WO2008004662A1

WO2008004662A1 - Appareil de moulage d'un élément optique et procédé de moulage d'un élément optique

Info

Publication number: WO2008004662A1
Application number: PCT/JP2007/063573
Authority: WO
Inventors: Shinji Tanaka
Original assignee: Asahi Glass Co., Ltd.
Priority date: 2006-07-06
Filing date: 2007-07-06
Publication date: 2008-01-10
Also published as: CN101479201A; KR20090039706A; TW200808667A; US20090121369A1; JPWO2008004662A1

Description

光学素子の成型装置及び光学素子の成型方法

技術分野

[0001] 本発明は、光学機器に使用される高精度なガラスレンズ等の光学素子を製造するための成型装置及び成型方法に関する。

背景技術

[0002] 従来から、加熱して軟化したガラス素材を加圧成型し、ガラスレンズからなる光学素子を製造する成型方法が広く実施されている。すなわち、例えば球状に予備成型したガラス素材を、上型、下型、胴型で構成された金型内に配置し、加熱工程により 50 0〜700°C程度 (ガラスの組成により異なる）に加熱してガラス素材を軟ィ匕させた後、加圧して光学素子に成型し、この後、冷却して光学素子を金型力取り出す。これらの工程は、加熱した金型の酸化を防ぐため、酸素が入らない非酸ィヒ性雰囲気内で行われるとともに、金型内のガラス素材を、一直線又は円環状の搬送路上に配置された加熱、加圧成型、冷却の各工程に順次搬送することにより光学素子を製造する。

[0003] このような光学素子の成型方法において、成型が完了した光学素子を金型から取り出し、新たなガラス素材を金型に配置する方法として、従来、以下のような方法が提案されている。

[0004] 図 8、図 9は、上部に鍔部（フランジ部） 1が形成された上型 2と、下部に鍔部（フランジ部） 1が形成された下型 3とを備えた従来の金型の縦断面図である。この金型を用いた光学素子の成型方法は、例えば日本国特許公開公報昭 62— 292636号や日本国特許公開公報平 6 - 271323号に開示されて、る。

[0005] また、この金型を用いて、成型済みの光学素子 4を金型から取り出し、新たなガラス素材を配置するその手順は、まず、把持手段 5を用いて胴型 6を側面力も把持し、動力ないように固定する。この際、下型 3の鍔部 1も胴型 6を介して間接的に把持手段 5 によって固定される。次に、昇降自在に設けられた別の把持手段 8を用いて上型 2の鍔部 1を側面力も把持し、上型 2を胴型 6から引き抜く。次いで、昇降自在に設けられた図示しない真空吸着手段を胴型 6の内部に挿入し、成型済みの光学素子 4を真空吸着して胴型 6から取り出す。この後、昇降自在に設けられた図示しない別の真空吸着手段によって真空吸着した新たなガラス素材を胴型 6の内部に挿入し、真空吸着を開放して、ガラス素材を下型 3の上面 (成型面）に載置する。

[0006] しかる後に、把持手段 8によって上型 2を再び胴型 6に挿入し、この後、把持手段 8 を開放して上型 2の組み付けを行う。そして、最後に把持手段 5による胴型 6の把持を開放する。以上の手順により、光学素子 4とガラス素材の入れ替えが完了する。なお、符号 9は、金型が載置される受け台である。

[0007] 光学素子 4を高精度に成型するためには、上型 2と下型 3が精度良く組み立てられていることが必要である。そのため、上型 2、下型 3、及び胴型 6は、組み立てられた際に、はめあい隙間が数ミクロン程度になるように精密に加工されている。しかしながら、はめ合い隙間が数ミクロン程度まで小さくなると、組み立ての際に上型 2の軸心と胴型 6の軸心のとの間に僅かでもずれや傾きが生じた場合に、上型 2の抜き差しが困難になるという問題があった。この問題を解決するため、光学素子 4とガラス素材を入れ替える際に使用する上型 2の把持手段 8は、胴型 6との軸芯のずれや傾きを補正するコンプライアンス機構を備えているのが一般的である。

[0008] し力しながら、コンプライアンス機構による軸心のずれや傾きの許容範囲には限度があり、ずれ又は傾きが許容範囲を超えて大きい場合、上型 2と胴型 6が衝突したり齧ったりしてしまうので、胴型 6に対して上型 2を上手く抜き差しすることができなかつた。甚だ、場合は上型 2や胴型 6のエッジ部を欠、てしまうこともあった。

[0009] その他の方法として、例えば日本国特許公開公報 2005— 247640号に示す方法が開示されている。この方法によると、胴型の上部外周部及び下部外周部にテーパ一部が形成され、この上部外周部及び下部外周部に対応する上型、下型の外端部を胴型の外周近傍まで延在させるとともにテーパー部を形成し、胴型と上型、下型のテーパー部を密接に嵌合させる。このような方法によると、胴型に対する上型、下型の位置ズレを最小限にしつつ上型、下型の嵌合を容易にできるとされている。

[0010] ところで、従来の方法では、金型の分解立を行う際の胴型の固定は、側面に設けられた把持手段によって直接的に行われるのが一般的である力この場合、下型の固定は胴型の側面を拘束することにより、間接的に下型の鍔部を拘束して行われるため、鍔部の無い下型の場合は下型が固定できず、上型を抜く際に下型が上下に動!、てしまう t 、う問題があった。

[0011] また、従来の金型では、金型全体を持ち上げて運ぶ際に下型が抜け落ちてしまうという問題があり、金型全体を持ち上げる際には、下型を下方向から別途支える必要かあつた。

[0012] 更に、鍔部の無い上型を使用する場合、把持手段を用いて上型を側面から把持すると、精密仕上げされた摺動部を直接把持することになり、仕上げ面を傷つけたり変形させたりする虞があった。

[0013] 日本国特許公開公報 2005— 247640号に記載の金型は、金型を持ち上げた際に下型が抜け落ちてしまう問題が解決できていないばかりか、下型の体積が不必要に大き、ことに起因して熱容量が大き、ため、成型時間の短縮に適さなヽと、う問題 bあった。

発明の開示

[0014] よって本発明の有用な一側面は、簡単な方法によって光学素子とガラス素材を容易に入れ替えることができる光学素子の成型装置及び光学素子の成型方法を提供することである。

[0015] 本発明によれば、筒状の胴型と該胴型に嵌入される上型及び下型とからなる金型を移送しながら、該金型に対し加熱、加圧成型及び冷却の各工程が順次施される光学素子の成型装置において、前記胴型を下向きに押圧して受け台に固定する押圧手段が設けられ、該押圧手段によって胴型を受け台に固定しつつ、前記胴型に対する上型の取り外し、取り付けが行われるものが提供される。

[0016] 本発明によれば、筒状の胴型と該胴型に嵌入される上型及び下型とからなる金型を移送しながら、該金型に対し加熱、加圧成型及び冷却の各工程が順次施される光学素子の成型方法において、押圧手段によって前記胴型を下向きに押圧して受け台に固定しつつ、前記胴型に対する上型の取り外し、取り付けを行うものも提供される。

[0017] この構成によれば、押圧手段によって胴型を受け台に固定したので、胴型の外周に配置される外胴の有無に関わらず、胴型を容易に受け台に固定することができ、胴型から上型を容易に取り外すことができる。また、外胴がある場合には、従来は、上型を取り外すために、事前に外胴を外す必要があつたが、本発明では、外胴を外すことなぐ胴型を固定することにより上型を取り外すことができる。

[0018] 前記下型は、係合部を介して前記胴型に係合され、胴型を介して前記受け台に固定されるようにしてちょい。

[0019] この場合、下型を胴型に係合部を介して係合させたので、押圧手段によって胴型を押さえるだけで下型を確実に固定することができ、上型の取り外し時に上型のみを取り外すことができる。

[0020] 前記係合部は、前記下型の下部外周に形成された凸部又はテーパー部としてもよい。

[0021] この場合、胴型を押さえるだけで確実に下型を固定することができる。また、テーパ一部を介して胴型を下型に押し付けることにより、下型の芯出しを容易に行うことができる。更に、下型と胴型のテーパー部を相互に係合させる構成とすれば、比較的緩いはめ合いにぉ、ても容易に下型と胴型の軸心を略一致させることができるばかりか、下型と上型とを精度良く組み立てることができ、胴型を持ち上げた際も下型が抜け落ちることが無ぐ下型を下から支える搬送手段を別途用意する必要が無い。また、テーパー部に代えて凸部としてもよい。

[0022] 前記押圧手段として、筒状のガイド部材であって、該ガイド部材の内径は、前記月同型の内径よりも大きぐかつ、該ガイド部材と前記上型との間の隙間が、前記胴型と前記上型との間の隙間の 50倍以下であるガイド部材を備え、該ガイド部材が胴型の上部に載置されることにより、該ガイド部材を介して胴型を前記受け台に固定するようにしてちよい。

[0023] この場合、胴型より僅かに大きな内径を有するガイド部材を胴型の上部に載置し、このガイド部材を介して胴型を受け台に押圧したので、はめ合、の厳、金型でも、上型の傾きを防止しつつ齧ること無く上型を胴型に対して容易に抜き差しすることができる。

[0024] 前記ガイド部材の内径中心軸と前記胴型の内径中心軸とを略一致させる軸合致手段が設けられるようにしてもょ、。 [0025] この場合、軸合致手段によってガイド部材の軸心と胴型の軸心を略一致させることにより、コンプライアンス機構を設けることなぐ上型と胴型の軸心のずれを防止しつつ、齧ること無く上型を胴型に対して容易に抜き差しすることができる。

[0026] 前記上型を吸着保持する上型吸着保持手段が設けられ、該上型吸着保持手段によって前記上型を吸着保持しつつ、前記胴型に対する前記上型の取り外し、取り付けが行われるようにしてもょ、。

[0027] この場合、上型吸着保持手段によって上型を吸着保持することにより、鍔部を有しない上型でも側面を傷つけたり変形させたりすること無ぐ容易に胴型に抜き差しすることがでさる。

[0028] 前記下型を吸着保持する下型吸着保持手段が設けられ、該下型吸着保持手段によって前記下型を吸着保持しつつ、前記胴型に対する前記上型の取り外し、取り付けが行われるようにしてもょ、。

[0029] この場合、下型吸着保持手段によって下型を吸着保持しつつ、胴型に対する上型の取り外し、取り付けを行うようにしたので、ガイド部材に沿った上型の抜き差しを確実に行うことできる。

[0030] 下型吸着保持手段を設けることなく上型を取り外そうとした場合、隙間なく略密閉状態の胴型内が負圧になるため、上型の取り外しが困難になり、また、無理やり上型を取り外そうとすると下型が上型と一緒に持ち上げられて組ばらし (分解）ができないという不具合が生じる。本発明のように、下型吸着保持手段を設けることによって、このような不具合を解消できる。

[0031] 前記下型には、前記胴型に係合される係合部が設けられ、該係合部によって下型が胴型に係合された状態で、前記胴型に対する前記上型の取り外し、取り付けが行われるようにしてもよい。

[0032] この場合、ガイド部材を介して胴型を受け台に押圧した状態で、胴型に対する上型の取り外しを行う。このとき、下型は、ガイド部材によって受け台に押圧されている月同型に、係合部が係合されているので、胴型力もの抜けが阻止されている。これにより上記と同様の効果を得ることができる。

図面の簡単な説明 [0033] [図 1]図 1は、真空吸着により下型を固定した金型の参考図である。

[図 2]図 2は、胴型側面の開口部を介して下型を固定した金型の参考図である。

[図 3]図 3は、胴型上端部を押さえて胴型と下型を固定した金型の第 1実施例を示した断面図である。

[図 4]図 4は、ガイド部材を用いて上型を抜挿する金型の第 2実施例を示した断面図である。

[図 5]図 5は、外胴を取り外すことなく胴型を押さえた金型の第 3実施例を示した断面図である。

[図 6]図 6は、下型吸着パッドを備えた金型の第 4実施例を示した断面図である。

[図 7]図 7は、下型に胴型と係合する係合部を備えた金型の第 5実施例を示した断面図である。

[図 8]図 8は、従来の光学素子の金型を示した断面図である。

[図 9]図 9は、従来の光学素子の金型を示した断面図である。

[図 10]図 10は、従来の二重胴型の金型を示した断面図である。

発明を実施するための最良の形態

[0034] 以下、添付図面に従って本発明に係る光学素子の成型装置及び光学素子の成型方法の好ま、実施の形態にっ、て説明する。

[0035] 以下の図面に示す光学素子の金型、成型装置、及び成型方法は、筒状の胴型とこの胴型に嵌入される上型及び下型とからなる金型を移送しながら、金型に対し加熱、加圧成型及び冷却の各工程を順次施すことにより、光学素子を成型する金型、成型装置、及び成型方法であって、金型の高精度な組み立てと、成型された光学素子とガラス素材を容易に入れ替えるという目的を容易かつ安価に実現したものである。

[0036] 図 1は、本発明の光学素子の成型装置及び光学素子の成型方法を説明するために参考として用いた金型 10の断面図である。

[0037] 同図に示す金型 10は、筒状の胴型 12と、この胴型 12内に嵌入される下型 14と、胴型 12に数ミクロンの隙間をもって嵌入されるとともに光学素子 16と不図示のガラス素材を入れ替える際に胴型 12に対して出し入れ (摺動）自在に配置された上型 18と力も構成される。下型 14の上面及び上型 18の下面が光学成型面であり、その間にガラス素材が配置される。このガラス素材は、加熱工程にて加熱され、加圧成型工程にて加圧成型されることにより光学素子に成型される。また、胴型 12の外周面にはフランジ 20が形成され、このフランジ 20を利用して金型 10が搬送されたり、持ち上げられたりする。なお、胴型 12、下型 14、及び上型 18は例えばタングステンカーバイト製であり、特に胴型 12に出し入れされる上型 18の鍔部 19を除く摺動部は、光学素子の品質を上げるために高精度に精密仕上げ加工されている。

[0038] ところで、胴型 12の下部内周縁部には、先細状のテーパー係止部 22が形成されるとともに、下型 14にも同様に先細状のテーパー係止部 24が形成され、これらのテーパー係止部 22、 24は、金型 10を受け台 26上に鉛直方向に載置した状態において、相互に係合されている。また、この係合状態において、胴型 12の軸心 Aと下型 14 の軸心 Bとがテーパーの軸合致作用により略一致され、更に、フランジ 20を利用して胴型 12を上昇させた際に胴型 12からの下型 14の落下が防止されている。

[0039] 金型 10が載置される受け台 26には貫通孔 28が形成される。この貫通孔 28を介して吸着パッド 30が受け台 26の下方力も挿入され、下型 14の下面に当接される。これにより、下型 14が吸着パッド 30により真空吸着保持されて受け台 26に一時的に固定されるとともに、この下型 14を介して胴型 12もテーパー係止部 22、 24の係止作用により受け台 26に一時的に固定される。

[0040] 次に、前記の如く構成された金型 10を利用して、成型済みの光学素子 16を金型 1 0から取り出し、新たなガラス素材を配置するその手順を説明する。

[0041] まず、吸着パッド 30によって下型 14を吸着保持することにより、下型 14及び胴型 1 2を受け台 26に一時的に固定する。次に、矢印 C方向に昇降自在に設けられた把持装置 32を用いて上型 18の鍔部 19を側面力も把持し、上型 18を胴型 12から引き抜く。この時、下型 14は、吸着パッド 30によって受け台 26に固定されているので、上型 1 8の引き抜き時に、上型 18と共に胴型 12から引き抜かれることはない。次いで、昇降自在に設けられた図示しな、真空吸着手段を胴型 12の内部に挿入し、成型済みの光学素子 16を真空吸着して胴型 12から取り出す。この後、昇降自在に設けられた図示しない別の真空吸着手段によって真空吸着した新たなガラス素材を胴型 12の内部に挿入し、真空吸着を開放して、ガラス素材を下型 14の成型面に載置する。しかる後に、把持装置 32によって上型 18を再び胴型 12に挿入し、この後、把持装置 32 を開放して上型 18の組み付けを行う。以上の手順により、光学素子 16とガラス素材の入れ替えが完了する。

[0042] このように図 1の金型 10によれば、吸着パッド 30の真空吸着によって下型 14を固定することにより、鍔部を有しない下型 14でも胴型 12を介さずに容易に受け台 26に固定することができる。更に、胴型 12と下型 14にテーパー係止部 22、 24を設けているので、下型 14を介して胴型 12を受け台 26に容易に固定することができる。更にまた、テーパー係止部 22、 24によって、比較的ゆるいはめ合いであっても、下型 14と胴型 12の軸芯を容易に略一致させることができるばかりか、下型 14と上型 18とを精度良く組み立てることができ、胴型 12を持ち上げた際も下型 14が胴型 12から抜け落ちることが無ぐ下型 14を下力も支える搬送手段を別途用意する必要がない。

[0043] 図 2も図 1と同様に、本発明の光学素子の成型装置及び光学素子の成型方法を説明するために参考として用いた金型 50の断面図であり、図 1に示した金型 10と同一又は類似の部材については同一の符号を付し、その説明は省略する。

[0044] 図 2に示す金型 50は、胴型 12の側面に形成した開口部 13、 13…を介して下型 14 を把持する把持装置 52が設けられて、る。この把持装置 52のチヤッキング爪 52A、 52Α· ··が開口部 13、 13· ··に揷通されることにより下型 14がチヤッキング爪 52A、 52 A…によって把持され、この状態で胴型 12に対する上型 18の取り外し、取り付けが把持装置 32によって行われる。

[0045] 図 2の金型 50によれば、把持装置 52によって胴型 12の開口部 13、 13…から下型 14を把持することにより、鍔部を有しない下型 14でも受け台 26に容易に固定でき、更に胴型 12の上下動をもチヤッキング爪 52A、 52A…によって制限することができる。なお、開口部 13は、チヤッキング用として専用に形成してもよいが、あら力じめ形成されている開口部、すなわち、胴型 12内の酸素を窒素等の不活性ガスにガス置換するための開口部、胴型 12内の負圧を防止するための開口部を利用してもよい。

[0046] 図 3は、本発明の第 1の実施の形態を示した断面図であり、図 1に示した金型 10と同一又は類似の部材については同一の符号を付し、その説明は省略する。

[0047] 図 3に示す第 1の実施の形態は、金型 60の胴型 12の上面 12Aに当接され、胴型 1 2を下向きに押圧して受け台 26に固定する押圧装置 (押圧手段) 62が設けられている。この押圧装置 62、 62···の爪状押圧部材 62A、 62A…によって胴型 12を受け台 26に固定しつつ、胴型 12に対する上型 18の取り外し、取り付けが把持装置 32によつて行われる。

[0048] また、下型 14は、テーパー状係止部 24Aを介して胴型 12のテーパー状係止部 22 Aに係合され、押圧装置 62により胴型 12を介して受け台 26に固定されている。なお、実施の形態では、係合部としてテーパー状係止部 22A、 24Aを例示した力これに限定されるものではなぐ胴型 12を介して下型 14を受け台 26に固定できる形状（例えば凸形状)及び機能を備えた係合部であればよ!、。

[0049] 図 3の実施の形態によれば、胴型 12を受け台 26に押圧装置 62によって押圧したので、胴型 12の外周に配置される外胴の有無に関わらず、胴型 12及び下型 14を受け台 26に容易に固定することができる。

[0050] 図 4は、本発明の第 2の実施の形態を示した断面図であり、図 1に示した金型 10と同一又は類似の部材については同一の符号を付し、その説明は省略する。

[0051] 図 4に示す第 2の実施の形態は、胴型 12よりも僅かに大きな内径を有する筒状のガイド部材 (ガイド部材) 64が胴型 12の上面 12Aに載置されている。そして、ガイド部材 64の内周に沿わせるように上型 18を真空吸着保持して上下させる吸着パッド (上型吸着保持手段) 66を有し、吸着パッド 66が上下移動されることにより、胴型 12に対する上型 18の取り外し、取り付けが行われる。この吸着パッド 66によって上型 18を吸着保持することにより、鍔部を有しない上型 18でも側面を傷つけたり変形させたりすること無ぐ容易に胴型 12に抜き差しすることができる。

[0052] なお、ガイド部材 64の内径は、胴型 12の内径よりも大きい。また、ガイド部材 64と上型 18との間の隙間、すなわち、ガイド部材 64の内径と上型 18の外径との差 (以下、 Δ 1という）は、胴型 12と上型 18との間の隙間、すなわち、胴型 12の内径と上型 18 の外径との差（以下、 Δ 2という）の 50倍以下である。 Δ 1が Δ 2の 50倍を超えると上型 18の挿入 ·取り外し時に上型 18が傾斜して齧るおそれがある。厶1が厶2の30倍以下であると好ましぐ Δ 1が Δ 2の 20倍以下であると更に好ましぐ厶1が厶2の10 倍以下であると特に好ま、。 [0053] 一方、 Δ 1が Δ 2と同程度であるとガイド部材 64の使用効果が小さいため、 Δ 1が Δ 2の 1. 5倍以上であると好ましぐ Δ 1が Δ 2の 2倍以上であると更に好ましい。例えば、胴型 12と上型 18との間の隙間 Δ 2を約 5 μ mに設定し、ガイド部材 64と上型 18との間の隙間 Δ 1を 10〜50 m、より好ましくは 15〜25 m大きく設定する設計などが好まし!/、態様の一例として挙げられる。

[0054] また、ガイド部材 64の下部内周面には先が広がったテーパー面 (軸合致手段） 64 Aが形成され、このガイド部材 64を把持する把持装置 32によってガイド部材 64を月同型 12の上面 12Aに載置することにより、ガイド部材 64の重さによって、ガイド部材 64 の内径中心軸 Dと胴型 12の内径中心軸 Aとが自動で略一致するようになっている。

[0055] 更に、把持装置 32は、ガイド部材 64を介して胴型 12を受け台 26に矢印 E方向に押圧する押圧手段としての機能も有して、る。

[0056] 図 4の実施の形態によれば、胴型 12より僅かに大きな内径を有するガイド部材 64を用いることにより、はめ合いの厳しい金型でも、上型 18の傾きを防止しつつ齧ること無く上型 18を胴型 12に対して容易に抜き差しすることができる。

[0057] また、ガイド部材 64のテーパー面 64Aを利用して、ガイド部材 64の軸心 Dと胴型 1 2の軸心 Aを略一致させることにより、コンプライアンス機構を設けることなぐ上型 18 と胴型 12の軸心のずれを防止しつつ、上型 18が胴型 12に齧ること無く容易に抜き差しすることがでさる。

[0058] 更に、把持装置 32によりガイド部材 64を介して胴型 12を受け台 26に押さえ付けることにより、他の手段を別途用意すること無ぐ胴型 12を受け台 26に容易に固定することができる。

[0059] 図 5は、本発明の第 3の実施の形態を示した断面図であり、図 4に示した第 2の実施の形態と同一又は類似の部材については同一の符号を付し、その説明は省略する。

[0060] 図 5に示す金型 70は、ステンレス製の外胴 72に胴型 12を挿入して構成される二重胴型の金型である。胴型 12は、外胴 72の内周に形成されたフランジの上面平坦部 7 2Aに載置されることにより、外胴 72からの脱落が防止されている。また、下型 14は、その下部に形成されたテーパー係止部 24が外胴 72のテーパー係止部 74に係合されることにより、外胴 72からの脱落が防止されている。 [0061] 更に、ガイド部材 64の下部外周面にはテーパー面 64Aが形成され、このテーパー面 64Aが胴型 12の上面に形成されたテーパー面 12Aに係合されることにより、ガイド部材 64の内径中心軸 Dと胴型 12の内径中心軸 Aとが略一致されて、る。

[0062] また、ガイド部材 64の内周に沿わせるように上型 18を真空吸着保持して上下させる吸着パッド 66を有し、吸着パッド 66が上下移動されることにより、胴型 12に対する上型 18の取り外し、取り付けが行われる。更にまた、把持装置 32は、ガイド部材 64を介して胴型 12を受け台 26に矢印 E方向に押圧する押圧手段としての機能も有している。このように胴型 12を受け台 26に向けて押圧することにより、胴型 12が上面平坦部 72Aに載置されている外胴 72を受け台 26に押圧固定することができる。

[0063] 図 6は、本発明の第 4の実施の形態を示した断面図であり、図 5に示した第 3の実施の形態と同一又は類似の部材については同一の符号を付し、その説明は省略する。

[0064] 図 6に示す光学素子の成型装置は、下型 14を吸着保持する吸着パッド（下型吸着保持手段) 30を備えている。

[0065] この光学素子の成型装置によれば、吸着パッド 30によって下型 14を吸着保持しつつ、胴型 12に対する上型 18の取り外し、取り付けを行う。これにより、ガイド部材 64 に沿った上型 18の抜き差しを確実に行うことできる。

[0066] なお、吸着パッド 30を設けることなく上型 18を取り外そうとすると、略密閉状態の胴型内が負圧になるため、上型 18の取り外しが困難であり、また、無理に上型 18を取り外そうとすると下型 14が上型 18と一緒に持ち上げられ、組ばらしができなくなるという不具合が生じる場合がある。

[0067] そこで、図 6の光学素子の成型装置の如ぐ下型 14を吸着する吸着パッド 30を設けることによって、上記不具合を解消することができる。

[0068] 図 7は、本発明の第 5の実施の形態を示した断面図であり、図 6に示した第 4の実施の形態と同一又は類似の部材については同一の符号を付し、その説明は省略する。

[0069] 図 7に示す光学素子の成型装置は、胴型 12の下端部に係合するフランジ (係合部 ) 76が下型 14の下部に形成されている。

[0070] この光学素子の成型装置によれば、ガイド部材 64を介して胴型 12を受け台 26に押圧した状態で、胴型 12に対する上型 18の取り外しを吸着パッド 66によって行う。この時、下型 14は、ガイド部材 64によって押圧されている胴型 12の下端部にフランジ 76が係合されているので、胴型 12からの抜けが阻止されている。これにより、図 6に示した光学素子の成型装置と同様に、上型の取外し時に下型を確実に固定できる効果が得られる。なお、胴型 12からの下型 14の抜けを防止する係合部は、フランジ 76 に限らず如何なる形状であってもよぐまた、下型 14に形成せず胴型 12に形成してちょい。

[0071] ところで、従来力も知られている図 10の二重胴型の金型 100では、胴型 102及び下型 104を何らかの把持手段によって把持しなければ胴型 102から上型 106を取り外す（引き抜く）ことができないが、胴型 102の外側に外胴 108があるため、外胴 108 が邪魔になり胴型 102を把持することができない。この状態で上型 106を無理に引き抜こうとすると、きびしいはめ合いから生じる真空圧により胴型 102及び下型 104が上型 106と共に外胴 102から引き抜かれてしまう。これでは、金型 100の組ばらし (分解 )ができず、光学素子 16とガラス素材の入れ替えが困難になる。

[0072] このため従来では、まず、外胴 108を胴型 102からー且取り外す。この場合、胴型 1 02と外胴 108のはめ合いは緩く設定されているため、外胴 108は胴型 102から簡単に取り外される。次に、胴型 102及び下型 104を把持手段によって把持する。この状態で上型 106を胴型 102から取り外し、光学素子 16とガラス素材の入れ替えを行う。次いで、上型 106を胴型 102に挿入し、この後、外胴 108を胴型 102に被せる。以上の作業により、光学素子 16とガラス素材の入れ替え作業が終了する。このように従来では、金型 100の組ばらしに時間が力かるため、光学素子 16の成型に力かるサイクルタイムが長くなると!、う欠点があった。

[0073] これに対して図 5〜図 7の二重胴型の金型 70は、ガイド部材 64によって胴型 12を受け台 26に押圧したので、外胴 72を胴型 12から取り外すことなく上型 18を胴型 12 力も抜き取ることができる。これにより、光学素子 16とガラス素材の入れ替えに要するタクト時間を短縮できるので、光学素子の成形に力かるサイクルタイムを大幅に短縮できる。

[0074] なお、図 3の第 1の実施の形態では、上型 18の把持装置 32として複数本のチヤッキング爪 32A、 32A…を有する装置を例示した力これに限定されるものではなぐ図 4、図 5の如く吸着パッド 66によって把持し、昇降させてもよい。

産業上の利用可能性

本発明は、上型、下型及び胴型からなる金型に対し、加熱、加圧成型、冷却の各工程を順次移送しながら施す他の光学素子の成型方法に適応できる。

Claims

請求の範囲

[1] 筒状の胴型と該胴型に嵌入される上型及び下型とからなる金型を移送しながら、該金型に対し加熱、加圧成型及び冷却の各工程が順次施される光学素子の成型装置において、

前記胴型を下向きに押圧して受け台に固定する押圧手段が設けられ、該押圧手段によって胴型を受け台に固定しつつ、前記胴型に対する上型の取り外し、取り付けが行われることを特徴とする光学素子の成型装置。

[2] 前記下型は、係合部を介して前記胴型に係合され、胴型を介して前記受け台に固定される請求項 1に記載の光学素子の成型装置。

[3] 前記係合部は、前記下型の下部外周に形成された凸部又はテーパー部である請求項 2に記載の光学素子の成型装置。

[4] 前記押圧手段として、筒状のガイド部材であって、該ガイド部材の内径は、前記月同型の内径よりも大きぐかつ、該ガイド部材と前記上型との間の隙間が、前記胴型と前記上型との間の隙間の 50倍以下であるガイド部材を備え、該ガイド部材が胴型の上部に載置されることにより、該ガイド部材を介して胴型を前記受け台に固定する請求項 1に記載の光学素子の成型装置。

[5] 前記ガイド部材の内径中心軸と前記胴型の内径中心軸とを略一致させる軸合致手段が設けられている請求項 4に記載の光学素子の成型装置。

[6] 前記上型を吸着保持する上型吸着保持手段が設けられ、該上型吸着保持手段によって前記上型を吸着保持しつつ、前記胴型に対する前記上型の取り外し、取り付けが行われる請求項 1に記載の光学素子の成型装置。

[7] 前記下型を吸着保持する下型吸着保持手段が設けられ、該下型吸着保持手段によって前記下型を吸着保持しつつ、前記胴型に対する前記上型の取り外し、取り付けが行われる請求項 1に記載の光学素子の成型装置。

[8] 前記下型には、前記胴型に係合される係合部が設けられ、該係合部によって下型が胴型に係合された状態で、前記胴型に対する前記上型の取り外し、取り付けが行われる請求項 1に記載の光学素子の成型装置。

[9] 筒状の胴型と該胴型に嵌入される上型及び下型とからなる金型を移送しながら、該金型に対し加熱、加圧成型及び冷却の各工程が順次施される光学素子の成型方法において、

押圧手段によって前記胴型を下向きに押圧して受け台に固定しつつ、前記胴型に対する上型の取り外し、取り付けを行うことを特徴とする光学素子の成型方法。

[10] 前記下型は、係合部を介して前記胴型に係合され、胴型を介して前記受け台に固定される請求項 9に記載の光学素子の成型方法。

[11] 前記係合部は、前記下型の下部外周に形成された凸部又はテーパー部である請求項 10に記載の光学素子の成型方法。

[12] 前記押圧手段として、筒状のガイド部材であって、該ガイド部材の内径は、前記月同型の内径よりも大きぐかつ、該ガイド部材と前記上型との間の隙間が、前記胴型と前記上型との間の隙間の 50倍以下であるガイド部材を備え、該ガイド部材を胴型の上部に載置し、該ガイド部材を介して胴型を前記受け台に固定しつつ、該ガイド部材の内周に沿わせるように前記上型を上下させることにより、前記胴型に対する上型の取り外し、取り付けを行う請求項 9に記載の光学素子の成型方法。

[13] 軸合致手段によって、前記ガイド部材の内径中心軸と前記胴型の内径中心軸とを略一致させる請求項 12に記載の光学素子の成型方法。

[14] 上型吸着保持手段によって前記上型を吸着保持しつつ、前記胴型に対する前記上型の取り外し、取り付けを行う請求項 9に記載の光学素子の成型方法。

[15] 下型吸着保持手段によって前記下型を吸着保持しつつ、前記胴型に対する前記上型の取り外し、取り付けを行う請求項 9に記載の光学素子の成型方法。

[16] 前記下型に設けた係合部によって下型を前記胴型に係合させた状態で、前記月同型に対する前記上型の取り外し、取り付けを行う請求項 9に記載の光学素子の成型方法。