍｐｅｒ−ｅｖｉｄｅｎｔ）」機能を提供し、製品がそれ以前に開封されていないことを視覚的に確認できるようにする。
【００２８】
さらに、垂直に折り畳まれる負圧パネル領域は、対向する２つの開始部分と、対向する２つの制御部分とを使用することができる。各制御部分に必要な屈曲の程度を低減すると、続いて負圧が大幅に低減される。これは、２つの制御部分を使用することによって達成され、各２つの制御部分が、通常は単一部分に必要とされる負圧の力の半分の量だけを無くす必要がある。その後、負圧は、そのような容積を即時に内向き運動させるために容易には構成されない、従来技術の負圧屈曲パネルの場合よりも低減される。やはり、容器側壁にかかる応力が小さくなる。
【００２９】
さらに、蓋を容器に適用し、続いて容器を冷却した後で負圧を調整するときには、容器の頂部荷重性能は、負圧パネル領域を完全に垂直に圧潰することで形成される側壁の接触によって維持される。
【００３０】
さらに、伸縮式パネルは、包装を開けるときの優れた環状強度も与える。
【００３１】
ここで、図面の図５〜８を参照すると、この実施形態では、対向する２つの開始部分である、上方開始部分１０３と下方開始部分１０５、ならびに対向する２つの制御部分である、上方制御部分１０４と下方制御部分１０６を設けることが好ましい。蓋（図示せず）を容器１００に適用し、続いて内容物を冷却した後で負圧を調整するときには、容器１００の頂部荷重性能は、負圧パネル領域を完全にまたはほぼ完全に垂直に圧潰することで形成される、上方側壁２００と下方側壁３００との接触によって維持される。図６および７を参照されたい。
【００３２】
このように負圧をより無くすので、容器１００の側壁２００および３００に伝達される力が有利に低減される。これにより、容器の構成で必然的に使用される材料が低減され、製品を安価なものにすることができる。
【００３３】
これにより、容器１００が荷重を受けて破損するのを低減させることができ、ホットフィル容器の構成で必然的に利用される垂直に向けられたパネル領域に関する要件がもはやなくなる。したがって、これにより、ホットフィル用途のための容器構成で、美的により美しい他の構成を使用することができる。さらに、このことが、側壁との全接触によってラベルを全体的に支持できるようにし、それが、より迅速で正確なラベル貼付を可能にする。
【００３４】
さらに、対向する２つの圧潰領域を使用する負圧に満たされた容器から蓋を外すと、図７のように、各制御部分１０４、１０６が屈曲した位置で保持され、図８のように、すぐにその元の位置に伸縮式に戻る。すぐに容器内に大きいヘッドスペースができ、これが、内容物を注出するのに役立つだけでなく、内容物の「ブローバック」を防ぎ、または最初に開けるときにこぼれるのを防ぐ。
【００３５】
本発明の他の実施形態は、特定の内容物に関する充填プロセスの前または充填プロセス時に、伸縮式の負圧パネルを押下できるようにするものであり、その後負圧パネルが、冷却の前および負圧補償が必要となる前に内圧を増大させる。この実施形態では、力が側壁に伝達されるのを防ぐために、パネルを垂直方向に圧縮させ、それによって内部圧力段階の際に垂直方向に伸縮式に拡大させ、次いで、後で負圧補償するためにパネルを再度伸縮式に圧潰することができる。
【００３６】
図面には、２つのパネル部分１０１および１０２が示されているが、２つ未満も使用できることが企図されている。
【００３７】
前述の説明では、同等のものが知られている発明の特定の構成要素または符号を参照したが、このような同等物を個別に述べたものとして本明細書に組み込む。
【００３８】
本発明について、一例としてその可能な実施形態を参照して説明したが、特許請求の範囲で規定する範囲から逸脱することなく、本発明を修正または改良できることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【図１】
本発明の可能な一実施形態による、半剛性の圧潰可能な容器を圧潰する前の状態で示す略図である。
【図２】
図１の容器を圧潰した状態で示す図である。
【図３】
図２の容器の矢印Ａ−Ａに沿った略断面図である。
【図４】
図１の容器を矢印Ａ−Ａに沿って示す図である。
【図５】
本発明の可能な他の実施形態による容器を示す図である。
【図６】
図５の容器を圧潰した後で示す図である。
【図７】
図６の容器の矢印Ｂ−Ｂに沿った断面図である。
【図８】
図５の容器の矢印Ｂ−Ｂに沿った断面図である。

Claims (15)

1. 容器内の負圧変化を補償するために、側壁が、ほぼ垂直に折り畳まれる少なくとも１つの負圧パネル部分を有する半剛性容器。
2. 垂直に折り畳まれる前記負圧パネル部分が、開始領域と制御領域とを含み、前記開始領域が前記制御領域より先に垂直に折り畳まれる、請求項１に記載の半剛性容器。
3. 前記制御領域が、圧潰状態からの拡張を阻止する、請求項２に記載の半剛性容器。
4. 負圧パネルが、所定のレベルを下回る負圧による力を受けて内側に屈曲するように構成され、容器の蓋を外して負圧を解放すると圧潰状態から拡張することができる、請求項２に記載の半剛性容器。
5. 前記側壁が、上方部分と下方部分との間に前記負圧パネル部分を備え、開始部分が、前記上方部分の下方端と制御部分との間にある、請求項２に記載の半剛性容器。
6. 前記制御部分が、容器の長手軸に対して前記開始部分よりも鋭い角度を有し、前記開始部分が、前記制御部分を容器内に反転させ、さらに内側に屈曲させる、請求項５に記載の半剛性容器。
7. 圧潰状態で、前記負圧パネル部分の上方部分および下方部分が実質的に接触するように構成された、請求項６に記載の半剛性容器。
8. 容器の頂部荷重性能の維持に寄与するように、前記負圧パネル部分が、圧潰状態にあるときに、前記制御部分に実質的に接触するように構成された間隔をあけて配置された複数の支持リブを含む、請求項７に記載の半剛性容器。
9. 上方部分と、下方部分と、ほぼ垂直に折り畳まれる負圧パネル部分を有するほぼ中央の部分とを備える側壁を含む半剛性容器であって、前記負圧パネル部分が開始部分と制御部分とを含み、前記制御部分が開始部分よりも小さい角度で容器の長手軸に沿って傾斜し、前記開始部分が、容器内の負圧に反応して前記制御部分を容器内に反転させ、さらに内側に屈曲させるように構成され、前記負圧パネル部分が、容器から蓋を取り外して負圧を解放すると元の位置に戻るように構成された半剛性容器。
10. 前記側壁が、上方部分と下方部分との間に前記負圧パネル部分を備え、前記制御部分が、前記上方部分の下方端と前記開始部分との間にある、請求項２に記載の半剛性容器。
11. 前記側壁が、上方部分と下方部分との間に前記負圧パネル部分を備え、圧潰状態で前記容器の前記上方部分および下方部分が実質的に接触するように構成された、請求項１に記載の半剛性容器。
12. 垂直に折り畳まれる前記負圧パネル部分が、２つの開始領域と２つの制御領域とを含み、前記開始領域が前記制御領域より先に垂直に折り畳まれる、請求項１に記載の半剛性容器。
13. 前記制御領域が負圧を受けて屈曲した位置で保持され、前記負圧を解放すると、前記制御領域と前記開始領域が元の位置に戻る、請求項１３に記載の半剛性容器。
14. 前記制御領域が負圧を受けて屈曲した位置で保持され、前記負圧を解放すると、前記制御領域と前記開始領域が元の位置に戻る、請求項２に記載の半剛性容器。
15. 実質的に添付の図面の図１から４、または図５から８を参照しながら本明細書で説明する半剛性容器。

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