明 細 書
無線機能付き時計
技術分野
[0001] 本発明は、無線機能付き時計、特に、所定の電波を受信できるアンテナと、アンテ ナを収容するための導電性のハウジングを備えた時計に関し、特に、ハウジングの少 なくとも一部を構成し、少なくとも一部が導電性である時計ケースが、複数に分割され た部品、例えば、導電性の胴体、導電性のベゼル、導電性の見返しリングを備えた 時計に関する。
[0002] また、本発明は、無線機能付き時計、特に、所定の電波を受信できるアンテナが導 電性のハウジング内に収容され、導電性のベゼルを備えた時計に関する。
[0003] さらに、本発明は、無線機能付き時計、特に、所定の電波を受信できるアンテナが 導電性のハウジング内に収容され、導電性の見返しリングを備えた時計に関する。
[0004] 従来、パソコン通信機能、携帯電話機能や非接触式 ICカード機能などの無線機能 を備える時計は、すでに知られている。このような無線機能付き時計として、時刻情 報を含む長波標準電波 (搬送波)を受信し、その時刻情報に基づ!、て時刻を修正す る無線機能を備えた電波時計も、また広く知られている。
[0005] これらの無線機能付き時計は、他の通信機器と同様に、所定の電波を受信するた めのアンテナを備える必要がある。このため、電波を受信する機能、すなわち、受信 感度力 すれば、電波を受信するアンテナを収容する筐体であるハウジングを、合成 榭脂などの非導電性の素材力 構成することが考えられる。
[0006] し力しながら、これら無線機能付き時計は、時計であるがために、他の通信機器と 異なり、装飾品、または装身具としての美観や高級観が求められる。このため、電波 を受信するアンテナを収容する筐体であるハウジングの素材として、合成樹脂などの 非導電性の素材ではなぐ導電性の素材、すなわち、金属製の素材を採用すること が求められる。
[0007] これは、合成樹脂などのハウジングが、その質感、色調、または軽量さから、安価な 外観と装着感とを使用者に与えるものであり、これに対して、金属製のハウジングが、 高級感のある外観と装着感とを使用者に与えるためである。
[0008] この金属製のハウジングに対する要求は、ユーザーに携帯される装身具としての腕 時計において、特に著しいものである。し力しながら、アンテナを、導電性のハウジン グ、すなわち、金属製のハウジング内に収容した場合には、アンテナ近傍に発生する 磁束が導電材料である金属製のハウジングに吸収され、共振現象が妨げられるため 、アンテナが標準電波を受信する受信機能が著しく低下してしまうことになる。
[0009] このため、従来より、様々な受信感度向上のための提案がなされている。
[0010] 例えば、特許文献 1 (特開 2004— 325315号公報)では、金属製筐体である金属 製のハウジングを備える電波時計、特に、電波腕時計が開示されている。
[0011] すなわち、図 34に示したように、この電波腕時計 100は、ハウジング 102を備えて いる。
[0012] なお、本明細書中、「上下方向」とは、図 34、図 2などの断面図において、上下方向 を意味する。従って、上面とは、腕時計を手首に装着した状態において、外方に露 出する面であり、下面とは、同状態において手首と相対する面である。
[0013] また、「平面方向」とは、上下方向に直交する方向であって、図 34、図 2などの断面 図において、左右方向を意味するものであり、平面方向が、バンドの長手方向、また は、バンドの幅方向と重複する場合もある。
[0014] このハウジング 102は、金属製の枠体を構成する時計ケース 104と、時計ケース 10 4の下面開口部を覆うように密封状態で装着される金属製の裏蓋 106と、この時計ケ ースの上面開口部を覆うように、密封状態で装着される風防 (ガラス) 108とを備えて いる。
[0015] このハウジング 102内には、時計駆動部を構成するムーブメント 110と、ムーブメン ト 110の上面に配置された金属製の文字板 112を備えて 、る。
[0016] さらに、このムーブメント 110の側部下方には、標準電波を受信するためのアンテナ 116が付設されている。
[0017] なお、図示しないが、ムーブメント 110より突出して、文字板 112とを貫通する針軸 に、分針と時針とが配置される。これら分針と時針とは、文字板 112と風防 108との間 に位置して時刻を表示するようになっている。
[0018] ところで、このような金属製外装が採用された電波腕時計 100においては、金属製
の時計ケース 104、金属製の裏蓋 106、金属製の文字板 112によって、アンテナ 11
6が遮蔽された状態となる。このため、これらの金属製の部品によって外部からの電 波が遮断され、これにより、ハウジング 102内に配置されたアンテナ 116の電波の受 信が妨げられてしまうことになる。
[0019] 特に、これらの金属製の時計ケース 104、金属製の裏蓋 106、金属製の文字板 11
2が相互に直接接触している場合、これらの金属製の時計ケース 104、金属製の裏 蓋 106、金属製の文字板 112との間で、電磁気的にループが形成され、これらが電 磁気的に閉じた状態となり、この影響によって、外部力もの電波が、さらにアンテナ 1
16まで到達しにくくなる。
[0020] このような現象を回避するために、この特許文献 1の電波腕時計 100においては、 金属製の文字板 112を絶縁被膜 114で被覆して、時計ケース 104と裏蓋 106の間に 絶縁層 118を設けている。
[0021] これによつて、金属製の時計ケース 104、金属製の裏蓋 106、金属製の文字板 11
2との間で電磁気的にループが形成されなくなるので、外部からの電波が、これらの 金属部品によって遮蔽されに《している。
特許文献 1 :特開 2004— 325315号公報
特許文献 2:実開平 6 - 80192号公報
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0022] し力しながら、特許文献 1の電波腕時計 100では、金属製の時計ケース 104が、電 波腕時計 100の上下方向に沿った厚さにほぼ相当する大きさを備える金属製の環 状部品として、アンテナ 116を取り囲むように、アンテナ 116の近傍に位置している。
[0023] このように、他の部品よりも極めて大きな金属製の時計ケース 104が、外部からの電 波を遮蔽して、ハウジング 102内に配置されたアンテナ 116の電波の受信を妨げて しまうため、アンテナ 116が電波を充分に受信することができな力つた。
[0024] また、外部からの電波、または、アンテナ 116によって生じる電波に起因して、金属 製の時計ケース 104の近傍の磁界が周期的に変動すると、時計ケース 104を上下に 貫通する開口を通過する磁束が変化するので、電磁誘導によって渦電流が、金属製
の時計ケース 104の周方向に沿って発生する。
[0025] このように発生した渦電流は電波のエネルギーを消費するので、ハウジング 102内 に配置されたアンテナ 116の電波の受信感度を低下させることになる。
[0026] 特に、上下方向に沿った断面積(図 34の時計ケース 104の斜線部分)が広い、金 属製の時計ケース 104に発生する渦電流は、比較的大きな誘導電流として流れるこ とになる。これにより、この渦電流が、ハウジング 102の外部力もの電波を相殺してし まい、アンテナ 116の受信感度が低下してしまい、アンテナ 116の受信感度の向上 にはまだまだ不十分であった。
このため、アンテナ近傍に配置される、最も体積の大きい導電性部品である金属製 の時計ケース 104を、複数の部品に分割し、これらの間を絶縁することによって、時 計ケース 104による外部からの電波の遮蔽を低減できるものと思われる。
[0027] また、時計ケース 104を複数の部品に分割することにより、複数の部品に分割しな い一体の時計ケース 104の場合に発生する大きな渦電流に比較して、分割された部 品毎に小さな渦電流が発生することになる。このため、渦電流によるアンテナ 116の 受信感度の低下も低減できるものと思われる。
[0028] これにより、導電性である金属製の時計ケース 104などを採用した場合にも、アンテ ナ 116の受信感度が向上することが考えられる。
[0029] ところで、このような金属製のハウジングを備えた電波腕時計には、金属製の時計 ケース 104を複数の部品に分割したものとして、ベゼルを備えたものがある。べゼル は、主に時計ケースの上部側における風防の周囲に配置されるリング状の部材であ り、このべゼルにも、美観や高級観などの各種の点から、金属製のものが採用される ことがある。
[0030] このようなべゼルを備えた腕時計としては、特許文献 2 (実開平 6— 80192号公報) に開示されている。図 35に示したように、この腕時計 200では、ハウジング 202を備 えており、このハウジング 202は、金属製の枠体を構成する時計ケース 204と、時計 ケース 204の下面開口部を覆うように密封状態で装着される金属製の裏蓋 206と、こ の時計ケース 204の上面開口部を覆うように、密封状態で装着される風防 (ガラス) 2 08とを備えて ヽる。
[0031] また、時計ケース 204は、時計ケース胴体 210と、時計ケース胴体 210の上面に配 置されたべゼル 212を備えており、これらの時計ケース胴体 210とべゼル 212との間 には防水パッキン 214が介装されて!、る。
[0032] 一方、ハウジング 202内には、時計駆動部を構成するムーブメント 216と、ムーブメ ント 216の上面に配置された文字板 218を備えている。
[0033] また、ムーブメント 216より突出して、文字板 218を貫通する針軸 220に、分針 222 と時針 224とが配置される。これら分針 222と時針 224とは、文字板 218と風防 208と の間に位置して時刻を表示するようになって!/、る。
[0034] ところで、このような金属製外装が採用され、金属製の時計ケース 204を分割したも のとして、時計ケース胴体 210とべゼル 212を備えた腕時計 200においては、人の 手首側でグランドとして機能する裏蓋 206と時計ケース胴体 210と、べゼル 212とが、 防水パッキン 214によって電気的に絶縁状態となっている場合には、風防 208側か らの静電気がべゼル 212に蓄積してしまうことがある。
[0035] この静電気の作用によって、図 35の点線で示したように、分針 222が風防 208側に 当接してしまい、分針 222が動かない状態が生じたり、静電気の作用によって、この ような分針 222を伝って、静電気がムーブメント 216に達して、ムーブメント 216の作 動を阻害してしまうことになる。
[0036] このため、特許文献 2では、時計ケース胴体 210とべゼル 212との間に、導電性べ 一スト 226を設けて、時計ケース胴体 210とべゼル 212との間の電気的な導通を確 保し、これにより、べゼル 212、時計ケース胴体 210、裏蓋 206を介して、風防 208側 力 の静電気を人の手首にアースするようになって 、る。
[0037] し力しながら、特許文献 2は、ハウジング内にアンテナを収容した電波腕時計を対 象とするものではなぐまた、特許文献 2のように、時計ケース胴体 210とべゼル 212 との間に、導電性ペースト 226を設けて、時計ケース胴体 210とべゼル 212との間の 電気的な導通を確保したものでは、これを電波腕時計に適用したとしても、時計ケー ス月同体 210とべゼル 212との間で、電磁気的にループが形成され、これらが電磁気 的に閉じた状態となり、この影響によって、外部力もの電波が、アンテナまで到達しに くくなる。
[0038] また、下方向に沿った断面積(図 35の時計ケース胴体 210とべゼル 212の斜線部 分)が広い、金属製の時計ケース 204に発生する渦電流により、比較的大きな誘導 電流として流れることになる。これにより、この渦電流が、ハウジング 202の外部からの 電波を相殺してしまい、アンテナの受信感度が低下してしまい、アンテナの受信感度 が低下してしまうことになる。
[0039] ところで、このような金属製のハウジングを備えた電波腕時計には、金属製の時計 ケース 104を複数の部品に分割したものとして、時計ケース、またはべゼルの見返し 部分を別体として分割した見返しリングを備えたものがある。見返しリングは、主にハ ウジング内において風防と文字板との間に配置されるリング状の部材であり、その上 面は風防の載置面として機能すると共に、上面力 文字板に向けて下方へ延びる傾 斜面は、時計の機能表示を示す指標を配置する指標面として機能する。
[0040] そして、この見返しリングも、美観や高級観などの各種の点から、金属製のものが採 用されることがある。
[0041] ところが、上記のような金属製のハウジングを備えた電波腕時計に対して、金属製 の見返しリングを適用すると、アンテナの受信感度が大きく低下する問題が生じてい た。例えば、特許文献 1のように絶縁層を金属性の裏蓋と時計ケースとの間などに設 けたりしても、受信感度の低下は必ずしも十分な程度には改善されな 、。
[0042] 本発明は、このような現状に鑑み、アンテナ近傍に配置される、最も体積の大きい 導電性部品である金属製の時計ケースを、複数の部品に分割し、これらの間を絶縁 することによって、時計ケースによる外部からの電波の遮蔽を低減でき、また、時計ケ ースを複数の部品に分割することにより、複数の部品に分割しない一体の時計ケー スの場合に発生する大きな渦電流に比較して、分割された部品毎に小さな渦電流が 発生して、渦電流によるアンテナの受信感度の低下も低減でき、導電性である金属 製の時計ケースなどを採用した場合にも、アンテナの受信感度が向上して、アンテナ が所定の電波を確実に受信できる無線機能付き時計を提供することを目的とする。 課題を解決するための手段
[0043] 本発明は、前述したような従来技術における課題及び目的を達成するために発明 されたものであって、本発明の無線機能付き時計は、
無線機能付き時計であって、
ハウジング内に収容され、外部力 の電波を受信するためのアンテナと、 前記ハウジングの少なくとも一部を構成し、少なくとも一部が導電性であり、複数の 部品に分割された時計ケースと、
前記時計ケースの複数の部品のうち、少なくとも 2つの部品の間を絶縁するようにこ れらの間に介在される絶縁領域と、
を備えることを特徴とする。
[0044] このように構成することによって、アンテナ近傍に配置される、最も体積の大き 、導 電性部品である導電性の時計ケースを、複数の部品に分割し、これらの間を絶縁す ることによって、時計ケースによる外部からの電波が遮蔽されにくくなり、導電性の時 計ケースなどを採用した場合にも、アンテナの受信感度が向上する。
[0045] また、最も体積の大きい導電性部品である金属製の時計ケースを、複数の部品に 分割し、これらの間を絶縁することによって、複数の部品に分割しない一体の時計ケ ースの場合に発生する大きな渦電流に比較して、分割された部品毎に小さな渦電流 が発生することになるので、渦電流によるアンテナの受信感度の低下も低減でき、導 電性の時計ケースなどを採用した場合にも、アンテナの受信感度が向上する。
[0046] なお、本発明にお 、て、導電性の部材とは、「その部材の素材自体が導電性の部 材であるもの」、または、「その部材に導電性の被膜が被覆されたもの」を言う。後者 の場合、部材の素材自体は、非導電性の素材であっても、導電性の素材であっても 、または、非導電性の素材と導電性の素材の組み合わせであってもよい。
[0047] 逆に、非導電性の部材とは、「その部材の素材自体が非電性の部材であるもの」、 または、「その部材に非電性の被膜が被覆されたもの」を言う。後者の場合、部材の 素材自体は、非導電性の素材であっても、導電性の素材であっても、または、非導電 性の素材と導電性の素材の組み合わせであつてもよい。
[0048] また、本発明の無線機能付き時計は、
前記時計ケースを構成する複数の部品が、
時計ケース胴体と、
少なくとも一部が導電性である見返しリングとを備え、
前記時計ケース胴体と見返しリングとの間を絶縁するようにこれらの間に介在される 絶縁領域を備えることを特徴とする。
[0049] このように、時計ケースを構成する複数の部品を、時計ケース胴体と、見返しリング とから構成して、時計ケース胴体と見返しリングとの間を絶縁するようにこれらの間に 介在される絶縁領域を設けることで、時計ケース胴体と見返しリングとの間で絶縁さ れることになるので、時計ケースによる外部力もの電波が遮蔽されにくくなり、導電性 の時計ケースなどを採用した場合にも、アンテナの受信感度が向上する。
[0050] また、最も体積の大きい導電性部品である金属製の時計ケースを、複数の部品に 分割し、これらの間を絶縁することによって、複数の部品に分割しない一体の時計ケ ースの場合に発生する大きな渦電流に比較して、分割された部品毎に、すなわち、 時計ケース胴体と見返しリングとからなる環状部材に小さな渦電流が発生することに なるので、渦電流によるアンテナの受信感度の低下も低減でき、導電性の時計ケー スなどを採用した場合にも、アンテナの受信感度が大幅に向上する。
[0051] また、本発明の無線機能付き時計は、
前記時計ケースを構成する複数の部品が、
少なくとも一部が導電性であるべゼルと、
少なくとも一部が導電性である見返しリングとを備え、
前記べゼルと見返しリングとの間を絶縁するようにこれらの間に介在される絶縁領 域を備えることを特徴とする。
[0052] このように、ベゼルと見返しリングとの間を絶縁するようにこれらの間に介在される絶 縁領域を設けることで、ベゼルと見返しリングとの間で絶縁されることになるので、時 計ケースによる外部力 の電波が遮蔽されにくくなり、導電性の時計ケースなどを採 用した場合にも、アンテナの受信感度が向上する。
[0053] また、最も体積の大きい導電性部品である金属製の時計ケースを、複数の部品に 分割し、これらの間を絶縁することによって、複数の部品に分割しない一体の時計ケ ースの場合に発生する大きな渦電流に比較して、分割された部品毎に、すなわち、 ベゼルと見返しリングとからなる環状部材に小さな渦電流が発生することになるので、 渦電流によるアンテナの受信感度の低下も低減でき、導電性の時計ケースなどを採
用した場合にも、アンテナの受信感度が大幅に向上する。
[0054] また、本発明の無線機能付き時計は、
前記時計ケースを構成する複数の部品が、
時計ケース胴体と、
少なくとも一部が導電性であるべゼルと、
少なくとも一部が導電性である見返しリングとを備え、
前記時計ケース胴体と、べゼルと、見返しリングとの間のうち、少なくとも 2つ部品の 間を絶縁するように、これらの部品の間に介在される絶縁領域を備えることを特徴と する。
[0055] このように、時計ケース胴体と、べゼルと、見返しリングとの間のうち、少なくとも 2つ 部品の間を絶縁するように、これらの部品の間に介在される絶縁領域を設けることで 、ベゼルと見返しリングとの間で絶縁されることになるので、時計ケースによる外部か らの電波が遮蔽されにくくなり、導電性の時計ケースなどを採用した場合にも、アンテ ナの受信感度が向上する。
[0056] また、最も体積の大きい導電性部品である金属製の時計ケースを、複数の部品に 分割し、これらの間を絶縁することによって、複数の部品に分割しない一体の時計ケ ースの場合に発生する大きな渦電流に比較して、分割された部品毎に、すなわち、 時計ケース胴体と、べゼルと、見返しリングとからなる環状部材に小さな渦電流が発 生することになるので、渦電流によるアンテナの受信感度の低下も低減でき、導電性 の時計ケースなどを採用した場合にも、アンテナの受信感度が大幅に向上する。
[0057] また、本発明の無線機能付き時計は、
前記時計ケースを構成する複数の部品が、
時計ケース胴体と、
少なくとも一部が導電性であるべゼルとを備え、
前記時計ケース胴体とべゼルとの間を絶縁するようにこれらの間に介在される絶縁 領域を備えることを特徴とする。
[0058] このように、時計ケース胴体とべゼルとの間を絶縁するようにこれらの間に介在され る絶縁領域を設けることで、時計ケース胴体とべゼルとの間で絶縁されることになるの
で、時計ケースによる外部からの電波が遮蔽されにくくなり、導電性の時計ケースな どを採用した場合にも、アンテナの受信感度が向上する。
[0059] また、最も体積の大きい導電性部品である金属製の時計ケースを、複数の部品に 分割し、これらの間を絶縁することによって、複数の部品に分割しない一体の時計ケ ースの場合に発生する大きな渦電流に比較して、分割された部品毎に、すなわち、 時計ケース胴体とべゼルとからなる環状部材に小さな渦電流が発生することになるの で、渦電流によるアンテナの受信感度の低下も低減でき、導電性の時計ケースなど を採用した場合にも、アンテナの受信感度が大幅に向上する。
[0060] 以上のように、導電性の見返しリングを導電性の時計ケースやべゼルカ 絶縁する ことで、アンテナの受信感度が大幅に向上する力 これは次の作用によると考えられ る。アンテナの受信感度は、アンテナの開放端部の直ぐ上に位置し、アンテナの開放 端部との上下方向の距離が短い位置にある、導電性部材である見返しリングの影響 を強く受けると考えられる。すなわち、アンテナが上方からの電波を受信する際に、見 返しリングに誘導電流が流れると、これがアンテナによる電波の受信を阻害するように 作用するからである。
[0061] しかし、本発明では、見返しリングをその周囲にある導電性の時計ケース胴体やべ ゼルカ 絶縁しこれらの間の導通を遮断する絶縁領域を設けたので、見返しリングと 、これに隣接する時計ケース胴体やべゼルとの間の電流経路が十分に遮断され、こ れにより誘導電流に起因する電波の遮蔽作用が大幅に抑制されたものと考えられる
[0062] また、以上のように、導電性のベゼルを導電性の時計ケース胴体や見返しリングか ら絶縁することで、アンテナの受信感度が大幅に向上するが、これは次の作用による と考えられる。アンテナの受信感度は、アンテナの開放端部の直ぐ上に位置し、アン テナの開放端部との上下方向の距離が短 、位置にある、導電性部材であるべゼル の影響を強く受けると考えられる。すなわち、アンテナが上方力 の電波を受信する 際に、ベゼルに誘導電流が流れると、これがアンテナによる電波の受信を阻害するよ うに作用するからである。
[0063] しかし、本発明では、ベゼルをその周囲にある導電性の時計ケースや見返しリング
力 絶縁しこれらの間の導通を遮断する絶縁領域を設けたので、べゼルと、これに隣 接する時計ケースや見返しリングとの間の電流経路が十分に遮断され、これにより誘 導電流に起因する電波の遮蔽作用が大幅に抑制されたものと考えられる。
[0064] 本発明の構成によれば、導電性の時計ケース胴体やべゼルを備え見返しリングが 装着されたあらゆる無線機能付き時計において受信感度が向上するが、特に、裏蓋 が導電性である場合などのようにハウジングの下部が導電性である場合にぉ 、て、さ らに、ソーラーセルへの外光を透過させる透光機能を付与した場合などのように非導 電性の文字板をアンテナの上方に配置した場合において受信感度が顕著に向上す る。
[0065] また、本発明の構成によれば、導電性の時計ケース胴体や見返しリングを備えべゼ ルが装着されたあらゆる無線機能付き時計において受信感度が向上するが、特に、 裏蓋が導電性である場合などのようにハウジングの下部が導電性である場合にぉ ヽ て、さらに、ソーラーセルへの外光を透過させる透光機能を付与した場合などのよう に非導電性の文字板をアンテナの上方に配置した場合において受信感度が顕著に 向上する。
[0066] 本発明にお 、て「少なくとも一部が導電性である時計ケース胴体」、「少なくとも一部 が導電性であるべゼル」、および「少なくとも一部が導電性である見返しリング」には、 素材自体が導電性であるもの、非導電性部材に導電性のコーティングがされたもの、 その他の導電性素材と非導電性素材との任意の組み合わせが含まれる。時計ケー ス、ベゼル、および見返しリングを構成する導電性の材料の具体例としては、金、銀、 銅、黄銅、アルミニウム、マグネシウム、亜鉛、チタン、またはこれらの合金を挙げるこ とができる。また、ステンレススチール、タンタルカーバイドなどを用いてもよい。
[0067] なお、本発明にお 、て絶縁領域は、少なくとも時計ケースと、べゼルと、見返しリン グとにおける導電性部分同士の間の少なくとも 2つの部品の間に配置される。本発明 において「ノヽウジング」には、裏蓋を有する場合、裏蓋が一体になつた時計ケースで ある場合、裏蓋がガラスである場合など、様々な場合を含むものである。また、ハウジ ングを構成する部品に、導電性の部品と、非導電性の部品が混在しても力まわない。 ハウジングは、少なくとも一部が導電性の部材と理解される。
[0068] また、本発明の無線機能付き時計では、前記絶縁領域は、アンテナの上方近傍に 配置されて!ゝることを特徴とする。
[0069] また、本発明の無線機能付き時計では、前記絶縁領域は、アンテナにおける両側 の開放端部に対向して、それぞれの開放端部の上方近傍に配置されていることを特 徴とする。
[0070] また、本発明の無線機能付き時計では、前記絶縁領域は、アンテナの少なくとも一 方の開放端部に対向して、前記開放端部の上方近傍に配置されていることを特徴と する。
[0071] ここで「アンテナの上方近傍」とは、アンテナにおける少なくとも一方の開放端部、好 ましくは両側の開放端部の上方近傍を含む領域のことである。
ここで、「アンテナの開放端部」とは、アンテナの開放端周囲の領域を含み、例えばァ ンテナが U字型を成すような円弧形状である場合、アンテナの開放端近傍の円弧部 分まで「アンテナの開放端部」に含まれる。
前記絶縁領域は、アンテナの少なくとも一方の開放端部に対向して、該開放端部の 上方近傍に配置されていることが好ましぐさらに、アンテナにおける両側の開放端 部に対向して、それぞれの開放端部の上方近傍に配置さていることが、受信感度の 向上という点ではより好ましい。
ここで「アンテナの開放端部の上方近傍」とは、ハウジングの上下方向におけるアン テナの開放端部の真上の位置およびその近傍であって、例えば、図 4および図 5に 図示したような範囲のことである。
このように、アンテナの開放端部の上方近傍に絶縁領域を配置することで、見返しリ ングに起因する誘導電流が十分に抑制され、アンテナの受信感度が向上する。
[0072] また、このように、アンテナの開放端部の上方近傍に絶縁領域を配置することで、ベ ゼルに起因する誘導電流が十分に抑制され、アンテナの受信感度が向上する。
[0073] また、本発明の無線機能付き時計では、前記絶縁領域は、少なくとも、時計ケース 胴体に形成された見返し受け部の上面と、前記見返し受け部に載置された見返しリ ングの下面との間に配置されていることを特徴とする。
[0074] このようにすることで、時計ケース胴体と見返しリングとが少なくとも接する見返し受
け部の上面と見返しリングの下面との境界部分において、そこに介在する絶縁領域 によってこれらの間の導通が確実に遮断され、上述したようにアンテナの受信感度が 向上する。
[0075] また、本発明の無線機能付き時計では、前記絶縁領域は、見返しリングと時計ケー ス月同体との間の少なくとも一方の表面に形成された絶縁被膜から構成されていること を特徴とする。
[0076] また、本発明の無線機能付き時計では、前記絶縁被膜は、見返しリングの全面に 形成されて 、ることを特徴とする。
[0077] このように、絶縁領域を絶縁被膜から構成することで、簡易な構造で、かつ生産性 の高 、方法によって、アンテナの受信感度を向上させることができる。
[0078] このような絶縁被膜としては、例えば、絶縁性の塗装被膜、印刷被膜、乾式めつき 被膜などが挙げられる。
[0079] 絶縁被膜の具体例としては、
DLC (Diamond like carbonリ被膜;
アクリル系材料、ウレタン系材料、セルロース系材料などの有機材料の絶縁被膜; クロム化合物を含むクロム化合物系被膜;
酸化アルミ化合物を含む酸化アルミ系被膜などが挙げられる。
[0080] このうち、クロム化合物系被膜としては、酸化クロム化合物を含む酸化クロム系被膜
、窒化クロム化合物を含む窒化クロム系被膜、炭化クロム化合物を含む炭化クロム系 被膜などが挙げられる。
[0081] 絶縁性の塗装被膜を形成する具体例としては、クリアコートのような、絶縁性の上塗 り塗装被膜を施す方法が挙げられる。この場合、メタリック塗装による塗装被膜を施し た後、このメタリック塗装被膜の上に、透明、または半透明な合成樹脂層であるクリア コートを被覆するようにしてもょ ヽ。
[0082] このような絶縁性の塗装被膜の具体例としては、ポリウレタン榭脂塗料、榭脂を形成 するポリマー分子中にフッ素が混入されたフッ素榭脂塗料、ポリ塩ィ匕ビュル榭脂を可 塑剤に分散させた塩ビゾル塗料、オイルフリーポリエステル榭脂をシリコーン中間体 により変性させたシリコーンポリエステル榭脂からなるシリコーンポリエステル榭脂塗
料、または、オイルフリーポリエステル榭脂、アクリル榭脂塗料、エポキシ榭脂塗料、 シリコーンアクリル榭脂塗料、塩化ビニル榭脂塗料、ラッカー、フエノール榭脂塗料、 塩ィ匕ゴム系塗料などが挙げられる。
[0083] また、絶縁被膜を見返しリングの全面に形成する場合には、デイツビングなどの方 法を適用することができる。
[0084] また、本発明の無線機能付き時計では、前記絶縁領域は、見返しリングと時計ケー ス胴体との間に配置された絶縁部材から構成されていることを特徴とする。
[0085] また、本発明の無線機能付き時計では、前記絶縁部材は、見返しリングまたは時計 ケース月同体に貼着されて 、ることを特徴とする。
[0086] このように、絶縁領域を絶縁部材から構成することで、簡易な構造で、かつ生産性 の高い方法によって、アンテナの受信感度を向上させることができる。このような絶縁 部材の具体例としては、合成樹脂やゴムなど力もなるシート状などの部材、セラミック など力 なる非導電性の部材が挙げられる。
[0087] または、導電性の素材に、非導電性の被膜が被覆されるか、または合成樹脂ゃゴ ムなどカゝらなる絶縁シートが貼着された部材であってもよい。この場合、導電性の素 材としては、金、銀、銅、黄銅、アルミニウム、マグネシウム、亜鉛、チタン、またはこれ らの合金を挙げることができる。また、ステンレススチール、タンタルカーバイドなどを 用いてもよい。また、非導電性の被膜としては、前記絶縁被膜の具体例として例示し たものを適用することができる。
[0088] 見返しリングと時計ケース胴体との間に絶縁部材を配置する場合、スぺーサとして の独立した絶縁シートをこれらの間に挟む形態であってもよいが、見返しリングと時計 ケース胴体との一方に絶縁部材を貼着する形態がより好ましい。具体的には、粘着 テープや接着テープを当該部材に貼り付ける形態が挙げられる。
[0089] このようにすることで、時計の組み立て時にぉ 、て、見返しリングと時計ケース胴体 を組み込み易くなり、作業性が向上する。
[0090] また、本発明の無線機能付き時計では、前記絶縁領域は、少なくとも、ベゼルに形 成された見返し受け部の上面と、前記見返し受け部に載置された見返しリングの下 面との間に配置されていることを特徴とする。
このようにすることで、ベゼルと見返しリングとが少なくとも接する見返し受け部の上面 と見返しリングの下面との境界部分において、そこに介在する絶縁領域によってこれ らの間の導通が確実に遮断され、上述したようにアンテナの受信感度が向上する。
[0091] また、本発明の無線機能付き時計では、前記絶縁領域は、見返しリングとベゼルと の間の少なくとも一方の表面に形成された絶縁被膜から構成されていることを特徴と する。
[0092] また、本発明の無線機能付き時計では、前記絶縁被膜は、見返しリングの全面に 形成されて 、ることを特徴とする。
[0093] このように、絶縁領域を絶縁被膜から構成することで、簡易な構造で、かつ生産性 の高 、方法によって、アンテナの受信感度を向上させることができる。
[0094] このような絶縁被膜としては、上記で説明した絶縁被膜を用いることができる。
[0095] また、本発明の無線機能付き時計では、前記絶縁領域は、見返しリングとベゼルと の間に配置された絶縁部材から構成されて 、ることを特徴とする。
[0096] また、本発明の無線機能付き時計では、前記絶縁部材は、見返しリングまたはべゼ ルに貼着されて ヽることを特徴とする。
[0097] このように、絶縁領域を絶縁部材から構成することで、簡易な構造で、かつ生産性 の高い方法によって、アンテナの受信感度を向上させることができる。このような絶縁 部材の具体例としては、上記で説明した絶縁部材を用いることができる。
[0098] また、本発明の無線機能付き時計では、前記絶縁領域は、少なくとも、時計ケース 胴体に形成された見返し受け部の上面と、前記見返し受け部に載置された見返しリ ングの下面との間、および、ベゼルの内周面と見返しリングの外周面との間に配置さ れていることを特徴とする。
[0099] このようにすることで、時計ケース胴体と見返しリングとが少なくとも接する見返し受 け部の上面と見返しリングの下面との境界部分および、ベゼルの内周面と見返しリン グの外周面との境界部分において、そこに介在する絶縁領域によってこれらの間の 導通が確実に遮断され、上述したようにアンテナの受信感度が向上する。
[0100] また、本発明の無線機能付き時計では、前記絶縁領域は、見返しリングと、時計ケ ース胴体と、べゼルとの間の少なくとも一方の表面に形成された絶縁被膜から構成さ
れていることを特徴とする。
[0101] また、本発明の無線機能付き時計では、前記絶縁被膜は、見返しリングの全面に 形成されて 、ることを特徴とする。
[0102] このように、絶縁領域を絶縁被膜から構成することで、簡易な構造で、かつ生産性 の高 、方法によって、アンテナの受信感度を向上させることができる。
[0103] このような絶縁被膜としては、上記で説明した絶縁被膜を用いることができる。
[0104] また、本発明の無線機能付き時計では、前記絶縁領域は、見返しリングと、時計ケ ース胴体と、べゼルとの間の少なくとも 2つの部品の間に配置された絶縁部材力 構 成されて!/ヽることを特徴とする。
[0105] また、本発明の無線機能付き時計では、前記絶縁部材は、見返しリングと、時計ケ ース胴体と、べゼルのうち、いずれかの部品に貼着されていることを特徴とする。
[0106] このように、絶縁領域を絶縁部材から構成することで、簡易な構造で、かつ生産性 の高い方法によって、アンテナの受信感度を向上させることができる。このような絶縁 部材の具体例としては、上記で説明した絶縁部材を用いることができる。
[0107] また、本発明の無線機能付き時計では、前記絶縁領域は、時計ケース胴体とべゼ ルとの間の少なくとも一方の表面に形成された絶縁被膜から構成されていることを特 徴とする。
[0108] このように、絶縁領域を絶縁被膜から構成することで、簡易な構造で、かつ生産性 の高 、方法によって、アンテナの受信感度を向上させることができる。
[0109] このような絶縁被膜としては、上記で説明した絶縁被膜を用いることができる。
[0110] また、本発明の無線機能付き時計では、前記絶縁領域は、時計ケース胴体とべゼ ルとの間に配置された絶縁部材カゝら構成されていることを特徴とする。
[0111] また、本発明の無線機能付き時計では、前記絶縁部材は、時計ケース胴体または ベゼルに貼着されて 、ることを特徴とする。
[0112] このように、絶縁領域を絶縁部材から構成することで、簡易な構造で、かつ生産性 の高い方法によって、アンテナの受信感度を向上させることができる。このような絶縁 部材の具体例としては、上記で説明した絶縁部材を用いることができる。
[0113] また、本発明の無線機能付き時計は、
前記時計ケース胴体が、複数の時計ケース胴体部品に分割され、これらの分割さ れた時計ケース胴体部品の間のうち、少なくとも 2つ時計ケース胴体部品の間を絶縁 するように、これらの時計ケース胴体部品の間に介在される絶縁領域を備えることを 特徴とする。
[0114] このように構成することによって、時計ケース胴体を、複数の時計ケース胴体部品に 分割し、これらの間を絶縁することによって、時計ケースによる外部力もの電波が遮 蔽されに《なり、導電性の時計ケースなどを採用した場合にも、アンテナの受信感 度が向上する。
[0115] また、最も体積の大きい導電性部品である金属製の時計ケースを、複数の部品に 分割し、これらの間を絶縁することによって、複数の部品に分割しない一体の時計ケ ースの場合に発生する大きな渦電流に比較して、分割された部品毎に小さな渦電流 が発生することになるので、渦電流によるアンテナの受信感度の低下も低減でき、導 電性の時計ケースなどを採用した場合にも、アンテナの受信感度が向上する。
[0116] また、本発明の無線機能付き時計では、前記絶縁領域は、複数の時計ケース胴体 部品の間の少なくとも一方の表面に形成された絶縁被膜から構成されていることを特 徴とする。
[0117] このように、絶縁領域を絶縁被膜から構成することで、簡易な構造で、かつ生産性 の高 、方法によって、アンテナの受信感度を向上させることができる。
[0118] このような絶縁被膜としては、上記で説明した絶縁被膜を用いることができる。
[0119] また、本発明の無線機能付き時計では、前記絶縁領域は、複数の時計ケース胴体 部品の間に配置された絶縁部材カゝら構成されていることを特徴とする。
[0120] また、本発明の無線機能付き時計では、前記絶縁部材は、複数の時計ケース胴体 部品の間の少なくとも一方に貼着されていることを特徴とする。
[0121] このように、絶縁領域を絶縁部材から構成することで、簡易な構造で、かつ生産性 の高い方法によって、アンテナの受信感度を向上させることができる。このような絶縁 部材の具体例としては、上記で説明した絶縁部材を用いることができる。
発明の効果
[0122] 本発明によれば、時計ケースを構成する複数の部品を、時計ケース胴体と、見返し
リングとから構成して、時計ケース胴体と見返しリングとの間を絶縁するようにこれらの 間に介在される絶縁領域を設けることで、時計ケース胴体と見返しリングとの間で絶 縁されることになるので、時計ケースによる外部からの電波が遮蔽されにくくなり、導 電性の時計ケースなどを採用した場合にも、アンテナの受信感度が向上する。
[0123] また、最も体積の大きい導電性部品である金属製の時計ケースを、複数の部品に 分割し、これらの間を絶縁することによって、複数の部品に分割しない一体の時計ケ ースの場合に発生する大きな渦電流に比較して、分割された部品毎に、すなわち、 時計ケース胴体と見返しリングとからなる環状部材に小さな渦電流が発生することに なるので、渦電流によるアンテナの受信感度の低下も低減でき、導電性の時計ケー スなどを採用した場合にも、アンテナの受信感度が大幅に向上する。
[0124] 従って、本発明の無線機能付き時計は、良好な受信感度を有し、アンテナが所定 の電波を確実に受信できる。
図面の簡単な説明
[0125] [図 1]図 1は、図 1は、本発明の実施例における無線機能付き時計の分解斜視図であ る。
[図 2]図 2は、図 2は、図 1の無線機能付き時計を組み立てた状態における A— A線の 部分断面図である。
[図 3]図 3は、アンテナの上方近傍の範囲を説明する図である。
[図 4]図 4は、アンテナの開放端部の上方近傍の範囲を説明する図である。
[図 5]図 5は、アンテナの開放端部の上方近傍の範囲を説明する図である。
[図 6]図 6は、実施例 1における無線機能付き時計の別の実施例を示した絶縁領域周 辺の拡大断面図である。
[図 7]図 7は、実施例 1における無線機能付き時計の別の実施例を示した絶縁領域周 辺の拡大断面図である。
[図 8]図 8は、本発明の別の実施例における無線機能付き時計の分解斜視図である
[図 9]図 9は、図 8の無線機能付き時計を組み立てた状態における A— A線の部分断 面図である。
[図 10]図 10は、本発明の無線機能付き時計の別の実施例を示した絶縁領域周辺の 拡大断面図である。
[図 11]図 11は、本発明の無線機能付き時計の別の実施例を示した絶縁領域周辺の 拡大断面図である。
[図 12]図 12は、本発明の別の実施例における無線機能付き時計の分解斜視図であ る。
[図 13]図 13は、図 12の無線機能付き時計を組み立てた状態における A— A線の部 分断面図である。
[図 14]図 14は、本発明の無線機能付き時計の別の実施例を示した絶縁領域周辺の 拡大断面図である。
[図 15]図 15は、本発明の無線機能付き時計の別の実施例を示した絶縁領域周辺の 拡大断面図である。
[図 16]図 16は、本発明の実施例における無線機能付き時計の分解斜視図である。
[図 17]図 17は、図 16の無線機能付き時計を組み立てた状態における A— A線の部 分断面図である。
[図 18]図 18は、アンテナの上方近傍の範囲を説明する図である。
[図 19]図 19は、アンテナの開放端部の上方近傍の範囲を説明する図である。
[図 20]図 20は、アンテナの開放端部の上方近傍の範囲を説明する図である。
[図 21]図 21は、本発明の無線機能付き時計の別の実施例を示した図 17と同様な断 面図である。
[図 22]図 22は、本発明の別の実施例における無線機能付き時計の図 17と同様な断 面図である。
[図 23]図 23は、本発明の無線機能付き時計の別の実施例を示した図 22と同様な断 面図ある。
[図 24]図 24は、本発明の無線機能付き時計の別の実施例を示した絶縁領域周辺の 拡大断面図である。
[図 25]図 25は、本発明の別の実施例における無線機能付き時計の図 17と同様な断 面図である。
[図 26]図 26は、本発明の無線機能付き時計の別の実施例を示した図 25と同様な断 面 〇図である。
[図 27]図 27は、本発明の無線機能付き時計の別の実施例を示した絶縁領域周辺の 拡大断面図である。
[図 28]図 28は、本発明の別の実施例における無線機能付き時計の図 2と同様な断 面図である。
[図 29]図 29は、本発明の別の実施例における無線機能付き時計の図 2と同様な断 面図である。
[図 30]図 30は、本発明の別の実施例における無線機能付き時計の図 2と同様な断 面図である。
[図 31]図 31は、本発明の別の実施例における無線機能付き時計の図 30と同様な断 面図である。
[図 32]図 32は、本発明の別の実施例における無線機能付き時計の図 2と同様な断 面図である。
[図 33]図 33は、本発明の別の実施例における無線機能付き時計の図 32と同様な断 面図である。
[図 34]図 34は、従来の電波腕時計の断面図である。
[図 35]図 35は、従来の腕時計の断面図である。
符号の説明
無線機能付き時計
11 時計ケース胴体
12 ハウジング
13 上部時計ケース胴体
14 時計ケース
15 下部時計ケース胴体
16 裏蓋
18 風防
20 ムーブメント
a小径部b大径部
ソーラーセノレ 文字板 アンテナa , 26b 開放端 バンド取り付け部 脚部
針軸
見返し受け部 段部
b側面部
リングa外周面
リング本体部 延設部 テーノヽ一面 パッキン 中子部材 係合突設部 係合用凹部 支持枠 防水パッキン 絶縁領域 べゼル収容凹部 防水パッキン ベ ITノレ 防水パッキン
べゼノレ本体咅 延設部 テーノヽ一面 指針 領域 領域 電波腕時計 /ヽウジング 時計ケース 裏蓋 風防 ムーブメント 文字板 絶縁被膜 アンテナ 絶縁層 腕時計 ハウジング 時計ケース 裏蓋 風防 時計ケース胴体 べゼノレ 防水パッキン ムーブメント 文字板 針軸 分針
226導電性ペースト
発明を実施するための最良の形態
[0127] 以下、本発明の実施の形態 (実施例)を図面に基づいてより詳細に説明する。
(実施例 1)
図 1は、本発明の実施例における無線機能付き時計の分解斜視図、図 2は、図 1の 無線機能付き時計を組み立てた状態における A— A線の部分断面図である。
[0128] 図 1および図 2において、符号 10は、全体で本実施例の無線機能付き時計を示し ている。本実施例の無線機能付き時計 10は、時刻情報を含む長波標準電波 (搬送 波)を受信し、その時刻情報に基づ!ヽて時刻を修正する無線機能を備えた電波腕時 計であり、図 1および図 2に示したように、ハウジング 12を備えている。
[0129] このハウジング 12は、導電性の略円筒形状の枠体を構成する時計ケース 14と、時 計ケース 14の下面開口部を覆うように密封状態で装着される導電性の裏蓋 16と、こ の時計ケース 14の上面開口部を覆うように密封状態で装着される風防 (ガラス) 18と を備えている。
[0130] このハウジング 12内には、時計駆動部を構成するムーブメント 20が配置され、この ムーブメント 20の上面には、ムーブメント 20を光の起電力によって駆動するためのソ 一ラーセル 22が配置されて!、る。
[0131] このソーラーセル 22の上面には、ソーラーセルの発電に寄与する波長の外光を、 少なくともムーブメント 20の駆動に足るだけ透過させる透光機能を有する文字板 24 が配置されている。
さらに、このムーブメント 20の側部下方の小径部 20aには、標準電波を受信するため のアンテナ 26が付設されている。アンテナ 26は、コアとなる棒状の磁芯部材と、この 磁芯部材の外周に巻かれたコイルとからなるバーアンテナとして図示される。
[0132] 文字板 24は、ソーラーセルの発電に寄与する波長の外光を透過する透光機能を 有するものであれば特に限定されるものではないが、例えば、合成樹脂、セラミック、 ガラス、木材、または、貝などの非導電性材料で構成することによって、外部からの電 波がさらにアンテナ 26に到達しやすくなるため、アンテナの受信感度を向上させるこ
とがでさる。
[0133] 図 1に示したように、時計ケース 14は、外方に突出する 2組のバンド取り付け部 28 を備えており、これらのバンド取り付け部 28にはそれぞれ、互いに対向するように、一 定間隔離間して配置され、時計ケース 14より延設された脚部 30が設けられている。
[0134] そして、これらの脚部 30の間に、図示しない腕時計のバンドが連結されるようになつ ている。なお、ムーブメント 20より突出して、ソーラーセル 22と文字板 24とを貫通する 図 1の針軸 31には、図示しないが、分針と時針とが配置される。これら分針と時針と は、文字板 24と風防 18との間に位置して時刻を表示するようになっている。
[0135] 図 2に示したように、時計ケース 14は、複数の部品に分割されており、この実施例 では、時計ケース胴体 11と、導電性の見返しリング 36とに分割されている。
[0136] そして、時計ケース胴体 11の内周側には、フランジ形状の見返し受け部 32が環状 に突設されており、この見返し受け部 32によって形成される段部 34上に、導電性の 見返しリング 36が装着されて 、る。
この見返しリング 36は、見返し受け部 32上に配置される見返しリング本体部 38と、見 返しリング本体部 38から、文字板 24上に延設され、文字板 24上に配置される延設 部 40とを備えている。また、見返しリング 36の内面側には、下方に向力つて径が小さ くなるテーパー面 42が形成され、このテーパー面 42上に、時字などの指標が形成さ れる。
また、見返しリング 36の上端と、時計ケース胴体 11の上端内周側には、風防 18を密 封状態で固定するための固定 (防水)パッキン 46が介装されている。一方、裏蓋 16 には、内側に突設する中子部材 48が形成されており、この中子部材 48の外周側に は、離間して形成された複数の係合突設部 50が突設されている。そして、時計ケー ス月同体 11の下端近傍の内周側には、この裏蓋 16の中子部材 48の係合突設部 50が 係合する係合用凹部 52が形成されて ヽる。
[0137] また、ムーブメント 20の側部上方の大径部 20bと、中子部材 48の上端部との間に は、支持枠 54が介装されている。支持枠 54は、合成樹脂などの非導電性材料から なり、導電性の時計ケース胴体 11とアンテナ 26との平面方向に沿った隙間を確保し 、アンテナ 26の受信性能を高く維持する。
[0138] 裏蓋 16における中子部材 48の係合突設部 50を、時計ケース胴体 11の係合用凹 部 52に係合することによって、時計ケース胴体 11の内周側に形成されたフランジ形 状の見返し受け部 32と、裏蓋 16の中子部材 48の上端部との間で、支持枠 54を介し て、ムーブメント 20、ソーラーセル 22、文字板 24が、時計ケース胴体 11の内部に固 定され、収容されるようになっている。
なお、図 2において、符号 56は、裏蓋 16と時計ケース胴体 11との間を、密封状態で 封止するための防水パッキンである。
[0139] 本実施例における無線機能付き時計 10では、図 2に示したように、見返しリング 36 と時計ケース胴体 11との間に、絶縁領域 58が配置されて 、る。
このような絶縁領域 58を設けることにより、導電性の時計ケース胴体 11と導電性の見 返しリング 36との間の導通が遮断される。これにより、時計ケース胴体 11と見返しリン グ 36との間で絶縁されることになるので、時計ケースによる外部からの電波が遮蔽さ れに《なり、導電性の時計ケースなどを採用した場合にも、アンテナの受信感度が 向上する。
[0140] また、最も体積の大きい導電性部品である金属製の時計ケースを、複数の部品に 分割し、これらの間を絶縁することによって、複数の部品に分割しない一体の時計ケ ースの場合に発生する大きな渦電流に比較して、分割された部品毎に、すなわち、 時計ケース胴体 11と見返しリング 36とからなる環状部材に小さな渦電流が発生する ことになるので、渦電流によるアンテナの受信感度の低下も低減でき、導電性の時計 ケースなどを採用した場合にも、アンテナ 26の受信感度は大幅に向上する。
[0141] なお、本実施例では、絶縁領域 58を、時計ケース胴体 11に形成された見返し受け 部 32の上面と、この見返し受け部 32に載置された見返しリング 36の下面との間から 、段部 34の側面部 34bと見返しリング 36の外周面との間までの範囲に形成している 力 段部 34の側面部 34bと見返しリング 36の外周面との間に隙間がありこれらが当 接しない場合には、少なくとも見返し受け部 32の上面と見返しリング 36の下面との間 に絶縁領域 58が形成されて 、ればよ 、。
[0142] 絶縁領域 58は、平面方向において、時計ケース胴体 11および見返しリング 36の 周方向の全体に渡り連続して形成するようにしてもよいが、周方向における一部に形
成してちょい。
[0143] この場合、アンテナ 26の開放端部の近くにお 、て見返しリング 36の誘導電流を効 果的に防止するという点では、アンテナ 26の上方近傍、特に、アンテナ 26の開放端 部の上方近傍に少なくとも配置することが望ましい。
[0144] 平面方向力も見たアンテナ 26の上方近傍の例を図 3に示す。同図において、斜線 で示した領域 71が、アンテナ 26の上方近傍である。なお、説明の便宜のために、見 返しリング 36は、内周側端部のみ二点鎖線で図示している。
[0145] また、平面方向から見たアンテナ 26の両側の開放端部 26a, 26bのそれぞれの上 方近傍の例を図 4に示す。同図において、斜線で示した 2つの領域 72が、開放端部
26a, 26bの上方近傍である。絶縁領域 58は、これらの位置のそれぞれに少なくとも 配置されて 、ることが特に好ま 、。
[0146] また、平面方向から見たアンテナ 26の片側の開放端部 26aの上方近傍の例を図 5 に示す。同図において、斜線で示した領域 72が、開放端部 26aの上方近傍である。 絶縁領域 58は、この位置(開放端部 26bの上方近傍であってもよい)に少なくとも配 置されて!、ることが好まし!/、。
[0147] また、絶縁領域 58は、見返しリング 36と時計ケース胴体 11との間の少なくとも一方 の表面に形成された絶縁被膜から構成されて 、てもよ 、。
[0148] また、後述する図 7に示した実施例のように、絶縁被膜は、見返しリング 36の全面 に形成されていても良い。
[0149] このように、絶縁領域を絶縁被膜から構成することで、簡易な構造で、かつ生産性 の高 、方法によって、アンテナの受信感度を向上させることができる。
[0150] このような絶縁被膜としては、例えば、絶縁性の塗装被膜、印刷被膜、乾式めつき 被膜などが挙げられる。
[0151] 絶縁被膜の具体例としては、
DLC (Diamond like carbonリ被膜;
アクリル系材料、ウレタン系材料、セルロース系材料などの有機材料の絶縁被膜; クロム化合物を含むクロム化合物系被膜;
酸化アルミ化合物を含む酸化アルミ系被膜などが挙げられる。
[0152] このうち、クロム化合物系被膜としては、酸化クロム化合物を含む酸化クロム系被膜 、窒化クロム化合物を含む窒化クロム系被膜、炭化クロム化合物を含む炭化クロム系 被膜などが挙げられる。
[0153] 絶縁性の塗装被膜を形成する具体例としては、クリアコートのような、絶縁性の上塗 り塗装被膜を施す方法が挙げられる。この場合、メタリック塗装による塗装被膜を施し た後、このメタリック塗装被膜の上に、透明、または半透明な合成樹脂層であるクリア コートを被覆するようにしてもょ ヽ。
[0154] このような絶縁性の塗装被膜の具体例としては、ポリウレタン榭脂塗料、榭脂を形成 するポリマー分子中にフッ素が混入されたフッ素榭脂塗料、ポリ塩ィ匕ビュル榭脂を可 塑剤に分散させた塩ビゾル塗料、オイルフリーポリエステル榭脂をシリコーン中間体 により変性させたシリコーンポリエステル榭脂からなるシリコーンポリエステル榭脂塗 料、または、オイルフリーポリエステル榭脂、アクリル榭脂塗料、エポキシ榭脂塗料、 シリコーンアクリル榭脂塗料、塩化ビニル榭脂塗料、ラッカー、フエノール榭脂塗料、 塩ィ匕ゴム系塗料などが挙げられる。
また、絶縁領域 58は、見返しリング 36と時計ケース胴体 11との間に配置された絶 縁部材力 構成されて 、ても良 、。
[0155] また、本発明の無線機能付き時計では、絶縁部材は、見返しリング 36または時計ケ ース胴体 11に貼着されて 、ても良!、。
[0156] このように、絶縁領域 58を絶縁部材カも構成することで、簡易な構造で、かつ生産 性の高い方法によって、アンテナの受信感度を向上させることができる。このような絶 縁部材の具体例としては、合成樹脂やゴムなど力もなるシート状などの部材、セラミツ クなど力 なる非導電性の部材が挙げられる。
[0157] または、導電性の素材に、非導電性の被膜が被覆されるか、または合成樹脂ゃゴ ムなどカゝらなる絶縁シートが貼着された部材であってもよい。この場合、導電性の素 材としては、金、銀、銅、黄銅、アルミニウム、マグネシウム、亜鉛、チタン、またはこれ らの合金を挙げることができる。また、ステンレススチール、タンタルカーバイドなどを 用いてもよい。また、非導電性の被膜としては、前記絶縁被膜の具体例として例示し たものを適用することができる。
[0158] 見返しリング 36と時計ケース胴体 11との間に絶縁部材を配置する場合、スぺーサ としての独立した絶縁シートをこれらの間に挟む形態であってもよいが、見返しリング 36と時計ケース胴体 11との一方に絶縁部材を貼着する形態がより好ましい。具体的 には、粘着テープや接着テープを当該部材に貼り付ける形態が挙げられる。
[0159] このようにすることで、時計の組み立て時にぉ 、て、見返しリング 36と時計ケース月同 体 11を組み込み易くなり、作業性が向上する。
[0160] なお、以下の実施例においても、絶縁領域 58の好ましい構成は、基本的には、上 記で説明した絶縁被膜、絶縁部材などが適用可能である。
(実施例 2)
図 6は、実施例 1における無線機能付き時計の別の実施例を示した絶縁領域周辺 の拡大断面図である。
[0161] この実施例の無線機能付き時計 10は、図 1および図 2に示した無線機能付き時計
10と基本的には同様な構成であり、同一の構成部材には同一の符号を付してその 詳細な説明を省略する。
[0162] この実施例の無線機能付き時計 10は、絶縁領域 58を、時計ケース胴体 11に形成 された見返し受け部 32の上面と、この見返し受け部 32に載置された見返しリング 36 の下面との間までの範囲に形成している。
[0163] 上述したように、段部 34の側面部 34bと見返しリング 36の外周面との間に隙間があ りこれらが当接しない場合には、少なくともこの範囲に絶縁領域 58が形成されていれ ばよい。
このような絶縁領域 58を設けることにより、導電性の時計ケース胴体 11と導電性の見 返しリング 36との間の導通が遮断される。これにより、時計ケース胴体 11と見返しリン グ 36との間で絶縁されることになるので、時計ケースによる外部からの電波が遮蔽さ れに《なり、導電性の時計ケースなどを採用した場合にも、アンテナの受信感度が 向上する。
[0164] また、最も体積の大きい導電性部品である金属製の時計ケースを、複数の部品に 分割し、これらの間を絶縁することによって、複数の部品に分割しない一体の時計ケ ースの場合に発生する大きな渦電流に比較して、分割された部品毎に、すなわち、
時計ケース胴体 11と見返しリング 36とからなる環状部材に小さな渦電流が発生する ことになるので、渦電流によるアンテナの受信感度の低下も低減でき、導電性の時計 ケースなどを採用した場合にも、アンテナ 26の受信感度は大幅に向上する。
(実施例 3)
図 7は、実施例 1における無線機能付き時計の別の実施例を示した絶縁領域周辺 の拡大断面図である。
[0165] この実施例の無線機能付き時計 10は、図 1および図 2に示した無線機能付き時計 10と基本的には同様な構成であり、同一の構成部材には同一の符号を付してその 詳細な説明を省略する。
[0166] この無線機能付き時計 10は、見返しリング 36の全面に絶縁領域 58を形成している 。このような絶縁領域 58は、例えば、見返しリング 36の全面に被覆した絶縁被膜とし て構成することができ、その形成方法としては、例えば、デイツビングなどを挙げること ができる。
[0167] この実施例では、絶縁領域 58を構成する絶縁被膜が見返しリング 36の全面に形 成されているため、見返しリング 36が時計ケース胴体 11の段部 34の側面部 34bや、 見返し受け部 32のフランジ内周面と対接する場合であっても、見返しリング 36と時計 ケース胴体 11との間を十分に絶縁することができる。
[0168] このような絶縁領域 58を設けることによつても、導電性の時計ケース胴体 11と導電 性の見返しリング 36との間の導通が遮断され、時計ケース胴体 11と見返しリング 36 との間で絶縁されることになるので、時計ケースによる外部からの電波が遮蔽されにく くなり、導電性の時計ケースなどを採用した場合にも、アンテナの受信感度が向上す る。
[0169] また、最も体積の大きい導電性部品である金属製の時計ケースを、複数の部品に 分割し、これらの間を絶縁することによって、複数の部品に分割しない一体の時計ケ ースの場合に発生する大きな渦電流に比較して、分割された部品毎に、すなわち、 時計ケース胴体 11と見返しリング 36とからなる環状部材に小さな渦電流が発生する ことになるので、渦電流によるアンテナの受信感度の低下も低減でき、導電性の時計 ケースなどを採用した場合にも、アンテナ 26の受信感度は大幅に向上する。
(実施例 4)
図 8は、本発明の別の実施例における無線機能付き時計の分解斜視図、図 9は、 図 8の無線機能付き時計を組み立てた状態における A— A線の部分断面図である。
[0170] この実施例の無線機能付き時計 10は、図 1および図 2に示した無線機能付き時計
10と基本的には同様な構成であり、同一の構成部材には同一の符号を付してその 詳細な説明を省略する。
[0171] この実施例の無線機能付き時計 10は、図 9に示したように、時計ケース 14は、複数 の部品に分割されており、この実施例では、時計ケース胴体 11と、導電性の見返しリ ング 36と、導電性のべゼル 62とに分割されている。
[0172] そして、時計ケース胴体 11の上部には、時計ケース胴体 11の外縁側上面に載置 される形態で、導電性のべゼル 62が配置されている。なお、図 9中、符号 61は、べゼ ル 62と時計ケース胴体 11との間を密封状態で封止するための防水ノ¾ /キンである。
[0173] そして、このべゼル 62の内周側には、フランジ形状の見返し受け部 32が環状に突 設されており、この見返し受け部 32によって形成される段部 34上に、導電性の見返 しリング 36が装着されて 、る。
[0174] この見返しリング 36は、見返し受け部 32上に配置される見返しリング本体部 38と、 見返しリング本体部 38から、文字板 24上に延設され、文字板 24上に配置される延 設部 40とを備えている。また、見返しリング 36の内面側には、下方に向力つて径が小 さくなるテーパー面 42が形成され、このテーパー面 42上に、時字などの指標が形成 される。
[0175] また、見返しリング 36の上端と、べゼル 62の上端内周側には、風防 18を密封状態 で固定するための固定(防水)パッキン 46が介装されて 、る。
[0176] 本実施例における無線機能付き時計 10では、図 9に示したように、べゼル 62に形 成された見返し受け部 32の上面と、この見返し受け部 32に載置された見返しリング 3
6の下面との間から、段部 34の側面部 34bと見返しリング 36の外周面との間までの 範囲に、絶縁領域 58が配置されている。
[0177] このような絶縁領域 58を設けることにより、導電性のべゼル 62と導電性の見返しリ ング 36との間の導通が遮断され、べゼル 62と見返しリング 36との間で絶縁されること
になるので、時計ケースによる外部力 の電波が遮蔽されにくくなり、導電性の時計 ケースなどを採用した場合にも、アンテナの受信感度が向上する。
[0178] また、最も体積の大きい導電性部品である金属製の時計ケースを、複数の部品に 分割し、これらの間を絶縁することによって、複数の部品に分割しない一体の時計ケ ースの場合に発生する大きな渦電流に比較して、分割された部品毎に、すなわち、 べゼル 62と見返しリング 36とからなる環状部材に小さな渦電流が発生することになる ので、渦電流によるアンテナの受信感度の低下も低減でき、導電性の時計ケース 14 などを採用した場合にも、アンテナの受信感度が大幅に向上する。
[0179] なお、本実施例では、絶縁領域 58を、べゼル 62に形成された見返し受け部 32の 上面と、この見返し受け部 32に載置された見返しリング 36の下面との間から、段部 3 4の側面部 34bと見返しリング 36の外周面との間までの範囲に形成している力 段部 34の側面部 34bと見返しリング 36の外周面との間に隙間がありこれらが当接しない 場合には、少なくとも見返し受け部 32の上面と見返しリング 36の下面との間に絶縁 領域 58が形成されて ヽればよ ヽ。
[0180] 絶縁領域 58は、平面方向において、時計ケース胴体 11、べゼル 62および見返しリ ング 36の周方向の全体に渡り連続して形成するようにしてもよいが、周方向における 一部に形成してもよい。この場合、アンテナ 26の開放端部の近くにおいてべゼル 62 および見返しリング 36の誘導電流を効果的に防止するという点では、アンテナ 26の 上方近傍、特に、アンテナ 26の開放端部の上方近傍に少なくとも配置することが望 ましい。アンテナ 26の上方近傍およびアンテナ 26の開放端部の上方近傍は、上述 の実施例 1において説明した場合と同様であり、その具体例は、平面視において図 3 〜図 5に示した範囲と同様である。
(実施例 5)
図 10は、本発明の無線機能付き時計の別の実施例を示した絶縁領域周辺の拡大 断面図である。
[0181] この実施例の無線機能付き時計 10は、図 8および図 9に示した無線機能付き時計 10と基本的には同様な構成であり、同一の構成部材には同一の符号を付してその 詳細な説明を省略する。
[0182] この実施例の無線機能付き時計 10は、べゼル 62の全面に絶縁領域 58を形成して いる。このような絶縁領域 58は、例えば、べゼル 62の全面に被覆した絶縁被膜とし て構成することができ、その形成方法としては、例えば、デイツビングなどを挙げること ができる。
[0183] このような絶縁領域 58を設けることによつても、導電性のべゼル 62と導電性の見返 しリング 36との間の導通が遮断され、上記実施例 4と同様にアンテナ 26の受信感度 は大幅に向上する。
(実施例 6)
図 11は、本発明の無線機能付き時計の別の実施例を示した絶縁領域周辺の拡大 断面図である。
[0184] この実施例の無線機能付き時計 10は、図 8および図 9に示した無線機能付き時計 10と基本的には同様な構成であり、同一の構成部材には同一の符号を付してその 詳細な説明を省略する。
[0185] この実施例の無線機能付き時計 10は、見返しリング 36の全面に絶縁領域 58を形 成している。
[0186] このような絶縁領域 58は、例えば、実施例 2と同様に、見返しリング 36の全面に被 覆した絶縁被膜として構成することができる。
[0187] このような場合、絶縁領域 58を構成する絶縁被膜は、見返しリング 36の全面に形 成されているため、見返しリング 36がべゼル 62の段部 34の側面部 34bや、見返し受 け部 32のフランジ内周面と対接する場合であっても、見返しリング 36とべゼル 62との 間を十分に絶縁することができる。
[0188] このような絶縁領域 58を設けることによつても、導電性のべゼル 62と導電性の見返 しリング 36との間の導通が遮断され、上記実施例 4と同様にアンテナ 26の受信感度 は大幅に向上する。
(実施例 7)
図 12は、本発明の別の実施例における無線機能付き時計の分解斜視図、図 13は 、図 12の無線機能付き時計を組み立てた状態における A— A線の部分断面図であ る。
[0189] この実施例の無線機能付き時計 10は、図 8および図 9に示した無線機能付き時計
10と基本的には同様な構成であり、同一の構成部材には同一の符号を付してその 詳細な説明を省略する。
[0190] 図 13に示したように、時計ケース 14は、複数の部品に分割されており、この実施例 では、時計ケース胴体 11と、導電性の見返しリング 36と、導電性のべゼル 62とに分 割されている。
[0191] そして、時計ケース胴体 11の上面部には、べゼル収容凹部 60が溝状に形成され ており、このべゼル収容凹部 60内にべゼル 62の下部側が嵌合される形態で、導電 性のべゼル 62が配置されている。なお、図 13中、符号 61は、べゼル 62と時計ケー ス月同体 11との間を密封状態で封止するための防水パッキンである。
[0192] そして、時計ケース胴体 11の内周側には、フランジ形状の見返し受け部 32が環状 に突設されており、この見返し受け部 32上に、導電性の見返しリング 36が装着され ている。この見返しリング 36は、見返し受け部 32上に配置される見返しリング本体部 38と、見返しリング本体部 38から、文字板 24上に延設され、文字板 24上に配置され る延設部 40とを備えている。また、見返しリング 36の内面側には、下方に向力つて径 力 S小さくなるテーパー面 42が形成され、このテーパー面 42上に、時字などの指標が 形成される。
[0193] また、見返しリング 36の上端と、べゼル 62の上端内周側には、風防 18を密封状態 で固定するための固定(防水)パッキン 46が介装されて 、る。
[0194] なお、図 13において、符号 56は、裏蓋 16と時計ケース胴体 11との間を、密封状態 で封止するための防水パッキンである。
[0195] 本実施例における無線機能付き時計 10では、図 13に示したように、時計ケース月同 体 11に形成された見返し受け部 32の上面と、この見返し受け部 32に載置された見 返しリング 36の下面との間から、見返し受け部 32およびべゼル 62によって形成され た段部 34の側面部 34b (ベゼル 62の内周面)と見返しリング 36の外周面 36aとの間 までの範囲に、絶縁領域 58が配置されている。
[0196] このような絶縁領域 58を設けることにより、導電性の時計ケース胴体 11と導電性の 見返しリング 36との間の導通および、導電性のべゼル 62と導電性の見返しリング 36
との間の導通が遮断され、時計ケース胴体 11と、べゼル 62と、見返しリング 36との間 で絶縁されることになるので、時計ケースによる外部からの電波が遮蔽されにくくなり 、導電性の時計ケースなどを採用した場合にも、アンテナの受信感度が向上する。
[0197] また、最も体積の大きい導電性部品である金属製の時計ケースを、複数の部品に 分割し、これらの間を絶縁することによって、複数の部品に分割しない一体の時計ケ ースの場合に発生する大きな渦電流に比較して、分割された部品毎に、すなわち、 時計ケース胴体 11と、べゼル 62と、見返しリング 36とからなる環状部材に小さな渦電 流が発生することになるので、渦電流によるアンテナの受信感度の低下も低減でき、 導電性の時計ケース 14などを採用した場合にも、アンテナの受信感度が大幅に向 上する。
[0198] 絶縁領域 58は、平面方向において、時計ケース胴体 11、べゼル 62および見返しリ ング 36の周方向の全体に渡り連続して形成するようにしてもよいが、周方向における 一部に形成してもよい。この場合、アンテナ 26の開放端部の近くにおいてべゼル 62 および見返しリング 36の誘導電流を効果的に防止するという点では、アンテナ 26の 上方近傍、特に、アンテナ 26の開放端部の上方近傍に少なくとも配置することが望 ましい。アンテナ 26の上方近傍およびアンテナ 26の開放端部の上方近傍は、上述 の実施例 1において説明した場合と同様であり、その具体例は、平面視において図 3 〜図 5に示した範囲と同様である。
(実施例 8)
図 14は、本発明の無線機能付き時計の別の実施例を示した絶縁領域周辺の拡大 断面図である。
[0199] この実施例の無線機能付き時計 10は、図 12および図 13に示した無線機能付き時 計 10と基本的には同様な構成であり、同一の構成部材には同一の符号を付してそ の詳細な説明を省略する。
[0200] この実施例の無線機能付き時計 10は、見返し受け部 32の上面と見返しリング 36の 下面との間および、べゼル 62の全面に絶縁領域 58を形成している。
[0201] べゼル 62の全面に形成された絶縁領域 58は、例えば、べゼル 62の全面に被覆し た絶縁被膜として構成することができ、その形成方法としては、例えば、デイツビング
などを挙げることができる。
[0202] このような絶縁領域 58を設けることによつても、導電性の時計ケース胴体 11と導電 性の見返しリング 36との間の導通および、導電性のべゼル 62と導電性の見返しリン グ 36との間の導通が遮断され、時計ケース胴体 11と、べゼル 62と、見返しリング 36 との間で絶縁されることになるので、時計ケースによる外部からの電波が遮蔽されにく くなり、導電性の時計ケースなどを採用した場合にも、アンテナの受信感度が向上す る。
[0203] また、最も体積の大きい導電性部品である金属製の時計ケースを、複数の部品に 分割し、これらの間を絶縁することによって、複数の部品に分割しない一体の時計ケ ースの場合に発生する大きな渦電流に比較して、分割された部品毎に、すなわち、 時計ケース胴体 11と、べゼル 62と、見返しリング 36とからなる環状部材に小さな渦電 流が発生することになるので、渦電流によるアンテナの受信感度の低下も低減でき、 導電性の時計ケース 14などを採用した場合にも、アンテナの受信感度が大幅に向 上する。
(実施例 9)
図 15は、本発明の無線機能付き時計の別の実施例を示した絶縁領域周辺の拡大 断面図である。
[0204] この実施例の無線機能付き時計 10は、図 12および図 13に示した無線機能付き時 計 10と基本的には同様な構成であり、同一の構成部材には同一の符号を付してそ の詳細な説明を省略する。
[0205] この実施例の無線機能付き時計 10は、見返しリング 36の全面に絶縁領域 58を形 成している。
[0206] このような絶縁領域 58は、例えば、図 11に示した実施例と同様に、見返しリング 36 の全面に被覆した絶縁被膜として構成することができる。
[0207] このような場合、絶縁領域 58を構成する絶縁被膜は、見返しリング 36の全面に形 成されているため、見返しリング 36が見返し受け部 32のフランジ内周面と対接する 場合であっても、見返しリング 36と時計ケース胴体 11との間を十分に絶縁することが できる。
[0208] このような絶縁領域 58を設けることによつても、導電性の時計ケース胴体 11と導電 性の見返しリング 36との間の導通および、導電性のべゼル 62と導電性の見返しリン グ 36との間の導通が遮断され、時計ケース胴体 11と、べゼル 62と、見返しリング 36 との間で絶縁されることになるので、時計ケースによる外部からの電波が遮蔽されにく くなり、導電性の時計ケースなどを採用した場合にも、アンテナの受信感度が向上す る。
[0209] また、最も体積の大きい導電性部品である金属製の時計ケースを、複数の部品に 分割し、これらの間を絶縁することによって、複数の部品に分割しない一体の時計ケ ースの場合に発生する大きな渦電流に比較して、分割された部品毎に、すなわち、 時計ケース胴体 11と、べゼル 62と、見返しリング 36とからなる環状部材に小さな渦電 流が発生することになるので、渦電流によるアンテナの受信感度の低下も低減でき、 導電性の時計ケース 14などを採用した場合にも、アンテナの受信感度が大幅に向 上する。
(実施例 10)
図 16は、本発明の実施例における無線機能付き時計の分解斜視図、図 17は、図
16の無線機能付き時計を組み立てた状態における A— A線の部分断面図である。
[0210] この実施例の無線機能付き時計 10は、図 8および図 9に示した無線機能付き時計
10と基本的には同様な構成であり、同一の構成部材には同一の符号を付してその 詳細な説明を省略する。
[0211] この実施例の無線機能付き時計 10は、図 17に示したように、時計ケース 14は、複 数の部品に分割されており、この実施例では、時計ケース胴体 11と、導電性の見返 しリング 36と、導電性のべゼル 62とに分割されている。
[0212] そして、この実施例の無線機能付き時計 10では、図 17に示したように、時計ケース 胴体 11の内縁側上面と、べゼル 62の内縁側下面との間に、絶縁領域 58が配置され ている。
[0213] このような絶縁領域 58を設けることにより、導電性の時計ケース胴体 11と導電性の べゼル 62との間の導通が遮断され、時計ケース胴体 11と、べゼル 62と、見返しリン グ 36との間で絶縁されることになるので、時計ケースによる外部からの電波が遮蔽さ
れに《なり、導電性の時計ケースなどを採用した場合にも、アンテナの受信感度が 向上する。
[0214] また、最も体積の大きい導電性部品である金属製の時計ケースを、複数の部品に 分割し、これらの間を絶縁することによって、複数の部品に分割しない一体の時計ケ ースの場合に発生する大きな渦電流に比較して、分割された部品毎に、すなわち、 時計ケース胴体 11と、べゼル 62と、見返しリング 36とからなる環状部材に小さな渦電 流が発生することになるので、渦電流によるアンテナの受信感度の低下も低減でき、 導電性の時計ケース 14などを採用した場合にも、アンテナの受信感度が大幅に向 上する。
[0215] なお、本実施例では、絶縁領域 58を、時計ケース胴体 11とべゼル 62とが対接する 範囲である時計ケース胴体 11の内縁側上面とべゼル 62の内縁側下面との間に配置 しているが、これらの導電性部分が対接する範囲に応じて、少なくとも当該範囲内に 絶縁領域 58を配置すればょ ヽ。
[0216] 絶縁領域 58は、平面方向において、時計ケース胴体 11、べゼル 62および見返しリ ング 36の周方向の全体に渡り連続して形成するようにしてもよいが、周方向における 一部に形成してもよい。
[0217] この場合、アンテナ 26の開放端部の近くにおいてべゼル 62の誘導電流を効果的 に防止するという点では、アンテナ 26の上方近傍、特に、アンテナ 26の開放端部の 上方近傍に少なくとも配置することが望ましい。平面方向から見たアンテナ 26の上方 近傍の例を図 18に示す。同図において、斜線で示した領域 71が、アンテナ 26の上 方近傍である。なお、説明の便宜のために、見返しリング 36は、内周側端部のみ二 点鎖線で図示している。
[0218] また、平面方向から見たアンテナ 26の両側の開放端部 26a, 26bのそれぞれの上 方近傍の例を図 19に示す。同図において、斜線で示した 2つの領域 72が、開放端 部 26a, 26bの上方近傍である。絶縁領域 58は、これらの位置のそれぞれに少なくと も配置されて 、ることが特に好ま 、。
[0219] また、平面方向から見たアンテナ 26の片側の開放端部 26aの上方近傍の例を図 2 0に示す。同図において、斜線で示した領域 72が、開放端部 26aの上方近傍である
。絶縁領域 58は、この位置(開放端部 26bの上方近傍であってもよい)に少なくとも 配置されて 、ることが好まし!/、。
(実施例 11)
図 21は、本発明の無線機能付き時計の別の実施例を示した図 17と同様な断面図 である。
[0220] この実施例の無線機能付き時計 10は、図 16および図 17に示した無線機能付き時 計 10と基本的には同様な構成であり、同一の構成部材には同一の符号を付してそ の詳細な説明を省略する。
[0221] この実施例の無線機能付き時計 10は、時計ケース胴体 11の上面部に、ベゼル収 容凹部 60が溝状に形成されており、このべゼル収容凹部 60内に、べゼル 62の下部 側が嵌合されている。なお、図 21中、符号 61は、べゼル 62と時計ケース胴体 11との 間を密封状態で封止するための防水パッキンである。
[0222] そして、時計ケース胴体 11の内周側には、フランジ形状の見返し受け部 32が環状 に突設されており、この見返し受け部 32上に、導電性の見返しリング 36が装着され ている。
[0223] この実施例における無線機能付き時計 10では、図 21に示したように、時計ケース 1 4におけるべゼル収容凹部 60の底面と、べゼル 62の下面との間に、絶縁領域 58が 配置されている。
このような絶縁領域 58を設けることにより、導電性の時計ケース胴体 11と導電性のベ ゼル 62との間の導通が遮断され、時計ケース胴体 11と、べゼル 62との間で絶縁され ることになるので、時計ケースによる外部からの電波が遮蔽されにくくなり、導電性の 時計ケースなどを採用した場合にも、アンテナの受信感度が向上する。
[0224] また、最も体積の大きい導電性部品である金属製の時計ケースを、複数の部品に 分割し、これらの間を絶縁することによって、複数の部品に分割しない一体の時計ケ ースの場合に発生する大きな渦電流に比較して、分割された部品毎に、すなわち、 時計ケース胴体 11と、べゼル 62と、見返しリング 36とからなる環状部材に小さな渦電 流が発生することになるので、渦電流によるアンテナの受信感度の低下も低減でき、 導電性の時計ケース 14などを採用した場合にも、図 16および図 17に示した実施例
と同様にアンテナの受信感度が大幅に向上する。
(実施例 12)
図 22は、本発明の別の実施例における無線機能付き時計の図 17と同様な断面図 である。なお、本実施例における無線機能付き時計の分解斜視図は図 16と同様で ある。
[0225] 本実施例の無線機能付き時計 10は、図 16および図 17に示した実施例の無線機 能付き時計と基本的には同様な構成であり、同一の構成部材には同一の符号を付し てその詳細な説明を省略する。
[0226] 本実施例における無線機能付き時計 10では、図 22に示したように、べゼル 62に形 成された見返し受け部 32の上面と、この見返し受け部 32に載置された見返しリング 3 6の下面との間から、段部 34の側面部 34bと見返しリング 36の外周面との間までの 範囲に、絶縁領域 58が配置されている。
[0227] このような絶縁領域 58を設けることにより、導電性のべゼル 62と導電性の見返しリ ング 36との間の導通が遮断され、べゼル 62と見返しリング 36との間で絶縁されること になるので、時計ケースによる外部力 の電波が遮蔽されにくくなり、導電性の時計 ケースなどを採用した場合にも、アンテナの受信感度が向上する。
[0228] また、最も体積の大きい導電性部品である金属製の時計ケースを、複数の部品に 分割し、これらの間を絶縁することによって、複数の部品に分割しない一体の時計ケ ースの場合に発生する大きな渦電流に比較して、分割された部品毎に、すなわち、 時計ケース胴体 11と、べゼル 62と、見返しリング 36とからなる環状部材に小さな渦電 流が発生することになるので、渦電流によるアンテナの受信感度の低下も低減でき、 導電性の時計ケース 14などを採用した場合にも、図 16および図 17に示した実施例 と同様にアンテナの受信感度が大幅に向上する。
[0229] なお、本実施例では、絶縁領域 58を、べゼル 62に形成された見返し受け部 32の 上面と、この見返し受け部 32に載置された見返しリング 36の下面との間から、段部 3 4の側面部 34bと見返しリング 36の外周面との間までの範囲に形成している力 段部 34の側面部 34bと見返しリング 36の外周面との間に隙間がありこれらが当接しない 場合には、少なくとも見返し受け部 32の上面と見返しリング 36の下面との間に第 2の
絶縁領域 58が形成されて 、ればよ 、。
[0230] 絶縁領域 58は、平面方向において、時計ケース胴体 11、べゼル 62および見返しリ ング 36の周方向の全体に渡り連続して形成するようにしてもよいが、周方向における 一部に形成してもよい。
[0231] この場合、アンテナ 26の開放端部の近くにおいてべゼル 62および見返しリング 36 の誘導電流を効果的に防止するという点では、アンテナ 26の上方近傍、特に、アン テナ 26の開放端部の上方近傍に少なくとも配置することが望ましい。
[0232] アンテナ 26の上方近傍およびアンテナ 26の開放端部の上方近傍は、上述の図 16 および図 17に示した実施例において説明した場合と同様であり、その具体例は、平 面視において図 18〜図 20に示した範囲と同様である。
(実施例 13)
図 23は、本発明の無線機能付き時計の別の実施例を示した図 22と同様な断面図 である。
[0233] この実施例の無線機能付き時計 10は、図 21に示した実施例の無線機能付き時計 と基本的には同様な構成であり、同一の構成部材には同一の符号を付してその詳細 な説明を省略する。
この無線機能付き時計 10は、時計ケース胴体 11の上面部に、べゼル収容凹部 60 が溝状に形成されており、このべゼル収容凹部 60内に、べゼル 62の下部側が嵌合 されている。
[0234] そして、時計ケース胴体 11の内周側には、フランジ形状の見返し受け部 32が環状 に突設されており、この見返し受け部 32上に、導電性の見返しリング 36が装着され ている。
[0235] この実施例における無線機能付き時計 10では、図 23に示したように、べゼル 62と 見返しリング 36とが対接する、べゼル 62の内周面 (段部 34の側面部 34b)と見返しリ ング 36の外周面との間に、絶縁領域 58が配置されている。
[0236] このような絶縁領域 58を設けることにより、導電性のべゼル 62と導電性の見返しリ ング 36との間の導通が遮断され、べゼル 62と見返しリング 36との間で絶縁されること になるので、時計ケースによる外部力 の電波が遮蔽されにくくなり、導電性の時計
ケースなどを採用した場合にも、アンテナの受信感度が向上する。
[0237] また、最も体積の大きい導電性部品である金属製の時計ケースを、複数の部品に 分割し、これらの間を絶縁することによって、複数の部品に分割しない一体の時計ケ ースの場合に発生する大きな渦電流に比較して、分割された部品毎に、すなわち、 時計ケース胴体 11と、べゼル 62と、見返しリング 36とからなる環状部材に小さな渦電 流が発生することになるので、渦電流によるアンテナの受信感度の低下も低減でき、 導電性の時計ケース 14などを採用した場合にも、図 16および図 17に示した実施例 と同様にアンテナの受信感度が大幅に向上する。
(実施例 14)
図 24は、本発明の無線機能付き時計の別の実施例を示した絶縁領域周辺の拡大 断面図である。
[0238] この実施例の無線機能付き時計 10は、図 16および図 17に示した実施例の無線機 能付き時計 10と基本的には同様な構成であり、同一の構成部材には同一の符号を 付してその詳細な説明を省略する。
[0239] この実施例の無線機能付き時計 10は、見返しリング 36の全面に絶縁領域 58を形 成している。このような絶縁領域 58は、例えば、見返しリング 36の全面に被覆した絶 縁被膜として構成することができ、その形成方法としては、例えば、デイツビングなど を挙げることができる。
[0240] このような絶縁領域 58を設けることによつても、導電性のべゼル 62と導電性の見返 しリング 36との間の導通が遮断され、べゼル 62と見返しリング 36との間で絶縁される ことになるので、時計ケースによる外部力 の電波が遮蔽されにくくなり、導電性の時 計ケースなどを採用した場合にも、アンテナの受信感度が向上する。
[0241] また、最も体積の大きい導電性部品である金属製の時計ケースを、複数の部品に 分割し、これらの間を絶縁することによって、複数の部品に分割しない一体の時計ケ ースの場合に発生する大きな渦電流に比較して、分割された部品毎に、すなわち、 時計ケース胴体 11と、べゼル 62と、見返しリング 36とからなる環状部材に小さな渦電 流が発生することになるので、渦電流によるアンテナの受信感度の低下も低減でき、 導電性の時計ケース 14などを採用した場合にも、図 16および図 17に示した実施例
と同様にアンテナの受信感度が大幅に向上する。
(実施例 15)
図 25は、本発明の別の実施例における無線機能付き時計の図 17と同様な断面図 である。なお、本実施例における無線機能付き時計の分解斜視図は図 16と同様で ある。
[0242] 本実施例の無線機能付き時計 10は、図 16および図 17に示した実施例の無線機 能付き時計と基本的には同様な構成であり、同一の構成部材には同一の符号を付し てその詳細な説明を省略する。
[0243] 本実施例における無線機能付き時計 10では、図 25に示したように、時計ケース月同 体 11の内縁側上面と、べゼル 62の内縁側下面との間に、時計ケース胴体 11とべゼ ル 62とを絶縁する絶縁領域 58が配置されて 、る。
[0244] さらに、べゼル 62に形成された見返し受け部 32の上面と、この見返し受け部 32に 載置された見返しリング 36の下面との間から、段部 34の側面部 34bと見返しリング 3
6の外周面との間までの範囲に、見返しリング 36とべゼル 62とを絶縁する絶縁領域 5
8が配置されている。
[0245] このような絶縁領域 58を設けることにより、導電性の時計ケース胴体 11および導電 性の見返しリング 36と、導電性のべゼル 62との間の導通が遮断され、時計ケース月同 体 11と、べゼル 62と、見返しリング 36との間で絶縁されることになるので、時計ケー スによる外部力もの電波が遮蔽されにくくなり、導電性の時計ケースなどを採用した 場合にも、アンテナの受信感度が向上する。
[0246] また、最も体積の大きい導電性部品である金属製の時計ケースを、複数の部品に 分割し、これらの間を絶縁することによって、複数の部品に分割しない一体の時計ケ ースの場合に発生する大きな渦電流に比較して、分割された部品毎に、すなわち、 時計ケース胴体 11と、べゼル 62と、見返しリング 36とからなる環状部材に小さな渦電 流が発生することになるので、渦電流によるアンテナの受信感度の低下も低減でき、 導電性の時計ケース 14などを採用した場合にも、図 16および図 17に示した実施例 と同様にアンテナの受信感度が大幅に向上する。
[0247] なお、本実施例では、絶縁領域 58を、時計ケース胴体 11とべゼル 62とが対接する
範囲である時計ケース胴体 11の内縁側上面とべゼル 62の内縁側下面との間に配置 しているが、これらの導電性部分が対接する範囲に応じて、少なくとも当該範囲内に 絶縁領域 58を配置すればょ ヽ。
[0248] また、本実施例では、絶縁領域 58を、べゼル 62に形成された見返し受け部 32の 上面と、この見返し受け部 32に載置された見返しリング 36の下面との間から、段部 3 4の側面部 34bと見返しリング 36の外周面との間までの範囲に形成している力 段部 34の側面部 34bと見返しリング 36の外周面との間に隙間がありこれらが当接しない 場合には、少なくとも見返し受け部 32の上面と見返しリング 36の下面との間にこれら を絶縁する絶縁領域 58が形成されて ヽればよ ヽ。
[0249] 絶縁領域 58は、平面方向にお!、て、時計ケース胴体 11、べゼル 62および見返しリ ング 36の周方向の全体に渡り連続して形成するようにしてもよいが、周方向における 一部に形成してもよい。
[0250] この場合、アンテナ 26の開放端部の近くにおいてべゼル 62および見返しリング 36 の誘導電流を効果的に防止するという点では、アンテナ 26の上方近傍、特に、アン テナ 26の開放端部の上方近傍に少なくとも配置することが望ましい。アンテナ 26の 上方近傍およびアンテナ 26の開放端部の上方近傍は、上述の図 16および図 17に 示した実施例において説明した場合と同様であり、その具体例は、平面視において 図 18〜図 20に示した範囲と同様である。
(実施例 16)
図 26は、本発明の無線機能付き時計の別の実施例を示した図 25と同様な断面図 である。
[0251] この実施例の無線機能付き時計 10は、図 21に示した実施例の無線機能付き時計 と基本的には同様な構成であり、同一の構成部材には同一の符号を付してその詳細 な説明を省略する。
[0252] この実施例の無線機能付き時計 10は、時計ケース胴体 11の上面部に、ベゼル収 容凹部 60が溝状に形成されており、このべゼル収容凹部 60内に、べゼル 62の下部 側が嵌合されている。なお、図 26中、符号 61は、べゼル 62と時計ケース胴体 11との 間を密封状態で封止するための防水パッキンである。
そして、時計ケース胴体 11の内周側には、フランジ形状の見返し受け部 32が環状に 突設されており、この見返し受け部 32上に、導電性の見返しリング 36が装着されて いる。
[0253] この実施例の無線機能付き時計 10では、図 26に示したように、時計ケース胴体 11 におけるべゼル収容凹部 60の底面と、べゼル 62の下面との間に、時計ケース胴体 1 1とべゼル 62とを絶縁する絶縁領域 58が配置されている。さらに、べゼル 62と見返し リング 36とが対接する、べゼル 62の内周面(段部 34の側面部 34b)と見返しリング 36 の外周面との間に、見返しリング 36とべゼル 62とを絶縁する絶縁領域 58が配置され ている。
[0254] このような絶縁領域 58を設けることにより、導電性の時計ケース胴体 11および導電 性の見返しリング 36と、導電性のべゼル 62との間の導通が遮断され、時計ケース月同 体 11と、べゼル 62と、見返しリング 36との間で絶縁されることになるので、時計ケー スによる外部力もの電波が遮蔽されにくくなり、導電性の時計ケースなどを採用した 場合にも、アンテナの受信感度が向上する。
[0255] また、最も体積の大きい導電性部品である金属製の時計ケースを、複数の部品に 分割し、これらの間を絶縁することによって、複数の部品に分割しない一体の時計ケ ースの場合に発生する大きな渦電流に比較して、分割された部品毎に、すなわち、 時計ケース胴体 11と、べゼル 62と、見返しリング 36とからなる環状部材に小さな渦電 流が発生することになるので、渦電流によるアンテナの受信感度の低下も低減でき、 導電性の時計ケース 14などを採用した場合にも、図 16および図 17に示した実施例 と同様にアンテナの受信感度が大幅に向上する。
(実施例 17)
図 27は、本発明の無線機能付き時計の別の実施例を示した絶縁領域周辺の拡大 断面図である。
[0256] この実施例の無線機能付き時計 10は、図 21に示した実施例の無線機能付き時計 10と基本的には同様な構成であり、同一の構成部材には同一の符号を付してその 詳細な説明を省略する。
[0257] この無線機能付き時計 10は、べゼル 62の全面に絶縁領域 58を形成している。こ
のような絶縁領域 58は、例えば、べゼル 62の全面に被覆した絶縁被膜として構成す ることができ、その形成方法としては、例えば、デイツビングなどを挙げることができる このような絶縁領域 58を設けることによつても、導電性の時計ケース胴体 11および導 電性の見返しリング 36と、導電性のべゼル 62との間の導通が遮断され、時計ケース 胴体 11と、べゼル 62と、見返しリング 36との間で絶縁されることになるので、時計ケ ースによる外部力 の電波が遮蔽されにくくなり、導電性の時計ケースなどを採用し た場合にも、アンテナの受信感度が向上する。
[0258] また、最も体積の大きい導電性部品である金属製の時計ケースを、複数の部品に 分割し、これらの間を絶縁することによって、複数の部品に分割しない一体の時計ケ ースの場合に発生する大きな渦電流に比較して、分割された部品毎に、すなわち、 時計ケース胴体 11と、べゼル 62と、見返しリング 36とからなる環状部材に小さな渦電 流が発生することになるので、渦電流によるアンテナの受信感度の低下も低減でき、 導電性の時計ケース 14などを採用した場合にも、図 16および図 17に示した実施例 と同様にアンテナの受信感度が大幅に向上する。
(実施例 18)
図 28は、本発明の別の実施例における無線機能付き時計の図 2と同様な断面図 である。
[0259] この実施例の無線機能付き時計 10は、図 1および図 2に示した無線機能付き時計
10と基本的には同様な構成であり、同一の構成部材には同一の符号を付してその 詳細な説明を省略する。
[0260] この実施例の無線機能付き時計 10では、図 28に示したように、時計ケース 14は、 複数の部品に分割されており、時計ケース胴体 11と、導電性のべゼル 62とに分割さ れている。
[0261] そして、時計ケース胴体 11の上面内側部には、べゼル収容凹部 60が段部形状に 形成されており、このべゼル収容凹部 60内にべゼル 62の下部側が嵌合される形態 で、導電性のべゼル 62が配置されている。
[0262] このべゼル 62は、べゼル収容凹部 60上に配置されるべゼル本体部 64と、べゼル
本体部 64から、文字板 24上に延設され、文字板 24上に配置される延設部 66とを備 えている。また、べゼル 62の内面側には、下方に向かって径が小さくなるテーパー面 68が形成され、このテーパー面 68上に、時字などの指標が形成される。
[0263] なお、図 28中、符号 61は、べゼル 62と時計ケース胴体 11との間を密封状態で封 止するための防水パッキンである。また、べゼル 62の上端内周側には、風防 18を密 封状態で固定するための固定 (防水)パッキン 46が介装されて 、る。
[0264] また、ムーブメント 20の側部上方の大径部 20bと、中子部材 48の上端部と、時計ケ ース胴体 11の内側部の間には、支持枠 54が介装されている。支持枠 54は、合成榭 脂などの非導電性材料カゝらなり、導電性の時計ケース胴体 11と、アンテナ 26と、時 計ケース胴体 11との平面方向に沿った隙間を確保し、アンテナ 26の受信性能を高く 維持する。
[0265] この実施例の無線機能付き時計 10では、図 28に示したように、べゼル 62と時計ケ ース胴体 11との間に、絶縁領域 58が配置されている。
[0266] このような絶縁領域 58を設けることにより、導電性の時計ケース胴体 11と導電性の べゼル 62との間の導通が遮断される。これ〖こより、時計ケース胴体 11とべゼル 62と の間で絶縁されることになるので、時計ケースによる外部力もの電波が遮蔽されにくく なり、導電性の時計ケースなどを採用した場合にも、アンテナの受信感度が向上する
[0267] また、最も体積の大きい導電性部品である金属製の時計ケースを、複数の部品に 分割し、これらの間を絶縁することによって、複数の部品に分割しない一体の時計ケ ースの場合に発生する大きな渦電流に比較して、分割された部品毎に、すなわち、 時計ケース胴体 11とべゼル 62とからなる環状部材に小さな渦電流が発生することに なるので、渦電流によるアンテナの受信感度の低下も低減でき、導電性の時計ケー スなどを採用した場合にも、アンテナ 26の受信感度は大幅に向上する。
[0268] この場合、絶縁領域 58としては、図 1および図 2の実施例に示したような絶縁被膜、 絶縁部材を採用することができ、また、図 10に示した実施例のように、べゼル 62の全 面に絶縁領域 58を形成することもできることは、上記で説明した全ての実施例と同様 である。
[0269] 絶縁領域 58は、平面方向において、時計ケース胴体 11、べゼル 62の周方向の全 体に渡り連続して形成するようにしてもょ ヽが、周方向における一部に形成してもよ い。この場合、アンテナ 26の開放端部の近くにおいてべゼル 62の誘導電流を効果 的に防止するという点では、アンテナ 26の上方近傍、特に、アンテナ 26の開放端部 の上方近傍に少なくとも配置することが望ましい。アンテナ 26の上方近傍およびアン テナ 26の開放端部の上方近傍は、上述の実施例 1において説明した場合と同様で あり、その具体例は、平面視において図 3〜図 5に示した範囲と同様である。
[0270] ところで、このような金属製外装が採用され、金属製の時計ケース 14を複数の部品 に分割されており、時計ケース胴体 11と、導電性のべゼル 62とに分割された無線機 能付き時計 10においては、人の手首側でグランドとして機能する裏蓋 16と時計ケー ス胴体 11と、べゼル 62と力 防水パッキン 61、絶縁領域 58によって電気的に絶縁 状態となっている場合には、風防 18側からの静電気がべゼル 62に蓄積してしまうこ とがある。
[0271] この静電気の作用によって、図 35の特許文献 2の点線で示したように、分針 222が 風防 208側に当接してしまい、分針 222が動力ない状態が生じたり、静電気の作用 によって、このような分針 222を伝って、静電気がムーブメント 216に達して、ムーブメ ント 216の作動を阻害してしまうことになる。
[0272] このため、本願発明では、図 28に示したように、最も風防 18の近くに配置される指 針 70における開放端、特に最も針軸 31から離れた開放端上面と、風防 18の下面と の最短距離 Lを、指針 70の材質、剛性、形状などによるが、腕時計であるならば、好 ましくは、 400 μ m以上、より好ましくは 450 μ m以上、さら〖こ好ましくは 500 μ m以上 としている。
[0273] なお、この場合、距離 Lの上限は、腕時計の意匠によって決定されるものである。
[0274] また、例えば、図 29に示したように、風防 18が湾曲している場合には、指針 70の直 ぐ上方までの距離ではなぐ指針 70と風防 18の最短距離を意味するものである。
[0275] また、文字板 24として、ソーラー駆動腕時計であるので透光性、非導電性、非磁性 材料が主体となるため、時計ケース胴体 11やべゼル 62など、周囲の導電性部品と 絶縁されるようになって 、る。
[0276] これにより、上記のように静電気力 風防 18側からの静電気がべゼル 62に蓄積し た場合にも、が指針 70動力ない状態が生じたり、静電気の作用によって、このような 指針 70を伝って、静電気がムーブメント 20に達して、ムーブメント 216の作動を阻害 してしまうことが防止されるようになって!/、る。
(実施例 19)
図 30は、本発明の別の実施例における無線機能付き時計の図 2と同様な断面図 である。
[0277] この実施例の無線機能付き時計 10は、図 1および図 2に示した無線機能付き時計
10と基本的には同様な構成であり、同一の構成部材には同一の符号を付してその 詳細な説明を省略する。
[0278] この実施例の無線機能付き時計 10では、図 30に示したように、時計ケース 14は、 複数の部品に分割されており、時計ケース胴体 11と、導電性のべゼル 62とに分割さ れている。また、この時計ケース胴体 11は、上部時計ケース胴体 13と、下部時計ケ ース胴体 15とに、さらに分割されている。
[0279] そして、上部時計ケース胴体 13の上面内側部には、べゼル収容凹部 60が段部形 状に形成されており、このべゼル収容凹部 60内にべゼル 62の下部側が嵌合される 形態で、導電性のべゼル 62が配置されている。
[0280] なお、図 30中、符号 61は、べゼル 62と上部時計ケース胴体 13との間を密封状態 で封止するための防水ノ¾ /キン、符号 63は、上部時計ケース胴体 13と、下部時計ケ ース胴体 15との間に介装され、上部時計ケース胴体 13と、下部時計ケース胴体 15 との間を密封状態で封止するための防水パッキンある。
[0281] この実施例の無線機能付き時計 10では、図 30に示したように、べゼル 62と上部時 計ケース胴体 13との間、ならびに、上部時計ケース胴体 13と下部時計ケース胴体 1
5との間に、それぞれ絶縁領域 58が配置されている。
[0282] このような絶縁領域 58を設けることにより、導電性のべゼル 62と上部時計ケース月同 体 13との間、ならびに、上部時計ケース胴体 13と下部時計ケース胴体 15との間の 導通が遮断される。
[0283] これにより、べゼル 62と上部時計ケース胴体 13との間、ならびに、上部時計ケース
胴体 13と下部時計ケース胴体 15との間で、それぞれ絶縁されることになるので、時 計ケースによる外部力 の電波が遮蔽されにくくなり、導電性の時計ケースなどを採 用した場合にも、アンテナの受信感度が向上する。
[0284] また、最も体積の大きい導電性部品である金属製の時計ケースを、複数の部品に 分割し、これらの間を絶縁することによって、複数の部品に分割しない一体の時計ケ ースの場合に発生する大きな渦電流に比較して、分割された部品毎に、すなわち、 上部時計ケース胴体 13と、下部時計ケース胴体 15とべゼル 62とからなる環状部材 に小さな渦電流が発生することになるので、渦電流によるアンテナの受信感度の低 下も低減でき、導電性の時計ケースなどを採用した場合にも、アンテナ 26の受信感 度は大幅に向上する。
(実施例 20)
図 31は、本発明の別の実施例における無線機能付き時計の図 30と同様な断面図 である。
[0285] この実施例の無線機能付き時計 10は、図 30に示した無線機能付き時計 10と基本 的には同様な構成であり、同一の構成部材には同一の符号を付してその詳細な説 明を省略する。
[0286] この実施例の無線機能付き時計 10では、図 31に示したように、べゼル 62と上部時 計ケース胴体 13との間、上部時計ケース胴体 13と下部時計ケース胴体 15との間だ けでなぐさらに、下部時計ケース胴体 15と裏蓋 16との間に、それぞれ絶縁領域 58 が配置されている。
[0287] このような絶縁領域 58を設けることにより、導電性の上部時計ケース胴体 13と導電 性のべゼル 62との間、上部時計ケース胴体 13と下部時計ケース胴体 15との間、な らびに、下部時計ケース胴体 15と裏蓋 16との間の導通が遮断される。
[0288] これにより、上部時計ケース胴体 13と導電性のべゼル 62との間、上部時計ケース 胴体 13と下部時計ケース胴体 15との間、ならびに、下部時計ケース胴体 15と裏蓋 1 6との間で、それぞれ絶縁されることになるので、時計ケースによる外部力もの電波が 遮蔽されに《なり、導電性の時計ケースなどを採用した場合にも、アンテナの受信 感度が向上する。
[0289] また、最も体積の大きい導電性部品である金属製の時計ケースを、複数の部品に 分割し、これらの間を絶縁することによって、複数の部品に分割しない一体の時計ケ ースの場合に発生する大きな渦電流に比較して、分割された部品毎に、すなわち、 上部時計ケース胴体 13と、下部時計ケース胴体 15とべゼル 62とからなる環状部材 に小さな渦電流が発生することになるので、渦電流によるアンテナの受信感度の低 下も低減でき、導電性の時計ケースなどを採用した場合にも、アンテナ 26の受信感 度は大幅に向上する。
(実施例 21)
図 32は、本発明の別の実施例における無線機能付き時計の図 2と同様な断面図 である。
[0290] この実施例の無線機能付き時計 10は、図 1および図 2、図 9に示した無線機能付き 時計 10と基本的には同様な構成であり、同一の構成部材には同一の符号を付して その詳細な説明を省略する。
[0291] この実施例の無線機能付き時計 10では、図 31に示したように、時計ケース 14は、 複数の部品に分割されており、時計ケース胴体 11と、導電性のべゼル 62と、見返し リング 36とに分割されている。また、この時計ケース胴体 11は、図 31に示した実施例 と同様に、上部時計ケース胴体 13と、下部時計ケース胴体 15とに、さらに分割され ている。
[0292] そして、時計ケース胴体 11の内周側には、フランジ形状の見返し受け部 32が環状 に突設されており、この見返し受け部 32によって形成される段部 34上に、導電性の 見返しリング 36が装着されて 、る。
[0293] なお、図 31中、符号 61は、べゼル 62と上部時計ケース胴体 13との間を密封状態 で封止するための防水ノ¾ /キン、符号 63は、上部時計ケース胴体 13と、下部時計ケ ース胴体 15との間に介装され、上部時計ケース胴体 13と、下部時計ケース胴体 15 との間を密封状態で封止するための防水パッキンある。
[0294] この実施例の無線機能付き時計 10では、図 31に示したように、べゼル 62と上部時 計ケース胴体 13との間、ならびに、上部時計ケース胴体 13と下部時計ケース胴体 1
5との間に、それぞれ絶縁領域 58が配置されている。
[0295] また、図 31に示したように、べゼル 62に形成された見返し受け部 32の上面と、この 見返し受け部 32に載置された見返しリング 36の下面との間から、段部 34の側面部 3 4bと見返しリング 36の外周面との間までの範囲に、絶縁領域 58が配置されている。
[0296] このような絶縁領域 58を設けることにより、導電性の上部時計ケース胴体 13と導電 性のべゼル 62との間、上部時計ケース胴体 13と下部時計ケース胴体 15との間、な らびに、導電性のべゼル 62と導電性の見返しリング 36との間の導通が遮断される。
[0297] これにより、上部時計ケース胴体 13と導電性のべゼル 62との間、上部時計ケース 胴体 13と下部時計ケース胴体 15との間、ならびに、導電性のべゼル 62と導電性の 見返しリング 36との間で、それぞれ絶縁されることになるので、時計ケースによる外部 力もの電波が遮蔽されに《なり、導電性の時計ケースなどを採用した場合にも、アン テナの受信感度が向上する。
[0298] また、最も体積の大きい導電性部品である金属製の時計ケースを、複数の部品に 分割し、これらの間を絶縁することによって、複数の部品に分割しない一体の時計ケ ースの場合に発生する大きな渦電流に比較して、分割された部品毎に、すなわち、 上部時計ケース胴体 13と、下部時計ケース胴体 15と、べゼル 62と、見返しリング 36 と力 なる環状部材に小さな渦電流が発生することになるので、渦電流によるアンテ ナの受信感度の低下も低減でき、導電性の時計ケースなどを採用した場合にも、ァ ンテナ 26の受信感度は大幅に向上する。
(実施例 22)
図 33は、本発明の別の実施例における無線機能付き時計の図 32と同様な断面図 である。
[0299] この実施例の無線機能付き時計 10は、図 32に示した無線機能付き時計 10と基本 的には同様な構成であり、同一の構成部材には同一の符号を付してその詳細な説 明を省略する。
[0300] この実施例の無線機能付き時計 10では、図 32に示したように、べゼル 62と上部時 計ケース胴体 13との間、上部時計ケース胴体 13と下部時計ケース胴体 15との間、 ならびに、下部時計ケース胴体 15と裏蓋 16との間に、それぞれ絶縁領域 58が配置 されている。
[0301] また、図 32に示したように、べゼル 62に形成された見返し受け部 32の上面と、この 見返し受け部 32に載置された見返しリング 36の下面との間から、段部 34の側面部 3 4bと見返しリング 36の外周面との間までの範囲に、絶縁領域 58が配置されている。
[0302] このような絶縁領域 58を設けることにより、導電性の上部時計ケース胴体 13と導電 性のべゼル 62との間、上部時計ケース胴体 13と下部時計ケース胴体 15との間、下 部時計ケース胴体 15と裏蓋 16との間、ならびに、導電性のべゼル 62と導電性の見 返しリング 36との間の導通が遮断される。
[0303] これにより、上部時計ケース胴体 13と導電性のべゼル 62との間、上部時計ケース 胴体 13と下部時計ケース胴体 15との間、下部時計ケース胴体 15と裏蓋 16との間、 ならびに、導電性のべゼル 62と導電性の見返しリング 36との間で、それぞれ絶縁さ れることになるので、時計ケースによる外部力もの電波が遮蔽されにくくなり、導電性 の時計ケースなどを採用した場合にも、アンテナの受信感度が向上する。
[0304] また、最も体積の大きい導電性部品である金属製の時計ケースを、複数の部品に 分割し、これらの間を絶縁することによって、複数の部品に分割しない一体の時計ケ ースの場合に発生する大きな渦電流に比較して、分割された部品毎に、すなわち、 上部時計ケース胴体 13と、下部時計ケース胴体 15と、べゼル 62と、見返しリング 36 と力 なる環状部材に小さな渦電流が発生することになるので、渦電流によるアンテ ナの受信感度の低下も低減でき、導電性の時計ケースなどを採用した場合にも、ァ ンテナ 26の受信感度は大幅に向上する。
[0305] 以下、上述した実施例の電波腕時計を用いた試験例について説明する。
<電波腕時計 >
見返しリング:黄銅の表面にニッケルメツキを施したもの
時計ケース:ステンレススチール (SUS316L)
裏蓋:ステンレススチール (SUS316L)
絶縁領域: PETフィルム
<試験内容 >
上記部材を組み立てて図 2の構造をもつ電波腕時計を作製し、ハウジング内に収容 されたアンテナの利得を測定した (試験例 1)。受信電波は、標準電波 (40Hz、 60H
z)であった。
[0306] 比較用として、アンテナをハウジングに収容せず電波を直接受信した (試験例 2)。
[0307] また、絶縁領域を設けな力つた以外は試験例 1と同様にして図 2の構造をもつ電波 腕時計を作製し、ハウジング内に収容されたアンテナの利得を測定した (試験例 3)。
[0308] その結果、絶縁領域を設けた試験例 1では、アンテナをハウジングに収容せず電波 を直接受信した試験例 2と同程度の受信感度を有しており、絶縁領域を設けなかつ た試験例 3と比較して受信感度が大幅に上昇した。
[0309] また、以下、上述した実施例の電波腕時計を用いた試験例について説明する。
<電波腕時計 >
べゼル:ステンレススチール (SUS316L)
見返しリング:黄銅の表面にニッケルメツキを施したもの
時計ケース:ステンレススチール (SUS316L)
裏蓋:ステンレススチール (SUS316L)
絶縁領域:(PETフィルム)
<試験内容 >
上記部材を組み立てて図 17の構造をもつ電波腕時計を作製し、ハウジング内に収 容されたアンテナの利得を測定した (試験例 4)。受信電波は、標準電波 (40Hz、 60 Hz)であった。
[0310] 比較用として、アンテナをハウジングに収容せず電波を直接受信した (試験例 5)。
[0311] また、絶縁領域を設けな力つた以外は試験例 1と同様にして図 2の構造をもつ電波 腕時計を作製し、ハウジング内に収容されたアンテナの利得を測定した (試験例 6)。 その結果、絶縁領域を設けた試験例 4では、アンテナをハウジングに収容せず電波 を直接受信した試験例 5と同程度の受信感度を有しており、絶縁領域を設けなかつ た試験例 6と比較して受信感度が大幅に上昇した。
[0312] 以上、本発明の実施例について説明したが、本発明は、上述した実施例に何ら限 定されるものではなぐその要旨を逸脱しない範囲内において各種の変形、変更が 可能である。例えば、見返しリングと時計ケースまたはべゼルとの取り付け、文字板と 時計ケースとの取り付け、時計ケースと裏蓋との固定、時計ケースまたはべゼルと風
防との固定などの方法としては、各種の方法を適用できる。
[0313] また、以上の実施例では、文字板 24と、べゼル 62、見返しリング 36、時計ケース月同 体 11との間には、絶縁領域 58が配置されていないが、例えば、文字板 24が導電性 を有する金属製などの場合には、文字板 24とこれらの部材の間などにも、上記実施 例のように絶縁領域 58を配置することも可能である。
[0314] また、例えば、絶縁領域は、本発明の効果が得られるのであれば適宜の位置に配 置することができる。図 16および図 17の実施例では、時計ケース 14の内縁側上面と 、べゼル 62の内縁側下面との間に、絶縁領域 58を配置した力 これに代えて、時計 ケース 14の外縁側上面と、べゼル 62の外縁側下面との間に絶縁領域 58を配置する ようにしてもよい。
[0315] また、図 21に示した実施例では、時計ケース 14におけるべゼル収容凹部 60の底 面と、べゼル 62の下面との間に絶縁領域 58を配置した力 これに代えて、時計ケー ス 14の外縁側上面と、べゼル 62における外側に延出した部分の下面との間に絶縁 領域 58を配置するようにしてもよい。これらは図 25に示した実施例および図 26に示 した実施例につ ヽても同様である。
[0316] 例えば、時計ケースや見返しリングとべゼルとの取り付け、文字板と時計ケースとの 取り付け、時計ケースと裏蓋との固定、ベゼルと風防との固定などの方法としては、各 種の方法を適用できる。
[0317] 実施例にお!、て例示した各部品の相対的な位置関係は、必要に応じて適宜に変 更できる。また、部品それぞれの機能が達成されれば、部品それぞれの材質や形状 は何ら限定されるものではな 、。
[0318] 裏蓋と時計ケースとが一体化された単一の部品である態様、文字板と時計ケースと がー体ィヒされた単一の部品である態様、および、時計ケースと風防とがー体ィヒされ た単一の部品である態様も本発明に含まれる。
[0319] 文字板は、液晶表示ユニットに置換されてもよい。液晶表示ユニットが用いられた場 合、表示針は排除されてもよい。本発明における無線機能付き時計の構造は、腕時 計に適用された場合に上述の顕著な効果を発揮する。し力しながら、本発明におけ る無線機能付き時計の構造は、腕時計以外に、置き時計や掛け時計にも適用され得
る。
[0320] 上述した実施例では、時刻情報を含む長波標準電波 (搬送波)を受信し、その時刻 情報に基づ 、て時刻を修正する無線機能を備えた電波時計にっ 、て説明したが、 本発明における無線機能付き時計の構造は、パソコン通信機能、携帯電話機能や 非接触式 ICカード機能などの無線機能を備える時計にも適用され得る。
産業上の利用可能性
[0321] 本発明は、無線機能付き時計、特に、所定の電波を受信できるアンテナと、アンテ ナを収容するための導電性のハウジングを備えた時計に関し、特に、ハウジングの少 なくとも一部を構成し、少なくとも一部が導電性である時計ケースが、複数に分割され た部品、例えば、導電性の胴体、導電性のベゼル、導電性の見返しリングを備えた 時計に適用できる。