JP2002294376A - アルミニウム−異種金属クラッド材およびその製造方法 - Google Patents

アルミニウム−異種金属クラッド材およびその製造方法

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JP2002294376A
JP2002294376A JP2001094970A JP2001094970A JP2002294376A JP 2002294376 A JP2002294376 A JP 2002294376A JP 2001094970 A JP2001094970 A JP 2001094970A JP 2001094970 A JP2001094970 A JP 2001094970A JP 2002294376 A JP2002294376 A JP 2002294376A
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jis
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Yasuhiro Osame
康弘 納
Hiroyuki Kawabata
博之 川畑
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高強度で接合されたアルミニウム−異種金属
クラッド材を製造する。 【解決手段】 アルミニウム部材11に、純度99.9%
以上の高純度アルミニウムまたはJIS A1000系
アルミニウム合金からなり、厚さ10μmから5mmのイ
ンサート材12を圧延により接合して二層体14を製作し、
この二層体14に溶体化処理および時効硬化処理を行った
後、該二層体14のインサート材12側に異種金属部材13を
圧下率50%以下で冷間圧延して三層体15とし、さらに
この三層体15を150〜300℃で15時間以内保持し
て安定化処理する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、アルミニウムの
特性と異種金属の各種特性を兼ね備えたアルミニウム−
異種金属クラッド材およびその製造方法に関する。
【0002】なお、この明細書において、「アルミニウ
ム」の語はアルミニウムおよびその合金の両者を含む意
味で用いられる。
【0003】
【従来の技術】アルミニウムは軽量であることから各種
分野で使用されているが、アルミニウムとアルミニウム
以外の異種金属とのクラッド材を用いることによって、
アルミニウムにはない異種金属の特性を付与したり、異
種金属にアルミニウムの軽量性を付与することができ
る。例えば、熱交換器材料には伝熱性や耐食性を向上さ
せるために銅またはその合金とのクラッド材が用いら
れ、電磁調理器や電磁調理用器具、あるいは各種家電製
品のボディや調理器具には、軽量化を図るために鉄また
はその合金とのクラッド材が用いられている。
【0004】上述したアルミニウムと異種金属とのクラ
ッド材は、真空または不活性ガス雰囲気中で両者を加熱
しつつ加圧する拡散接合または圧延接合、冷間圧延によ
る接合、摩擦圧接、爆着等の方法によって製造されてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
製造方法のうち、加熱を伴う拡散接合および圧延による
方法では、接合温度や接合時間が接合品質の大きく影響
するために良好に接合できる条件範囲が非常に狭く、こ
れを逸脱すると接合品質が低下するという問題点があ
る。例えば、接合温度が高くまた接合時間が長くなる
と、接合界面にアルミニウムと異種金属との厚い金属間
化合物を形成して、衝撃破壊を起こしたり接合強度が低
下することがある。
【0006】また、冷間圧延による方法では金属間化合
物の成長は抑制されるが、接合界面の塑性変形によって
接合するこの方法ではアルミニウムの機械的特性の保持
が困難である。例えば、Al−Si−Mg合金に銅や鉄
をクラッドする場合、接合界面で塑性変形を起こしやす
い状態で圧延する必要上、アルミニウム側は予め熱処理
して軟化させ、延びやすくしておかなければならない。
このため、予熱によって低下した強度を異種金属との接
合後に回復させる熱処理が必要となる。しかも、この熱
処理は金属間化合物の成長を抑制するために350℃以
下で行わなければならない。しかし、Al−Si−Mg
系合金の溶体化処理における一般的な焼入れ温度は50
0〜550℃であり、350℃以下というような低温で
は焼入れ効果が得られず十分な強度回復を図ることがで
きない。
【0007】また、摩擦圧接や爆着では、上述した加熱
下での接合や冷間圧延による方法に比べると、金属間化
合物の生成が少なく接合強度を確保しやすいが、大面積
の接合においてはハイパワーの設備や防爆設備を必要と
し、接合装置が大がかりになる。このため、大面積のク
ラッド材の製造やクラッド材の大量生産には適していな
い。
【0008】この発明は、上述の技術背景に鑑み、アル
ミニウムと異種金属とが高強度でされたアルミニウム−
異種金属クラッド材、および大面積でも製造が容易な該
クラッド材の製造方法の提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、この発明のアルミニウム−異種金属クラッド材は、
アルミニウム部材(11)とアルミニウム以外の異種金属
部材(13)とが、純度99.9%以上の高純度アルミニ
ウムまたはJIS A1000系アルミニウム合金から
なり、厚さ10μm〜5mmのインサート材(12)を介し
てクラッドされていることを基本要旨とする。
【0010】前記アルミニウム−異種金属クラッド材で
は、アルミニウム部材(11)と異種金属部材(13)との
間に変形抵抗の小さいインサート材(12)が介在してい
るため、クラッド時にインサート材(12)が十分に塑性
変形を起こして両者の接合が良好なものとなされてい
る。
【0011】また、この発明のアルミニウム−異種金属
クラッド材の製造方法は、アルミニウム部材(11)とア
ルミニウム以外の異種金属部材(13)とのクラッド材の
製造方法であって、前記アルミニウム部材(11)に、純
度99.9%以上の高純度アルミニウムまたはJIS
A1000系アルミニウム合金からなり、厚さ10μm
から5mmのインサート材(12)を圧延により接合して二
層体(14)を製作し、この二層体(14)に溶体化処理お
よび時効硬化処理を行った後、該二層体(14)のインサ
ート材(12)側に異種金属部材(13)を圧下率50%以
下で冷間圧延して三層体(15)とし、さらにこの三層体
(15)を150〜300℃で15時間以内保持して安定
化処理することを基本要旨とする。
【0012】この発明の方法によれば、アルミニウム部
材(11)にインサート材(12)を接合した二層体(14)
の段階で行う溶体化処理および時効硬化処理によって、
アルミニウム合金本来の機械的特性を得ることができ
る。そして、異種金属部材(13)は、この二層体(14)
のインサート材(12)側に圧延によるインサート材(1
2)の十分な塑性変形によって接合され、しかも冷間で
あるからこれらの界面における金属間化合物の成長は抑
制される。さらに、異種金属部材(13)を接合した三層
体(15)に安定化処理を施すことによって、三者の接合
性が安定し、接合性がさらに確実なものとなる。
【0013】また、このような工程でアルミニウム部材
(11)と異種金属部材(13)とをクラッドすることによ
り、前記アルミニウム部材(11)が、JIS A200
0系アルミニウム合金、JIS A3000系アルミニ
ウム合金、JIS A5000系アルミニウム合金、J
IS A6000系アルミニウム合金、JIS A70
00系アルミニウム合金のうちのいずれかからなるクラ
ッド材を良好に製造することができる。また、前記異種
金属部材(13)が、鉄またはその合金、銅またはその合
金、マグネシウムまたはその合金、チタンまたはその合
金のうちのいずれかからなるクラッド材を良好に製造す
ることができる。
【0014】さらに、前記アルミニウム部材(11)がJ
IS A3000系アルミニウム合金またはJIS A
5000系アルミニウム合金からなる場合は、前記二層
体(14)に対する溶体化処理および時効硬化処理を行わ
ずとも、三層体に対する安定化処理のみでアルミニウム
本来の機械的特性を得ることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】図1に示すように、この発明のア
ルミニウム−異種金属クラッド材(1)は、アルミニウ
ム部材(11)とアルミニウム以外の異種金属部材(13)
との間にインサート材(12)が介在している。
【0016】前記アルミニウム部材(11)の組成は何ら
限定されず、JIS A1000系のAlまたはAl合
金、A2000系のAl−Cu系合金、A3000系の
Al−Mn系合金、A4000系のAl−Si系合金、
A5000系のAl−Mg系合金、A6000系のAl
−Si−Mg系合金、A7000系のAl−Zn−Mg
−Cu系合金およびAl−Zn−Mg系合金等幅広く使
用できる。これらのうちでも、従来異種金属との接合が
困難とされていたJIS A2000系アルミニウム合
金、A3000系アルミニウム合金、A5000系アル
ミニウム合金、A6000系アルミニウム合金、A70
00系アルミニウム合金を推奨できる。
【0017】また、異種金属部材(13)は、アルミニウ
ム部材(11)に対して所定のインサート材(12)を介し
て良好に接合できる金属として、鉄またはその合金、銅
またはその合金、マグネシウムまたはその合金、チタン
またはその合金を推奨できる。これらのうちでも特に良
好に接合できる異種金属は、銅またはその合金である。
【0018】また、前記インサート材(12)は、変形抵
抗が小さく、アルミニウム部材(11)と異種金属部材
(13)との界面にあって容易に塑性変形して両者のクラ
ッドを良好にする。このようなインサート材(12)は、
冷間でも異種金属部材(13)になじみやすい純度99.
9%以上の高純度アルミニウムまたはJIS A100
0系アルミニウム合金を使用する必要がある。特に好ま
しいインサート材(12)として、純度99.99%以上
の高純度アルミニウム、JIS A1000系アルミニ
ウムの中でもJIS A1100合金を推奨できる。こ
れらのインサート材(12)を使用することにより、冷間
で接合しても高い接合力が得られる。また、クラッド材
を熱交換器材料や調理器具として用いる場合、アルミニ
ウムと異種金属との間で熱伝導率の違いから熱抵抗が生
じるが、これらの間にアルミニウムのなかでも熱伝導率
の高い高純度アルミニウムまたはJIS A1000系
アルミニウム合金をインサート材として介在させること
によって、熱抵抗が低減される。
【0019】前記インサート材(12)の厚さは10μm
〜5mmの範囲とする。10μm未満では変形量が少ない
ために塑性変形による接合性向上効果に乏しく、一方5
mmを超えて厚くしてもさらなる接合性の向上は認められ
ず、クラッド材の厚肉化を来す。インサート材(12)の
厚さの好ましい下限値は50μmであり、好ましい上限
値は2mmである。
【0020】前記アルミニウム−異種金属クラッド材
(1)は、例えば図2に示すこの発明の方法によって製
造される。
【0021】まず、アルミニウム部材(11)にインサー
ト材(12)を圧延して接合し、二層体(14)を製作す
る。圧延は冷間、熱間の何れでも良く、アルミニウム同
士の接合であるから、冷間でも容易に接合され、また熱
間でも金属間化合物を生じない。
【0022】次いで、前記二層体(14)に溶体化処理お
よび時効硬化処理を施して、加工歪みを除去するととも
に十分なアルミニウム本来の機械的特性を与え、かつ両
者の接合安定性の向上を図る。これらの処理は、アルミ
ニウム部材の組成に応じて常法による条件で行う。具体
的には、溶体化処理は、450〜550℃に加熱後、そ
の後の時効処理温度までを50〜5000℃/minの
冷却速度で急冷することが好ましい。前記冷却速度は合
金によって異なる。また、時効硬化処理は、150〜2
50℃×2〜20時間が好ましい。
【0023】前記溶体化処理および時効硬化処理は、ア
ルミニウム部材として非熱処理合金であるJIS A3
000系合金およびA5000系合金を用いる場合は省
略することができる。これらの非熱処理合金は、この段
階で熱処理を施さなくても、異種金属部材接合後の最終
的な安定化処理によって十分な機械的特性が得られるた
めである。なお、この段階で二層体(14)の接合安定化
を図るための熱処理を施しても良い。
【0024】次いで、前記二層体(14)のインサート材
(12)側に異種金属部材(13)を冷間圧延により接合し
て三層体(15)を製作する。冷間圧延であるから、アル
ミニウムであるインサート材(12)と異種金属部材(1
3)との界面における金属間化合物の生成は抑制され
る。また、この時の圧下率は、冷間圧延であることを考
慮して加工硬化による割れを回避するために50%以下
とする必要がある。また、十分な接合力を得るには40
%以上が好ましい。
【0025】次いで、前記三層体(15)に対して150
〜300℃で15時間以内保持して安定化処理を施す。
この安定化処理においては、加工歪みを除去するととも
に各接合界面を安定化して三者の接合強度の向上を図
る。処理温度が150℃未満では安定化効果が乏しく、
300℃を超えるとアルミニウム部材(11)が軟化して
却って機械的特性が低下したり、インサート材(12)と
異種合金部材(13)との間で金属間化合物相が成長する
おそれがある。好ましい処理温度の下限値は180℃で
あり、好ましい上限値は250℃である。また、15時
間を超えて長時間保持してもさらなる安定化向上効果は
乏しい。処理時間の下限値は定めないが、2時間以上が
好ましい。
【0026】
【実施例】この発明の製造方法に基づき、図2に示す工
程でアルミニウム−異種金属クラッド材を製作した。
【0027】アルミニウム部材(11)として、JIS
A2024、A3003、A5052、A6061、A
7075からなる、それぞれ厚さ10mmの板材を用い、
これらのアルミニウム合金にクラッドする異種金属部材
(13)として、軟鋼(SPCC)、無酸素銅、MC1−
F(Mg合金)、Tiからなる、それぞれ厚さ10mmの
板材を用いた。また、インサート材(12)として、JI
S A1100および99.99%アルミニウムのそれ
ぞれ厚さ0.1〜1.0mmのものを用意した。
【0028】上記材料を表1に示す組合せでクラッド材
を製作した。
【0029】実施例1〜5、9〜10、13〜14は、
まずアルミニウム部材(11)にインサート材(12)を冷
間で圧延して接合して二層体(14)を製作し、この二層
体(14)に溶体化処理を施し、所定の時効硬化温度まで
急冷した後時効硬化処理を施した。そして、この二層体
(14)のインサート材(12)側に異種金属部材(13)を
圧下率50%で冷間圧延し、これらを接合して三層体
(15)とした。さらにこの三層体(15)に安定化処理を
施して、アルミニウム−異種金属クラッド材(1)とし
た。二層体(14)に対する溶体化処理条件、冷却速度、
時効硬化処理条件、三層体(15)に対する安定化処理条
件は表1に示すとおりである。
【0030】実施例6〜8、11〜12、15〜18
は、まずアルミニウム部材(11)にインサート材(12)
を冷間で圧延して接合して二層体(14)を製作し、この
二層体(14)に安定化処理を施した。そして、この二層
体(14)のインサート材(12)側に異種金属部材(13)
を圧下率50%で冷間圧延し、これらを接合して三層体
(15)とした。さらにこの三層体(15)に安定化処理を
施してアルミニウム−異種金属クラッド材(1)とし
た。二層体(14)および三層体(15)に対する安定化処
理条件は表1に示すとおりである。
【0031】比較例1は、A6001−T6材と軟鋼材
とを不活性ガス雰囲気中で500℃に加熱し、圧下率5
0%で熱間圧延により直接クラッドした。
【0032】比較例2は、A3003−H24材と軟鋼
材とを圧下率50%で冷間圧延により直接クラッドし、
その後250℃で3時間保持して安定化処理を施した。
【0033】比較例3は、A6001−T6材と無酸素
銅材とを圧下率50%で冷間圧延により直接クラッド
し、その後250℃で3時間保持して安定化処理を施し
た。
【0034】比較例4は、A3003−H24材と無酸
素銅材とを圧下率65%で冷間圧延により直接クラッド
し、その後250℃で3時間保持して安定化処理を施し
た。
【0035】比較例5は、実施例5と同一条件でインサ
ート材を介してクラッドしたが、三層体に対する最終的
な安定化処理を施さなかった。
【0036】
【表1】
【0037】これらのクラッド材に対し、接合率、剪断
強度および衝撃落下強度を評価した。
【0038】接合率は、超音波探傷検査によりクラッド
面積1m2について接合の成否を調べ、接合率(%)=
(未接合面積/測定面積)×100とした。
【0039】剪断試験は、図3に示すようにクラッド材
のアルミニウム部材(11)および異種金属部材(13)を
切削加工により部分的(破線部分)に切除して、剪断部
(S)の剪断面積を1cm2とした剪断試験材(20)を
作製し、この剪断試験材(20)について引張試験機にて
両端部を引張って剪断強度を測定した。
【0040】衝撃落下強度は、試験片を1.5mの高さ
から鉄製床上に20回自由落下させ、割れや破壊の状態
により評価した。20回落下させても割れないものを合
格とし、それ以外は割れまたは破壊に至るまでの落下回
数で評価した。
【0041】これらの評価結果を表1に示す。
【0042】表1の結果より、インサート材を介在させ
て上記工程で製作したアルミニウム−異種金属クラッド
材は、高い接合強度を有するものであることを確認し得
た。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように、この発明のアルミ
ニウム−異種金属クラッド材は、アルミニウム部材とア
ルミニウム以外の異種金属部材とが、純度99.9%以
上の高純度アルミニウムまたはJIS A1000系ア
ルミニウム合金からなり、厚さ10μm〜5mmのインサ
ート材を介してクラッドされているから、クラッド時に
インサート材が十分に塑性変形を起こして両者の接合が
良好なものとなされている。
【0044】この発明のアルミニウム−異種金属クラッ
ド材の製造方法によれば、アルミニウム部材に前記イン
サート材を接合した二層体の段階で行う溶体化処理およ
び時効硬化処理によって、アルミニウム本来の機械的特
性を得ることができる。この二層体のインサート材側
に、異種金属部材を圧下率50%以下で圧延すると、イ
ンサート材の十分な塑性変形によって良好に接合され、
しかも冷間であるからこれら界面における金属間化合物
の成長は抑制される。さらに、異種金属部材を接合した
三層体に、150〜300℃で15時間以内保持する安
定化処理を施すことによって、三者の接合性が安定し、
接合性がさらに確実なものとなる。従って、アルミニウ
ム本来の機械的特性を損なうことなく、アルミニウム部
材と異種金属部材とを高強度でクラッドすることができ
る。また、接合手段は圧延であるから、大面積のクラッ
ド材の製造に適し、またクラッド材の大量生産も容易で
ある。
【0045】また、このような工程でアルミニウム部材
と異種金属部材とをクラッドすることにより、前記アル
ミニウム部材が、JIS A2000系アルミニウム合
金、JIS A3000系アルミニウム合金、JIS
A5000系アルミニウム合金、JIS A6000系
アルミニウム合金、JIS A7000系アルミニウム
合金のうちのいずれかからなるクラッド材を良好に製造
することができる。また、前記異種金属部材が、鉄また
はその合金、銅またはその合金、マグネシウムまたはそ
の合金、チタンまたはその合金のうちのいずれかからな
るクラッド材を良好に製造することができる。
【0046】さらに、前記アルミニウム部材がJIS
A3000系アルミニウム合金またはJIS A500
0系アルミニウム合金からなる場合は、前記二層体に対
する溶体化処理および時効硬化処理を行わずとも、三層
体に対する安定化処理のみでアルミニウム本来の機械的
特性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のアルミニウム−異種金属クラッド材
の断面図である。
【図2】この発明のアルミニウム−異種金属クラッド材
の製造方法の製造工程を示す説明図である。
【図3】剪断試験材および試験方法を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
1…アルミニウム−異種金属クラッド材 11…アルミニウム部材 12…インサート材 13…異種金属部材 14…二層体 15…三層体
フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AB01B AB02B AB05 AB09B AB10A AB10C AB12B AB17B AB31B AB31C BA03 BA07 BA10A BA10B BA13 EJ192 EJ422 GB48 JL03 YY00C

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム部材(11)とアルミニウム
    以外の異種金属部材(13)とが、純度99.9%以上の
    高純度アルミニウムまたはJIS A1000系アルミ
    ニウム合金からなり、厚さ10μm〜5mmのインサート
    材(12)を介してクラッドされていることを特徴とする
    アルミニウム−異種金属クラッド材。
  2. 【請求項2】 前記アルミニウム部材(11)は、JIS
    A2000系アルミニウム合金、JIS A3000
    系アルミニウム合金、JIS A5000系アルミニウ
    ム合金、JIS A6000系アルミニウム合金、JI
    S A7000系アルミニウム合金のうちのいずれかか
    らなる請求項1記載のアルミニウム−異種金属クラッド
    材。
  3. 【請求項3】 前記異種金属部材(13)は、鉄またはそ
    の合金、銅またはその合金、マグネシウムまたはその合
    金、チタンまたはその合金のうちのいずれかからなる請
    求項1または2に記載のアルミニウム−異種金属クラッ
    ド材。
  4. 【請求項4】 アルミニウム部材(11)とアルミニウム
    以外の異種金属部材(13)とのクラッド材の製造方法で
    あって、 前記アルミニウム部材(11)に、純度99.9%以上の
    高純度アルミニウムまたはJIS A1000系アルミ
    ニウム合金からなり、厚さ10μmから5mmのインサー
    ト材(12)を圧延により接合して二層体(14)を製作
    し、この二層体(14)に溶体化処理および時効硬化処理
    を行った後、該二層体(14)のインサート材(12)側に
    異種金属部材(13)を圧下率50%以下で冷間圧延して
    三層体(15)とし、さらにこの三層体(15)を150〜
    300℃で15時間以内保持して安定化処理することを
    特徴とするアルミニウム−異種金属クラッド材の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 前記アルミニウム部材(11)は、JIS
    A2000系アルミニウム合金、JIS A3000
    系アルミニウム合金、JIS A5000系アルミニウ
    ム合金、JIS A6000系アルミニウム合金、JI
    S A7000系アルミニウム合金のうちのいずれかか
    らなる請求項4記載のアルミニウム−異種金属クラッド
    材の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記異種金属部材(13)は、鉄またはそ
    の合金、銅またはその合金、マグネシウムまたはその合
    金、チタンまたはその合金のうちのいずれかからなる請
    求項4または5に記載のアルミニウム−異種金属クラッ
    ド材の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記アルミニウム部材(11)がJIS
    A3000系アルミニウム合金またはJIS A500
    0系アルミニウム合金からなり、前記二層体(14)に対
    する溶体化処理および時効硬化処理を行わない請求項5
    または6に記載のアルミニウム−異種金属クラッド材の
    製造方法。
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