JP2651847B2 - セラミックス接合用アルミニウム合金 - Google Patents

セラミックス接合用アルミニウム合金

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JP2651847B2
JP2651847B2 JP63197523A JP19752388A JP2651847B2 JP 2651847 B2 JP2651847 B2 JP 2651847B2 JP 63197523 A JP63197523 A JP 63197523A JP 19752388 A JP19752388 A JP 19752388A JP 2651847 B2 JP2651847 B2 JP 2651847B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は、セラミックスとの接合に用いるアルミニ
ウム合金に関するものである。
従来の技術 近年、セラミックスの利用分野が益々拡大しつつあ
り、その一方では、セラミックスの有する優れた特性、
例えば断熱性や耐熱性等と、金属の有する特性、例えば
高靭性や高熱伝導性、導電性等との両者を同時に活用す
るべく、セラミックスと金属とを接合した複合部材、複
合部品が種々の分野で使用されるようになっている。
ところで、セラミックスと金属との接合には、従来か
ら接着剤を用いることが行なわれているが、接着剤を用
いた場合は充分な接合強度が得られず、特にセラミック
スと金属との熱膨張率の差によって接合面で剥離が生じ
易い。
セラミックスと金属とを強固に接着するためには、接
合界面で原子レベルでの結合が行なわれること、すなわ
ち、いわゆる金属接合がなされることが望ましいが、セ
ラミックスは非金属であるため両者間を直接金属接合す
ることは困難であると考えられていた。そこで、従来、
比較的高い接合強度が得られる方法として、アルミナセ
ラミックスとアルミニウムもしくはその合金との接合の
場合、アルミナセラミックスの表面に予めCuもしくはAg
を溶射や蒸着あるいはメッキ等によってメタライジング
しておき、そのメタライジング層の表面にアルミニウム
もしくはその合金を金属接合(拡散接合)することが行
なわれている。但し、アルミニウムやその合金の表面に
は強固な酸化皮膜が生成されているのが通常であって、
その酸化皮膜が存在したままでは拡散接合することがで
きないから、塩化物とふっ化物との混合塩のフラックス
を用いてメタライジング層に対する拡散接合処理を行な
うのが通常である。
発明が解決しようとする課題 前述のような従来のアルミナセラミックスとアルミニ
ウムもしくはその合金との接合方法では、予めメタライ
ジング層を形成しておく工程が必要であるため、工程数
が多く、高コストとなる問題があり、また、有害なフラ
ックスを用いなければならないため、作業者の安全や公
害防止等に配慮を払わなければならないという問題があ
った。
この発明は以上の事情を背景としてなされたもので、
メタライジング処理を行なったりフラックスを用いたり
することなく、セラミックスに対して高い接合強度で直
接接合することができるアルミニウム合金を提供するこ
とを目的とするものである。
課題を解決するための手段 本発明者等は、前述の目的を達成し得るアルミニウム
合金の成分組織について鋭意実験・検討を重ねた結果、
適量のLi(リチウム)および/またはCu(銅)を含有さ
せることによって、高い接合強度でアルミニウム合金を
セラミックスに固相拡散接合できることを見出し、この
発明を成すに至った。
すなわち、この発明のセラミックス接合用アルミニウ
ム合金は、固相拡散接合によってセラミックスに対して
接合するためのものであって、Li1.8〜3%、Cu2〜8%
のいずれか一方もしくは双方を含有し、残部がAlおよび
不可避的不純物よりなることを特徴とするものである。
作用 先ずこの発明のアルミニウム合金における成分限定理
由を述べる。
Cu: Cuは、Alの表面酸化皮膜を弱めるとともに、アルミニ
ウム合金−セラミックス界面において、アルミニウム合
金側からセラミックス側に拡散して、界面接合強度を高
める。また、アルミニウム合金の強度を高めて、継手強
度を高める作用を果す。Cuの添加量が2%未満では上述
の効果が充分に得られず、一方、8%を越えれば、上述
の効果が飽和するとともに、アルミニウム合金の鋳造、
圧延が困難となる。したがってCuは2〜8%の範囲内に
限定した。
Li: LiはAlの表面酸化皮膜をポーラスにし、アルミニウム
合金−セラミックス界面においてアルミニウム合金側か
らセラミックス側に拡散して、界面接合強度を高める。
Liの添加量が1.8%未満では上記の効果が充分に得られ
ず、一方、3%を越えればアルミニウム合金の鋳造が困
難となるから、Liの添加量は1.8〜3%の範囲内とし
た。
ここで、Cu,Liはいずれか一方を単独で添加しても、
また両者を同時に添加しても良い。両者を同時に添加し
た場合には、それぞれの効果が重畳されて、より一層セ
ラミックスとの接合性の良好なアルミニウム合金を得る
ことができる。
また上記のLi,Cuのほか、結晶粉微細化のため、Mn,C
r,V,Zrのうちの1種または2種以上の各々0.50%未満添
加することもある。
以上の各成分のほかはAlおよび不可避的不純物とすれ
ば良い。不可避的不純物としてのFeは1.0%未満、Znは
0.50%未満、Mgは0.10%未満、Siは0.50%未満であれば
特に支障はない。
そのほか、アルミニウム合金鋳塊の製造においては、
一般に鋳塊結晶粒の微細化のためにTi、またはTiおよび
Bを添加することが多いが、この発明の合金の場合もT
i、またはTiおよびBが添加されていてもよい。但しそ
の添加量は、Ti0.2%以下、B0.04%以下が望ましい。
前述のように、この発明のアルミニウム合金は、Liお
よび/またはCuを含有しているために表面酸化皮膜が脆
弱となるかまたはポーラスとなり、セラミックスとの接
合時にはLi,Cuが界面においてセラミックス側へ拡散し
て固相拡散接合が行なわれ、したがってセラミックスと
強固に接合することができる。
なお、この発明のアルミニウム合金を製造するにあた
っては、先ず常法にしたがって鋳造する。この鋳造方法
としては半連続鋳造法(DC鋳造法)が一般的であるが、
省エネルギや耐軟化性の向上等の観点から薄板連続鋳造
法(連続鋳造圧延法)を適用してもよい。
得られた鋳塊に対しては、均熱処理(均質化処理)お
よび熱間圧延を行ない、必要に応じて冷間圧延を行なっ
て所望の板厚に仕上げる。ここで、冷間圧延の前、後、
途中のいずれかにおいて焼鈍を施すこともある。但し、
薄板連続鋳造板の場合は、これらの工程のうち熱間圧延
までの工程を省略することができる。
また、この発明のアルミニウム合金をセラミックスと
接合するにあたっては、アルミニウム合金表面を平滑に
仕上げた後、セラミックスと重ね合せて真空雰囲気等の
非酸化性雰囲気にて加圧・加熱すればよい。この時の加
熱温度は特に限定しないが、通常は300〜650℃程度が好
ましい。
実 施 例 第1表に示す成分組成の各合金No.1〜No.6を鋳造し、
熱間圧延および冷間圧延により3mm厚まで圧延した。こ
の圧延板をバフ研磨により鏡面に仕上げ、供試材とし
た。各供試材について、次のようにしてセラミックスと
の接合強度を調べた。すなわち、接合相手材のセラミッ
クスとしては、Al2O3もしくはZrO2またはAlNを選んだ。
そのセラミックスの寸法は、20mm×20mm×20mmとし、予
め接合面をラッピングにより鏡面に仕上げた。そして、
2枚のセラミックスの間に前記圧延板をサンドイッチ状
に挾み、真空度10-6torrの雰囲気にて、温度約600℃、
荷重5MPaで加熱・加圧して接合した。その接合時の詳細
な温度−荷重−時間曲線を第1図に示す。
以上のようにして得られた接合部材から第2図に示す
ような接合強度試験片1を切出した。なお、第2図にお
いて2,3はセラミックス、4はアルミニウム合金圧延板
である。この試験片1について、第3図に示すような4
点曲げ試験用治具を用いて4点曲げ試験を行ない、接合
強度として曲げ強度を調べた。第3図において、5は上
部治具、6は下部治具、7は加圧支点としての丸棒であ
る。このようにして曲げ試験を行なった結果を第2表に
示す。なお、第2表中には、接合相手材として用いたセ
ラミックスの種類も併せて示す。
第2表に示す結果から、この発明のアルミニウム合金
をセラミックスとの接合に用いた場合の接合強度が著し
く高いことが明らかである。
なお、以上の実施例では接合相手材のセラミックスと
してAl2O3,AlN,ZrO2を用いた例について示したが、これ
らに限らず、他のセラミックスとの接合の場合にも高い
接合強度が得られることは勿論である。
また、この発明のアルミニウム合金は、他の金属をセ
ラミックスと接合する場合に、その金属とセラミックス
との間におけるインサータとして用いることができる。
発明の効果 この発明のアルミニウム合金は、セラミックスと接合
するにあたって、予めセラミックスの表面にCuやAg等の
メタライジング層を形成しておくことなく、かつ有害な
フラックスを用いることなく、直接セラミックスと固相
拡散接合により、高い接合強度で強固に接合することが
できる。したがって、この発明のアルミニウム合金によ
れば、セラミックスとアルミニウム合金とが強固に結合
一体化した部材を、低コストでかつ安全や公害上の問題
を招くことなく得ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例における接合時の温度−荷重−時間曲線
を示す線図、第2図は実施例における4点曲げ試験用の
試験片を示す斜視図、第3図は実施例における4点曲げ
試験用治具を示す正面図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭55−116682(JP,A) 特開 昭61−291943(JP,A) 特開 昭63−220987(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量%でLi1.8〜3%、Cu2〜8%のいずれ
    か一方もしくは双方を含有し、残部がAlおよび不可避的
    不純物よりなることを特徴とする、セラミックスに対し
    て固相拡散接合により接合するためのセラミックス接合
    用アルミニウム合金。
JP63197523A 1988-08-08 1988-08-08 セラミックス接合用アルミニウム合金 Expired - Lifetime JP2651847B2 (ja)

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US8932690B2 (en) 2011-11-30 2015-01-13 Component Re-Engineering Company, Inc. Plate and shaft device
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