WO2010027054A1 - カンチレバー加熱機構、それを用いたカンチレバーホルダ、及び、カンチレバー加熱方法 - Google Patents

カンチレバー加熱機構、それを用いたカンチレバーホルダ、及び、カンチレバー加熱方法 Download PDF

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Abstract

 加熱用の配線パターンが設けられていない一般的なカンチレバーでも大気中、高・低真空中にて効率良く加熱することが可能であり、更には、試料の局所加熱や局所高温高圧処理が可能なカンチレバー加熱機構、それを用いたカンチレバーホルダ、及び、カンチレバー加熱方法を提供する。  探針を備えるカンチレバーLを着脱自在に保持可能なホールド部1と、ホールド部1に保持されたカンチレバーLを介して導通状態となる少なくとも第1の電極2aと第2の電極2bとを備える。ホールド部1は、固定台11と固定部12を備え、固定部12は電極としての機能を果たす。

Description

カンチレバー加熱機構、それを用いたカンチレバーホルダ、及び、カンチレバー加熱方法
 本発明は、走査型プローブ顕微鏡に用いられるカンチレバーを加熱するためのカンチレバー加熱機構、及び、それを用いたカンチレバーホルダに関する。
 走査型トンネル顕微鏡(Scanning Tunneling Microscopy:STM)や原子間力顕微鏡(Atomic Force Microscopy:AFM)などの走査型プローブ顕微鏡(Scanning Probe Microscopy:SPM)は、原子・分子スケールの表面観察のみならず、原子・分子の操作・組み立て、超微細加工などにも応用が期待され、ナノテクノロジーに不可欠な装置である。SPMの動作原理は、探針と試料表面間で授受される物理量を一定に保ちながら試料表面を探針で走査するというものである。SPMを用いて試料表面を原子分解能で観察するためには、探針を原子スケールで先鋭化し、探針と試料間で授受される物理量を感度良くまた再現良く検出する必要がある。そのため、SPM探針は化学的に安定で、かつ原子スケールで先鋭化されていること、及び、異物等の付着がなくクリーンであることが要求される。
 AFMなどのカンチレバーを用いるタイプのSPMでは、窒化シリコン、シリコン製の探針付きカンチレバーをカンチレバーホルダに取り付け、ホルダ挿入口からSPM内部に挿入して使用する構造となっている。この探針の先鋭化やクリーニングの方法には、洗浄液等を用いるケミカル法、薄膜を蒸着させるスパッタリング法、電子線照射、輻射熱や傍熱、あるいは通電を利用した加熱法等がある。
 たとえば、下記特許文献1には、超音波、洗浄液、不活性ガス、エッチング液、スパッタリング、輻射熱などにより探針を洗浄する技術が開示されている。
 また、下記特許文献2には、通電加熱により金属材料でできた探針をクリーニングする技術が開示されている。探針はループ状の金属細線導通体にスポット溶接で固着されており、導通体の両端子に電圧を印加することにより通電加熱を行っている。
 また、下記非特許文献1には、AFM用の市販のSi探針付きカンチレバーを、超高真空中にて加熱しながらGeを蒸着することにより、探針の先端を先鋭化させる方法が開示されている。これは、本発明の発明者等による研究の成果であり、このGeが蒸着されたSi探針は、400℃から500℃で加熱することにより再先鋭化可能であることを確認している。
 一方、近年、SPMは、表面観察だけでなく、微小探針と試料表面との相互作用を利用した超微細加工技術としても期待されており、試料の局所加熱や高温高圧処理の機能を有することが要求される。
 例えば、下記特許文献3には、カンチレバーホルダにヒーターを設け、ヒーターによりカンチレバーの探針を加熱する技術が開示されている。ヒーターは、カンチレバーホルダに形成された金属パターンであり、電流を流すことによって発熱させている。
 また、下記特許文献4には、熱伝達効率を向上させるためにカンチレバーに薄膜抵抗コイルを設けることで、探針部を加熱する技術が開示されている。
特開平9-145726号公報 特開平03-291501号公報 特開平9-159680号公報 特開平10-27391号公報
"Atomicforce microscope Si tip with Ge clusters with the capability of remoulding byheating" Masahiko Tomitori et al., Nanotechnology Volume 18,Number 8, 28February 2007, 084020
 上記の通り、カンチレバーの先鋭化やクリーニングには様々なものがあるが、その一つとして加熱法が用いられている。特に非特許文献1に記載の再先鋭化には加熱処理が必要不可欠である。加熱法としては、カンチレバーに設けられる配線パターンに電流を流すことによる通電加熱法や、ヒーター等からの熱伝導(傍熱)や輻射熱を利用した方法や、電子・イオンビーム照射法などがある。
 しかしながら、電子・イオンビーム照射法は、真空中では行うことができるが、大気圧中、低真空中では行うことができない。例えば、特許文献1には、実施の形態5として、プローブにイオンビームを照射することにより、クリーニングする技術が開示されているが、所定の真空度に達するまで真空チャンバーを排気する必要がある。
 また、ヒーター等からの熱伝導や輻射熱を利用した加熱方法では、加熱効率が悪く、さらに、温度の高いヒーターなどからのガス放出によりカンチレバーが再汚染されることがある。例えば、上記特許文献1には、実施の形態4として、高温炉をサンプル台に併設し、高温炉からの輻射熱によりカンチレバーを加熱する技術が開示されている。しかしながら、高温炉からの輻射熱は加熱効率が悪く、又、高温炉からのガス放出による再汚染が懸念される。
 通電加熱法では、カンチレバーに設けられる配線パターンにより通電加熱するが、一般的に市販されているカンチレバーの多くには配線パターンが設けられていない。そのため、多くのカンチレバーにおいて、カンチレバーを通電加熱できない。特許文献2には、探針にスポット溶接された導通体に通電することにより、探針を加熱する技術が開示されている。しかしながら、導通体に探針が固着されている必要があるため、一般のカンチレバーの加熱には適用不可能である。なお、仮に、シリコン製のカンチレバーに導通体をスポット溶接しようとしても、カンチレバーは割れてしまうため不可能である。
 一方、カンチレバーを加熱する技術は、上記特許文献3,4にも開示されている。しかしながら、特許文献3の目的は試料の微小領域を局所的に加熱することであり、クリーニングを目的とするものではない。仮にクリーニングに適用したとしても、ヒーターからの熱伝導により加熱するため非効率である。また、特許文献4の目的は加熱したカンチレバーにより情報記録媒体に微小ピットを形成することであり、これもクリーニングを目的とするものではない。仮にクリーニングに使用したとしても、カンチレバーは薄膜抵抗コイルをパターニングした特殊な構成である必要があり、一般的なカンチレバーを加熱することはできない。
 特に、発明者等により開発された上記非特許文献1における再先鋭化には加熱処理が必要不可欠である。この技術を利用すれば、一般的に市販されるカンチレバーの再先鋭化が可能となるため、これを実現するためにも、加熱用の配線パターンの無い一般的なカンチレバーを加熱可能とすることが強く望まれる。
 また、上述の通り、SPMは超微細加工技術にも利用されており、試料の局所加熱や高温高圧処理の機能を有することが望まれることから、一般的なカンチレバーをクリーニング可能としつつ、更には局所加熱や高温高圧処理にも利用可能とすることが望まれる。
 そこで、本発明の目的は、加熱用の配線パターンが設けられていない一般的なカンチレバーでも大気圧中、高・低真空中にて効率良く加熱することが可能であり、更には、試料の局所加熱や高温高圧処理が可能なカンチレバー加熱機構、その加熱機構を備えるカンチレバーホルダ、及び、カンチレバー加熱方法を提供することにある。
 上述の目的を達成するために、本発明のカンチレバー加熱機構は、探針を備えるカンチレバーを加熱するカンチレバー加熱機構において、カンチレバーを着脱自在に保持可能なホールド部と、当該ホールド部に保持されたカンチレバーを介して導通状態となる少なくとも第1の電極と第2の電極とを備えることを特徴とする。この発明によれば、導電性のカンチレバーをホールド部に装着し、第1の電極と第2の電極に電圧を印加すると、カンチレバーはホールド部に保持されるとともに通電加熱される。
 前記ホールド部に保持されたカンチレバーに接触可能な第3の電極を備えることが好ましい。この発明によれば、第1と第2の電極の電位と第3の電極の電位を相対的に変化させることにより、第1の電極と第2の電極の付近に電子または正孔を寄せ集めることができる。このとき、更に、利便性の観点から前記第1と第2の電極の電位、及び/又は、第3の電極の電位を制御する制御手段を備えることが好ましい。
 前記ホールド部は、カンチレバーが固定される固定台と、固定台にカンチレバーを押圧しながら固定する固定部を備え、当該固定台のカンチレバーが配置される位置に第1の電極と第2の電極が設けられていることが好ましい。この発明によれば、カンチレバーを固定台に配置して固定部にて固定すると、固定部によりカンチレバーは固定台に向けて押圧され、第1の電極と第2の電極に確実に接触する。
 前記ホールド部は、カンチレバーが固定される固定台と、カンチレバーを固定台に固定する固定部とを備え、当該固定部は導電性部材であることが好ましい。この発明によれば、固定部を第1~第3の電極のいずれかの電極として利用可能となる。
 本発明のカンチレバーホルダは、SPMに用いられるカンチレバーホルダであり、前記カンチレバー加熱機構を備えることを特徴とする。この発明によれば、SPMのカンチレバーホルダにカンチレバーを取り付けた状態にて、カンチレバーを加熱することができる。
 また、本発明のカンチレバー加熱方法は、探針を備えるカンチレバーを加熱するカンチレバー加熱方法において、カンチレバーを着脱自在に保持可能なホールド部によりカンチレバーを保持させ、当該ホールド部に保持されたカンチレバーを介して導通状態となる少なくとも第1の電極と第2の電極との間に電圧を印加することを特徴とする。この発明によれば、ホールド部に保持されたカンチレバーが第1の電極と第2の電極により通電加熱される。
 また、本発明のカンチレバー加熱方法は、前記ホールド部に保持されたカンチレバーに第3の電極を接触させ、前記第1の電極及び前記第2の電極の電位に対して当該第3の電極の電位を相対的に変化させることが好ましい。この発明によれば、第1の電極と第2の電極の付近に電子または正孔を寄せ集めることができる。
 本発明のカンチレバー加熱機構によれば、カンチレバーをホールド部に装着すると、カンチレバーはホールド部に保持されるとともに第1の電極と第2の電極により通電加熱可能となる。また、本発明のカンチレバー加熱方法によれば、ホールド部に保持されたカンチレバーが通電加熱される。したがって、カンチレバーに加熱用の配線パターン等が設けられていなくても通電加熱が可能となり、一般的に用いられる多くのカンチレバーの探針の先鋭化やクリーニングが可能となる。電子ビーム照射法のように真空中で行う必要はなく、大気圧中、低真空中でも処理可能である。カンチレバーを直接通電加熱するため、ヒーター等による熱伝導や輻射熱を利用した場合と比較して、加熱効率も高い。更に、第3の電極を用いることにより、第1の電極と第2の電極の付近に電子または正孔を寄せ集めることができ、探針付近を効率良く加熱することができる。このカンチレバー加熱機構を走査型プローブ顕微鏡のカンチレバーホルダに適用することで、試料を局所的に加熱したり、探針にて試料を加圧しながら加熱することで高温・高圧環境を容易に作ることもできる。
本発明の実施形態におけるカンチレバー加熱機構の分解斜視図である。 上記実施の形態におけるカンチレバー加熱機構の一部拡大図である。 上記実施の形態におけるカンチレバー加熱機構の使用状態を説明する説明図である。 上記実施の形態におけるカンチレバー加熱機構の回路を説明する説明図である。 上記実施の形態におけるカンチレバー加熱機構を用いたカンチレバーホルダの概略上面図である。 実験1の結果をグラフ化した図であり、本発明のカンチレバー加熱機構を用いたときの通電加熱前、通電加熱後、及び、各電流値におけるカンチレバーの共振曲線を示す。 実験1の各共振曲線のQ値を比較する図である。 実験2の結果をグラフ化した図であり、本発明のカンチレバー加熱機構を用いてカンチレバーを通電加熱したときの各熱量におけるカンチレバーの温度を示す。
100 カンチレバー加熱機構
200 カンチレバーホルダ
L   探針付きカンチレバー
1   ホールド部
11  固定台
11a 配置部
12  固定部
12a 接触部
12b 開口
2a,2b 電極
h   貫通孔
3   ベース
4a~4e 絶縁体
5   圧電素子
6a,6b ネジ、ナット
7   パイプ(銅管)
(第1の実施の形態)
 以下、本実施の形態のカンチレバー加熱機構100について、図面を参照しながら説明する。図1は、カンチレバー加熱機構100の分解斜視図であり、図2はその一部拡大図である。カンチレバー加熱機構100は、カンチレバーLを着脱自在に保持するホールド部1と、ホールド部1により保持されたカンチレバーLに接触可能な第1の電極2aと第2の電極2b、及び、固定部としての機能も兼ね備える第3の電極12とを備え、これらがベース3の上に配設されている。なお、カンチレバーLは、Siなどの導電性を有するカンチレバーであり、可撓性プレートの一端側が支持体に支持されており、可撓性プレートの他端側(自由端側)に探針を備える。
 ホールド部1は、カンチレバーLが固定される固定台11と、固定台11にカンチレバーLを固定する固定部12とを備える。固定台11は、電気絶縁性に優れた高融点の材料を用いている。材料は、例えばアルミナやセラミックスであるが、これに限られるものではなく、高融点絶縁材料であれば良い。固定台11には、カンチレバーLが配置される位置である凹状の配置部11aが設けられている。なお、固定台11とベース3との間には絶縁部材4a、4bを介して圧電素子5が配されている。
 固定部12は、固定台11の配置部11aに配置されたカンチレバーLを固定する機能を有する。本実施の形態では、カンチレバーLを固定台11に押さえる方向にて付勢された押さえ板バネであり、例えばモリブテン等の高融点電導性材料から成る。固定部12の一端側はベース3にネジ6aで固定されている。詳細には、固定部12の一端側とベース3に設けられる貫通穴にネジ6aが挿通され、ベース3の裏側にてナット6bで取り付けられている。固定部12の他端側は自由端となっており、固定台11の配置部11aまで及び、カンチレバーLと接触する接触部12aを有する。接触部12aは、幅広に形成され、中央に開口12bを有する。接触部12aに開口12bを形成することにより、カンチレバーと固定部12との接触面積が小さくなり、効率よくカンチレバーを加熱できる。さらに、固定部12の先端でカンチレバーの中央を強く抑えることができるので配置部11a、電極2a,2bとの接触を強固にでき、また、カンチレバーの取り外しが容易になる。なお、固定部12とベース3との間には絶縁体4cが配され、ネジ6aとベース3の間には絶縁体4dが配され、ナット6bとベース3との間には絶縁体4eが配され、互いに電気的に絶縁されている。
 電極2a,2b,12は、ホールド部1に保持されたカンチレバーLに接触可能な電極である。本実施の形態では、固定台11の配置部11aに設けられる二つの電極2a,2bと、導電性の固定部12である。電極2a,2bはカンチレバーLを介して導通可能な一対の第1の電極と第2の電極であり、固定部12は、電極2a,2bによる通電加熱状態を制御する第3の電極である。電極2a,2bは、カンチレバーLの探針付近に対応する位置に設けられており、タングステン等の高融点導電性材料から成る。ここでは、例えば細長形状の電極であり、直径約0.3mmの金属ワイヤー電極を用いている。この電極2a,2bは、固定台11の側面から配置部11aに連通するように設けられる貫通孔h、hに挿通されて固定されており、一端側は配置部11aに一部突出して配され、他端側は固定台11の側面から外部に突出している。その他端側にはパイプ(銅管)7,7が取り付けられており、電極2a,2bはパイプ(銅管)7内の配線を介して電源p1(図示せず)と接続可能となっており、固定部12も配線を介して電源p2(図示せず)に接続可能となっている。なお、固定部12はネジ6aに接続される配線を介して電源p2に接続可能とされても良い。
 (使用態様)
 図3は、カンチレバー加熱機構100の使用態様を説明する説明図である。図3において、固定部12の位置を示すため、固定部12は点線で示す。板バネである固定部12を上げ、固定台11の配置部11aにカンチレバーLを配置する。カンチレバーLは、配置部11aの配置空間に一部突出する電極2a,2bの上に配置される。その状態にて固定部12を離すと、固定部12は板バネの付勢力(バネ圧)によりカンチレバーLを固定台11に押圧して固定する。これにより、カンチレバーLは、ホールド部1にて保持されるとともに、電極2a,2b及び固定部12と接触する。カンチレバーLには独立した三つの電極が配された状態となる。
 固定部12は、カンチレバーLを固定台11に押圧しながら固定しているため、カンチレバーLは、配置部11aに一部突出して設けられる電極2a,2bに確実に接触し、電気的接続が保証される。
 図4は、カンチレバー加熱機構100の使用態様における回路の模式図である。電極2a,2bは可変電源p1に配線を介して接続され、また、固定部12は可変電源p2に配線を介して接続される。各回路はグランドに接続されている。なお、各電源は、制御手段によりON/OFFや電圧調整が可能であることが好ましい。
 この状態にて、電極2a,2bに電圧を印加すると、電極2a,2bはカンチレバーLを介して導通し、カンチレバーLが通電加熱される。本実施の形態では、図示しない制御手段を備え、可変電源p1や可変電源p2を制御することで、電極2a,2bの電位、及び、固定部12の電位を制御可能となっている。通電加熱においては、電極2a,2bと固定部12の電位を相対的に変化させる。たとえば、制御手段により可変電源p2の値を可変電源p1の値より負、もしくは可変電源p1の値より正になるように制御する。これにより、Siなどの半導体からなるカンチレバーLが電極2a,2bと接している部位、あるいは、電極2aから電極2bの跨った領域に、可変電源p2の値に応じて、電子、もしくは、正孔を寄せ集めることができる。すると、通電電流が探針を有するその領域に集中するので、加熱したい部位を効率良く加熱することができる。なお、制御手段は、電極2a,2bの電位、又は、固定部12の電位のいずれか一方のみを制御するものでも良い。
 これにより、カンチレバーに加熱用の配線パターンが設けられていないものであっても通電加熱でき、一般的に用いられる多くのカンチレバーの探針の先鋭化やクリーニングを行うことが可能となる。電子ビーム照射法のように真空中で行う必要はなく、大気圧中、低真空中でも処理可能である。カンチレバーを直接通電加熱するため、ヒーター等による熱伝導や輻射熱を利用した場合と比較して、加熱効率も高く、ガス放出による再汚染も少ない。
 このカンチレバー加熱機構100は、単体で用いられても良いが、AFM等のSPMのカンチレバーホルダに適用することが好ましい。図5は、カンチレバー加熱機構100を備えるカンチレバーホルダ200を説明する概略上面図である。同一部分は同一符号をもって説明を省略する。カンチレバーホルダ200は、汎用的に用いられているものであり、SPMのホルダ挿入口から内部空間に挿入され、所定の位置に設置されて使用される。カンチレバーホルダ200の略U字形状の本体3が、カンチレバー加熱機構100のベース3に相当する。電極2a,2b及び固定部12に接続する配線(図示せず)はベース3の表面や内部など適切な位置に適宜配され、SPMの外部に配置される可変電源に各々接続可能となっている。これによれば、カンチレバーLをカンチレバーホルダ200に取り付け、SPMに挿入して使用することができる。電極2a,2bや固定部12に電圧を印加してカンチレバーLを加熱した状態とし、試料に近づけることにより、試料の局所的な加熱が可能となる。さらに、カンチレバーLに設けられる探針を試料に押し付けることにより、高温・高圧という環境を容易に作ることができ、特殊環境での観察や超微細加工技術などにも広く応用可能となる。
 さらに、このカンチレバー加熱機構100は、発明者等が開発したカンチレバーの探針の修復に好適である。上記の通り、発明者等は、Geを蒸着したSi探針を、400℃から500℃で加熱することにより、探針を再先鋭化できる技術を開発した。この温度は、Siの融点よりも非常に低いことから、カンチレバーに熱ダメージを与えることもない。カンチレバー加熱機構100を用いることにより、加熱用の配線パターンの無いカンチレバーであっても容易に通電加熱可能となり、発明者等が開発した再先鋭化方法を、一般的に利用されるカンチレバーの再先鋭化に広く適用可能となる。このカンチレバー加熱機構100が適用されたカンチレバーホルダ200を用いれば、カンチレバーホルダ200にカンチレバーを取り付けた状態にて、Geを蒸着したSi探針付きカンチレバーの先鋭化が可能であり、移動による破損等の恐れもない。
 (実験1)
 本発明の効果を確認するために、上記カンチレバー加熱機構100を用いて以下の実験1を行った。真空環境下にて第1の電極と第2の電極が接続される可変電源p1の電流値を段階的に変化させ、各電流における共振周波数とQ値を測定した。なお、電源p2は用いていない。その結果を図6と図7に示す。図6に示すグラフは、各電流値における共振曲線を示す。横軸が周波数であり縦軸が振動振幅である。図7は、図6の各共振曲線を同一座標系に示し、その先鋭度を比較可能とすることで、各共振曲線のQ値の変化を視覚的に表したものである。加熱処理前のQ値は1840であるのに対し、加熱処理後のQ値は12300である。これは、カンチレバーの探針の力検出感度が高まったことを意味する。
 (実験2)
 加熱効果を確認するために、上記カンチレバー加熱機構100を用いて以下の実験2を行った。真空環境下において、第1の電極と第2の電極に接続された可変電源p1の直流電流値と印加電圧値を段階的に変化させ、総合的な発熱量を変化させてその温度を測定した。温度測定は放射温度計を用いた。通電した直流電流値は65mA-225mA、印加電圧範囲は8V-6.2Vとし、投入電力量を0.52W-1.395Wまで変化させて温度を測定した。その結果を図8のグラフに示す。1.395Wの段階にて約1000度まで上昇することがわかる。このことから、本発明のカンチレバーホルダをSPMに用いることで試料を局所高温処理可能となり、探針の高温クリーニングだけではなく、試料表面の超微細加工技術にも好適なことがわかる。
 なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。本発明は、少なくともカンチレバーを着脱自在に保持可能なホールド部と、第1の電極及び第2の電極とを備えれば良い。ホールド部は、上記実施の形態に限らず、カンチレバーを着脱自在に保持できるものであれば良い。また、電極2a,2b,12以外にも、バネ特性を有する板またはワイヤーを配置すれば四つ以上の電極をカンチレバーに接触させることも可能であり、配される位置も適宜変更可能である。また、固定部は、非導電性部材であっても良く、その場合は、他の電極にて通電加熱すれば良い。また、固定部は、第3の電極としてではなく、第1の電極又は第2の電極として用いることも可能である。また、カンチレバーホルダは、カンチレバーを用いるタイプのSPMに組み込まれるものであれば良く、AFMに限定されるものではない。その他、本発明は、目的の範囲内で適宜変更可能である。

Claims (8)

  1.  探針を備えるカンチレバーを加熱するカンチレバー加熱機構において、
     カンチレバーを着脱自在に保持可能なホールド部と、当該ホールド部に保持されたカンチレバーを介して導通状態となる少なくとも第1の電極と第2の電極とを備えることを特徴とするカンチレバー加熱機構。
  2.  前記ホールド部に保持されたカンチレバーに接触可能な第3の電極を備えることを特徴とする請求項1記載のカンチレバー加熱機構。
  3.  前記ホールド部は、カンチレバーが固定される固定台と、当該固定台にカンチレバーを押圧しながら固定する固定部を備え、当該固定台のカンチレバーが配置される位置に前記第1の電極及び第2の電極が設けられていることを特徴とする請求項1記載のカンチレバー加熱機構。
  4.  前記ホールド部は、カンチレバーが固定される固定台と、カンチレバーを固定台に固定する固定部とを備え、当該固定部は導電性部材であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載カンチレバー加熱機構。
  5.  前記第1と第2の電極の電位、及び/又は、前記第3の電極の電位を制御する制御手段を備えることを特徴とする請求項2記載カンチレバー加熱機構。
  6.  走査型プローブ顕微鏡に用いられるカンチレバーホルダであり、請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載のカンチレバー加熱機構を備えるカンチレバーホルダ。
  7.  探針を備えるカンチレバーを加熱するカンチレバー加熱方法において、
     カンチレバーを着脱自在に保持可能なホールド部によりカンチレバーを保持させ、当該ホールド部に保持されたカンチレバーを介して導通状態となる少なくとも第1の電極と第2の電極との間に電圧を印加することを特徴とするカンチレバー加熱方法。
  8.  前記ホールド部に保持されたカンチレバーに第3の電極を接触させ、前記第1の電極及び前記第2の電極の電位に対して当該第3の電極の電位を相対的に変化させることを特徴とする請求項7記載のカンチレバー加熱方法。
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