JP2655332B2 - セラミックス接合用アルミニウム合金 - Google Patents

セラミックス接合用アルミニウム合金

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JP2655332B2
JP2655332B2 JP63197524A JP19752488A JP2655332B2 JP 2655332 B2 JP2655332 B2 JP 2655332B2 JP 63197524 A JP63197524 A JP 63197524A JP 19752488 A JP19752488 A JP 19752488A JP 2655332 B2 JP2655332 B2 JP 2655332B2
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義郎 伊藤
宏樹 青島
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は、セラミックスとの接合に用いるアルミニ
ウム合金に関するものである。
従来の技術 近年、セラミックスの利用分野が益々拡大しつつあ
り、その一方では、セラミックスの有する優れた特性、
例えば断熱性や耐熱性等と、金属の有する特性、例えば
高靭性や高熱伝導性、導電性等との両者を同時に活用す
るべく、セラミックスと金属との接合した複合部材、複
合部品が種々の分野で使用されるようになっている。
ところで、セラミックスと金属との接合には、従来か
ら接着剤を用いることが行なわれているが、接着剤を用
いた場合は充分な接合強度が得られず、特にセラミック
スと金属との熱膨張率の差によって接合面で剥離が生じ
易い。
セラミックスの金属とを強固に接着するためには、接
合界面で原子レベルでの結合が行なわれること、すなわ
ち、いわゆる金属接合がなされることが望ましいが、セ
ラミックスは非金属であるため両者間を直接金属接合す
ることは困難であると考えられていた。そこで、従来、
比較的高い接合強度が得られる方法として、アルミナセ
ラミックスとアルミニウムもしくはその合金との接合の
場合、アルミナセラミックスの表面に予めCuもしくはAg
を溶射や蒸着あるいはメッキ等によってメタライジング
しておき、そのメタライジング層の表面にアルミニウム
もしくはその合金を金属接合(拡散接合)することが行
なわれている。但し、アルミニウムやその合金の表面に
は強固な酸化皮膜が生成されているのが通常であって、
その酸化皮膜が存在したままでは拡散接合することがで
きないから、塩化物とふっ化物との混合塩のフラックス
を用いてメタライジング層に対する拡散接合処理を行な
うのが通常である。
発明が解決しようとする課題 前述のような従来のアルミナセラミックスとアルミニ
ウムもしくはその合金との接合方法では、予めメタライ
ジング層を形成しておく工程が必要であるため、工程数
が多く、高コストとなる問題があり、また、有害なフラ
ックスを用いなければならないため、作業者の安全な公
害防止等に配慮を払わなければならないという問題があ
った。
この発明は以上の事情を背景としてなされたもので、
メタライジング処理を行なったりフラックスを用いたり
することなく、セラミックスに対して高い接合強度で直
接接合することができるアルミニウム合金を提供するこ
とを目的をするものである。
課題を解決するための手段 本発明者等は、前述の目的を達成し得るアルミニウム
合金の成分組織について鋭意実験・検討を重ねた結果、
適量のMn(マンガン)およびSi(ケイ素)を含有させる
ことによって、高い接合強度でアルミニウム合金をセラ
ミックスに固相拡散接合できることを見出し、この発明
を成すに至った。
すなわち、この発明のセラミックス接合用アルミニウ
ム合金は、固相拡散接合によってセラミックスに接合す
るためのものであって、重量%でMn0.5〜3%、Si0.5〜
5%を含有し、残部がAlおよび不可避的不純物よりなる
ことを特徴とするものである。
作用 先ずこの発明のアルミニウム合金における成分限定理
由を述べる。
Mn: Mnは、Siと共存することによって、アルミニウム合金
基材の強度を高め、ひいては継手強度を向上させる。特
にMnをSiとともに添加することによって、高温で固相拡
散接合しても強度の低下が少なくなる効果が得られる。
Mn含有量が0.5%未満ではその効果が不充分となり、一
方3%を越えればアルミニウム合金の鋳造、圧延が困難
となるから、Mnは0.5〜3%の範囲内に限定した。
Si: Siはアルミニウム合金−セラミックス界面において、
アルミニウム合金側からセラミックス側に固相拡散し
て、界面接合強度を高める。また前述のようにMnと共存
することによってアルミニウム合金基材の強度を高め、
ひいては継手強度を向上させる。Siが0.5%未満ではそ
の効果が不充分であり、一方5%を越えれば溶融点が低
下し、接合に必要な温度でアルミニウム合金が溶融して
しまうおそれがある。したがって、Siは0.5〜5%の範
囲内とした。
また上記のMn,SiのほかMnと同じ理由でCr,V,Zrのうち
の1種または2種以上を各々0.50%未満添加することも
ある。
以上の各成分のほかはAlおよび不可避的不純物とすれ
ば良い。不可避的不純物としてのFeは1.0%未満、Cuお
よびZnはそれぞれ0.5%未満、Mgは0.10%未満であれば
特に支障はない。
そのほか、アルミニウム合金鋳塊の製造においては、
一般に鋳塊結晶粒の微細化のためにTi、またはTiおよび
Bを添加することが多いが、この発明の合金の場合もT
i、またはTiおよびBが添加されていても良い。但しそ
の添加量は、Ti0.2%以下、B 0.04%以下が望まし
い。
前述のように、この発明のアルミニウム合金によれ
ば、セラミックスとの接合時にSiが界面においてセラミ
ックス側へ拡散して固相拡散接合が行なわれ、したがっ
てセラミックスと強固に接合することができ、しかもM
n,Siの共存によってアルミニウム合金自体も強度が上昇
して、高い継手強度が得られる。
なお、この発明のアルミニウム合金を製造するにあた
っては、先ず常法にしたがって鋳造する。その鋳造方法
としては半連続鋳造法(DC鋳造法)が一般的であるが、
省エネルギや耐軟化性の向上等の観点から薄板連続鋳造
法(連続鋳造圧延法)を適用しても良い。
得られた鋳塊に対しては、均熱処理(均質化処理)お
よび熱間圧延を行ない、必要に応じて冷間圧延を行なっ
て所望の板厚に仕上げる。ここで、冷間圧延の前、後、
途中のいずれかにおいて焼鈍を施すこともある。但し、
薄板連続鋳造板の場合は、これらの工程のうち熱間圧延
までの工程を省略することができる。
また、この発明のアルミニウム合金をセラミックスに
対して固相拡散接合するにあたっては、アルミニウム合
金表面を平滑に仕上げた後、セラミックスと重ね合せて
真空雰囲気等の非酸化性雰囲気にて加圧・加熱すればよ
い。この時の加熱温度は特に限定しないが、通常は300
〜650℃程度が好ましい。
実 施 例 第1表に示す成分組成の各合金No.1〜No.3を鋳造し、
熱間圧延および冷間圧延により3mm厚まで圧延した。こ
の圧延板をバフ研磨により鏡面に仕上げ、供試材とし
た。各供試材について、次のようにしてセラミックスと
の接合強度を調べた。すなわち、接合相手材のセラミッ
クスとしては、Al2O3もしくはZrO2またはAlNを選んだ。
そのセラミックスの寸法は、20mm×20mm×20mmとし、予
め接合面をラッピングにより鏡面に仕上げた。そして、
2枚のセラミックスの間に前記圧延板をサンドイッチ状
に挟み、真空度10-6torrの雰囲気にて、温度差600℃、
荷重MPaで加熱・加圧して接合した。その接合時の詳細
な温度−荷重−時間曲線を第1図に示す。
以上のようにして得られた接合部材から第2図に示す
ような接合強度試験片1を切出した。なお、第2図にお
いて2,3はセラミックス、4はアルミニウム合金圧延板
である。この試験片1について、第3図に示すような4
点曲げ試験用治具を用いて4点曲げ試験を行ない、接合
強度として曲げ強度を調べた。第3図において、5は上
部治具、6は下部治具、7は加圧支点としての丸棒であ
る。このようにして曲げ試験を行なった結果を第2表に
示す。なお、第2表中には、接合相手材として用いたセ
ラミックの種類も併せて示す。
第2表に示す結果から、この発明のアルミニウム合金
をセラミックスとの接合に用いた場合の接合強度が著し
く高いことが明らかである。
なお、以上の実施例では接合相手材のセラミックスと
してAl2O3,AlN,ZrO2を用いた例について示したが、これ
らに限らず、他のセラミックスとの接合の場合にも高い
接合強度が得られることは勿論である。
また、この発明のアルミニウム合金は、他の金属をセ
ラミックスと接合する場合に、その金属とセラミックス
との間におけるインサータとして用いることもできる。
発明の効果 この発明のアルミニウム合金は、セラミックスと接合
するにあたって、予めセラミックスの表面にCuやAg等の
メタライジング層を形成しておくことなく、かつ有害な
フラックスを用いることなく、直接セラミックスと固相
拡散接合により、高い接合強度で強固に接合することが
できる。したがって、この発明のアルミニウム合金によ
れば、セラミックスとアルミニウム合金とが強固に結合
一体化した部材を、低コストでかつ安全や公害上の問題
を招くことなく得ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例における接合時の温度−荷重−時間曲線
を示す線図、第2図は実施例における4点曲げ試験用の
試験片を示す斜視図、第3図は実施例における4点曲げ
試験用治具を示す正面図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鎌田 公仁 秋田県秋田市外旭川字神田4番地 (56)参考文献 特開 昭61−291942(JP,A) 特開 昭62−80246(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量%でMn0.5〜3%、Si0.5〜5%を含有
    し、残部がAlおよび不可避的不純物よりなることを特徴
    とする、セラミックスに対し固相拡散接合により接合す
    るためのセラミックス接合用アルミニウム合金。
JP63197524A 1988-08-08 1988-08-08 セラミックス接合用アルミニウム合金 Expired - Lifetime JP2655332B2 (ja)

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JPH0247233A JPH0247233A (ja) 1990-02-16
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS61291942A (ja) * 1985-06-19 1986-12-22 Masaaki Naga メタライズ用合金
JPS6280246A (ja) * 1985-10-02 1987-04-13 Mitsubishi Alum Co Ltd 高温強度の優れた熱交換器用Al合金材

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