JP5866860B2 - 無線機能付き時計 - Google Patents

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Description

本発明は、無線電波を受信可能な無線機能付き時計に関する。
近年、無線通信機能を備えた時計が開発されている。このような無線通信機能としては、例えばGPS(Global Positioning System)など、位置情報衛星からの無線電波を受けて現在時刻を取得する機能が利用されている。
このような無線機能付き時計として、例えば腕時計に無線機能を付与する場合、限られたスペースで良好な機能を確保できるアンテナが要求される(例えば、特許文献1−3参照)。
特許文献1−3には、衛星通信システムの端末機能を有する腕時計あるいは無線放送信号の送受信機能を有する腕時計が開示されている。
特許文献1では、表示部の周囲に誘電体基板を伴うC型ループアンテナを配置するとともに、腕時計の金属製本体ベースをグランド板として利用している。
特許文献2では、腕時計の表示部の隣にGPSアンテナを並べて設置している。GPSアンテナは、腕時計のメタルケースに両面テープで固定される。
特許文献3では、アンテナおよび送受信回路を一括して樹脂製のベゼルに設置し、ベゼルの着脱により腕時計に送受信機構を簡単に付加できるようにしている。アンテナはベゼルで覆われて外観上は隠される。
特開2000−59241号公報 特開2001−27680号公報 特開平10−160872号公報
ところで、時計においては、時刻表示や通信などの実用的な機能性だけではなく、高品質な質感が要求される。
このような時計では、ケースや文字板などの外装に、精密仕上げが施された金属素材が利用される。また、通信用アンテナなどの機能要素は、外観性を損なわないように極力内装化あるいは被覆などをすることが要求される。
このような要求に対して、前述した特許文献1,2の構成は、通信用アンテナが表示部に隣接して大きく露出し、前述した質感をも考慮すると採用することができない。
また、前述した特許文献3の構成は、外観上の問題を生じにくいものの、十分なアンテナ性能を確保できないという問題がある。すなわち、特許文献3では、通信用アンテナが露出しないものの、グランド板が確保できない。
そして、前述した金属製のケースおよび文字板は、質感上好ましい反面、その導電性により内部を電磁遮蔽する。このため、これら金属製のケースおよび文字板の内部にアンテナを収容した場合、十分なアンテナ性能が得られないという問題がある。
本発明の主な目的は、良好な質感と良好なアンテナ性能とを同時に確保できる無線機能付き時計を提供することである。
本発明の無線機能付き時計は、時刻表示用のムーブメントと、前記ムーブメントを収容する導電性のケース本体と、前記ケース本体の表面側に設けられ、前記ムーブメントの表面側を覆うカバーガラスと、環状または略環状の導電性のアンテナ電極および環状の誘電体基材を有し、前記ムーブメントおよび前記カバーガラスの間に配置されるアンテナと、前記ムーブメントおよび前記アンテナの間に配置される導電性を有した導体板と、を備え、前記導体板の外径は、該導体板が配置される平面における前記ケース本体の内径より小さいことを特徴とする。
ここで、アンテナを構成する環状または略環状のアンテナ電極とは、周方向で連続した環状のアンテナ電極の他、環の一部が欠けた例えばC字形状である略環状のアンテナ電極をも含むものである。
このような発明においては、導体板はムーブメントおよびアンテナ間に配置される。そして、腕時計などでは時計の厚さ寸法に制約があるため、時計の厚さ方向に順次配置されるアンテナ、導体板、ムーブメントの各距離は、例えばGPSなどの位置情報衛星からの無線電波の波長に対して極めて短いこととなる。このことから、導体板はアンテナ電極の近傍に配置され、導体板はアンテナ電極と同じ電流分布となってアンテナの一部として機能する。そして、導体板が配置される平面におけるケース本体の内径より、導体板の外径を小さく形成しているので、導体板がケース本体に接触しない、もしくは接触しても1点または2点程度となる。このことにより、導電性のケース本体と導体板が同電位になることがなく、導体板の電位がグランドレベルに落ちて導体板に電流が誘起しなくなるという不都合を防止でき、アンテナ性能の劣化を防止できる。
また、アンテナ電極は、環状の誘電性基材上に設けられている。一般に、アンテナ電極としては、受信する無線電波の波長に対応した長さ以上に形成される必要があり、例えば腕時計などのような小型の時計では、アンテナ電極の長さを確保することが困難となる。これに対して、本発明では、誘電性基材上にアンテナ電極を設けることで、入力される無線電波の波長を誘電性基材により短縮でき、所定波長の無線電波を、その無線電波の波長より短い長さ寸法のアンテナ電極で受信することが可能となる。また、誘電性基材が環状に形成されているため、導体板の外周縁に沿って配置することができ、時計の外観を悪化させることがない。
したがって、時計の質感を高品質に維持した状態で、良好なアンテナ性能を確保した無線機能付き時計を提供できる。
本発明の無線機能付き時計では、前記導体板は、外周縁が前記ケース本体の内周面から離間して配置されていることが好ましい。
この発明では、導体板の外周縁がケース本体の内周面から離間するので、導体板が導電性のケース本体に接触しない。このことにより、導体板に電流が確実に誘起してアンテナ性能の劣化を確実に防止できる。
本発明の無線機能付き時計では、前記導体板の外周縁と前記ケース本体の内周面との間に介在されるスペーサーを備えていることが好ましい。
この発明では、導体板の外周縁とケース本体の内周縁との間にスペーサーを介在することで、導体板の外周縁をケース本体の内周面から離間させている。このことにより、導体板を位置決めして固定することが容易にできる。このため、製造性を向上できるとともに、導体板とケース本体との距離が安定してアンテナ特性のばらつきを防止でき、安定した特性を提供できる。
本発明の無線機能付き時計では、前記導体板は、前記ケース本体の内周面に1点または2点のみで接触して配置されていることが好ましい。
この発明では、導体板をケース本体の内周面に1点または2点のみで接触して配置させているので、3点以上接触して配置する場合に比べて、導体板の電位が低減する割合が小さくなる。このため、アンテナ特性の劣化が少なく、かつ導体板を設けない場合に比べて高いアンテナ特性が得られる。また、導体板をケース本体の内面に1点または2点であれば接触させてもよいことから、例えばケース本体に接触させて導体板を位置決めして配置させるなどしてもよく、設計上の自由度が向上して製造性も向上できる。
本発明の無線機能付き時計では、前記ケース本体に取り付けられ、無線電波を反射する反射板として機能する導電性部材にて形成された裏蓋を備えていることが好ましい。
この発明では、裏蓋を導電性部材にて形成して無線電波を反射する反射板として機能させている。すなわち、アンテナと裏蓋(反射板)とはある程度の距離で離間する状態であることから、導電性の裏蓋は無線電波の反射板として機能し、アンテナでの受信性能を向上できる。特に、裏蓋は、比較的に外形寸法を大きく設計しやすいため、無線電波の反射効率の向上が容易で、アンテナの特性を容易に向上できる。
本発明の無線機能付き時計では、前記導体板は、外径が前記アンテナ電極の外径と同一または前記アンテナ電極の外径より大きいことが好ましい。
この発明では、導体板は、外径がアンテナ電極の外径以上の径寸法に形成されている。このことから、アンテナの一部として機能する導体板で効率よく電流が誘起し、アンテナの特性を向上できる。
本発明の無線機能付き時計では、前記導体板は、時刻表示用の文字板であることが好ましい。
この発明では、文字板を質感の高い金属製とした場合など、この文字板自体をアンテナの一部として機能する導体板として兼用することができ、時計の構成をより簡略化できる。
本発明の無線機能付き時計では、透光性を有する時刻表示用の文字板と、前記文字板および前記ムーブメントの間に配置され、光を受光して発電するソーラーパネルと、を備え、前記導体板は、前記ソーラーパネルを支持するソーラーパネル支持基板であることが好ましい。
この発明では、ソーラーパネルを組み込む場合に、ソーラーパネルを支持するソーラーパネル支持基板を、アンテナの一部として機能する導体板として兼用することができ、時計の構成をより簡略化できる。
本発明の無線機能付き時計は、透光性を有する時刻表示用の文字板と、前記文字板および前記ムーブメントの間に配置され、光を受光して発電するソーラーパネルと、を備え、前記導体板は、前記ソーラーパネルを支持するソーラーパネル支持基板と、前記ソーラーパネルの周囲に配置された環状導体板とで構成されていることが好ましい。
この発明では、ソーラーパネルの支持基板と、環状導体板との2部材で導体板を構成し、ソーラーパネルを組み込む場合に、環状の導体板をソーラーパネルの周囲に配置しているので、ソーラーパネル支持基板をアンテナとムーブメントの間まで拡大させる必要がない。このため、ソーラーパネル支持基板は、ソーラーパネルとほぼ同じサイズの一般的なものを用いることができる。このため、部品を共通化できてコストを抑えることができる。
本発明の無線機能付き時計では、前記アンテナ電極は、前記アンテナの誘電体基材上における前記カバーガラスに対向する面に設けられていることが好ましい。
この発明では、誘電体基材におけるカバーガラスに対向する面にアンテナ電極を設けることで、導電性のケース本体からアンテナ電極が離間して、導電性のケース本体により無線電波が遮蔽されにくくなり、アンテナの受信性能を向上できる。
本発明の無線機能付き時計では、前記アンテナ電極は、周方向の一部に切り込み部が切り欠かれたC字形に形成され、前記アンテナ電極に給電する給電点は、アンテナ電極の中心点と前記切り込み部が設けられた位置とを結ぶ線分と、アンテナ電極の中心点と前記給電点とを結ぶ線分とで作られる中心角があらかじめ設定された所定角度となる1箇所に設けられることが好ましい。
この発明では、切り込み部が設けられた位置から中心角で所定の角度で離間した位置で給電することで、円偏波である例えばGPS衛星からの無線電波を受信できる。このことにより、地球上のどこであってもGPS衛星からの無線電波を受信することができ、常に正確な時刻を維持できる。ここで、円偏波としては、例えば、GPS:Global Positioning System、ガリレオ(欧州衛星ナビゲーションシステム)、SBAS:Satellite-Based Augmentation Systemなどの位置情報衛星から発信される衛星信号が例示できる。
本発明の無線機能付き時計である第1実施形態のGPS付き腕時計を示す概略図。 前記第1実施形態のGPS付き腕時計の概略断面図。 前記第1実施形態のGPS付き腕時計の平面図。 前記第1実施形態のGPS付き腕時計に組み込まれる内部構造の分解斜視図。 前記実施形態のGPS付き腕時計のハードウエア構成を示す概略図。 本発明の第2実施形態のGPS付き腕時計の概略断面図。 前記第2実施形態のGPS付き腕時計の平面図。 前記第2実施形態のGPS付き腕時計に組み込まれる内部構造の分解斜視図。 本発明の第3実施形態のGPS付き腕時計の概略断面図。 本発明の第4実施形態のGPS付き腕時計の概略断面図。 前記第4実施形態のGPS付き腕時計に組み込まれる一部の内部構造の分解斜視図。 本発明の第5実施形態のGPS付き腕時計の平面図。 前記第5実施形態のGPSアンテナの一例を示す概略斜視図。 他の実施形態のGPSアンテナの一例を示す概略斜視図。 さらに他の実施形態のGPSアンテナの一例を示す概略斜視図。 文字板の大きさとアンテナゲインとの関係を示すGPSアンテナの放射パターンのシミュレーション結果を示す特性図。 文字板と外装ケースとの接触状態とアンテナゲインとの関係を確認する検討を説明するための概念図。 文字板と外装ケースとの接触状態とピークゲインとの関係を示すグラフ。
以下、本発明の具体的な実施形態を図面に基づいて説明する。
〔第1実施形態〕
図1ないし図5には、本発明の第1実施形態が示されている。
図1に示すように、GPS付き腕時計1は、文字板2および指針3を備えた時刻表示用の時刻表示部を備える。
文字板2は、非導電性部材、例えば合成樹脂やより高級な質感が得られるセラミックスなどにて円板状に形成されている。そして、文字板2の一部には開口が形成され、情報表示部としてのLCD(Liquid Crystal Display)パネルなどからなるディスプレイ4が組み込まれている。
指針3は、秒針、分針、時針等を備えて構成され、後述するステップモーターおよび歯車列を含む駆動機構を介して駆動される。なお、指針3は面積が小さいことから、金属製であっても無線電波の受信に支障ないが、非導電性材料であれば無線電波が遮断される影響を回避できて好ましい。
ディスプレイ4はLCDパネルなどで構成され、緯度、経度や都市名などの位置情報を表示する他、メッセージ情報を表示する。
そして、GPS付き腕時計1は、地球の上空を所定の軌道で周回している複数のGPS衛星5a,5b,5c,5dからの衛星信号を受信して衛星時刻情報を取得し、内部時刻情報を修正できるように構成されている。
なお、GPS衛星5a,5b,5c,5dは、本発明における位置情報衛星の一例であり、地球の上空に複数存在している。現在は約30個のGPS衛星5a,5b,5c,5dが周回している。
また、GPS付き腕時計1には、外部操作用のリュウズ6、ボタン7,8が設けられている。
[GPS付き腕時計1の内部構成]
次に、GPS付き腕時計1の内部構成について説明する。
図2は、GPS付き腕時計の概略断面図である。図3は、GPS付き腕時計の平面図である。図4は、GPS付き腕時計に組み込まれる内部構造の分解斜視図である。
図2および図3に示すように、GPS付き腕時計1は、指針3を駆動するムーブメント110と、ムーブメント110を収容するケース10とを備えている。
ケース10は、本発明のケース本体である円筒状の外装ケース101と、この外装ケース101の一方の開口(図2下側)を塞ぐ裏蓋102とを備えている。
外装ケース101および裏蓋102は、BS(真鍮)、SUS(ステンレス鋼)、チタン合金などの導電性の金属材料で構成される。裏蓋102は外装ケース101の開口に対してねじ構造により接続される。これにより、ケース10内には、外装ケース101の他方の開口(図2上側)に開口面103を有するキャビティ104が形成され、このキャビティ104にムーブメント110が収容される。なお、キャビティ104の平面形状、つまり外装ケース101の内周面の平面形状は、外装ケース101が円筒状であることから円形とされている。
ムーブメント110は、前述した指針3による時刻表示を行うとともにGPS衛星5a,5b,5c,5dからの信号受信を行う。指針3は、文字板2の表面側(図2上側)に配置され、ムーブメント110はソーラーパネル支持基板120の背面側(図2下側)に配置される。
そして、ムーブメント110は、時刻表示およびGPS機能を処理する回路素子(ICなど)が実装された回路基板25、指針3を駆動するステップモーターおよび歯車列を含む駆動機構19、これらに電力を供給する二次電池24を備えている。
回路基板25に実装された回路素子としては、GPS衛星5a,5b,5c,5dから受信した信号を処理する受信部18、駆動機構19の制御を行う制御部20が含まれている。受信部18は、ノイズの影響を避けるために、本発明のアンテナを構成するGPSアンテナ11、LCDパネルなどで構成されたディスプレイ4に対して回路基板25の反対側(裏蓋側)で、かつ回路基板25の中央部に設けられる。また、制御部20は回路基板25のソーラーパネル支持基板120側の表面に配置されている。
GPS付き腕時計1は、キャビティ104の開口面103に配置されたソーラーパネル支持基板120を備える。このソーラーパネル支持基板120の表面側に、ソーラーパネル120Aおよび文字板2が設けられている。
ソーラーパネル支持基板120は、例えば、BS(真鍮)、SUS(ステンレス鋼)、チタン合金などの金属材料により形成される厚さ寸法が例えば0.1mmの導電性基板である。このことにより、ソーラーパネル支持基板120は、詳細は後述するが、近接して配置されるGPSアンテナ11と同じ電流分布となってGPSアンテナ11の一部として機能する。
このソーラーパネル支持基板120は、ケース10への組み入れ前において、該ソーラーパネル支持基板120が配置される平面における外装ケース101の内周径寸法より僅かに小さい径寸法を有する円板形状に形成される。具体的には、外装ケース101において、ソーラーパネル支持基板120が配置された高さ位置の内径と、ソーラーパネル支持基板120の外径とを比較した場合、外装ケース101の内径より、ソーラーパネル支持基板120の外径が小さい。すなわち、ソーラーパネル支持基板120が外装ケース101に接触しないように形成されている。逆に、ソーラーパネル支持基板120が配置される平面以外では、外装ケース101の内径がソーラーパネル支持基板120の外径より小さい部分があってもよい。このような部分があっても、ソーラーパネル支持基板120と高さ位置が異なれば、ソーラーパネル支持基板120に外装ケース101が接触することがないためである。なお、外装ケース101の内周面の平面形状を円形として説明するが、ソーラーパネル支持基板120が配置される平面以外では、外装ケース101の内周面の平面形状は円形に限らず、角形などとしてもよい。
このように、ソーラーパネル支持基板120は、外周縁が外装ケース101の内周面と離間して接触することなく配置される。なお、ソーラーパネル支持基板120はムーブメント110に取り付けられているので、ムーブメント110が外装ケース101に対して位置決めされることで、外装ケース101から離間する位置に位置決めされて配置される。
そして、ソーラーパネル支持基板120の表面側には、ソーラーパネル120Aが固定され、カバーガラス130側から入射する光により発電が実施される。このソーラーパネル120Aは、図2および図4に示すように、充電制御回路51(図5参照)に導通コイルばね25Aを介して接続され、発電により得られる電力は、この充電制御回路51を介して、適宜二次電池24に蓄電される。
さらに、ソーラーパネル120Aの表面には、文字板2が貼られている。ここで、文字板2およびソーラーパネル120Aは、各々の外周径がダイヤルリング140の内周径に合わせて形成され、各々の外周はダイヤルリング140の内周に隙間なく密着され、ソーラーパネル支持基板120が外部から視認されることはない。文字板2およびソーラーパネル120Aは同じ外形寸法とされている。また、ソーラーパネル支持基板120の外形寸法は、ソーラーパネル120Aよりも大きな寸法とされ、前記GPSアンテナ11の下面位置まで拡大されている。
文字板2は、例えばポリカーボネートなどの非導電性の合成樹脂材料にて形成され、透光性を有し、ソーラーパネル120Aへの入射光の透過を妨げることがない。
また、図2および図4に示すように、ソーラーパネル支持基板120の外周縁の一部、具体的には、平面視で文字板2の時刻9時および10時の目盛間には、カバーガラス130側の空間とムーブメント110側の空間を連通する切欠凹部121が形成されている。
GPS付き腕時計1は、ソーラーパネル支持基板120の外周に沿って配置されたGPSアンテナ11を備えている。
GPSアンテナ11は、前述したGPS衛星5a,5b,5c,5dからの信号を受信するものであり、ソーラーパネル支持基板120の表面側に配置され、ソーラーパネル支持基板120の外周縁と、GPSアンテナ11の外周縁とが略一致する状態に形成されている。すなわち、ソーラーパネル支持基板120の外径は、GPSアンテナ11の外径と同一で、GPSアンテナ11のアンテナ電極112の外径より大きな寸法である。
そして、GPSアンテナ11の最大寸法である外径寸法(外形寸法)は、裏蓋102の外径寸法(外形寸法)より小さい寸法に形成されている。すなわち、裏蓋102の外径の方が、GPSアンテナ11より大きく形成されている。なお、このGPSアンテナ11の詳細については後述する。
GPS付き腕時計1は、GPSアンテナ11を収容するダイヤルリング140を備えている。
ダイヤルリング140は、内周径が文字板2にほぼ一致した円環状に形成され、外周にGPSアンテナ11を収容する凹部140Aを有する。ダイヤルリング140は、文字板2の表面側(GPS付き腕時計1の厚さ方向におけるカバーガラス130側)で、文字板2の周囲に沿って配置されている。このダイヤルリング140は、内周が文字板2へと向かう傾斜面(円錐面)とされ、この傾斜面には60分割で指示目盛が印刷されている。
ダイヤルリング140の外周にはベゼル150が配置され、ベゼル150の内側には、文字板2の表面側および指針3を覆うカバーガラス130が配置されている。
ベゼル150は、外周が外装ケース101の外周に連続する円環状に形成され、互いの対向面に形成された凹凸による嵌め合わせ構造あるいは両面粘着テープや接着剤などの手段により外装ケース101に固定されている。ベゼル150は、カバーガラス130を保持するとともに、ダイヤルリング140の外周面に当接してダイヤルリング140を位置決めしている。
そして、ダイヤルリング140の凹部140Aに配置されたGPSアンテナ11は、ダイヤルリング140とベゼル150とで覆われる状態に配置されている。
以上により、カバーガラス130がムーブメント110の表面側を覆うように配置され、カバーガラス130とムーブメント110との間にGPSアンテナ11の一部として機能するソーラーパネル支持基板120が配置され、このソーラーパネル支持基板120とカバーガラス130との間に指針3およびGPSアンテナ11が配置されている。
GPS付き腕時計1において、ケース10の外装ケース101および裏蓋102は、それぞれ質感の優れた金属材料で形成され、その表面には適宜な表面仕上げが施されている。
ダイヤルリング140およびベゼル150は、非導電性材料で形成され、カバーガラス130も非導電性のガラス質材料で形成されている。これらの各要素も質感を考慮した表面仕上げが施されている。なお、ベゼル150を構成する非導電性材料としては、例えば合成樹脂を用いることも可能であるが、より硬度が高くて傷が付きにくく、より高級な質感が得られるセラミックスにより形成されることが好ましい。
このような材質とすることで、文字板2よりも表面側(図2上側)にあるダイヤルリング140、ベゼル150、カバーガラス130は全て非導電性材料となり、これらがソーラーパネル支持基板120の表面側外周に設置されたGPSアンテナ11に対して電磁気的な遮蔽物として影響することがない。
[GPSアンテナの詳細]
GPSアンテナ11は、図4に示すように、矩形断面形状を有するリング状の誘電体基材111を備え、その表面にアンテナ電極112が形成されている。
誘電体基材111は、電波の波長を短縮させる機能を有する。すなわち、GPS衛星5a,5b,5c,5dから送信される衛星信号は、周波数が1575.42MHzm、波長が19cmである円偏波である。このような衛星信号の電波をループアンテナで受信するためには、アンテナ電極112の周囲長が衛星信号の電波の1.0波長〜1.4波長分だけ必要となる。これに対して、誘電体基材111上にアンテナ電極112を設置することで、誘電体基材111により衛星信号の電波の波長を短縮させ、短縮させた波長をアンテナ電極112で受信させることが可能となる。ここで、比誘電率εの誘電体基材111では、電波の波長短縮率は1/(ε1/2となる。このため、比誘電率εの値を大きくすれば、波長はより短縮されることとなる。一方、比誘電率εの高い誘電体を用いると周波数帯域幅が狭くなり急峻な特性となり周波数調整が困難となったり、腕に装着した場合に周波数ズレで特性が劣化してしまうおそれがある。したがって、波長19cmの衛星信号の電波を、例えば直径約3cm(周囲長約9.4cm)のループアンテナ型のアンテナ電極112にて受信させる場合、誘電体基材111の比誘電率εは、20以下、好ましくは4〜10に設定されていればよい。このため、誘電体基材111の材質には、例えばアルミナ(ε=8.5)を主成分としたセラミックスや、マイカを成分としたセラミックスである、いわゆるマイカレックス(ε=6.5〜9.5)、ガラス(ε=5.4〜9.9)、ダイヤモンド(ε=5.68)などを用いることができる。このような誘電体基材111を用いることで、アンテナ電極112とソーラーパネル支持基板120との間隔は0.21cm〜0.42cmとなる。
一般的な腕時計の厚さ寸法は、0.7〜1.5cmであることから、誘電体基材111を用いることで、十分に腕時計として適用できる。
また、誘電体基材111の高さ寸法、すなわち、ソーラーパネル支持基板120に対向する下面からカバーガラス130に対向する上面までの距離(高さ寸法)は、ソーラーパネル支持基板120をアンテナ電極112の一部として機能させるために必要な距離に設定されていればよい。すなわち、ソーラーパネル支持基板120からアンテナ電極112までの高さ寸法は、アンテナ電極112で受信する波長、つまり誘電体基材111により波長短縮された後の電波波長の0.05〜0.01倍にすればよい。この高さ寸法であれば、距離が近いためにソーラーパネル支持基板120はGPSアンテナ11とほぼ同様の電流分布となって、ソーラーパネル支持基板120はGPSアンテナ11の一部として機能する。例えば、誘電体基材111の比誘電率εが10である場合、波長19cmの衛星信号の電波は、誘電体基材111により波長が約4.25cmに短縮される。この場合、ソーラーパネル支持基板120からアンテナ電極112までの距離が、この短縮された波長の0.05〜0.1倍である0.21cm〜0.42cmであれば、ソーラーパネル支持基板120がGPSアンテナ11の一部として機能する。なお、本実施形態のGPS付き腕時計1では、誘電体基材111の高さ寸法は、約0.2cm〜1.0cm、特に好ましくは0.3cmに設定されている。
アンテナ電極112は、誘電体基材111の表面に、銅や銀などの導電性の金属素子を印刷したり、銀や銅などの導電性の金属板を誘電体基材111の表面に貼り付けたりすることで、誘電体基材111に線状に一体的に形成される。なお、アンテナ電極112は、誘電体基材111の表面に無電解めっきでパターン形成することで形成してもよい。
このアンテナ電極112は、アンテナ本体部113と、結合部114と、給電部115と、を備えている。
アンテナ本体部113は、誘電体基材111の上面(カバーガラス130に対向する面)に形成される線状部分である。このアンテナ本体部113は、周方向の一部に切欠部113Aが切り欠き形成された環状、すなわちC字形に形成されている。そして、アンテナ本体部113は、カバーガラス130側から進入した電波、または裏蓋102により反射された電波を受信する。
このアンテナ本体部113の内周縁の一部には、前記切欠部113Aが設けられた位置から中心角で所定の角度分で離間した位置に分岐点116が形成され、この分岐点116から誘電体基材111の内周側面に延出して結合部114が形成されている。分岐点116は、C字形のアンテナ本体部113の一端部から、1/4波長となる位置に形成され、この分岐点116に結合部114を接続することで、円偏波の電波が受信可能となる。
そして、結合部114の分岐点116と反対側の端部は、誘電体基材111の下面側まで延出し、誘電体基材111の下面側において、結合部114に連続する給電部115が形成される。この給電部115は、図3および図4に示すように、平面位置が文字板2の時刻9時から10時の間で、ソーラーパネル支持基板120の切欠凹部121に対向する位置に形成されている。この給電部115には、切欠凹部121を挿通する接続ピン61の先端部が当接して接触する。この給電部115および接続ピン61が接触する箇所が給電点117(図2,3参照)となる。この給電点117は、アンテナ電極112において、1箇所のみ設けられている。
前記接続ピン61は、平面位置が文字板2の時刻9時から10時の間に配置され、回路基板25上のプリント配線に接続されて立設される接続基部62に出没自在に保持されている。このように、接続ピン61を文字板2の9時〜10時方向に設けることで、3時方向に設けられる外部操作用のリュウズ6や、2時、4時方向に設けられるボタン7,8などとの構造的な干渉を避けることができる。
また、接続ピン61および接続基部62は、プリント配線を介して受信部18に電気的に接続されている。そして、この接続基部62は、略円筒状に形成されるとともに、その筒内部に例えばコイルばねなどの付勢部材が設けられており、接続ピン61を給電部115側に付勢している。これにより、接続ピン61は、給電点117に押圧され、例えばGPS付き腕時計1に衝撃が加わった際でも、接続ピン61と給電点117との接続状態が維持される。
本実施形態において、導電性部材製の裏蓋102はGPSアンテナ11のグランド板(反射板)を兼ねている。裏蓋102は、ムーブメント110に設けられた接地端子106に接続している。接地端子106は、ムーブメント110の受信部18のグランド電位に接続している。このため、裏蓋102は、接地端子106を介して受信部18のグランド電位に電気的に接続しており、カバーガラス130側から入射する電波をGPSアンテナ11に向かって反射させるグランド板(反射板)として機能する。なお、裏蓋102に接触している導電性部材の外装ケース101もグランド電位となるため、外装ケース101もグランド板として機能する。
この裏蓋102は、外径がGPSアンテナ11の外径より大きく形成されている。
そして、GPSアンテナ11のアンテナ電極112は、平面的、すなわちGPS付き腕時計1の厚さ方向で裏蓋102に重なっている。
さらに、裏蓋102および外装ケース101を含むケース10が金属製なので、グランド板として機能する他に、ユーザーの腕に装着した場合のGPSアンテナ11への影響を回避できる。つまり、ケース10がプラスチックケースだと、近傍にある腕の影響を受けて装着時と非装着時でGPSアンテナ11の共振周波数が変動し、性能差が出て好ましくない。しかし、ケース10が金属製なので、そのシールド効果により腕の影響を回避でき、本実施形態では装着時と非装着時とのアンテナ特性に差が殆どなく、安定した受信性能が得られる。
なお、ディスプレイ4として文字板2の背面側に沿ってLCD表示パネルなどが設置されるが、このLCD表示パネルはノイズの影響を遮断するためにシールド板で覆われる。この際、ソーラーパネル支持基板120は、ディスプレイ4のシールド板としても機能する。
また、駆動機構19のステップモーターもノイズ源となりうるが、駆動機構19はGPSアンテナ11に対してソーラーパネル支持基板120の反対側(裏面側)に配置されるので、ソーラーパネル支持基板120によってシールドされ、GPSアンテナ11への影響は抑止される。
[GPS付き腕時計の回路構成]
次に、GPS付き腕時計1の回路構成に関して説明する。図5に示すように、GPS付き腕時計1は、GPSアンテナ11と、フィルター(SAW)31と、受信部18と、表示制御部40と、電源供給部50を含んで構成されている。
フィルター(SAW)31は、バンドパスフィルタであり、1.5GHzの衛星信号を抜き出すものとなっている。また、上述したように、GPSアンテナ11とフィルター(SAW)31との間に、受信感度を良好にするLNA(ローノイズアンプ)を別途組み込む構成としてもよい。
なお、フィルター(SAW)31が受信部18内に組み込まれる構成としてもよい。
受信部18は、フィルター(SAW)31で抜き出された衛星信号を処理するものであり、RF部(Radio Frequency:無線周波数)27とベースバンド部30を備える。
RF部27は、PLL(Phase-Locked Loop)回路34、IF(Intermediate Frequency:中間周波数)フィルター35、VCO(Voltage Controlled Oscillator)41、ADC(A/D変換器)42、ミキサー46、LNA(Low Noise Amplifier)47、IFアンプ48などを備えている。
そして、フィルター(SAW)31で抜き出された衛星信号は、LNA47で増幅された後、ミキサー46でVCO41の信号とミキシングされ、IF(中間周波数)にダウンコンバートされる。
ミキサー46でミキシングされたIFは、IFアンプ48、IFフィルター35を通り、ADC(A/D変換器)42でデジタル信号に変換される。
ベースバンド部30は、DSP(Digital Signal Processor)39、CPU(Central Processing Unit)36、SRAM(Static Random Access Memory)37を備えている。また、ベースバンド部30には、温度補償回路付き水晶発振回路(TCXO)32やフラッシュメモリー33なども接続されている。
そして、ベースバンド部30は、RF部27のADC42からデジタル信号が入力され、制御信号に基づき、衛星信号の演算を行い、衛星時刻情報や測位情報を取得できるようになっている。
なお、PLL回路34用のクロック信号は、温度補償回路付き水晶発振回路(TCXO)32から生成されるようになっている。
表示制御部40は、制御部(CPU)20と、指針3の駆動やディスプレイ4のLCD駆動を実施する駆動回路43と、を備えている。
制御部20は、ハードウエアとしては、RTC(リアルタイムクロック)20A、記憶部20Bを含んで構成されている。
RTC20Aは、水晶振動子から出力される基準信号を用いて、内部時刻情報を計時している。
記憶部20Bは、受信部18から出力される時刻データや測位データを記憶する。また、記憶部20Bには、測位情報に対応する時差データも記憶され、RTC20Aで計時されている内部時刻情報および時差データにより、現在地のローカルタイムを算出できるようにされている。
本実施形態のGPS付き腕時計1は、上述のような受信部18および表示制御部40を備えていることで、GPS衛星からの受信信号に基づいて時刻表示を自動的に修正することができる。
電源供給部50は、ソーラーパネル120A、充電制御回路51、二次電池24、第1レギュレーター52、第2レギュレーター53、電圧検出回路54を含んで構成されている。
二次電池24は、第1レギュレーター52を介して表示制御部40に駆動電力を供給し、第2レギュレーター53を介して受信部18に駆動電力を供給する。
ソーラーパネル120Aは、充電制御回路51を通じて二次電池24に電力を供給して二次電池24を充電する。
電圧検出回路54は、二次電池24の電圧をモニターし、制御部20に出力する。従って、制御部20は、二次電池24の電圧を把握して受信処理を制御できる。
〔第1実施形態の作用効果〕
上述したように、第1実施形態のGPS付き腕時計1では、ソーラーパネル支持基板120はムーブメント110およびカバーガラス130の間に配置されている。そして、このソーラーパネル支持基板120およびカバーガラス130の間に、リング状の誘電体基材111および誘電体基材111の表面に形成されるC字形のアンテナ電極112を有するGPSアンテナ11が設けられている。
このことから、GPS衛星5a,5b,5c,5dの衛星信号である無線電波の波長に対して、ソーラーパネル支持基板120とGPSアンテナ11のアンテナ電極112との距離は極めて短い(約0.01倍)こととなる。このように、ソーラーパネル支持基板120はアンテナ電極112の近傍に配置されるので、ソーラーパネル支持基板120はアンテナ電極112と同じ電流分布となってGPSアンテナ11の一部として機能する。
そして、ソーラーパネル支持基板120が配置される平面における外装ケース101の内径より、ソーラーパネル支持基板120の外径を小さく形成している。このことから、ソーラーパネル支持基板120は外装ケース101に接触しない。より具体的には、ソーラーパネル支持基板120の外周縁を外装ケース101の内周面から離間させ、ソーラーパネル支持基板120は外装ケース101に接触することなく配置されている。
このため、導電性部材の外装ケース101にソーラーパネル支持基板120が当接して、ソーラーパネル支持基板120の電位がグランドレベルに落ちてソーラーパネル支持基板120に電流が誘起しなくなるという不都合を防止できる。したがって、ソーラーパネル支持基板120に電流が確実に誘起してGPSアンテナ11の一部として確実に機能し、アンテナ性能を確実に向上できる。
特に、アンテナ11の一部として機能するソーラーパネル支持基板120は、金属製の外装ケース101や裏蓋102とは所定間隔を保って配置される。このため、外装ケース101および裏蓋102は一体でグランド板(反射板)として機能し、この外装ケース101および裏蓋102に対してアンテナ11の一部として機能するソーラーパネル支持基板120が所定間隔だけ離れて配置されるので、アンテナ特性を向上することができる。
また、上記第1実施形態のGPS付き腕時計1では、C字形のアンテナ電極112を配置したGPSアンテナ11を用いている。
ここで、アンテナ電極112として、少なくとも受信する電波の波長分の長さ寸法が必要となり、アンテナ電極112の長さ寸法が小さい場合、その長さ寸法に応じて電波波長を短縮させる比誘電率εの大きい誘電体基材111が必要となる。このような場合、誘電体基材111の選択幅が狭まり、コストも高くなる。一方、本実施形態のように、C字形のアンテナ電極112を採用することで、例えば棒状のアンテナや円弧状のアンテナに比べて、周囲長が十分に確保でき、誘電体基材111の選択幅が広くなる。したがって、よりコストが安い適切な誘電体基材111を選択することができ、製造上有利となる。
そして、ソーラーパネル支持基板120の外周形状として、外装ケース101の内周形状と略同一形状に形成している。このため、アンテナ電極112をソーラーパネル支持基板120の外周に沿って配置でき、外装ケース101の内周側を有効に活用できる。
さらに、アンテナ電極112をソーラーパネル支持基板120の外周縁に沿って配置できるため、例えばダイヤルリングなどの非導電性の別部材により容易にGPSアンテナ11を覆い隠すことができる。したがって、GPSアンテナ11が時計表面に露出せず、時計の質感を高品質に維持できる。
また、GPSアンテナ11をカバーガラス130の内側に配置している。このため、GPSアンテナ11が外部にむき出しにならないので、GPSアンテナ11の耐久性を向上でき、またデザインに与える制約も減らすことができる。
さらに、ケース10として、金属製の外装ケース101および裏蓋102を用いることができ、時計の質感を高品質に維持することができる。
以上により、時計の質感を高品質に維持した状態で、良好なアンテナ性能を確保したGPS付き腕時計1を提供できる。
また、裏蓋102を導電性部材にて形成して無線電波を反射する反射板として機能させている。すなわち、GPSアンテナ11と裏蓋102とはある程度の距離で離間しているので、導電性の裏蓋102が無線電波の反射板として機能し、GPSアンテナ11での受信性能を向上できる。
さらに、裏蓋102が反射板として機能するので、腕時計として利用してもアンテナ同調周波数の変化を防止でき、アンテナ特性を向上でき、良好な受信特性が得られる。特に、裏蓋102は、比較的に外形寸法を大きく設計しやすいため、無線電波の反射効率の向上が容易で、アンテナ特性を容易に向上できる。
また、本実施形態のGPS付き腕時計1では、導体板としてソーラーパネル120Aを支持するソーラーパネル支持基板120を用いている。
このような構成にすることで、ソーラーパネル120Aを支持する専用の基板と、導体板として機能する基板とをそれぞれ用意することなく、ソーラーパネル支持基板120をGPSアンテナ11の一部として機能させるとともに、ソーラーパネル120Aの支持基板としても用いることができる。したがって、部品点数の増大を抑えることができるとともに、構成を簡単にすることができる。
また、GPSアンテナ11のアンテナ電極112は、リング状の誘電体基材111の上面に配置されるリング状のアンテナ本体部113と、アンテナ本体部113の内周縁の一点である分岐点116から連続して誘電体基材111の内周面に形成された結合部114と、結合部114の分岐点116とは反対側の他端に連続し、誘電体基材111の下面側に形成される給電部115とにより形成される。そして、ソーラーパネル支持基板120は、この給電部115に対向する位置に切欠凹部121が設けられ、この切欠凹部121を挿通して、ムーブメント110側から給電点117に向かって付勢される接続ピン61が設けられている。
このため、給電部115とソーラーパネル支持基板120との接触、接続ピン61とソーラーパネル支持基板120との接触を防止することができ、かつ接続ピン61によりアンテナ電極112と回路基板25の受信部18とを確実に電気的に接続することができる。また、接続ピン61が給電点117側に付勢されているため、例えば時計に衝撃が加わった場合でも接続ピン61と給電点117との接続を良好に維持することができる。
また、受信部18は、回路基板25の裏蓋102側に設けられ、受信部18とGPSアンテナ11との間に、ソーラーパネル支持基板120が設けられている。
このため、ソーラーパネル支持基板120は、受信部18から発生する内部クロックによるノイズに対して、シールドとして機能する。したがって、GPSアンテナ11は、受信部18から発生するノイズの影響を受けることがなく、よりアンテナ特性を向上させることができる。
GPSアンテナ11は、文字板2の表面側に配置され、その周囲のダイヤルリング140、ベゼル150等を非導電性の材料とした。
このため、外装ケース101を外観性の優れた金属材料にしても電磁遮蔽を受けることがなく、良好なアンテナ性能を確保できる。
〔第2実施形態〕
次に、本発明に係る第2実施形態のGPS付き腕時計1Aについて説明する。図6は、GPS付き腕時計1Aの概略断面図である。図7は、GPS付き腕時計1Aの平面図である。図8は、GPS付き腕時計1Aに組み込まれる内部構造の分解斜視図である。なお、上記第1実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して説明を簡略化または省略する。
上記第1実施形態では、ソーラーパネル支持基板120が本発明の導体板を構成し、ソーラーパネル支持基板120をGPSアンテナ11の一部として機能させる構成とした。これに対して、第2実施形態では、図6および図8に示すように、ソーラーパネル120Aおよびソーラーパネル支持基板120が設けられず、文字板2Aが本発明の導体板として機能、すなわちGPSアンテナ11の一部として機能する。
すなわち、第2実施形態のGPS付き腕時計1Aでは、文字板2Aが外装ケース101の内周径寸法より小さい径寸法に形成されている。文字板2Aは、例えばBS(真鍮)、SUS(ステンレス鋼)、チタン合金などの金属材料で構成されている。なお、文字板2Aの表面には、外観性を向上するために、塗装やメッキ、スパッタリング等による表面処理が施される構成としてもよい。
そして、文字板2Aは、第1実施形態のソーラーパネル支持基板120と同様に、外径がGPSアンテナ11の外径と同一で、表面側にGPSアンテナ11が配置されるように形成されている。さらに、文字板2Aには、接続ピン61が挿通される切欠凹部121が設けられている。
また、外装ケース101の内部には、ムーブメント110における各部品が配設される地板110Aが配置されている。地板110Aは、合成樹脂などの非導電性部材で構成され、平面形状が円形に形成されている。この地板110Aの一面側には、外装ケース101の内周径寸法と同一または僅かに大きい径寸法に形成された径大部110Bが設けられている。そして、地板110Aには、径大部110Bが設けられた一面に、文字板2Aが嵌め込まれる装着凹部110Cが設けられている。この装着凹部110Cの外周側に、文字板2Aの外周縁と外装ケース101の内周縁とを離間させるスペーサー110Dが形成される。
そして、文字板2Aが取り付けられた地板110Aを備えたムーブメント110は、地板110Aの径大部110Bが外装ケース101の内周面に接触し、外装ケース101内に圧入されることで嵌め込まれる。
また、文字板2Aには、第1実施形態のディスプレイ4に代えて、二次電池24に蓄電する残存電力量を表示する残存電力量表示部26が設けられている。この残存電力量表示部26は、通常は残存電力量を表示しているが、受信中はユーザーにより良い受信環境での受信を促すために電波の受信状態を示すように切り替わる。残存電力量表示部26の指針は、6時を指示する位置から12時を指示する位置の範囲で移動し、電波の受信レベルが高くなるにつれて12時側に移動する。また、指針が6時位置を指すと受信不可能な環境であることを意味する。
また、第2実施形態のGPSアンテナ11は、第1実施形態のC字形に形成されたアンテナ電極112に代えて、リング状に形成されたものである。
具体的には、アンテナ電極112のアンテナ本体部113は、誘電体基材111の上面側にリング状に形成される部分であり、カバーガラス130側から進入した電波、または裏蓋102により反射された電波を受信する。このアンテナ本体部113の内周縁の一部には、分岐点116が形成され、この分岐点116から誘電体基材111の内周側面に延出して結合部114が形成される。この結合部114は、誘電体基材111の内周側面に沿って周方向に形成される。そして、結合部114の分岐点116とは反対側の端部は、誘電体基材111の下面側に向かって延出し、誘電体基材111の下面側において、結合部114に連続する給電部115が形成される。この給電部115は、平面位置が文字板2Aのおおよそ時刻10時の目盛位置で、ソーラーパネル支持基板120の切欠凹部121に対向する位置に形成され、切欠凹部121を挿通する接続ピン61の先端部が給電部115に接触する。この接触により、給電点117が1点構成される。
ここで、分岐点116から結合部114を通り給電点117に至るまでの長さ寸法は、GPSアンテナ11で受信する電波の約1/4波長の長さ寸法となり、誘電体基材111の比誘電率εが10である場合では、例えば1.06cmに形成される。
また、接続基部62は、図8に示すように、リード線により回路基板25の中央部の接続点251に接続され、この接続点251において、回路基板25の裏蓋102側に設けられる受信部18に接続されている。ここで、本第2実施形態のような1波長ループアンテナのGPSアンテナ11により効率的な円偏波受信のために、接続点251は、回路基板25の中央部に位置することが好ましい。一方で、接続点251を回路基板25の中央部に設ける場合、配線が長くなるため、信号損失が増大するという問題がある。このような問題を改善するために、GPSアンテナ11および受信部18の間、より具体的には、GPSアンテナ11と、フィルター(SWA)31(図5参照)との間に、LNA(ローノイズアンプ)を設け、信号損失を補う構成としてもよい。
そして、外装ケース101には、図6に示すように、充電用端子28が貫通される貫通孔101Aが設けられている。充電用端子28は、ムーブメント110の回路基板25に搭載された充電制御回路に接続され、充電用端子28に供給される電力を二次電池24に充電可能となっている。
このような第2実施形態では、前述した第1実施形態と同様な効果を奏することができる。すなわち、文字板2Aが配置される平面における外装ケース101の内径より、文字板2Aの外径を小さく形成している。このことから、文字板2Aの外周縁が外装ケース101の内周面から離間し、文字板2Aが外装ケース101に接触せずに配置されている。
このため、外観向上のために導電性とした外装ケース101に文字板2Aが当接して、文字板2Aの電位がグランドレベルに落ちて文字板2Aに電流が誘起しなくなるという不都合を防止でき、文字板2Aに電流が確実に誘起してGPSアンテナ11の一部として確実に機能し、アンテナ性能を確実に向上できる。
また、GPS付き腕時計1Aでは、アンテナ11およびムーブメント110の間に文字板2Aが設けられる。
このことにより、文字板2Aは、近接するGPSアンテナ11の一部として機能するので、良好なアンテナ性能を確保できる。また、リング状の誘電体基材111上に、リング状のアンテナ本体部113を配置したアンテナ電極112を形成するため、アンテナ電極112の信号受信面積を大きくでき、アンテナの受信感度を良好にできる。
そして、文字板2Aは、導電性が得られればよいため、質感の高い金属製とすることができる。また、GPSアンテナ11は文字板2Aの外周に沿って配置するため、ダイヤルリング140で被覆しても文字板2Aの表示部分を隠すことがない。このため、GPS付き腕時計1Aの外観性の向上を図ることができる。
さらに、GPS付き腕時計1Aは、時刻表示のための文字板2A自体をGPSアンテナ11の一部としても機能させるので、1つの部材で異なる機能を兼用できることから、構造の簡略化を図ることができる。
また、ムーブメント110の地板110Aに文字板2Aを位置決めして取り付けるための装着凹部110Cを設けて、その外周側の地板110Aをスペーサー110Dとして機能させている。
このため、文字板2Aを位置決めして固定でき、ムーブメント110およびカバーガラス130の間に配置させることが容易にできる。したがって、製造性を向上できるとともに、文字板2Aと外装ケース101との距離が安定してアンテナ特性のばらつきを防止できる。
特に、アンテナ11の一部として機能する文字板2Aは、金属製の外装ケース101や裏蓋102とは所定間隔を保って配置される。このため、外装ケース101および裏蓋102は一体でグランド板(反射板)として機能し、この外装ケース101および裏蓋102に対してアンテナ11の一部として機能する文字板2Aが所定間隔だけ離れて配置されるので、アンテナ特性を向上することができる。
〔第3実施形態〕
次に本発明に係る第3実施形態のGPS付き腕時計1Bについて説明する。図9は、GPS付き腕時計1Bの概略構成を示す断面図である。なお、前述した第1実施形態および第2実施形態と同様の構成については、同一の符号を付し、説明を省略する。
上記第1実施形態のGPS付き腕時計1では、ソーラーパネル支持基板120の外径を外装ケース101の内径より小さく形成し、ソーラーパネル支持基板120の外周縁が外装ケース101の内周面から離間する状態に配置したが、第3実施形態では、図9に示すように、ベゼル150の内径と同一の内径に形成したソーラーパネル支持基板120をベゼル150に嵌め込む構成としている。
具体的には、ベゼル150は、外周および内周が外装ケース101の外周および内周に連続する円環状に形成されている。このベゼル150は、合成樹脂などの非導電性部材にて円環状に形成されたベゼル本体151と、ベゼル本体151の外周面を被覆する金属製のベゼルカバー152とを備えている。ベゼル本体151は、内径が外装ケース101の内径と同一とされ、その内周面は外装ケース101の内周面に段差無く連続する。ベゼルカバー152は、ベゼル本体151の外周面、つまり外装ケース101の上端縁からカバーガラス130の端面までの外周面を被覆する。
そして、ベゼル150は、外装ケース101の開口面103側の内周縁に段差状に形成された段差部107に嵌め合わされて取り付けられている。なお、両面粘着テープや接着剤などの手段により取り付ける構成としてもよい。
また、ソーラーパネル支持基板120は、外径がベゼル本体151の内径と同一寸法に形成され、ベゼル本体151の内周に嵌め込まれる。
この構成では、ソーラーパネル支持基板120が配置された状態で、ソーラーパネル支持基板120の外周縁は、ベゼル本体151を介して外装ケース101の内周面に離間し、接触していない。すなわち、ソーラーパネル支持基板120が配置される平面における外装ケース101の内径は、外装ケース101の段差部107の内径となる。そして、ソーラーパネル支持基板120が配置される平面以外の時計の厚さ方向では、外装ケース101の内径が、ソーラーパネル支持基板120の外径と同一または径小でも、ソーラーパネル支持基板120に外装ケース101が接触しない構造となっている。
このような第3実施形態の構成では、ベゼル本体151が本発明のスペーサーとして機能することとなる。このため、第3実施形態では、前述した第1実施形態および第2実施形態と同様な効果を奏することができる。すなわち、ソーラーパネル支持基板120は、該ソーラーパネル支持基板120が配置される平面における外装ケース101の内径より小さく外装ケース101に接触しないので、電位が外装ケース101のグランドレベルに落ちることがない。このことから、ソーラーパネル支持基板120は、近接するGPSアンテナ11と同様の電流分布に誘起し、GPSアンテナ11の一部として良好に機能でき、受信特性を向上できる。特に、アンテナ11の一部として機能するソーラーパネル支持基板120と、グランド板として機能する金属製の外装ケース101、裏蓋102とが所定間隔を保って配置されるので、アンテナ特性を向上することができる。
さらに、スペーサーとして機能するベゼル本体151により、ソーラーパネル支持基板120を嵌め込んで位置決めするスペーサーとしても機能させている。
このため、ソーラーパネル支持基板120を位置決めするための機能をベゼル本体151で兼用でき、構造の簡略化を図ることができる。さらに、ソーラーパネル支持基板120と外装ケース101との距離が安定してアンテナ特性のばらつきを防止でき、安定した特性を提供できる。
そして、ベゼル本体151の外面に質感の高い金属製のベゼルカバー152を設けているので、GPS付き腕時計1Bの外観性を向上できる。なお、ベゼル本体151をセラミックスなどで形成して質感を維持しつつ強度を向上させることで、ベゼルカバー152を用いなくてもよい。この構成により、金属製のベゼルカバー152により電波が遮蔽されることがなく、金属製のベゼルカバー152を用いる場合によりも受信性能を向上できる。
〔第4実施形態〕
次に、本発明に係る第4実施形態のGPS付き腕時計1Cについて説明する。図10は、GPS付き腕時計1Cの概略断面図である。図11は、GPS付き腕時計1Cに組み込まれる内部構造の分解斜視図である。なお、上記各実施形態と同様の構成については、同一の符号を付し、説明を簡略化または省略する。
上記第1実施形態では、ソーラーパネル支持基板120の外径を外装ケース101の内径より小さく形成し、ソーラーパネル支持基板120の外周縁が外装ケース101の内周面から離間する状態に配置した。これに対して、第4実施形態では、図10および図11に示すように、ソーラーパネル支持基板120Cの周囲に円環状の環状導体板160を配置した。さらに、この環状導体板160に2つの接触片161を形成し、外装ケース101に接触片161のみが接触する状態、つまり環状導体板160が2点で外装ケース101に接触するように配置した。
すなわち、第4実施形態のGPS付き腕時計1Cでは、合成樹脂などの非磁性材料で形成された文字板2と、ソーラーパネル120Aおよびソーラーパネル支持基板120Cとが、GPSアンテナ11の内径より小さな外径寸法で形成され、GPSアンテナ11の内周側に順次積層されて配置されている。なお、ソーラーパネル支持基板120Cは、前記第1実施形態と同じく、金属製(導電性)の部材で構成されている。
環状導体板160は、例えばステンレス板などの金属製の板材を円環状に打ち抜くことで形成されている。
この環状導体板160の外周縁には、一対の接触片161が外方に向けて突出している。この接触片(突起)161は、環状導体板160の平面中心に対して点対称位置に設けられている。すなわち、接触片161は、環状導体板160の外周に180度間隔で形成されている。
これら接触片161は、外装ケース101内に組み込まれた際、先端部が外装ケース101の内周面に当接する。具体的には、接触片161の先端間の距離は、外装ケース101の内径よりも若干長い寸法に形成されている。このことにより、接触片161は板バネ状に形成され、外装ケース101内に組み込まれた際にそのばね性で弾性変形し、先端が外装ケース101の内周面に当接する。
ここで、環状導体板160の接触片161が設けられていない外周縁の外径は、外装ケース101の内径より小さく形成されている。
なお、前記接触片161は、環状導体板160と一体に形成した構成に限らず、別部材の接触片を環状導体板160の裏面などに取り付けた構成としてもよい。また、接触片161の形状は、図11に示すように平面矩形状のものに限らず、平面視で略三角形状に形成したものや、先端が円形状に丸まった形状などでもよく、外装ケース101の内周面に点接触する形状であればよい。
また、環状導体板160には、接続ピン61の先端部を挿通して給電部115に接触させる切欠孔部162が設けられている。
この第4実施形態の構成では、前記各実施形態と同様の作用効果を奏するほか、円環状の環状導体板160をソーラーパネル支持基板120Cの周囲に、ソーラーパネル支持基板120Cに接触させて配置することで、導体板をソーラーパネル支持基板120Cおよび環状導体板160の2部品で構成できる。このため、ソーラーパネル支持基板120Cは、ソーラーパネル120Aと同じサイズでよく、第1実施形態のように、大型のソーラーパネル支持基板120を用いる必要がないため、一般的な時計用のソーラーパネル支持基板を流用できる。このため、ソーラーパネル支持基板120Cを、アンテナ11を備えない太陽電池付時計の部品と共通化できてコストダウンを実現できる。
また、ソーラーパネル支持基板120Cおよび環状導体板160によって、前記第1実施形態のソーラーパネル支持基板120と同じ大きさの導体板を構成でき、第1実施形態と同様にGPSアンテナ11の特性を向上できる。
そして、環状導体板160に接触片161を形成し、環状導体板160を外装ケース101の内周面に2点のみで接触して配置させている。このように、環状導体板160を外装ケース101に2点のみで接触させれば、3点以上で接触させた場合に比べて、接触点間の間隔が長くなるので環状導体板160に誘起する電流が多くなり、環状導体板160の電位が低減する割合が小さくなる。このため、アンテナ特性の劣化が少なく、かつ環状導体板160を設けない場合に比べて高いアンテナ特性が得られる。
また、環状導体板160の接触片161を外装ケース101の内周面に接触させているので、環状導体板160を配置する際の位置決めが容易になり、GPS付き腕時計1Cの製造効率も向上できる。その上、GPSアンテナ11を構成する環状導体板160が外装ケース101に接触することで、GPSアンテナ11の電位が安定し、アンテナ11が外装ケース101から離れている場合に比べて静電気耐性を高めることができる。
なお、導体板と外装ケース101とが2点のみで接触しているとは、電気的特性として導体板と外装ケース101とが2点で接触しているものであればよい。このため、例えば、環状導体板160の一方の接触片161に近接する接触片がさらに設けられ、導体板と外装ケースとが3箇所で接触していても、2つの接触片の間隔が狭いため電気的特性としては実質的に1点として機能する場合も、導体板と外装ケース101とが2点のみで接触していることになる。
〔第5実施形態〕
次に、本発明に係る第5実施形態のGPS付き腕時計1Dについて説明する。図12は、GPS付き腕時計1Dを示す平面図である。図13は、GPS付き腕時計1Dに組み込まれるGPSアンテナ11Dを示す概略斜視図である。なお、上記各実施形態と同様の構成については、同一の符号を付し、説明を簡略化または省略する。
上記第1実施形態では、平面円形の外装ケース101を用い、指針3により時刻表示する構成とした。これに対して、第5実施形態では、図12および図13に示すように、平面四角形の外装ケース101Dを用い、液晶表示パネル170により時刻表示する構成としたものである。
具体的には、外装ケース101Dは、平面四角形の開口面103Dを有する導電性の金属材料にて四角筒状に形成されている。前記開口面103Dにはカバーガラス130Dが嵌め込まれ、カバーガラス130Dの裏面側には、アンテナ11Dおよび液晶表示パネル170が配置されている。
アンテナ11Dは、図13に示すように、矩形枠状に形成されている。GPS衛星信号のように円偏波を受信するためのアンテナは、前記実施形態のように平面円形でなく、正方形でも実現できるためである。
アンテナ11Dは、矩形枠状の誘電体基材111と、アンテナ電極112とで構成される。アンテナ電極112は、誘電体基材111の表面に連続して設けられたアンテナ本体部113と、アンテナ本体部113に分岐点116で接続された結合部114と、結合部114の他端に接続された給電部115とで構成され、給電部115に図示略の接続ピンが当接して給電点117とされている。
前記アンテナ11Dは、液晶表示パネル170の周囲に配置される。カバーガラス130は、液晶表示パネル170およびアンテナ11Dの表面を覆っている。また、カバーガラス130の内面(裏面)は、アンテナ11Dが透けて見えないように、非導電性インクによる印刷が施されている。
さらに、アンテナ11Dと、アンテナ11Dの裏面側に設けられるムーブメント(モジュール)との間には、図13に示すように、アンテナ11Dの外周形状に合わせて略正方形の導体板180が配置されている。
ここで、導体板180の大きさは、前記アンテナ11Dの大きさ以上で、かつ、外装ケース101D内に配置可能なサイズに形成されている。すなわち、外装ケース101Dの内周面の平面形状が正方形の場合、その一辺の寸法は、前記導体板180の一辺の寸法より大きく形成されている。
そして、導体板180は、外装ケース101Dの内周面に接触しない状態、もしくは1点もしくは2点のみで外装ケース101Dの内周面に接触する状態に配置されている。なお、1点もしくは2点で接触する場合としては、導体板180に突起状の接触片を形成し、この接触片を外装ケース101Dの内面に接触させた場合が例示できる。
この第5実施形態の構成でも、前記各実施形態と同様の作用効果を奏する。すなわち、導電性とした外装ケース101Dに導体板180が当接して導体板180の電位がグランドレベルに落ちてしまい、導体板180に電流が誘起しなくなるという不都合を防止でき、アンテナ性能の劣化を防止できる。
〔他の実施形態〕
なお、本発明は前記各実施形態に限定されず、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。
例えば、GPS付き腕時計1は、指針3およびディスプレイ4を有するコンビネーション時計を例示したが、これに限らず、例えば、GPS付き腕時計1Dのように、ディスプレイのみを有するデジタル時計に適用してもよい。さらに、本発明は、腕時計に限らず、懐中時計などの各種時計や、携帯電話機、デジタルカメラや各種携帯情報端末等の電子時計機能を有する機器に適用してもよい。
また、位置情報衛星の例としてGPS衛星について説明したが、本発明の位置情報衛星としては、GPS衛星だけではなく、ガリレオ(EU)、GLONASS(ロシア)、北斗(中国)などの他の全地球的航法衛星システム(GNSS)や、SBASなどの静止衛星や準天頂衛星などの時刻情報を含む衛星信号を発信する位置情報衛星でもよい。
また、このような位置情報衛星からの衛星信号の電波受信に限られず、例えば900MHz帯を用いる円偏波の無線タグの近距離無線受信装置としても用いることができる。
さらには、円偏波の受信に限らず、直線偏波の電波を受信するものとしても用いることができる。
そして、前述した各実施形態では、GPSアンテナ11を覆うリング部材としてダイヤルリング140を設けたが、これに限らず、リング部材は目盛のない部材であってもよく、内側面が傾斜面ではなく文字板2に対して垂直な面あるいは他の形状であるとしてもよい。また、リング部材は本発明に必須ではなく、例えばベゼル150の内周が内側に張り出してGPSアンテナ11を覆い隠せるようであれば、別体のリング部材は省略することができる。
また、第1〜4実施形態では、ダイヤルリング140によりGPSアンテナ11を覆うことで、外部からGPSアンテナ11が見えない構成としたがこの限りではない。例えば、第5実施形態と同様に、カバーガラス130におけるGPSアンテナ11と重なる位置に、内面印刷を施し、GPSアンテナ11が外部から視認できない構成としてもよい。この場合、印刷インクとして、GPSアンテナ11の受信特性に影響が出ない非導電性のインクを用いる。
なお、図2,6,10に示す第1,2,4実施形態のベゼル150は金属製でもよい。金属製のベゼル150を用いた場合、セラミックスに比べて、アンテナ性能は低下するが、加工が容易となり、コストを低減できる。
上記第1から第3、5の各実施形態において、導体板であるソーラーパネル支持基板120や文字板2Aを、外装ケース101の内周面から離間して配置したが、接触させない構成に限られない。
例えば、第4実施形態と同様に、ソーラーパネル支持基板120や文字板2Aの位置決めのために外周縁から突出する突起を設け、この突起が外装ケース101の内周面にトータルで1点または2点で接触する構成としてもよい。この突起は、ばね性を有して確実にケース内周面に接触するものが好ましい。
このように導体板を外装ケースに接触させても、接触箇所(面積)が小さく、導体板の電位がグランドレベルに落ちることがなければ、導体板は近接するGPSアンテナ11と同様の電流分布に誘起される。このため、導体板はGPSアンテナ11の一部として機能する。
また、導体板として、金属製の文字板2A自体を兼用した例、ソーラーパネル支持基板120を兼用した例について説明したが、他の機能部材と兼用でない専用の金属板などの導体板を用い、これをムーブメント110およびカバーガラス130の間に配置する構成としてもよい。
なお、導体板の材料としては、金属製の板材に限らず、非金属材料からなる板材の表面に金属皮膜を形成したものであってもよい。また、連続した板材に限らず、複数の小片を連続させて平板状に形成したもの、概略形状が平板状とされた金属メッシュ材料などを用いてもよい。
また、文字板2Aやソーラーパネル支持基板120の外径をGPSアンテナ11の外径と同一寸法に形成したが、この限りではない。すなわち、GPSアンテナ11の内径より小さく形成してもよい。なお、径寸法が大きくなるに従って、電流が効率よく誘起する傾向となることから、径寸法を大きく形成すること、具体的にはアンテナ電極112のアンテナ本体部113の外径以上の径寸法とすることが好ましい。
さらに、GPSアンテナ11として、アンテナ本体部113の分岐点116から誘電体基材111の内周面に沿って結合部114が形成される例を示したが、これに限定されず、例えば図14に示すGPSアンテナ11Eのように、アンテナ本体部113の外周側に分岐点116が設けられ、この分岐点116から誘電体基材111の外周側面に延出し、外周側面の周方向に沿って結合部114が形成される構成などとしてもよい。
また、単一の給電部115が形成されるGPSアンテナ11を例示したが、図15に示すように、複数の給電部115が形成されるGPSアンテナ11Fとしてもよい。この図15に示すGPSアンテナ11Fは、リング状のアンテナ本体部113に2つの給電部115A,115Bが設けられている。ここで、これらの給電部115Aおよび給電部115Bは、いわゆる直交2点給電であり、つまり2箇所の給電部115A,115Bは、位相差が90度となる位置にそれぞれ配置されていることが好ましい。そして、GPSアンテナ11の2つの給電部115A,115Bに対して、接続ピン61も2つ設けられ、これらの2つの接続ピン61から衛星信号が回路基板25に伝達される。また、回路基板25は、これら2つの経路の位相調整を実施して、受信部18に信号を伝達することで、円偏波の受信処理を実施する。
そして、裏蓋102を導電性部材にて形成して反射板として機能させたが、合成樹脂やセラミックスなど、非導電性部材にて形成して反射板として機能を付与しない構成としてよい。
また、給電部115に接触する接続部材として、接続ピン61を例示したが、このようなピン部材に限定されない。例えば、接続部材として、板ばね状に形成される接続板を用いてもよく、このような構成でも、板ばねの付勢力により接続板が給電点117に所定の接触圧で接続させることができる。
また、第2実施形態において、充電用端子28を設けて外部から電力が供給される構成を例示したが、第1実施形態のソーラーパネル120Aを用いたり、ソーラーパネル120Aを併用したりしてもよい。
次に、本発明の導体板の大きさおよび外装ケースとの関係について実施した検討について説明する。
なお、本発明は、以下に説明する実施例に限られるものではない。
[導体板の大きさ]
前述した第2実施形態における文字板2Aを導体板として機能させる構成で、大きさの異なる文字板2Aを用いて、アンテナゲインを測定し放射パターンを比較する検討をした。図16は、GPSアンテナの放射パターンのシミュレーション結果を示す特性図である。
GPSアンテナ11として、外径が38mm、厚さ寸法が2mmのものを用いた。
そして、実施例1として、文字板(導体板)2Aの外径を、GPSアンテナ11の外径と同一寸法とした「文字板中」を用いた。また、実施例2として、文字板(導体板)2Aの外径を、GPSアンテナ11の半径より1mm小さい径寸法に形成した「文字板小」を用いた。
また、比較例1として、文字板2Aを用いないブランクとした。さらに、比較例2として、文字板2Aの外径を外装ケース101の内径と同一寸法として外装ケース101の内周に嵌め込まれ、文字板2Aの外周面全体が外装ケース101に接触する「文字板大」を用いた。その結果を図16に示す。この図16は、GPSアンテナ11のカバーガラス130側となる天頂方向をZ軸とし、このZ軸に対する傾きを角度θとする。なお、GPSアンテナ11の裏蓋102側は、角度θが180°である。
この図16に示す結果から、文字板2Aを用いない比較例1より、文字板2Aを設ける実施例1,2の方が、アンテナゲインが向上することが認められた。さらに、実施例1と実施例2とでは、文字板2Aの径寸法が大きい方が、アンテナゲインが向上することが認められた。なお、さらに文字板2Aの径寸法が大きく、外周全体が導電性の外装ケース101に接触する比較例2では、文字板2Aを用いない比較例1よりもアンテナゲインが小さくなることが認められた。
[導体板と外装ケースとの関係]
次に、文字板と外装ケースとの接触状態とアンテナゲインとの関係について確認する検討をした。
図17は、検討時の文字板と外装ケースとの接触状態を説明するための概念図である。図18は、文字板と外装ケースとの接触状態とピークゲインとの関係を示すグラフである。
GPSアンテナ11として、アンテナ電極112がC字形で、外径が38mm、厚さ寸法が2mmのものを用いた。また、GPSアンテナ11は、図17に示すように、給電点117の位置を0度として、切欠部113Aの位置を315度とした。
文字板2Aは、GPSアンテナ11の外径と同一の外径寸法に形成した。さらに、文字板2Aは、給電点117から図17に矢印で示す周方向で所定の中心角となる外周縁の位置に突起(図17には図示せず)を設けた。そして、外装ケース101内に文字板2Aを配置させ、アンテナゲインのピークゲインを比較した。
実施例3は、給電点117から90度の位置に突起を1つ設けた文字板2Aを用い、外装ケース101に1点で接触させた。
実施例4は、給電点117から135度の位置に突起を1つ設けた文字板2Aを用い、外装ケース101に1点で接触させた。
実施例5は、給電点117から180度の位置に突起を1つ設けた文字板2Aを用い、外装ケース101に1点で接触させた。
実施例6は、給電点117から270度の位置に突起を1つ設けた文字板2Aを用い、外装ケース101に1点で接触させた。
実施例7は、給電点117から90度と180度との位置に突起を2つ設けた文字板2Aを用い、外装ケース101に2点で接触させた。
実施例8は、給電点117から90度と270度との位置に突起を2つ設けた文字板2Aを用い、外装ケース101に2点で接触させた。
実施例9は、給電点117から180度と270度との位置に突起を2つ設けた文字板2Aを用い、外装ケース101に2点で接触させた。
比較例3は、給電点117から90度と180度と270度との位置に突起を3つ設けた文字板2Aを用い、外装ケース101に3点で接触させた。
この結果を図18に示す。なお、図18には、基準として、突起を設けず外装ケース101に接触させない実施例1のピークゲインも記述する。
この図18に示す結果から、文字板2Aが外装ケース101に接触することによりピークゲインが低下することが認められた。そして、接触する箇所が多くなるに従ってピークゲインが小さくなることが認められた。但し、1点のみで接触する実施例3〜6と、2点のみで接触する実施例7〜9とは、ピークゲインにあまり差はないものの、3点接触する比較例3では、急激にピークゲインが小さくなることが認められた。このように、2点までなら、文字板2Aに誘起する電流分布がある程度維持され、アンテナ特性を向上できることがわかる。
また、1点接触する実施例3〜6では、切欠部113Aに対して直径方向に位置する給電点117から135度の位置(実施例4)は、他の90度(実施例3)、180度(実施例5)、270度(実施例6)の位置に比べて切欠部113Aから最も遠い位置であり、ピークゲインが小さくなる傾向にあった。
さらに、2点接触する実施例7〜9では、接触位置が直径方向(点対称位置)となる給電点117から90度および270度の位置(実施例8)は、接触位置が直径方向とならない給電点117から90度および180度の位置(実施例7)と、給電点117から180度および270度の位置(実施例9)より、良好なピークゲインが得られることがわかった。
そして、前述のように、文字板2A(ソーラーパネル支持基板120)もGPSアンテナ11の一部として機能しており、アンテナ電極112と同様の電流が誘起されるために、外装ケース101との隙間で一種のスロットアンテナが形成されている。すなわち、本発明の時計の構造においては、ループアンテナとスロットアンテナとが複合して機能しているといえる。よって、上述したように、構造上の理由で文字板2Aに突起を設けて外装ケース101に接触せざるを得ない場合でも、文字板2Aの電流分布に影響を与えないように切欠部113Aからなるべく離し、また2点で接触させる場合でも対称位置で接触させる方が、特性劣化を抑えることができるので好ましい。
1、1A、1B、1C、1D…GPS付き腕時計(無線機能付き時計)、2A…導体板として機能する文字板、101、101D…外装ケース(ケース本体)、11、11D、11E、11F…GPSアンテナ(アンテナ)、102…裏蓋、110…ムーブメント、110D…スペーサー、111…誘電体基材、112…アンテナ電極、120…導体板として機能するソーラーパネル支持基板、120A…ソーラーパネル、130…カバーガラス、151…スペーサーとして機能するベゼル本体、160…環状導体板、180…導体板。

Claims (11)

  1. 時刻表示用のムーブメントと、
    前記ムーブメントを収容する導電性のケース本体と、
    前記ケース本体の表面側に設けられ、前記ムーブメントの表面側を覆うカバーガラスと、
    環状または略環状の導電性のアンテナ電極および環状の誘電体基材を有し、前記ムーブメントおよび前記カバーガラスの間に配置されて衛星信号を受信するアンテナと、
    前記ムーブメントおよび前記アンテナの間に配置される導電性を有した導体板と、を備え、
    前記誘電体基材は、前記衛星信号の電波の波長を、前記アンテナ電極で受信可能な波長に短縮し、
    前記導体板の外径は、該導体板が配置される平面における前記ケース本体の内径より小さくされ、
    前記アンテナ電極と前記導体板との距離は、前記誘電体基材で短縮された波長の0.05倍以上、0.1倍以下である
    ことを特徴とする無線機能付き時計。
  2. 請求項1に記載の無線機能付き時計において、
    前記導体板は、外周縁が前記ケース本体の内周面から離間して配置されている
    ことを特徴とする無線機能付き時計。
  3. 請求項2に記載の無線機能付き時計において、
    前記導体板の外周縁と前記ケース本体の内周面との間に介在されるスペーサーを備えている
    ことを特徴とする無線機能付き時計。
  4. 請求項1に記載の無線機能付き時計において、
    前記導体板は、前記ケース本体の内周面に1点または2点のみで接触して配置されている
    ことを特徴とする無線機能付き時計。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の無線機能付き時計において、
    前記ケース本体に取り付けられ、無線電波を反射する反射板として機能する導電性部材にて形成された裏蓋を備えている
    ことを特徴とする無線機能付き時計。
  6. 請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の無線機能付き時計において、
    前記導体板は、外径が前記アンテナ電極の外径と同一または前記アンテナ電極の外径より大きい
    ことを特徴とする無線機能付き時計。
  7. 請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の無線機能付き時計において、
    前記導体板は、時刻表示用の文字板である
    ことを特徴とする無線機能付き時計。
  8. 請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の無線機能付き時計において、
    透光性を有する時刻表示用の文字板と、
    前記文字板および前記ムーブメントの間に配置され、光を受光して発電するソーラーパネルと、を備え、
    前記導体板は、前記ソーラーパネルを支持するソーラーパネル支持基板である
    ことを特徴とする無線機能付き時計。
  9. 請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の無線機能付き時計において、
    透光性を有する時刻表示用の文字板と、
    前記文字板および前記ムーブメントの間に配置され、光を受光して発電するソーラーパネルと、を備え、
    前記導体板は、前記ソーラーパネルを支持するソーラーパネル支持基板と、前記ソーラーパネルの周囲に配置された環状導体板とで構成されている
    ことを特徴とする無線機能付き時計。
  10. 請求項1から請求項9までのいずれか一項に記載の無線機能付き時計において、
    前記アンテナ電極は、前記アンテナの誘電体基材上における前記カバーガラスに対向する面に設けられている
    ことを特徴とする無線機能付き時計。
  11. 請求項1から請求項10までのいずれか一項に記載の無線機能付き時計において、
    前記アンテナ電極は、周方向の一部に切り込み部が切り欠かれたC字形に形成され、
    前記アンテナ電極に給電する給電点は、アンテナ電極の中心点と前記切り込み部が設けられた位置とを結ぶ線分と、アンテナ電極の中心点と前記給電点とを結ぶ線分とで作られる中心角があらかじめ設定された所定角度となる1箇所に設けられる
    ことを特徴とする無線機能付き時計。
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