JP2005264316A - 積層金型用アルミニウム合金板 - Google Patents

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Abstract

【課題】 低コストで強度及びろう付け性に優れた積層金型用アルミニウム合金板の提供。
【解決手段】 大気中無フラックス重ねろう付けによる積層金型製造用のアルミニウム合金板であって、Mgを0.5〜2.0質量%と、Znを3〜5質量%とを含み、かつMgとZnとの合計量が6質量%未満であり、残部がAlと不可避的不純物とからなる組成を有し、かつ圧延後最終熱処理を施してなることを特徴とする積層金型用アルミニウム合金板を提供する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、低コストで、強度及びろう付け性に優れた積層金型用アルミニウム合金板に関するものである。
積層金型法は、CADデータに基づき予め所定の形状に切断したアルミニウム合金板を多層に積層接合して最終の金型形状に近いブロックを作成し、その後、最終形状に面削仕上げするものであり、従来の大型ブロック塊を一から最終形状にまで削り出す方法に比べ効率的であり、かつ、ブロック内部に水冷等の冷却路を同時に形成することが可能であり、従って従来不可能に近かったものを製作できる手法である。
このため、近年、各方面で鋭意検討されるようになっている(例えば、特許文献1、2)。
積層金型用合金としては、アルミ系、鉄系、銅系、亜鉛系等があるが、アルミ系に要求される特性は高強度かつ接合性に優れることであり、ここで「高強度」は、金型使用時の形状寸法保持性を具備する特性であり、かつ薄板のレーザーによる切断を円滑に自動化するために適当な硬度を有することが必要であり、軟弱な降伏応力の低い合金板は適応性に欠ける。従って、以下この観点から、特性値としては硬度を重視して説明する。
この用途のアルミ合金としては、特許文献3に示される合金が知られている。その(1)はAl−Zn−Mg系(ZnとMgの合計量6質量%(以下、質量%は%と略記する)以上)、その(2)は、Al−Cu系(Cu3.5〜6.0%)である。これらの合金は、熱処理系合金であり、圧延後その特性を発揮させるために大気中450〜550℃の高温の溶体化加熱及び成形用としては410℃以上の焼鈍処理加工が行われる。前記した熱処理加工によって(1)の合金では、高濃度のMgがAlより先行して酸化し、接合性を損なう過剰の表面酸化物層を形成する欠点がある。また(2)の合金では、耐食性に難がある。また、さらにこれら(1)、(2)の合金の融点は580℃以下と推定され、通常の高温ろう付け温度である580〜600℃に達せず、このため、樹脂等の接着材を使用する接合法に依存せざるを得ず、強度が低い点が問題であった。
特許第3101806号公報 特許第3144317号公報 特開平8−81727号公報 特開2002−18570号公報
この発明は、上述の問題点を解消して、低コストで、強度及びろう付け性に優れた積層金型用アルミニウム合金板を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するために、本発明では、以下の新たな構成を提案する。
アルミ合金板を多層に積層接合する積層金型においては、接合方法が金型特性及び製造コストに直接強い影響を及ぼす。従来、アルミ合金板の接合は、他の汎用金属に比してその強酸化性、強固な表面酸化被膜の形成等のため大気中での接合は至難とされ、従って(1)真空炉中での無フラックス接合法、(2)非酸化雰囲気炉での非腐食性フラックス法、(3)大気中での腐食性フラックス法が用いられている。しかし(1)及び(2)では、高価な炉設備が必要であり、(2)、(3)では、フラックス塗布工程の必要等設備投資、不活性ガスの消耗あるいはフラックス処理に多大の労力、費用が必要である等の問題を抱えている。
特許文献3には、さらにAl−Cu−Mg−Mn系の合金も提案されているが、この系の合金は接合後耐食性が劣るため、水冷構造を有する積層金型等には難があった。
上記問題を解決するために、接合方法としては、大気中無フラックス重ねろう付け法を特定し、この方法に好適なアルミニウム合金を選択する構成からなる。
この方法は、基本的に、先に本発明者が鋭意研究の結果到達した発明であり、その詳細は特許文献4に開示されるが、これを要約すれば、ろう付け接合すべき複数のアルミニウム合金板(母材)の重ね合わせ界面に、予めろう材板を含むアルミニウム薄合わせ板材を挿入し、重ね合わせた材全体を加圧密着した状態で、大気中無フラックスで、ろう材の液相線温度以上、かつろう材以外のアルミニウム合金各部材の固相線温度の内の最低値を超えない温度範囲に加熱する。そしてこの場合、前記薄合わせ板材を構成する芯材、中間材、皮材の一つ以上がMgを0.1〜6%含有しているもの、あるいは更にBiを0.01〜1.0%含有しているものである。
前記アルミニウム薄合わせ板材としては、(1)融点が600℃以下のろう材からなる芯材と、その両側に芯材より融点の高いアルミニウム合金の皮材からなる3層構造。(2)芯材の両側に融点が600℃以下のろう材からなる中間材と、更にその両側に皮材からなる5層構造であって、芯材及び皮材は中間材より融点の高いアルミニウム合金からなる。(3)二つのアルミニウム母材同士を重ねろう付けするに際し、少なくとも一方のアルミニウム母材に、芯材の片面側に皮材と融点が600℃以下のろう材からなる中間材を設けた3層構造であって、芯材及び皮材は、中間材より融点が高いアルミニウム合金からなる。
本発明では、上記の大気中無フラックス重ねろう付けによる積層金型製造用のアルミニウム合金板として、組成的にはAl−Zn−Mg系及びAl−Si−Mg系の熱処理調質を施した合金二種、さらにこれら合金に他の微量元素を添加含有せしめた合金二種、そしてこれらの合金の熱処理調質無し四種を含めて八種の合金板を提案する。
第一の合金は、Al−Zn−Mg系合金として、Mg0.5〜2.0質量%と、Zn3〜5%とを含み、かつMgとZnとの合計量が6%未満であり、残部がAlと不可避的不純物とからなる組成を有し、かつ圧延後最終熱処理を施してなることを特徴とする積層金型用アルミニウム合金板である。第二の合金は、大気中無フラックス重ねろう付けによる積層金型製造用のアルミニウム合金板であって、Mgを0.5〜2.0質量%と、Znを3〜5質量%とを含み、かつMgとZnとの合計量が6質量%未満であり、残部がAlと不可避的不純物とからなる組成を有し、圧延後最終熱処理を施していない圧延のままの調質であることを特徴とする積層金型用アルミニウム合金板である。第三の合金は、前記第一又は第二の合金において、特性を改善するため若干の選択元素をさらに添加含有せしめたものである。選択元素としては、Cu、Mn、Ti、Zr、Crの内から選択される一種又は二種以上の元素であり、一種につき0.05〜0.7%を前記第一の合金においてさらに含む構成も採用可能である。
前記第一又は第二の合金におけるZnは、Mgと共存して強度向上に効果があり、含有量は3〜5%が好ましい。3%未満では強度向上の効果が少なく、5%を超えると融点の低下があるため、好ましくない。また、ZnとMgとの合計量が6%を超えると、応力腐食割れを発生しやすくなるため、好ましくない。さらにMgはAlより易酸化性であり、その過剰の含有は、圧延後最終熱処理中又は大気中無フラックス重ねろう付け時の加熱において、Mgの酸化被膜が過剰に生成し、これがろう付け性を損なうので不適当である。
Mgの含有量は、0.5〜2.0%が好ましい。0.5%未満では、含有量不足で強度向上効果が不足し、2.0%を超えるとろう付け性が低下して好ましくない。
本発明の第三の合金は、上記第一又は第二の合金にさらにCu、Mn、Ti、Zr、Crの内から選択される一種又は二種以上の元素を含有する。これらの元素は、微量でも強度を向上させ、一種につき0.05〜0.7%の含有量が好ましい。0.7%を超えると、その効果が飽和し、あるいは融点の低下を来すので不適当である。
また、本発明の第四の合金は、Al−Si−Mg系合金であり、Siを0.3〜1.2%と、Mgを0.3〜1.2%とを含み、残部がAlと不可避的不純物とからなる、圧延後最終熱処理を施された合金である。本発明の第五の合金は、Siを0.3〜1.2%と、Mgを0.3〜1.2%とを含み、残部がAlと不可避的不純物とからなるAl−Si−Mg系合金である点は第四の合金と同様であるが、但し、圧延後最終熱処理を施していない圧延のままの調質であることを特徴とする積層金型用アルミニウム合金板である。
SiはMgと共存して強度向上に効果があり、その含有量は0.3〜1.2%が好ましい。これは、0.3%未満では含有量不足で強度向上効果が不足し、1.2%を超えると母材の融点が低下して、ろう付け温度で一部溶融が発生して好ましくない。
Mgの含有量は0.3〜1.2%が好ましい。0.3%未満では含有量不足で強度向上効果が不足し、1.2%を超えると圧延加工性が低下して好ましくない。
本発明の第六の合金は、上記第四又は第五の合金にさらにCu,Mnの内から選択される一種又は二種の元素を、一種につき0.05〜0.7%含む。これらの元素は合金の強度を向上させるために好ましい。0.7%を超えると、その効果が飽和し、融点の低下を来す。
該板材に施す圧延の種類としては、熱間圧延でも冷間圧延でもよく、使用する母材板厚の程度に応じたものにすればよく、通常板厚が3〜5mm以上では熱間圧延が、これ以下では冷間圧延が行われる。
板厚は特に制約がなく、金型の形状によって適宜選択すればよいが、通常は1〜10mm程度とされる。
本発明の上記第一、第四の合金は、圧延後最終熱処理を施した合金である。最終熱処理としては、この系の合金に慣用される熱処理条件(板厚、合金種、要求特性等により異なる)が適用され、冷間圧延後にT4処理(溶体化処理約460〜500℃、水冷焼き入れ、自然時効硬化)、又はT6処理(溶体化処理、焼き入れ後人工時効硬化処理)更に成形性を向上する場合の焼なまし処理(約415℃、2〜3Hr後空冷又は炉冷)等が施され、強度、硬度、歪み修正、成形性等が改善されて使用に供される。
一方上記第二、第五の合金は、Al−Zn−Mg系又はAl−Si−Mg系の本来熱処理系の合金でありながら、圧延後最終熱処理を施していない、圧延のままの無調質合金(R材、Hn(nは1〜9の数字)などで表される)である。すなわち上記溶体化処理、焼き入れ、焼なまし等の熱処理を施していないところに特徴を有する合金板である。これら無調質合金板が、大気中無フラックス重ねろう付け加熱する温度は、約580〜600℃の高温であるため、この加熱条件下において前記溶体化等処理を受けて、必要な強度、硬度レベルに達し、これによって圧延後最終熱処理の省略という大きい省エネルギー、低コストをもたらすのである。
前記した本発明の前提となる大気中無フラックス重ねろう付け法において、ろう付け接合すべき複数のアルミニウム合金板(母材)の重ね合わせ界面に、予めろう材板を含む芯材、皮材、中間材からなるアルミニウム薄合わせ板材を挿入するが、かかる薄合わせ板材は、実用上クラッド材で用いられる。クラッド材に用いる5層構造又は3層構造の皮材用のアルミニウム又はその合金としては、特に限定はないが、例えば、JIS A 1070、1050、1100、1200、3003、3203、3004、5005、5N01、6951、6061、6063、6N01、7N01等が好ましく使用できる。
その皮材クラッド率は5層構造、3層構造とも1〜10%が、ろう材クラッド率は5層構造では5〜20%が良い。これは皮材が1%未満では厚みの制御管理が難しくなるとか、圧延途中で皮材が剥がれる等の問題があり、10%を超えるとろうが溶融時に滲み出し難くなる等による。
ろう材では5〜50μmの厚さになるようにクラッド率を設定すればよい。5μm未満では、ろう材不足となり、ろう付け性が低下し、50μmを超えると、ろうが過剰になって外面や穴部に垂れ落ちて好ましくないためである。
5層構造の皮材と芯材との中間材として、又は3層構造の芯材としてAl−高Si−Mg系合金又はこの合金に更にZn,Cu,Biからなる群から選択される1種以上を添加したろう材を用いるのは、以下の理由による。
Siは、アルミニウム合金ろう材として必須の合金元素であって、ろう材の融点を低下させ、溶融ろうの流動性を良好にする作用を有する。その含有量はろう材全量に対して6.0〜13.0%の範囲が好ましい。
Mgは、重ね継手界面でのろうの濡れ広がり性を促進する。その含有量はろう材全量に対して0.1〜5%の範囲が好ましい。Mg含有量が0.1%未満では、ろうの漏れ広がり性を促進する効果が十分に得られず、また5%を超えると促進効果が飽和して無意味になる。
Biは、Mgの機能を補助する作用があり、特にMg含有母材に対して有効であり、その含有量はろう材全量に対して0.01〜0.3%の範囲が好ましい。
CuとZnは、ろう材の融点を低下させる働きがあり、その含有量はろう材全量に対して5〜30%の範囲が好ましい。
またこれらを満たすろう合金としては、例えばJIS4003、4004、4104、4N04が挙げられる。
クラッド材の板厚としては、前記クラッド率及びろう厚さを満たせばよく、特に制約はないが、5層構造の場合には通常0.1〜2.0mmであればよく、3層構造の場合では0.01〜0.1mmの範囲が好ましい。これらの寸法以下であると、ろう材が不足し、ろう付け性が低下する。又寸法以上であると、ろう付け時に過剰な液体ろうが周辺に滲み出した溜まりを形成するため好ましくない。
本発明によれば、低コストで強度およびろう付け性に優れた積層金型用アルミニウム合金板を提供することができる。
大気中無フラックス重ねろう付け法による接合であるため、ろう材の液相線温度以上でかつろう材以外の各部材のアルミニウム合金材の固相線温度の内の最低値を超えない範囲に加熱して行うため、従来の真空炉や気密性の雰囲気炉等の高価な設備を用いることなく、簡易かつ安価な設備でろう付けを行える利点がある。また大気中無フラックスのろう付けであるため、作業環境汚染を防止するための格別の換気、浄化設備(ハロゲン系蒸気、ガスの処理)も不要であるほか、窒素、アルゴン等の不活性ガスの大量の消耗もなく、高生産性、低コストが得られる。さらに、大気中高温ろう付けのため、母材の表面に緻密なAl酸化物被膜(膜厚約数μm)が形成され、これにより積層金型の耐食性を向上させる。
また、前述の緻密なAl酸化物被膜は、常圧大気下のろう付けであることもあって、工程中にアルミニウム合金板からのMgの蒸発が、従来の真空炉内ろう付け法に比して格段に少なく、このためろう付け接合後の合金板中のMg含有量が減少することも少なく、組成安定、強度安定、高価なMgの損耗防止、コスト低減に繋がる利益も大きい。
本発明のAl−Zn−Mg系及びAl−Si−Mg系合金は、圧延後最終熱処理材においては、改善された強度を有するほか、大気中無フラックス重ねろう付けにおいて優れたろう付け性を有する。また本発明の前記合金であって、圧延後最終熱処理を施していない合金板であっても、ろう付け加熱中に熱処理され積層金型用として十分な強度のアルミニウム合金板(母材)となる。これによって、省エネルギー、コスト低下が得られる。
本発明の積層金型用アルミニウム合金は、大気中無フラックス重ねろう付け法を用いた積層金型の製造におけるアルミ合金の母材として好適である。この重ねろう付け法では、多数の母材と、ろう材を含むブレージングシートとを交互に積層して、所望の中空孔を有する積層部材とし、次いでこれを圧縮状態でろう材の溶融温度付近に加熱し、ろう付けすることによって積層金型を作製する。
図1は多数のブレージングシート3…とアルミ合金の母材2…とを交互に積層することによって形成される、ろう付け前の積層部材1を例示する断面図である。この積層部材1には、所望形状の中空孔4が設けられている。
図2は、この積層部材1に用いるブレージングシート3の構造を例示する断面図であり、図2(A)は5層構造のブレージングシート3を示す断面図、(B)は3層構造のブレージングシート3を示す断面図である。図2(A)に示す5層構造のブレージングシート3は、シート状の芯材5の両面にろう材7が設けられ、これらのろう材7の外側に皮材6が設けられた構造になっている。また図2(B)に示す3層構造のブレージングシート3は、シート状のろう材7の両側に皮材6が設けられた構造になっている。
前記積層部材1は、適当にクランプした後、加熱炉に入れて加熱し、ろう付け加工を行う。このろう付け温度は、ろう材が溶融し、皮材が溶融しない温度であれば良く、通常560〜620℃程度が望ましい。
積層部材1をクランプする場合、専用の加圧装置や2枚の鉄板に挟んでボルト締めする治具等を用いることができる。この際、ボルト締めでの加圧トルクは通常1〜20N・m程度が好ましい。
[実施例1]
アルミニウム合金の図2(A)に示すような5層材(皮材:JISA1100、中間ろう材:同4004、芯材:同3003、クラッド率は表面皮材各1.5%、中間材各15%)のブレージングシート(板厚0.5mm、幅、長さ100〜150mm角)と、図2(B)に示すような3層材(皮材:JISA1100、芯材ろう材:同4004、クラッド率は両面各10%)のブレージングシート(板厚0.1mm、幅、長さは5層材と同じ)の何れかを使用し、また母材としては、表1に示す本発明のAl−Zn−Mg系合金7種(合金記号A〜G)及びAl−Si−Mg系合金4種(合金記号H〜K)を溶製し、スラブに鋳造、面削、次いで熱間圧延後そのまま冷間圧延し、板厚2.0mm、100×150mm角の合金板とした。この合金板の内7種(A〜K)及び比較合金3種(P〜R)に対して常法により溶体化処理(T4)及び一部の板にはさらに人工時効処理(T6)を施した。これら合金材の熱処理調質及びブレーシングシートの層組み合わせは、表2に示した。
各母材(積層板)には中空孔を設けた後に交互に各30枚を積層して組み立て、母材種別毎に図1に示すような断面形状の積層ブロック(積層部材)を、作製した。
かかる積層ブロックを鋼板を介して上下面4点を万力でクランプ締付けした状態で、大気中無フラックス重ねろう付け炉(約600℃に加熱保持)に装入し、炉温が一旦低下した後上昇して最高温度に復帰後1分間保持し、次いで炉から取り出した。得られた積層ブロックのろう付け接合状態と母材の断面硬さを調べた。
ろう付け接合状態は、接合部断面のミクロ観察により評価した。断面硬さは断面ビッカース硬さ(Hv)を測定した。その結果は、表2に示される。
表2に示すように、本発明の実施例の合金は、接合部に母材に溶融の形跡が無く、側面へのろう材の留出、空隙、割れ等がない密実な組織が観察され、接合は良好であった。また、断面硬さHvが50を超え、実用上十分な値であった。
[比較例1]
比較例1として、表1に示す本発明以外の3種類の母材(P〜R)のAl−Zn−Mg系合金及びAl−Si−Mg系合金を前記実施例と同様の方法により合金板とし、これを溶体化処理(T4)し、又は焼きなまし軟化処理(O)し、得られた母材を前記実施例と同様に積層し、大気中無フラックス重ねろう付けして積層ブロックを作製し、そのろう付け接合状態と母材の断面硬さを調べた。その結果は、表2に示される。
表2に見られるように、合金P及びRは、断面硬さは良いが、母材の融点が低く、溶融された形跡が顕在して不良であり、また合金Qは、接合部の状態は良好であったが、断面硬さが低く(軟弱)好ましくない。
[実施例2]
表1に示す本発明の実施例の合金11種(A〜K)を供試し、圧延後最終熱処理を施さず、冷間圧延による加工硬化を残すのみの調質(H18)の板材を製造し、その他の条件は前記実施例1と同様にして、大気中無フラックス重ねろう付けを行って積層ブロックを作製し、ろう付けの接合状態と母材の断面硬さを調査した。
その結果は表3に示されるように、圧延後最終熱処理を施して無い本発明の合金11種は、接合状態は、前記実施例1の場合と同様に良好であり、断面硬さHvも50を超え、実用上十分なレベルに達している。
[比較例2]
比較例2として、表1に示す本発明以外の3種(P〜R)のAl−Zn−Mg系合金及びAl−Si−Mg系合金を前記実施例1と同様圧延後最終熱処理を施さず、冷間圧延による加工硬化を残すのみの調質(H18)の板材を製造し、前記実施例2と同様にして、大気中無フラックス重ねろう付けして積層ブロックを作製し、ろう付け接合状態と母材の断面硬さを調べた。
その結果は、表3に見られるように、合金P及びRは、断面硬さは良いが、母材の融点が低く、溶融された形跡が明らかに見られ、また合金Qは、接合部の状態は良好であったが、断面硬さが低く好ましくなかった。
Figure 2005264316
Figure 2005264316
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本発明は、省エネルギー、省原料、省設備、低コストをもたらすことは明らかであり、実用性の高い有用な発明であることが認められた。
本発明に係るアルミニウム合金を用いる積層金型の製造例を示す断面図である。 図1の積層金型の製造に用いるブレージングシートを例示する断面図であり、(A)は5層構造のブレージングシートの断面図、(B)は3層構造のブレージングシートの断面図である。
符号の説明
1…積層部材、2…母材、3…ブレージングシート、4…中空孔、5…芯材、6…皮材、7…ろう材。

Claims (6)

  1. 大気中無フラックス重ねろう付けによる積層金型製造用のアルミニウム合金板であって、Mgを0.5〜2.0質量%と、Znを3〜5質量%とを含み、かつMgとZnとの合計量が6質量%未満であり、残部がAlと不可避的不純物とからなる組成を有し、かつ圧延後最終熱処理を施してなることを特徴とする積層金型用アルミニウム合金板。
  2. 大気中無フラックス重ねろう付けによる積層金型製造用のアルミニウム合金板であって、Mgを0.5〜2.0質量%と、Znを3〜5質量%とを含み、かつMgとZnとの合計量が6質量%未満であり、残部がAlと不可避的不純物とからなる組成を有し、
    圧延後最終熱処理を施していない圧延のままの調質であることを特徴とする積層金型用アルミニウム合金板。
  3. Cu、Mn、Ti、Zr、Crの内から選択される一種又は二種以上の元素を、一種につき0.05〜0.7質量%をさらに含むことを特徴とする請求項1又は2記載の積層金型用アルミニウム合金板。
  4. 大気中無フラックス重ねろう付けによる積層金型製造用のアルミニウム合金板であって、Siを0.3〜1.2質量%と、Mgを0.3〜1.2質量%とを含み、残部がAlと不可避的不純物とからなる組成を有し、かつ圧延後最終熱処理を施してなることを特徴とする積層金型用アルミニウム合金板。
  5. 大気中無フラックス重ねろう付けによる積層金型製造用のアルミニウム合金板であって、Siを0.3〜1.2質量%と、Mgを0.3〜1.2質量%とを含み、残部がAlと不可避的不純物とからなる組成を有し、
    圧延後最終熱処理を施していない圧延のままの調質であることを特徴とする積層金型用アルミニウム合金板。
  6. Cu、Mnの内から選択される一種又は二種の元素を、一種につき0.05〜0.7質量%をさらに含むことを特徴とする請求項4又は5記載の積層金型用アルミニウム合金板。
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