JP2005274359A - 電波時計 - Google Patents

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Abstract

【課題】 金属製の時計ケースや裏蓋を使用しても、何の支障もなく電波を受信することができ、防水品質及び外観品質の向上並びにデザインバリエーションの拡大を図ることが可能な電波時計を提供することにある。
【解決手段】 アンテナ43が、時計ケース内において非導電性材料である風防ガラス36、受信特性が良好な金属から形成された指針40、非導電性材料である合成樹脂から形成された文字板33、指針軸39により囲まれているため、受信特性を損なうことがなく、時計ケース31および裏蓋38を金属で形成しても電波を受信することが可能になった。
【選択図】 図1

Description

本発明は、時刻情報を含む所定の電波を受信して時刻を表示する電波時計に関するものであり、特に、金属製の時計ケースおよび裏蓋を使用した場合における電波受信性能の向上を目指した電波時計に関するものである。
標準電波を受信する電子時計、即ち時刻情報を含む標準電波(搬送波)を受信し、この電波から時刻情報を取り出すことにより、正確な時刻を得ることのできる電波時計は既に知られている。この時刻情報を含む電波は、各国毎に周波数が異なり、例えば、日本では総務省、郵政事業庁の管轄下において、40kHz及び60kHzの標準電波が発信されている。
図5は、このような電波時計の機能の概略を示すブロック図である。この電波時計は、アンテナ1、電波時計受信機2、CPU3、表示駆動部4、入力装置5等から構成されている。その他、図示していないが時分秒の各指針又は液晶等による表示部が含まれている。
この電波時計においては、はじめにアンテナ1で時刻情報を含む電波を受信する。電波時計受信機2は、アンテナ1が受信した電波を増幅検波し、電波から時刻情報を取り出して出力する。CPU3は、電波時計受信機2から出力された時刻情報に基づき、現在時刻データを出力する。表示駆動部4は、CPU3から出力された現在時刻データに基づき、表示部に現在時刻を表示させる。尚、入力装置5は、例えば、CPU3に対してリセット等の操作情報を入力する際に使用される。
電波に含まれている時刻情報(タイムコード)は、60秒周期のパルス信号であり、国によって異なるが、日本の場合は1秒ごとに、200、500、800msecのいずれかの幅を有するパルスが1つ乗っている。これらパルスの組み合わせにより、60秒で時刻情報が得られる。CPU3は、受け取ったパルス信号から1秒ごとのパルスのパルス幅を読み取っていくことにより、時刻情報(現在時刻)を取得する。そして、CPUは、取得した時刻情報により、表示駆動部4を介して表示部における表示時刻を修正する。よって、電波時計は、受信した時刻情報に基づき、表示時刻が所定間隔毎に修正されることにより、常に正確な時刻を表示できる。
このような電波時計として、アンテナ、電波時計受信機、CPU、表示駆動部および表示部を、アンテナ収納体であるケースの中に収納した腕時計が、すでに提供されている。このケースの素材には、アンテナが電波を受信するために合成樹脂やセラミックなどの非導電性材料が主として用いられてきた。即ち、金属などの導電材料からなるケース内部にアンテナを収納すると、アンテナ近傍に発生する磁束が導電材料に吸い取られ、共振現象が妨げられるため、アンテナの受信機能が著しく低下してしまうからである。
しかしながら、このようなアンテナの受信障害を避けるため、合成樹脂製のケースを用いると、ケースの耐傷性、あるいは耐薬品性の低下をまねくばかりか、装身具としての腕時計に必要とされる高級感や美観も損なわれることになる。このため、ケースに金属を用いた電波腕時計が提案されている。
図6は、ケースの一部に金属を用いた電波腕時計の構造の一例を示す断面図である。この腕時計のケース10は、胴11と裏蓋12と風防13とから概略構成されている。バン
ド(図示せず)が連結される胴内部に、ムーブメント14が公知の手段で配置されている。ムーブメント14の上方には、時刻表示部である文字板15と針16が、同じく公知の手段で配置されている。そして、ムーブメント14の下方で、かつ裏蓋12の上方に位置するように、磁気長波アンテナであるバーアンテナ17が配置されている。このバーアンテナ17は、磁芯部材18と、この磁芯部材18に巻回されたコイル20とよりなり、合成樹脂製の保持部材の上面に固定されている。
ムーブメント14は、前述した電波時計受信機、CPU、および表示駆動部を備え、導線21によってバーアンテナ17と電気的に導通される。従って、バーアンテナ17が受信した標準電波に基づいて、ムーブメント14のCPUが、表示駆動部における、図示しないギア機構を動作させて、表示部の針16の位置を常に修正するように駆動する。なお、ここで、上下方向とは、図6における上下を示している。
胴11は導電材料で中空でない、即ちソリッド金属、たとえばソリッドステンレス鋼からなる。胴11の最上部には、非導電材料であるガラスからなる風防13が、接着等の公知の手段で固定される。文字板15は、非導電材料である合成樹脂やセラミックなどからなる。裏蓋12は、胴11に固定されたステンレス鋼からなる環状の縁枠22と、縁枠内に固定されたガラス23とからなる。このように、この腕時計は、ケースの上下面には非導電材料が視認されるものの、ケースの側面部分を金属で構成しているため、装身具としての高級感や美観を損なわないという利点がある(特許文献1参照)。
特開2001−33571号公報
しかしながら、図6に示される腕時計は、携帯使用する上での電波受信性能について大きな問題はないが、裏蓋12の縁枠22にガラス23が固定されているため、腕時計を落とす等の衝撃を与えるとガラス23が破損するという問題がある。また、裏蓋12は、腕に密接しているので、長期の使用において、汗等によりガラス23が縁枠22から外れたり、腕時計内部のムーブメント(アンテナ1、電波時計受信機2、CPU3、表示駆動部4等)に汗、水、ホコリ等が入り込み、腕時計としての機能を著しく低下させる恐れもある。
また、裏蓋12にガラス23が設けられているので、部品点数が増えると共に組立工数も増え、コストアップをまねくという問題を有していた。また、非金属部材が外装に使用されているため、腕時計としての重厚感に欠け、高級感や外観品質にも問題を有していた。
本発明は、上記従来技術の課題に鑑みなされたもので、金属製の時計ケースおよび裏蓋を使用しても、携帯上、何の支障もなく時刻情報等、所定の情報を含んだ電波を受信することができ、安定した防水品質及び高級感を有する外観品質の向上並びに一般の時計と同様のデザインバリエーションの拡大を図ることが可能な電波時計を提供することにある。
本発明の電波時計は、時計ケース内に収容されている指針部材が指針と指針軸から構成され、かつ文字板上を前記指針が駆動する時計において、指針部材に少なくとも1つアンテナを配設したことを特徴とする。
また、本発明の電波時計は、前記指針部材の少なくとも一部を電気抵抗率が7.0μΩ・cm以下の非磁性部材としたことを特徴とする。
また、本発明の電波時計は、前記非磁性部材が金、銀、銅、黄銅、アルミニウム、マグネシウム、亜鉛、または前記金属元素を少なくとも一種含有する合金から選択した少なく
とも1つ以上の材料からなることを特徴とする。あるいは、前記非磁性部材が金、銀、銅、黄銅、アルミニウム、マグネシウム、亜鉛、または前記金属元素を少なくとも一種含有する合金から選択した少なくとも2つ以上の材料から接合されて形成されていることを特徴とする。
本発明の電波時計は、前記指針部材の少なくとも一部に非導電性材料を配設したことを特徴とする。
本発明の電波時計は、前記時計ケースおよび裏蓋の一方または両方の、少なくとも一部が金、銀、銅、黄銅、アルミニウム、マグネシウム、亜鉛、または前記金属元素を少なくとも一種含有する合金から選択した少なくとも1つ以上の材料からなることを特徴とする。また、前記時計ケースおよび裏蓋の一方または両方の、少なくとも一部が金、銀、銅、黄銅、アルミニウム、マグネシウム、亜鉛、または前記金属元素を少なくとも一種含有する合金から選択した少なくとも2つ以上の材料から接合されて形成されていることを特徴とする。
本発明の電波時計は、時計ケースおよび裏蓋の一方または両方の、少なくとも一部がステンレス鋼、チタン、チタン合金のいずれかからなることを特徴とする。
また、本発明の電波時計は、時計ケースおよび裏蓋の一方または両方の、少なくとも一部が非導電性材料からなることを特徴とする。
また、本発明の電波時計は、非導電性材料が合成樹脂またはセラミックであることを特徴とする。
本発明の電波時計は、前記指針部材の少なくとも一部に夜光塗料または蛍光塗料を塗布したことを特徴とする。また、前記夜光塗料または蛍光塗料内にアンテナの少なくとも一部を埋設したことを特徴とする。
本発明の電波時計は、前記指針部材、時計ケースおよび裏蓋の少なくとも1つ、かつ少なくともその一部に表面処理、硬化処理のいずれかまたは両方の処理を行ったことを特徴とする。また、前記表面処理が、鏡面、梨地、ヘアーライン目付け、模様、文字から選択した少なくとも1つの手段からなることを特徴とする。また、前記表面処理が、金属被膜からなる表面仕上げであり、前記金属被膜が、湿式メッキ法、塗装法、蒸着法、イオンプレーティング法、アーク法、スパッタリング法から選択した少なくとも1つの手段で形成されていることを特徴とする。
本発明の電波時計は、時計が太陽電池により駆動することを特徴とする。また、太陽電池を文字板下に配設したことを特徴とする。
本発明によれば、時計ケースや裏蓋に金属を使用しても受信感度を高めることができ、携帯上、何の支障もなく時刻情報等を含む電波を受信する電波時計を提供することができる。
以下に、添付する図面を参照して、本発明に係る電波時計の実施例について詳述する。なお、いずれの図においても説明のために使用する箇所は特に誇張してあり、スケールは正しくない。
まず、本発明では、指針軸や指針などの指針部材にアンテナを形成するため、指針軸や
指針に使用する材質の選定を行った。選定方法として、指針軸や指針に実験用アンテナを設置し、所定位置に設置された送信アンテナから信号を送信する実験を行った。この実験の結果、金、銀、銅、黄銅、アルミニウム、マグネシウム、亜鉛、または前記金属元素を少なくとも一種含有する合金の場合は、ステンレス鋼、チタン、チタン合金の場合に比べて、利得が2〜3dB(デシベル)高くなった。
また、同様の実験により、上記受信感度が良好となる金属で指針部材を形成した場合だけでなく、受信感度が低下するステンレス鋼やチタン、チタン合金などの金属で指針部材を形成したとしても、少なくともその一部に上記受信感度が良好となる金属や合金を設けたり、上記受信感度が良好となる金属や合金の2つ以上の材料を接合したものを設けることで、アンテナの受信感度を向上させることが可能であることも判明した。換言すれば、このような構成とすることで、電波時計としての機能には支障がなくなった。
また、実験に使用した金属の電気抵抗率を比較し、電気抵抗率が7μΩ・cm以下のものが良好な受信感度を保つことが可能であると判明した。その結果、上記の金、銀、銅、黄銅、アルミニウム、マグネシウム、亜鉛、または前記金属元素を少なくとも一種含有する合金のような非磁性部材で指針部材全体又はその一部を形成すれば、金属を使用した時計ケース、裏蓋であっても受信感度を良好にすることができると判明した。これは、外観品質に優れたステンレス鋼、チタン、チタン合金のように電気抵抗率が高い金属から少なくとも一部が形成された時計ケース、裏蓋であっても、指針部材を上記のように形成すれば、受信感度も良好であることが検証できた。上記電気抵抗率が7μΩ・cm以下の金属や合金で時計ケースや裏蓋の少なくとも一部を作製するとさらに受信感度が向上する。さらに、上記電気抵抗率が7μΩ・cm以下の金属および合金を2つ以上接合しても受信感度が向上する結果が得られた。もちろん、時計ケース、裏蓋および指針部材の少なくとも一部が合成樹脂またはセラミックなどの非導電性材料でも問題ないことは言うまでもない。
本発明の実施例2について説明する。図4は本発明の電波時計を模式的に示した一部が断面になった図である。この電波時計30は、時計ケース31の内部に見返しリング32、文字板33、ムーブメント34、指針軸39、指針40などを収容している。時計ケース31は、ステンレス鋼(例えば、SUS316L)から公知の方法で形成されている。時計ケース31の表面には鏡面処理を施してある。時計ケース31の上部には、パッキン35を介して非導電性である風防ガラス36を配設する。時計ケース31の下部にはパッキン37を介して裏蓋38を配設する。裏蓋38も、ステンレス鋼(SUS316L)から、公知の方法で形成している。裏蓋38の表面にはヘアーライン処理が行われている。文字板33の上面側にはムーブメント34から突出した指針軸39に指針40を取り付けた構成になっている。文字板33は、透光性の樹脂などで形成し、文字板下面に太陽電池41を配設している。太陽電池41は文字板33を介して入射した光を光電変換し、電流をムーブメント34内に配設した二次電池(図示せず)に供給する。つまり、電波時計30は太陽電池により駆動する。もちろん、太陽電池以外の駆動方法、例えば熱発電や通常の電池により時計を駆動させても何ら問題はない。
図1は、図4の要部である指針部材を横から見た拡大概略図である。以降、図1と図4を用いて説明する。ムーブメント34から突出した指針軸39には、時針軸39aに時針40aが、分針軸39bに分針40bが取り付いた構成になっている。指針40(時針40a、分針40b)はアルミニウム合金から、また、指針軸39(時針軸39a、分針軸39b)は合成樹脂により形成した。この各指針が文字板33上を運針するようになっている。
さらに、分針軸39bの上端面に電極42を介して電波を受信するアンテナ43が積層形成されている。積層形成することで、アンテナ長を長くすることができ、面積が小さく
ても受信感度を損なうことなく、受信することが可能になった。また、電極42が、図示しない接続路を介してムーブメント34と電気的に接続されている。アンテナとしては、金、銀、銅などの低抵抗の材料で形成することが好ましいが、材料はこの限りではない。アンテナ43は乾式メッキ、湿式メッキ、印刷などの方法により形成されているので非常に薄くすることが可能である。そのため、分針軸39bの上端面に形成しても違和感がなく、また、電波時計ではない通常の時計と比較して、外観上は遜色ないものとなる。
さらに、アンテナ43は、時計ケース内において、非導電性材料である風防ガラス36、受信感度が良好となるアルミニウム合金から形成された指針40、非導電性材料である合成樹脂から形成された文字板33、指針軸39により囲まれているため、受信特性を損なうことがない。よって、時計ケース31および裏蓋38をステンレス鋼で形成しても電波を受信することが可能になった。
さらに、従来の電波時計と比較して、アンテナをムーブメント下面に設ける必要がないため、時計を薄型化することが可能になる。さらに、時計の防水構造も従来の(電波時計ではない)通常の時計と同様でよいため、防水性についても優れている。
なお、本実施例において、時計ケース31や裏蓋38の材料をステンレス鋼で説明したが、その他、純チタンや、チタン合金でも問題ない。
また、本実施例では指針をアルミニウム合金、指針軸を合成樹脂で形成した形態を説明したが、指針、指針軸の少なくとも一方、かつ少なくともその一部を合成樹脂やセラミックなどの非導電性材料、もしくは金、銀、銅、黄銅、アルミニウム、マグネシウム、亜鉛、または前記金属元素を少なくとも一種含有する合金から選択した少なくとも1つ以上の材料で形成し、それ以外の箇所を金属(高抵抗、低抵抗問わず)で形成しても問題はなかった。
なおまた、アンテナ上に夜光塗料、蛍光塗料などを塗布してもアンテナの特性に影響はなかった。つまり、電波時計としての機能に支障はなかった。
本発明の実施例3について説明する。なお、実施例2と同一の構成については同符号を付し、重複する説明については省略する。本実施例では図4の時計ケース31をチタン合金(Ti−6Al−4V)、裏蓋38を純チタン(JIS2種)で形成し、いずれも表面に梨地処理を行った。
図2は、図4の要部である指針部材を横から見た拡大概略図である。以降、図2と図4を用いて説明する。本実施例においては、分針40b’上にアンテナ50を形成した。指針40(時針40a’、分針40b’)および指針軸39(時針軸39a’、分針軸39b’)は電気抵抗率が7.0μΩ・cm以下の材料である(受信特性を妨げない)黄銅から形成した。時針40a’、分針40b’にはいずれも表面に鏡面処理を行っている。分針40b’上のアンテナ50から電極52および指針軸39の内部(図示せず)を通してムーブメント34と電気的に接続する。アンテナとしては、金、銀、銅などの低抵抗の材料で形成することが好ましいが、材料はこの限りではない。
アンテナ50は乾式メッキ、湿式メッキ、印刷などの方法により形成されているので非常に薄くすることが可能である。そのため、分針40b’上に形成しても違和感がなく、また、電波時計ではない通常の時計と比較して、アンテナの重み分だけ指針(時計)を駆動するための消費電力は若干増加するが、特に問題はなく、また、外観上は遜色ないものとなる。
さらに、アンテナ50は、時計ケース内において、非導電性材料である風防ガラス36、受信特性が良好な黄銅から形成された指針40、指針軸39、非導電性材料である樹脂から形成された文字板33により囲まれているため、受信特性を損なうことがない。よって、時計ケースおよび裏蓋を純チタンやチタン合金で形成しても電波を受信することが可能になった。
さらに、従来の電波時計と比較して、アンテナをムーブメント下面に設ける必要がないため、時計を薄型化することが可能になる。さらに、時計の防水構造も従来の(電波時計ではない)通常の時計と同様でよいため、防水性についても優れている。
また、本実施例では指針部材の材料を黄銅として説明したが、その他、金、銀、銅、アルミニウム、マグネシウム、亜鉛など、電気抵抗率が7.0μΩ・cm以下である金属または前記金属元素を少なくとも一種含有する合金や、非導電性材料である樹脂、セラミックでも問題ない。
本発明の実施例4について説明する。なお、実施例2と同一の構成については同符号を付し、重複する説明については省略する。本実施例では、図4の時計ケース31は純チタン(JIS2種)、裏蓋38はチタン合金(Ti−6Al−4V)で形成し、いずれも表面には鏡面処理を施した。
図3は、図4の要部である指針部材を横から見た拡大概略図である。以降、図3と図4を用いて説明する。本実施例においては、分針40b’’上にアンテナ60を形成した。指針40(時針40a’’、分針40b’’)、指針軸39(時針軸39a’’、分針軸39b’’)は電気抵抗率が7.0μΩ・cm以下の材料である(受信特性を妨げない)アルミニウムから形成した。分針上に公知の方法で夜光塗料を塗布するための前加工を行い、その後電極62、アンテナ60を配設し、その上に、公知の方法で夜光塗料61を塗布する。次に、分針40b’’上のアンテナ60から電極62および指針軸39の内部(図示せず)を通してムーブメント34と電気的に接続する。アンテナとしては、金、銀、銅などの低抵抗の材料で形成することが好ましいが、材料はこの限りではない。
アンテナ60は乾式メッキ、湿式メッキ、印刷などの方法により形成されているので非常に薄くすることが可能である。そのため、分針40b’’上に形成しても違和感がなく、また、電波時計ではない通常の時計と比較して、アンテナの重み分だけ指針(時計)を駆動するための消費電力は若干増加するが、外観上は遜色ないものとなる。
また、夜光塗料61でアンテナ60を埋めたが、実施例3と比較して受信状態は変わらなかった。つまり、夜光塗料をアンテナ上に塗布することはまったく問題なかった。
さらに、アンテナ60は、時計ケース内において、非導電性材料から形成された風防ガラス36、受信特性が良好なアルミニウムから形成された指針40および指針軸39、非導電性材料である樹脂から形成された文字板33により囲まれているため、受信特性を損なうことがない。よって、時計ケースを純チタン、裏蓋をチタン合金で形成しても電波を受信することが可能になった。
さらに、従来の電波時計と比較して、アンテナをムーブメント下面に設ける必要がないため、時計を薄型化することが可能になる。さらに、時計の防水構造も従来の(電波時計ではない)通常の時計と同様でよいため、防水性についても優れている。
なお、本実施例ではアンテナを夜光塗料内に埋めた形態で説明を行ったが、アンテナの少なくとも一部が夜光塗料上から視認できるような形態であっても問題ない。
また、夜光塗料の代わりに公知の蛍光塗料を使用しても問題ないことは言うまでもない。
なお、上記実施例では時計ケース内に分針と時針を配設した2針タイプの時計について説明したが、もちろん秒針を加えた3針タイプであっても問題なく、その際は秒針や秒針軸にアンテナを配設してもよい。
また、時針にアンテナを配設しても電波時計の機能として支障はなかった。
また、各指針をそれぞれ異なる材料で形成しても、受信特性の差異はあるが、電波時計としての性能上はまったく問題ない。例えば、アンテナを配設する指針のみを電気抵抗率が7.0μΩ・cm以下の金属で形成し、その他の指針はステンレス鋼、チタン、チタン合金のような電気抵抗率が高い金属で形成しても問題ない。
さらに、上記実施例では指針部材にアンテナを1つ(一箇所)配設した場合について説明したが、もちろん複数のアンテナを配設すれば、受信特性は向上するのでなおよい。それは、例えば指針と指針軸に配設しても、指針に複数配設してもよい。
また、時計ケースや裏蓋、さらには指針、指針軸の少なくとも1つ、かつ少なくともその一部に浸炭処理等の硬化処理、湿式メッキや乾式メッキなどの金属被膜からなる表面処理、もしくは上記実施例であげた鏡面処理のような表面処理を施すことも可能であり、硬化処理または表面処理を施したことによる受信感度の低下は認められなかった。もちろん、硬化処理と表面処理の両処理を施してもまったく問題はなかった。
さらに、表面処理としては、上記実施例であげた鏡面仕上げ、ヘアーライン仕上げ、梨地仕上げの他、模様、文字などの処理でもまったく問題はない。
乾式メッキでは、蒸着法、イオンプレーティング法、アーク法、スパッタリング法のいずれかを行うことが望ましい。
また、塗装により処理を行ってもよい。
本発明の実施例2に係る電波時計の要部拡大概略図である。 本発明の実施例3に係る電波時計の要部拡大概略図である 本発明の実施例4に係る電波時計の要部拡大概略図である 本発明の電波時計の一部断面図である。 電波時計の機能の概略を示すブロック図である。 ケースの一部に金属を用いた電波腕時計の構造の従来例を示す断面図である。
符号の説明
1、43、50、60 アンテナ
2 電波時計受信機
3 CPU
4 表示駆動部
5 入力装置
10 ケース
11 胴
12、38 裏蓋
13 風防
14、34 ムーブメント
15、33 文字板
16 針
17 バーアンテナ
18 磁芯部材
20 コイル
21 導線
22 縁枠
23 ガラス
30 電波時計
31 時計ケース
32 見返しリング
35、37 パッキン
36 風防ガラス
39 指針軸
39a、39a’、39a’’ 時針軸
39b、39b’、39b’’ 分針軸
40 指針
40a、40a’、40a’’ 時針
40b、40b’、40b’’ 分針
41 太陽電池
42、52、62 電極
61 夜光塗料

Claims (17)

  1. 時計ケース内に収容されている指針部材が指針と指針軸から構成され、かつ文字板上を前記指針が駆動する時計において、指針部材に少なくとも1つアンテナを配設したことを特徴とする電波時計。
  2. 前記指針部材の少なくとも一部を電気抵抗率が7.0μΩ・cm以下の非磁性部材としたことを特徴とする請求項1に記載の電波時計。
  3. 前記非磁性部材が金、銀、銅、黄銅、アルミニウム、マグネシウム、亜鉛、または前記金属元素を少なくとも一種含有する合金から選択した少なくとも1つ以上の材料からなることを特徴とする請求項2に記載の電波時計。
  4. 前記非磁性部材が金、銀、銅、黄銅、アルミニウム、マグネシウム、亜鉛、または前記金属元素を少なくとも一種含有する合金から選択した少なくとも2つ以上の材料から接合されて形成されていることを特徴とする請求項2に記載の電波時計。
  5. 前記指針部材の少なくとも一部に非導電性材料を配設したことを特徴とする請求項1に記載の電波時計。
  6. 時計ケースおよび裏蓋の一方または両方の、少なくとも一部が金、銀、銅、黄銅、アルミニウム、マグネシウム、亜鉛、または前記金属元素を少なくとも一種含有する合金から選択した少なくとも1つ以上の材料からなることを特徴とする請求項1に記載の電波時計。
  7. 時計ケースおよび裏蓋の一方または両方の、少なくとも一部が金、銀、銅、黄銅、アルミニウム、マグネシウム、亜鉛、または前記金属元素を少なくとも一種含有する合金から選択した少なくとも2つ以上の材料から接合されて形成されていることを特徴とする請求項1に記載の電波時計。
  8. 時計ケースおよび裏蓋の一方または両方の、少なくとも一部がステンレス鋼、チタン、チタン合金のいずれかからなることを特徴とする請求項1に記載の電波時計。
  9. 時計ケースおよび裏蓋の一方または両方の、少なくとも一部が非導電性材料からなることを特徴とする請求項1に記載の電波時計。
  10. 非導電性材料が合成樹脂またはセラミックであることを特徴とする請求項5または9に記載の電波時計。
  11. 前記指針部材の少なくとも一部に夜光塗料または蛍光塗料を塗布したことを特徴とする請求項1、2、5のいずれかに記載の電波時計。
  12. 前記夜光塗料または蛍光塗料内にアンテナの少なくとも一部を埋設したことを特徴とする請求項11に記載の電波時計。
  13. 前記指針部材、時計ケースおよび裏蓋の少なくとも1つ、かつ少なくともその一部に表面処理、硬化処理のいずれかまたは両方の処理を行ったことを特徴とする請求項1、2、5から9、11のいずれかに記載の電波時計。
  14. 前記表面処理が、鏡面、梨地、ヘアーライン目付け、模様、文字から選択した少なくとも1つの手段からなることを特徴とする請求項13に記載の電波時計。
  15. 前記表面処理が、金属被膜からなる表面仕上げであり、前記金属被膜が、湿式メッキ法、塗装法、蒸着法、イオンプレーティング法、アーク法、スパッタリング法から選択した少なくとも1つの手段で形成されていることを特徴とする請求項13に記載の電波時計。
  16. 時計が太陽電池により駆動することを特徴とする請求項1に記載の電波時計。
  17. 太陽電池を文字板下に配設したことを特徴とする請求項16に記載の電波時計。
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