JPWO2007111217A1 - アンテナおよびアンテナを備えた電波受信機器 - Google Patents

アンテナおよびアンテナを備えた電波受信機器 Download PDF

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Abstract

[課題]アンテナから外部に出る磁束総量を減らして、渦電流損失による受信感度の低下を防ぐことができるとともに、アンテナの受信性能を向上させることが可能なアンテナ、および、アンテナを備えた電波受信機器を提供する。[解決手段]本発明のアンテナは、柱状の磁性コアと、該磁性コアの周囲に導線が巻回される巻線部からなるアンテナ本体と、アンテナ本体を収容するアンテナ本体収容部が形成されたアンテナカバー体とを備えるアンテナであって、アンテナ本体をアンテナカバー体に収容した状態で、アンテナ本体の少なくとも一面が、アンテナカバー体で覆われるとともに、アンテナ本体の端部と、アンテナカバー体のアンテナ本体収容部とが、接するか、または、磁気的に結合している。このようなアンテナを、特に、小型軽量化が要求される腕時計型の電波修正時計に搭載する。そうすることによって、充分な標準電波の受信レベルを確保し得る電波修正時計を提供することができる。

Description

本発明は、例えば、電波式腕時計、腕時計型ページャ、携帯電話、携帯テレビ、携帯ラジオなど、情報を有する電波を受信する電波受信機器の内部に配置されるアンテナ、および、アンテナを備えた電波受信機器に関し、より詳細には、時刻情報を含む所定の電波を受信し、その情報に基づいて時刻を修正する機能を有する電波修正時計用アンテナ、特に、腕時計型の電波修正時計用アンテナ、および、アンテナを備えた電波受信機器に関する。
近年、腕時計型の電波修正時計が広く普及してきており、標準電波(時刻修正電波)を時計に内蔵したアンテナによって受信し、その情報を処理し、運針駆動用モータで正確な時刻を表すように、指針修正する機能が広く認知されるに至った。
そのような機能を搭載するにあたり、標準電波を受信するための受信感度の向上は、電波修正時計の性能を左右する課題であるが、腕時計型といった小型の時計では、その大きさの制約から解決すべき課題は多い。
そのような課題を解決する方法や手段は、多くの提案を見るところである。一般的にアンテナを大きくすることで、受信感度を向上することができるが、アンテナと時計を構成する他の部品との間で制約を受けることもある。すなわち、アンテナの巻線部分と時計外装に代表される金属物が近くに配置されると、アンテナで共振した電流によって発生する磁束が、アンテナに近接配置された金属を貫く時に渦電流を発生させ、この作用によって損失が発生するのである。
しかしながら、そのような損失を排除するための方法や手段も、従来より数多く提案されている(例えば、特許文献1,特許文献2参照。)。
特許文献1に示した従来技術は、磁性体からなる磁心にコイルを巻回した主磁路部材を有し、比透磁率が2以上かつ主磁路部材より小さい比透磁率の材質で形成されたケースを有しており、これを副磁路部材としている。
この副磁路部材を具備することにより、外部からの磁束を主磁路材部材に通し、アンテナで共振した電流によって発生する磁束が、外装などの金属を貫かないように、その副磁路部材を磁束が通るように構成している。
電波修正時計のアンテナでは、コア(磁心)によって集められた磁束によって、コイルにて電流が発生し、コイルと外部に付加したコンデンサで共振して、Q倍の共振電流が発生する。
この共振電流によってコイルには磁束が生じるが、その磁束が外装などの金属を貫くときに発生する渦電流損失が、アンテナの損失として働き、金属外装を使用するうえでの問題となっている。
特許文献1に示した従来技術では、この損失を減らすために、副磁路部材として、主磁路部材よりも透磁率の低い低比透磁率のケースを設けることにより、外装などの金属に向かう磁束をケースに流し、アンテナから外部に出る磁束総量を減らすものである。
また、特許文献2では、上記のような渦電流損失によるアンテナの損失を減らすために、磁性コア部に導線が巻き付けられたコイル部の周囲を、磁性コア部と同じ軟磁性材料で形成されたカバー部材で被覆するアンテナ構造が開示されている。
これにより、外装などの金属に向かう磁束をカバー部材に流して、アンテナで共振した電流によって発生する磁束が、アンテナに近接配置された金属を貫かないようにして、渦電流の発生を防止して、損失が発生するのを防止するように構成されている。
特開2005−198255号公報(第1頁) 国際公開公報 WO 2005/057726 A1 パンフレット
しかしながら、発明者が検討したところによると、腕時計型の電波修正時計に、特許文献1に示した従来技術のアンテナを用いても、主磁路部材と時計外装との間で、渦電流損失が発生してしまうことがわかった。
すなわち、特許文献1に示す従来技術は、主磁路部材よりも透磁率の低いケースを用いているが、これでは、より磁束が流れやすい主磁路部材と外装とが近接する箇所から、外装に磁束が流れてしまい、渦電流損失を効果的に防ぐことができないのである。
このため、アンテナコアとなる主磁路部材を、丸ごと磁性体で覆う構造が提案されているが、アンテナに更にそれを丸ごと覆う磁性体を施した場合、アンテナサイズの大幅な増大によって、腕時計では実質的に実現しがたい構造となってしまう。
また、近年の腕時計の小型軽量化の要求から、腕時計の内部は、部品が高密度に実装されており、腕時計の形状の中心部には、運針を駆動するための機構部品が配置されている。そのため、この機構部品を避けてアンテナを配置するためには、時計外装の内壁に沿って配置する必要がある。
このような制約の中で、アンテナを可能な限り大きくして、感度を向上させようとする場合、時計外装の内壁の形状、例えば、時計外装が平面的に円形だったとき、円周に沿った形に成型されたアンテナコアに、そのままコイルを巻回する必要があって、そのようなアンテナは、実際の製造上では大きな手間がかかってしまう。
また、このような円周に沿った形に成型されたアンテナコアとなる主磁路部材を、丸ごと磁性体で覆う構造の腕時計へ適用しようとする場合には、主磁路部材を覆う磁性体も円周に沿った形状に加工しなければならず、工作精度の観点からも非常な困難を伴うことになる。
こうしたことから、狭い腕時計内部に搭載するアンテナ全体に、磁性体を取り付けることによって、渦電流損失を効果的に防ぐことは、アンテナサイズが小さい場合には適用可能であるが、小さいアンテナサイズでは、感度が不足してしまうという問題がある。
これを改善させるために、アンテナサイズを大きくして、しかも、アンテナの形状を、腕時計内部の機構部品に配慮した形状にしようとする場合には、最終的なアンテナサイズの観点と主磁路部材を覆う磁性体の工作精度の観点から、腕時計での適用は不可能である。
また、特許文献2において、コイル部の周囲を、アンテナコア部と同じ軟磁性材料で形成されたカバー部材で被覆する形状であるので、アンテナ自体は小さいサイズのままであって、このような小さいアンテナサイズでは、感度が不足してしまうという問題がある。
この場合にも、アンテナを可能な限り大きくして、感度を向上させるために、時計外装の円周に沿った形に成型されたアンテナコアとして、このアンテナコアのコイル部を、カバー部材で被覆するためには、コイル部を覆うカバー部材も円周に沿った形状に加工しなければならず、工作精度の観点からも非常な困難を伴うことになる。
本発明の目的は、受信性能を劣化させる金属外装内部に発生する渦電流損失を防ぐためになされたものであって、例えば、小型軽量化が要求される腕時計内部の機構部品に配慮した形状のアンテナにおいても適用可能であり、アンテナから外部に出る磁束総量を減らして、渦電流損失による受信感度の低下を防ぐことができるとともに、アンテナの受信性能を向上させることが可能なアンテナ、および、アンテナを備えた電波受信機器を提供することを目的とする。
本発明は、前述したような従来技術における課題及び目的を達成するために発明されたものであって、以下に示す構造を採用するものである。
本発明のアンテナは、
柱状の磁性コアと、該磁性コアの周囲に導線が巻回される巻線部からなるアンテナ本体と、
前記アンテナ本体を収容するアンテナ本体収容部が形成されたアンテナカバー体と、
を備えるアンテナであって、
前記アンテナ本体を前記アンテナカバー体に収容した状態で、前記アンテナ本体の少なくとも一面が、前記アンテナカバー体で覆われるとともに、
前記アンテナ本体の端部と、前記アンテナカバー体のアンテナ本体収容部とが、接するか、または、磁気的に結合していることを特徴とする。
このように構成することによって、アンテナ本体をアンテナカバー体のアンテナ本体収容部に収容した状態で、アンテナ本体の少なくとも一面が、アンテナカバー体で覆われることになる。
しかも、この状態で、アンテナ本体の端部と、アンテナカバー体のアンテナ本体収容部とが、接するか、または、磁気的に結合している状態である。
従って、外部からの磁束が、アンテナカバー体に入り、アンテナカバー体のアンテナ本体収容部から、これに接するか、または、磁気的に結合している状態で、アンテナカバー体のアンテナ本体収容部に収容されたのアンテナ本体の端部から、アンテナ本体の磁性コアに入り、その結果、コイルにて電流が発生し、コイルと外部に付加したコンデンサで共振して、Q倍の共振電流が発生する。
この共振電流によってコイルには磁束が生じるが、アンテナ本体をアンテナカバー体のアンテナ本体収容部に収容した状態で、アンテナ本体の少なくとも一面が、アンテナカバー体で覆われるので、アンテナ本体からの磁束が外部に洩れ難くなり、アンテナに近接配置された金属を貫かず、渦電流の発生を防止することができ、渦電流損失による受信感度の低下を防ぐことができる。
従って、例えば、小型軽量化が要求される腕時計内部の機構部品に配慮した形状のアンテナにおいても適用可能であり、アンテナから外部に出る磁束総量を減らして、渦電流損失による受信感度の低下を防ぐことができるとともに、アンテナの受信性能を向上させることが可能となる。
また、本発明のアンテナは、前記アンテナ本体の端部に、前記磁性コアを延設したコア延設部を備えることを特徴とする。
このようにアンテナ本体の端部に、磁性コアを延設したコア延設部を備えることによって、より広い面積でアンテナカバー体と接することができ、アンテナ本体の端部と、アンテナカバー体のアンテナ本体収容部とが、接するか、または、磁気的に結合し易くなり、アンテナ本体からの磁束が外部に洩れ難くなり、アンテナに近接配置された金属を貫かず、渦電流の発生を防止することができ、渦電流損失による受信感度の低下を防ぐことができる。
しかも、磁性コアを作製する際にも、コア延設部を支持して巻線を巻き付けることができ、アンテナ本体の作製が容易になる。
また、本発明のアンテナは、前記アンテナカバー体が、前記アンテナ本体収容部から延設した延設部を備えることを特徴とする。
このように構成することによって、アンテナ本体収容部から延設した延設部によって、磁束を多く集めることができ、いわゆる集磁束作用に優れることになる。従って、例えば、腕時計に適用した場合に、風防ガラス側、裏蓋側、時計ケース側面の方向からの磁束をより多く収集することができ、受信感度に優れた受信アンテナを構成することができる。
これによって、電波修正時計を小型化することができるとともに、時刻表示機能の精度を向上することができる。
また、本発明のアンテナは、前記アンテナ本体収容部が、前記アンテナカバー体に形成した凹部または開口により構成されていることを特徴とする。
このようにアンテナ本体収容部が、アンテナカバー体に形成した凹部または開口により構成されていれば、アンテナ本体をアンテナ本体収容部に容易に収容することができ、アンテナの組み立て工程を簡略化することができる。
また、本発明のアンテナは、
前記アンテナカバー体が、少なくとも上下一対のアンテナカバー分割体から構成され、
前記アンテナカバー分割体には、前記アンテナ本体収容部を形成する切欠部が形成され、
前記アンテナカバー分割体を組み付けることによって、前記切欠部により形成された前記アンテナ本体収容部内に、前記アンテナ本体を収容するように構成したこと特徴とする。
このように構成することによって、アンテナカバー分割体を組み付けるだけで、アンテナカバー体を構成できるとともに、切欠部によって、アンテナ本体収容部を同時に構成することができる。
従って、例えば、時計外装の内壁の形状、すなわち、円周に沿った形状の磁性コアなどを収容するアンテナ本体収容部が形成された、複雑な形状のアンテナを簡単に作製することができる。
しかも、このようなアンテナカバー分割体を、例えば、アモルファスのような高透磁率の薄膜材料を積層した板状構造とすることができ、アンテナ本体からの磁束が外部に洩れ難くなり、アンテナに近接配置された金属を貫かず、渦電流の発生を防止することができ、渦電流損失による受信感度の低下を防ぐことができる。
また、本発明のアンテナは、前記アンテナカバー分割体を組み付けることによって、前記コア延設部を挟持するように構成されていることを特徴とする。
このように構成することによって、アンテナカバー分割体を組み付けることによって、前記コア延設部を挟持するので、アンテナカバー分割体を組み付けるだけで、アンテナカバー体を構成できるとともに、アンテナ本体収容部を形成する切欠部内にアンテナ本体を収容することができるので、アンテナの組み立て工程を簡略化することができる。
しかも、例えば、時計外装の内壁の形状、すなわち、円周に沿った形状の磁性コアを作製する際にも、このような挟持部を構成するコア延設部を支持して巻線を巻き付けることができ、アンテナ本体の作製が容易になる。
また、本発明のアンテナは、前記アンテナカバー分割体のうち、最上側または最下側の前記アンテナカバー分割体の少なくとも一方には、前記切欠部が形成されていないこと特徴とする。
このように構成することによって、切欠部が形成されていない最上側または最下側のアンテナカバー分割体によって、アンテナ本体の少なくとも上下面が、アンテナカバー体で覆われるので、アンテナ本体からの磁束が外部にさらに洩れ難くなり、アンテナに近接配置された金属を貫かず、渦電流の発生を防止することができ、渦電流損失による受信感度の低下をより効果的に防ぐことができる。
また、本発明のアンテナは、
前記アンテナカバー体が、
平板形状のアンテナ本体巻き付け部と、
前記アンテナ本体巻き付け部の端部から、前記磁性コアから離間する方向に延設された平板形状の延設部と、
から構成される平板アンテナカバー体から構成され、
前記アンテナ本体巻き付け部を、前記アンテナ本体の端部の周囲に巻き付けることによって、前記アンテナ本体収容部が形成され、前記アンテナ本体を収容するように構成されていることを特徴とする。
このように構成することによって、平板形状のアンテナ本体巻き付け部と、このアンテナ本体巻き付け部の端部から、磁性コアから離間する方向に延設された平板形状の延設部とを備えたアンテナカバー体を板状に成形しておき、アンテナ本体巻き付け部を、アンテナ本体の端部の周囲に巻き付けることによって、アンテナ本体収容部が形成され、アンテナ本体を収容することができる。
従って、このような平板形状のアンテナカバー体を成形して、アンテナ本体に巻き付けるだけで、簡単にかつ大量にアンテナを作製することができ、製造工程を簡略化することができるとともにコストを低減することができる。
しかも、平板形状のアンテナカバー体を、例えば、アモルファスのような高透磁率の薄膜材料を積層した板状構造とすることができ、アンテナ本体からの磁束が外部に洩れ難くなり、アンテナに近接配置された金属を貫かず、渦電流の発生を防止することができ、渦電流損失による受信感度の低下を防ぐことができる。
また、アンテナ本体巻き付け部の端部から、磁性コアから離間する方向に延設された平板形状の延設部によって、磁束を多く集めることができ、いわゆる集磁束作用に優れることになる。従って、例えば、腕時計に適用した場合に、風防ガラス側、裏蓋側、時計ケース側面の方向からの磁束をより多く収集することができ、受信感度に優れた受信アンテナを構成することができる。
これによって、電波修正時計を小型化することができるとともに、時刻表示機能の精度を向上することができる。
また、本発明のアンテナは、
前記アンテナ本体巻き付け部を、前記アンテナ本体の端部の周囲に巻き付けた状態で、
前記延設部の少なくとも一部が、前記アンテナ本体の端部と接するか、または、磁気的に結合していることを特徴とする。
このように構成することによって、延設部で捕捉された磁束は、フェライトなどの軟磁性材料からなる磁性コアを通じて流れる。一方、アンテナ本体巻き付け部の方にも、延設部からの磁束が流れるが、アンテナ本体巻き付け部と延設部は、両端の一部だけで繋がっている状態(アンテナ本体の端部と接するか、または、磁気的に結合している状態)であり、しかも、鋭角な折り曲げ構造であるので、磁束の多くは磁性コアの方を流れることになる。
一方、磁性コアを流れる磁束と巻線によって発生する起電力によって生じる磁束が、周辺にある、例えば、腕時計などの金属外装などの金属部材を貫くことによって、渦電流損失が生じるが、この渦電流損失は、磁性コアと近接して配置された外装より透磁率が遙かに高いアンテナ本体巻き付け部に、発生した磁束が流れ込むことにより、金属部材を貫く磁束が減り、その結果、渦電流損失が低減されることになる。
また、本発明のアンテナは、前記延設部が、前記アンテナ本体巻き付け部の両端からそれぞれ延設されているとともに、前記延設部同士が相互に平面的に重ならないように設けられていることを特徴とする。
すなわち、延設部同士が相互に平面的に重なっていると、標準電波を受信し、一方の延設部から流入した磁束が、他方の延設部へ流れ出てしまい、磁性コアへ磁束が流れにくくなってしまい、電波の受信感度が低下してしまうことになる。
これに対して、本発明のアンテナでは、延設部同士が相互に平面的に重ならないように設けられているので、このような延設部間での磁束の流れを防止することができ、電波の受信感度の低下を防止することができる。
また、本発明のアンテナは、前記延設部が、前記アンテナ本体巻き付け部の両端からそれぞれ少なくとも2つずつ延設されているとともに、異なる端部から延設された前記延設部同士が相互に平面的に重ならないように設けられていることを特徴とする。
このように構成することによって、延設部が、アンテナ本体巻き付け部の両端からそれぞれ少なくとも2つずつ延設されているので、これらのアンテナ本体収容部から延設した延設部によって、磁束をより多く集めることができ、いわゆる集磁束作用にさらに優れることになる。従って、例えば、腕時計に適用した場合に、風防ガラス側、裏蓋側、時計ケース側面の方向からの磁束をより多く収集することができ、受信感度に優れた受信アンテナを構成することができる。
これによって、電波修正時計を小型化することができるとともに、時刻表示機能の精度を向上することができる。
しかも、異なる端部から延設された延設部同士が相互に平面的に重ならないので、上記したような延設部間での磁束の流れを防止することができ、磁性コアへ磁束が流れ易くなり、電波の受信感度の低下を防止することができる。
また、本発明のアンテナは、前記アンテナ本体巻き付け部の両端から少なくとも2つずつ延設されている前記延設部が、該延設部の厚さ方向に離間して設けられていることを特徴とする。
このようにアンテナ本体巻き付け部の両端から少なくとも2つずつ延設されている延設部が、延設部の厚さ方向に離間して設けられているので、これらのアンテナ本体収容部から延設した延設部によって、磁束をより多く集めることができ、いわゆる集磁束作用にさらに優れており、受信感度に優れた受信アンテナを構成することができる。
また、本発明のアンテナは、前記アンテナ本体巻き付け部をアンテナ本体の端部の周囲に巻き付けた状態で、前記アンテナ本体巻き付け部が、前記アンテナ本体の端部面を覆う端部被覆部を備えることを特徴とする。
このように構成することによって、アンテナ本体の端部面を覆う端部被覆部によって、アンテナ本体が支持されることになり、アンテナ本体巻き付け部によって形成されたアンテナ本体収容部から抜け落ちたり、移動するのを防止することができる。
また、本発明のアンテナは、前記端部被覆部が、前記アンテナ本体の両端部面を覆うように形成されていることを特徴とする。
このように構成することによって、アンテナ本体の両端部面を覆う端部被覆部によって、アンテナ本体が支持されることになり、アンテナ本体巻き付け部によって形成されたアンテナ本体収容部から抜け落ちたり、移動するのをさらに防止することができる。
また、本発明のアンテナは、前記アンテナ本体巻き付け部が、前記アンテナ本体の端部の周囲に巻き付けた状態で、前記アンテナ本体の端部の少なくとも一部と離間していることを特徴とする。
このように構成することによって、延設部で捕捉された磁束は、フェライトなどの軟磁性材料からなる磁性コアを通じて流れる。一方、アンテナ本体巻き付け部の方にも、延設部からの磁束が流れるが、アンテナ本体巻き付け部と延設部は、両端の一部だけで細長く繋がっている状態(アンテナ本体の端部と接するか、または、磁気的に結合している状態)であり、磁束の多くは磁性コアの方を流れることになる。
一方、磁性コアを流れる磁束と巻線によって発生する起電力によって生じる磁束が周辺にある、例えば、腕時計などの金属外装などの金属部材を貫くことによって、渦電流損失が生じるが、この渦電流損失は、磁性コアと近接して配置された外装より透磁率が遙かに高いアンテナ本体巻き付け部が、磁性コアとは接しておらず離間しているが、金属外装と磁性コアとの間に存在しているので、発生した磁束が、アンテナ本体巻き付け部に流れ込むことにより、金属部材を貫く磁束が減り、その結果、渦電流損失が低減されることになる。
また、本発明のアンテナは、前記磁性コアの軸線と、前記アンテナ本体の端部の軸線とが一致しないように構成されていることを特徴とする。
このように構成することによって、アンテナカバー体と延設部との磁気的な結合が、物理的にも離されることになるので、磁束のより多くが磁性コアの方を流れ、受信感度に優れることになる。
また、本発明のアンテナは、前記アンテナ本体巻き付け部に、スリットまたは開口部が形成されていることを特徴とする。
このようにアンテナ本体巻き付け部に、スリットまたは開口部が形成されているので、アンテナ本体巻き付け部に磁束が流れにくくなり、磁束のより多くが磁性コアの方を流れ、受信感度に優れることになる。
また、本発明のアンテナは、前記アンテナは、情報を有する電波を受信する電波受信機器の内部に配置されることを特徴とする。
このように構成することによって、例えば、電波式腕時計、腕時計型ページャ、携帯電話、携帯テレビ、携帯ラジオなど、電波を利用して各種の情報を受信する携帯型の電波受信機器において、アンテナから外部に出る磁束総量を減らすことができ、渦電流損失による受信感度の低下を防ぐことができるとともに、アンテナの受信性能を向上させることが可能となる。
また、本発明のアンテナを搭載した電波受信機器は、以下に示す構成を採用する。
本発明の電波受信機器は、前述に記載のアンテナを、少なくとも一部が不導体からなる外装の内部に備えたことを特徴とする。
このように少なくとも一部が不導体からなる外装の内部にアンテナを備えた電波受信機器であれば、この不導体からなる外装部分から、アンテナにより、情報を有する電波を受信することができる。
また、本発明の電波受信機器は、前記アンテナカバー体の延設部が、前記外装の不導体である部分と平面的に重なるように配置されていることを特徴とする。
このようにアンテナカバー体の延設部が、前記外装の不導体である部分と平面的に重なるように配置されているので、この不導体である部分から、アンテナにより、情報を有する電波を受信することができる。
また、本発明の電波受信機器は、前述のいずれか1つに記載の電波受信機器であって、
前記電波受信機器の外装は、裏蓋と、該裏蓋および風防ガラスと嵌合する時計ケースとを有し、
文字盤または時刻表示手段を備えた電波修正時計であることを特徴とする。
このように構成することによって、電波修正時計において、アンテナから外部に出る磁束総量を減らすことができ、渦電流損失による受信感度の低下を防ぐことができるとともに、アンテナの受信性能を向上させることが可能となる。
本発明によれば、アンテナ本体をアンテナカバー体のアンテナ本体収容部に収容した状態で、アンテナ本体の少なくとも一面が、アンテナカバー体で覆われることになる。
しかも、この状態で、アンテナ本体の端部と、アンテナカバー体のアンテナ本体収容部とが、接するか、または、磁気的に結合している状態である。
従って、外部からの磁束が、アンテナカバー体に入り、アンテナカバー体のアンテナ本体収容部から、これに接するか、または、磁気的に結合している状態で、アンテナカバー体のアンテナ本体収容部に収容されたのアンテナ本体の端部から、アンテナ本体の磁性コアに入り、その結果、コイルにて電流が発生し、コイルと外部に付加したコンデンサで共振して、Q倍の共振電流が発生する。
この共振電流によってコイルには磁束が生じるが、アンテナ本体をアンテナカバー体のアンテナ本体収容部に収容した状態で、アンテナ本体の少なくとも一面が、アンテナカバー体で覆われるので、アンテナ本体からの磁束が外部に洩れ難くなり、アンテナに近接配置された金属を貫かず、渦電流の発生を防止することができ、渦電流損失による受信感度の低下を防ぐことができる。
従って、例えば、小型軽量化が要求される腕時計内部の機構部品に配慮した形状のアンテナにおいても適用可能であり、アンテナから外部に出る磁束総量を減らして、渦電流損失による受信感度の低下を防ぐことができるとともに、アンテナの受信性能を向上させることが可能となる。
また、本発明によれば、平板形状のアンテナ本体巻き付け部と、このアンテナ本体巻き付け部の端部から、磁性コアから離間する方向に延設された平板形状の延設部とを備えたアンテナカバー体を板状に成形しておき、アンテナ本体巻き付け部を、アンテナ本体の端部の周囲に巻き付けることによって、アンテナ本体収容部が形成され、アンテナ本体を収容することができる。
従って、このような平板形状のアンテナカバー体を成形して、アンテナ本体に巻き付けるだけで、簡単にかつ大量にアンテナを作製することができ、製造工程を簡略化することができるとともにコストを低減することができる。
しかも、平板形状のアンテナカバー体を、例えば、アモルファスのような高透磁率の薄膜材料を積層した板状構造とすることができ、アンテナ本体からの磁束が外部に洩れ難くなり、アンテナに近接配置された金属を貫かず、渦電流の発生を防止することができ、渦電流損失による受信感度の低下を防ぐことができる。
また、アンテナ本体巻き付け部の端部から、磁性コアから離間する方向に延設された平板形状の延設部によって、磁束を多く集めることができ、いわゆる集磁束作用に優れることになる。従って、例えば、腕時計に適用した場合に、風防ガラス側、裏蓋側、時計ケース側面の方向からの磁束をより多く収集することができ、受信感度に優れた受信アンテナを構成することができる。
これによって、電波修正時計を小型化することができるとともに、時刻表示機能の精度を向上することができる。
従って、本発明によれば、渦電流損の削減と、カバー部分を別体にすることによって生じる製造コストの増大の削減と、位置決めの精度向上が可能となり、アンテナのインダクタンス等の諸特性にばらつきが少ない、低コスト、且つ高性能なアンテナを提供することが可能となる。
図1は、本発明のアンテナを電波修正時計に適用した実施例の分解斜視図である。 図2は、図1のアンテナを電波修正時計に組み込んだ様子を説明する上面概略図である。 図3は、図1のアンテナの別の実施例を示す分解斜視図である。 図4は、図1のアンテナの別の実施例を示す分解斜視図である。 図5は、本発明のアンテナを電波修正時計に適用した別の実施例の分解斜視図である。 図6は、図5のアンテナの別の実施例を示す分解斜視図である。 図7は、図5のアンテナの別の実施例を示す分解斜視図である。 図8は、本発明のアンテナを電波修正時計に適用した別の実施例の分解斜視図である。 図9は、図8のA方向端面図である。 図10は、図8のB−B線での断面図である。 図11は、図8のアンテナカバー体の展開図である。 図12は、図8のアンテナの組み立て状態を説明する概略図である。 図13は、図8のアンテナの別の実施例を示すA方向端面図である。 図14は、図8のアンテナの別の実施例を示すB−B線での断面図である。 図15は、図8のアンテナの別の実施例を示すB−B線での断面図である。 図16は、本発明のアンテナを電波修正時計に適用した別の実施例の分解斜視図である。 図17は、図16のA方向端面図である。 図18は、図16のB−B線での断面図である。 図19は、図16のアンテナカバー体の展開図である。 図20は、図16のアンテナの組み立て状態を説明する概略図である。 図21は、図16のアンテナの別の実施例を示す図である。 図22は、本発明のアンテナを電波修正時計に適用した別の実施例の分解斜視図である。 図23は、図22のA方向端面図である。 図24は、図22のアンテナカバー体の展開図ある。 図25は、図22のアンテナの組み立て状態を説明する概略図である。 図26は、本発明のアンテナのアンテナカバー体の別の実施例を示す展開図ある。
符号の説明
1 アンテナ
2 アンテナ本体
2d 軸線
4 アンテナ本体収容部
6 アンテナカバー体
8 磁性コア
8a 内側面
8b 底面
8c 外側面
8d 軸線
10 巻線部
12 コア延設部
12a 内側面
12b 底面
12c 外側面
14 アンテナカバー本体部
16、18 端面
20 延設部
22 時計外装
24 コア延設末端部
26 コア延設末端収容部
30 第1のアンテナカバー分割体
31、33 突設部
32 第2のアンテナカバー分割体
34 第1の切欠部
36 第2の切欠部
38、40 アンテナカバー分割体
42 アンテナ本体巻き付け部
42a 内側面
42b 底面
42c 外側面
44 端部
46 延設部
50 切欠部
52 端部被覆部
54 連結部
58 スリット
60 開口部
a、b、c 折り曲げ線
以下、本発明の実施例(実施形態)を図面に基づいてより詳細に説明する。本発明の実施例では、本発明のアンテナを備えた電波受信機器の一例として、電波修正時計を用いる例を説明する。
[アンテナの形状の説明1:図1,図2,図3]
図1は、本発明のアンテナを電波修正時計に適用した実施例の分解斜視図、図2は、図1のアンテナを電波修正時計に組み込んだ様子を説明する上面概略図である。図3は、本発明のアンテナを電波修正時計に適用した別の実施例の分解斜視図である。
図1において、符号1は、全体で本発明のアンテナを示している。アンテナ1は、アンテナ本体2と、このアンテナ本体を収容するアンテナ本体収容部4が形成されたアンテナカバー体6とを備えるものである。図2おいて、22は、時計外装を示している。
アンテナ本体2は、略柱状の磁性コア8を備えており、この磁性コア8の周囲に導線が巻回される巻線部10が形成されている。また、アンテナ本体2は、アンテナ本体2の端部に、磁性コア8を延設した略矩形板形状のコア延設部12を備えている。
この場合、アンテナ本体2の磁性コア8とコア延設部12とは、一体的に形成されており、略同じ透磁率の材料、例えば、フェライトなどの軟磁性材料などで構成している。
なお、この実施例の場合には、アンテナ本体2の磁性コア8とコア延設部12とは、一体的に形成したが、磁性コア8とコア延設部12とを、別体で形成しても良い。すなわち、磁性コア8とコア延設部12とが、これらが接するか、または、磁気的に結合していれば良い。
この場合、本明細書中、「接する」とは、当接している状態を意味し、「磁気的に結合している」とは、当接している状態、近接している状態のいずれの場合にも磁束が流れる状態を意味する。
一方、アンテナカバー体6は、アンテナカバー本体部14を備えており、このアンテナカバー本体部14に、内側に開口した凹部から構成したアンテナ本体収容部4が形成されている。
なお、以下の明細書では、「内側」、「外側」とは、アンテナ1が装着される胴部の外装に対する方向を言う。
このアンテナ本体収容部4は、アンテナ本体2を収納する際に、コア延設部12の端面16と、アンテナ本体収容部4の端面18とが嵌合するようになっている。
このとき、アンテナ本体2は、コア延設部12を介して、アンテナカバー体6に磁気的に結合するように構成されている。
すなわち、アンテナ本体2の端部であるコア延設部12の端面16と、アンテナカバー体6のアンテナ本体収容部4の端面18とが、接するか、または、磁気的に結合している。
また、アンテナカバー体6は、アンテナ本体収容部4から、すなわち、アンテナカバー本体部14の両端部から延設した延設部20を備えている。これらの延設部20は、図2に示すように、時計外装22の内壁に沿って湾曲した形状を有している。
この実施例の場合、アンテナカバー体6は、アンテナカバー本体部14と延設部20とは一体的に形成されている。しかしながら、アンテナカバー本体部14と延設部20とは、別体で形成しても良い。すなわち、アンテナカバー本体部14と延設部20とが、これらが接するか、または、磁気的に結合していれば良い。
なお、アンテナカバー体6は、アンテナ本体2のコア延設部12と、略同じ透磁率を有する、例えば、例えば、フェライトなどの軟磁性材料などで構成している。
図2に示すように、この実施例では、本発明のアンテナ1を電波修正時計に組み込んだ状態で、アンテナカバー体6のアンテナカバー本体部14と延設部20は、時計外装22の内壁に沿って湾曲した形状に構成されている。
しかしながら、アンテナカバー体6の形状は、時計の形状に応じて自由に選択することができ、制約のある腕時計内部でアンテナカバー体6を容易に大きくすることが可能である。これにより磁束を広く集めることが可能となり感度の向上が行われる。
このような構成とすることにより、アンテナ本体収容部4にアンテナ本体2が収納された状態では、時計外装の影響を最も受け易い胴や裏蓋の方向が、アンテナカバー体6で覆われているため、アンテナ本体収容部4に磁束がより多く流れる効果が現れ、その結果として、アンテナ本体2からの磁束が外部に洩れ難くなり渦電流損失による受信感度の低下を防ぐことができる。
すなわち、アンテナ本体2をアンテナカバー体6のアンテナ本体収容部4に収容した状態で、アンテナ本体2の少なくとも一面が、アンテナカバー体6で覆われることになる。
しかも、この状態で、アンテナ本体2の端部と、アンテナカバー体6のアンテナ本体収容部4とが、接するか、または、磁気的に結合している状態である。
従って、外部からの磁束が、アンテナカバー体6に入り、アンテナカバー体6のアンテナ本体収容部4から、これに接するか、または、磁気的に結合している状態で、アンテナカバー体6のアンテナ本体収容部4に収容されたのアンテナ本体2の端部から、アンテナ本体2の磁性コア8に入り、その結果、コイルにて電流が発生し、コイルと外部に付加したコンデンサで共振して、Q倍の共振電流が発生する。
この共振電流によってコイルには磁束が生じるが、アンテナ本体2をアンテナカバー体6のアンテナ本体収容部4に収容した状態で、アンテナ本体の少なくとも一面が、アンテナカバー体で覆われるので、アンテナ本体2からの磁束が外部に洩れ難くなり、アンテナ1に近接配置された金属(時計外装22)を貫かず、渦電流の発生を防止することができ、渦電流損失による受信感度の低下を防ぐことができる。
従って、例えば、小型軽量化が要求される腕時計内部の機構部品に配慮した形状のアンテナにおいても適用可能であり、アンテナから外部に出る磁束総量を減らして、渦電流損失による受信感度の低下を防ぐことができるとともに、アンテナの受信性能を向上させることが可能となる。
さらに、このようにアンテナ本体2の端部に、磁性コア8を延設したコア延設部12を備えることによって、より広い面積でアンテナカバー体6と接することができ、アンテナ本体2の端部と、アンテナカバー体6のアンテナ本体収容部4とが、接するか、または、磁気的に結合し易くなり、アンテナ本体2からの磁束が外部に洩れ難くなり、アンテナに近接配置された金属を貫かず、渦電流の発生を防止することができ、渦電流損失による受信感度の低下を防ぐことができる。
しかも、磁性コア8を作製する際にも、コア延設部12を支持して巻線を巻き付けることができ、アンテナ本体の作製が容易になる。
また、アンテナ本体収容部4から延設した延設部20によって、磁束を多く集めることができ、いわゆる集磁束作用に優れることになる。従って、例えば、腕時計に適用した場合に、風防ガラス側、裏蓋側、時計ケース側面の方向からの磁束をより多く収集することができ、受信感度に優れた受信アンテナを構成することができる。
これによって、電波修正時計を小型化することができるとともに、時刻表示機能の精度を向上することができる。
なお、上記実施例では、アンテナ本体収容部4が、アンテナカバー体6に内側に開口する凹部で形成したが、アンテナ本体2の少なくとも一面が、アンテナカバー体6で覆われていれば良く、例えば、図3に示すように、上側に開口する凹部からアンテナ本体収容部4を形成するなど、図示しないが、その開口位置は、外側、下側など適宜変更することができる。
また、上記実施例では、アンテナ本体収容部4が、アンテナカバー体6に内側に開口する凹部で形成したが、開口(貫通穴)により構成することもできる。この場合にも貫通位置としては、特に限定されるものではなく、上下方向、斜め方向など適宜変更することができる。
このようにアンテナ本体収容部4が、アンテナカバー体6に形成した凹部または開口により構成されていれば、アンテナ本体2をアンテナ本体収容部4に容易に収容することができ、アンテナの組み立て工程を簡略化することができる。
さらに、上記実施例では、アンテナ本体2と、アンテナカバー体6とを、略同じ透磁率の材料、例えば、フェライトなどの軟磁性材料などで構成したが、例えば、アモルファスなどの高透磁率の薄膜材料を積層して構成することもできる。例えば、磁性コア8、コア延設部12をフェライトなどの軟磁性材料などとし、アンテナカバー体6をアモルファスのような高透磁率の薄膜材料を積層した板状構造として、これらを組み合わせて構成することも可能である。
さらに、上記実施例では、アンテナカバー体6の延設部20を、アンテナカバー本体部14の端部から両方向に延設してあるが、図示しないが、もちろんいずれか一方のみの延設部20とすることも可能である。
このようなアンテナ本体2の磁束の捕捉効果においては、好ましくは、アンテナカバー体6と磁性コア8とが略同じ透磁率で構成されており、同じく磁性コア8とコア延設部12とが一体で略同じ透磁率で構成されていること、さらに、磁性コア8とコア延設部12とアンテナカバー体6とが磁気的に結合していることが望ましい。
これにより、アンテナ本体2とアンテナカバー体6とが一体の電波修正時計用アンテナとして作用し、磁性コア8およびコア延設部12だけで構成する従来知られているアンテナと比して、より大きなアンテナを得ることが可能となる。
[アンテナの形状の説明2:図4]
さらに、上記実施例では、略矩形板形状のコア延設部12としたが、コア延設部12の形状は、図1に示すものに限定するものではなく、適宜変更することが可能である。
図4は、図1のアンテナの別の実施例を示す分解斜視図である。図4おいて、24は、コア延設末端部を示し、26は、コア延設末端収容部を示している。
例えば、図4に示す実施例では、コア延設部12の端部とアンテナ本体収容部4の端部とは、平面ではなく立体的に接するようになっている。
すなわち、略矩形板形状のコア延設部12の端部に、略三角板形状のコア延設末端部24を形成するとともに、アンテナカバー体6のアンテナ本体収容部4の端部に、このコア延設末端部24と相補的な形状を有するコア延設末端収容部26を形成した構成である。
このようにする構成することによって、アンテナ本体2とアンテナカバー体6とは、より広い面積でアンテナカバー体6と接することができ、アンテナ本体2の端部と、アンテナカバー体6のアンテナ本体収容部4とが、接するか、または、磁気的に強固に結合し易くなり、アンテナ本体2からの磁束が外部に洩れ難くなり、アンテナに近接配置された金属を貫かず、渦電流の発生を防止することができ、渦電流損失による受信感度の低下を防ぐことができる。
[アンテナの形状の説明3:図5,図6,図7]
図5は、本発明のアンテナを電波修正時計に適用した別の実施例の分解斜視図である。図5において、30は、第1のアンテナカバー分割体、32は、第2のアンテナカバー分割体である。また、34は、第1の切欠部、36は、第2の切欠部である。図6において、38は、第3のアンテナカバー分割体、40は、第4のアンテナカバー分割体である。図7において、31,33は、突設部である。
この実施例のアンテナ1は、図1に示す構成と基本的には同様な構成であり、同一の構成部材には、同一の参照番号を付して、その詳細な説明を省略する。
この実施例のアンテナ1では、アンテナカバー体6が、上下一対のアンテナカバー分割体、すなわち、上側の第1のアンテナカバー分割体30と、下側の第2のアンテナカバー分割体32とから構成されている。
なお、第1のアンテナカバー分割体30と第2のアンテナカバー分割体32とは、略同じ透磁率の材料から構成されている。
第1のアンテナカバー分割体30は、第1の切欠部34を有し、第2のアンテナカバー分割体32は、第2の切欠部36を有している。
アンテナ本体2のコア延設部12は、すでに説明した実施例とは異なり、平板形状を有している。
すなわち、この実施例では、アンテナ本体2のコア延設部12は、第1のアンテナカバー分割体30と第2のアンテナカバー分割体32との延設部20の形状と同様な湾曲した平板形状を有している。
なお、この実施例では、磁性コア8とコア延設部12とは、一体に形成されているが、接するか、または、磁気的に結合しているならば、別体で形成しても良い。
第1のアンテナカバー分割体30と第2のアンテナカバー分割体32とを組み合わせることで、第1の切欠部34と第2の切欠部36とでアンテナ本体収容部4を構成する。
2つの切欠部で構成したアンテナ本体収容部4に、アンテナ本体2の巻線部10と磁性コア8とが収納される。
アンテナ本体2は、第1のアンテナカバー分割体30と第2のアンテナカバー分割体32とで挟持される。図5では、図面の上下方向からアンテナ本体2を挟み込むようにして、アンテナ本体2はアンテナカバー体に収納される。特に、コア延設部12は平板形状であって、2つのアンテナカバー体に挟まれる。
従って、アンテナ本体2とアンテナカバー体6とは、コア延設部12の上下2面で接することになり、より広い面積でアンテナカバー体6と接することができる。
磁性コア8、コア延設部12、第1のアンテナカバー分割体30、第2のアンテナカバー分割体32は、特に限定しないが、アモルファスのような高透磁率の薄膜材料を積層した板状構造とすることができる。
しかしながら、例えば、磁性コア8、コア延設部12をフェライトなどの軟磁性材料などとし、第1のアンテナカバー分割体30、第2のアンテナカバー分割体32をアモルファスのような高透磁率の薄膜材料を積層した板状構造として、これらを組み合わせて構成することも可能である。
なお、この実施例では、アンテナカバー体6が、上下一対のアンテナカバー分割体、すなわち、上側の第1のアンテナカバー分割体30と、下側の第2のアンテナカバー分割体32とから構成したが、少なくとも上下一対のアンテナカバー分割体から構成されていれば良く、アンテナカバー分割体の数は、特に限定されるものではない。
このように構成することによって、第1のアンテナカバー分割体30,第2のアンテナカバー分割体32を組み付けるだけで、アンテナカバー体6を構成できるとともに、第1の切欠部34,第1の切欠部36によって、アンテナ本体収容部4を同時に構成することができる。
従って、例えば、時計外装の内壁の形状、すなわち、円周に沿った形状の磁性コア8などを収容するアンテナ本体収容部4が形成された、複雑な形状のアンテナを簡単に作製することができる。
しかも、このような第1のアンテナカバー分割体30,第2のアンテナカバー分割体32を、例えば、アモルファスのような高透磁率の薄膜材料を積層した板状構造とすることができ、アンテナ本体2からの磁束が外部に洩れ難くなり、アンテナに近接配置された金属を貫かず、渦電流の発生を防止することができ、渦電流損失による受信感度の低下を防ぐことができる。
また、第1のアンテナカバー分割体30,第2のアンテナカバー分割体32を組み付けることによって、コア延設部12を挟持するので、これらのアンテナカバー分割体を組み付けるだけで、アンテナカバー体6を構成できるとともに、アンテナ本体収容部4を形成する第1の切欠部34,第2の切欠部36内にアンテナ本体2を収容することができるので、アンテナの組み立て工程を簡略化することができる。
しかも、例えば、時計外装の内壁の形状、すなわち、円周に沿った形状の磁性コアを作製する際にも、このような挟持部を構成するコア延設部12を支持して巻線を巻き付けることができ、アンテナ本体2の作製が容易になる。
なお、上記実施例では、上側の第1のアンテナカバー分割体30,下側の第2のアンテナカバー分割体32にそれぞれ、第1の切欠部34,第2の切欠部36を形成したので、アンテナ本体収容部4の上下面は開放された状態となっているが、例えば、図6の別の実施例に示したように、アンテナカバー分割体をさらに分割して設けても良い。図6に示す例では、最上側に第3のアンテナカバー分割体38、または最下側に第4のアンテナカバー分割体40を設け、これらのうち少なくとも一方(この実施例では両方)には、切欠部が形成されていないように構成することができる。
このように構成することによって、切欠部が形成されていない最上側の第3のアンテナカバー分割体38、または最下側の第4のアンテナカバー分割体40によって、アンテナ本体2の少なくとも上下面が、アンテナカバー体6で覆われるので、アンテナ本体2からの磁束が外部にさらに洩れ難くなり、アンテナに近接配置された金属を貫かず、渦電流の発生を防止することができ、渦電流損失による受信感度の低下をより効果的に防ぐことができる。
なお、図5の実施例のアンテナ1では、アンテナカバー分割体30、32を組み付けた際に、アンテナ本体収容部4の外側の壁部に開口が形成されることになる。渦電流損失をより低減するために、この開口を設けないようにするようにしても良い。例えば、図7に示すように、第1のアンテナカバー分割体30の第1の切欠部34に下方に延設した突設部31と、第2のアンテナカバー分割体32の第2の切欠部36に上方に延設した突設部33とを形成しておき、第1のアンテナカバー分割体30,第2のアンテナカバー分割体32を組み付けた際に、これらの突設部31,33が当接して、アンテナ本体収容部4の外側の壁部に開口が形成されないようにすれば良い。
[アンテナカバーの形状の説明4:図8〜図12、図13〜図15]
図8は、本発明のアンテナを電波修正時計に適用した別の実施例の分解斜視図、図9は、図8のA方向端面図、図10は、図8のB−B線での断面図、図11は、図8のアンテナカバー体の展開図、図12は、図8のアンテナの組み立て状態を説明する概略図である。
この実施例のアンテナ1は、図1に示す構成と基本的には同様な構成であり、同一の構成部材には、同一の参照番号を付して、その詳細な説明を省略する。
この実施例のアンテナ1では、図8に示すように、アンテナカバー体6が平板形状であって、略矩形の平板形状のアンテナ本体巻き付け部42と、このアンテナ本体巻き付け部42の端部44から、磁性コア8から離間する方向に延設された湾曲した略矩形形状の平板形状の延設部46とから構成されている。
また、図9,図10に示すように、磁性コア8の外装に近接する面である、内側面8aと底面8bの2箇所を覆う、アンテナ本体巻き付け部42は、延設部46と両端の一部48とで繋がれた状態となっている。
そして、アンテナ本体巻き付け部42を、アンテナ本体2の端部の周囲に巻き付けることによって、アンテナ本体収容部4が形成され、アンテナ本体2を収容するように構成されている。
すなわち、図11に示すように、このような平板形状のアンテナカバー体6を板状に成形しておき、アンテナ本体巻き付け部42を、アンテナ本体2の端部の周囲に巻き付けることによって、アンテナ本体収容部4が形成され、アンテナ本体2を収容することができるように構成されている。
また、アンテナ本体巻き付け部42の端部44から延設した2つの延設部46の間には、切欠部50が形成されており、延設部46同士が相互に平面的に重ならないように設けられている。
すなわち、延設部46同士が相互に平面的に重なっていると、標準電波を受信し、一方の延設部から流入した磁束が、他方の延設部へ流れ出てしまい、磁性コア8へ磁束が流れにくくなってしまい、電波の受信感度が低下してしまうことになる。
これに対して、本発明のアンテナ1では、延設部46同士が相互に平面的に重ならないように設けられているので、このような延設部46間での磁束の流れを防止することができ、電波の受信感度の低下を防止することができる。
このように構成される本発明のアンテナ1を組み立てるには、図9,図11,図12に示すように、平板状のアンテナカバー体6の下方にアンテナ本体2を位置させて(図12の一点鎖線参照)、アンテナ本体巻き付け部42を、図12の矢印で示すように、延設部46から折り曲げ線aで略90°下方に折り曲げて、アンテナ本体巻き付け部42の内側面42aが、磁性コア8の内側面8aに対峙する、すなわち、アンテナ本体2のコア延設部12の内側面12aと当接するようにする(図12の点線参照)。
さらに、アンテナ本体巻き付け部42を、図12の矢印で示すように、折り曲げ線aで略90°外側に水平に折り曲げて、アンテナ本体巻き付け部42の底面42bが、磁性コア8の底面8bと対峙する、すなわち、アンテナ本体2のコア延設部12の底面12bと当接するようにする。
これにより、アンテナ本体収容部4が形成され、アンテナ本体2を収容することができる。
また、このように組み立てた状態では、延設部46の少なくとも一部が、アンテナ本体2の端部と接するか、または、磁気的に結合しているように構成されている。
すなわち、図8〜図10に示すように、延設部46で捕捉された磁束は、フェライトなどの軟磁性材料からなる磁性コア8を通じて流れる。一方、アンテナ本体巻き付け部42の方にも、延設部46からの磁束が流れるが、アンテナ本体巻き付け部42と延設部46は、両端の一部48だけで繋がっている状態(アンテナ本体2の端部と接するか、または、磁気的に結合している状態)であり、しかも、鋭角な折り曲げ構造であるので、磁束の多くは磁性コアの方を流れることになる。
一方、磁性コア8を流れる磁束と巻線によって発生する起電力によって生じる磁束が、周辺にある、例えば、腕時計などの金属外装などの金属部材を貫くことによって、渦電流損失が生じるが、この渦電流損失は、磁性コア8と近接して配置された外装より透磁率が遙かに高いアンテナ本体巻き付け部42に、発生した磁束が流れ込むことにより、金属部材を貫く磁束が減り、その結果、渦電流損失が低減されることになる。
このように構成することによって、このような平板形状のアンテナカバー体6を成形して、アンテナ本体2に巻き付けるだけで、簡単にかつ大量にアンテナを作製することができ、製造工程を簡略化することができるとともにコストを低減することができる。
しかも、平板形状のアンテナカバー体6を、例えば、アモルファスのような高透磁率の薄膜材料を積層した板状構造とすることができ、アンテナ本体2からの磁束が外部に洩れ難くなり、アンテナに近接配置された金属を貫かず、渦電流の発生を防止することができ、渦電流損失による受信感度の低下を防ぐことができる。
また、アンテナ本体巻き付け部42の端部44から、磁性コア8から離間する方向に延設された平板形状の延設部46によって、磁束を多く集めることができ、いわゆる集磁束作用に優れることになる。従って、例えば、腕時計に適用した場合に、風防ガラス側、裏蓋側、時計ケース側面の方向からの磁束をより多く収集することができ、受信感度に優れた受信アンテナを構成することができる。
これによって、電波修正時計を小型化することができるとともに、時刻表示機能の精度を向上することができる。
なお、上記実施例では、図9に示すように、アンテナ本体巻き付け部42が、内側面42a、底面42bのみを有しているが、図13(A)に示すように、磁性コア8の外側面8cを覆う、すなわち、アンテナ本体2のコア延設部12の外側面12cを覆う外側面42cを有するようにしても良い。
また、図13(B)に示すように、底面42bを途中まで延設した構成、図13(C)に示すように、外側面42cを途中まで延設した構成とすることも可能である。
さらに、図14(A)に示すように、上下を逆にすることも可能であり、図14(B)に示すように、延設部46をアンテナ本体巻き付け部42の端部44からそれぞれ上下方向に2枚ずつ延設することも可能である。
このように構成することによって、延設部46が、アンテナ本体巻き付け部42の両端からそれぞれ少なくとも2つずつ延設されているので、これらのアンテナ本体収容部4から延設した延設部46によって、磁束をより多く集めることができ、いわゆる集磁束作用にさらに優れることになる。
従って、例えば、腕時計に適用した場合に、風防ガラス側、裏蓋側、時計ケース側面の方向からの磁束をより多く収集することができ、受信感度に優れた受信アンテナを構成することができる。
これによって、電波修正時計を小型化することができるとともに、時刻表示機能の精度を向上することができる。
なお、この場合、図示しないが、一方側を1枚、他方側を2枚にするなど、延設部46の数、配置位置は、特に限定されるものではない。また、図示しないが、延設部46を一方側において2枚設ける場合に、上下に設ける代わりに、水平に位置をずらして設けることも可能である。
また、上記実施例では、図10に示すように、アンテナ本体巻き付け部42が、内側面42a、底面42bのみを有しているが、図15(A)に示すように、アンテナ本体2の端部を覆う端部被覆部52を備えることも可能である。端部被覆部52は、アンテナ本体2の片方の端部のみを覆うようにすることも可能である。
このように構成することによって、アンテナ本体2の端部面を覆う端部被覆部52によって、アンテナ本体2が支持されることになり、アンテナ本体巻き付け部42によって形成されたアンテナ本体収容部4から抜け落ちたり、移動するのを防止することができる。
なお、この場合、図15(B)に示すように、アンテナ本体2のコア延設部12を断面略台形形状にすることによって、端部被覆部52を有していても、磁束の多くを磁性コアの方を流れるようにすることが可能である。
従って、図15(C)に示すように、端部被覆部52を有していない場合にも、アンテナ本体2のコア延設部12を断面略台形形状にすることによって、磁束の多くを磁性コアの方を流れるようにすることが可能である。
また、上記実施例では、平板形状のアンテナカバー体6は、例えば、アモルファスのような高透磁率の薄膜材料を積層した板状構造とすることができ、アンテナ本体からの磁束が外部に洩れ難くなり、アンテナに近接配置された金属を貫かず、渦電流の発生を防止することができ、渦電流損失による受信感度の低下を防ぐことができる。
[アンテナカバーの形状の説明5:図16〜図21]
図16は、本発明のアンテナを電波修正時計に適用した別の実施例の分解斜視図、図17は、図16のA方向端面図、図18は、図16のB−B線での断面図、図19は、図16のアンテナカバー体の展開図、図20は、図16のアンテナの組み立て状態を説明する概略図である。
この実施例のアンテナ1は、図8〜図12に示す構成と基本的には同様な構成であり、同一の構成部材には、同一の参照番号を付して、その詳細な説明を省略する。
この実施例のアンテナ1では、アンテナ本体巻き付け部42が、アンテナ本体2の端部の周囲に巻き付けた状態で、アンテナ本体2の端部の少なくとも一部と離間している。
すなわち、図16,図19に示すように、アンテナ本体巻き付け部42と平板形状の延設部46との間に、連結部54を形成している。
これにより、組み立てた状態で、図17,図18に示すように、アンテナ本体巻き付け部42の内側面42aと、アンテナ本体2のコア延設部12の内側面12aとが離間、すなわち、アンテナ本体巻き付け部42の内側面42aと、磁性コア8の内側面8aとが離間している。また、アンテナ本体巻き付け部42の底面42bと、アンテナ本体2のコア延設部12の底面12bとが離間、すなわち、アンテナ本体巻き付け部42の底面42bと、磁性コア8の底面8bとが離間している。
なお、この場合、アンテナ本体2自体は、例えば、電波修正時計の場合には、時計用ムーブメントに形成した支持部材で別途支持されるようになっている。時計用ムーブメントとは、電池や時計動作に必要な計時回路などの回路要素を1ユニットにまとめた複合部品をいい、このように支持部材を含む。また、文字盤や液晶表示装置などの時刻表示手段も含むこともある。
また、上記の離間距離としては、特に限定されるものではなく、磁束の多くを磁性コアの方を流れるようにする効果を考慮して適宜決定すれば良い。
このように構成される本発明のアンテナ1を組み立てるには、図17,図19,図20に示すように、平板状のアンテナカバー体6の下方にアンテナ本体2を位置させて(図20の一点鎖線参照)、図20の矢印で示すように、アンテナ本体巻き付け部42を、延設部46から連結部54の折り曲げ線aで略45°下方に折り曲げる(図20の二点鎖線参照)。さらに、図20の矢印で示すように、連結部54の折り曲げ線bで鉛直方向に折り曲げる(図20の点線参照)。
これにより、アンテナ本体巻き付け部42の内側面42aが、磁性コア8の内側面8aに対峙する、すなわち、アンテナ本体2のコア延設部12の内側面12aとが一定間隔で離間するようにする。
さらに、アンテナ本体巻き付け部42を、図20の矢印で示すように、折り曲げ線cで略90°外側に水平に折り曲げて、アンテナ本体巻き付け部42の底面42bが、磁性コア8の底面8bと対峙する、すなわち、アンテナ本体2のコア延設部12の底面12bとが一定間隔で離間するようにする。
これにより、アンテナ本体収容部4が形成され、アンテナ本体2を収容することができる。
また、このように組み立てた状態では、延設部46の両端の一部だけで細長く繋がっている状態(符号56の部分)で、アンテナ本体2の端部と接するか、または、磁気的に結合しているように構成されている。
このように構成することによって、延設部46で捕捉された磁束は、フェライトなどの軟磁性材料からなる磁性コア8を通じて流れる。一方、アンテナ本体巻き付け部42の方にも、延設部46からの磁束が流れるが、アンテナ本体巻き付け部42と延設部46は、両端の一部だけで細長く繋がっている状態(符号56の部分)(アンテナ本体の端部と接するか、または、磁気的に結合している状態)であり、磁束の多くは磁性コア8の方を流れることになる。
一方、磁性コア8を流れる磁束と巻線によって発生する起電力によって生じる磁束が周辺にある、例えば、腕時計などの金属外装などの金属部材を貫くことによって、渦電流損失が生じるが、この渦電流損失は、磁性コア8と近接して配置された外装より透磁率が遙かに高いアンテナ本体巻き付け部42が、磁性コア8とは接しておらず離間しているが、金属外装と磁性コア8との間に存在しているので、発生した磁束が、アンテナ本体巻き付け部42に流れ込むことにより、金属部材を貫く磁束が減り、その結果、渦電流損失が低減されることになる。
なお、図21(A),(B)に示すように、磁性コア8の軸線8dと、アンテナ本体2の端部の軸線2dとが一致しないように構成することもできる。
このように構成することによって、アンテナカバー体6と延設部46との磁気的な結合が、物理的にも離されることになるので、磁束のより多くが磁性コア8の方を流れ、受信感度に優れることになる。
さらに、図21(C)に示すように、磁性コア8の軸線8dと、アンテナ本体2の端部の軸線2dとが一致しないように構成するとともに、アンテナ本体2のコア延設部12を断面略台形形状にすることによって、磁束の多くを磁性コアの方を流れるようにすることが可能である。
[アンテナカバーの形状の説明6:図22〜図]
図22は、本発明のアンテナを電波修正時計に適用した別の実施例の分解斜視図、図23は、図22のA方向端面図、図24は、図22のアンテナカバー体の展開図、図25は、図22のアンテナの組み立て状態を説明する概略図である。
この実施例のアンテナ1は、図16〜図20に示す構成と基本的には同様な構成であり、同一の構成部材には、同一の参照番号を付して、その詳細な説明を省略する。
この実施例のアンテナ1では、アンテナ本体巻き付け部42を、アンテナ本体2の周囲に、曲面形状に折り曲げることによって、略円筒形状となって、アンテナ本体2の側部を覆う構成にしたものである。
この様な形状は、平板形状のアンテナカバー体6として、鋭角に折り曲げことが困難な、例えば、脆性の高い焼鈍したアモルファス積層膜を使用する場合に好適である。
このように構成される本発明のアンテナ1を組み立てるには、図24,図25に示すように、平板状のアンテナカバー体6の下方にアンテナ本体2を位置させて(図25の一点鎖線参照)、アンテナ本体巻き付け部42を、図25の矢印で示したように、アンテナ本体2の周囲に、曲面形状に折り曲げるようにすれば良い。
以上の実施例では、アンテナ本体巻き付け部42を平板形状としたが、図26(A)〜(C)のアンテナカバー体6の展開図に示したように、アンテナ本体巻き付け部42に、スリット58、または開口部60を形成するようにしても良い。
すなわち、図26(A)のアンテナカバー体6では、アンテナ本体巻き付け部42に、アンテナ本体2の軸線方向に垂直な略矩形状のスリット58を一定間隔で離間して形成している。
また、図26(B)のアンテナカバー体6では、アンテナ本体巻き付け部42に、アンテナ本体2の軸線方向に交差する(垂直な)スリット58を一定間隔で離間して形成して、アンテナ本体巻き付け部42を櫛歯形状に構成している。
さらに、図26(C)のアンテナカバー体6では、アンテナ本体巻き付け部42に、略円形状の開口部60を一定間隔で離間して形成している。
この場合、スリットの数、形状、配置位置は、アンテナ本体巻き付け部42に磁束が流れにくくするようにすれば良く、特に限定されるものではない。
このようにアンテナ本体巻き付け部42に、スリット58または開口部60が形成されているので、アンテナ本体巻き付け部42に磁束が流れにくくなり、磁束のより多くが磁性コア8の方を流れ、受信感度に優れることになる。
以上、本発明の好ましい実施の態様を説明してきたが、本発明はこれに限定されることはなく、例えば、上記実施例では、本発明のアンテナを電波式腕時計に適用した実施例を示したが、腕時計型ページャ、携帯電話、携帯テレビ、携帯ラジオなど、電波を利用して各種の情報を受信する電波受信機器に使用することも可能であるなど本発明の目的を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
本発明のアンテナは、磁束を集めるアンテナ本体をアンテナカバー体で覆う構成であるから、アンテナの周囲に金属が近接して配置されるような小型で高密度な電子機器に適用することができる。特に、小型の電波修正時計に好適である。

Claims (21)

  1. 柱状の磁性コアと、該磁性コアの周囲に導線が巻回される巻線部からなるアンテナ本体と、
    前記アンテナ本体を収容するアンテナ本体収容部が形成されたアンテナカバー体と、
    を備えるアンテナであって、
    前記アンテナ本体を前記アンテナカバー体に収容した状態で、前記アンテナ本体の少なくとも一面が、前記アンテナカバー体で覆われるとともに、
    前記アンテナ本体の端部と、前記アンテナカバー体のアンテナ本体収容部とが、接するか、または、磁気的に結合していることを特徴とするアンテナ。
  2. 前記アンテナ本体の端部に、前記磁性コアを延設したコア延設部を備えることを特徴とする請求項1に記載のアンテナ。
  3. 前記アンテナカバー体が、前記アンテナ本体収容部から延設した延設部を備えることを特徴とする請求項1または2のいずれか1つに記載のアンテナ。
  4. 前記アンテナ本体収容部が、前記アンテナカバー体に形成した凹部または開口により構成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載のアンテナ。
  5. 前記アンテナカバー体が、少なくとも上下一対のアンテナカバー分割体から構成され、
    前記アンテナカバー分割体には、前記アンテナ本体収容部を形成する切欠部が形成され、
    前記アンテナカバー分割体を組み付けることによって、前記切欠部により形成された前記アンテナ本体収容部内に、前記アンテナ本体を収容するように構成したこと特徴とする請求項1から4のいずれか1つに記載のアンテナ。
  6. 前記アンテナカバー分割体を組み付けることによって、前記コア延設部を挟持するように構成されていることを特徴とする請求項5に記載のアンテナ。
  7. 前記アンテナカバー分割体のうち、最上側または最下側の前記アンテナカバー分割体の少なくとも一方には、前記切欠部が形成されていないこと特徴とする請求項5または6のいずれか1つに記載のアンテナ。
  8. 前記アンテナカバー体が、
    平板形状のアンテナ本体巻き付け部と、
    前記アンテナ本体巻き付け部の端部から、前記磁性コアから離間する方向に延設された平板形状の延設部と、
    から構成される平板アンテナカバー体から構成され、
    前記アンテナ本体巻き付け部を、前記アンテナ本体の端部の周囲に巻き付けることによって、前記アンテナ本体収容部が形成され、前記アンテナ本体を収容するように構成されていることを特徴とする請求項1または2のいずれか1つに記載のアンテナ。
  9. 前記アンテナ本体巻き付け部を、前記アンテナ本体の端部の周囲に巻き付けた状態で、
    前記延設部の少なくとも一部が、前記アンテナ本体の端部と接するか、または、磁気的に結合していることを特徴とする請求項8に記載のアンテナ。
  10. 前記延設部が、前記アンテナ本体巻き付け部の両端からそれぞれ延設されているとともに、前記延設部同士が相互に平面的に重ならないように設けられていることを特徴とする請求項8または9のいずれか1つに記載のアンテナ。
  11. 前記延設部が、前記アンテナ本体巻き付け部の両端からそれぞれ少なくとも2つずつ延設されているとともに、異なる端部から延設された前記延設部同士が相互に平面的に重ならないように設けられていることを特徴とする請求項10に記載のアンテナ。
  12. 前記アンテナ本体巻き付け部の両端から少なくとも2つずつ延設されている前記延設部が、該延設部の厚さ方向に離間して設けられていることを特徴とする請求項11に記載のアンテナ。
  13. 前記アンテナ本体巻き付け部をアンテナ本体の端部の周囲に巻き付けた状態で、前記アンテナ本体巻き付け部が、前記アンテナ本体の端部面を覆う端部被覆部を備えることを特徴とする請求項8から12のいずれか1つに記載のアンテナ。
  14. 前記端部被覆部が、前記アンテナ本体の両端部面を覆うように形成されていることを特徴とする請求項13に記載のアンテナ。
  15. 前記アンテナ本体巻き付け部が、前記アンテナ本体の端部の周囲に巻き付けた状態で、前記アンテナ本体の端部の少なくとも一部と離間していることを特徴とする請求項8から14のいずれか1つに記載のアンテナ。
  16. 前記磁性コアの軸線と、前記アンテナ本体の端部の軸線とが一致しないように構成されていることを特徴とする請求項8から15のいずれか1つに記載のアンテナ。
  17. 前記アンテナ本体巻き付け部に、スリットまたは開口部が形成されていることを特徴とする請求項8から16のいずれか1つに記載のアンテナ。
  18. 前記アンテナは、情報を有する電波を受信する電波受信機器の内部に配置されることを特徴とする請求項1から17のいずれか1つに記載のアンテナ。
  19. 請求項18に記載のアンテナを、少なくとも一部が不導体からなる外装の内部に備えたことを特徴とする電波受信機器。
  20. 前記アンテナカバー体の延設部が、前記外装の不導体である部分と平面的に重なるように配置されていることを特徴とする請求項19に記載の電波受信機器。
  21. 請求項19から20のいずれか1つに記載の電波受信機器であって、
    該電波受信機器の外装は、裏蓋と、該裏蓋および風防ガラスと嵌合する時計ケースとを有し、
    文字盤または時刻表示手段を備えた電波修正時計であることを特徴とする電波受信機器。
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