JP4107236B2 - 無線機能付き電子腕時計 - Google Patents

無線機能付き電子腕時計 Download PDF

Info

Publication number
JP4107236B2
JP4107236B2 JP2004005616A JP2004005616A JP4107236B2 JP 4107236 B2 JP4107236 B2 JP 4107236B2 JP 2004005616 A JP2004005616 A JP 2004005616A JP 2004005616 A JP2004005616 A JP 2004005616A JP 4107236 B2 JP4107236 B2 JP 4107236B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
antenna
dial
outer case
radio wave
antennas
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004005616A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2004354366A (ja
JP2004354366A5 (ja
Inventor
功 小口
照彦 藤沢
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP2004005616A priority Critical patent/JP4107236B2/ja
Publication of JP2004354366A publication Critical patent/JP2004354366A/ja
Publication of JP2004354366A5 publication Critical patent/JP2004354366A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4107236B2 publication Critical patent/JP4107236B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Electromechanical Clocks (AREA)
  • Electric Clocks (AREA)

Description

本発明は、無線機能付き電子時計に関し、例えば、電波修正時計に関する。
従来より、電波を受信してこの電波に含まれる無線情報に基づいて所定の動作を行う無線機能付き電子時計が知られ、例えば、時刻情報を含む標準電波を受信するアンテナを備え、このアンテナで受信した時刻情報に基づいて時刻修正を行う電波修正時計が知られている(例えば、特許文献1、2、3)。
特許文献1では、腕時計の革製バンドに組み込まれたアンテナがバンドに形成された接続端子を介して時計本体に接続された構成が開示されている。この構成では、時計本体にアンテナが配置されないので時計本体が小型化され、また、アンテナの受信性能が時計本体の金属部分による影響を受けないようにできる。
特許文献2では、非金属部材からなる外装ケースの内周に形成された溝にアンテナが配置された構成が開示されている。この構成では、外装ケースが非金属性であることから、外装ケースによって標準電波が遮蔽されず、アンテナで良好に電波が受信される。
特許文献3では、金属製外装ケースの内側に非導電性部材からなるスペーサリングが配置されるとともに、このスペーサリングの内側に外装ケースから所定距離を隔ててアンテナが配置される構成が開示されている。この構成では、外装ケースからアンテナが所定距離だけ離隔されることで外装ケースによる電波遮蔽の影響を受けずにアンテナで電波が受信され、また、外装ケースが金属で形成されているので、デザイン上高級感が演出される。
しかしながら、特許文献1に開示される電波修正時計では、バンドと時計本体との電気的接続に困難があるとともに、アンテナが組み込まれたバンドは高価であるため、バンドを交換する際の経済的負担が大きくなるという問題がある。また、バンドが屈曲されると、組み込まれたアンテナに損傷をきたす危険性が高いという問題がある。
特許文献2に開示される電波修正時計では、外装ケースで電波が遮蔽されないために、外装ケースの材質が非金属性に制限される。すると、金属製の外装ケースを採用することができないため、デザインに大きな制約が加わるという問題がある。
特許文献3に開示される電波修正時計では、電波受信に影響しない程度に外装ケースとアンテナとが離隔されるとすると、時計が全体として非常に大型化されてしまうという問題が生じる。一方、外装ケースとアンテナとが近接配置されると、外装ケースにより標準電波が遮蔽されてしまうためにアンテナで標準電波が良好に受信されないという問題が生じる。
また、従来より、時刻情報を含む標準電波を受信するアンテナを備え、このアンテナで受信した時刻情報に基づいて時刻修正を行う電波修正時計において、受光した光から発電する光発電手段を備えた電波修正時計が知られている(例えば、特許文献4、5)。
光発電手段は、光発電機能を有する光電変換素子と、光電変換素子を支持する支持基板とを備えている。光電変換素子は電極層となる透明導電膜を有し、支持基板はステンレススチールなどの金属製の基板である。
このとき、導電膜や支持基板により標準電波が遮蔽される可能性があるので、光発電手段によりアンテナの手前で標準電波が遮蔽されない配置とする必要がある。例えば、特許文献4の図3または図5に示されるように、光発電手段が文字板に重畳して設けられる場合には、光発電手段とアンテナとが重ならないように、アンテナは外装ケースの外部に配置されなければならない。
しかし、特許文献4、5に提案されているように、光発電手段とアンテナとを重ねないとすると時計が非常に大型化されてしまう。すると、腕時計に代表される小型携帯型時計には不都合であるという問題が生じる。
その一方、アンテナを外装ケース内に配置するならば、電波が外装ケースで遮蔽されないように、外装ケースが非導電性かつ非磁性の部材で形成されていなければならない。すなわち、金属製の外装ケースは採用できないこととなり、高級感を演出することが難しくなる。
なお、光発電手段やアンテナが小さければ、互いに干渉しない位置に配置することは可能であるが、光発電手段が小さいと受光面積が小さくなるので発電性能が低下してしまうという問題が生じる。さらに、アンテナが小さければ受信性能が低下するという問題が生じる。
特開平8−285960号公報 特開2000−105285号公報 特開2001−33571号公報 WO97/21153号 特開平11−223684号公報
時計には高いデザイン性が求められ、特に腕時計にあっては高級装飾品にふさわしい外観が必須要件である。従って、金属製の外観を有し、かつ、コンパクトにデザインされていなければならいという課題がある。加えて、電波修正時計に代表される無線機能付き電子時計では、アンテナで良好に電波を受信しなければならないという課題がある。
しかしながら、金属製外装ケースで高級感を演出したり、小型化でコンパクトなデザインとすると、アンテナで電波を良好に受信できなくなるという問題が生じる。
上記の先行技術は、アンテナでの電波受信および美観性の向上という課題に同時に対応しておらず、良好に電波を受信できるとともに美観性を有する無線機能付き電子時計が望まれている。
本発明の第1の目的は、従来の問題を解消し、小型で受信性能が高く、かつ、デザインの自由度が向上する無線機能付き電子時計を提供することにある。
本発明の第2の目的は、前記第1の目的をより具体化したもので、光発電機能を備えていながらも受信性能が向上され、また、美観性が向上される無線機能付き電子時計を提供することにある。
本発明の無線機能付き電子腕時計は、少なくとも外周面に金属部を有し筒軸方向の両端のうち少なくとも一方が開口した短筒形状の外装ケースと、前記外装ケースの前記一方の開口側に配置される文字板及び文字板上で回動する指針を有した時刻表示手段と、前記一方の開口側に配置された風防と、前記指針を駆動するステッピングモータを有する駆動手段と、少なくとも前記駆動手段と制御部と、前記文字板の略3時方向に対応する位置に配置された巻真とを備えたムーブメントと、前記文字板の12時位置に対応する位置に配置され、前記ムーブメントに電力を供給する金属製の外缶ケースを有する電池と、棒状の軸芯にコイルが巻き回されて構成され、前記ムーブメント内であって前記外装ケースの内周面から離間した位置に配置されて電波を受信するアンテナと、前記外装ケースの他方の開口側に配置されてその開口を閉じる金属製の蓋部と、前記外装ケースに形成され腕時計用バンドを取り付ける一対の取付部と、を備えた無線機能付き電子腕時計であって、前記文字板および風防は非導電性かつ非磁性の部材で形成され、前記指針は金属部材で形成された分針を備え、前記一対の取付部の一方は文字板の12時方向に設けられ、他方は6時方向に設けられ、前記アンテナは、前記ムーブメント内において前記文字板の9時位置に対応する位置であって、前記電池と平面的に重ならず、前記分針とは通常運針時には平面的に重なることが可能な位置で、かつ前記制御部により制御された所定受信時刻での電波受信開始時には12時位置に位置する前記分針と平面的に重ならない位置に配置され、前記分針は、通常運針時に前記電池と平面的に重なる状態と、重ならない状態とがあり、かつ、前記所定受信時刻での電波受信開始時に、前記分針は前記電池と平面的に重なり、前記ステッピングモータと前記アンテナとの間には電気的部品が配置されている、ことを特徴とする。
ここで、前記制御部は、前記アンテナの受信動作および前記駆動手段の駆動動作を制御し、前記電波を受信させる強制受信操作により前記電波の受信を開始する際に前記分針が前記アンテナと平面的に重なるとき、前記分針を前記アンテナと平面的に重ならない位置に回動するように前記駆動手段を駆動制御する、ことが好ましい。
無線機能付き電子時計は、少なくとも外周面に金属部を有し筒軸方向の両端のうち少なくとも一方が開口した短筒形状の外装ケースと、電波を受信するとともに、軸線の延長線が前記外装ケースの少なくともいずれか一方の開口を通過する状態で前記外装ケース内に配設されたアンテナと、前記外装ケースの開口において少なくとも前記アンテナの軸線の延長線上に位置し前記電波の磁界成分が通過可能である磁界通過可能部と、前記アンテナにて受信された前記電波の情報に基づいて制御動作を実行する制御部と、時刻を表示する時刻表示手段と、を備えたことが好ましい。
ここで、アンテナの軸線の延長線が外装ケースの開口を通過するとは、外装ケースの開口端縁にて囲まれる領域(開口)からアンテナの軸線の延長線が外装ケースの外部に通じている状態をいい、つまり、アンテナの軸線の延長線が、前記開口を貫通する状態をいう。言い換えれば、アンテナの軸線方向が外装ケースの開口を通過する方向では、アンテナの軸線方向と外装ケースとが交差しないことを意味する。
また、他の表現とすれば、アンテナの軸線の延長線が外装ケースの開口を通過するとは、外装ケースの開口側に配設される部材、例えば、文字板、風防ガラス、裏蓋等にアンテナの軸線の延長線が交差していることをいい、これら文字板、風防ガラス、裏蓋等が磁界通過可能部を有する場合において、アンテナの軸線の延長線がこの磁界通過可能部に交差していることをいう。
また、外装ケースの筒軸とは、外装ケースの前記開口の中心点において、時刻表示手段の表示面(多くは文字板表面)に略直交する軸線を指し、多くは指針取付車の軸線方向に略平行であり、あるいは、外装ケースの両端の開口を結ぶ方向であり、例えば、外装ケースが回転対称である場合には回転対称軸に相当する軸線をいう。
このような構成において、電波は進行方向に対して垂直に振動する磁界変動を有するので、例えば、外装ケースの筒軸方向を電波進行方向に対して垂直に向けると、外装ケースの両端の開口から磁界通過可能部を介して外装ケース内に電波の磁界が進入する。そして、外装ケースの開口から進入する磁界は、アンテナに鎖交して誘導電圧を誘起する。すると、アンテナにて電波が受信される。
すなわち、外装ケースの開口から磁界通過可能部を介して電波の磁界成分が外装ケース内に進入する。そして、外装ケースの開口から進入した磁界成分は、アンテナにて受信される。すると、アンテナにて受信された電波の情報は、制御部において信号処理されて電波に含まれる情報がデコードされる。この情報に基づいて制御部により制御動作が実行される。制御動作としては、電波が時刻情報を含む標準電波であれば時刻表示手段に時刻を表示させたり、電波の情報が天気予報や株化情報等であれば、所定の表示手段にこれら情報を表示させたりすることが例として挙げられる。
このような構成によれば、外装ケースの開口から電波の磁界成分が外装ケース内に進入するので、アンテナに鎖交する磁束量は外装ケース自体の材質には何ら影響も受けない。よって、金属製の外装ケースを用いて、デザインに高級感を与えるなど美観を向上させることができる。また、金属製の外装ケースは、例えば合成樹脂製ケースに比べて耐久性に優れるので、表面に傷がつきにくく、さらには、内部の時計機械体(ムーブメント)が保護される。
電波の磁界成分は外装ケースの開口から磁界通過可能部を介して進入し、アンテナの軸線の延長線は外装ケースの開口を通過する方向に向いている。すなわち、外装ケースの開口から進入する磁界成分の方向にアンテナの軸線が沿っていることになるので、外装ケースの開口から進入する電波がアンテナで効率よく受信される。その結果、アンテナの受信性能が向上する。また、アンテナの受信性能が向上するので、アンテナが小型であっても十分な受信強度が確保される。アンテナが小型化されれば、無線機能付き電子時計が小型化され、このように小型化された無線機能付き電子時計は、美観性に優れ、特に女性用腕時計に好適である。
ここで、前記磁界通過可能部において電波の磁界成分が通過可能であるとは、外部から送信されてくる電波の磁界成分がアンテナに鎖交するように磁界成分を通過させることであり、例えば外部からの磁界成分を外装ケースに逃がしてしまうように通過させることを意味するものではない。
そして、本発明の磁界通過可能部は、アンテナと対向する文字板、裏蓋、見切板、風防、光発電手段の支持基板の他、平面方向から見た場合(時刻視認方向から見た場合)にアンテナと平面的に重なる領域に配置され、かつ、電波の磁界成分がアンテナに鎖交するように電波の磁界成分を通過させる総てのものを指す。例えば、地板や輪列受などがプラスチックで構成され、かつ、アンテナの軸線の延長上に位置する場合には、これら地板や輪列受が磁界通過可能部の一部を構成することになる。
このような磁界通過可能部は、例えば、非導電性かつ非磁性の部材で構成されたり、あるいは、金属外装ケースと絶縁された高透磁率部材により構成されたりするものである。
ここで、本発明では、前記磁界通過可能部は、少なくとも前記アンテナの端面の面積に同程度の面積を有していることが好ましい。このように、少なくともアンテナの端面の面積に相当する程度の磁界通過可能部が確保されていれば、アンテナに電波の磁界がより多く、より高効率に鎖交できるからである。さらには、前記磁界通過可能部は、前記アンテナの端面の面積に対して約二倍の面積を有していることが好ましい。アンテナの端面面積に対して二倍程度の面積で磁界通過可能部が確保されていれば、アンテナの受信性能が十分に確保される。
なお、磁界通過可能部は、非導電性かつ非磁性の部材で形成されていて電波の磁界成分を遮蔽しない部材であってもよく、あるいは、高透磁率部材であってアンテナに電波の磁界成分を導く部材であってもよい。
本発明では、前記電波は、時刻情報を含む標準電波であり、前記制御部は、現時刻を計時するとともに前記アンテナにて受信された前記時刻情報に基づいて前記現時刻を修正する計時制御部であり、前記時刻表示部は、前記計時制御部にて計時される前記現時刻を表示する表示手段であって、当該無線機能付き電子時計は、電波修正時計であることが好ましい。
このような構成によれば、アンテナで標準電波が受信される。すると、標準電波の時刻情報が計時制御部において信号処理されて標準電波に含まれる時刻情報がデコードされる。この時刻情報に基づいて現時刻が修正され、修正された現時刻は時刻表示手段にて表示される。標準電波の時刻情報に基づいて自動的に時刻が修正されるので、常に正確な現時刻を表示する電波修正時計とすることができる。
なお、前記現時刻とは、計時制御部で計時される時刻であって、例えば計時制御部に設けられた現時刻カウンタ(現時刻情報記憶手段)で時刻カウントが行われる場合には、計時誤差による誤差を有する時刻であったり、計時制御部によって時刻情報に基づく修正がなされた正確な現時刻であったり、望ましくはないが、何らかの原因による標準電波の受信ミスにより誤って修正された時刻であったりもする。そして、時刻表示手段は、計時制御部(現時刻カウンタ)で計時される時刻を表示する。このとき、時刻表示手段に表示される時刻は、計時誤差を含む時刻であったり、修正された正確な時間であったり、望ましくはないが、誤って修正された時刻であったりもする。なお、本発明の構成により、アンテナの受信性能が向上するので、受信ミスが生じる可能性は極めて低く、受信ミスによって誤った時刻修正がなされる事態はほぼ回避される。
本発明では、前記アンテナは、前記外装ケースの内周面から離間して前記外装ケースの中心側に配設されていることが好ましい。
このような構成によれば、アンテナが外装ケースから離間する分、アンテナに鎖交する電波の磁界成分が外装ケースの影響を受けにくくなる。外装ケースが金属製であると、電波の磁界が外装ケースの金属にも引き寄せられるので、アンテナに鎖交する磁界成分がそれだけ少なくなるが、アンテナと外装ケースとが離間されれば、外装ケースの影響を受けにくくなる分、アンテナの受信性能が向上する。
ここで、アンテナの軸線を外装ケースの筒軸に直交させて配置する場合には、外装ケー
スの開口から入ってくる電波がアンテナの軸線に沿う方向に曲がらなければならないので、電波の磁界成分が曲がれるだけの隙間をアンテナと外装ケースと間に確保しなければならない。すると、時計の大型化を避けられないという問題が生じる。しかし、本発明では、アンテナの軸線の延長線が外装ケースの開口を通過するようにしているので、外装ケースの開口から入ってきた電波がそのままアンテナに鎖交する。
従って、電波をアンテナの軸線に沿う方向に回りこませるための隙間が必要ではなくなり、外装ケースとアンテナとの間隔を従来に比べて狭くしてもよくなる。その結果、時計が小型化される。
本発明では、前記アンテナの軸線の延長線は、前記外装ケースの筒軸の延長線に0度以上45度以下で交差することが好ましい。
このような構成において、アンテナの軸線の延長線が外装ケースの筒軸の延長線に対して45度以下の角度であれば、アンテナの軸線を外装ケースの筒軸に平行な成分と筒軸に直交する成分とに分割した場合に、外装ケースの筒軸に平行な成分の方が大きくなる。従って、外装ケースの一方の開口から進入して他方の開口から出て行くような磁界、特に、外装ケースの筒軸に略平行に進入する磁界成分に対してアンテナの受信性能が向上する。よって、外装ケースの開口から進入する電波がアンテナで効率よく受信される。その結果、外装ケースを金属製にできるなどのデザイン上の自由度が増し、さらに、アンテナの受信感度が向上されるので、アンテナが小型化されてもよく、その結果、無線機能付き電子時計が小型化される。
ここで、アンテナの軸線方向は、外装ケースの筒軸方向に対して0度から45度までの中から選択されるが、例えば、外装ケースの開口に電波の磁界を遮蔽する金属部材などが配置されている場合などは、アンテナの軸線方向と金属部材とが交差しない角度にアンテナ軸線を傾斜させることが望ましい。このようにアンテナ軸線上に金属部材が位置しないようにアンテナの軸線を傾けておいて、さらに、アンテナの軸線の延長線が外装ケースの筒軸の延長線に45度以内で交差していれば、外装ケースに進入する電波の磁界に対してアンテナの受信性能を高めることができる。
なお、前記アンテナの軸線の延長線は、前記外装ケースの筒軸の延長線に0度以上30度以下で交差することが好ましい。そして、前記アンテナの軸線の延長線は、前記外装ケースの筒軸の延長線に0度以上15度以下で交差することがより好ましい。アンテナ軸線と外装ケースの筒軸とが略平行に近づけば近づくほど、外装ケースの筒軸に平行な磁界とアンテナコイルとの鎖交磁束が大きくなる。その結果、アンテナの受信性能がそれだけ向上される。
本発明では、前記アンテナの軸線は、前記外装ケースの筒軸に略平行であることが好ましい。
ここで、アンテナの軸線と外装ケースの筒軸とが略平行であるとは、例えば、両者の延長線が0度以上15度以下程度の角度をなすことをいい、好ましくは10度以下、より好ましくは5度以下がよく、あるいは、外装ケースの筒軸方向からの視認でアンテナの両端面の少なくとも一部が重なって見える程度にアンテナの軸線が外装ケースの筒軸に対して平行であることをいう。
このような構成において、電波の磁界方向が外装ケースの筒軸に略平行であるときに外装ケースの開口から外装ケースに進入する磁束量が最大となる。そして、アンテナの軸線と外装ケースの筒軸とが略平行であることにより、外装ケースの開口から進入する磁束量が最大の状態のとき、同時に、アンテナの鎖交磁束が最大となる。従って、アンテナの受信性能が最大限に高められる。また、受信強度が十分に確保されるので、アンテナをより小型化することができる。
また、アンテナの軸線を外装ケースの筒軸に略平行に配置すれば、外装ケースの筒軸に垂直な断面上でアンテナの占める割合を小さくすることができる。その結果、外装ケースの筒軸方向から見た際の時計の大きさを小さくすることができる。
あるいは、アンテナの軸線を外装ケースの筒軸に略平行方向にすると、アンテナの断面積が時計の厚みに影響しない構成となるので、アンテナの断面積を大きくとることができる。すると、鎖交磁束が多くなるので、アンテナの受信感度が向上される。例えば、無線機能付き電子時計を腕時計とする場合でも、時計の厚みを薄く、例えば、10mm以下にすることも可能となる。
本発明では、前記磁界通過可能部は、非導電性かつ非磁性の部材で形成されていることが好ましい。
このような構成によれば、電波の磁界成分が遮蔽されずに磁界通過可能部を抜けてアンテナに鎖交し、アンテナにて受信される。
なお、アンテナの軸線の延長線は外装ケースの開口を通過するのであるから、アンテナの軸線方向上(延長線上)に磁界通過可能部が配置されるとしても、外装ケースの材質には何らの制限も与えられない。そして、アンテナの軸線方向に位置するものは、一般的には、地板、輪列受、文字板および蓋部のいくつかであり、これらが非導電性かつ非磁性の部材、例えばプラスチックやセラミック、無機ガラス等で形成されても美観に大きな影響はない。
なお、磁界通過可能部としては、電波の磁界成分を遮蔽しなければよいので、アンテナの軸線方向に何も配置しないで、アンテナの端面が時計の外部に臨んで露出していてもよい。
本発明では、前記外装ケースは前記筒軸方向の両端が開口され、前記制御部による駆動制御に基づいた駆動力を前記時刻表示手段に伝達する輪列を前記外装ケースの筒軸方向から挟持する地板および輪列受を備え、前記地板および前記輪列受の少なくともいずれか一方は非導電性かつ非磁性の部材で形成されていることが好ましい。
このような構成によれば、外装ケースの筒軸方向で輪列を挟持する地板および輪列受により外装ケースの開口が少なくとも部分的には覆われることになる。しかし、少なくともいずれか一方は非導電性かつ非磁性の部材で形成されているので、外装ケースのいずれかの開口から電波の磁界が外装ケース内に進入することができる。この磁界がアンテナに鎖交して、アンテナで電波が受信される。
ここで、地板および輪列受のいずれも非導電性かつ非磁性の部材で形成されていることが好ましい。このような構成によれば、外装ケースの両開口から電波の磁界が遮蔽されずに外装ケース内に進入する。すると、外装ケースに進入する磁束量が大きくなるので、アンテナの鎖交磁束が増大される。その結果、アンテナの受信性能が向上する。
さらに、駆動時に磁界を発生させる駆動手段例えばステッピングモータが用いられる場合には、この駆動手段から生じる磁界がアンテナに達しないようにしなければならない。そこで、地板および輪列受が非導電性かつ非磁性の部材で形成されることにより、駆動手段からの磁界が地板および輪列受を伝わってアンテナに影響することが防止される。すると、アンテナには電波の磁界のみが鎖交することとなり、アンテナの受信性能が向上する。
本発明では、前記外装ケースは前記筒軸方向の両端が開口され、前記外装ケースの一方の開口を閉じる蓋部を備え、前記時刻表示手段は、前記アンテナを間にして前記蓋部とは反対側で前記外装ケースの開口側に配設された文字板を備え、前記文字板および前記蓋部の少なくともいずれか一方は非導電性かつ非磁性の部材で形成されていることが好ましい。
このような構成によれば、外装ケースの開口を覆う文字板と蓋部との少なくともいずれか一方は非導電性かつ非磁性の部材で形成されているので、外装ケースの開口から非導電性かつ非磁性の部材を抜けて電波の磁界が外装ケース内に進入する。そして、この磁界がアンテナに鎖交するので、アンテナで電波が受信される。
ここで、文字板および蓋部のいずれもが非導電性かつ非磁性の部材であることが好ましい。このような構成によれば、外装ケースの開口から電波の磁界が遮蔽されずに外装ケース内に進入できるので、アンテナの受信性能が向上される。
なお、地板および輪列受の一方だけが非導電性かつ非磁性の部材であって、さらに文字板および蓋部の一方だけが非導電性かつ非磁性の部材である場合には、非導電性かつ非磁性の部材がアンテナに対して同じ側になければならない。すなわち、地板と文字板とが非導電性かつ非磁性部材で形成されている構成、あるいは、輪列受と裏蓋とが非導電性かつ非磁性部材で形成されている構成が例として挙げられる。また、時刻表示面が外装ケースの開口側に配設されているとは、時刻表示面が外装ケースの開口内に配設されているのみならず、外装ケースの開口端縁で囲まれた開口を超えて外側に配設される場合を含む。
本発明では、年、日または週情報の少なくともいずれかを表示し前記アンテナの軸線の延長線に交差して回動する暦車を備え、前記暦車が非導電性かつ非磁性を有する部材で形成されていることが好ましい。
このような構成によれば、暦車で年や日などの情報が表示される。また、暦車が非導電性かつ非磁性部材であるのでアンテナの軸線方向上で電波の磁界が遮蔽されない。一般的に暦車は外装ケースの開口に配設されて文字板の下面で回動するので、アンテナの軸線方向上に位置する可能性がある。そこで、暦車が非導電性かつ非磁性部材で形成されていれば、暦車がアンテナ軸線方向上に配置された場合でも、アンテナの鎖交磁束量に影響はない。
なお、一般に、暦車は、文字板に開口形成された日窓から一部分が覗くのみである。従って、暦車が非導電性かつ非磁性部材に制限されても美観に影響はない。
本発明では、少なくとも前記アンテナの軸線の延長線上に位置するとともに、前記電波の磁界を前記アンテナへ導く高透磁率部材が前記外装ケースに対して電気的に絶縁された状態で配置されていることが好ましい。
このような構成によれば、高透磁率部材により電波の磁界が引き寄せられるので、アンテナの軸線方向上に存在する電波の磁界に加えて、近傍に存在する電波の磁界が引き寄せられる。そして、高透磁率部材に誘導された多くの電波の磁界がアンテナに鎖交する。よって、アンテナの鎖交磁束が増大され、アンテナの受信性能が向上される。
高透磁率部材により電波の磁界を引き寄せてアンテナの鎖交磁束を増大させるので、アンテナが小型化されても受信性能は維持される。
なお、高透磁率部材は、磁気的な抵抗を少なくするため、アンテナ軸芯と同じ材質で形成されていることが好ましい。高透磁率部材としては、純鉄、パーマロイ、鉄またはコバルト系のアモルファス合金などが例として挙げられる。
本発明では、前記外装ケースは、前記筒軸方向の両端が開口され、前記外装ケースの一方の開口を閉じる蓋部を備え、前記時刻表示手段は、前記アンテナを間にして前記蓋部とは反対側で前記外装ケースの開口側に配設された文字板を備え、前記文字板および前記蓋部の少なくともいずれか一方は非導電性かつ非磁性の部材で形成されているとともに、前記文字板および前記蓋部の少なくともいずれか一方の前記アンテナに対応する位置、すなわち前記アンテナの軸線の延長線上に対応する位置には高透磁率部材が配置されていることが好ましい。
このような構成によれば、高透磁率部材に誘導された多くの電波の磁界がアンテナに鎖交することによって、アンテナの鎖交磁束が増大され、アンテナの受信性能が向上される。高透磁率部材により電波の磁界が引き寄せられるので、アンテナが小型化されても鎖交磁束が十分に確保され受信性能が維持される。
なお、外装ケース内において磁界を発生させる駆動手段(ステッピングモータ)等が用いられる場合もあり得る。しかし、高透磁率部材はアンテナに対応する位置にだけ配置されているので、この高透磁率部材およびアンテナから一定距離だけ離隔してこのような駆動手段が配置されれば、駆動手段からの磁界が高透磁率部材によってアンテナに導かれることは十分に防止される。
ここで、本発明において、前記外装ケースは、前記筒軸方向の両端が開口され、前記外装ケースの一方の開口を閉じる蓋部を備え、前記時刻表示手段は、前記アンテナを間にして前記蓋部とは反対側で前記外装ケースの開口側に配設された文字板を備え、前記文字板および前記蓋部は、高透磁率部材で形成されているとともに、前記外装ケースは、前記文字板および前記蓋部とは絶縁されていることが好ましい。
このような構成によれば、高透磁率部材により磁界が引き寄せられるので、アンテナの軸線方向上に存在する電波の磁界に加えて、外装ケースの開口近傍に存在する電波の磁界も引き寄せられる。また、外装ケースと高透磁率部材とは絶縁されているので、高透磁率部材に引き寄せられた磁界が外装ケースに流れることはない。よって、高透磁率部材に誘導された多くの磁界がアンテナに鎖交する。その結果、アンテナの鎖交磁束が増大され、アンテナの受信性能が向上する。
文字板および蓋部自体が高透磁率部材で形成されるので、広い面で電波の磁界が集められる。その結果、より多くの磁界がアンテナに導かれ、受信性能がより向上される。
高透磁率部材により電波の磁界が引き寄せられ、アンテナの鎖交磁束が増大されるので、アンテナが小型化されても鎖交磁束が十分に確保されて受信性能が維持される。
ここで、駆動手段が用いられる場合には、圧電アクチュエータが用いられることが好ましい。文字板および蓋部が高透磁率部材であるので、文字板および蓋部の近傍に存在する磁界は総てアンテナに導かれてしまう。しかし、圧電アクチュエータであれば、磁界を生じることがないので、アンテナには電波の磁界のみが鎖交し、アンテナにて電波が正確に受信される。
本発明では、前記時刻表示手段は、前記外装ケースの開口側において回動し時刻を示す金属製の指針を備え、前記アンテナは、前記電波の受信時における前記指針の位置とは平面的に重ならない位置に配置されていることが好ましい。
ここで、アンテナが電波受信時の指針位置とは重ならないとは、受信時の指針位置がアンテナの軸線の延長上とは異なっていて、アンテナの軸線の延長線と指針とが交差しないことをいい、すなわち、外装ケースの筒軸方向からの視認で指針とアンテナとが平面的に重ならないことをいう。
このような構成によれば、アンテナで電波が受信される際には、指針がアンテナ軸線方向上(延長線上)には位置しない。従って、指針が金属性の部材で形成されてもアンテナの受信性能には影響がない。そして、指針が金属製であれば、高級感が演出され、美観性が向上される。
例えば、電波修正時計では、1日に一回か二回程度の受信時刻が設定されるのが一般的である。そこで、例えば、午前2時0分から午前2時6分にかけて標準電波の受信が行われるように設定される場合には、受信時間である2時0分から2時6分の針位置範囲を避けてアンテナが配置される。すると、受信時にアンテナ軸線方向上で標準電波の磁界が指針に遮蔽されず、アンテナにて標準電波の受信が行われる。
なお、強制受信操作を入力して電波の受信を行う場合にあっては、アンテナ軸線方向上から指針を回避させる回避動作が自動的に行われることとしてもよい。
本発明では、前記時刻表示手段は、回動して時刻を示す指針を備え、電圧の印加にて励振される圧電素子の振動を利用して前記指針を回転させる圧電アクチュエータを備えることが好ましい。
このような構成によれば、圧電アクチュエータは駆動時においても磁界を発生しないことから、アンテナの受信に影響を与えることがない。よって、アンテナには電波の磁界のみが鎖交するので、アンテナの受信性能は向上される。
本発明では、歯車で構成された輪列、水晶振動子を含む水晶振動子ユニットおよび前記制御部を含む回路ブロックを有するムーブメントと、前記ムーブメントに電力を供給する電池と、を備え、平面配置において、前記アンテナと前記電池との間には、前記輪列、前記水晶振動子ユニットおよび前記回路ブロックの少なくともいずれかが配置されていることが好ましい。
このような構成によれば、電池とアンテナとの間に距離を保つことができる。すると、アンテナは、電池からの影響を受けることなく電波を受信することができる。
一般的に電池は金属製の外缶を有するので、電池の近傍では磁界がこの金属製の外缶に引かれてしまう。しかし、電池とアンテナとが所定距離をもって離隔されることで、アンテナの鎖交磁束が十分に確保され、アンテナの受信性能が向上される。
また、輪列や水晶振動子、回路ブロックは外装ケース内方のどこかに配設されなければならないが、電池とアンテナとが離間されることで設けられたスペースに、輪列、水晶振動子、回路ブロック等が配設されればデッドスペースが解消され、空間利用効率が向上される。
本発明では、前記外装ケースの少なくともいずれか一方の開口側に配設され外光を受光するとともに受光した光から発電する光電変換部と、前記電波の磁界成分を導通可能であって、前記外装ケースに対して電気的に絶縁された状態で前記光電変換部を支持する支持基板と、を備え、前記アンテナは、軸線方向の端面を前記支持基板に対して所定間隔以内で対向させて配置されていることが好ましい。
ここで、電波の磁界成分を導通可能な支持基板は、高透磁率部材で形成されることが例示される。高透磁率部材としては、純鉄、パーマロイ、鉄またはコバルト系のアモルファス合金などが挙げられる。
また、アンテナの端面が支持基板に対して所定間隔以内で対向配置されているとは、アンテナの端面が支持基板に当接して配置されている状態の他、アンテナの端面と支持基板とが近接して対向配置されている状態が含まれる。
所定間隔としては、支持基板と外装ケースとの距離よりも小さくされることが例示され、支持基板に誘導された電波の磁界が外装ケースに流れるよりもアンテナに流入する距離とされる。
このような構成において、外装ケースの開口から光電変換部が外方に臨んでいるので、この光電変換部を支持する支持基板に電波の磁界が引き寄せられる。アンテナの軸芯は、支持基板に対して対向配置されているので、支持基板に誘導された電波の磁界がアンテナ軸芯に流れてきてアンテナに鎖交する。アンテナにて受信された電波は、制御部において信号処理され電波に含まれる情報がデコードされ、受信された情報に基づいて制御部による制御動作が実行される。
光電変換部に光が照射されると、光電変換により発電される。発電された電力により電波の受信、制御部の制御動作等が行われる。
支持基板に誘導された磁界が、外装ケースの開口から外装ケース内に進入してアンテナに鎖交する。よって、アンテナに鎖交する磁束量は、外装ケース自体の材質に何らの影響も受けない。したがって、金属製の外装ケースを用いることができ、デザインに高級感が与えられる。
支持基板によって電波が引き寄せられることによりアンテナに鎖交する磁束が増大される。例えば、支持基板の面積は、外装ケースの開口全体を塞ぐ程度の大きさにされてもよい。すると、大きな面積で電波の磁界が引き寄せられる。単に支持基板が外装ケースの開口に配設されただけではアンテナの手前で電波が遮蔽されてしまうが、アンテナの端面が所定間隔以内で支持基板に対向配置されると、支持基板に誘導された磁界がアンテナに導かれる。よって、光発電機能を有しながらもアンテナの受信性能が向上するという画期的な効果を奏する。また、支持基板によって電波の磁界が誘導されるので、アンテナが小型化されても十分な受信性能が確保される。そして、アンテナが小型化されることにより、無線機能付き電子時計が小型化される。
また、アンテナは、光電変換部に重なっていてもよいことからアンテナを大きくすることも可能となる。アンテナが大型化可能となれば、さらに受信性能を向上させることができる。
なお、光電変換部には導電膜が設けられるが、この導電膜は光(電磁波)が透過できる薄さであって電波を遮蔽することはほとんどない。
本発明では、前記外装ケースは、前記筒軸方向の両端が開口され、前記光電変換部が設けられた前記開口とは前記アンテナを間にして反対の前記開口側に設けられ前記電波の磁界成分を前記アンテナに導く高透磁率部材を備え、前記アンテナにおける前記支持基板とは反対側の端面が前記高透磁率部材に対して所定間隔以内で対向配置されていることが好ましい。
ここで、前記電波の磁界成分を前記アンテナに導く高透磁率部材としては、純鉄、パーマロイ、鉄またはコバルト系のアモルファス合金などが挙げられる。
このような構成によれば、高透磁率部材により電波の磁界が引き寄せられる。すると、アンテナの端面が高透磁率部材に対向配置されているので、高透磁率部材に誘導された磁界がアンテナに鎖交する。よって、アンテナに鎖交する磁束が増大され、アンテナの受信性能が向上される。
また、高透磁率部材の面積が大きくなれば、誘導される磁束量が増大されるので、アンテナの鎖交磁束がより増大される。さらに、アンテナの両端面が支持基板と高透磁率部材とに対向配置されているので、両端面から非常に多くの磁界がアンテナに導かれ、アンテナの受信性能が飛躍的に向上する。
なお、電波の磁界成分をアンテナに導く高透磁率部材は、時計のムーブメントを構成する部品とは別個に設けられてもよいが、ムーブメントを構成する部品が前記高透磁率部材として共用されてもよい。
例えば、針合わせ時に輪列の動きを停止させる規制レバーや、切替部のレバー部品を覆う部品カバーなどが高透磁率部材として共用されてもよい。すると、部品点数を増加させることなく、アンテナの受信性能が向上される。
なお、前記外装ケースの前記開口を塞ぐ蓋部を備え、前記蓋部は非導電性かつ非磁性を有する部材で形成されていることが好ましい。このような構成によれば、蓋部で磁界が遮蔽されないので、高透磁率部材で誘導された電波の磁界がアンテナに鎖交し、アンテナの受信性能が向上される。
本発明では、前記外装ケースは、前記筒軸方向の両端が開口され、前記光電変換部が設けられる前記開口とは前記アンテナを間にして反対の前記開口を閉じるとともに、前記電波の磁界成分が通過可能に形成された蓋部を備え、前記アンテナにおける前記支持基板とは反対側の端面が前記蓋部に対して所定間隔以内で対向配置されていることが好ましい。
ここで、蓋部は、純鉄、パーマロイ、鉄またはコバルト系のアモルファス合金などの高透磁率部材で形成されることが例示される。
このような構成によれば、蓋部により電波の磁界が引き寄せられる。すると、アンテナの端面が蓋部に対向配置されているので、蓋部に誘導された磁界がアンテナに鎖交する。よって、アンテナに鎖交する磁束が増大され、アンテナの受信性能が向上される。さらに、アンテナの両端面が支持基板と蓋部とに対向配置されているので、アンテナの両端面の一方から流入した磁界が他方へ流出する磁路が形成される。よって、アンテナに電波の磁界が鎖交しやすい構成となる。支持基板と蓋部とにより、アンテナの両端面から非常に多くの磁界がアンテナに導かれることとなり、アンテナの受信性能が飛躍的に向上される。
本発明では、前記アンテナは二以上設けられるとともに前記支持基板は二以上設けられ、少なくとも前記アンテナのうちの二以上にそれぞれ異なる前記支持基板が対応して設けられていることが好ましい。
このような構成によれば、アンテナが二以上設けられているので、各アンテナの断面径やコイル巻数などを変えることにより受信性能が異なるアンテナを備えることができる。さらに、各アンテナが異なる支持基板に対向配置されていると、面積や材質等が異なる支持基板により、異なる磁束量が各アンテナに誘導されるようにできる。そして、アンテナの受信性能に最適な支持基板を対応させると、各アンテナの受信性能が最適に調整される。例えば、支持基板の面積が大きいと、電波の他にノイズまで多量に引き寄せられてしまうが、アンテナの受信性能に合わせて支持基板の大きさが適宜選択されることにより各アンテナで電波が適切に受信される。
本発明では、前記時刻表示手段は、前記光発電手段を間にして前記アンテナとは反対側に配設された光透過性の文字板を備えていることが好ましい。
このような構成によれば、文字板上に設けられた時刻表示面上を指針が回動することにより時刻が表示される。また、文字板が光透過性であるので、光が文字板を透過して光電変換部に入射する。すると、光電変換部で発電される。文字板が光透過性であるので、光電変換部に入射する光量に影響はなく、光電変換部での発電性能が損なわれることがない。
ここで、本発明では、前記アンテナは二以上設けられるとともに、少なくとも前記アンテナのうちの二以上は直列に接続されていることが好ましい。
このような構成によれば、それぞれのアンテナで受信された信号強度が直列に足し合わされるので、アンテナ全体での受信性能が向上される。また、異なる位置で複数配置されたアンテナ(のコイル)が直列に接続されると、各アンテナで受信された信号強度が足し合わされるので、個々のアンテナ自体は小型でもよい。そして、小型のアンテナが外装ケース内の隙間に配置されれば、デッドスペースの解消により空間利用効率が向上されるので、無線機能付き電子時計全体として小型化される。
また、本発明では、前記アンテナは二以上設けられているとともに、少なくとも前記アンテナのうちの二以上は並列に接続されていることが好ましい。
このような構成によれば、各アンテナで受信された信号が並列に処理されるので、いずれかのアンテナで正確に受信された電波によって制御動作が正確に行われる。よって、正確に受信された電波によって正確に制御動作できる確率が向上される。
外装ケース内においても、金属製の外装ケース近傍や、ステッピングモータの近傍などに配置されたアンテナでは電波が正確に受信されない場合も考えられるが、外装ケース内の異なる場所に配置された複数のアンテナのいずれかで受信されれば、正確な制御動作が行われる。
以下、本発明の実施の形態を図示例と共に説明する。
(第1実施形態)
本発明の無線機能付き電子時計としての電波修正時計に係る第1実施形態について図1から図5を参照して説明する。
図1に第1実施形態の文字板側から見た平面図を示し、図2に図1中のII-II線での断面図を示し、図3に図1中III-III線での断面図を示す。
この電波修正時計100は、腕時計型であって、図1、図2、図3に示されるように、リング状(両端面が開口の短筒形状)の外装ケース1を備える。
外装ケース1は、各指針を駆動する歯車の軸線方向(例えば二番車444の軸線方向)である筒軸方向L1の両端が開口したリング状の金属製部材であって、例えば、黄銅、ステンレススチール、チタン合金などによって形成されている。外装ケース1の厚みは径に比べて小さく、10mm以下あるいは5mm以下に形成される。
外装ケース1の外周において互いに反対位置となる部分には、腕時計用バンドが取り付けられる取付部11、12が形成されている。ここで、外装ケース1の中心点からみて取付部11、12のうち一方が設けられている方向を12時方向とし、取付部11、12の他方が設けられている方向を6時方向とする。図1中では、上方(取付部11の方)を12時方向とし、下方(取付部12の方)を6時方向とする。
外装ケース1の胴部を略4時方向から貫通して外部操作手段13としての巻真131が設けられている。巻真131の一端は外装ケース1の外側に位置するとともに、この一端には竜頭132が設けられている。巻真131の他端は外装ケース1の内側に位置するとともに、この他端側にはカンヌキ133およびオシドリ134が設けられている。
カンヌキ133は、ツヅミ車135と係合され、巻真131が引き出されることにより、オシドリ134、カンヌキ133を介してツヅミ車135が巻真131の軸方向に移動される。すると、針位置が修正されたり、あるいは、日車45が修正されたりする。巻真131、カンヌキ133、オシドリ134およびツヅミ車135などにより切替部が構成されている。
外装ケース1の一方の開口側には図2、図3に示されるように、時刻表示手段2が設けられ、外装ケース1の他方の開口にはこの開口を閉じる蓋部としての裏蓋3が設けられている。
時刻表示手段2は、外装ケース1の筒軸方向L1(図1中で紙面垂直方向)に対して略直交する時刻表示面211を有する文字板21と、この文字板21上で回動する指針221、222とを備えて構成されている。
文字板21は略円板状であって外装ケース1の開口を閉じる面積を有する。文字板21は非導電性かつ非磁性を有する部材で形成されており、例えば、無機ガラスや、プラスチック、セラミックで形成されている。時刻表示面211は外部から視認可能に外方に向けて設けられ、時刻表示面211上の外縁寄りには時刻を表す数字(不図示)が円環状に印字されている。
指針は、分を示す分針221と、時を示す時針222とを備えて構成されている。指針221、222は両者とも黄銅、アルミニューム、ステンレススチール等の金属部材で形成されている。
指針221、222を間にして文字板21と対向するように風防23が設けられている。風防23は、外装ケース1の開口を塞ぐ面積を有する。風防23は、非導電性かつ非磁性を有する光透過性部材で形成され、例えば、無機ガラスや有機ガラスで形成される。
裏蓋3は、文字板21との間に所定間隔をもって対向して設けられ、外装ケース1の開口を閉じる面積を有する。裏蓋3は、非導電性かつ非磁性を有する部材で形成され、例えば、無機ガラスやセラミックで形成される。
外装ケース1の内側で文字板21および裏蓋3との間には、計時機能を有するムーブメント4と、ムーブメント4を外装ケース1に止着する中枠14と、ムーブメント4に電力を供給する電池49と、時刻情報を含む標準電波を受信するアンテナ5A、5Bとが設けられている。
ムーブメント4は、水晶振動子411を含む水晶振動子ユニット41と、制御機能を有する制御部(計時制御部)としての回路ブロック42と、指針221、222を回動させる駆動手段としてのステッピングモータ43A、43Bと、ステッピングモータ43A、43Bの動力を指針221、222に伝達する輪列44と、日を示す日車(暦車)45と、輪列44を外装ケース1の筒軸方向L1から挟持する地板46および輪列受47とを備える。
水晶振動子ユニット41は、基準クロック用の水晶振動子411と、標準電波の周波数(60kHz、40kHz)に同調する同調信号生成用の水晶振動子として60kHz用の水晶振動子412と40kHz用の水晶振動子413とを備える。同調信号生成用の水晶振動子412、413は略9時方向に配置されている。
水晶振動子ユニット41および回路ブロック42は、略7時方向に配設されている。図4に、水晶振動子ユニット41および回路ブロック42の機能ブロック図を示す。
回路ブロック42は、アンテナ5A、5Bで受けた標準電波を処理して時刻情報として出力する受信回路421と、受信回路421から出力された時刻情報を記憶する記憶回路422と、水晶振動子411からのクロックパルスで現時刻をカウントするとともに受信した時刻情報で現時刻を修正する中央制御回路423と、ステッピングモータ43A、43Bを駆動するモータ駆動回路425と、指針位置を検出する針位置検出回路426と、を備えている。
受信回路421は、アンテナ5A、5Bによって受信された標準電波を増幅する増幅回路、所望の周波数成分を抽出するフィルタ、信号を復調する復調回路、信号をデコードするデコード回路などを備えて構成されている。
記憶回路422は、受信回路421でデコードされた時刻情報を一旦記憶するとともに記憶した複数の時刻情報を対比して受信の成否を判断する。
中央制御回路423は、発振回路、分周回路、現時刻をカウントする現時刻カウンタ、および、受信した時刻情報に従って現時刻カウンタのカウント値を修正する時刻修正回路などを備える。中央制御回路423は、受信回路421の受信スケジュールを記憶するとともに受信動作を制御する受信制御回路424を備え、受信スケジュールとしては、午前2時から午前2時6分に受信動作を行う設定が行われる。また、受信制御回路424に対して外部操作手段13による入力操作によって時刻情報の強制受信が指令された場合には、受信制御回路424からの出力信号により受信回路421で受信動作が実行される。
モータ駆動回路425は、中央制御回路423から指令されるタイミングでステッピングモータ43A、43Bに駆動パルスを印加する。
針位置検出回路426は、指針(分針221、時針222)の針位置を検出して中央制御回路423に検出結果を出力する。中央制御回路423内において、針位置検出回路426からの検出結果と時刻カウンタのカウンタ値とが比較される。そして、この比較結果に基づいて指針位置をカウンタ値に一致させるモータパルスの出力がモータ駆動回路425に指令される。
駆動手段は、分針221を回転させる分針用ステッピングモータ43Aと、時針222を回転させる時針用ステッピングモータ43Bとを備える。
ステッピングモータ43A、43Bは、モータ駆動回路425から供給される駆動パルスによって磁力を発生する駆動コイル431A、431Bと、この駆動コイル431A、431Bによって励磁されるステータ432A、432Bと、ステータ432A、432Bに励磁される磁界により回転するロータ433A、433Bとを備える。
なお、平面配置において、図1に示すように、分針用ステッピングモータ43Aの駆動コイル431Aと時針用ステッピングモータ43Bの駆動コイル431Bとはその中心軸の延長線が略直交する位置関係(各中心軸が交差する角度αが略90度)で配置されている。なお、角度αは45度から135度の範囲内であればよい。分針用ステッピングモータ43Aは略11時方向でムーブメント4の外周に配置され、時針用ステッピングモータ43Bは略8時方向でムーブメント4の外周に配置されている。
輪列44は、ロータ433A、433Bの回転を指針221、222に向けて伝達し、分針用ステッピングモータ43Aから分針221が接続された分針軸442と一体回転する二番車444へ繋がる分針用輪列44Aと、時針用ステッピングモータ43Bから時針222が接続された筒車441へ繋がる時針用輪列44Bとを備える。
日車45は、外装ケース1の内方で、地板46、輪列受47および日車押さえ451により保持されるとともに中央部が開口された歯車である。日車45は非導電性かつ非磁性を有する部材で形成され、例えば、プラスチックや無機ガラス、紙材などで形成される。日車45は、筒車441から繋がる輪列(不図示)に噛合し、筒車441の回転により所定の速度で回転される。日車45には文字板21に対向して日を表す文字が記されている(不図示)。なお、文字板21には、図1中に一点鎖線で示されているように、日車45の文字を外部から視認可能にする日窓212が略3時方向に開口形成されている。
地板46は、文字板21側において輪列44を軸支し、輪列受47は裏蓋3側において輪列44を軸支する。地板46および輪列受47は、非導電性かつ非磁性を有する部材で形成され、例えば、プラスチックやセラミックで形成される。
輪列44、ステッピングモータ43A、43B、回路ブロック42が地板46および輪列受47の間に挟まれて一体化され、ムーブメント4が構成されている。
中枠14は外装ケース1の内周に沿ったリング状部材であって、ムーブメント4の周端面を囲んでいる。中枠14は、非導電性かつ非磁性を有する部材で形成され、例えば、プラスチックやセラミックで形成される。
電池49は、一次電池あるいは2次電池であり、その外缶ケースが金属で形成されている。電池49は、略2時方向に配設され、略1時方向から略3時方向にわたって場所を占めている。
アンテナは、第1アンテナ5Aと第2アンテナ5Bとの二つが設けられ、共に略5時方向においてムーブメント4内に配設されている。第1アンテナ5Aは外装ケース1の内周に近接して配置され、第2アンテナ5Bは第1アンテナ5Aよりはムーブメント4の中央部寄りに配置されている。ただし、第1アンテナ5Aと外装ケース1との間には少なくとも中枠14が介在しており、第1アンテナ5Aと外装ケース1とは所定距離をもって離隔されている。
第1アンテナ5Aおよび第2アンテナ5Bは、軸芯51A、51Bとなる棒状のフェライト、純鉄、アモルファス金属などの高透磁率部材にコイル52A、52Bが巻きまわされて形成され、図5に示されるように、第1アンテナ5Aのコイル52Aと第2アンテナ5Bのコイル52Bとは直列に接続されている。
第1アンテナ5Aおよび第2アンテナ5Bは、それらの軸線方向L5A、L5Bが外装ケース1の筒軸方向L1に略平行である。そして、第1アンテナ5Aおよび第2アンテナ5Bの軸線方向L5A、L5Bは、外装ケース1の開口に設けられた文字板21および裏蓋3に交差しており、その交差角度は略90度である。また、第1アンテナ5Aの軸線上で文字板21側には日車45が交差している。第1アンテナ5Aおよび第2アンテナ5Bの軸方向の長さは、地板46と輪列受47との間隔に略同一程度である。
図1中の平面配置において、第1、第2アンテナ5A、5Bと時針用ステッピングモータ43Bとの間には水晶振動子ユニット41および回路ブロック42が位置している。第1、第2アンテナ5A、5Bと電池49との間には、外部操作手段13が位置している。
このような構成を備える第1実施形態の動作について説明する。
水晶振動子411の発振を分周して生成された基準クロックにより、中央制御回路423内に設けられている時刻カウンタの現時刻が更新される。また、針位置検出回路426にて指針(分針221、時針222)の位置が検出され、検出結果は中央制御回路423に出力される。中央制御回路423において指針位置と時刻カウンタのカウンタ値とが比較され、比較結果に基づいてモータ駆動回路425を介してステッピングモータ43A、43Bが駆動される。ステッピングモータ43A、43Bの駆動によるロータ433A、433Bの回転は輪列44にて指針221、222に伝達され、指針221、222により時刻表示面211上の数字が指示されることにより、現時刻が表示される。
次に、標準電波の受信動作および標準電波の時刻情報に基づく時刻修正動作について説明する。
受信制御回路424に設定された受信開始時刻である午前2時になると、受信制御回路424から受信回路421に受信動作開始の指令が出力される。あるいは、外部操作手段13により、強制受信操作信号が入力されると、受信制御回路424から受信回路421に受信開始の指令が出力される。
ここで、外装ケース1は筒軸方向L1が開口しているので、この開口から標準電波の磁界成分が外装ケース1内に進入する。そして、外装ケース1の開口内に配設されている輪列受47、文字板21、日車45、地板46および裏蓋3を抜けて、標準電波の磁界がコイル52A、52Bに鎖交する。すると、アンテナ5A、5Bで標準電波が受信される。受信回路421は、受信開始の指令を受けると、電池49から電力供給を受けて、アンテナ5A、5Bで受信された信号(時刻情報)のデコードを開始する。
デコードされた時刻情報は一旦記憶回路422に記憶されるとともに、複数回(例えば6回)の受信で得られた時刻情報が前後同士で比較されて受信の正確さが判断される。正確に受信された時刻情報に従って、中央制御回路423内に設けられた時刻修正回路により時刻カウンタの現時刻が修正される。そして、時刻カウンタの時刻に従って針位置が修正され、受信時刻に従った時刻が示される。
このような第1実施形態によれば、次の効果を奏することができる。
(1)外装ケース1が金属で形成されることにより、高級感が演出される。そして、外装ケース1の筒軸方向L1の開口から外装ケース1内に進入する標準電波がアンテナ5A、5Bで受信されるので、外装ケース1が金属で形成されてもアンテナ5A、5Bの受信性能に影響しない。
(2)外装ケース1の筒軸方向L1の両端が開口されているので、標準電波の磁界は外装ケース1の開口を抜けて筒軸方向L1に沿って外装ケース1内に進入できる。そして、アンテナ5A、5Bの軸線方向L5A、L5Bが外装ケース1の筒軸方向L1に略平行である。
すると、外装ケース1に進入した磁界がコイル52A、52Bの中心に配置された軸芯51A、51Bを通り抜けることとなるので、アンテナ5A、5Bで標準電波が受信される。さらに、外装ケース1内に侵入する磁界の方向とアンテナ5A、5Bの軸線方向L5A、L5Bとが略平行となるので、アンテナ5A、5Bへの鎖交磁束が最大とされ、アンテナ5A、5Bの受信性能が飛躍的に高められる。
(3)外装ケース1の筒軸方向L1の両端が開口されているので、外装ケース1の開口からなんら遮蔽されることなく標準電波の磁界が外装ケース1内に進入可能であり、さらに、アンテナ5A、5Bの軸線方向L5A、L5Bが外装ケース1内に進入する磁界変動方向に沿っている。したがって、外装ケース1内に進入する標準電波に磁界がそのままアンテナ5A、5Bに鎖交することとなるので、アンテナ5A、5Bの受信性能が向上される。
アンテナ5A、5Bの受信性能が向上されるので、アンテナ5A、5B自体が小型化されても十分な受信性能が確保される。そして、アンテナ5A、5Bが小型化されるので、電波修正時計100が小型化される。
(4)文字板21、風防23、裏蓋3、地板46、輪列受47および日車45が非導電性かつ非磁性の部材で形成されている。よって、外装ケース1の筒軸方向L1では標準電波が遮蔽されない。その結果、標準電波の磁界変動が外装ケース1の筒軸方向L1から外装ケース1内に進入することができる。
(5)平面配置において、アンテナ5A、5Bと電池49との間に巻真131が配置され、アンテナ5A、5Bと時針用ステッピングモータ43Bとの間には、回路ブロック42が配置されている。外缶が金属で形成される電池49や磁界を生じさせるステッピングモータ43Bはアンテナ5A、5Bの電波受信に影響を及ぼす可能性があるが、巻真131や回路ブロック42が介在されることで、アンテナ5A、5Bとの距離が保たれる。よって、電池49およびステッピングモータ43Bの影響を受けることなく、アンテナ5A、5Bで標準電波が受信される。
(6)中枠14が、非導電性かつ非磁性を有する部材で形成され、アンテナ5A、5Bと外装ケース1との間に介在されている。外装ケース1に近接してアンテナ5A、5Bが配置されると、標準電波の磁界がアンテナ5A、5Bよりも外装ケース1の金属に流れてしまい、アンテナ5A、5Bの受信性能が低減されるおそれがある。しかし、本実施形態では、非導電性かつ非磁性の中枠14により外装ケース1とアンテナ5A、5Bとの距離が確保されるので、アンテナ5A、5Bの受信性能が維持される。
(7)アンテナ5A、5Bが5時方向に配置されるとともに、受信時刻が午前2時に設定されているので、受信時刻には指針221、222がアンテナ5A、5Bの軸線上に位置しない。よって、金属製の指針221、222であってもアンテナ5A、5Bによる標準電波の受信には影響がなく、金属製の指針221、222により高級感あるデザインとするなど美観性が向上される。
(8)第1アンテナ5Aと第2アンテナ5Bとは直列に接続されているので、第1アンテナ5Aおよび第2アンテナ5Bで受信された信号が足し合わされることで、受信性能が高められる。
(9)分針用ステッピングモータ43Aと時針用ステッピングモータ43Bとが設けられ、分針221と時針222とは別々のステッピングモータ43A、43Bで独立に回転される。よって、受信した時刻情報で時刻修正する場合でも分針221と時針222とを独立に回転させることができ、指針位置の修正を瞬時に行うことができる。例えば、分針221の一回転に連動して時針222が一目盛り進む構成に比べて、時針222を直接回転させるので、時に関する修正が速く、また、それだけ消費電力も低減される。
(10)ステッピングモータ43A、43Bの駆動コイル431A、431Bは互いに90度の角度をなして配置されている。よって、お互いの磁束が干渉しにくく、ロータ433A、433Bの回転制御にお互いが干渉しない。その結果、指針221、222が正確に運針される。
(第2実施形態)
本発明の無線機能付き電子時計としての電波修正時計に係る第2実施形態について図6から図8を参照して説明する。
図6に第2実施形態の文字板側から見た平面図を示し、図7に図6中VII-VII線での断面図を示し、図8にアンテナ5A、5Bの接続を示す。
第2実施形態の基本的構成(基本構造および各部材の材質等)は、第1実施形態と同様であるが、第2実施形態が第1実施形態と異なるのは、文字板21および裏蓋3の材質、ムーブメント4の構成、および、アンテナ5A、5B等の配置に関する点である。
第1実施形態と同様に文字板21および裏蓋3が設けられているが、この文字板21および裏蓋3は高透磁率部材、例えば、純鉄やパーマロイ、アモルファス金属(Fe系、Co系アモルファス等)などで形成されている。
文字板21および裏蓋3は、非導電性部材例えばプラスチック等で形成された中枠14により第1実施形態と同様に金属で形成された外装ケース1に対して絶縁されている。
ムーブメント4は、水晶振動子411を含む水晶振動子ユニット41と、制御機能を有する回路ブロック42と、指針221、222を回動させる駆動手段としての圧電アクチュエータ48と、圧電アクチュエータ48の動力を指針221、222に伝達する輪列44と、輪列44を外装ケース1の筒軸方向L1から挟持する地板46および輪列受47と、を備えている。
水晶振動子ユニット41および回路ブロック42は、略9時方向に配設されている。水晶振動子ユニット41および回路ブロック42の構成は、第1実施形態と同様である。
駆動手段は、圧電アクチュエータ48を備えて構成されている。圧電アクチュエータ48は、略矩形扁平形状に形成された補強板481と、この補強板481の表裏両面に貼設された圧電素子483と、圧電素子483表面に設けられた電極(不図示)とを備えて構成されている。そして、電極への交流電圧の印加により圧電素子483が励振され、補強板481の対角位置に設けられた凸部482が略円周軌道を描いて運動する。
輪列44は、圧電アクチュエータ48の凸部482が押圧されて凸部482の円周軌道運動により回転される第1歯車443と、第1歯車443に噛合するとともに分針221が取り付けられた分針軸442と一体回転する第2歯車444と、第2歯車444の回転を所定周期に減速する日の裏車445と、日の裏車445に噛合するとともに時針222が取り付けられた筒車441とを備えて構成されている。
なお、日の裏車445には小鉄車446が噛合されおり、巻真131が引き出されることによって、巻真131の一端に設けられたツヅミ車135がカンヌキ133に押されて小鉄車446に噛合される。
アンテナは、第1実施形態と同様に第1アンテナ5Aおよび第2アンテナ5Bの二つが設けられているが、第1アンテナ5Aは、略4時方向に配置され、第2アンテナ5Bは略7時方向に配置されている。
なお、第1アンテナ5Aおよび第2アンテナ5Bは、第1実施形態と同様であって、フェライトや純鉄、アモルファス金属等の高透磁率部材からなる棒状の軸芯51A、51Bにコイル52A、52Bが巻かれて構成されている。
第2アンテナ5Bは、フェライトを有する軸芯51Bが断面矩形状に形成されている。
また、第1アンテナ5Aのコイル52Aおよび第2アンテナ5Bのコイル52Bは、図8に示されるように、並列に接続されている。
なお、第1アンテナ5Aのコイル52Aと第2アンテナ5Bのコイル52Bとは図5に示されるように直列に接続されていてもよい。
第1アンテナ5Aおよび第2アンテナ5Bは、軸線方向L5A、L5Bを外装ケース1の筒軸方向L1に略平行にして設けられ、第1アンテナ5Aおよび第2アンテナ5Bの端面は、文字板21および裏蓋3に当接している。
輪列受47には、第1アンテナ5Aおよび第2アンテナ5Bが挿通される挿通孔471が貫通形成されている。
なお、第1アンテナ5Aおよび第2アンテナ5Bの端面が文字板21および裏蓋3に対して十分に近接していれば、アンテナ5A、5Bの端面は文字板21あるいは裏蓋3に接していなくてもよい。
また、文字板21および裏蓋3は、アンテナ軸芯51A、51Bとの磁気的な抵抗を少なくするため、アンテナ軸芯51A、51Bと同じ材質で形成される。
このような構成を備える第2実施形態の動作について説明する。
指針位置と時刻カウンタのカウンタ値との比較結果に基づいてモータ駆動回路425を介して圧電アクチュエータ48が駆動される。圧電アクチュエータ48の駆動が輪列44を介して指針221、222に伝達され、指針221、222により時刻表示面211上の数字が示されることにより、現時刻が表示される。
また、文字板21および裏蓋3の高透磁率性により標準電波の磁界が文字板21および裏蓋3に引き寄せられる。すると、文字板21および裏蓋3に引き寄せられた磁界が、アンテナ5A、5Bのアンテナ軸芯51A、51Bを通り抜けてコイル52A、52Bに鎖交し、アンテナ5A、5Bで標準電波が受信される。そして、アンテナ5A、5Bで受信された時刻情報に従って時刻修正が行われる。
このような第2実施形態によれば、上記実施形態の効果(1)〜(4)(6)(7)と同様の効果に加えて、次の効果を奏することができる。
(11)文字板21および裏蓋3が高透磁率部材で形成されているので、文字板21および裏蓋3の広い面で標準電波の磁界がアンテナ5A、5Bに導かれる。その結果、アンテナ5A、5Bの受信性能が向上される。
(12)高透磁率部材で形成された文字板21および裏蓋3が外装ケース1と絶縁されているので、文字板21および裏蓋3に誘導された標準電波の磁界成分が外装ケース1に逃げてしまうことがない。従って、文字板21および裏蓋3で誘導された標準電波の磁界成分が総てアンテナ5A、5Bに導かれ、アンテナ5A、5Bの受信性能が向上される。
(13)圧電アクチュエータ48は、駆動時でも磁界を発生させることがないので、圧電アクチュエータ48がアンテナ5A、5Bの近傍に配置されていてもアンテナ5A、5Bの受信性能は影響を受けない。
ここで、磁界を発生させるステッピングモータなどが用いられる場合に、文字板21および裏蓋3が高透磁率部材であると、ステッピングモータから生じる磁界が文字板21および裏蓋3を流れてアンテナ5A、5Bに流れ込んでしまうことになる。しかし、本実施形態では磁界を発生しない圧電アクチュエータ48が用いられるので、高透磁率部材の文字板21および裏蓋3によって標準電波を引き寄せて、アンテナ5A、5Bの受信性能を向上させることができる。
(14)第1アンテナ5Aと電池49との間には巻真131、カンヌキ133、オシドリ134、ツヅミ車135よりなる切替部(指針修正部)が配置され、第2アンテナ5Bと電池49との間には、水晶振動子ユニット41および回路ブロック42が配置されている。電池49の外缶は金属で形成されるので、電池49の近傍では文字板21および裏蓋3にて誘導された磁束が電池49の外缶に誘導されてしまいやすい。しかし、電池49とアンテナ5A、5Bとの間に巻真131や回路ブロック42等が配置されることにより、アンテナ5A、5Bと電池49とが離隔される。その結果、アンテナ5A、5Bへの鎖交磁束が十分に確保され、アンテナ5A、5Bの受信性能が向上される。
(15)アンテナ5A、5Bが並列に接続されているので、アンテナ5A、5Bのいずれか一方にて受信された時刻情報で時刻修正が行われる。よって、受信に成功する確率を向上させることができる。
(第3実施形態)
本発明の無線機能付き電子時計としての電波修正時計に係る第3実施形態について図9、図10を参照して説明する。
図9に第3実施形態を文字板側から見た主要部の平面図を示し、図10にアンテナ付近の部分断面図を示す。
第3実施形態の基本的構成(基本的構造および各部材の材質等)は、第1実施形態と同様であるが、アンテナの数および配置と、文字板および裏蓋に特徴を有する。
外装ケース1は、第1実施形態と同様に金属で形成されている。
アンテナとしては、第1アンテナ5A、第2アンテナ5Bおよび第3アンテナ5Cの三つが設けられている。第1アンテナ5Aは略2時方向に配設され、第2アンテナ5Bは略4時方向に配設され、第3アンテナ5Cは略9時方向に配設されている。第1、第2、第3アンテナ5A、5B、5Cは、総て直列に接続されてもよく、または総て並列に接続されてもよい。あるいは、直列接続と並列接続とを併用して、例えば、第1アンテナ5Aと第2アンテナ5Bとが直列に接続される一方で、この第1アンテナ5Aおよび第2アンテナ5Bに対して第3アンテナ5Cは並列に接続されてもよい。
なお、アンテナ5A〜5Cの軸線方向L5A(5B、5C)は、外装ケース1の筒軸方向L1に略平行である。
ステッピングモータ43は一つであり、輪列44は、ステッピングモータ43により回転される第1歯車443と、第1歯車443によって分針軸442と一体回転する第2歯車444と、分針軸442の回転を所定周期に減速する日の裏車445と、日の裏車445に噛合するとともに時針が取り付けられる筒車441とを備えて構成されている。
ステッピングモータ43は、略6時方向に配設されている。
水晶振動子ユニット41と回路ブロック42とが設けられ、水晶振動子ユニット41は略10時方向に配設され、回路ブロック42は略8時方向に配設されている。そして、第3アンテナ5Cは、水晶振動子ユニット41と回路ブロック42との間に位置している。
文字板21および裏蓋3が設けられ、非導電性かつ非磁性を有する部材、例えば、無機ガラスやセラミックなどで形成されている。図10に示されるように、文字板21および裏蓋3には、アンテナ5A〜5Cの軸芯51A〜51Cに対向する部分に貫通孔213、31がそれぞれ穿設されている。貫通孔213、31は、外装ケース1の内側に向かって段差214、32を持って拡径している。貫通孔213、31には、高透磁率部材215、33(例えば、純鉄、パーマロイ、アモルファス金属など)が嵌設されている。高透磁率部材215、33は、貫通孔213、31の段差214、32に係止されるフランジ部216、34を有し、外装ケース1の内側から貫通孔213、31に嵌められるとともにアンテナ5A〜5Cの軸芯51A〜51Cから与圧されることにより固定されている。つまり、高透磁率部材215、33は、アンテナ5A〜5Cの軸芯51A〜51Cに当接している。なお、高透磁率部材215、33は、アンテナ軸芯51A〜51Cとの磁気的な抵抗を少なくするため、アンテナ軸芯51A〜51Cと同じ材質で形成される。
このような第3実施形態によれば、上記実施形態の効果(1)〜(3)(6)に加えて、次の効果を奏することができる。
(16)アンテナ5A〜5Cの軸上に設けられた高透磁率部材215、33により標準電波の磁界がアンテナ5A〜5Cに誘導される。その結果、アンテナ5A〜5Cの鎖交磁束が増大され、アンテナ5A〜5Cの受信性能が向上される。
(17)高透磁率部材215、33はアンテナ5A〜5Cの軸線上のみに位置しているので、輪列44を介して指針221、222を駆動するステッピングモータ43から発生する磁界がアンテナ5A〜5Cに導かれる可能性を小さくできる。文字板21および裏蓋3の全体が高透磁率部材である場合には、ステッピングモータ43の磁界の多くがアンテナ5A〜5Cに導かれる可能性が高くなるが、アンテナ5A〜5Cの軸線上のみに高透磁率部材215、33を配置し、その高透磁率部材215、33がステッピングモータ43と平面的にオーバーラップさせないようにできるので、ステッピングモータ43からの磁界が高透磁率部材215、33を伝わってアンテナ5A〜5Cに影響する可能性を低くすることができる。
(18)第3アンテナ5Cと電池49との間には水晶振動子ユニット41が位置し、また、第3アンテナ5Cとステッピングモータ43との間には、回路ブロック42が位置している。よって、第3アンテナ5Cは、電池49およびステッピングモータ43からの影響を受けることが少なく、受信性能が高く維持される。
(19)無機ガラスやセラミックで形成された文字板21および裏蓋3のみでアンテナ5A、5B、5Cを支えることが困難な場合であっても、アンテナ5A、5Bの端面に当接する位置に剛性を有する高透磁率部材215、33が配置されているので、アンテナ5A〜5Cの軸芯51A〜51Cが高透磁率部材215、33で支えられる。
(第4実施形態)
本発明の無線機能付き電子時計としての電波修正時計に係る第4実施形態について図11を参照して説明する。図11に第4実施形態を文字板側から見た主要部品の配置を示す平面図を示す。
第4実施形態の基本的構成(基本構造および各部材の材質等)は、第1実施形態と同様であるが、第4実施形態が特徴とするところは、ムーブメントの構成、および、アンテナ等の配置に関する点である。
第1実施形態と同様に金属部材から形成された外装ケース1の開口の一方側には時刻表示手段2が設けられる。時刻表示手段2は、外装ケース1の筒軸方向(図11の紙面直交方向)に対して略直交する時刻表示面211を有する文字板21と、この文字板21上で回動する指針とを備えて構成されている。
ここで、時刻表示面211は、文字板21上に三つ設けられている。一つは、略12時方向の外縁寄りに設けられアラーム時刻を表示する時刻表示面211Aであり、一つは略6時方向の外縁寄りに設けられ現時刻を表示する時刻表示面211Bであり、残り一つは略9時方向の外縁寄りに設けられ秒時刻を表示する時刻表示面211Cである。
指針は、それぞれの時刻表示面211A〜C上で回動する指針としてそれぞれ設けらている。略12時方向の時刻表示面211A上にはアラーム用の時針222A、分針221Aが設けられ、略6時方向の時刻表示面211B上には現時刻表示用の時針222B、分針221Bが設けられ、略9時方向の時刻表示面211C上には秒を示す秒針223Cが設けられている。
ムーブメント4は、水晶振動子を含む水晶振動子ユニット(不図示)と、制御機能を有する回路ブロック(不図示)と、指針を回動させる駆動手段としてのステッピングモータ43A〜43Cと、ステッピングモータ43A〜43Cの駆動を指針に伝達する輪列44A〜44Cと、輪列44A〜44Cを外装ケース1の筒軸方向から挟持する地板(不図示)および輪列受(不図示)とを備えて構成されている。
駆動手段として3つのステッピングモータ43A〜43Cが設けられ、アラーム用時分針221A、222Aを回動させるためのアラーム用ステッピングモータ43Aと、現時刻を示す時分針221B、222Bを回動させる現時刻用ステッピングモータ43Bと、秒針223を回動させる秒針用ステッピングモータ43Cとが設けらている。
アラーム用ステッピングモータ43Aは略10時方向に配置され、現時刻用ステッピングモータ43Bは略4時方向に配置され、秒針用ステッピングモータ43Cは略8時方向に配置されている。ステッピングモータ43A〜43Cは、外装ケース1に収容されるムーブメント4の外周側に配置されている。
輪列は、アラーム用ステッピングモータ43Aからアラーム用の指針に回転を伝達する輪列44Aと、現時刻用ステッピングモータ43Bから現時刻表示用の指針に回転を伝達する輪列44Bと、秒針用ステッピングモータ43Cから秒針に向けて回転を伝達する輪列44Cとを備える。
電池49は、略2時方向に配置されている。
アンテナ5は、断面矩形状の軸芯51にコイル52が巻きまわされて形成され、外装ケースの略中央部に配置されている。アンテナ5の軸方向(図11中で紙面垂直方向)は外装ケース1の筒軸方向に略平行である。
このような第4実施形態によれば、上記実施形態の効果(1)〜(5)と同様の効果に加えて、次の効果を奏することができる。
(20)ステッピングモータ43A〜43Cや輪列44A〜44Cがムーブメント4の外周寄りに配置されているので、中央部に広いスペースが確保される。そして、ムーブメント4の中央部にアンテナ5を配置することにより、アンテナ5の断面積を大きくすることができる。すると、アンテナ5に鎖交する鎖交磁束を増大させ、アンテナ5の受信性能を向上させることができる。
(第5実施形態)
本発明の無線機能付き電子時計としての電波修正時計に係る第5実施形態について、図12を参照して説明する。図12に、第5実施形態におけるアンテナ付近の部分断面図を示す。
第5実施形態の基本的構成(基本構造および各部材の材質等)は第1実施形態と同様であるが、アンテナの軸方向に特徴がある。
図12において、第1実施形態と同様に金属部材から形成された外装ケース1が設けられ、外装ケース1と風防23との間に金属性のダイヤルリング15が設けられている。ダイヤルリング15は、外装ケース1の開口縁から開口の中央に向けて僅かに張り出す突条部151を有している。ダイヤルリング15により、時刻視認方向から見た場合の文字板21の外周形状が定められ、ダイヤルリング15の表面の装飾性と文字板表面の装飾性とによりデザインが向上される。
アンテナ5は、文字板21と裏蓋3とで挟持され、プラスチックで形成された中枠14を挟んで外装ケース1に近接して設けられている。アンテナ5の軸線方向L5は、外装ケース1の筒軸方向L1に対して僅かに傾きを有している。すなわち、アンテナ5の軸線方向L5がダイヤルリング15の突条部151からずれる程度にアンテナ5の文字板21側の端面が外装ケース1の中央に向けてややずれている。なお、アンテナ5の傾斜角度は特に限定されず、45度、30度、15度、10度、5度など、アンテナ5の軸線方向L5がダイヤルリング15からずれる程度であって、アンテナ5の軸線方向L5が外装ケース1の開口を通過する範囲内であればよい。
なお、文字板21および裏蓋3は、非導電性かつ非磁性を有する部材で形成されている。
このような第5実施形態によれば、上記実施形態の効果(1)〜(6)と同様の効果に加えて、次の効果を奏する。
(21)アンテナ5の軸線を傾斜させることにより、外装ケース1の開口内に配置された金属部材(ダイヤルリング15)とアンテナ5の軸線方向L5とが交差するが避けられる。よって、アンテナ5の軸線方向L5上で標準電波の磁界が金属部材(ダイヤルリング15)で遮蔽されず、外装ケース1の開口から進入する標準電波の磁界成分がアンテナ5に鎖交できる。その結果、アンテナ5の受信性能が向上される。
(第6実施形態)
本発明の無線機能付き電子時計としての電波修正時計に係る第6実施形態について図13を参照して説明する。図13に第6実施形態におけるアンテナ5の平面配置を示す主要部の平面図を示す。
第6実施形態の基本的構成(基本構造および各部材の材質等)は、第1実施形態と同様であるが、アンテナの形状および位置に特徴を有する。
アンテナ5は、ムーブメント4の外周形状に沿った状態でムーブメント4に配置され、外装ケース1の内周に沿った断面円弧形状の軸芯51にコイル52が巻きまわされて形成されいる。アンテナ5は、ムーブメント4の外縁に配置されている。
外装ケース1の内側には、ムーブメント4を外装ケース1に止着する中枠14が設けられている。中枠14は、非導電性かつ非磁性の部材例えばプラスチック等で形成されている。そして、アンテナ5と外装ケース1との間に中枠14が介在配置されているので、アンテナ5は外装ケース1から離隔され、アンテナ5と外装ケース1とは中枠14により電気的に絶縁される。
アンテナ5の軸線(図13の紙面垂直方向)は外装ケース1の筒軸方向(図13の紙面垂直方向)に略平行である。
このような第6実施形態によれば、上記実施形態の効果(1)〜(6)に加えて次の効果を奏する。
(22)アンテナ5がムーブメント4の外縁と外装ケース1との間に配置されているので、外装ケース1の中央側の広く開いたスペースにムーブメント4を配置することができる。また、アンテナ5が外装ケース1の内周に沿う形状であるので、デッドスペースを排して空間利用効率を向上させることができる。
(第7実施形態)
本発明の無線機能付き電子時計としての電波修正時計に係る第7実施形態について図14から図17を参照して説明する。
図14に、第7実施形態の文字板側から見た平面図を示し、図15に図14中XV-XV線での断面図を示し、図16に図14中XVI-XVI線での断面図を示す。
この電波修正時計100は、腕時計型であって、図14、図15、図16に示されるように、リング状(両端が開口の短筒形状)の外装ケース1を備える。
外装ケース1は、各指針を駆動する歯車の軸線方向(例えば二番車444の軸線方向)である筒軸方向L1の両端面が開口したリング状の金属性部材であって、例えば、黄銅、ステンレススチール、チタン合金などによって形成されている。外装ケース1の厚みはリングの径に比べて小さいものであり、10mm以下あるいは5mm以下に形成される。外装ケース1の外周で互いに反対位置には、腕時計用バンドを取り付ける取付部11、12が形成されている。ここで、外装ケース1の中心点からみて取付部11、12のうち一方が設けられている方向を12時方向とし、取付部11、12の他方が設けられている方向を6時方向とする。図14中では、上方(取付部11の方)を12時方向とし、下方(取付部12の方)を6時方向とする。
外装ケース1の胴部を略3時方向から貫通して外部操作手段13としての巻真131が設けられている。巻真131の一端は外装ケース1の外側に位置するとともに、この一端には竜頭132が設けられている。巻真131の他端は外装ケース1の内側に位置するとともに、この他端側にはカンヌキ133およびオシドリ134が設けられている。カンヌキ133は、ツヅミ車135と係合され、巻真が引き出されることにより、オシドリ134、カンヌキ133を介してツヅミ車135が巻真131の軸方向に移動される。すると、針位置が修正されたり、日車(不図示)が修正される。巻真131、カンヌキ133、オシドリ134およびツヅミ車135などにより切替部が構成されている。
外装ケース1の一方の開口側には図15、図16に示されるように、時刻表示手段2および光発電手段が設けられ、外装ケース1の他方の開口にはこの開口を閉じる蓋部としての裏蓋3が設けられている。
時刻表示手段2は、外装ケース1の筒軸方向L1(図14中で紙面垂直方向)に対して略直交する時刻表示面211を有する文字板21と、この文字板21上で回動する指針221、222とを備えて構成されている。
文字板21は略円板状であって外装ケース1の開口を閉じる面積を有する。文字板21は光透過性、非導電性および非磁性を備える部材で形成されており、例えば、無機ガラスやプラスチック、紙類あるいはセラミックス等で形成されている。時刻表示面211は外部から視認可能に外方に向けて設けられ、時刻表示面211上の外縁寄りには時刻を表す数字(不図示)が円環状に印字されている。時刻表示面211上には、表面仕上げの模様や塗装が施されていてもよい。
指針は、分を示す分針221と、時を示す時針222とを備えて構成されている。指針221、222は両者とも黄銅、アルミニューム、ステンレススチール等の金属部材で形成されている。
指針221、222を間にして文字板21に対向するように風防23が設けられている。風防23は、外装ケース1の開口を塞ぐ面積を有する。風防23は、非導電性かつ非磁性を有する光透過性部材で形成され、例えば、無機ガラスや有機ガラスで形成される。
文字板21の時刻表示面211とは反対側において光発電手段6が配設されている。光発電手段6は、光電変換により発電を行う光電変換部としての光電変換素子61と、光電変換素子61を搭載して支持する支持基板62とを備える。
光電変換素子61は、文字板21と略同一の面積を有するパネル状であり、文字板21側から透明電極層(TOC)、半導体層、透明電極層がこの順で積層されて構成されている(図示省略)。透明電極層は透明電極膜であり、透明導電膜としては、例えば、SnO2、ZnO、ITO(Indium Tin Oxide)などが挙げられる。半導体層は、微結晶または
非晶質のシリコンでありpn接合された構造を有するPIN型フォトダイオードである。光電変換素子61は、光透過性の文字板21を通して外部に臨んでいる。
支持基板62は、ステンレススチール等の磁性材や、純鉄、パーマロイ、コバルトを主成分とするアモルファス合金、鉄を主成分とするアモルファス合金等の高透磁率部材により形成されている。支持基板62は、光電変換素子61と略同一の面積を有する板状であって文字板21とは反対側で光電変換素子61に接着されている。
なお、光電変換素子61や支持基板62の形状や面積は場合によって種々選択可能であり、円形状、四角形状、三角形状の他、例えば、各種キャラクター形状とすることも自由である。
裏蓋3は、文字板21との間に所定間隔をもって対向して設けられ、外装ケース1の開口を閉じる面積を有する。裏蓋3は、フェライト、純鉄、アモルファス金属等の高透磁率部材で形成されている。
外装ケース1の内側で光発電手段6および裏蓋3との間には、計時機能を有するムーブメント4と、ムーブメント4を外装ケース1に保持する中枠14と、ムーブメント4に電力を供給する電池49と、時刻情報を含む標準電波を受信するアンテナ5A、5Bとが設けられている。
ムーブメント4は、水晶振動子411を含む水晶振動子ユニット41と、制御機能を有する制御部(計時制御部)としての回路ブロック42と、指針221、222を回動させる駆動手段としての圧電アクチュエータ48と、圧電アクチュエータ48の動力を指針221、222に伝達する輪列44と、輪列44を外装ケース1の筒軸方向L1から挟持する地板46および輪列受47とを備える。
水晶振動子ユニット41は、基準クロック用の水晶振動子411と、標準電波の周波数(60kHz、40kHz)に同調する同調信号生成用の水晶振動子として60kHz用の水晶振動子412と40kHz用の水晶振動子413とを備える。同調信号生成用の水晶振動子412、413は略9時方向に配置されている。
水晶振動子ユニット41および回路ブロック42は、略9時方向に配設されている。図17に、水晶振動子ユニット41および回路ブロック42の機能ブロック図を示す。
回路ブロック42は、アンテナ5A、5Bで受けた標準電波を処理して時刻情報として出力する受信回路421と、受信回路421から出力された時刻情報を記憶する記憶回路422と、水晶振動子411からのクロックパルスで現時刻をカウントするとともに受信した時刻情報で現時刻を修正する中央制御回路423と、圧電アクチュエータ48を駆動する駆動回路425と、指針位置を検出する針位置検出回路426と、を備える。
受信回路421は、アンテナ5A、5Bによって受信された標準電波を増幅する増幅回路、所望の周波数成分を抽出するフィルタ、信号を復調する復調回路、信号をデコードするデコード回路などを備える。
記憶回路422は、受信回路421でデコードされた時刻情報を一旦記憶するとともに記憶した複数の時刻情報を対比して受信の成否を判断する。
中央制御回路423は、発振回路、分周回路、現時刻をカウントする現時刻カウンタ、および、受信した時刻情報に従って現時刻カウンタのカウント値を修正する時刻修正回路などを備える。中央制御回路423は、受信回路421の受信スケジュールを記憶するとともに受信動作を制御する受信制御回路424を備え、受信スケジュールとしては、午前2時から午前2時6分に受信動作を行う設定が行われる。また、受信制御回路424に対して外部操作手段13による入力操作によって時刻情報の強制受信が指令された場合には、受信制御回路424からの出力信号により受信回路421で受信動作が実行される。
駆動回路425は、中央制御回路423から指令されるタイミングで圧電アクチュエータに駆動パルスを印加する。
針位置検出回路426は、指針(分針221、時針222)の針位置を検出して中央制御回路423に検出結果を出力する。中央制御回路423内において、針位置検出回路426からの検出結果と時刻カウンタのカウンタ値とが比較される。そして、この比較結果に基づいて指針位置をカウンタ値に一致させるパルスの出力が駆動回路425に指令される。
駆動手段は、圧電アクチュエータ48を備えて構成されている。圧電アクチュエータ48は、略矩形扁平形状に形成された補強板481と、この補強板481の表裏両面に貼設された圧電素子483と、圧電素子483表面に設けられた電極(不図示)とを備えて構成されている。そして、電極への交流電圧の印加により圧電素子483が励振され、補強板481の対角位置に設けられた凸部482が略円周軌道を描いて運動する。
輪列44は、圧電アクチュエータ48の凸部482が押圧されて凸部482の円周軌道運動により回転される第1歯車443と、第1歯車443に噛合するとともに分針221が取り付けられた分針軸442と一体回転する第2歯車(二番車)444と、第2歯車444の回転を所定周期に減速する日の裏車445と、日の裏車445に噛合するとともに時針222が取り付けられた筒車441とを備える。
なお、日の裏車445に小鉄車446が噛合しており、巻真131が引き出されることによって巻真131の一端に設けられたツヅミ車135がカンヌキ133に押されて小鉄車446に噛合される。
地板46は、文字板21側において輪列44を軸支し、輪列受47は裏蓋3側において輪列44を軸支する。地板46および輪列受47は、非導電性かつ非磁性を有する部材で形成され、例えば、プラスチックやセラミックで形成される。なお、光発電手段6は地板46と文字板21との間で挟持され、支持基板62が地板から文字板側に付勢されて光発電手段の位置が固定されている。また、光発電手段6は支持基板62が地板46にネジ止めされることによって位置固定されていてもよい。
輪列44、圧電アクチュエータ48、回路ブロック42が地板46および輪列受47の間に挟まれて一体化されムーブメント4が構成されている。
中枠14は外装ケース1の内周に沿ったリング状部材であって、ムーブメント4の周端面を囲んでいる。中枠14は、非導電性かつ非磁性を有する部材で形成され、例えば、プラスチックやセラミックで形成される。中枠14は、光発電手段6と外装ケース1との間および裏蓋3と外装ケース1との間に介在して位置しており、支持基板62と外装ケース1とを絶縁し、また、裏蓋3と外装ケース1とを絶縁している。なお、支持基板62と外装ケース1との絶縁、あるいは、裏蓋3と外装ケース1との絶縁は、ゴムパッキンなどの絶縁体によって行われてもよい。
電池49は、光発電手段6で発電された電力を蓄電する2次電池であり、その外缶ケースが金属で形成されている。電池49は、略11時方向に配設され、略10時方向から略12時方向にわたって場所を占めている。図16に示されるように、光発電手段6は電池49と文字板21との間に配設されている。
アンテナとして、第1アンテナ5Aと第2アンテナ5Bとの二つが設けられ、第1アンテナ5Aは略4時方向に配置され、第2アンテナ5Bは略7時方向に配置されている。
第1アンテナ5Aおよび第2アンテナ5Bは、ムーブメント4内で外装ケースの内周に近接して配置されている。
ただし、第1アンテナ5Aおよび第2アンテナ5Bと外装ケース1との間には中枠14が位置しており、第1アンテナ5Aおよび第2アンテナ5Bと外装ケース1とは所定距離をもって離隔されている。
第1アンテナ5Aおよび第2アンテナ5Bは、軸芯51A、51Bとなる棒状のフェライト、純鉄、アモルファス金属などの高透磁率部材にコイル52A、52Bが巻きまわされて形成され、図17に示されるように、第1アンテナ5Aのコイル52Aと第2アンテナ5Bのコイル52Bとは直列に接続されている。
各コイル52A、52Bを直列に接続する構成としては、ムーブメント4の中、例えば地板46と輪列受47とに挟まれて保持された回路基板(図示省略)を介して行う構成が例として挙げられる。例えば、回路基板表面に形成された導電パターンに各アンテナ5A、5Bのコイル52A、52Bを接続すればよい。
なお、水晶振動子411、412、413の各端子および回路ブロック42の各端子が回路基板の導電パターンに接続されて電気的に導通されてもよい。また、回路ブロック42を始めとする電気的部品を回路基板上にIC(integrated circuit)として実装し、導通パターンを通して他の電気的部品(アンテナ5A、5B、水晶411、412、413、電池49)と導通させてもよい。
第1アンテナ5Aの軸芯51Aは断面円形状であり、第2アンテナ5Bの軸芯は断面矩形状である。また、第1アンテナ5Aの軸芯51Aおよび第2アンテナ5Bの軸芯51Bは、軸線方向に長さを有する高透磁率部材の薄板が多数積層された積層体である。なお、薄板同士はエポキシ系等の絶縁性を有する接着剤で接着されている。
第1アンテナ5Aおよび第2アンテナ5Bは、軸線方向L5A、L5Bを外装ケース1の筒軸方向L1に略平行にして設けられており、第1アンテナ5Aおよび第2アンテナ5Bの端面は、支持基板62および裏蓋3に対向して当接している。
ここで、支持基板62を裏蓋3側に向けて僅かに凸状に膨出する程度に撓ませて形成し、また、裏蓋3を支持基板62に向けて凸状に膨出する程度に撓ませて形成し、第1アンテナ5Aおよび第2アンテナ5Bを組み付けるときにアンテナ軸芯51A、51Bを支持基板62および裏蓋3で強く挟持する。すると、支持基板62および裏蓋3の復元力によりアンテナ軸芯51A、51Bが支持基板62と裏蓋3とに強く圧接される。
なお、第1アンテナ5Aおよび第2アンテナ5Bの端面が支持基板62および裏蓋3に対して十分に近接していれば、必ずしも接していなくてもよい。
また、支持基板62および裏蓋3は、アンテナ軸芯51A、51Bとの磁気的な抵抗を少なくするため、アンテナ軸芯51A、51Bと同じ材質で形成されることが例示される。
輪列受47には、第1アンテナ5Aおよび第2アンテナ5Bが挿通される挿通孔471が貫通形成されている。
このような構成を備える第7実施形態の動作について説明する。
水晶振動子411の発振を分周して生成された基準クロックにより時刻カウンタの現時刻が更新される。また、針位置検出回路426にて指針(分針221、時針222)の位置が検出され、検出結果は中央制御回路423に出力される。指針位置と時刻カウンタのカウンタ値とが比較され、比較結果に基づいて駆動回路425を介して圧電アクチュエータ48が駆動される。圧電アクチュエータ48の駆動が輪列44を介して指針221、222に伝達され、指針221、222により時刻表示面211上の数字が示されることにより、現時刻が表示される。
次に、標準電波の受信動作および標準電波の時刻情報に基づく時刻修正動作について説明する。
受信制御回路424に設定された受信開始時刻である午前2時になると、受信制御回路424から受信回路421に受信動作開始の指令が出力される。あるいは、外部操作手段13により、強制受信操作が入力されると、受信制御回路424から受信回路421に受信開始の指令が出力される。
ここで、外装ケース1は筒軸方向Lが開口しているので、この開口から標準電波の磁界成分が外装ケース1内に進入する。このとき、支持基板62および裏蓋3の高透磁率性により、標準電波の磁界が支持基板62および裏蓋3に引き寄せられる。すると、文字板21および裏蓋3に引き寄せられた磁界がアンテナ5A、5Bの軸芯51A、51Bを通り抜けてコイル52A、52Bに鎖交する。そして、アンテナ5A、5Bで標準電波が受信される。
受信回路421は、受信開始の指令を受けると、電池49から電力供給を受けて、アンテナ5A、5Bで受信された信号(時刻情報)のデコードを開始する。
デコードされた時刻情報は一旦記憶回路422に記憶されるとともに、複数回(例えば6回)の受信で得られた時刻情報が前後同士で比較されて、受信の正確さが判断される。正確に受信された時刻情報に従って、時刻修正回路により時刻カウンタの現時刻が修正される。そして、時刻カウンタの時刻に従って針位置が修正され、受信時刻に従った時刻が示される。
また、文字板21に向けて光が照射されると、光は風防23および文字板21を透過して光電変換素子61に入射する。すると、光電変換素子61により光電変換されて発電され、発電された電力(電流)は透明電極から電池49に給電されて蓄電される。
このような第7実施形態によれば、次の効果を奏することができる。
(23)外装ケース1が金属で形成されていることにより、高級感が演出される。さらに、外装ケース1の筒軸方向L1からの標準電波がアンテナ5A、5Bで受信されるので、外装ケース1が金属で形成されてもアンテナ5A、5Bの受信性能に影響しない。
(24)外装ケース1の筒軸方向Lの両端が開口されているので、標準電波の磁界は外装ケース1の開口から筒軸方向L1に沿って金属製の外装ケース1内に進入できる。そして、アンテナ5A、5Bの軸線方向L5A、L5Bが外装ケース1の筒軸方向L1に略平行である。すると、外装ケース1に進入した磁界がコイル52A、52Bの中心に配置された軸芯51A、51Bを通り抜けることとなるので、アンテナ5A、5Bで標準電波が受信される。さらに、外装ケース1内に侵入する磁界の方向とアンテナ5A、5Bの軸線方向L5A、L5Bとが略平行となるので、アンテナ5A、5Bへの鎖交磁束を最大限に大きくなり、アンテナ5A、5Bの受信性能が飛躍的に向上される。
(25)外装ケース1の筒軸方向L1の両端が開口されているので、外装ケース1の開口から標準電波の磁界が進入可能であり、さらに、アンテナ5A、5Bの軸線方向L5A、L5Bが外装ケース1内に進入する磁界変動方向に沿っている。したがって、外装ケース1内に進入する標準電波の磁界がそのままアンテナ5A、5Bに鎖交することとなるので、アンテナ5A、5Bの受信性能が向上される。
アンテナ5A、5Bの受信性能が向上されるので、アンテナ5A、5B自体が小型化されても十分な受信強度が確保される。そして、アンテナ5A、5Bの小型化により電波修正時計100が小型化される。
また、アンテナ5A、5Bの軸線方向L5A、L5Bが外装ケースの筒軸L1に略平行とであるので、アンテナ5A、5Bの断面積の大きさが外装ケース1の厚みに影響することがない。よって、例えば、アンテナ5A、5Bの断面積を大きくすることによって鎖交磁束を増大させる場合でも、外装ケース1は十分に薄型に形成される。
(26)高透磁率部材で形成された支持基板62および裏蓋3の広い面で標準電波の磁界がアンテナ5A、5Bの軸線に導かれる。その結果、アンテナ5A、5Bの鎖交磁束が増大され、アンテナ5A、5Bの受信性能が向上される。
(27)光発電手段6の光電変換素子61が文字板21と略同一の大きさに形成されていることから光の受光面積が時計の構成上最大になり、発電量が増大される。そして、光発電手段6が大きい場合でも、支持基板62によって標準電波がアンテナ5A、5Bに誘導されるので、アンテナ5A、5Bの受信性能がより向上される。従って、時計の構成上、発電量が最大になるとともにアンテナ5A、5Bの受信性能も最高レベルに引き上げられるという画期的な効果を奏する。
(28)アンテナ5A、5Bが略4時方向、略7時方向に配置され、受信時刻が午前2時に設定されているので、受信時刻には指針221、222がアンテナ5A、5Bの軸線上に位置しない。よって、標準電波の受信には指針221、222が影響しない。その結果、指針221、222が金属で形成されてよく、高級感あるデザインとするなど美観性が向上される。
(29)第1アンテナ5Aと第2アンテナ5Bとが直列に接続されているので、第1アンテナ5Aおよび第2アンテナ5Bで受信された信号が足し合されることで、受信性能が高められる。
(30)圧電アクチュエータ48は、駆動時でも磁界を発生させることがないので、圧電アクチュエータ48がアンテナ5A、5Bの近傍に配置されていてもアンテナ5A、5Bの受信性能には影響がない。
例えば、磁界を発生させるステッピングモータなどが使用される場合に、支持基板62および裏蓋3が高透磁率部材で形成されていると、ステッピングモータから生じる磁界が支持基板62および裏蓋3を伝導してアンテナ5A、5Bに流れ込んでしまうことになる。しかし、本実施形態では磁界を発生しない圧電アクチュエータ48が用いられるので、支持基板62および裏蓋3に他のノイズ(ステッピングモータの磁界など)が流れることはなく、高透磁率部材の支持基板62および裏蓋3で標準電波の磁界のみが集められることになる。その結果、支持基板62および裏蓋3によりアンテナ5A、5Bに標準電波の磁界成分が誘導されて、アンテナ5A、5Bの受信性能が向上される。
(31)第1アンテナ5Aと電池49との間には巻真131、カンヌキ133、オシドリ134、ツヅミ車135よりなる切替部(指針修正部)が配置され、第2アンテナ5Bと電池49との間には、水晶振動子ユニット41および回路ブロック42が配置されている。
ここで、電池49の外缶は金属で形成されるので電池49の近傍では支持基板62および裏蓋3にて誘導された磁束が電池49の外缶に誘導されてしまう可能性があるが、電池49との間に巻真131や回路ブロック42等が配置されることにより、アンテナ5A、5Bと電池49とが離隔され、アンテナ5A、5Bへの鎖交磁束が十分に確保されて受信性能が向上される。
(32)アンテナの軸芯51は、エポキシ系樹脂で互いに絶縁された薄板が多数積層して形成されている。従って、各薄板に生じる渦電流が小さくなる。支持基板62および裏蓋3により標準電波の磁界を誘導すると、アンテナ5A、5Bには非常に多くの磁束が鎖交するために鉄損も大きくなる可能性がある。しかし、渦電流の発生が抑えられることで鉄損が抑制され、その結果、アンテナ5A、5Bの受信性能が向上される。
(第8実施形態)
次に、本発明の無線機能付き電子時計としての電波修正時計に係る第8実施形態を図18、図19、図20を参照して説明する。
図18に第2実施形態の文字板側から見た平面図を示し、図19にアンテナ同士を結ぶ直線で断面された断面図を示し、図20にアンテナの接続を示す。
第8実施形態の基本的構成(基本構造および各部材の材質等)は第7実施形態と同様であるが、第8実施形態が特徴とするところは、光発電手段6が複数枚に分割されている点にある。
第7実施形態と同様に光発電手段6が設けられているが、光発電手段6は、三つの発電ブロック6A〜6Cにより構成されている。一つの発電ブロックは、中心角が略120度の扇型であり、第7実施形態と同様に光電変換素子61と支持基板62とを備えている。発電ブロックごとに光発電手段は独立しており、すなわち、光電変換素子61も支持基板62も発電ブロックごとに分離している。三つの発電ブロックは略同一の形状であり、三つの発電ブロックが互いに中心角部分を寄せて配設され、全体として円形状に配置されている。
ここで、図18中、略11時から略3時の範囲に配置された発電ブロックを第1発電ブロック6A、略3時から略7時の範囲に配置された発電ブロックを第2発電ブロック6B、略7時から略11の範囲に配置された発電ブロックを第3発電ブロック6Cとする。
第1発電ブロック6A、第2発電ブロック6Bおよび第3発電ブロック6Cは電気的に直列接続され、各発電ブロックにて発電された電力(電流)は直列に合成されて電池49に蓄電される。
第1発電ブロック6Aと第2発電ブロック6Bとに挟まれた略3時方向には、光発電手段6を間にして文字板21とは反対側に配置された日車(不図示)を文字板21側から視認可能とする日窓212が文字板21に形成されている。この日窓212を通して日車の日数字が視認できるように、第1発電ブロック6Aおよび第2発電ブロック6Bの支持基板62には外周側からそれぞれ切り欠きが形成されている。
また、各発電ブロック6A〜6Cは、中心角の部分が切り欠かれており、全体の略中心部は指針軸が挿通される孔となっている。
アンテナとしては、第1アンテナ5A、第2アンテナ5Bおよび第3アンテナ5Cの三つが設けられ、アンテナ5A〜5Cの軸線方向L5A(5B、5C)は、外装ケース1の筒軸方向L1に略平行である。
第1アンテナ5Aは略1時方向に配設され、第2アンテナ5Bは略5時方向に配設され、第3アンテナ5Cは略9時方向に配設されている。
図18、19に示されるように、アンテナ5A〜5Cはそれぞれ軸芯51A〜51Cの一端を発電ブロック6A〜6Cの略中央部分に当接させて配置されている。
また、アンテナ軸芯51A〜51Cの他端は、高透磁率部材により形成された磁性板7に当接されている。磁性板7は、支持基板62と同様にステンレススチール等の磁性材や、純鉄、パーマロイ、コバルトあるいは鉄のアモルファス合金等の高透磁率部材で形成され、例えば、針合わせ時に輪列の動きを停止させる規制レバーや、切替部のレバー部品を覆う部品カバーなどを共用することが例示される。磁性板7は、各アンテナ5A〜5Cごとに設けられており、互いに分離している。そして、磁性板7によって標準電波の磁界が引き寄せられる。
なお、裏蓋3およびムーブメント4の基枠要素(例えば、地板46、輪列受47等)は非導電性かつ非磁性の材料で形成されている。また、裏蓋3には、磁性板7がはめ込まれる凹部35が凹設されている。
第1、第2、第3アンテナ5A、5B、5Cの各コイル52A、52B、52Cは、図20(A)に示されるように総て直列に接続されてもよく、または図20(B)に示されるように総て並列に接続されてもよい。あるいは、直列接続と並設接続とが併用されて、例えば、第1アンテナ5Aのコイル52Aと第2アンテナ5Bのコイル52Bとが直列に接続される一方で、コイル52Aおよびコイル52Bに対して第3アンテナ5Cのコイル52Cが並列に接続されてもよい。各コイルの直列または並列の接続は第7実施形態のように回路基板に設けられた導通パターンを介して行われてもよい。
このような第8実施形態によれば、第7実施形態の効果(23)〜(32)に加えて、次の効果を奏することができる。
(33)アンテナが3つ設けられて、アンテナ5A〜5Cにあわせて光発電手段6が3つの発電ブロック6A〜6Cに分割されている。さらに、磁性板7も互いに分離している。すると、アンテナ5A〜5Cが互いに独立するので、各アンテナ5A〜5Cにより独立して標準電波の受信が行われる。すると、いずれかのアンテナ5A〜5Cにより受信に成功すればよいので、標準電波の受信に成功する確率が向上される。
(34)支持基板62と磁性板7とで標準電波の磁界が誘導されるので、一つのアンテナの受信で受信性能を高められる。すると、一つのアンテナで受信された信号強度により時刻修正を十分に行うことができ、いずれかのアンテナで標準電波に受信に成功すればよいので、受信に成功する確率が向上される。
(35)磁性板7が設けられ、磁性板7により標準電波の磁界が誘導されるので、裏蓋3の材質は自由に選択してもよい。例えば、裏蓋3は、金属製の外装ケース1と絶縁されていれば、高透磁率部材でもよく、無機ガラスやセラミック等の非導電性かつ非磁性の部材でもよく、あるいは、黄銅やチタン合金などの金属でもよい。
(変形例1)
本発明の無線機能付き電子時計としての電波修正時計に係る変形例1について説明する。
変形例1の基本的構成(基本構造および各部材の材質等)は、第2実施形態と同様であるが、アンテナ軸芯51A、51Bと文字板21とが一体的に形成される点に特徴を有する。
例えば、図21に示す例において、文字板21は、時刻表示面211の装飾が一面に施された文字板上板217と、文字板上板217の下面に一体的に接合される文字板下板218とを備える。文字板上板217および文字板下板218は高透磁率部材で形成されている。そして、文字板下板218から連続してアンテナ軸芯51Aが一体的に突出形成されている。このように文字板下板218とアンテナ軸芯51Aとを一体形成する方法としては、ダイキャスト、鍛造などが例として挙げられる。
なお、文字板上板217は、非導電性かつ非磁性の部材で形成されてもよく、例えば、無機ガラス、セラミック、プラスチックでもよい。
このような構成によれば、文字板下板218とアンテナ軸芯51Aとが一体化されることによって部品点数が削減され、組み立て性が向上される。また、文字板下板218からアンテナ軸芯51Aに繋ぎ目がなく連続しているので、文字板下板218で誘導された標準電波の磁界が抵抗なくそのままアンテナ5Aに鎖交する。その結果、アンテナ5Aの鎖交磁束が増大され、アンテナ5Aの受信性能が向上される。
なお、アンテナが二つある場合には、両者とも文字板下板218にアンテナ軸芯が一体形成されてもよく、どちらか一方だけのアンテナ軸芯が文字板下板218に一体形成されてもよい。
また、アンテナ軸芯51A、文字板21および裏蓋3は高透磁率部材で形成されればよいので、例えば、アンテナ軸芯51Aと裏蓋3とが一体形成されてもよく、アンテナ軸芯51A、文字板21および裏蓋3の総てが一体形成されてもよい。ただし、アンテナコイル52Aをアンテナ軸芯51Aに巻く行程を効率よく行うためには、文字板21および裏蓋3のいずれか一方だけがアンテナ軸芯51Aに一体形成されていることが望ましい。
(変形例2)
本発明の無線機能付き電子時計としての電波修正時計に係る変形例2について図22を参照して説明する。
変形例2の基本的構成は、第2実施形態と同様であるが、文字板21および裏蓋3においてアンテナ5の端面に対応する位置にアンテナ5の端面を嵌設する凹部が設けられている点に特徴を有する。
図22は、変形例2の要部の断面図においてアンテナ部分を示す図である。この変形例2は、筒軸L1方向の両端が開口した外装ケース1と、無機ガラスや有機ガラスからなるカバーガラス(風防)23と、ムーブメント4と、プラスチックからなる中枠14と、外装ケース1の一方の開口に配設された文字板21と、外装ケース1の他方の開口に配設された蓋部としての裏蓋3と、外装ケース1内に配設されて文字板21と裏蓋3とにて軸方向の端面が挟持されたアンテナ5と、を備え、文字板21は、アンテナ5の一方の端部が嵌入される第1嵌合凹部219を有し、裏蓋3は、アンテナ5の他方の端部が嵌入される第2嵌合凹部35を有している。
外装ケース1は、黄銅、チタン合金、ステンレススチール、アルミニュームなどの導電性の金属で形成され、外装ケース1内にはアンテナ5の他ムーブメント4等が配設されている。
文字板21および裏蓋3は高透磁率部材で形成され、文字板21および裏蓋3には標準電波の磁界が通過可能である。なお、外装ケース1に対して文字板21および裏蓋3は介在配置された中枠14によって絶縁されている。
文字板21には、外装ケース1の内方に向けて開口する第1嵌合凹部219が凹設されている。つまり第1嵌合凹部219は裏蓋3側に向けて開口して設けられている。第1嵌合凹部219の深さは文字板21の厚み(T1)の半分よりも深く形成され、例えば、第1嵌合凹部219の底面から他面(時刻表示面)に至る肉薄部の厚さ(t1)は、次の式を満たすことが望ましい。
1≦T1÷2
さらには次の式を満たすことがより好ましい。
1≦T1÷3
なお、第1嵌合凹部219の深さは特に限定されず、肉薄部の厚さ(t1)は例えば文字板の厚さ(T1)の半分以上であってもよく、逆に肉薄部の厚さ(t1)の下限も特に限定されず、文字板21の強度を維持できる程度であれば第1嵌合凹部219を深く形成してもよい。
第1嵌合凹部219の開口面積は、アンテナ5の軸芯の断面積よりも僅かに大きく、例えば、軸芯51にコイル52が巻かれた状態でアンテナ5の端部が挿入可能な広さである。また、第1嵌合凹部219の縁は外に向けて拡径するテーパ状に形成されている。
裏蓋3には、外装ケース1の内方、つまり文字板21に向けて開口する第2嵌合凹部35が凹設されている。第2嵌合凹部35の深さは裏蓋3の厚み(T2)に対して次の式を満たすことが好ましい。
2≦T2÷2
ただし、tは、第2嵌合凹部35の底面から裏蓋3の他面に至る肉薄部の厚みである。
さらには、次の式を満たすことがより好ましい。
2≦T2÷3
なお、第2嵌合凹部35の深さが特に限定されないのは第1嵌合凹部219についての
説明と同様である。
第2嵌合凹部35の開口面積はアンテナ5の端部を挿入可能な広さであり、第2嵌合凹部35の縁は外に向けて拡径するテーパ状に形成されている。
アンテナ5は、軸線方向L5を外装ケース1の筒軸方向L1に略平行にして配設されている。アンテナ5は、軸芯51の一方の端面が文字板21の第1嵌合凹部219に挿入され、端面が第1嵌合凹部219の底面に強く当接されている。アンテナ5は、軸芯51の他方の端面が裏蓋3の第2嵌合凹部35に挿入され、第2嵌合凹部35の底面に強く当接されている。この際、文字板21および裏蓋3を外装ケース1の内方に僅かに膨出するように撓ませておいて、文字板21と裏蓋3との間にアンテナ5を挟むことでアンテナ5の端面が文字板21および裏蓋3に強く当接することは前記第7実施形態で説明したのと同様である。
このような構成によれば、高透磁率部材である文字板21および裏蓋3により標準電波の磁界が引き寄せられ、文字板21および裏蓋3からアンテナ5に標準電波の磁界が伝わって鎖交する。従って、アンテナ5に鎖交する磁束を増大させてアンテナ5の受信性能を向上させることができる。
アンテナ5の両端部が第1嵌合凹部219と第2嵌合凹部35とに嵌入された状態でアンテナ5が文字板21と裏蓋3とに挟持されているので、アンテナ5の位置が固定される。
第1嵌合凹部219および第2嵌合凹部35の深さの分はアンテナ5の長さを長くできるので、アンテナ5を長くできる分だけコイル52の巻き数を多くすることができる。すると、アンペアターンが大きくなるのでアンテナ5の受信感度が向上される。
(変形例3)
本発明の無線機能付き電子時計としての電波修正時計に係る変形例3について図23、図24を参照して説明する。
変形例3の基本的構成(基本構造および各部材の材質等)は、第3実施形態と同様であるが、文字板21および裏蓋3に形成される貫通孔213、31の形状や、貫通孔213、31に嵌設される高透磁率部材215、33の形状に特徴を有する。
図23において、文字板21および裏蓋3に形成される貫通孔213、31は、外方に向けて貫通孔213、31を径大させるテーパを有する。貫通孔213、31には、貫通孔213、31の形状にそれぞれ対応するテーパを有する高透磁率部材215、33が嵌設されている。そして、高透磁率部材215、33はアンテナ軸芯51A(51B、51C)の端面に強く押圧されている。例えば、文字板21をアンテナ軸芯51A〜C側に凸状に湾曲させて形成し、この湾曲の弾性力で高透磁率部材215をアンテナ軸芯51A〜Cの端面に押圧することが例示される。
図24において、文字板21は、文字板上板217と文字板下板218とを備えている。そして、図23に同じく、文字板下板218および裏蓋3には外方に向けて拡径する貫通孔213、31が設けられている。そして、文字板21側の高透磁率部材215は、アンテナ軸芯51A(51B、51C)に一体形成され、すなわち、アンテナ軸芯51Aの一端に連続して径大する高透磁率部材215が設けられている。そして、このアンテナ軸芯51A〜51Cは、文字板下板218の貫通孔213の径大側から挿通される。また、裏蓋3側の貫通孔31には、この貫通孔31の形状に対応するテーパを有する高透磁率部材33が嵌設されている。
このような構成において、高透磁率部材215、33が外方に向けて拡径している。すなわち、高透磁率部材215、33がアンテナ軸芯51A〜51Cに向けて滑らかに径小している。すると、高透磁率部材215、33からアンテナ軸芯51A〜Cへ繋がる磁路が連続して滑らかとなる。よって、高透磁率部材215、33で誘導された電磁波の磁界が磁気的な抵抗をあまり受けることなく連続的にアンテナ軸芯51A〜51Cに導かれる。その結果、アンテナ5A〜5Cの鎖交磁束が増大され、アンテナ5A〜5Cの受信性能が向上される。
(変形例4)
次に、本発明の無線機能付き電子時計としての電波修正時計に係る変形例4について説明する。
第3実施形態(図10)においては、文字板21および裏蓋3に貫通孔213、31が形成され、この貫通孔213、31に高透磁率部材215、33が嵌設される場合について説明したが、変形例4として、文字板21および裏蓋3に貫通孔213、31を形成することなく、アンテナ5の軸線上で非導電性かつ非磁性部材で形成された文字板21や裏蓋3、地板46、輪列受47に高透磁率部材が貼り付けられてもよい。
あるいは、文字板21および裏蓋3に時計体内方に向けて開口する凹部を凹設して、この凹部に高透磁率部材を設けてもよい。
さらに、この場合において、高透磁率部材とアンテナ軸芯51とが一体的に形成されてもよい。
例えば、図25(A)において、文字板21および裏蓋3には、内方に向けて開口する凹部219、35が形成されている。文字板21は無機ガラスやプラスチックで形成され、裏蓋3は無機ガラスやプラスチックで形成されている。アンテナ軸芯51Aは、その両端から軸線に略直交する方向へフランジ状に張り出した上端側および下端側の鍔部53を有し、鍔部53は文字板21および裏蓋3の凹部219、35に嵌められている。また、地板46および輪列受47には外周の一部に切欠部461が切り欠いて形成され、この切欠部461からアンテナ5が挿通される。なお、図25(B)では、地板46および輪列受47の切欠部461に外周側から鍔部53が挿入された状態が示されている。
このような構成においても、鍔部53によって標準電波の磁界が誘導され、アンテナ5の鎖交磁束が増大されて、アンテナの受信性能が向上される。
(変形例5)
本発明の無線機能付き電子時計としての電波修正時計に係る変形例5について図26、図27、図28を参照して説明する。
変形例5は、上記実施形態と同様にアンテナ5を備えているところ、アンテナ5の取り付けにコイルボビンが用いられる点に特徴を有する。
図26(A)において、電波修正時計100は、駆動手段(モータ)や輪列等のムーブメント構成部品が載設される地板46と、地板46の表裏両面側にそれぞれ配置された文字板21および裏蓋3と、標準電波を受信するアンテナ5と、標準電波の磁界を誘導する磁性板7と、を備えている。
地板46、文字板21および裏蓋3は、非導電性および非磁性の部材例えば無機ガラスやプラスチックで形成されている。地板46は、アンテナ5を挿嵌する挿通孔464と、裏蓋3側の面において凹設されアンテナ5を取付固定する取付凹部462と、文字板21側の面において磁性板7が嵌設される載置凹部463と、有する。
アンテナ5は、コイルボビン54と、コア(軸芯)51と、コイル52と、を備える。コイルボビン54は、図26(B)に示されるように、非導電性かつ非磁性の部材例えばプラスチックで形成され、筒孔543を有する筒状の部材であって、コイル52が巻かれる筒状の胴部542と、胴部542からフランジ状に張り出したフランジ部541と、を備えている。そして、コイルボビン54の筒孔543にコア51が挿嵌され、胴部542にコイル52が巻き回される。
磁性板7は、前述と同様な高透磁率部材で形成された板状体である。
アンテナ5は、地板46の挿通孔464に挿通され、フランジ部541が取付凹部462に嵌合された状態で止めねじ8により地板46に取付固定される。磁性板7が文字板21側から載置凹部463に載置され、磁性板7とコア51とが密接した状態で地板46と磁性板7とが接着固定される。なお、磁性板7は、地板46ではなく、コア51あるいはボビン54に接着されてもよい。
このような構成によれば、コイルボビン54によってアンテナ5を簡便に地板46に取付固定できる。また、磁性板7により標準電波の磁界が誘導されアンテナ5のコア51に多くの磁束が鎖交され、アンテナ5の受信性能が向上される。
ここで、図26ではコア51と磁性板7とは別体であったが、図27に示されるように、コア51と磁性板7とを射出成型などによって一体成型してもよい。このようにコア51と磁性板7とを一体とすれば、部品点数が削減され、組み立ても簡略化できる。
あるいは、図28(A)に示されるように、コア51の両端面に磁性板7を一体的に設けてもよい。このような場合、図28(B)に示されるように、コイルボビン54にスリット544を形成し、プラスチックの弾性を利用してコイルボビン54のスリット554を広げて、間隙が広げられたスリット544からコア51をコイルボビン54に嵌め込んでもよい。このようにコイルボビン54にコア51が嵌め込まれた後に、コイルボビン54にコイル52を巻き付けて、図28(A)に示されるようにこのコイルボビン54を地板46に取り付けるようにする。
(変形例6)
本発明の無線機能付き電子時計としての電波修正時計に係る変形例6について説明する。
変形例6の基本的構成(基本構造および各部材の材質等)は、第1実施形態と同様であるが、外装ケースが金属薄板カバーを備える点に特徴を有する。
図29において、電波修正時計100は、外装ケース1と、裏蓋3と、文字板21と、風防23と、ムーブメント4と、アンテナ5と、を備えている。
外装ケース1は、非導電性かつ非磁性の部材例えばプラスチックにより形成された基体161に金属製薄板カバー162が外嵌された構成である。
裏蓋3は、非導電性かつ非磁性の部材例えばプラスチックにより形成され、外縁部に立設された係合フック36が外装ケース1の係合凹部163に係合することによって外装ケース1に係止されている。
このような構成において、外装ケース1が外表面に金属製薄板カバー162を有していても、アンテナ5は外装ケース1の開口から外装ケース1内に進入する標準電波を受信できる。よって、金属製薄板カバー162によって高級な装飾性が得られるとともに良好な受信性能が確保される。
(変形例7)
本発明の無線機能付き電子時計としての電波修正時計に係る変形例7について説明する。
変形例7の基本的構成(基本構造および各部材の材質等)は、第1実施形態と同様であるが、時刻表示手段がデジタル表示によって時刻表示を行う点に特徴を有する。
図30において、電波修正時計100は、外装ケース1と、時刻表示手段2と、風防ガラス23と、裏蓋3と、見切りリング18と、時計回路等を有する時計モジュール9と、アンテナ5と、を備えている。
外装ケース1は、前述と同様の金属製ケースであり、内周面において張り出し形成された段部17を有する。風防ガラス23、裏蓋3は、非導電性かつ非磁性の無機ガラスやプラスチックによって形成されている。
時刻表示手段2は、液晶表示板(LCD)によるデジタル表示によって時刻を表示する。時刻表示手段2は段部17に囲繞されて固定されている。
見切りリング18は、風防ガラス23を通して時刻表示手段2の外縁が見えないように、段部17と風防ガラス23との間に設けられている。見切りリング18は、非導電性かつ非磁性の部材例えばプラスチックで形成されていてもよく、あるいは、金属部材で形成されていてもよい。
なお、裏蓋3は外装ケース1に対して螺着されている。
ここで、見切りリング18が金属製である場合には、アンテナ5の軸線Lの延長が見切りリング18に交差しないように、見切りリング18の内縁よりもさらに内側にアンテナ5が配設されることが好ましい。すると、見切りリング18に遮蔽されずにアンテナ5で標準電波が受信される。
(変形例8)
本発明の無線機能付き電子時計としての電波修正時計に係る変形例8について図31を参照して説明する。
変形例8の基本的構成(基本構造および各部材の材質等)は、第1実施形態と同様であるが、裏蓋がガラス板部を備え、また、文字板の裏面に金属リングが設けられている。
図31(A)は、変形例8の主要断面図であり、(B)は文字板側から見た平面図であり、(C)は裏蓋側から見た平面図である。
図31において、電波修正時計100は、外装ケース1と、文字板21と、ムーブメント4と、裏蓋3と、アンテナ5と、を備えている。
文字板21は、非導電性かつ非磁性の部材で形成され、半透光性を有している。図31(A)(B)に示されるように、時刻表示面211とは反対側において、文字板21の外周部には金属リング19が貼設されている。この金属リング19は、文字板21の光反射率を高めることによって装飾性を高める効果を有する。なお、金属リング19は、時刻表示面211側に設けられてもよい。
裏蓋3は、金属部材で形成されたリング状のリング縁部37と、このリング縁部37の内側に嵌設された磁界通過可能部としてのガラス板部38と、を備える。
アンテナ5は、図31(A)〜(C)に示されるように、無機ガラスのガラス板部38の平面に重畳して配設されている。すなわち、時刻視認方向からアンテナ5とガラス板部38とを投影したときに、アンテナ5の投影像がガラス板部38の投影像に含まれる。
なお、ガラス板部38は、時計の中心(例えば、指針軸)を中心とする円形であることが美観の点から好ましいが、アンテナ5に対応する部分のみがガラス板部38で構成されていてもよい。
そして、このガラス板部38が磁界通過可能部として機能する。
また、ガラス板部38の面積は、少なくともアンテナ5の端面の面積よりも広く、アンテナ5の端面面積の二倍以上であることが好ましい。
また、アンテナ5の軸線の延長線が金属リング19に交差しないことが好ましい。
このような構成によれば、磁界通過可能部であるガラス板部38を介してアンテナ5で標準電波が受信される。また、アンテナ5の軸線の延長線が金属リング19に交差せず、磁界通過可能部としての文字板21に交差しているので、金属リング19に標準電波を遮蔽されることなく、アンテナ5で標準電波が受信される。
(変形例9)
本発明の無線機能付き電子時計としての電波修正時計に係る変形例9について説明する。
変形例9は、上記実施形態と同様にアンテナを備えているところ、アンテナ(あるいはアンテナコア)の縦横比に特徴を有する。
図32において、アンテナ5が示され、アンテナコア51の内径Dは、アンテナコア51の高さHよりも長い。
ここで、時刻視認方向すなわち外装ケース1の筒軸に対して直交する断面においてアンテナコア51の内径Dを規定する。また、時刻視認方向の長さ、すなわち、外装ケース1の筒軸Lに平行な方向においてアンテナコア51の高さHを規定する。アンテナ5の軸線方向が外装ケース1の筒軸に対して傾斜している場合も、同様である。
このような構成において、時計の厚みをそれほど大きくできない腕時計にあっては、コイルコア51の内径Dを高さHより大きくした方が、鎖交磁束を多くできる構成となる。その結果、アンテナ5の受信性能を高めることができる。また、アンテナコア51の高さHを小さくすれば、電波修正時計100の厚みを薄くすることができる。
なお、上記実施形態に示されるように、アンテナ5の軸線方向の長さ(縦の長さ)が、軸線方向に直交する断面での直径(横幅)よりも長くても良いのはもちろんである。
(変形例10)
本発明の無線機能付き電子時計としての電波修正時計の変形例10について説明する。
変形例10は、光発電手段6の支持基板62が高透磁率部材で形成される第7実施形態
と第8実施形態の変形例である。変形例として、光発電手段6の支持基板62が非導電性かつ非磁性の部材例えばポリイミド樹脂などのプラスチックや無機ガラス、セラミック、紙などで形成されてもよく、この支持基板62の上面に光電変換素子62が配設されていてもよい。そして、このような支持基板62が磁界通過可能部となる。
尚、本発明の電波修正時計は、上記実施形態にのみ限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
上記実施形態において、アンテナ5の個数は特に限定されず、1個でも複数個でもよく、複数のアンテナ5が用いられる場合にはアンテナのコイルが直列に接続されてもよく、並列に接続されてもよく、直列接続と並列接続とが併用されてもよい。
複数のアンテナ5を用いるにあたって、いくつかのアンテナ5については上記実施形態で説明した如く軸線を外装ケース1の筒軸に略平行に配置して、他のアンテナ5については軸線を外装ケースの筒軸に略直交させて配置してもよい。
外装ケース1の形状は、短円筒形状のリングに限られず、例えば、略長方形や八角、四角などの短筒形状であってもよいことはもちろんである。さらに、外装ケース1は、外周側と内周側とをそれぞれ別部品で成形した後に一体化するものであってもよく、あるいは、ガラス縁部と胴部とをそれぞれ別部品で成形した後に一体化するものであってもよい。
外装ケース1の軸方向の両端が開口するものに限らず、例えば、リング状の胴部に底板が一体的に設けられたもの(有底筒状)であってもよい。すなわち、外装ケース1と裏蓋3とが一体的に形成されたもの(ワンピースタイプ)であってもよい。
この場合、アンテナ5のコアが対向する裏蓋3の部分が、無機ガラスやプラスチックで構成されることが好ましい。この無機ガラスやプラスチックが磁界通過可能部となる。
第2実施形態において、文字板21および裏蓋3に対して外装ケース1を絶縁する場合に、中枠14を介することなく、外装ケース1の内面のみを非導電性部材で形成するようにしてもよい。
受信予定時刻を午前2時に設定して、この受信予定時刻に指針とアンテナ5とが重ならない位置にアンテナ5を配置する場合について説明したが、強制受信操作により受信を開始する際に、指針とアンテナ5とが重なるときには、アンテナ5の軸線から指針をずらす回避運動が自動的に行われるようにしてもよい。
第2実施形態において、圧電アクチュエータでなく、ステッピングモータが用いられてもよいことはもちろんである。この場合、アンテナで標準電波を受信する間はステッピングモータの駆動が中止されればよい。
第7実施形態において駆動手段としては圧電アクチュエータ48に限られず、例えば、ステッピングモータであってもよいことはもちろんである。
地板46、輪列受47は非導電性、非磁性のプラスチックやセラミックスとして説明したが、例えば、地板46、輪列受47を文字板側から見たときに地板46、輪列受47の面積が小さければ、黄銅等の金属であってもよい。
支持基板62とアンテナ軸芯51とはともに高透磁率部材で形成されるので一体的に形成されていてもよい。つまり、支持基板62からアンテナ軸芯51が連続して突設形成されていてもよい。
アンテナ5の軸線L5が外装ケースの筒軸L1に略平行である場合に限られず、例えば、アンテナ5の軸線L5の延長線が外装ケース1の開口を通過していればよい。すると、標準電波が外装ケース1の胴部に遮蔽されずに支持基板62に引き寄せられてそのままアンテナ5に鎖交することができる。さらに、外装ケース1の開口に配設された支持基板62に対してアンテナ5の端面が対向していればよいので、支持基板62が、外装ケース1の内側に向けて折れ曲がりや湾曲するなどの形状を備えている場合、アンテナ5が支持基板62に対向配置されていればアンテナ5の軸線L5の向きは特に限定されることはない。例えば、外装ケース1の筒軸L1に対してアンテナの軸線L5が直交していてもよい。
また、支持基板62とアンテナ5との間で磁気的に導通可能であればよいので、支持基板62とアンテナ5の端面とが離れている場合でも、支持基板62とアンテナ5の端面との間に磁気導通手段が設けられていればよい。磁気導通手段としては高透磁率部材等で形成され一端が支持基板62に当接し他端がアンテナ軸芯51の端面に当接した磁気導通部材などでもよい。
第8実施形態において、アンテナ5A、5B、5C、支持基板62、磁性板7はそれぞれ別体として形成されていたが、アンテナ軸芯51A、51B、51Cも支持基板62も磁性板7も高透磁率部材で形成すればよいことから、例えば、アンテナ軸芯51A、51Bと支持基板62とを一体的に形成してもよく、アンテナ軸芯51と磁性板7とを一体的に形成してもよい。
また、光発電手段6とアンテナ5とはそれぞれ3つずつ設けられ、一対一に対応してしている場合について説明したが、例えば、光発電手段6は4つあるいは5つのブロックに分離されていてもよく、さらに、一つの光発電手段6のブロックに2つあるいは3つのアンテナ5が対応して設けられていてもよい。
光発電手段6が三つに分離されている場合について説明したが、例えば、光電変換素子61は一枚であって、支持基板62が三つに分離されていてもよい。
さらに、光発電手段6は、上記実施形態で説明した構成に限られず、光を受光して発電する機構を有していればよい。
各実施形態において、アンテナ5の軸芯(コア)51は、スパイラル状に巻かれた薄板のアモルファス金属(例えば、コバルト系や鉄系のアモルファス金属)により形成されてもよい。このとき、スパイラルの中心線がアンテナ5の軸線に一致していることが好ましい。このような構成によれば、磁束が軸芯(コア)を通過しやすくなるので、アンテナの受信性能が向上される。
アンテナ5は、軸芯(磁心)51を備えている場合について説明したが、アンテナ5は、軸芯が無いコアレスアンテナでもよい。
裏蓋3に代えて光発電手段6を設けて、外装ケース1の両端に光発電手段6が配設されていてもよい。
上記変形例2において、文字板21と裏蓋3とを前述のように高透磁率部材で形成する場合の他、文字板21と裏蓋3とを共に黄銅、チタン(またはチタン合金)、ステンレススチール、アルミニウム等の導電性金属としてもよい。この場合には、文字板3および裏蓋3が外装ケース1に対して絶縁されていることが好ましい。そして、文字板21と裏蓋3とが導電性金属である場合は、第1嵌合凹部219の肉薄部および第2嵌合凹部35の肉薄部により標準電波がアンテナ5に到達する。
上記実施形態においては、外装ケース1は金属性部材で形成されているとしたが、外装ケース1の材質は必ずしも限定されない。例えば、プラスチックやセラミックなど非磁性かつ非導電性を有する部材で形成してもよい。
外装ケース1は、軸方向の両端面が開口するものに限らず、例えば、リング状の胴部に底板が一体的に設けられたもの(有底筒状)であってもよい。また、外装ケース1は、金属性に限らず、例えば合成樹脂で形成されていてもよい。
上記実施形態において、文字板21、裏蓋3、地板46および輪列受け47等が電波を遮蔽しないためには、非導電性かつ非磁性を有する部材で形成されることが好ましいが、場合によっては、非導電性を有していればよい。
あるいは、場合によっては、文字板21および裏蓋3は、非磁性であるが導電性を有する部材、例えば、黄銅やアルミニュームなどで形成されてもよい。この場合、文字板21および裏蓋3は外装ケース1に対して絶縁されていることが好ましい。電波の電界の性質によっては、電波の電界成分を黄銅やアルミニューム等で引き寄せることで、アンテナ5の受信性能を向上させる場合があるからである。なお、このような場合には、文字板あるいは裏蓋においてアンテナに対応する位置が肉薄に形成され、標準電波が導通しやすいようにすることが好ましい。
無線機能付き電子時計のアンテナで受信する電波としては、40kHz〜77.5kHzの周波数で時刻情報(時刻コード)を含む標準電波が例として挙げられるが、その他、125kHz〜135kHzの周波数で無線情報を含む電波や、その他の周波数帯の無線情報であってもよい。また、無線ICタグ(RFID)から発信される電波を無線機能付き電子時計のアンテナで受信してもよい。
アンテナで受信する無線情報としては、例えば、天気予報、株化情報、イベント情報、セールス情報などが例として挙げられる。これらの情報を、外部ネットワークに繋がった駅の改札口やイベントパークのゲートを通過する際に無線機能付き電子時計のアンテナで受信してもよい。そして、制御部は、これらの情報をデコードし、例えば時刻表示手段等の被制御部に所定の動作をさせるように動作制御を行う。例えば、制御部は、電波が標準電波であれば時刻表示手段に時刻を表示させたり、電波の情報が天気予報や株化情報等であれば、所定の表示手段にこれら情報を表示させるなどの制御動作を行う。
本発明は、腕時計、置き時計、柱時計、街頭や公園などの屋外に設置される時計などどのような時計でもよく、あるいは、時計部を備えた電子機器、特に携帯用電子機器、例えば携帯電話やPDA(Personal Digital Assistant 携帯情報端末)、ページャー(携帯
用の無線呼び出し受信器)等でもよい。
本発明は、無線機能付き電子時計に利用でき、例えば、電波修正時計に利用できる。
本発明の無線機能付き電子時計に係る第1実施形態の平面図。 前記第1実施形態において、図1中II-II線での断面図。 前記第1実施形態において、図1中III-III線での断面図。 前記第1実施形態において、回路ブロックの構成を示す図。 前記第1実施形態において、アンテナの接続を示す図。 本発明の無線機能付き電子時計に係る第2実施形態の平面図。 前記第2実施形態において、図6中VII-VII線での断面図。 前記第2実施形態において、アンテナの接続を示す図。 本発明の無線機能付き電子時計に係る第3実施形態の平面図。 前記第3実施形態における部分断面図。 本発明の無線機能付き電子時計に係る第4実施形態の平面図。 本発明の無線機能付き電子時計に係る第5実施形態の部分断面図。 本発明の無線機能付き電子時計に係る第6実施形態の平面図。 本発明の無線機能付き電子時計に係る第7実施形態の平面図。 前記第7実施形態において、図14中XV-XV線における断面図。 前記第7実施形態において、図14中XVI-XVI線における断面図。 前記第7実施形態において、回路ブロックの構成を示す図。 本発明の無線機能付き電子時計に係る第8実施形態の平面図。 前記第8実施形態において、主要部の断面図。 前記第8実施形態において、アンテナの接続を示す図。 本発明の無線機能付き電子時計に係る変形例1として、文字板とアンテナ軸芯とを一体化した例を示す図。 本発明の無線機能付き電子時計に係る変形例2の要部断面図。 本発明の無線機能付き電子時計に係る変形例3において、文字板および裏蓋に形成する貫通孔の形状と、高透磁率部材の形状とに関する例を示す図。 前記変形例3において、アンテナ軸芯に高透磁率部材を一体形成する例を示す図。 本発明の無線機能付き電子時計に係る変形例4において、アンテナ軸芯の形状と文字板および裏蓋の凹部とに関する構成を示す図。 本発明の無線機能付き電子時計に係る変形例5を示す図。 前記変形例5において、コアと磁性板とを一体化する構成を示す図。 前記変形例5において、コアの両端に磁性板を一体化する構成を示す図。 本発明の無線機能付き電子時計に係る変形例6において、外装ケースの表面に金属製カバーが設けられる構成を示すである。 本発明の無線機能付き電子時計に係る変形例7において、時刻表示手段を液晶表示パネルとする構成を示す図。 本発明の無線機能付き電子時計に係る変形例8において、裏蓋が磁界通過可能部としてガラス板部を有する構成を示す図。 本発明の無線機能付き電子時計に係る変形例9において、アンテナの内径と高さとの関係を示す図である。
符号の説明
1…外装ケース、11、12…取付部、13…外部操作手段、131…巻真、132…竜頭、133…カンヌキ、134…オシドリ、135…ツヅミ車、14…中枠、15…ダイヤルリング、151…突条部、161…基体、162…金属製カバー、163…係合凹部、17…段部、18…見切りリング、19…金属リング、2…時刻表示手段、21…支持基板、21…文字板、211A〜C…時刻表示面、212…日窓、213…貫通孔、214…段差、215…高透磁率部材、216…フランジ部、217…文字板上板、218…文字板下板、219…凹部、221、221A…分針、222、222A…時針、223、223C…秒針、23…風防ガラス、3…裏蓋、31…貫通孔、32…段差、33…高透磁率部材、34…フランジ部、35…凹部、36…係合フック、37…リング縁部、38…ガラス板部、4…ムーブメント、41…水晶振動子ユニット、411、412、413…水晶振動子、42…回路ブロック、421…受信回路、422…記憶回路、423…中央制御回路、424…受信制御回路、425…モータ駆動回路、426…針位置検出回路、43、43A、43B、43C…ステッピングモータ、431A、431B…駆動コイル、432A、432B…ステータ、433A、433B…ロータ、44、44A、44B、44C…輪列、441…筒車、442…分針軸、444…二番車、445…裏車、446…小鉄車、45…日車、451…日車押さえ、46…地板、461…切欠部、462…取付凹部、463…載置凹部、464…挿通孔、47…輪列受、471…挿通孔、48…圧電アクチュエータ、481…補強板、482…凸部、483…圧電素子、49…電池、5、5A、5B、5C…アンテナ、51、51A、51B、51C…アンテナ軸芯(コア)、52、52A、52B、52C…コイル、53…鍔部、54…コイルボビン、541…フランジ部、542…胴部、543…筒孔、544…スリット、6…光発電手段、6A〜6C…発電ブロック、61…光電変換素子、62…支持基板、7…磁性板、8…止めねじ、100…電波修正時計、L1…外装ケースの筒軸方向、L5A、L5B…アンテナの軸線方向。

Claims (2)

  1. 少なくとも外周面に金属部を有し筒軸方向の両端のうち少なくとも一方が開口した短筒形状の外装ケースと、
    前記外装ケースの前記一方の開口側に配置される文字板及び文字板上で回動する指針を有した時刻表示手段と、
    前記一方の開口側に配置された風防と、
    前記指針を駆動するステッピングモータを有する駆動手段と、
    少なくとも前記駆動手段と制御部と、前記文字板の略3時方向に対応する位置に配置された巻真とを備えたムーブメントと、
    前記文字板の12時位置に対応する位置に配置され、前記ムーブメントに電力を供給する金属製の外缶ケースを有する電池と、
    棒状の軸芯にコイルが巻き回されて構成され、前記ムーブメント内であって前記外装ケースの内周面から離間した位置に配置されて電波を受信するアンテナと、
    前記外装ケースの他方の開口側に配置されてその開口を閉じる金属製の蓋部と、
    前記外装ケースに形成され腕時計用バンドを取り付ける一対の取付部と、
    を備えた無線機能付き電子腕時計であって、
    前記文字板および風防は非導電性かつ非磁性の部材で形成され、
    前記指針は金属部材で形成された分針を備え、
    前記一対の取付部の一方は文字板の12時方向に設けられ、他方は6時方向に設けられ、
    前記アンテナは、前記ムーブメント内において前記文字板の9時位置に対応する位置であって、前記電池と平面的に重ならず、前記分針とは通常運針時には平面的に重なることが可能な位置で、かつ前記制御部により制御された所定受信時刻での電波受信開始時には12時位置に位置する前記分針と平面的に重ならない位置に配置され、
    前記分針は、通常運針時に前記電池と平面的に重なる状態と、重ならない状態とがあり、かつ、前記所定受信時刻での電波受信開始時に、前記分針は前記電池と平面的に重なり、
    前記ステッピングモータと前記アンテナとの間には電気的部品が配置されている、
    ことを特徴とする無線機能付き電子腕時計。
  2. 請求項1に記載の無線機能付き電子腕時計において、
    前記制御部は、前記アンテナの受信動作および前記駆動手段の駆動動作を制御し、前記電波を受信させる強制受信操作により前記電波の受信を開始する際に前記分針が前記アンテナと平面的に重なるとき、前記分針を前記アンテナと平面的に重ならない位置に回動するように前記駆動手段を駆動制御する、
    ことを特徴とする無線機能付き電子腕時計。
JP2004005616A 2003-03-04 2004-01-13 無線機能付き電子腕時計 Expired - Fee Related JP4107236B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004005616A JP4107236B2 (ja) 2003-03-04 2004-01-13 無線機能付き電子腕時計

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003057158 2003-03-04
JP2003130353 2003-05-08
JP2004005616A JP4107236B2 (ja) 2003-03-04 2004-01-13 無線機能付き電子腕時計

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003432620A Division JP3594034B1 (ja) 2003-03-04 2003-12-26 電波修正時計

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007209265A Division JP4412366B2 (ja) 2003-03-04 2007-08-10 無線機能付き電子腕時計

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2004354366A JP2004354366A (ja) 2004-12-16
JP2004354366A5 JP2004354366A5 (ja) 2006-12-21
JP4107236B2 true JP4107236B2 (ja) 2008-06-25

Family

ID=34068888

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004005616A Expired - Fee Related JP4107236B2 (ja) 2003-03-04 2004-01-13 無線機能付き電子腕時計

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4107236B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
RU2730821C1 (ru) * 2019-12-27 2020-08-26 Общество с ограниченной ответственностью "Объединенная Компания РУСАЛ Инженерно-технологический центр" Жаропрочный порошковый алюминиевый материал

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4754839B2 (ja) * 2005-02-03 2011-08-24 株式会社東海理化電機製作所 アンテナ装置及びそれを備えた携帯機
JP2006275580A (ja) * 2005-03-28 2006-10-12 Citizen Watch Co Ltd 電波時計のケース構造
JP2007132876A (ja) * 2005-11-14 2007-05-31 Citizen Watch Co Ltd 電波時計用ケース構造
JP2008076325A (ja) * 2006-09-25 2008-04-03 Citizen Holdings Co Ltd 電波修正時計
JP5891737B2 (ja) * 2011-11-22 2016-03-23 セイコーエプソン株式会社 太陽電池付電子時計
JP6103092B2 (ja) * 2016-02-25 2017-03-29 セイコーエプソン株式会社 太陽電池付電子時計

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
RU2730821C1 (ru) * 2019-12-27 2020-08-26 Общество с ограниченной ответственностью "Объединенная Компания РУСАЛ Инженерно-технологический центр" Жаропрочный порошковый алюминиевый материал

Also Published As

Publication number Publication date
JP2004354366A (ja) 2004-12-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3594034B1 (ja) 電波修正時計
JP3925552B2 (ja) 無線通信機能付電子時計
JP3925558B2 (ja) 無線通信機能付電子時計
KR100605775B1 (ko) 전자 시계 및 전자 기기
KR20040003019A (ko) 전자 시계 및 전자 기기
JP4412366B2 (ja) 無線機能付き電子腕時計
JP4107236B2 (ja) 無線機能付き電子腕時計
JP4924621B2 (ja) 無線機能付き電子時計
JP3885827B2 (ja) 無線通信機能付電子時計
JP2007132822A (ja) 電子時計
JP2005249737A (ja) 無線通信機能付き時計
JP2005003675A (ja) 無線通信機能付電子時計
JP3797338B2 (ja) 無線機能付き腕時計
JPWO2007111217A1 (ja) アンテナおよびアンテナを備えた電波受信機器
JP2009229068A (ja) 電波修正時計
JP2005084037A (ja) 電波修正時計
JP3988784B2 (ja) 無線機能付き腕時計
JP2004077491A (ja) 電子時計および電子機器
JP2004029036A (ja) 電子時計

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20061106

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061106

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20061106

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20061124

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20061219

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070216

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070612

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20070704

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070810

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20070813

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20071023

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071221

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20071228

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080311

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080324

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110411

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110411

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120411

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130411

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130411

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140411

Year of fee payment: 6

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees