JP3320472B2 - 走査型探針装置 - Google Patents
走査型探針装置Info
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- G01Q60/00—Particular types of SPM [Scanning Probe Microscopy] or microscopes; Essential components thereof
- G01Q60/10—STM [Scanning Tunnelling Microscopy] or apparatus therefor, e.g. STM probes
- G01Q60/16—Probes, their manufacture, or their related instrumentation, e.g. holders
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- B82Y—SPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
- B82Y35/00—Methods or apparatus for measurement or analysis of nanostructures
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- G—PHYSICS
- G01—MEASURING; TESTING
- G01Q—SCANNING-PROBE TECHNIQUES OR APPARATUS; APPLICATIONS OF SCANNING-PROBE TECHNIQUES, e.g. SCANNING PROBE MICROSCOPY [SPM]
- G01Q10/00—Scanning or positioning arrangements, i.e. arrangements for actively controlling the movement or position of the probe
- G01Q10/04—Fine scanning or positioning
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- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y10—TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
- Y10S—TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
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- Y10S977/84—Manufacture, treatment, or detection of nanostructure
- Y10S977/849—Manufacture, treatment, or detection of nanostructure with scanning probe
- Y10S977/86—Scanning probe structure
- Y10S977/875—Scanning probe structure with tip detail
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、表面測定、表面処理及
び表面加工等に用いられる走査型探針装置に関する。
び表面加工等に用いられる走査型探針装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、固体表面の1つ1つの原子を観察
するための装置として、走査型トンネル顕微鏡(以下、
STMと記す)が開発されている。このSTMは、先端
の尖った導電性の探針で導電性試料の表面上を走査し、
その時に試料と探針との間に流れるトンネル電流を測定
することによって、試料表面の構造を原子レベルで測定
する。
するための装置として、走査型トンネル顕微鏡(以下、
STMと記す)が開発されている。このSTMは、先端
の尖った導電性の探針で導電性試料の表面上を走査し、
その時に試料と探針との間に流れるトンネル電流を測定
することによって、試料表面の構造を原子レベルで測定
する。
【0003】このSTMは、試料の表面構造測定に限ら
ず次のように種々応用が可能である。例えば、表面構造
を測定した後に表面の所望位置上へ探針を移動させ、探
針と試料間にパルス電圧を印加することによって、探針
直下に原子スケールの微細加工を施すことが可能であ
る。更に、探針を試料表面に衝突させることによって、
試料表面に微細な凹凸を加工することも可能である。つ
まり、加工装置に応用できる。更に、探針と試料間に気
体分子や液体分子が存在する場合には、印加電圧による
電界によってその分子を試料に吸着させたり、脱離させ
たりすることができる。すなわち、表面処理装置に応用
できる。
ず次のように種々応用が可能である。例えば、表面構造
を測定した後に表面の所望位置上へ探針を移動させ、探
針と試料間にパルス電圧を印加することによって、探針
直下に原子スケールの微細加工を施すことが可能であ
る。更に、探針を試料表面に衝突させることによって、
試料表面に微細な凹凸を加工することも可能である。つ
まり、加工装置に応用できる。更に、探針と試料間に気
体分子や液体分子が存在する場合には、印加電圧による
電界によってその分子を試料に吸着させたり、脱離させ
たりすることができる。すなわち、表面処理装置に応用
できる。
【0004】STMを初めとする走査型探針装置は、高
分解能を得るために探針と試料との間の振動を極力低減
させる必要がある。このため、走査型探針装置の共振周
波数を高くしなければならない。更に、動作速度の限界
も共振周波数によって決まるので、高速に動作させるた
めに走査型探針装置の共振周波数を高くする必要があ
る。上記のように走査型探針装置を高分解能及び高速に
動作させるために共振周波数を高くする必要があり、こ
の共振周波数を高くするために、走査型探針装置の駆動
部をできる限り小型化するのが一般的である。このため
に、探針を試料表面上で走査する走査手段として、一般
にセラミクスで形成された圧電素子が用いられるが、こ
の圧電素子を探針に直接接続、或いは、試料ホルダーに
直接接続することにより、装置の小型化が図られてい
る。この種の走査型探針装置において試料を高温に加熱
しながら表面測定等を行う際には、次のような問題があ
る。
分解能を得るために探針と試料との間の振動を極力低減
させる必要がある。このため、走査型探針装置の共振周
波数を高くしなければならない。更に、動作速度の限界
も共振周波数によって決まるので、高速に動作させるた
めに走査型探針装置の共振周波数を高くする必要があ
る。上記のように走査型探針装置を高分解能及び高速に
動作させるために共振周波数を高くする必要があり、こ
の共振周波数を高くするために、走査型探針装置の駆動
部をできる限り小型化するのが一般的である。このため
に、探針を試料表面上で走査する走査手段として、一般
にセラミクスで形成された圧電素子が用いられるが、こ
の圧電素子を探針に直接接続、或いは、試料ホルダーに
直接接続することにより、装置の小型化が図られてい
る。この種の走査型探針装置において試料を高温に加熱
しながら表面測定等を行う際には、次のような問題があ
る。
【0005】圧電素子が試料のすぐそばに設けられてい
るので、試料を加熱して高温にすると、圧電素子も高温
になってしまう。通常用いられる圧電素子材料はPZT
セラミクスであり、この材料のキュリー温度は200℃
〜400℃の範囲である。従って、試料をこのキュリー
温度以上に加熱すると、圧電素子もキュリー温度とな
り、圧電素子が動作しなくなる。
るので、試料を加熱して高温にすると、圧電素子も高温
になってしまう。通常用いられる圧電素子材料はPZT
セラミクスであり、この材料のキュリー温度は200℃
〜400℃の範囲である。従って、試料をこのキュリー
温度以上に加熱すると、圧電素子もキュリー温度とな
り、圧電素子が動作しなくなる。
【0006】圧電素子を探針と試料から遠ざけて設置す
るために、圧電素子と探針との間、或いは、圧電素子と
試料の間に熱バッファを設けることにより、試料を高温
にした状態での圧電素子の動作を可能にできる。しか
し、この場合には、圧電素子と探針との間、圧電素子と
試料との間の距離が長くなるので、走査型探針装置の共
振周波数が低下し、試料を高温にした状態において、走
査型探針装置を高分解能及び高速で動作させることがで
きない。
るために、圧電素子と探針との間、或いは、圧電素子と
試料の間に熱バッファを設けることにより、試料を高温
にした状態での圧電素子の動作を可能にできる。しか
し、この場合には、圧電素子と探針との間、圧電素子と
試料との間の距離が長くなるので、走査型探針装置の共
振周波数が低下し、試料を高温にした状態において、走
査型探針装置を高分解能及び高速で動作させることがで
きない。
【0007】また、共振周波数は圧電素子と試料との距
離及び圧電素子と探針との距離だけではなく、圧電素子
が支えている物体、つまり試料を含む試料ホルダーと探
針を含む探針ホルダーの重さによっても決まる。試料を
高温にする場合には、加熱手段であるヒータが必要なた
めに圧電素子が支える荷重が増加する。その結果、走査
型探針装置の共振周波数が低下し、走査型探針装置の高
温での動作の分解能と速度が益々低下してしまう。
離及び圧電素子と探針との距離だけではなく、圧電素子
が支えている物体、つまり試料を含む試料ホルダーと探
針を含む探針ホルダーの重さによっても決まる。試料を
高温にする場合には、加熱手段であるヒータが必要なた
めに圧電素子が支える荷重が増加する。その結果、走査
型探針装置の共振周波数が低下し、走査型探針装置の高
温での動作の分解能と速度が益々低下してしまう。
【0008】走査型探針装置に用いられる探針は、探針
先端に原子1個が突出した状態で安定であることが望ま
しい。探針材料として、一般的に、タングステン、白金
及び白金/イリジウム化合物のいずれかが用いられてい
る。これらの探針材料が用いられる理由は以下の通りで
ある。タングステンは、あらゆる元素の中で、融点が最
も高く、安定であると考えられるために探針として使用
される。しかし、タングステンは、超高真空中では、最
も多く使われるが、表面が酸化しやすいという欠点があ
るので、大気中では使用できない。そこで、大気中で使
用する場合は、表面が酸化しにくい白金が多く使用され
る。更に、白金にイリジウムを10%〜20%混入する
ことにより硬度が増すため、白金/イリジウム合金とし
て多く用られる。他に、大気中で使用する場合に、表面
酸化が問題にならないことが重要であり、そのために酸
化物でかつ導電性が高い酸化レニウムを探針として用い
ることも報告されている。
先端に原子1個が突出した状態で安定であることが望ま
しい。探針材料として、一般的に、タングステン、白金
及び白金/イリジウム化合物のいずれかが用いられてい
る。これらの探針材料が用いられる理由は以下の通りで
ある。タングステンは、あらゆる元素の中で、融点が最
も高く、安定であると考えられるために探針として使用
される。しかし、タングステンは、超高真空中では、最
も多く使われるが、表面が酸化しやすいという欠点があ
るので、大気中では使用できない。そこで、大気中で使
用する場合は、表面が酸化しにくい白金が多く使用され
る。更に、白金にイリジウムを10%〜20%混入する
ことにより硬度が増すため、白金/イリジウム合金とし
て多く用られる。他に、大気中で使用する場合に、表面
酸化が問題にならないことが重要であり、そのために酸
化物でかつ導電性が高い酸化レニウムを探針として用い
ることも報告されている。
【0009】しかし、上記の探針のいずれの材料を用い
た場合も、探針先端の原子が不安定である。実際にST
M測定を行っている場合にSTM像の分解能が変化して
いるという問題は常に存在していて、数分以上にわたっ
て分解能が全く変化しないということはない。これは、
探針先端の原子が常に動いているために起こると理解さ
れている。
た場合も、探針先端の原子が不安定である。実際にST
M測定を行っている場合にSTM像の分解能が変化して
いるという問題は常に存在していて、数分以上にわたっ
て分解能が全く変化しないということはない。これは、
探針先端の原子が常に動いているために起こると理解さ
れている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、従来の
走査型探針装置では、試料を高温に加熱すると圧電素子
の温度が上がり、圧電素子の温度がキュリー温度を越え
ると動作しなくなる。更に、圧電素子の温度上昇を抑え
るために圧電素子と試料との距離或いは圧電素子と探針
との距離を長くすると、共振周波数が低下して高分解能
での動作、高速動作ができなくなる。更に、従来の走査
型探針装置では、常に分解能が変化して、安定した高分
解能を得ることができない。
走査型探針装置では、試料を高温に加熱すると圧電素子
の温度が上がり、圧電素子の温度がキュリー温度を越え
ると動作しなくなる。更に、圧電素子の温度上昇を抑え
るために圧電素子と試料との距離或いは圧電素子と探針
との距離を長くすると、共振周波数が低下して高分解能
での動作、高速動作ができなくなる。更に、従来の走査
型探針装置では、常に分解能が変化して、安定した高分
解能を得ることができない。
【0011】加えて、走査型探針装置の超微細加工への
応用において、その制御は専ら探針と試料間の電圧によ
って行われてきた。しかしながら、探針−試料間で原子
或いは分子のやりとりを行う超微細加工をより制御して
行うためには、電圧制御によるのみでは不十分であり、
より優れた制御手段が望まれている。
応用において、その制御は専ら探針と試料間の電圧によ
って行われてきた。しかしながら、探針−試料間で原子
或いは分子のやりとりを行う超微細加工をより制御して
行うためには、電圧制御によるのみでは不十分であり、
より優れた制御手段が望まれている。
【0012】本発明は、上記の事情に基づいてなされた
もので、その第1の目的は、試料を高温に加熱しても、
高分解能の動作、高速の動作を可能とし、更には、放電
なしに高電圧を印加することができる走査型探針装置を
提供することにある。本発明の第2の目的は、安定した
高分解能を得ることができる走査型探針装置用圧電素子
を提供することである。本発明の第3の目的は、超微細
加工をより制御性良く行うことができる走査型探針装置
を提供することである。
もので、その第1の目的は、試料を高温に加熱しても、
高分解能の動作、高速の動作を可能とし、更には、放電
なしに高電圧を印加することができる走査型探針装置を
提供することにある。本発明の第2の目的は、安定した
高分解能を得ることができる走査型探針装置用圧電素子
を提供することである。本発明の第3の目的は、超微細
加工をより制御性良く行うことができる走査型探針装置
を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題を
解決するために次のような手段を講じた。
解決するために次のような手段を講じた。
【0014】本発明の第1の走査型探針装置は、移動手
段としては、前記試料と探針とを前記試料表面に対して
垂直な第1方向(以下、Z方向とする)に相対的に移動
させる第1圧電素子と、前記探針と試料とを前記第1方
向と直交する第2及び第3方向(以下、それぞれX方
向、及び、Y方向とする)に相対的に移動させて、前記
探針で前記試料の表面上を走査させる第2及び第3圧電
素子とが備えられていれば良い。前記第1〜第3圧電素
子のうち少なくとも1つの前記試料に最も近接する圧電
素子を単結晶体で形成するようにすることが効果的であ
る。本発明の第1の走査型探針装置の望ましい実施態様
としては、次のものがあげられる。 (1)単結晶圧電素子がニオブ酸リチウム又はタンタル
酸リチウムで構成される。 (2)単結晶圧電素子がバイモルフ型に構成される。 (3)試料側にX、Y方向駆動用の圧電素子が設られ、
探針側にZ方向駆動用の圧電素子が設けられる。 (4)加熱手段が、試料を載置する試料ホルダーに設け
られたヒータで構成される。 (5)加熱手段が、試料表面に光を照射する手段で構成
される。
段としては、前記試料と探針とを前記試料表面に対して
垂直な第1方向(以下、Z方向とする)に相対的に移動
させる第1圧電素子と、前記探針と試料とを前記第1方
向と直交する第2及び第3方向(以下、それぞれX方
向、及び、Y方向とする)に相対的に移動させて、前記
探針で前記試料の表面上を走査させる第2及び第3圧電
素子とが備えられていれば良い。前記第1〜第3圧電素
子のうち少なくとも1つの前記試料に最も近接する圧電
素子を単結晶体で形成するようにすることが効果的であ
る。本発明の第1の走査型探針装置の望ましい実施態様
としては、次のものがあげられる。 (1)単結晶圧電素子がニオブ酸リチウム又はタンタル
酸リチウムで構成される。 (2)単結晶圧電素子がバイモルフ型に構成される。 (3)試料側にX、Y方向駆動用の圧電素子が設られ、
探針側にZ方向駆動用の圧電素子が設けられる。 (4)加熱手段が、試料を載置する試料ホルダーに設け
られたヒータで構成される。 (5)加熱手段が、試料表面に光を照射する手段で構成
される。
【0015】(6)加熱手段が、試料ホルダーの表面に
設けられたグラファイトのパターンと、試料ホルダーと
試料との間に設置されたボロンナイトライド(BN)で
構成される。
設けられたグラファイトのパターンと、試料ホルダーと
試料との間に設置されたボロンナイトライド(BN)で
構成される。
【0016】更に、本発明の第1の走査型探針装置は、
少なくとも1つの上記単結晶圧電素子の電極を複数の結
晶面で隔てること、電極間の結晶面を絶縁材料で覆うこ
と、及び、電極間表面の凹凸が大きくなるような表面処
理が施されていることのいずれかの手段を有しているこ
とが望ましい。
少なくとも1つの上記単結晶圧電素子の電極を複数の結
晶面で隔てること、電極間の結晶面を絶縁材料で覆うこ
と、及び、電極間表面の凹凸が大きくなるような表面処
理が施されていることのいずれかの手段を有しているこ
とが望ましい。
【0017】なお、上記第1、第2及び第3圧電素子
は、1個の圧電体に複数組の電極を付し、一体となった
ものでも良いし、それぞれ別に構成しても良い。また、
これらの圧電素子は探針側、或いは、試料側のどちらに
おいても構わない。
は、1個の圧電体に複数組の電極を付し、一体となった
ものでも良いし、それぞれ別に構成しても良い。また、
これらの圧電素子は探針側、或いは、試料側のどちらに
おいても構わない。
【0018】本発明の第2の走査型探針装置は、試料の
表面に対向配置される探針と、前記試料と前記探針とを
前記試料表面に対してZ方向に相対的に移動させ、前記
探針と試料とをX及びY方向に相対的に移動させる移動
手段とを備えた走査型探針装置において、前記探針がレ
ニウムと遷移金属、ホウ素等のIIIB族、炭素、シリ
コン等のIVB族、又は、窒素、リン等のVB族との化
合物(例えば、Re−W化合物、レニウムシリサイドな
ど)、及びオスミウムのいずれかで構成されていること
を特徴とする。
表面に対向配置される探針と、前記試料と前記探針とを
前記試料表面に対してZ方向に相対的に移動させ、前記
探針と試料とをX及びY方向に相対的に移動させる移動
手段とを備えた走査型探針装置において、前記探針がレ
ニウムと遷移金属、ホウ素等のIIIB族、炭素、シリ
コン等のIVB族、又は、窒素、リン等のVB族との化
合物(例えば、Re−W化合物、レニウムシリサイドな
ど)、及びオスミウムのいずれかで構成されていること
を特徴とする。
【0019】本発明の第3の走査型探針装置は、上記の
第2の走査型探針装置において、前記試料を200℃以
上(好ましくは500℃以上)の温度に加熱するための
第1の加熱手段と、前記探針を加熱するための第2の加
熱手段とを備えた。
第2の走査型探針装置において、前記試料を200℃以
上(好ましくは500℃以上)の温度に加熱するための
第1の加熱手段と、前記探針を加熱するための第2の加
熱手段とを備えた。
【0020】
【作用】上記手段を講じた結果、次のような作用が生じ
る。
る。
【0021】本発明の第1の走査型探針装置によれば、
圧電素子として単結晶材料を採用している。この単結晶
材料は、PZT等のようなセラミクス材料と比較してキ
ュリー温度が高い。ニオブ酸リチウム結晶のキュリー温
度は約1150℃であり、数100℃まで高温にしても
圧電特性は殆ど変化しない。但し、ニオブ酸リチウム結
晶のような単結晶はPZTセラミクスに比較して変位感
度が小さい。そこで、同じ圧電材料でも変位を大きく取
れるバイモルフ型圧電素子を用いるのが望ましい。この
ように、ニオブ酸リチウム単結晶を熱処理して作られた
バイモルフ型圧電素子を用いれば、この圧電素子に直接
試料ホルダーであるヒータを接続して試料を加熱して
も、圧電素子の圧電特性は室温の時とほぼ同じであり、
温度によらず動作はおよそ一定である。また、圧電素子
と試料ホルダーが直接接続されているため、装置の共振
周波数は高いままに保持される。
圧電素子として単結晶材料を採用している。この単結晶
材料は、PZT等のようなセラミクス材料と比較してキ
ュリー温度が高い。ニオブ酸リチウム結晶のキュリー温
度は約1150℃であり、数100℃まで高温にしても
圧電特性は殆ど変化しない。但し、ニオブ酸リチウム結
晶のような単結晶はPZTセラミクスに比較して変位感
度が小さい。そこで、同じ圧電材料でも変位を大きく取
れるバイモルフ型圧電素子を用いるのが望ましい。この
ように、ニオブ酸リチウム単結晶を熱処理して作られた
バイモルフ型圧電素子を用いれば、この圧電素子に直接
試料ホルダーであるヒータを接続して試料を加熱して
も、圧電素子の圧電特性は室温の時とほぼ同じであり、
温度によらず動作はおよそ一定である。また、圧電素子
と試料ホルダーが直接接続されているため、装置の共振
周波数は高いままに保持される。
【0022】また、本発明の第1の走査型探針装置にお
いて、質量の大きい試料とヒータとを含む試料ホルダー
をX方向、Y方向駆動用の圧電素子に接続し、質量を小
さくできる探針と探針ホルダーをZ方向駆動用の圧電素
子に接続することによって、走査型探針装置としての動
作速度を上げることができる。つまり、試料側をX方
向、及び、Y方向にゆっくり走査しながら、探針をZ方
向に高速で動作させることができ、高速の間隙長制御が
可能となる。この結果、試料を高温に加熱しても、高分
解能で高速の動作が可能となる。
いて、質量の大きい試料とヒータとを含む試料ホルダー
をX方向、Y方向駆動用の圧電素子に接続し、質量を小
さくできる探針と探針ホルダーをZ方向駆動用の圧電素
子に接続することによって、走査型探針装置としての動
作速度を上げることができる。つまり、試料側をX方
向、及び、Y方向にゆっくり走査しながら、探針をZ方
向に高速で動作させることができ、高速の間隙長制御が
可能となる。この結果、試料を高温に加熱しても、高分
解能で高速の動作が可能となる。
【0023】更に、本発明の第1の走査型探針装置によ
れば、圧電素子として用いる単結晶圧電材料はPZT等
のようなセラミクスに比較して表面の凹凸が小さく平坦
であるので、電極間の距離をセラミクス素子と同じよう
にすると、高電圧を印加したときに放電が起こりやすく
なる。しかし、圧電素子に形成された電極間を複数の結
晶面で隔てること、電極間を絶縁材料で覆うこと、或い
は、電極間表面の凹凸が大きくなるような表面処理が施
されていることのいずれかの手段を講じることにより、
電極間に高電圧を印加しても放電が起こり難くなる。
れば、圧電素子として用いる単結晶圧電材料はPZT等
のようなセラミクスに比較して表面の凹凸が小さく平坦
であるので、電極間の距離をセラミクス素子と同じよう
にすると、高電圧を印加したときに放電が起こりやすく
なる。しかし、圧電素子に形成された電極間を複数の結
晶面で隔てること、電極間を絶縁材料で覆うこと、或い
は、電極間表面の凹凸が大きくなるような表面処理が施
されていることのいずれかの手段を講じることにより、
電極間に高電圧を印加しても放電が起こり難くなる。
【0024】従って、本発明の第1の走査型探針装置
は、試料を高温に加熱した場合であっても、高分解能、
かつ、高速に動作が可能であり、更には、電極間に高電
圧を印加しても放電が起こりにくい。
は、試料を高温に加熱した場合であっても、高分解能、
かつ、高速に動作が可能であり、更には、電極間に高電
圧を印加しても放電が起こりにくい。
【0025】本発明の第2の走査型探針装置によれば、
探針材料をレニウムと遷移金属、IIIB族、IVB
族、又は、VB族との化合物(例えば、Re−W化合
物、レニウムシリサイドなど)、及びオスミウムのいず
れかとしている。
探針材料をレニウムと遷移金属、IIIB族、IVB
族、又は、VB族との化合物(例えば、Re−W化合
物、レニウムシリサイドなど)、及びオスミウムのいず
れかとしている。
【0026】探針先端原子の安定性を示す物理定数とし
て、原子間結合が切れる目安としての融点と原子間隔が
ある。原子の安定性は、融点が高いほど、原子間隔が小
さいほど高い。このため、探針先端原子の安定性を示す
パラメータとして(融点)/(格子定数)が挙げられ、
この値が高いほど安定であると考えることができる。こ
の値を従来の探針材料、及び、高融点材料について示す
と、以下のようになる。 タングステン 1165K/オングストローム 白金 522K/オングストローム 酸化レニウム 413K/オングストローム レニウム 1260K/オングストローム オスミウム 1204K/オングストローム タンタル 996K/オングストローム モリブデン 917K/オングストローム ニオブ 830K/オングストローム
て、原子間結合が切れる目安としての融点と原子間隔が
ある。原子の安定性は、融点が高いほど、原子間隔が小
さいほど高い。このため、探針先端原子の安定性を示す
パラメータとして(融点)/(格子定数)が挙げられ、
この値が高いほど安定であると考えることができる。こ
の値を従来の探針材料、及び、高融点材料について示す
と、以下のようになる。 タングステン 1165K/オングストローム 白金 522K/オングストローム 酸化レニウム 413K/オングストローム レニウム 1260K/オングストローム オスミウム 1204K/オングストローム タンタル 996K/オングストローム モリブデン 917K/オングストローム ニオブ 830K/オングストローム
【0027】上記の値からレニウムとオスミウムはタン
グステンより安定であることが考えられる。また、レニ
ウムの元素を用いた化合物も熱的に安定であり、例え
ば、ケイ化レニウム(レニウムシリサイド)は有望な探
針材料である。
グステンより安定であることが考えられる。また、レニ
ウムの元素を用いた化合物も熱的に安定であり、例え
ば、ケイ化レニウム(レニウムシリサイド)は有望な探
針材料である。
【0028】また、化合物については、仕事関数が約
2.5eVと低いホウ化ランタンが電子銃の材料として
一般的に使用されている。電子銃としてのホウ化ランタ
ンは、タングステンより電子放出の密度が高く、長時間
動作において安定している。従って、走査型探針装置の
探針材料としてもタングステンよりホウ化ランタンが有
利である。
2.5eVと低いホウ化ランタンが電子銃の材料として
一般的に使用されている。電子銃としてのホウ化ランタ
ンは、タングステンより電子放出の密度が高く、長時間
動作において安定している。従って、走査型探針装置の
探針材料としてもタングステンよりホウ化ランタンが有
利である。
【0029】従って、本発明の第2の走査型探針装置
は、レニウムと遷移金属、IIIB族、IVB族、又
は、VB族との化合物(例えば、Re−W化合物、レニ
ウムシリサイドなど)、及びオスミウムを材料として探
針を構成し、先端原子が安定に存在しながら走査できる
ので、動作が安定し、かつ、高分解能である。
は、レニウムと遷移金属、IIIB族、IVB族、又
は、VB族との化合物(例えば、Re−W化合物、レニ
ウムシリサイドなど)、及びオスミウムを材料として探
針を構成し、先端原子が安定に存在しながら走査できる
ので、動作が安定し、かつ、高分解能である。
【0030】本発明の第3の走査型探針装置によれば、
上記の第2の走査型探針装置において、試料を200℃
以上(好ましくは500℃以上)の温度に加熱する第1
の加熱手段と、探針を加熱する第2の加熱手段とを更に
備え、試料と探針を独立に加熱するようにしている。
上記の第2の走査型探針装置において、試料を200℃
以上(好ましくは500℃以上)の温度に加熱する第1
の加熱手段と、探針を加熱する第2の加熱手段とを更に
備え、試料と探針を独立に加熱するようにしている。
【0031】走査探針を用いた超微細加工技術には、探
針を試料表面に衝突させる方法や、強い電解によって原
子を蒸発させる方法が一般に行われているが、これらの
方法は制御性が悪いばかりでなく、探針材料を構成する
元素が試料中に混入し、特性を劣化させてしまう原因に
なっている。一方、基板上の原子と、探針間の化学結合
を利用して、原子を移動させるより優れた制御性のある
方法も試みられている。しかし、この方法は、希ガス原
子など基板、探針との相互作用の弱い原子について極低
温でしか行うことができない。
針を試料表面に衝突させる方法や、強い電解によって原
子を蒸発させる方法が一般に行われているが、これらの
方法は制御性が悪いばかりでなく、探針材料を構成する
元素が試料中に混入し、特性を劣化させてしまう原因に
なっている。一方、基板上の原子と、探針間の化学結合
を利用して、原子を移動させるより優れた制御性のある
方法も試みられている。しかし、この方法は、希ガス原
子など基板、探針との相互作用の弱い原子について極低
温でしか行うことができない。
【0032】一般の試料について高い制御性を持って超
微細加工を行うためには、上記のような化学結合を利用
した方法のように衝突、強電解を加えず、なるべく穏や
かな方法で原子材料を試料−探針間で移動させることが
望ましい。
微細加工を行うためには、上記のような化学結合を利用
した方法のように衝突、強電解を加えず、なるべく穏や
かな方法で原子材料を試料−探針間で移動させることが
望ましい。
【0033】この場合に、探針の温度と試料の温度を独
立に変化させて、試料内原子間の結合力、及び、探針−
原子間の結合力を制御し、更に、探針−試料間の温度差
による原子移動を利用することにより、弱い電解による
制御性の良い探針−試料間の原子移動を達成することが
できる。
立に変化させて、試料内原子間の結合力、及び、探針−
原子間の結合力を制御し、更に、探針−試料間の温度差
による原子移動を利用することにより、弱い電解による
制御性の良い探針−試料間の原子移動を達成することが
できる。
【0034】従って本発明の第3の走査型探針装置は、
試料の温度と、探針の温度を独立に制御できるような加
熱手段をそれぞれ独立に設けたので、超微細加工をより
制御良く行うことができる。
試料の温度と、探針の温度を独立に制御できるような加
熱手段をそれぞれ独立に設けたので、超微細加工をより
制御良く行うことができる。
【0035】
【実施例】以下、図面を参照しながら本発明の実施例を
説明する。
説明する。
【0036】図1は、本発明の第1実施例に係る走査型
探針装置の要部構成を示す断面図である。図1は、探針
を含む探針ホルダーと試料1を含む試料ホルダー2、X
方向、Y方向、及びZ方向の圧電素子等を詳細に示す。
探針装置の要部構成を示す断面図である。図1は、探針
を含む探針ホルダーと試料1を含む試料ホルダー2、X
方向、Y方向、及びZ方向の圧電素子等を詳細に示す。
【0037】図1において、試料1はヒータを兼ねる試
料ホルダー2にセットされている。試料ホルダー2は、
BN基板に加熱源であるパターニングされた厚さ50μ
mのグラファイトが蒸着され、更に試料1との電気的絶
縁のために50μmのBNが基板一面に蒸着されてい
る。ヒータの抵抗値は150Ωであった。試料ホルダー
2はY方向走査のための圧電素子4及びX方向走査のた
めの圧電素子3を介してマコールからなる基台5に接続
されている。
料ホルダー2にセットされている。試料ホルダー2は、
BN基板に加熱源であるパターニングされた厚さ50μ
mのグラファイトが蒸着され、更に試料1との電気的絶
縁のために50μmのBNが基板一面に蒸着されてい
る。ヒータの抵抗値は150Ωであった。試料ホルダー
2はY方向走査のための圧電素子4及びX方向走査のた
めの圧電素子3を介してマコールからなる基台5に接続
されている。
【0038】試料1に対向して配置されたタングステン
からなる探針6は、マコールからなる探針ホルダー7に
セットされている。この探針ホルダー7は、Z方向駆動
用の圧電素子8を介してマコールからなる圧電素子ホル
ダー9に接続されている。Z方向駆動用の圧電素子8
は、X方向、及び、Y方向駆動用の圧電素子3、4と同
様に、ニオブ酸リチウム単結晶から140°回転Y面の
厚さ0.5mmのウェハを切り出して形成される。但
し、圧電素子3、4と異なり、熱処理は施さず分極反転
はしていないウェハであり、横効果素子である。このウ
ェハを8枚重ね、各ウェハの表面に銀電極を付け、これ
を焼き付ける時に接着させたものを使用している。
からなる探針6は、マコールからなる探針ホルダー7に
セットされている。この探針ホルダー7は、Z方向駆動
用の圧電素子8を介してマコールからなる圧電素子ホル
ダー9に接続されている。Z方向駆動用の圧電素子8
は、X方向、及び、Y方向駆動用の圧電素子3、4と同
様に、ニオブ酸リチウム単結晶から140°回転Y面の
厚さ0.5mmのウェハを切り出して形成される。但
し、圧電素子3、4と異なり、熱処理は施さず分極反転
はしていないウェハであり、横効果素子である。このウ
ェハを8枚重ね、各ウェハの表面に銀電極を付け、これ
を焼き付ける時に接着させたものを使用している。
【0039】圧電素子ホルダー9は、粗動機構であるイ
ンチワーム10と機械的に接続されている。インチワー
ム10はインチワーム固定ユニット11上に矢印A−
A′方向に移動可能に設けられており、インチワーム固
定ユニット11は基台5と固着されている。
ンチワーム10と機械的に接続されている。インチワー
ム10はインチワーム固定ユニット11上に矢印A−
A′方向に移動可能に設けられており、インチワーム固
定ユニット11は基台5と固着されている。
【0040】図1には示さないが、上記以外に本走査型
探針装置は、試料1と探針6との間にバイアス電圧を印
加する機構と、試料1と探針6との間に流れるトンネル
電流を検出する電流計と、この電流計の測定値が常に一
定となるようにZ方向駆動用の圧電素子8の印加電圧を
調整する制御回路と、制御されたZ方向駆動用の圧電素
子8の印加電圧をX方向、Y方向駆動用の圧電素子3、
4の印加電圧と共に記憶するメモリ等を有している。
探針装置は、試料1と探針6との間にバイアス電圧を印
加する機構と、試料1と探針6との間に流れるトンネル
電流を検出する電流計と、この電流計の測定値が常に一
定となるようにZ方向駆動用の圧電素子8の印加電圧を
調整する制御回路と、制御されたZ方向駆動用の圧電素
子8の印加電圧をX方向、Y方向駆動用の圧電素子3、
4の印加電圧と共に記憶するメモリ等を有している。
【0041】上記のように構成された走査型探針装置に
おいて、圧電素子3及び4は、共にニオブ酸リチウム結
晶を熱処理して作られたもので、具体的には以下のよう
にして作製される。
おいて、圧電素子3及び4は、共にニオブ酸リチウム結
晶を熱処理して作られたもので、具体的には以下のよう
にして作製される。
【0042】まず、ニオブ酸リチウム単結晶の140°
回転Y板の厚さ0.5mmのウェハを切り出し、このウ
ェハをN2 雰囲気中において1120℃で10時間アニ
ールした。この処理によって、ウェハの厚さ方向の半分
に分極反転層が作られた。この反転層の存在を確かめる
ために、弗酸と硝酸を1:2の割合で混合した溶液にそ
のウェハを浸し、溶液をその沸点まで加熱してウェハを
約10分間浸して、エッチングした。その結果、ウェハ
のほぼ中央に分極反転層と元々の層の境界線が見られ、
ウェハの厚さの約1/2が反転したことが分かった。ニ
オブ酸リチウム単結晶の熱処理は上記条件以外でも試
み、N2 雰囲気中以外に大気中で行った場合においても
同様の結果が得られた。更に、熱処理温度を1050℃
から1170℃の間の温度とした場合、熱処理時間を1
時間から10時間の間とした場合においても同様の結果
が得られた。ウェハの大きさは5mm×15mmであ
る。図2に上記のように熱処理が行われたニオブ酸リチ
ウム単結晶に形成された電極の構造とその配線の様子を
示す。
回転Y板の厚さ0.5mmのウェハを切り出し、このウ
ェハをN2 雰囲気中において1120℃で10時間アニ
ールした。この処理によって、ウェハの厚さ方向の半分
に分極反転層が作られた。この反転層の存在を確かめる
ために、弗酸と硝酸を1:2の割合で混合した溶液にそ
のウェハを浸し、溶液をその沸点まで加熱してウェハを
約10分間浸して、エッチングした。その結果、ウェハ
のほぼ中央に分極反転層と元々の層の境界線が見られ、
ウェハの厚さの約1/2が反転したことが分かった。ニ
オブ酸リチウム単結晶の熱処理は上記条件以外でも試
み、N2 雰囲気中以外に大気中で行った場合においても
同様の結果が得られた。更に、熱処理温度を1050℃
から1170℃の間の温度とした場合、熱処理時間を1
時間から10時間の間とした場合においても同様の結果
が得られた。ウェハの大きさは5mm×15mmであ
る。図2に上記のように熱処理が行われたニオブ酸リチ
ウム単結晶に形成された電極の構造とその配線の様子を
示す。
【0043】図2によれば、上記のように分極処理が施
された板状のニオブ酸リチウム単結晶20の両面に3分
割された電極211a及び211b、212a及び212b、2
13a及び213bが形成され、対向する電極間(211a−
211b間、212a−212b間、213a−213b間)に電
源22からの直流電圧が印加される。ここで、中央の電
極212a及び212bに印加される電圧は、他の電極21
1a及び211bと、213a及び213bとに印加される電圧
と印加方向が逆になっている。上記のようにして作製さ
れた素子を図1の試料1側の圧電素子3、4として使用
し、X方向、及び、Y方向の駆動系を組み立てた。
された板状のニオブ酸リチウム単結晶20の両面に3分
割された電極211a及び211b、212a及び212b、2
13a及び213bが形成され、対向する電極間(211a−
211b間、212a−212b間、213a−213b間)に電
源22からの直流電圧が印加される。ここで、中央の電
極212a及び212bに印加される電圧は、他の電極21
1a及び211bと、213a及び213bとに印加される電圧
と印加方向が逆になっている。上記のようにして作製さ
れた素子を図1の試料1側の圧電素子3、4として使用
し、X方向、及び、Y方向の駆動系を組み立てた。
【0044】図3に、上記の素子を使用して組み立てら
れたX方向、及び、Y方向の駆動系を示す。図3に示す
ように、X方向駆動用の圧電素子3として31 及び32
の2枚の熱処理したニオブ酸リチウムが使用され、Y方
向駆動用の圧電素子4として41 の1枚の熱処理したニ
オブ酸リチウムが用いられている。そして、X方向駆動
用の圧電素子は、X方向の圧電素子ホールドユニット2
33 によって支持されており、Y方向駆動用の圧電素子
41 は、Y方向の圧電素子ホールドユニット231 及び
232 によって支持されている。
れたX方向、及び、Y方向の駆動系を示す。図3に示す
ように、X方向駆動用の圧電素子3として31 及び32
の2枚の熱処理したニオブ酸リチウムが使用され、Y方
向駆動用の圧電素子4として41 の1枚の熱処理したニ
オブ酸リチウムが用いられている。そして、X方向駆動
用の圧電素子は、X方向の圧電素子ホールドユニット2
33 によって支持されており、Y方向駆動用の圧電素子
41 は、Y方向の圧電素子ホールドユニット231 及び
232 によって支持されている。
【0045】上記装置における圧電素子のX方向、Y方
向及びZ方向の各方向の伸縮率を測定した。X方向とY
方向の伸縮率はそれぞれ2nm/V、Z方向の伸縮率は
0.5nm/Vであった。それぞれの方向の共振周波数
はX方向に5kHz、Y方向に4kHz、Z方向に80
kHzであった。上記のように構成された走査型探針装
置を用いて、試料ホルダー2に試料1としてグラファイ
トをセットし、走査型探針装置を動作させた。
向及びZ方向の各方向の伸縮率を測定した。X方向とY
方向の伸縮率はそれぞれ2nm/V、Z方向の伸縮率は
0.5nm/Vであった。それぞれの方向の共振周波数
はX方向に5kHz、Y方向に4kHz、Z方向に80
kHzであった。上記のように構成された走査型探針装
置を用いて、試料ホルダー2に試料1としてグラファイ
トをセットし、走査型探針装置を動作させた。
【0046】まず、インチワーム10を駆動して探針6
を試料1の表面に近付け、トンネル電流が流れ始める時
点で停止した。次に、試料ホルダー2のヒータに1Aの
電流を流したところ、試料1の表面温度は700℃にな
った。この状態で、X方向駆動用の圧電素子3に振幅2
V、周波数1kHzの三角波を印加し、Y方向駆動用の
圧電素子4に振幅2V、周波数7.8Hzの矩形波を印
加してSTM測定した。即ち、4nm×4nmの矩形領
域を所謂ラスタスキャン方式で測定した。1画面の測定
に要した時間は0.13秒であった。また、試料1に印
加するバイアス電圧は0.5V、トンネル電流は1nA
に設定して測定を行った。
を試料1の表面に近付け、トンネル電流が流れ始める時
点で停止した。次に、試料ホルダー2のヒータに1Aの
電流を流したところ、試料1の表面温度は700℃にな
った。この状態で、X方向駆動用の圧電素子3に振幅2
V、周波数1kHzの三角波を印加し、Y方向駆動用の
圧電素子4に振幅2V、周波数7.8Hzの矩形波を印
加してSTM測定した。即ち、4nm×4nmの矩形領
域を所謂ラスタスキャン方式で測定した。1画面の測定
に要した時間は0.13秒であった。また、試料1に印
加するバイアス電圧は0.5V、トンネル電流は1nA
に設定して測定を行った。
【0047】上記のような条件で測定を行いながら、探
針6が測定試料1表面の中央に来た時点で、10n秒間
10Vの電圧を1回だけ印加した。図4(a)は、この
高電圧印加の次の画面で測定されたSTM像であり、図
4(b)、図4(c)及び図4(d)はそれぞれ連続し
て測定されたSTM像である。これらの像を比較する
と、高電圧を印加したときに試料1表面に原子約10個
からなるクラスタができ、時間と共にこのクラスタ原子
が拡散している様子が実時間で測定できたことが分か
る。
針6が測定試料1表面の中央に来た時点で、10n秒間
10Vの電圧を1回だけ印加した。図4(a)は、この
高電圧印加の次の画面で測定されたSTM像であり、図
4(b)、図4(c)及び図4(d)はそれぞれ連続し
て測定されたSTM像である。これらの像を比較する
と、高電圧を印加したときに試料1表面に原子約10個
からなるクラスタができ、時間と共にこのクラスタ原子
が拡散している様子が実時間で測定できたことが分か
る。
【0048】上記のように第1実施例によれば、ヒータ
を兼ねた試料ホルダー2(質量大)側をX方向、及び、
Y方向駆動用の圧電素子3、4に直接接続し、探針ホル
ダー7(質量小)側をZ方向駆動用の圧電素子8に接続
している。従って、試料1をゆっくり走査しながら探針
6をZ方向に高速で動作させることができ、試料1の表
面測定等を効果的に行うことが可能となる。しかも、圧
電素子3、4、8としてニオブ酸リチウム単結晶で作ら
れた圧電素子を用いているので、試料1を高温に加熱し
ても圧電素子3、4、8が動作しなくなるような不都合
はない。従って、試料1を高温に加熱しながら、高分解
能で高速動作を実現することができる。
を兼ねた試料ホルダー2(質量大)側をX方向、及び、
Y方向駆動用の圧電素子3、4に直接接続し、探針ホル
ダー7(質量小)側をZ方向駆動用の圧電素子8に接続
している。従って、試料1をゆっくり走査しながら探針
6をZ方向に高速で動作させることができ、試料1の表
面測定等を効果的に行うことが可能となる。しかも、圧
電素子3、4、8としてニオブ酸リチウム単結晶で作ら
れた圧電素子を用いているので、試料1を高温に加熱し
ても圧電素子3、4、8が動作しなくなるような不都合
はない。従って、試料1を高温に加熱しながら、高分解
能で高速動作を実現することができる。
【0049】上記の第1実施例のように、圧電素子とし
て、キュリー温度が1000℃以上の単結晶圧電素子を
用いた場合、圧電素子を1000℃以下の高温にしても
その動作に変化がないため、圧電素子を試料及び探針の
近くに設置して共振周波数の高い、つまり高分解能で高
速動作可能な高温動作STMが可能である。しかしこの
場合、新たな電極の問題が生じる。通常のPZTセラミ
クス圧電素子では表面の凹凸が大きいため、1kV印加
に対して電極間距離を1mmとれば、十分であり、電極
間のリーク電流、放電は発生しない。ところが、単結晶
の場合には、電極間はほぼ同じ原子レベルで平坦であ
り、セラミクスに比較して実効電極間距離が短くなって
いる。また、距離が実効的に短くなっているだけではな
く、電極間が1つの結晶面の場合には、平坦であるため
に付着した不純物が固定されることなく、電極間に高電
圧を印加すると放電しやすい。上記の問題を解決するた
めに、圧電素子の構造を上記第1実施例と異なる構造と
した。走査型探針装置の要部構成は図1と同様であるこ
とから省略する。図1のように構成された走査型探針装
置において、X方向、Y方向駆動用の圧電素子3、4は
以下のように作製された。
て、キュリー温度が1000℃以上の単結晶圧電素子を
用いた場合、圧電素子を1000℃以下の高温にしても
その動作に変化がないため、圧電素子を試料及び探針の
近くに設置して共振周波数の高い、つまり高分解能で高
速動作可能な高温動作STMが可能である。しかしこの
場合、新たな電極の問題が生じる。通常のPZTセラミ
クス圧電素子では表面の凹凸が大きいため、1kV印加
に対して電極間距離を1mmとれば、十分であり、電極
間のリーク電流、放電は発生しない。ところが、単結晶
の場合には、電極間はほぼ同じ原子レベルで平坦であ
り、セラミクスに比較して実効電極間距離が短くなって
いる。また、距離が実効的に短くなっているだけではな
く、電極間が1つの結晶面の場合には、平坦であるため
に付着した不純物が固定されることなく、電極間に高電
圧を印加すると放電しやすい。上記の問題を解決するた
めに、圧電素子の構造を上記第1実施例と異なる構造と
した。走査型探針装置の要部構成は図1と同様であるこ
とから省略する。図1のように構成された走査型探針装
置において、X方向、Y方向駆動用の圧電素子3、4は
以下のように作製された。
【0050】上記第1実施例と同様に、ニオブ酸リチウ
ム単結晶の140°回転Y板の厚さ0.5mmのウェハ
を切り出した。ニオブ酸リチウム単結晶の表面は、上記
第1実施例と異なり、20μm程度の凹凸が残るように
表面研磨した。その後の、熱処理は、上記第1実施例と
同様であり、以下のように行った。
ム単結晶の140°回転Y板の厚さ0.5mmのウェハ
を切り出した。ニオブ酸リチウム単結晶の表面は、上記
第1実施例と異なり、20μm程度の凹凸が残るように
表面研磨した。その後の、熱処理は、上記第1実施例と
同様であり、以下のように行った。
【0051】まず、ニオブ酸リチウム単結晶の140°
回転Y板の厚さ0.5mmのウェハを切り出し、このウ
ェハをN2 雰囲気中において1120℃で10時間アニ
ールした。この処理によって、ウェハの厚さ方向の半分
に分極反転層が作られた。この反転層の存在を確かめる
ために、弗酸と硝酸を1:2の割合で混合した溶液にそ
のウェハを浸し、溶液をその沸点まで加熱してウェハを
約10分間浸して、エッチングした。その結果、ウェハ
のほぼ中央に分極反転層と元々の層の境界線が見られ、
ウェハの厚さの約1/2が反転したことが分かった。ニ
オブ酸リチウム単結晶の熱処理は上記条件以外でも試
み、N2 雰囲気中以外に大気中で行った場合においても
同様の結果が得られた。更に、熱処理温度を1050℃
から1170℃の間の温度とした場合、熱処理時間を1
時間から10時間の間とした場合においても同様の結果
が得られた。ウェハの大きさは5mm×15mmであ
る。
回転Y板の厚さ0.5mmのウェハを切り出し、このウ
ェハをN2 雰囲気中において1120℃で10時間アニ
ールした。この処理によって、ウェハの厚さ方向の半分
に分極反転層が作られた。この反転層の存在を確かめる
ために、弗酸と硝酸を1:2の割合で混合した溶液にそ
のウェハを浸し、溶液をその沸点まで加熱してウェハを
約10分間浸して、エッチングした。その結果、ウェハ
のほぼ中央に分極反転層と元々の層の境界線が見られ、
ウェハの厚さの約1/2が反転したことが分かった。ニ
オブ酸リチウム単結晶の熱処理は上記条件以外でも試
み、N2 雰囲気中以外に大気中で行った場合においても
同様の結果が得られた。更に、熱処理温度を1050℃
から1170℃の間の温度とした場合、熱処理時間を1
時間から10時間の間とした場合においても同様の結果
が得られた。ウェハの大きさは5mm×15mmであ
る。
【0052】図5(a)に上記のように熱処理が行われ
たニオブ酸リチウム単結晶に形成された電極の構造とそ
の配線の様子を示す。電極は銀ペーストを塗布した後8
0℃で1時間熱処理し、その後120℃で1時間の熱処
理によって焼き付けた。圧電素子の平面図を図5(b)
に示す。図5(b)によれば、電極211 〜213 は単
結晶20の端面から0.5mm離してあり、同一ウェハ
面内の電極間距離は1mmとなっている。また、電極2
1の角は、電解集中を防ぐためそれぞれ曲率2mmで丸
くしている。
たニオブ酸リチウム単結晶に形成された電極の構造とそ
の配線の様子を示す。電極は銀ペーストを塗布した後8
0℃で1時間熱処理し、その後120℃で1時間の熱処
理によって焼き付けた。圧電素子の平面図を図5(b)
に示す。図5(b)によれば、電極211 〜213 は単
結晶20の端面から0.5mm離してあり、同一ウェハ
面内の電極間距離は1mmとなっている。また、電極2
1の角は、電解集中を防ぐためそれぞれ曲率2mmで丸
くしている。
【0053】図5(a)及び図5(b)に示す圧電素子
を図1の試料1側のX方向、Y方向駆動用の圧電素子
3、4として使用し、X方向、及び、Y方向の駆動系を
組み立てた。この組立ての様子を図6に示した。構成は
図3と同様であるので、説明は省略する。
を図1の試料1側のX方向、Y方向駆動用の圧電素子
3、4として使用し、X方向、及び、Y方向の駆動系を
組み立てた。この組立ての様子を図6に示した。構成は
図3と同様であるので、説明は省略する。
【0054】Z方向駆動用の圧電素子8は、ニオブ酸リ
チウム単結晶の140°回転Y板の厚さ0.5mmのウ
ェハを切り出したものでウェハの大きさは5mm×20
mmである。電極は銀ペーストを塗布した後80℃で1
時間熱処理し、その後120℃で1時間の熱処理によっ
て焼き付けたものである。電極21は図7に示すよう
に、単結晶20の端面から0.5mm離してあり、電極
21の角は曲率2mmで丸くなっている。
チウム単結晶の140°回転Y板の厚さ0.5mmのウ
ェハを切り出したものでウェハの大きさは5mm×20
mmである。電極は銀ペーストを塗布した後80℃で1
時間熱処理し、その後120℃で1時間の熱処理によっ
て焼き付けたものである。電極21は図7に示すよう
に、単結晶20の端面から0.5mm離してあり、電極
21の角は曲率2mmで丸くなっている。
【0055】ここで使われた圧電素子はすべてニオブ酸
リチウム単結晶インゴットから140°回転Y板のウェ
ハを切り出したものであり、ウェハ表面は5μm程度の
凹凸が残るような表面処理が施されている。従って、同
一ウェハ表面上にある電極間は5μm程度の凹凸がある
ことになる。
リチウム単結晶インゴットから140°回転Y板のウェ
ハを切り出したものであり、ウェハ表面は5μm程度の
凹凸が残るような表面処理が施されている。従って、同
一ウェハ表面上にある電極間は5μm程度の凹凸がある
ことになる。
【0056】上記の装置のX方向、Y方向、及び、Z方
向の各方向の伸縮率を測定したところ、X方向とY方向
の伸縮率はそれぞれ12nm/V、Z方向の伸縮率は
0.5nm/Vであった。また、それぞれの方向の共振
周波数はX方向に5kHz、Y方向に4kHz、Z方向
に80kHzであった。
向の各方向の伸縮率を測定したところ、X方向とY方向
の伸縮率はそれぞれ12nm/V、Z方向の伸縮率は
0.5nm/Vであった。また、それぞれの方向の共振
周波数はX方向に5kHz、Y方向に4kHz、Z方向
に80kHzであった。
【0057】また、上記の走査型探針装置を用いてX方
向、Y方向、及び、Z方向の3方向駆動用の圧電素子に
1kVの電圧を50時間にわたって印加したところ、電
極間の放電は全くなく、リーク電流も1nA以下であっ
た。
向、Y方向、及び、Z方向の3方向駆動用の圧電素子に
1kVの電圧を50時間にわたって印加したところ、電
極間の放電は全くなく、リーク電流も1nA以下であっ
た。
【0058】以上に示した装置を用いて試料1にグラフ
ァイトをセットし、装置を動作させた。ヒータに1Aの
電流を流したところ、試料1表面は700℃になった。
この状態で、X方向の圧電素子に振幅2V、周波数1k
Hzの3角波を印加し、Y方向の圧電素子には振幅2
V、周波数7.8Hzの矩形波を印加してSTM測定し
た。1画面測定に要した時間は0.13秒であった。測
定条件は試料1に0.5Vのバイアス電圧を印加し、ト
ンネル電流は1nAに設定された。このような条件で測
定しながら、探針が測定試料1表面の中央にきた時点
で、10n秒間10Vの電圧を1回だけ印加した。この
結果は、図4(a)〜図4(d)に示した像と同じ像が
得られた。すなわち、高電圧を印加した時に試料1表面
の原子約10個からなるクラスターができ、時間と共に
このクラスター原子が拡散しているようすが測定できた
ことが観察された。
ァイトをセットし、装置を動作させた。ヒータに1Aの
電流を流したところ、試料1表面は700℃になった。
この状態で、X方向の圧電素子に振幅2V、周波数1k
Hzの3角波を印加し、Y方向の圧電素子には振幅2
V、周波数7.8Hzの矩形波を印加してSTM測定し
た。1画面測定に要した時間は0.13秒であった。測
定条件は試料1に0.5Vのバイアス電圧を印加し、ト
ンネル電流は1nAに設定された。このような条件で測
定しながら、探針が測定試料1表面の中央にきた時点
で、10n秒間10Vの電圧を1回だけ印加した。この
結果は、図4(a)〜図4(d)に示した像と同じ像が
得られた。すなわち、高電圧を印加した時に試料1表面
の原子約10個からなるクラスターができ、時間と共に
このクラスター原子が拡散しているようすが測定できた
ことが観察された。
【0059】上記実施例では、電極をニオブ酸リチウム
のよりも小さくして、電極の角を丸める例を示したが、
図8に示すように、電極21を結晶面の端面まで形成
し、電極間をエポキシ系接着剤、すなわち絶縁材料24
でコーティングすることによっても、電極間の放電を防
止することができる。
のよりも小さくして、電極の角を丸める例を示したが、
図8に示すように、電極21を結晶面の端面まで形成
し、電極間をエポキシ系接着剤、すなわち絶縁材料24
でコーティングすることによっても、電極間の放電を防
止することができる。
【0060】図8のように構成された圧電素子を図6と
同様に構成して、この圧電素子に1kVの電圧を5時間
にわたって印加したところ、1nA以上のリーク電流は
流れず放電はなかった。次に、本発明の走査型探針装置
の第2実施例を説明する。本走査型探針装置の要部構成
は第1実施例の図1と同様であるので、説明は省略す
る。この第2実施例は、探針を最適な材料で構成したこ
とを特徴とする。まず、第1の探針は、レニウムで構成
されている。レニウム探針は以下のようにして作製され
た。
同様に構成して、この圧電素子に1kVの電圧を5時間
にわたって印加したところ、1nA以上のリーク電流は
流れず放電はなかった。次に、本発明の走査型探針装置
の第2実施例を説明する。本走査型探針装置の要部構成
は第1実施例の図1と同様であるので、説明は省略す
る。この第2実施例は、探針を最適な材料で構成したこ
とを特徴とする。まず、第1の探針は、レニウムで構成
されている。レニウム探針は以下のようにして作製され
た。
【0061】レニウム探針は、電解研磨により作製され
た。電解研磨装置の概略構成を図9に示す。この電解研
磨装置は、電解溶液30を入れて電解研磨を行うための
ビーカー31と、レニウム線32を研磨するために使用
される参照電極33と、電解研磨を行うための電力を供
給する電源34と、電源34と参照電極33、電源34
とレニウム線32をそれぞれ接続する配線35と、上記
の各部分を接続・固定するための架台36とからなる。
た。電解研磨装置の概略構成を図9に示す。この電解研
磨装置は、電解溶液30を入れて電解研磨を行うための
ビーカー31と、レニウム線32を研磨するために使用
される参照電極33と、電解研磨を行うための電力を供
給する電源34と、電源34と参照電極33、電源34
とレニウム線32をそれぞれ接続する配線35と、上記
の各部分を接続・固定するための架台36とからなる。
【0062】上記のように構成された電解研磨装置にお
いて、12NH2 SO4 電解溶液30中に直径0.3m
mのレニウム線32を入れて、参照電極33との間に1
0Vを印加しながら電解研磨を行い、約1分で先端が鋭
敏になったところで取り出した。この探針を試料1とし
て電解イオン顕微鏡(FIM)でHeガスを用いて探針
先端原子を観察したところ、6回対称の(100)面が
観察され、先端に6個の原子が存在していることがわか
った。更に電圧を印加して表面原子の一部を電解蒸発さ
せ先端原子を3個残した。この時の、FIM像を図10
に示す。このFIM装置は、STM装置に直結していて
大気にさらすことなく超高真空中で探針をSTM装置に
転送することができる。
いて、12NH2 SO4 電解溶液30中に直径0.3m
mのレニウム線32を入れて、参照電極33との間に1
0Vを印加しながら電解研磨を行い、約1分で先端が鋭
敏になったところで取り出した。この探針を試料1とし
て電解イオン顕微鏡(FIM)でHeガスを用いて探針
先端原子を観察したところ、6回対称の(100)面が
観察され、先端に6個の原子が存在していることがわか
った。更に電圧を印加して表面原子の一部を電解蒸発さ
せ先端原子を3個残した。この時の、FIM像を図10
に示す。このFIM装置は、STM装置に直結していて
大気にさらすことなく超高真空中で探針をSTM装置に
転送することができる。
【0063】上記のように作製された探針を図1の探針
8として走査型探針装置にセットし、グラファイトを試
料1として通常のSTM測定をした。この結果、60分
以上にわたって図11に示したSTM原子像が全く変化
せずに測定することができた。従って、像の分解能が全
く変化しなかったということは、探針先端の原子が安定
であったということである。
8として走査型探針装置にセットし、グラファイトを試
料1として通常のSTM測定をした。この結果、60分
以上にわたって図11に示したSTM原子像が全く変化
せずに測定することができた。従って、像の分解能が全
く変化しなかったということは、探針先端の原子が安定
であったということである。
【0064】また、この測定の後、図1のヒータ2に電
流を1.2A流してグラファイト試料1を520℃に保
ちながらSTM測定を行った。その結果、熱ドリフトは
室温測定の0.5nm/minに比較して、3nm/m
inと大きかったが、STM像は30分にわたって全く
変化することなく測定できた。このことは、520℃の
高温において、も走査中探針先端の原子は安定に変化す
ることなく、測定できたことを示している。第2の探針
は、オスミウムで構成されている。オスミウム探針は以
下のようにして作製された。
流を1.2A流してグラファイト試料1を520℃に保
ちながらSTM測定を行った。その結果、熱ドリフトは
室温測定の0.5nm/minに比較して、3nm/m
inと大きかったが、STM像は30分にわたって全く
変化することなく測定できた。このことは、520℃の
高温において、も走査中探針先端の原子は安定に変化す
ることなく、測定できたことを示している。第2の探針
は、オスミウムで構成されている。オスミウム探針は以
下のようにして作製された。
【0065】オスミウム探針は電解研磨ではうまく先端
を鋭敏にすることができなかったので、グラインダーを
用いて機械的に先端を鋭敏にした。この探針を試料1と
して電解イオン顕微鏡(FIM)でHeガスを用いて探
針先端原子を観察したところ、レニウムと同様の6回対
称の(100)面が観察された。更に電圧を印加して表
面原子の一部を電解蒸発させ先端原子を3個残した。こ
の時の、FIM像を図12に示す。オスミウム探針をこ
の状態にして図1のSTM装置に転送し、この探針を図
1の探針8として走査型探針装置にセットし、グラファ
イトを試料1として通常のSTM測定をしたところ、図
13に示したSTM像が40分以上、全く変化せずに測
定することができた。像の分解能が全く変化しなかった
ということは、探針先端の原子が安定であったというこ
とである。第3の探針は、ホウ化ランタン(LaB6 )
で構成されている。ホウ化ランタン探針は以下のように
して作製された。
を鋭敏にすることができなかったので、グラインダーを
用いて機械的に先端を鋭敏にした。この探針を試料1と
して電解イオン顕微鏡(FIM)でHeガスを用いて探
針先端原子を観察したところ、レニウムと同様の6回対
称の(100)面が観察された。更に電圧を印加して表
面原子の一部を電解蒸発させ先端原子を3個残した。こ
の時の、FIM像を図12に示す。オスミウム探針をこ
の状態にして図1のSTM装置に転送し、この探針を図
1の探針8として走査型探針装置にセットし、グラファ
イトを試料1として通常のSTM測定をしたところ、図
13に示したSTM像が40分以上、全く変化せずに測
定することができた。像の分解能が全く変化しなかった
ということは、探針先端の原子が安定であったというこ
とである。第3の探針は、ホウ化ランタン(LaB6 )
で構成されている。ホウ化ランタン探針は以下のように
して作製された。
【0066】LaB6 探針は1mm×1mm×2mmの
材料を用いた。1mm×1mmの面が(100)面にな
るように切り出し、この材料を図9に示した装置を用い
て40%HNO3 中に(100)面と溶液面が平行にな
るようにして、AC5mVを印加しながら、先端を電解
研磨して探針を作成した。この探針をステンレスのパイ
プに保持して、電解イオン顕微鏡(FIM)でHeガス
を用いて探針先端原子を観察したところ、4回対称の
(100)面が観察され、先端に4個の原子が存在して
た。更に電圧を印加して表面原子の一部を電解蒸発させ
先端原子を3個残した。この時の、FIM像を図14に
示す。このFIM装置は、図1のSTM装置に直結して
いて大気にさらすことなく超高真空中で探針をSTM装
置に転送することができる。
材料を用いた。1mm×1mmの面が(100)面にな
るように切り出し、この材料を図9に示した装置を用い
て40%HNO3 中に(100)面と溶液面が平行にな
るようにして、AC5mVを印加しながら、先端を電解
研磨して探針を作成した。この探針をステンレスのパイ
プに保持して、電解イオン顕微鏡(FIM)でHeガス
を用いて探針先端原子を観察したところ、4回対称の
(100)面が観察され、先端に4個の原子が存在して
た。更に電圧を印加して表面原子の一部を電解蒸発させ
先端原子を3個残した。この時の、FIM像を図14に
示す。このFIM装置は、図1のSTM装置に直結して
いて大気にさらすことなく超高真空中で探針をSTM装
置に転送することができる。
【0067】図9の探針を図1の探針8としてセット
し、グラファイトを試料1として通常のSTM測定をし
たところ、90分以上にわたって図15に示したSTM
原子像が全く変化せずに測定することができた。像の分
解能が全く変化しなかったということは、探針先端の原
子が安定であったということである。
し、グラファイトを試料1として通常のSTM測定をし
たところ、90分以上にわたって図15に示したSTM
原子像が全く変化せずに測定することができた。像の分
解能が全く変化しなかったということは、探針先端の原
子が安定であったということである。
【0068】また、この測定の後、図1の2であるヒー
タに電流を1.5A流してグラファイト試料1を600
℃に保ちながらSTM測定を行った。その結果、熱ドリ
フトは室温測定の0.5nm/minに比較して、6n
m/minと大きかったが、STM像は30分以上にわ
たって全く変化することなく測定できた。このことは、
600℃の高温においても走査中探針先端の原子は安定
に変化することなく、測定できたことを示している。次
に、本発明の走査型探針装置の第3実施例を説明する。
本走査型探針装置の要部構成は第1実施例の図1と同様
であるので、説明は省略する。
タに電流を1.5A流してグラファイト試料1を600
℃に保ちながらSTM測定を行った。その結果、熱ドリ
フトは室温測定の0.5nm/minに比較して、6n
m/minと大きかったが、STM像は30分以上にわ
たって全く変化することなく測定できた。このことは、
600℃の高温においても走査中探針先端の原子は安定
に変化することなく、測定できたことを示している。次
に、本発明の走査型探針装置の第3実施例を説明する。
本走査型探針装置の要部構成は第1実施例の図1と同様
であるので、説明は省略する。
【0069】本発明の第3の走査型探針装置の特徴は図
16に示すように探針ホルダー7に探針6用のヒータ4
0が備えられている。図16によれば、ヒータ40は、
バイロリティクグラファイトで構成され、探針6はLa
B6 で構成されている。また、ヒータ40及び探針6は
圧力調整ネジ41により固定されている。図示しないX
方向、及び、Y方向駆動用の圧電素子3、4は、第1実
施例と同様の手順で作製された圧電素子を用いている。
16に示すように探針ホルダー7に探針6用のヒータ4
0が備えられている。図16によれば、ヒータ40は、
バイロリティクグラファイトで構成され、探針6はLa
B6 で構成されている。また、ヒータ40及び探針6は
圧力調整ネジ41により固定されている。図示しないX
方向、及び、Y方向駆動用の圧電素子3、4は、第1実
施例と同様の手順で作製された圧電素子を用いている。
【0070】上記のように構成された走査型探針装置
に、まず試料1として(111)面のGeウェハをセッ
トして、STM観察を行い、Ge(111)−C(2×
8)構造を確認した。続いて、In原子を0.05ML
の厚さに蒸着し、約100℃でアニール後、再度STM
観察を行った。結果を模式的に図17に示す。白丸は、
In原子を示し、大きな黒丸は、最表面(第1層)のG
e原子、小さな黒丸は第2層以下のGe原子を示す。続
いて、試料1温度を200度に上昇させ、探針を図17
のGe(1)の位置に固定した。探針−Ge(1)間の
距離を0.6nmに保ち、探針に50mVの電圧を10
msec印加後、STM観察を行ったが、像の変化はな
かった。続いて、同様の走査を探針ヒータに30mAの
電流を流した状態で行った後、STM観察を行ったとこ
ろ、Ge(1)原子位置が空になっていることがわかっ
た。引き続いてSTM観察を続けたところ、約3分後に
Pb原子がGe(1)位置に移動したことが確認され
た。更に、探針を図17のPbの位置に固定し、探針ヒ
ータに60mAの電流を10sec流した後、STMを
行ったところ、元のPb位置にGe原子が挿入されてい
ることがわかった。すなわち、探針に移動していたGe
原子がGeウェハに戻ることが確認された。
に、まず試料1として(111)面のGeウェハをセッ
トして、STM観察を行い、Ge(111)−C(2×
8)構造を確認した。続いて、In原子を0.05ML
の厚さに蒸着し、約100℃でアニール後、再度STM
観察を行った。結果を模式的に図17に示す。白丸は、
In原子を示し、大きな黒丸は、最表面(第1層)のG
e原子、小さな黒丸は第2層以下のGe原子を示す。続
いて、試料1温度を200度に上昇させ、探針を図17
のGe(1)の位置に固定した。探針−Ge(1)間の
距離を0.6nmに保ち、探針に50mVの電圧を10
msec印加後、STM観察を行ったが、像の変化はな
かった。続いて、同様の走査を探針ヒータに30mAの
電流を流した状態で行った後、STM観察を行ったとこ
ろ、Ge(1)原子位置が空になっていることがわかっ
た。引き続いてSTM観察を続けたところ、約3分後に
Pb原子がGe(1)位置に移動したことが確認され
た。更に、探針を図17のPbの位置に固定し、探針ヒ
ータに60mAの電流を10sec流した後、STMを
行ったところ、元のPb位置にGe原子が挿入されてい
ることがわかった。すなわち、探針に移動していたGe
原子がGeウェハに戻ることが確認された。
【0071】第3実施例で述べたような原子操作による
超微細加工においては、探針と試料1間で、原子移動が
行われるが、このような方法においても、探針を構成す
る原子が試料1中に混入してしまう危険がある。このた
め、探針材料として、通常高融点金属が用いられるが、
実施例1の場合のように試料1が単一元素材料である場
合には、試料1と同一の材料の探針を用いることが望ま
しい。第1実施例と同様な装置をGe探針を用いて行っ
た。この場合には、探針のヒータ電流を10mA以下に
抑えることによって、実施例1と同様な原子移動を行う
ことができた。
超微細加工においては、探針と試料1間で、原子移動が
行われるが、このような方法においても、探針を構成す
る原子が試料1中に混入してしまう危険がある。このた
め、探針材料として、通常高融点金属が用いられるが、
実施例1の場合のように試料1が単一元素材料である場
合には、試料1と同一の材料の探針を用いることが望ま
しい。第1実施例と同様な装置をGe探針を用いて行っ
た。この場合には、探針のヒータ電流を10mA以下に
抑えることによって、実施例1と同様な原子移動を行う
ことができた。
【0072】上記実施例では単結晶圧電素子としてニオ
ブ酸リチウムを用いた例を示したが、タンタル酸リチウ
ムを用いることもできる。更に、これらの材料に限らず
キュリー温度の高い単結晶材料であれば用いることが可
能である。また、実施例ではX方向、Y方向、及び、Z
方向駆動用の圧電素子の全てを単結晶体で形成したが、
試料の加熱温度があまり高くない場合は、試料に最も近
い圧電素子のみを単結晶体で形成するようにしてもよ
い。更に、上記実施例では、X方向、Y方向及びZ方向
の圧電素子をそれぞれ専用の圧電素子で構成するように
したが、1つの圧電素子で3方向用の圧電素子が構成さ
れていても良い。また、電極は銀に限らず、金属であれ
ば良い。
ブ酸リチウムを用いた例を示したが、タンタル酸リチウ
ムを用いることもできる。更に、これらの材料に限らず
キュリー温度の高い単結晶材料であれば用いることが可
能である。また、実施例ではX方向、Y方向、及び、Z
方向駆動用の圧電素子の全てを単結晶体で形成したが、
試料の加熱温度があまり高くない場合は、試料に最も近
い圧電素子のみを単結晶体で形成するようにしてもよ
い。更に、上記実施例では、X方向、Y方向及びZ方向
の圧電素子をそれぞれ専用の圧電素子で構成するように
したが、1つの圧電素子で3方向用の圧電素子が構成さ
れていても良い。また、電極は銀に限らず、金属であれ
ば良い。
【0073】更に、上記実施例では試料側にX方向、及
び、Y方向駆動用の圧電素子、探針側にZ方向駆動用の
圧電素子を接続したが、必ずしもこの組み合わせに限ら
ず、仕様に応じて適宜変更可能である。加えて、試料或
いは探針を加熱する手段として試料ホルダー或いは探針
ホルダーにヒータを設けたが、この代わりに赤外ランプ
やレーザ等を用いて試料の表面に光を照射するようにし
てもよい。
び、Y方向駆動用の圧電素子、探針側にZ方向駆動用の
圧電素子を接続したが、必ずしもこの組み合わせに限ら
ず、仕様に応じて適宜変更可能である。加えて、試料或
いは探針を加熱する手段として試料ホルダー或いは探針
ホルダーにヒータを設けたが、この代わりに赤外ランプ
やレーザ等を用いて試料の表面に光を照射するようにし
てもよい。
【0074】例えば、前記探針材料は上記実施例はレニ
ウム、オスミウム、ホウ化ランタンとした例を示した
が、これらに限定されるものではなくケイ化レニウムの
ようなレニウム或いはオスミウムを含む化合物金属や化
合物半導体であっても良い。本発明の走査型探針装置は
STMに限らず、静電容量顕微鏡や原子間力顕微鏡等に
も適用できる。本発明は、上記実施例に限定されるもの
ではなく、本発明の要旨を変更しない範囲で種々変形し
て実施できるのは勿論である。
ウム、オスミウム、ホウ化ランタンとした例を示した
が、これらに限定されるものではなくケイ化レニウムの
ようなレニウム或いはオスミウムを含む化合物金属や化
合物半導体であっても良い。本発明の走査型探針装置は
STMに限らず、静電容量顕微鏡や原子間力顕微鏡等に
も適用できる。本発明は、上記実施例に限定されるもの
ではなく、本発明の要旨を変更しない範囲で種々変形し
て実施できるのは勿論である。
【0075】
【発明の効果】本発明によれば次のような効果が得られ
る。
る。
【0076】本発明の第1の走査型探針装置によれば、
探針や試料を駆動するための圧電素子として、ニオブ酸
リチウムやタンタル酸リチウム等のようにキュリー温度
の高い単結晶圧電素子を用いることにより、試料を高温
に加熱しても、高分解能の動作、高速の動作を可能とす
る走査型探針装置を実現することができる。更に、試料
と探針との間の間隙長を常に一定に保持機構を有する装
置において、ニオブ酸リチウム単結晶で作られた圧電素
子を用い、この圧電素子の電極間に複数の結晶面がある
か、凹凸を大きくするような表面処理を施すか、或い
は、絶縁材料でコートすることによって、電極間のリー
ク電流を抑え放電を防ぐことができる。
探針や試料を駆動するための圧電素子として、ニオブ酸
リチウムやタンタル酸リチウム等のようにキュリー温度
の高い単結晶圧電素子を用いることにより、試料を高温
に加熱しても、高分解能の動作、高速の動作を可能とす
る走査型探針装置を実現することができる。更に、試料
と探針との間の間隙長を常に一定に保持機構を有する装
置において、ニオブ酸リチウム単結晶で作られた圧電素
子を用い、この圧電素子の電極間に複数の結晶面がある
か、凹凸を大きくするような表面処理を施すか、或い
は、絶縁材料でコートすることによって、電極間のリー
ク電流を抑え放電を防ぐことができる。
【0077】更に、本発明の第2の走査型探針装置によ
れば、探針材料にオスミウム或いはレニウムの化合物金
属、半導体のいずれかを用いることによって、高分解能
が安定した走査型探針装置を得ることができる。
れば、探針材料にオスミウム或いはレニウムの化合物金
属、半導体のいずれかを用いることによって、高分解能
が安定した走査型探針装置を得ることができる。
【0078】加えて、本発明の第3の走査型探針装置に
よれば、試料と探針の温度を独立に変化させる加熱手段
を備えたことにより、試料と探針間に小さな電圧を印加
するだけで制御性良く、原子又は分子操作に基づいた超
微細加工が可能である。
よれば、試料と探針の温度を独立に変化させる加熱手段
を備えたことにより、試料と探針間に小さな電圧を印加
するだけで制御性良く、原子又は分子操作に基づいた超
微細加工が可能である。
【図1】本発明の第1実施例に係わる走査型探針装置の
要部構成を示す断面図、
要部構成を示す断面図、
【図2】本実施例のX方向、Y方向駆動用の圧電素子の
電極と配線の様子を示す図、
電極と配線の様子を示す図、
【図3】本実施例のX方向、Y方向駆動用の圧電素子の
組み込み例を示す図、
組み込み例を示す図、
【図4】第1実施例装置により測定して得られたSTM
像を示す模式図。
像を示す模式図。
【図5】本発明の走査型探針装置のX方向とY方向を駆
動する圧電素子の電極の一例を示す図。
動する圧電素子の電極の一例を示す図。
【図6】本発明の走査型探針装置のX方向とY方向を駆
動する圧電素子の組み立て図。
動する圧電素子の組み立て図。
【図7】本発明の走査型探針装置のZ方向を駆動する圧
電素子の電極の一例を示す平面図。
電素子の電極の一例を示す平面図。
【図8】本発明の走査型探針装置のX方向とY方向を駆
動する圧電素子の電極の図5の変形例を示す平面図。
動する圧電素子の電極の図5の変形例を示す平面図。
【図9】本発明の第2実施例に係わる走査型探針装置の
レニウム探針作製用の電解研磨装置の概略構成図。
レニウム探針作製用の電解研磨装置の概略構成図。
【図10】第2実施例におけるレニウム探針のFIM
像。
像。
【図11】第2実施例におけるレニウム探針を用い、グ
ラファイトを試料として走査型トンネル顕微鏡で測定し
たSTM像。
ラファイトを試料として走査型トンネル顕微鏡で測定し
たSTM像。
【図12】第2実施例におけるオスミウム探針のFIM
像。
像。
【図13】第2実施例におけるオスミウム探針を用い、
グラファイトを試料として走査型トンネル顕微鏡で測定
したSTM像。
グラファイトを試料として走査型トンネル顕微鏡で測定
したSTM像。
【図14】第2実施例におけるホウ化ランタン探針のF
IM像。
IM像。
【図15】第2実施例におけるホウ化ランタン探針を用
い、グラファイトを試料として走査型トンネル顕微鏡で
測定したSTM像。
い、グラファイトを試料として走査型トンネル顕微鏡で
測定したSTM像。
【図16】第3実施例の探針ホルダー部のヒータの構成
を示す図。
を示す図。
【図17】第3実施例において、Pb原子が吸着したG
e(111)−C(2×8)構造を模式的に示した図。
e(111)−C(2×8)構造を模式的に示した図。
1…試料、2…試料ホルダー、3、31 、32 …X方向
駆動用の圧電素子、4、41 …Y方向駆動用の圧電素
子、5…基台、6…探針、7…探針ホルダー、8…Z方
向駆動用の圧電素子、9…圧電素子ホルダー、10…イ
ンチワーム、11…インチワーム固定台、20…ニオブ
酸リチウム単結晶、21(211a、211b、212a、2
12b、213a、213b)…電極、22…電源、231 〜
233 …圧電素子ホールドユニット、24…絶縁体、3
0…電解溶液、31…ビーカー、32…レニウム線、3
3…参照電極、34…電源、35…配線、36…架台、
40…ヒータ、41…圧力調整ネジ。
駆動用の圧電素子、4、41 …Y方向駆動用の圧電素
子、5…基台、6…探針、7…探針ホルダー、8…Z方
向駆動用の圧電素子、9…圧電素子ホルダー、10…イ
ンチワーム、11…インチワーム固定台、20…ニオブ
酸リチウム単結晶、21(211a、211b、212a、2
12b、213a、213b)…電極、22…電源、231 〜
233 …圧電素子ホールドユニット、24…絶縁体、3
0…電解溶液、31…ビーカー、32…レニウム線、3
3…参照電極、34…電源、35…配線、36…架台、
40…ヒータ、41…圧力調整ネジ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小野 富男 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 小林 剛史 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株式会社東芝研究開発センター内 (56)参考文献 特開 平3−252506(JP,A) 特開 平2−311702(JP,A) 特開 平5−45109(JP,A) 特開 平5−34106(JP,A) 特開 平5−272908(JP,A) 特開 平3−274480(JP,A) 特開 昭62−283542(JP,A) 特開 平2−275350(JP,A) 特開 平5−115983(JP,A) 実開 昭60−79636(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01B 7/34 G01N 13/12
Claims (3)
- 【請求項1】 試料の表面に対向配置される探針と、前
記試料と前記探針とを前記試料表面に対して垂直な第1
方向に相対的に移動させ、前記探針と試料とを前記第1
方向と直交する第2及び第3方向に相対的に移動させる
移動手段とを備えた走査型探針装置において、 前記探針がレニウムと遷移金属、IIIB族、IVB族
及びVB族のいずれかとの化合物、及びオスミウムのい
ずれかで構成されていることを特徴とする走査型探針装
置。 - 【請求項2】 請求項1に記載の走査型探針装置におい
て、 前記試料を200℃以上の温度に加熱するための第1の
加熱手段と、 前記探針を加熱するための第2の加熱手段と、 を更に具備することを特徴とする走査型探針装置。 - 【請求項3】 請求項2に記載の走査型探針装置におい
て、前記第1の加熱手段は、前記試料を500℃以上に
加熱することを特徴とする走査型探針装置。
Priority Applications (1)
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Applications Claiming Priority (3)
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|---|---|---|---|
| JP1774392 | 1992-02-03 | ||
| JP4-17743 | 1992-02-03 | ||
| JP00127693A JP3320472B2 (ja) | 1992-02-03 | 1993-01-07 | 走査型探針装置 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH05280922A JPH05280922A (ja) | 1993-10-29 |
| JP3320472B2 true JP3320472B2 (ja) | 2002-09-03 |
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Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP00127693A Expired - Fee Related JP3320472B2 (ja) | 1992-02-03 | 1993-01-07 | 走査型探針装置 |
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| JP (1) | JP3320472B2 (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2012165791A3 (ko) * | 2011-05-30 | 2013-01-17 | 고려대학교 산학협력단 | 주사탐침열현미경 및 이를 이용한 온도 프로파일링 방법 |
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| JP3686109B2 (ja) * | 1994-10-07 | 2005-08-24 | ヒューレット・パッカード・カンパニー | メモリ装置 |
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| US20110174797A1 (en) * | 2008-09-05 | 2011-07-21 | Japan Advanced Institute Of Science And Technology | Cantilever heating mechanism, and a cantilever holder and cantilever heating method that use the same |
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| US8516610B1 (en) * | 2012-03-19 | 2013-08-20 | Massachusetts Institute Of Technology | High-frequency rheology system |
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| US9110094B2 (en) * | 2014-01-17 | 2015-08-18 | Schlumberger Technology Corporation | Measurement of surface energy components and wettability of reservoir rock utilizing atomic force microscopy |
| EP4022321A4 (en) | 2019-08-29 | 2023-08-30 | National Research Council of Canada | Atomic nano-positioning device |
Family Cites Families (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US4520570A (en) * | 1983-12-30 | 1985-06-04 | International Business Machines Corporation | Piezoelectric x-y-positioner |
| JPS62283542A (ja) * | 1986-06-02 | 1987-12-09 | Hitachi Ltd | 高速駆動圧電素子搭載陰極 |
| JPH02311702A (ja) * | 1989-05-29 | 1990-12-27 | Olympus Optical Co Ltd | 走査型トンネル顕微鏡装置 |
| US5216631A (en) * | 1990-11-02 | 1993-06-01 | Sliwa Jr John W | Microvibratory memory device |
-
1993
- 1993-01-07 JP JP00127693A patent/JP3320472B2/ja not_active Expired - Fee Related
- 1993-02-01 US US08/011,906 patent/US5371365A/en not_active Expired - Lifetime
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2012165791A3 (ko) * | 2011-05-30 | 2013-01-17 | 고려대학교 산학협력단 | 주사탐침열현미경 및 이를 이용한 온도 프로파일링 방법 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH05280922A (ja) | 1993-10-29 |
| US5371365A (en) | 1994-12-06 |
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Legal Events
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|---|---|---|---|
| LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |