WO2004070479A1

WO2004070479A1 - 電波時計

Info

Publication number: WO2004070479A1
Application number: PCT/JP2003/016970
Authority: WO
Inventors: Shizue Itou; Minoru Kobayashi; Takashi Ihara; Shigeyuki Takahashi
Original assignee: Citizen Watch Co., Ltd.
Priority date: 2002-12-27
Filing date: 2003-12-26
Publication date: 2004-08-19
Also published as: KR100752238B1; EP1577719B1; DE60335025D1; EP1577719A4; KR20050013242A; US20060126438A1; HK1081673A1; EP1577719A1

Description

電波時計技術分野本発明は、時刻情報を含む所定明の電波を受信して時刻を表示する電波時計に関するものであり、特に、通常の金属時田計ケースを使用した場合における電波受信性能の向上、外部磁気に対する耐磁性能の向上を目的とした電波時計のケース構造に関する。背景技術標準電波を受信する電子時計、すなわち時刻情報を含む標準電波（搬送波）を受信し、この電波から時刻情報を取り出すことにより、正確な時刻を得ることのできる電波時計は既に知られている。この時刻情報を含む電波は、'各国毎に周波数が異なり、例えば、日本では総務省、郵政事業庁の管轄下において、 4 0 k H zおよび 6 0 k H zの標準電波が発信されている。

図 2 6は、このような電波時計の機能の概略を示すプロック図である。この電波時計は、アンテナ 1、電波時計受信機 2、 C P U 3、表示駆動部 4、入力装置 5などから構成されている。その他、図示していないが時分秒の各指針又は液晶などによる表示部が含まれてレヽる。

この電波時計においては、はじめにアンテナ 1で時刻情報を含む電波を受信する。電波時計受信機 2は、アンテナ 1が受信した電波を増幅検波し、電波から時刻情報を取り出して出力する。 C P U 3は、電波時計受信機 2から出力された時刻情報に基づき、現在時刻データを出力する。表示駆動部 4は、 C P U 3から出力された現在時刻データに基づき、表示部に現在時刻を表示させる。なお、入力装置 5は、例えば、 C P U 3に対してリセットなどの操作情報を入力する際に使用される。

電波に含まれている時刻情報 (タイムコード)は、 6 0秒周期のパルス信号であり、国によって異なるが、日本の場合は 1秒ごとに、 2 0 0、 5 0 0、 8 0 0 msec のいずれかの幅を有するパルスが 1つ乗っている。これらパルスの組み合わせにより、 6 0秒で時刻情報が得られる。

C P U 3は、受け取ったパルス信号から 1秒ごとのパルスのパルス幅を読み取っていくことにより、時刻情報 (現在時刻)を取得する。そして、 C P Uは、取得した時刻情報により、表示駆動部 4を介して表示部における表示時刻を修正する。これによつて、電波時計は、受信した時刻情報に基づき、表示時刻が所定間隔毎に修正されることにより、常に正確な時刻を表示できるようになつている。

このような電波時計として、アンテナ、電波時計受信機、 C P U、表示駆動部おょぴ表示部を、アンテナ収納体であるケースの中に収納した腕時計が、すでに提供されている。このケースの素材には、アンテナが電波を受信するために合成樹脂ゃセラミックなどの非導電性材料が主として用いられてきた。

すなわち、金属などの導電材料からなるケース内部にァンテナを収納すると、アンテナ近傍に発生する磁束が導電材料に吸い取られ、共振現象が妨げられるため、アンテナが標準電波を受信できなくなる程度まで、アンテナの受信機能が著しく低下してしまうからである。

しかしながら、このようなアンテナの受信障害を避けるため、合成樹脂製のケースを用いると、ケースの耐傷性、あるいは耐薬品性の低下をまねき、しかも、装身具としての腕時計に必要とされる高級感ゃ美観も損なわれることになる。このため、ケースに金属を用いた電波腕時計が提案されている。

図 2 7は、ケースの一部に金属を用いた電波腕時計の構造の一例を示す断面図である。

この腕時計のケース 1 0は、時計ケース胴体 1 1と裏蓋 1 2と風防 1 3とから概略構成されている。バンド（図示せず）が連結される胴内部に、ムーブメント 1 4が公知の手段で配置されている。ムーブメント 1 4の上方には、時刻表示部である文字板 1 5と針 1 6が、同じく公知の手段で配置されている。そして、ムーブメント 1 4の下方で、かつ裏蓋 1 2の上方に位置するように、磁気長波アンテナであるバーアンテナ 1 7が配置されている。このパーアンテナ 1 7は、フェライト材からなる磁芯部材 1 8と、この磁芯部材 1 8に卷回されたコイル 2 0とよりなり、合成樹脂製の保持部材の上面に固定されている。ムーブメント 1 4は、前述した図 2 6に示したように、電波時計受信機 2、 C P U 3、および表示駆動部 4を備え、導線 2 1によってパーアンテナ 1 7と電気的に導通される。

従って、バーアンテナ 1 7が受信した標準電波に基づいて、ムーブメント 1 4の C P Uが、表示駆動部における、図示しないギア機構を動作させて、表示部の針 1 6の位置を常に修正するように駆動する。なお、ここで、上下方向とは、図 2 7における上下を示している。

時計ケース胴体 1 1は導電材料で中空でない、すなわち、ソリツド金属、例えば、ソリッドステンレス鋼からなる。時計ケース胴体 1 1の最上部には、非導電材料であるガラスからなる風防 1 3が、接着などの公知の手段で固定される。文字板 1 5は、非導電材料である合成樹脂やセラミックなどからなる。裏蓋 1 2は、時計ケース胴体 1 1に固定されたステンレス鋼からなる環状の縁枠 2 2と、縁枠内に固定されたガラス 2 3とからなる。このように、この腕時計は、ケースの上下面には非導電材料が視認されるものの、ケースの側面部分を金属で構成しているため、装身具としての高級感ゃ美観を損なわないという利点がある（特開 2 0 0 1— 3 3 5 7 1号公報参照)。

しかしながら、図 2 7に示される腕時計は、携帯使用する上での電波受信性能について大きな問題はないが、裏蓋 1 2の縁枠 2 2にガラス 2 3が固定されているため、腕時計を落とすなどの衝撃を与えるとガラス 2 3が破損するという問題がある。

また、裏蓋 1 2は、腕に密接しているので、長期の使用において、汗などによりガラス 2 3が縁枠 2 2から外れたり、腕時計内部のムーブメント（アンテナ 1、電波時計受信機 2、 C P U 3、表示駆動部 4など）に汗、水、ホコリなどが入り込み、腕時計としての機能を著しく低下させる恐れもある。

また、裏蓋 1 2にガラス 2 3が設けられているので、部品点数が増えるとともに組立工数も増え、コストアップをまねくという問題を有していた。また、非金属部材が外装に使用されているため、腕時計としての重厚感に欠け、高級感ゃ外観品質にも問題を有していた。

さらに、図 2 7に示される腕時計は、ケースの胴に金属を採用しているため、金属部材のそばにァンテナを配置するという不利は避けられない。従って、ケースの全てを非導電材料で構成した場合に比較すれば、この腕時計のバーアンテナの受信性能は 4 0 %近く低下してしまう。そのため、標準電波の送信局からの距離が遠！/、場所などのように、標準電波を受信しにく!/、環境下にあっては、この電波腕時計は、しばしば標準電波を受信できない。一方、一般に、モータで指針を駆動する時計の場合、外部からの磁気により指針駆動に影響が出て、時計精度が低下することがある。このため、外部磁気を遮断する耐磁板を時計ケース内に設けて時計精度の保持を図っていた。図 2 8は、上記のような外部磁気の影響を防ぐ耐磁板を、ムーブメントを保持する中枠と裏蓋との間に設けた腕時計の構造を示す断面図である。 ' この構造においては、ケース 2の内部にムーブメント 4を固定する中枠 6を設け、その中枠 6の裏蓋 8側に、上向きコの字形の耐磁板 1 0を取り付けてムーブメント 4を囲うように構成している（実用新案登録第 2 5 0 5 9 6 7号公報参照）。

この耐磁板 1 0は、上記のようにモジュールにネジ固定または食付き固定されたり、裏蓋 8の中子 8 aと中枠 6との間に挟んで固定されたり、裏蓋 8の内面に接着剤で接着して固定され、時計ケース内のスペース、モジュールの構造などに応じた固定構造によって固定されるものであった。

上記のような耐磁対策は、指針駆動に関して一般の時計と同様の構造を有する電波時計においても、時計精度の保持のために必要とされている。しかしながら、電波時計は、時刻情報を含む標準電波（搬送波）を受信し、この電波から時刻情報を取り出すことにより正確な時刻を得て表示するものであり、外部磁気を遮断するために耐磁板でムーブメントを包囲すると、受信性能が低下するおそれがあった。このため、電波時計では、これまで耐磁板を使用することができなかった。

本明は、上記従来技術の課題に鑑みなされたもので、通常の金属時計ケースを使用しても、携帯上、何の支障もなく時刻情報など、所定の情報を含んだ電波を受信することができ、安定した防水品質おょぴ高級感を有する外観品質の向上並びに一般の時計と同様のデザィンパリエーションの拡大を図ることが可能な電波時計ケースを提供することを目的とする。

また、本発明は、耐磁板をケース内部に配置した時計ケースを使用しても、時刻情報など、所定の情報を含んだ電波を受信することができ、且つ外部磁気のある環境下においても所定の時刻精度を保持できる電波時計を提供することを目的とする。発明の開示本発明は、前述したような従来技術における課題おょぴ目的を達成するために発明なされたものであって、本発明の電波時計は、時刻情報を含む電波を受前記アンテナが受信した電波によって、表示部に現在時刻などの時刻情報を表示させる時計装置と、

前記ァンテナと時計装置とを収納する時計ケースと、

前記時計ケースの内面に固定され、電気抵抗率が 7 . Ο μ Ω— C m以下に設定された少なくとも 1つの非磁性部材と、

を備えていることを特徴とする。

また、本発明の電波時計は、前記時計ケースが、チタン、チタン合金、ステンレススチーノレ、タングステンカーバイト、タンタルカ一バイトカら選択した少なくとも 1つ以上の材料からなり、

前記時計ケースの内面に、前記非磁性部材が固定されていることを特徴とする。

また、本発明の電波時計は、前記時計ケースが、時計ケース胴体を備え、前記時計ケース胴体が、チタン、チタン合金、ステンレススチール、タンダステンカ一バイト、タンタルカーバイトから選択した少なくとも 1つ以上の材料からなり、

前記時計ケース胴体の内面に、前記非磁性部材が固定されていることを特徴とする。

また、本発明の電波時計は、前記時計ケースが、時計ケース胴体と、前記時計ケース胴体に取り付け固定された裏蓋とを備え、

前記裏蓋が、チタン、チタン合金、ステンレススチール、タングステンカーパイト、タンタルカーバイトから選択した少なくとも 1つ以上の材料からなり、前記裏蓋の内面に、前記非磁性部材が固定されていることを特徴とする。

このように、アンテナと時計装置とを収納した時計ケース内に、電気抵抗率が 7 . 0 μ Ω— C m以下に設定された非磁性部材を設けることによって、金属材料に起因するアンテナ近傍での共振現象の乱れを低減することができるため、金属時計ケースであっても十分な受信感度を得ることが可能となる。

これにより、電波時計であっても、時計ケース、例えば、時計ケース胴体、裏蓋の内面に固定される非磁性部材として、 7 . 0 Ω— C m以下に設定された非磁性部材を用いれば、受信感度が低く、周波数選択性が低く、電気抵抗率が高い金属である、例えば、チタン、チタン合金、ステンレススチール、タンタルカ一バイトなどの外観品質に優れた金属を、時計ケース、例えば、時計ケース胴体、裏蓋として、受信感度を犠牲にすることなく、使用することができるようになり、時計ケースの機構上および外観上の機能を向上させることがでさる。

また、本発明の電波時計は、前記非磁性部材が、金、銀、銅、黄銅、アルミ二ゥム、マグネシウム、亜鉛、またはそれらの合金から選択した少なくとも 1 つ以上の材料からなることを特徴とする。また、本発明の電波時計は、前記非磁性部材が、金、銀、銅、黄銅、アルミ二ゥム、マグネシウム、またはそれらの合金から選択した少なくとも 2つ以上の材料が接合されて形成されていることを特徴とする。

このような金、銀、銅、黄銅、アルミニウム、マグネシウム、またはそれらの合金は、その電気抵抗率が 7 μ Ω— C m以下の金属であり、このような金属を時計ケースの時計ケース胴体、または裏蓋の内面に固定される非磁性部材として用いることによって、受信感度、周波数選択性とも高くなり、金属材料に起因するァンテナ近傍での共振現象の乱れを低減することができるため、金属時計ケースであっても十分な受信感度を得ることが可能となる。

また、本発明の電波時計は、前記非磁性部材の内面に、樹脂部材が密接されていることを特徴とする。

このように構成することによって、アンテナと非磁性部材とが接触してアンテナが損傷して受信状態が低下するのを防ぐことができる。

また、本発明の電波時計は、前記アンテナが、磁芯部材とこの磁芯部材に複数卷かれたコイルとから構成され、

前記磁芯部材の軸線を含む少なくとも 1つの平面に沿って、前記アンテナが平行に時計ケースの内面に投影される位置に、前記非磁性部材が配置されていることを特徴とする。 ·

前記磁芯部材の軸線を含む少なくとも 1つの平面に沿って、前記アンテナが平行に時計ケースの内面に投影される時計ケース胴体の位置に、前記非磁性部材が配置されていることを特徴とする。

また、本発明の電波時計は、前記アンテナが、磁芯部材とこの磁芯部材に複数巻かれたコイルとから構成され、

前記磁芯部材の軸線を含む少なくとも 1つの平面に沿って、前記アンテナが平行に時計ケースの内面に投影される裏蓋の位置に、前記非磁性部材が配置されていることを特徴とする。

また、本発明の電波時計は、前記アンテナは、磁芯部材とこの磁芯部材に複数巻かれたコイルとから構成され、

前記アンテナの少なくとも一方の軸方向端部に対向する時計ケースの内面の位置に、前記非磁性部材が配置されていることを特徴とする。

このような位置に、非磁性部材が配置されていることによって、アンテナの近傍に非磁性部材が位置することになつて、金属材料に起因するアンテナ近傍での共振現象の乱れを低減することができるため、金属時計ケースであっても十分な受信感度を得ることが可能となる。

また、本発明の電波時計は、前記時計ケースが、チタン、チタン合金、ステンレススチールから選択した少なくとも 1つ以上の材料に前記非磁性部材を圧接接合したクラッド材から構成されていることを特徴とする。

また、本発明の電波時計は、前記時計ケースが、時計ケース胴体を備え、前記時計ケース胴体が、チタン、チタン合金、ステンレススチールから選択した少なくとも 1つ以上の材料に前記非磁性部材を圧接接合したクラッド材から構成されていることを特徴とする。

前記裏蓋が、チタン、チタン合金、ステンレススチールから選択した少なくとも 1つ以上の材料に前記非磁性部材を圧接接合したクラッド材から構成されていることを特徴とする。このように構成することによって、時計ケースとして、例えば、時計ケース胴体、裏蓋に素材の段階で非磁性部材を一体に接合して固定し、その後、形状を整えることも可能であり、複雑な時計ケース形状に対応することができるとともに、製造工程が簡単になり、コストの低減を図ることができる。

また、本発明の電波時計は、前記非磁性部材が、圧入、力シメ、溶接、ロー付、接着剤の中の少なくとも 1つの手段によって、前記時計ケースに固定されていることを特徴とする。

また、本発明の電波時計は、前記時計ケースが、時計ケース胴体を備え、前記非磁性部材が、圧入、力シメ、溶接、ロー付、接着剤の中の少なくとも 1つの手段によって、前記時計ケース胴体に固定されていることを特徴とする。また、本発明の電波時計は、前記時計ケースが、時計ケース胴体と、前記時計ケース胴体に取り付け固定された裏蓋とを備え、

前記非磁性部材が、圧入、力シメ、溶接、ロー付、接着剤の中の少なくとも

1つの手段によって、前記裏蓋に固定されていることを特徴とする。

このように構成することによって、時計ケースの内面に、例えば、時計ケース胴体、裏蓋の内面に、非磁性部材を容易に固定することができる。

また、本発明の電波時計は、前記時計ケースに固定された前記非磁生部材が、湿式メッキ法または金属溶射法の手段によつて形成されていることを特徴とする。

また、本発明の電波時計は、前記時計ケースが、時計ケース胴体を備え、前記時計ケース胴体に固定された前記非磁性部材が、湿式メツキ法または金属溶射法の手段によって形成されていることを特徴とする。

また、本発明の電波時計は、前記時計ケースが、時計ケース胴体と、前記時計ケース胴体に取り付け固定された裏蓋とを備え、前記裏蓋に固定された前記非磁性部材が、湿式メツキ法または金属溶射法の手段によって形成されていることを特徴とする。

このように構成することによって、時計ケースの内面に、例えば、時計ケース胴体、裏蓋の内面に、湿式メツキ法または金属溶射法によって、非磁性部材を容易に固定することができに、複雑な時計ケース形状に対応することができるとともに、製造工程が簡単になり、コストの低減を図ることができる。

また、本発明の電波時計は、前記非磁性部材が、 5 0 mから 2 0 0 0 μ m の範囲の厚さを有していることを特徴とする。

このような範囲に非磁性部材の厚さがあれば、アンテナの利得が高く、受信感度が良好で、周波数選択性が良好であり、しかも、時計ケース胴体や裏蓋とムーブメントゃアンテナとの間の距離、または製造 ·組立時における非磁性部材の取り扱い易さを考慮すれば最適な厚さである。

また、本発明の電波時計は、時刻情報を含む電波を受信するアンテナと、前記ァンテナが受信した電波によって、表示部に現在時刻などの時刻情報を表示させる時計装置と、

前記アンテナと時計装置とを収納する時計ケースとを備えた電波時計であつて、

前記時計ケ"スが、電気抵抗率が 7 . 0 μ Ω— C m以下の非磁性部材から少なくともその一部が構成されるとともに、

前記時計ケースの表面に、表面仕上げが施されていることを特徴とする。また、本発明の電波時計は、前記時計ケースが、時計ケース胴体と、裏蓋と、べセノレと備、

これらの時計ケース胴体、裏蓋、ベゼルの中の少なくとも 1つが、非磁性部材から構成されるとともに、前記非磁' ι·生部材から構成した時計ケース以外の時計ケースが、チタン、チタン合金、ステンレススチール、タングステンカーバイト、タンタルカーバイト、樹脂から選択した少なくとも 1つ以上の材料から構成されていることを特徴とする。

このように構成することによって、時計ケースの一部、例えば、時計ケース胴体、裏蓋、べゼルなどの一部、または少なくともこれらの 1つが、電気抵抗率が 7 . 0 Ω— C m以下に設定された非磁性部材で形成されているので、非磁性部材によって、金属材料に起因するァンテナ近傍での共振現象の乱れを低減することができるため、金属時計ケースであっても十分な受信感度を得ることが可能となる。

これにより、電波時計であっても、時計ケースの一部、例えば、時計ケース胴体、裏蓋、べゼルなどの一部、または少なくともこれらの 1つを、 7 . 0 μ Ω— C m以下に設定された非磁性部材を用いれば、受信感度が低く、周波数選択性が低く、電気抵抗率が高い金属である、例えば、チタン、チタン合金、ステンレススチール、タンタルカーバイトなどの外観品質に優れた金属を、この非磁性部材からなる時計ケース部分以外の時計ケース部分として、受信感度を犠牲にすることなく、使用することができるようになり、時計ケースの機構上および外観上の機能を向上させることができる。

しかも、このような非磁 14部材からなる時計ケース部分の表面に、表面仕上げが施されているので、耐食性、耐熱性、機械的強度などを備えるとともに、高級感のある金属色などの色調、外観品質も高い時計ケース、例えば、時計ケース胴体、裏蓋、べゼルなどを、電波時計ではない一般の時計と同様に設計' 製造することができ、電波時計におけるケースのデザィンバリエーションを一般の時計並に拡大することができる。また、本発明の電波時計は、前記非磁性部材が、金、銀、銅、黄銅、アルミ二ゥム、マグネシウム、亜鉛、またはそれらの合金から選択した少なくとも 1 つ以上の材料からなることを特徴とする。

また、本発明の電波時計は、前記非磁性部材が、金、銀、銅、黄銅、アルミ二ゥム、マグネシウム、またはそれらの合金から選択した少なくとも 2つ以上の材料が接合されて形成されていることを特徵とする。

このような金、銀、銅、黄銅、アルミニウム、マグネシウム、またはそれらの合金は、その電気抵抗率が 7 Ω— C m以下の金属であり、このような金属を、時計ケースの一部、例えば、時計ケース胴体、裏蓋、べゼルなどの一部、または少なくともこれらの 1つの非磁性部材として用いることによって、受信感度、周波数選択性とも高くなり、金属材料に起因するアンテナ近傍での共振現象の乱れを低減することができるため、金属時計ケースであっても十分な受信感度を得ることが可能となる。

前記磁芯部材の軸線を含む少なくとも 1つの平面に沿って、前記アンテナが平行に投影される時計ケースの部材、またはこの投影された時計ケースの部材が投影される部分が、前記非磁性部材から構成されていることを特徴とする。また、本発明の電波時計は、前記アンテナが、磁芯部材とこの磁芯部材に複数卷かれたコイルとから構成され、

前記アンテナの少なくとも一方の軸方向端部に対向する時計ケースの部材、またはこの軸方向端部に対向した時計ケースの部材に対向する部分が、前記非磁性部材から構成されていることを特徴とする。

また、本発明の電波時計は、前記表面仕上げが、鏡面、梨地、ヘアライン目付け、模様、文字から選択した少なくとも 1つの表面仕上げからなることを特徴とする。

このように表面仕上げが、鏡面、梨地、ヘアライン目付け、模様、文字から構成されることによって、高級感、外観品質も高い時計ケース、例えば、時計ケース胴体、裏蓋、べゼルなどを、電波時計ではない一般の時計と同様に設計 · 製造することができ、電波時計におけるケースのデザインバリエーションを一般の時計並に拡大することができる。

また、本発明の電波時計は、前記表面仕上げが、金属被膜からなり、前記金属被膜が、湿式メツキ法、蒸着法、イオンプレーティング法、アーク法、スパッタリング法から選択した少なくとも 1つの手段で設けられていることを特徴とする。

このように、表面仕上げが、金属被膜からなるので、耐食性、耐熱性、機械的強度などを備えるとともに、高級感のある金属色などの色調、外観品質も高い時計ケース、例えば、時計ケース胴体、裏蓋、べゼルなどを、電波時計ではない一般の時計と同様に設計 ·製造することができ、電波時計におけるケースのデザィンバリェ——ンョンを一般の時計並に拡大することができる。

しかも、このような金属被膜を、湿式メツキ法、蒸着法、イオンプレーティング法、アーク法、スパッタリング法によって形成するので、複雑な時計ケース形状に対応することができるとともに、製造工程が簡単になり、コストの低減を図ることができる。また、本発明の電波時計は、前記表面仕上げが、前記非磁性部材表面に施されていることを特徴とする。

このように、非磁性部材表面に表面に、表面仕上げが施されているので、耐食性、耐熱性、機械的強度などを備えるとともに、高級感のある金属色などの色調、外観品質も高い時計ケース、例えば、時計ケース胴体、裏蓋、ベゼルなどを、電波時計ではない一般の時計と同様に設計 ·製造することができ、電波時計におけるケースのデザィンパリエーションを一般の時計並に拡大することができる。

また、本発明の電波時計は、時刻情報を含む電波を受信するアンテナと、前記アンテナが受信した電波によって、表示部に現在時刻などの時刻情報を表示させる時計装置と、

前記時計ケースが、金属から構成されていることを特徴とする。

また、本発明の電波時計は、前記アンテナが、前記時計ケースの内面に接するように配設されていることを特徴とする。

また、本発明の電波時計は、前記アンテナが、前記時計ケースの内面から離間して配設されていることを特徴とする。

このように時計ケースを、金属から構成して、アンテナと時計ケースとの距離、すなわち、時計ケースの時計ケース胴体の胴厚 T 1、時計ケースの裏蓋の裏蓋厚 T 2、時計ケース胴体の胴内面からアンテナまでの間隙 D 1、ならびに、裏蓋内面からアンテナまでの間隙 D 2を、受信感度に基づいて設定することによって、金属材料に起因するアンテナ近傍での共振現象の乱れを低減することができるため、金属時計ケースであっても受信感度を向上させることが可能となる。これにより、受信感度が低く、周波数選択性が低く、電気抵抗率が高い金属である、例えば、チタン、チタン合金、ステンレススチール、タンタル力一バイトなどの外観品質に優れた金属を、時計ケース、例えば、時計ケース胴体、裏蓋、べゼルなどとして、受信感度を犠牲にすることなく、使用することができるようになり、時計ケースの機構上および外観上の機能を向上させることができる。

また、本発明の電波時計は、前記時計ケースとアンテナが、前記時計ケースの時計ケース胴体の胴厚 T 1力 3 0 0 μ ιηから 5 0 0 0 ^ mとなるように設定されていることを特徴とする。

また、本発明の電波時計は、前記時計ケースとアンテナが、前記時計ケースの時計ケース胴体の胴厚 T 1が、 5 0 O /i mから 2 0 0 0 / mとなるように設定されていることを特^とする。

このように時計ケースの時計ケース胴体の胴厚 T 1を、 3 0 0 mから 5 0

0 0 mとなるように設定することによって、アンテナの利得が高く、受信感度が良好であり、時計ケースとして使用可能な強度などを維持することができる。

特に、時計ケースの時計ケース胴体の胴厚 T 1を、 5- 0 0 μ πιから 2 0 0 0 μ πιとなるように設定することによって、アンテナの利得が高く、受信感度が良好であり、時計ケースとして使用可能な強度などを維持することができるとともに、時計ケースとして外観、加工性、耐食性などを考慮した最も適した時計ケース胴体を得ることができる。

また、本発明の電波時計は、前記時計ケースとアンテナが、前記時計ケースの時計ケース胴体の胴内面からアンテナまでの間隙 D 1が、 0から 4 0 0 0 0 μ πιとなるように設定されていることを特徴とする。また、本発明の電波時計は、前記時計ケースとアンテナが、前記時計ケースの時計ケース胴体の胴内面からアンテナまでの間隙 D 1が、 500 μπιから 1 0000 μηιとなるように設定されていることを特徴とする。

このように時計ケースの時計ケース胴体とアンテナとの位置関係、すなわち、時計ケースの時計ケース胴体の胴内面からアンテナまでの間隙 D 1を、 0から

40000 /imとなるように設定することによって、アンテナの利得が高く、受信感度が良好である。

特に、時計ケースの時計ケース胴体の胴内面からアンテナまでの間隙 D 1を、

500； mから Ι Ο Ο Ο Ο ^πιとなるように設定することによって、アンテナの利得が高く、受信感度が良好で、時計ケースとして使用可能な強度などを維持することができるとともに、時計ケースとして外観、加工性、耐食性などを考慮した最も適した時計ケース胴体を得ることができる。

また、本発明の電波時計は、前記時計ケースとアンテナが、前記時計ケースの裏蓋の裏蓋厚 T 2が、 100 μπιから 5000 μπιとなるように設定されていることを特徴とする。

また、本発明の電波時計は、前記時計ケースとアンテナが、前記時計ケースの裏蓋の裏蓋厚 T 2が、 300 μιηから 2000 μηιとなるように設定されていることを特徴とする。

このように時計ケースの裏蓋の裏蓋厚 Τ 2を、 l O O j mから 5000 ;um となるように設定することによって、アンテナの利得が高く、受信感度が良好であり、時計ケースとして使用可能な強度などを維持することができる。

特に、時計ケースの裏蓋の裏蓋厚 T 2を、 300 inから 2000 となるように設定することによって、アンテナの利得が高く、受信感度が良好であり、時計ケースとして使用可能な強度などを維持することができるとともに、時計ケースとして外観、加工性、耐食性などを考慮した最も適した時計ケースの裏蓋を得ることができる。

また、本発明の電波時計は、前記時計ケースとアンテナが、前記時計ケースの裏蓋内面からアンテナまでの間隙 D 2が、 0から 5 0 0 0 μ πιとなるように設定されていることを特徴とする。

また、本発明の電波時計は、前記時計ケースとアンテナが、前記時計ケースの裏蓋内面からアンテナまでの間隙 D 2が、 1 0 0； u mから 7 0 0 μ πιとなるように設定されていることを特徴とする。

このように時計ケースの裏蓋とアンテナの位置関係、すなわち、時計ケースの裏蓋内面からアンテナまでの間隙 D 2を、 0から 5 0 0 0 πιとなるように設定することによって、アンテナの利得が高く、受信感度が良好であり、時計ケースとして使用可能な強度などを維持することができる。

特に、時計ケースの裏蓋内面からアンテナまでの間隙 D 2を、 1 0 0 μ πιから 7 0 Ο μ πιとなるように設定することによって、アンテナの利得が高く、受信感度が良好であり、時計ケースどして使用可能な強度などを維持することができるとともに、時計ケースとして外観、加工性、耐食性などを考慮した最も適した時計ケースの裏蓋を得ることができる。

また、本発明の電波時計は、前記時計ケースの時計ケース胴体が、チタン、チタン合金、ステンレススチール、タングステンカーバイト、タンタノレカーバィトから選択した少なくとも 1つ以上の材料からなることを特徵とする。

また、本発明の電波時計は、前記時計ケースの裏蓋が、チタン、チタン合金、ステンレススチール、タングステンカーバイト、タンタルカーバイトから選択した少なくとも 1つ以上の材料からなることを特徴とする。

上記したように、アンテナと時計ケースとの距離、すなわち、時計ケースの時計ケース胴体の胴厚 T 1、時計ケースの裏蓋の裏蓋厚 Τ 2、時計ケース胴体の胴内面からアンテナまでの間隙 D 1、ならびに、裏蓋内面からアンテナまでの間隙 D 2を、受信感度に基づいて設定することによって、金属材料に起因するアンテナ近傍での共振現象の乱れを低減することができる。

従って、受信感度が低く、周波数選択性が低く、電気抵抗率が高い金属である、例えば、チタン、チタン合金、ステンレススチール、タンタルカーバイトなどの外観品質に優れた金属を、時計ケース、例えば、時計ケース胴体、裏蓋べゼルなどとして、受信感度を犠牲にすることなく、使用することができるようになり、時計ケースの機構上および外観上の機能を向上させることができる。また、本発明の電波時計は、前記時計ケースの時計ケース胴体が、金、銀、銅、黄銅、アルミニウム、マグネシウム、亜鉛、またはそれらの合金から選択した少なくとも 1つ以上の材料からなることを特徴とする。

また、本発明の電波時計は、前記時計ケースの時計ケース胴体が、金、銀、銅、黄銅、アルミニウム、マグネシウム、亜鉛、またはそれらの合金から選択した少なくとも 2つ以上の材料が接合されて形成されていることを特徴とする。また、本発明の電波時計は、前記時計ケースの裏蓋が、金、銀、銅、黄銅、アルミニウム、マグネシウム、亜鉛、またはそれらの合金から選択した少なくとも 1つ以上の材料からなることを特徴とする。

また、本発明の電波時計は、前記時計ケースの裏蓋が、金、銀、銅、黄銅、アルミニウム、マグネシウム、またはそれらの合金から選択した少なくとも 2 つ以上の材料が接合されて形成されていることを特徴とする。

このような金、銀、銅、黄銅、アルミニウム、マグネシウム、またはそれらの合金は、その電気抵抗率が 7 μ Ω— C m以下の金属であり、このような金属を時計ケース、例えば、時計ケース胴体、裏蓋、べゼルなどに用いることによつて、受信感度、周波数選択性とも高くなり、金属材料に起因するアンテナ近傍での共振現象の乱れを低減することができるため、金属時計ケースであっても十分な受信感度を得ることが可能となる。

また、本発明の電波時計は、前記時計ケースの時計ケース胴体が、超硬金属からなることを特徴とする。

また、本発明の電波時計は、前記時計ケースの裏蓋が、超硬金属からなることを特徴とする。

このように、時計ケース、例えば、時計ケース胴体、裏蓋、べゼルなどを超硬金属で構成することによって、金属を使用した時計ケースであっても受信感度を良好にすることができ、しかも、磨耗、損傷を防止でき、機械的強度なども向上することができる。

また、本発明の電波時計は、前記時計ケースの時計ケース胴体または裏蓋の少なくとも 1つに、表面処理および/または硬化処理が施されていることを特徴とする。

このように時計ケースの時計ケース胴体または裏蓋に、表面処理おょぴ Zまたは硬ィヒ処理が仕上げが施されているので、耐食性、耐熱性、機械的強度などを備えるとともに、高級感のある金属色などの色調、外観品質も高い時計ケース、例えば、時計ケース胴体、裏蓋、べゼルなどを、電波時計ではない一般の時計と同様に設計 ·製造することができ、電波時計におけるケースのデザインバリエーションを一般の時計並に拡大することができる。

また、本発明の電波時計は、前記時計ケースの時計ケース胴体の内面と前記アンテナの外側面とが、平面視で略平行となるように配置されていることを特徴とする。

また、本発明の電波時計は、前記時計ケースの裏蓋の内面に対して、前記ァ )軸方向両端部の一端面を略平行に配設したことを特徴とする。

また、本発明の電波時計は、前記時計ケースの裏蓋の内面に対して、アンテナの外側面が、略垂直となるように配置されていることを特徴とする。

すなわち、アンテナを時計ケースの内部で、縦に立てた状態に（鉛直方向に）なるように配置しても、上記したように、アンテナと時計ケースとの距離、すなわち、時計ケースの時計ケース胴体の胴厚 T 1、時計ケースの裏蓋の裏蓋厚 T 2、時計ケース胴体の胴内面からアンテナまでの間隙 D 1、ならびに、裏蓋内面からアンテナまでの間隙 D 2を、受信感度に基づいて設定することによつて、金属材料に起因するアンテナ近傍での共振現象の乱れを低減することができる。

また、本発明の電波時計は、前記時計ケースの裏蓋の内面と前記アンテナの外側面とが略平行となるように配置されていることを特徴とする。

また、本発明の電波時計は、前記時計ケースの裏蓋の内面に対して、前記ァンテナの軸方向両端部の一端面を略垂直に配設したことを特徵とする。

また、本発明の電波時計は、前記時計ケースの時計ケース胴体の内面と前記了ンテナの外側面とが、平面視で略平行となるように配置されていることを特徴とする。

すなわち、アンテナを時計ケースの内部で、水平方向に横にした状態となるように配置しても、上記したように、アンテナと時計ケースとの距離、すなわち、時計ケースの時計ケース胴体の胴厚 Τ 1、時計ケースの裏蓋の裏蓋厚 Τ 2、時計ケース胴体の胴内面からアンテナまでの間隙 D 1、ならびに、裏蓋内面からアンテナまでの間隙 D 2を、受信感度に基づいて設定することによって、金属材料に起因するアンテナ近傍での共振現象の乱れを低減することができる。また、本発明の電波時計は、前記時計ケースの裏蓋が、平面的な 2次元形状からなることを特^とする。

このように、裏蓋の形状を、裏蓋に立ち上がり部を形成せずに内面を平坦にし、裏蓋を平面的な 2次形状にすると、立ち上がり部を設けた場合に比べてァンテナ周辺の共振現象の乱れを低減し、受信感度を向上させることができる。また、本発明の電波時計は、前記時計ケースの内面に、電気抵抗率が 7 . 0 IX Ω— C m以下の非磁性部材が少なくとも 1つ固定されていることを特徴とする。

このように、時計ケースの内面に、電気抵抗率が 7 . Ο μ Ω— C m以下に設定された非磁性部材を設けることによって、金属材料に起因するァンテナ近傍での共振現象の乱れを低減することができるため、金属時計ケースであっても十分な受信感度を得ることが可能となる。

これにより、電波時計であっても、時計ケース、例えば、時計ケース胴体、裏蓋の内面に固定される非磁性部材として、 7 . 0 Ω— C m以下に設定された非磁性部材を用いれば、受信感度が低く、周波数選択性が低く、電気抵抗率が高い金属である、例えば、チタン、チタン合金、ステンレススチール、タンタルカーバイトなどの外観品質に優れた金属を、時計ケース、例えば、時計ケース胴体、裏蓋として、受信感度を犠牲にすることなく、使用することができるようになり、時計ケースの機構上おょぴ外観上の機能を向上させることがでさる。

また、本発明の電波時計は、前記非磁性部材が、金、銀、銅、黄銅、アルミ二ゥム、マグネシウム、亜鉛、またはそれらの合金から選択した少なくとも 1 つ以上の材料からなることを特 i とする。

また、本発明の電波時計は、前記非磁性部材が、金、銀、鲖、黄銅、アルミ二ゥム、マグネシウム、またはそれらの合金から選択した少なくとも 2つ以上の材料が接合されて形成されていることを特徴とする。

このような金、銀、銅、黄銅、アルミニウム、マグネシウム、またはそれらの合金は、その電気抵抗率が 7 μ Ω— C m以下の金属であり、このような金属を時計ケースの時計ケース胴体、または裏蓋の内面に固定される非磁性部材として用いることによって、受信感度、周波数選択性とも高くなり、金属材料に起因するアンテナ近傍での共振現象の乱れを低減することができるため、金属時計ケースであっても十分な受信感度を得ることが可能となる。

前記磁芯部材の軸線を含む少なくとも 1つの平面に沿って、前記ァンテナが平行に投影される時計ケースの部材、またはこの投影された時計ケースの部材が投影される部分が、前記非磁性部材から構成されていることを特徴とする。また、本発明の電波時計は、前記アンテナが、磁芯部材とこの磁芯部材に複数卷かれたコイルと力ら構成され、

このような位置に、非磁性部材が配置されていることによって、アンテナの近傍に非磁性部材が位置することになって、金属材料に起因するァンテナ近傍での共振現象の乱れを低減することができるため、金属時計ケースであっても十分な受信感度を得ることが可能となる。

また、本発明の電波時計は、時刻情報を含む電波を受信するアンテナと、前記アンテナが受信した電波によって、表示部に現在時刻などの時刻情報を表示させる時計装置と、外部磁気の影響を防ぐ耐磁板と、

.前記アンテナと時計装置と耐磁板とを収納する時計ケースとを備えた電波時計であって、

前記時計ケース内に配置した耐磁板が、前記アンテナと対向する部分に開口部を有することを特徴とする。

このように、時計ケース内に配置した耐磁板が、アンテナと対向する部分に開口部を有するので、この開口部を介して、耐磁板の影響を受けることなく、アンテナが電波を受信することができるので、電波受信性能を低下させることなく、電波時計においても外部磁気から時計装置を保護することができ、指針駆動に影響がなく、時計精度を向上することが可能となる。

前記磁芯部材の軸線を含む少なくとも 1つの平面に沿って、前記アンテナが平行に投影される位置に、前記耐磁板に開口部が設けられていることを特徴とする。

前記アンテナの少なくとも一方の軸方向端部に対向する位置に、前記耐磁板に開口部が設けられていることを特徴とする。

このような位置、すなわち、アンテナに相対する位置に、耐磁板に開口部が設けられていることによって、この開口部を介して、耐磁扳の影響を受けることなく、アンテナが電波を受信することができるので、電波受信性能を低下させることなく、電波時計においても外部磁気から時計装置を保護することができ、指針駆動に影響がなく、時計精度を向上することが可能となる。また、本発明の電波時計は、俞記アンテナが、前記耐磁板の外側に位置するように配設されていることを特徴とする。

また、本発明の電波時計は、前記アンテナが、その少なくとも一部が、前記耐磁板の開口部より突出し、前記時計ケースのケース胴体の内面側に位置していることを特徴とする。

また、本発明の電波時計は、前記アンテナが、その少なくとも一部が、前記耐磁板の開口部より突出し、前記時計ケースの裏蓋側に位置していることを特徴とする。

また、本発明の電波時計は、前記アンテナが、その少なくとも一部が、前記耐磁板の開口部より突出し、表示板側に位置していることを特徴とする。

アンテナの一部または全部が開口部から突出している位置にアンテナが配置されているので、耐磁板の影響を受けることなく電波を受信することができ、電波受信性能を低下させることなく、電波時計においても外部磁気から時計装置を保護することができ、指針駆動に影響がなく、時計精度を向上することが可能となる。

また、本発明の電波時計は、前記耐磁板が、純鉄またはパーマロイから選択した少なくとも 1つ以上の材料からなることを特徴とする。

このように、耐磁板が、純鉄またはパーマロイからなるので、透磁率が高く、外部磁気から時計装置を保護することができ、指針駆動に影響がなく、時計精度を向上することが可能となる。

また、本発明の電波時計は、前記耐磁板の内面には、電気抵抗率が 7 . 0 Ω— C m以下の非磁性部材が配設されていることを特徴とする。

このように構成することによって、耐磁板の内面には、電気抵抗率が 7 . 0 μ Ω— C m以下の非磁性部材が配設されているので、アンテナの利得が高くなり、受信感度、周波数選択性とも高くなり、受信性能、時計精度を向上することが可能となる。

また、本発明の電波時計は、前記耐磁板の開口部内には、前記非磁性部材が配設されていることを特徴とする。

このようにアンテナに対応する位置の耐磁板の開口部内には、非磁性部材が配設されているので、受信感度、周波数選択性とも高くなり、アンテナの利得が高くなり、受信感度、周波数選択性とも高くなり、受信性能、時計精度を向上することが可能となる。

また、本発明の電波時計は、前記非磁性部材が、前記非磁性部材が、金、銀、銅、黄銅、アルミニウム、マグネシウム、亜鉛、またはそれらの合金から選択した少なくとも 1つ以上の材料からなることを特徴とする

また、本発明の電波時計は、前記非磁性部材が、前記非磁性部材が、金、銀、銅、黄銅、アルミニウム、マグネシウム、亜鉛、またはそれらの合金から選択した少なくとも 2つ以上の材料が接合されて形成されていることを特徴とする。このような金、銀、銅、黄銅、アルミニウム、マグネシウム、またはそれらの合金は、その電気抵抗率が 7 μ Ω— C m以下の金属であり、このような金属を時計ケースの時計ケース胴体、または裏蓋の内面に固定される非磁性部材として用いることによって、アンテナの利得が高くなり、受信感度、周波数選択性とも高くなり、受信性能、時計精度を向上することが可能となる。

また、本発明の電波時計は、前記非磁性部材が、前記表示板方向に向かって立設された立上がり部を有し、

前記立上がり部が、前記時計ケースの一部に当接することによって、前記耐磁板の回転を規制するように構成されていることを特徴とする。

このように構成することによって、而す磁板の回転を止めて、容易に耐磁板の位置決めをすることができ、アンテナ、時計ケース、耐磁板を簡単に組み立てることができ、製造工程が簡単になり、コストの低減が図れる。

前記時計ケースが、電気非伝導材料または電気抵抗率が低、材料から構成されるとともに、

前記時計ケースの外側に装着した電気伝導材料からなる外装部材を備えることを特 ί敷とする。

また、本発明の電波時計は、前記外装部材が、前記時計ケースの時計ケース胴体の外側面を覆う外装部材であることを特徴とする。

また、本発明の電波時計は、前記外装部材が、前記時計ケースの時計ケース胴体の上面を覆う外装部材であることを特徴とする。

このように構成することによって、アンテナを収容する時計ケースは、電気非伝導性または電気抵抗率が低い材料であり、時計ケースの外側に装着した外装部材、特に、時計ケース胴体の外側面を覆う外装部材が金属などの電気伝導性である。

従って、アンテナを収容する時計ケース自体が伝導性材料である場合と比較して、アンテナと、金属などの電気伝導性材料である外装部材との距離を大きくできるので、アンテナの受信障害が生じにくく、これにより、アンテナが良好に電波を受信でき、受信性能、時計精度を向上することが可能となる。

さらに、金属などの伝導性の外装部材により、電波時計に金属感のある外観が付与される。これにより、あたかも時計ケースがソリッドの金属であるように視認されるので、合成樹脂などの非伝導性材料を時計ケースに用いながらも、高級感ゃ美観を損なわなレ、。

また、本発明の電波時計は、前記時計ケースを構成する電気非伝導材料が、合成樹脂、ゴム、セラミックから選択した少なくとも 1つ以上の電気非伝導性材料からなることを特徴とする。

このように、時計ケース、例えば、時計ケース胴体、裏蓋、べゼルなどが、合成樹脂、ゴム、セラミックなどの電気非伝導材料から構成されるので、アンテナが良好に電波を受信でき、受信性能、時計精度を向上することが可能となる。

また、本発明の電波時計は、前記時計ケースを構成する電気抵抗率が低い材料が、金、銀、銅、黄銅、アルミニウム、マグネシウム、またはそれらの合金から選択した少なくとも 1つ以上の電気抵抗率が低い材料からなることを特徴とする。

このように、時計ケース、例えば、時計ケース胴体、裏蓋、べゼルなどが、金、銀、銅、黄銅、アルミニウム、マグネシウム、またはそれらの合金などの電気抵抗率が低い材料から構成されるので、アンテナが良好に電波を受信でき、受信性能、時計精度を向上することが可能となる。

また、本発明の電波時計は、前記外装部材を構成する電気伝導材料が、ステンレス、チタン、チタン合金から選択した少なくとも 1つ以上の電気伝導性材料からなることを特徴とする。

このように、外装部材が、外観品質に優れた金属である、ステンレス、チタン、チタン合金などの電気伝導性材料から構成することができるので、電波時計ではない一般の時計と同様に設計 ·製造することができ、電波時計におけるケースのデザィンバリエーションを一般の時計並に拡大することができる。図面の簡単な説明図 1は、本発明の一実施例に係る電波時計のケース構造を示す断面図である。図 2は、受信状態の優劣を示すアンテナの利得及び Q値の算出例を示す説明図である。

図 3は、実験用外装を用いた受信実験の実験用設備を示す説明図である。図 4は、本発明の別の実施例に係る電波時計のケース構造を示す分解斜視図である。

図 5は、図 4の竜頭の軸線に沿う切断平面図である。

図 6は、本発明の別の実施例に係る電波時計のケース構造を示す断面図である。

図 7は、本発明の別の実施例に係る電波時計のケース構造を示す断面図である。

図 8は、本発明の別の実施例に係る電波時計のケース構造を示す断面図である。

図 9は、本発明の別の実施例に係る電波時計のケース構造を示す断面図であ図 1 0は、本発明における時計ケース胴体とアンテナの設定状態を示す説明用平面図である。

図 1 1は、本発明における裏蓋とアンテナの設定状態を示す説明用断面図でめる。

図 1 2は、実験結果に基づく受信信号の利得と胴厚との関係を示す図である。図 1 3は、実験結果に基づく受信信号の利得とアンテナと胴との距離の関係を示す図である。

図 1 4は、実験結果に基づく受信信号の利得と裏蓋厚との関係を示す図である。

図 1 5は、実験結果に基づく受信信号の利得とアンテナと裏蓋との距離の関係を示す図である。

図 1 6は、本発明の別の実施例に係る電波時計のケース構造を示す断面図である。

図 1 7は、本発明の別の実施例に係る電波時計のケース構造を示す断面図である。

図 1 8は、本発明の別の実施例に係る電波時計のケース構造を示す断面図でめる。

図 1 9は、本発明の別の実施例に係る電波時計のケース構造を示す断面図である。

図 2 0は、図 1 9に示した耐磁板の裏蓋方向からの平面図である。

図 2 1は、本発明の別の実施例に係る電波時計のケース構造を示す断面図でめる。

図 2 2は、本発明の別の実施例に係る電波時計のケース構造を示す断面図である。

図 2 3は、本発明の別の実施例に係る電波時計のケース構造を示す断面図である。

図 2 4は、本発明の別の実施例に係る電波時計のケース構造を示す断面図でめる。

図 2 5は、図 2 4に示した耐磁板の裏蓋方向からの平面図である。図 2 6は、電波時計の機能の概略を示すブロック図である。

図 2 7は、ケースの一部に金属を用いた電波腕時計の構造の従来例を示す断面図である。

図 2 8は、耐磁板を用いた一般の腕時計の構造の従来例を示す断面図である。図 2 9は、電铸により非磁性部材を形成する場合の形成例を示す裏蓋の断面図である。

図 3 0は、本発明の電波時計のアンテナの配置状態を説明する概略図である。発明を実施するための最良の形態以下、本発明の実施の形態（実施例）を図面に基づいてより詳細に説明する。 (実施例 1 )

図 1は、本発明の一実施例に係る電波時計のケース構造を示す断面図である。図 1に示したように、時計ケース Aは、時計ケース胴体 3 0と、時計ケース胴体 3 0の下面に取付けられた裏蓋 3 3、図示しないが、べゼルなどから構成されるものである。

時計ケース胴体 3 0は、略筒状をなし、その図中上方の開口部の内周縁にある段部 3 0 aにパッキン 3 1を介してガラス 3 2が取り付けられ、図中下方の開口部に裏蓋 3 3が圧入、螺合、ネジなどの手段により取り付けられている。なお、図 1に示す裏蓋 3 3は圧入にて時計ケース胴体 3 0に取り付けられており、その立ち上がり部 3 3 aと時計ケース胴体 3 0の内側面 3 0 cとの間にパッキン 4 4が挟み込まれている。また、時計ケース胴体 3 0は金属からなるものであり、その材質に関しては後述する。時計ケース胴体 3 0の中には、前述した図 2 6に示す電波時計受信機、 C P U、および表示駆動部などを備えたムーブメント 3 4が収められている。ムーブメント 3 4の図中上方には、時刻表示部である文字板 3 5と指金 + 3 6が設けられている。

このムーブメント 3 4は、時計ケース胴体 3 0の段部 3 0 aを形成する内方突出部 3 0 bの図中下面に文字板 3 5が当接することにより位置決めされ、裏蓋 3 3の立ち上がり部 3 3 aの上面に配設された樹脂中枠 4 5との間に挟み込まれることで固定されている。

また、このムーブメント 3 4と裏蓋 3 3との間には所定の空間が設けられており、その空間の中にアンテナ 3 7が配置されている。このアンテナ 3 7は、フ-ライト材などからなる棒状の磁芯部材 3 8と、この磁芯部材 3 8に卷回されたコイル 4 0とから構成されており、ムーブメント 3 4の下面に固定されている。

また、この実施例においては、時計ケース胴体 3 0の内側面 3 0 cと裏蓋 3 3の内面 3 3 cに非磁性部材 4 2 , 4 3を設けている。非磁性部材 4 2は板状をなし、裏蓋 3 3の立ち上がり部 3 3 aの内側のムーブメント 3 4に対面する内面 3 3 c上に設けられており、磁芯部材 3 8の軸線 A Xを含む平面に対面するとともに、アンテナ 3 7が平行に投影される位置に配置されている。

すなわち、この図 1では、磁芯部材 3 8の軸線 A Xを含む水平面に対面し、アンテナ 3 7が平行に投影される位置、すなわち、裏蓋 3 3の上面に非磁性部材 4 2が配置されている。

し力しながら、この配置位置は、図 1に限定されるものではなく、磁芯部材 3 8の軸線 A Xを含む少なくとも 1つの平面に沿って、アンテナ 3 7が平行に時計ケースの内面に投影される位置、例えば、投影される時計ケース胴体 3 0 の位置、または投影される裏蓋 3 3の位置に、非磁性部材が配置されてればよレ、。

また、非磁性部材 4 3は、時計ケース胴体 3 0の内側面 3 0 cに沿ったリング状をなすか、またはその一部を構成する彎曲した板状をなすもので、アンテナ 3 7の軸方向端部に対向する位置（相対する位置）に配置されている。

この非磁性部材 4 2， 4 3は、電気抵抗率が 7 . 0 μ Ω - C m以下の材料からなるものであり、その材質に関しては後述する。

上記構成からなる電波時計においては、アンテナ 3 7が受信した標準電波に基づいて、ムーブメント 3 4内の C P Uが、表示駆動部を動作させて、指針 3 6を常に修正するように駆動する。

このときに、この実施例における時計ケース構造では、時計ケース胴体 3 0 とアンテナ 3 7との間、および裏蓋 3 3とアンテナ 3 7との間に、非磁性部材

4 2， 4 3が介在しており、金属からなる時計ケース胴体 3 0や裏蓋 3 3に起因するアンテナ近傍での共振現象の乱れを低減し、受信感度を向上させている。

1 . 時計ケース胴体 3 0、裏蓋 3 3、非磁性部材 4 2， 4 3の材質の選定実験：次に、時計ケース胴体 3 0およぴ裏蓋 3 3と非磁性部材 4 2， 4 3の材質の選定に関する実験とその結果について説明する。 1一 1 . 受信感度の低下の少ない金属の選定：

はじめに、アンテナ 3 7の受信感度の低下が少ない金属を選定するため、 0 .

5 mm厚の金属板の上に、導体径 6 5 /z mコイル 2 0 0 0ターンの実験用アンテナを設置し、所定位置に設置された送信アンテナから 4 0 k H zの信号を送信する実験を行った。受信状態の評価は、図 2に示したように、受信した信号のピーク高さである利得と周波数帯域幅 Δ f とピーク周波数 f oから求められる Q値二 f ο Ζ Δ f を比較することにより行っている。

なお、利得が高いほど受信感度が良好であり、 Q値が高いほど周波数選択性が良好であることを示す。

この実験の結果、金、銀、銅、真鍮、アルミニウム、マグネシウム、亜鉛、それらの合金上にアンテナを設置した場合は、チタン、チタン合金、ステンレススチールの場合に比べて、利得が 2〜3 d B (デシベル）高く（受信感度が高く）なった。

1 - 2 . 実験用外装を用いた材質の選定実験：

次に、同様の実験を、時計ケース胴体 3 0およぴ裏蓋 3 3に相当する実験用外装を用いて行った。

すなわち、図 3に示したように、時計ケース胴体 3 0およぴ裏畫 3 3に相当する実験用外装 5 0内に、アンテナ 3 7に相当する実験用アンテナ 5 1を収めたものを樹脂板 5 2の上に載置し、所定位置に設置された送信アンテナ 5 3から一定周波数の電波を送信し、実験用アンテナ 5 1の受信状態を測定した。この実験の結果、下記の表 1に示したように、時計ケース胴体 3 0に相当するケース部 5 0 aと裏蓋 3 3に相当する蓋部 5 0 bを共に受信感度が低下すると認められたステンレススチールなどの金属で形成すると、 Q値は 5と低下し、電波時計としては好ましくないことが認められた（実験例 1 ) 。

また、ケース部 5 0 aを受信感度が低下すると認められたステンレススチールなどの金属で形成し、蓋部 5 0 bを受信感度が良好と認められた真鍮などの金属で形成すると、 Q値は 8前後となって受信感度が良好となった（実験例 2 )。そこで、時計外装に使用することを想定してケース部 5 0 aはステンレススチールなどの金属のままに、蓋部 5 O bとして、外側をステンレススチールなどの金属で形成し且つ内側を真鍮などの金属で形成した蓋部 5 0 bを使用すると、 Q値は 8〜9とさらに良好な状態になった。その上、アンテナの利得も、ステンレススチールなどの金属のみの場合と比較して、 1〜2 d B向上することもできた（実験例 3 ) 。表 1 実験用外装を用いた実験結果

上記実験結果から、受信感度が低下する金属で時計ケース胴体 3 0や裏蓋 3 3を形成したとしても、その内側に受信感度が良好となる金属を設けることで、時計ケース内側にあるアンテナ 3 7の受信感度を向上させることが可能であることが検証できた。

1 - 3 . 電気抵抗率と受信感度との関係：

一方、実験に使用した金属の電気抵抗率を比較してみると、受信感度を低下させるチタンやステンレススチールでは、電気抵抗率が 5 5〜7 4 Ω— C m と高く、受信感度が良好となるアルミニウムでは、電気抵抗率が 2. 69 μ Ω 一 Cmと低いことがわかった。

そこで、電気抵抗率と受信感度との関係を検証するため、外側と内側に設ける金属を電気抵抗率に基づいて組み合わせたところ、受信感度が良好となる金属の電気抵抗率を 7 μ Ω_ Cm以下に設定することにより、これに組み合わせる金属の電気抵抗率が高くても良好な受信感度を保つことが可能であることが判明している。

その結果、金、銀、銅、真鍮、アルミニウム，マグネシウム、亜鉛それらの合金のような、受信感度が良好で、 Q値が高く（周波数選択性良好）、電気抵抗率が低く、電気抵抗率が 7 μ Ω— C m以下の金属で非磁性部材 42, 43を形成すれば、外観品質に優れたチタン、チタン合金、ステンレススチール、タンタルカ一バイトのように、受信感度が低下し、 Q値が低く（周波数選択性低レ、）、電気抵抗率が高い金属で時計ケース胴体 30および裏蓋 33を形成しても受信感度を良好にすることが可能であることが検証できた。

1-4. 非磁性部材 42, 43の厚みと受信感度との関係：

また、非磁性部材 42, 43の厚みと受信感度との関係を調べるため、図 3 に示すケース部 50 aと蓋部 50 bをステンレススチール（オーステナイト系）で形成し、蓋部 50 bの内側に薄いアルミニウム素材を設けその厚みを 0 (ァルミニゥム素材なし）から徐々に増加させる実験を行った。

その結果、 Q値は、厚み 0のときの 9. 9から厚みを増すと厚みが 500 mのときの 14. 3まで上昇し、厚みが 1000 μπιのときの 14. 6になると厚みを增してもほぼその値のままとなることがわかった。さらに、アンテナの利得も厚さ 500 μπι以上で、厚みが 0の場合と比較して、約 3 d B向上することもわかった。

その結果、アルミニウム素材の厚みが 5 0 ; mになると利得および Q値が上昇し、 1 0 0 0 m前後で利得おょぴ Q値が最も高い値で一定になるため、非磁性部材 4 2 , 4 3の厚みを 5 0 /^ m以上に設定することが好ましいことがわかった。

また、その厚みの上限に関しては、時計ケース胴体 3 0や裏蓋 3 3とムーブメント 3 4やアンテナ 3 7との間の距離、あるいは製造 ·組立時における非磁性部材 4 2， 4 3の取り扱い易さなどを考慮して 2 0 0 0 μ πι以下に設定することが好ましい。

1 - 5 . 実験結果の考察：

上記各実験などの結果に基づけば、時計ケース胴体 3 0と裏蓋 3 3は、受信感度が低下し、 Q値が低（周波数選択性低い）いが、外観品質に優れたチタン、チタン合金、ステンレススチーノレ、タングステンカーノくィト、タンタノレカーノイトで形成し、非磁性部材 4 2 , 4 3は、受信感度が良好で、 Q値が高く（周波数選択性良好）、電気抵抗率が低く、電気抵抗率が 7 μ Ω— C m以下の金、銀、銅、真鍮、アルミニウム，マグネシウム、亜鉛それらの合金で形成し、さらにその厚みを 5 0〜 2 0 0 0 Ai mに設定することが最も好ましいことになる。また、非磁性部材 4 2， 4 3は、上記金属の内の 1種類だけで形成されている必要はなく、その中の少なくとも 2種類の金属を拡散接合、ロー付、接着、カシメなどによつて接合することにより形成しても同様の効果が認められた。次に、時計ケース胴体 3 0および裏蓋 3 3と非磁性部材 4 2 , 4 3との固定に関して説明する。時計ケース胴体 3 0および裏蓋 3 3と非磁性部材 4 2 , 4 3をそれぞれ別々の部品として形成した場合には、通常、圧入、力シメ、溶接、ロー付、接着剤により接合する。

また、時計ケース胴体 3 0および裏蓋 3 3に素材の段階で非磁性部材 4 2， 4 3を一体に接合して固定し、その後、形状を整えることも可能である。

この場合には、チタン、チタン合金、ステンレススチールなどからなる時計ケース胴体 3 0および裏蓋 3 3の素材に、金、銀、銅、真鍮、アルミニウム，マグネシゥム、亜鉛それらの合金などからなる非磁性部材を圧接した状態で加熱して拡散接合し、さらに所定の厚さまで圧延することにより接合されたクラッド材を使用する。

このクラッド材で時計ケース胴体 3 0および裏蓋 3 3を形成することにより、時計ケース胴体 3 0および裏蓋 3 3と非磁性部材 4 2， 4 3とがー体に接合された状態でそれらが形成されることになる。

また、非磁性部材 4 2 , 4 3を形成する際に、時計ケース胴体 3 0および裏蓋 3 3に密着するように形成して固定することも可能である。

この場合には、湿式メツキによる電錶、金属溶射法などにより、非磁性部材 4 2， 4 3を時計ケース胴体 3 0や裏蓋 3 3の所定の位置に形成する。

この電鐃に関しては、ステンレススチールからなる裏蓋 3 3に銅を析出させて非磁性部材 4 2を形成する場合を例にとって説明する。

はじめに、図 2 9に示したように、裏蓋 3 3の立ち上がり部 3 3 aの内側にある所定部分を除く裏蓋 3 3の表面に、例えばエポキシ榭脂などの有機物からなるマスク 6 0を形成する。

次に、マスク 6 0が形成されていない裏蓋 3 3の内面に電解脱脂を施し、水洗いする。その後、裏蓋 3 3に陰極を接続し、硫酸銅浴中で電铸を行い、銅 6 1を析出させる。

このときの浴の組成と条件は、

硫酸銅 25 0 g/ 1 (リットル）、硫酸 6 0 g Z 1、

温度 20〜 50 °C、

電流密度 2〜20 AZdm²

時間 2 0〜3 0時間（析出する厚さに応じて設定する。なお、この条件においては 6時間で約 1 50 μπιの厚さとなる。）、

ρΗΟ. 8〜1. 1、

に ΙΧ £"?—る。

このように所定の厚さまで銅 6 1を析出させた後、有機溶剤中に裏蓋 3 3を漬浸してマスク 60を剥離する。その後、裏蓋 3 3を水洗いし、乾燥させることにより、裏蓋 3 3の所定位置に非磁性部材 42を形成することができる。なお、図 1に示すケース構造においては、時計ケース胴体 30と裏蓋 3 3にそれぞれ非磁性部材 43, 42を設けているが、時計ケー胴体 3 0と裏蓋 3 3の一方に非磁性部材を設けただけでも受信感度を高めることができる。

従って、必ずしも時計ケース胴体 30と裏蓋 33の両方に非磁性部材を設ける必要はない。

また、非磁性部材 4 2, 43.とアンテナ 3 7との間に樹脂板を設けたり、非磁性部材 4 2, 4 3の表面を樹脂層で覆うことにより、ァンテナ 3 7と非磁性部材 4 2， 4 3とが接触してアンテナ 3 7が損傷することを防ぐように構成しても良い。

この実施例 1によれば、時計ケース、例えば、時計ケース胴体 3 0や裏蓋 3 3の構成にガラスなどの特殊な構成を使用することなく受信感度を高めることができるので、携帯上、何の支障もなく時刻情報などを含む電波を受信する電波時計を提供することができる。

また、時計ケース胴体 3 0や裏蓋 3 3などの時計ケースに、チタン、ステンレススチールなどを使用することができるので、安定した防水品質と、高級感のある外観品質とを有するケース構造にすることができる。

さらに、時計ケース胴体 3 0や裏蓋 3 3などの時計ケースを、電波時計ではない一般の時計と同様に設計 ·製造することができるので、電波時計におけるケースのデザィンパリエーションを一般の時計並に拡大することができる。

(実施例 2 )

図 4は、本発明の別の実施例に係る電波時計のケース構造を示す分解斜視図、図 5は、竜頭の軸線に沿う切断平面図である。

この実施例の電波時計は、時計ケース胴体 5 0、裏蓋 5 1、風防 5 2による時計ケース Aに対し、二組の第 1外装部材 5 3、第 2外装部材 5 4を有している。

この実施例では、上記実施例 1のように、非磁性部材 4 2 , 4 3とアンテナ 3 7との間に樹脂板を設けたり、非磁性部材 4 2 , 4 3の表面を樹脂層で覆うことにより、アンテナ 3 7と非磁性部材 4 2， 4 3とが接触してアンテナ 3 7 が損傷することを防ぐようにしたのを、時計ケースに応用したものである。すなわち、樹脂板などの電気非伝導性材料、または、電気抵抗率が低い材料を用いて、時計ケース胴体 5 0、裏蓋 5 1に適用して、これらの部材によって、アンテナの周囲を取り囲むことによって、アンテナの損傷を防ぐようにしている。

時計ケース胴体 5 0および裏蓋 5 1は合成樹脂、ゴム、セラミックなどの電気非伝導性材料、または、例えば、金、銀、銅、黄銅、アルミニウム、マグネシゥム、またはそれらの合金などの電気抵抗率が低い材料で作られ、さらに、風防 5 2は非伝導性材料のガラスで作られ、パッキンを介して時計ケース胴体

5 0の段部に固定されている。

図 4に示したように、時計ケース胴体 5 0は、円筒状で竜頭 5 6が突出している。ケース内には、文字板、指針（図示せず）、図 5に示したように、ムープメント 6 0、バーアンテナ 6 1が収納されている。

文字板は、合成樹脂、セラミックなどの非伝導性材料からなる。ムーブメント 6 0は下部が小径で広い段部 6 3が形成されている。裏蓋 5 1は、環状突起

6 6を有し、ネジ 6 4でパッキン 6 5を介して胴に固定され、環状突起 6 6がムーブメント 6 0の段部 6 3を押し上げ、ムーブメントと文字板を時計ケース胴体 5 0の段部に押圧固定している。

バーアンテナ 6 1は、磁芯部材 6 7とそれに巻かれたコイル 6 8とよりなり、図 5に示したように、竜頭 5 6と平行でムーブメント 6 0の広い段部 6 3の下に接着され、すなわちバーアンテナはケース内の下部の低位置に収納されている。

第 1外装部材 5 3および第 2外装部材 5 4は、ステンレス、チタン、チタン合金などの伝導性の薄！、材料で作られたものである。

第 1外装部材 5 3は、図 4に示したように、環状円板形状で、上部は外方に下降する斜面 5 3 aと、下面に段部 5 3 bを有し、時計ケース胴体 5 0の上面の環状突部の平面部 5 0 dに接着されている。

—方、第 2外装部材 5 4は、円筒状で胴の側面を覆う側面覆い部 5 4 aと上部の内方突出係合部 5 4 bとよりなり、係合部 5 4 bの上面は第 1外装部材 5 3の斜面 5 3 aと同じ傾斜の斜面となって外観が整えられている。

また、図 4に示したように、両端にバンド連結脚部 7 6が形成されている。側面覆い部 5 4 aは、ネジ 7 1により時計ケース胴体 5 0の側面に固定されている。また側面覆い部 5 4 aには、竜頭 5 6が突出する開口部 7 3が形成されている。係合部 5 4 bは、時計ケース胴体 5 0の段部 5 0 cに圧接係合している。

なお、側面覆い部 5 4 aの径方向の厚さは薄く、時計ケース胴体 5 0の厚みは大きく、従って、側面覆い部 5 4 aをバーアンテナ 6 1より大きく離している。

このように胴の厚さは厚く、特に第 2外装部材 5 4の側面覆い部 5 4 aが大きく時計ケース胴体 5 0の側面を覆っているにも拘らず、受信障害を極めて少なくすることができる。

この実施例 2によれば、アンテナ 6 1を収容する時計ケース胴体 5 0、裏蓋 5 1などの時計ケースは、電気非伝導性、または電気抵抗率が低い材料であり、これらの時計ケースの外側に装着した第 1外装部材 5 3および第 2外装部材 5 4、特に、時計ケース胴体の外側面を覆う第 2外装部材 5 4が金属などの電気伝導性である。

従って、アンテナ 6 1を収容する時計ケース自体が伝導性材料である場合と比較して、アンテナ 6 1と、金属などの電気伝導性である第 1外装部材 5 3および第 2外装部材 5 4との距離を大きくできるので、アンテナ 6 1の受信障害が生じにくく、これにより、アンテナ 6 1が良好に電波を受信でき、受信性能、時計精度を向上することが可能となる。

しかも、樹脂板などの電気非伝導性材料、または、電気抵抗率が低い材料を用いて、時計ケース胴体 5 0、裏蓋 5 1に適用して、これらの部材によって、アンテナの周囲を取り囲んでいるので、アンテナの損傷を防ぐことができる。さらに、金属などの伝導性の第 1外装部材 5 3および第 2外装部材 5 4により、電波時計に金属感のある外観が付与される。これにより、あたかも時計ケースがソリッドの金属であるように視認されるので、合成樹脂などの非伝導性材料を時計ケースに用いながらも、高級感ゃ美観を損なわなレ、。 (実施例 3 )

上記実施例 1の「1 . 時計ケース胴体 3 0、裏蓋 3 3、非磁性部材 4 2， 4 3の材質の選定実験」の結果に基づけば、時計ケースの胴や裏蓋を、電気抵抗率が 7 μ Ω— C m以下の金、銀、銅、真鍮、アルミニウム，マグネシウム、亜鉛それらの合金等の非磁性部材で形成すれば、受信感度の低下を抑え、金属時計ケースを電波時計に使用することができる。

また、上記非磁性部材で時計ケースの胴や裏蓋の一部を形成すれば、その他の部分をチタン、チタン合金、ステンレススチール、タングステンカーバイト、タンタルカーバイト等で形成しても、受信感度を良好な状態にすることができる。

また、非磁性部材は、上記金属の内の 1種類だけで形成されている必要はなく、その中の少なくとも 2種類の金属を拡散接合、ロー付、接着、カシメ等によって接合することにより時計ケースあるいはその一部を形成しても同様の効果が認められた。

次に、上記実験等の結果に基づく実施例を説明する。

図 6は、本発明の別の実施例に係る電波時計ケースを示す断面図である。時計ケース胴体 3 0は、略筒状をなし、その図中上方の開口部の内周縁にある段部 3 0 aにパッキン 3 1を介してガラス 3 2が取り付けられ、図中下方の開口部に裏蓋 3 3が圧入、螺合、ネジ等の手段により取り付けられている。なお、図 6に示す裏蓋 3 3は圧入にて時計ケース胴体 3 0に取り付けられており、その立ち上がり部 3 3 aと時計ケース胴体 3 0の内側面 3 0 cとの間にパッキン 44が挟み込まれている。

この実施例における時計ケース胴体 3 0と裏蓋 3 3は、前述した実験にて受信感度を良好な状態にする電気抵抗率が 7. 0 μ Ω— Cm以下の非磁性部材である黄銅材からなる本体部 3 0 d， 3 3 dで形成され、鏡面仕上げが施され、その後、湿式メツキにより表面に P d等のメツキ層 3 0 e , 3 3 eが形成されて仕上げられたものとなっている。

時計ケース胴体 3 0と裏蓋 3 3のメツキ層 3 ◦ e , 3 3 eは、以下に示すような湿式メツキにより形成される。

はじめに、下地メツキ層を形成するため、本体部 3 0 d, 3 3 dに、メツキ浴（組成： N a ₂ S n〇₃ · 3H₂0 6 0 g/ 1 (リットル）， C u C N 2 0 g/ 1 , K₂S O_sH 1 0 g/ 1 , KCN (フリー） .3 0 g 1 , KOH 6 0 g/ l , Z n (CN) ₂ 5 g/ 1 ) 、

浴温 5 0°C、

電流密度 2. 4 A/dm²,

p H l 2. 5、

析出速度 0. 3 3 μπι/ιη ί η、

時間 6分、

の条件でメツキを施す。

これにより本体部 3 0 d, 3 3 dの表面に、約 2 μ πιの C u— S n— Z n合金の下地メツキ層が形成される。

次に、この下地メツキ層の上に以下の条件でメツキを施すことにより S n— Cu-P d合金メツキ層を形成する。

メッキ浴： (組成 N a 2 S 11 O a 3H₂〇 60 g/ 1 (511換算量26. 7 1)

C u CN 20 g/ 1 (Cu換算量 14. 2 g/l) K₂ S 0₃H 1 0 g 1， KCN (フリー） 30 g/l , KOH 60 g, 1 , K₂P d (CN) ₄ 3H₂0 30 g/ 1 (P d換算量 9. 3 gZl) ) 、

メッキ条件：

浴温 50〜 55°C、

電流密度 2. OA/dm²,

電流効率 47. 8%、

p H 1 2. 5〜13、

析出速度 0. 33 μ m/m i n、

時間 9分。

このメツキにより下地メツキ層の上に、厚み約 3 m、硬度（Hv) 約 30 0、密度 9. 6 gZcm³の S n— Cu— P d合金メッキ層が形成される。このメツキ層の組成を走查電顕と X線マイクロアナライザーで簡易定量したところ、 S n : 17. 12重量⁰ /₀、 C u ： 44. 22重量⁰ /o、 P d ： 38. 6 6重量％の 3元合金であることが確認された。

その後、 S n— Cu— P d合金メツキ層の上に次のような条件でメツキを施すことにより、仕上げメツキ層が形成される。

メッキ浴

(日本高純度化学 (株) 製の「パラブライトー S SS」（商品名） ) 。

メツキ条件：

浴温 55°C、

電流密度 5 A/dm²、

pH7. 6、析出速度 0. 3 3 μ m/m i n、

時間 6分。

このメツキにより、厚み約 2 μ πιで白色光沢を有する P dメツキ層が形成され、メツキ層 3 0 e， 3 3 eが完成される。

上記のようにメツキ層 3 0 e， 3 3 eが形成された時計ケース胴体 3 0と裏蓋 3 3は、

塩ィ匕ナトリウム 9. 9 gZ l、

硫化ナトリゥム 0. 8 gZl、

尿素 7. 1 gZl、

アンモニア水 0. 1 9m l Z l、

サッカロース 0. 2 g / 1、

乳酸（5 0%) 0. 8 m 1 / 1、

からなる人工汗（温度 4 0°C) に 2 4時間浸漬する耐食試験を行っても、表面が変色することはなく、良好な耐食性を有している。

また、この時計ケース胴体 3 0と裏蓋 3 3は、温度 2 0 0°Cに 5時間放置する加熱試験を行ってもメツキ層 3 0 e， 3 3 eの剥離が全く認められず、耐熱 'I生も良好なものとなる。

上記のような時計ケース胴体 3 0の中には、前述した図 2 6に示す電波時計受信機、 C P U、および表示駆動部等を備えたムーブメント 34が収められている。

ムーブメント 34の図中上方には、時刻表示部である文字板 3 5と指針 3 6 が設けられている。このムーブメント 34は、時計ケース 3 0の段部 3 0 aを形成する内方突出部 3 0 bの図中下面に文字板 3 5が当接することにより位置決めされ、裏蓋 3 3の立ち上がり部 3 3 aの上面に配設された樹脂中枠 4 5との間に挟み込まれることで固定されている。

また、このムーブメント 3 4と裏蓋 3 3との間には所定の空間が設けられており、その空間の中にアンテナ 3 7が配置されている。このアンテナ 3 7は、フェライト材等からなる棒状の磁芯材 3 8と、この磁芯材 3 8に卷回されたコィル 4 0とから構成されており、ムーブメント 3 4の下面に固定されている。上記構成からなる電波時計においては、アンテナ 3 7が受信した標準電波に基づいて、ムーブメント 3 4内の C P Uが、表示駆動部を動作させて、指針 3 6を常に修正するように駆動する。このときに、この実施例における時計ケースでは、時計ケース胴体 3 0および裏蓋 3 3が非磁性部材で形成されているため、アンテナ近傍での共振現象の乱れを低減し、受信感度を向上させている。また、前述したように、時計ケース胴体 3 0と裏蓋 3 3に表面仕上げを施しているため、時計ケースとして使用する際に必要な耐食性および耐熱性を備えており、また、重厚で高級感のある白色系金属光沢を有しているため、外観品質も高いものとなる。

(実施例 4 )

図 7は、本発明の別の実施例に係る電波時計ケースを示す断面図である。なお、この実施例は、構造が前述した実施例 3と同様であり、時計ケース胴体 3 0および裏蓋 3 3の材質およぴ表面仕上げが異なるものであるため、材質および表面仕上げに関して詳述する。

この実施例における時計ケース胴体 3 0は、タングステンカーバイド材（超硬材）からなる本体部 3 0 f で形成され、鏡面仕上げが施され、その後、乾式メツキにより表面にメツキ層 3 0 gが形成されて仕上げられたものとなっている。一方、裏蓋 33は、電気抵抗率が 7. 0 μ Ω— Cm以下の非磁性部材である黄銅材で形成され、鏡面仕上げが施され、その後、実施例 3で述べた Cu— S n— Z n合金の下地メツキ層と S n— Cu— : P d合金メツキ層とを湿式メツキで形成し、その表面に、乾式メツキによりめつき層 33 i (時計ケース胴体 3 0に形成したメツキ層と同じ）が形成されて仕上げられたものとなっている。上記メツキ層 30 gおよび 33 iは以下に示す工程でメツキが行われることにより形成される。

はじめに、裏蓋 33の表面に、実施例 3で説明したメツキ浴および条件で C u-S n— Z n合金の下地メツキ層と、その表面に S n— Cu— P d合金メッキ層を形成する。

次に、この裏蓋 33とタングステンカーパイドからなる本体部 30 f を脱脂、洗浄、乾燥する。次に、この本体部 30 f と裏蓋 33をイオンプレーティング装置にセットし、装置内を排気したのちアルゴンガスを導入して装置内の真空度を 1. 0 X 10— ²T o r rにする。

ここで、装置内に配設されている熱電子フィラメントとプラズマ電極を作動してアルゴンプラズマを発生させ、 10分間、表面をイオンボンパードで洗浄する。

ついで、装置内に窒素ガスを導入して装置内の真空度を 2. 0X 10— ³To r rに維持し、装置のプラズマ銃でプラズマを発生させつつ T iを 5分間蒸発させて、時計ケース胴体 30と裏蓋 33の表面に厚み 0. 25 ^mの T i N層を形成する。

さらに、 T iの蒸発と窒素ガス導入を停止したのち、丁 1を50原子％含有する Au— T i合金を蒸発させて、前記 T i N層の上に厚み 0. 3 111の八 -T i合金メツキ層を形成し、メツキ層 30 gおよび 33 iを完成させる。上記のようにメツキ層 3 0 gおよび 3 3 iが形成された時計ケース胴体 3 0 および裏蓋 3 3は、金色光沢を有することになり、その色調は、スイス金メッキ色規格の 1 N— 1 4色を満足する均一な指定金色調を出すことができる。実際に色差計で測定した色調は、 L ' 8 0 , a ' 1 . 0， b ' 1 5 . 0であつた。なお、このように形成されるメツキ層 3 0 gおよび 3 3 iは、 X線光電子分光法による分析の結果、金 8 8原子％、チタン 6 . 5原子％、窒素 0 . 5 原子％、酸素 2原子％、および炭素 3原子％からなつていた。

また、上記時計ケース胴体 3 0および裏蓋 3 3について、実施例 3と同様の人工汗を用いて 2 4時間の耐食性試験を行っても、腐食や変色は全く認められな力つた。

この実施例における時計ケースにおいては、時計ケース胴体 3 0がタングステンカ一バイドで形成されていても裏蓋 3 3が非磁性部材で形成されているため、アンテナ近傍での共振現象の乱れを低減し、受信感度を向上させている。また、前述したように、時計ケース胴体 3 0および裏蓋 3 3にメツキ層を形成して表面仕上げを施しているため、時計ケースとして使用する際に必要な耐食性等を備えており、また、高級感のある金色調を有しているため、外観品質も高いものとなる。

なお、この実施例のように、時計ケース胴体 3 0にタングステンカーバイドを使用した場合、その表面を鏡面仕上げするだけで乾式メツキを施さなくても時計ケースとして使用することが可能な場合もある。

(実施例 6 )

図 8は、本発明の別の実施例に係る電波時計ケースを示す断面図である。なお、この実施例も、構造が前述した実施例 3と同様であり、時計ケース胴体 3 0および裏蓋 3 3の材質およぴ表面仕上げが異なるものであるため、材質および表面仕上げに関して詳述する。

この実施例における時計ケース胴体 3 0は、全体がステンレス材（オーステナイト系）で形成され、表面にヘアーライン目付け仕上げが施されている。一方、裏蓋 3 3は、その本体部 3 3 f がステンレス材（オーステナイト系）で形成され、この本体部 3 3 f に設けられた開口部に埋め込まれてロー付けされた充填部材 3 3 gが電気抵抗率が 7 . 0 μ Ω— C m以下の非磁性部材である黄銅材で形成されており、その後、湿式メツキおょぴ乾式メツキにより表面にメツキ層 3 3 hが形成されて仕上げられたものとなっている。

上記メツキ層 3 3 hは以下に示す工程でメツキが行われることにより形成される。

はじめに、前述した実施例 3と同じ条件で湿式メツキを施し、黄銅材からなる充填部材 3 3 gの表面に、 C u— S n— Z n合金メッキ層、 S n _ C u— P d合金メッキ層、 P dメツキ層を順次形成する。

次に、上記メツキ層が形成された充填部材 3 3 gと共にステンレス材からなる本体部 3 3 f を有機溶剤で洗浄し、イオンプレーティング装置に配置する。ついで、装置内を 1 . 0 X 1 0— ⁵ T o r rまで排気した後、アルゴンガスを 3 X 1 0— ³ T o r rまで導入する。次に、装置内に備えられた熱電子フィラメントとプラズマ電極を駆動させてアルゴンのプラズマを形成させる。

これと同時に、裏蓋 3 3に一 5 0 Vの電位を印加して、 1 0分間ボンバードクリーニングを行う。次いで、アルゴンガスの導入を止め、装置内に窒素ガスを 1 . 0 X 1 0— ³ T o r rまで導入し、装置内部に備えられたプラズマ銃でプラズマを発生させた後、 T iを 1 0分間蒸発させて裏蓋 3 3の表面に窒化度が 0 . 2の T iの窒化物からなる被膜を 0 . 5 μ πιの膜厚に形成し、装置内を 1 . 0 X 1 0— ⁵ T o r rまで排気する。

次に、装置内にアルゴンガスを 1 . Q X 1 0— ³ T o r rまで導入してプラズマを発生させた後、金 5 5原子％とコバルト 4 5原子％とからなる金一コバルト混合物を蒸発させ、析出する金一コバルト合金膜の厚みが 0 . 3 μ ηιになつたところで金一コバルト混合物の蒸発を止める。

このようにして形成されるメツキ層 3 3 hは、 X線光電子分光法による分析の結果、金 6 3原子⁰ /₀およびコバルト 3 7原子⁰ /₀からなり、このメツキ層 3 3 hが形成された裏蓋 3 3は、明るさがある均一な白色調の色調を有するものとなる。

この実施例における時計ケースにおいては、時計ケース胴体 3 0およぴ裏蓋 3 3の一部がステンレス材で形成されていても、裏蓋 3 3に非磁性部材で形成されている部分があるため、アンテナ近傍での共振現象の乱れを低減し、受信感度を向上させている。

また、前述したように、裏蓋 3 3の充填部材 3 3 gおよび本体部 3 3 f にメツキ層 3 3 hを形成して表面仕上げを施しているため、時計ケースとして使用する際に必要な耐食性等を備えており、また、高級感のある白色調を有しているため、外観品質も高いものとなる。

なお、この実施例における裏蓋 3 3の本体部 3 3 f の開口部は、アンテナ 3 7の外形より僅かに大きくなるように形成されることが好ましレ、。

(実施例 7 )

図 9は、本発明の別の実施例に係る電波時計ケースを示す断面図である。なお、この実施例も、構造が前述した実施例 3と同様であり、時計ケース胴体 3 0および裏蓋 3 3の材質および表面仕上げが異なるものであるため、材質および表面仕上げに関して説明する。

この実施例における時計ケース胴体 3 0は、全体が電気抵抗率が 7 . 0 μ Ω 一 C m以下の非磁性部材である 1 8 Κの金合金材（銀と銅を含有している）で形成され、表面が鏡面仕上げされている。

裏蓋 3 3は、全体がステンレス材（オーステナイト系）で形成されている。この実施例における時計ケースにおいては、裏蓋 3 3がステンレス材で形成されていても時計ケース胴体 3 0が非磁性部材で形成されているため、アンテナ近傍での共振現象の乱れを低減し、受信感度が向上する。

なお、上記実施例 3〜実施例 7における時計ケースは、時計ケース胴体 3 0 と裏蓋 3 3で構成されているが、時計ケース胴体 3 0の上部にべゼルゃリングを設けたものを用いることもできる。この場合には、胴、ベゼル、裏蓋の何れかが非磁性部材で形成されていれば、受信感度を向上させることができる。また、胴、ベゼル、裏蓋それぞれの全体を非磁性部材で形成するだけでなく、それらの一部分だけを非磁性部材で形成しても受信感度を向上させることができる。その場合、アンテナ 3 7が平行に投影される部分、あるいはアンテナ 3 7の端部に相対する部分のみを非磁性部材で形成することが効果的であり、好ましい。

また、非磁性部材は一種類だけを用いるだけでなく、複数の非磁性部材を組み合わせて使用することも可能である。

(実施例 8 )

はじめに、受信感度と時計ケースとの関係を調べる実験を下記のように行つす 2. 受信感度と時計ケースとの関係を調べる実験：

2- 1. 実験概要：

図 10および図 1 1に示したように、時計ケース胴体 25の胴厚 T 1、アンテナ 26と時計ケース胴体 25の内面との距離 D 1、裏蓋 27の裏蓋厚 T 2、アンテナ 26と裏蓋 27の内面との距離 D 2をパラメータとして選定した。そして、この 4つのパラメータとアンテナ 26が受信した信号のピーク高さである利得との関係をそれぞれ実験から求めた。

なお、以下に示す各実験における時計ケース胴体 25、アンテナ 26、裏蓋 27は、時計として用いることを前提として形成した実験用のものを使用した。また、時計ケース胴体 25と裏蓋 27の材質としては、加工性の良さ、耐久性、耐食性、製品としての外観品質の良さ、価格等を考慮してステンレス鋼、チタン、チタン合金、金、銀、銅、黄銅、アルミニウム、亜鉛、マグネシウム、またはそれらの合金、およぴ超硬金属としてタングステンカーバイドおよびタンタルカ一パイドを含む合金を選定した。

何れの実験においても数 d Bの利得の上下はあったが、各パラメータと利得との関係（グラフ曲線形状）にはほぼ変化がなかったため、以下に.示す各実験では何れもステンレス鋼（特に、オーステナイト系ステンレス鋼が好ましいため、例えば、 SUS 304、 SUS 304 L、 SUS 3 16、 SUS 31 6 L 等）を時計ケース胴体 25と裏蓋 27に使用した場合の数値を示している。

2-2. 胴厚 T 1と受信感度との関係：

この実験では、胴厚 T 1を 0〜5000 mに変ィヒさせたときの受信した信号の利得を計測した。

この実験においては、時計ケース胴体 25内に設置されるアンテナとして導体径 65 μιηコイル 1 500ターンの実験用アンテナを使用した。

また、時計ケース胴体 25とアンテナ 26との距離 D 1を 1000 μ mで一定に設定し、裏蓋 27として裏蓋厚 T 2を 80 O zmのものを使用し、アンテナ 26と裏蓋 27との距離 D2を 1 00 μπιで一定に設定した。そして、所定位置に設置された送信アンテナから 40 kH ζの信号を送信する実験を行った c この結果、図 12に示したように、受信した信号の利得は、胴厚 T 1力 S 0 μ m (時計ケース胴体 25が無い状態）の約一 50 dBから、胴厚が増すと徐々に低下し、胴厚 T 1が 5000 mになると低下が飽和する。

なお、図 12に示す実線は、実験データから求めた近似曲線である。

上記実験によれば、胴厚 T 1が 5000 μ mを越えると利得の低下が飽和して一定となり、このときの値が最低値となることがわかった。このため、胴厚 T 1を 0〜5000μ mの間で設定すれば前記最低値に対して利得を向上させることができることになる。

上記範囲内で、時計ケースとして使用可能な強度等を考慮すると、胴厚 T 1 を 300 μπιから実用上最大となる 5000 mの範囲に設定することが好ましい。また、時計ケースとして外観、加工性、耐食性等を考慮して最も適した胴を形成するには、 500〜2000μ mの範囲で胴厚 Τ 1を設定することが好ましい。 ' 2— 3.アンテナ 26と時計ケース胴体 25との距離 D 1と受信感度との関係：この実験では、アンテナ 26と時計ケース胴体 25との距離 D 1を 0〜40 000 μπιに変化させたときの受信した信号の利得を計測した。

なお、図 13には、 0〜20000 μπιまでの測定結果を示してある。

この実験においては、時計ケース胴体 25内に設置されるアンテナとして導体径 6 コイル 1500ターンの実験用アンテナを使用した。

また、時計ケース胴体 25として胴厚 T 1力 2000 μπιのものを使用し、裏蓋 27として裏蓋厚 T 2力 800 μπιのものを使用し、アンテナ 26と裏蓋 27との距離 D 2を 100 μ mで一定に設定した。そして、所定位置に設置された送信アンテナから 40 kHzの信号を送信する実験を行った。

この結果、図 1 3に示したように、受信した信号の利得は、距離 D 1が Ο μ m (時計ケース胴体 25にアンテナ 26の一部が接触した状態）の約一 54.

5 dBから距離が離れて行くと徐々に上昇する。

この実験において、裏蓋 27のみの場合（すなわち、時計ケース胴体 25を取り除いた場合）の受信信号の利得は一 50. 34 dBとなるため、利得がこの値になったときのアンテナ 26と時計ケース胴体 25との距離 D 1において利得の上昇は飽和することになる。

このように利得の上昇が飽和する距離 D 1は、図 13では図示していないが、 40000 μπιであり、これ以上アンテナ 26と時計ケース胴体 25を離しても、利得を上げることはできないことになる。なお、図 13に示す実線は、実験データから求めた近似曲線である。

上記実験によれば、アンテナ 26と時計ケース胴体 25との距離 D 1は離した方が利得が上昇し、受信感度が良い状態になるが、距離 D 1が、 40000 μ mを越えると利得の上昇が飽和して一定となることがわかつた。

このため、距離 D 1を 0〜40000 μ mの間で設定すれば利得を向上させることができることになる。上記範囲内で、時計ケースとして使用可能な大きさ等を考慮すると、距離 D 1を 500〜 10000 μπιに設定することが好ましい。 2-4. 裏蓋厚 T 2と受信感度との関係：

この実験では、裏蓋厚 Τ2を 0〜5000 mに変化させたときの受信した信号の利得を計測した。

なお、図 14には 0〜3000 //mまでの測定結果を示してある。

この実験においては、アンテナとして導体径 65 μιηコイル 1500ターンの実験用アンテナを使用した。

また、時計ケース胴体 25とアンテナ 26との距離 D 1を 1000 μ mで一定に設定し、時計ケース胴体 25として胴厚 T 1が 2000 のものを使用し、アンテナ 26と裏蓋 27との距離 D 2を 100 mで一定に設定した。そして、所定位置に設置された送信アンテナから 40 kHzの信号を送信する実験を行った。

この結果、図 14に示したように、受信した信号の利得は、裏蓋厚 T 2が 0 πι (裏蓋 27が無い状態）の約一 43. 4 d Βから 800 までは急激に低下し、裏蓋厚 T 2が 800 μ mから 5000 i mまでは利得にそれほど変化がないことがわかった。なお、図 14では、 5000 μχηまでは図示していなレ、。

つまり、裏蓋厚 Τ 2が 800 のときに最低値になることがわかった。なお、図 14に示す実線は、実験データから求めた近似曲線である。

前記最低値でも実用上は差し支えなく、上記範囲内で、時計ケースとして使用可能な強度等を考慮すると、裏蓋厚 T 2を 100 mから実用上最大となる 5000 / mの範囲に設定することが好ましい。

また、時計ケースとして、加工性、耐食性等を考慮して最も適した裏蓋を形成するには、 300〜2000 μ mの範囲で裏蓋厚 Τ 2を設定することが好ましい。 2-5. アンテナ 26と裏蓋 27との距離 D 2と受信感度との関係：この実験では、アンテナ 26と裏蓋 27との距離 D 2を 0〜 5000 μ mに変化させたときの受信した信号の利得を計測した。

この実験においては、設置されるアンテナとして導体径 65 コイル 20 00ターンの実験用アンテナを使用した。

また、時計ケース胴体 25として胴厚 T 1力 2000 のものを使用し、裏蓋 27として裏蓋厚 T 2が、 800 μπιのものを使用し、時計ケース胴体 2 5とアンテナ 26との距離 D 1を 1000 μ mに設定した。そして、所定位置に設置された送信アンテナから 40 kHzの信号を送信する実験を行った。この結果、図 1 5に示したように、受信した信号の利得は、距離 D 2が 0 μ m (裏蓋 27にアンテナ 26の一部が接触した状態）の約— 49. 6 dBから距離が離れて行くと徐々に上昇する。

この実験において、時計ケース胴体 25のみの場合（すなわち、裏蓋 27を取り除いた場合）の受信信号の利得は一 38. 8 d Bとなるため、利得がほぼこの値になったときのアンテナ 26と裏蓋 27との距離 D 2において利得の上昇は飽和することになる。

このように利得の上昇が飽和する距離 D 2は 5000 μ mであり、これ以上アンテナ 26と裏蓋 27を離しても、利得を上げることはできないことになる。なお、図 1 5に示す実線は、実験データから求めた近似曲線である。

上記実験によれば、アンテナ 26と裏蓋 27との距離 D 2は離した方が利得が上昇し受信感度が良い状態になるが、距離 D 2が 5000 μηιを越えると利得の上昇が飽和して一定となることがわかつた。

このため、距離 D 2を 0〜5000 μ mの間で設定すれば利得を向上させることができることになる。上記範囲内で、時計ケースとして使用可能な大きさ等を考慮すると、距離 D 2を 1 0 0〜7 0 0 z mに設定することが好ましい。次に、上記実験の結果に基づく実施例を説明する。

図 1 6は、本発明の別の実施例に係る電波時計を示す断面図である。

時計ケース胴体 3 0は、略筒状をなし、その図中上方の開口部の内周縁にある段部 3 0 aにパッキン 3 1を介してガラス 3 2が取り付けられ、図中下方の開口部に裏蓋 3 3が圧入、螺合、ネジ等の手段により取り付けられている。なお、図 1 6に示す裏蓋 3 3は圧入にて時計ケース胴体 3 0に取り付けられており、その立ち上がり部 3 3 aと時計ケース胴体 3 0の内側面 3 0 cとの間にパッキン 4 4が挟み込まれている。

また、時計ケース胴体 3 0の中には、前述した図 2 6に示す電波時計受信機、 C P U, および表示駆動部等を備えたムーブメント 3 4が収められている。ムープメント 3 4の図中上方には、時刻表示部である文字板 3 5と指針 3 6 が設けられている。このムーブメント 3 4は、時計ケース 3 0の段部 3 0 aを形成する内方突出部 3 0 bの図中下面に文字板 3 5が当接することにより位置決めされ、裏蓋 3 3の立ち上がり部 3 3 aの上面に配設された樹脂中枠 4 5との間に挟み込まれることで固定されている。

また、このムーブメント 3 4と裏蓋 3 3との間には所定の空間が設けられており、その空間の中にアンテナ 3 7が配置されている。このアンテナ 3 7は、棒状の磁芯材 3 8と、この磁芯材 3 8に卷回されたコイル 4 0とから構成されており、ムーブメント 3 4の下面に固定されている。

この実施例においては、時計ケース胴体 3 0と裏蓋 3 3が共にオーステナイト系ステンレス鋼（例えば S U S 3 1 6 L ) からなるものを用いている。また、前記実験結果に基づいて、時計ケース胴体 3 0の胴厚 T 1を 1 6 0 0 /i mに設定し、アンテナ 3 7から時計ケース胴体 3 0の内面までの距離 D 1を 2 0 0 0 μ πιに設定している。

また、裏蓋 3 3の裏蓋厚 Τ 2を 8 0 0 μ πιに設定し、アンテナ 3 7から裏蓋 3 3の内面までの距離 D 2を 3 0 0 0 μ πιに設定している。

このときに、この実施例では、時計ケース胴体 3 0およぴ裏蓋 3 3力上記実施例 1で説明したように、受信感度の低いステンレスなどの金属で形成されているが、胴厚、裏蓋厚、アンテナと胴おょぴ裏蓋との距離を、それぞれ受信感度を最良にする実験結果に基づく値に設定しているので、アンテナ近傍での共振現象の乱れを低減し、受信感度を向上させている。

なお、裏蓋 3 3の内面あるいは時計ケース胴体 3 0の內面に、金、銀、銅、黄銅、ァノレミニゥム、亜鉛、マグネシウム、またはそれらの合金のような、電気抵抗率が 7 . 0 μ Ω - C m以下である非磁性部材を取り付けると、利得が 2 〜3 d B程度向上することが、実施例 1での実験にて確認されている。

また、時計ケース胴体 3 0と裏蓋 3 3の一方又は両方に浸炭処理等の硬化処理を施すことも可能であり、硬化処理を施したことによる受信感度の低下は認められなかった。

(実施例 9 )

図 1 7は、本発明の別の実施例に係る電波時計を示す断面図である。

この実施例は、時計ケース胴体 3 0や裏蓋 3 3の形状等に関する基本的構成が実施例 8と同様であり、時計ケース胴体 3 0と裏蓋 3 3の材質、時計ケース胴体 3 0の胴厚 T l、アンテナ 3 7と時計ケース胴体 3 0との距離 D 1、裏畫 3 3の裏蓋厚 Τ 2、アンテナ 3 7と裏蓋 3 3との距離 D 2が異なるため、これらに関して詳述する。

この実施例における時計ケース胴体 3 0と裏蓋 3 3は、チタンで形成されている。チタンからなる時計ケース胴体 3 0と裏蓋 3 3の場合、その胴厚 Τ 1は、高気圧防水に対応する規格を想定し、実施例 8よりも厚めの 2 0 0 0 mに設定し、裏蓋厚 T 2も同様に 1 0 0 0 /z mに設定している。

また、時計ケース胴体 3 0および裏蓋 3 3の材質との関係により、アンテナ 3 7と時計ケース胴体 3 0およぴ裏蓋 3 3との距離を狭めても、差し支えない受信感度を得ることが可能であるため、アンテナ 3 7と時計ケース胴体 3 0との距離 D 1を 5 0 0 μ mに設定し、アンテナ 3 7と裏蓋 3 3との距離 D 2を 4 0

0 i mに設定している。

この実施例においても、時計ケース胴体 3 0および裏蓋 3 3が、上記実施例 1で説明したように、受信感度の低いチタンなどの金属で形成されているが、胴厚、裏蓋厚、アンテナと胴および裏蓋との距離を、それぞれ受信感度を最良にする実験結果に基づく値に設定しているので、ァンテナ近傍での共振現象の乱れを低減し、受信感度の向上を果たしている。

なお、この実施例の場合にも、裏蓋 3 3の内面あるいは時計ケース胴体 3 0 の内面に、前述した実施例 8と同様の非磁性部材を取り付けることにより、利得を 2〜3 d B程度向上させることが可能である。

また、時計ケース胴体 3 0と裏蓋 3 3の一方又は両方に窒化処理等の硬化処理を施すことも可能であり、硬化処理を施したことによる受信感度の低下も認められていない。 (実施例 1 0 )

図 1 8は、本発明の別の実施例に係る電波時計を示す断面図である。

この実施例は、時計ケース胴体 3 0および裏蓋 3 3の形状等に闋する基本的構成が実施例 8および実施例 9とほぼ同様であり、時計ケース胴体 3 0と裏蓋 3 3の材質が異なるため、これらに関して詳述する。

この実施例における時計ケース胴体 3 0と裏蓋 3 3は黄銅材からなる本体部 3 0 d、 3 3 dで形成され、鏡面仕上げが施され、その後、湿式メツキにより表面に P d等のメツキ層 3 0 e、 3 3 eが形成されて仕上げられたものとなつている。

黄銅材は、実施例 1の実験にて確認された受信感度を良好な状態にする電気抵抗率が 7. 0 μ Ω-C m以下の非磁性部材であり、胴厚等の設定と共に受信感度をより向上させるものである。

本実施例における時計ケース胴体 3 0と裏蓋 3 3の場合、メツキを施した以外は実施例 8と同様であり、その胴厚 T 1は、 1 6 0 0 ^ ηιに設定し、裏蓋厚 T 2は、 8 00 At mに設定している。

また、アンテナ 3 7と時計ケース胴体 3 0およぴ裏蓋 3 3との距離は、アンテナ 3 7と時計ケース胴体 3 0との距離 D 1を 2 0 0 0 に設定し、アンテナ 3 7と裏蓋 3 3との距離 D 2を 3 0 0 0 μ mに設定している。

時計ケース胴体 3 0と裏蓋 3 3のメツキ層 3 0 e、 3 3 eは、以下に示すような湿式メツキにより形成される。

はじめに、下地メツキ層を形成するため、本体部 3 0 d、 3 3 dに、メッキ浴：

(組成： Na ₂S n0₃ - 3H₂0 60 g l (リツトル）、 CuCN 2 O g/ l、 K₂ S 0₃H 1 0 g/ K KCN (フリー） 3 0 gZ l、 KOH 6 0 g/ 1、 Z n (CN) ₂ 5 gZ 1 ) 、

浴温 5 0°C,

電流密度 2. 4 A/dm²,

p H 1 2. 5、

析出速度 0. 3 3 μ m/m i n

時間 6分、

の条件でメツキを施す。

これにより本体部 3 0 d、 3 3 dの表面に、約 2 μ ηιの C u— S n _Z n合金の下地メツキ層が形成される。

次に、この下地メツキ層の上に以下の条件でメツキを施すことにより S n— C u-P d合金メツキ層を形成する。

メッキ浴：

(組成： N a ₂ S η0₃· 3Η₂0 6 0 g/ 1 (S n換算量 2 6. 7 gZ 1 )、 C u CN 2 0 g/ \ (C u換算量 1 4. 2 gZ 1 ) 、 K₂ S 0₃H 1 0 g 1、 KCN (フリー） 3 0 g/l、 KOH 60 gZl、 K₂P d (CN) ₄ · 3 H₂0 3 0 g/ 1 (P d換算量 9. 3 gノ 1 ) ) 。

メッキ条件：

浴温 5 0〜5 5。C、

電流密度 2. 0 A/dm

電流効率 4 7. 8%、

p H 1 2. 5— 1 3,

析出速度 0.. 3 3 μ m/m i n ,

時間 9分。このメツキにより下地メツキ層の上に、厚み約 3 μιη、硬度（Ην) 約 30 0、密度 9. 6 g/cm³の S η— Cu— P d合金メッキ層が形成される。このメツキ層の組成を走査電顕と X線マイクロアナライザーで簡易定量したところ、 S n : 1 7. 1 2重量⁰ /₀、 C u ： 44. 22重量⁰ /₀、 P d ： 38. 6 6重量％の 3元合金であることが確認された。

その後、 S n— C u_P d合金メツキ層の上に次のような条件でメツキを施すことにより、仕上げメツキ層が形成される。

メッキ浴：

(日本高純度化学（株）製の「パラプライトー S S S」（商品名））。

メッキ条件：

浴温 55。C、

電流密度 1. SAZdm^

pH7. 6、

析出速度 0. 33 imZm i n、

時間 6分。

このメツキにより、厚み約 2 μ mで白色光沢を有する P dメツキ層が形成され、メツキ層 30 e、 33 eが完成される。

上記のようにメツキ層 30 e、 33 eが形成された時計ケース胴体 30と裏はヽ

塩化ナトリウム 9. 9 gZl、

硫ィヒナトリウム 0. 8 g//l、

尿素 7. 1 g 1、

アンモニア水 0. 19m 1/1、

サッカロース 0. 2 g/l、乳酸（5 0 %) 0 . 8 m 1 Z 1、

からなる人工汗（温度 4 0 °C) に 2 4時間浸漬する耐食試験を行っても、表面が変色することはなく、良好な耐食性を有している。

また、この時計ケース胴体 3 0と裏蓋 3 3は、温度 2 0 0 °Cに 5時間放置する加熱試験を行ってもメツキ層 3 0 e、 3 3 eの剥離が全く認められず、耐熱性も良好なものとなる。

この実施例においても、時計ケース胴体 3 0および裏蓋 3 3が金属で形成されているが、胴厚、裏蓋厚、アンテナと胴および裏蓋との距離を、それぞれ受信感度を最良にする実験結果に基づく値に設定しているので、アンテナ近傍での共振現象の乱れを低減し、受信感度の向上を果たしている。

また、時計ケース胴体 3 0と裏蓋 3 3に表面仕上げを施しているため、時計として使用する際に必要な耐食性および耐熱性を備えており、また、重厚で高級感のある白色系金属光沢を有しているため、外観品質も高いものとなる。なお、上記実施例 8から 1 0においても、図 1 8に示す裏蓋 3 3のように、裏蓋 3 3に立ち上がり部を形成せずに内面を平坦にし、裏蓋 3 3を平面的な 2 次形状にすると、立ち上がり部を設けた場合に比べてアンテナ 3 7周辺の共振現象の乱れを低減し、受信感度を約 2 d B向上させることができる。

また、時計の更なる小型化、薄型化のため、アンテナ 3 7の指向性を考慮に入れて、アンテナ 3 7と時計ケース胴体 3 0あるいは裏蓋 3 3との距離を 0にすることも可能である。

さらに、アンテナ 3 7の指向性を考慮しつつ、アンテナ 3 7の外面と時計ケース胴体 3 0の内面又は裏蓋 3 3の内面が平行になるようにアンテナ 3 7を配置したり、裏蓋 3 3の内面に対してアンテナ 3 7の一端面を略垂直方向に配置して縦に立てた状態に配置することも可能である。

また、上記実施例 8〜1 0における時計ケースは、時計ケース胴体 3 0と裏蓋 3 3で構成されているが、時計ケース胴体 3 0の上部にべゼルゃリングを設けたものを用いることもできる。

さらに、この場合、後述するように、胴、ベゼル、裏蓋の何れかが非磁性部材で形成されていれば、受信感度をより向上させることができる。また、べゼル等を胴と別体とすることで、受信感度を向上させることができる。

また、胴、ベゼル、裏蓋それぞれの全体を非磁性部材で形成するだけでなく、それらの一部分だけを非磁性部材で形成しても受信感度を向上させることができる。その場合、アンテナ 3 7が平行に投影される部分、あるいはアンテナ 3 7の端部に相対する部分のみを非磁性部材で形成することが効果的であり、好ましい。

また、金属および非磁性部材は一種類だけを用いるだけでなく、複数の金属およぴ非磁性部材を組み合わせて使用することも可能である。

なお、時計ケース胴体 3 0や裏蓋 3 3に使用する材質の選定に関しては、前述した実験と同様に、使用する材質で形成した実験用の胴および裏蓋の中に、実験用了ンテナを設置し、所定位置に設置された送信ァンテナから信号を送信する実験を行って選定した。

この実験の結果、金、銀、銅、黄銅、アルミニウム、亜鉛、マグネシウム、それらの合金あるいはタングステンカーバイドの場合は、ステンレス鋼、チタン、チタン合金、タンタルカーバイドの場合に比べて、利得が 2〜 3 d B (デシベル）高くなつた。また、同様の実験により、受信感度が良好となる金属で Bき計ケースを形成した場合だけでなく、受信感度が低下する金属で時計ケースを形成したとしても、その一部に受信感度が良好となる金属を設けることで、時計ケース内側にあるアンテナの受信感度を向上させることが可能であることも検証した。

また、実験に使用した金属の電気抵抗率を比較し、電気抵抗率が 7 μ Ω— C m以下のものが良好な受信感度を保つことが可能であることが判明している。その結果、金、銀、銅、黄銅、ァノレミニゥム、亜鉛、マグネシウム、またはそれらの合金および超硬金属のような非磁性部材で時計ケース全体又はその一部を形成すれば、金属を使用した時計ケースであっても受信感度を良好にすることができることが判明している。

さらに、外観品質に優れたステンレス鋼、チタン、チタン合金、タンタル力ーバイドのように電気抵抗率が高い金属からなる時計ケースであっても、その一部に上記非磁性部材からなる部分があれば受信感度を良好にすることが可能であることも検証できている。

また、胴や裏蓋等の材質については、色彩を豊かにするためべゼル等に樹脂部品を使用したり、装飾のために胴の側面に樹脂のデコレーションを取り付けたものがあるが、このような構成のものであっても基本的な構成部分に金属を使用しているものは、本発明における金属ケースの範囲に含まれることは言うまでもない。

(実施例 1 1 )

図 1 9は、本発明の別の実施例に係る電波時計の断面図であり、図 2 0は、図 1 9に示した耐磁板 3 8の裏蓋方向からの平面図である。

この実施例における時計ケース 1 2は、時計ケース胴体 1 4、裏蓋 1 6及びガラス 1 8により構成されている。

時計ケース胴体 1 4は、略筒状をなし、その図中上方の開口部の内周縁にある段部 1 4 aにパッキン 2 0を介してガラス 1 8が取り付けられ、図中下方の開口部に裏蓋 1 6が圧入、螺合、ネジ等の手段により取り付けられている。なお、図 1 9に示した裏蓋 1 6は、圧入にて時計ケース胴体 1 4に取り付けられており、その立ち上がり部 1 6 aと時計ケース胴体 1 4の内側面 1 4 cとの間にパッキン 2 2が挟み込まれている。

また、時計ケース胴体 1 4の中には、電波時計受信機、 C P U、及び表示駆動部等を備えたムーブメント 2 4が収められている。ムーブメント 2 4の図中上方には、時刻表示部である文字板 2 6と指針 2 8が設けられている。

このムーブメント 2 4は、時計ケース胴体 1 4の段部 1 4 aを形成する内方突出部 1 4 bの図中下面に文字板 2 6が当接することにより位置決めされ、裏蓋 1 6の立ち上がり部 1 6 aの上面に配設された樹脂中枠 3 0との間に挾み込まれることで固定されている。

また、このムーブメント 2 4と裏蓋 1 6との間には、所定の空間が設けられており、その空間の中にアンテナ 3 2が酉 &置されている。

このアンテナ 3 2は、フェライト材等からなる棒状の磁芯材 3 4と、この磁芯材 3 4に卷回されたコイル 3 6とから構成されており、ムーブメント 2 4の下面に固定されている。

また、この実施例においては、ムーブメント 2 4と裏蓋 1 6との間の空間内に耐磁板 3 8を設けている。

この耐磁板 3 8は、フェライト系ステンレス鋼 (例えば S U S 4 3 0 ) からなるものであり、図 2 0の裏蓋方向からの平面図に示すように、その平面形状がムーブメント 2 4の平面形状に近似する円形をなすと共に、断面形状が上向きコの字形をなし、外周部分に立ち上がり部 3 8 aを有している。

この実施例における耐磁板 3 8は、立ち上がり部 3 8 aの先端部分をムーブメント 2 4に食付き固定又はネジ固定することによりムーブメント 2 4に固定されている。

また、耐磁板 3 8には、開口部 3 8 bが設けられている。この開口部 3 8 b は、耐磁板 3 8をムーブメント 2 4に取り付けたときに、アンテナ 3 2に対向する部分（相対する部分）に位置するように設けられている。

この実施例の場合、アンテナ 3 2は、ムーブメント 2 4の下面の隅に、その磁芯材 3 4の軸線が時計の表裏方向に直交する方向を向くように配設されている。

このため、耐磁板 3 8の開口部 3 8 bは、ァンテナ 3 2の磁芯材 3 4の軸線を含む平面に関して平行となるようにアンテナを耐磁板 3 8に投影した部分に設けられている。また、この開口部 3 8 bの内部寸法は、アンテナ 3 2の外部寸法に等しい力僅かに大きく設定されている。

上記構成からなる電波時計においては、アンテナ 3 2が受信した標準電波に基づいて、ムーブメント 2 4内の C P Uが、表示駆動部を動作させて、指針 2 8を常に修正するように駆動する。

このときに、この実施例では、耐磁板 3 8でムーブメント 2 4を囲っているため、外部磁気により指針駆動が影響を受けることがない。また、耐磁板 3 8 に開口部 3 8 bを設けているため、アンテナ 3 2は裏蓋 1 6の方向に開放されており、耐磁板 3 8に遮断されることなく電波信号を受信することが可能となる。

(実施例 1 2 )

図 2 1は、本発明の別の実施例に係る電波時計の断面図である。

この実施例は、時計ケース 1 2や耐磁板 3 8の構造等に関する基本的構成が第 1実施例と同様であり、耐磁板 3 8とァンテナ 3 2との位置関係が実施例 1 1と異なるため、ここではこの異なる点に関して詳述する。

この実施例においては、純鉄からなる耐磁板 3 8がムーブメント 2 4の下面に接するようにムーブメント 2 4の下部に組み付けられている。このときに、アンテナ 3 2は、耐磁板 3 8の開口部 3 8 bから裏蓋 1 6の方向に突出し、耐磁板 3 8の外側に位置付けられる。

このため、アンテナ 3 2は、耐磁板 3 8で囲まれていない所に位置することになり、耐磁板 3 8の影響を受けることなく電波信号を受信することが可能となる。

この実施例においては、耐磁板 3 8とムーブメント 2 4とが接触している部分が多いので、接着剤を用いて耐磁板 3 8をムーブメント 2 4に接着して固定することも可能である。

(実施例 1 3 )

図 2 2は、本発明の別の実施例に係る電波時計の断面図である。

この実施例は、時計ケース 1 2や、耐磁板 3 8とアンテナ 3 2の位置関係等の基本的構成が実施例 1 1と同様であり、非磁性部材 4 0を設けた点が実施例 1 1と異なるため、この非磁性部材 4 0に関して詳述する。

非磁性部材 4 0は、金、銀、銅、黄銅、アルミニウム，マグネシウム、亜鉛、またはそれらの合金のような、電気抵抗率が 7 . 0 μ Ω— C m以下である金属材料からなるものであり、この実施例では板状の銅材からなるものを使用している。

また、耐磁板 3 8は、 YU S材（クラッド材）力らなり、実施例 1 1と同様にムーブメント 2 4と裏蓋 1 6との間に位置し、アンテナ 3 2は、この耐磁板 3 8よりもムーブメント 2 4側に位置するように配置されている。

非磁性部材 4 0は、上記のような耐磁板 3 8とアンテナ 3 2との間に配置され、この実施例では耐磁板 3 8のアンテナ 3 2に面する内面上に取り付けられている。

このように非磁性部材 4 0をアンテナ 3 2に対向するように設けたり、非磁性部材 4 0をアンテナの近傍に設けたりすることで、電波信号の受信利得が 2 〜3 d B程度向上することが実験にて確認されている。

また、この実施例の非磁性部材 4 0には、耐磁板 3 8の開口部 3 8 bに対応する位置に開口部 4 0 bが設けられており、耐磁板 3 8と同様に電波信号の受信を妨げない構造となっている。

また、非磁性部材 4 0には腐食を防ぐため、メツキ等の表面処理を施すことも可能であり、表面処理を施したことによる受信感度の低下は認められなかつた。 (実施例 1 4 )

図 2 3は、本発明の別の実施例に係る電波時計の断面図である。

この実施例は、時計ケース 1 2や、耐磁板 3 8とアンテナ 3 2の位置関係等の基本的構成が実施例 1 1と同様であり、耐磁板 3 8の開口部 3 8 b内に非磁性部材 4 2を設けた点が実施例 1 1と異なるため、この異なる点に関して詳述する。

この非磁性部材 4 2は、前述した実施例 1 3と同じ電気抵抗率が 7 . 0 μ Ω - C m以下である金属材料からなるものであり、この実施例では黄銅からなるものを使用している。

また、この実施例における耐磁板 3 8は、フェライト系ステンレス鋼（例えば S U S 4 3 0 ) からなり、前述した実施例 1 1と同様にムーブメント 2 4と裏蓋 1 6との間に配設され、ムーブメント 2 4の下面に取り付けられたアンテナ 3 2に相対する位置に開口部 3 8 bを有している。

非磁性部材 4 2は、この耐磁板 3 8の開口部 3 8 b内に力シメ、口一付、接着等により取り付けられて、アンテナ 3 2に対向するものとなっている。このように非磁性部材 4 2を設けると、了ンテナ近傍での共振現象の乱れを低減して受信感度を向上させ、電波信号の受信利得が 2〜 3 d B程度向上することになる。

また、非磁性部材 4 2には、実施例 1 3における非磁性部材 4 0と同様に、メツキ等の表面処理を施すことも可能であり、表面処理を施したことによる受信感度の低下は認められなかった。

(実施例 1 5 )

図 2 4は、本発明の別の実施例に係る電波時計の断面図であり、図 2 5は、図 2 4に示す耐磁板 3 8の裏蓋方向からの平面図である。

この実施例は、時計ケース 1 2や、耐磁板 3 8とアンテナ 3 2の位置関係等の基本的構成が第 1実施例と同様であり、耐磁板 3 8に回転止めを設けた点と、耐磁板 3 8の固定をネジタイプの裏蓋 1 6の立ち上がり部 1 6 aの上面とムーブメント 2 4の下面とで挟んで固定した点とが実施例 1 1と異なるため、この異なる点に関して詳述する。

この耐磁板 3 8には、ムーブメント 2 4を囲うように立設された立ち上がり部 3 8 aが設けられている。

この実施例においては、この立ち上がり部 3 8 aの一部に切欠部 3 8 cを設け、時計ケース胴体 1 4を貫通する側パイプ 4 4の内端に切欠部 3 8 cを嵌め込むことにより、耐磁板 3 8の回転を止めて、容易に位置決めできるように構成している。

また、時計ケース胴体 1 4に裏蓋 1 6をネジ固定するため、裏蓋 1 6の立ち上がり部 1 6 a上面の耐磁板 3 8も回転することが考えられるが、前述した切欠部 3 8 cに側パイプ 4 4が嵌め込まれているので、耐磁板 3 8の回転も阻止できるようになっている。

なお、上記各実施例 1 1〜 1 5における時計ケース胴体 1 4、裏蓋 1 6等からなる時計ケース 1 2の材質は、電波時計に適したものであればステンレス、プラスチック等どのようなものであっても良い。

また、上記各実施例 1 1〜 1 5においては、アンテナ 3 2をムーブメント 2 4の下面の隅に、その磁心材 3 4の軸線が時計の表裏方向に直交する方向を向くように配設している。

し力しながら、アンテナ 3 2の指向性を考慮しつつ、時計ケースを縦断面で見た場合に、時計ケースの裏蓋 1 6の内面に対して、アンテナ 3 2の軸方向両端部の一端面を略平行に配置したり（図 3 0 ( B ) 参照）、また、時計ケースの裏蓋 1 6の内面に対して、アンテナ 3 2の外側面が、略垂直となるように配置して（図 3 0 ( B ) 参照）、アンテナ 3 2を縦に立てた状態に（鉛直方向に）なるように配置することも可能である。

さらに、例えば、時計ケース胴体 1 4が平面視で矩形状などである場合に、時計ケースの時計ケース胴体 1 4の内面とアンテナ 3 2の外側面（すなわち、アンテナの短手方向の外側面）とが、平面視で略平行となるように配置することによって、アンテナ 3 2を縦に立てた状態に（鉛直方向に）なるように配置 (図 3 0 (A) 参照）することも可能である。

また、アンテナ 3 2の指向性を考慮しつつ、時計ケースを縦断面で見た場合に、時計ケースの裏蓋 1 6の内面に対して、アンテナ 3 2の軸方向両端部の一端面を略垂直に配置したり（図 3 0 (D ) 参照）、また、時計ケースの時計ケース胴体 1 4の内面とァンテナ 3 2の外側面とが、平面視で略平行となるよう (図 3 0 ( C ) 参照）に配置して、アンテナ 3 2を水平方向に横にした状態になるように配置することも可能である。

さらに、例えば、時計ケース胴体 1 4が平面視で矩形状などである場合に、時計ケースの裏畫 1 6の内面とアンテナ 3 2の外側面（すなわち、アンテナの長手方向の外側面）とが略平行（図 3 0 (D ) 参照）となるように配置することによって、アンテナ 3 2を水平方向に横にした状態になるように配置することも可能である。

この場合、耐磁板 3 8の開口部 3 8 bは、前述した各実施例 1 1〜 1 5のように、アンテナ 3 2の全形に相対するように形成しても良いし、また、アンテナ 3 2の端部に対向するように、例えば、立ち上がり部 3 8 aに形成しても良い。

また、耐磁板 3 8及び非磁性部材 4 0， 4 2に使用する材料は一種類だけを用いるだけでなく、複数の金属及び非磁性部材を組み合わせて使用することも可能である。

なお、非磁性部材 4 0， 4 2に使用する材質の選定に関しては、実験用ケースの中に、使用する材質で形成した非磁性部材と実験用アンテナを設置し、所定位置に設置された送信アンテナから信号を送信する実験を行って選定した (実施例 1の実験参照）。

この実験の結果、金、銀、銅、黄銅、アルミニウム、マグネシウム、亜鉛、それらの合金の場合は、チタン、チタン合金、ステンレススチール、タンタルカーバイドの場合に比べて、利得が 2〜3 d B (デシベル）高くなつた。また、実験に使用した金属の電気抵抗率を比較し、電気抵抗率が 7 1 Ω— C m以下のものが良好な受信感度を保つことが可能であることが判明している (実施例 1の実験参照）。

その結果、金、銀、銅、黄銅、アルミニウム，マグネシウム、亜鉛、またはそれらの合金のような材料で非磁性部材 4 0 , 4 2を形成すれば、耐磁板 3 8 を使用した場合であっても受信感度を良好にすることができることが判明している。

上記各実施例 1 1〜1 5によれば、電波時計であっても耐磁板を設けることにより、外部磁気から時計装置を保護することができるので、時刻表示精度を向上させることができる。

また、耐磁板を設けても、耐磁板に開口部や非磁性部材を設けているので、時刻情報等の電波受信性能の低下を著しく少なくすることができ、電波時計本来の性能に影響を与えずに耐磁構造を実現することができる。以上、本発明の好ましい実施例を説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、本発明では、時計ケースとして、時計ケース胴体、裏蓋、ベゼルについて説明したが、その他のリングなどの時計ケースを有するもの、電波時計として、電波腕時計なけでなく、壁掛け時計、置時計、目覚まし時計などにも適用できるなど本発明の目的を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。

(発明の効果）

本発明によれば、アンテナと時計装置とを収納した時計ケース内に、電気抵抗率が 7 . 0 μ Ω— C m以下に設定された非磁性部材を設けることによって、金属材料に起因するアンテナ近傍での共振現象の乱れを低減することができるため、金属時計ケースであっても十分な受信感度を得ることが可能となる。これにより、電波時計であっても、時計ケース、例えば、時計ケース胴体、裏蓋の内面に固定される非磁性部材として、 7 . 0 IX Ω _ C m以下に設定された非磁性部材を用いれば、受信感度が低く、周波数選択性が低く、電気抵抗率が高い金属である、例えば、チタン、チタン合金、ステンレススチール、タンタルカ一バイトなどの外観品質に優れた金属を、時計ケース、例えば、時計ケース胴体、裏蓋として、受信感度を犠牲にすることなく、使用することができるようになり、時計ケースの機構上およぴ外観上の機能を向上させることがでさる。

また、本発明によれば、時計ケースの一部、例えば、時計ケース胴体、裏蓋、べゼルなどの一部、または少なくともこれらの 1つが、電気抵抗率が 7 . 0 μ Ω - C m以下に設定された非磁性部材で形成されているので、非磁性部材によつて、金属材料に起因するァンテナ近傍での共振現象の乱れを低減することができるため、金属時計ケースであっても十分な受信感度を得ることが可能となる。

これにより、電波時計であっても、時計ケースの一部、例えば、時計ケース胴体、裏蓋、べゼルなどの一部、または少なくともこれらの 1つを、 7 . Ο μ Ω— C m以下に設定された非磁性部材を用いれば、受信感度が低く、周波数選択性が低く、電気抵抗率が高い金属である、例えば、チタン、チタン合金、ステンレススチール、タンタルカーバイトなどの外観品質に優れた金属を、この非磁性部材からなる時計ケース部分以外の時計ケース部分として、受信感度を犠牲にすることなく、使用することができるようになり、時計ケースの機構上および外観上の機能を向上させることができる。

しかも、このような非磁性部材からなる時計ケース部分の表面に、表面仕上げが施されているので、耐食性、耐熱性、機械的強度などを備えるとともに、高級感のある金属色などの色調、外観品質も高い時計ケース、例えば、時計ケース胴体、裏蓋、べゼルなどを、電波時計ではない一般の時計と同様に設計 - 製造することができ、電波時計におけるケースのデザインバリエーションをー般の時計並に拡大することができる。

本発明によれば、時計ケースを、金属から構成して、アンテナと時計ケースとの距離、すなわち、時計ケースの時計ケース胴体の胴厚 T 1、時計ケースの裏蓋の裏蓋厚 T 2、時計ケース胴体の胴内面からアンテナまでの間隙 D 1、ならびに、裏蓋内面からアンテナまでの間隙 D 2を、受信感度に基づいて設定することによって、金属材料に起因するアンテナ近傍での共振現象の乱れを低減することができるため、金属時計ケースであっても受信感度を向上させることが可能となる。これにより、受信感度が低く、周波数選択性が低く、電気抵抗率が高い金属である、例えば、チタン、チタン合金、ステンレススチール、タンタルカ一バイトなどの外観品質に優れた金属を、時計ケース、例えば、時計ケース胴体、裏蓋、べゼルなどとして、受信感度を犠牲にすることなく、使用することができるようになり、 Β奢計ケースの機構上および外観上の機能を向上させることができる。

また、本発明によれば、時計ケース内に配置した耐磁板が、アンテナと対向する部分に開口部を有するので、この開口部を介して、耐磁板の影響を受けることなく、アンテナが電波を受信することができるので、電波受信性能を低下させることなく、電波時計においても外部磁気から時計装置を保護することができ、指針駆動に影響がなく、時計精度を向上することが可能となる。

ァンテナを収容する時計ケースは、電気非伝導性または電気抵抗率が低レ、材料であり、時計ケースの外側に装着した外装部材、特に、時計ケース胴体の外側面を覆う外装部材が金属などの電気伝導性である。

従って、アンテナを収容する時計ケース自体が伝導性材料である場合と比較して、アンテナと電気伝導性である外装部材との距離を大きくできるので、ァンテナの受信障害が生じにくく、これにより、アンテナが良好に電波を受信でき、受信性能、時計精度を向上することが可能となる。

さらに、金属などの伝導性の外装部材により、電波時計に金属感のある外観が付与される。これにより、あたかも時計ケースがソリッドの金属であるように視認されるので、合成樹脂などの非伝導性材料を時計ケースに用いながらも、高級感ゃ美観を損なわないなどの幾多の顕著で特有な作用効果を奏する極めて優れた発明である。

Claims

請求の範囲

1 . 日寺刻情報を含む電波を受信するアンテナと、

前記アンテナが受信した電波によって、表示部に現在時刻などの時刻情報を表示させる時計装置と、

前記アンテナと時計装置とを収納する時計ケースと、

前記時計ケースの内面に固定され、電気抵抗率が 7 . Ο Ω— C m以下に設定された少なくとも 1つの非磁性部材と、

を備えていることを特徴とする電波時計。

2 . 前記時計ケースが、チタン、チタン合金、ステンレススチール、タングステンカ一バイト、タンタルカーバイトから選択した少なくとも 1つ以上の材料からなり、

前記時計ケースの内面に、前記非磁性部材が固定されていることを特徴とする請求項 1に記載の電波時計。

3 . 前記時計ケースが、時計ケース胴体を備え、

前記時計ケース胴体が、チタン、チタン合金、ステンレススチール、タンク、、ステンカ一バイト、タンタルカーバイトから選択した少なくとも 1つ以上の材料からなり、

前記時計ケース胴体の内面に、前記非磁性部材が固定されていることを特徴とする請求項 1に記載の電波時計。

4 . 前記時計ケースが、時計ケース胴体と、前記時計ケース胴体に取り付け固定された裏蓋とを備え、

前記裏蓋が、チタン、チタン合金、ステンレススチール、タングステンカーバイト、タンタルカーバイトから選択した少なくとも 1つ以上の材料からなり、前記裏蓋の内面に、前記非磁性部材が固定されていることを特徴とする請求項 1から 3のいずれかに記載の電波時計。

5 . 前記非磁性部材が、金、銀、銅、黄銅、アルミニウム、マグネシゥム、亜鉛、またはそれらの合金から選択した少なくとも 1つ以上の材料からなることを特徴とする請求項 1から 4のいずれかに記載の電波時計。

6 . 前記非磁性部材が、金、銀、銅、黄銅、アルミニウム、マグネシゥム、またはそれらの合金から選択した少なくとも 2つ以上の材料が接合されて形成されていることを特徴とする請求項 1から 4のいずれかに記載の電波時計。

7 . 前記非磁性部材の内面に、樹脂部材が密接されていることを特徴とする請求項 1カゝら 6のいずれかに記載の電波時計。

8 . 前記アンテナが、磁芯部材とこの磁芯部材に複数卷かれたコイルとから構成され、

前記磁芯部材の軸線を含む少なくとも 1つの平面に沿って、前記アンテナが平行に時計ケースの内面に投影される位置に、前記非磁性部材が配置されていることを特徴とする請求項 1カゝら 7のいずれかに記載の電波時計。

9 . 前記アンテナが、磁芯部材とこの磁芯部材に複数巻かれたコイルとから構成され、

前記磁芯部材の軸線を含む少なくとも 1つの平面に沿って、前記アンテナが平行に時計ケースの内面に投影される時計ケース胴体の位置に、前記非磁性部材が配置されていることを特徴とする請求項 8に記載の電波時計。

1 0 . 前記アンテナが、磁芯部材とこの磁芯部材に複数巻かれたコイルとから構成され、

前記磁芯部材の軸線を含む少なくとも 1つの平面に沿って、前記アンテナが平行に時計ケースの内面に投影される裏蓋の位置に、前記非磁性部材が配置されていることを特徴とする請求項 8に記載の電波時計。

1 1 . 前記アンテナは、磁芯部材とこの磁芯部材に複数巻かれたコイルとから構成され、

前記アンテナの少なくとも一方の軸方向端部に対向する時計ケースの内面の位置に、前記非磁性部材が配置されていることを特徴とする請求項 1から 7のいずれかに記載の電波時計。

1 2 . 前記時計ケースが、チタン、チタン合金、ステンレススチールから選択した少なくとも 1つ以上の材料に前記非磁性部材を圧接接合したクラッド材から構成されていることを特徴とする請求項 1から 1 1のいずれかに記載の電波時計。

1 3 . 前記時計ケースが、時計ケース胴体を備え、

前記時計ケース胴体が、チタン、チタン合金、ステンレススチールから選択した少なくとも 1つ以上の材料に前記非磁性部材を圧接接合したクラッド材から構成されていることを特徴とする請求項 1から 1 1のいずれかに記載の電波時計。

1 4 . 前記時計ケースが、時計ケース胴体と、前記時計ケース胴体に取り付け固定された裏蓋とを備え、

前記裏蓋が、チタン、チタン合金、ステンレススチールから選択した少なくとも 1つ以上の材料に前記非磁性部材を圧接接合したクラッド材から構成されていることを特徴とする請求項 1から 1 3のいずれかに記載の電波時計。

1 5 . 前記非磁性部材が、圧入、力シメ、溶接、ロー付、接着剤の中の少なくとも 1つの手段によって、前記時計ケースに固定されていることを特徴とする請求項 1から 1 1のいずれかに記載の電波時計。

1 6 . 前記時計ケースが、時計ケース胴体を備え、

前記非磁性部材が、圧入、力シメ、溶接、ロー付、接着剤の中の少なくとも 1つの手段によって、前記時計ケース胴体に固定されていることを特徴とする請求項 1から 1 1のいずれかに記載の電波時計。

1 7 . 前記時計ケースが、時計ケース胴体と、前記時計ケース胴体に取り付け固定された裏蓋とを備え、

前記非磁性部材が、圧入、力シメ、溶接、ロー付、接着剤の中の少なくとも 1つの手段によって、前記裏蓋に固定されていることを特徴とする請求項 1から 1 1、 1 6のいずれかに記載の電波時計。

1 8 . 前記時計ケースに固定された前記非磁性部材が、湿式メツキ法または金属溶射法の手段によつて形成されていることを特徴とする請求項 1から 1 1のいずれかに記載の電波時計。

1 9 . 前記時計ケースが、時計ケース胴体を備え、

前記時計ケース胴体に固定された前記非磁性部材が、湿式メツキ法または金属溶射法の手段によって形成されていることを特徴とする請求項 1から 1 1の V、ずれかに記載の電波時計。

2 0 . 前記時計ケースが、時計ケース胴体と、前記時計ケース胴体に取り付け固定された裏蓋とを備え、

前記裏蓋に固定された前記非磁性部材が、湿式メツキ法または金属溶射法の手段によって形成されていることを特徴とする請求項 1から 1 1、 1 8のいずれかに記載の電波時計。

2 1 . 前記非磁性部材が、 5 0 mから 2 0 0 0 mの範囲の厚さを有していることを特徴とする請求項 1から 2 0のいずれかに記載の電波時計。

2 2 . 時刻情報を含む電波を受信- 前記ァンテナが受信した電波によって、表示部に現在時刻などの時刻情報を表示させる時計装置と、

前記アンテナと時計装置とを収納する時計ケースとを備えた電波時計であつて、前記時計ケースが、電気抵抗率が 7 . 0 μ Ω - C m以下の非磁性部材から少なくともその一部が構成されるとともに、

前記時計ケースの表面に、表面仕上げが施されていることを特徴とする電波時計。

2 3 . 前記時計ケースが、時計ケース胴体と、裏蓋と、ベゼルとを備え、これらの時計ケース胴体、裏蓋、ベゼルの中の少なくとも 1つが、非磁性部材から構成されるとともに、

前記非磁性部材から構成した時計ケース以外の時計ケースが、チタン、チタン合金、ステンレススチール、タングステンカーバイト、タンタルカーバイト、樹脂から選択した少なくとも 1つ以上の材料から構成されていることを特徴とする請求項 2 2に記載の電波時計。

2 4 . 前記非磁性部材が、金、銀、銅、黄銅、アルミニウム、マグネシゥム、亜鉛、またはそれらの合金ら選択した少なくとも 1つ以上の材料からなることを特徴とする請求項 2 2から 2 3のいずれかに記載の電波時計。

2 5 . 前記非磁性部材が、金、銀、銅、黄銅、アルミニウム、マグネシゥム、またはそれらの合金から選択した少なくとも 2つ以上の材料が接合されて形成されていることを特徴とする請求項 2 2から 2 3のいずれかに記載の電波時計。

2 6 . 前記アンテナが、磁芯部材とこの磁芯部材に複数巻かれたコイルとから構成され、前記磁芯部材の軸線を含む少なくとも 1つの平面に沿って、前 1

平行に投影される時計ケースの部材、またはこの投影された時計ケースの部材が投影される部分が、前記非磁性部材から構成されていることを特徴とする請求項 2 2から 2 4のいずれかに記載の電波時計。

2 7 . 前記ァンテナが、磁芯部材とこの磁芯部材に複数巻かれたコイルとから構成され、

前記アンテナの少なくとも一方の軸方向端部に対向する時計ケースの部材、またはこの軸方向端部に対向した時計ケースの部材に対向する部分が、前記非磁性部材から構成されていることを特徴とする請求項 2 2から 2 4のいずれかに記載の電波時計。

2 8 . 前記表面仕上げが、鏡面、梨地、ヘアライン目付け、模様、文字から選択した少なくとも 1つの表面仕上げからなることを特徴とする請求項 2 2カゝら 2 7のいずれかに記載の電波時計。

2 9 . 前記表面仕上げが、金属被膜からなり、

前記金属被膜が、湿式メツキ法、蒸着法、イオンプレーティング法、アーク法、スパッタリング法から選択した少なくとも 1つの手段で設けられていることを特徴とする請求項 2 2から 2 8のいずれかに記載の電波時計。

3 0 . 前記表面仕上げが、前記非磁性部材表面に施されていることを特徴とする請求項 2 2から 2 9のいずれかに記載の電波時計。

3 1 . 時刻情報を含む電波を受信するアンテナと、前記ァンテナが受信した電波によって、表示部に現在時刻などの時刻情報を表示させる時計装置と、

前記時計ケースが、金属から構成されていることを特徴とする電波時計。

3 2 . 前記アンテナが、前記時計ケースの内面に接するように配設されていることを特徴とする請求項 3 1に記載の電波時計。

3 3 . 前記アンテナが、前記時計ケースの内面から離間して配設されていることを特徴とする請求項 3 1に記載の電波時計。

3 4 . 前記時計ケースとアンテナが、前記時計ケースの時計ケース胴体の胴厚 T 1力 3 0 0 μ πιから 5 0 0 0 μ ηιとなるように設定されていることを特徴とする請求項 3 1から 3 3のいずれかに記載の電波時計。

3 5 . 前記時計ケースとアンテナが、前記時計ケースの時計ケース胴体の月同厚 Τ 1力 S、 5 0 0 μ瓜から 2 0 0 0 μ mとなるように設定されていることを特徴とする請求項 3 4に記載の電波時計。

3 6 . 前記時計ケースとァンテナが、前記時計ケースの時計ケース胴体の胴内面からアンテナまでの間隙 D 1が、 0から 4 0 0 0 0 μ πιとなるように設定されていることを特徴とする請求項 3 1から 3 5のいずれかに記載の電波時計。

37. 前記時計ケースとアンテナが、前記時計ケースの時計ケース胴体の胴内面からアンテナまでの間隙 D 1が、 500 μ mから 10000 imとなるように設定されていることを特徴とする請求項 36に記載の電波時計。

38. 前記時計ケースとアンテナが、前記時計ケースの裏蓋の裏蓋厚 T 2が、 100 から 5000 μ mとなるように設定されていることを特徴とする請求項 31カゝら 37のいずれかに記載の電波時計。

39. 前記時計ケースとアンテナが、前記時計ケースの裏蓋の裏蓋厚 T 2が、 300 Atmから 2000 μ mとなるように設定されていることを特徴とする請求項 38に記載の電波時計。

40. 前記時計ケースとアンテナが、前記時計ケースの裏蓋内面からァンテナまでの間隙 D 2が、 0から 5000 / mとなるように設定されていることを特徴とする請求項 31カゝら 39のいずれかに記載の電波時計。

41. 前記時計ケースとアンテナが、前記時計ケースの裏蓋内面からァンテナまでの間隙 D 2が、 100 μ mから 700 mとなるように設定されていることを特徴とする請求項 40に記載の電波時計。

42. 前記時計ケースの時計ケース胴体が、チタン、チタン合金、ステンレススチール、タングステンカーバイト、タンタルカーバイトから選択した少なくとも 1つ以上の材料からなることを特徴とする請求項 3 1から 4 1のいずれかに記載の電波時計。

4 3 . 前記時計ケースの時計ケース胴体が、金、銀、銅、黄銅、アルミ二ゥム、マグネシウム、亜鉛、またはそれらの合金から選択した少なくとも 1 つ以上の材料からなることを特徴とする請求項 3 1から 4 1のいずれかに記載の電波時計。

4 4 . 前記時計ケースの時計ケース胴体が、金、銀、銅、黄銅、アルミ二ゥム、マグネシウム、亜鉛、またはそれらの合金から選択した少なくとも 2 つ以上の材料が接合されて形成されていることを特徴とする請求項 3 1から 4 1のいずれかに記載の電波時計。

4 5 . 前記時計ケースの時計ケース胴体が、超硬金属からなることを特徴とする請求項 3 1から 4 1のいずれかに記載の電波時計。

4 6 . 前記時計ケースの裏蓋が、チタン、チタン合金、ステンレススチール、タングステンカーバイト、タンタルカーバイトから選択した少なくとも 1つ以上の材料からなることを特徴とする請求項 3 1から 4 5のいずれかに記載の電波時計。

4 7 . 前記時計ケースの裏蓋が、金、銀、銅、黄銅、アルミニウム、マグネシゥム、亜鉛、またはそれらの合金から選択した少なくとも 1つ以上の材料からなることを特徴とする請求項 3 1から 4 5のいずれかに記載の電波時計。

4 8 . 前記時計ケースの裏蓋が、金、銀、銅、黄銅、アルミニウム、マグネシゥム、またはそれらの合金から選択した少なくとも 2つ以上の材料が接合されて形成されていることを特徴とする請求項 3 1から 4 5のいずれかに記載の電波時計。

4 9 . 前記時計ケースの裏蓋が、超硬金属からなることを特徴とする請求項 3 1カゝら 4 5のいずれかに記載の電波時計。

5 0 . 前記時計ケースの時計ケース胴体または裏蓋の少なくとも 1つに、表面処理および/または硬化処理が施されていることを特徴とする請求項 3 1 から 4 9のいずれかに記載の電波時計。

5 1 . 前記時計ケースの時計ケース胴体の内面と前記アンテナの外側面とが、平面視で略平行となるように配置されていることを特徴とする請求項 3

1から 5 0のいずれかに記載の電波時計。

5 2 . 前記時計ケースの裏蓋の内面と前記アンテナの外側面とが略平行となるように配置されていることを特徴とする請求項 3 1から 5 0のいずれかに記載の電波時計。

5 3 . 前記時計ケースの裏蓋の内面に対して、前記アンテナの軸方向両端部の一端面を略平行に配設したことを特徴とする請求項 3 1か 5 0のいずれかに記載の電波時計。

5 4 . 前記時計ケースの裏蓋の内面に対して、前記アンテナの軸方向両端部の一端面を略垂直に配設したことを特徴とする請求項 3 1か 5 0のいずれかに記載の電波時計。

5 5 . 前記時計ケースの裏蓋の内面に対して、アンテナの外側面が、略垂直となるように配置されていることを特徴とする請求項 3 1か 5 0のいずれかに記載の電波時計。

5 6 . 前記時計ケースの裏蓋が、平面的な 2次元形状からなることを特徴とする請求項 3 1から 5 5のいずれかに記載の電波時計。

5 7 . 前記時計ケースの内面に、電気抵抗率が 7 . Ο μ Ω— C m以下の非磁性部材が少なくとも 1つ固定されていることを特徴とする請求項 3 1から 5 6のいずれかに記載の電波時計。

5 8 . 前記非磁性部材が、金、.銀、銅、黄銅、アルミニウム、マグネシゥム、亜鉛、またはそれらの合金から選択した少なくとも 1つ以上の材料からなることを特徴とする請求項 5 7に記載の電波時計。

5 9 . 前記非磁性部材が、金、銀、銅、黄銅、アルミニウム、マグネシゥム、またはそれらの合金から選択した少なくとも 2つ以上の材料が接合されて形成されて！/、ることを特徴とする請求項 5 7に記載の電波時計。

6 0 . 前記ァンテナが、磁芯部材とこの磁芯部材に複数卷かれたコイルとから構成され、 '

前記磁芯部材の軸線を含む少なくとも 1つの平面に沿って、前記アンテナが平行に投影される時計ケースの部材、またはこの投影された時計ケースの部材が投影される部分が、前記非磁性部材から構成されていることを特徴とする請求項 5 7から 5 9のいずれかに記載の電波時計。

6 1 . 前記ァンテナが、磁芯部材とこの磁芯部材に複数卷かれたコイルとから構成され、

前記アンテナの少なくとも一方の軸方向端部に対向する時計ケースの部材、またはこの軸方向端部に対向した時計ケースの部材に対向する部分が、前記非磁性部材から構成されていることを特徴とする請求項 5 7から 5 9のいずれかに記載の電波時計。

6 2 . 時刻情報を含む電波を受^

前記ァンテナが受信した電波によって、表示部に現在時刻などの時刻情報を表示させる時計装置と、

外部磁気の影響を防ぐ耐磁板と、

前記ァンテナと時計装置と耐磁板とを収納する時計ケースとを備えた電波時計であって、

前記時計ケース内に配置した耐磁板が、前記ァンテナと対向する部分に開口部を有することを特徴とする電波時計。

6 3 . 前記ァンテナが、磁芯部材とこの磁芯部材に複数巻かれたコイルとから構成され、

前記磁芯部材の軸線を含む少なくとも 1つの平面に沿って、前記アンテナが平行に投影される位置に、前記耐磁板に開口部が設けられていることを特徴とする請求項 6 2に記載の電波時計。

6 4 . 前記ァンテナは、磁芯部材とこの磁芯部材に複数卷かれたコイルとから構成され、

前記アンテナの少なくとも一方の軸方向端部に対向する位置に、前記耐磁板に開口部が設けられていることを特徴とする請求項 6 2に記載の電波時計。

6 5 . 前記ァンテナが、前記耐磁板の外側に位置するように配設されていることを特徴とする請求項 6 2から 6 4のいずれかに記載の電波時計。

6 6 . 前記アンテナが、その少なくとも一部が、前記耐磁板の開口部より突出し、前記時計ケースのケース胴体の内面側に位置していることを特徴とする請求項 6 2カゝら 6 5のいずれかに記載の電波時計。

6 7 . 前記アンテナが、その少なくとも一部が、前記耐磁板の開口部より突出し、前記時計ケースの裏蓋側に位置していることを特徴とする請求項 6 2から 6 5のレ、ずれかに記載の電波時計。

6 8 . 前記アンテナが、その少なくとも一部が、前記耐磁板の開口部より突出し、表示板側に位置していることを特徵とする請求項 6 2から 6 5のいずれかに記載の電波時計。

6 9 . 前記耐磁板が、純鉄またはパーマロイから選択した少なくとも 1 つ以上の材料からなることを特徴とする請求項 6 2から 6 8のいずれかに記載の電波時計。

7 0 . 前記耐磁板の内面には、電気抵抗率が 7 . 0 μ Ω— C m以下の非磁性部材が配設されていることを特徴とする請求項 6 2から 6 9のいずれかに記載の電波時計。

7 1 . 前記耐磁板の開口部内には、前記非磁性部材が配設されていることを特徴とする請求項 6 2から 6 4、 6 9から 7 0のいずれかに記載の電波時計。

7 2 . 前記非磁性部材が、前記非磁性部材が、金、銀、銅、黄銅、アルミニゥム、マグネシウム、亜鉛、またはそれらの合金から選択した少なくとも 1つ以上の材料からなることを特徴とする請求項 7 0から 7 1のいずれかに記載の電波時計。

7 3 . 前記非磁性部材が、前記非磁性部材が、金、銀、鲖、黄銅、アルミニゥム、マグネシウム、亜鉛、またはそれらの合金から選択した少なくとも 2つ以上の材料が接合されて形成されていることを特徴とする請求項 7 0から 7 1のいずれかに記載の電波時計。

7 4 . 前記非磁性部材が、前記表示板方向に向かって立設された立上がり部を有し、

前記立上がり部が、前記時計ケースの一部に当接することによって、前記耐磁板の回転を規制するように構成されていることを特徴とする請求項 6 2から 7 3のいずれかに記載の電波時計。

7 5 . 時刻情報を含む電波を受信するアンテナと、

前記時計ケースが、電気非伝導材料または電気抵抗率が低レ、材料から構成されるとともに、

前記時計ケースの外側に装着した電気伝導材料からなる外装部材を備えることを特徴とする電波時計。

7 6 . 前記外装部材が、前記時計ケースの時計ケース胴体の上面を覆う外装部材であることを特徴とする請求項 7 5に記載の電波時計。

7 7 . 前記外装部材が、前記時計ケースの時計ケース胴体の外側面を覆う外装部材であることを特徴とする請求項 7 5から 7 6のいずれかに記載の電波時計。

7 8 . 前記時計ケスを構成する電気非伝導材料が、合成樹脂、ゴム、セラミックから選択した少なくとも 1つ以上の電気非伝導性材料からなることを特徴とする請求項 7 5から 7 7のいずれかに記載の電波時計。

7 9 . 前記時計ケースを構成する電気抵抗率が低い材料が、金、銀、銅、黄銅、アルミニウム、マグネシウム、亜鉛、またはそれらの合金から選択した少なくとも 1つ以上の電気抵抗率が低い材料からなることを特徴とする請求項 7 5から 7 7のいずれかに記載の電波時計。

8 0 . 前記外装部材を構成する電気伝導材料が、ステンレス、チタン、チタン合金から選択した少なくとも 1つ以上の電気伝導性材料からなることを特徴とする請求項 7 5カゝら 7 9のいずれかに記載の電波時計。