JP2006275580A - 電波時計のケース構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】金属時計ケースを使用しても、何の支障もなく電波を受信することができ、防水品質および外観品質の向上並びにデザインバリエーションの拡大を図ることが可能な電波時計のケース構造を提供することにある。
【解決手段】このケース構造においては、アンテナ37と時計装置とを収納した時計ケース30、裏蓋33の内側面に凹部を設け、この凹部に電気抵抗率が7.0μΩ−cm以下に設定された非磁性部材42、43を係合している。凹部を設け、ここに非磁性部材42、43を係合することで、金属材料に起因するアンテナ近傍での共振現象の乱れを低減することができ、金属時計ケースであっても十分な受信感度を得ることができる。これにより電波時計であっても時計ケースにチタン、ステンレス鋼等を使用することができるようになる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、時刻情報を含む所定の電波を受信して時刻を表示する電波時計に関するものであり、特に、通常の金属時計ケースを使用した場合における電波受信性能の向上を目指した電波時計のケース構造に関するものである。
標準電波を受信する電子時計、即ち時刻情報を含む標準電波(搬送波)を受信し、この電波から時刻情報を取り出すことにより、正確な時刻を得ることのできる電波時計は既に知られている。この時刻情報を含む電波は、各国毎に周波数が異なり、例えば、日本では40kHzおよび60kHzの標準電波が発信されている。
図5は、このような電波時計の機能の概略を示すブロック図である。この電波時計は、アンテナ1、電波時計受信機2、CPU3、表示駆動部4、入力装置5等から構成されている。その他、図示していないが時分秒の各指針または液晶等による表示部が含まれている。
この電波時計においては、はじめにアンテナ1で時刻情報を含む電波を受信する。電波時計受信機2は、アンテナ1が受信した電波を増幅検波し、電波から時刻情報を取り出して出力する。CPU3は、電波時計受信機2から出力された時刻情報に基づき、現在時刻データを出力する。表示駆動部4は、CPU3から出力された現在時刻データに基づき、表示部に現在時刻を表示させる。なお、入力装置5は、例えば、CPU3に対してリセット等の操作情報を入力する際に使用される。
電波に含まれている時刻情報(タイムコード)は、60秒周期のパルス信号であり、1秒ごとに、200、500、800msecのいずれかの幅を有するパルスが1つ乗っている。これらパルスの組み合わせにより、60秒で時刻情報が得られる。CPU3は、受け取ったパルス信号から1秒ごとのパルスのパルス幅を読み取っていくことにより、時刻情報(現在時刻)を取得する。そして、CPUは、取得した時刻情報により、表示駆動部4を介して表示部における表示時刻を修正する。よって、電波時計は、受信した時刻情報に基づき、表示時刻が所定間隔毎に修正されることにより、常に正確な時刻を表示できる。
このような電波時計として、アンテナ、電波時計受信機、CPU、表示駆動部および表示部を、アンテナ収納体であるケースの中に収納した腕時計が、すでに提供されている。このケースの素材には、アンテナが電波を受信するために合成樹脂やセラミックなどの非導電性材料が主として用いられてきた。即ち、金属などの導電材料からなるケース内部にアンテナを収納すると、アンテナ近傍に発生する磁束が導電材料に吸い取られ、共振現象が妨げられるため、アンテナが標準電波を受信できなくなるほどに、アンテナの受信機能が低下してしまうからである。
しかしながら、このようなアンテナの受信障害を避けるため、合成樹脂製のケースを用いると、ケースの耐傷性、あるいは耐薬品性の低下をまねくばかりか、装身具としての腕時計に必要とされる高級感や美観も損なわれることになる。このため、ケースに金属を用いた電波腕時計が提案されている。
図6は、ケースの一部に金属を用いた電波腕時計の構造の一例を示す断面図である。この腕時計のケース10は、胴11と裏蓋12と風防13とから概略構成されている。バンド(図示せず)が連結される胴内部に、ムーブメント14が公知の手段で配置されている
。ムーブメント14の上方には、時刻表示部である文字板15と針16が、同じく公知の手段で配置されている。そして、ムーブメント14の下方で、かつ裏蓋12の上方に位置するように、磁気長波アンテナであるバーアンテナ17が配置されている。このバーアンテナ17は、フェライト材からなる磁芯部材18と、この磁芯部材18に巻回されたコイル20とよりなり、合成樹脂製の保持部材の上面に固定されている。
ムーブメント14は、前述した電波時計受信機、CPU、および表示駆動部を備え、導線21によってバーアンテナ17と電気的に導通される。従って、バーアンテナ17が受信した標準電波に基づいて、ムーブメント14のCPUが、表示駆動部における、図示しないギア機構を動作させて、表示部の針16の位置を常に修正するように駆動する。なお、ここで、上下方向とは、図6における上下を示している。
胴11は導電材料で中空でない、即ちソリッド金属、たとえばソリッドステンレス鋼からなる。胴11の最上部には、非導電材料であるガラスからなる風防13が、接着等の公知の手段で固定される。文字板15は、非導電材料である合成樹脂やセラミックなどからなる。裏蓋12は、胴11に固定されたステンレス鋼からなる環状の縁枠22と、縁枠内に固定されたガラス23とからなる。このように、この腕時計は、ケースの上下面には非導電材料が視認されるものの、ケースの側面部分を金属で構成しているため、装身具としての高級感や美観を損なわないという利点がある(特許文献1参照)。
特開2001−33571号公報
しかしながら、図6に示される腕時計は、携帯使用する上での電波受信性能について大きな問題はないが、裏蓋12の縁枠22にガラス23が固定されているため、腕時計を落とす等の衝撃を与えるとガラス23が破損するという問題がある。また、裏蓋12は、腕に密接しているので、長期の使用において、汗等によりガラス23が縁枠22から外れたり、腕時計内部のムーブメント(アンテナ1、電波時計受信機2、CPU3、表示駆動部4等)に汗、水、ホコリ等が入り込み、腕時計としての機能を著しく低下させる恐れもある。
また、裏蓋12にガラス23が設けられているので、部品点数が増えると共に組立工数も増え、コストアップをまねくという問題を有していた。また、非金属部材が外装に使用されているため、腕時計としての重厚感に欠け、高級感や外観品質にも問題を有していた。
本発明は、上記従来技術の課題に鑑みなされたもので、通常の金属時計ケースを使用しても、携帯上、何の支障もなく時刻情報等、所定の情報を含んだ電波を受信することができ、安定した防水品質および高級感を有する外観品質の向上並びに一般の時計と同様のデザインバリエーションの拡大を図ることが可能な電波時計のケース構造を提供することにある。
本発明の電波時計のケース構造は、アンテナと時計装置とを収納した時計ケースと裏蓋からなり、該時計ケースと該裏蓋の少なくとも一方の内側面に凹部を設け、その凹部に電気抵抗率が7.0μΩ−cm以下に設定された非磁性部材を係合したことを特徴とする。
また、前記時計ケースや裏蓋は、チタン、チタン合金、ステンレス鋼、タングステンカーバイト、タンタルカーバイトのいずれか少なくとも1つからなり、前記時計ケースおよび/または裏蓋の凹部に前記非磁性部材が係合されていることを特徴とする。
また、前記非磁性部材は、金、銀、銅、黄銅、アルミニウム、マグネシウム、亜鉛またはそれらの元素を2つ以上組み合わせた合金のいずれか少なくとも1つからなることを特徴とする。
また、前記非磁性部材は、金、銀、銅、黄銅、アルミニウム、マグネシウム、亜鉛またはそれらの元素を2つ以上組み合わせた合金のいずれかからなる部材が、少なくとも2つ接合されて形成されていることを特徴とする。
また、前記非磁性部材の表面が樹脂部材で覆われていることを特徴とする。
また、前記アンテナは、磁芯部材とこの磁芯部材に複数巻かれたコイルとから構成され、前記磁芯部材の軸線を含む少なくとも1つの平面に沿って、前記アンテナが平行に投影される位置、もしくは、少なくとも前記アンテナの端部とそれぞれ相対する位置に前記凹部が設けられていることを特徴とする。
また、前記非磁性部材は、圧入、カシメ、溶接、ロー付、接着剤の中の少なくとも1つの手段で前記時計ケースおよび/または裏蓋の凹部に係合されていることを特徴とする。
また、前記時計ケースおよび/または裏蓋に係合された前記非磁性部材は、湿式メッキ法または金属溶射法の手段で形成されていることを特徴とする。
また、前記非磁性部材は、50μmから2000μmの範囲の厚さを有していることを特徴とする。
本発明によれば、時計ケースや裏蓋の構成にガラス等の特殊な構成を使用することなく受信感度を高めることができるので、携帯上、何の支障もなく時刻情報等を含む電波を受信する電波時計を提供することができる。
また、時計ケースや裏蓋にチタン、ステンレス鋼等を使用することができるので、安定した防水品質と、高級感のある外観品質とを有するケース構造にすることができる。
さらに、時計ケースや裏蓋を、電波時計ではない一般の時計と同様に設計・製造することができるので、電波時計におけるケースのデザインバリエーションを一般の時計並に拡大することができる。
本発明の電波時計のケース構造においては、アンテナと時計装置とを収納した時計ケースと裏蓋の少なくとも一方の内側面に凹部を形成し、この凹部に電気抵抗率が7.0μΩ−cm以下に設定された非磁性部材を係合している。また、凹部はアンテナが平行に投影される位置またはアンテナの端部とそれぞれ相対する位置に設け、ここに非磁性部材を係合する。上記箇所に凹部を設けると、アンテナと、アンテナの受信特性を低下させる金属であるチタン、チタン合金、ステンレス鋼等から形成された時計ケースおよび裏蓋との距離を取れ、金属材料に起因するアンテナ近傍での共振現象の乱れを低減することができ、かつ凹部にアンテナの受信特性を向上する非磁性部材を係合することで、金属時計ケースであっても十分な受信感度を得ることが可能となる。これにより、電波時計であっても時計ケースおよび/または裏蓋にチタン、ステンレス鋼等を使用することができるようになり、受信感度を犠牲にすることなく、時計ケースの機能、外観を向上させることができる。なお、非磁性部材の電気抵抗率等に関しては、実験による検証を重ねることで得られた最も効果的な値を提示している。
以下図面に基づいて本発明の実施例を説明する。図1は本発明の一実施例に係る電波時計のケース構造を示す断面図である。時計ケース30は、略筒状をなし、その図中上方の
開口部の内周縁にある段部30aにパッキン31を介してガラス32が取り付けられ、図中下方の開口部に裏蓋33が圧入、螺合、ネジ等の手段により取り付けられている。なお、図1に示す裏蓋33は圧入にて時計ケース30に取り付けられており、その立ち上がり部33aと時計ケース30の内側面30cとの間にパッキン44が挟み込まれている。また、時計ケース30は金属からなるものであり、その材質に関しては後述する。
時計ケース30の中には、前述した図5に示す電波時計受信機、CPU、および表示駆動部等を備えたムーブメント34が収められている。ムーブメント34の図中上方には、時刻表示部である文字板35と指針36が設けられている。このムーブメント34は、時計ケース30の段部30aを形成する内方突出部30bの図中下面に文字板35が当接することにより位置決めされ、裏蓋33の上面に配設された樹脂中枠45との間に挟み込まれることで固定されている。また、このムーブメント34と裏蓋33との間には所定の空間が設けられており、その空間の中にアンテナ37が配置されている。このアンテナ37は、フェライト材等からなる棒状の磁芯部材38と、この磁芯部材38に巻回されたコイル40とから構成されており、ムーブメント34の下面に固定されている。
また、本実施例においては、時計ケース30の内側面30cと裏蓋33の内側面33cに凹部30d、33dを設け、この凹部30d、33dに非磁性部材42、43を係合している。非磁性部材42は板状をなし、裏蓋33の立ち上がり部33aの内側のアンテナ37に対面する内側面33cの凹部33dに係合されている。凹部33dは、磁芯部材38の軸線を含む平面に対面すると共にアンテナ37が平行に投影される位置に配置されている。また、非磁性部材43は、時計ケース30の内側面30cの凹部30d内に係合されるようなリング状をなすかまたはその一部を構成する彎曲した板状をしている。凹部30dは、アンテナ37の端部に相対する位置に配置されている。この非磁性部材42、43は、電気抵抗率が7.0μΩ−cm以下の材料からなるものであり、その材質に関しては後述する。
上記構成からなる電波時計においては、アンテナ37が受信した標準電波に基づいて、ムーブメント34内のCPUが、表示駆動部を動作させて、指針36を常に修正するように駆動する。このときに、本実施例におけるケース構造では、時計ケース30および裏蓋33の内側面30c、33cに各凹部30d、33dを設け、かつ各凹部30d、33dとアンテナ37との間に、非磁性部材42、43が介在しており、金属からなる時計ケース30や裏蓋33に起因するアンテナ近傍での共振現象の乱れを低減し、受信感度を向上させている。
次に、時計ケース30および裏蓋33と非磁性部材42、43の材質の選定に関する実験とその結果について説明する。はじめに、アンテナ37の受信感度の低下が少ない金属を選定するため、0.5mm厚の金属板の上に、導体径65μmコイル2000ターンの実験用アンテナを設置し、所定位置に設置された送信アンテナから40kHzの信号を送信する実験を行った。受信状態の評価は、図2に示すように、受信した信号のピーク高さである利得と周波数帯域幅Δfとピーク周波数foから求められるQ値=fo/Δfを比較することにより行っている。なお、利得が高いほど受信感度が良好であり、Q値が高いほど周波数選択性が良好であることを示す。この実験の結果、金、銀、銅、黄銅、アルミニウム、マグネシウム、亜鉛、またはそれらの元素を2つ以上組み合わせた合金のいずれかからなる上にアンテナを設置した場合は、チタン、チタン合金、ステンレス鋼、タングステンカーバイト、タンタルカーバイトの場合に比べて、利得が2〜3dB(デシベル)高くなった。
また、金、銀、銅、黄銅、アルミニウム、マグネシウム、亜鉛またはそれらの元素を2つ以上組み合わせた合金のいずれかからなるものに関してはQ値が41〜47と高く、チ
タン、チタン合金、ステンレス鋼、タングステンカーバイト、タンタルカーバイトに関してはQ値が32前後と低下することが認められた。
次に、同様の実験を、時計ケース30および裏蓋33に相当する実験用外装を用いて行った。即ち、図3に示すように、時計ケース30および裏蓋33に相当する実験用外装50内に、アンテナ37に相当する実験用アンテナ51を収めたものを樹脂板52の上に載置し、所定位置に設置された送信アンテナ53から一定周波数の電波を送信し、実験用アンテナ51の受信状態を測定した。
この実験の結果、時計ケース30に相当するケース部50aと裏蓋33に相当する蓋部50bを共に受信感度が低下すると認められたステンレス鋼等の金属のみで形成すると、Q値は5と低下し、電波時計としては好ましくないことが認められた。また、ケース部50aを受信感度が低下すると認められたステンレス鋼等の金属で形成し、蓋部50bを受信感度が良好と認められた黄銅等の金属で形成すると、Q値は8前後となって受信感度が良好となった。そこで、時計外装に使用することを想定してケース部50aはステンレス鋼等の金属のままに、外側をステンレス鋼等の金属で形成し且つ内側に黄銅等の金属を貼付した蓋部50bを使用すると、Q値は8〜9と良好な状態になった。これは、蓋部50bをステンレス鋼等の金属のままに、外側をステンレス鋼等の金属で形成しかつ内側に黄銅等の金属を貼付したケース部50aを使用しても同様であった。
次に、やはり時計外装に使用することを想定して、ケース部50aはステンレス鋼等の金属のままに、外側をステンレス鋼等の金属で形成し、アンテナの軸線を含む平面に対面すると共にアンテナが平行に投影される位置の内側面に凹部(図示せず)を形成し、この凹部に黄銅等の金属を係合した蓋部50bを使用すると、Q値は8〜10、アンテナの利得も1〜3dB向上することができた。同様に、蓋部50bはステンレス鋼等の金属のままに、外側をステンレス鋼等の金属で形成し、アンテナの軸部と相対する位置の内側面に凹部(図示せず)を形成し、この凹部に黄銅等の金属を係合したケース部50aを使用すると、やはりQ値は8〜10、アンテナの利得も1〜3dB向上した。これらは、凹部を形成することにより、アンテナの特性が低下するステンレス鋼等の金属とアンテナとの距離を離すことが出来、かつアンテナの特性を向上させる金属を凹部に係合したため、アンテナの特性が向上したと考えられる。
さらに、ケース部50a、蓋部50b共に外側をステンレス鋼等の金属で形成し、それぞれの上記位置の内側面に凹部を形成し、この凹部に黄銅等の金属を係合したケース部50a、蓋部50bを使用すると、Q値は9〜11、アンテナの利得も2〜5dB向上した。
また、凹部を空隙のままにしておくと、時計ケースや裏蓋は変形してしまう可能性が大いにあり、凹部に係合した金属は、アンテナ特性向上の他、ケースや裏蓋の形状保持の役割も担っている。
ところで、上記ステンレス鋼の各部材をチタン、チタン合金で置き換えても同様の結果が得られた。
なお、ケース部50a、蓋部50bのそれぞれ凹部の位置を上記位置と異なり、アンテナから離れた箇所に設けてもアンテナの受信特性は向上するが、上記位置に設けたほど向上しなかった。よって、上記位置に設けるのが望ましい。
また、アンテナの特性は凹部の形状や大きさにはあまり依存しない結果が得られ、むしろ凹部に係合する金属の厚み、すなわちアンテナと時計ケース、裏蓋との距離が影響することがわかった。この結果については後述する。
上記実験結果から、受信感度が低下する金属で時計ケース30や裏蓋33を形成したと
しても、それぞれの内側面、またはいずれかの内側面に凹部を設け、凹部にアンテナの特性を向上させる金属を係合することで、電波時計としての特性を向上させることが可能であることが検証できた。
一方、実験に使用した金属の電気抵抗率を比較してみると、受信感度を低下させるチタンやステンレス鋼では、電気抵抗率が55〜74μΩ−cmと高く、受信感度が良好となるアルミニウムでは、電気抵抗率が2.69μΩ−cmと低いことがわかった。そこで、電気抵抗率と受信感度との関係を検証するために各種金属を電気抵抗率に基づいて組み合わせたところ、受信感度が良好となる金属の電気抵抗率を7μΩ−cm以下に設定することにより、これに組み合わせる金属の電気抵抗率が高くても良好な受信感度を保つことが可能であることが判明した。
その結果、金、銀、銅、黄銅、アルミニウム、マグネシウム、亜鉛またはそれらの元素を2つ以上組み合わせた合金のいずれかからなるもののような電気抵抗率が7μΩ−cm以下の金属で非磁性部材42、43を形成すれば、外観品質に優れたチタン、チタン合金、ステンレス鋼、タングステンカーバイト、タンタルカーバイトのように電気抵抗率が高い金属で時計ケース30および裏蓋33を形成しても受信感度を良好にすることが可能であることが検証できた。
また、非磁性部材42、43の厚みと受信感度との関係を調べるため、図3に示すケース部50aと蓋部50bをステンレス鋼(オーステナイト系)で形成し、ケース部50aの内側面に設けた凹部(図示せず)に薄いアルミニウム素材を係合し、その厚みを0(アルミニウム素材なし)から徐々に増加させる実験を行った。その結果、Q値は、厚み0のときの8.9から厚みを増すと厚みが500μmのときの14.3まで上昇し、厚みが1000μmのときの14.6になるとそれ以上厚みを増してもほぼその値のままとなることがわかった。さらに、アンテナの利得も厚さ500μm以上で約3dB向上することもわかった。
この傾向は、蓋部50bに凹部を設け、そこにアルミニウム等を設けた場合も同様であった。また、アルミニウムの他、金、銀、銅、黄銅、マグネシウム、亜鉛またはそれらの元素を2つ以上組み合わせた合金のいずれかでも同様であった。
その結果、非磁性部材42、43の厚みが50μmになると利得およびQ値が上昇し始め、1000μm前後で利得およびQ値が最も高い値で一定になるため、非磁性部材42、43の厚みを50μm以上に設定することが好ましいことがわかった。また、その厚みの上限に関しては、時計ケース30や裏蓋33とムーブメント34やアンテナ37との間の距離、あるいは製造・組立時における非磁性部材42、43の取り扱い易さ、さらには時計ケース、裏蓋の強度等を考慮して2000μm以下に設定することが好ましい。
上記各実験等の結果に基づけば、時計ケース30と裏蓋33は、チタン、チタン合金、ステンレス鋼、タングステンカーバイト、タンタルカーバイトのいずれか少なくとも1つで形成し、非磁性部材42、43は、電気抵抗率が7μΩ−cm以下の金、銀、銅、黄銅、アルミニウム、マグネシウム、亜鉛またはそれらの元素を2つ以上組み合わせた合金のいずれかで形成し、さらにその厚みを50〜2000μmに設定することが最も好ましいことになる。なお、時計ケース30や裏蓋33に貫通孔を形成し、貫通孔に金、銀、銅、黄銅、アルミニウム、マグネシウム、亜鉛またはそれらの元素を2つ以上組み合わせた合金のいずれかよりなる嵌合部材を嵌合してもよいが、時計としての防水性が低下することは否めない。この場合、時計ケース30や裏蓋33と嵌合部材を溶接等公知の方法で接合して防水性を持たせ、その後時計ケース30や裏蓋33に表面処理を行い、時計ケース30や裏蓋33があたかも一体で成形されているようにするのが時計としての機能上、外観上好ましい。
また、非磁性部材42、43は、上記金属、合金の内の1部材だけで形成されている必要はなく、その中の少なくとも2つの部材の金属、合金を拡散接合、ロー付、接着、カシメ等によって接合することにより形成しても同様の効果が認められた。
次に、時計ケース30および裏蓋33と非磁性部材42、43との係合に関して説明する。時計ケース30および裏蓋33と非磁性部材42、43を圧入、カシメ、溶接、ロー付、接着剤により接合する。
また、非磁性部材42、43を形成する際に、時計ケース30および裏蓋33に密着するように形成して係合することも可能である。この場合には、湿式メッキによる電鋳、金属溶射法等により、非磁性部材42、43を時計ケース30や裏蓋33の所定の凹部の位置に形成する。ここでは、ステンレス鋼からなる裏蓋33に銅を析出させて非磁性部材42を形成する場合を例にとって説明する。はじめに、図4に示すように、裏蓋33の立ち上がり部33aの内側にある所定部分を除く裏蓋33の表面に、例えばエポキシ樹脂等の有機物からなるマスク60を形成する。次に、マスク60が形成されていない裏蓋33の内面に電解脱脂を施し、水洗いする。その後、裏蓋33に陰極を接続し、硫酸銅浴中で電鋳を行い、銅61を析出させる。このときの浴の組成と条件は、硫酸銅250g/l(リットル)、硫酸60g/l、温度20〜50℃、電流密度2〜20A/dm、時間20〜30時間(析出する厚さに応じて設定する。なお、この条件においては6時間で約150μmの厚さとなる。)、pH0.8〜1.1に設定する。このように所定の厚さまで銅61を析出させた後、有機溶剤中に裏蓋33を漬浸してマスク60を剥離する。その後、裏蓋33を水洗いし、乾燥させることにより、裏蓋33の所定位置に非磁性部材42を形成することができる。
なお、図1に示すケース構造においては、時計ケース30と裏蓋33にそれぞれ非磁性部材43、42を設けているが、時計ケース30と裏蓋33の一方に非磁性部材を設けただけでも受信感度を高めることができる。従って、必ずしも時計ケース30と裏蓋33の両方に非磁性部材を設ける必要はない。
また、非磁性部材42、43とアンテナ37との間に樹脂板を設けたり、非磁性部材42、43の表面を樹脂層で覆うことにより、アンテナ37と非磁性部材42、43とが接触してアンテナ37が損傷することを防ぐように構成しても良い。
さらに、時計ケースや裏蓋に公知の表面処理を行ってもアンテナの受信特性に影響がないことも確認されている。
本発明の実施例に係る電波時計のケース構造を示す断面図である。 受信状態の優劣を示すアンテナの利得およびQ値の算出例を示す説明図である。 実験用外装を用いた受信実験の実験用設備を示す説明図である。 電鋳により非磁性部材を形成する場合の形成例を示す裏蓋の断面図である。 電波時計の機能の概略を示すブロック図である。 ケースの一部に金属を用いた電波腕時計の構造の従来例を示す断面図である。
符号の説明
1 アンテナ
2 電波時計受信機
3 CPU
4 表示駆動部
5 入力装置
10 ケース
11 胴
12 裏蓋
13 風防
14 ムーブメント
15 文字板
16 針
17 バーアンテナ
18 磁芯部材
20 コイル
21 導線
22 縁枠
23 ガラス
30 時計ケース
30a 段部
30b 内方突出部
30c 内側面
30d 凹部
31 パッキン
32 ガラス
33 裏蓋
33a 立ち上がり部
33c 内側面
33d 凹部
34 ムーブメント
35 文字板
36 指針
37 アンテナ
38 磁芯部材
40 コイル
42、43 非磁性部材
44 パッキン
45 樹脂中枠
50 実験用外装
50a ケース部
50b 蓋部
51 実験用アンテナ
52 樹脂板
53 送信アンテナ
60 マスク
61 銅

Claims (13)

  1. アンテナと時計装置とを収納した時計ケースと裏蓋からなり、該時計ケースと該裏蓋の少なくとも一方の内側面に凹部を設け、その凹部に電気抵抗率が7.0μΩ−cm以下に設定された非磁性部材を係合したことを特徴とする電波時計のケース構造。
  2. 前記時計ケースは、チタン、チタン合金、ステンレス鋼、タングステンカーバイト、タンタルカーバイトのいずれか少なくとも1つからなり、前記時計ケースの凹部に前記非磁性部材が係合されていることを特徴とする請求項1記載の電波時計のケース構造。
  3. 前記時計ケースに取り付け固定された裏蓋は、チタン、チタン合金、ステンレス鋼、タングステンカーバイト、タンタルカーバイトのいずれか少なくとも1つからなり、前記裏蓋の凹部に前記非磁性部材が係合されていることを特徴とする請求項1記載の電波時計のケース構造。
  4. 前記非磁性部材は、金、銀、銅、黄銅、アルミニウム、マグネシウム、亜鉛またはそれらの元素を2つ以上組み合わせた合金のいずれか少なくとも1つからなることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の電波時計のケース構造。
  5. 前記非磁性部材は、金、銀、銅、黄銅、アルミニウム、マグネシウム、亜鉛またはそれらの元素を2つ以上組み合わせた合金のいずれかからなる部材が、少なくとも2つ接合されて形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の電波時計のケース構造。
  6. 前記非磁性部材の表面が樹脂部材で覆われていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の電波時計のケース構造。
  7. 前記アンテナは、磁芯部材とこの磁芯部材に複数巻かれたコイルとから構成され、前記磁芯部材の軸線を含む少なくとも1つの平面に沿って、前記アンテナが平行に投影される位置に前記凹部が設けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の電波時計のケース構造。
  8. 前記アンテナは、磁芯部材とこの磁芯部材に複数巻かれたコイルとから構成され、少なくとも前記アンテナの端部とそれぞれ相対する位置に前記凹部が設けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の電波時計のケース構造。
  9. 前記非磁性部材は、圧入、カシメ、溶接、ロー付、接着剤の中の少なくとも1つの手段で前記時計ケースの凹部に係合されていることを特徴とする請求項1、2、4から8のいずれかに記載の電波時計のケース構造。
  10. 前記非磁性部材は、圧入、カシメ、溶接、ロー付、接着剤の中の少なくとも1つの手段で前記裏蓋の凹部に係合されていることを特徴とする請求項1、3から8のいずれかに記載の電波時計のケース構造。
  11. 前記時計ケースに係合された前記非磁性部材は、湿式メッキ法または金属溶射法の手段で形成されていることを特徴とする請求項1、2、4から9のいずれかに記載の電波時計のケース構造。
  12. 前記裏蓋に係合された前記非磁性部材は、湿式メッキ法または金属溶射法の手段で形成されていることを特徴とする請求項1、3から8、10のいずれかに記載の電波時計のケー
    ス構造。
  13. 前記非磁性部材は、50μmから2000μmの範囲の厚さを有していることを特徴とする請求項1から12のいずれかに記載の電波時計のケース構造。
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