JP4107236B2 - 無線機能付き電子腕時計 - Google Patents
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Description
特許文献1では、腕時計の革製バンドに組み込まれたアンテナがバンドに形成された接続端子を介して時計本体に接続された構成が開示されている。この構成では、時計本体にアンテナが配置されないので時計本体が小型化され、また、アンテナの受信性能が時計本体の金属部分による影響を受けないようにできる。
特許文献2では、非金属部材からなる外装ケースの内周に形成された溝にアンテナが配置された構成が開示されている。この構成では、外装ケースが非金属性であることから、外装ケースによって標準電波が遮蔽されず、アンテナで良好に電波が受信される。
特許文献3では、金属製外装ケースの内側に非導電性部材からなるスペーサリングが配置されるとともに、このスペーサリングの内側に外装ケースから所定距離を隔ててアンテナが配置される構成が開示されている。この構成では、外装ケースからアンテナが所定距離だけ離隔されることで外装ケースによる電波遮蔽の影響を受けずにアンテナで電波が受信され、また、外装ケースが金属で形成されているので、デザイン上高級感が演出される。
特許文献2に開示される電波修正時計では、外装ケースで電波が遮蔽されないために、外装ケースの材質が非金属性に制限される。すると、金属製の外装ケースを採用することができないため、デザインに大きな制約が加わるという問題がある。
特許文献3に開示される電波修正時計では、電波受信に影響しない程度に外装ケースとアンテナとが離隔されるとすると、時計が全体として非常に大型化されてしまうという問題が生じる。一方、外装ケースとアンテナとが近接配置されると、外装ケースにより標準電波が遮蔽されてしまうためにアンテナで標準電波が良好に受信されないという問題が生じる。
このとき、導電膜や支持基板により標準電波が遮蔽される可能性があるので、光発電手段によりアンテナの手前で標準電波が遮蔽されない配置とする必要がある。例えば、特許文献4の図3または図5に示されるように、光発電手段が文字板に重畳して設けられる場合には、光発電手段とアンテナとが重ならないように、アンテナは外装ケースの外部に配置されなければならない。
その一方、アンテナを外装ケース内に配置するならば、電波が外装ケースで遮蔽されないように、外装ケースが非導電性かつ非磁性の部材で形成されていなければならない。すなわち、金属製の外装ケースは採用できないこととなり、高級感を演出することが難しくなる。
なお、光発電手段やアンテナが小さければ、互いに干渉しない位置に配置することは可能であるが、光発電手段が小さいと受光面積が小さくなるので発電性能が低下してしまうという問題が生じる。さらに、アンテナが小さければ受信性能が低下するという問題が生じる。
しかしながら、金属製外装ケースで高級感を演出したり、小型化でコンパクトなデザインとすると、アンテナで電波を良好に受信できなくなるという問題が生じる。
上記の先行技術は、アンテナでの電波受信および美観性の向上という課題に同時に対応しておらず、良好に電波を受信できるとともに美観性を有する無線機能付き電子時計が望まれている。
本発明の第2の目的は、前記第1の目的をより具体化したもので、光発電機能を備えていながらも受信性能が向上され、また、美観性が向上される無線機能付き電子時計を提供することにある。
ここで、前記制御部は、前記アンテナの受信動作および前記駆動手段の駆動動作を制御し、前記電波を受信させる強制受信操作により前記電波の受信を開始する際に前記分針が前記アンテナと平面的に重なるとき、前記分針を前記アンテナと平面的に重ならない位置に回動するように前記駆動手段を駆動制御する、ことが好ましい。
無線機能付き電子時計は、少なくとも外周面に金属部を有し筒軸方向の両端のうち少なくとも一方が開口した短筒形状の外装ケースと、電波を受信するとともに、軸線の延長線が前記外装ケースの少なくともいずれか一方の開口を通過する状態で前記外装ケース内に配設されたアンテナと、前記外装ケースの開口において少なくとも前記アンテナの軸線の延長線上に位置し前記電波の磁界成分が通過可能である磁界通過可能部と、前記アンテナにて受信された前記電波の情報に基づいて制御動作を実行する制御部と、時刻を表示する時刻表示手段と、を備えたことが好ましい。
また、他の表現とすれば、アンテナの軸線の延長線が外装ケースの開口を通過するとは、外装ケースの開口側に配設される部材、例えば、文字板、風防ガラス、裏蓋等にアンテナの軸線の延長線が交差していることをいい、これら文字板、風防ガラス、裏蓋等が磁界通過可能部を有する場合において、アンテナの軸線の延長線がこの磁界通過可能部に交差していることをいう。
すなわち、外装ケースの開口から磁界通過可能部を介して電波の磁界成分が外装ケース内に進入する。そして、外装ケースの開口から進入した磁界成分は、アンテナにて受信される。すると、アンテナにて受信された電波の情報は、制御部において信号処理されて電波に含まれる情報がデコードされる。この情報に基づいて制御部により制御動作が実行される。制御動作としては、電波が時刻情報を含む標準電波であれば時刻表示手段に時刻を表示させたり、電波の情報が天気予報や株化情報等であれば、所定の表示手段にこれら情報を表示させたりすることが例として挙げられる。
そして、本発明の磁界通過可能部は、アンテナと対向する文字板、裏蓋、見切板、風防、光発電手段の支持基板の他、平面方向から見た場合(時刻視認方向から見た場合)にアンテナと平面的に重なる領域に配置され、かつ、電波の磁界成分がアンテナに鎖交するように電波の磁界成分を通過させる総てのものを指す。例えば、地板や輪列受などがプラスチックで構成され、かつ、アンテナの軸線の延長上に位置する場合には、これら地板や輪列受が磁界通過可能部の一部を構成することになる。
このような磁界通過可能部は、例えば、非導電性かつ非磁性の部材で構成されたり、あるいは、金属外装ケースと絶縁された高透磁率部材により構成されたりするものである。
なお、磁界通過可能部は、非導電性かつ非磁性の部材で形成されていて電波の磁界成分を遮蔽しない部材であってもよく、あるいは、高透磁率部材であってアンテナに電波の磁界成分を導く部材であってもよい。
なお、前記現時刻とは、計時制御部で計時される時刻であって、例えば計時制御部に設けられた現時刻カウンタ(現時刻情報記憶手段)で時刻カウントが行われる場合には、計時誤差による誤差を有する時刻であったり、計時制御部によって時刻情報に基づく修正がなされた正確な現時刻であったり、望ましくはないが、何らかの原因による標準電波の受信ミスにより誤って修正された時刻であったりもする。そして、時刻表示手段は、計時制御部(現時刻カウンタ)で計時される時刻を表示する。このとき、時刻表示手段に表示される時刻は、計時誤差を含む時刻であったり、修正された正確な時間であったり、望ましくはないが、誤って修正された時刻であったりもする。なお、本発明の構成により、アンテナの受信性能が向上するので、受信ミスが生じる可能性は極めて低く、受信ミスによって誤った時刻修正がなされる事態はほぼ回避される。
ここで、アンテナの軸線を外装ケースの筒軸に直交させて配置する場合には、外装ケー
スの開口から入ってくる電波がアンテナの軸線に沿う方向に曲がらなければならないので、電波の磁界成分が曲がれるだけの隙間をアンテナと外装ケースと間に確保しなければならない。すると、時計の大型化を避けられないという問題が生じる。しかし、本発明では、アンテナの軸線の延長線が外装ケースの開口を通過するようにしているので、外装ケースの開口から入ってきた電波がそのままアンテナに鎖交する。
従って、電波をアンテナの軸線に沿う方向に回りこませるための隙間が必要ではなくなり、外装ケースとアンテナとの間隔を従来に比べて狭くしてもよくなる。その結果、時計が小型化される。
ここで、アンテナの軸線と外装ケースの筒軸とが略平行であるとは、例えば、両者の延長線が0度以上15度以下程度の角度をなすことをいい、好ましくは10度以下、より好ましくは5度以下がよく、あるいは、外装ケースの筒軸方向からの視認でアンテナの両端面の少なくとも一部が重なって見える程度にアンテナの軸線が外装ケースの筒軸に対して平行であることをいう。
あるいは、アンテナの軸線を外装ケースの筒軸に略平行方向にすると、アンテナの断面積が時計の厚みに影響しない構成となるので、アンテナの断面積を大きくとることができる。すると、鎖交磁束が多くなるので、アンテナの受信感度が向上される。例えば、無線機能付き電子時計を腕時計とする場合でも、時計の厚みを薄く、例えば、10mm以下にすることも可能となる。
なお、アンテナの軸線の延長線は外装ケースの開口を通過するのであるから、アンテナの軸線方向上(延長線上)に磁界通過可能部が配置されるとしても、外装ケースの材質には何らの制限も与えられない。そして、アンテナの軸線方向に位置するものは、一般的には、地板、輪列受、文字板および蓋部のいくつかであり、これらが非導電性かつ非磁性の部材、例えばプラスチックやセラミック、無機ガラス等で形成されても美観に大きな影響はない。
なお、磁界通過可能部としては、電波の磁界成分を遮蔽しなければよいので、アンテナの軸線方向に何も配置しないで、アンテナの端面が時計の外部に臨んで露出していてもよい。
さらに、駆動時に磁界を発生させる駆動手段例えばステッピングモータが用いられる場合には、この駆動手段から生じる磁界がアンテナに達しないようにしなければならない。そこで、地板および輪列受が非導電性かつ非磁性の部材で形成されることにより、駆動手段からの磁界が地板および輪列受を伝わってアンテナに影響することが防止される。すると、アンテナには電波の磁界のみが鎖交することとなり、アンテナの受信性能が向上する。
ここで、文字板および蓋部のいずれもが非導電性かつ非磁性の部材であることが好ましい。このような構成によれば、外装ケースの開口から電波の磁界が遮蔽されずに外装ケース内に進入できるので、アンテナの受信性能が向上される。
なお、一般に、暦車は、文字板に開口形成された日窓から一部分が覗くのみである。従って、暦車が非導電性かつ非磁性部材に制限されても美観に影響はない。
高透磁率部材により電波の磁界を引き寄せてアンテナの鎖交磁束を増大させるので、アンテナが小型化されても受信性能は維持される。
なお、高透磁率部材は、磁気的な抵抗を少なくするため、アンテナ軸芯と同じ材質で形成されていることが好ましい。高透磁率部材としては、純鉄、パーマロイ、鉄またはコバルト系のアモルファス合金などが例として挙げられる。
なお、外装ケース内において磁界を発生させる駆動手段(ステッピングモータ)等が用いられる場合もあり得る。しかし、高透磁率部材はアンテナに対応する位置にだけ配置されているので、この高透磁率部材およびアンテナから一定距離だけ離隔してこのような駆動手段が配置されれば、駆動手段からの磁界が高透磁率部材によってアンテナに導かれることは十分に防止される。
高透磁率部材により電波の磁界が引き寄せられ、アンテナの鎖交磁束が増大されるので、アンテナが小型化されても鎖交磁束が十分に確保されて受信性能が維持される。
ここで、アンテナが電波受信時の指針位置とは重ならないとは、受信時の指針位置がアンテナの軸線の延長上とは異なっていて、アンテナの軸線の延長線と指針とが交差しないことをいい、すなわち、外装ケースの筒軸方向からの視認で指針とアンテナとが平面的に重ならないことをいう。
例えば、電波修正時計では、1日に一回か二回程度の受信時刻が設定されるのが一般的である。そこで、例えば、午前2時0分から午前2時6分にかけて標準電波の受信が行われるように設定される場合には、受信時間である2時0分から2時6分の針位置範囲を避けてアンテナが配置される。すると、受信時にアンテナ軸線方向上で標準電波の磁界が指針に遮蔽されず、アンテナにて標準電波の受信が行われる。
なお、強制受信操作を入力して電波の受信を行う場合にあっては、アンテナ軸線方向上から指針を回避させる回避動作が自動的に行われることとしてもよい。
このような構成によれば、圧電アクチュエータは駆動時においても磁界を発生しないことから、アンテナの受信に影響を与えることがない。よって、アンテナには電波の磁界のみが鎖交するので、アンテナの受信性能は向上される。
一般的に電池は金属製の外缶を有するので、電池の近傍では磁界がこの金属製の外缶に引かれてしまう。しかし、電池とアンテナとが所定距離をもって離隔されることで、アンテナの鎖交磁束が十分に確保され、アンテナの受信性能が向上される。
また、輪列や水晶振動子、回路ブロックは外装ケース内方のどこかに配設されなければならないが、電池とアンテナとが離間されることで設けられたスペースに、輪列、水晶振動子、回路ブロック等が配設されればデッドスペースが解消され、空間利用効率が向上される。
また、アンテナの端面が支持基板に対して所定間隔以内で対向配置されているとは、アンテナの端面が支持基板に当接して配置されている状態の他、アンテナの端面と支持基板とが近接して対向配置されている状態が含まれる。
所定間隔としては、支持基板と外装ケースとの距離よりも小さくされることが例示され、支持基板に誘導された電波の磁界が外装ケースに流れるよりもアンテナに流入する距離とされる。
光電変換部に光が照射されると、光電変換により発電される。発電された電力により電波の受信、制御部の制御動作等が行われる。
また、アンテナは、光電変換部に重なっていてもよいことからアンテナを大きくすることも可能となる。アンテナが大型化可能となれば、さらに受信性能を向上させることができる。
ここで、前記電波の磁界成分を前記アンテナに導く高透磁率部材としては、純鉄、パーマロイ、鉄またはコバルト系のアモルファス合金などが挙げられる。
また、高透磁率部材の面積が大きくなれば、誘導される磁束量が増大されるので、アンテナの鎖交磁束がより増大される。さらに、アンテナの両端面が支持基板と高透磁率部材とに対向配置されているので、両端面から非常に多くの磁界がアンテナに導かれ、アンテナの受信性能が飛躍的に向上する。
例えば、針合わせ時に輪列の動きを停止させる規制レバーや、切替部のレバー部品を覆う部品カバーなどが高透磁率部材として共用されてもよい。すると、部品点数を増加させることなく、アンテナの受信性能が向上される。
ここで、蓋部は、純鉄、パーマロイ、鉄またはコバルト系のアモルファス合金などの高透磁率部材で形成されることが例示される。
外装ケース内においても、金属製の外装ケース近傍や、ステッピングモータの近傍などに配置されたアンテナでは電波が正確に受信されない場合も考えられるが、外装ケース内の異なる場所に配置された複数のアンテナのいずれかで受信されれば、正確な制御動作が行われる。
(第1実施形態)
本発明の無線機能付き電子時計としての電波修正時計に係る第1実施形態について図1から図5を参照して説明する。
図1に第1実施形態の文字板側から見た平面図を示し、図2に図1中のII-II線での断面図を示し、図3に図1中III-III線での断面図を示す。
この電波修正時計100は、腕時計型であって、図1、図2、図3に示されるように、リング状(両端面が開口の短筒形状)の外装ケース1を備える。
外装ケース1は、各指針を駆動する歯車の軸線方向(例えば二番車444の軸線方向)である筒軸方向L1の両端が開口したリング状の金属製部材であって、例えば、黄銅、ステンレススチール、チタン合金などによって形成されている。外装ケース1の厚みは径に比べて小さく、10mm以下あるいは5mm以下に形成される。
外装ケース1の外周において互いに反対位置となる部分には、腕時計用バンドが取り付けられる取付部11、12が形成されている。ここで、外装ケース1の中心点からみて取付部11、12のうち一方が設けられている方向を12時方向とし、取付部11、12の他方が設けられている方向を6時方向とする。図1中では、上方(取付部11の方)を12時方向とし、下方(取付部12の方)を6時方向とする。
カンヌキ133は、ツヅミ車135と係合され、巻真131が引き出されることにより、オシドリ134、カンヌキ133を介してツヅミ車135が巻真131の軸方向に移動される。すると、針位置が修正されたり、あるいは、日車45が修正されたりする。巻真131、カンヌキ133、オシドリ134およびツヅミ車135などにより切替部が構成されている。
時刻表示手段2は、外装ケース1の筒軸方向L1(図1中で紙面垂直方向)に対して略直交する時刻表示面211を有する文字板21と、この文字板21上で回動する指針221、222とを備えて構成されている。
文字板21は略円板状であって外装ケース1の開口を閉じる面積を有する。文字板21は非導電性かつ非磁性を有する部材で形成されており、例えば、無機ガラスや、プラスチック、セラミックで形成されている。時刻表示面211は外部から視認可能に外方に向けて設けられ、時刻表示面211上の外縁寄りには時刻を表す数字(不図示)が円環状に印字されている。
指針221、222を間にして文字板21と対向するように風防23が設けられている。風防23は、外装ケース1の開口を塞ぐ面積を有する。風防23は、非導電性かつ非磁性を有する光透過性部材で形成され、例えば、無機ガラスや有機ガラスで形成される。
水晶振動子ユニット41および回路ブロック42は、略7時方向に配設されている。図4に、水晶振動子ユニット41および回路ブロック42の機能ブロック図を示す。
回路ブロック42は、アンテナ5A、5Bで受けた標準電波を処理して時刻情報として出力する受信回路421と、受信回路421から出力された時刻情報を記憶する記憶回路422と、水晶振動子411からのクロックパルスで現時刻をカウントするとともに受信した時刻情報で現時刻を修正する中央制御回路423と、ステッピングモータ43A、43Bを駆動するモータ駆動回路425と、指針位置を検出する針位置検出回路426と、を備えている。
記憶回路422は、受信回路421でデコードされた時刻情報を一旦記憶するとともに記憶した複数の時刻情報を対比して受信の成否を判断する。
中央制御回路423は、発振回路、分周回路、現時刻をカウントする現時刻カウンタ、および、受信した時刻情報に従って現時刻カウンタのカウント値を修正する時刻修正回路などを備える。中央制御回路423は、受信回路421の受信スケジュールを記憶するとともに受信動作を制御する受信制御回路424を備え、受信スケジュールとしては、午前2時から午前2時6分に受信動作を行う設定が行われる。また、受信制御回路424に対して外部操作手段13による入力操作によって時刻情報の強制受信が指令された場合には、受信制御回路424からの出力信号により受信回路421で受信動作が実行される。
モータ駆動回路425は、中央制御回路423から指令されるタイミングでステッピングモータ43A、43Bに駆動パルスを印加する。
針位置検出回路426は、指針(分針221、時針222)の針位置を検出して中央制御回路423に検出結果を出力する。中央制御回路423内において、針位置検出回路426からの検出結果と時刻カウンタのカウンタ値とが比較される。そして、この比較結果に基づいて指針位置をカウンタ値に一致させるモータパルスの出力がモータ駆動回路425に指令される。
ステッピングモータ43A、43Bは、モータ駆動回路425から供給される駆動パルスによって磁力を発生する駆動コイル431A、431Bと、この駆動コイル431A、431Bによって励磁されるステータ432A、432Bと、ステータ432A、432Bに励磁される磁界により回転するロータ433A、433Bとを備える。
なお、平面配置において、図1に示すように、分針用ステッピングモータ43Aの駆動コイル431Aと時針用ステッピングモータ43Bの駆動コイル431Bとはその中心軸の延長線が略直交する位置関係(各中心軸が交差する角度αが略90度)で配置されている。なお、角度αは45度から135度の範囲内であればよい。分針用ステッピングモータ43Aは略11時方向でムーブメント4の外周に配置され、時針用ステッピングモータ43Bは略8時方向でムーブメント4の外周に配置されている。
日車45は、外装ケース1の内方で、地板46、輪列受47および日車押さえ451により保持されるとともに中央部が開口された歯車である。日車45は非導電性かつ非磁性を有する部材で形成され、例えば、プラスチックや無機ガラス、紙材などで形成される。日車45は、筒車441から繋がる輪列(不図示)に噛合し、筒車441の回転により所定の速度で回転される。日車45には文字板21に対向して日を表す文字が記されている(不図示)。なお、文字板21には、図1中に一点鎖線で示されているように、日車45の文字を外部から視認可能にする日窓212が略3時方向に開口形成されている。
輪列44、ステッピングモータ43A、43B、回路ブロック42が地板46および輪列受47の間に挟まれて一体化され、ムーブメント4が構成されている。
中枠14は外装ケース1の内周に沿ったリング状部材であって、ムーブメント4の周端面を囲んでいる。中枠14は、非導電性かつ非磁性を有する部材で形成され、例えば、プラスチックやセラミックで形成される。
第1アンテナ5Aおよび第2アンテナ5Bは、軸芯51A、51Bとなる棒状のフェライト、純鉄、アモルファス金属などの高透磁率部材にコイル52A、52Bが巻きまわされて形成され、図5に示されるように、第1アンテナ5Aのコイル52Aと第2アンテナ5Bのコイル52Bとは直列に接続されている。
図1中の平面配置において、第1、第2アンテナ5A、5Bと時針用ステッピングモータ43Bとの間には水晶振動子ユニット41および回路ブロック42が位置している。第1、第2アンテナ5A、5Bと電池49との間には、外部操作手段13が位置している。
水晶振動子411の発振を分周して生成された基準クロックにより、中央制御回路423内に設けられている時刻カウンタの現時刻が更新される。また、針位置検出回路426にて指針(分針221、時針222)の位置が検出され、検出結果は中央制御回路423に出力される。中央制御回路423において指針位置と時刻カウンタのカウンタ値とが比較され、比較結果に基づいてモータ駆動回路425を介してステッピングモータ43A、43Bが駆動される。ステッピングモータ43A、43Bの駆動によるロータ433A、433Bの回転は輪列44にて指針221、222に伝達され、指針221、222により時刻表示面211上の数字が指示されることにより、現時刻が表示される。
受信制御回路424に設定された受信開始時刻である午前2時になると、受信制御回路424から受信回路421に受信動作開始の指令が出力される。あるいは、外部操作手段13により、強制受信操作信号が入力されると、受信制御回路424から受信回路421に受信開始の指令が出力される。
ここで、外装ケース1は筒軸方向L1が開口しているので、この開口から標準電波の磁界成分が外装ケース1内に進入する。そして、外装ケース1の開口内に配設されている輪列受47、文字板21、日車45、地板46および裏蓋3を抜けて、標準電波の磁界がコイル52A、52Bに鎖交する。すると、アンテナ5A、5Bで標準電波が受信される。受信回路421は、受信開始の指令を受けると、電池49から電力供給を受けて、アンテナ5A、5Bで受信された信号(時刻情報)のデコードを開始する。
デコードされた時刻情報は一旦記憶回路422に記憶されるとともに、複数回(例えば6回)の受信で得られた時刻情報が前後同士で比較されて受信の正確さが判断される。正確に受信された時刻情報に従って、中央制御回路423内に設けられた時刻修正回路により時刻カウンタの現時刻が修正される。そして、時刻カウンタの時刻に従って針位置が修正され、受信時刻に従った時刻が示される。
(1)外装ケース1が金属で形成されることにより、高級感が演出される。そして、外装ケース1の筒軸方向L1の開口から外装ケース1内に進入する標準電波がアンテナ5A、5Bで受信されるので、外装ケース1が金属で形成されてもアンテナ5A、5Bの受信性能に影響しない。
すると、外装ケース1に進入した磁界がコイル52A、52Bの中心に配置された軸芯51A、51Bを通り抜けることとなるので、アンテナ5A、5Bで標準電波が受信される。さらに、外装ケース1内に侵入する磁界の方向とアンテナ5A、5Bの軸線方向L5A、L5Bとが略平行となるので、アンテナ5A、5Bへの鎖交磁束が最大とされ、アンテナ5A、5Bの受信性能が飛躍的に高められる。
アンテナ5A、5Bの受信性能が向上されるので、アンテナ5A、5B自体が小型化されても十分な受信性能が確保される。そして、アンテナ5A、5Bが小型化されるので、電波修正時計100が小型化される。
本発明の無線機能付き電子時計としての電波修正時計に係る第2実施形態について図6から図8を参照して説明する。
図6に第2実施形態の文字板側から見た平面図を示し、図7に図6中VII-VII線での断面図を示し、図8にアンテナ5A、5Bの接続を示す。
第2実施形態の基本的構成(基本構造および各部材の材質等)は、第1実施形態と同様であるが、第2実施形態が第1実施形態と異なるのは、文字板21および裏蓋3の材質、ムーブメント4の構成、および、アンテナ5A、5B等の配置に関する点である。
文字板21および裏蓋3は、非導電性部材例えばプラスチック等で形成された中枠14により第1実施形態と同様に金属で形成された外装ケース1に対して絶縁されている。
駆動手段は、圧電アクチュエータ48を備えて構成されている。圧電アクチュエータ48は、略矩形扁平形状に形成された補強板481と、この補強板481の表裏両面に貼設された圧電素子483と、圧電素子483表面に設けられた電極(不図示)とを備えて構成されている。そして、電極への交流電圧の印加により圧電素子483が励振され、補強板481の対角位置に設けられた凸部482が略円周軌道を描いて運動する。
なお、日の裏車445には小鉄車446が噛合されおり、巻真131が引き出されることによって、巻真131の一端に設けられたツヅミ車135がカンヌキ133に押されて小鉄車446に噛合される。
なお、第1アンテナ5Aおよび第2アンテナ5Bは、第1実施形態と同様であって、フェライトや純鉄、アモルファス金属等の高透磁率部材からなる棒状の軸芯51A、51Bにコイル52A、52Bが巻かれて構成されている。
第2アンテナ5Bは、フェライトを有する軸芯51Bが断面矩形状に形成されている。
また、第1アンテナ5Aのコイル52Aおよび第2アンテナ5Bのコイル52Bは、図8に示されるように、並列に接続されている。
なお、第1アンテナ5Aのコイル52Aと第2アンテナ5Bのコイル52Bとは図5に示されるように直列に接続されていてもよい。
輪列受47には、第1アンテナ5Aおよび第2アンテナ5Bが挿通される挿通孔471が貫通形成されている。
なお、第1アンテナ5Aおよび第2アンテナ5Bの端面が文字板21および裏蓋3に対して十分に近接していれば、アンテナ5A、5Bの端面は文字板21あるいは裏蓋3に接していなくてもよい。
また、文字板21および裏蓋3は、アンテナ軸芯51A、51Bとの磁気的な抵抗を少なくするため、アンテナ軸芯51A、51Bと同じ材質で形成される。
指針位置と時刻カウンタのカウンタ値との比較結果に基づいてモータ駆動回路425を介して圧電アクチュエータ48が駆動される。圧電アクチュエータ48の駆動が輪列44を介して指針221、222に伝達され、指針221、222により時刻表示面211上の数字が示されることにより、現時刻が表示される。
また、文字板21および裏蓋3の高透磁率性により標準電波の磁界が文字板21および裏蓋3に引き寄せられる。すると、文字板21および裏蓋3に引き寄せられた磁界が、アンテナ5A、5Bのアンテナ軸芯51A、51Bを通り抜けてコイル52A、52Bに鎖交し、アンテナ5A、5Bで標準電波が受信される。そして、アンテナ5A、5Bで受信された時刻情報に従って時刻修正が行われる。
(11)文字板21および裏蓋3が高透磁率部材で形成されているので、文字板21および裏蓋3の広い面で標準電波の磁界がアンテナ5A、5Bに導かれる。その結果、アンテナ5A、5Bの受信性能が向上される。
ここで、磁界を発生させるステッピングモータなどが用いられる場合に、文字板21および裏蓋3が高透磁率部材であると、ステッピングモータから生じる磁界が文字板21および裏蓋3を流れてアンテナ5A、5Bに流れ込んでしまうことになる。しかし、本実施形態では磁界を発生しない圧電アクチュエータ48が用いられるので、高透磁率部材の文字板21および裏蓋3によって標準電波を引き寄せて、アンテナ5A、5Bの受信性能を向上させることができる。
本発明の無線機能付き電子時計としての電波修正時計に係る第3実施形態について図9、図10を参照して説明する。
図9に第3実施形態を文字板側から見た主要部の平面図を示し、図10にアンテナ付近の部分断面図を示す。
第3実施形態の基本的構成(基本的構造および各部材の材質等)は、第1実施形態と同様であるが、アンテナの数および配置と、文字板および裏蓋に特徴を有する。
外装ケース1は、第1実施形態と同様に金属で形成されている。
アンテナとしては、第1アンテナ5A、第2アンテナ5Bおよび第3アンテナ5Cの三つが設けられている。第1アンテナ5Aは略2時方向に配設され、第2アンテナ5Bは略4時方向に配設され、第3アンテナ5Cは略9時方向に配設されている。第1、第2、第3アンテナ5A、5B、5Cは、総て直列に接続されてもよく、または総て並列に接続されてもよい。あるいは、直列接続と並列接続とを併用して、例えば、第1アンテナ5Aと第2アンテナ5Bとが直列に接続される一方で、この第1アンテナ5Aおよび第2アンテナ5Bに対して第3アンテナ5Cは並列に接続されてもよい。
なお、アンテナ5A〜5Cの軸線方向L5A(5B、5C)は、外装ケース1の筒軸方向L1に略平行である。
ステッピングモータ43は、略6時方向に配設されている。
水晶振動子ユニット41と回路ブロック42とが設けられ、水晶振動子ユニット41は略10時方向に配設され、回路ブロック42は略8時方向に配設されている。そして、第3アンテナ5Cは、水晶振動子ユニット41と回路ブロック42との間に位置している。
(16)アンテナ5A〜5Cの軸上に設けられた高透磁率部材215、33により標準電波の磁界がアンテナ5A〜5Cに誘導される。その結果、アンテナ5A〜5Cの鎖交磁束が増大され、アンテナ5A〜5Cの受信性能が向上される。
(19)無機ガラスやセラミックで形成された文字板21および裏蓋3のみでアンテナ5A、5B、5Cを支えることが困難な場合であっても、アンテナ5A、5Bの端面に当接する位置に剛性を有する高透磁率部材215、33が配置されているので、アンテナ5A〜5Cの軸芯51A〜51Cが高透磁率部材215、33で支えられる。
本発明の無線機能付き電子時計としての電波修正時計に係る第4実施形態について図11を参照して説明する。図11に第4実施形態を文字板側から見た主要部品の配置を示す平面図を示す。
第4実施形態の基本的構成(基本構造および各部材の材質等)は、第1実施形態と同様であるが、第4実施形態が特徴とするところは、ムーブメントの構成、および、アンテナ等の配置に関する点である。
第1実施形態と同様に金属部材から形成された外装ケース1の開口の一方側には時刻表示手段2が設けられる。時刻表示手段2は、外装ケース1の筒軸方向(図11の紙面直交方向)に対して略直交する時刻表示面211を有する文字板21と、この文字板21上で回動する指針とを備えて構成されている。
アラーム用ステッピングモータ43Aは略10時方向に配置され、現時刻用ステッピングモータ43Bは略4時方向に配置され、秒針用ステッピングモータ43Cは略8時方向に配置されている。ステッピングモータ43A〜43Cは、外装ケース1に収容されるムーブメント4の外周側に配置されている。
電池49は、略2時方向に配置されている。
アンテナ5は、断面矩形状の軸芯51にコイル52が巻きまわされて形成され、外装ケースの略中央部に配置されている。アンテナ5の軸方向(図11中で紙面垂直方向)は外装ケース1の筒軸方向に略平行である。
(20)ステッピングモータ43A〜43Cや輪列44A〜44Cがムーブメント4の外周寄りに配置されているので、中央部に広いスペースが確保される。そして、ムーブメント4の中央部にアンテナ5を配置することにより、アンテナ5の断面積を大きくすることができる。すると、アンテナ5に鎖交する鎖交磁束を増大させ、アンテナ5の受信性能を向上させることができる。
本発明の無線機能付き電子時計としての電波修正時計に係る第5実施形態について、図12を参照して説明する。図12に、第5実施形態におけるアンテナ付近の部分断面図を示す。
第5実施形態の基本的構成(基本構造および各部材の材質等)は第1実施形態と同様であるが、アンテナの軸方向に特徴がある。
図12において、第1実施形態と同様に金属部材から形成された外装ケース1が設けられ、外装ケース1と風防23との間に金属性のダイヤルリング15が設けられている。ダイヤルリング15は、外装ケース1の開口縁から開口の中央に向けて僅かに張り出す突条部151を有している。ダイヤルリング15により、時刻視認方向から見た場合の文字板21の外周形状が定められ、ダイヤルリング15の表面の装飾性と文字板表面の装飾性とによりデザインが向上される。
なお、文字板21および裏蓋3は、非導電性かつ非磁性を有する部材で形成されている。
(21)アンテナ5の軸線を傾斜させることにより、外装ケース1の開口内に配置された金属部材(ダイヤルリング15)とアンテナ5の軸線方向L5とが交差するが避けられる。よって、アンテナ5の軸線方向L5上で標準電波の磁界が金属部材(ダイヤルリング15)で遮蔽されず、外装ケース1の開口から進入する標準電波の磁界成分がアンテナ5に鎖交できる。その結果、アンテナ5の受信性能が向上される。
本発明の無線機能付き電子時計としての電波修正時計に係る第6実施形態について図13を参照して説明する。図13に第6実施形態におけるアンテナ5の平面配置を示す主要部の平面図を示す。
第6実施形態の基本的構成(基本構造および各部材の材質等)は、第1実施形態と同様であるが、アンテナの形状および位置に特徴を有する。
アンテナ5は、ムーブメント4の外周形状に沿った状態でムーブメント4に配置され、外装ケース1の内周に沿った断面円弧形状の軸芯51にコイル52が巻きまわされて形成されいる。アンテナ5は、ムーブメント4の外縁に配置されている。
外装ケース1の内側には、ムーブメント4を外装ケース1に止着する中枠14が設けられている。中枠14は、非導電性かつ非磁性の部材例えばプラスチック等で形成されている。そして、アンテナ5と外装ケース1との間に中枠14が介在配置されているので、アンテナ5は外装ケース1から離隔され、アンテナ5と外装ケース1とは中枠14により電気的に絶縁される。
アンテナ5の軸線(図13の紙面垂直方向)は外装ケース1の筒軸方向(図13の紙面垂直方向)に略平行である。
(22)アンテナ5がムーブメント4の外縁と外装ケース1との間に配置されているので、外装ケース1の中央側の広く開いたスペースにムーブメント4を配置することができる。また、アンテナ5が外装ケース1の内周に沿う形状であるので、デッドスペースを排して空間利用効率を向上させることができる。
本発明の無線機能付き電子時計としての電波修正時計に係る第7実施形態について図14から図17を参照して説明する。
図14に、第7実施形態の文字板側から見た平面図を示し、図15に図14中XV-XV線での断面図を示し、図16に図14中XVI-XVI線での断面図を示す。
この電波修正時計100は、腕時計型であって、図14、図15、図16に示されるように、リング状(両端が開口の短筒形状)の外装ケース1を備える。
外装ケース1は、各指針を駆動する歯車の軸線方向(例えば二番車444の軸線方向)である筒軸方向L1の両端面が開口したリング状の金属性部材であって、例えば、黄銅、ステンレススチール、チタン合金などによって形成されている。外装ケース1の厚みはリングの径に比べて小さいものであり、10mm以下あるいは5mm以下に形成される。外装ケース1の外周で互いに反対位置には、腕時計用バンドを取り付ける取付部11、12が形成されている。ここで、外装ケース1の中心点からみて取付部11、12のうち一方が設けられている方向を12時方向とし、取付部11、12の他方が設けられている方向を6時方向とする。図14中では、上方(取付部11の方)を12時方向とし、下方(取付部12の方)を6時方向とする。
時刻表示手段2は、外装ケース1の筒軸方向L1(図14中で紙面垂直方向)に対して略直交する時刻表示面211を有する文字板21と、この文字板21上で回動する指針221、222とを備えて構成されている。
文字板21は略円板状であって外装ケース1の開口を閉じる面積を有する。文字板21は光透過性、非導電性および非磁性を備える部材で形成されており、例えば、無機ガラスやプラスチック、紙類あるいはセラミックス等で形成されている。時刻表示面211は外部から視認可能に外方に向けて設けられ、時刻表示面211上の外縁寄りには時刻を表す数字(不図示)が円環状に印字されている。時刻表示面211上には、表面仕上げの模様や塗装が施されていてもよい。
指針221、222を間にして文字板21に対向するように風防23が設けられている。風防23は、外装ケース1の開口を塞ぐ面積を有する。風防23は、非導電性かつ非磁性を有する光透過性部材で形成され、例えば、無機ガラスや有機ガラスで形成される。
光電変換素子61は、文字板21と略同一の面積を有するパネル状であり、文字板21側から透明電極層(TOC)、半導体層、透明電極層がこの順で積層されて構成されている(図示省略)。透明電極層は透明電極膜であり、透明導電膜としては、例えば、SnO2、ZnO、ITO(Indium Tin Oxide)などが挙げられる。半導体層は、微結晶または
非晶質のシリコンでありpn接合された構造を有するPIN型フォトダイオードである。光電変換素子61は、光透過性の文字板21を通して外部に臨んでいる。
なお、光電変換素子61や支持基板62の形状や面積は場合によって種々選択可能であり、円形状、四角形状、三角形状の他、例えば、各種キャラクター形状とすることも自由である。
水晶振動子ユニット41および回路ブロック42は、略9時方向に配設されている。図17に、水晶振動子ユニット41および回路ブロック42の機能ブロック図を示す。
回路ブロック42は、アンテナ5A、5Bで受けた標準電波を処理して時刻情報として出力する受信回路421と、受信回路421から出力された時刻情報を記憶する記憶回路422と、水晶振動子411からのクロックパルスで現時刻をカウントするとともに受信した時刻情報で現時刻を修正する中央制御回路423と、圧電アクチュエータ48を駆動する駆動回路425と、指針位置を検出する針位置検出回路426と、を備える。
記憶回路422は、受信回路421でデコードされた時刻情報を一旦記憶するとともに記憶した複数の時刻情報を対比して受信の成否を判断する。
中央制御回路423は、発振回路、分周回路、現時刻をカウントする現時刻カウンタ、および、受信した時刻情報に従って現時刻カウンタのカウント値を修正する時刻修正回路などを備える。中央制御回路423は、受信回路421の受信スケジュールを記憶するとともに受信動作を制御する受信制御回路424を備え、受信スケジュールとしては、午前2時から午前2時6分に受信動作を行う設定が行われる。また、受信制御回路424に対して外部操作手段13による入力操作によって時刻情報の強制受信が指令された場合には、受信制御回路424からの出力信号により受信回路421で受信動作が実行される。
駆動回路425は、中央制御回路423から指令されるタイミングで圧電アクチュエータに駆動パルスを印加する。
針位置検出回路426は、指針(分針221、時針222)の針位置を検出して中央制御回路423に検出結果を出力する。中央制御回路423内において、針位置検出回路426からの検出結果と時刻カウンタのカウンタ値とが比較される。そして、この比較結果に基づいて指針位置をカウンタ値に一致させるパルスの出力が駆動回路425に指令される。
なお、日の裏車445に小鉄車446が噛合しており、巻真131が引き出されることによって巻真131の一端に設けられたツヅミ車135がカンヌキ133に押されて小鉄車446に噛合される。
輪列44、圧電アクチュエータ48、回路ブロック42が地板46および輪列受47の間に挟まれて一体化されムーブメント4が構成されている。
中枠14は外装ケース1の内周に沿ったリング状部材であって、ムーブメント4の周端面を囲んでいる。中枠14は、非導電性かつ非磁性を有する部材で形成され、例えば、プラスチックやセラミックで形成される。中枠14は、光発電手段6と外装ケース1との間および裏蓋3と外装ケース1との間に介在して位置しており、支持基板62と外装ケース1とを絶縁し、また、裏蓋3と外装ケース1とを絶縁している。なお、支持基板62と外装ケース1との絶縁、あるいは、裏蓋3と外装ケース1との絶縁は、ゴムパッキンなどの絶縁体によって行われてもよい。
第1アンテナ5Aおよび第2アンテナ5Bは、ムーブメント4内で外装ケースの内周に近接して配置されている。
ただし、第1アンテナ5Aおよび第2アンテナ5Bと外装ケース1との間には中枠14が位置しており、第1アンテナ5Aおよび第2アンテナ5Bと外装ケース1とは所定距離をもって離隔されている。
第1アンテナ5Aおよび第2アンテナ5Bは、軸芯51A、51Bとなる棒状のフェライト、純鉄、アモルファス金属などの高透磁率部材にコイル52A、52Bが巻きまわされて形成され、図17に示されるように、第1アンテナ5Aのコイル52Aと第2アンテナ5Bのコイル52Bとは直列に接続されている。
なお、水晶振動子411、412、413の各端子および回路ブロック42の各端子が回路基板の導電パターンに接続されて電気的に導通されてもよい。また、回路ブロック42を始めとする電気的部品を回路基板上にIC(integrated circuit)として実装し、導通パターンを通して他の電気的部品(アンテナ5A、5B、水晶411、412、413、電池49)と導通させてもよい。
ここで、支持基板62を裏蓋3側に向けて僅かに凸状に膨出する程度に撓ませて形成し、また、裏蓋3を支持基板62に向けて凸状に膨出する程度に撓ませて形成し、第1アンテナ5Aおよび第2アンテナ5Bを組み付けるときにアンテナ軸芯51A、51Bを支持基板62および裏蓋3で強く挟持する。すると、支持基板62および裏蓋3の復元力によりアンテナ軸芯51A、51Bが支持基板62と裏蓋3とに強く圧接される。
なお、第1アンテナ5Aおよび第2アンテナ5Bの端面が支持基板62および裏蓋3に対して十分に近接していれば、必ずしも接していなくてもよい。
また、支持基板62および裏蓋3は、アンテナ軸芯51A、51Bとの磁気的な抵抗を少なくするため、アンテナ軸芯51A、51Bと同じ材質で形成されることが例示される。
水晶振動子411の発振を分周して生成された基準クロックにより時刻カウンタの現時刻が更新される。また、針位置検出回路426にて指針(分針221、時針222)の位置が検出され、検出結果は中央制御回路423に出力される。指針位置と時刻カウンタのカウンタ値とが比較され、比較結果に基づいて駆動回路425を介して圧電アクチュエータ48が駆動される。圧電アクチュエータ48の駆動が輪列44を介して指針221、222に伝達され、指針221、222により時刻表示面211上の数字が示されることにより、現時刻が表示される。
受信制御回路424に設定された受信開始時刻である午前2時になると、受信制御回路424から受信回路421に受信動作開始の指令が出力される。あるいは、外部操作手段13により、強制受信操作が入力されると、受信制御回路424から受信回路421に受信開始の指令が出力される。
ここで、外装ケース1は筒軸方向L1が開口しているので、この開口から標準電波の磁界成分が外装ケース1内に進入する。このとき、支持基板62および裏蓋3の高透磁率性により、標準電波の磁界が支持基板62および裏蓋3に引き寄せられる。すると、文字板21および裏蓋3に引き寄せられた磁界がアンテナ5A、5Bの軸芯51A、51Bを通り抜けてコイル52A、52Bに鎖交する。そして、アンテナ5A、5Bで標準電波が受信される。
受信回路421は、受信開始の指令を受けると、電池49から電力供給を受けて、アンテナ5A、5Bで受信された信号(時刻情報)のデコードを開始する。
デコードされた時刻情報は一旦記憶回路422に記憶されるとともに、複数回(例えば6回)の受信で得られた時刻情報が前後同士で比較されて、受信の正確さが判断される。正確に受信された時刻情報に従って、時刻修正回路により時刻カウンタの現時刻が修正される。そして、時刻カウンタの時刻に従って針位置が修正され、受信時刻に従った時刻が示される。
(23)外装ケース1が金属で形成されていることにより、高級感が演出される。さらに、外装ケース1の筒軸方向L1からの標準電波がアンテナ5A、5Bで受信されるので、外装ケース1が金属で形成されてもアンテナ5A、5Bの受信性能に影響しない。
アンテナ5A、5Bの受信性能が向上されるので、アンテナ5A、5B自体が小型化されても十分な受信強度が確保される。そして、アンテナ5A、5Bの小型化により電波修正時計100が小型化される。
また、アンテナ5A、5Bの軸線方向L5A、L5Bが外装ケースの筒軸L1に略平行とであるので、アンテナ5A、5Bの断面積の大きさが外装ケース1の厚みに影響することがない。よって、例えば、アンテナ5A、5Bの断面積を大きくすることによって鎖交磁束を増大させる場合でも、外装ケース1は十分に薄型に形成される。
例えば、磁界を発生させるステッピングモータなどが使用される場合に、支持基板62および裏蓋3が高透磁率部材で形成されていると、ステッピングモータから生じる磁界が支持基板62および裏蓋3を伝導してアンテナ5A、5Bに流れ込んでしまうことになる。しかし、本実施形態では磁界を発生しない圧電アクチュエータ48が用いられるので、支持基板62および裏蓋3に他のノイズ(ステッピングモータの磁界など)が流れることはなく、高透磁率部材の支持基板62および裏蓋3で標準電波の磁界のみが集められることになる。その結果、支持基板62および裏蓋3によりアンテナ5A、5Bに標準電波の磁界成分が誘導されて、アンテナ5A、5Bの受信性能が向上される。
ここで、電池49の外缶は金属で形成されるので電池49の近傍では支持基板62および裏蓋3にて誘導された磁束が電池49の外缶に誘導されてしまう可能性があるが、電池49との間に巻真131や回路ブロック42等が配置されることにより、アンテナ5A、5Bと電池49とが離隔され、アンテナ5A、5Bへの鎖交磁束が十分に確保されて受信性能が向上される。
次に、本発明の無線機能付き電子時計としての電波修正時計に係る第8実施形態を図18、図19、図20を参照して説明する。
図18に第2実施形態の文字板側から見た平面図を示し、図19にアンテナ同士を結ぶ直線で断面された断面図を示し、図20にアンテナの接続を示す。
第8実施形態の基本的構成(基本構造および各部材の材質等)は第7実施形態と同様であるが、第8実施形態が特徴とするところは、光発電手段6が複数枚に分割されている点にある。
ここで、図18中、略11時から略3時の範囲に配置された発電ブロックを第1発電ブロック6A、略3時から略7時の範囲に配置された発電ブロックを第2発電ブロック6B、略7時から略11の範囲に配置された発電ブロックを第3発電ブロック6Cとする。
第1発電ブロック6A、第2発電ブロック6Bおよび第3発電ブロック6Cは電気的に直列接続され、各発電ブロックにて発電された電力(電流)は直列に合成されて電池49に蓄電される。
また、各発電ブロック6A〜6Cは、中心角の部分が切り欠かれており、全体の略中心部は指針軸が挿通される孔となっている。
第1アンテナ5Aは略1時方向に配設され、第2アンテナ5Bは略5時方向に配設され、第3アンテナ5Cは略9時方向に配設されている。
図18、19に示されるように、アンテナ5A〜5Cはそれぞれ軸芯51A〜51Cの一端を発電ブロック6A〜6Cの略中央部分に当接させて配置されている。
また、アンテナ軸芯51A〜51Cの他端は、高透磁率部材により形成された磁性板7に当接されている。磁性板7は、支持基板62と同様にステンレススチール等の磁性材や、純鉄、パーマロイ、コバルトあるいは鉄のアモルファス合金等の高透磁率部材で形成され、例えば、針合わせ時に輪列の動きを停止させる規制レバーや、切替部のレバー部品を覆う部品カバーなどを共用することが例示される。磁性板7は、各アンテナ5A〜5Cごとに設けられており、互いに分離している。そして、磁性板7によって標準電波の磁界が引き寄せられる。
なお、裏蓋3およびムーブメント4の基枠要素(例えば、地板46、輪列受47等)は非導電性かつ非磁性の材料で形成されている。また、裏蓋3には、磁性板7がはめ込まれる凹部35が凹設されている。
(33)アンテナが3つ設けられて、アンテナ5A〜5Cにあわせて光発電手段6が3つの発電ブロック6A〜6Cに分割されている。さらに、磁性板7も互いに分離している。すると、アンテナ5A〜5Cが互いに独立するので、各アンテナ5A〜5Cにより独立して標準電波の受信が行われる。すると、いずれかのアンテナ5A〜5Cにより受信に成功すればよいので、標準電波の受信に成功する確率が向上される。
本発明の無線機能付き電子時計としての電波修正時計に係る変形例1について説明する。
変形例1の基本的構成(基本構造および各部材の材質等)は、第2実施形態と同様であるが、アンテナ軸芯51A、51Bと文字板21とが一体的に形成される点に特徴を有する。
なお、文字板上板217は、非導電性かつ非磁性の部材で形成されてもよく、例えば、無機ガラス、セラミック、プラスチックでもよい。
また、アンテナ軸芯51A、文字板21および裏蓋3は高透磁率部材で形成されればよいので、例えば、アンテナ軸芯51Aと裏蓋3とが一体形成されてもよく、アンテナ軸芯51A、文字板21および裏蓋3の総てが一体形成されてもよい。ただし、アンテナコイル52Aをアンテナ軸芯51Aに巻く行程を効率よく行うためには、文字板21および裏蓋3のいずれか一方だけがアンテナ軸芯51Aに一体形成されていることが望ましい。
本発明の無線機能付き電子時計としての電波修正時計に係る変形例2について図22を参照して説明する。
変形例2の基本的構成は、第2実施形態と同様であるが、文字板21および裏蓋3においてアンテナ5の端面に対応する位置にアンテナ5の端面を嵌設する凹部が設けられている点に特徴を有する。
図22は、変形例2の要部の断面図においてアンテナ部分を示す図である。この変形例2は、筒軸L1方向の両端が開口した外装ケース1と、無機ガラスや有機ガラスからなるカバーガラス(風防)23と、ムーブメント4と、プラスチックからなる中枠14と、外装ケース1の一方の開口に配設された文字板21と、外装ケース1の他方の開口に配設された蓋部としての裏蓋3と、外装ケース1内に配設されて文字板21と裏蓋3とにて軸方向の端面が挟持されたアンテナ5と、を備え、文字板21は、アンテナ5の一方の端部が嵌入される第1嵌合凹部219を有し、裏蓋3は、アンテナ5の他方の端部が嵌入される第2嵌合凹部35を有している。
文字板21および裏蓋3は高透磁率部材で形成され、文字板21および裏蓋3には標準電波の磁界が通過可能である。なお、外装ケース1に対して文字板21および裏蓋3は介在配置された中枠14によって絶縁されている。
第1嵌合凹部219の開口面積は、アンテナ5の軸芯の断面積よりも僅かに大きく、例えば、軸芯51にコイル52が巻かれた状態でアンテナ5の端部が挿入可能な広さである。また、第1嵌合凹部219の縁は外に向けて拡径するテーパ状に形成されている。
さらには、次の式を満たすことがより好ましい。
説明と同様である。
第2嵌合凹部35の開口面積はアンテナ5の端部を挿入可能な広さであり、第2嵌合凹部35の縁は外に向けて拡径するテーパ状に形成されている。
アンテナ5の両端部が第1嵌合凹部219と第2嵌合凹部35とに嵌入された状態でアンテナ5が文字板21と裏蓋3とに挟持されているので、アンテナ5の位置が固定される。
第1嵌合凹部219および第2嵌合凹部35の深さの分はアンテナ5の長さを長くできるので、アンテナ5を長くできる分だけコイル52の巻き数を多くすることができる。すると、アンペアターンが大きくなるのでアンテナ5の受信感度が向上される。
本発明の無線機能付き電子時計としての電波修正時計に係る変形例3について図23、図24を参照して説明する。
変形例3の基本的構成(基本構造および各部材の材質等)は、第3実施形態と同様であるが、文字板21および裏蓋3に形成される貫通孔213、31の形状や、貫通孔213、31に嵌設される高透磁率部材215、33の形状に特徴を有する。
図23において、文字板21および裏蓋3に形成される貫通孔213、31は、外方に向けて貫通孔213、31を径大させるテーパを有する。貫通孔213、31には、貫通孔213、31の形状にそれぞれ対応するテーパを有する高透磁率部材215、33が嵌設されている。そして、高透磁率部材215、33はアンテナ軸芯51A(51B、51C)の端面に強く押圧されている。例えば、文字板21をアンテナ軸芯51A〜C側に凸状に湾曲させて形成し、この湾曲の弾性力で高透磁率部材215をアンテナ軸芯51A〜Cの端面に押圧することが例示される。
次に、本発明の無線機能付き電子時計としての電波修正時計に係る変形例4について説明する。
第3実施形態(図10)においては、文字板21および裏蓋3に貫通孔213、31が形成され、この貫通孔213、31に高透磁率部材215、33が嵌設される場合について説明したが、変形例4として、文字板21および裏蓋3に貫通孔213、31を形成することなく、アンテナ5の軸線上で非導電性かつ非磁性部材で形成された文字板21や裏蓋3、地板46、輪列受47に高透磁率部材が貼り付けられてもよい。
さらに、この場合において、高透磁率部材とアンテナ軸芯51とが一体的に形成されてもよい。
例えば、図25(A)において、文字板21および裏蓋3には、内方に向けて開口する凹部219、35が形成されている。文字板21は無機ガラスやプラスチックで形成され、裏蓋3は無機ガラスやプラスチックで形成されている。アンテナ軸芯51Aは、その両端から軸線に略直交する方向へフランジ状に張り出した上端側および下端側の鍔部53を有し、鍔部53は文字板21および裏蓋3の凹部219、35に嵌められている。また、地板46および輪列受47には外周の一部に切欠部461が切り欠いて形成され、この切欠部461からアンテナ5が挿通される。なお、図25(B)では、地板46および輪列受47の切欠部461に外周側から鍔部53が挿入された状態が示されている。
このような構成においても、鍔部53によって標準電波の磁界が誘導され、アンテナ5の鎖交磁束が増大されて、アンテナの受信性能が向上される。
本発明の無線機能付き電子時計としての電波修正時計に係る変形例5について図26、図27、図28を参照して説明する。
変形例5は、上記実施形態と同様にアンテナ5を備えているところ、アンテナ5の取り付けにコイルボビンが用いられる点に特徴を有する。
図26(A)において、電波修正時計100は、駆動手段(モータ)や輪列等のムーブメント構成部品が載設される地板46と、地板46の表裏両面側にそれぞれ配置された文字板21および裏蓋3と、標準電波を受信するアンテナ5と、標準電波の磁界を誘導する磁性板7と、を備えている。
磁性板7は、前述と同様な高透磁率部材で形成された板状体である。
本発明の無線機能付き電子時計としての電波修正時計に係る変形例6について説明する。
変形例6の基本的構成(基本構造および各部材の材質等)は、第1実施形態と同様であるが、外装ケースが金属薄板カバーを備える点に特徴を有する。
図29において、電波修正時計100は、外装ケース1と、裏蓋3と、文字板21と、風防23と、ムーブメント4と、アンテナ5と、を備えている。
外装ケース1は、非導電性かつ非磁性の部材例えばプラスチックにより形成された基体161に金属製薄板カバー162が外嵌された構成である。
裏蓋3は、非導電性かつ非磁性の部材例えばプラスチックにより形成され、外縁部に立設された係合フック36が外装ケース1の係合凹部163に係合することによって外装ケース1に係止されている。
このような構成において、外装ケース1が外表面に金属製薄板カバー162を有していても、アンテナ5は外装ケース1の開口から外装ケース1内に進入する標準電波を受信できる。よって、金属製薄板カバー162によって高級な装飾性が得られるとともに良好な受信性能が確保される。
本発明の無線機能付き電子時計としての電波修正時計に係る変形例7について説明する。
変形例7の基本的構成(基本構造および各部材の材質等)は、第1実施形態と同様であるが、時刻表示手段がデジタル表示によって時刻表示を行う点に特徴を有する。
図30において、電波修正時計100は、外装ケース1と、時刻表示手段2と、風防ガラス23と、裏蓋3と、見切りリング18と、時計回路等を有する時計モジュール9と、アンテナ5と、を備えている。
外装ケース1は、前述と同様の金属製ケースであり、内周面において張り出し形成された段部17を有する。風防ガラス23、裏蓋3は、非導電性かつ非磁性の無機ガラスやプラスチックによって形成されている。
時刻表示手段2は、液晶表示板(LCD)によるデジタル表示によって時刻を表示する。時刻表示手段2は段部17に囲繞されて固定されている。
見切りリング18は、風防ガラス23を通して時刻表示手段2の外縁が見えないように、段部17と風防ガラス23との間に設けられている。見切りリング18は、非導電性かつ非磁性の部材例えばプラスチックで形成されていてもよく、あるいは、金属部材で形成されていてもよい。
なお、裏蓋3は外装ケース1に対して螺着されている。
本発明の無線機能付き電子時計としての電波修正時計に係る変形例8について図31を参照して説明する。
変形例8の基本的構成(基本構造および各部材の材質等)は、第1実施形態と同様であるが、裏蓋がガラス板部を備え、また、文字板の裏面に金属リングが設けられている。
図31(A)は、変形例8の主要断面図であり、(B)は文字板側から見た平面図であり、(C)は裏蓋側から見た平面図である。
図31において、電波修正時計100は、外装ケース1と、文字板21と、ムーブメント4と、裏蓋3と、アンテナ5と、を備えている。
文字板21は、非導電性かつ非磁性の部材で形成され、半透光性を有している。図31(A)(B)に示されるように、時刻表示面211とは反対側において、文字板21の外周部には金属リング19が貼設されている。この金属リング19は、文字板21の光反射率を高めることによって装飾性を高める効果を有する。なお、金属リング19は、時刻表示面211側に設けられてもよい。
アンテナ5は、図31(A)〜(C)に示されるように、無機ガラスのガラス板部38の平面に重畳して配設されている。すなわち、時刻視認方向からアンテナ5とガラス板部38とを投影したときに、アンテナ5の投影像がガラス板部38の投影像に含まれる。
なお、ガラス板部38は、時計の中心(例えば、指針軸)を中心とする円形であることが美観の点から好ましいが、アンテナ5に対応する部分のみがガラス板部38で構成されていてもよい。
そして、このガラス板部38が磁界通過可能部として機能する。
また、ガラス板部38の面積は、少なくともアンテナ5の端面の面積よりも広く、アンテナ5の端面面積の二倍以上であることが好ましい。
また、アンテナ5の軸線の延長線が金属リング19に交差しないことが好ましい。
本発明の無線機能付き電子時計としての電波修正時計に係る変形例9について説明する。
変形例9は、上記実施形態と同様にアンテナを備えているところ、アンテナ(あるいはアンテナコア)の縦横比に特徴を有する。
図32において、アンテナ5が示され、アンテナコア51の内径Dは、アンテナコア51の高さHよりも長い。
ここで、時刻視認方向すなわち外装ケース1の筒軸に対して直交する断面においてアンテナコア51の内径Dを規定する。また、時刻視認方向の長さ、すなわち、外装ケース1の筒軸L1に平行な方向においてアンテナコア51の高さHを規定する。アンテナ5の軸線方向が外装ケース1の筒軸に対して傾斜している場合も、同様である。
このような構成において、時計の厚みをそれほど大きくできない腕時計にあっては、コイルコア51の内径Dを高さHより大きくした方が、鎖交磁束を多くできる構成となる。その結果、アンテナ5の受信性能を高めることができる。また、アンテナコア51の高さHを小さくすれば、電波修正時計100の厚みを薄くすることができる。
なお、上記実施形態に示されるように、アンテナ5の軸線方向の長さ(縦の長さ)が、軸線方向に直交する断面での直径(横幅)よりも長くても良いのはもちろんである。
本発明の無線機能付き電子時計としての電波修正時計の変形例10について説明する。
変形例10は、光発電手段6の支持基板62が高透磁率部材で形成される第7実施形態
と第8実施形態の変形例である。変形例として、光発電手段6の支持基板62が非導電性かつ非磁性の部材例えばポリイミド樹脂などのプラスチックや無機ガラス、セラミック、紙などで形成されてもよく、この支持基板62の上面に光電変換素子62が配設されていてもよい。そして、このような支持基板62が磁界通過可能部となる。
上記実施形態において、アンテナ5の個数は特に限定されず、1個でも複数個でもよく、複数のアンテナ5が用いられる場合にはアンテナのコイルが直列に接続されてもよく、並列に接続されてもよく、直列接続と並列接続とが併用されてもよい。
複数のアンテナ5を用いるにあたって、いくつかのアンテナ5については上記実施形態で説明した如く軸線を外装ケース1の筒軸に略平行に配置して、他のアンテナ5については軸線を外装ケースの筒軸に略直交させて配置してもよい。
この場合、アンテナ5のコアが対向する裏蓋3の部分が、無機ガラスやプラスチックで構成されることが好ましい。この無機ガラスやプラスチックが磁界通過可能部となる。
地板46、輪列受47は非導電性、非磁性のプラスチックやセラミックスとして説明したが、例えば、地板46、輪列受47を文字板側から見たときに地板46、輪列受47の面積が小さければ、黄銅等の金属であってもよい。
また、支持基板62とアンテナ5との間で磁気的に導通可能であればよいので、支持基板62とアンテナ5の端面とが離れている場合でも、支持基板62とアンテナ5の端面との間に磁気導通手段が設けられていればよい。磁気導通手段としては高透磁率部材等で形成され一端が支持基板62に当接し他端がアンテナ軸芯51の端面に当接した磁気導通部材などでもよい。
また、光発電手段6とアンテナ5とはそれぞれ3つずつ設けられ、一対一に対応してしている場合について説明したが、例えば、光発電手段6は4つあるいは5つのブロックに分離されていてもよく、さらに、一つの光発電手段6のブロックに2つあるいは3つのアンテナ5が対応して設けられていてもよい。
光発電手段6が三つに分離されている場合について説明したが、例えば、光電変換素子61は一枚であって、支持基板62が三つに分離されていてもよい。
さらに、光発電手段6は、上記実施形態で説明した構成に限られず、光を受光して発電する機構を有していればよい。
アンテナ5は、軸芯(磁心)51を備えている場合について説明したが、アンテナ5は、軸芯が無いコアレスアンテナでもよい。
裏蓋3に代えて光発電手段6を設けて、外装ケース1の両端に光発電手段6が配設されていてもよい。
上記実施形態においては、外装ケース1は金属性部材で形成されているとしたが、外装ケース1の材質は必ずしも限定されない。例えば、プラスチックやセラミックなど非磁性かつ非導電性を有する部材で形成してもよい。
外装ケース1は、軸方向の両端面が開口するものに限らず、例えば、リング状の胴部に底板が一体的に設けられたもの(有底筒状)であってもよい。また、外装ケース1は、金属性に限らず、例えば合成樹脂で形成されていてもよい。
上記実施形態において、文字板21、裏蓋3、地板46および輪列受け47等が電波を遮蔽しないためには、非導電性かつ非磁性を有する部材で形成されることが好ましいが、場合によっては、非導電性を有していればよい。
あるいは、場合によっては、文字板21および裏蓋3は、非磁性であるが導電性を有する部材、例えば、黄銅やアルミニュームなどで形成されてもよい。この場合、文字板21および裏蓋3は外装ケース1に対して絶縁されていることが好ましい。電波の電界の性質によっては、電波の電界成分を黄銅やアルミニューム等で引き寄せることで、アンテナ5の受信性能を向上させる場合があるからである。なお、このような場合には、文字板あるいは裏蓋においてアンテナに対応する位置が肉薄に形成され、標準電波が導通しやすいようにすることが好ましい。
アンテナで受信する無線情報としては、例えば、天気予報、株化情報、イベント情報、セールス情報などが例として挙げられる。これらの情報を、外部ネットワークに繋がった駅の改札口やイベントパークのゲートを通過する際に無線機能付き電子時計のアンテナで受信してもよい。そして、制御部は、これらの情報をデコードし、例えば時刻表示手段等の被制御部に所定の動作をさせるように動作制御を行う。例えば、制御部は、電波が標準電波であれば時刻表示手段に時刻を表示させたり、電波の情報が天気予報や株化情報等であれば、所定の表示手段にこれら情報を表示させるなどの制御動作を行う。
本発明は、腕時計、置き時計、柱時計、街頭や公園などの屋外に設置される時計などどのような時計でもよく、あるいは、時計部を備えた電子機器、特に携帯用電子機器、例えば携帯電話やPDA(Personal Digital Assistant 携帯情報端末)、ページャー(携帯
用の無線呼び出し受信器)等でもよい。
Claims (2)
- 少なくとも外周面に金属部を有し筒軸方向の両端のうち少なくとも一方が開口した短筒形状の外装ケースと、
前記外装ケースの前記一方の開口側に配置される文字板及び文字板上で回動する指針を有した時刻表示手段と、
前記一方の開口側に配置された風防と、
前記指針を駆動するステッピングモータを有する駆動手段と、
少なくとも前記駆動手段と、制御部と、前記文字板の略3時方向に対応する位置に配置された巻真とを備えたムーブメントと、
前記文字板の12時位置に対応する位置に配置され、前記ムーブメントに電力を供給する金属製の外缶ケースを有する電池と、
棒状の軸芯にコイルが巻き回されて構成され、前記ムーブメント内であって前記外装ケースの内周面から離間した位置に配置されて電波を受信するアンテナと、
前記外装ケースの他方の開口側に配置されてその開口を閉じる金属製の蓋部と、
前記外装ケースに形成され腕時計用バンドを取り付ける一対の取付部と、
を備えた無線機能付き電子腕時計であって、
前記文字板および風防は非導電性かつ非磁性の部材で形成され、
前記指針は金属部材で形成された分針を備え、
前記一対の取付部の一方は文字板の12時方向に設けられ、他方は6時方向に設けられ、
前記アンテナは、前記ムーブメント内において前記文字板の9時位置に対応する位置であって、前記電池とは平面的に重ならず、前記分針とは通常運針時には平面的に重なることが可能な位置で、かつ前記制御部により制御された所定受信時刻での電波受信開始時には12時位置に位置する前記分針と平面的に重ならない位置に配置され、
前記分針は、通常運針時に前記電池と平面的に重なる状態と、重ならない状態とがあり、かつ、前記所定受信時刻での電波受信開始時に、前記分針は前記電池と平面的に重なり、
前記ステッピングモータと前記アンテナとの間には電気的部品が配置されている、
ことを特徴とする無線機能付き電子腕時計。 - 請求項1に記載の無線機能付き電子腕時計において、
前記制御部は、前記アンテナの受信動作および前記駆動手段の駆動動作を制御し、前記電波を受信させる強制受信操作により前記電波の受信を開始する際に前記分針が前記アンテナと平面的に重なるとき、前記分針を前記アンテナと平面的に重ならない位置に回動するように前記駆動手段を駆動制御する、
ことを特徴とする無線機能付き電子腕時計。
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