JP2004325315A - 電子時計 - Google Patents
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Abstract
【課題】電波受信用のアンテナが金属製ケースに収納されても受信感度を確保し、優れた外観の電子時計を提供する。
【解決手段】電子時計1は、導電性材料から形成される本体ケース2と、この本体ケース2に収納され電波を受信するアンテナ8を有する受信手段と、時刻表示部3を駆動するムーブメント100と、前記本体ケース2の内面と前記ムーブメント100との間に挟持される導電性材料から形成される文字板31とを備え、前記本体ケース2は、文字板側開口部を封止するガラス47が装着され、ムーブメント100側開口部を封止する導電性材料から形成される裏蓋24が装着され、前記文字板31と前記ムーブメント100、前記文字板31と前記本体ケース2、該本体ケース2と前記裏蓋24、前記本体ケース2との各当接面に絶縁層が設けられている。
【選択図】 図3
【解決手段】電子時計1は、導電性材料から形成される本体ケース2と、この本体ケース2に収納され電波を受信するアンテナ8を有する受信手段と、時刻表示部3を駆動するムーブメント100と、前記本体ケース2の内面と前記ムーブメント100との間に挟持される導電性材料から形成される文字板31とを備え、前記本体ケース2は、文字板側開口部を封止するガラス47が装着され、ムーブメント100側開口部を封止する導電性材料から形成される裏蓋24が装着され、前記文字板31と前記ムーブメント100、前記文字板31と前記本体ケース2、該本体ケース2と前記裏蓋24、前記本体ケース2との各当接面に絶縁層が設けられている。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子時計、特には電波時計の構造に関する。
【0002】
【背景技術】
従来、外部からの無線情報を受信して動作修正等を行う電子機器、例えば、外部からの正確な時刻情報電波(標準電波)を受信して時刻修正を行う電波時計などが知られている。
このような電波時計は、外部からの時刻情報を受けるアンテナと、このアンテナで受けた時刻情報を処理する受信手段と、この受信手段からの時刻情報に従って時刻表示部を駆動制御する時計本体とを備えて構成されている。
このような構成によれば、正確な時刻情報を載せた電波を受信し、時刻表示部が駆動制御されるので、正確な時刻を表示できることから、電波時計は優れた利便性を有する。
電波時計が正確な時刻修正を行うためには、外部からの時刻情報を正確に受信することが必要となる。電子時計、特に携帯型の腕時計の場合、高級感のある時計を提供するためには、金属製の本体ケースに電波受信用のアンテナを本体ケース内に収納し、また、金属製のバンドが装着されることが好ましい。しかし、アンテナを本体ケースに収納した場合に、本体ケースによって電波が遮蔽されることにより受信が妨げられるという課題があった。
このような課題は、電波修正機能を有する電子時計に限らず、外部からの無線情報を受信するアンテナを備えた各種の電子機器においても共通する課題である。また、電子時計が腕時計で有る場合に、金属製の本体ケースが金属製のバンドに装着された場合も、外部電波が本体ケースとバンドとの連環によって電磁気的なループが形成されるため、アンテナが電磁気的に外部と遮蔽され充分な受信性能を得られないという課題もあった。
【0003】
このため、電波受信用のアンテナが、本体ケースの外殻の一側部に設けられ、非金属製、例えば合成樹脂製の蓋体により密閉される電子時計が知られている(例えば、特開2000−214275号公報参照)。
このような構造の電子時計は、金属製の本体ケースの外殻にアンテナが配置されているために、本体ケースによって電波が遮蔽されることなく電波を受信することができる。また、アンテナは非金属製の蓋体で覆われているので、蓋体によって電波が遮蔽されることもない。
【0004】
また、本体ケースが合成樹脂で形成されて、その本体ケースと裏蓋に構成された空間にアンテナが収納された電子時計も提案されている(例えば、特開2000−286761号公報参照)。
このような構成によれば、本体ケースが合成樹脂で形成されているので、本体ケースによって外部電波が遮蔽されることはない。
【0005】
また、本体ケースを金属ケースとし、電波受信用のアンテナを金属ケース上に時刻表示部の風防であるガラスと平面的に並べて配置し、アンテナを合成樹脂製のアンテナカバーで覆う構造の電子時計も知られている(例えば、特開2001−27680号公報参照)。
このような構造では、電波受信用アンテナが金属製の本体ケースの上面外側に配置され合成樹脂製のアンテナカバーで覆われているので、電波が本体ケースやアンテナカバーによって遮蔽されることなく外部電波を受信することができる。
【0006】
さらに、金属製の本体ケースの環状枠にスリットを設け、このスリットに非導電性樹脂が充填され、金属製の裏蓋にも放射状のスリットが外周にまで設けられ、そのスリットに非導電性樹脂が充填され、本体ケースと裏蓋とで形成された空間に電波受信用のアンテナが収容されている電子時計が知られている(例えば、特開2003−35787号公報参照)
このような構造によれば、本体ケースの環状枠にスリットが形成され、時計裏蓋にも放射状のスリットが形成されているため、本体ケースおよび時計裏蓋に外部電波による誘導電流が流れることが防止され、外部電波が遮蔽されることが防止されている。
【0007】
【特許文献1】
特開2000−214275号公報(第4頁、図1、図2、図4)
【特許文献2】
特開2000−286761号公報(第14頁〜第18頁、図2、図14〜図16)
【特許文献3】
特開2001−27680号公報(第6頁、図2)
【特許文献4】
特開2003−35787号公報(第6頁、第7頁、第10頁、図2、図4、図9)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
このような特許文献1では、電波受信用のアンテナが本体ケースの外殻に配置され、プラスチック等の合成樹脂の蓋体で覆われているため、本体ケースが金属製であっても、視認される外観は、アンテナの蓋体がプラスチック等で形成されている特異な外観となり、全てが金属製の高級外観を得ることができないという課題があった。また、プラスチック製の蓋体は傷がつきやすいという課題もある。
特許文献2では、本体ケースは、合成樹脂で形成されているので金属ケースと同等な高級感のある外観の時計を得ることはできない。また、本体ケースの外殻に合成樹脂製のべゼルカバーを装着して外観の向上を図っているが、時計が厚く大きくなる上、金属製に比べ傷がつきやすいという課題もある。
また、特許文献3では、本体ケースは金属製であるが、アンテナは本体ケース上面に時刻表示部のガラスと略同じ平面に並べて配置され、合成樹脂等で形成されたアンテナカバーで覆われているので、本体ケースは金属製であってもアンテナは合成樹脂のアンテナカバー覆われているため、特許文献1と同様に、全て金属製の本体ケースと同等な高級外観を得ることができないという課題がある。また、アンテナが時刻表示部のガラスと並べて配置されるため、時刻表示部の面積が小さくなり表示された時刻等を読みにくくなるという課題もある。
特許文献4の構造では、金属製の本体ケースの環状枠にスリットを設けている。このスリットの幅を極めて小さくしておくことが考えられるが、連続した金属外観がこのスリットで分断され、高級感ある外観は得られない。
また、このスリットには非導電性樹脂が充填されているが、スリット部の強度が金属製に比べて低下するという課題がある。
裏蓋も同様に、スリットを設けることで外観や強度確保について前述の本体ケースと同様な課題がある。
【0009】
このような特許文献1、特許文献3、特許文献4のいずれも金属製の本体ケースを装着しながらも、アンテナによる電波受信性能を確保しているが、時刻表示部に金属製の文字板を設けた場合に本体ケースと文字板、文字板と時計本体との連結や本体ケースと金属製バンドとの連結により電磁気的ループが構成されることにより電波受信が影響されることについては何ら配慮されていないというような課題がある。
【0010】
本発明の目的は、電波受信用のアンテナが金属製ケースに収納されても受信感度を確保し、優れた外観の電子時計を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の電子時計は、導電性材料から形成される本体ケースと、この本体ケースに収納され電波を受信するアンテナを有する受信手段と、時刻表示部を駆動する時計本体と、前記本体ケースの内面に形成された段部と前記時計本体との間に挟持されて導電性材料から形成される文字板とを備え、
前記本体ケースは、文字板側開口部を封止するガラスが装着され、時計本体側開口部を封止する導電性材料から構成される裏蓋が装着され、前記文字板と前記時計本体、前記文字板と前記本体ケース、該本体ケースと前記裏蓋、前記本体ケースとの各当接面に絶縁層が設けられたことを特徴とする。
【0012】
このような構成によれば、電波受信用のアンテナは、導電性材料から形成されている本体ケースおよび文字板、裏蓋に囲まれた空間内に配置されている。従って、一般に、外部の電波はこれらの導電性部材によって遮蔽され内部のアンテナによる受信を妨げることになる。例えば、本体ケースと文字板が金属で形成され、直接接触されている場合、外部電波は本体ケースと文字板との間で電磁気的にループが形成され閉じた状態になり、本体ケース内に配置された電波受信用のアンテナまで外部電波が到達しにくくなる。このことは、文字板と本体ケース、本体ケースと裏蓋との間でも同様な課題を有している。しかし、文字板と時計本体、文字板と本体ケースおよび本体ケースと裏蓋との各接合面に絶縁層が設けられているので、前述のそれぞれの構成材間で、電磁気的なループが形成されることがないために、外部電波が遮蔽されることを防止できる。また、この絶縁層を通して外部電波がアンテナによって受信される。
この際、導電性材料とは、例えば、金属製、合成樹脂やセラミック、天然素材などに金属の被覆をしたものを含む。
時計は、時刻を表示する道具としての機能と腕に装着する装身具としての機能を合わせもち、トータルデザインとして金属製であることが高級感がある時計として認知されている。本発明の構成によれば、時計の外観が構成される本体ケース、文字板、裏蓋が導電性部材、外観的には金属で構成されているが、先述したように受信感度を確保でき、また、高級感ある優れた外観の電子時計を提供することができる。
【0013】
請求項2に記載の電子時計の文字板は、前記時計本体との当接面に絶縁被膜が形成されているか、または絶縁部材が設けられていることが好ましい。
時計本体の基材、例えば、地板は金属(多くは、黄銅など)で形成され、文字板は地板の時刻表示面側に載置される。この際、文字板の時計本体との接合面に絶縁層が形成されている。このような構成によれば、文字板と時計本体との間で電磁気的なループが形成されず、また、外部電波がこの絶縁層を通してアンテナによって良好に受信される。絶縁層としては、例えば、絶縁皮膜や合成樹脂から成形される絶縁部材が用いられる。これら絶縁被膜や絶縁部材は後述するが時計外部から視認されない厚みや形状に形成されているために、時計の外観を損なうことがなく、優れた外観を提供できる。
【0014】
請求項3に記載の電子時計によれば、前記文字板は、前記本体ケースとの当接面に絶縁被膜が形成されているか、または合成樹脂等で成形された絶縁部材が設けられているので、文字板と本体ケースで電磁気的ループが形成されることがなく、また、この絶縁被膜や絶縁部材等の絶縁層を通して外部電波を良好に受信することができる。絶縁被膜や絶縁部材は、例えば、時計外部からは視認されない厚みや形状に形成されているので、時計の外観を損なうことなく、優れた外観を提供できる。
ここで、絶縁部材としては、文字板の時計本体との接合面の絶縁部材(請求項2)、文字板と本体ケースとの接合面の絶縁部材とを合成樹脂等で一体に形成された絶縁部材を採用することができる。
【0015】
本発明の電子時計の文字板に形成された絶縁被膜は、絶縁性有機材料で形成されていることが望ましい。
文字板は、時計本体の視認方向表面に配置され太陽光などに晒される機会が多く、紫外線等の耐光性が求められる。また、外観上、無色透明な材料が好ましく例えば、アクリル系材料、ウレタン系材料、またはセルロース系材料などの絶縁性有機材料がより好ましい。絶縁被膜がこれらの材料で形成されることによって耐光性がよく時計の外観も損なわれることなく受信性能も確保することができる。
また、これらの絶縁被膜材料は、文字板の時計本体、本体ケースとの当接面のみに形成してもよく、文字板全面に形成してもよい。
【0016】
請求項5に記載の電子時計は、前記本体ケースまたは前記裏蓋のいずれかの前記本体ケースと前記裏蓋との当接面に絶縁被膜が形成されているか、または前記当接面に絶縁部材が設けられていることを特徴とする。
裏蓋は、一般に、本体ケースに時計本体を装着した後に螺合されるか、圧入されるか、または小螺子で固定される。このような構成において、時計本体と裏蓋との接合面に絶縁被膜か、または、例えば、合成樹脂で成形された絶縁部材が設けられているので、本体ケースと裏蓋との間で電磁気的なループが形成されることがなく、この絶縁層を通して電波がアンテナによって受信できる。
絶縁被膜と絶縁部材とは、裏蓋の接合構造によって適宜選択することができる。
【0017】
請求項1または請求項5に記載の電子時計において前記本体ケース、または前記裏蓋に形成される前記絶縁被膜は、クロム化合物から形成されていることが好ましい。
本体ケースと裏蓋との接合は先述したように、裏蓋が本体ケースに螺合されるか、圧入されて着脱可能に装着されることが多い。従って、絶縁被膜は、裏蓋装着の際に容易に剥離しないことが要求されるので、クロム化合物などの硬質の被膜から形成されることによって、裏蓋を本体ケースに装着する際に剥離または脱落することがなく、長期にわたって、また、着脱の繰り返しにも耐えられる。
【0018】
本発明の電子時計は、前記本体ケース外殻に形成された一対のバンド取り付け部に取り付けられる導電性材料から構成されるバンドと、前記バンド取り付け部と前記バンドの端部とが凹凸嵌合され着脱自在に挿着される挿着部材を備え、前記本体ケースと前記バンドの端部のいずれかに絶縁被膜が形成され、かつ、前記挿着部材に絶縁被膜が形成されているか、または、前記本体ケースのバンド取り付け部と前記挿着部材との当接面、前記バンドの端部と前記挿着部材との当接面に絶縁部材が設けられていることを特徴とする。
【0019】
この際、バンドを構成する導電性材料は、金属および合成樹脂などの非導電性材料に金属を被覆した材料を含む。
このような構成では、本体ケースとバンドとの当接部に絶縁被膜が形成され、または絶縁部材が備えられ、本体ケースのバンド取り付け部とバンドは、装着部材(例えば、ばね棒)で挿着されているが、この装着部材の表面にも絶縁層が形成されている。このことによって、本体ケースとバンドが連結されても電磁気的ループが形成されることがなく、外部の電波がこれら本体ケースとバンドとで遮蔽されることを防止し、アンテナの受信性能を確保することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図1〜図3は本実施形態の電子時計が示されている。
図1に、本発明の電子時計にかかる第1実施形態としての電子時計1の外観図を示す。図2は、この電子時計1の裏蓋を外した時の平面図である。図3は、その要部断面図である。
この電子時計1は、基枠としての本体ケース2と、本体ケース2の内部に配設された時計用ムーブメント100と、無線情報(電波)として時刻情報を含んだ標準電波を受信するアンテナ8とを備えている。
本体ケース2は、略リング状で黄銅やステンレスや金などの金属材料によって形成され、本体ケース2の外表面には図1で示される時刻表示部3が設けられている。本体ケース2のリング状外殻の互いに反対位置には、ステンレスなどの金属材料で形成されたバンド23を取り付けるバンド取り付け部201が形成されている。
【0021】
時刻表示部3は、本体ケース2の内側に装着された略円形状の文字板31と、時刻を示す指針である秒針32、分針33、時針34とを備えて構成されている。略円形状の文字板31の背面311と本体ケース2の内壁202とによって略円形状の凹部22が形成され、この凹部22にムーブメント100が配設されている。
ムーブメント100は、ボタン型の電池5を電源として駆動される駆動部6と、水晶振動子71や制御用IC72が実装された回路ブロック7と、これらを挟持して一体化する地板9及び輪列受(図示しない)とを備えて構成されている。
駆動部6は、時刻表示部3の秒針32、分針33、時針34を駆動するためのステッピングモータ65と、このステッピングモータ65の動力を伝達する輪列部69とを備えている。輪列部69は、ステッピングモータ65のロータ68に歯合され、動力を秒針32、分針33、時針34に順次伝達する。
【0022】
回路ブロック7は、一定周期の発信を行う水晶振動子71と、制御用IC72等を備えて構成されている。水晶振動子71としては、基準クロックを発信する時計用の水晶振動子711と、標準電波の周波数に同調する同調信号生成用の同調用水晶振動子712、713とが設けられている。同調用水晶振動子は、例えば、日本国内では、60kHzの標準電波に同調するための水晶振動子713と、40kHzの標準電波に同調するための水晶振動子712との二つが設けられている。また、例えば、欧米では、60kHzの水晶振動子、77,5kHzの水晶振動子を用いる。
IC72は、水晶振動子711からの周波数を分周して基準クロックを生成する分周回路や、基準クロックをカウントして時刻を計時する計時回路や、計時回路からの信号をもとに駆動部6のモータ68を制御する制御回路や、アンテナ8で受信した時刻情報を処理(増幅、復調など)する受信手段としての受信回路などを備えて構成されている(図示しない)。IC72は、可能な回路部分を共有化したり、アナログ回路ではなくコンピュータ等でソフト的に構成するなどでもよい。
【0023】
アンテナ8は、フェライトからなるコア81と、このコアに巻回された受信コイル82とで構成されている。アンテナ8のコア81は、フェライト、アモルファス金属、SUY(電磁軟鉄)などで形成されてもよい。例えば、アンテナ8のコア81を電磁軟鉄などで形成する場合には、本体ケース2の形状に沿って湾曲状に形成することが可能である。
アンテナ8で受信された時刻情報(無線情報)は、IC72の受信回路に出力されて、信号処理がなされる。従って、アンテナ8とIC72の受信回路から受信手段が構成されている。
【0024】
次に電波時計1の構成のレイアウトについて説明する。電波時計1を裏蓋側から平面的に見た場合、図2において、アンテナ8は、外部操作部材となるりゅうずの巻真41は3時方向に設けられることが多いので、巻真41とは、輪列部69をはさんで反対側の空間に配置される。アンテナ8が6時側または12時側に配置されることも可能であるが、腕装着用のバンド23が金属等の導電性材料で形成されている場合には、アンテナ8のコイル82に発生する鎖交磁束がバンドと重なりやすい。その結果、アンテナ8の受信感度が低下される可能性がある。そこで、金属等の導電性材料のバンドを用いた場合には、アンテナ8を9時方向に配置し、かつ、その長手方向両端が6時、12時方向に向けて配置される方がアンテナ8の受信感度を保つためにはよい。
【0025】
次に、文字板31とムーブメント100、文字板31と本体ケース2、本体ケース2と裏蓋24、本体ケース2とバンド23とのそれぞれの接合面について図3にて詳細に説明する。
本体ケース2は、時刻表示部3の上面に風防としてのガラス47が水密性のパッキン48と共に圧入されている。パッキン42は、略L字状の断面形状のリングであり、本体ケース2とパッキン48とガラス47とが密着されている。
文字板31は、視認側の表面312に時刻表示のための目盛が印刷等で形成され(図1)、他方の背面311には略対角に2本の固定軸(図示しない)が設けられている。この固定軸が時計体(ムーブメント100)の機枠である地板9に穿設された二つの孔(図示しない)に挿入されてムーブメント100に装着されるとともに、文字板31が本体ケース2の内面に形成された段部203に当接される。地板9と裏蓋24に形成された断面方向の空間には、合成樹脂で成形された中枠25が装着され、この中枠25を介して本体ケース2の段部203とムーブメント100で挟持されて固定されている。本体ケース2は、黄銅やステンレスなどの金属で形成されている。また、地板9も、黄銅などの金属で形成されている。文字板31の表面312と背面311には、無色透明のアクリル系材料、ウレタン系材料やセルロース系材料などの有機材料の絶縁被膜313が被覆形成されている。
【0026】
この絶縁被膜313の形成は、ディッピング、塗装、真空蒸着や化学蒸着法(CVD)などの方法で行われ、これらの方法で形成された絶縁被膜313の厚みは5μm〜50μmであることが好ましい。この厚みは、5μmより薄い場合はピンホールなどができやすく、50μm以上の場合は、クラックが生じやすくなったり、また光透過率が変化して文字板表面の色彩を保持することが困難になる可能性があるためである。文字板31の表面が絶縁被膜313で被覆されているため、文字板31と地板9、文字板31と本体ケース2との接触面が電磁気的に絶縁される。
この際、文字板31表面の絶縁被膜313は、地板9が合成樹脂などで形成されている場合は、文字板31と本体ケース2との接触面のみに形成されてもよい。
【0027】
裏蓋24は、ムーブメント100を覆う蓋部241と、蓋部241の外周近傍の全周にわたって円筒部242が形成されて、その円筒部242の外周側面には雄螺子243と、この雄螺子243に連続してパッキン42が装着される溝状のパッキンボックス244とが形成されている。裏蓋24の最外周部には、蓋部241、円筒部242と連続して鍔部245が形成されている。
本体ケース2の内側には、裏蓋24の雄螺子243と同じ位置に雌螺子204が形成され、裏蓋24がパッキン42を挟んで本体ケース2と螺合されている。パッキン42が圧接されることによって、本体ケース2の防水性が確保される。
裏蓋24の雄螺子243外周と、裏蓋24の鍔部245の本体ケース2と接する面真で連続して硬質材料の絶縁層(絶縁被膜246)が形成されている。この絶縁被膜246が形成されていることで、裏蓋24と本体ケース2とは電磁気的に絶縁された状態がつくられている。
【0028】
裏蓋24に形成される絶縁被膜246は、硬質のクロム化合物で乾式メッキ法(気相成膜法)等で形成されている。クロム化合物としては、クロムの酸化物(CrO,CrCO,CrNO,CrCNO等)、クロムの窒化物(CrN,CrCN,CrNO,CrCNO等)、クロムの炭化物(CrCl、CrBr,CrI等)などの少なくとも1種を含む材料が使用される。
このクロム化合物によって形成された絶縁被膜246は、5μm〜100μmの厚みで形成される。クロム化合物が乾式メッキ法で生成される場合、生成条件や膜厚によって得られる色彩や光沢、密着度が異なる。膜厚が5μm未満の場合、ピンホールができたり、発色が充分でないことがあり、また、膜厚が100μm以上になると絶縁被膜246の内部応力が高くなり絶縁被膜246と基材としての裏蓋24の表面との密着性が低下したり、クラックが発生しやすくなる。しかし、本実施形態のように本体ケース2と裏蓋24とが螺合される場合は、膜厚が5μm〜15μmの範囲で形成されることが好ましい。
この際、クロム化合物の絶縁被膜246は、裏蓋24の表面全体に形成しても、本体ケース2の雌螺子部204および裏蓋24の鍔部245との接合面に形成してもよい。
【0029】
次に、本体ケース2とバンド23との嵌合接合面について図2および図3を用いて説明する。本体ケース2のバンド取り付け部201は一対形成されているが、同じ構造であるため一方のバンド取り付け部について説明する。
本体ケース2のリング状外殻の両側には、一対のアーム状のバンド取り付け部201が形成され、対向するアーム部の同じ位置に同じ径の貫通孔205が穿設されている。このバンド取り付け部201と本体ケース2の外殻とで形成された凹部206にバンド23の端部231が挿入されている。
バンド23の端部231には幅方向に横断して貫通孔232が穿設されて、この貫通孔232にばね棒43が挿入される。このばね棒43の軸方向両端部431は、軸方向に進退可能な構造になっており、図示しないが、ばね棒43内部にこの両端部431を外側に進出可能に附勢するばねを備え、本体ケース2のバンド取り付け部201の貫通孔205に挿入される。このようにばね棒43によって、本体ケース2とバンド23が凹凸嵌合されている。ばね棒43とバンド23、本体ケース2のバンド取り付け部201とは遊嵌された関係にあり、それぞれ回転自在である。
【0030】
ばね棒43は、外周面全体にわたって硬質の絶縁被膜432が形成されている。この絶縁被膜432は、前述したクロム化合物から形成され、具体的にはクロム酸化物、クロム窒化物、クロム炭化物とされる。また、絶縁被膜432は、乾式メッキ法で形成されており、膜厚は前述したように5μm〜100μmの範囲が好ましいが、ばね棒43とバンド23、ばね棒43と本体ケース2が回転自在であるためには5μm〜30μmの範囲が適切である。
バンド23の端部231には、本体ケース2のバンド取り付け部201との接触部の表面に前述のクロム化合物の絶縁被膜233が形成されている。絶縁被膜233の形成範囲は、バンド23を構成し本体ケース2のバンド取り付け部201と嵌合する端部231の表面に形成される。勿論、バンド23全体にわたって絶縁被膜を形成してもよい。
このようにバンド23、ばね棒43に硬質の絶縁被膜が形成されているので、バンド23と本体ケース2は電磁気的に絶縁された状態がつくられている。
【0031】
従って、本実施形態によれば、金属製の文字板31とムーブメント100の金属製の地板9との接触面、文字板31と金属製の本体ケース2との接触面に絶縁被膜313が形成されているので、これら各部材間において電磁気的に絶縁され、時計外部の電波が、文字板31とムーブメント100との間で電磁気的にループが構成されることがなく、また、文字板31と本体ケース2との間で電磁気的にループが構成されることがない。アンテナ8の周囲で電磁気的ループが構成されるとアンテナ8の受信感度が低下する。このことから、先述の各部材の接触面に絶縁層(絶縁被膜313)を形成することによって、時計内部に収納されているアンテナ8で時刻標準電波を良好に受信することができ、正確な時刻を表示することができる。
また、本体ケース2と金属製のバンド23との接触面についても、絶縁被膜233が形成され,ばね棒43の表面にも絶縁被膜432が形成されているので、外部の電波に対して本体ケース2とバンド23とが連結されても電磁気的にループを構成されることがないので、時計内部に収納されているアンテナ8で時刻標準電波を受信することができ、正確な時刻を表示することができる。
また、裏蓋24の本体ケース2との接合面にも絶縁被膜246が形成されているため、裏蓋24と本体ケース2を螺合して一体化して際に、電磁気的にループが形成されないので、アンテナ8で電波を良好に受信することができる。
【0032】
また、本実施例では、前述したように、文字板31に形成される絶縁層(絶縁被膜313)は、絶縁性有機材料で形成されている。この絶縁性有機材料は、アクリル系、ウレタン系、セルロース系の材料であり、文字板31の表面に形成されることによって、耐光性、耐酸性に優れ、表面に傷がつきにくく、長期間にわたって優れた外観を保持することができる。
このような本実施形態による電子時計は、金属製の本体ケース2、文字板31、バンド23で構成されているためアンテナを内蔵する電波時計でありながら高級感がある外観を提供できる。
【0033】
(第2実施形態)
図4に、本発明の第2実施形態による文字板31と本体ケース2とが接触する部分の要部断面図を示す。
第2実施形態は、前述した第1実施形態と文字板31と本体ケース2との接触部以外の構造は同じなので、相違点のみについて説明する。
図4において、文字板31の平面外周部には、時刻表示面312と外周端面とムーブメント側の背面311に連続して形成される絶縁枠26が装着されている。絶縁枠26は、絶縁性のある合成樹脂から成形されて、文字板31の時刻表示面側は本体ケース2の内壁202に形成された段部203の内径よりも大きい内径の平面部261と、文字板31と地板9との間で表裏が接する平面部262とこれら平面部を連続して成形されている。この絶縁枠26は、文字板31に装着しやすいように切欠きが設けられている(図示しない)。
この絶縁枠によって、文字板31と地板9、文字板31と本体ケース2との接触面が電磁気的に絶縁されている。
【0034】
このような第2実施形態では、絶縁枠26を設けることによって、文字板31とムーブメント100との間で電磁気的にループが構成されることがなく、また、文字板31と本体ケース2との間で電磁気的にループが構成されることがない。アンテナ8の周囲で電磁気的ループが構成されるとアンテナ8の受信感度が低下することが知られている。このことから、絶縁枠26を設けることによって、時計内部に収納されているアンテナ8で時刻標準電波を良好に受信することができ、正確な時刻を表示することができる。
絶縁枠26の平面部261の内径は、本体ケース2の段部203の内径よりも大きく成形されているため視認されず、良好な外観を保つことができる
この際、第1実施形態による文字板31に絶縁被膜313を形成する方法にくらべ、若干厚みは増すが、絶縁枠26は容易に射出成形によって製造することができるという利点もある。
【0035】
(第3実施形態)
図5に、第3実施形態の本体ケース2と裏蓋24との接合部を示す。
第3実施形態は、第1実施形態、第2実施形態とは、本体ケース2と裏蓋24との接合面の構造が異なるだけで他の構成は同じなので相異個所のみを詳しく説明する。
図5において、本体ケース2の内面裏蓋側には、裏蓋24が装着される段部208が形成され、この段部208に、断面略L字形の絶縁枠27が装着されている。絶縁枠27は、水密性の合成樹脂によって成形されている。この絶縁枠27は、本体ケース2の段部208の平面部に当接される一辺271と、本体ケース2の内周面209に当接する他の一辺272を有したリング状に形成されている。
裏蓋24は、円盤状に形成され、リング状の絶縁枠27の裏蓋側の開口部にあわせて圧入される。本体ケース2と絶縁リング27と裏蓋24とは、通常、時計を腕に装着されるときに容易に脱落しない程度の締め代にそれぞれの寸法が設定されている。
【0036】
このような第3実施形態では、本体ケース2と裏蓋24との接合部に、絶縁枠27が装着されているため、本体ケース2と裏蓋24とが接合されたときに、外部電波によって電磁気的なループが形成されない。従って、このことから、本体ケース2と裏蓋24の接合部に絶縁枠27が装着されることによって、時計内部に収納されているアンテナ で時刻標準電波を良好に受信することができ、正確な時刻を表示することができる。
また、絶縁枠27は、水密性の合成樹脂で成形され、裏蓋24が圧入されているので、本体ケース2と裏蓋24との間の防水性を保持することができる。
【0037】
(第4実施形態)
次に、第4実施形態を図6を用いて説明する。
第4実施形態は、第1実施形態〜第3実施形態と本体ケース2と裏蓋24との接合面の構造だけが異なるので、相異個所のみを詳しく説明する。
図6において、本体ケース2の内面の裏蓋側には、リング状の溝210が形成され、この溝210内にパッキン42が装着されている。リング状の溝210よりも平面方向外側の平面部211には、4本(図6では、1本)の螺子孔212が螺設されている。
裏蓋24の外周部の本体ケース2の螺子孔212と同じ位置に螺子44が挿入される孔が螺子孔212と同じ数だけ穿設されて、裏蓋24が螺子44によってパッキン42を圧接しながら固定されている。裏蓋24は、本体ケース2と接触する面に絶縁被膜248が形成されている。絶縁被膜248は、第1実施形態で説明した絶縁被膜246と同じ硬質のクロム化合物で乾式メッキ法(気相成膜法)等で形成されている。クロム化合物としては、クロムの酸化物、クロムの窒化物、クロムの炭化物などの少なくとも1種を含む材料が使用される。
従って、裏蓋24と本体ケース2と接触面は、電磁気的に絶縁されて、外部電波によって電磁気的ループが形成されない。このことによって、時計内部に収納されているアンテナ8で時刻標準電波を良好に受信することができ、正確な時刻を表示することができる。
【0038】
この際、絶縁層248は、本体ケース2の裏蓋24との接触面に形成してもよく、また、裏蓋24に形成する場合に、本体ケース2に接触する面だけに形成してもよく、または面全体に形成してもよい。
また、絶縁被膜として、クロム化合物以外の例えば、文字板31で採用された絶縁性有機材料で形成されてもよい。
また、本体ケース2と裏蓋24との接触面に、裏蓋24の外径と略同じ外径に形成された合成樹脂やゴムなどの絶縁シート(図示しない)を装着しても前述の効果が得られる。この絶縁シートを水密性のある材料で形成すれば、パッキン42が不要になるという効果もある。
【0039】
(第5実施形態)
図7に、本発明の第5実施形態の本体ケース2とバンド23とが連結された状態の部分正面図で、ばね棒43の径方向略中心で平面方向に切断して見た状態をしめしている。本体ケース2とバンド23の嵌合構成は、第1実施形態と同じである。
図7において、本体ケース2のバンド取り付け部201に穿設されたばね棒43の両端部431の挿入孔213に、合成樹脂で形成された筒状の絶縁パイプ45が挿着されている。また、バンド23の端部のばね棒43の挿入孔234にも合成樹脂で形成された筒状の絶縁パイプ46が挿着されている。この絶縁パイプ45,46の貫通孔にばね棒43が挿入されて本体ケース2とバンド23が回動自在に結合されている。
本体ケース2に挿着される絶縁パイプ45の外径は、ばね棒43のバンド端部に挿着される部分の外径よりも大きく設定されているので、ばね棒43が、本体ケース2やバンド23の金属部に接触することはない。
バンド23の端部231の表面は、絶縁被膜233が形成されている。この絶縁層233は、第1実施形態で説明したものと同じ材料、同じ方法で形成されている。
【0040】
従って、このような第5実施形態によれば、本体ケース2とバンド23の接触面は、電磁気的に絶縁されて、外部電波に対して電磁気的ループが形成されない。このことによって、時計内部に収納されているアンテナ8で時刻標準電波を良好に受信することができ、正確な時刻を表示することができる。
また、絶縁パイプ45,46は、それぞれ本体ケース2とバンド23の内部に収納されているので、時計の外観に影響を与えることはなく、優れた外観を提供することができる。
このような構造によれば、絶縁パイプ45,46は射出成形によって容易に製造できるという利点もある。
【0041】
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、前記実施形態では、本体ケース2、裏蓋24、バンド23およびムーブメント100の機枠としての地板9が全て金属製であるとしていたが、本発明では、これらの接合、または接触する部材が金属同士の組み合わせがひとつでもある場合に、その接合部、または接触部に絶縁層が形成されることによって、前述の効果が得られる。
前記実施形態では、絶縁層として絶縁被膜207、233、246、248と絶縁枠26,27との組み合わせは適宜選択できる。
また、前述の実施形態では、電子時計としての電波時計について説明したが本発明では、導電性材料から形成される本体ケースにアンテナが収納される電子機器に応用してもよい。
【0042】
【発明の効果】
このような発明によれば、電波受信用のアンテナが金属製ケースに収納されても受信感度を確保し、優れた外観の電子時計を提供することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態にかかる電子時計を示す外観図である。
【図2】前記第1実施形態の裏蓋を外した状態を示す正面図である。
【図3】前記第1実施形態にかかる要部断面図である。
【図4】前記第2実施形態にかかる要部断面図である。
【図5】前記第3実施形態にかかる要部断面図である。
【図6】前記第4実施形態にかかる要部断面図である。
【図7】前記第5実施形態にかかる正面方向からみた要部断面図である。
【符号の説明】
1…電子時計
2…本体ケース
6…駆動部
7…回路ブロック
8…アンテナ
9…字板
23…バンド
24…裏蓋
25…中枠
31…文字板
42,48…パッキン
43…ばね棒
47…ガラス
69…輪列部
71…水晶振動子
72…制御用IC
81…コア
82…受信コイル
100…ムーブメント
207,233,313,432…絶縁被膜
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子時計、特には電波時計の構造に関する。
【0002】
【背景技術】
従来、外部からの無線情報を受信して動作修正等を行う電子機器、例えば、外部からの正確な時刻情報電波(標準電波)を受信して時刻修正を行う電波時計などが知られている。
このような電波時計は、外部からの時刻情報を受けるアンテナと、このアンテナで受けた時刻情報を処理する受信手段と、この受信手段からの時刻情報に従って時刻表示部を駆動制御する時計本体とを備えて構成されている。
このような構成によれば、正確な時刻情報を載せた電波を受信し、時刻表示部が駆動制御されるので、正確な時刻を表示できることから、電波時計は優れた利便性を有する。
電波時計が正確な時刻修正を行うためには、外部からの時刻情報を正確に受信することが必要となる。電子時計、特に携帯型の腕時計の場合、高級感のある時計を提供するためには、金属製の本体ケースに電波受信用のアンテナを本体ケース内に収納し、また、金属製のバンドが装着されることが好ましい。しかし、アンテナを本体ケースに収納した場合に、本体ケースによって電波が遮蔽されることにより受信が妨げられるという課題があった。
このような課題は、電波修正機能を有する電子時計に限らず、外部からの無線情報を受信するアンテナを備えた各種の電子機器においても共通する課題である。また、電子時計が腕時計で有る場合に、金属製の本体ケースが金属製のバンドに装着された場合も、外部電波が本体ケースとバンドとの連環によって電磁気的なループが形成されるため、アンテナが電磁気的に外部と遮蔽され充分な受信性能を得られないという課題もあった。
【0003】
このため、電波受信用のアンテナが、本体ケースの外殻の一側部に設けられ、非金属製、例えば合成樹脂製の蓋体により密閉される電子時計が知られている(例えば、特開2000−214275号公報参照)。
このような構造の電子時計は、金属製の本体ケースの外殻にアンテナが配置されているために、本体ケースによって電波が遮蔽されることなく電波を受信することができる。また、アンテナは非金属製の蓋体で覆われているので、蓋体によって電波が遮蔽されることもない。
【0004】
また、本体ケースが合成樹脂で形成されて、その本体ケースと裏蓋に構成された空間にアンテナが収納された電子時計も提案されている(例えば、特開2000−286761号公報参照)。
このような構成によれば、本体ケースが合成樹脂で形成されているので、本体ケースによって外部電波が遮蔽されることはない。
【0005】
また、本体ケースを金属ケースとし、電波受信用のアンテナを金属ケース上に時刻表示部の風防であるガラスと平面的に並べて配置し、アンテナを合成樹脂製のアンテナカバーで覆う構造の電子時計も知られている(例えば、特開2001−27680号公報参照)。
このような構造では、電波受信用アンテナが金属製の本体ケースの上面外側に配置され合成樹脂製のアンテナカバーで覆われているので、電波が本体ケースやアンテナカバーによって遮蔽されることなく外部電波を受信することができる。
【0006】
さらに、金属製の本体ケースの環状枠にスリットを設け、このスリットに非導電性樹脂が充填され、金属製の裏蓋にも放射状のスリットが外周にまで設けられ、そのスリットに非導電性樹脂が充填され、本体ケースと裏蓋とで形成された空間に電波受信用のアンテナが収容されている電子時計が知られている(例えば、特開2003−35787号公報参照)
このような構造によれば、本体ケースの環状枠にスリットが形成され、時計裏蓋にも放射状のスリットが形成されているため、本体ケースおよび時計裏蓋に外部電波による誘導電流が流れることが防止され、外部電波が遮蔽されることが防止されている。
【0007】
【特許文献1】
特開2000−214275号公報(第4頁、図1、図2、図4)
【特許文献2】
特開2000−286761号公報(第14頁〜第18頁、図2、図14〜図16)
【特許文献3】
特開2001−27680号公報(第6頁、図2)
【特許文献4】
特開2003−35787号公報(第6頁、第7頁、第10頁、図2、図4、図9)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
このような特許文献1では、電波受信用のアンテナが本体ケースの外殻に配置され、プラスチック等の合成樹脂の蓋体で覆われているため、本体ケースが金属製であっても、視認される外観は、アンテナの蓋体がプラスチック等で形成されている特異な外観となり、全てが金属製の高級外観を得ることができないという課題があった。また、プラスチック製の蓋体は傷がつきやすいという課題もある。
特許文献2では、本体ケースは、合成樹脂で形成されているので金属ケースと同等な高級感のある外観の時計を得ることはできない。また、本体ケースの外殻に合成樹脂製のべゼルカバーを装着して外観の向上を図っているが、時計が厚く大きくなる上、金属製に比べ傷がつきやすいという課題もある。
また、特許文献3では、本体ケースは金属製であるが、アンテナは本体ケース上面に時刻表示部のガラスと略同じ平面に並べて配置され、合成樹脂等で形成されたアンテナカバーで覆われているので、本体ケースは金属製であってもアンテナは合成樹脂のアンテナカバー覆われているため、特許文献1と同様に、全て金属製の本体ケースと同等な高級外観を得ることができないという課題がある。また、アンテナが時刻表示部のガラスと並べて配置されるため、時刻表示部の面積が小さくなり表示された時刻等を読みにくくなるという課題もある。
特許文献4の構造では、金属製の本体ケースの環状枠にスリットを設けている。このスリットの幅を極めて小さくしておくことが考えられるが、連続した金属外観がこのスリットで分断され、高級感ある外観は得られない。
また、このスリットには非導電性樹脂が充填されているが、スリット部の強度が金属製に比べて低下するという課題がある。
裏蓋も同様に、スリットを設けることで外観や強度確保について前述の本体ケースと同様な課題がある。
【0009】
このような特許文献1、特許文献3、特許文献4のいずれも金属製の本体ケースを装着しながらも、アンテナによる電波受信性能を確保しているが、時刻表示部に金属製の文字板を設けた場合に本体ケースと文字板、文字板と時計本体との連結や本体ケースと金属製バンドとの連結により電磁気的ループが構成されることにより電波受信が影響されることについては何ら配慮されていないというような課題がある。
【0010】
本発明の目的は、電波受信用のアンテナが金属製ケースに収納されても受信感度を確保し、優れた外観の電子時計を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の電子時計は、導電性材料から形成される本体ケースと、この本体ケースに収納され電波を受信するアンテナを有する受信手段と、時刻表示部を駆動する時計本体と、前記本体ケースの内面に形成された段部と前記時計本体との間に挟持されて導電性材料から形成される文字板とを備え、
前記本体ケースは、文字板側開口部を封止するガラスが装着され、時計本体側開口部を封止する導電性材料から構成される裏蓋が装着され、前記文字板と前記時計本体、前記文字板と前記本体ケース、該本体ケースと前記裏蓋、前記本体ケースとの各当接面に絶縁層が設けられたことを特徴とする。
【0012】
このような構成によれば、電波受信用のアンテナは、導電性材料から形成されている本体ケースおよび文字板、裏蓋に囲まれた空間内に配置されている。従って、一般に、外部の電波はこれらの導電性部材によって遮蔽され内部のアンテナによる受信を妨げることになる。例えば、本体ケースと文字板が金属で形成され、直接接触されている場合、外部電波は本体ケースと文字板との間で電磁気的にループが形成され閉じた状態になり、本体ケース内に配置された電波受信用のアンテナまで外部電波が到達しにくくなる。このことは、文字板と本体ケース、本体ケースと裏蓋との間でも同様な課題を有している。しかし、文字板と時計本体、文字板と本体ケースおよび本体ケースと裏蓋との各接合面に絶縁層が設けられているので、前述のそれぞれの構成材間で、電磁気的なループが形成されることがないために、外部電波が遮蔽されることを防止できる。また、この絶縁層を通して外部電波がアンテナによって受信される。
この際、導電性材料とは、例えば、金属製、合成樹脂やセラミック、天然素材などに金属の被覆をしたものを含む。
時計は、時刻を表示する道具としての機能と腕に装着する装身具としての機能を合わせもち、トータルデザインとして金属製であることが高級感がある時計として認知されている。本発明の構成によれば、時計の外観が構成される本体ケース、文字板、裏蓋が導電性部材、外観的には金属で構成されているが、先述したように受信感度を確保でき、また、高級感ある優れた外観の電子時計を提供することができる。
【0013】
請求項2に記載の電子時計の文字板は、前記時計本体との当接面に絶縁被膜が形成されているか、または絶縁部材が設けられていることが好ましい。
時計本体の基材、例えば、地板は金属(多くは、黄銅など)で形成され、文字板は地板の時刻表示面側に載置される。この際、文字板の時計本体との接合面に絶縁層が形成されている。このような構成によれば、文字板と時計本体との間で電磁気的なループが形成されず、また、外部電波がこの絶縁層を通してアンテナによって良好に受信される。絶縁層としては、例えば、絶縁皮膜や合成樹脂から成形される絶縁部材が用いられる。これら絶縁被膜や絶縁部材は後述するが時計外部から視認されない厚みや形状に形成されているために、時計の外観を損なうことがなく、優れた外観を提供できる。
【0014】
請求項3に記載の電子時計によれば、前記文字板は、前記本体ケースとの当接面に絶縁被膜が形成されているか、または合成樹脂等で成形された絶縁部材が設けられているので、文字板と本体ケースで電磁気的ループが形成されることがなく、また、この絶縁被膜や絶縁部材等の絶縁層を通して外部電波を良好に受信することができる。絶縁被膜や絶縁部材は、例えば、時計外部からは視認されない厚みや形状に形成されているので、時計の外観を損なうことなく、優れた外観を提供できる。
ここで、絶縁部材としては、文字板の時計本体との接合面の絶縁部材(請求項2)、文字板と本体ケースとの接合面の絶縁部材とを合成樹脂等で一体に形成された絶縁部材を採用することができる。
【0015】
本発明の電子時計の文字板に形成された絶縁被膜は、絶縁性有機材料で形成されていることが望ましい。
文字板は、時計本体の視認方向表面に配置され太陽光などに晒される機会が多く、紫外線等の耐光性が求められる。また、外観上、無色透明な材料が好ましく例えば、アクリル系材料、ウレタン系材料、またはセルロース系材料などの絶縁性有機材料がより好ましい。絶縁被膜がこれらの材料で形成されることによって耐光性がよく時計の外観も損なわれることなく受信性能も確保することができる。
また、これらの絶縁被膜材料は、文字板の時計本体、本体ケースとの当接面のみに形成してもよく、文字板全面に形成してもよい。
【0016】
請求項5に記載の電子時計は、前記本体ケースまたは前記裏蓋のいずれかの前記本体ケースと前記裏蓋との当接面に絶縁被膜が形成されているか、または前記当接面に絶縁部材が設けられていることを特徴とする。
裏蓋は、一般に、本体ケースに時計本体を装着した後に螺合されるか、圧入されるか、または小螺子で固定される。このような構成において、時計本体と裏蓋との接合面に絶縁被膜か、または、例えば、合成樹脂で成形された絶縁部材が設けられているので、本体ケースと裏蓋との間で電磁気的なループが形成されることがなく、この絶縁層を通して電波がアンテナによって受信できる。
絶縁被膜と絶縁部材とは、裏蓋の接合構造によって適宜選択することができる。
【0017】
請求項1または請求項5に記載の電子時計において前記本体ケース、または前記裏蓋に形成される前記絶縁被膜は、クロム化合物から形成されていることが好ましい。
本体ケースと裏蓋との接合は先述したように、裏蓋が本体ケースに螺合されるか、圧入されて着脱可能に装着されることが多い。従って、絶縁被膜は、裏蓋装着の際に容易に剥離しないことが要求されるので、クロム化合物などの硬質の被膜から形成されることによって、裏蓋を本体ケースに装着する際に剥離または脱落することがなく、長期にわたって、また、着脱の繰り返しにも耐えられる。
【0018】
本発明の電子時計は、前記本体ケース外殻に形成された一対のバンド取り付け部に取り付けられる導電性材料から構成されるバンドと、前記バンド取り付け部と前記バンドの端部とが凹凸嵌合され着脱自在に挿着される挿着部材を備え、前記本体ケースと前記バンドの端部のいずれかに絶縁被膜が形成され、かつ、前記挿着部材に絶縁被膜が形成されているか、または、前記本体ケースのバンド取り付け部と前記挿着部材との当接面、前記バンドの端部と前記挿着部材との当接面に絶縁部材が設けられていることを特徴とする。
【0019】
この際、バンドを構成する導電性材料は、金属および合成樹脂などの非導電性材料に金属を被覆した材料を含む。
このような構成では、本体ケースとバンドとの当接部に絶縁被膜が形成され、または絶縁部材が備えられ、本体ケースのバンド取り付け部とバンドは、装着部材(例えば、ばね棒)で挿着されているが、この装着部材の表面にも絶縁層が形成されている。このことによって、本体ケースとバンドが連結されても電磁気的ループが形成されることがなく、外部の電波がこれら本体ケースとバンドとで遮蔽されることを防止し、アンテナの受信性能を確保することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図1〜図3は本実施形態の電子時計が示されている。
図1に、本発明の電子時計にかかる第1実施形態としての電子時計1の外観図を示す。図2は、この電子時計1の裏蓋を外した時の平面図である。図3は、その要部断面図である。
この電子時計1は、基枠としての本体ケース2と、本体ケース2の内部に配設された時計用ムーブメント100と、無線情報(電波)として時刻情報を含んだ標準電波を受信するアンテナ8とを備えている。
本体ケース2は、略リング状で黄銅やステンレスや金などの金属材料によって形成され、本体ケース2の外表面には図1で示される時刻表示部3が設けられている。本体ケース2のリング状外殻の互いに反対位置には、ステンレスなどの金属材料で形成されたバンド23を取り付けるバンド取り付け部201が形成されている。
【0021】
時刻表示部3は、本体ケース2の内側に装着された略円形状の文字板31と、時刻を示す指針である秒針32、分針33、時針34とを備えて構成されている。略円形状の文字板31の背面311と本体ケース2の内壁202とによって略円形状の凹部22が形成され、この凹部22にムーブメント100が配設されている。
ムーブメント100は、ボタン型の電池5を電源として駆動される駆動部6と、水晶振動子71や制御用IC72が実装された回路ブロック7と、これらを挟持して一体化する地板9及び輪列受(図示しない)とを備えて構成されている。
駆動部6は、時刻表示部3の秒針32、分針33、時針34を駆動するためのステッピングモータ65と、このステッピングモータ65の動力を伝達する輪列部69とを備えている。輪列部69は、ステッピングモータ65のロータ68に歯合され、動力を秒針32、分針33、時針34に順次伝達する。
【0022】
回路ブロック7は、一定周期の発信を行う水晶振動子71と、制御用IC72等を備えて構成されている。水晶振動子71としては、基準クロックを発信する時計用の水晶振動子711と、標準電波の周波数に同調する同調信号生成用の同調用水晶振動子712、713とが設けられている。同調用水晶振動子は、例えば、日本国内では、60kHzの標準電波に同調するための水晶振動子713と、40kHzの標準電波に同調するための水晶振動子712との二つが設けられている。また、例えば、欧米では、60kHzの水晶振動子、77,5kHzの水晶振動子を用いる。
IC72は、水晶振動子711からの周波数を分周して基準クロックを生成する分周回路や、基準クロックをカウントして時刻を計時する計時回路や、計時回路からの信号をもとに駆動部6のモータ68を制御する制御回路や、アンテナ8で受信した時刻情報を処理(増幅、復調など)する受信手段としての受信回路などを備えて構成されている(図示しない)。IC72は、可能な回路部分を共有化したり、アナログ回路ではなくコンピュータ等でソフト的に構成するなどでもよい。
【0023】
アンテナ8は、フェライトからなるコア81と、このコアに巻回された受信コイル82とで構成されている。アンテナ8のコア81は、フェライト、アモルファス金属、SUY(電磁軟鉄)などで形成されてもよい。例えば、アンテナ8のコア81を電磁軟鉄などで形成する場合には、本体ケース2の形状に沿って湾曲状に形成することが可能である。
アンテナ8で受信された時刻情報(無線情報)は、IC72の受信回路に出力されて、信号処理がなされる。従って、アンテナ8とIC72の受信回路から受信手段が構成されている。
【0024】
次に電波時計1の構成のレイアウトについて説明する。電波時計1を裏蓋側から平面的に見た場合、図2において、アンテナ8は、外部操作部材となるりゅうずの巻真41は3時方向に設けられることが多いので、巻真41とは、輪列部69をはさんで反対側の空間に配置される。アンテナ8が6時側または12時側に配置されることも可能であるが、腕装着用のバンド23が金属等の導電性材料で形成されている場合には、アンテナ8のコイル82に発生する鎖交磁束がバンドと重なりやすい。その結果、アンテナ8の受信感度が低下される可能性がある。そこで、金属等の導電性材料のバンドを用いた場合には、アンテナ8を9時方向に配置し、かつ、その長手方向両端が6時、12時方向に向けて配置される方がアンテナ8の受信感度を保つためにはよい。
【0025】
次に、文字板31とムーブメント100、文字板31と本体ケース2、本体ケース2と裏蓋24、本体ケース2とバンド23とのそれぞれの接合面について図3にて詳細に説明する。
本体ケース2は、時刻表示部3の上面に風防としてのガラス47が水密性のパッキン48と共に圧入されている。パッキン42は、略L字状の断面形状のリングであり、本体ケース2とパッキン48とガラス47とが密着されている。
文字板31は、視認側の表面312に時刻表示のための目盛が印刷等で形成され(図1)、他方の背面311には略対角に2本の固定軸(図示しない)が設けられている。この固定軸が時計体(ムーブメント100)の機枠である地板9に穿設された二つの孔(図示しない)に挿入されてムーブメント100に装着されるとともに、文字板31が本体ケース2の内面に形成された段部203に当接される。地板9と裏蓋24に形成された断面方向の空間には、合成樹脂で成形された中枠25が装着され、この中枠25を介して本体ケース2の段部203とムーブメント100で挟持されて固定されている。本体ケース2は、黄銅やステンレスなどの金属で形成されている。また、地板9も、黄銅などの金属で形成されている。文字板31の表面312と背面311には、無色透明のアクリル系材料、ウレタン系材料やセルロース系材料などの有機材料の絶縁被膜313が被覆形成されている。
【0026】
この絶縁被膜313の形成は、ディッピング、塗装、真空蒸着や化学蒸着法(CVD)などの方法で行われ、これらの方法で形成された絶縁被膜313の厚みは5μm〜50μmであることが好ましい。この厚みは、5μmより薄い場合はピンホールなどができやすく、50μm以上の場合は、クラックが生じやすくなったり、また光透過率が変化して文字板表面の色彩を保持することが困難になる可能性があるためである。文字板31の表面が絶縁被膜313で被覆されているため、文字板31と地板9、文字板31と本体ケース2との接触面が電磁気的に絶縁される。
この際、文字板31表面の絶縁被膜313は、地板9が合成樹脂などで形成されている場合は、文字板31と本体ケース2との接触面のみに形成されてもよい。
【0027】
裏蓋24は、ムーブメント100を覆う蓋部241と、蓋部241の外周近傍の全周にわたって円筒部242が形成されて、その円筒部242の外周側面には雄螺子243と、この雄螺子243に連続してパッキン42が装着される溝状のパッキンボックス244とが形成されている。裏蓋24の最外周部には、蓋部241、円筒部242と連続して鍔部245が形成されている。
本体ケース2の内側には、裏蓋24の雄螺子243と同じ位置に雌螺子204が形成され、裏蓋24がパッキン42を挟んで本体ケース2と螺合されている。パッキン42が圧接されることによって、本体ケース2の防水性が確保される。
裏蓋24の雄螺子243外周と、裏蓋24の鍔部245の本体ケース2と接する面真で連続して硬質材料の絶縁層(絶縁被膜246)が形成されている。この絶縁被膜246が形成されていることで、裏蓋24と本体ケース2とは電磁気的に絶縁された状態がつくられている。
【0028】
裏蓋24に形成される絶縁被膜246は、硬質のクロム化合物で乾式メッキ法(気相成膜法)等で形成されている。クロム化合物としては、クロムの酸化物(CrO,CrCO,CrNO,CrCNO等)、クロムの窒化物(CrN,CrCN,CrNO,CrCNO等)、クロムの炭化物(CrCl、CrBr,CrI等)などの少なくとも1種を含む材料が使用される。
このクロム化合物によって形成された絶縁被膜246は、5μm〜100μmの厚みで形成される。クロム化合物が乾式メッキ法で生成される場合、生成条件や膜厚によって得られる色彩や光沢、密着度が異なる。膜厚が5μm未満の場合、ピンホールができたり、発色が充分でないことがあり、また、膜厚が100μm以上になると絶縁被膜246の内部応力が高くなり絶縁被膜246と基材としての裏蓋24の表面との密着性が低下したり、クラックが発生しやすくなる。しかし、本実施形態のように本体ケース2と裏蓋24とが螺合される場合は、膜厚が5μm〜15μmの範囲で形成されることが好ましい。
この際、クロム化合物の絶縁被膜246は、裏蓋24の表面全体に形成しても、本体ケース2の雌螺子部204および裏蓋24の鍔部245との接合面に形成してもよい。
【0029】
次に、本体ケース2とバンド23との嵌合接合面について図2および図3を用いて説明する。本体ケース2のバンド取り付け部201は一対形成されているが、同じ構造であるため一方のバンド取り付け部について説明する。
本体ケース2のリング状外殻の両側には、一対のアーム状のバンド取り付け部201が形成され、対向するアーム部の同じ位置に同じ径の貫通孔205が穿設されている。このバンド取り付け部201と本体ケース2の外殻とで形成された凹部206にバンド23の端部231が挿入されている。
バンド23の端部231には幅方向に横断して貫通孔232が穿設されて、この貫通孔232にばね棒43が挿入される。このばね棒43の軸方向両端部431は、軸方向に進退可能な構造になっており、図示しないが、ばね棒43内部にこの両端部431を外側に進出可能に附勢するばねを備え、本体ケース2のバンド取り付け部201の貫通孔205に挿入される。このようにばね棒43によって、本体ケース2とバンド23が凹凸嵌合されている。ばね棒43とバンド23、本体ケース2のバンド取り付け部201とは遊嵌された関係にあり、それぞれ回転自在である。
【0030】
ばね棒43は、外周面全体にわたって硬質の絶縁被膜432が形成されている。この絶縁被膜432は、前述したクロム化合物から形成され、具体的にはクロム酸化物、クロム窒化物、クロム炭化物とされる。また、絶縁被膜432は、乾式メッキ法で形成されており、膜厚は前述したように5μm〜100μmの範囲が好ましいが、ばね棒43とバンド23、ばね棒43と本体ケース2が回転自在であるためには5μm〜30μmの範囲が適切である。
バンド23の端部231には、本体ケース2のバンド取り付け部201との接触部の表面に前述のクロム化合物の絶縁被膜233が形成されている。絶縁被膜233の形成範囲は、バンド23を構成し本体ケース2のバンド取り付け部201と嵌合する端部231の表面に形成される。勿論、バンド23全体にわたって絶縁被膜を形成してもよい。
このようにバンド23、ばね棒43に硬質の絶縁被膜が形成されているので、バンド23と本体ケース2は電磁気的に絶縁された状態がつくられている。
【0031】
従って、本実施形態によれば、金属製の文字板31とムーブメント100の金属製の地板9との接触面、文字板31と金属製の本体ケース2との接触面に絶縁被膜313が形成されているので、これら各部材間において電磁気的に絶縁され、時計外部の電波が、文字板31とムーブメント100との間で電磁気的にループが構成されることがなく、また、文字板31と本体ケース2との間で電磁気的にループが構成されることがない。アンテナ8の周囲で電磁気的ループが構成されるとアンテナ8の受信感度が低下する。このことから、先述の各部材の接触面に絶縁層(絶縁被膜313)を形成することによって、時計内部に収納されているアンテナ8で時刻標準電波を良好に受信することができ、正確な時刻を表示することができる。
また、本体ケース2と金属製のバンド23との接触面についても、絶縁被膜233が形成され,ばね棒43の表面にも絶縁被膜432が形成されているので、外部の電波に対して本体ケース2とバンド23とが連結されても電磁気的にループを構成されることがないので、時計内部に収納されているアンテナ8で時刻標準電波を受信することができ、正確な時刻を表示することができる。
また、裏蓋24の本体ケース2との接合面にも絶縁被膜246が形成されているため、裏蓋24と本体ケース2を螺合して一体化して際に、電磁気的にループが形成されないので、アンテナ8で電波を良好に受信することができる。
【0032】
また、本実施例では、前述したように、文字板31に形成される絶縁層(絶縁被膜313)は、絶縁性有機材料で形成されている。この絶縁性有機材料は、アクリル系、ウレタン系、セルロース系の材料であり、文字板31の表面に形成されることによって、耐光性、耐酸性に優れ、表面に傷がつきにくく、長期間にわたって優れた外観を保持することができる。
このような本実施形態による電子時計は、金属製の本体ケース2、文字板31、バンド23で構成されているためアンテナを内蔵する電波時計でありながら高級感がある外観を提供できる。
【0033】
(第2実施形態)
図4に、本発明の第2実施形態による文字板31と本体ケース2とが接触する部分の要部断面図を示す。
第2実施形態は、前述した第1実施形態と文字板31と本体ケース2との接触部以外の構造は同じなので、相違点のみについて説明する。
図4において、文字板31の平面外周部には、時刻表示面312と外周端面とムーブメント側の背面311に連続して形成される絶縁枠26が装着されている。絶縁枠26は、絶縁性のある合成樹脂から成形されて、文字板31の時刻表示面側は本体ケース2の内壁202に形成された段部203の内径よりも大きい内径の平面部261と、文字板31と地板9との間で表裏が接する平面部262とこれら平面部を連続して成形されている。この絶縁枠26は、文字板31に装着しやすいように切欠きが設けられている(図示しない)。
この絶縁枠によって、文字板31と地板9、文字板31と本体ケース2との接触面が電磁気的に絶縁されている。
【0034】
このような第2実施形態では、絶縁枠26を設けることによって、文字板31とムーブメント100との間で電磁気的にループが構成されることがなく、また、文字板31と本体ケース2との間で電磁気的にループが構成されることがない。アンテナ8の周囲で電磁気的ループが構成されるとアンテナ8の受信感度が低下することが知られている。このことから、絶縁枠26を設けることによって、時計内部に収納されているアンテナ8で時刻標準電波を良好に受信することができ、正確な時刻を表示することができる。
絶縁枠26の平面部261の内径は、本体ケース2の段部203の内径よりも大きく成形されているため視認されず、良好な外観を保つことができる
この際、第1実施形態による文字板31に絶縁被膜313を形成する方法にくらべ、若干厚みは増すが、絶縁枠26は容易に射出成形によって製造することができるという利点もある。
【0035】
(第3実施形態)
図5に、第3実施形態の本体ケース2と裏蓋24との接合部を示す。
第3実施形態は、第1実施形態、第2実施形態とは、本体ケース2と裏蓋24との接合面の構造が異なるだけで他の構成は同じなので相異個所のみを詳しく説明する。
図5において、本体ケース2の内面裏蓋側には、裏蓋24が装着される段部208が形成され、この段部208に、断面略L字形の絶縁枠27が装着されている。絶縁枠27は、水密性の合成樹脂によって成形されている。この絶縁枠27は、本体ケース2の段部208の平面部に当接される一辺271と、本体ケース2の内周面209に当接する他の一辺272を有したリング状に形成されている。
裏蓋24は、円盤状に形成され、リング状の絶縁枠27の裏蓋側の開口部にあわせて圧入される。本体ケース2と絶縁リング27と裏蓋24とは、通常、時計を腕に装着されるときに容易に脱落しない程度の締め代にそれぞれの寸法が設定されている。
【0036】
このような第3実施形態では、本体ケース2と裏蓋24との接合部に、絶縁枠27が装着されているため、本体ケース2と裏蓋24とが接合されたときに、外部電波によって電磁気的なループが形成されない。従って、このことから、本体ケース2と裏蓋24の接合部に絶縁枠27が装着されることによって、時計内部に収納されているアンテナ で時刻標準電波を良好に受信することができ、正確な時刻を表示することができる。
また、絶縁枠27は、水密性の合成樹脂で成形され、裏蓋24が圧入されているので、本体ケース2と裏蓋24との間の防水性を保持することができる。
【0037】
(第4実施形態)
次に、第4実施形態を図6を用いて説明する。
第4実施形態は、第1実施形態〜第3実施形態と本体ケース2と裏蓋24との接合面の構造だけが異なるので、相異個所のみを詳しく説明する。
図6において、本体ケース2の内面の裏蓋側には、リング状の溝210が形成され、この溝210内にパッキン42が装着されている。リング状の溝210よりも平面方向外側の平面部211には、4本(図6では、1本)の螺子孔212が螺設されている。
裏蓋24の外周部の本体ケース2の螺子孔212と同じ位置に螺子44が挿入される孔が螺子孔212と同じ数だけ穿設されて、裏蓋24が螺子44によってパッキン42を圧接しながら固定されている。裏蓋24は、本体ケース2と接触する面に絶縁被膜248が形成されている。絶縁被膜248は、第1実施形態で説明した絶縁被膜246と同じ硬質のクロム化合物で乾式メッキ法(気相成膜法)等で形成されている。クロム化合物としては、クロムの酸化物、クロムの窒化物、クロムの炭化物などの少なくとも1種を含む材料が使用される。
従って、裏蓋24と本体ケース2と接触面は、電磁気的に絶縁されて、外部電波によって電磁気的ループが形成されない。このことによって、時計内部に収納されているアンテナ8で時刻標準電波を良好に受信することができ、正確な時刻を表示することができる。
【0038】
この際、絶縁層248は、本体ケース2の裏蓋24との接触面に形成してもよく、また、裏蓋24に形成する場合に、本体ケース2に接触する面だけに形成してもよく、または面全体に形成してもよい。
また、絶縁被膜として、クロム化合物以外の例えば、文字板31で採用された絶縁性有機材料で形成されてもよい。
また、本体ケース2と裏蓋24との接触面に、裏蓋24の外径と略同じ外径に形成された合成樹脂やゴムなどの絶縁シート(図示しない)を装着しても前述の効果が得られる。この絶縁シートを水密性のある材料で形成すれば、パッキン42が不要になるという効果もある。
【0039】
(第5実施形態)
図7に、本発明の第5実施形態の本体ケース2とバンド23とが連結された状態の部分正面図で、ばね棒43の径方向略中心で平面方向に切断して見た状態をしめしている。本体ケース2とバンド23の嵌合構成は、第1実施形態と同じである。
図7において、本体ケース2のバンド取り付け部201に穿設されたばね棒43の両端部431の挿入孔213に、合成樹脂で形成された筒状の絶縁パイプ45が挿着されている。また、バンド23の端部のばね棒43の挿入孔234にも合成樹脂で形成された筒状の絶縁パイプ46が挿着されている。この絶縁パイプ45,46の貫通孔にばね棒43が挿入されて本体ケース2とバンド23が回動自在に結合されている。
本体ケース2に挿着される絶縁パイプ45の外径は、ばね棒43のバンド端部に挿着される部分の外径よりも大きく設定されているので、ばね棒43が、本体ケース2やバンド23の金属部に接触することはない。
バンド23の端部231の表面は、絶縁被膜233が形成されている。この絶縁層233は、第1実施形態で説明したものと同じ材料、同じ方法で形成されている。
【0040】
従って、このような第5実施形態によれば、本体ケース2とバンド23の接触面は、電磁気的に絶縁されて、外部電波に対して電磁気的ループが形成されない。このことによって、時計内部に収納されているアンテナ8で時刻標準電波を良好に受信することができ、正確な時刻を表示することができる。
また、絶縁パイプ45,46は、それぞれ本体ケース2とバンド23の内部に収納されているので、時計の外観に影響を与えることはなく、優れた外観を提供することができる。
このような構造によれば、絶縁パイプ45,46は射出成形によって容易に製造できるという利点もある。
【0041】
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、前記実施形態では、本体ケース2、裏蓋24、バンド23およびムーブメント100の機枠としての地板9が全て金属製であるとしていたが、本発明では、これらの接合、または接触する部材が金属同士の組み合わせがひとつでもある場合に、その接合部、または接触部に絶縁層が形成されることによって、前述の効果が得られる。
前記実施形態では、絶縁層として絶縁被膜207、233、246、248と絶縁枠26,27との組み合わせは適宜選択できる。
また、前述の実施形態では、電子時計としての電波時計について説明したが本発明では、導電性材料から形成される本体ケースにアンテナが収納される電子機器に応用してもよい。
【0042】
【発明の効果】
このような発明によれば、電波受信用のアンテナが金属製ケースに収納されても受信感度を確保し、優れた外観の電子時計を提供することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態にかかる電子時計を示す外観図である。
【図2】前記第1実施形態の裏蓋を外した状態を示す正面図である。
【図3】前記第1実施形態にかかる要部断面図である。
【図4】前記第2実施形態にかかる要部断面図である。
【図5】前記第3実施形態にかかる要部断面図である。
【図6】前記第4実施形態にかかる要部断面図である。
【図7】前記第5実施形態にかかる正面方向からみた要部断面図である。
【符号の説明】
1…電子時計
2…本体ケース
6…駆動部
7…回路ブロック
8…アンテナ
9…字板
23…バンド
24…裏蓋
25…中枠
31…文字板
42,48…パッキン
43…ばね棒
47…ガラス
69…輪列部
71…水晶振動子
72…制御用IC
81…コア
82…受信コイル
100…ムーブメント
207,233,313,432…絶縁被膜
Claims (7)
- 導電性材料から形成される本体ケースと、この本体ケースに収納され電波を受信するアンテナを有する受信手段と、時刻表示部を駆動する時計本体と、前記本体ケースの内面に形成された段部と前記時計本体との間に挟持されて導電性材料から形成される文字板とを備え、
前記本体ケースは、文字板側開口部を封止するガラスが装着され、時計本体側開口部を封止する導電性材料から形成される裏蓋が装着され、
前記文字板と前記時計本体、前記文字板と前記本体ケース、該本体ケースと前記裏蓋、前記本体ケースとの各当接面に絶縁層が設けられたことを特徴とする電子時計。 - 請求項1に記載の電子時計において、
前記文字板は、前記時計本体との当接面に絶縁被膜が形成されているか、または絶縁部材が設けられていることを特徴とする電子時計。 - 請求項1および請求項2に記載の電子時計において、
前記文字板は、前記本体ケースとの当接面に絶縁被膜が形成されているか、または絶縁部材が設けられていることを特徴とする電子時計。 - 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の電子時計において、
前記文字板に形成された絶縁被膜は、絶縁性有機材料で形成されていることを特徴とする電子時計。 - 請求項1に記載の電子時計において、
前記本体ケースまたは前記裏蓋のいずれかの前記本体ケースと前記裏蓋との当接面に絶縁被膜が形成されているか、または前記当接面に絶縁部材が設けられていることを特徴とする電子時計。 - 請求項1ないし請求項5のいずれかにに記載の電子時計において、
前記本体ケース、または前記裏蓋に形成される前記絶縁被膜は、クロム化合物から形成されていることを特徴とする電子時計。 - 請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の電子時計において、
前記本体ケース外殻に形成された一対のバンド取り付け部に取り付けられる導電性材料から構成されるバンドと、前記バンド取り付け部と前記バンドの端部とが凹凸嵌合され着脱自在に挿着される挿着部材を備え、
前記本体ケースと前記バンドの端部のいずれかに絶縁被膜が形成され、かつ、前記挿着部材に絶縁被膜が形成されているか、または、前記本体ケースのバンド取り付け部と前記挿着部材との当接面、前記バンドの端部と前記挿着部材との当接面に絶縁部材が設けられていることを特徴とする電子時計。
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